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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】スペックル除去の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 7/005 20060101AFI20250117BHJP
   G11B 7/135 20120101ALI20250117BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20250117BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20250117BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20250117BHJP
【FI】
G11B7/005 Z
G11B7/135
G02B6/00 326
F21V8/00 241
F21V8/00 281
F21Y115:30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532416
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 US2022052486
(87)【国際公開番号】W WO2023132910
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】22150623.1
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,ヒュー デイビッド ポール
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス ディアス,アリエル
(72)【発明者】
【氏名】クンケル フォース,ウィリアム ミンスター
【テーマコード(参考)】
2H038
5D090
5D789
【Fターム(参考)】
2H038AA51
2H038BA45
5D090CC04
5D090EE12
5D090KK01
5D090LL01
5D090LL03
5D789AA12
(57)【要約】
システムであって、アクチュエータと、電気信号をアクチュエータに適用して、アクチュエータを伸縮するように構成された信号生成器と、アクチュエータと関連する光ファイバであって、光ファイバは、アクチュエータ伸長時に長化し、アクチュエータ収縮時に短化するように構成される、光ファイバと、光ファイバの長化及び短化中、光ファイバを通してコヒーレント光を送り、照明を提供するように構成されたコヒーレント光源とを備えるシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
2つ以上のアクチュエータと、
電気信号を前記2つ以上のアクチュエータの各々に適用して、前記2つ以上のアクチュエータの各々を伸縮するように構成された信号生成器と、
前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが伸長するとき、長くなるように構成された光ファイバであって、前記光ファイバは、前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが収縮するとき、短くなるように構成される、光ファイバと、
前記光ファイバの前記長化及び短化中、前記光ファイバを通してコヒーレント光を送り、照明を提供するように構成されたコヒーレント光源であって、前記コヒーレント光は、前記光ファイバの前記長化及び短化中、前記コヒーレント光を送ることによりスペックル除去され、前記照明は、光記憶媒体に届けられる、コヒーレント光源と、
を備えたシステム。
【請求項2】
前記2つ以上のアクチュエータは、圧電素子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記電気信号は、2kHz~100kHzの周波数で発振する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光ファイバの少なくとも一部は、前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つの少なくとも一部に巻かれる、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記光ファイバは、前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが伸長するとき、長くなり、前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが、前記光ファイバを最小湾曲半径よりも大きな湾曲半径で曲げることにより収縮するとき、短くなるように構成され、前記最小湾曲半径は前記光ファイバの破損を回避するためのものである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つは、圧電シリンダを含み、前記光ファイバの一部は、前記圧電シリンダの少なくとも一部に巻かれる、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記光ファイバが前記圧電シリンダに巻かれる量を増大させ、それにより、前記圧電シリンダが伸長するときに前記光ファイバが長くなる量を増大させ、
前記圧電シリンダが収縮するときに前記光ファイバが短くなる量を増大させる
ように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、前記光ファイバが前記圧電シリンダに巻かれる回数を上げることにより、前記光ファイバが前記圧電シリンダに巻かれる量を増大させるように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つは、線形圧電アクチュエータを含み、前記光ファイバは、前記線形圧電アクチュエータに機械的に結合される、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記照明は少なくとも1つのボクセルに届けられる、請求項1~9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記光記憶媒体は、基板と、前記基板に形成される少なくとも1つの3次元構造とを備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記電気信号は、前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つの共振周波数で発振する、請求項1~11のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
前記電気信号は周期波形を有する、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
方法であって、
電気信号を2つ以上のアクチュエータに適用することであって、それにより、前記2つ以上のアクチュエータを伸縮させる、ことと、
前記2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが伸縮するにつれて、前記2つ以上のアクチュエータの前記少なくとも1つと関連する光ファイバを長化及び短化させることと、
前記光ファイバの前記長化及び短化中、前記光ファイバを通してコヒーレント光を送ることであって、それにより、照明を提供し、前記コヒーレント光は、前記光ファイバの前記長化及び短化中、前記コヒーレント光を送ることによりスペックル除去され、前記照明は光記憶媒体に届けられる、ことと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、コヒーレント波面において観測される干渉を低減するためのメカニズムに関する。特定の例では、コヒーレント光源(例えばレーザ)により生成される光において観測されるスペックルを低減する方法が記載される。
【背景技術】
【0002】
背景
光は、光記憶媒体の読出しに使用することができる。これは、光記憶媒体におけるあるエリアを照明し、光記憶媒体から放出された光を検出することにより達成することができる。ハードディスクドライブ、磁気テープ、フラッシュメモリ、及び光ディスク等の他のデータ記憶技術例よりも優れた利点を有する光記憶媒体が開発中である(例えば、Project Silica)。1つのそのような利点は、データを他の置換媒体にコピーするように求められる頻度がより低いことである。これは、エネルギーの使用及びハードウェア要件を低減する。
【0003】
コヒーレント波面(例えば、レーダー、医療用超音波、レーザ)が関わる一部のシステムでは、スペックルパターンが、コヒーレント波面の相互干渉により生じることがある。
【0004】
レーザ出力におけるスペックルは、「デスペックラー」を使用して低減することができる。デスペックラーは発振拡散器を含む。そのような拡散器は、運動するにつれて界分布を変える。発振拡散器の動きは、回転運動又は並進運動であることができる。そのようなシステムは、Joshua M. Cobb, Paul Michalowski, “A laser speckle reduction system”, Corning Advanced Opticsに記載されている。そのようなデスペックラーの質は、達成可能な拡散器の速度により制限される。拡散器がオフアクシスの場合、強度変動が生じ得る。回転する拡散器の回転速さは、所要干渉パターンを生成して、高帯域幅用途に向けたスペックル除去を提供するのに十分に高速にすることが容易にはできない。
【発明の概要】
【0005】
概要
本明細書に開示される第1の態様によれば、アクチュエータを備えたシステムが提供される。システムは、電気信号をアクチュエータに適用して、アクチュエータを伸縮させるように構成された信号生成も備える。システムは、アクチュエータと関連する光ファイバも備える。光ファイバは、アクチュエータが伸長するとき、長くなり、アクチュエータが収縮するとき、短くなるように構成される。システムは、光ファイバに結合され、光ファイバの長化及び短化中、光ファイバのコアを通して案内されて、照明を提供するコヒーレント光源も備える。一部の例では、スペックルが低減したか又はスペックルがない均質照明を提供するために、部分コヒーレント出力光が使用され得る。
【0006】
この概要は、詳細な説明で更に後述される概念のうちの選択されたものを簡易化された形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求の範囲に記載される主題の主要特徴又は必須特徴を識別することを意図されず、また、特許請求の範囲に記載される主題の範囲の限定に使用されることも意図されない。また、特許請求の範囲に記載される主題は、本明細書に記載の任意又は全ての欠点を解消する実施態様に限定されない。
【0007】
図面の簡単な説明
本開示の理解を助け、実施形態をいかに実施し得るかを示すために、添付図面を例として参照する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本明細書に開示される撮像システムの模式的なブロック図である。
図2】本明細書に開示される撮像システムの模式的なブロック図である。
図3】本明細書に開示される実施形態によるデスペックラーの図である。
図4】本明細書に開示される実施形態によるデスペックラーの図である。
図5】本明細書に開示される実施形態による光記憶媒体を読み取るための異なる例と関連するノイズを示すヒストグラムである。
図6】方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本開示は、コヒーレント光源から送られる光におけるスペックルを低減するシステム、方法、及びコンピュータ可読記憶装置に関する。コンピュータ可読記憶装置は、コヒーレント光源から送られる光におけるスペックルを低減する方法を実行するためのコンピュータプログラム命令を含み得る。
【0010】
一適用例は、光記憶媒体の読み取りである。光データ記憶媒体は、透明基板、例えば石英ガラス基板を備え得る。データは、基板に形成された三次元構造に符号化することができる。これらの構造はボクセルと呼ばれる。一適用例は、シリカガラスにおける高密度データを撮像するための高スループット光リーダであり得る。これは、光ストレージに使用することができる。そのような一例では、高放射輝度源が必要とされることがある。この高放射輝度照明要件を満たすために、コヒーレント光源を使用することができる。しかしながら、一部の例では、コヒーレント源は、スペックルパターンの形態の「ノイズの多い」照明を生成する。例は、コヒーレント光源からスペックルを低減して、より均質な高放射輝度照明を提供するためのスペックル低減システム、方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【0011】
ボクセルは、周囲のバルク基板と異なる光特性を有する。ボクセルは、入射光の方向及び偏光に応じて異なる屈折率を示し得るような複屈折性であり得る。光記憶媒体の書き込みプロセス中、光特性は、データを符号化するように制御(変更)することができる。
【0012】
光記憶媒体からデータを読み取るためには、光源を使用した撮像システムが使用される。図1は、データを光記憶媒体102から読み取ることができる一例のシステム100を示す。光源104が、光120を光記憶媒体102に向けて送る。光記憶媒体102は、データが符号化されるボクセルを含み得る。光源104は、コヒーレント光源、例えばレーザ源を含み得る。したがって、光120はコヒーレント光120、例えば、レーザにより放出される光を含み得る。システム100がより少数の光学系、フィルタ及びレンズを備えてもよく、一部の例では、より多数の光学系、フィルタ、及びレンズを備えてもよいことに留意されたい。光120は光学系106に向けて送られて、例えば、正しい角度で光ビームを提供し得る。一部の例では、光学系は1本又は複数の光ファイバを含み得る。フィルタ108が次いで使用されて、光120を濾波し得る。フィルタ108は1つ又は複数の波長フィルタを含み得る。フィルタ108は、1つ又は複数の波長フィルタに加えて又は代えて、1つ又は複数の偏光フィルタを備えることもできる。一部の例では、偏光フィルタは、フィルタ108及び114の1つ又は複数がカメラ118と組み合わせて使用されて、複屈折を検出するシステム100において使用され得る。一部の例では、フィルタ108は、偏光制御ユニットを含むものと見なすことができる。偏光制御ユニットは、1つ又は複数の偏光構成要素及び/又は波長フィルタを使用して照明偏光を設定し得る。偏光制御ユニットは、1つ又は複数の偏光構成要素を含み得る。一例として、1つ又は複数の偏光構成要素は、偏光器、リターダ、液晶可変リターダの1つ又は複数を含み得る。濾波された光は1つ又は複数の集束レンズ110を通り、光を光記憶媒体102の一部に集束させる。
【0013】
光記憶媒体102の一部が照明されて、光記憶媒体102の1つ又は複数のフィーチャが読み取られる。光は次いで、1つ又は複数の集束レンズ112により更に集束することができる。光は次いでフィルタ114、そして更なる光学系116を通ってから、カメラ118により読み取られ得る。フィルタ114は、1つ又は複数の波長フィルタを含み得る。フィルタ114は、1つ又は複数の波長フィルタに加えて又は代えて、1つ又は複数の偏光フィルタを備えることもできる。一部の例では、偏光フィルタは、フィルタ108及び114の1つ又は複数がカメラ114と組み合わせて使用されて、複屈折を検出するシステム100において使用され得る。一部の例では、フィルタ114は、偏光制御ユニットを含むものと見なすことができる。偏光制御ユニットは、1つ又は複数の偏光構成要素及び/又は波長フィルタを使用して、カメラ118により撮像される光の偏光を設定し得る。1つ又は複数の偏光構成要素は、1つ又は複数の偏光構成要素を含み得る。一例として、1つ又は複数の偏光構成要素は、偏光器、リターダ、液晶可変リターダの1つ又は複数を含み得る。カメラ118は次いで、送られた光を捕捉して、1つ又は複数の像122を提供する。像122は広視野像を含み得る。カメラは、光記憶媒体102における2つ以上のフィーチャを同時に撮像し得る。像122は、光記憶媒体102に記憶されたデータを読み取るのに使用することができる。カメラ118はシャッタを備え得る。シャッタは、シャッタ速度で開閉し得る。例では、シャッタは、物理的に開閉する機械的なシャッタであり得る。他の例では、シャッタは、物理的に開閉せず、その代わりに、像露出持続時間を電子的に設定する電子シャッタであることができる。
【0014】
図1は、照明が光記憶媒体102を通して送られるシステムを示しているが、他の例では、光は光記憶媒体102から反射され、次いでカメラ118により捕捉されてもよいことに留意されたい。そのような一例は同様の光学系を含み得、同様の光学系は、一部の例ではより少数の構成要素を含み得、一部の例では、1つ又は複数の追加のレンズ、フィルタリングレンズ、ビームスプリッタ、偏光構成要素を含み得る。偏光構成要素は、例えば、偏向器、リターダ、液晶可変リターダの1つ又は複数を含み得る。
【0015】
一部の例では、カメラ118は、任意の既知の1D、2D、又は3D撮像システムを含む任意の他の光検出方法で置き換えられ得る。
【0016】
光記憶媒体102を撮像するときにスペックルが存在する場合、これは、データの記憶に使用される光記憶媒体102の特徴的なフィーチャを不明瞭にし得、それにより、光記憶媒体102からのデータの正確な読み取りを妨げ得る。スペックルは、102を通るときのコヒーレント光の相互作用から生じ得、カメラ118により光学系100を通して撮像され得る。そのような状況では、以下説明するデスペックラーが使用されて、スペックルを低減することができる。例えば、ビデオプロジェクタ、他の撮像システム、ホログラフィ等において、そのようなデスペックラーを使用することができる種々の他の状況も考えられる。
【0017】
図2は、集束レンズ110と光記憶媒体102との間のセクションの拡大図を示す。光120は、第1の方向で集束レンズ110を通る。光120は、第1の方向に対して鋭角θで集束されて、光記憶媒体102の照明錐を提供する。照明錐は、光記憶媒体102の表面上の関心領域124を照明する。これは、光記憶媒体102のボクセルの照明に使用することができる。光記憶媒体102の高スループット読み取り(MB/秒)を提供するためには、単位時間当たりに照明されるフィーチャ数という率を上げる必要がある。これは、各フィーチャがデータを符号化することになるため、データスループットにリンクする。光記憶媒体102を読み取るために、光記憶媒体102のフィーチャ1個当たりに一定数の光子を提供することが有用であることができる。これは、所与のフィーチャ品質及び技法で、正しい復号化のために必要とされる照明レベルが存在するためである。フィーチャ1個当たりに一定数の光子というこの状況では、単位時間当たりで光記憶媒体102を通る光子数を上げる必要がある。これは、領域A124及び照明錐角θ内のボクセルに光子を届けながら考慮されなければならない。これらの要件は、発光輝度を使用して考慮に入れることができる。換言すれば、光記憶媒体102に入射する照明120の放射輝度を上げることにより、照明錐角θ内の関心領域A124内のボクセルに、単位時間当たりでより多くの光子を届けることができる。フィーチャ1個当たりで一定数の光子がある場合、照明120の放射輝度を上げると、単位時間当たりで照明されるフィーチャ率が上がり、光記憶媒体102のより高スループットの読み取りが提供される。
【0018】
放射輝度は、照明源の電力を照明源のエテンデュで除したものと見なすことができる。エテンデュは、エミッタ面積を照明源の照明の立体角で乗じたものに等しい。蛍光灯は、高放射輝度を有するレーザと比べて低い放射輝度を有する。
【0019】
したがって、光記憶媒体を読み取る場合、レーザにより提供される高放射輝度に起因して、レーザを使用することが有用であることができる。しかしながら、レーザ等のコヒーレント光源を使用する場合、光記憶媒体102の確実な読み取りを妨げるスペックルに伴う問題がある。スペックルは、建設的に又は破壊的に合算されて、振幅、ひいては強度が空間にわたりランダムに変化する波動を生成する、異なる位相及び振幅を有する、同じ周波数の多くの波動間の干渉の結果である。
【0020】
求められる読み取りスループットが100MB/秒の実験が考えられる。この推定では、カメラにおけるショットノイズ制限が存在し、0.5ms前後の露出時間が使用され、程々の光学損失がある。そのような一実験例では、3W/mm/sr(sr=ステラジアン)の放射輝度が求められる。この値が、0.1W/mm/sr前後の放射輝度を有する利用可能なLEDと比較される場合、LEDが所要放射輝度を提供することができないことが明らかである。レーザ(例えばマルチモードレーザ)は、100W/mm/srの放射輝度を提供することができる。したがって、この例での所要放射輝度を提供するためには、LEDではなくレーザを使用する必要があることが明らかである。一部の例では、パルスモードの光源が動作し得、同じ平均放射輝度を達成するためには更に高い放射輝度が求められることを留意されたい。したがって、レーザが、所要放射輝度3W/mm/srよりも高い放射輝度(100W/mm/sr)を提供することができることが有用である。
【0021】
コヒーレント光源により生成されるスペックルは、デスペックラーを使用して低減することができる。デスペックラーは、光源の多くのパターンを平均して、コヒーレント波間で観測されるランダム干渉を低減する。デスペックラーは、検出器(例えばカメラ118)の積分時間にわたって一緒に合算されると、互いに非コヒーレントに合算されて互いを平均し、(例えば、光記憶媒体102の)光記憶媒体フィーチャ自体からの決定論的像(deterministic image)を生じさせる多くの独立したランダムスペックルを生じさせる。生成された像は、非コヒーレント源(例えばLED)が使用された場合に生じることができる像と同様であり得る。所与の光学的セットアップが有するコントラスト、例えば、特定の光源がいかに広帯域(波長において)であるかに影響する多くの要因がある。しかしながら、特定のセットアップを所与として、特定の静的コントラストが存在することになる。時間T中、N個の独立スペックルパターン(各々が同一のコントラストを有する)を通して反復可能なデスペックラーが使用される場合、観測されるコントラストは静的コントラストの1/√Nになる。したがって、1/100のコントラスト低減(1%のコントラスト)を達成するためには、時間Tにおいて100=10個の独立パターンが必要とされる。独立パターンの率もTと反比例する。Tが半分になる場合、同じ像を達成するためには、同じNをなお必要とするが、ここでは、独立パターンの率は2倍になる。
【0022】
例では、デスペックラーは、独立パターンの率(N/T)、パターンを繰り返す例では反復率を提供すると見なされ得る。例えば、回転拡散器の反復率は、回転拡散器上の同じポイントに到達する頻度によって決まる。回転拡散器上の同じポイントに到達すると、同じスペックルパターンが提供される。以下の図3及び図4の例では、光ファイバが同じ寸法有する都度、同じスペックルパターンが提供される。したがって、反復率は、ファイバが長化及び短化される頻度によって決まる。反復時間<Tの場合、N個全ての独立パターンが捕捉され、スペックル除去に寄与する。反復時間>Tの場合、周期T中、可能な全ての独立パターンが利用されるわけではない。これは、例えば、反復周波数が約100Hzであり、露出時間が<1msの状況で生じ得る。T>デスペックラーの反復時間の場合、独立パターンの率は、反復パターンで生成することができる独立パターンの総数ほど重要ではない。T<デスペックラーの反復時間の場合、独立パターンの率及び時間TによってNが決まる。反復周期<露出時間の場合、シャッタ時間から独立した一定の性能性質が与えられる(性能は、達成することができる独立パターンの最大数によって制限されるため)。一例においてこれを考慮に入れると、露出時間Tが1msの場合、反復周期(1/反復率)が<Tであるように10kHzから100kHzのデスペックラー反復率を有することが有用である。
【0023】
例では、光ファイバの異なるファイバモードの重なりから生じる干渉パターンは、所与の時点tにおいて明確に画定されたスペックルパターンを生成する。時間tにおいて、ファイバの長化/収縮がモード特性、より重要なことにはそれらの間の相対位相を変え得、したがって、それらの干渉は独立した新しいスペックルパターンを生成する。同じことが時間tからtにおいて生じ、検出器の積分時間がtからtである場合、強度が互いに合算されて、非コヒーレントな均質照明を生み出す独立スペックルパターンが提供される。
【0024】
例では、スペックル除去は、光ファイバを長くし応力を掛けることにより生じるモード変化の時間平均化を通して達成される。光ファイバはマルチモード光ファイバであり得る。続く例では、光ファイバの長化及び短化のために、1つ又は複数のアクチュエータが使用され得る。1つ又は複数のアクチュエータは、圧電シリンダ、線形圧電アクチュエータ、ストライプ圧電シリンダ等の圧電素子を含み得る。一部の例では、1つ又は複数のアクチュエータはボイスコイルアクチュエータを含み得る。
【0025】
図3は、コヒーレント光源304をスペックル除去するために使用することができる一例のシステム300を示す。コヒーレント光源304はレーザを含み得る。一部の例では、コヒーレント光源304はマルチモード(MM)レーザを含み得る。
【0026】
コヒーレント光331は光ファイバ335を通る。信号生成器326が電気信号を生成し、一部の例では、電気信号は増幅器328により増幅される。一部の例では、増幅器は存在しなくてよい。電気信号は、10~20kHzの周波数で発振し得る。一部の例では、電気信号は17kHzの周波数で発振し得る。他の例では、電気信号は2kHz~100kHzの周波数で発振し得る。一部の例では、電気信号はアクチュエータ330の共振周波数で発振し得る。
【0027】
電気信号はアクチュエータ330に適用される。図3の例では、アクチュエータ330は圧電素子を含むが、電気信号を受け取ると伸縮する他のアクチュエータが使用されてもよい。図3の例では、圧電素子は圧電シリンダを含む。信号は、信号が適用されるとき、圧電シリンダ330を径方向に屈曲させる。信号は、圧電シリンダ330を方向336及び338に伸長させ、伸長に続けて収縮させる。電気信号は、アクチュエータ330を経時伸縮させる。一部の例では、電気信号は周期波形を有し得る。一部の例では、電気信号は周波数で発振し得る。一部の例では、電気信号は正弦状であり得る。一部の例では、アクチュエータ330の作動(伸縮)は、シャッタを使用することによりパルス照明又はパルス検出と同期し得る。これは、例えば、図1の例におけるカメラ118のシャッタであることができる。一部の例では、これは、測定に使用される光のデューティサイクルが比較的低く、消費電力を低減し得る。そのような一例では、ストロボ中、周期信号がアクチュエータ330に適用され得る。
【0028】
光ファイバ335は、アクチュエータ330に機械的に結合し得る。光ファイバ335は、ループ332及びループ334においてアクチュエータ330の周囲に巻かれ得る。圧電シリンダ330が信号生成器の発振周波数で屈曲するにつれて、光ファイバの長さは、発振周波数で長化及び短化する。同時に、コヒーレント光が光ファイバを通して送られる。光ファイバ335の長化及び短化のパターンを平均することにより、光ファイバ335の端部における照明340からのスペックル、即ち観測されるスペックルを低減することができる。これは、デスペックラーを使用して照明のコヒーレンス性を低減することにより達成される。
【0029】
一部の例では、圧電シリンダ330の周囲に光ファイバ335の完全ループ332を提供する代わりに、光ファイバ335は圧電シリンダ330の一部のみ(例えば、半円)の周囲で湾曲し得る。一部の例では、光ファイバ335は圧電シリンダ330の一部分に取り付けられて、光ファイバ335を長化及び短化し得る。
【0030】
光ファイバ335が長化及び短化される量を上げるためには、圧電シリンダ330の周囲の光ファイバ335のループ数を上げることができる。これは、スペックル除去性能の改善に使用することができる。
【0031】
光ファイバ335が長化及び短化される量を上げるためには、これもまた発振周波数で駆動される更なるアクチュエータが提供され得る。図3の所与の例では、信号生成器326が電気信号を提供(任意選択的に増幅器238aを介して)して、方向336a及び338aに沿って圧電シリンダ330aを屈曲させる第2のアクチュエータ330aが提供される。一部の例では、信号326とは別個の信号生成器がアクチュエータ330aを駆動し得る。電気信号は、アクチュエータ330aを経時伸縮させる。一部の例では、電気信号は周期波形を有し得る。一部の例では、電気信号は発振周波数を有し得る。一部の例では、電気信号は正弦状であり得る。一部の例では、アクチュエータ330aの作動(伸縮)は、シャッタを使用することによりパルス照明又はパルス検出と同期し得る。これは、例えば、図1の例におけるカメラ118のシャッタであることができる。一部の例では、これは、測定に使用される光のデューティサイクルが比較的低く、消費電力を低減し得る。そのような一例では、ストロボ中、周期信号がアクチュエータ330aに適用され得る。図3の例では、アクチュエータ330aは圧電シリンダを含むが、電気信号を受け取ると伸長及び収縮する他のアクチュエータが使用されてもよい。これは、シリンダ330aの周囲のループ332a及び334aに起因して光ファイバ335を長化及び短化するのに使用することができる。一部の例では、アクチュエータ330とは別個に電気信号をアクチュエータ330aに供給するために、第2の信号生成器が提供されてよいことに留意されたい。光ファイバ335は、アクチュエータ330aに機械的に結合し得る。
【0032】
一部の例では、1つのみの圧電素子(例えば圧電素子330)が提供される。一部の例では、1つ又は複数の圧電素子(例えば圧電素子330a)が提供される。1つ又は複数の圧電素子は、図4に関して以下説明する線形圧電アクチュエータを含み得る。
【0033】
スペックル除去されたコヒーレント光340が使用されて、光記憶媒体を読み取ることができる。スペックル除去されたコヒーレント光340は、1つ又は複数のボクセルに送られ得る。
【0034】
一部の例では、システム300は、光ファイバ335の最小湾曲半径を超えないことを保証するように設計される。これにより、光ファイバ335への損傷が回避される。最小湾曲半径は、光ファイバ335の製造業者により提供し得る。例えば、圧電素子は、光ファイバ335の最小湾曲半径を順守することを保証するように選択することができる。例えば、圧電シリンダ330及び提供される場合には圧電シリンダ330aは、光ファイバ335の最小湾曲半径よりも大きい半径を有し得る。これは、光ファイバ335の「マイクロベンド」ではなく光ファイバ335の「マクロベンド」により光ファイバ335が達成されることを保証する。マイクロベンドは光ファイバ335の損傷を生じさせる恐れがある。
【0035】
一部の例では、圧電素子330及び330aの少なくとも一方は、ストライプ圧電シリンダを含み得る。
【0036】
図4は、コヒーレント光源404をスペックル除去するための異なるシステム400を示す。図4の1つ又は複数の要素(例えば、線形圧電アクチュエータ430及び/又は線形圧電アクチュエータ430a)は、光ファイバの発振長化及び短化を提供して、光ファイバを通して送られるコヒーレント光をスペックル除去するために、図3の要素(例えば、圧電シリンダ330及び/又は圧電シリンダ330a)と組み合わせることができることに留意されたい。図4の例では、アクチュエータ430及び430aは各々、線形圧電アクチュエータを含むが、電気信号が受けられると伸縮する他のアクチュエータが使用されてもよい。例えば、ボイスコイルアクチュエータが使用されてもよい。光ファイバ435は、線形圧電アクチュエータ430及び430aに機械的に結合し得る。
【0037】
信号生成器426は、アクチュエータ430に提供される電気信号を提供する。電気信号が適用されると、圧電素子430はその長手方向軸に沿って屈曲し、方向436に沿って長化及び短化する。電気信号は、増幅器428を介して提供されてもよい。電気信号は、アクチュエータ430を経時伸長及び収縮させる。一部の例では、電気信号は周期波形を有し得る。一部の例では、電気信号は発振周波数を有し得る。一部の例では、電気信号は正弦状であり得る。一部の例では、アクチュエータ430の作動(伸縮)は、シャッタを使用することによりパルス照明又はパルス検出と同期し得る。これは、例えば、図1の例におけるカメラ118のシャッタであることができる。一部の例では、これは、測定に使用される光のデューティサイクルが比較的低く、消費電力を低減し得る。そのような一例では、ストロボ中、周期信号がアクチュエータ430に適用され得る。
【0038】
光ファイバ435は、442において圧電素子430に接続され得る。接続442は機械的な接続(例えば、クリップ、接着剤)であってもよく又は任意の他の適した接続であってもよい。
【0039】
信号生成器426は、線形圧電アクチュエータ430aに提供される電気信号を提供する。一部の例では、圧電素子430a用に、信号生成器426とは別個の信号生成器が提供され得ることに留意されたい。電気信号が適用されると、圧電素子430aはその長手方向軸に沿って屈曲し、方向436aに沿って長化及び短化する。電気信号は、増幅器428aを介して提供されてもよい。電気信号は、アクチュエータ430aを経時伸長及び収縮させる。一部の例では、電気信号は周期波形を有し得る。一部の例では、電気信号は発振周波数を有し得る。一部の例では、電気信号は正弦状であり得る。一部の例では、アクチュエータ430aの作動(伸縮)は、シャッタを使用することによりパルス照明又はパルス検出と同期し得る。これは、例えば、図1の例におけるカメラ118のシャッタであることができる。一部の例では、これは、測定に使用される光のデューティサイクルが比較的低く、消費電力を低減し得る。そのような一例では、ストロボ中、周期信号がアクチュエータ430aに適用され得る。
【0040】
光ファイバ435は、444において圧電素子430aに接続され得る。接続444は機械的な接続(例えば、クリップ、接着剤)であってもよく又は任意の他の適した接続であってもよい。
【0041】
光ファイバ435の一セクションの長さX446は、信号生成器426の発振電気新語の周波数で長化及び短化する。
【0042】
コヒーレント光431は光ファイバ435を通る。電気信号は、10~20kHzの周波数で発振し得る。一部の例では、電気信号は17kHzの周波数で発振し得る。他の例では、電気信号は2kHz~100kHzの周波数で発振し得る。一部の例では、電気信号は圧電素子430及び/又は430aの共振周波数で発振し得る。
【0043】
一部の例では、光ファイバ435は圧電素子430又は圧電素子430aに巻かれて、長さXが長化及び短化される量を増大させ得る。これは、スペックル除去性能の増大に使用することができる。
【0044】
一部の例では、システム400は、光ファイバ435の最小湾曲半径を超えないことを保証するように設計される。これにより、光ファイバ435への損傷が回避される。最小湾曲半径は、光ファイバ435の製造業者により提供し得る。例えば、圧電素子は、光ファイバ435の最小湾曲半径を順守することを保証するように選択することができる。例えば、圧電素子430及び圧電素子430aは、光ファイバ435が、両圧電素子に取り付けられるために湾曲する必要がある量が、光ファイバ435の最小湾曲半径よりも大きな曲線半径を有するように位置し得る。これは、光ファイバ435の「マイクロベンド」ではなく光ファイバ435の「マクロベンド」により光ファイバ435が達成されることを保証する。マイクロベンドは光ファイバ435の損傷を生じさせる恐れがある。
【0045】
電気信号により給電されるアクチュエータを使用する更なるシステムが考えられる。例えば、アクチュエータ430aが存在しないように、単一のアクチュエータ430をシステム400において使用することができる。光ファイバ435は、ポイント442においてアクチュエータ430に接続され得るとともに、方向436に沿って変位された別のポイントにおいてアクチュエータ436に接続されることもできる。したがって、光ファイバはアクチュエータに機械的に結合される。電気信号が適用され、アクチュエータ430が方向436に沿って長化及び短化するにつれて、照明は光ファイバ435を通ることができる。照明中、光ファイバ435の長化及び短化に起因して、スペックルは減少する。アクチュエータは、例えば圧電素子を含み得る。一部の例では、アクチュエータは線形圧電アクチュエータを含み得る。
【0046】
更なるシステム例は、図3の例と同様にシリンダに巻かれた335又は435等の光ファイバを含み得る。シリンダ内部で、アクチュエータはシリンダの直径に沿って位置し得る。アクチュエータは、シリンダの直径と同様の長さを有し得る。電気信号がアクチュエータに適用されると、アクチュエータは長化及び短化し、それに対応してシリンダの直径を増減させ得る。換言すれば、図3でのようにシリンダへの電気信号の適用に起因したシリンダの屈曲ではなく、シリンダ内部のアクチュエータに電気信号が適用され得、アクチュエータがシリンダの屈曲を生じさせ得る。したがって、光ファイバはアクチュエータに機械的に結合される。一部の例では、アクチュエータは線形又は概ね線形であることができる。アクチュエータは、例えば圧電素子を含み得る。一部の例では、アクチュエータは線形圧電アクチュエータを含み得る。
【0047】
図5は、シングルショット法で空のグラスを通るレーザでのデータの比較を示す。ピクセル数がy軸に提供され、カメラ数がx軸で数えられる。理想的な分布が554に示されている。LEDの分布は552に示されている。分布552では、分散σTot =σShot +σCamera であり、σShot はショットノイズにより導入されるノイズであり、σCamera はカメラにより導入されるノイズである。ショットノイズは、ポアソン過程に従うノイズを含み得、離散粒子性質から生じる電子/光子の流れに存在する。ショットノイズは、カメラの性質よりも、サンプリングされる信号の性質と見なすことができる。レーザの分布は550に示されている。分布550では、分散σTot =σShot +σCamera +σSpeckle であり、σSpeckle はコヒーレント光源スペックルによって生じるノイズである。上述したシステムは、σSpeckle を有意に低減することができる。
【0048】
図6は、システム300、システム400、又は同様のシステム等のシステムにおいて適用することができる一例の方法の流れを示す。601において、電気信号がアクチュエータに適用されて、アクチュエータを伸長(長化)及び収縮させる。
【0049】
603において、アクチュエータが伸長及び収縮するにつれて光ファイバが長化及び短化する。光ファイバは、アクチュエータに巻かれることにより又はアクチュエータに取り付けられる若しくは接続されることにより、圧電素子と関連付けられ得る。
【0050】
605において、光ファイバの長化及び短化中、コヒーレント光が光ファイバを通って送られて、照明を提供する。
【0051】
システム例は、高速デスペックラーを提供し得る。適用速度は、駆動周波数によってのみ制限される。高速駆動素子、例えば10kHz以上の共振圧電素子の使用により、サブミリ秒の時間枠でのスペックル除去が提供される。
【0052】
システム例は、光ファイバ湾曲半径制約が観測されることを保証することにより、低損失デスペックラーを提供し得る。これにより最小光学損失が保証され、より高放射輝度の設計が可能になる。システム例は、非コヒーレント光源(例えばLED)と比べて画質の低下を受けないスケーラブルな性能を提供し得、ごくわずかな残留スペックルコントラストを提供する。伸ばすことができる光ファイバのセクション数を増やして、性能を高めることができる。伸長しているシリンダ(使用時)の周囲のターン数は、性能を高めるために使用することができる。したがって、性能は、サンプリング時間を延ばすことなく上げることができる。システムは、メンテナンスが略必要ないソリッドステート設計も含む。例では、システムは、異なる用途を考慮するために、1つ又は複数の相互交換可能な圧電素子を有することができる。異なる用途では、異なる安全湾曲半径(最小湾曲半径)を有する異なる光ファイバ直径が求められ得、ファイバに応力を掛けると、一部のモードが他のモードよりも優先的に減衰し得る。圧電素子を交換することにより、広範囲の光学仕様を達成することができる。
【0053】
例では、レーザ源と柔軟な光学仕様(光ファイバの発振長化及び短化)及び低損失との組み合わせにより、エテンデュ工学が照明の効率を最適化できるようにする。
【0054】
上述したシステムの1つ又は複数の要素は、プロセッサと、システムを制御するためのコンピュータ可読命令を含む、関連するメモリとにより制御し得る。プロセッサは1つ又は複数の信号生成器を制御し得る。プロセッサは、1つ又は複数の光源を制御し得る。回路又は処理システムが提供されて、1つ又は複数のシステムを制御することもできる。本明細書で参照されるプロセッサ、処理システム、又は回路が、実際には、単一のチップ若しくは集積回路又は複数のチップ若しくは集積回路により提供し得、任意選択的にチップセット、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、グラフィックス処理ユニット(GPU)等として提供し得ることが理解されよう。1つ又は複数のチップは、例示的な実施形態により動作するように構成可能な1つ又は複数のデータプロセッサ、1つ又は複数のデジタル信号プロセッサ、ベースバンド回路、無線周波数回路の少なくとも1つ又は複数を実施するための回路(及び場合によってはファームウェア)を含み得る。これに関して、例示的な実施形態は、(非一時的な)メモリに記憶され、プロセッサにより、ハードウェアにより、又は有形に記憶されたソフトウェアとハードウェア(及び有形に記憶されたファームウェア)との組み合わせにより少なくとも部分的に実施し得る。
【0055】
データを記憶するためのデータストレージをここで参照する。これは、単一のデバイス又は複数のデバイスにより提供し得る。適したデバイスには、例えば、ハードディスク及び不揮発性半導体メモリ(例えば、ソリッドステートドライブ又はSSD)がある。
【0056】
図面を参照して本明細書に記載の実施形態の少なくとも幾つかの態様は、処理システム又はプロセッサで実行されるコンピュータプロセスを含むが、本発明は、本発明を実施するように適合されたコンピュータプログラム、特にキャリア上又はキャリア内のコンピュータプログラムにも拡張される。プログラムは、非一時的ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形態等のコード仲介ソース及びオブジェクトコードの形態、又は本発明によるプロセスの実施での仕様に適した任意の他の非一時的な形態であり得る。キャリアは、プログラムを実行可能な任意のエンティティ又はデバイスであり得る。例えば、キャリアは、ソリッドステートドライブ(SSD)又は他の半導体ベースのラム;ROM、例えばCD ROM又は半導体ROM;磁気記録媒体、例えば、フロッピーディスク又はハードディスク;光メモリデバイス全般等の記憶媒体を含み得る。
【0057】
第1の態様によれば、アクチュエータと、電気信号をアクチュエータに適用して、アクチュエータを伸長及び収縮させるように構成された信号生成器と、アクチュエータと関連する光ファイバであって、光ファイバは、アクチュエータが伸長するときに長くなり、アクチュエータが収縮するときに短くなるように構成される、光ファイバと、光ファイバの長化及び短化中、光ファイバを通してコヒーレント光を送り、照明を提供するように構成されたコヒーレント光源とを備えたシステムが提供される。
【0058】
一部の例によれば、アクチュエータは圧電素子を含む。
【0059】
一部の例によれば、電気信号は、2kHz~100kHzの周波数で発振する。
【0060】
一部の例によれば、光ファイバの少なくとも一部は、アクチュエータの少なくとも一部に巻かれる。
【0061】
一部の例によれば、光ファイバは、アクチュエータが伸長するとき、長くなり、アクチュエータが、光ファイバを最小湾曲半径よりも大きな湾曲半径で曲げることにより収縮するとき、短くなるように構成され、最小湾曲半径は光ファイバの破損を回避するためのものである。
【0062】
一部の例によれば、アクチュエータは圧電シリンダを含み、光ファイバの一部は、圧電シリンダの少なくとも一部に巻かれる。
【0063】
一部の例によれば、システムは、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる量を増大させ、それにより、アクチュエータが伸長するときに光ファイバが長くなる量を増大させ、アクチュエータが収縮するときに光ファイバが短くなる量を増大させるように構成される。
【0064】
一部の例によれば、システムは、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる回数を上げることにより、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる量を増大させるように構成される。
【0065】
一部の例によれば、アクチュエータは、線形圧電アクチュエータを含み、光ファイバは、線形圧電アクチュエータに機械的に結合される。
【0066】
一部の例によれば、システムは、電気信号が適用されると伸縮するように構成された1つ又は複数の更なるアクチュエータを備え、光ファイバは、上記1つ又は複数の更なるアクチュエータが伸縮するにつれて更に長化及び短化するように構成される。
【0067】
一部の例によれば、照明は1つ又は複数のボクセルに届けられる。
【0068】
一部の例によれば、コヒーレント光は、光ファイバの長化及び短化中、コヒーレント光を送ることによりスペックル除去される。
【0069】
一部の例によれば、電気信号は、アクチュエータの共振周波数で発振する。
【0070】
一部の例によれば、電気信号は周期波形を有する。
【0071】
第2の態様によれば、電気信号をアクチュエータに適用することであって、それにより、アクチュエータを伸縮させる、適用することと、アクチュエータが伸縮するにつれて、アクチュエータと関連する光ファイバを長化及び短化させることと、光ファイバの長化及び短化中、光ファイバを通してコヒーレント光を送ることであって、それにより、照明を提供する、送ることとを含む方法が提供される。一部の例では、第2の態様はコンピュータで実施し得る。
【0072】
一部の例によれば、アクチュエータは圧電素子を含む。
【0073】
一部の例によれば、電気信号は、2kHz~100kHzの周波数で発振する。
【0074】
一部の例によれば、光ファイバの少なくとも一部は、アクチュエータの少なくとも一部に巻かれる。
【0075】
一部の例によれば、方法は、アクチュエータが伸長するとき、光ファイバを長くし、アクチュエータが、光ファイバを最小湾曲半径よりも大きな湾曲半径で曲げることにより収縮するとき、光ファイバを短くすることを含み、最小湾曲半径は光ファイバの破損を回避するためのものである。
【0076】
一部の例によれば、アクチュエータは圧電シリンダを含み、光ファイバの一部は、圧電シリンダの少なくとも一部に巻かれる。
【0077】
一部の例によれば、方法は、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる量を増大させることであって、それにより、アクチュエータが伸長するときに光ファイバが長くなる量を増大させる、増大させることと、アクチュエータが収縮するときに光ファイバが短くなる量を増大させることとを含む。
【0078】
一部の例によれば、方法は、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる回数を上げることにより、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる量を増大させることを含む。
【0079】
一部の例によれば、アクチュエータは、線形圧電アクチュエータを含み、光ファイバは、線形圧電アクチュエータに機械的に結合される。
【0080】
一部の例によれば、方法は、電気信号が適用されると1つ又は複数の更なるアクチュエータを伸縮させることを含み、光ファイバは、上記1つ又は複数の更なるアクチュエータが伸縮するにつれて更に長化及び短化するように構成される。
【0081】
一部の例によれば、照明は1つ又は複数のボクセルに届けられる。
【0082】
一部の例によれば、コヒーレント光は、光ファイバの長化及び短化中、コヒーレント光を送ることによりスペックル除去される。
【0083】
一部の例によれば、電気信号は、アクチュエータの共振周波数で発振する。
【0084】
一部の例によれば、電気信号は周期波形を有する。
【0085】
第3の態様によれば、2つ以上のアクチュエータと、2つ以上のアクチュエータの各々に電気信号を適用して、2つ以上のアクチュエータの各々を伸縮させるように構成された信号生成と、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが伸長するとき、長くなるように構成された光ファイバであって、光ファイバは、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが収縮するとき、短くなるように構成される、光ファイバと、光ファイバの長化及び短化中、光ファイバを通してコヒーレント光を送り、照明を提供するように構成されたコヒーレント光源であって、コヒーレント光は、光ファイバの長化及び短化中、コヒーレント光を送ることによりスペックル除去され、照明は光記憶媒体に届けられる、コヒーレント光源とを備えたシステムが提供される。
【0086】
一部の例によれば、2つ以上のアクチュエータは圧電素子を含む。
【0087】
一部の例によれば、電気信号は、2kHz~100kHzの周波数で発振する。
【0088】
一部の例によれば、光ファイバの少なくとも一部は、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つの少なくとも一部に巻かれる。
【0089】
一部の例によれば、光ファイバは、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが伸長するとき、長くなり、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが、光ファイバを最小湾曲半径よりも大きな湾曲半径で曲げることにより収縮するとき、短くなるように構成され、最小湾曲半径は光ファイバの破損を回避するためのものである。
【0090】
一部の例によれば、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つは圧電シリンダを含み、光ファイバの一部は、圧電シリンダの少なくとも一部に巻かれる。
【0091】
一部の例によれば、システムは、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる量を増大させ、それにより、圧電シリンダが伸長するときに光ファイバが長くなる量を増大させ、圧電シリンダが収縮するときに光ファイバが短くなる量を増大させるように構成される。
【0092】
一部の例によれば、システムは、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる回数を上げることにより、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる量を増大させるように構成される。
【0093】
一部の例によれば、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つは、線形圧電アクチュエータを含み、光ファイバは、線形圧電アクチュエータに機械的に結合される。
【0094】
一部の例によれば、照明は少なくとも1つのボクセルに届けられる。
【0095】
一部の例によれば、光記憶媒体は、基板と、基板に形成される少なくとも1つの3次元構造とを備える。
【0096】
一部の例によれば、電気信号は、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つの共振周波数で発振する。
【0097】
一部の例によれば、電気信号は周期波形を有する。
【0098】
第4の態様によれば、電気信号を2つ以上のアクチュエータに適用することであって、それにより、2つ以上のアクチュエータを伸縮させる、適用することと、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが伸縮するにつれて、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つと関連する光ファイバを長化及び短化させることと、光ファイバの長化及び短化中、光ファイバを通してコヒーレント光を送ることであって、それにより、照明を提供し、照明は光記憶媒体に届けられる、送ることとを含む方法が提供される。
【0099】
一部の例によれば、2つ以上のアクチュエータは圧電素子を含む。
【0100】
一部の例によれば、電気信号は、2kHz~100kHzの周波数で発振する。
【0101】
一部の例によれば、光ファイバの少なくとも一部は、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つの少なくとも一部に巻かれる。
【0102】
一部の例によれば、光ファイバの長化は、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが伸長するときに実行され、光ファイバの短化は、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つが、光ファイバを最小湾曲半径よりも大きな湾曲半径で曲げることにより収縮するときに実行され、最小湾曲半径は光ファイバの破損を回避するためのものである。
【0103】
一部の例によれば、2つ以上のアクチュエータの少なくとも1つは圧電シリンダを含み、光ファイバの一部は、圧電シリンダの少なくとも一部に巻かれる。
【0104】
一部の例によれば、方法は、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる量を増大させることであって、それにより、圧電シリンダが伸長するときに光ファイバが長くなる量を増大させる、増大させることと、圧電シリンダが収縮するときに光ファイバが短くなる量を増大させることとを含む。
【0105】
一部の例によれば、方法は、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる回数を上げることにより、光ファイバが圧電シリンダに巻かれる量を増大させることを含む。
【0106】
一部の例によれば、2つ以上アクチュエータの少なくとも1つは、線形圧電アクチュエータを含み、光ファイバは、線形圧電アクチュエータに機械的に結合される。
【0107】
一部の例によれば、方法は、少なくとも1つのボクセルに届けることを含む。
【0108】
一部の例によれば、光記憶媒体は、基板と、基板に形成される少なくとも1つの3次元構造とを備える。
【0109】
一部の例によれば、電気信号は、2つ以上アクチュエータの少なくとも1つの共振周波数で発振する。
【0110】
一部の例によれば、電気信号は周期波形を有する。
【0111】
第5の態様によれば、プロセッサにより実行可能であり、第2の態様、第4の態様、又は第2の態様若しくは第4の態様のいずれかの例の方法を実行するための命令を含むコンピュータ可読記憶装置が提供される。
【0112】
第6の態様によれば、1つ又は複数のメモリユニットを含むメモリと、1つ又は複数の処理ユニットを含む処理装置とを備えたコンピュータ機器が提供され、メモリは、処理装置で実行されるように構成されたコードを記憶し、コードは、処理装置でとき、第2の態様、第4の態様、又は第2の態様若しくは第4の態様のいずれかの例の方法を実行するように構成される。
【0113】
本明細書に記載の例は、本発明の実施形態の説明のための例として理解されるべきである。更なる実施形態及び例が考えられる。任意の一例又は一実施形態に関連して説明された任意の特徴は、単独で使用されてもよく又は他の特徴と組み合わせて使用されてもよい。くわえて、任意の一例又は一実施形態に関連して説明された任意の特徴は、任意の他の例若しくは実施形態又は任意の他の例若しくは実施形態の任意の組み合わせの1つ若しくは複数の特徴と組み合わせて使用されてもよい。さらに、本明細書に記載されていない均等物及び変更形態も、特許請求の範囲に規定される本発明の範囲内で利用することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】