(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置
(51)【国際特許分類】
C03B 25/08 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
C03B25/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534056
(86)(22)【出願日】2023-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2023094683
(87)【国際公開番号】W WO2024139016
(87)【国際公開日】2024-07-04
(31)【優先権主張番号】202211722710.6
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522027518
【氏名又は名称】蚌埠中光▲電▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BENGBU CHINA OPTOELECTRONIC TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.199,Shiwu Rd.,Bengbu,Anhui 233000,China
(71)【出願人】
【識別番号】519375963
【氏名又は名称】中建材玻璃新材料研究院集▲団▼有限公司
【住所又は居所原語表記】No. 1047 Tushan Road Bengbu, Anhui 233010 China
(71)【出願人】
【識別番号】523177001
【氏名又は名称】中国建材集団有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】彭 寿
(72)【発明者】
【氏名】張 沖
(72)【発明者】
【氏名】曹 志強
(72)【発明者】
【氏名】孫 継臣
(72)【発明者】
【氏名】呉 星達
(72)【発明者】
【氏名】高 偉光
【テーマコード(参考)】
4G015
【Fターム(参考)】
4G015CA01
4G015CB01
4G015CC01
(57)【要約】
アニール炉の内壁に回転可能に設置されている複数の移行ローラーを含み、各前記移行ローラーの外側壁には複数の窒化ホウ素リングが固定外嵌されており、各移行ローラーの両側には耐熱鋼管が設置されており、耐熱鋼管の外側壁には複数の排気孔を設置されており、耐熱鋼管は外部の熱気供給ボックスと連通しており、アニール炉の内底部に移行ローラーと合わせて利用される複数の清掃部品が設置されている、電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニール炉(1)の内壁に回転可能に設置されている複数の移行ローラー(2)を含み、
各前記移行ローラー(2)の外側壁には複数の窒化ホウ素リング(3)が固定外嵌されており、各移行ローラー(2)の両側には耐熱鋼管(4)が設置されており、耐熱鋼管(4)の外側壁には複数の排気孔が設置されており、耐熱鋼管(4)は、外部の熱気供給ボックスと連通しており、アニール炉(1)の内底部には移行ローラー(2)と合わせて利用される複数の清掃部品が設置されている、
電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【請求項2】
前記アニール炉(1)の内底部には複数対の第1支持フレーム(5)が対称的に固定されており、各第1支持フレーム(5)の上端面には昇降ロッド(6)が設置されており、各耐熱鋼管(4)の外側壁には2つの載置リング(7)が対称的に固定外嵌されており、昇降ロッド(6)の上端が載置リング(7)の外側壁に固定接続されている、
請求項1に記載の電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【請求項3】
各前記清掃部品は、アニール炉(1)の内底部に対称的に固定されている2つの第2支持フレーム(8)を含み、2つの第2支持フレーム(8)の上端面には同一の取付座(9)が固定されており、取付座(9)内にはスクレパー(10)が設置されている、
請求項1に記載の電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【請求項4】
各前記取付座(9)の側壁には下部貫通槽(11)が設置されており、下部貫通槽(11)内には押下板(12)が可動的に設置されており、スクレパー(10)が対応する押下板(12)の上端面に固定されており、スクレパー(10)が取付座を可動的に貫通する、
請求項3に記載の電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【請求項5】
各前記耐熱鋼管(4)は、各前記移行ローラー(2)の左右両側に設置されており、前記スクレパー(10)と前記窒化ホウ素リング(3)の外側壁との間に一定の間隔があり、前記スクレパー(10)は前記窒化ホウ素リング(3)の左側に設置されている、
請求項4に記載の電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【請求項6】
各前記下部貫通槽(11)と押下板(12)との間には複数の伸縮ロッド(13)が固定されており、下部貫通槽(11)と押下板(12)との間には複数のバネが固定されており、バネは伸縮ロッド(13)の外側壁に可動的に外嵌されている、
請求項4に記載の電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【請求項7】
各前記取付座(9)の上端面には、傾斜スクラップブロック(14)が固定されている、
請求項3に記載の電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【請求項8】
前記傾斜スクラップブロック(14)は、前記スクレパー(10)に貼り合わせて取り付けられており、前記傾斜スクラップブロック(14)の傾斜面が前記移行ローラー(2)に向かう側に設置されている、
請求項7に記載の電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【請求項9】
各前記押下板(12)の両側は、アニール炉(1)を可動に貫通し、アニール炉(1)の両側には、押下板(12)と合わせて利用される押下貫通槽(15)が設置されている、
請求項4に記載の電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年12月30日に中国国家知的財産権局に出願した、出願番号が202211722710.6であり、発明名称が「ハイエンド電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置」である中国特許出願に基づき優先権を主張する。ここで、その全ての内容は、援用により本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ガラス生産技術分野に関し、特に電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置に関する。
【背景技術】
【0003】
フロートガラスの成形過程は、まず、1100℃程度の溶融された液体ガラスを、流路や流槽を介してスズ槽に入れる。液体ガラスと液体スズとの密度が異なるため、液体ガラスは液体スズ上に浮かぶ。液体ガラスを重力および表面張力によって広がけ、研磨し、均一降温させ、トップロールによって、引き延ばしや積層で一定の厚さのガラスリボンを形成する過程を行う。そして、ガラスリボンは、スズ槽内に徐々冷却してガラス板になり、スズ槽の出口で650℃程度までに冷却されると、移行ローラーテーブルによって上げられ、アニール炉の搬送ローラーによる牽引力によって、スズ槽から離れ、アニール炉に入ってアニールされ、応力が解消される。そして、検査、切断、箱詰め、梱包して入庫される。
【0004】
フロートガラスを生産するための牽引力は、主に、アニール炉ローラーに由来する。一般的に、フロートガラスのアニール炉ローラーは、スチールローラー又はセラミックローラであり、さらにより高級なスチールローラー表面にジルコニア質材料をめっきしたものを使用するが、ガラスリボンがスズ槽から出た直後、アニール炉搬送ローラーとの間に摩擦が発生し、特に、移行ローラーテーブルの3本の移行ローラーは、長期の生産過程で、スズ槽からの酸化スズ等の不純物によって異なる程度に汚染されたので、移行ローラーの表面に多くの粘着物や多くの不規則な突起があり、ガラスリボンの下面に程度の異なる傷および絮状のガラス欠陥が生じることになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施例の目的は、従来技術の課題を解決するために、電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置を提供する。
【0006】
本発明の実施例は、アニール炉の内壁に回転可能に設置されている複数の移行ローラーを含み、各前記移行ローラーの外側壁には複数の窒化ホウ素リングが固定外嵌されており、各前記移行ローラーの両側には耐熱鋼管が設置されており、前記耐熱鋼管の外側壁には複数の排気孔が設置されており、前記耐熱鋼管は、外部の熱気供給ボックスと連通しており、前記アニール炉の内底部には前記移行ローラーと合わせて利用される複数の清掃部品が設置されている、電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置を提供する。
【0007】
本発明のいくつかの実施例において、前記アニール炉の内底部には複数対の第1支持フレームが対称的に固定されており、各前記第1支持フレームの上端面には昇降ロッドが設置されており、各前記耐熱鋼管の外側壁には2つの載置リングが対称的に固定外嵌されており、前記昇降ロッドの上端が前記載置リングの外側壁に固定接続されている。
【0008】
本発明のいくつかの実施例において、各前記清掃部品は、前記アニール炉の内底部に対称的に固定されている2つの第2支持フレームを含み、2つの前記第2支持フレームの上
端面には同一の取付座が固定されており、前記取付座内にはスクレパーが設置されている。
【0009】
本発明のいくつかの実施例において、各前記取付座の側壁には下部貫通槽が設置されており、前記下部貫通槽内には押下板が可動的に設置されており、スクレパーが対応する前記押下板の上端面に固定されており、前記スクレパーが取付座を可動的に貫通する。
【0010】
本発明のいくつかの実施例において、各前記耐熱鋼管は、各前記移行ローラーの左右両側に設置されており、前記スクレパーと前記窒化ホウ素リングの外側壁との間に一定の間隔があり、前記スクレパーは前記窒化ホウ素リングの左側に設置されている。
【0011】
本発明のいくつかの実施例において、各前記下部貫通槽は前記押下板との間に複数の伸縮ロッドが固定されており、前記下部貫通槽と前記押下板との間には複数のバネが固定されており、前記バネは伸縮ロッドの外側壁に可動的に外嵌されている。
【0012】
本発明のいくつかの実施例において、各前記取付座の上端面には、傾斜スクラップブロックが固定されている。
【0013】
本発明のいくつかの実施例において、前記傾斜スクラップブロックは、前記スクレパーに貼り合わせて取り付けられており、前記傾斜スクラップブロックの傾斜面が前記移行ローラーに向かう側に設置されている。
【0014】
本発明のいくつかの実施例において、各前記押下板の両側は、前記アニール炉を可動に貫通し、前記アニール炉の両側には、前記押下板と合わせて利用される押下貫通槽が設置されている。
【0015】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0016】
1、フロートガラスリボンがスズ槽の出口から出た後、ガラスリボンの両側の縁部が直接に窒化ホウ素リングの外側壁に接触され、移行ローラーが対応する窒化ホウ素リングを動かして回転させる際に、ガラスリボンを搬送する。この過程において、熱気供給ボックスは各耐熱鋼管内に熱い窒素ガスを搬送し、熱い窒素ガスは、対応する耐熱鋼管の排気孔から上へ流れて、フロートガラスリボンの有効幅の下面に付勢力を付与し、ガラスリボンの有効幅部分に凹みが生じることを回避する。この方法によりフロートガラスリボンを搬送する際に、移行ローラーとガラスリボンの有効幅の下面との摩擦を回避でき、フロート電子ガラスリボン板の下面に傷および絮状の欠陥があるという問題を有効的に解決できるとともに、窒素ガスのエアベアリングを利用すると、ローラーテーブル移行装置に窒素ガスを充満させ、ローラーテーブル移行装置内の空気がスズ槽の出口を介してスズ槽に入ることを回避し、スズ槽に酸化スズ等の不純物の生成を減らすことができる。
【0017】
2、使用する時には、スクレパーと窒化ホウ素リングの外側壁との間に一定の間隔があり、スクレパーは窒化ホウ素リングの左側に設置されており、窒化ホウ素リングの回転中、その外側壁に粘着された不純物がスクレパーに接触すると、スクレパーに左向きの付勢力を付与するが、スクレパーが動かないままにすることで、窒化ホウ素リングの外側壁に粘着される不純物を掻き落とすため、便利に使える。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここで説明される図面は、本発明をさらに理解するためのものであり、本発明の一部を構成することを意図する。本発明における例示的な実施例およびその説明は、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0019】
【
図1】
図1は本発明の実施例におけるローラーテーブル移行装置の全体構成の模式図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例におけるローラーテーブル移行装置の側面図である。
【
図3】
図3は本発明の実施例におけるアニール炉における移行ローラーおよび耐熱鋼管の分布図である。
【
図4】
図4は本発明の実施例における耐熱鋼管と載置リングとの接続の模式図である。
【
図5a】
図5aは本発明の実施例における第2支持フレームと取付座との接続の模式図である。
【
図5b】
図5bは本発明の実施例における第2支持フレームと取付座との接続の側面模式図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例における下部貫通槽の内部構成の模式図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例における取付座の内部構成の模式図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例における清掃部品の内部構成の模式図である。
【符号の説明】
【0020】
1:アニール炉、2:移行ローラー、3:窒化ホウ素リング、31:両側の窒化ホウ素リング、4:耐熱鋼管、41:排気孔、5:第1支持フレーム、6:昇降ロッド、7:載置リング、8:第2支持フレーム、9:取付座、91:接続部件、10:スクレパー、11:下部貫通槽、12:押下板、121:押下板水平部分;122:押下板鉛直部分、13a:伸縮ロッド、13b:バネ、14:傾斜スクラップブロック、15:押下貫通槽、16:ガイドロッド。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の目的、技術案、および利点をより明確にするために、以下、図面を参照し、実施例を挙げて、本発明をより詳しく説明する。説明される実施例は単に本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。本発明における実施例に基づいて、当業者が得られるすべての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0022】
図1から
図6に示すように、本発明の実施例は、アニール炉1の内壁に回転可能に設置されている複数の移行ローラー2を含み、各移行ローラー2の外側壁には複数の窒化ホウ素リング3が固定外嵌されており、各移行ローラー2の両側には耐熱鋼管4が設置されており、耐熱鋼管4の外側壁には複数の排気孔が設置されており、耐熱鋼管4は外部の熱気供給ボックスと連通しており、アニール炉1の内底部には移行ローラー2と合わせて利用される複数の清掃部品が設置されている、電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置を提供する。
図1および
図2に示すように、耐熱鋼管4は、各移行ローラー2の左右両側に設置されている。実際の装置において、一般的に、
図1における左側を前側とし右側を後側としたので、耐熱鋼管4は各移行ローラー2の前後両側に設置されているとも言える。
【0023】
例えば、移行ローラー2は、具体的に6個であり、それぞれの直径が150mmである。各移行ローラー2に外嵌された窒化ホウ素リング3の数は10個である。各窒化ホウ素リング3は、それぞれの内径が150mmであり、外径が170mmであり、幅が40mmである。耐熱鋼管4の数は12個である。各耐熱鋼管4は、それぞれの直径が40mmであり、材質が2520ステンレス鋼管である。耐熱鋼管4における排気孔の間隔は25mmであり、排気孔の直径は0.3mmである。耐熱鋼管4は、ガラスリボンから垂直方向の距離が15mmであり、即ち、耐熱鋼管4の上面から構成する平面が移行ローラー2の上面から構成する平面よりも5mm低い。耐熱鋼管4の上下に調整可能な距離が20mmであるが、具体的な調整可能な距離は、生産される超薄電子用フロートガラスの厚さお
よび噴出される窒素ガスの圧力によって確定される。1.1mm以下の超薄電子用フロートガラスを生産する場合、耐熱鋼管4のガラスリボンとの距離が15mm程度であればよく、耐熱鋼管4内の窒素ガスの圧力が0.05Kpa程度である。
【0024】
使用時に、フロートガラスリボンがスズ槽の出口から出た後、電子用フロートガラスのローラーテーブル移行装置に入る。ガラスリボン(図示せず)の両側の縁部が直接に窒化ホウ素リングの外側壁に接触される。
図2に示すように、ガラスリボン(図示せず)の両側の縁部が直接に移行ローラー2両側の窒化ホウ素リング31的外壁に接触される。同時に、ガラスリボンの有効部分の下面も移行ローラー2上の各窒化ホウ素リング31の上面に接触される。移行ローラー2が対応する窒化ホウ素リング3を動かして回転させる際に、ガラスリボンを搬送する。この過程において、熱気供給ボックスが各耐熱鋼管4に熱い窒素ガスを搬送し、熱い窒素ガスが対応する耐熱鋼管4の排気孔から上へ流れ、フロートガラスリボンの有効幅の下面に付勢力を付与し、ガラスリボンの有効幅部分に凹みが生じることを回避する。
図4に示すように、排気孔41が耐熱鋼管4の頂部に位置し、熱い窒素ガスが排気孔41から上方のフロートガラスリボンへ流れる。この方法によりフロートガラスリボンを搬送する際に、移行ローラーとガラスリボンの有効幅の下面との摩擦を回避でき、フロート電子ガラスリボン板の下面に傷および絮状の欠陥があるという問題を有効的に解決できるとともに、窒素ガスのエアベアリングを用いた場合、ローラーテーブル移行装置内に窒素ガスを充満させることで、ローラーテーブル移行装置内の空気がスズ槽の出口を介してスズ槽に入ることを回避し、スズ槽に酸化スズ等の不純物の生成を減らすことができる。
【0025】
図1から
図4に示すように、アニール炉1の内底部には複数対の第1支持フレームが対称的に固定されている。
図2および
図4に示すように、各第1支持フレーム5の上端面には昇降ロッド6が設置されており、各耐熱ステンレス管4の外側壁には2つの載置リング7が対称的に固定外嵌されており、昇降ロッド6の上端が載置リング7の外側壁に固定接続されている。
図4に示すように、対称的に設置された1対の第1支持フレーム5は、上端に設置された昇降ロッド6の載置リング7により、耐熱鋼管4をアニール炉1の内部に架設する。
【0026】
図4における昇降ロッド6は昇降の高さを調整可能であり、このような昇降構成が従来技術であるため、ここでは説明を省略する。昇降可能な昇降ロッド6を設置することにより、耐熱鋼管4の高さ位置を調整し、厚さが異なるガラスリボンに対応して利用される。
【0027】
本発明の実施例において、
図1、
図2および
図5aと
図5bに示すように、各清掃部品は、アニール炉1の内底部に対称的に固定されている2つの第2支持フレーム8を含み、2つの第2支持フレーム8の上端面に同一の取付座9が固定されており、取付座9内にスクレパー10が設置されている。
【0028】
図1に示すように、窒化ホウ素リング3を使用する過程で、ガラスリボンが左から右へ移動され、実際の生産中、前から後ろへ移動されるとも言える。その外側壁には不可避に多少の不純物が粘着される。この部分の不純物が蓄積して多くなることを回避するため、ガラスリボンの搬送に対する影響を回避するように、窒化ホウ素リング3の外側壁における不純物の厚さを制限する必要がある。使用時に、スクレパー10と窒化ホウ素リング3の外側壁との間に一定の間隔があり、スクレパー10が窒化ホウ素リング3の左側に設置されており、実際の装置において、スクレパー10が窒化ホウ素リング3の前側に設置されているとも言える。窒化ホウ素リング3の回転中、その外側壁に粘着された不純物がスクレパー10に接触する際に、スクレパー10に左向きの付勢力を付与するが、スクレパー10が動かないままにすることで、窒化ホウ素リング3の外側壁に粘着される不純物を掻き落とすため、便利に使える。
【0029】
図5aに示すように、各取付座9は2つの第2支持フレーム8の上方に架設されており、取付座9が中空構造を有し、スクレパー10が取付座9を可動に貫通する。スクレパー10は、板状構造を有し、スクレパー10が取付座9に可動に貫通させるように、幅方向に取付座9に鉛直に取り付けられ、下端の一部が取付座9内に位置し、上端が前記取付座9の上板から突き出してよい。
【0030】
図5bに示すように、各取付座9の側壁には下部貫通槽11が設置されており、下部貫通槽11内には押下板12が可動的に設置されおり、スクレパー10が対応する押下板12の上端面に固定されており、スクレパー10が取付座9を可動的に貫通する。
図6に示すように、スクレパー10は、対応する押下板12の上端面に垂直に固定されている。各下部貫通槽11と押下板12との間には、複数の伸縮ロッド13aが固定されており、下部貫通槽11と押下板12との間に複数のバネ13bが固定されており、バネ13bが伸縮ロッドの外側壁に可動的に外嵌されている。各取付座9の上端面には、傾斜スクラップブロック14が固定されている。本実施例において、スクレパー10と押下板12とは溶接によって固定されてよく、下部貫通槽11は矩形管であってよく、スクレパー10は下部貫通槽11内に伸縮可動である。傾斜スクラップブロック14は、スクレパー10に貼り合わせて取り付けられており、傾斜スクラップブロック14の傾斜面が移行ローラー2に向かう側に設置されてよい。本実施例において、伸縮ロッド13aおよびバネ13bは、数が制限されなく、例えば、両側および中央にそれぞれ1個があり、又は、移行ローラー2における窒化ホウ素リング3と同じ数であり、位置も対応する。これにより、押下板12は、複数の伸縮ロッド13aおよび複数のバネ13bにより、前記取付座9と上下方向に可動接続される。
【0031】
各押下板12の両側はアニール炉1を可動に貫通し、アニール炉1の両側には、押下板12と合わせて利用される押下貫通槽15が設置されている。具体的に、アニール炉1における押下貫通槽15の位置は、各取付座9の2つの側壁の下部貫通槽11の位置に対応してよい。このように、押下板12の両側は、下部貫通槽11を通り、アニール炉1を可動に貫通する。
【0032】
スクレパー10を一定時間に利用した後、その側壁に一定量の掻き落とされた不純物が粘着された場合、作業員は押下板12の両端を押し付けてよい。押下板12は下に移動する際に、スクレパー10を一緒に下に移動させ、スクレパー10は下に移動する際に、傾斜スクラップブロック14と協働してスクレパー10の側壁に粘着される不純物を掻き落とすため、便利に使える。押下板12が押下される過程において、バネが押さえられ、バネは収縮して弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積した。スクレパー10の側壁に粘着される不純物が掻き落とされた後、押下板12が解放され、押下板12はバネ弾性ポテンシャルエネルギーによって、スクレパー10を初期位置に戻すように押圧する。
【0033】
本発明の他の実施例において、
図7および
図8に示すように、本実施例の取付座9には、伸縮ロッドではなく、ガイドロッド16を採用した。
図7に示すように、バネ13bおよびガイドロッド16は取付座9の内部に取り付けられ、スクレパー10は押下板12に固定接続されており、一部が取付座9の上板から突き出している。バネ13bはガイドロッド16の外部に外嵌されており、押下板12は水平部分121および鉛直部分122を有し、鉛直部分122によりバネ13bの圧縮を実現する。つまり、本実施例における押下板12は、複数のガイドロッド16および複数のバネ13bにより、前記取付座9と上下方向に可動接続される。本実施例において、スクレパー10と押下板12の水平部分121とは溶接によって固定されてよく、取付座9は矩形管であってよく、バネ13bにより、スクレパー10が取付座9内に伸縮可動である。
【0034】
なお、ガイドロッド16は、接続部件91により前記取付座9の底部に固定接続されている。
図7に示すように、接続部件91はボルトであってよく、2つのボルトによりガイドロッド16を取付座9の底部に固定接続してよい。
【0035】
本発明の実施例は使用時に、フロートガラスリボンがスズ槽の出口から出た後、ガラスリボンの両側の縁部が直接に窒化ホウ素リング3の外側壁に接触され、移行ローラー2が対応する窒化ホウ素リング3を動かして回転させる際に、ガラスリボンを搬送する。この過程において、熱気供給ボックスは、各耐熱鋼管4に熱い窒素ガスを搬送し、熱い窒素ガスが対応する耐熱鋼管4の排気孔から上へ流れ、フロートガラスリボンの有効幅の下面に付勢力を付与し、ガラスリボンの有効幅部分に凹みが生じることを回避する。この方法によりフロートガラスリボンを搬送する際に、移行ローラー2とガラスリボンの有効幅の下面との摩擦を回避でき、フロート電子ガラスリボン板の下面に傷および絮状の欠陥があるという問題を有効的に解決できるとともに、窒素ガスのエアベアリングを利用した場合、ローラーテーブル移行装置に窒素ガスを充満させ、ローラーテーブル移行装置内の空気がスズ槽の出口を介してスズ槽に入ることを回避し、スズ槽に酸化スズ等の不純物の生成を減らすことができる。
【0036】
使用時に、スクレパー10と窒化ホウ素リング3の外側壁との間に一定の間隔があり、スクレパー10が窒化ホウ素リング3の左側に設置され、窒化ホウ素リング3が回転する際に、その外側壁に粘着された不純物がスクレパー10に接触する際に、スクレパー10に左向きの付勢力をかけるが、スクレパー10が動かないままにすることで、窒化ホウ素リング3の外側壁に粘着される不純物を掻き落とすため、便利に使える。
【0037】
スクレパー10を一定時間利用した後、その側壁に一定量の掻き落とされた不純物が粘着された場合、作業員は押下板12の両端を押し付けてよい。押下板12は下に移動する際に、スクレパー10を一緒に下に移動させ、スクレパー10は下に移動する際に、傾斜スクラップブロック14と協働してスクレパー10の側壁に粘着される不純物を掻き落とすため、便利に使える。押下板12が押下される際に、バネが押さえられ、バネは収縮して弾性ポテンシャルエネルギーを蓄積した。スクレパー10の側壁に粘着される不純物が掻き落とされた後、押下板12が解放され、押下板12はバネ弾性ポテンシャルエネルギーによって、スクレパー10を初期位置に戻すように押圧する。
【0038】
以上の記載は本出願の好ましい実施例に過ぎず、本出願を限定することを意図するものではない。本出願の主旨および原則内で行われる如何なる変更、等価置換、改良等は何れも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】