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特表2025-501866液体保持要素を有するサセプタ配設を備えるエアロゾル発生装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】液体保持要素を有するサセプタ配設を備えるエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20250117BHJP
   A24F 40/42 20200101ALI20250117BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20250117BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/42
A24F40/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532724
(86)(22)【出願日】2023-01-13
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 EP2023050759
(87)【国際公開番号】W WO2023138997
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】22152412.7
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ ロドリゲス アルヴェス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB14
4B162AC16
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC41
(57)【要約】
本発明は、サセプタ配設を備えるエアロゾル発生装置に関する。サセプタ配設は、長軸方向中心軸に沿ってサセプタ配設の近位端と遠位端との間に延びる内部気流チャネルを備える。サセプタ配設は、内部気流チャネルの少なくとも一部分を同軸で取り囲む管状液体保持要素を備える。サセプタ配設は、内部気流チャネルおよび液体保持要素を同軸で取り囲む外部管状サセプタ要素を備える。管状サセプタ要素の壁の少なくとも一部分は、流体透過性材料を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サセプタ配設を備えるエアロゾル発生装置であって、前記サセプタ配設が、
長軸方向中心軸に沿って、前記サセプタ配設の近位端と遠位端との間に延びる、内部気流チャネルと、
前記内部気流チャネルの少なくとも一部分を同軸で取り囲む管状液体保持要素と、
前記内部気流チャネルおよび前記液体保持要素を同軸で取り囲む外部管状サセプタ要素であって、前記管状サセプタ要素の壁の少なくとも一部分が流体透過性材料を含む、外部管状サセプタ要素と、を備え、
前記エアロゾル発生装置が、前記サセプタ配設の前記内部気流チャネルと流体接続している空気吸込み口を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記管状サセプタ要素の長さが、前記管状液体保持要素の長さを超える、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記管状サセプタ要素が、近位端領域、流体透過性中間領域、および遠位領域を備える、請求項1または請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記管状液体保持要素の近位端が、前記管状サセプタ要素の前記中間領域内の位置に位置付けられ、好ましくは、前記管状液体保持要素が、前記管状サセプタ要素内に配設されて、前記遠位領域から前記管状サセプタ要素の前記中間領域内の位置まで延びる、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記流体透過性中間領域の内径が、前記遠位領域および前記近位端領域のうちの一方または両方の内径を超え、好ましくは、前記遠位領域および前記近位端領域の前記内径が実質的に同一である、請求項3または請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記サセプタ配設が、前記遠位領域の近位端を取り囲む封止部材と、前記近位端領域を取り囲む封止部材とのうちの一方または両方を備える、請求項3~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記液体保持要素が多孔性材料を含み、かつ前記サセプタ要素が多孔性材料を含み、好ましくは、前記サセプタ要素の前記多孔性材料の空隙率が、前記液体保持要素の前記多孔性材料の空隙率より高い、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記液体保持要素が高保持材料を含み、好ましくは、前記高保持材料が繊維系の高保持材料およびセラミック系の高保持材料のうちの一方または両方から選択される、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記管状液体保持要素が、第二の管状層によって同軸で取り囲まれる第一の管状層を備える、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記第一の管状層が繊維系の高保持材料を含み、かつ前記第二の管状層がセラミック系の高保持材料を含み、またはその逆である、請求項8および9の組み合わせに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記管状サセプタ要素の長さが、6ミリメートル~12ミリメートル、好ましくは8ミリメートル~10ミリメートルであり、かつ前記管状サセプタ要素の外径が、1ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~4ミリメートルである、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記サセプタ配設を同軸で取り囲むインダクタコイルと、
前記サセプタ配設と前記インダクタコイルとの間に同軸で延び、かつ前記空洞の中への管状カートリッジの挿入のために配設される、管状空洞と、を備える、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、
内部中空チャネルを取り囲むエアロゾル形成基体を含む管状カートリッジであって、前記システムが、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置へと接続される時、前記カートリッジの前記内部中空チャネルが前記サセプタ配設の少なくとも一部分を同軸で取り囲むように配設される、管状カートリッジと、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記管状カートリッジの内壁が、使用する前には封止部材によって封止されている流体透過性開口部を備え、好ましくは、前記封止部材が、前記サセプタ配設が前記管状カートリッジの前記中空内部の中へと挿入される時に、前記カートリッジの前記中空チャネルに沿って長軸方向に摺動するように配設された摺動および封止部材である、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サセプタ配設を備えるエアロゾル発生装置に関する。本開示は、エアロゾル発生システムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを生成するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、カートリッジ内に収容されたエアロゾル形成基体を、エアロゾル形成基体燃焼することなく加熱してもよい。エアロゾル発生装置は、加熱配設を備えてもよい。加熱配設は、誘導加熱配設であってもよく、また誘導コイルおよびサセプタを備えてもよい。サセプタは、装置の一部であってもよく、またはカートリッジの一部であってもよい。
【0003】
目標温度への加熱に伴い、エアロゾル形成基体は気化してエアロゾルを形成する。エアロゾル形成基体は、固体形態で存在してもよく、または液体形態で存在してもよい。液体エアロゾル形成基体は、液体貯蔵部分内に含まれてもよく、また毛細管構成要素を介して発熱体へと送達されてもよい。液体貯蔵部分は、交換可能な、または再充填可能なカートリッジの一部を形成してもよい。
【0004】
エアロゾル形成基体の漏れを低減または回避しうる、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。気流チャネルの壁における気化した構成成分の凝縮による液滴の形成を低減または回避しうるエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。ユーザーの吸煙によって装置の口側端に向かって、気流チャネルの壁に存在する場合がある液滴を引き込むことを低減または回避しうる、エアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。ユーザー体験を改善する場合があるエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。性能が改善されたエアロゾル発生装置を提供することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態によると、サセプタ配設を備えるエアロゾル発生装置が提供される。サセプタ配設は、内部気流チャネルを備えてもよい。内部気流チャネルは、長軸方向中心軸に沿って、サセプタ配設の近位端と遠位端との間に延びてもよい。サセプタ配設は、内部気流チャネルの少なくとも一部分を同軸で取り囲む管状液体保持要素を備えてもよい。サセプタ配設は、内部気流チャネルおよび液体保持要素を同軸で取り囲む外部管状サセプタ要素を備えてもよい。管状サセプタ要素の壁の少なくとも一部分は、流体透過性材料を含んでもよい。
【0006】
本発明の実施形態によると、サセプタ配設を備えるエアロゾル発生装置が提供される。サセプタ配設は、長軸方向中心軸に沿ってサセプタ配設の近位端と遠位端との間に延びる内部気流チャネルを備える。サセプタ配設は、内部気流チャネルの少なくとも一部分を同軸で取り囲む管状液体保持要素を備える。サセプタ配設は、内部気流チャネルおよび液体保持要素を同軸で取り囲む外部管状サセプタ要素を備える。管状サセプタ要素の壁の少なくとも一部分は、流体透過性材料を含む。
【0007】
サセプタ配設によって、エアロゾル形成基体の漏れを低減または回避する、エアロゾル発生装置が提供されてもよい。サセプタ配設によって、気流チャネルの壁における気化した構成成分の凝縮による液滴の形成を低減または回避する、エアロゾル発生装置が提供されてもよい。サセプタ配設によって、ユーザーの吸煙によって装置の口側端に向かって、気流チャネルの壁に存在する場合がある液滴を引き込むことを低減または回避する、エアロゾル発生装置が提供されてもよい。サセプタ配設によって、ユーザー体験を改善しうるエアロゾル発生装置が提供されてもよい。サセプタ配設によって、性能が改善されたエアロゾル発生装置が提供されてもよい。
【0008】
液体保持要素は、内部気流チャネル内の液滴を吸収してもよい。液体保持要素は、サセプタ要素からの熱伝達によって加熱されてもよい。それ故に、液体保持要素によって吸収される液体は、加熱されて気化される場合があり、また全体的なエアロゾル化に寄与する場合がある。
【0009】
管状サセプタ要素は、近位端領域、流体透過性中間領域、および遠位領域を備えてもよい。近位端領域aおよび遠位領域のうちの一方または両方は、流体不透過性であってもよい。
【0010】
管状サセプタ要素は、管状液体保持要素より長くてもよい。
【0011】
より長い管状サセプタ要素の内表面の一部分は、管状液体保持要素によって覆われてもよく、またより長い管状サセプタ要素の内表面の一部分は覆われなくてもよい。液体エアロゾル形成基体は、サセプタ要素の覆われていない内表面から内部気流チャネルに向かって蒸発してもよい。エアロゾル形成を調整するための追加的な設計の可能性が提供されてもよい。
【0012】
管状液体保持要素の近位端は、管状サセプタ要素の中間領域内の位置に位置付けられてもよい。管状液体保持要素は、管状サセプタ要素の遠位領域から中間領域内の位置へと延びるように、管状サセプタ要素内に配設されてもよい。
【0013】
流体透過性中間領域の内径は、遠位領域および近位端領域のうちの一方または両方の内径を超えてもよい。遠位領域の内径と近位端領域の内径とは、実質的に同一であってもよい。
【0014】
流体透過性中間領域でのより大きい内径によって、蒸発チャンバは、管状サセプタ要素の流体透過性中間領域の位置において内部気流チャネル内に提供されてもよい。
【0015】
サセプタ配設は、一つ以上の封止部材を備えてもよい。一つ以上の封止部材は、管状サセプタ要素を同軸で取り囲むように配設されてもよい。
【0016】
サセプタ配設は、サセプタ要素の近位端領域を取り囲む封止部材と、サセプタ要素の遠位領域、好ましくは遠位領域の近位端を取り囲む封止部材とのうちの一方または両方を含んでもよい。
【0017】
封止部材は、封止リング、好ましくはOリングであってもよい。封止部材は、エラストマーを含んでもよい。エラストマーは、PTFE、ニトリル、ネオプレン、EPDMゴム、およびフルオロカーボンのうちの一つ以上であってもよい。
【0018】
液体保持要素のうちの一方または両方は多孔性材料を含んでもよく、またサセプタ要素は多孔性材料を含んでもよい。サセプタ要素および液体保持要素のうちの一方または両方の空隙率は、25%~80%、好ましくは55%~75%、より好ましくは65%~75%であってもよい。
【0019】
サセプタ要素の多孔性材料の空隙率は、液体保持要素の多孔性材料の空隙率より高い場合がある。サセプタ要素の多孔性材料の空隙率が液体保持要素の多孔性材料の空隙率より高い時、より良好なエアロゾル化の結果が提供される場合がある。液体保持要素の空隙率は、10%~60%、好ましくは35%~55%、より好ましくは40%~50%であってもよく、またサセプタ要素の空隙率より低くてもよい。
【0020】
本明細書で使用される場合、「空隙率」という用語は、材料がまったくない単位容積の割合として定義される。空隙率は、標準的な方法および方程式を使用して導出されてもよく、空隙率に対する小数値を与える場合がある。定義された容積の材料の空孔容積(Vp)およびその総容積(Vt)を知ることにより、空隙率(Pt)が、Vp/Vtの比によって与えられる。空隙率をパーセントとして表現するためには、その小数を単に100%で乗じる。例えば、Pt=0.51は、したがって0.51×100%=51%である。
【0021】
サセプタ要素は、高保持材料を含んでもよい。液体保持要素は、高保持材料を含んでもよい。高保持材料は、繊維系の高保持材料およびセラミック系の高保持材料のうちの一方または両方から選択されてもよい。高保持材料は、多孔性ケイ素セラミック、紙、紙様材料、および不織炭素繊維のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0022】
管状液体保持要素は、第二の管状層によって同軸で取り囲まれる第一の管状層を備えてもよい。第一の管状層の壁の厚さは、0.1ミリメートル~0.3ミリメートルであってもよい。第二の管状層の壁の厚さは、0.3ミリメートル~3ミリメートルであってもよい。
【0023】
第一の管状層は繊維系の高保持材料を含んでもよく、また第二の管状層はセラミック系の高保持材料を含んでもよい。第一の管状層はセラミック系の高保持材料を含んでもよく、また第二の管状層は繊維系の高保持材料を含んでもよい。
【0024】
管状サセプタ要素の長さは、6ミリメートル~12ミリメートル、好ましくは8ミリメートル~10ミリメートルであってもよい。管状サセプタ要素の外径は、1ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~4ミリメートルであってもよい。
【0025】
管状液体保持要素の長さは、3ミリメートル~9ミリメートル、好ましくは5ミリメートル~7ミリメートルであってもよい。管状液体保持要素の外径は、1ミリメートル~4ミリメートル、好ましくは1ミリメートル~3ミリメートルであってもよい。管状液体保持要素の内径は、0.2ミリメートル~0.8ミリメートル、好ましくは0.3ミリメートル~0.5ミリメートルであってもよい。
【0026】
エアロゾル発生装置は、サセプタ配設を同軸で取り囲むインダクタコイルを備えてもよい。インダクタコイルは、サセプタ配設のサセプタ要素を誘導加熱するために配設されてもよい。
【0027】
エアロゾル発生装置は、カートリッジと係合するように適合されてもよく、カートリッジはエアロゾル形成基体を備える。エアロゾル発生装置は、カートリッジを受容するように適合されてもよく、カートリッジはエアロゾル形成基体を備える。カートリッジは、交換可能であってもよい。
【0028】
エアロゾル発生装置は、サセプタ配設を同軸で取り囲む管状空洞を備えてもよい。管状空洞は、空洞の中への管状カートリッジの挿入のために配設されてもよい。インダクタコイルは、管状空洞を同軸で取り囲んでもよい。管状空洞は、サセプタ配設とインダクタコイルとの間に同軸で延びてもよく、また空洞の中への管状カートリッジの挿入のために配設されてもよい。
【0029】
エアロゾル発生装置は、サセプタ配設の内部気流チャネルと流体接続している空気吸込み口を備えてもよい。
【0030】
本発明の実施形態によると、本明細書に記述されるようなエアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生システムは、内部中空チャネルを取り囲むエアロゾル形成基体を備える管状カートリッジを備える。エアロゾル発生システムは、カートリッジがエアロゾル発生装置へと接続される時、カートリッジの内部中空チャネルが、エアロゾル発生装置のサセプタ配設の少なくとも一部分を同軸で取り囲むように配設される。
【0031】
カートリッジは、サセプタ配設を備えなくてもよい。カートリッジは、サセプタ要素を備えなくてもよい。カートリッジは、サセプタ材料を含まなくてもよい。
【0032】
カートリッジは、エアロゾル発生装置へと解放可能に取り付けられてもよい。カートリッジは、再充填可能であってもよい。
【0033】
管状カートリッジの内壁は、流体透過性開口部を備えてもよい。流体透過性開口部は、使用する前は封止部材によって封止されていてもよい。封止部材は、取り外し可能であってもよい。
【0034】
封止部材は、摺動・封止部材であってもよい。摺動および封止部材は、サセプタ配設が管状カートリッジの中空の内部の中に挿入される時に、カートリッジの中空のチャネルに沿って長軸方向に摺動するように配設されてもよい。
【0035】
カートリッジは、その近位端においてマウスピースを備えてもよい。
【0036】
本発明の実施形態によると、エアロゾル発生装置用の、本明細書に記述されるようなサセプタ配設が提供される。
【0037】
本発明の実施形態によると、エアロゾル発生装置とともに使用するための、本明細書に記述されるようなカートリッジが提供される。
【0038】
管状サセプタ要素の壁の少なくとも一部分は、流体透過性であってもよい。サセプタ要素は、多孔性材料を含んでもよい。サセプタ要素の流体透過性の壁は、多孔性材料で作製されてもよい。サセプタ要素の流体透過性の壁は、穿孔を備えてもよい。サセプタ要素の流体透過性の壁は、非多孔性材料で作製され、かつ穿孔を備えてもよい。
【0039】
サセプタ要素は、炭素系材料を含んでもよい。サセプタ要素は、多孔性炭素系材料を含んでもよい。多孔性炭素系材料は、磁性グラフェンを含んでもよい。多孔性炭素系材料は、磁性炭素系材料、例えば、照射黒鉛、ナノカーボン、フラーレン、酸素含有炭素、および点欠陥を有するグラフェンのうちの一つ以上を含んでもよい。多孔性炭素系材料は、金属構造分散を有する一つ以上の炭素系化合物、例えば、多孔性シート、穿孔構造、または圧縮粒状構造を生成して所望の空隙率を得るために使用することができるFe34-黒鉛化カーボンブラック(mGCB)複合材料を含んでもよい。
【0040】
サセプタ要素は、金属および合金のうちの一方または両方を含んでもよい。サセプタ要素は、強磁性合金材料を含んでもよい。強磁性合金材料は、所望の空隙率を提供するために穿孔されてもよい。合金材料は、強磁性イノックス合金であってもよい。
【0041】
サセプタ要素は、少なくとも一つの強磁性ステンレス鋼合金を含んでもよい。サセプタ要素は、304ステンレス鋼を含んでもよい。サセプタ要素は、一つ以上のフェライト系ステンレス鋼合金、例えば、強磁性であり、かつソレノイドコア、ポールピース、およびリターンパスなどの磁性構成要素として使用されるものを含んでもよい。サセプタ要素は、410ステンレス鋼合金を含んでもよい。
【0042】
液体保持要素は、綿を含んでもよい。液体保持要素は、綿で作製されてもよい。
【0043】
液体保持要素は、多孔性要素であってもよい。液体保持要素は、液体エアロゾル形成基体を吸収する能力を有してもよい。液体保持要素は、毛細管材料を含んでもよい。毛細管材料は、繊維状または海綿体状の構造を有してもよい。毛細管材料は、毛細管の束を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は、複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含んでもよい。繊維または糸は一般的に、液体保持要素の遠位部から液体保持要素の近位部へと液体を運ぶように整列されてもよい。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含んでもよい。毛細管材料の構造は複数の小さい穴または管を形成してもよく、それを通して液体を毛細管作用によって搬送することができる。毛細管材料は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、海綿体もしくは発泡体材料、繊維もしくは焼結粉末の形態のセラミック系または黒鉛系の材料、発泡性の金属材料もしくはプラスチック材料、繊維質材料、例えば紡糸繊維または押出成形繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、エチレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維質材料である。毛細管材料は、異なる液体物理特性で使用されるように、任意の適切な毛細管現象および空隙率を有してもよい。液体は、毛細管作用によって液体が毛細管材料を通して搬送されることを可能にする粘度、表面張力、密度、熱伝導率、沸点、および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を有する。毛細管材料は、エアロゾル形成基体を液体保持要素の近位部へと、またサセプタ要素へと運ぶように構成されてもよい。毛細管材料は、サセプタ要素内の隙間の中へと延びてもよい。
【0044】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルまたはベイパーを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は、液体形態であってもよい。「エアロゾル」および「ベイパー」という用語は、同じ意味で使用される。
【0045】
エアロゾル形成基体は、カートリッジの一部であってもよい。エアロゾル形成基体は、カートリッジの液体貯蔵部分内に保持された液体の一部であってもよい。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を収容してもよい。
【0046】
好ましくは、液体ニコチンまたは風味/風味剤含有エアロゾル形成基体が、カートリッジの液体貯蔵部分内で採用されてもよい。
【0047】
エアロゾル形成基体は、ニコチンを含んでもよい。
【0048】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつ装置の動作温度において熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)である。エアロゾル形成体は、グリセリンであることが好ましい。
【0049】
本明細書で使用される場合、「カートリッジ」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、カートリッジは、装置の近位端もしくはユーザー端でマウスピースを吸うまたは吸煙するユーザーによって、またはカートリッジ自体のマウスピースにおいて直接的に吸入可能なエアロゾルを発生する物品であってもよい。カートリッジは、使い捨てであってもよい。カートリッジは、再使用可能であってもよい。カートリッジは、再充填可能であってもよい。カートリッジは、エアロゾル発生装置の空洞の中へと挿入可能であってもよい。
【0050】
本明細書で使用される場合、「液体貯蔵部分」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む貯蔵部分を指す。液体貯蔵部分は、液体エアロゾル形成基体を貯蔵するための容器または貯蔵部として構成されてもよい。
【0051】
液体貯蔵部分は、交換可能なタンクまたは容器として構成されてもよい。液体貯蔵部分は、任意の適切な形状およびサイズであってもよい。例えば、液体貯蔵部分は、実質的に円筒状であってもよい。液体貯蔵部分の断面は、例えば実質的に円形、楕円形、正方形、または長方形であってもよい。液体貯蔵部分は、カートリッジの一部を形成してもよい。
【0052】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生装置」という用語は、エアロゾル発生物品とカートリッジとのうちの一方または両方と相互作用してエアロゾルを発生する装置を指す。
【0053】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生システム」という用語は、エアロゾル発生装置の、カートリッジおよびエアロゾル発生物品のうちの一方または両方との組み合わせを指す。システムでは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生物品とカートリッジとのうちの一方または両方が協働して、呼吸に適したエアロゾルを発生する。
【0054】
エアロゾル発生装置は、携帯型であることが好ましい。エアロゾル発生装置は、従来の葉巻たばこまたは紙巻たばこに匹敵するサイズを有してもよい。装置は、電気的に動作する喫煙装置であってもよい。装置は、手持ち式エアロゾル発生装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、30ミリメートル~150ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生装置は、5ミリメートル~30ミリメートルの外径を有してもよい。
【0055】
エアロゾル発生装置は、ハウジングを備えてもよい。ハウジングは、細長くてもよい。ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適する熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は、軽量で、かつ脆くないことが好ましい。
【0056】
ハウジングは、少なくとも一つの空気吸込み口を備えてもよい。ハウジングは、二つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。
【0057】
エアロゾル発生装置は、発熱体を備えてもよい。発熱体は、一つ以上のサセプタを誘導加熱するために少なくとも一つのインダクタコイルを備えてもよい。
【0058】
発熱体の動作は、吸煙検出システムによってトリガされてもよい。別の方法として、発熱体は、オンオフボタンを押すことによってトリガされ、ユーザーの吸煙の持続時間の間保持されてもよい。吸煙検出システムはセンサーとして提供されてもよく、これは気流速度を測定するための気流センサーとして構成されてもよい。気流速度は、ユーザーによってエアロゾル発生装置の気流経路を通して引き出される時間当たりの空気の量を特徴付けるパラメータである。吸煙の開始は、気流が所定の閾値を超える時に、気流センサーによって検出されてもよい。開始はまた、ユーザーがボタンを起動する際に検出されてもよい。センサーはまた、圧力センサーとして構成されてもよい。
【0059】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を起動するためのユーザーインターフェース、例えば、エアロゾル発生装置の加熱を開始するボタン、またはエアロゾル発生装置またはエアロゾル形成基体の状態を表示するディスプレイを含んでもよい。
【0060】
エアロゾル発生装置は、例えば、電気的に動作する、または電気式のエアロゾル発生装置内の搭載型電力供給源を再充電するための充電ユニットなどの、追加的な構成要素を含んでもよい。
【0061】
本明細書で使用される場合、エアロゾル発生装置の「近位」という用語は、ユーザー端、あるいは口側端、またはそのシステムもしくはその一部もしくはその部分を指し、また「遠位」という用語は、近位端の反対側の端を指す。加熱チャンバを参照する時、「近位」という用語は、空洞の開放端に最も近い領域を指し、また「遠位」という用語は、閉鎖端に最も近い領域を指す。
【0062】
本明細書で使用される場合、「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中にユーザーがエアロゾル発生装置を吸う方向に関して、エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分の相対的な位置を記述するために使用される。
【0063】
本明細書で使用される場合、「気流経路」という用語は、ガス状媒体を搬送するのに適したチャネルを意味する。気流経路は、周囲空気を搬送するために使用されてもよい。気流経路は、エアロゾルを搬送するために使用されてもよい。気流経路は、空気およびエアロゾルの混合物を搬送するために使用されてもよい。
【0064】
本明細書で使用される場合、「サセプタ」または「サセプタ要素」は、交番磁界に供された時に加熱する要素を意味する。これはサセプタ要素内で誘発される渦電流、ヒステリシス損失、または渦電流とヒステリシス損失との両方の結果であってもよい。使用中に、サセプタ要素は、エアロゾル発生装置またはカートリッジ内に受容されたエアロゾル形成基体と熱的接触状態で、または熱的に近接して位置特定される。このようにして、エアロゾル形成基体は、サセプタによって加熱され、これによりエアロゾルが形成される。
【0065】
サセプタ材料は、エアロゾル形成基体をエアロゾル化するために十分な温度まで誘導加熱することができる任意の材料であってもよい。サセプタに関する以下の実施例および特徴は、カートリッジのサセプタ要素、エアロゾル発生装置のサセプタ、およびエアロゾル発生物品のサセプタのうちの一方または両方に適用されてもよい。サセプタ材料のために適切な材料としては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、ニッケル、ニッケル含有化合物、チタン、および金属材料の複合材料が挙げられる。好ましいサセプタ材料は、金属または炭素を含む。有利なことに、サセプタ材料は、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、強磁性粒子、およびフェライトなどの強磁性材料またはフェリ磁性材料を含んでもよく、またはそれらから成ってもよい。適切なサセプタ材料は、アルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。サセプタ材料は、5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、より好ましくは50パーセント超の、または90パーセント超の強磁性材料、フェリ磁性材料、もしくは常磁性材料を含んでもよい。好ましいサセプタ材料は、劣化することなく、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0066】
サセプタ材料は、単一の材料層から形成されてもよい。単一の材料層は、鋼層であってもよい。
【0067】
サセプタ材料は、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コアを備えてもよい。例えば、サセプタ材料は、セラミックコアまたは基体の外表面上に形成された金属トラックを備えてもよい。
【0068】
サセプタ材料は、オーステナイト鋼の層から形成されてもよい。ステンレス鋼の一つ以上の層は、オーステナイト鋼の層上に配設されてもよい。例えば、サセプタ材料は、その上面および下面の各々の上にステンレス鋼の層を有するオーステナイト鋼の層から形成されてもよい。サセプタ要素は、単一のサセプタ材料を含んでもよい。サセプタ要素は、第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は、第二のサセプタ材料と密接な物理的接触で配置されてもよい。第一のサセプタ材料および第二のサセプタ材料は、密接に接触して分解できない単一のサセプタを形成してもよい。ある特定の実施形態では、第一のサセプタ材料はステンレス鋼であり、また第二のサセプタ材料はニッケルである。サセプタ要素は、二層構造を有してもよい。サセプタ要素は、ステンレス鋼層およびニッケル層から形成されてもよい。
【0069】
第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料との間の密接な接触は、任意の適切な手段によってなされてもよい。例えば、第二のサセプタ材料は、第一のサセプタ材料の上へとメッキ、堆積、被覆、クラッディング、または溶接されてもよい。好ましい方法としては、電気メッキ、亜鉛メッキ、およびクラッディングが挙げられる。
【0070】
エアロゾル発生装置は、発熱体に電力を供給するために、電源を備えてもよい。電源は、電池を備えてもよい。電源は、リチウム-イオン電池であってもよい。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよく、例えば、電源はおおよそ6分間の期間、または6分の倍数の期間の間、エアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例では、電源は所定の吸煙回数、または発熱体の不連続的な起動を提供するために十分な容量を有してもよい。
【0071】
電源は、直流(DC)電源であってもよい。一実施形態では、電源は、2.5ボルト~4.5ボルトの範囲のDC供給電圧と、1アンペア10アンペアの範囲のDC供給電流とを有するDC電源(2.5ワット~45ワットの範囲のDC電源に対応する)である。有利なことに、エアロゾル発生装置は、DC電源によって供給されるDC電流を交流電流に変換するための直流から交流への(DC/AC)インバータを備えてもよい。DC/ACコンバータは、クラスD、クラスC、またはクラスEの電力増幅器を備えてもよい。DC/ACコンバータのAC電力出力は、誘導コイルへと供給される。
【0072】
電源は、インダクタコイルに電力を供給するように適合されてもよく、また高周波で動作するように構成されてもよい。高周波で動作するためには、クラスEの電力増幅器が好ましい。本明細書で使用される場合、「高周波振動電流」という用語は、500キロヘルツ~30メガヘルツの周波数を有する振動電流を意味する。高周波振動電流は、1メガヘルツ~30メガヘルツの周波数を有してもよく、1メガヘルツ~10メガヘルツの周波数を有することが好ましく、そして5メガヘルツ~8メガヘルツの周波数を有することがより好ましい。
【0073】
別の実施形態では、電力増幅器のスイッチング周波数は、より低いkHz範囲、例えば、100kHz~400KHzであってもよい。クラスDまたはクラスCの電力増幅器が使用される実施形態では、より低いkHz範囲のスイッチング周波数は特に有利である。
【0074】
エアロゾル発生装置は、コントローラを備えてもよい。コントローラは、インダクタコイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の誘導コイルへ、および第二の誘導コイルへと電気的に接続されてもよい。コントローラは、誘導コイルへと供給される電流、そしてそれ故に誘導コイルによって生成される磁界強度を制御するように構成されてもよい。
【0075】
電源およびコントローラは、インダクタコイルに接続されてもよい。
【0076】
コントローラは、DC/ACコンバータの入力側の電流供給をチョップすることができるように構成されてもよい。このように、インダクタコイルに供給される電力は、従来の負荷サイクル管理の方法によって制御されてもよい。
【0077】
下記に非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【実施例
【0078】
実施例1:サセプタ配設を備えるエアロゾル発生装置であって、サセプタ配設が、
長軸方向中心軸に沿って、サセプタ配設の近位端と遠位端との間に延びる、内部気流チャネルと、
内部気流チャネルの少なくとも一部分を同軸で取り囲む管状液体保持要素と、
内部気流チャネルおよび液体保持要素を同軸で取り囲む外部管状サセプタ要素であって、管状サセプタ要素の壁の少なくとも一部分が流体透過性材料を含む、外部管状サセプタ要素と、を備えるエアロゾル発生装置。
【0079】
実施例2:管状サセプタ要素の長さが、管状液体保持要素の長さを超える、実施例1によるエアロゾル発生装置。
【0080】
実施例3:管状サセプタ要素が、近位端領域、流体透過性中間領域、および遠位領域を備える、実施例1または実施例2によるエアロゾル発生装置。
【0081】
実施例4:管状液体保持要素の近位端が、管状サセプタ要素の中間領域内の位置に位置付けられる、実施例3によるエアロゾル発生装置。
【0082】
実施例5:管状液体保持要素が、管状サセプタ要素の遠位領域から中間領域内の位置へと延びるように、管状サセプタ要素内に配設される、実施例4によるエアロゾル発生装置。
【0083】
実施例6:流体透過性中間領域の内径が、遠位領域および近位端領域のうちの一方または両方の内径を超え、好ましくは、遠位領域および近位端領域の内径が実質的に同一である、実施例3~5のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0084】
実施例7:サセプタ配設が、遠位領域の近位端を取り囲む封止部材と、近位端領域を取り囲む封止部材とのうちの一方または両方を備える、実施例3~5のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0085】
実施例8:封止部材が封止リングである、実施例7によるエアロゾル発生装置。
【0086】
実施例9:液体保持要素が多孔性材料を含み、かつサセプタ要素が多孔性材料を含み、好ましくは、サセプタ要素の多孔性材料の空隙率が、液体保持要素の多孔性材料の空隙率より高い、実施例1~8のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0087】
実施例10:液体保持要素が高保持材料を含み、好ましくは、高保持材料が繊維系高保持材料およびセラミック系高保持材料のうちの一方または両方から選択される、実施例1~9のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0088】
実施例11:管状液体保持要素が、第二の管状層によって同軸で取り囲まれる第一の管状層を備える、実施例1~10のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0089】
実施例12:第一の管状層が繊維系の高保持材料を含み、かつ第二の管状層がセラミック系の高保持材料を含み、またはその逆である、実施例10および11の組み合わせによるエアロゾル発生装置。
【0090】
実施例13:管状サセプタ要素の長さが、6ミリメートル~12ミリメートル、好ましくは8ミリメートル~10ミリメートルであり、かつ管状サセプタ要素の外径が、1ミリメートル~6ミリメートル、好ましくは2ミリメートル~4ミリメートルである、実施例1~12のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0091】
実施例14:サセプタ配設を同軸で取り囲むインダクタコイルを備える、実施例1~13のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0092】
実施例15:サセプタ配設とインダクタコイルとの間に同軸で延び、かつ空洞の中への管状カートリッジの挿入のために配設される管状空洞を備える、実施例14によるエアロゾル発生装置。
【0093】
実施例16:サセプタ配設の内部気流チャネルと流体接続している空気吸込み口を備える、実施例1~15のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0094】
実施例17:エアロゾル発生システムであって、
実施例1~16のいずれかによるエアロゾル発生装置と、
内部中空チャネルを取り囲むエアロゾル形成基体を含む管状カートリッジであって、システムが、カートリッジがエアロゾル発生装置へと接続される時、カートリッジの内部中空チャネルがサセプタ配設の少なくとも一部分を同軸で取り囲むように配設される、管状カートリッジと、を備える、エアロゾル発生システム。
【0095】
実施例18:管状カートリッジの内壁が、使用の前には封止部材によって封止されている流体透過性開口部を備える、実施例17によるエアロゾル発生システム。
【0096】
実施例19:封止部材が、摺動および封止部材であり、かつサセプタ配設が管状カートリッジの中空内部の中へと挿入される時に、摺動および封止部材が、カートリッジの中空チャネルに沿って長軸方向に摺動するように配設される、実施例18によるエアロゾル発生システム。
【0097】
実施例20:カートリッジが、その近位端においてマウスピースを備える、実施例17~19のいずれかによるエアロゾル発生システム。
【0098】
一つの実施形態に関して記述される特徴は、本発明の他の実施形態に等しく適用されてもよい。
【0099】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【図面の簡単な説明】
【0100】
図1図1は、エアロゾル発生装置用のサセプタ配設を示す。
図2図2aおよび図2bは、管状液体保持要素20を示す。
図3図3は、エアロゾル発生装置を示す。
図4図4は、エアロゾル発生装置とともに使用するためのカートリッジを示す。
図5図5は、エアロゾル発生システムを示す。
図6図6aおよび図6bは、エアロゾル発生システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0101】
図1は、エアロゾル発生装置用のサセプタ配設10を、断面図で示す。
【0102】
サセプタ配設10は、長軸方向中心軸14に沿ってサセプタ配設10の近位端16と遠位端18との間に延びる内部気流チャネル12を備える。サセプタ配設10は、内部気流チャネル12の一部分を同軸で取り囲む管状液体保持要素20を備える。サセプタ配設10は、内部気流チャネル12および液体保持要素20を同軸で取り囲む外部管状サセプタ要素22を備える。管状サセプタ要素22は、近位端領域24、流体透過性中間領域26、および遠位領域28を備える。
【0103】
管状サセプタ要素22の長さは、管状液体保持要素20の長さを超える。管状液体保持要素20は、管状サセプタ要素22の遠位領域28から中間領域26内の位置へと延びるように、管状サセプタ要素22内に配設される。管状液体保持要素20の近位端21は、中間領域26内の位置に位置特定される。
【0104】
流体透過性中間領域26の内径は、遠位領域28および近位端領域24の両方の内径を超える。遠位領域28の内径と近位端領域24の内径とは、実質的に同一である。
【0105】
サセプタ配設10は、遠位領域28の近位端を取り囲む封止部材と、近位端領域24を取り囲む封止部材とを備える。封止部材は、Oリング30として形作られる。
【0106】
図2aおよび図2bは、管状液体保持要素20を斜視図(図2a)および断面図(図2b)で示す。図2aおよび図2bの管状液体保持要素20は、図1のサセプタ配設10で管状液体保持要素20として使用されてもよい。管状液体保持要素20は、第二の管状層34によって同軸で取り囲まれる第一の管状層32を備える。第一の管状層32は、気流チャネル12を同軸で取り囲む。
【0107】
管状液体保持要素20の長さ36は、3ミリメートル~9ミリメートル、好ましくは5ミリメートル~7ミリメートルである。管状液体保持要素20の外径38は、1ミリメートル~4ミリメートル、好ましくは1ミリメートル~3ミリメートルである。管状液体保持要素20の内径40は、0.2ミリメートル~0.8ミリメートル、好ましくは0.3ミリメートル~0.5ミリメートルである。第一の管状層32の厚さ42は、0.1ミリメートル~0.3ミリメートルである。
【0108】
図3は、エアロゾル発生装置50の小区分を断面図で示す。エアロゾル発生装置50は、エアロゾル発生装置50のハウジング54内の支持要素52上に据え付けられた図1のサセプタ配設10を備える。
【0109】
エアロゾル発生装置50は、サセプタ配設10を同軸で取り囲むインダクタコイル56を備える。インダクタコイル56はケーシング58内に収容される。
【0110】
エアロゾル発生装置50は、サセプタ配設10とインダクタコイル56との間に同軸で延び、かつ空洞60の中への管状カートリッジの挿入のために配設される管状空洞60を備える。エアロゾル発生装置50は、環状カートリッジ接続ポート62をさらに備える。
【0111】
エアロゾル発生装置50は、サセプタ配設10の内部気流チャネル12と流体接続している空気吸込み口64を備える。
【0112】
エアロゾル発生装置50は、インダクタコイル56と、電源70、好ましくは再充電可能電池との両方と有線接続68の状態にあるコントローラ66をさらに備える。図3では、電源70の遠位部分を含むエアロゾル発生装置50の遠位部は切り取られ、そして完全には示されていない。それ故に、図3は、図1のエアロゾル発生装置50の小区分を示す。
【0113】
図4は、エアロゾル発生装置10とともに使用するための、例えば、図3のエアロゾル発生装置10とともに使用するための管状カートリッジ80を断面図で示す。
【0114】
カートリッジ80は、その近位端においてマウスピース82を備える。マウスピースは、内部中空チャネル86と流体接続している空気出口84を備える。内部中空チャネル86は、液体エアロゾル形成基体88を保持する管状液体貯蔵部によって同軸で取り囲まれる。管状カートリッジ80の内壁は、流体透過性開口部90を備える。流体透過性開口部90は、使用する前は封止部材によって封止されている。封止部材は、摺動および封止部材92である。摺動および封止部材92は、サセプタ配設10が管状カートリッジ90の中空内部の中へと挿入される時に、カートリッジ80の中空チャネル86に沿って長軸方向に摺動するように配設される。カートリッジ80は、エアロゾル発生装置50のカートリッジ接続ポート62と解放可能に接続するための環状接続ポート94をさらに備える。
【0115】
図5は、取り付けられた構成にある図3のエアロゾル発生装置50および図4のカートリッジ80を備えるエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【0116】
エアロゾル発生システムは、取り付けられた構成にあるように配設され、カートリッジ80の内部中空チャネル86は、エアロゾル発生装置50のサセプタ配設10の近位部分を同軸で取り囲む。空気吸込み口64から気流チャネル12および内部中空チャネル86を経由して空気出口84へと延びる連続的な気流経路が確立される。
【0117】
サセプタ配設10の近位部分を中空チャネル86の中へと挿入すると、摺動および封止部材92は、カートリッジ80の近位端に向かう方向に中空チャネル86に沿って長軸方向に摺動させられる。したがって、摺動および封止部材92は、もはや流体透過性開口部90を覆わず、また封止しない。サセプタ配設10の管状サセプタ要素22の流体透過性中間領域26は、流体透過性開口部90と一致する。流体透過性開口部90は、流体透過性中間領域26を同軸で取り囲む。その結果として、液体エアロゾル形成基体88は、液体貯蔵部分から流体透過性中間領域26に向かって、かつ流体透過性中間領域26の中へと移動する場合がある。Oリング30は、流体透過性中間領域26の近位または遠位の位置における、液体エアロゾル形成基体88の気流経路の中への制御されていない移動を防止する場合がある。
【0118】
使用中、インダクタコイル56へと加えられる交流電流は、管状サセプタ要素22内に電流を誘発する。結果として、管状サセプタ要素22は加熱する。熱は、流体透過性中間領域26内の、または流体透過性中間領域26にごく接近している液体エアロゾル形成基体88へと配分され、これは結果として蒸発する。空気吸込み口64を経由して入る周囲空気は、蒸発した基体を取り込む場合があり、これはさらに凝縮して空気出口84に向かう途中でエアロゾルを形成する場合があり、エアロゾルはユーザーによって吸入される場合がある。
【0119】
気流経路内で想定外に凝縮したエアロゾル形成基体88の液滴は、管状液体保持要素20に取り込まれる場合がある。管状液体保持要素20は、管状サセプタ要素22からの熱的伝達によって加熱される場合がある。それによって、液体保持要素20によって取り込まれた想定外に凝縮したエアロゾル形成基体88は、最終的に蒸発し、そしてエアロゾル形成に関与する場合がある。
【0120】
図6aおよび6bは、エアロゾル発生システムを斜視図で示す。カートリッジ80は、エアロゾル発生装置50へと解放可能に取り付けられる。カートリッジ80は、図4の実施形態のカートリッジ80であってもよい。エアロゾル発生装置50は、図3の実施形態のエアロゾル発生装置50であってもよい。図6aは、取り外された構成にあるカートリッジ80およびエアロゾル発生装置50を示す。図6bは、カートリッジ80がエアロゾル発生装置50へと接続された、取り付けられた構成を示す。
図1
図2a)】
図2b)】
図3
図4
図5
図6a)】
図6b)】
【国際調査報告】