(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-23
(54)【発明の名称】バイオ医薬品プロセス用のタンク
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20250116BHJP
【FI】
C12M1/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538082
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2022087060
(87)【国際公開番号】W WO2023118191
(87)【国際公開日】2023-06-29
(32)【優先日】2021-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】524235234
【氏名又は名称】イー・エス・ティー・アール バイオシステムズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】ESTR Biosystems GmbH
【住所又は居所原語表記】Stegemuehlenweg 5, 37083 Goettingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン シュラック
【テーマコード(参考)】
4B029
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029BB01
4B029DF01
(57)【要約】
本発明は、バイオ医薬品プロセスラインのタンク1用のリザーバ要素(200)に関する。リザーバ要素(200)は、本体要素(210)と、少なくとも1つのシェル要素(220、222)を含む。本体要素(210)は、第1端部(212)と、第1端部の反対側にある第2端部(214)を有し、第1端部と第2端部のそれぞれがオリフィスを含む。そこでは本体要素は第1端部から第2端部に向かって先細になっている。そこでは内容積は第1端部と第2端部との間に画定される。本体要素および/または少なくとも1つのシェル要素は、少なくとも1つの溝(216、217)を含む。そこでは少なくとも1つのシェル要素(220、222)は本体要素(210)に固定して取り付けられ、本体要素と少なくとも1つのシェルが溝を挟んで少なくとも1つのチャネルを形成してある。少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くように適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオ医薬品プロセスラインのタンク(1)用のリザーバ要素(200)であって、リザーバ要素(200)は以下のものを含む。
本体要素(210)と、
少なくとも1つのシェル要素(220、222)と、を有し、
本体要素(210)は、第1端部(212)と、第1端部の反対側にある第2端部(214)を有し、第1端部と第2端部のそれぞれがオリフィスを含み、そこでは本体要素は第1端部から第2端部に向かって先細になっており、
内容積は第1端部と第2端部との間に画定されており、
そこでは本体要素および/または少なくとも1つのシェル要素は、少なくとも1つの溝(216、217)を含み、
そこでは少なくとも1つのシェル要素(220、222)は、本体要素(210)に固定して取り付けられ、本体要素と少なくとも1つのシェルが溝を挟んで少なくとも1つのチャネルを形成しており、
少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くように適合されている。
【請求項2】
請求項1記載のリザーバ要素(200)において、
本体要素は第1端部(212)に平行な平面において多角形の断面を有し、そこでは少なくとも1つのシェル要素(220、222)は板状であってもよい。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリザーバ要素(200)において、
内容積および第1オリフィスは、リザーバ要素(200)がさらなるリザーバ要素(200’)を少なくとも部分的に受け入れるように適合されるように構成されており、その結果、複数のリザーバ要素を相互に積み重ねることができる。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか一項に記載のリザーバ要素(100;300)において、
プレート要素(130;330)をさらに備え、
プレート要素(130、330)は、本体要素の第1端部(112;312)、あるいは第2端部(114;314)に密封して取り付けられ、それぞれのオリフィスを覆い、
そこではプレート要素は少なくとも1つのチャネルを含むことができ、
そこでは少なくとも1つのチャネルは、本体要素および少なくとも1つのシェル要素によって形成されるチャネルと連通する。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか一項に記載のリザーバ要素(100;300)において、
内容積のアンダーカットを少なくとも部分的に覆うように適合されたインサート(140;340)をさらに備えている。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか一項に記載のリザーバ要素(100;200;300)において、
リザーバ要素(100;200;300)の第1端部および/または第2端部は、リザーバ要素を別のリザーバ要素に密封して接続するための密封面(215)を含む。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか一項に記載のリザーバ要素(100;200;300)において、
リザーバ要素(100;200;300)、特にプレート要素には、以下の少なくとも1つが含まれる。
●少なくとも1つのポート(230;337、338)。そこでは少なくとも1つのポートはそれぞれのチャネル(336)に関連付けられる。そこではポートは以下のポートタイプを含むポートタイプのグループから選択される。
〇流体入口ポート
〇気体入口ポート
〇流体出口ポート
〇加熱・冷却ポート
〇気体出口ポート
〇セルブリードポート
〇細胞転送ポート
〇媒体供給ポート
〇媒体除去ポート
〇要素相互接続ポート
〇タンク相互接続ポート
●少なくとも1つのフィルタ。そこでは少なくとも1つのポート(230)は少なくとも1つのフィルタによってカバーされてもよい。そこではフィルタは、以下のフィルタタイプを含むフィルタタイプのグループから選択されてもよい。
〇プレフィルタ
〇無菌フィルタ
〇バクテリアフィルタ
〇ウイルスフィルタ
〇マイコプラズマフィルタ
〇限外ろ過フィルタ
〇ダイアフィルトレーションフィルタ
〇細胞フィルタ
〇セルハーベストフィルタ
〇流体フィルタ
〇バイオバーデンフィルタ
〇エアフィルタ、および
〇気体フィルタ
そこでは少なくとも1つのポートを覆うフィルタは、加熱および/または冷却されてもよい。
●少なくとも1つのバルブ(339)。少なくとも1つのバルブは、少なくとも1つのチャネル(336)に関連付けられている。そこではバルブは、流量制御バルブ、カットオフバルブ、圧力リリーフバルブ、あるいは逆止弁であってもよい。そこでは機械式、あるいは磁気式のバルブであり得るバルブは、作動装置(152)によってタンクの外側から作動可能に構成されている。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか一項に記載のリザーバ要素(100;200;300)において、
少なくとも1つのアセンブリ接続装置(160、260、260’)、および/または少なくとも1つの対応するアセンブリ接続装置(262、262’、362)を備えており、そこでは
アセンブリ接続装置(160、260、260’)および対応するアセンブリ接続装置(262、262’、362)は、相互に係合するように構成され、少なくとも2つの隣接するリザーバ要素のアセンブリを固定する。そこではアセンブリ接続装置(262、262’、362)と対応するアセンブリ接続装置(262、262’、362)が係合する。
【請求項9】
タンク(1)に組み立てられるように適合されたタンクアセンブリであって、そこではタンクアセンブリは、
請求項4から8のいずれか一項に記載の少なくとも2つのリザーバ要素(100;300)を含み、
そこではタンクアセンブリは特に、請求項4から8のいずれか一項に記載の2つのリザーバ要素(100;300)と、請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも2つのさらなるリザーバ要素(200)を含み、
そこでは各リザーバ要素の第1端部は特に同じサイズおよび形状を有し、各リザーバ要素の第2端部は特に同じサイズおよび形状を有する。
【請求項10】
バイオ医薬品プロセスライン用のタンク(1)であって、タンクは以下のものを含む。
上部プレート要素(100)、オプションで少なくとも1つの側壁要素(200、200’、200’’、200’’’)、および底部プレート要素(300)を有し、
そこでは少なくとも1つの側壁要素は、請求項1から3、または5から8のいずれか一項に記載されているリザーバ要素であり、
そこでは上部プレート要素(100)と下部プレート要素(300)は、請求項4から8のいずれか一項に記載されているリザーバ要素であり、
そこでは上部プレート要素、オプションで少なくとも1つの側壁要素、および底部プレート要素は、少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるための少なくとも1つのリザーバ(500)を形成するように配置され、
そこではタンク(1)はさらに
少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くための少なくとも1つのチャネルを備える。そこでは少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または少なくとも1つの底部プレート要素の内部に延在する。そこでは少なくとも1つのチャネルの長さは、それぞれの上部プレート要素、側壁要素、および/または底部プレート要素の厚さよりも長い。
【請求項11】
請求項10に記載の複数のタンク(1、2)を備えるタンクシステムであって、
そこでは第2タンク(2)が第1タンク(1)に直接隣接して配置される場合、第1タンク(1)は少なくとも1つのコネクタ装置によって第2タンク(2)と相互接続可能であり、
そこでは第1タンク(1)が第2タンク(2)と相互接続されている場合、第1タンクの少なくとも1つ以上のチャネルは、第2タンク(2)のそれぞれのチャネルに流体的に接続される。
【請求項12】
請求項11に記載のタンクシステムにおいて、
支持レール(7015、8015)をさらに備え、
支持レールは少なくとも2つのタンク(1、2)を支持するように適合されており、
タンクが支持レールで支持されている場合、高さ寸法の異なるタンクの上部プレート要素が同一レベルに配置されるように、支持レールはそれぞれのタンクの上部プレート要素(100)および/または側壁要素(200)と係合する。
【請求項13】
請求項11または12に記載のタンクシステムにおいて、
さらに、少なくとも1つのフォイル部分(8500)を備えるクリーンルームバッグ(8000)を備え、
クリーンルームバッグは、少なくとも1つのタンク(1、2)を受け入れるように構成されており、
また、少なくとも1つのタンクがクリーンルームバッグに受け入れられた場合、少なくとも1つのタンクにクリーンルーム環境を提供し、
そこでは少なくとも1つのタンクは、クリーンルームバッグの外側からハンドリングマニピュレータを用いてアクセス可能であり、
システムはオプションでさらに
少なくとも1つのアダプタプレート要素(600)を備え、
クリーンルームバッグの少なくとも1つのフォイル部分(8500)のうちの1つが、タンクのアクセスプレート要素(100)とアダプタプレート要素(600)の間に挟まれるように、アダプタプレート要素は少なくとも1つのタンクに関連付けられ、少なくとも1つのタンクに取り付けることができ、
そこでは上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および底部プレート要素のうちの少なくとも1つは、アクセスプレート要素であり、
アダプタプレート要素(600)は、アクセスプレート要素を介して、クリーンルームバッグの外側からタンクへのアクセスを提供するための少なくとも1つのアクセスポイントを画定するように構成されており、そこではさらにオプションで
アダプタプレート要素(600)は、タンクのフィルタおよび/またはポートを少なくとも部分的に覆うように構成されており、そこではフォイル部分(8500)は、タンクへのアクセスを提供するために、タンクのフィルタおよび/またはポートの領域に取り外し可能および/または穿孔可能なように設けられており、そこではアダプタプレート要素(600)は、タンクのバルブの作動装置および/または操作装置を支持するように構成されており、そこではフォイル部分は、タンクへのアクセスを提供するために、バルブの作動装置および/またはタンクの操作装置の領域に取り外し可能および/または穿孔可能なように設けられる。
【請求項14】
請求項11から13までのいずれか一項に記載のシステムで使用されるクリーンルームバッグ(8000)であって、
クリーンルームバッグ(8000)は、少なくとも1つのタンク(1、2)を受け入れるように構成されている。また、少なくとも1つのタンクがクリーンルームバッグに受け入れられた場合、少なくとも1つのタンクにクリーンルーム環境を提供し、
そこではアクセスプレート要素を介して、少なくとも1つのアクセスポイントを画定してクリーンルームバッグの外側からタンクへのアクセスを提供するために、クリーンルームバッグは、タンクのアクセスプレート要素(100)とアダプタプレート要素(600)との間に挟まれるように適合された少なくとも1つのフォイル部分(8500)を備えており、クリーンルームバッグは、受け入れた少なくとも1つの組み立てられたタンクをクリーンルームバッグ内に導くための少なくとも1つの支持レール(8015)をさらに備えており、
支持レールは少なくとも2つのタンクを支持するように適合されており、タンクが支持レールで支持されている場合、高さ寸法の異なるタンクの上部プレート要素が同一レベルに配置されるように、支持レールはそれぞれのタンクの上部プレート要素(100)および/または側壁要素(200)と係合することができ、
そこでは支持レールは、クリーンルームバッグが折り畳み可能であるように、複数の支持レールセクション(8015a、8015b、8015c)から形成されてもよい。
【請求項15】
請求項10に記載のタンク(1)を組み立てる方法(2000)であって、以下のステップを含む。
上部プレート要素を提供し(2100)、
オプションで、少なくとも1つの側壁要素を提供し(2200)、
底部プレート要素を提供し(2300)、
少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるためのリザーバを形成するように、上部プレート要素、底部プレート要素、およびオプションで少なくとも1つの側壁要素を組み立てる(2400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク用のリザーバ要素、タンクアセンブリ、タンク、クリーンルームバッグ及びタンクを組み立てる方法を含むタンクシステムに関する。タンクおよび/またはタンクシステムは、バイオ医薬品プロセスで使用することができる。さらに、例えば、バイオ医薬品の製造および/または開発、および/またはその商業的製造プロセスの開発および/または試験に適合させることができる。
【0002】
背景技術
例えば、がん治療、遺伝子治療、および/または細胞治療のための薬物としてのバイオ医薬品は、現在いわゆるバイオ医薬品プロセスラインで製造されている。
【0003】
既知のバイオ医薬品プロセスラインは、例えば、パイプなどで相互接続されたステンレスタンク。これらの既知のバイオ医薬品プロセスラインは、メンテナンスと洗浄が困難である。したがって、使用後に交換される、いわゆる使い捨てバイオ医薬品プロセスラインが開発された。ここで、バッグなどの使い捨て容器は、バイオ医薬品プロセスラインの抽出物および/または生成物のリザーバとして機能する。前記バッグは通常、ステンレス容器などの剛性容器内で支持され、ホースによって相互接続されている。これらの既知の剛性容器はかさばり、使用しないときは多くの保管スペースを必要とし、保管および輸送コストの増加につながる。
【0004】
従来の使い捨てバイオ医薬品プロセスラインをセットアップするには、複雑な手動組み立てが必要であり、コストの増加につながる。例えば、複数のバッグ、フィルタ、センサー、バルブなどをさまざまなホースを介して接続する必要がある。複雑な組み立ては、不適切または不正確な組み立てにより、バイオ医薬品プロセスラインの機能不全の重大なリスクを伴う。
【0005】
さらに、稼働時間中に使い捨て容器の(ホースベースの)接続部および/またはバッグが漏れる傾向があるため、使い捨てバイオ医薬品プロセスラインは損傷しやすい。漏れや機能不全が発生した場合、バイオ医薬品プロセスライン全体の抽出物および/または生成物が損傷したり、さらには破壊される可能性がある。したがって、バイオ医薬品プロセスラインのオペレーターにとっては重大な経済的リスクが存在する。
【0006】
さらに、既知の使い捨てバイオ医薬品プロセスラインは通常、抽出物および/または生成物と接触する異なる材料を含むため、その汚染のリスクが増大する。この汚染は、バイオ医薬品プロセスラインのさまざまな材料に最初から含まれている抽出物、特に浸出物によって引き起こされる可能性がある。さらに、細胞増殖および/または他の生化学プロセスステップが歪む可能性がある。特に、ポンプを使用して抽出物および/または生成物を含む流体をバイオ医薬品プロセスラインを通して輸送する場合、摩耗により粒子が生成する危険性がある。
【0007】
使い捨てバイオ医薬品プロセスラインは複雑に構築されているため、バイオ医薬品プロセスラインの組み立てと操作の自動化は非常に難しく、費用がかかる。したがって、特に小規模なバイオ医薬品プロセスラインは手動で操作されることが多い。
【0008】
さらに、使い捨てバイオ医薬品プロセスラインのすべてのコンポーネントは、洗浄やリサイクルが不可能な場合が多いため、使用後は通常廃棄される。
【0009】
上記を考慮して、本発明の目的は、タンク用のリザーバ要素、バイオ医薬品プロセスラインで使用できるタンクおよびタンクシステム、ならびにタンクアセンブリおよび上記の欠点を克服するタンクを組み立てる方法を提供することである。さらに、バイオ医薬品の開発と製造に必要なコストと時間が削減され、それによって市場投入までの時間が短縮される。特に、タンクおよび/またはタンクシステムは、自動的に操作されるように適合される必要がある。さらに、タンクおよび/またはタンクシステムは、自動的に組み立てられるように適合される必要がある。
【0010】
発明の概要
この目的は、独立請求項に記載のリザーバ要素、タンク、タンクアセンブリ、タンクシステム、クリーンルームバッグ、およびタンクを組み立てる方法によって達成される。さらなる実施形態は、従属請求項および以下の説明に記載されている。特許請求の範囲に含まれない説明の部分は、特許請求の範囲に記載された発明をより良く理解するために提供されている。
【0011】
特に、この目的は、バイオ医薬品プロセスラインのタンク用のリザーバ要素によって達成され、リザーバ要素は本体要素と少なくとも1つのシェル要素を含む。本体要素は、第1端部と、第1端部の反対側にある第2端部を有し、第1端部と第2端部のそれぞれがオリフィスを含む。そこでは本体要素は第1端部から第2端部に向かって先細になっている。さらに、内容積は第1端部と第2端部との間に画定される。
【0012】
本体要素および/または少なくとも1つのシェル要素は、少なくとも1つの溝を含む。そこでは少なくとも1つのシェル要素は本体要素に固定して取り付けられ、本体要素と少なくとも1つのシェルが溝を挟んで少なくとも1つのチャネルを形成してある。少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くように適合されている。
【0013】
本体要素は、射出成形、射出ブロー成形、押出ブロー成形、または熱成形によって製造できる。したがって、内容積の側壁は一体的に形成され、それによってリザーバ要素、特に前記リザーバ要素を含むタンクの気密性が増大する。さらに、射出成形または熱成形要素を効率的なコストと高品質で製造できる。したがって、従来のバイオ医薬品プロセスラインと比較して、バイオ医薬品プロセスライン用のタンクおよび/またはタンクシステムのコストを削減することができる。
【0014】
少なくとも1つのシェル要素は、本体要素の単一の側壁または複数の側壁に固定して取り付けることができる。例えば、シェル要素は、取り付けられたときに本体要素のすべての側壁を覆うように形成されてもよい。別の実施形態では、シェル要素は、取り付けられたときに本体要素の1つだけ、または一部(少なくとも2つ)の側壁を覆うように形成されてもよい。シェル要素は、本体要素の内側または外側に取り付けることができる。
【0015】
特に、少なくとも1つのシェル要素は、好ましくは超音波溶接、または他の適切な溶接技術(レーザー溶接、透明対透明溶接、摩擦溶接)によって本体要素に溶接できる。さらなる実施形態では、少なくとも1つのシェル要素は本体要素に接着される。例えば、ホットメルト接着剤などの反応性または非反応性接着剤を使用することができる。加えて、または代わりに、シェル要素は、ネジ、ボルト、リベットなどの機械的締結具を使用して本体要素に取り付けることができる。本体要素とシェル要素をシールするために、さらにシール部材が設けられてもよい。シール部材は、シールガスケットまたは液体シールであってもよい。
【0016】
本体要素とシェル要素はプラスチック材料、好ましくは同じプラスチック材料から形成されたほうがいい。例えば、本体要素とシェル要素は、COC(環状オレフィンコポリマー)、COP(環状オレフィンポリマー)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)などから形成されてもよい。
【0017】
少なくとも1つの本体要素および/または少なくとも1つのシェル要素に含まれる溝は、任意の適切な断面(例えば、半円形、三角形、四角形など)を有し得る。特に、第1溝が本体要素に形成され、対応する第2溝がシェル要素に形成され得る。したがって、シェル要素を本体要素に取り付けるとき、第1および第2の溝によってチャネルが形成される。例えば、円形の断面を有するチャネルは、半円形の第1溝と、対応する半円形の第2溝によって形成することができる。
【0018】
溝を使用してチャネルを形成すると、一体部品の射出成形では形成できない複雑な形状のチャネルを形成できる。例えば、加熱チャネルまたは冷却チャネルは、リザーバ要素の側壁内にいくつかの弯曲を含むことができる。
【0019】
少なくとも1つのチャネルは、入口チャネル、出口チャネル、バイパスチャネル、加熱または冷却チャネル、サンプリングチャネルなどのチャネルタイプを含む、異なるチャネルタイプのグループから選択することができる。
【0020】
入口チャネルは、生化学媒体および/または作動媒体を内容積(すなわち、組み立てられたタンクのリザーバ)に導くために機能する。入口チャネルは、スパージャーを含んでもよく、またはスパージャーに結合されてもよい。出口チャネルは、生化学媒体および/または作動媒体を内容積(すなわち、組み立てられたタンクのリザーバ)から除去するために機能する。さらなる(第2)タンクに接続される場合、第1タンクの出口チャネルは、媒体を第1タンクのリザーバから第2タンクのリザーバに転送するために、第2タンクの入口チャネルに接続することができる。
【0021】
さらに、例えば、フィルタまたは膜から保持液をそれぞれのタンクの内容積に転送して戻すためのチャネルが提供されてもよい。このチャネルは別個の保持液チャネルであってもよく、または前記チャネルは出口チャネルと一体的に形成されてもよい。保持液を転送して戻すために、フィルタまたは膜に作動流体を作動方向と反対の方向に流すことができる。作動方向はろ過時の媒体が流れる方向である。ろ過中、透過液は膜/フィルタを通過し、保持液は膜/フィルタによって保持される。
【0022】
透過液および/またはろ液をそれぞれのタンクおよび/または別のタンクのリザーバの内容積に転送して戻すためのさらなるチャネルが提供されてもよい。透過液および/またはろ液を転送するために、フィルタの透過液側またはろ液側にそれぞれ正圧を加えてもよい。これは、加圧(無菌)空気などの作動媒体をそれぞれ透過液側またはろ液側に導くことによって達成できる。作動媒体は、透過液を透過液チャネルに向かって押し出し、透過液/ろ液を組み立てられたタンクのリザーバ内および/または別のタンクに戻すことができる。流れの方向は、それぞれのチャネルに関連付けられるそれぞれのバルブを開閉することによって制御できる。
【0023】
組み立てられたタンク内の媒体を再循環させために機能するように提供され得るさらなるチャネル(再循環チャネル)。組み立てられたタンクのコンポーネントの湿潤またはフラッシング、特に少なくとも1つのフィルタ(湿潤チャネル、フラッシング流体チャネル)。製品を取り外すため(製品チャネル)。媒体を提供するため(供給チャネル)。透過液/ろ液の除去/再循環のため(透過液またはろ液のチャネル)。廃棄物を除去するため(廃棄物チャネル)。セルハーベストのため(セルブリードチャネル)。細胞の供給、除去、および/または転送のため(細胞チャネル)。組み立てられたタンク(圧力チャネル)の少なくとも一部を加圧するため、および/または組み立てられたタンク、特にクロマトグラフィー用のカートリッジに異なる溶液をロードするため、すなわち洗濯、洗浄、溶出(洗濯チャネル、洗浄チャネル、溶出チャネル)。
【0024】
バイパスチャネルは生化学媒体および/または作動媒体を導くために機能する。そこではバイパスチャネルはリザーバ要素の内容積に(それぞれ組み立てられたタンクのリザーバに)接続されない。したがって、媒体は、組み立てられたタンクのリザーバと連通することなく、組み立てられたタンクをバイパスすることができる。例えば、第1タンクと第3タンクが第2タンクを挟むように3つのタンクが接続されている場合、流体は第2タンクのリザーバを通らずに、第1タンクのリザーバから第3タンクのリザーバに導かれてもよい。この場合、バイパスチャネルは、第2タンクのリザーバ要素内に設けられてもよい。オプションで、バイパスチャネルは、組み立てられたタンクの内容積またはそれぞれのリザーバから流体的に分離または接続されるように適合され得る。これは、例えば、バルブによって達成できる。バルブの位置(開/閉)に応じて、バイパスチャネルはタンクの内容積/リザーバと連通する場合と連通しない場合がある。したがって、プロセスラインでは、媒体がタンクのリザーバをバイパスするか否かによって、媒体の流れを制御できる。
【0025】
たとえば、バイパスチャネルを使用すると、大型貯蔵タンク内のバイオ医薬品プロセスラインのさまざまなタンクで使用される緩衝液などの生化学媒体を提供できる。次いで、前記生化学媒体を貯蔵タンクから、前記媒体(例えば、緩衝液)を必要とするすべてのタンクに転送することができる。タンクが前記媒体を必要としない場合、媒体は前記タンクのリザーバをバイパスすることができる。さらに、バイパスチャネルにバルブを設けることにより、前記媒体の供給(例えば、量や時間)を制御することができる。さらに、バイパスチャネルは、細胞培養などの生化学媒体を、第1タンク(例えば、シードタンク)から、さらなるバイオリアクターとして機能し得る少なくとも2つの後続のタンクに転送するために機能できる。したがって、生化学媒体を単一のタンクから複数の後続のタンクに導くことができる。
【0026】
加熱または冷却チャネルは、調温された加熱または冷却媒体を導き、組み立てられたタンクを調温するために機能する。加熱/冷却の度合いによっては、タンク内に受け入れられた媒体が蒸発または凝縮する場合がある。さらに、リザーバ要素は、少なくとも1つの長手方向リブを備えることができる。少なくとも1つの長手方向リブは、内容積内に突出することができる。加熱または冷却チャネルは、少なくとも1つの長手方向リブ内に少なくとも部分的に受け入れられ得る。したがって、加熱または冷却の効率を高めることができる。
【0027】
サンプリングチャネルは、組み立てられたタンクのリザーバから生化学媒体および/または作動媒体のサンプルを採取するために機能する。したがって、抽出物、生成物、中間生成物、またはプロセスラインを除去して分析できる。
【0028】
特に、リザーバ要素は、本体要素および/または少なくとも1つのシェル要素に形成されたそれぞれの溝によって形成された複数のチャネルを備え得る。これらのチャネルは、リザーバ要素がタンク内に組み立てられ、タンクが使用されている場合に、異なる生化学媒体および/または作動媒体を導くように適合され得る。それぞれのリザーバ要素を提供することにより、組み立てられたタンクの機能をそれぞれのプロセスラインの特定のニーズに適合させることができる。
【0029】
特に、組み立てられたタンクは、異なるチャネルタイプおよび/または同じチャネルタイプの複数のチャネルを備える多機能タンクであってもよい。少なくとも1つのチャネルは、例えば、バルブ、クロージャなどを使用して開閉できる。したがって、必要な機能に応じて、1つまたは複数のチャネルを閉じることができる。これらの閉じたチャネルは使用されない。少なくとも1つの他のチャネルまたは複数の他のチャネルを開いて使用することができ、それによって多機能タンクの機能を画定することができる。
【0030】
複数のチャンセルのうちの少なくとも1つは、内容積(すなわち、組み立てられたタンクのリザーバの一部)と連通していてもよく、および/または内容積をバイパスしていてもよい。さらに、リザーバ要素は、例えば、本体要素および/またはプレート要素の開口部を通して、内容積に挿入できる剛性チューブなどのチューブ内に形成された追加のチャネルを含んでもよい。前記チューブは、前記それぞれの開口部内に密封して受け入れられ得る。追加のチャネルは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を、組み立てられたタンクの外側から前記タンクのリザーバ内に導くように構成され得る。
【0031】
チャネルは、0.1~3インチ(0.25~7.6cm)の範囲、好ましくは0.2~2インチ(0.5~5.1cm)の範囲、より好ましくは0.3~1.5インチ(0.75~3.8cm)の範囲、さらに好ましくは0.5~1インチ(1.2~2.5cm)の範囲、最も好ましくは約0.75インチ(1.9cm)の等価直径を有してもよい。さらに、異なるチャネルは異なる直径を有してもよく、および/またはチャネルの直径は変化してもよい。したがって、例えば、ノズルが設けられてもよい。非円形断面を有するチャネルの等価直径は、円形断面を有するチャネルの直径に等しい。そこでは両方のチャネル(非円形および円形)は同じ断面積を有する。したがって、円形断面のチャネルの場合、直径と等価直径は同じになる。
【0032】
さらに、本体要素は第1端部に平行な平面において多角形の断面を有してもよい。そこでは少なくとも1つのシェル要素は板状であってもよい。多角形の断面により、実質的に平坦な側壁を提供することができる。前記実質的に平坦な側壁は、シェル要素を本体要素のそれぞれの側壁に取り付けるのを容易にする。あるいは、シェル要素は多角形の断面を有し得る。さらに別の代替案では、シェル要素は、取り付けられたときに本体要素の一部だけ、例えば、少なくとも2つの側壁を覆うように形成されてもよい。
【0033】
内容積および第1オリフィスは、リザーバ要素がさらなるリザーバ要素を少なくとも部分的に受け入れるように適合されるように構成されている。その結果、複数のリザーバ要素を相互に積み重ねることができる。したがって、リザーバ要素は、貯蔵スペースをほとんど必要とせず、容易に輸送および保管することができる。したがって、コストをさらに削減することができる。
【0034】
さらに、リザーバ要素はプレート要素を含んでもよい。プレート要素は本体要素の第1端部、あるいは第2端部に密封して取り付けられ、それぞれのオリフィスを覆う。プレート要素は少なくとも1つのチャネルを含むことができる。そこでは少なくとも1つのチャネルは、本体要素および少なくとも1つのシェル要素によって形成されるチャネルと連通する。
【0035】
プレート要素は、例えば、溶接、好ましくは超音波溶接、または他の適切な溶接技術(例えば、レーザー溶接、透明対透明溶接、摩擦溶接)によって本体要素の第1または第2の端部に密封して取り付けられてもよい。さらなる実施形態では、少なくとも1つのシェル要素は本体要素に接着される。例えば、ホットメルト接着剤などの反応性または非反応性接着剤を使用することができる。加えて、または代わりに、プレート要素は、ネジ、ボルト、リベットなどの機械的締結具を使用して本体要素に取り付けることができる。本体要素とプレート要素をシールするために、さらにシール部材が設けられてもよい。シール部材は、シールガスケットまたは液体シールであってもよい。プレート要素は、一体的に形成された部品であってもよく、または複数の層から形成されてもよい。例えば、プレート要素は2層構造を有し得る。そこでは第1層および/または第2層は少なくとも1つの溝を含む。そこでは第1層は第2層に固定して取り付けられ、第1層と第2層が溝を挟み、少なくとも1つのチャネルを形成する。少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くように適合されている。さらに、チャネルは、本体要素および少なくとも1つのシェル要素の間に形成されたチャネルと流体連通していてもよい。
【0036】
リザーバ要素はまた、内容積のアンダーカットを少なくとも部分的に覆うように適合された少なくとも1つのインサートを含んでもよい。インサートは、本体要素および/またはプレート要素と一体的に形成されてもよいし、別個の部品であってもよい。インサートは、内容積のアンダーカットを覆うことを可能にする。その結果、内容積内のデッドスペースを防止または少なくとも減少させることができる。さらに、インサートはリザーバ要素の機械的安定性を高めることができる。
【0037】
代替の実施形態では、リザーバ要素は、3D印刷技術を使用して形成され得る。例えば、本体要素と少なくとも1つのシェル要素は一体的に形成することができる。この実施形態では、溝/チャネルは、リザーバ要素の壁内に一体的に形成され得る。さらに、プレート要素および/またはインサートは、3D印刷技術を使用して形成されてもよい。したがって、リザーバ要素全体を一体的に形成することができる。
【0038】
リザーバ要素の第1端部および/または第2端部は、リザーバ要素を別のリザーバ要素に密封して接続するための密封面を含んでもよい。特に、シール面は、隣接するリザーバ要素間にシール接続を提供するための少なくとも1つのシール部材を含むことができる。シール部材は、第1端部および/または第2端部のオリフィスの周りに円周方向に配置されてもよい。リザーバ要素が組み立てられてタンクのリザーバを形成するとき、シール部材は圧縮される可能性がある。
【0039】
さらに、リザーバ要素、特にプレート要素は、少なくとも1つのポートを含むことができる。そこでは少なくとも1つのポートはそれぞれのチャネルに関連付けられる。そこではポートは以下のポートタイプを含むポートタイプのグループから選択される。
〇流体入口ポート
〇気体入口ポート
〇流体出口ポート
〇加熱・冷却ポート
〇気体出口ポート
〇セルブリードポート
〇細胞転送ポート
〇媒体供給ポート
〇媒体除去ポート
〇要素相互接続ポート
〇タンク相互接続ポート
【0040】
(流体または気体の)入口ポートは、生化学媒体および/または作動媒体を内容積に提供するために機能する。組み立てられた状態では、内容積は、バイオ医薬品プロセスラインのタンクのリザーバの一部を形成することができる。加熱/冷却ポートは、、調温された加熱/冷却流体を加熱/冷却チャネルに供給するために機能する。(流体または気体の)出口ポートは、生化学媒体および/または作動媒体をタンクの内容積またはそれぞれのリザーバから除去するために機能する。媒体供給ポートは、媒体(生化学媒体および/または作動媒体)を内容積/タンクに供給することを可能にする。媒体除去ポートは、媒体(またはその一部)を内容積/タンクから除去することを可能にする。媒体除去ポートは、例えば、フィルタまたは膜から保持液を内容積/タンクに転送して戻すために機能してもよい。タンク相互接続ポートは、第1タンクが第2タンクに接続されるときに、第1タンクのリザーバ要素のチャネルを第2タンクのリザーバ要素の対応するチャネルに流体的に結合するために機能する。以下にさらに詳細に説明するように、例えば、コネクタ装置を使用することによって行われる。タンクは並べて接続してもよいし(第1タンクと第2タンクが隣接する)、または第1タンクを第2タンクの上に設けてもよい。タンク相互接続ポートは、媒体供給ポートおよび/または媒体除去ポートとして機能してもよい。セルブリードポートは、タンクの内容積/リザーバから細胞を除去するために機能する。細胞は廃棄されてもよいし、さらなる処理のためにさらなるタンクまたは他の装置に転送されてもよい。
【0041】
少なくとも1つのポートは、好ましくはハンドリングマニピュレータ(または複数のハンドリングマニピュレータ)によって制御できるバルブに関連付けられ得る。したがって、タンクからの媒体の流れ、およびタンクへの媒体の流れは、バルブの開閉によって制御できる。特に、バルブは、流れを段階的に調整できる流量制御バルブであってもよい。
【0042】
例えば、チャネルは、タンク相互接続ポートおよび流体出口ポートと関連付けることができる。したがって、前記チャネルは、流体などの媒体をタンクの内容積/リザーバから別のタンクに転送するために機能し得る。タンク相互接続ポートにバルブが取り付けられている場合、転送される媒体の流れを制御することができる。代わりに、または加えて、流れは、関連するタンク内の圧力(正圧および/または負圧)を制御することによって制御されてもよい。
【0043】
少なくとも1つのポートは、関連するチャネルを少なくとも部分的に取り囲む突出シュラウドを備えることができる。シュラウドは、関連するチャネルのチャネル端の周りに同心円状に配置され得る。さらに、少なくとも1つのポートは、関連するチャネルを少なくとも部分的に取り囲む凹部を備えることができる。凹部は、関連するチャネルのチャネル端の周りに同心円状に配置され得る。前記ポートは、リザーバ要素および/またはタンクを周囲のさらなる物体と流体的に接続するために、ホース要素またはパイプ要素に結合されるように適合され得る。例えば、前記リザーバ要素を備えたタンクは、従来のバイオ医薬品プロセスラインに統合され得る。チャネル/タンクを接続するために、ポートは、対応するスナップフィット接続部材と係合するように適合されたスナップフィット接続部材を含んでもよい。このスナップフィット接続は、解放可能でしっかりとした接続を提供することができる。
【0044】
さらに、ポート(例えば、タンク相互接続ポートまたは要素相互接続ポート)は、対応するポート(例えば、対応するタンク相互接続ポートまたは要素相互接続ポート)と係合するように適合され得る。そこではポートおよび対応するポートは、ポジティブロックを提供するように形成されています。例えば、リザーバ要素は、第1側にポートを、第2側に対応するポートを備えてもよい。そこでは第1側と第2側は、リザーバ要素の対向する外面であってもよい。前記リザーバ要素を含むタンクは、ポートおよび対応するポートを使用してさらなるタンクと結合することができ、タンクを結合するときにそれぞれのチャネルを流体的に接続することができる。したがって、パイプやホースなどの中間導管要素を使用せずに、媒体を第1タンクから第2タンクに転送することができる。それにより、例えば、バイオ医薬品プロセスラインのタンクシステムが容易に組み立てられ、組み立てミスが起こりにくくなる。
【0045】
さらに、タンクの第1リザーバ要素はポートを備えることができ、タンクの第2リザーバ要素は対応するポートを備えることができる。これにより、リザーバ要素を結合してタンクのリザーバを形成することができる。それによって、タンクを組み立てるときにリザーバ要素のそれぞれのチャネルを流体的に接続することができる。したがって、媒体は、タンクの少なくとも2つのリザーバ要素に形成されたチャネルを通して導かれ得る。それにより、タンクの組み立てが容易になり、組み立てミスが起こりにくくなる。
【0046】
ポートは、シール部材(例えば、ゴムシール、シリコンシール、テフロンシールなどの可撓性シール部材)を含んでもよい。前記シール部材は、半径方向および/または軸方向のシールであってもよい。例えば、シール部材は、シュラウド上および/またはポートの凹部内に設けることができる。シール部材は、リザーバ要素の複数のポートをシールすることを可能にするシールガスケットとして提供されてもよい。さらに、シール部材は、ポート固有で、単一のポートのみをシールするように適合されてもよい。
【0047】
リザーバ要素はまた、タンクを別のタンクに容易に結合することを可能にする相互接続インターフェースを提供するために、複数のタンク相互接続ポートを備えることもできる。さらに、タンクの各リザーバ要素は、タンクの異なるリザーバ要素を容易に結合してタンクを組み立てることを可能にする相互接続インターフェースを提供するために、複数の要素相互接続ポートを備え得る。
【0048】
さらに、それぞれのチャネルに関連付けられた上述の少なくとも1つのポートは、無菌クイックコネクタを備えることができる。これにより、異なる環境でもタンクを相互に無菌的に接続できる。例として、タンクが無菌状態で配送され、例えば、お客様の使用場所に組み立てられるとき、無菌クイックコネクタを使用して前記タンクを接続することができる。
【0049】
さらに、リザーバ要素、特にプレート要素は少なくとも1つのフィルタを含むことができる。そこでは少なくとも1つのポートは少なくとも1つのフィルタによってカバーされてもよい。そこではフィルタは、以下のフィルタタイプを含むフィルタタイプのグループから選択されてもよい。
〇プレフィルタ
〇無菌フィルタ
〇バクテリアフィルタ
〇ウイルスフィルタ
〇マイコプラズマフィルタ
〇限外ろ過フィルタ
〇ダイアフィルトレーションフィルタ
〇細胞フィルタ
〇セルハーベストフィルタ
〇流体フィルタ
〇バイオバーデンフィルタ
〇エアフィルタ、および
〇気体フィルタ
【0050】
フィルタは、リザーバ要素の内容積内に設けることができる。したがって、タンクに組み立てられるとき、フィルタをタンクのリザーバ内に設けることができる。したがって、それぞれのタンクは、タンクのリザーバ内に受け入れられた媒体をろ過するためのろ過ユニットとして機能することができる。エアフィルタはシリンジフィルタであってもよい。フィルタは液体フィルタであってもよい。液体フィルタは、フラッシング用の緩衝液として機能できる。
【0051】
さらに、フィルタは、リザーバ要素、特にそれぞれのリザーバ要素のシェル要素またはプレート要素に一体化されてもよい。例えば、リザーバ要素(例えば、タンクの上部プレート要素または側壁要素)は、フィルタハウジングと一体的に形成され得る。
【0052】
さらに、リザーバ要素の少なくとも1つのポートはフィルタによって覆われていてもよい。フィルタで覆われたポートを提供すると、組み立てられたタンク内に媒体の一部を留めること、および/または媒体の他の部分がタンクに入るのを防ぐことができる。入口ポートがフィルタで覆われている場合、ろ液のみがそれぞれのタンクのリザーバ要素の内容積に入ることができる。出口ポートが覆われている場合、ろ液のみがそれぞれのタンクのリザーバ要素の内容積から出ることができる。例えば、気体入口ポートは無菌フィルタで覆われていてもよい。したがって、無菌加圧空気をそれぞれのタンクのリザーバ要素の内容積に導くことができる。したがって、例えば、別のタンクに転送するために、タンクのリザーバに含まれる媒体をリザーバから吹き出すことができる。
【0053】
さらに、少なくとも1つのポートを覆うフィルタは、加熱および/または冷却されてもよい。したがって、リザーバ要素(それぞれのタンク)に出入りする媒体を所望の温度に調温することができる。さらに、フィルタを加熱すると高温ろ過が可能になり、フィルタを冷却すると低温濾過が可能になる。フィルタを加熱すると、望ましくない結露を防ぐことができる。
【0054】
さらに、リザーバ要素、特にプレート要素は、少なくとも1つのバルブを含んでもよい。少なくとも1つのバルブは、少なくとも1つのチャネルに関連付けられている。そこではバルブは、流量制御バルブ、カットオフバルブ、圧力リリーフバルブ、あるいは逆止弁などであってもよい。さらに、リザーバ要素は、同じタイプおよび/または異なるタイプの複数のバルブを備えていてもよい。特に、リザーバ要素内に形成される少なくとも2つのチャネルの接合部にバルブを設けることができる。したがって、バルブの位置に応じて、媒体を異なるチャネルおよび/またはポートに導くことができる。したがって、流体流量を制御することができる。
【0055】
流量制御バルブを使用すると、単位時間あたりにチャネルを流れる媒体の量(例えば、リットル/秒の流量)を制御できる。流量制御バルブは、流量を動的に制御し、前記リザーバ要素を含むタンク内の生化学プロセスを制御するように構成され得る。カットオフバルブによりチャネルを開閉できる。バイパスチャネルにはカットオフバルブが設けられていてもよい。したがって、バイパスチャネルは、タンクの内容積またはそれぞれのリザーバから流体的に分離されていてもよいし(バルブが閉じている)、または内容積/タンクのリザーバと連通していてもよい(バルブが開いている)。さらに、カットオフバルブにより、タンクの機能に応じて、タンク内で使用されないチャネルを閉じ、使用されるチャネルを開けることができる。
【0056】
逆止弁は、内容積/タンクから除去される媒体が内容積/タンクに逆流するのを防ぐために、チャネルに設けられてもよい。したがって、例えば、内容積/タンクの汚染を防止できる。さらに、逆止弁は、内容積/タンクに入った媒体が元に逆流するのを防ぐことができる。したがって、タンクを(例えば、加圧空気によって)加圧することができ、タンクのリザーバに含まれる媒体を、例えば、ろ過の目的で所望の方向に導くことができる。加圧タンクを使用することで、ポンプを使わずに媒体を導くことができる。したがって、媒体の汚染および粒子の生成(例えば、摩耗による)を効果的に低減、さらには防止することができる。さらに、使い捨てポンプやポンプヘッドなどの(高価な)ポンプが必要ないため、バイオ医薬品プロセスラインのタンクおよび/またはタンクシステムのコストが削減される。さらに、ポンプを避けることにより、タンクの洗浄、メンテナンス、および/または滅菌が容易になる。
【0057】
少なくとも1つのバルブは、任意の適切な構成を有することができる。例えば、少なくとも1つのバルブは、ボールバルブ、バタフライバルブ、ダイヤフラムバルブ、ゲートバルブ、ニードルバルブ、ピンチバルブなどであり得る。
【0058】
少なくとも1つのバルブは、手動および/または自動で作動するように構成され得る。例えば、バルブは、機械的、空気圧的、油圧的、磁気的、電気的などによって作動するように構成することができる。さらに、少なくとも1つのバルブは、作動装置によってタンクの外側から作動されるように構成され得る。特に、バルブは、作動装置によってタンクの外側から作動可能に構成された機械式バルブであってもよい。作動手段は、媒体と接触するバルブ閉鎖部材をタンクの外側に接続する作動ロッドであってもよい。作動ロッドは、タンクを形成する少なくとも1つのリザーバ要素内に支持され、シールされ得る。さらに、作動ロッドはいくつかのセクションを含むことができる。そこでは作動ロッドの各セクションはそれぞれのリザーバ要素内に支持される。複数のリザーバ要素からタンクを組み立てる場合、最初に別の(例えば、第2の)リザーバ要素の作動ロッドを作動させることによって、第1リザーバ要素内のバルブを作動できるように、作動ロッドのセクションを結合することができる。
【0059】
バルブを開閉するために、関連するバルブの種類に応じて、作動手段を回転または軸方向に変位させることができる。さらに、作動装置は、バルブを開閉するように適合された磁石(永久磁石または電磁石)を含んでもよい。磁石により、タンクの外側からそれぞれの磁気バルブを作動させることができます。磁気作動装置を設けることにより、例えば、連続壁部分によって、バルブ閉鎖部材と作動装置を相互に分離することができるため、バルブのシールが容易になる。
【0060】
特定の実施形態では、バルブは初期状態では閉じており、バルブ本体を軸方向に変位させることによって開くことができる。これは、例えば、作動ロッドまたは磁力を使用して行うことができる。閉じた初期状態において、バルブは、バネ部材または磁気部材によって予荷重を与えられ得る。したがって、非作動時には、バルブは閉じた状態にあり得る。(例えば、手動またはハンドリングマニピュレータを介して)操作されている場合にのみ、バルブが開く。
【0061】
さらに、バルブは、ボールペンの切替機構に相当する切替機構を備えてもよい。したがって、バルブは、バルブの作動装置を軸方向に変位させることによって開閉することができる。これにより、特定の測光を実行できるようになる。さらに、安定した切替状態を確立することができる。軸方向の変位はハンドリングマニピュレータによって達成することができる。特に、前記切替機構を備えたバルブは、本明細書に記載されているように、クリーンルームバッグを介して作動させることができる。
【0062】
作動装置は、作動装置、タンクおよび/またはタンクシステムの自動制御を可能にするハンドリングマニピュレータの一部であり得る作動機構と結合するように適合することができる。
【0063】
特に、機械式および/または磁気式のバルブを使用する場合、電気バルブのコンポーネントがタンクに一体化されるのを避けることができる。したがって、タンクのリサイクルが促進され、改善される。
【0064】
バルブ、バルブ本体および/または作動装置は、最初にタンクのそれぞれのリザーバ要素に一体化されてもよいし、タンクの組み立て後または組み立て中にタンクのそれぞれのリザーバ要素に一体化されるように適合されてもよい。これにより、バイオ医薬品プロセスラインのタンクおよび/またはタンクシステムの組み立てが容易になる。これは、従来のバイオ医薬品プロセスラインと同様に、バルブは通常、バッグなどのプロセスラインの他の部分に手動で接続する必要がある別個の(使い捨て)コンポーネントとして提供されるということ。
【0065】
さらに、内容積および/または少なくとも1つのチャネルの内面をコーティングすることができる。さらに、少なくとも、生化学的媒体および/または作動媒体と接触する可能性のあるリザーバ要素のバルブ、ポートおよび/またはフィルタのコンポーネントをコーティングすることができる。コーティングは、二酸化ケイ素コーティング、ガラスベースのコーティングなどであってもよい。コーティングにより、生化学媒体および/または作動媒体と接触する異なる接触材料の数が減少する。したがって、生化学および/または作動媒体の汚染のリスク、および/または細胞増殖および/または他の生化学プロセスステップの歪みのリスクを軽減できる。
【0066】
さらに、コーティングは、気体バリアを形成することができ、および/または内容積および/または少なくとも1つのチャネルの不活性内面を提供することができる。コーティングは、リザーバ要素およびそれぞれのタンクを加熱および/または冷却できるように耐熱性を有し得る。さらに、タンクを形成するリザーバ要素を同じ(部分的にコーティングされた)材料で形成できるため、リザーバ要素のリサイクルを容易にすることができる。コーティングは、すなわち、例えば、射出成形および/または熱成形中、リザーバ要素の製造中または製造後に適用することができる。
【0067】
リザーバ要素は、少なくとも1つのアセンブリ接続装置および/または少なくとも1つの対応するアセンブリ接続装置をさらに備えることができる。そこではアセンブリ接続装置および対応するアセンブリ接続装置は、相互に係合するように構成され、少なくとも2つの隣接するリザーバ要素のアセンブリを固定する。そこではアセンブリ接続装置と対応するアセンブリ接続装置が係合する。それらのアセンブリ接続装置は、例えば、アセンブリマニピュレータを使用して、対応する接続装置と自動的に係合するように構成することができる。
【0068】
例えば、アセンブリ接続装置は、リザーバ要素に一体化されたネジ付き部材であってもよい。ネジ付き部材は、雌ネジまたは雄ネジを有することができ、リザーバ要素と一体的に形成することができる。オプションで、または加えて、ネジ付き部材は、リザーバ要素内にしっかりと保持される金属インレーなどのインレーであってもよい。インレーは、例えば、リザーバ要素にオーバーモールドまたは接着することができる。対応するアセンブリ接続装置は、雌ネジを有するネジ付き部材と位置合わせできるトラフ開口部とすることができる。したがって、リザーバ要素は、ネジを貫通開口を通してネジ部材にねじ込むことによって接続および係合することができる。さらに、対応するアセンブリ接続装置は、雄ネジを有するネジ付き部材を受け入れるトラフ開口部とすることができる。したがって、リザーバ要素は、ネジ付き部材にナットなどをねじ込むことによって接続および係合することができ、それによってリザーバ要素が係合する。
【0069】
さらに、アセンブリ接続装置は、ボルトなどの突出部であってもよい。突出部は、リザーバ要素と一体的に形成することも、インレーとすることもできる。インレーは、例えば、リザーバ要素にオーバーモールドまたは接着することができる。対応するアセンブリ接続装置は、対応する凹部であってもよい。凹部は、リザーバ要素と一体的に形成されてもよいし、スリーブなどのインレーであってもよい。インレーは、例えば、リザーバ要素にオーバーモールドまたは接着することができる。組み立て中、アセンブリ接続装置は対応するアセンブリ接続装置と係合し、ポジティブロックを提供する。アセンブリ接続装置と対応するアセンブリ接続装置との係合は、自己保持係合であってもよい。自己保持係合は、係合されるリザーバ要素間に提供され得る可撓性部材によって提供される保持力によって達成することができる(例えば、上部プレート要素と側壁要素、2つの側壁要素、および/または下部プレート要素と側壁要素)。組み立てにより、可撓性部材は圧縮され、それによって保持力が得られる。特に、可撓性部材は、リザーバ要素によって形成されるリザーバをシールするシール部材であってもよい。
【0070】
さらに、アセンブリ接続装置は、フックなどのラッチ部材を含むことができる。そこでは対応するアセンブリ接続装置は、前記フックと係合するために形成された凹部を含むことができる。この目的は、タンクに組み立てられるように適合されたタンクアセンブリによってさらに達成される。そこではタンクアセンブリは、上述したような少なくとも2つのリザーバ要素を備える。さらに、タンクアセンブリは、本体要素の第1端部または第2端部に密封して取り付けられたプレート要素を有する2つのリザーバ要素と、そのようなプレート要素を有さない少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つのさらなるリザーバ要素を含んでもよい。
【0071】
タンクアセンブリの各リザーバ要素の第1端部は、特に同じサイズおよび形状を有することができ、タンクアセンブリの各リザーバ要素の第2端部は、特に同じサイズおよび形状を有することができる。リザーバ要素の本体要素が第1端部から第2端部に向かって先細になると、第1端部と第2端部のサイズおよび/または形状が異なることを理解されたい。
【0072】
特に、リザーバ要素は、異なる高さ(第1端部と第2端部との間の距離)を有し得る。したがって、異なる高さのリザーバ要素を組み合わせるとき、異なる容積のタンクを組み立てることができる。さらに、複数のリザーバ要素を組み立てることによって、異なる容積を達成することができる。
【0073】
タンクアセンブリは、以下に説明するようにタンクに組み立てられるように適合されており、上述のリザーバ要素を含むため、タンクおよびリザーバ要素に関して説明したすべての利点は、少なくとも組み立てられたときに、タンクアセンブリによって達成することができる。さらに、タンクアセンブリにより、ほとんどスペースを必要とせずに、分解したタンクを輸送および保管することができる。
【0074】
この目的は、バイオ医薬品プロセスライン用のタンクによってさらに達成される。タンクは、上部プレート要素、オプションで少なくとも1つの側壁要素、および底部プレート要素を備える。オプションの少なくとも1つの側壁要素は、プレート要素を有さないリザーバ要素であり、上部プレート要素および底部プレート要素は、それぞれの本体要素の第1または第2の端部に密封して取り付けられるプレート要素を有するリザーバ要素である。
【0075】
上部プレート要素、オプションの少なくとも1つの側壁要素、および底部プレート要素は、少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるためのリザーバを形成するように配置される。タンクは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くための少なくとも1つのチャネルをさらに備える。そこでは少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素および/または底部プレート要素の内部に延在する。少なくとも1つのチャネルの長さは、それぞれの上部プレート要素、側壁要素、および/または底部プレート要素の厚さよりも長い。
【0076】
一般に、タンクのすべてのチャネルおよび/またはリザーバは、自動的に空になるように構成され得る。すなわち、チャネルおよび/またはリザーバに入った媒体は、重力によってそれぞれのチャネルおよび/またはリザーバから流出することができる。
【0077】
組み立てられたタンクは、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および底部プレート要素によって形成される、1つのリザーバまたは複数(少なくとも2つ)のリザーバを備えることができる。複数のリザーバの場合、リザーバは相互に直列または並列に配置され得る。直列のリザーバを通って流れる媒体は、単一のリザーバを次々に通って流れる。並列リザーバを通って流れる媒体は、単一のリザーバを並列して通って流れる。リザーバの直列と並列の配置の組み合わせも可能である。
【0078】
タンク(およびそれに応じてリザーバ要素)は、バイオ医薬品プロセスラインでの使用、バイオ医薬品の製造および/または開発、および/またはこれらの商品の商業的製造プロセスの開発および/または試験に使用されるように適合されている。さらに、タンクは他の製造ラインで使用されてもよく、自動および/または手動で操作されるように適合されてもよい。
【0079】
生化学媒体および/または操作媒体は、サンプル含有媒体、細胞含有媒体、薬物含有媒体、緩衝媒体、酸、塩基などのプロセスラインの任意の抽出物または生成物であり得る。媒体は以下の少なくとも1つを含むことができる:小分子API、抗体、薬物結合体、RNAまたはそのフラグメント、recタンパク質、ウイルスワクチン、細菌/微生物プロセス、ウイルス様粒子、ウイルスベクター、ADC、DNAなど。さらに、作動媒体は、加熱または冷却流体、加圧空気または気体などを含んでもよい。例えば、加圧空気が作動媒体として使用される場合、作動媒体はチャネルを通して生化学媒体を、および/またはタンクのリザーバ内に(またはタンクのリザーバから)駆動させるために機能することができる。
【0080】
生化学媒体および/または作動媒体は、液体および/または気体の形態、ならびに溶液および/またはエマルジョンおよび/または懸濁液の形態で提供され得る。
【0081】
特に、加圧空気などの作動媒体を使用して、生化学媒体をタンクへ、および/またはタンクから転送することができる。したがって、タンクは作動媒体を介して作動可能である。生化学媒体をタンクから転送する場合、タンクに作動媒体を適用することにより、第1タンクに正圧を加えることができる。したがって、例えば、第2タンクおよび/またはフィルタに向かって、生化学媒体はタンクの外に押し出される。生化学媒体をタンクに転送するために、例えば、タンクから媒体を除去(作動)することによって、負圧を確立することができる。加圧空気が作動媒体として使用される場合、好ましくは無菌加圧空気が使用される。タンクに入る前にそれぞれの無菌フィルタに加圧空気を導くことによって、無菌加圧空気を得ることができる。加圧空気などの作動媒体は、それぞれの気体入口ポートおよび/または出口ポートによって、タンクに供給またはタンクから除去することができる。
【0082】
上部プレート要素、側壁要素、および底部プレート要素という用語は、組み立て時および使用時のタンクの向きを指定するものではない。むしろ、組み立てられたタンクはどの向きでも使用できる。通常、底部プレート要素はベースとして機能し、使用中/作動中にタンクの高さを調整するためにオプションでスタンドに設けることができる。例えば、タンクの向きは、立っている向き(すなわち、上部プレート要素が上にある)、横たわっている向き(すなわち、側壁要素が上にある)、または逆さまの向き(底部プレート要素が上にある)にすることができる。
【0083】
さらに、上部プレート要素はタンクを支持するために機能し、以下でより詳細に説明するように、支持レール内に支持されるように適合され得る。この場合、タンクは吊り下げ構成になっており、底板プレート要素は地面に接触していない可能性がある。加えて、上部プレート要素の吊り下げ支持体に加えて、底部プレート要素でタンクを支持する支持部材を設けることができる。前記支持部材は、例えば、磁気ドライブ、電気ドライブ、空気圧ドライブおよび/または油圧ドライブなどのリニアドライブによって、高さが調節可能であるように適合され得る。支持部材は、支持されたタンクの重量を量ることを可能にする計量部材を含んでもよい。それぞれのタンクの重量を使用してプロセスラインを制御することができる。
【0084】
タンクに組み立てられ、特に少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるためのリザーバを形成するように配置される、上部プレート要素、オプションで少なくとも1つの側壁要素および底部プレート要素などのリザーバ要素を提供することにより、使用後のタンクの洗浄およびメンテナンスが容易になる。したがって、それぞれのリザーバ要素またはリザーバ要素の少なくとも一部は、別々に再使用および/またはリサイクルすることができる。さらに、タンク(それぞれリザーバを形成する要素)は、使用前に簡単に洗浄および滅菌できる。
【0085】
少なくとも1つのチャネルは、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および底部プレート要素のうちの少なくとも1つの内部に延在する。各リザーバ要素(上部プレート要素、オプションの少なくとも1つの側壁要素および/または底部プレート要素)が少なくとも1つ(または複数)のチャネルを備え得るように、異なるリザーバ要素または同じリザーバ要素に異なるチャネルが提供されてもよい。
【0086】
オプションで、タンクのリザーバへの、および/またはタンクのリザーバからの媒体の転送は、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素内に延在する少なくとも1つのチャネルまたは複数のチャネルによってもっぱら達成され得る。したがって、媒体と接触する少なくとも1つのチャネルおよびリザーバの表面は、同じ材料であってもよい。したがって、異なる材料の好ましくない組み合わせによって、バイオ医薬品プロセスラインの抽出物および/または生成物(すなわち、生化学媒体および/または作動媒体)の汚染のリスクを軽減でき、細胞増殖および/または他の生化学プロセスステップが歪められることはない。
【0087】
チャネルを使用して媒体を転送することにより、製品ラインのロット間の高い一貫性を実現することができる。これは、例えば、ホース(例えば、従来の使い捨てラインとして)を使用した従来の流体接続の場合、ロットごとに異なる接触材料のばらつきが発生する。これは、転送される流体の望ましくない予期せぬ汚染につながる。タンク要素のチャネルを使用して媒体を転送することにより、異なる接触材料の数を最小限に抑えることができ、製品ラインのロット間の一貫性を高めることができる。
【0088】
少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの側壁要素、上部プレート要素、および底部プレート要素内に延在し得る。別の例では、少なくとも1つのチャネルは、上部プレート要素内および少なくとも1つの側壁要素内に延在し得る。少なくとも1つの追加のチャネルは、少なくとも1つの側壁要素、上部プレート要素、および/または底部プレート要素内に延在し得る。
【0089】
少なくとも1つのチャネル(またはそれぞれ追加のチャネル)を介して、生化学媒体は、タンクの下部から除去できる(例えば、底部プレート要素または底部プレート要素に近接した側壁要素に設けられたチャネルの第1端部を介して)。例えば、別のタンクに転送するために、タンクの上部に導かれる(例えば、上部プレート要素または上部プレート要素に近接した側壁要素に設けられたチャネルの第2端部を介して)。それに応じて、生化学媒体は、タンクの上部から除去できる(例えば、上部プレート要素または上部プレート要素に近接した側壁要素に設けられたチャネルの第1端部を介して)。例えば、別のタンクに転送するために、タンクの下部に導かれる(例えば、底部プレート要素または底部プレート要素に近接した側壁要素に設けられたチャネルの第2端部を介して)。さらに、加熱媒体または冷却媒体などの作動媒体は、組み立てられたタンクの適切な冷却/加熱を提供するために、少なくとも1つの側壁要素と、少なくとも1つの上部プレート要素および底部プレート要素の内部に導かれ得る。加熱媒体または冷却媒体は、リザーバに接触することなく、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素内に導かれ得る。したがって、加熱または冷却媒体と生化学媒体は相互に分離される。
【0090】
一般に、タンクは、生化学媒体および/または作動媒体など、プロセスラインの抽出物または生成物のためのリザーバとして機能する。したがって、受け入れられた媒体は保管および/または輸送することができる。さらに、タンクは、タンクのリザーバ内に受け入れられた異なる媒体を混合するように構成されてもよい。さらに、タンクはバイオリアクターとして機能し、生物学的に活性な環境をサポートすることができる。例えば、生物またはそのような生物に由来する生化学的に活性な物質を含む化学プロセスは、前記タンク内で実行することができる。さらに、タンクは、細胞培養において細胞または組織を成長させるように設計されてもよい。タンクは、バッチ式バイオリアクター、流加式バイオリアクター、濃縮流加式バイオリアクター、または連続式バイオリアクター、および/または灌流式バイオリアクターとして使用できる。加えて、またはオプションで、タンクは、タンクのリザーバ内に受け入れられた媒体をろ過するためのろ過ユニットとして機能することができる。この場合、フィルタは、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素の中または上に設けられてもよい。さらに、タンクは、緩衝媒体などの生化学媒体を調製するために、および/または分取クロマトグラフィーを実行するために機能することができる。さらに、タンクは、ウイルスのろ過、セルハーベストおよび/または限外ろ過または透析ろ過のために、クロスフローカセットおよび/または中空糸モジュールを備えていてもよい。
【0091】
タンクのリザーバは、少なくとも約10ml、少なくとも約15ml、少なくとも約20ml、少なくとも約50ml、少なくとも約100ml、少なくとも約200ml、少なくとも約250ml、少なくとも約500ml、少なくとも約1リットル、少なくとも約2リットル、少なくとも約5リットル、少なくとも約10リットル、少なくとも約20リットル、少なくとも約50リットル、少なくとも約100リットル、少なくとも約200リットル、少なくとも約500リットル、少なくとも約1000リットル、少なくとも約2000リットル、少なくとも約3000リットル、少なくとも約4000リットル、または少なくとも約5000リットルの容積を有し得る。したがって、バイオ医薬品プロセスラインを拡張することができる。例えば、開発時には容量の小さいタンクが使用される。その後の製造時には、より大きなタンクが使用される。さらに、バイオ医薬品プロセスラインのタンクシステムでは、異なる容積のタンクを組み合わせることができる。
【0092】
異なる容積のタンクは、異なる高さ(第1端部と第2端部の間の距離)を有するリザーバ要素を組み立てること、および/または複数のリザーバ要素を組み立てることによって達成できる。タンクアセンブリの各リザーバ要素のすべての第1端部が同じサイズおよび形状を有し、タンクアセンブリの各リザーバ要素の第2端部が特に同じサイズおよび形状を有する場合、リザーバ要素を任意に組み合わせて異なる容積でタンクを組み立てることができる。したがって、少数の異なるリザーバ要素に基づいて、多数の異なるタンクを組み立てることができる。
【0093】
実施形態では、上部プレート要素および底部プレート要素と実質的に同じリザーバ要素として、異なる高さ寸法のリザーバ要素または複数のリザーバ要素の側壁要素として、異なる容積を有するタンクを提供して使用することができる。
【0094】
例えば、リザーバ要素は、80mm~1500mmの範囲、好ましくは200mm~1200mmの範囲、さらにより好ましくは300mm~1000mmの範囲、最も好ましくは450mm~600mmの範囲の幅を有し得る。さらに、リザーバ要素は、150mm~2000mmの範囲、好ましくは200mm~1300mmの範囲、さらにより好ましくは500mm~1000mmの範囲、最も好ましくは450mm~650mmの範囲の高さを有し得る。
【0095】
タンクは、高さ寸法、深さ寸法、および幅寸法を有し得る。そこでは高さ:深さ:幅の比は約2:1:1であり得る。タンクがバイオリアクターとして使用される場合、この比率が好ましいことを示す必要がある。タンクの所望の機能に応じて、他の寸法を選択することもできる。
【0096】
タンクは、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素を通してタンク内に挿入され得る加熱または冷却フィンガーを備えることができる。加熱または冷却フィンガーは、タンクを調温するために、調温された加熱または冷却媒体を導くために機能する。そこでは加熱または冷却フィンガーによって導かれた加熱または冷却媒体は、リザーバの内容物から分離される。加熱/冷却の度合いによっては、タンク内に受け入れられた媒体が蒸発または凝縮する場合がある。
【0097】
さらに、タンクは、リザーバ要素の少なくとも1つに設けることができる少なくとも1つのポートを備えることができる。そこでは少なくとも1つのポートはそれぞれのチャネルに関連付けることができる。ポートは、以下のポートタイプを含むポートタイプのグループから選択することができる。リザーバ要素に関して上述したように、流体入口ポート、気体入口ポート、流体出口ポート、気体出口ポート、セルブリードポート、タンク相互接続ポート、要素相互接続ポート、媒体供給ポート、媒体除去ポートなど。
【0098】
タンクは少なくとも1つのフィルタを備え得る。フィルタはリザーバー要素の少なくとも1つに設けることができる。そこでは少なくとも1つのフィルタは、次のフィルタタイプを含むフィルタタイプのグループから選択できる。リザーバ要素に関して上述したように、リザーバ要素に関して上述したように、プレフィルタ、無菌フィルタ、細菌フィルタ、ウイルスフィルタ、マイコプラズマフィルタ、限外ろ過フィルタ、透析ろ過フィルタ、細胞フィルタ、セルハーベストフィルタ、液体フィルタ、エアフィルタ、気体フィルタ、など。
【0099】
タンクは、少なくとも1つのバルブを備えることができる。バルブは、リザーバ要素の少なくとも1つに設けることができる。少なくとも1つのバルブは、少なくとも1つのチャネルに関連付けられ得る。少なくとも1つのバルブは、流量制御バルブ、カットオフバルブ、圧力リリーフバルブ、または逆止弁などであってもよい。さらに、タンクは、同じタイプおよび/または異なるタイプの複数のバルブを備えていてもよい。特に、少なくとも2つのチャネル部分の接合部にバルブを設けることができる。したがって、バルブの位置に応じて、リザーバ要素に関して上述したように、媒体を異なるチャネルおよび/またはタンクに導くことができる。
【0100】
タンクは、アダプタプレート要素をさらに備えることができる。そこではアダプタプレート要素は上部プレート要素に取り付けられる。アダプタプレート要素は、フィルタおよび/またはタンクのポートを少なくとも部分的に覆うように構成され得る。特定の実施形態では、タンクの上部プレート要素および関連するアダプタプレート要素がフィルタハウジングを形成することができる。さらに、アダプタプレート要素は、バルブの作動装置を支持するように構成され得る。
【0101】
アダプタプレート要素および上部プレート要素はバリア要素を挟むことができる。そこではバリア要素はクリーンルームの一部である。クリーンルームは、例えば、クリーンルームバッグやテントであり得る。この場合、アダプタプレート要素はクリーンルームとの外側に配置され、組み立てられたタンクの上部プレート要素はそれぞれクリーンルームの内側に配置され得る。
【0102】
さらに、アダプタプレート要素は、タンクの少なくとも1つのポート、タンクの少なくとも1つのフィルタ、および/またはタンクのバルブの少なくとも1つの作動装置へのアクセスを提供し得る。バリア要素がアダプタプレート要素と上部プレート要素との間に挟まれている場合、上部プレート要素、ならびにタンクの少なくとも1つの側壁要素および底部プレート要素をクリーンルーム内に維持することができる。そこではアダプタプレート要素によって提供されるアクセスを介して、クリーンルームの外側からタンクへのアクセスが可能となる。したがって、生化学媒体および/または作動媒体をクリーンルームの外側からタンクに供給、および/またはタンクから除去することができる。さらに、少なくとも1つのバルブは、クリーンルームの外側から作動および制御することができる。
【0103】
タンクは、タンク(第1タンク)を別の(第2の)タンクと相互接続するための少なくとも1つのコネクタ装置をさらに備えることができる。コネクタ装置は、タンクを形成するリザーバ要素の少なくとも1つに含まれてもよい。コネクタ装置は、タンクが前記コネクタ装置によって相互接続できるので、複数のタンクを備えるタンクシステムの迅速なセットアップを可能にする。したがって、バイオ医薬品プロセスラインの組み立てが容易になり、および/または加速される。加えて、不適切な組み立てによる機能不全や漏れのリスクを軽減できる。特に、コネクタ装置は自動相互接続に適合させることができる。その結果、バイオ医薬品プロセスラインのタンクシステムを自動化することができ、それによって不適切な組み立ての危険性をさらに低減することができる。
【0104】
コネクタ装置は、第1と第2のタンクを相互接続するネジおよびそれぞれのナットおよび/またはベルトまたはストラップなどのネジ付きコネクタ装置であってもよい。
【0105】
コネクタ装置はラッチコネクタ装置であってもよい。そこではタンクと、対応するラッチコネクタ装置を備えるさらなるタンクを直接相互接続するために、タンクは第1ラッチコネクタ装置を備える。第1ラッチコネクタ装置は、ラッチ突出部を含むラッチアームであってもよい。ラッチ突起部は、ラッチ凹部として形成され得る対応するラッチコネクタ装置とラッチするように適合され得る。
【0106】
タンク、特にタンクのそれぞれのリザーバ要素は、代替的または追加的に、相互ラッチングコネクタ装置でラッチするように構成された第2ラッチングコネクタ装置を備えることができる。この相互ラッチングコネクタ装置は、さらなるタンクの第2ラッチングコネクタ装置とラッチするように適合されている。その結果、タンクは、相互ラッチングコネクタ装置を介して前記さらなるタンクと直接相互接続され得る。前記第2ラッチングコネクタ装置は、例えば、ポジティブロックを提供するために、対応する凹部を有する相互ラッチングコネクタ装置とラッチするように適合された、ノブなどの突出部を含むことができる。相互ラッチングコネクタ装置は、タンクの第2ラッチングコネクタ装置とラッチすると張力がかかり、それによって第1タンクを第2タンクに押し付ける可撓性相互ラッチングコネクタ装置であってもよい。
【0107】
コネクタ装置は、第1タンクと第2タンクとの間に流体接続を提供することができる。例えば、コネクタ装置は、ラッチすると第1および第2のタンクのタンク相互接続ポートが相互に係合し、それぞれのチャネルが整列して(密封されて)流体連通するように設計および形づくることができる。したがって、バイオ医薬品プロセスラインのタンクシステムの組み立てを容易にし、加速することができる。
【0108】
コネクタ装置、特にラッチングコネクタ装置は、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素に設けることができる。さらに、コネクタ装置は、輸送および/または保管中にコネクタ装置が損傷するのを防ぐために、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素および/または底部プレート要素の凹部に設けられてもよい。
【0109】
特に、コネクタ装置は、自動的におよび/または工具を使わずに作動されるように構成することができる。コネクタ装置は、タンクの永久的な相互接続、または分離可能な相互接続を提供することができる。
【0110】
タンクの少なくとも1つのコネクタ装置は、底部排水管として構成され得る。底部排水管は、第1タンクと第2タンクとの間に流体接続を提供することができ、第1タンクの下半部、特に底部プレート要素に設けることができる。底部排水管は、第1タンクが自動的に空になるように、および/または圧力を加えることによって空になるように構成することができる。
【0111】
リザーバ要素および/またはタンクのいずれも、組み立て前、組み立て中、または組み立て後に、オートクレーブ、ETOガス、X線および/またはガンマ線照射によって滅菌可能であってもよい。タンクはリザーバ要素(上部プレート要素、オプションの少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素)から組み立てることができるため、滅菌が容易になる。タンクを組み立てた後に滅菌する必要がある場合、ポートはETOガスまたは蒸気をタンクに出入りさせるために使用できる。一般に、リザーバ要素および/またはタンクのいずれも、滅菌を可能にする任意のガスによって滅菌可能であり得る。
【0112】
さらに、タンクは、タンクのリザーバ要素(例えば、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素)の組み立てを強化するためのアセンブリ強化装置を備え得る。アセンブリ強化装置は、ネジ付きロッド、ストラップおよび/またはベルトなどのネジ付き装置を含むことができる。例えば、少なくとも2つのリザーバ要素は、ネジ付きロッドを受け入れるための貫通開口部を備えることができる。次いで、それらのリザーバ要素は、ネジ付きロッドとネジ係合するナットなどの少なくとも1つのネジ付き部材を使用することによって、組み立てることができる。さらに、少なくとも1つのストラップまたはベルトをタンクの周りに巻き付けて、リザーバ要素の組み立てを強化してもよい。さらに、アセンブリ強化装置は、タンクの気密性を向上させることができる。したがって、漏れを防止することができ、タンクの組み立てを容易にすることができる。
【0113】
さらに、強化装置として機能する外部フレームに、タンクを設置してもよい。外部フレームは、組み立てられたタンクに力を加えるように構成され得る。例えば、少なくとも1つの油圧プレートによって、タンクの組み立てを強化する。さらに、外部フレームは、タンクおよび/またはタンクシステムの自動制御を可能にするハンドリングマニピュレータのガイドレールシステムの一部であってもよい。
【0114】
タンクは、複数の側壁要素を備えることができる。そこでは上部プレート要素、側壁要素、および底部プレート要素がリザーバを形成するように配置される。これにより、分解されたタンク(すなわち、タンクアセンブリ)の梱包サイズを小さくすることができる。
【0115】
一般に、タンクは、少なくとも2バール、または少なくとも4バール、または少なくとも10バールの内圧(漏れなしで)に耐えるように構成され得る。タンク/タンクシステムの通常の作動圧力は、0.1~1バールの範囲、好ましくは0.2~0.6バールの範囲、さらにより好ましくは0.25~0.5バールの範囲であってもよい。特に、作動圧力は0.5バール未満、好ましくは0.3バール未満であってもよい。
【0116】
タンクのリザーバ要素の断面に応じて、タンクのリザーバは、上部プレート要素側から見た場合、実質的に長方形、六角形、または八角形の断面を有し得る。断面が長方形の場合、タンクは最大4つの隣接するタンクと直接相互接続できる。六角形の断面の場合、タンクは最大6つの隣接するタンクと直接相互接続できる。また、八角形の断面の場合、タンクは最大8つの隣接するタンクと直接相互接続できる。タンクシステムでは、異なる断面などの同じおよび/または異なる構成のタンクを組み合わせることができる。したがって、バイオ医薬品プロセスラインなどのプロセスラインを、非常に狭い設置スペースに設置することができる。それにより、クリーンルーム費用などのコストを削減することができる。
【0117】
タンクは、少なくとも1つのポンピング装置をさらに備えることができる。ポンピング装置は、少なくとも1つの生化学媒体とポンピング装置との間の直接接触を防ぐために、可撓性膜によってリザーバおよび/または少なくとも1つのチャネルから分離され得る。ポンピング装置は、リザーバ要素に含まれていてもよい。
【0118】
タンクは、少なくとも1つの撹拌装置をさらに備えてもよい。そこでは撹拌装置はタンクの外側から駆動可能であってもよい。例えば、撹拌装置は磁気アクチュエータによって駆動されてもよい。磁気アクチュエータを使用すると、例えば、連続壁部分によって磁気アクチュエータを実際の撹拌装置から分離できるため、タンクの外側から撹拌装置を駆動することができ、シールが容易になる。撹拌装置は、リザーバ要素、特に底部プレート要素に含まれていてもよい。さらに、撹拌装置は作動ロッドを備えていてもよい。前記作動ロッドは、タンクのリザーバ要素内に支持され、シールされ得る。作動ロッドは、タンクの外側に設けられた電気または磁気駆動機構などの駆動機構と係合することができる。好ましくは、作動ロッドは上部プレート要素から突出する。駆動機構は、タンクおよび/またはタンクシステムの自動制御を可能にするハンドリングマニピュレータの一部であってもよい。
【0119】
撹拌装置は、作動ロッドによってタンク内に支持され得る。さらに、撹拌装置は、例えば、磁気軸受によってタンク内で浮遊状態で支持されてもよい。撹拌装置を駆動するために、ハンドリングマニピュレータは、タンクの外側から前記浮遊支持された撹拌装置に磁気的に結合し、タンクの外側から撹拌装置を駆動することができる。
【0120】
さらに、ハンドリングマニピュレータは、タンクの外側から前記撹拌装置に機械的におよび/または他の適切な方法で結合し、タンクの外側から撹拌装置を駆動することができる。
【0121】
さらに、撹拌装置を駆動するために、少なくとも1つのハンドリングマニピュレータをタンクの上または下に設けることができる。
【0122】
撹拌装置は少なくとも1つの撹拌部材を備えることができる。そこでは撹拌部材は複数の撹拌ブレードを備える。撹拌ブレードは、ラッシュトン撹拌ブレード、ピッチドブレード、ジェントルマリンブレードなどの様々な形態で提供することができる。さらに、撹拌装置は、例えば、異なるレベルのタンクに提供される複数の撹拌部材を備えていてもよい。さらに、撹拌装置は一体化されたスパージャーを含んでもよい。
【0123】
撹拌装置はパルスモードで作動可能であり得る。それにより、波が発生し、リザーバ側からフィルタを洗浄できるようになる。さらに、フィルタを洗浄するために、フィルタのすぐ近くで回転するように適合されたさらなる撹拌部材が提供されてもよい。フィルタのタイプに応じて、リザーバ側はフィルタの透過液側または保持液側になり得る。
【0124】
例として、撹拌装置は少なくとも2つの撹拌部材を備えることができる。そこでは各撹拌部材は複数の撹拌ブレードを備える。少なくとも2つの撹拌部材のうちの第1撹拌部材は底部プレート要素に配置され、少なくとも2つの撹拌部材の第2撹拌部材は上部プレート要素に配置され得る。さらに、ハンドリングマニピュレータは、タンクの外側から少なくとも2つの撹拌部材に磁気的、機械的におよび/または他の適切な方法で結合し、タンクの外側から撹拌装置を駆動することができる。例えば、撹拌部材は、ハンドリングマニピュレータの磁気アクチュエータおよび/または超電導体によって共同してまたは個別に駆動されてもよい。
【0125】
タンクは、流体偏向板などの少なくとも1つの混合装置をさらに備えることができ、これはリザーバ要素のいずれかと一体的に形成することができる。さらに、混合装置は、タンクのリザーバ内に設けられる別個の手段であってもよい。少なくとも1つの混合装置は、タンク/それぞれのリザーバ要素の入口ポートと関連付けることができる。
【0126】
タンクは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体の発泡を回避するための少なくとも1つの装置をさらに備え得る。発泡を回避するための少なくとも1つの装置は、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体の速度、落下の高さおよび/または流れの特性を低下させることができる。発泡を回避するための少なくとも1つの装置は、上述したように、流体偏向板および/またはチャネル(例えば、剛性チューブ)であり得る。チャネルの場合、チャネルは開口部は、側壁要素、上部プレート要素、および/または底部プレート要素のいずれかに向けることができる。その結果、生化学媒体および/または作動媒体がリザーバに入るときにそらされるようになる。発泡を回避するための少なくとも1つの装置は、リザーバ要素の1つと一体的に形成され得る。さらに、発泡を回避するための少なくとも1つの装置は、タンクのリザーバ内に設けられる別個の装置であってもよい。発泡を回避するための少なくとも1つの装置は、タンクの入口ポートに関連付けられてもよい。
【0127】
タンクは、少なくとも1つのセルハーベスト装置をさらに備えていてもよい。セルハーベスト装置は、リザーバ要素、特にタンクの底部プレート要素に結合または一体化できるフィルタおよび/またはフィルタカートリッジを含んでもよい。セルハーベスト装置は、タンクのリザーバに含まれる媒体または媒体の一部(細胞など)を除去するための媒体除去ポート(セルブリードポートとも呼ばれる)を備え得る。媒体除去ポートは、底部プレート要素および/または少なくとも1つの側壁要素に設けることもできる。特に、媒体除去ポートは、細胞などの保持液を除去するためのセルハーベスト装置のフィルタのリザーバ側、および/またはろ液(透過液)を除去するための反対側のどこにでも設けることができる。さらに、セルハーベスト装置は、セルハーベスト装置のフィルタをすすぐことを可能にする(作動)媒体供給ポートを含んでもよい。
【0128】
さらに、タンクは少なくとも1つの磁石と関連付けられてもよい。そこでは少なくとも1つの磁石は細胞の選択、細胞の活性化、形質導入および/または増殖に使用されてもよい。少なくとも1つの磁石は、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素の上に直接配置され得る。少なくとも1つのマニピュレータは、少なくとも1つの磁石を配置および/または除去するように適合され得る。
【0129】
作動媒体供給ポートは、フィルタの透過液側またはろ液側にそれぞれ設けることができる。したがって、正圧(ガス状または流体状)がフィルタの透過液側/ろ液側に適用されるとき、例えば、(作動中の)媒体供給ポートを介して、供給または保持液の保持された部分を、タンクに戻したり、媒体除去ポートから、および/または廃棄物ポートから転送して戻すことができる。さらに、保持液をタンクに転送して戻す、および/または媒体除去ポートから出すために、フィルタの保持液側に負圧を加えることができる。
【0130】
フィルタの透過液側/ろ液側に正圧を加える(好ましくは加圧作動媒体を提供することにより)、および/またはフィルタの保持液/上流側に負圧を加えると、フィルタを洗い流すことができる。したがって、ブロックされたフィルタ、例えば、細胞フィルタが吹き飛ばされる可能性がある。
【0131】
加えて、フィルタの透過液側またはろ液側にそれぞれ正圧(ガス状または流体状)を適用する。例えば、(作動中の)媒体供給ポートを介して、透過液/ろ液を透過液チャネルまたはそれぞれのろ液チャネルに押し込むことができる。したがって、透過液/ろ液をリザーバおよび/またはさらなるタンクに戻すことができる。好ましくは、透過液側またはろ液側にそれぞれ無菌加圧空気を提供することによって、正圧が加えられる。
【0132】
タンクは、分取クロマトグラフィーを実行できるように、クロマトグラフィー用の少なくとも1つのカートリッジをさらに備えていてもよい。さらに、タンクは、少なくとも1つの樹脂装置、膜吸収体などを備えていてもよい。タンクは、タンク内でクロスフローろ過または接線流ろ過を実行できるように、少なくとも1つのクロスフローカセットをさらに備えていてもよい。
【0133】
タンクはさらに、セルハーベスト、透析ろ過、精密ろ過、限外ろ過などのための少なくとも1つの中空糸装置を備えていてもよい。中空糸装置は、タンクのリザーバ内に一体化することができるカートリッジ、またはタンクのリザーバの外側に配置できるカートリッジ内に設けることができる。例えば、中空糸装置は、それぞれのポートを使用して、タンクのリザーバ要素の少なくとも1つに結合され得る。さらに、タンクは複数の中空糸装置を備えていてもよい。特にタンクは、例えば、溶媒をろ過することによって細胞含有溶液の細胞濃度を増加させるために使用され得る。これにより、培養された細胞を採取することができる。
【0134】
少なくとも1つの側壁要素または底部プレート要素などのリザーバ要素は、上述のフィルタ、セルハーベスト装置、クロマトグラフィー用カートリッジ、クロスフローカセット、樹脂装置、中空糸装置、および/またはその他の流体保管または誘導コンポーネントに一体的に形成され得る。
【0135】
特に、上述のフィルタ、セルハーベスト装置、クロマトグラフィー用カートリッジ、クロスフローカセット、樹脂装置、中空糸装置、および/またはその他の流体保管または誘導コンポーネントのいずれかは、カプセルを含むことができる。そこではカプセルはそれぞれのフィルタ、装置、カセット、および/またはコンポーネントを収容する。さらに、カプセルと少なくとも1つの側壁要素および/または底部プレート要素は一体的に形成されてもよい。そこではタンクの少なくとも1つのチャネルはカプセル内に延在してもよい。(すなわち、少なくとも1つの側壁要素および/または底部プレート要素)。あるいは、カプセルは、少なくとも1つのリザーバ要素接続されてもよい。この接続は永久的な場合もあれば、可逆的な場合もある。
【0136】
タンクは、リザーバ要素内に設けることができる少なくとも1つの破裂板をさらに備えることができる。破裂板は、ステンレス鋼、グラファイト、シリコン、プラスチックなどの異なる材料で形成されてもよい。破裂板は、例えば、タンクの出口ポートまたは媒体除去ポートを遮断するように配置されてもよい。リザーバ内の圧力が所定の閾値を超えた場合(例えば、フィルタの詰まりなどにより)、破裂板が破裂し、媒体がそれぞれのポートを介して、タンクを損傷することなくリザーバの外に導出される。加えて、または代わりに、タンクのリザーバから過剰な圧力を解放できる圧力リリーフバルブが提供され得る。
【0137】
タンクは、少なくとも1つのバッグをさらに備えることができる。そこではバッグは、リザーバ要素によって形成されるリザーバの内壁を裏打ちすることができる。したがって、例えば、バッグを交換することで、タンクのリザーバはさらなる流体を受け入れるために容易に準備することができる。
【0138】
タンクは、少なくとも1つのセンサー、または複数のセンサーを備えるセンサーモジュールに接続可能であってもよい。そこでは少なくとも1つのセンサーおよびセンサーモジュールのセンサーは、pHセンサー、温度センサー、溶存酸素センサー、バイオマスセンサー、泡センサー、圧力センサー、流量センサー、O2センサー、N2センサー、CO2センサーなどのグループから選択される。さらに、少なくとも1つのセンサーは、RAMAN、NIRおよび/またはUV分光装置などの分光装置であり得る。さらに、センサーまたはセンサーモジュールはタンク、特にタンクのリザーバ要素に接続されてもよい。さらに、センサーまたはセンサーモジュールは、使い捨てのセンサー/センサーモジュールであり得る。さらに、流量センサーは超音波センサーであってもよく、オプションでタンクの少なくとも1つのチャネルに配置される。さらに、センサーまたはセンサーモジュールは洗浄可能であり、オプションで滅菌可能であり得る。
【0139】
タンクおよび/またはそのチャネル内の圧力を測定するために、チャネルは可撓性膜を含んでもよい。この膜は、タンクおよび/またはチャネル内の圧力に適合する圧力センサーと関連付けることができる。さらに、タンクおよび/またはチャネル内の圧力は、上部プレート要素に取り付けられたベントフィルタなどの疎水性フィルタを使用して測定することができる。このフィルタはバルブによってタンクのリザーバから分離できる。圧力を測定する場合は、バルブを開けることができる。
【0140】
タンクおよび/またはそのチャネル内の圧力を測定できることで、タンクの漏れ試験および/またはタンク内に設けられたフィルタの非破壊的完全性試験が可能になる。試験の前に、例えば、加圧空気を加えることで、タンクは加圧される。その後、圧力降下を測定し、それぞれの事前定義された圧力値と比較することができる。したがって、漏れを検出することができる。測定された圧力降下が事前定義された圧力値を超えた場合、試験は不合格になる。
【0141】
フィルタの完全性をテストするには、例えば、それぞれのバルブを使用して、タンクのすべての入力チャネルと出力チャネルを閉じる必要がある。バルブを閉じることは、ハンドリングマニピュレータによって、すなわち自動的に実行されることが好ましい。さらに、フィルタは試験前に湿らせる必要がある。フィルタを湿らせることは、試験対象のフィルタに関連付けられた湿潤チャネルを開くことで達成できる。湿潤チャネルは緩衝液をフィルタに導き、フィルタを湿らせることができる。その後、タンク、特にフィルタの透過液側(ろ液側)および/または保持液側(上流側)を加圧することができ、経時的な圧力降下を測定することができる。加圧するには、フィルタに差圧がかかるように、正圧および/または負圧を適用することができる。測定された圧力降下を事前定義された閾値と比較し、完全性試験に合格するかどうかを判断できる。この完全性試験は、タンクのフィルタごとに実行できる。その後、例えば、圧力保持試験、圧力降下試験、および/または順流試験を使用し、整合性をテストすることができる。
【0142】
整合性をテストするには、以下の手順を実行できる。
a)テストされるフィルタは、例えば、緩衝液を適用することによって、湿潤液で湿らせられる。緩衝液は、好ましくはハンドリングマニピュレータを使用することにより、すなわち自動的に、緩衝液を含むカートリッジまたはタンクを通して適用され得る。フィルタを湿らせるために、緩衝液を含むカートリッジまたはタンクと、試験対象のフィルタを含むタンクを流体的に接続するチャネルが開かれる。例えば、それぞれのバルブを開くことによって、および/または緩衝液を含むカートリッジまたはタンクを、試験対象のフィルタを含むタンクに接続することによって開かれる。バルブの作動と緩衝液を含むカートリッジの接続は、ハンドリングマニピュレータによって実行できる。
【0143】
さらに、湿潤が完了したかどうかを監視することもできる。例えば、試験対象のフィルタを通過した透過液および/またはろ液を検出することによって、湿潤ステップの完了を検出できる。これは、重量を量ることによって、容量性センサーなどの流体センサーを提供することによって行うことができる。加えて、または代わりに、湿潤流体およびそれぞれの圧力は、フィルタの適切な湿潤を保証する所定の時間で提供され得る。過剰な湿潤液は、廃棄物チャネルなどを介して除去でき、例えば、廃棄物タンクに導かれる。さらに、必要に応じて、フィルタの湿潤を改善するためにバルブを介して背圧を加えることができる。
【0144】
b)湿潤が完了した後、例えば、フィルタの透過液側(ろ液側)および/または保持液側(上流側)が、好ましくは無菌加圧空気を適用することによって加圧される。加圧する前に、加圧空気がフィルタの加圧側から出ることを可能にするすべてのバルブを、好ましくはそれぞれのハンドリングマニピュレータによって閉じる必要がある。
【0145】
メンブレンフィルタをテストする場合、通常、フィルタの上流側が加圧される。フィルタのろ液側でチャネルが開かれてもよい。例えば、好ましくはそれぞれのバルブを作動させることによって、廃棄物チャネルが開かれる。これにより、フィルタを通過した加圧空気をろ液側から除去できる。
【0146】
クロスフローカセットおよび/または中空糸モジュールをテストする場合、好ましくはタンクの保持液出口チャネルを介して、保持液側に圧力を加えることができる。保持液出口チャネルは、関連するバルブによって開閉可能であり得る。クロスフローカセットおよび/または中空糸モジュールの供給チャネルは完全性試験のために閉じられてもよい。また、クロスフローカセットおよび/または中空糸モジュールの透過液チャネルは完全性試験のために開かれてもよい。フィルタの透過液側でチャネルが開かれてもよい。例えば、好ましくはそれぞれのバルブを作動させることによって、1つの透過液チャネルを廃棄物チャネルに接続する。これにより、フィルタを通過した加圧空気を透過液側から除去できる。
【0147】
c)加圧後または加圧中に、経時的な圧力降下を測定し、所定の閾値と比較することができる。好ましくは、測定は、所定の安定化時間の後に開始される。圧力降下が閾値を超えた場合、試験は不合格になる。
【0148】
試験後、加圧空気は出口ポートを介してタンクから除去することができる。
【0149】
従来のバッグベースのプロセスラインでは、加えられた圧力によってバッグおよび/またはホース接続部が膨張するため、完全性試験は非常に困難である。したがって、試験結果は歪められる。したがって、従来のバッグベースのプロセスラインでは、高価なヘリウム漏れ試験が必要となる。さらに、ヘリウム漏れ試験は複雑であり、通常、従来のバッグベースのプロセスラインの相互接続されたバッグ、またはバイオ医薬品プロセスライン全体でさえ実行できない。特に、バッグの相互接続はテストできない。したがって、容易に組み立てられるプロセスラインおよび/または容易に組み立てられるタンクで完全性試験を使用できることで、漏れのリスクが大幅に軽減される。さらに、プロセスラインを作動するためのコストも軽減される。
【0150】
タンクの少なくとも1つのリザーバ要素(上部プレート要素、オプションで少なくとも1つの側壁要素および/または底部プレート要素)は、センサーまたは複数のセンサーを備えるセンサーモジュールをタンクに接続することを可能にするセンサーモジュール接続部分を備え得る。センサーおよび/またはセンサーモジュールは、達成されたセンサーデータを制御ユニットに転送するための有線または無線データ転送ユニットを備え得る。さらに、センサーおよび/またはセンサーモジュールは充電式バッテリー、および/またはセンサーおよび/またはセンサーモジュールに電力を供給するための電源インターフェースを備えることができる。電源インターフェースは、誘導性または容量性の電源インターフェースなど、有線または無線であってもよい。さらに、センサーおよび/またはセンサーモジュールは、多目的に使用できるように構成することができる。特に、センサーおよび/またはセンサーモジュールは滅菌可能であり得る。
【0151】
センサーおよび/またはセンサーモジュールは、それぞれのハンドリングマニピュレータに接続され得る。接続は有線または無線であってもよい。それにより、データは、センサーおよび/またはセンサーモジュールとハンドリングマニピュレータとの間で転送され得る。さらに、前記接続により、センサーはハンドリングマニピュレータによって電力を供給され得る。
【0152】
リザーバ要素とタンクには電気部品や電子部品がなくても構わないが、それらに接続することもできる(例えば、センサーまたはセンサーモジュール)。したがって、リザーバ要素とタンクは簡単にリサイクルできる。
【0153】
さらに、この目的は、上述したような複数のタンクを備えるタンクシステムによって達成される。第2タンクが第1タンクに隣接して配置される場合、タンクシステムの第1タンクは少なくとも1つのコネクタ装置によって第2タンクと相互接続可能。さらに、第1タンクが第2タンクと相互接続されている場合、第1タンクの少なくとも1つ以上のチャネルは、第2タンクのそれぞれのチャネルに流体的に接続される。したがって、バイオ医薬品プロセスラインなどのプロセスラインを容易にセットアップし、自動化することができる。特に、従来のプロセスラインと比較して、ホースまたはパイプベースの流体接続の数を大幅に減らすことができる。
【0154】
特に、第2タンクが第1タンクに直接隣接して配置される場合、タンクシステムの第1タンクは少なくとも1つのコネクタ装置によって第2タンクと直接相互接続可能であり得る。代わりに、または加えて、ホースベースの流体接続を使用することもできる。
【0155】
接続を容易にするために、第1および第2のタンクの上部プレート要素、特にプレート要素は、側壁要素の上に横方向に突出することができる。したがって、側壁要素が接続に干渉しないため、タンクの接続が容易になる。さらに、底部プレート要素は側壁要素の上に横方向に突出することができる。したがって、タンクは底部プレート要素を介して追加的に接続されてもよい。
【0156】
さらに、第1タンクの高さ寸法は、第2タンクの高さ寸法より小さくてもよい。高さの差を補償するために、タンクシステムは支持レールを備えることができる。そこでは支持レールは少なくとも2つのタンクを支持するように適合されている。タンクが支持レールで支持されている場合、高さ寸法の異なるタンクの上部プレート要素が同一レベルに配置されるように、支持レールはそれぞれのタンク(ここでは、例えば、第1および第2のタンク)の上部プレート要素と係合することができる。加えて、または代わりに、支持レールは、タンクの(追加の)支持が提供されるように、それぞれのタンクの側壁要素と係合することができる。支持レールは、支持されたタンクを個別に計量できる少なくとも1つの計量部材を含んでもよい。次いで、それぞれのタンクの重量を使用して、タンクによって形成されるプロセスラインを制御することができる。
【0157】
支持レールは同じ高さ寸法のタンクにも利用できることを理解されたい。特に、支持レールは少なくとも部分的にクリーンルームバッグに含まれてもよい。
【0158】
したがって、タンクシステムのすべての上部プレート要素を実質的に同じ高さに配置することができる。これにより、それぞれのアダプタプレート要素をプレート要素の上に取り付けることが可能になる。そこではアダプタプレート要素も実質的に同じ高さに配置される。したがって、タンクのポート、タンクのフィルタ、および/またはタンクのバルブの作動装置に、実質的に同じ高さでアクセスして作動することができる。それにより、タンクシステムの自動化された作動と操作が容易になる。さらに、アダプタプレート要素とトッププレート要素がクリーンルームの一部であるバリア要素を挟む場合、クリーンルームは実質的に平坦な上面を有することができ、複雑な形状は必要ない。
【0159】
さらに、少なくとも1つのアダプタプレートは、異なるタンクの複数の上部要素に取り付けられるように構成され、それによって前記タンクの相互接続を強化することができる。
【0160】
さらに、第1タンクの容積は第2タンクの容積より小さくてもよく、第1タンクは第2タンクの上に設置されるように構成されてもよい。第1および第2のタンクは流体的に接続されてもよい。そこでは流体接続(チャネル)はバルブによって制御されてもよい。第1タンクは、作動媒体および/または生化学媒体を第2タンクに提供するように機能し得る。第1タンクは第2タンクの上に設置されているため、重力を利用して第1タンクから第2タンクへ流体を転送することができる。したがって、ポンプの使用を回避することができる。
【0161】
さらに、少なくとも1つのタンクを加圧することによって、媒体を第1タンクから第2タンクに転送することができる。媒体を第1タンクから第2タンクに転送する必要がある場合、第1タンクに正圧を加えることができ、および/または第2タンクに負圧を加えることができる。したがって、媒体は第1タンクから第2タンクに向かって押し出される。第1タンクと第2タンクの間にフィルタが設けられている場合(例えば、第1タンクが第2タンクの上に設置されている場合、相互接続チャネル内および/または第2タンクの上部プレート要素内)、ろ過は、第1タンクおよび/または第2タンク内の圧力レベルを制御することによって制御できる。正圧は、加圧空気などの(作動)媒体をタンクに提供することによって確立できる。負圧は、それぞれのタンクから媒体を除去(作動)することによって確立できる。加圧空気が作動媒体として使用される場合、好ましくは無菌加圧空気が使用される。タンクに入る前にそれぞれの無菌フィルタに加圧空気を導くことによって、無菌加圧空気を得ることができる。
【0162】
さらに、タンクシステムは接続プレート要素を備えていてもよい。前記接続プレート要素は少なくとも1つのチャネルを含むことができ、相互に直接隣接して設けられていないタンクを相互接続するように適合され得る。接続プレート要素を使用すると、間隔をあけたタンクの相互接続が容易になる。それらの間隔をあけたタンクは、例えば、1つ以上のさらなるタンクを挟むことができる。さらに、接続プレート要素は、媒体の流れを多重化または逆多重化するように構成され得る。例えば、接続プレート要素は、チャネル接合部またはチャネルマニホールドを含むことができる。したがって、第1タンクから受け入れた媒体を他の複数のタンクに供給することができる(多重化)。さらに、異なる媒体を接続プレート要素内で混合し、単一のタンクに一緒に供給することができる(逆多重化)。さらに、接続プレート要素は、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または底部プレート要素のいずれかと一体的に形成されてもよい。
【0163】
上部プレート要素、底部プレート要素、および/または接続プレート要素は、独立した製品として利用することもできる。例として、上部プレート要素および/または底部プレート要素は、本開示を通じて説明される少なくとも1つのフィルタを備えたフィルタユニットとして機能し得る。さらに例として、上部プレート要素および/または底部プレート要素は、本開示を通じて説明される少なくとも1つのバルブを備えた流体流量制御ユニットとして機能し得る。
【0164】
さらに、タンクシステムはアダプタを備えていてもよい。前記アダプタは、第1タンクと第2タンクとを相互接続するように適合され得る。オプションでアダプタは、少なくとも1つのコネクタ装置によって第1タンクと第2タンクを相互接続するように適合される。
【0165】
アダプタは、少なくとも1つのチャネルおよび少なくとも1つの流体モジュールを含んでもよい。アダプタが第1タンクと第2タンクを相互接続する場合、アダプタの少なくとも1つのチャネルは、第1タンクのそれぞれのチャネルおよび第2タンクのそれぞれのチャネルに流体的に接続され得る。
【0166】
少なくとも1つの流体モジュールは、媒体の流れ(生化学媒体および/または作動媒体)をろ過、混合、分離および/または活性化するように機能し得る。少なくとも1つの流体モジュールは以下の少なくとも1つであり得る。クロスフローカセット、クロスフロー中空糸モジュール、中空糸フィルタ、樹脂カプセル、フィルタカプセル、および/または磁気チューブ。アダプタは、同じタイプおよび/または異なるタイプの複数の流体モジュールを含むことができることを理解されたい。
【0167】
さらに、少なくとも1つの流体モジュールは交換可能であり得る。したがって、メンテナンスを容易にすることができる。特に、少なくとも1つの流体モジュールは、別のタイプの流体モジュールと交換可能であり得る。したがって、アダプタの機能を少ない労力で適応させることができる。さらに、少なくとも1つの流体モジュールは、同じタイプの流体モジュールと交換可能であり得る。したがって、例えば、消耗したフィルタは容易に交換できる。
【0168】
さらに、アダプタは相互に直接隣接して設けられていないタンクを相互接続するように適合され得る。アダプタを使用すると、間隔をあけたタンクの相互接続が容易になる。それらの間隔をあけたタンクは、例えば、1つ以上のさらなるタンクを挟むことができる。さらに、アダプタは接続プレート要素と同様に、媒体の流れを多重化または逆多重化するように構成され得る。
【0169】
システムは、少なくとも1つのクリーンルームバッグをさらに備えていてもよい。さらに、いくつかの目的は、前記クリーンルームバッグによって達成される。クリーンルームバッグは、少なくとも1つのタンクを受け入れるように構成されている。また、少なくとも1つのタンクがクリーンルームバッグに受け入れられた場合、少なくとも1つのタンクにクリーンルーム環境を提供する。アクセスプレート要素を介して、少なくとも1つのアクセスポイントを画定してクリーンルームバッグの外側からタンクへのアクセスを提供するために、クリーンルームバッグは、タンクのアクセスプレート要素、例えば、タンクの上部プレート要素とアダプタプレート要素との間に挟まれるように適合された少なくとも1つのフォイル部分を備える。さらに、少なくとも1つのタンクはクリーンルームバッグの外側から、アクセスプレート要素を介してハンドリングマニピュレータを用いてアクセス可能であり得る。
【0170】
クリーンルームバッグは、例えば、従来の工場ホールとか、ほぼすべての環境に設置できる。したがって、高価で時間のかかる医薬品プロセスラインプラントの計画と建設を回避できる。したがって、バイオ医薬品プロセスラインを非常に迅速にセットアップできる。さらに、クリーンルームバッグ自体が少なくともクリーンルーム条件を提供するため、高価な従来のクリーンルームを設置する必要がない。さらに、使い捨てクリーンルームバッグの場合、高価で時間のかかる洗浄と試験を回避できる。
【0171】
クリーンルームバッグは、使用しないときに保管スペースをあまり必要としない可撓性バッグであることが好ましい。クリーンルームバッグは事前滅菌が可能で、使用時に膨張/展開することができる。したがって、無菌または少なくともクリーンルーム環境を提供することができる。
【0172】
クリーンルームバッグは少なくともクリーンルーム条件を提供する。クリーンルームバッグは、少なくともISO 8(ISO 14644-1およびISO 14698)条件を提供できる。必要な環境に応じて、ISO 1までのクリーンルーム条件も可能である。より好ましくは、クリーンルームバッグは、タンクを作動させるための無菌環境を提供する。クリーンルームバッグは、例えば、ETO、ガンマ線滅菌、X線滅菌、またはオートクレーブ滅菌によって滅菌可能であり得る。
【0173】
このシステムは、少なくとも1つのアダプタプレート要素をさらに備えることができる。そこではアダプタプレート要素は少なくとも1つのタンクに関連付けられる。特に、アダプタプレート要素は、単一のタンクまたは複数のタンクと関連付けることができる。クリーンルームバッグの少なくとも1つのフォイル部分のうちの1つが、タンクのアクセスプレート要素とアダプタプレート要素の間に挟まれるように、アダプタプレート要素は少なくとも1つのタンクに取り付けることができる。アクセスプレート要素は、上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、または底部プレート要素であり得る。特に好ましくは、上部プレート要素はアクセスプレート要素である。
【0174】
さらに、アダプタプレート要素は、アクセスプレート要素を介して、クリーンルームバッグの外側からタンクへのアクセスを提供するための少なくとも1つのアクセスポイントを画定するように構成される。
【0175】
したがって、タンクをクリーンルームまたは無菌環境に設置できると同時に、クリーンルームバッグの外側からタンクにアクセスすることができる。したがって、ハンドリングマニピュレータおよび他の制御または作動装置をクリーンルームバッグの外側に設けることができる。したがって、クリーンルームバッグのサイズを最小限に抑えることができる。
【0176】
アダプタプレート要素は、フィルタおよび/またはタンクのポートを少なくとも部分的に覆うように構成され得る。したがって、媒体(生化学媒体および/または作動媒体)をクリーンルームバッグの外側からタンクに転送、および/またはタンクから除去することができる。タンクのアクセスプレート要素とアダプタプレート要素との間に挟まれたクリーンルームバッグのフォイル部分は、タンクのフィルタおよび/またはポートの領域に取り外し可能および/または穿孔可能なように設けられ得る。したがって、タンクへのアクセスは、クリーンルームバッグの外側から提供できる。
【0177】
クリーンルームバッグの外側からタンクにアクセスするために、ハンドリングマニピュレータは以下の手順を実行できる。
【0178】
ステップ1:クリーンルームバッグの少なくとも1つのフォイル部分のうちの1つが、タンクのアクセスプレート要素とアダプタプレート要素の間に挟まれるように、少なくとも1つのタンクにアダプタプレート要素を取り付ける。オプションで、アダプタプレート要素の貫通穴(アクセスポイント)から、キャップなどのカバー要素を取り外す。
【0179】
ステップ2:ナイフ、針、レーザーなどの穿孔装置を用いて、クリーンルームバッグの少なくとも1つのフォイル部分に穿孔する。穿孔は、フォイル部分をクリーンルームバッグから分離する方法で実行できる。
【0180】
ステップ3:オプションで、ハンドリングマニピュレータの真空グリッパなどの把持装置を使用して、分離されたフォイル部分を把持する。
【0181】
ステップ4:オプションで、好ましくはハンドリングマニピュレータを使用して、残りのフォイル部分をアダプタプレート要素および/またはトッププレート要素と溶接する。
【0182】
ステップ5:オプションで、アダプタプレート上の除去された/穿孔されたフォイル部分の領域に、クイックコネクタ装置などのコネクタ装置を配置する。アダプタプレート要素は、バルブの作動装置および/またはタンクの操作装置(撹拌装置など)を支持するように構成され得る。また、そこではフォイル部分は、タンクへのアクセスを提供するために、バルブの作動装置および/またはタンクの操作装置の領域に取り外し可能および/または穿孔可能に設けられてもよい。上述したように、ハンドリングマニピュレータを使用してアクセスすることができる。したがって、クリーンルームバッグの外側からバルブや撹拌装置などの操作装置を操作することができる。
【0183】
さらに、クリーンルームバッグは、少なくとも1つのタンクを組み立てるために機能するアセンブリルームに密封して結合するように適合され得る。そこではクリーンルームバッグは、少なくとも1つの組み立てられたタンクをアセンブリルームから受け入れるようにさらに構成され得る。アセンブリルームは、タンクを組み立てるためのクリーンルームおよび/または無菌環境を提供することもできる。したがって、組み立て中のタンクの汚染のリスクが軽減される。
【0184】
クリーンルームバッグは滅菌バッグであってもよく、オプションで使い捨てバッグであり得る。クリーンルームバッグは最初に滅菌されている、またはバイオ医薬品製造業者の現場で滅菌可能であり得る。使い捨てバッグを提供することで、タンクの汚染のリスクがさらに軽減される。さらに、使用後のクリーンルームバッグの洗浄も不要である。
【0185】
クリーンルームバッグは支持構造によって保持されてもよい。支持構造は、フレームなどの剛性支持構造であり得る。あるいは、支持構造は膨張可能であり得る。クリーンルームバッグ自体を膨張させることも可能である。したがって、移動可能な自立型のクリーンルームを提供することができる。
【0186】
クリーンルームバッグは、シェルの第1層が最も外側の層である多層の外側シェルを備えることができる。また、そこではシェルの第2層が最も内側の層である。シェルの第2層によって囲まれた空間は、シェルの第1層と第2層との間に与えられる圧力よりも低い圧力で加圧され得る。着色ガスをシェルの第1層と第2層の間に供給してもよい。したがって、シェルの第2層が漏れると、着色ガスが第2層に囲まれた空間に入る。これは検出でき、無菌環境および/またはクリーンルーム環境への汚染物質の侵入を示唆する。
【0187】
クリーンルームバッグは、組み立てられたタンクを受け入れるように構成された密閉可能な開口部を含んでもよい。クリーンルームバッグがアセンブリルームに密封して結合されているとき、そこではクリーンルームバッグの密閉可能な開口部は、アセンブリルームの対応する密閉可能な開口部と一緒に開くように構成されてもよい。さらに、密閉可能な開口部を使用して、クリーンルームバッグからタンクを除去することができる。クリーンルームバッグは、複数の密閉可能な開口部を含んでもよい。したがって、組み立てられたタンクをアセンブリルームからクリーンルームバッグに転送する、またはクリーンルームバッグから取り出すことが容易になる。
【0188】
上述したように、クリーンルームバッグがアセンブリルームに密封して結合される場合、アセンブリルームの滅菌は、クリーンルームバッグの密閉可能な開口部の外側を滅菌するために機能することができる。したがって、クリーンルームバッグへの無菌転送を容易にすることができる。
【0189】
クリーンルームバッグの密閉可能な開口部は、少なくとも1つのカバー要素によって覆われてもよい。アセンブリルームの対応する密閉可能な開口部は、少なくとも1つの対応するカバー要素によって覆われ得る。少なくとも1つのカバー要素および少なくとも1つの対応するカバー要素は、相互に結合して一緒に開くように構成される。
【0190】
例えば、密閉可能な開口部および対応する密閉可能な開口部は、引き戸として提供されてもよい。少なくとも1つのカバー要素/対応するカバー要素は、それぞれの引き戸の扉であり得る。カバー要素と対応するカバー要素の結合は、例えば、磁気装置、ポジティブロック装置、またはその他のカップリングまたはロック装置によって達成できる。好ましくは、磁石(永久磁石)は、カバー要素/対応するカバー要素の少なくとも縁部分に分布される。これにより、画定された方法でカバー要素を対応するカバー要素と結合することが可能になる。したがって、カバー要素/対応するカバー要素の非無菌外面は、結合後に相互に覆う。したがって、密閉可能な開口部を通ってアセンブリルームからクリーンルームバッグに転送されるとき、組み立てられたタンクが汚染されるリスクをさらに低減することができる。
【0191】
カバー要素/対応するカバー要素は、クリーンルームバッグおよび/またはアセンブリルームに対して移動可能である。カバー要素/対応するカバー要素およびクリーンルームバッグ/アセンブリルームは、例えば、少なくとも1つのブラシシール、リップシールなどによって、シールされていてもよい。さらにより好ましくは、カバー要素/対応するカバー要素は、シールフォイル部分などの可撓性部分を介して、クリーンルームバッグまたはアセンブリルームに接続され得る。可撓性部分は、第1側でカバー要素に接続され、第2側でクリーンルームバッグに接続され得る。同様に、可撓性部分は、第1側で対応するカバー要素に接続され、第2側でアセンブリルームに接続され得る。したがって、カバー要素とクリーンルームバッグとの間、および/または対応するカバー要素とアセンブリルームとの間に隙間を設けることなく、密閉可能な開口部を開閉することができる。したがって、汚染リスクをさらに低減することができる。
【0192】
クリーンルームバッグは、シールフレームをさらに備えることができ、またはシールフレームと関連付けることができる。密閉フレームは、アセンブリルームの密閉可能な開口部を囲むように構成され得る。したがって、開口部が開かれるときに、開口部を環境から密閉する追加のシールが提供される。したがって、汚染リスクをさらに低減することができる。シールフレームは別個のフレームであってもよく、アセンブリルームに設けられてもよい。
【0193】
このシステムは、UV光源をさらに備えることができる。UV光源は、アセンブリルームの密閉可能な開口部に関連付けられていてもよい。したがって、密閉可能な開口部の外面上の考えられる汚染物質は、密閉可能な開口部を開く前および/または開いている間に除去/破壊することができる。少なくとも1つのUV光源は、シールフレーム内に設けることができる。好ましくは、UV光源は、異なる方向から密閉可能な開口部を照明するように構成される。したがって、汚染物質を効果的に除去/破壊することができる。
【0194】
シールフレームは、密閉可能な開口部を開く前に、アセンブリルームのシールフレームと閉じられた密閉可能な開口部との間の空間を排気することを可能にするポートをさらに備え得る。したがって、粒子および/または汚染物質を効果的に除去でき、汚染のリスクをさらに低減できる。
【0195】
クリーンルームバッグは、受け入れた少なくとも1つの組み立てられたタンクをクリーンルームバッグ内に導くための少なくとも1つのレールを備えることができる。したがって、クリーンルームバッグ内での組み立てられたタンクの位置決めが容易になる。例えば、第1タンクをレール上に設置してもよい。第2タンクを第1タンクと相互接続し、レール上に設置することもできる。それにより、第1タンクをさらにクリーンルームバッグ内に導くことができる。これを繰り返すことで、プロセスライン全体を組み立て、クリーンルームバッグ内に導くことができる。
【0196】
レールは、受け入れた少なくとも1つの組み立てられたタンクをクリーンルームバッグ内に導くための支持レールであり得る。支持レールは少なくとも2つのタンクを支持するように適合されている。タンクが支持レールで支持されている場合、高さ寸法の異なるタンクの上部プレート要素が同一レベルに配置されるように、支持レールはそれぞれのタンクの上部プレート要素および/または側壁要素と係合することができる。この場合、タンクは吊り下げ構成になっており、底板プレート要素は地面に接触していない可能性がある。加えて、上部プレート要素の吊り下げ支持体に加えて、底部プレート要素でタンクを支持する支持部材を設けることができる。
【0197】
支持レールは、クリーンルームバッグが折り畳み可能であるように、複数の支持レールセクションから形成されてもよい。特に、支持レールセクションは、プラスチック材料から作られてもよく、射出成形されてもよい。特定の実施形態では、フォイル部分および支持レールセクションは、相互に固定して接着される(例えば、溶接または接着される)、またはさらには一体的に形成される。支持レールセクションの耐荷重を高めるために、それらのセクションは金属インサートを含んでもよい。
【0198】
さらに、支持レールセクションは、ハンドリングマニピュレータの一部であり得るフレームの対応する支持レールを受け入れるように構成され得る。フレームは、金属支持レールなどの剛性の対応する支持レールを含んでもよい。支持レールセクションは、フレームの対応するサポートレールに適合するように形成できる。さらに、支持レールセクションは、好ましくはスナップフィットによって、支持レールセクションをフレームの対応する支持レールに係合させるラッチング装置を含んでもよい。
【0199】
さらに、支持レール、上部プレート要素、側壁要素および/または支持レール内のタンクの誘導を改善するために、支持レールセクションはそれぞれ支持ホイールまたは支持ローラを含んでもよい。支持ローラ/ホイールは、タンクのそれぞれの上部プレート要素および/または側壁要素に接続可能なローラ部材に含まれていてもよい。次いで、支持ローラ/ホイールは支持レール内で導かれ、タンクを吊り下げ構成で支持および案内する。
【0200】
支持レール/支持レールセクションは、支持されたタンクを個別に計量できる少なくとも1つの計量部材を含んでもよい。次いで、それぞれのタンクの重量を使用して、タンクによって形成されるプロセスラインを制御することができる。
【0201】
この目的はタンクを組み立てる方法によっても達成される。そこでは以下の手順を含む。上部プレート要素を提供し、オプションで少なくとも1つの側壁要素を提供し、底部プレート要素を提供し、上部プレート要素と下部プレート要素、およびオプションで少なくとも1つの側壁要素を組み立て、少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるためのリザーバを形成する。
【0202】
組み立ては完全に自動化することができる。さらに、組み立てはクリーンルーム、またはさらに無菌環境で行われることが好ましい。上述したタンクのさらなる部品も組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0203】
以下に、本発明の実施形態を概略的に示す添付図面を説明する。ここでは、
【
図1B】さらなるリザーバ要素の分解図を概略的に示す。
【
図4】タンクの底部プレート要素として使用できるリザーバ要素を概略的に示す。
【
図5】タンクの上部プレート要素として使用できるリザーバ要素を概略的に示す。
【
図7】A~Cは、異なる容積を有する組み立てられたタンクの概要を説明する。
【
図10】さらなるリザーバ要素の拡大図を概略的に示す。
【
図10A】上部プレート要素に取り付けられているバルブの切断図を示す。
【
図11】タンクシステムのさらなる側面を概略的に示す。
【
図13】クリーンルームバッグを概略的に示す。および
【
図14】タンクを組み立てる方法のフロー図を概略的に示す。
【0204】
図面の詳細な説明
図1Aおよび1Bは、バイオ医薬品プロセスラインのタンク1(
図6参照)の異なるリザーバ要素200、200aの分解図を概略的に示す。リザーバ要素200は、本体要素210および複数のシェル要素220、222を含む(
図1Aを参照)。リザーバ要素200aは、本体要素210aおよび単一のシェル要素220a(
図1B参照)を含む。本体要素は、第1端部212、212aと、第1端部の反対側にある第2端部214、214aを有し、第1端部と第2端部のそれぞれがオリフィスを含む。そこでは本体要素210、210aは第1端部212、212aから第2端部214、214aに向かって先細になっている。そこでは内容積は第1端部と第2端部との間に画定される。
【0205】
図1Aと1Bに示す本体要素210、210aは、第1端部212、212aに平行な平面において多角形の断面(四角形)を有する。したがって、本体要素は4つの実質的に平坦な側壁部分を形成する。
図1Aにおいて、それぞれのシェル要素220、222は同様に板状である。あるいは、シェル要素220bも、
図1Bに示すように、多角形の断面を有し得る。さらに別の代替案では、シェル要素は、取り付けられたときに本体要素210、210aの一部だけ、例えば、少なくとも2つの側壁要素を覆うように形成されてもよい。
【0206】
本体要素および/または少なくとも1つのシェル要素は、少なくとも1つの溝216、217、218を含む。ここで、溝216、217、218は本体要素に含まれる。溝217は第1端部から第2端部まで延在する。そこでは溝216は第1端部212からリザーバ要素のポート230まで延在する。ポート230は流体入口ポートであり得る。溝218は、第1端部212で始まり、第1端部212で終わるが、いくつかの弯曲を含む。
図2では、シェル要素220、222は、本体要素210に固定して取り付けられ(例えば、溶接または接着される)、本体要素210とシェル要素220、222がそれぞれの溝216、217を挟んでチャネルを形成してある。これらのチャネルは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くように適合されている。例えば、溝216によって形成されるチャネルは、(ポート230を介して)リザーバ要素の内容積に生化学流体を導くために使用され得る。溝217によって形成されるチャネルは、流体を第1端部から第2端部に転送するように適合され、弯曲した溝218によって形成されるチャネルは加熱/冷却チャネルとして使用され得る。
【0207】
さらに、リザーバ要素200の第1端部212は、
図6に例として示すように、リザーバ要素200をさらなるリザーバ要素に密封して接続するための密封面213を含む。
【0208】
図3は、相互に積み重ねられた2つのリザーバ要素200、200’を概略的に示す。特に、前記リザーバ要素200、200’の内容積および第1オリフィスは、リザーバ要素200がさらなるリザーバ要素200’を少なくとも部分的に受け入れるように適合されるように構成されている。その結果、複数のリザーバ要素を相互に積み重ねることができる。したがって、保管スペースを最小限に抑えることができる。
【0209】
図4はタンクの底部プレート要素として使用できるリザーバ要素300を概略的に示す。リザーバ要素300は、先細になっている本体要素310と、本体要素に固定して取り付けられた複数のシェル要素320、322を含む。
【0210】
さらに、リザーバ要素300は、それぞれのオリフィスを覆うように、本体要素320の第1端部312に密封して取り付けられたプレート要素330を含む。前記プレート要素330は、複数の層を含むことができ、特に少なくとも1つのチャネル(図示せず)を含むことができる。そこでは少なくとも1つのチャネルは、本体要素310および少なくとも1つのシェル要素320、322によって形成されるチャネルと連通できる。リザーバ要素300はさらに、内容積のアンダーカットを少なくとも部分的に覆うインサート340を備える。したがって、デッドボリュームの形成が防止される。さらに、リザーバ要素は、バルブ(図示せず)を開閉するために使用され得る作動装置352を含む。前記バルブは磁気バルブであり得る。
【0211】
図5はタンクの上部プレート要素として使用できるリザーバ要素100を概略的に示す。さらに、リザーバ要素100は、それぞれのオリフィスを覆うように、本体要素120の第1端部112に密封して取り付けられたプレート要素130を含む。前記プレート要素130は、複数の層を含むことができ、特に少なくとも1つのチャネル(図示せず)を含むことができる。そこでは少なくとも1つのチャネルは、本体要素110および少なくとも1つのシェル要素120、122によって形成されるチャネルと連通できる。リザーバ要素100はさらに、内容積のアンダーカットを少なくとも部分的に覆うインサート140を備える。したがって、デッドボリュームの形成が防止される。さらに、リザーバ要素100は、バルブ(図示せず)を開閉するために使用され得る作動装置152を含む。前記バルブは磁気バルブであり得る。
【0212】
リザーバ要素100、200、200’、300は、
図6に示すようにタンク1に組み立てられるように適合されたタンクアセンブリを形成することができる。各リザーバ要素の第1端部112、212、312は、特に同じサイズおよび形状を有する。同様に、各リザーバ要素の第2端部114、214、314は、特に同じサイズおよび形状を有する。それぞれのリザーバ要素100、200、300の本体要素110、210、310が第1端部から第2端部に向かって先細になると、第1端部と第2端部のサイズおよび/または形状が異なることを理解されたい。特に同じサイズおよび形状を有する第1端部112、212、312を提供し、特に同じサイズおよび形状を有する第2端部114、214、314を提供することにより、異なる容積を有するタンクのそれぞれのリザーバ要素を組み立てることが可能になる(例えば、
図7参照)。
【0213】
図6には、バイオ医薬品プロセスライン用の組み立てられたタンク1が示されている。タンクは、上部プレート要素100、2つの側壁要素200、200’、および底部プレート要素300を備える。側壁要素は、
図1~
図3に関して説明された側壁要素200、200’である。底部プレート要素と上部プレート要素は、実質的に同じ構成を有し得る。また、それぞれ
図4と5に示されるリザーバ要素であり得る。
【0214】
上部プレート要素100、側壁要素200、200’、および底部プレート要素300は、少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるための少なくとも1つのリザーバ500を形成するように配置される。リザーバ要素が少なくとも1つのチャネルを含むので、タンクも少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くための少なくとも1つのチャネル(図示せず)を備える。そこでは少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素および/または底部プレート要素の内部に延在する。リザーバ要素100、200、200’、300のそれぞれの少なくとも1つのチャネルを接続して、タンクのジョイントチャネルを形成することができる。
【0215】
タンクを形成するために、リザーバ要素100の第2端部114は、リザーバ要素100の第2端部214と密封して結合される。同様に、リザーバ要素200、200’の第1端部112、112’は密封して結合され、リザーバ要素200’の第2端部214’はリザーバ要素300の第2端部314と密封して結合される。
【0216】
リザーバ要素100、200、300のそれぞれは、少なくとも1つのアセンブリ接続装置160、260、260’および対応するアセンブリ接続装置262、262’、362を含んでもよい。アセンブリ接続装置は、フックなどのラッチ部材を含むことができる。そこでは対応するアセンブリ接続装置は、前記フックと係合するために形成された凹部を含むことができる。係合すると、隣接するリザーバ要素間のシール接続が達成できる。
【0217】
代替の実施形態(図示せず)では、アセンブリ接続装置は、リザーバ要素に一体化されたネジ付き部材であってもよい。ネジ付き部材は、雌ネジ(例えば、ナット)または雄ネジ(例えば、ネジ付きシャフトまたはネジ)を有することができ、リザーバ要素と一体的に形成することができる。オプションで、または加えて、ネジ付き部材は、リザーバ要素内にしっかりと保持される金属インレーなどのインレーであってもよい。インレーは、例えば、リザーバ要素にオーバーモールドまたは接着することができる。対応するアセンブリ接続装置は、雌ネジを有するネジ付き部材と位置合わせできるトラフ開口部とすることができる。したがって、リザーバ要素は、ネジを貫通開口を通してネジ部材にねじ込むことによって接続および係合することができる。さらに、対応するアセンブリ接続装置は、雄ネジを有するネジ付き部材を受け入れるトラフ開口部とすることができる。したがって、リザーバ要素は、ネジ付き部材にナットなどをねじ込むことによって接続および係合することができ、それによってリザーバ要素が係合する。
【0218】
特に、第1および第2の端部のそれぞれは、アセンブリ接続装置および対応するアセンブリ接続装置と関連付けられ得る。その結果、異なるリザーバ要素が任意に結合され得る。
【0219】
さらに、上部プレート要素100および底部プレート要素300の作動装置152および352は、側壁要素200、200’のそれぞれの作動装置252、252’によって相互に接続され得る。したがって、例えば、底部プレート要素(図示せず)に設けられたバルブの作動は、上部プレート要素100の作動装置152を作動させることによって可能となる。
【0220】
各要素(上部プレート要素100、側壁要素200、200’、および底部プレート要素300)は、センサーおよび/またはセンサーモジュールを備えるように適合され得る。センサーモジュールは複数のセンサーを備え得る。例えば、少なくとも1つのpHセンサー、温度センサー、溶存酸素センサー、バイオマスセンサー、泡センサー、圧力センサー、流量センサー、O2センサー、N2センサー、CO2センサー、およびRAMAN、NIRおよび/またはUV分光装置などの分光装置。センサーモジュールは、それぞれの上部プレート要素100、側壁要素200、200’、および/または底部プレート要素300に接続可能であり得る。センサーモジュールには、センサーモジュールを自律的に作動させることを可能にする充電式バッテリーなどの電源が提供されてもよい。さらに、センサーモジュールは、データインターフェース、特に測定されたセンサデータをそれぞれの制御ユニットまたは保管ユニットに転送するための無線データインターフェースを備えることができる。
【0221】
さらに、タンク、特に上部プレート要素100は、少なくとも1つのフィルタを備えることができる。フィルタは、リザーバ要素100の内容積内に設けることができる。さらに、フィルタは、リザーバ要素100のプレート要素130に一体化されてもよい。さらに、アダプタプレート要素は、フィルタおよび/またはタンクのポートを少なくとも部分的に覆うように構成され得る。特定の実施形態では、前記タンクの上部プレート要素および関連するアダプタプレート要素がフィルタハウジングを形成することができる。
【0222】
図7A~7Cに示すように、リザーバ要素は、異なる容積のタンクを形成するのに適している。
図7Aでは、上部プレート要素100、4つの側壁要素200、200’、200’’、200’’’、および底部プレート要素300を含むタンクが組み立てられている。側壁要素は、
図1~
図3に関して説明されたリザーバ要素200、200’、200’’、200’’’である。底部プレート要素と上部プレート要素は、実質的に同じ構成を有し得る。また、それぞれ
図4と5に示されるリザーバ要素であり得る。したがって、
図7Aのタンクは、ほぼ2倍の容積を有する、
図6に示すタンクと同じ要素から組み立てることができる。
【0223】
図7Bは、
図7Aに示されるタンクと同様のさらなるタンクを示す。この構成では、側壁要素200が側壁要素200aに置き換えられる。この側壁要素200aは、側壁要素200よりも低い高さ寸法を有するが、第1および第2の端部は、側壁要素200の第1および第2の端部と特に同じ形状およびサイズを有する。これにより、側壁要素200、200aの交換が可能になる。
【0224】
図7Cは、側壁要素を有さない構成を示す。タンクは、上部プレート要素100と底部プレート要素300のみから形成されている。したがって、非常に少量の容積を達成することができる。
【0225】
図8は2つのタンク1、2を備えるタンクシステムを概略的に示す。両方のタンクは、
図6に関して説明されたように構成されている。第1タンク1は、少なくとも1つのコネクタ装置(図示せず)によって第2タンク2と相互接続される。第1タンク1が第2タンク2と相互接続されている場合、第1タンク1の少なくとも1つ以上のチャネルは、第2タンク2のそれぞれのチャネルに流体的に接続される。したがって、媒体を第1タンクから第2タンクに、またはその逆に転送することができる。
【0226】
第1および第2のタンク1、2の上部プレート要素100a、100b、特にプレート要素130a、130bは、側壁要素200a、200’a;200b、200’bの上に横方向に突出することができる。したがって、側壁要素が接続に干渉しないため、タンク1、2の接続が容易になる。さらに、底部プレート要素300a、300bは側壁要素200a、200’a;200b、200’bの上に横方向に突出することができる。したがって、タンクは底部プレート要素を介して追加的に接続されてもよい。
【0227】
図9と10は、底部プレート要素300であり得るリザーバ要素の拡大図を概略的に示す。特に、リザーバ要素300のプレート要素330などのプレート要素が示されている(
図9参照)。
図10は、プレート要素330’の異なる構成を示す。プレート要素330;330’は、撹拌装置90を備える。そこでは撹拌装置はタンクの外側から駆動可能であってもよい。撹拌装置は作動ロッド92を備え、作動ロッド92は歯車装置(図示せず)を含んでもよい。歯車装置により、作動ロッド92の駆動部分92aと作動ロッド92の出力部分92bとの間に角度(ここでは90度)を与えることができる。作動ロッド92は、タンクの外側に設けられた電気駆動機構などの駆動機構80と結合することができる。駆動機構は、タンクおよび/またはタンクシステムの自動制御を可能にするハンドリングマニピュレータ(図示せず)の一部であってもよい。この結合は、磁気結合89によって達成され得る。したがって、駆動機構80が回転すると、磁気結合89がその回転を駆動部分92aに伝達する。この回転は出力部分92bを介して撹拌装置90に伝達される。出力部分92bと撹拌装置90は、磁気的に結合されてもよいし(
図10、磁気結合98参照)、または
図9に示されるように機械的に結合されてもよい。
【0228】
さらに、プレート要素330は、2つのポート337、338に関連付けられたチャネル336を含んでもよい。ポート337は、リザーバ要素の内容積に/から生化学媒体を供給するための流体入口または出口ポートであり得る。ポート338は、電磁バルブであり得るバルブ339に関連付けられている。好ましくは、磁気バルブは磁気結合を誘導して、駆動機構80によって開閉することができる。特定の実施形態では、駆動機構80は、作動ロッド92の磁気結合および磁気バルブ39に移動することができる。したがって、駆動機構80を使用して、バルブ339および撹拌装置90を作動させることができる。磁気結合により、例えば、タンクをクリーンルームバッグ内に設けることができる。ハンドリングマニピュレータおよび駆動装置80はクリーンルームバッグの外側に設けられる。
【0229】
代替の実施形態では、駆動機構は底部プレート要素300の下に設けられてもよい。したがって、ギア装置は必要ない。
【0230】
磁気バルブ39はニードルバルブであり得る。前記バルブは初期状態では閉じてもよく、バルブ本体を軸方向に変位させることによって開くことができる。これは、例えば、磁力を加えることによって実現できる。閉じた初期状態において、バルブは、バネ部材または磁気部材によって予荷重を与えられ得る。したがって、非作動時には、バルブは閉じた状態にあり得る。(例えば、手動またはハンドリングマニピュレータを介して)操作されている場合にのみ、バルブが開く。
【0231】
図10Aは、上部プレート要素100の詳細を示している。そこではバルブ50が上部プレート要素100に取り付けられている。バルブ50は、ボールペンの切替機構に相当する切替機構を備える。したがって、バルブ50は、バルブ50の作動装置51を軸方向に変位させることによって開閉することができる。本実施形態では、作動装置51はバルブ作動本体51である。
図10Aでは、バルブ50は開いた状態にあり、通路55を通る流体流量60を可能にする。図示された上部プレート要素100は、間にシールを有する3つのプレート要素を備える。そこではバルブ50は、3つのプレート要素すべての内部に延在する。バルブ50は、シール52によって上部プレート要素に対してシールされている。
【0232】
図10Bは、
図10Aのバルブ50を分解図で示す。バルブ50は、前記バルブ作動本体51と、バルブハウジング53と、スイッチング要素54と、流体制御要素56と、バネ57を備える。バルブ作動本体51、スイッチング要素54、および流体制御要素56は、バルブハウジング53内で軸方向に変位可能に配置されている。それにより、スイッチング要素54は、軸方向に変位するときにバルブハウジング53に対して回転するように構成される。特に、スイッチング要素54は、バルブハウジング53内の傾斜面58と係合するように構成されている。流体制御要素56は、バルブハウジング53に対して流体制御要素56をシールするように構成されたシール59を備える。さらに、流体制御要素56は、通路55を開閉して流体流量60を制御するように適合されている。バネ57は、他の場所に配置されてもよく、および/またはポリマーバネであってもよい。別の特に好ましい実施形態では、バネ57は、バネ57との流体接触が回避されるように配置される。
【0233】
図11はタンクシステムのさらなる側面を概略的に示す。タンクシステムは複数のタンクを備える。そこでは
図11の視点ではタンク1のみが示されている。前記第1タンク1は、第2タンク(図示せず)と相互接続され得る。タンクは、
図6に示すようなタンクであり得る。
【0234】
タンク1は、組み立てられたタンク1の一部であるアクセスプレート要素、ここでは上部プレート要素100を備える。アクセスプレート要素100は、タンク1へのアクセスを提供するように構成される。さらに、支持レール、上部プレート要素、側壁要素および/または支持レール内のタンクの誘導を改善するために、支持レールセクションはそれぞれ支持ホイールまたは支持ローラを含んでもよい。
【0235】
支持ローラ/ホイールは、タンクのそれぞれの上部プレート要素および/または側壁要素に接続可能なローラ部材に含まれていてもよい。次いで、支持ローラ/ホイールは支持レール内で導かれ、タンクを吊り下げ構成で支持および案内する。
【0236】
システムは、少なくとも1つのハンドリングマニピュレータ13000、13100、13200をさらに備えていてもよい。例えば、第1ハンドリングマニピュレータ13000がタンク1の上方に配置され、第2ハンドリングマニピュレータ13100がタンク1の下方に配置され、第3ハンドリングマニピュレータ13200がタンク1の横に配置されてもよい。ハンドリングマニピュレータは、例えば、アクセスプレート要素100を介して少なくとも1つのタンクにアクセスして制御するために、タンク1に対して移動可能に配置される。特に、ハンドリングマニピュレータは、ハンドリングマニピュレータを少なくとも1つの軸方向に移動させることができるガイドレール12000を含んでもよい。特定の実施形態では、ハンドリングマニピュレータはガントリーロボットを含む。
【0237】
特に、ハンドリングマニピュレータ13000、13100、13200は、生化学媒体をタンクへ、および/またはタンクから生化学媒体を転送するために、タンク1に作動媒体を提供する、および/またはそれぞれのタンクから作動媒体を除去するように適合され得る。
【0238】
ハンドリングマニピュレータ13000、13100、13200は、ポンプ、撹拌装置などを駆動するための、および/またはバルブを開閉するためのタンクの作動装置と結合することができる駆動装置(図示せず)を備え得る。
【0239】
さらに、ハンドリングマニピュレータ13000、13100、13200は、生化学媒体および/または作動媒体をタンクに供給/保持するように構成され得る。特に、加圧空気などの作動媒体を使用して、生化学媒体をタンクへ、および/またはタンクから転送することができる。したがって、タンクは作動媒体を介して作動可能である。生化学媒体をタンクから転送する場合、タンクに作動媒体を適用することにより、(例えば、ハンドリングマニピュレータ13000、13100、13200によって)第1タンク1に正圧を加えることができる。したがって、例えば、第2タンク2および/またはフィルタに向かって、生化学媒体はタンク1の外に押し出される。
【0240】
生化学媒体をタンクに転送するために、例えば、タンクから媒体を除去または作動することによって、特にハンドリングマニピュレータ13000、13100、13200によって負圧を確立することができる。加圧空気が作動媒体として使用される場合、好ましくは無菌加圧空気が使用される。タンクに入る前にそれぞれの無菌フィルタに加圧空気を導くことによって、無菌加圧空気を得ることができる。
【0241】
加圧空気などの作動媒体は、ハンドリングマニピュレータ13000、13100、13200を使用し、それぞれの気体入口ポートおよび/または出口ポートによって、タンク1に供給またはタンクから除去することができる。タンクへの媒体の適用および/またはタンクからの媒体の除去は、例えば、圧力制御、容積制御、および/または質量制御によって実行され得る。
【0242】
さらに、ハンドリングマニピュレータ13200などの少なくとも1つのハンドリングマニピュレータは、タンクシステムのタンクの重さを量ることを可能にする計量部材を含んでもよい。次いで、それぞれのタンクの重量を使用して、タンクによって形成されるプロセスラインを制御することができる。
【0243】
このシステムは、少なくとも1つのクリーンルームバッグ8000(
図11に破線で示す)をさらに含んでもよい。クリーンルームバッグ8000は、少なくとも1つのフォイル部分8500を備える。クリーンルームバッグは、少なくとも1つのタンク1を受け入れるように構成されている。また、少なくとも1つのタンク1がクリーンルームバッグに受け入れられた場合、少なくとも1つのタンク1にクリーンルーム環境8000を提供する。少なくとも1つのタンク1は、クリーンルームバッグ8000の外側からハンドリングマニピュレータ13000、13100、13200を用いてアクセス可能。
【0244】
さらに、システムは少なくとも1つのアダプタプレート要素600を含む。クリーンルームバッグ8000の少なくとも1つのフォイル部分8500のうちの1つが、タンク1のアクセスプレート要素100とアダプタプレート要素600の間に挟まれるように、アダプタプレート要素600は少なくとも1つのタンク1に関連付けられ、少なくとも1つのタンクに取り付けることができる。
【0245】
アダプタプレート要素600は、アクセスプレート要素100を介して、クリーンルームバッグ8000の外側からタンクへのアクセスを提供するための少なくとも1つのアクセスポイント(図示せず)を画定するように構成される。例えば、アダプタプレート要素600は、フィルタおよび/またはタンク1のポートを少なくとも部分的に覆うように構成される。
【0246】
フォイル部分8500は、タンク1へのアクセスを提供するために、タンクのフィルタおよび/またはポートの領域に取り外し可能および/または穿孔可能に設けられる。アダプタプレート要素600は、バルブの作動装置152(図示せず)を支持するようにさらに構成され得る。
【0247】
図12に最もよく示されるように、クリーンルームバッグ8000は、クリーンルームバッグ8000内で少なくとも1つの受け入れられた組み立てられたタンクを導くための少なくとも1つの支持レール8015を備える。支持レール8015は少なくとも2つのタンクを支持するように適合されている。支持レール8015で支持されている場合、高さ寸法の異なるタンクの上部プレート要素100が同一レベルに配置されるように、支持レール8015はそれぞれのタンク1の上部プレート要素100と係合する。
【0248】
さらに、
図13に示すように、支持レール8015は複数の支持レールセクション8015a、8015b、8015cから形成されてもよい。これらのセクションは、クリーンルームバッグ8000が折り畳み可能であるように、フォイル部分によって分離され得る。特に、支持レールセクション8015a、8015b、8015cは、プラスチック材料から作られてもよく、射出成形されてもよい。特定の実施形態では、フォイル部分8500および支持レールセクション8015a、8015b、8015cは、相互に固定して接着される(例えば、溶接または接着される)、またはさらには一体的に形成される。支持レールセクション8015a、8015b、8015cの耐荷重を高めるために、それらのセクションは金属インサートを含んでもよい。
【0249】
さらに、支持レールセクション8015a、8015b、8015cは、ハンドリングマニピュレータの一部であり得るフレーム7000の対応する支持レールを受け入れるように構成され得る。フレーム7000は、金属支持レールなどの剛性の対応する支持レール7015を含んでもよい。支持レールセクション8015a、8015b、8015cは、フレーム7000の対応する支持レール7015に適合するように形成できる。さらに、支持レールセクション8015a、8015b、8015cは、好ましくはスナップフィットによって、支持レールセクション8015a、8015b、8015cをフレーム7000の対応する支持レール7015に係合させるラッチング装置8020a、8020bを含んでもよい。
【0250】
支持レールは、支持されたタンクを個別に計量できる計量部材を含んでもよい。次いで、それぞれのタンクの重量を使用して、タンクによって形成されるプロセスラインを制御することができる。
【0251】
図11に示すように、さらに、支持レール8015はタンク1を吊り下げ構成で支持する。そこでは底部プレート要素300は地面と接触しない。加えて、上部プレート要素100の吊り下げ支持体に加えて、底部プレート要素300でタンク1を支持する支持部材8300を設けることができる。前記支持部材は、例えば、磁気ドライブ、電気ドライブ、空気圧ドライブおよび/または油圧ドライブなどのリニアドライブによって、高さが調節可能であるように適合され得る。支持部材は、支持されたタンクの重量を量ることを可能にする計量部材を含んでもよい。それぞれのタンクの重量を使用してプロセスラインを制御することができる。
【0252】
クリーンルームバッグ8000は、組み立てられたタンクを受け入れるように構成された密閉可能な開口部(図示せず)をさらに含んでもよい。クリーンルームバッグがアセンブリルーム9000に密封して結合されているとき、そこではクリーンルームバッグの密閉可能な開口部は、アセンブリルームの対応する密閉可能な開口部と一緒に開くように構成されている。さらに、密閉可能な開口部を使用して、クリーンルームバッグからタンクを除去することができる。クリーンルームバッグは、複数の密閉可能な開口部を含んでもよい。したがって、組み立てられたタンクをアセンブリルームからクリーンルームバッグに転送する、またはクリーンルームバッグから取り出すことが容易になる。
【0253】
図14タンクを組み立てる方法2000のフロー図を概略的に示す。この方法は以下の手順を含む。上部プレート要素を提供する2100;オプションで少なくとも1つの側壁要素を提供する2200;底部プレート要素を提供する2300、上部プレート要素と下部プレート要素、およびオプションで少なくとも1つの側壁要素を組み立てる2400、少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるためのリザーバを形成する。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオ医薬品プロセスラインのタンク(1)用のリザーバ要素(200)であって、リザーバ要素(200)は以下のものを含む。
本体要素(210)と、
少なくとも1つのシェル要素(220、222)と、を有し、
本体要素(210)は、第1端部(212)と、第1端部の反対側にある第2端部(214)を有し、第1端部と第2端部のそれぞれがオリフィスを含み、そこでは本体要素は第1端部から第2端部に向かって先細になっており、
内容積は第1端部と第2端部との間に画定されており、
そこでは本体要素および/または少なくとも1つのシェル要素は、少なくとも1つの溝(216、217)を含み、
そこでは少なくとも1つのシェル要素(220、222)は、本体要素(210)に固定して取り付けられ、本体要素と少なくとも1つのシェルが溝を挟んで少なくとも1つのチャネルを形成しており、
少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くように適合されている。
【請求項2】
請求項1記載のリザーバ要素(200)において、
本体要素は第1端部(212)に平行な平面において多角形の断面を有し、そこでは少なくとも1つのシェル要素(220、222)は板状であってもよい。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のリザーバ要素(200)において、
内容積および第1オリフィスは、リザーバ要素(200)がさらなるリザーバ要素(200’)を少なくとも部分的に受け入れるように適合されるように構成されており、その結果、複数のリザーバ要素を相互に積み重ねることができる。
【請求項4】
請求項
1又は2に記載のリザーバ要素(100;300)において、
プレート要素(130;330)をさらに備え、
プレート要素(130、330)は、本体要素の第1端部(112;312)、あるいは第2端部(114;314)に密封して取り付けられ、それぞれのオリフィスを覆い、
そこではプレート要素は少なくとも1つのチャネルを含むことができ、
そこでは少なくとも1つのチャネルは、本体要素および少なくとも1つのシェル要素によって形成されるチャネルと連通する。
【請求項5】
請求項
1又は2に記載のリザーバ要素(100;300)において、
内容積のアンダーカットを少なくとも部分的に覆うように適合されたインサート(140;340)をさらに備えている。
【請求項6】
請求項
1又は2に記載のリザーバ要素(100;200;300)において、
リザーバ要素(100;200;300)の第1端部および/または第2端部は、リザーバ要素を別のリザーバ要素に密封して接続するための密封面(215)を含む。
【請求項7】
請求項
1又は2に記載のリザーバ要素(100;200;300)において、
リザーバ要素(100;200;300)、特にプレート要素には、以下の少なくとも1つが含まれる。
●少なくとも1つのポート(230;337、338)。そこでは少なくとも1つのポートはそれぞれのチャネル(336)に関連付けられる。そこではポートは以下のポートタイプを含むポートタイプのグループから選択される。
〇流体入口ポート
〇気体入口ポート
〇流体出口ポート
〇加熱・冷却ポート
〇気体出口ポート
〇セルブリードポート
〇細胞転送ポート
〇媒体供給ポート
〇媒体除去ポート
〇要素相互接続ポート
〇タンク相互接続ポート
●少なくとも1つのフィルタ。そこでは少なくとも1つのポート(230)は少なくとも1つのフィルタによってカバーされてもよい。そこではフィルタは、以下のフィルタタイプを含むフィルタタイプのグループから選択されてもよい。
〇プレフィルタ
〇無菌フィルタ
〇バクテリアフィルタ
〇ウイルスフィルタ
〇マイコプラズマフィルタ
〇限外ろ過フィルタ
〇ダイアフィルトレーションフィルタ
〇細胞フィルタ
〇セルハーベストフィルタ
〇流体フィルタ
〇バイオバーデンフィルタ
〇エアフィルタ、および
〇気体フィルタ
そこでは少なくとも1つのポートを覆うフィルタは、加熱および/または冷却されてもよい。
●少なくとも1つのバルブ(339)。少なくとも1つのバルブは、少なくとも1つのチャネル(336)に関連付けられている。そこではバルブは、流量制御バルブ、カットオフバルブ、圧力リリーフバルブ、あるいは逆止弁であってもよい。そこでは機械式、あるいは磁気式のバルブであり得るバルブは、作動装置(152)によってタンクの外側から作動可能に構成されている。
【請求項8】
請求項
1又は2に記載のリザーバ要素(100;200;300)において、
少なくとも1つのアセンブリ接続装置(160、260、260’)、および/または少なくとも1つの対応するアセンブリ接続装置(262、262’、362)を備えており、そこでは
アセンブリ接続装置(160、260、260’)および対応するアセンブリ接続装置(262、262’、362)は、相互に係合するように構成され、少なくとも2つの隣接するリザーバ要素のアセンブリを固定する。そこではアセンブリ接続装置(262、262’、362)と対応するアセンブリ接続装置(262、262’、362)が係合する。
【請求項9】
タンク(1)に組み立てられるように適合されたタンクアセンブリであって、そこではタンクアセンブリは、
請求項
4に記載の少なくとも2つのリザーバ要素(100;300)を含み、
そこではタンクアセンブリは特に、請求項
4に記載の2つのリザーバ要素(100;300)と、請求項
1に記載の少なくとも2つのさらなるリザーバ要素(200)を含み、
そこでは各リザーバ要素の第1端部は特に同じサイズおよび形状を有し、各リザーバ要素の第2端部は特に同じサイズおよび形状を有する。
【請求項10】
バイオ医薬品プロセスライン用のタンク(1)であって、タンクは以下のものを含む。
上部プレート要素(100)、オプションで少なくとも1つの側壁要素(200、200’、200’’、200’’’)、および底部プレート要素(300)を有し、
そこでは少なくとも1つの側壁要素は、請求項
1に記載されているリザーバ要素であり、
そこでは上部プレート要素(100)と下部プレート要素(300)は、請求項
4に記載されているリザーバ要素であり、
そこでは上部プレート要素、オプションで少なくとも1つの側壁要素、および底部プレート要素は、少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるための少なくとも1つのリザーバ(500)を形成するように配置され、
そこではタンク(1)はさらに
少なくとも1つの生化学媒体および/または作動媒体を導くための少なくとも1つのチャネルを備える。そこでは少なくとも1つのチャネルは、少なくとも1つの上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および/または少なくとも1つの底部プレート要素の内部に延在する。そこでは少なくとも1つのチャネルの長さは、それぞれの上部プレート要素、側壁要素、および/または底部プレート要素の厚さよりも長い。
【請求項11】
請求項10に記載の複数のタンク(1、2)を備えるタンクシステムであって、
そこでは第2タンク(2)が第1タンク(1)に直接隣接して配置される場合、第1タンク(1)は少なくとも1つのコネクタ装置によって第2タンク(2)と相互接続可能であり、
そこでは第1タンク(1)が第2タンク(2)と相互接続されている場合、第1タンクの少なくとも1つ以上のチャネルは、第2タンク(2)のそれぞれのチャネルに流体的に接続される。
【請求項12】
請求項11に記載のタンクシステムにおいて、
支持レール(7015、8015)をさらに備え、
支持レールは少なくとも2つのタンク(1、2)を支持するように適合されており、
タンクが支持レールで支持されている場合、高さ寸法の異なるタンクの上部プレート要素が同一レベルに配置されるように、支持レールはそれぞれのタンクの上部プレート要素(100)および/または側壁要素(200)と係合する。
【請求項13】
請求項
11に記載のタンクシステムにおいて、
さらに、少なくとも1つのフォイル部分(8500)を備えるクリーンルームバッグ(8000)を備え、
クリーンルームバッグは、少なくとも1つのタンク(1、2)を受け入れるように構成されており、
また、少なくとも1つのタンクがクリーンルームバッグに受け入れられた場合、少なくとも1つのタンクにクリーンルーム環境を提供し、
そこでは少なくとも1つのタンクは、クリーンルームバッグの外側からハンドリングマニピュレータを用いてアクセス可能であり、
システムはオプションでさらに
少なくとも1つのアダプタプレート要素(600)を備え、
クリーンルームバッグの少なくとも1つのフォイル部分(8500)のうちの1つが、タンクのアクセスプレート要素(100)とアダプタプレート要素(600)の間に挟まれるように、アダプタプレート要素は少なくとも1つのタンクに関連付けられ、少なくとも1つのタンクに取り付けることができ、
そこでは上部プレート要素、少なくとも1つの側壁要素、および底部プレート要素のうちの少なくとも1つは、アクセスプレート要素であり、
アダプタプレート要素(600)は、アクセスプレート要素を介して、クリーンルームバッグの外側からタンクへのアクセスを提供するための少なくとも1つのアクセスポイントを画定するように構成されており、そこではさらにオプションで
アダプタプレート要素(600)は、タンクのフィルタおよび/またはポートを少なくとも部分的に覆うように構成されており、そこではフォイル部分(8500)は、タンクへのアクセスを提供するために、タンクのフィルタおよび/またはポートの領域に取り外し可能および/または穿孔可能なように設けられており、そこではアダプタプレート要素(600)は、タンクのバルブの作動装置および/または操作装置を支持するように構成されており、そこではフォイル部分は、タンクへのアクセスを提供するために、バルブの作動装置および/またはタンクの操作装置の領域に取り外し可能および/または穿孔可能なように設けられる。
【請求項14】
請求項
11に記載のシステムで使用されるクリーンルームバッグ(8000)であって、
クリーンルームバッグ(8000)は、少なくとも1つのタンク(1、2)を受け入れるように構成されている。また、少なくとも1つのタンクがクリーンルームバッグに受け入れられた場合、少なくとも1つのタンクにクリーンルーム環境を提供し、
そこではアクセスプレート要素を介して、少なくとも1つのアクセスポイントを画定してクリーンルームバッグの外側からタンクへのアクセスを提供するために、クリーンルームバッグは、タンクのアクセスプレート要素(100)とアダプタプレート要素(600)との間に挟まれるように適合された少なくとも1つのフォイル部分(8500)を備えており、クリーンルームバッグは、受け入れた少なくとも1つの組み立てられたタンクをクリーンルームバッグ内に導くための少なくとも1つの支持レール(8015)をさらに備えており、
支持レールは少なくとも2つのタンクを支持するように適合されており、タンクが支持レールで支持されている場合、高さ寸法の異なるタンクの上部プレート要素が同一レベルに配置されるように、支持レールはそれぞれのタンクの上部プレート要素(100)および/または側壁要素(200)と係合することができ、
そこでは支持レールは、クリーンルームバッグが折り畳み可能であるように、複数の支持レールセクション(8015a、8015b、8015c)から形成されてもよい。
【請求項15】
請求項10に記載のタンク(1)を組み立てる方法(2000)であって、以下のステップを含む。
上部プレート要素を提供し(2100)、
オプションで、少なくとも1つの側壁要素を提供し(2200)、
底部プレート要素を提供し(2300)、
少なくとも1つの生化学媒体を受け入れるためのリザーバを形成するように、上部プレート要素、底部プレート要素、およびオプションで少なくとも1つの側壁要素を組み立てる(2400)。
【国際調査報告】