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特表2025-501833トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/26 20220101AFI20250117BHJP
   B60R 1/20 20220101ALI20250117BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B60R1/26 200
B60R1/20 100
H04N7/18 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024506736
(86)(22)【出願日】2022-08-30
(85)【翻訳文提出日】2024-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2022115731
(87)【国際公開番号】W WO2023011667
(87)【国際公開日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】202210100871.5
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524009565
【氏名又は名称】シャンハイ ユーシン エレクトロニクス テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI YUXING ELECTRONICS TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】Room 206, Floor 2, Building 1, No.99, Lane 215, Gaoguang Road, Qingpu District, Shanghai, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フー ビンカイ
【テーマコード(参考)】
5C054
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FE17
5C054HA30
(57)【要約】
本発明は、トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムに関し、収集装置、センシング装置、表示制御装置及び表示装置を含み、収集装置は、左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラを含み、センシング装置は、トラクタートレーラーに設置された角度センシングセンサーであり、角度センシングセンサートは、レーラーボックスの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を取得するために使用され、表示制御装置は、収集装置とセンシング装置に接続され、表示装置は、運転室に設置されたディスプレイであり、運転者に表示制御装置から出力された画像を表示するために使用される。本発明は、マルチカメラ設置により、転向中に、バックミラーにおけるトレーラーにより遮られた領域に対して画面補償を行うことにより、トレーラーが視野観察を遮るという問題を効果的に解決することができ、魚眼レンズでスプライスされた一般的な全景画像と比較して、運転者はそのうちの危険要素が位置する位置をより直感的に察知することができ、さらに、思考時間を短縮し、事故を低減することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムであって、
前記表示システムは、収集装置、センシング装置、表示制御装置及び表示装置を含み、
前記収集装置は、左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラを含み、前記左フロントカメラと右フロントカメラは、それぞれ運転室外の左右両側に設置され、前記左リアカメラと右リアカメラは、それぞれトレーラーの左右両側に設置され、
前記センシング装置は、トラクタートレーラーに設置された角度センシングセンサーであり、前記角度センシングセンサーは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を取得するために使用され、
前記表示制御装置は、前記収集装置とセンシング装置に接続され、プロセッサを含み、前記プロセッサは、前記センシング装置により前記トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を取得し、前記収集装置が取得した画面を前記表示装置に直接送信し、及び/又はそれを切り出し及び合成処理した後に前記表示装置に送信するために使用され、
前記表示装置は、前記運転室に設置されたディスプレイであり、前記表示装置は、前記表示制御装置に接続され、運転者に前記表示制御装置が出力した画像を表示するために使用されることを特徴とする、トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システム。
【請求項2】
前記左フロントカメラと右フロントカメラが収集した画面の視野は、規格で規定されているクラスII視野及び/又はクラスIV視野に適合すべきであり、前記左リアカメラと右リアカメラが収集した画面内には、カメラが位置する側のトレーラー本体が含まれるべきであることを特徴とする、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記表示装置は、左表示ユニットと右表示ユニットを含み、前記左表示ユニットは、前記左フロントカメラが収集した画面又は前記左フロントカメラと左リアカメラが合成した画面を表示するために使用され、前記右表示ユニットは、前記右フロントカメラが収集した画面又は前記右フロントカメラと右リアカメラが合成した画面を表示するために使用されることを特徴とする、請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、画面の切り出しと合成において、転向の反対方向及び/又は転向方向のフロントカメラのトレーラー遮り側でのプリセット幅又は固定幅の画面を除去し、転向の反対方向及び/又は転向方向のリアカメラのトレーラー側でのプリセット幅又は固定幅の画面を保留し、保留された画面を、画面が除去された個所に配置して新たな画面合成を行うことを特徴とする、請求項1に記載の表示システム。
【請求項5】
前記角度センシングセンサーは、前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が転向側のフロントカメラの照射角度を超えたことを検出した場合、前記プロセッサは、前記固定幅の画面の切り出しと合成を採用し、
前記固定幅は、前記転向側のフロントカメラの画面内の前記トレーラーが占める幅であることを特徴とする、請求項4に記載の表示システム。
【請求項6】
前記表示制御装置は、記憶ユニットを含み、前記記憶ユニットには、表示装置に表示するための予め描画された表示ブロック図Xと、画面を補償するための補償ブロック図Yの集合と補償ブロック図Zの集合とが記憶され、前記プロセッサは、前記センシング装置のセンシングに応じて計算して判断し、予め記憶された補償ブロック図Yの集合内のプリセット幅に適合する補償ブロック図Yaと補償ブロック図Zの集合内の固定幅又はプリセット幅の補償ブロック図Zaとを呼び出し、
前記プロセッサは、転向の反対方向のリアカメラのトレーラー側でのプリセット幅の画面を切り出し、処理後の画面を呼び出された補償ブロック図Yaに投影し、
前記プロセッサは、転向方向のリアカメラのトレーラー側での固定幅の画面を切り出し、処理後の画面を呼び出された補償ブロック図Zaに投影することを特徴とする、請求項1に記載の表示システム。
【請求項7】
前記プリセット幅は、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度に応じて設定され、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が0-15度である場合、前記プリセット幅は、0であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が15-30度である場合、前記プリセット幅は、画面幅の3分の1であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が30-45度である場合、前記プリセット幅は、画面幅の3分の2であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が45度以上である場合、前記プリセット幅は、全画面幅であることを特徴とする、請求項4又は6のいずれか1項に記載の表示システム。
【請求項8】
前記左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラのうちの1つ又は複数は、チルトシフトカメラを採用し、前記チルトシフトカメラは、カメラ本体、画面収集ユニット及び撮像レンズを含み、前記撮像レンズと前記画面収集ユニットは、それぞれ前記カメラ本体の前端と後端に取り付けられ、前記カメラ本体は、基準方向に対して第1の方向に向かって傾斜した第1の角度θを有し、前記画面収集ユニットと前記撮像レンズは、前記カメラ本体の主軸に対してそれぞれ前記カメラ本体の傾斜方向の反対方向に傾斜した第2の角度αと第3の角度βを有し、前記第2の角度αと第3の角度βは、互いに異なり、好ましくは、前記第2の角度αは、前記画面収集ユニットと前記撮像レンズが位置する平面とが交わって鋭角を形成するように、前記第3の角度βよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
【請求項9】
プロセッサは、複数のカメラが収集したビデオ画面をリアルタイムで取得するステップ1と、
プロセッサは、トラクタートレーラーの作動状態を取得するステップ2と、
プロセッサは、トラクタートレーラーの作動状態に応じて最適な遮蔽なし、死角最小化方案の画面を生成するステップ3と、を含み、
前記作動状態は、トレーラー状態と走行状態を含み、トレーラー状態は、トレーラー有りモードとトレーラーなしモードを含み、走行状態は、直進、転向及び後退を含み、
前記複数のカメラは、左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラを含み、前記左フロントカメラと右フロントカメラは、それぞれ運転室外の左右両側に設置され、前記左リアカメラと右リアカメラは、それぞれトレーラーの左右両側に設置されることを特徴とする、請求項1-8のいずれか1項に記載の表示システムに基づくトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示方法。
【請求項10】
ステップ3では、前記トレーラーなしモードにおいて、前記プロセッサは、表示装置に画面を提供し、
前記トレーラー有りモードにおいて、走行状態が直進である場合、前記プロセッサは、表示装置に左フロントカメラと右フロントカメラの画面を提供し、
前記トレーラー有りモードにおいて、走行状態が転向又は後退である場合、前記プロセッサは、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度に応じて表示装置に転向側のフロントカメラの画面と転向の反対側の切り出しと合成の画面を提供し、
転向の反対方向の画面の切り出しと合成において、転向の反対方向のフロントカメラのトレーラー遮り側でのプリセット幅の画面を除去し、転向の反対方向のリアカメラのトレーラー側でのプリセット幅の画面を保留し、保留された画面を、画面が除去された個所に配置して新たな画面合成を行い、
転向方向の画面の切り出しと合成において、前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が転向側のフロントカメラの照射角度を超えた場合、転向方向のフロントカメラの転向側での固定幅の画面を除去し、転向方向のリアカメラのトレーラー側での固定幅の画面を保留し、保留された画面を、画面が除去された個所に配置して新たな画面合成を行い、
前記固定幅は、前記転向側のフロントカメラの画面内の前記トレーラーが占める幅であることを特徴とする、請求項9に記載の表示方法。
【請求項11】
前記プリセット幅は、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度に応じて設定され、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が0-15度である場合、前記プリセット幅は、0であり、前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が15-30度である場合、前記プリセット幅は、画面幅の3分の1であり、前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が30-45度である場合、前記プリセット幅は、画面幅の3分の2であり、前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が45度以上である場合、前記プリセット幅は、全画面幅であることを特徴とする、請求項10に記載の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、発明名称が「トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システム及び方法」である、中国発明特許出願202110901387.8の優先権、及び発明名称が「露出を自動的に調整する方法及び装置」である、中国発明特許出願202210100871.5の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、車載電子機器の技術分野に関し、具体的には、トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
バックミラーと電子バックミラーは、車両の走行中に走行の安全を保障する重要な部分であり、自動車バックミラー性能基準GB-15084は、車両バックミラーの観察範囲は車両が正常に停止している状態の視野範囲であると規定しており、両側の視野観察範囲は、車両の中軸線の外側に25-45度まで拡大する必要がある(異なる観察アイポイントにより引き起こされる)が、車両のいくつかの特定の環境における視野の観察範囲を規定していない。
【0004】
牽引車又はウインチ車は、トラクターとトレーラーの2つの本体が軸方向ロック又はヒンジにより接続される車両であり、車両が後退又は転向する際に、運転者は、トレーラーの両側と真後ろの映像を観察する必要があり、それにより運転者が所定の位置にスムーズに後退するか、又は所定の軌跡に従って走行するのを支援できるが、トラクターの外れ角度が大きすぎると、片側のバックミラー又は電子バックミラーは、転向角度により引き起こされる、トレーラーで視線を遮られた状況があるため、運転者は、車両の片側の状態しか観察できないため、複雑で不慣れな環境において、例えば片側内輪差事故や車両ドリフト事故などを引き起こしやすい。
【0005】
従来技術では、例えば、出願番号が201811278439.5の特許は、車体の複数箇所に設置された魚眼カメラで画像情報を収集して取得し、画像情報を前処理してスプライスし、スプライスされた画像をディスプレイで運転者に提示することで、運転者が車両の360度視野を取得できるようにし、360度視野は、4-6個のカメラでスプライスすることで形成された見回し視野であり、カメラは、一定の位置に固定する必要があり、偏向変位が発生してはならず、乗用車、又は一体型のトラックの低速走行に適している。牽引車のトレーラーがいつでも移動するため、見回しがビデオ収集範囲の変更の影響を受けるため、完全な画像にスプライスすることができない。
【0006】
見回しカメラは、魚眼画面の歪みが大きく、運転補助製品であるため、被写界深度、被写体距離などに対する法規規制要件がなく、補助製品としてしか使用できない。
【0007】
見回しカメラは、見下ろして下に照射するように取り付けられるため、カメラの照射角度の原因で車両近傍領域の範囲しか見ることができず、車両の遠方の視野範囲を見ることができない。
【0008】
本発明は、バックミラーに取って代わる強制法規製品として使用され、法規は、明確な観察範囲の要件がある。それは、カメラの性能試験、使用状況、法規で要求される視野領域、安全要件などが異なるため、同等の製品ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、従来技術に対して、車両の転向や後退ときのトラクターオフセットによる片側のトレーラーにより遮られる死角部位の表示を解決するとともに、運転者は危険が発生する可能性のある死角部分の位置を迅速に位置決めすることを容易にする、トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システム及び方法を提案することであり、好ましい実装形態では、本発明は、収集装置のカメラにチルトシフト設定方式と感光に基づく撮像調整方法を追加したため、本発明の性能をさらに向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
具体的には、トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムであって、前記表示システムは、収集装置、センシング装置、表示制御装置及び表示装置を含み、
前記収集装置は、左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラを含み、前記左フロントカメラと右フロントカメラは、それぞれ運転室外の左右両側に設置され、前記左リアカメラと右リアカメラは、それぞれトレーラーの左右両側に設置され、
前記センシング装置は、トラクタートレーラーに設置された角度センシングセンサーであり、前記角度センシングセンサーは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を取得するために使用され、
前記表示制御装置は、前記収集装置とセンシング装置に接続され、プロセッサを含み、前記プロセッサは、前記センシング装置により前記トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を取得し、前記収集装置が取得した画面を前記表示装置に直接送信し、及び/又はそれを切り出し及び合成処理した後に前記表示装置に送信するために使用され、
前記表示装置は、前記運転室に設置されたディスプレイであり、前記表示装置は、前記表示制御装置に接続され、前記表示制御装置が出力した画像を運転者に表示するために使用される、トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムを提供する。
【0011】
さらに、前記左フロントカメラと右フロントカメラが収集した画面視野は、ラベリングで規定されたクラスII視野及び/又はクラスIV視野に適合しており、前記左リアカメラと右リアカメラ及び左フロントカメラと右フロントカメラが収集した画面内には、カメラが位置する側のトレーラー本体が含まれる。
【0012】
さらに、前記表示装置は、左表示ユニットと右表示ユニットを含み、前記左表示ユニットは、前記左フロントカメラが収集した画面又は前記左フロントカメラと左リアカメラが合成した画面を表示するために使用され、前記右表示ユニットは、前記右フロントカメラが収集した画面又は前記右フロントカメラと右リアカメラが合成した画面を表示するために使用される。
【0013】
さらに、前記プロセッサは、画面の切り出しと合成において、トラクターが転向する方向の反対方向及び/又はトラクターが転向する方向のフロントカメラのトレーラー遮り側でのプリセット幅又は固定幅の画面を除去し、トラクターが転向する方向の反対方向及び/又はトラクターが転向する方向のリアカメラのトレーラー側でのプリセット幅又は固定幅の画面を保留し、保留された画面を、画面が除去された個所に配置して画面合成し、
さらに、前記角度センシングセンサーは、前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が転向側のフロントカメラの照射角度を超えたことを検出した場合、前記プロセッサは、前記固定幅の画面の切り出しと合成を採用し、
前記固定幅は、前記転向側のフロントカメラの画面内の前記トレーラーが占める幅である。
【0014】
さらに、前記表示制御装置は、記憶ユニットを含み、前記記憶ユニットには、表示装置に表示するための予め描画された表示ブロック図Xと、画面を補償するための補償ブロック図Yの集合と補償ブロック図Zの集合とが記憶され、前記プロセッサは、前記センシング装置のセンシングに応じて計算して判断し、予め記憶された補償ブロック図Yの集合内のプリセット幅に適合する補償ブロック図Yaと補償ブロック図Zの集合内の固定幅又はプリセット幅の補償ブロック図Zaを呼び出し、
前記プロセッサは、トラクターが転向する方向の反対方向のリアカメラのトレーラー側でのプリセット幅の画面を同時に切り出し、処理後の画面を呼び出された補償ブロック図Yaに投影し、
前記プロセッサは、トラクターが転向する方向のリアカメラのトレーラー側での固定幅の画面を切り出し、処理後の画面を呼び出された補償ブロック図Zaに投影する。
【0015】
さらに、前記プリセット幅は、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度に応じて設定され、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が0-15度である場合、前記プリセット幅は、0であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が15-30度である場合、前記プリセット幅は、画面幅の3分の1であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が30-45度である場合、前記プリセット幅は、画面幅の3分の2であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が45度以上である場合、前記プリセット幅は、全画面幅である。
【0016】
好ましくは、前記左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラのうちの1つ又は複数は、チルトシフトカメラを採用し、前記チルトシフトカメラは、カメラ本体、画面収集ユニット及び撮像レンズを含み、前記撮像レンズと前記画面収集ユニットは、それぞれ前記カメラ本体の前端と後端に取り付けられ、前記カメラ本体は、基準方向に対して、第1の方向に向かって傾斜した第1の角度θを有し、前記画面収集ユニットと前記撮像レンズは、前記カメラ本体の主軸に対して、前記カメラ本体の傾斜方向の反対方向に傾斜した第2の角度αと第3の角度βをそれぞれ有し、前記第2の角度αと第3の角度βは、互いに異なり、好ましくは、前記第2の角度αは、前記画面収集ユニットと前記撮像レンズの位置する平面とが交わって鋭角を形成するように、前記第3の角度βよりも大きい。
【0017】
本発明は、トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示方法をさらに提供し、前記表示方法は、
プロセッサは、複数のカメラが収集したビデオ画像をリアルタイムで取得するステップ1と、
プロセッサは、トラクタートレーラーの作動状態を取得するステップ2と、
プロセッサは、トラクタートレーラーの作動状態に応じて最適な遮蔽なし、死角最小化方案の画面を生成するステップ3と、を含み、
前記作動状態は、トレーラー状態と走行状態を含み、トレーラー状態は、トレーラー有りモードとトレーラーなしモードを含み、走行状態は、直進、転向及び後退を含み、
前記複数のカメラは、左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラを含み、前記左フロントカメラと右フロントカメラは、それぞれ運転室外の左右両側に設置され、前記左リアカメラと右リアカメラは、それぞれトレーラーの左右両側に設置される。
【0018】
さらに、ステップ3では、前記トレーラーなしモードにおいて、前記プロセッサは、表示装置に左フロントカメラと右フロントカメラの画面を提供し、
前記トレーラー有りモードにおいて、走行状態が直進である場合、前記プロセッサは、表示装置に左フロントカメラと右フロントカメラの画面を提供し、
前記トレーラー有りモードにおいて、走行状態が転向である場合、前記プロセッサは、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度に応じて表示装置に画面を提供し、
トラクターが転向する方向の反対方向の画面の切り出しと合成において、トラクターが転向する方向の反対方向のフロントカメラのトレーラー遮り側でのプリセット幅の画面を除去し、トラクターが転向する方向の反対方向のリアカメラのトレーラー側でのプリセット幅の画面を保留し、保留された画面を、画面が除去された個所に配置して新たな画面合成を行い、
トラクターが転向する方向の画面の切り出しと合成において、前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が転向側のフロントカメラの照射角度を超えた場合、トラクターが転向する方向のフロントカメラの転向側での固定幅の画面を除去し、トラクターが転向する方向のリアカメラのトレーラー側での固定幅の画面を保留し、保留された画面を、画面が除去された個所に配置して新たな画面合成を行い、
前記固定幅は、トラクター転向側のフロントカメラの画面内の前記トレーラーが占める幅である。
【0019】
さらに、前記プリセット幅は、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度に応じて設定され、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が0-15度である場合、前記プリセット幅は、0であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が15-30度である場合、前記プリセット幅は、画面幅の3分の1であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が30-45度である場合、前記プリセット幅は、画面幅の3分の2であり、
前記トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が45度以上である場合、前記プリセット幅は、全画面幅である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の利点は、以下のとおりである。
【0021】
本発明は、マルチカメラ設置により、転向中にバックミラーにおけるトレーラーにより遮られた領域に対して画面補償を行うことにより、トレーラーが視野観察を遮るという問題を効果的に解決することができ、同時に魚眼レンズでスプライスされた一般的な全景画面と比較して、運転者は、そのうちの危険要素の位置する位置をより直感的に察知することができ、さらに、思考時間を短縮し、事故を効果的に低減することができる。
【0022】
本発明では、フロントカメラは、GB-15084規格を満たすことができるクラスII視野を有し、従来のバックミラーを代替する能力を有すると同時に、トレーラー上のバックカメラと連携して死角のない車両全体の監視を実現することができる。
【0023】
本発明では、トレーラーに設置されたバックカメラの視野は、トレーラー自身を含むため、画面補償時に、運転者が危険な単位とトレーラーとの位置関係を直感的に察知できることを実現することができ、さらに、運転者が画面の内容を判断する時間を縮短することができ、それにより危険な状況への迅速な対応を実現することができる。
【0024】
本発明は、車両の転向幅により補償すべき領域の大きさを確認することにより、補償領域と遮蔽領域とが一致することを実現することができ、さらに、運転者は、死角内のより直感的な視野を継続的に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムの構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムにおける左フロントカメラと右フロントカメラが満たすべき視野範囲の要件を示す模式図である。
図3】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムにおける左リアカメラと右リアカメラが満たすべき視野範囲の要件を示す模式図である。
図4】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムにおけるカメラの分布を示す模式図である。
図5】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムにおけるトラクタートレーラーの転向状態での各カメラの視野を示す模式図である。
図6】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムにおけるトラクタートレーラーの転向状態での転向側表示装置が提供する未補償画面を示す模式図である。
図7】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムにおけるトラクタートレーラーの転向状態での転向方向と反対側表示装置が提供する未補償画面を示す模式図である。
図8】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムにおけるトラクタートレーラーの転向状態での転向側表示装置が提供する補償後の画面を示す模式図である。
図9】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムにおけるトラクタートレーラーの転向状態での転向方向と反対側表示装置が提供する補償後の画面を示す模式図である。
図10】好ましい実装形態におけるカメラの各部分の傾斜設置の推移を示す模式図であり、ここで、図A-Cは、側面視模式図であり、D、Eは、平面視模式図である。
図11】チルトダウン撮影を採用した場合の撮像レンズ100、画面収集ユニット200及びカメラ本体間の角度関係を示す側面視模式図である。
図12】チルトダウン撮影を採用した場合の、カメラ本体の主軸に対する撮像レンズ100の角度と変位オフセットの関係を示す平面視模式図である。
図13】カメラが下に少し傾斜していて、車体の外側に傾斜しているが、撮像レンズ100が画面収集ユニット200と平行に設置されている場合に撮影された画面である。
図14】カメラを車両に取り付け、カメラ本体を車両の後方に向かって、下方に傾斜させ、撮像レンズ100と画面収集ユニット200の両方をカメラ本体の主軸(鏡筒の中心軸)に対して逆方向に異なる角度で傾斜させる場合に撮影された画面である。
図15】本発明の実施例が提供するトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の技術的解決手段をより詳細に説明するが、本発明は、下記実施例を含むが、これらに限定されるものではない。
【0027】
図1に示すように、本発明のトラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示システムであって、該表示システムは、収集装置、センシング装置、表示制御装置及び表示装置を含む。
【0028】
図2-4に示すように、収集装置は、左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラを含む。トラクタートレーラーの運転室外の左右両側には、左フロントカメラと右フロントカメラがそれぞれ設置され、左フロントカメラと右フロントカメラのレンズは、それらが位置する側の側後方に向かっており、トラクタートレーラーの運転室外の左右両側の側後方のリアルタイム画面を収集するために使用され、左フロントカメラと右フロントカメラは、GB-15084規格の規定に適合するクラスII視野とクラスIV視野を収集するために使用される。運転室に近いトラクタートレーラーのトレーラーの一端の左右両側には、左リアカメラと右リアカメラがそれぞれ設置され、左リアカメラと右リアカメラのレンズは、それらが位置する側の側後方に向かっており、トラクタートレーラーのトレーラーの両側の側後方のリアルタイム画面を収集するために使用され、左リアカメラと右リアカメラのレンズは、左フロントカメラと右フロントカメラの取り付け高さと角度に近く、左リアカメラと右リアカメラのレンズは、トレーラーの揺動角度と一致しており、該レンズにより収集された画面には、カメラが位置する側のトレーラー本体が含まれる必要がある。
【0029】
センシング装置は、トラクタートレーラーに設置された角度センシングセンサーであり、角度センシングセンサーは、トラクターとトレーラーとの間の角度をリアルタイムで取得するために使用される。別の実施形態では、センシング装置は、処理装置に統合されたソフトウェアにより実現され、収集装置が取得したリアルタイム画面を監視し、複数のアルゴリズムによりトラクターに設置されたカメラが収集した画面とトレーラーに設置されたカメラが収集した画面を分析することにより、画像からトラクターとトレーラーとの間の角度を判断する。
【0030】
表示制御装置は、収集装置とセンシング装置にそれぞれ接続され、表示制御装置は、プロセッサと記憶ユニットを含み、プロセッサと記憶ユニットは、互いに接続され、プロセッサは、センシング装置が取得したトラクターとトレーラーとの間の角度データにより、トレーラー上の対応する収集装置を起動し、収集装置が取得したリアルタイム画面を切り出し及び合成するために使用され、記憶ユニットは、収集装置が取得した画面とプロセッサが切り出した画面を記憶するために使用される。
【0031】
図5-9に示すように、左フロントカメラが収集した画面は、画面Cであり、右フロントカメラが収集した画面は、画面Dであり、左リアカメラが収集した画面は、画面Eであり、右リアカメラが収集した画面は、画面Fであり、合成画面については、車両が図5に示すように左折したり、左に後退したりした場合、左側の運転者が観察した画面は、図6に示すCであり、右側の運転者が観察した画面は、図7に示すDであり、左側視野の多くの領域は、トレーラーにより充填されているが、右側の視野には、大きな死角があるため、両側は、いずれもある程度の画面補償を行う必要があり、補償後に左側の運転者が観察した画面は、図8に示すC+Eであり、右側の運転者が観察した画面は、図9に示すD+Fである。
【0032】
具体的には、画面補償方案は、以下の通りである。まず、プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度により右側の補償画面の幅を判断し、次に、補償画面の幅に応じて右リアカメラ画面におけるトレーラー側に近い左側の対応する幅の画面を取得し、再び、補償画面の幅に応じて右フロントカメラの画面における左側のトレーラー側により遮られた部分の対応する幅の画面を切除し、最後に、右リアカメラ画面を右フロントカメラの画面における切除された位置に充填して、死角補償を有する画像を合成する。左側の補償画面については、まず、プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度により車両の転向角度を判断し、次に、転向角度が左フロントカメラのカバー角度(該カバー角度は、左フロントカメラの視野縁とトラクターの側壁との間の夾角である)を超えた場合、補償画面の幅に応じて左リアカメラ画面における右側のトレーラー側に近い特定の幅の画面を取得し、再び、補償画面の幅に応じて左フロントカメラの画面における右側の特定の幅の画面を切除し、最後に、左フロントカメラの画面における切除された位置に左リアカメラ画面を充填して、死角補償を有する画像を合成し、転向角度が左フロントカメラの照射角度に達していない場合、補償を行わず、左フロントカメラが収集した画面のみを表示する。
【0033】
同様に、車両が右折したり、右に後退したりした場合、両側のフロントカメラとリアカメラの画像を合成し、2つのリアカメラは、常にオン状態にあってもよいし、車両が右折したり、右に後退したりしていると判定した後、2つのリアカメラを起動してもよく、左側の補償画面については、まず、プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度により補償画面の幅を判断し、次に、補償画面の幅に応じて左リアカメラ画面におけるトレーラー側に近い右側の対応する幅の画面を取得し、再び、補償画面の幅に応じて左フロントカメラの画面における右側のトレーラー側により遮られた部分の対応する幅の画面を切除し、最後に、左フロントカメラの画面における切除された位置に左リアカメラ画面を充填して、死角補償を有する画像を合成する。右側の補償画面については、まず、プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度により車両の転向角度を判断し、次に、転向角度が右フロントカメラのカバー角度(該カバー角度が右フロントカメラの視野縁とトラクターの側壁との間の夾角である)を超えた場合、補償画面の幅に応じて右リアカメラ画面におけるトレーラー側に近い左側の特定の幅の画面を取得し、再び、補償画面の幅に応じて右フロントカメラの画面における左側の特定の幅の画面を切除し、最後に、右フロントカメラの画面における切除された位置に右リアカメラ画面を充填して、死角補償を有する画像を合成し、転向角度が右フロントカメラの照射角度に達していない場合、補償を行わず、右フロントカメラが収集した画面のみを表示する。
【0034】
一実施形態では、レーラーヘッドが転向する方向と反対側の画面の補償において、メモリには、予め描画された表示ブロック図Xと、画面を補償するための補償ブロック図Yの集合とが記憶され、表示ブロック図Xの解像度は、対応する表示装置が提供する解像度に対応し、表示ブロック図X内には、補償ブロック図Yaが重畳され、補償ブロック図Yaは、補償ブロック図Yの集合内の要素であり、補償ブロック図Yaの幅は、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度に応じて決定され、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度が予め設定された範囲に達すると、対応する幅の補償ブロック図Yaを自動的に呼び出し、補償ブロック図Yaは、長方形であってもよいし、特定のトラクタートレーラーやトレーラー型式の死角に応じて制定された特殊な形状であってもよく、左側視野における補償ブロック図Yと右側視野における補償ブロック図Yは、対称設計を採用し、左側視野における補償ブロック図Yは、左側視野の表示ブロック図Xの右側に設置され、右側視野における補償ブロック図Yは、右側視野の表示ブロック図Xの左側に設置される。
【0035】
トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度が予め設定された範囲に達すると、補償ブロック図Yaは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度に応じて対応するサイズの補償ブロック図Yaを呼び出す。補償が必要な側の表示ブロック図Xにおいて、プロセッサは、表示ブロック図X内に該側のフロントカメラの画面を充填し、該側のリアカメラの画面を呼び出して表示ブロック図Xと同じ遷移ブロック図内に充填し、補償ブロック図Yaの位置に対応する画面を切り出し、切り出した該画面を表示ブロック図X内の補償ブロック図Yaに対応する位置に投影し、フロントカメラの画面内の補償ブロック図Yaに対応する位置の画面をカバーして、切り出しと合成を経て補償視野を有する画面を生成する。
【0036】
トラクタートレーラーの転向側の画面補償において、メモリには、予め描画された画面を補償するための補償ブロック図Zの集合がさらに記憶され、補償ブロック図Zaは、表示ブロック図Xに重畳され、補償ブロック図Zaは、補償ブロック図Zの集合内の要素であり、補償ブロック図Zaの特定の幅は、固定幅を採用してもよいし、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度に応じて決定してもよく、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度が予め設定された範囲に達すると、対応する幅の補償ブロック図Zaを自動的に呼び出し、補償ブロック図Zaは、長方形であってもよいし、特定のトラクタートレーラーとトレーラー型式の死角に応じて制定された特殊な形状であってもよく、左側視野における補償ブロック図Zと右側視野における補償ブロック図Zは、対称設計を採用し、左側視野における補償ブロック図Zは、左側視野の表示ブロック図Xの左側に設置され、右側視野における補償ブロック図Zは、右側視野の表示ブロック図Xの右側に設置される。
【0037】
補償ブロック図Zaは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度に応じて対応する補償ブロック図Zaを呼び出し、補償ブロック図Zaのサイズは、フロントカメラの画面内のトレーラーが占める幅であってもよいし、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度に応じて生成された対応するサイズであってもよい。補償が必要な側の表示ブロック図Xにおいて、プロセッサは、該側のフロントカメラの画面を表示ブロック図X内に充填し、該側のリアカメラの画面を呼び出して表示ブロック図Xと同じ遷移ブロック図内に充填し、補償ブロック図Zaの位置に対応する画面を切り出し、切り出した該画面を表示ブロック図X内の補償ブロック図Zaに対応する位置に投影し、フロントカメラの画面内の補償ブロック図Zaに対応する位置の画面をカバーして、切り出しと合成を経て補償視野を有する画面を生成する。
【0038】
表示装置は、運転室に設置されたディスプレイであり、表示装置は、表示制御装置に接続され、表示制御装置から出力された合成画像を運転者に表示するために使用され、表示装置は、左表示ユニットと右表示ユニットを含み、左表示ユニットは、左フロントカメラが収集した画面又は左フロントカメラと左リアカメラが合成した画面を表示するために使用され、右表示ユニットは、右フロントカメラが収集した画面又は右フロントカメラと右リアカメラが合成した画面を表示するために使用され、左右の2つの表示ユニットは、1つのディスプレイに統合されて2分割で表示してもよいし、それぞれ独立したディスプレイであってもよい。表示装置は、運転者に車両の様々な状態パラメータを表示するために、表示制御装置に接続されるほか、自動車の制御バス又は他の自動車制御ユニットに接続されてもよい。表示装置のディスプレイは、中央制御領域又は電子バックミラーに統合されてもよいし、電子バックミラーの表示装置として運転室の両側のAピラーにそれぞれ設置されてもよい。
【0039】
一実施形態では、トラクタートレーラーが直進走行しているプロセスにおいて、プロセッサは、左フロントカメラと右フロントカメラのビデオ画面をリアルタイムで取得し、ビデオ画面を処理せずに表示装置に直接送信し、表示装置により、トラクタートレーラーの左右両側のリアビュー画面を表示する。トラクタートレーラーが走行中に転向と後退を開始すると、センシング装置は、検出されたトラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度をプロセッサにリアルタイムで送信し、プロセッサは、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度に応じて、両側のフロントカメラとリアカメラが収集したビデオ画面を、それぞれ角度に対応するサイズで切り出し、切り出しプロセスにおいて、元のビデオ画面と切り出されたビデオ画面は、いずれも記憶ユニットでキャッシュされ、プロセッサは最後に、切り出されたビデオ画面を合成し、両側の合成されたビデオ画面を、それぞれ表示装置の対応する領域に送信して表示する。もちろん、運転者は、左フロントカメラと右フロントカメラが提供する車両クラスIIミラー表示モードを表示するように表示装置を手動で制御することができ、手動制御モードは、本発明が提供する表示画面よりも優先する。
【0040】
具体的には、トラクタートレーラーが転向する方向と反対側の画面補償については、左表示ユニットと右表示ユニットはそれぞれ、運転室の左右両側のAピラーに設置された2つのディスプレイであり、各ディスプレイのスクリーンの幅は、109.5mmであり、解像度は、1920*720ピクセルであり、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が15度である場合、ディスプレイに表示される補償画面の表示幅は、36.5mmであり、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が30度である場合、ディスプレイに表示される補償画面の表示幅は、73mmであり、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度が45度である場合、ディスプレイには補償画面が完全に表示される。トラクタートレーラーの転向側の画面補償については、トラクターとトレーラーとの中軸線の間の角度がフロントカメラの視野の度数よりも大きい場合、ディスプレイには、固定幅を補償する画面が表示され、該固定幅は、フロントカメラが収集した画面内のトレーラーが占める画面の固定幅であり、トラクタートレーラーが転向する方向と反対側と同じ角度と幅の補償策を採用してもよい。
【0041】
好ましくは、左フロントカメラ、右フロントカメラ、左リアカメラ及び右リアカメラのうちの1つ又は複数は、チルトシフトカメラを採用する。図10に示すように、各チルトシフトカメラは、撮像レンズ100と画面収集ユニット200を含み、カメラの筐体や制御チップなどの従来の構造については、ここでは詳細に説明しない。図11に示すように、撮像レンズ100と画面収集ユニット200は、いずれもカメラ本体の主軸(鏡筒の中心軸)に対して逆方向に傾斜しており、撮像レンズ100と画面収集ユニット200のカメラ本体の主軸に対する傾斜方向は、カメラ本体の主軸の水平方向に対する傾斜方向と反対であり、傾斜角度は、それぞれ第2の角度αと第3の角度βであり、10は、水平方向を表し、20、30は、それぞれ撮像レンズ100と画面収集ユニット200の法線を表す。好ましくは、画面収集ユニット200が傾斜する第3の角度βは、撮像レンズ100が傾斜する第2の角度αよりも大きく、第2の角度αと第3の角度βは、同じではない。
【0042】
図10D図10Eの平面視図及び図12に示すように、撮像レンズ100は、カメラ本体の主軸に対してオフセット(平行移動)し、オフセット距離は、dであり、該オフセット距離は、tan8°-tan15°に撮像レンズ100と画面収集ユニット200の距離Lを掛ける距離、すなわち、画面収集ユニットの中心を基準として、撮像レンズの中心は、カメラの主軸に対して、約8-15度オフセットしたことに対応する距離にほぼ等しく、オフセット方向は、車体から離れる方向(このオフセットは、画面収集ユニット200がカメラ本体の主軸に対して車体方向に向かって平行移動することにより実現されてもよい)であり、同時に、撮像レンズ100と画面収集ユニット200は、いずれも自身の鉛直方向の中心線に対して転向し、転向方向は、車体から離れる方向であり、より具体的には、カメラは、車体の後方に向かって撮影しているため、撮像レンズ100と画面収集ユニット200は、いずれもそれぞれの鉛直方向の中心軸を中心として、車体尾部の外側に向かって一定の角度γ転向し、好ましくは、該角度は、8-16度の間であり、より好ましくは、該角度γは、撮像レンズ100がカメラ本体の主軸に対してオフセットした距離と互いに正の相関関係がある。撮像レンズ100と画面収集ユニット200の転向角度は、互いに同じであることが好ましいが、両者の転向角度にわずかな差があることを排除しない。図13-14から分かるように、チルトシフトカメラを採用して撮影された画面は、歪みが最も少ない。
【0043】
図15に示すように、本発明は、トラクタートレーラーのバックミラーにより視野死角を補償するための表示方法をさらに提供し、該方法は、以下のステップを含む。
【0044】
ステップ1:プロセッサは、複数のカメラが収集したビデオ画面をリアルタイムで取得し、
ここで、複数のカメラは、トラクタートレーラーの運転室外の左右両側に設置された左フロントカメラと右フロントカメラ、及びトレーラーの運転室に近い一端の左右両側に設置された左リアカメラと右リアカメラを含む。左フロントカメラと右フロントカメラは、GB-15084規格の規定に適合するクラスII視野とクラスIV視野を収集するために使用され、左リアカメラと右リアカメラは、トラクタートレーラーのトレーラーの両側の後方の水平角度が50度の視野を収集するために使用され、その視野には、カメラが位置する側のトレーラー本体が含まれる必要がある。
【0045】
ステップ2:プロセッサは、トラクタートレーラーの作動状態を取得し、
ここで、トラクタートレーラーの作動状態は、トレーラー状態と走行状態を含み、トレーラー状態は、トレーラー有りモードとトレーラーなしモードを含み、走行状態は、直進と転向を含む。トレーラー状態の検出は、プロセッサにより自動車制御バスにデータ接続され、自動車制御バスによりトラクタートレーラーにはトレーラーが取り付けられているかどうかを検出し、走行状態は、センシング装置により収集され、センシング装置は、トレーラーに設置された角度センシングセンサーを採用し、角度センシングセンサーによりトレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を取得してもよいし、プロセッサによりロードされたソフトウェアアルゴリズムを採用して、各カメラ内のビデオ画像によりトレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を判断してもよい。
【0046】
ステップ3:プロセッサは、トラクタートレーラーの作動状態に応じて最適な遮蔽なし、死角最小化方案の画面を生成する。
【0047】
ステップ3では、プロセッサは、トラクタートレーラーの作動状態により表示装置に様々な形態の画面を提供する。
【0048】
具体的には、トレーラー状態がトレーラーなしモードである場合、トラクタートレーラーには、トレーラーが取り付けられておらず、プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を監視しなくなり、同時に、トレーラーが取り付けられていないため、プロセッサは、左リアカメラと右リアカメラが収集した画像信号を取得できなくなり、このとき、プロセッサは、左フロントカメラと右フロントカメラ内の画像を直接取得して表示装置に送信し、運転者に左右のメインエクステリアミラーと左右の広角エクステリアミラーの視野に相当する画像を提供する。
【0049】
トレーラーの状態がトレーラー有りモードである場合、トラクタートレーラーには、トレーラーが取り付けられており、同時にプロセッサは、センシング装置によりトラクタートレーラーの走行状態を判断し、トラクタートレーラーが直進している場合、又はセンシング装置はトレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度が15度未満であることを検出した場合、プロセッサは、いずれもトラクタートレーラーの走行状態が直進であると判断し、センシング装置は、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度が15度以上であることを検出した場合、プロセッサは、いずれもトラクタートレーラーの走行状態が転向であると判断する。
【0050】
プロセッサは、トラクタートレーラーの走行状態が直進であると判断した場合、プロセッサは、左フロントカメラと右フロントカメラ内の画像を直接取得して表示装置に送信し、運転者に左右のメインエクステリアミラーと左右の広角エクステリアミラーの視野に相当する画像を提供する。
【0051】
プロセッサは、トラクタートレーラーの走行状態が転向であると判断した場合、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度を検出し続け、検出された角度に応じて表示装置に表示される画面を制御する。
【0052】
具体的には、トラクタートレーラーが右折したり、右に後退したりしているプロセスにおいて、左表示ユニットのビデオ画面が生成される場合を例にとると、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度が15-30度であることを検出した場合、まず、プロセッサは、左フロントカメラと左リアカメラが収集したビデオ画面を取得し、ビデオ画面を記憶ユニットに送信してキャッシュし、次に、プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度に応じて、左フロントカメラと左リアカメラが収集したビデオ画面をそれぞれ切り出し、左フロントカメラが収集したビデオ画面に対して、トレーラーにより遮られることで、その右側に死角が形成されるビデオ画面の幅の3分の1を切り出し、左リアカメラが収集したビデオ画面に対して、その右側がトレーラーに近いビデオ画面の幅の3分の1のみを保留し、切り出された後に保留された画面を記憶ユニットでキャッシュし、再び、左リアカメラが保留したビデオ画面を、左フロントカメラがビデオ画面を切り出した位置に補充して同じビデオ画面に合成し、最後に、左フロントカメラと左リアカメラが合成したビデオ画面を、表示システムが左側の視聴画面を表示する個所に送信する。
【0053】
トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度が30-45度であることを検出した場合、まず、プロセッサは、左フロントカメラと左リアカメラが収集したビデオ画面を取得し、ビデオ画面を記憶ユニットに送信してキャッシュし、次に、プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度に応じて、左フロントカメラと左リアカメラが収集したビデオ画面をそれぞれ切り出し、左フロントカメラが収集したビデオ画面に対して、その右側がトレーラーにより遮られることで死角が形成されるビデオ画面の幅の3分の2を切り出し、左リアカメラが収集したビデオ画面に対して、その右側がトレーラーに近いビデオ画面の幅の3分の2のみを保留し、切り出された後に保留された画面を記憶ユニットでキャッシュし、再び、左リアカメラが保留したビデオ画面を、左フロントカメラがビデオ画面を切り出した位置に補充して同じビデオ画面に合成し、最後に、左フロントカメラと左リアカメラが合成したビデオ画面を、表示システムが左側の視聴画面を表示する個所に送信する。
【0054】
トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度が45度以上であることを検出した場合、プロセッサは、左リアカメラの画面を直接取得して表示システムが左側の視聴画面を表示する個所に送信する。
【0055】
そして、トラクタートレーラーが右折したり、右に後退したりしているプロセスにおいて、右表示ユニットのビデオ画面が生成される場合には、2つの状況があり、第1の状況は、固定サイズの補償画面を採用し、まず、プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度により、車両の転向角度が右フロントカメラの照射角度を超えると判断した場合、プロセッサは、右フロントカメラと右リアカメラが収集したビデオ画面を取得し、ビデオ画面を記憶ユニットに送信してキャッシュし、次に、プロセッサは、右フロントカメラと右リアカメラが収集したビデオ画面をそれぞれ切り出し、右フロントカメラが収集したビデオ画面に対して、その右側の画面内のトレーラーが占める幅のビデオ画面を切り出し、右リアカメラが収集したビデオ画面に対して、その右側の画面内のトレーラーが占める幅のビデオ画面のみを保留し、切り出された後に保留された画面を記憶ユニットでキャッシュし、再び、右リアカメラが保留したビデオ画面を、右フロントカメラがビデオ画面を切り出した位置に補充して同じビデオ画面に合成し、最後に、右フロントカメラと右リアカメラが合成したビデオ画面を、表示システムが右側の視聴画面を表示する個所に送信する。プロセッサは、トレーラーの軸線がトラクターの軸線から外れる角度により、車両の転向角度が右フロントカメラの照射角度を超えていないと判断した場合、補償を行わず、右フロントカメラが収集したビデオ画面を、表示システムが右側の視聴画面を表示する個所に直接送信する。
【0056】
第2の状況は、補償サイズが転向角度に対応する方式を採用しており、その具体的な補償方案は、左表示ユニットのビデオ画面生成方案に対応する。
【0057】
トラクタートレーラーが左折したり、左に後退したりする場合は、上記状況に対応する。
【0058】
好ましい実装形態では、各撮像装置は、ビデオ収集を行う際に、露出条件を行うために、自動露出調整方法を採用し、調整ステップは、
感光センサーでデータを収集して現在の感光パラメータを生成するステップ1と、
現在の感光パラメータと第1の設定値との関係により露出モードを調整するステップ2と、
固定露出モードでは、現在の感光パラメータと第2の設定値との比較値に基づいてカウンタ状態を調整するステップ3と、
計数値と第3の設定値に基づいてカウンタ状態と露出モードを調整するステップ4と、を含む。
【0059】
具体的には、まず、現在の感光パラメータがマッピング範囲を決定し、感光センサーが収集したデータは、制御ユニットにより現在の感光平均値を計算し、アナログ-デジタル変換/デジタル-アナログ変換により、現在マッピングされているADC値を決定する。
【0060】
第1の設定値は、現在マッピングされているADC値と、自動露出モード又は固定露出モードを使用して画像収集を行うべきかどうかを判断するために使用される。露出モードは、デフォルト状態で自動露出モードを採用し、現在マッピングされているADC値がマッピング範囲に占める割合は、第1の設定値未満である場合、固定露出モードを起動し、現在マッピングされているADC値は、マッピング範囲に占める割合が第1の設定値以上である場合、自動露出モードを維持する。通常、第1の設定値は、28%-33%であり、自動露出は、中間階調を基準として明るさの調整を行うため、マッピングされているADC値は、マッピング範囲に占める割合が33%未満である場合、自動露出状態での画面表示は、暗くなる。固定露出モードでは、露出時間は、通常9ms~20msである。
【0061】
固定露出モードが起動された場合、ADC値と第2の設定値との関係を監視し続け、ADC値がマッピング範囲に占める割合は、第2の設定値以上である場合、カウンタの計数値に1を足し、ADC値がマッピング範囲に占める割合は、第2の設定値未満である場合、カウンタの計数値をゼロにクリアする。
【0062】
計数値と第3の設定値との大きさを比較し、計数値が第3の設定値に達した場合、カウンタをゼロにクリアし、固定露出モードをオフにし、自動露出モードを採用し、計数値が第3の設定値に達していない場合、操作を行わず、上記操作を繰り返す。
【0063】
車両が屋外にあり、起動時に自動露出モードを自動的にオンにし、車両が明るい地面から暗い環境に入ると、感光センサーが収集した光の明るさは、アナログデジタル変換とデジタルアナログ変換により変換され、現在のADC値は、全マッピング範囲の10%であり、第1の設定値よりも低く、第1の設定値は、28%-33%であり、28%、30%又は33%であってもよく、第1の設定値は、現在のADC値とマッピング範囲との比であり、制御ユニットは、画面収集装置にコマンドを送信して固定露出モードをオンにし、自動露出モードをオフにし、露出時間は、11msであり、露出時間は、9ms~20msであってもよい。
【0064】
車両が明るい場所から連続したトンネルを通過し、トンネルの間隔が短く、トンネルが暗い場合、車両が暗いトンネルに入ると、感光センサーが収集した現在のADC値は、マッピング範囲の9%であり、第1の設定値よりも低く、制御ユニットは、画面収集装置にコマンドを送信して固定露出モードをオンにし、自動露出モードをオフにし、露出時間は、11msであり、車両がトンネルから出て別のトンネルに入ると、現在は、まだ固定露出オンのモードにあり、感光センサーが収集した現在の連続3回のADC値は、それぞれマッピング範囲の61%、67%及び33%を占め、ここで、最初の2回の割合値は、第2の設定値の60%よりも高く、カウンタは、計数し続けているが、まだ第3の設定値で規定された3回に達しておらず、第3の回は、第2の設定値の60%よりも低く、カウンタをゼロにクリアし、まだ固定露出モードにある。
【0065】
車両が暗い環境から明るい地面に戻ると、現在は、まだ固定露出オンのモードにあり、感光センサーが収集した現在のADC値は、マッピング範囲の61%であり、第2の設定値の60%よりも高く、第2の設定値は、54%-60%の範囲であり、55%、58%、60%であってもよく、カウンタは、計数し、車両が一定時間明るい地面に戻ると、すなわち、カウンタの計数値が第3の設定値の3に達すると、第3の設定値は、2、3、4であってもよく、カウンタをゼロにクリアし、制御ユニットは、画面収集装置にコマンドを送信して固定露出モードをオフにし、自動露出モードをオンにする。
【0066】
2つの近いトンネルの中間区間の明るさは、高いが、トンネルの関係により、トンネルに入るときとトンネルを出るときの明るさは、過渡の明るさであり、該個所の明るさは、外部の明るさよりも低く、トンネル内部の明るさよりも高く、一般に収集された明るさがマッピングしたADC値がマッピング範囲に占める割合は、38%-50%であり、第2の設定値を38%と設定した場合、継続的に収集された明るさが対応してマッピングしたADC値がマッピング範囲に占める割合は、それぞれ28%、30%、40%、61%、67%、44%、30%、27%であり、このとき、カメラは、トンネルを出る短時間内に自動露出モードを起動し、その後、固定露出モードに切り替わる。
【0067】
自動露出モードに復帰した車両は、暗いトンネルを通過し、現在のADC値は、マッピング範囲の33%であり、30%よりも高く、制御ユニットは、画面収集装置に自動露出モードを採用するようにコマンドを送信する。
【0068】
本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、当業者は、実施例と図面に開示された内容に応じて、他の種々の具体的な実施形態を採用して本発明を実施することができ、したがって、本発明の設計構造と構想を採用して、いくつかの簡単な変形又は変更を行う設計は、いずれも本発明の保護範囲に入るものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】