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特表2025-501868フルオランテン誘導体、発光素子及び光電変換素子
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】フルオランテン誘導体、発光素子及び光電変換素子
(51)【国際特許分類】
   C07D 251/24 20060101AFI20250117BHJP
   H10K 50/16 20230101ALI20250117BHJP
   H10K 50/18 20230101ALI20250117BHJP
   H10K 85/60 20230101ALI20250117BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20250117BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20250117BHJP
   C07D 239/26 20060101ALI20250117BHJP
   C07D 213/16 20060101ALI20250117BHJP
   C07D 241/12 20060101ALI20250117BHJP
   C07D 257/08 20060101ALI20250117BHJP
   C07D 403/10 20060101ALI20250117BHJP
   C07D 401/04 20060101ALI20250117BHJP
   C07C 13/66 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
C07D251/24 CSP
H10K50/16
H10K50/18
H10K85/60
C07D405/14
C07D405/04
C07D239/26
C07D213/16
C07D241/12
C07D257/08
C07D403/10
C07D401/04
C07C13/66
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024533019
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2022143372
(87)【国際公開番号】W WO2023125801
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】202111644090.4
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】孫 ▲ファン▼竹
(72)【発明者】
【氏名】徐 芳▲ロン▼
(72)【発明者】
【氏名】藤田 陽二
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲ジン▼源
(72)【発明者】
【氏名】長尾 和真
(72)【発明者】
【氏名】徳田 貴士
【テーマコード(参考)】
3K107
4H006
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107BB02
3K107BB06
3K107BB07
3K107BB08
3K107CC04
3K107CC12
3K107CC21
3K107DD74
3K107DD78
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB92
(57)【要約】
【課題】 一種のフルオランテン誘導体及びそのフルオランテン誘導体を有する光電変換素子及び発光素子を提供すること。
【解決手段】 一般式(1)で表されるフルオランテン誘導体であり、フルオランテンホストとアザベンゼンホストを有する特定な構造である。また、該誘導体を用いて提供される高発光効率、低駆動電圧、及び長寿命の有機薄膜発光素子。
【化1】
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表されるフルオランテン誘導体。
一般式(1)
【化1】
(Lは置換もしくは無置換のアリーレン基、
は単結合、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のヘテロアリーレン基、
,X,X,X,Xは同一または異なり、それぞれ独立してNもしくはC-Rである。
はそれぞれ独立して水素、重水素、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の複素環基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のアルキニル基、置換もしくは無置換のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアルキルチオ基、置換もしくは無置換のアリールエーテル基、置換もしくは無置換のアリールチオエーテル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、置換もしくは無置換のカルボニル基、置換もしくは無置換のカルボキシル基、置換もしくは無置換のオキシカルボニル基、置換もしくは無置換のアミノカルボニル基、置換もしくは無置換のシラニル基、置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、または置換または無置換のアリールアミノの1種または多種から選ばれる。
,X,XがすべてNであり、XとXがすべてC-Rであり、Rが全部フェニル基であり、LとLがすべてフェニレン基である場合、LとLの少なくとも一個がo-フェニレン基又はp-フェニレン基から選出される。
n1,n4は1~3の整数である。
n2,n3は0~3の整数である。)
【請求項2】
前記一般式(1)において、n1=1,n4=1であることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項3】
前記一般式(1)において、n1=1の場合は、n1×n2+n3×n4の値が1~5の整数であることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項4】
前記一般式(1)において、n1=1の場合は、n1×n2+n3×n4の値が2~3の整数であることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項5】
,X,X,X,Xの中のうちNの数が2であることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項6】
,X,X,X,XのうちNの数が3であることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項7】
とXがそれぞれ独立してC-Rであることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項8】
C-RのRが置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラン、置換もしくは無置換のカルバゾール、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、置換もしくは無置換のフルオレンから選ばれることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項9】
がC-(Ph)n5、X4がC-(Ph)n6、Phがフェニル基、n5+n6>2であることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項10】
n5≠n6であることを特徴とする請求項9に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項11】
とLがそれぞれ独立してフェニレン基から選ばれる(ただし、LとLが同時にm-フェニレン基になることはない)ことを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項12】
とLの中に、少なくとも一つがo-フェニレン基であることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【請求項13】
前記一般式(1)において、以下の化合物から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のフルオランテン誘導体。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【請求項14】
一種の発光素子、その発光素子の陽極と陰極の間に有機層が存在し、有機層が発光を担う層及び/又は電子又は正孔の処理を担う層であり、前記有機層に前記請求項1~13のいずれに記載のフルオランテン誘導体を含む。
【請求項15】
前記有機層が電子又は正孔の処理を担う層であり、、その有機層の中に、前記請求項1~13のいずれに記載のフルオランテン誘導体を含むことを特徴とする請求項14に記載の発光素子。
【請求項16】
有機層の中に電子輸送層が存在し、その電子輸送層に前記請求項1~13のいずれに記載のフルオランテン誘導体を含むことを特徴とする請求項14に記載の発光素子。
【請求項17】
有機層の中に電子生成層が存在し、その電子生成層に前記請求項1~13のいずれに記載のフルオランテン誘導体を含むことを特徴とする請求項14に記載の発光素子。
【請求項18】
有機層の中に正孔阻止層が存在し、その正孔阻止層に前記請求項1~13のいずれに記載のフルオランテン誘導体を含むことを特徴とする請求項14に記載の発光素子。
【請求項19】
その素子の中に、前記請求項1~13のいずれに記載のフルオランテン誘導体を含む光電変換素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気エネルギーを光に変換する発光素子及び当該発光素子に用いられる材料に関し、表示素子、フラットパネルディスプレイ、バックライト、照明、内装、標識、看板、電子カメラ、仮想現実、拡張現実、スマートウォッチ、携帯電話、ポータブルコンピュータ、タブレットコンピュータ、ディスプレイ、車載ディスプレイ、車載テールランプ、テレビ及び光信号発生器などの分野で利用することができる。
【背景技術】
【0002】
近年、有機薄膜発光素子、有機発光ダイオード(OLED)技術とも呼ばれる研究が盛んに行われており、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが両極に挟まれた有機発光体内で再結合する際に発光する有機薄膜発光素子であり、該発光素子の特徴は、厚みが小さいことであり、且つ、低駆動電圧下において高輝度で発光できるとともに、発光材料を選ぶことで多色発光を行うことができるという特徴を有しているため、いっそう注目されている。
【0003】
該研究は、コダック社の唐(C.W.Tang)らが、有機薄膜素子が高輝度で発光できることを公開して以来、その応用について、既に多くの研究が行われている。現在、OLEDは既にブレスレット、携帯電話、テレビなどの分野で普及している。しかしながら、技術的課題は依然として多く、その中でも素子の高効率化と長寿命化の両立が大きな課題の一つである。
【0004】
OLEDは、発光効率の向上、駆動電圧の低減、耐久性の向上を満たす必要がある。中でも、発光効率と耐久寿命の両立は大きな課題である。しかしながら、従来技術(特許文献1~6)では、素子の駆動電圧を十分に低下させることが困難であり、また駆動電圧を低下させることができたとしても、素子の発光効率や耐久寿命が不十分であった。このように、高い発光効率と、低い駆動電圧と、耐久寿命とを両立させる技術は見当たらない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2008/059713号
【特許文献2】国際公開第2007/100010号
【特許文献3】国際公開第2012/108388号
【特許文献4】国際公開第2013/065213号
【特許文献5】国際公開第2014/057874号
【特許文献6】国際公開第2015/182547号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、発光効率、駆動電圧、耐久寿命がいずれも改善された有機薄膜発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フルオランテン誘導体におけるフルオランテンホストとアザベンジン系ホストの数及びその窒素含有量を調整することにより、分子中に輸送能力を有する電子の量の制御を実現し、発光効率、駆動電圧及び耐久寿命を調節する。
【0008】
本発明が提供したフルオランテン誘導体において、下記の一般式(1)で示される構造を有する。
一般式(1)
【0009】
【化1】
【0010】
(Lは置換もしくは無置換アリーレン基、Lは単結合、置換もしくは無置換アリーレン基または置換もしくは無置換ヘテロアリーレン基である。X,X,X,X,Xは同一または異なって、それぞれ独立してNもしくはC-Rである。Rはそれぞれ独立して水素、重水素、置換もしくは無置換アルキル基、置換もしくは無置換シクロアルキル基、置換もしくは無置換複素環基、置換もしくは無置換アルケニル基、置換もしくは無置換シクロアルケニル基、置換もしくは無置換アルキニル基、置換もしくは無置換アルコキシ基、置換もしくは無置換アルキルチオ基、置換もしくは無置換アリールエーテル基、置換もしくは無置換アリールチオエーテル基、置換もしくは無置換アリール基、置換もしくは無置換ヘテロアリール基、置換もしくは無置換カルボニル基、置換もしくは無置換カルボキシル基、置換もしくは無置換オキシカルボニル基、置換もしくは無置換アミノカルボニル基、置換もしくは無置換シラニル基、置換もしくは無置換アルキルアミノ基、または置換もしくは無置換アリールアミノの1種または多種から選ばれる。X,X,XがすべてNであり、XとXがすべてC-Rであり、Rがすべてフェニル基であり、LとLがすべてフェニレン基である場合、LとLの少なくとも一個がo-フェニレン基又はp-フェニレン基から選出される。n1,n4は1~3の整数である。n2,n3は0~3の整数である。)
また本発明は、陽極と陰極との間に有機層が存在する発光素子であって、前記有機層に前記フルオランテン誘導体を含有する発光素子を提供する。
【0011】
また本発明は、前記に記載のフルオランテン誘導体を含有する光電変換素子を公開する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、高い発光効率、低い駆動電圧、および高い耐久寿命を同時に実現する有機薄膜発光素子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
【0014】
まず、本発明が提供する一般式(1)で示される構造を有するフルオランテン誘導体について詳細に説明する。
一般式(1)
【0015】
【化2】
【0016】
(Lは置換もしくは無置換アリーレン基、Lは単結合、置換もしくは無置換アリーレン基または置換もしくは無置換ヘテロアリーレン基である。X,X,X,X,Xは同一または異なって、それぞれ独立してNもしくはC-Rである。Rはそれぞれ独立して水素、重水素、置換もしくは無置換アルキル基、置換もしくは無置換シクロアルキル基、置換もしくは無置換複素環基、置換もしくは無置換アルケニル基、置換もしくは無置換シクロアルケニル基、置換もしくは無置換アルキニル基、置換もしくは無置換アルコキシ基、置換もしくは無置換アルキルチオ基、置換もしくは無置換アリールエーテル基、置換もしくは無置換アリールチオエーテル基、置換もしくは無置換アリール基、置換もしくは無置換ヘテロアリール基、置換もしくは無置換カルボニル基、置換もしくは無置換カルボキシル基、置換もしくは無置換オキシカルボニル基、置換もしくは無置換アミノカルボニル基、置換もしくは無置換シラニル基、置換もしくは無置換アルキルアミノ基、または置換もしくは無置換アリールアミノの1種または多種から選ばれる。X,X,XがすべてNであり、XとXがすべてC-Rであり、Rがすべてフェニル基であり、LとLがすべてフェニレン基である場合、LとLの少なくとも一個がo-フェニレン基又はp-フェニレン基から選出される。n1,n4は1~3の整数である。n2,n3は0~3の整数である。)
前記全ての基において、水素は重水素であってもよい。
【0017】
本明細書において、「置換もしくは無置換」とある場合、好ましくは、置換基は、置換もしくは無置換アルキル基、置換もしくは無置換シクロアルキル基、置換もしくは無置換複素環基、置換もしくは無置換アルケニル基、置換もしくは無置換シクロアルケニル基、置換もしくは無置換アルキニル基、置換もしくは無置換アルコキシ基、置換もしくは無置換アルキルチオ基、置換もしくは無置換アリールエーテル基、置換もしくは無置換アリールチオエーテル基、置換もしくは無置換アリール基、置換もしくは無置換ヘテロアリール基、置換もしくは無置換カルボニル基、置換もしくは無置換カルボキシル基、置換もしくは無置換オキシカルボニル基、置換もしくは無置換アミノカルボニル基、置換もしくは無置換シリル基、置換もしくは無置換アルキルアミノ基または置換もしくは無置換アリールアミノ基、ハロゲン、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、オキシ炭素基、アミノカルボニル基、ホスフィンオキサイド基、縮合芳香族炭化水素環、単環芳香族複素環および縮合芳香族複素環のうちの1種または多種から選出される、さらに好ましくは、各置換基についての説明において好ましい具体的置換基である。そしてこれらの置換基は、さらに前記置換基で置換もしくは無置換とすることができる。
【0018】
「置換もしくは無置換」とある場合の「置換されていない」場合は、水素原子で置換されていることを示す。
【0019】
以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換」とある場合についても、前記と同様である。
【0020】
アルキル基とは、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等の飽和脂肪族炭化水素基を表し、置換基を有していてもなくてもよい。置換されている場合の追加の置換基は特に制限されず、例えば、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられ、この点は以下の記載においても共通する。また、アルキル基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、1以上20以下が好ましい。
【0021】
シクロアルキル基とは、例えば、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等の飽和脂肪族シクロアルキル基を表し、置換基を有していてもなくてもよい。アルキル部分の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、3以上20以下の範囲が好ましい。
【0022】
アルケニル基とは、例えば、ビニル基、アリル基、ブタジエン等の二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を表し、置換基を有していてもなくてもよい。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、3以上20以下の範囲が好ましい。
【0023】
シクロアルケニル基とは、例えば、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基等の二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を表し、置換基を有していても有していなくてもよい。アルケニル基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、3以上20以下の範囲が好ましい。
【0024】
アルキニル基とは、例えばエチニル基等の三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を表し、置換基を有していてもなくてもよいアルキニル基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、3以上20以下の範囲が好ましい。
【0025】
アルコキシ基とは、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のエーテル結合を介して結合した脂肪族炭化水素基を有する官能基を表し、該脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもなくてもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、1以上20以下の範囲が好ましい。
【0026】
アルキルチオ基とは、アルコキシ基のエーテル結合の酸素原子を硫黄原子に置換したものである。アルキルチオ基の炭化水素基は、置換基を有していてもなくてもよい。アルキルチオ基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、1以上20以下の範囲が好ましい。
【0027】
アリールエーテル基とは、例えばフェノキシ基等のエーテル結合を介して結合した芳香族炭化水素基を有する官能基を示し、芳香族炭化水素基は置換基を有していてもなくてもよい。アリールエーテル基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、6以上40以下の範囲が好ましい。
【0028】
アリールチオエーテル基とは、アリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子を硫黄原子に置換したものである。アリールチオエーテル基における芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもなくてもよい。アリールチオエーテル基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、6以上40以下の範囲が好ましい。
【0029】
アリール基とは、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基、1、2-ベンゾアセナフチレニル基等の芳香族炭化水素基を表す。アリール基は、置換基を有していてもなくてもよい。アリール基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、6以上40以下の範囲が好ましい。
【0030】
ヘテロアリール基とは、フラニル基、チオフェニル基(thiophenyl)、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ナフチリジニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾフェニルチオ基、インドリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾフェニルチオ基、カルバゾリル基等の1つまたは複数の環内に炭素以外の原子を有する環状芳香族基を表し、置換もしくは無置換でも良い。ヘテロアリール基の炭素数は特に限定されないが、材料入手の容易さ及びコストの点から、2以上30以下の範囲が好ましい。
【0031】
ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素から選ばれる原子を表す。
【0032】
カルボニル基、カルボキシル基、オキシカルボニル基、シアノ基、カルバモイル基及びホスフィンオキサイド基は、置換基を有していてもなくてもよい。ここで、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられ、これらの置換基はさらに置換もしくは無置換でも良い。
【0033】
アリーレン基とは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の芳香族炭化水素基から導かれる2価又は3価の基を表し、置換基を有していても有していなくてもよい。
【0034】
一般式(1)のLがアリーレン基である場合、核炭素数は6以上24以下の範囲が好ましく、中でも6以上12以下がより好ましく、アリーレン基としては、具体的には、1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基、1,2-フェニレン基、4,4’-ビフェニレン基、4,3’-ビフェニレン基、3,3’-ビフェニレン基、1,4-ナフチレン基、1,5-ナフチレン基、2,5-ナフチレン基、2,6-ナフチレン基、2,7-ナフチレン基等が挙げられる。1,4-フェニレン基、1,3-フェニレン基はより好ましい。
【0035】
ヘテロアリーレン基とは、ピリジル基、キノリル基、ピリミジル基、ピラジニル基、ナフチリジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾフェニルチオ基等の一つ又は複数の環内に炭素以外の原子を有する芳香族基から導かれる2価又は3価の置換基を表し、置換基を有していてもなくてもよい。ヘテロアリーレン基の炭素数は特に限定されないが、2-30の範囲が好ましい。
【0036】
縮合芳香族炭化水素環とは、例えば、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、1,2-ベンゾフェナントレン(chrysene)環、テトラセン環、トリフェニレン環、アセナフチレン環(acenaphthene)、ヘキサセン環、フルオレン環、1,2-ベンゾアセナフチレン環、テトラセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタセン環(pentaphene)、ピセン環(picene)、ピランセン環(pyranthrene)、アントラセン環(anthraanthrene)等が挙げられる。また、前記縮合芳香族炭化水素環は置換基を有していてもよい。
【0037】
単環芳香族複素環とは、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環等が挙げられる。また、前記単環芳香族複素環は、置換基を有してもよい。
【0038】
縮合芳香族複素環とは、例えば、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、ベンゾイミダゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環を表す炭素原子の一つがさらに窒素原子で置換された環)等が挙げられる。また、前記縮合芳香族複素環は、置換基を有してもよい。
【0039】
本発明は、フルオランテンとアゾベンゼン系ホストの複合型フルオランテン誘導体を提供し、フルオランテンは、1つのシクロペンタンを3つのベンゼン環で囲んだ構造を有し、電子がフルオランテン構造全体で非局在化できる一方、シクロペンタン部分は電子空洞部分を形成し、電子に対して吸収を生じる傾向にある。アザベンゼン系ホストは、ベンゼンまたは複数の窒素を含むアザベンゼンであってもよく、アザベンゼン系におけるベンゼン自体のπ電子系は、分子の全域を移動することができ、アザベンゼン系ホストにおいて窒素を増加させると、窒素の孤立電子対は、π電子系における非局在電子をさらに増加させることができ、電子の輸送能力を強化する。アザベンゼン系ホストは、電子が原子核に引き寄せられる能力が弱いとともに、フルオランテン部分は電子を引き寄せる傾向があり、分子全体に電子がフルオランテン部分に向かって移動する傾向を生じさせ(分子自身は中性だが)、このような分子は成膜時にある程度金属鍵中の電子の非局在化を模倣して電子の輸送能力を提供することができる。一方、過剰なフルオランテンホストは、電子の流れを乱し、電子の効率的な輸送能力を低下させ、過剰な窒素は、LUMOを過度に低下させ、電子処理材料のエネルギー準位を周辺材料と整合させない。そのためフルオランテンホストの数及びアザベンジン系ホストの数は分子に対して細かく制御する必要がある。材料のエネルギー準位整合、電子処理能力、合成困難性、コストを考慮すると、フルオランテンホスト数(n1)が1、アザベンゼン系ホスト数(n4)が1の場合が好ましい。
【0040】
研究により、アザベンゼン系ホストを直接連結する箇所(すなわちLの位置)にナフタレン等の縮合環化合物を用いると、アザベンゼン系ホストから供給される電子を乱しやすくなり、分子の電子処理性能が低下することが見出された。従ってLの位置には非縮合環のフェニレン基を用いる。
【0041】
研究により、n1=1であり、n1×n2+n3×n4の値が1~5内にある場合、分子のエネルギー準位がほとんどの市場でよく見られるOLEDシステムにマッチングできることを発見した。
【0042】
さらに、n1=1であり、n1×n2+n3×n4の値が2~3内にある場合、分子内の非局在電子数が最適な水準に達し、最適なデバイス性能を実現することができる。
【0043】
上述したように、アザベンゼン系ホストの窒素数は、細かく制御する必要がある。一般的な電子処理材料に隣接する材料のエネルギー準位、及び実際の試験結果を考慮すると、X、X、X、X、Xのうちに0~3個の窒素原子がある場合、良好な電子処理性能を有する。
【0044】
特に、X、X、X、X、Xのうちに2つのNがある場合、より良い効率がある。
【0045】
特に、X、X、X、X、Xのうちに3つのNがある場合、より長い寿命を有することができる。
【0046】
アゾベンゼン系ホストの置換基にベンゼン系芳香族基置換基を付加することにより、アゾベンゼン系ホスト全体のエネルギー準位及び電子供与能を微調整し、より精細な制御を実現することができる。従って、X、X、X、X、XにおいてC-Rである場合、Rは置換もしくは無置換フェニル基、置換もしくは無置換フリル基(例えば、ジベンゾフラニル基が好ましい)又は置換もしくは無置換カルバゾリル基、フルオレニル基、ジベンゾチエニル基から選ばれる。
【0047】
特に、XがC-(Ph)n5であり、XがC-(Ph)n6であり、Phがフェニル基であり、n5+n6>2である場合、より多くの周辺層材料に最も広く適用することができ、最も良い効果を奏する。
【0048】
n5とn6が異なると、分子の生産性と蒸着性能を向上させることができる。
【0049】
アザベンゼン系本体がトリアジン、置換基が2つのベンゼンである場合、その電子提供能力から、パラ位またはオルト位のLおよびLを介してフルオランテン本体に伝達することがより好適であることが研究により見出された。従って、アザベンジン系本体において、X、X、Xがすべて窒素原子であり、X及びXがすべてC-Rであり、且つRがフェニル基であり、L及びLがフェニレン基である場合、L及びLのうちの少なくとも1つはo-フェニレン基又はp-フェニレン基から選ばれる。
【0050】
連結部分LおよびLがフェニレン基から選択される場合、電子は、より良好にアザベンゼン系本体からフルオランテン本体に移動することができることが明らかである。しかしながら、L及びLが共にm-フェニレン基から選択される場合、電子の輸送は曲げられるため、抵抗を受ける一方、アザベンゼン系本体とフルオランテン本体との間は離れすぎ、空間的作用がなく、全体として輸送能力を低下させる。従って前記フルオランテン誘導体を電子輸送層材料として用いた場合、LとLが同時にm-フェニレン基となることはない。
【0051】
特にo-フェニレン基は、アゾベンゼン系本体をフルオランテン本体に近づけることができるほか、分子の配向を改善し、さらに低電圧高効率の性能を実現することができる。従って、LとLの少なくとも一方はo-フェニレン基であることが好ましい。
【0052】
特に、L及びLの少なくとも一方がo-フェニレン基である場合、アザベンゼン系本体の置換基としてビフェニル付加ベンゼンを用いた構造は、ビスベンゼンよりも良好な電気的特性を有することができる。これは、ビフェニルの立体障害排除効果により、アザベンジン系本体の回転が制限され、それにより、非局在の大きなπ電子の安定性が強化され、電子処理性能が強化されるためである。
【0053】
なお、アザベンゼン系本体の置換基に窒素を含む置換基(例えば、ピリジン、ピリミジンなど)が追加される場合、2つのアザベンゼン系本体は、エネルギー準位が低すぎるため、周辺材料とマッチングしない。一方、アザベンゼン系本体が窒素を含む置換基で置換されている場合、その間の化学結合は、2つのアザベンゼン系本体のそれぞれに電子が引き抜かれるため、電子雲密度が低く、開裂しやすい。したがって、アザベンゼン系本体の置換基は、窒素を含む置換基から選択されることは好ましくない。
【0054】
実践により、以下の分子構造及びその誘導構造は、具体的なデバイス構造及びデバイス用途によって、効率、電圧、寿命の3つの項目が総合的に優れた表現を得ることができると考えられるため、以下の化合物が好ましい。
【0055】
【化3】
【0056】
【化4】
【0057】
【化5】
【0058】
【化6】
【0059】
【化7】
【0060】
【化8】
【0061】
【化9】
【0062】
【化10】
【0063】
【化11】
【0064】
【化12】
【0065】
【化13】
【0066】
【化14】
【0067】
【化15】
【0068】
【化16】
【0069】
【化17】
【0070】
【化18】
【0071】
【化19】
【0072】
【化20】
【0073】
【化21】
【0074】
【化22】
【0075】
【化23】
【0076】
【化24】
【0077】
本発明はまた一種の発光素子を公開する。前記発光素子の陽極と陰極との間に有機層が存在し、有機層が発光を担う層及び/又は電子又は正孔の処理を担う層であり、前記有機層に前記フルオランテン誘導体を含むことである。
【0078】
このような材料の電子を扱う能力を考慮すると、有機層は、前記フルオランテン誘導体を含む電子輸送層を有することが好ましい。
【0079】
このような材料において原子核束縛能を超える電子が多く含まれることを考慮すると、前記有機層は、前記フルオランテン誘導体を含む電子発生層を有することが好ましい。
【0080】
この種の材料は、電子を扱うことに特化し、そのエネルギー準位が正孔の輸送に適さないことを考慮すると、前記有機層は、前記のフルオランテン誘導体を含む正孔阻止層を有することが好ましい。
【0081】
また本発明は、前記フルオランテン誘導体を含有する光電変換素子を公開する。
【0082】
本発明のフルオランテン誘導体の合成には公知の方法を用いることができる。フルオランテン誘導体骨格にアザベンゼン系本体を導入する方法としては、例えば、パラジウム触媒又はニッケル触媒下で、置換若しくは無置換のハロゲン化フルオランテン本体と置換若しくは無置換のアザベンゼン系本体とのカップリング反応を用いる方法が挙げられるが、これらの方法に限定されるものではない。また、このフルオランテン誘導体にアリーレン基またはヘテロアリーレン基を介してアザベンゼン系本体を導入する場合、アザベンゼン系本体は置換アリールボロン酸またはヘテロアリールボロン酸を用いるか、あるいはハロゲン化アリール基が置換したフルオランテン本体を用いてもよい。なお、前記各種ホウ酸の代わりにホウ酸エステルを用いてもよい。
【0083】
次に、本発明の発光素子の実施形態について詳細に説明する。本発明の発光素子は、陽極と陰極と、陽極と陰極との間に挿入された有機層を含み、該有機層は、少なくとも発光層と電子輸送層とを含み、該発光層が電気エネルギーにより発光する。
【0084】
有機層は、発光層/電子輸送層のみからなる構成の他、1)正孔輸送層/発光層/電子輸送層、2)正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層、3)正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層、及び、4)正孔注入層/正孔輸送層/電子ブロック層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層/電子注入層等の積層構成も挙げられる。また、前記各層は、それぞれ単層又は電子発生層及び正孔発生層で接続された複数層であってもよい。
【0085】
本発明のフルオランテン誘導体は、前記素子構成において任意の層に用いることができるが、高い電子注入輸送能、蛍光量子収率及び薄膜安定性を有するため、電子輸送層、電子発生層及び正孔ブロック層が好ましい。
【0086】
本発明の発光素子において、陽極と陰極は、素子発光のために十分な電流を供給するための役割を有し、光を出射するために少なくとも一方が透明または半透明であることが好ましい。実際の応用及びデバイス設計に応じて、透明陽極又は透明陰極を用いることができる。
【0087】
陽極に用いられる材料は、有機層に正孔を効率よく注入できる材料であり、光を出射するために透明または半透明であれば、酸化スズ、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide,ITO)、酸化インジウム亜鉛(Indium Zinc Oxide,IZO)等の導電性金属酸化物や、金、銀、クロム等の金属、ヨウ化銅、硫化銅等の無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等の導電性ポリマー等に特に限定されず、ITOガラスやネサガラスを用いることが特に好ましい。これらの電極材料は、単独で用いてもよく、複数の材料を積層又は混合して用いてもよい。透明電極の抵抗は、素子の発光に十分な電流を供給できればよいので限定されないが、素子の電力消費の観点から低抵抗であることが好ましい。例えば300Ω/□以下のITO基板であれば、素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板も供給可能となっているため、20Ω/□以下の低抵抗の基板を用いることが特に好ましい。ITOの厚さは抵抗値に応じて任意に選択できるが、通常100nm~300nmの間で用いられることが多い。
【0088】
且つ、発光素子の機械的強度を保つために、基板上に発光素子を形成することが好ましい。基板は、ソーダガラスや無アルカリガラスなどのガラス基板を好適に用いてもよいし、高分子成分のフレキシブル基板を用いてもよい。基板の厚みは、機械的強度が十分に保たれる厚みであればよいため、0.5mm以上であれば十分である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ないものがよいため、無アルカリガラスが好ましい。あるいは市販されているSiO等のバリアコート(barrier coat)を施したソーダライムガラスもあるため、このソーダライムガラスを用いてもよい。また、第1電極が安定して機能するのであれば、例えば、ポリイミド基板上に陽極を形成してもよい。ITO膜形成方法は、電子ビーム法、スパッタリング法及び化学反応法等であり、特に制限されない。
【0089】
陰極に用いられる材料は、電子を発光層に効率よく注入できるものであれば特に限定されない。一般的には、白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウム等の金属、又はこれらの金属とリチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の低仕事関数(work function)金属との合金若しくは多層積層等が好ましい。中でも、抵抗値や成膜容易性、膜の安定性、発光効率等の点から、主成分はアルミニウム、銀、マグネシウムが好ましい。特に、マグネシウムと銀からなると、本発明における電子輸送層及び電子注入層の電子注入が容易となり、低電圧駆動が可能となるため好ましい。
【0090】
また、陰極を保護するために、白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム及びインジウム等の金属、又はこれらの金属を用いた合金、シリカ、チタニア及び窒化ケイ素等の無機物、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、炭化水素系高分子化合物等の有機高分子化合物を陰極上に積層して保護膜層とする方法が好ましい例として挙げられる。且つ、本発明のフルオランテン誘導体を保護膜層として用いることもできる。しかしながら、陰極側から光を出射させる素子構造(トップエミッション構造)の場合、保護膜層は、可視光領域に透光性を有する材料から選択することができる。これらの電極の作製法は、抵抗加熱、電子ビーム、スパッタリング、イオンプレーティング及びコーティング等であり、特に制限はない。光の取り出し効率をさらに向上させ、透明陰極の透明度不足による光取り出し効率を低減するために、高屈折率の有機材料を用いてもよい。これに加えて、金属(例えばLiF)又は低屈折率有機小分子化合物を用いて光学調整を行った後に薄膜封止(TFE)層を追加し、フレキシブル保護を行うことで、フレキシブルひいては折り畳み可能を実現するとともに、デバイスを水分及び酸素の影響から保護することもできる。具体的な構造は限定されない。
【0091】
正孔輸送層は、正孔輸送材料の1種又は2種以上を積層又は混合する方法や、正孔輸送材料と高分子バインダーとの混合物を用いる方法により形成することができる。そして、正孔輸送材料は、電界を与える電極間で正極からの正孔を効率よく輸送する必要があり、正孔注入効率が高く、注入された正孔を効率よく輸送することが好ましい。そのため、好適なイオン化ポテンシャル(ionization potential)を有し、正孔移動度が大きく、また安定性に優れ、製造及び使用時にトラップ(trap)となる不純物を発生しにくい物質であることが求められる。このような条件を満たすものとしては、特に限定されないが、例えば、4,4’-ビス(N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ)ビフェニル(TPD)、4,4’-ビス(N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ)ビフェニル(NPD)、4,4’-ビス(N,N-ビス(4-ビフェニル)アミノ)ビフェニル(TBDB)、ビス(N,N’-ジフェニル-4-アミノフェニル)-N,N-ジフェニル-4,4’-ジアミノ-1,1’-ビフェニル(TPD232)等のベンジジン誘導体、4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミン(m-MTDATA)、4,4’,4”-トリス(1-ナフチル(フェニル)アミノ)トリフェニルアミン(1-TNATA)等のスターバーストアミンと呼ばれる材料群、カルバゾール骨格を有する材料(中でもカルバゾール多量体、具体的にはビス(N-アリールカルバゾール)やビス(N-アルキルカルバゾール)等のカルバゾール2量体の誘導体、カルバゾール3量体の誘導体、カルバゾール4量体の誘導体)、トリフェニレン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン(stilbene)化合物、ヒドラゾン系化合物、ベンゾフラン誘導体又はチオフェン誘導体、オキサジアゾール誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体等の複素環化合物、フラーレン誘導体、ポリマー系における前記モノマーを側鎖に有するポリカーボネート又はスチリル誘導体、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフルオレン、ポリビニルカルバゾール及びポリシランから選ばれる。また、p型Si、p型SiC等の無機化合物を用いてもよい。
【0092】
本発明のフルオランテン誘導体は、電子注入輸送特性に優れるため、これを電子輸送層に用いた場合、電子が発光層において結合せず、一部が正孔輸送層に漏れ出すおそれがある。そのため、正孔輸送層には、電子ブロッキング性に優れる化合物を用いることが好ましい。中でも、カルバゾール骨格含有化合物は、電子ブロック性に優れ、発光素子の高効率化に寄与できるため好ましい。また、前記カルバゾール骨格含有化合物は、カルバゾール2量体、カルバゾール3量体、又はカルバゾール4量体骨格を含有することが好ましい。これらの化合物は、良好な電子ブロック性と正孔注入輸送特性を併せ持つためである。また、正孔輸送層にカルバゾール骨格を含む化合物を用いる場合、組み合わせた発光層が後述する燐光発光材料を含むことがより好ましい。前記カルバゾール骨格を有する化合物も高い三重項励起子阻止機能を有し、燐光発光材料と組み合わせた場合に高発光効率化が可能だからである。そして、高い正孔移動度を有する点で優れたトリフェニレン骨格含有化合物を正孔輸送層に用いると、キャリアバランス向上、発光効率向上、耐久寿命向上等の効果が得られるため好ましい。トリフェニレン骨格含有化合物がジアリールアミノ基を2つ以上有するとより好ましい。前記カルバゾール骨格含有化合物、又はトリフェニレン骨格含有化合物は、それぞれ単独で正孔輸送層として用いてもよく、互いに混合して用いてもよい。本発明の効果を損なわない範囲で他の材料を混合してもよい。なお、正孔輸送層を複数層で構成する場合には、いずれか1層にカルバゾール骨格含有化合物、又はトリフェニレン骨格含有化合物を含んでいればよい。ただし、発光の原理は、一つの材料が同時に電子と正孔を受け取り、励起子を形成した後に基底状態に戻ってエネルギーを放出して発光することであるため、発光材層材料は電子と正孔を受け取り、且つ伝達しない構造に設計する必要がある。そのため、電子または正孔を伝達またはブロックする材料と構造が大きく異なり、本発明のフルオランテン系化合物は発光層に用いることができない。
【0093】
陽極と正孔輸送層との間に正孔注入層を設けてもよい。正孔注入層を設けることにより、発光素子の駆動電圧が低下し、耐久寿命も向上する。正孔注入層には、通常正孔輸送層に用いられる材料よりもイオン化ポテンシャルが小さい材料を用いることが好ましい。具体的には、前記したTPD232のようなベンジジン誘導体、スターバーストアリールアミン材料群の他、フタロシアニン誘導体等を用いることができる。また、正孔注入層がアクセプター性化合物単独で構成されるか、アクセプター性化合物を他の正孔輸送材料にドープして用いることも好ましい。アクセプター性化合物の例としては、塩化鉄(III)、塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、塩化アンチモンのような金属塩化物、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ルテニウムのような金属酸化物、トリス(4-ブロモフェニル)ヘキサクロロアンチモン酸アンモニウム(TBPAH)のような電荷移動錯体が挙げられる。また、分子内にニトロ基、シアノ基、ハロゲン又はトリフルオロメチル基を有する有機化合物やキノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレン等も好適に用いることができる。これらの化合物の具体例としては、ヘキサシアノブタジエン、ヘキサシアノベンゼン、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(HAT-CN 6)、p-テトラフルオロベンゾキノン(p-fluoranil)、p-テトラクロロベンゾキノン、p-テトラブロモベンゾキノン、p-ベンゾキノン、2,6-ジクロロベンゾキノン、2,5-ジクロロベンゾキノン、テトラメチルベンゾキノン、1,2,4,5-テトラシアノベンゼン、o-ジシアノベンゼン、p-ジシアノベンゼン、1,4-ジシアノテトラフルオロベンゼン、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノベンゾキノン、p-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼン、o-ジニトロベンゼン、p-シアノニトロベンゼン、m-シアノニトロベンゼン、o-シアノニトロベンゼン、1,4-ナフトキノン、2,3-ジクロロナフトキノン、1-ニトロナフタレン、2-ニトロナフタレン、1,3-ジニトロナフタレン、1,5-ジニトロナフタレン、9-シアノアントラセン、9-ニトロアントラセン、9,10-アントラキノン、1,3,6,8-テトラニトロカルバゾール、2,4,7-トリニトロ-9-フルオレノン、2,3,5,6-テトラシアノピリジン、無水マレイン酸、無水フタル酸無水物、C60或いはC70等が挙げられる。
【0094】
これらの化合物の中でも、金属酸化物やシアノ基含有化合物は、取り扱いが容易で蒸着も容易であるため、前記効果が容易に得られるため好ましい。好ましい金属酸化物の例としては、酸化モリブデン、酸化バナジウム、又は酸化ルテニウムが挙げられる。シアノ基含有化合物の中でも、(a)分子内にシアノ基の窒素原子に加えて少なくとも1つの電子受容性窒素を有する化合物、(b)分子内にハロゲンとシアノ基の両方を有する化合物、(c)分子内にカルボニル基とシアノ基の両方を有する化合物、又は(d)分子内にハロゲンとシアノ基の両方を有し、またシアノ基の窒素原子に加えて少なくとも1つの電子受容性窒素を有する化合物が、強い電子受容体となるためより好ましい。このような化合物として、具体的には、以下のようなものが挙げられる。
【0095】
【化25】
【0096】
【化26】
【0097】
正孔注入層がアクセプター性化合物単独からなる場合、又は正孔注入層にアクセプター性化合物をドープする場合のいずれの場合も、正孔注入層は1層であってもよいし、複数層が積層されていてもよい。また、アクセプター化合物をドープする場合、正孔輸送層に正孔を注入する障壁を緩和できる観点から、組み合わせて用いる正孔注入材料は、正孔輸送層に用いる化合物と同じ化合物であることがより好ましい。
【0098】
発光層は、単層又は多層であってもよく、それぞれ発光材料(本体材料、ドーパント材料)から形成され、本体材料とドーパント材料との混合物であってもよく、本体材料だけであってもよい。すなわち、本発明の発光素子において、各発光層において、本体材料またはドーパント材料のみが発光してもよいし、本体材料とドーパント材料とが共に発光してもよい。電気エネルギーを効率よく利用し、高い色純度の発光を得る観点から、発光層は、本体材料とドーパント材料との混合物を含むことが好ましい。また、任意に、本体材料とドーパント材料は、それぞれ1種であってもよいし、複数種の組み合わせであってもよい。任意に、ドーパント材料は、本体材料の全体に含まれていてもよく、部分的に含まれていてもよい。任意に、ドーピング材料は、積層されてもよく、分散されてもよい。ドーパント材料は、発光色を制御することができる。ドーパント材料の量は、多すぎると濃度消光現象が生じるため、本体材料に対して20重量%以下で用いることが好ましく、10重量%以下がより好ましい。ドーピング方法としては、本体材料との共蒸着法により形成してもよいし、予め本体材料と混合した後に同時に蒸着してもよい。
【0099】
発光材料としては、具体的には、従来から発光体として知られているアントラセンやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8-キノリノラト)アルミニウムなどの金属キレート化オキシノイド化合物(metal chelate doxinoid compounds)、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、重合系におけるポリフェニレンアセチレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、およびポリチオフェン誘導体などを用いることができるが、特に限定されない。
【0100】
発光材料に含まれる本体材料としては、特に限定されず、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、1,2-ベンゾフェナントレン、テトラセン、トリフェニレン、ペリレン、1,2-ベンゾアセナフチレン、フルオレン、インデン等の縮合アリール環を有する化合物またはその誘導体、N,N’-ジナフチル-N,N’-ジフェニル-4,4’-ジフェニル-1,1’-ジアミン等の芳香族アミン誘導体、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)に代表される金属キレート化オキシノイド化合物、ジスチリルベンゼン誘導体等のビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、インデン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、トリアジン誘導体、ポリマー系のポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリチオフェン誘導体等を用いることができ、特に限定されない。また、ドーパント材料としては、特に限定されないが、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、1,2-ベンゾフェナントレン、トリフェニレン、ペリレン、1,2-ベンゾアセナフチレン、フルオレン、インデン等の縮合アリール環を有する化合物又はその誘導体(例えば、2-(ベンゾチアゾール-2-イル)-9,10-ジフェニルアントラセン又は5,6,11,12-テトラフェニルテトラセン等)、フラン、ピロール、チオフェン、シラシクロペンタジエン、9-シラフルオレン(9-silafluorene)、9,9’-スピロビシラフルオレン(9,9′-spirobisilafluorene)、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ジベンゾチオフェン、ジベンゾフラン、イミダゾピリジン、フェナントロリン、ピリジン、ピラジン、ナフチリジン、キノキサリン、ピロロピリジン、チオアントラセン(thioxanthene)等のヘテロアリール環を有する化合物又はその誘導体、ボラン誘導体、ジスチリルベンゼン誘導体、4,4’-ビス(2-(4-ジフェニルアミノフェニル)ビニル)ビフェニル、4,4’-ビス(N-(スチルベン-4-イル)-N-フェニルアミノ)スチルベン等のアミノスチリル誘導体、芳香族アセチレン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、アルデヒドアゾ誘導体、ピロメテン(pyrromethene)誘導体、ジケトピロロピロール[3、4-c]ピロール誘導体、2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロ-9-(2’-ベンゾチアゾリル)キノリジニル[9,9a,1-gh]クマリン等のクマリン誘導体イミダゾール、チアゾール、チアジアゾール、カルバゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール等のアゾール誘導体及びその金属錯体、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-メチルフェニル)-4,4’-ジフェニル-1,1’-ジアミンに代表される芳香族アミン誘導体等。
【0101】
また、発光層には、燐光発光材料が含まれていてもよい。燐光発光材料とは、室温においても燐光発光を示す材料である。ドーパントとして燐光発光材料を用いる場合、基本的には室温でも燐光発光が得られる必要があり、特に限定されないが、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、及びレニウム(Re)からなる群より選択される少なくとも一種の金属を含む有機金属錯体化合物が好ましい。中でも、室温においても高い燐光発光収率を有する観点から、イリジウム、又は白金を有する有機金属錯体がより好ましい。燐光発光性のドーパントと併用する本体としては、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、インドロカルバゾール誘導体、ピリジン、ピリミジン、トリアジン骨格を有する含窒素芳香族化合物誘導体、ポリアリールベンゼン誘導体、スピロフルオレン誘導体、トリポリインデン(truxene)誘導体、トリフェニレン誘導体等の芳香族炭化水素化合物誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体等の硫黄元素含有化合物、キノリノールベリリウム錯体等の有機金属錯体等が好適に用いられ、基本的に用いられるドーパントに比べて三重項エネルギーが大きく、それぞれの輸送層から電子、正孔がスムーズに注入されて輸送されるものであれば、これらに限定されるものではない。また、三重項発光ドーパントを2種以上含んでいてもよく、本体材料を2種以上含んでいてもよい。また、1種以上の三重項発光ドーパントと1種以上の蛍光発光ドーパントを含んでいてもよい。
【0102】
好ましい燐光発光性本体又はドーパントとしては、特に限定されないが、具体的には、以下に示すものが挙げられる。
【0103】
【化27】
【0104】
【化28】
【0105】
本発明において、電子輸送層とは、陰極から電子が注入され、さらに電子を輸送する層である。理想的な電子輸送層は、電子注入効率が高く、注入された電子を効率よく輸送することができる。したがって、電子輸送層は、電子親和力が大きく、かつ電子移動度が大きく、また安定性に優れ、製造時および使用時にトラップとなる不純物が発生しにくい性質を有する物質からなることが好ましい。しかしながら、正孔と電子の輸送バランスを考慮した場合、電子輸送層は、陽極からの正孔が結合せずに陰極側に流れることを効率よく阻止する役割を主に果たすと、電子輸送能がそれほど高くない材料で構成されていても、発光効率を向上させる効果は、電子輸送能が高い材料で構成されている場合と同等になる。したがって、本発明における電子輸送層も、正孔の移動を効率よく阻止できる正孔阻止層と同義の物質を含む。
【0106】
電子輸送層に用いられる電子輸送材料としては、ナフタレン、アントラセン等の縮合多環芳香族誘導体、4,4’-ビス(ジフェニルビニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、アントラキノンやジフェノキノン等のキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)等のキノリノール錯体、ベンゾキノリノール錯体、ヒドロキシオキサゾール錯体、アゾメチン錯体、トロポロン(tropolone)金属錯体及びフラボンアルコール(flavonol)金属錯体等の各種金属錯体が挙げられ、駆動電圧を低減し、高効率発光を得ることから、炭素、水素、窒素、酸素、ケイ素、リンから選ばれる元素からなり、電子受容性窒素を含むヘテロアリール環構造を有する化合物を用いることが好ましい。
【0107】
電子受容性窒素を含む芳香族複素環は、高い電子親和性を有する。電子受容性窒素を有する電子輸送材料は、高い電子親和力を有する陰極からの電子を受け取りやすく、より低電圧の駆動が可能である。一方、電子受容性窒素の孤立電子対は、大きなπ電子系に融合した後、より多くの電子を収容することができ、電子輸送の負荷を向上させ、電子輸送能力を向上させる。また、発光層への電子供給が多くなり、再結合確率が高くなるため、発光効率が向上する。
【0108】
電子受容性窒素を含むヘテロアリール環としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノキサリン環、ナフチリジン環、ピリミドピリミジン環、ベンゾキノリン環、フェナントロリン環、イミダゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾイミダゾール環、フェナンスレンイミダゾール環等が挙げられる。
【0109】
これらのヘテロアリール環構造を有する化合物としては、例えば、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジンやテルピリジン等のオリゴピリジン誘導体、キノキサリン誘導体及びナフチリジン誘導体等が好ましいものとして挙げられる。これらの中でも、電子輸送能の観点から、トリス(N-フェニルベンゾイミダゾール-2-イル)ベンゼン等のイミダゾール誘導体、1,3-ビス[(4-tert-ブチルフェニル)1,3,4-オキサジアゾリル]ベンゼン等のオキサジアゾール誘導体、N-ナフチル-2,5-ジフェニル-1,3,4-トリアゾール等のトリアゾール誘導体、バソクプロイン(bathocuproine)や1,3-ビス(1,10-フェナントロリン-9-イル)ベンゼン等のフェナントロリン誘導体、2,2’-ビス(ベンゾ[h]キノリン-2-イル)-9,9’-スピロビフルオレン等のベンゾキノリン誘導体、2,5-ビス(6’-(2’,2”-ビピリジン))-1,1-ジメチル-3,4-ジフェニルシラシクロペンタジエン等のビピリジン誘導体、1,3-ビス(4’-(2,2’:6’2”-ターピリジン))ベンゼン等のターピリジン誘導体、ビス(1-ナフチル)-4-(1,8-ナフチリジン-2-イル)フェニルホスフィンオキサイド等のナフチリジン誘導体を好ましく用いることができる。そして、これらの誘導体は、縮合多環芳香族骨格を有すると、ガラス転移温度が高くなり、電子移動度も大きくなり、発光素子の低電圧化効果が大きいため、より好ましい。また、素子耐久寿命の向上、合成の容易さ、原料入手の容易さを考慮すると、縮合多環芳香族骨格は、アントラセン骨格、ピレン骨格またはフェナントロリン骨格であることが特に好ましい。前記電子輸送材料は、単独で用いてもよいし、前記電子輸送材料の2種以上を混合して用いてもよいし、他の電子輸送材料の1種以上を前記電子輸送材料に混合して用いてもよい。本発明のフルオランテン誘導体は、高い電子注入輸送能も有するため、電子輸送材料として好適に用いることができる。
【0110】
本発明のフルオランテン誘導体を用いる場合、各1種に限定する必要はなく、本発明の複数種のフルオランテン化合物を混合して用いてもよいし、本発明の効果を損なわない範囲で他の電子輸送材料の1種以上を本発明のフルオランテン化合物と混合して用いてもよい。混合可能な電子輸送材料としては、特に限定されるものではないが、ナフタレン、アントラセン、ピレン等の縮合アリール環を有する化合物またはその誘導体、4,4’-ビス(ジフェニルビニル)ビフェニルに代表されるスチリル系芳香環誘導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、クマリン誘導体、ナフタルイミド誘導体、アントラキノンやジフェノキノン等のキノン誘導体、リンオキサイド誘導体、カルバゾール誘導体およびインドール誘導体、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)等のキノリノール錯体やヒドロキシフェニルオキサゾール錯体等のヒドロキシオキサゾール錯体、アゾメチン錯体、トリフェノールケトン金属錯体およびフラボノイドアルコール金属錯体が挙げられる。
【0111】
前記電子輸送材料は、単独で用いてもよいが、前記電子輸送材料の2種以上を混合して用いてもよいし、他の電子輸送材料の1種以上を前記電子輸送材料に混合して用いてもよい。また、ドナー性材料を含んでいてもよい。ここで、ドナー性材料とは、電子注入障壁を改善することにより、陰極または電子注入層から電子輸送層への電子注入を容易にし、さらに電子輸送層の導電性を向上させる化合物である。
【0112】
本発明におけるドナー性材料の好ましい例としては、アルカリ金属、アルカリ金属を含む無機塩、アルカリ金属と有機物との錯体、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属を含む無機塩またはアルカリ土類金属と有機物との錯体などが挙げられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属の好ましい種類は、仕事関数が低く電子輸送能向上効果が大きいリチウム、ナトリウム、セシウム、イッテルビウム等のアルカリ金属及びその化合物や、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属及びその化合物が挙げられる。
【0113】
好適なドープ濃度は、材料やドープ領域の膜厚によって異なるが、例えば、ドナー性材料がアルカリ金属、アルカリ土類金属等の無機材料である場合、電子輸送材料とドナー性材料との蒸着速度比が10000:1~2:1の範囲となるように共蒸着して電子輸送層とすることが好ましい。蒸着速度比は、100:1~5:1がより好ましく、100:1~10:1がさらに好ましい。また、ドナー性材料が金属と有機物との錯体である場合、電子輸送材料とドナー性材料との蒸着速度比が100:1~100の範囲となるように共蒸着して電子輸送層とすることが好ましい。蒸着速度比は、より好ましくは、10:1~1:10であり、さらに好ましくは、7:3~3:7である。
【0114】
また、前記のような本発明のフルオランテン誘導体にドナー性材料をドープした電子輸送層は、複数の発光素子を連結したタンデム構造型素子における電荷発生層として用いることができる。
【0115】
電子輸送層にドナー性材料をドープして電子輸送能力を向上させる方法は、薄膜層の膜厚が厚い場合に特に効果を発揮する。電子輸送層及び発光層の合計膜厚が50nm以上の場合に特に好ましく用いることができる。例えば、発光層から直接放出される光と陰極で反射される光との位相を合わせて光の出射効率を向上させる方法であって、発光効率を向上させるために干渉効果を利用する方法がある。その最適条件は光の発光波長によって変化するが、電子輸送層及び発光層の合計膜厚が50nm以上となり、赤色等の長波長発光の場合、100nmに近い厚膜となる場合がある。
【0116】
ドープする電子輸送層の膜厚は、電子輸送層の一部又は全部のいずれであってもよい。一部をドープする場合は、少なくとも電子輸送層/陰極界面にドープ領域を設けることが望ましく、陰極界面近傍のみにドープしても低電圧化の効果が得られる。一方、ドナー性材料が直接発光層に接すると、発光効率を低下させる悪影響が生じる場合があり、この場合、発光層/電子輸送層界面にアンドープ領域を設けることが好ましい。
【0117】
本発明においては、陰極と電子輸送層との間に電子注入層を設けてもよい。一般的には、陰極から電子輸送層への電子注入に寄与する目的で電子注入層を挿入するが、挿入する場合には、電子受容性窒素を含むヘテロアリール環構造を有する化合物を用いてもよいし、前記のドナー性材料を含む層を用いてもよい。本発明のフルオランテン誘導体は、電子注入層に含まれていてもよい。また、電子注入層には、絶縁体や半導体の無機物、あるいは金属を用いてもよい。これらの材料を用いることにより、発光素子の短絡を効果的に防止することができ、電子注入性を向上させることができるため好ましい。このような絶縁体は、アルカリ金属カルコゲン化合物、アルカリ土類金属カルコゲン化合物、アルカリ金属のハロゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属化合物を用いることが好ましい。電子注入層は、これらのアルカリ金属カルコゲン化合物等で構成されていると、電子注入性をより向上させることができる点でより好ましい。具体的には、好ましいアルカリ金属カルコゲン化合物としては、例えば、LiO、NaS及びNaSeが挙げられ、好ましいアルカリ土類金属カルコゲン化合物としては、例えば、CaO、BaO、SrO、BeO、BaS及びCaSeが挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、LiF、NaF、KF、LiCl、KCl及びNaCl等が挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、CaF、BaF、SrF、MgF及びBeF等のフッ化物又はフッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。有機物と金属との錯体も好適に用いることができる。電子注入層に有機物と金属との錯体を用いる場合、膜厚を調整しやすいためより好ましい。このような有機金属錯体の例としては、有機物との錯体における有機物の好ましい例として、キノリノール、ベンゾキノリノール、ピリジルフェノール、フラバトール、ヒドロキシイミダゾピリジン、ヒドロキシアザインデン、ヒドロキシトリアゾール等が挙げられる。また、金属を用いてもよく、例えば、Li、Yb、Ba等が挙げられる。
【0118】
発光素子を構成する前記各層の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、塗布法など特に限定されないが、通常、抵抗加熱蒸着または電子ビーム蒸着が素子特性の点から好ましい。
【0119】
有機層の厚さは、発光物質の抵抗値によるため限定することはできないが、1nm~1000nmが好ましい。発光層、電子輸送層、正孔輸送層の膜厚は、それぞれ1nm以上200nm以下が好ましく、5nm以上100nm以下がより好ましい。
【0120】
本発明の発光素子は、電気エネルギーを光に変換する機能を有する。ここで、電気エネルギーは、主に直流電流を用いているが、パルス電流や交流電流を用いてもよい。電流値及び電圧値は特に制限されないが、素子の消費電力や寿命を考慮すると、できるだけ低いエネルギーで最大輝度が得られるように選択されるべきである。
【0121】
本発明の発光素子は、各種機器等のバックライトとしても好適に用いることができる。バックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させるためのものであり、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板及び標識等に用いられている。特に、本発明の発光素子は、液晶表示装置(中でも特に薄型化が検討されているパーソナルコンピュータ用途)のバックライトに好ましく用いられ、従来のバックライトよりも薄型、軽量のバックライトを提供することができる。
【実施例
【0122】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0123】
実施例及び比較例で用いた材料を以下に示す。
【0124】
トルエン、キシレン、メタノール等は国薬社から購入し、トリアジン系化合物はTCIから購入し、フルオランテン系化合物はalfa-aeserから購入し、各種触媒等はAldrich社から購入した。
【0125】
合成例1
化合物[6]の合成
【0126】
【化29】
【0127】
フラスコに2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン2.67g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン3.5gを得た。
【0128】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン3.5g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後7時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、黄色固体化合物[6]を4.68g(純度99.9%)得た。
【0129】
合成例2
化合物[7]の合成
【0130】
【化30】
【0131】
フラスコに2-(4-p-ビフェニル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン3.00g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.24gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解したブロモベンゼン1.22gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、3.2gの白色固体である2-(4-p-ビフェニリル)-4-クロロ-6-フェニル-1,3,5トリアジンを得た。
【0132】
フラスコに2-(4-p-ビフェニリル)-4-クロロ-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.2g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後3時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、白色固体である2-(4-p-ビフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.82gを得た。
【0133】
フラスコに2-(4-p-ビフェニル)-4-(4-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.82g、フルオランテンボロン酸2.3g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.12g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール50mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[7]を5.21g(純度99.9%)得た。
【0134】
合成例3
化合物[8]の合成
【0135】
【化31】
【0136】
フラスコに2-(4-ビフェニル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン3.00g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.24gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解したブロモベンゼン1.22gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、3.2gの白色固体である2-(4-ビフェニリル)-4-クロロ-6-フェニル-1,3,5トリアジンを得た。
【0137】
フラスコに2-(4-ビフェニリル)-4-クロロ-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.2g、m-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後3時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン80mlで再結晶し、白色固体である2-(4-ビフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.78gを得た。
【0138】
フラスコに2-(4-ビフェニル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.78g、フルオランテンボロン酸2.3g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.12g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール50mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン80mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[8]を5.00g(純度99.9%)得た。
【0139】
合成例4
化合物[9]の合成
【0140】
【化32】
【0141】
フラスコに2-フェニル-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン2.55g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.24gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解したm-ブロモベンゼン2.00gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、3.1gの白色固体である2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジンを得た。
【0142】
フラスコに2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.1g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後3時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、白色固体である2-(4-フェニル)-4-(4-クロロフェニル)6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.75gを得た。
【0143】
フラスコに2-(4-フェニル)-4-(4-クロロフェニル)6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.75g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[9]を4.94g(純度99.9%)得た。
【0144】
合成例5
化合物[10]の合成
【0145】
【化33】
【0146】
フラスコに2-フェニル-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン2.55g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.24gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解したm-ブロモベンゼン2.00gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、3.1gの白色固体である2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジンを得た。
【0147】
フラスコに2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.1g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後3時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン80mlで再結晶し、白色固体である2-(4-フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.83gを得た。
【0148】
フラスコに2-(4-フェニル)-4-(3-クロロフェニル)-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.83g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後8時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール50mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン80mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[10]を5.11g(純度99.9%)得た。
【0149】
合成例6
化合物[18]の合成
【0150】
【化34】
【0151】
フラスコに2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン2.67g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン3.5gを得た。
【0152】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン3.5g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン基)ビフェニル4.1gを得た。
【0153】
フラスコに4-クロロ-4’-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン基)ビフェニル4.1g、フルオランテンボロン酸2.1g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[18]を5.82g(純度99.9%)得た。
【0154】
合成例7
化合物[22]の合成
【0155】
【化35】
【0156】
フラスコに2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン2.67g、2-ジベンゾフランホウ酸2.12g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム5.20gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したキシレンを注入した。氷水で1時間反応させた。室温に昇温してから3時間反応を継続した。溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、白色固体である2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン基)-ジベンゾフラン3.8gを得た。
【0157】
フラスコに2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン基)-ジベンゾフラン3.8g、N-ブロモスクシンイミド3.4g、リン酸カリウム三水和物3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、シリカゲルカラムを用いて分離し(PE:EA=1:20)、白色固体である2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン基)-8-ブロモジベンゾフラン4.2gを得た。
【0158】
フラスコに2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン基)-8-ブロモジベンゾフラン4.2g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したキシレンを注入した。150℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール200mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[22]を5.13g(純度99.9%)得た。
【0159】
合成例8
化合物[25]の合成
【0160】
【化36】
【0161】
フラスコに2-クロロ-4,6-ジフェニルピリミジン2.64g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)-4,6-ジフェニルピリミジン3.4gを得た。
【0162】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)-4,6-ジフェニルピリミジン3.4g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(4,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル4.0gを得た。
【0163】
フラスコに4-クロロ-4’-(4,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル4.0g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[25]を5.90g(純度99.9%)得た。
【0164】
合成例9
化合物[26]の合成
【0165】
【化37】
【0166】
フラスコに4-クロロ-2,6-ジフェニルピリミジン2.64g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である4-(4-クロロフェニル)-2,6-ジフェニルピリミジン3.4gを得た。
【0167】
フラスコに4-(4-クロロフェニル)-2,6-ジフェニルピリミジン3.4g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(2,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル4.0gを得た。
【0168】
フラスコに4-クロロ-4’-(2,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル4.0g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[26]を5.90g(純度99.9%)得た。
【0169】
合成例10
化合物[28]の合成
【0170】
【化38】
【0171】
フラスコに2,6-ジフェニル-4-クロロピリジン2.9g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で2回洗浄し、白色固体である4-(2,6-ジフェニルピリジル)クロロベンゼン3.4gを得た。
【0172】
フラスコに4-(2,6-ジフェニルピリジル)クロロベンゼン3.4g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、メタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、白色固体である4-クロロ-4’-(2,6-ジフェニルピリジル)ビフェニル4.0gを得た。
【0173】
フラスコに4-クロロ-4’-(2,6-ジフェニルピリジル)ビフェニル4.0g、フルオランテンボロン酸2.1g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後4時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[28]を5.45g(純度99.9%)得た。
【0174】
合成例11
化合物[30]の合成
【0175】
【化39】
【0176】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-クロロ-6-フェニルピリミジン3.67 g、m-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニルピリミジン4.60gを得た。
【0177】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニルピリミジン4.60g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-3’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-ピリミジン)ビフェニル4.8gを得た。
【0178】
フラスコに4-クロロ-3’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-ピリミジン)ビフェニル4.8g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[30]を6.10g(純度99.9%)得た。
【0179】
合成例12
化合物[37]の合成
【0180】
【化40】
【0181】
フラスコに2-フェニル-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン2.55g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.24gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解したm-ブロモベンゼン2.00gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、3.1gの白色固体である2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジンを得た。
【0182】
フラスコに2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.1g、m-クロロフェニルボロン酸1.21g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-(3-クロロフェニル)-4-フェニル-6-m-ビフェニル-1,3,5-トリアジン3.9gを得た。
【0183】
フラスコに2-(3-クロロフェニル)-4-フェニル-6-m-ビフェニル-1,3,5-トリアジン3.9g、m-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後2時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である3-クロロ-3’-(4-フェニル-6-m-ビフェニル-1,3,5-トリアジン)ビフェニル5.0gを得た。
【0184】
フラスコに3-クロロ-3’-(4-フェニル-6-m-ビフェニル-1,3,5-トリアジン)ビフェニル5.0g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後2時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[37]を6.3g(純度99.9%)得た。
【0185】
合成例13
化合物[38]の合成
【0186】
【化41】
【0187】
フラスコに4-クロロ-2,6-ジフェニルピリミジン2.64g、m-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である4-(3-クロロフェニル)-2,6-ジフェニルピリミジン3.4gを得た。
【0188】
フラスコに4-(3-クロロフェニル)-2,6-ジフェニルピリミジン3.4g、m-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である3-クロロ-3’-(2,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル4.0gを得た。
【0189】
フラスコに3-クロロ-3’-(2,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル4.0g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[38]を5.78g(純度99.9%)得た。
【0190】
合成例14
化合物[39]の合成
【0191】
【化42】
【0192】
フラスコに2-クロロ-4,6-ジフェニルピリミジン2.64g、m-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-(3-クロロフェニル)-4,6-ジフェニルピリミジン3.4gを得た。
【0193】
フラスコに2-(3-クロロフェニル)-4,6-ジフェニルピリミジン3.4g、m-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である3-クロロ-3’-(4,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル4.0gを得た。
【0194】
フラスコに3-クロロ-3’-(4,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル4.0g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[39]を5.92g(純度99.9%)得た。
【0195】
合成例15
化合物[43]の合成
【0196】
【化43】
【0197】
フラスコに2-クロロ-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン2.67g、o-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。80℃に昇温後24時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-(2-クロロフェニル)-4,6-ジフェニルピリミジン3.2gを得た。
【0198】
フラスコに2-(2-クロロフェニル)-4,6-ジフェニルピリミジン3.2g、m-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である3-クロロ-2’-(4,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル3.8gを得た。
【0199】
フラスコに3-クロロ-2’-(4,6-ジフェニルピリミジン)ビフェニル3.8g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[43]を5.65g(純度99.9%)得た。
【0200】
合成例16
化合物[61]の合成
【0201】
【化44】
【0202】
フラスコに2-(4-p-ビフェニル)-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン3.00g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.24gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解したブロモベンゼン1.22gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、3.2gの白色固体である2-(4-p-ビフェニリル)-4-クロロ-6-フェニル-1,3,5トリアジンを得た。
【0203】
フラスコに2-(4-p-ビフェニリル)-4-クロロ-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.2g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)-4-p-ビフェニル-6-フェニル-1,3,5トリアジン4.0gを得た。
【0204】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)-4-p-ビフェニル-6-フェニル-1,3,5トリアジン4.0g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(4-p-ビフェニリル-6-フェニル-1,3,5-トリアジニル)ビフェニル4.8gを得た。
【0205】
フラスコに4-クロロ-4’-(4-p-ビフェニリル-6-フェニル-1,3,5-トリアジニル)ビフェニル4.8g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン200mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[61]を6.4g(純度99.9%)得た。
【0206】
合成例17
化合物[62]の合成
【0207】
【化45】
【0208】
フラスコに2-フェニル-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン2.55g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.24gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解したm-ブロモベンゼン2.00gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、3.1gの白色固体である2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジンを得た。
【0209】
フラスコに2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-m-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.1g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)-4-m-ビフェニル-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.9gを得た。
【0210】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)-4-m-ビフェニル-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.9g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(4-m-ビフェニリル-6-フェニル-1,3,5-トリアジニル)ビフェニル4.8gを得た。
【0211】
フラスコに4-クロロ-4’-(4-m-ビフェニリル-6-フェニル-1,3,5-トリアジニル)ビフェニル4.8g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[62]を6.5g(純度99.9%)得た。
【0212】
合成例18
化合物[63]の合成
【0213】
【化46】
【0214】
フラスコに2-フェニル-4,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジン2.55g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.24gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解したo-ブロモベンゼン2.00gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:30)し、3.0gの白色固体である2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-o-ビフェニル-1,3,5トリアジンを得た。
【0215】
フラスコに2-(4-フェニル)-4-クロロ-6-o-ビフェニル-1,3,5トリアジン3.0g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン40mlで再結晶し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)-4-o-ビフェニル-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.7gを得た。
【0216】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)-4-o-ビフェニル-6-フェニル-1,3,5トリアジン3.7g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(4-o-ビフェニリル-6-フェニル-1,3,5-トリアジニル)ビフェニル4.5gを得た。
【0217】
フラスコに4-クロロ-4’-(4-o-ビフェニリル-6-フェニル-1,3,5-トリアジニル)ビフェニル4.5g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[63]を6.1g(純度99.9%)得た。
【0218】
合成例19
化合物[106]の合成
【0219】
【化47】
【0220】
フラスコに1,3,5-トリクロロトリアジン1.82g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.48gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解した3-ブロモジベンゾフラン5.0gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、4.0gの白色固体であるビスジベンゾフラン置換体を得た。
【0221】
フラスコにビスジベンゾフラン置換体4.0g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)-4,6-ビスジベンゾフラン-1,3,5-トリアジン5.1gを得た。
【0222】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)-4,6-ビスジベンゾフラン-1,3,5-トリアジン5.1g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(4,6-ビスジベンゾフラン-1,3,5-トリアジン基)ビフェニル5.7gを得た。
【0223】
フラスコに4-クロロ-4’-(4,6-ビスジベンゾフラン-1,3,5-トリアジン基)ビフェニル5.7g、フルオランテンボロン酸2.1g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン200mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[106]を6.5g(純度99.9%)得た。
【0224】
合成例20
化合物[110]の合成
【0225】
【化48】
【0226】
フラスコに1,3,5-トリクロロトリアジン1.82g、塩酸活性化したマグネシウム塊0.48gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した、20分間撹拌した。トルエンで溶解した3-ブロモジベンゾフラン5.0gを加え、120℃まで昇温した。4時間後に室温まで冷却した後、冷水を加えて反応をクエンチした。その後、トルエンで反応物を抽出し、さらに水で反応物中の塩を抽出した。有機相を回転乾燥して固体を得た。シリカゲルカラムを用いて分離(PE:EA=1:10)し、4.0gの白色固体であるビスジベンゾフラン置換体を得た。
【0227】
フラスコにビスジベンゾフラン置換体4.0g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-(3-クロロフェニル)-4,6-ビスジベンゾフラン-1,3,5-トリアジン5.2gを得た。
【0228】
フラスコに2-(3-クロロフェニル)-4,6-ビスジベンゾフラン-1,3,5-トリアジン5.2g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である3-クロロ-3’-(4,6-ビスジベンゾフラン-1,3,5-トリアジン基)ビフェニル5.8gを得た。
【0229】
フラスコに3-クロロ-3’-(4,6-ビスジベンゾフラン-1,3,5-トリアジン基)ビフェニル5.8g、フルオランテンボロン酸2.1g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[110]を6.5g(純度99.9%)得た。
【0230】
合成例21
化合物[111]の合成
【0231】
【化49】
【0232】
フラスコに3,5-ジブロモクロロベンゼン2.7g、フルオランテンボロン酸5.0g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム7.20gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後2時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlで3回洗浄し、メタノール200mlで3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、黄色固体化合物3,5-ジフルオランテンクロロベンゼンを5.0g得た。
【0233】
フラスコに1,3-ジフルオランテン-5クロロベンゼン5.0g、1,3-ジフェニル-5-ボロン酸トリアジン2.33g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後5時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlで3回洗浄し、メタノール100mlで2回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[111]を6.5g(純度99.9%)得た。
【0234】
合成例22
化合物[112]の合成
【0235】
【化50】
【0236】
フラスコに2,4,6-トリブロモクロロベンゼン3.46g、フルオランテンボロン酸7.5g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム10.0gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後2時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlで3回洗浄し、メタノール200mlで3回洗浄し、o-キシレン200mlで再結晶し、黄色固体化合物2,4,6-トリフルオランテンクロロベンゼンを7.1g得た。
【0237】
フラスコに2,4,6-トリフルオランテンクロロベンゼンを7.1g、1,3-ジフェニル-5-ボロン酸トリアジン2.33g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後5時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlで3回洗浄し、メタノール100mlで2回洗浄し、o-キシレン300mlで再結晶し、黄色固体化合物[112]を8.0g(純度99.9%)得た。
【0238】
合成例23
化合物[113]の合成
【0239】
【化51】
【0240】
フラスコに3,5-ジブロモクロロベンゼン2.7g、1,3-ジフェニル-5-ボロン酸トリアジン4.66g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム5.0gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後4時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlで3回洗浄し、メタノール100mlで3回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、白色固体化合物3,5-ビス(3,5-ジフェニルトリアジニル)クロロベンゼンを5.5g得た。
【0241】
フラスコに3,5-ビス(3,5-ジフェニルトリアジニル)クロロベンゼンを5.5g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、メタノール100mlで3回洗浄し、o-キシレン200mlで再結晶し、白色固体である1-(4-クロロフェニル)-3,5-ビス(1,3-ジフェニルトリアジニル)ベンゼン6.2gを得た。
【0242】
フラスコに1-(4-クロロフェニル)-3,5-ビス(1,3-ジフェニルトリアジニル)ベンゼン6.2g、フルオランテンボロン酸2.1g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン500mlで再結晶し、白色固体化合物[113]を8.0g(純度99.9%)得た。
【0243】
合成例24
化合物[114]の合成
【0244】
【化52】
【0245】
フラスコに3,5-ジフェニルクロロベンゼン2.8g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)4,6-ジフェニルベンゼン3.4gを得た。
【0246】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)4,6-ジフェニルベンゼン3.4g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(4,6-ジフェニルベンゼン)ビフェニル4.0gを得た。
【0247】
フラスコに4-クロロ-4’-(4,6-ジフェニルベンゼン)ビフェニル4.0g、フルオランテンボロン酸2.1g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後4時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール300mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン6000mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[114]を5.31g(純度99.9%)得た。
【0248】
合成例25
化合物[115]の合成
【0249】
【化53】
【0250】
フラスコに1-(4-クロロフェニル)-3-p-ビフェニリル基-2,4,5,6-テトラジン3.4g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(1-3-p-ビフェニル-2,4,5,6-テトラジニル)ビフェニル4.1gを得た。
【0251】
4-クロロ-4’-(1-3-p-ビフェニル-2,4,5,6-テトラジニル)ビフェニル4.1g、フルオランテンボロン酸2.1g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ4回洗浄し、o-キシレン100mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[115]を3.13g(純度99.9%)得た。
【0252】
合成例26
化合物[138]の合成
【0253】
【化54】
【0254】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-クロロ-6-フェニルトリアジン3.67g、o-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-([1,1’-ビフェニル]4-イル)-4-(2-クロロフェニル)-6-フェニルトリアジン4.63gを得た。
【0255】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]4-イル)-4-(2-クロロフェニル)-6-フェニルトリアジン4.63g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-2’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-トリアジン)ビフェニル4.7gを得た。
【0256】
フラスコに4-クロロ-2’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-トリアジン)ビフェニル4.7g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[138]を3.25g(純度99.9%)得た。
【0257】
合成例27
化合物[139]の合成
【0258】
【化55】
【0259】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-クロロ-2-フェニルピリミジン3.67、o-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(2-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.61gを得た。
【0260】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(2-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.61g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-2’-(4-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6gを得た。
【0261】
フラスコに4-クロロ-2’-(4-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[139]を3.24g(純度99.9%)得た。
【0262】
合成例28
化合物[140]の合成
【0263】
【化56】
【0264】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-クロロ-6-フェニルピリミジン3.67、o-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(2-クロロフェニル)-6-フェニルピリミジン4.65gを得た。
【0265】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(2-クロロフェニル)-6-フェニルピリミジン4.65g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-2’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-ピリミジン)ビフェニル4.7gを得た。
【0266】
フラスコに4-クロロ-2’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-ピリミジン)ビフェニル4.7g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[140]を4.56g(純度99.9%)得た。
【0267】
合成例29
化合物[141]の合成
【0268】
【化57】
【0269】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-クロロ-6-フェニルトリアジン3.67g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(4-クロロフェニル)-6-フェニルトリアジン4.50gを得た。
【0270】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(4-クロロフェニル)-6-フェニルトリアジン4.50g、o-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である2-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-トリアジン)ビフェニル4.6gを得た。
【0271】
フラスコに2-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-トリアジン)ビフェニル4.6g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[141]を3.20g(純度99.9%)得た。
【0272】
合成例30
化合物[142]の合成
【0273】
【化58】
【0274】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-クロロ-2-フェニルピリミジン3.67、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.41gを得た。
【0275】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.41g、o-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である2-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6gを得た。
【0276】
フラスコに2-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[142]を3.10g(純度99.9%)得た。
【0277】
合成例31
化合物[143]の合成
【0278】
【化59】
【0279】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-クロロ-6-フェニルピリミジン3.67g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(4-クロロフェニル)-6-フェニルピリミジン4.50gを得た。
【0280】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(4-クロロフェニル)-6-フェニルピリミジン4.50g、o-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である2-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-ピリミジン)ビフェニル4.41gを得た。
【0281】
フラスコに2-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-4-イル-ピリミジン)ビフェニル4.41g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[143]を3.08g(純度99.9%)得た。
【0282】
合成例32
化合物[183]の合成
【0283】
【化60】
【0284】
フラスコに2,6-ジフェニル-4-クロロトリアジン3.50g、o-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2,6-ジフェニル-4-(2-クロロフェニル)トリアジン4.53gを得た。
【0285】
フラスコに2,6-ジフェニル-4-(2-クロロフェニル)トリアジン4.53g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-2’-(2,6-ジフェニルトリアジン基)ビフェニル4.61gを得た。
【0286】
フラスコに4-クロロ-2’-(2,6-ジフェニルトリアジン基)ビフェニル4.61g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[183]を3.46g(純度99.9%)得た。
【0287】
合成例33
化合物[186]の合成
【0288】
【化61】
【0289】
フラスコに2,6-ジフェニル-4-クロロトリアジン3.50g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2,6-ジフェニル-4-(4-クロロフェニル)トリアジン4.30gを得た。
【0290】
フラスコに2,6-ジフェニル-4-(4-クロロフェニル)トリアジン4.30g、o-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である2-クロロ-4’-(2,6-ジフェニル-4-イル-トリアジン)ビフェニル4.50gを得た。
【0291】
フラスコに2-クロロ-4’-(2,6-ジフェニル-4-イル-トリアジン)ビフェニル4.50g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[186]を3.10g(純度99.9%)得た。
【0292】
合成例34
化合物[148]の合成
【0293】
【化62】
【0294】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-クロロ-2-フェニルピリミジン3.67g、o-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(2-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.61gを得た。
【0295】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(2-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.61g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-2’-(4-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6gを得た。
【0296】
フラスコに4-クロロ-2’-(4-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-(4-クロロフェニル)-3’-(4-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル3.01gを得た。
【0297】
フラスコに4-(4-クロロフェニル)-3’-(4-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル3.01g、フルオランテンボロン酸2.0g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[148]を2.11g(純度99.9%)得た。
【0298】
合成例35
化合物[151]の合成
【0299】
【化63】
【0300】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-クロロ-2-フェニルピリミジン3.67g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.41gを得た。
【0301】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.41g、o-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である2-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6gを得た。
【0302】
フラスコに2-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である2-(4-クロロフェニル)-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル2.54gを得た。
【0303】
フラスコに2-(4-クロロフェニル)-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル2.54g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[151]を1.02g(純度99.9%)得た。
【0304】
合成例36
化合物[154]の合成
【0305】
【化64】
【0306】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-クロロ-2-フェニルピリミジン3.67g、p-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.41gを得た。
【0307】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.41g、p-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である4-クロロ-4’-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ビフェニル4.6gを得た。
【0308】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(4-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン4.6g、o-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である2’’-クロロ-4-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ターフェニル3.12gを得た。
【0309】
フラスコに2’’-クロロ-4-(2-フェニル-[1,1’-ビフェニル]-6-イル-ピリミジン)ターフェニル3.12g、フルオランテンボロン酸2.0g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[154]を1.20g(純度99.9%)得た。
【0310】
合成例37
化合物[34]の合成
【0311】
【化65】
【0312】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-クロロ-6-フェニルトリアジン3.67g、m-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-([1,1’-ビフェニル]4-イル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニルトリアジン3.50gを得た。
【0313】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]4-イル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニルトリアジン3.50g、m-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である3-クロロ-3’-(2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-フェニルトリアジン)ビフェニル4.2gを得た。
【0314】
フラスコに3-クロロ-3’-(2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-フェニルトリアジン)ビフェニル4.2g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[34]を4.73g(純度99.9%)得た。
【0315】
合成例38
化合物[40]の合成
【0316】
【化66】
【0317】
フラスコに4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-クロロ-2-フェニルピリミジン3.67g、m-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(3-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン3.70gを得た。
【0318】
フラスコに白色固体である4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-(3-クロロフェニル)-2-フェニルピリミジン3.70g、m-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である3-クロロ-3’-(4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-フェニルピリミジン)ビフェニル4.10gを得た。
【0319】
フラスコに3-クロロ-3’-(4-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-2-フェニルピリミジン)ビフェニル4.10g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[40]を4.31g(純度99.9%)得た。
【0320】
合成例39
化合物[41]の合成
【0321】
【化67】
【0322】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-クロロ-6-フェニルピリミジン3.67g、m-クロロフェニルボロン酸1.22g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン50mlで再結晶し、白色固体である2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニルピリミジン3.69gを得た。
【0323】
フラスコに2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-(3-クロロフェニル)-6-フェニルピリミジン3.69g、m-クロロフェニルボロン酸1.56g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.60gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後1時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、100mlの水で3回洗浄し、o-キシレン70mlで再結晶し、白色固体である3-クロロ-3’-(2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-フェニルピリミジン)ビフェニル4.02gを得た。
【0324】
フラスコに白色固体である3-クロロ-3’-(2-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-6-フェニルピリミジン)ビフェニル4.02g、フルオランテンボロン酸2.2g、ジトリフェニルホスフィンパラジウムジクロリド0.06g、炭酸カリウム3.6gを加え、アルゴンガスで3回置換した後、脱水脱酸素したトルエンを注入した。120℃に昇温後12時間反応させた。室温まで冷却した後、溶媒を回転乾燥させ、水100mlとメタノール100mlでそれぞれ3回洗浄し、o-キシレン120mlで再結晶し、淡黄色固体化合物[41]を3.90g(純度99.9%)得た。
【0325】
実施例1
165nm ITO透明導電膜を堆積したガラス基板(ジオマテック(Geomatec)株式会社製、11Ω/□、スパッタリング品)を38mm×46mmに切断してエッチングした。得られた基板を「セミコクリーン(Semico Clean)56」(商品名、古内化学(Furuuchi Chemical)株式会社製)で15分間超音波洗浄した後、超純水で洗浄した。素子作製前に、この基板を1時間紫外線(Ultraviolet,UV)-オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置し、装置内の真空度が5×10-4Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によりまず正孔注入層としてHAT-CN 6を75nm、正孔輸送層としてHT-1を42.5nm蒸着した。その後、ホスト材料H-1、ドーパント材料D-1をドーピング濃度が5重量%となるように20nmの厚さに蒸着して発光層とした。その後、化合物[6]を30nmの厚さに蒸着して電子輸送層とした。その後、Ybを1nm蒸着した後、陰極としてMg/Aa(1:9)を15nm蒸着し、5mm×5mm角の素子を作製した。ここでいう膜厚は、水晶発振式膜厚モニタ(ConltaecのEon LT)の表示値である。この発光素子の10mA/cmにおける特性は、駆動電圧4.51V、効率6.6cd/Aであった。また、初期輝度を10mA/cmに設定し、定電流駆動した際に輝度が50%低下する輝度半減時間は1600時間であった。前記HAT-CN 6、HT-1、H-1、D-1は以下に示す化合物である。このような1つの発光ユニットからなるデバイスは、以下の1つ以上の発光ユニットからなる積層(tandem)デバイスと区別するために、単層(single)デバイスと呼ばれる。
【0326】
【化68】
【0327】
実施例2~実施例41
電子輸送層に表1に記載の化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製し、評価した。
【0328】
比較例1~比較例8
電子輸送層に表1に記載の化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製し、評価した。C-1からC-7及びHB-1は、以下に示す化合物である。
【0329】
【化69】
【0330】
【化70】
【0331】
実施例42~実施例45
電子輸送層に化合物C-4を用い、正孔ブロック層に化合物HB-1を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製し、この発光素子作製後に電荷発生層用化合物として表1に記載の化合物を蒸着した後、同様の発光素子を蒸着して積層(tandem)デバイスを作製し、評価した。
【0332】
比較例9
電子輸送層に化合物C-4を用い、正孔ブロック層に化合物HB-1を用いた以外は、実施例1と同様にして発光素子を作製し、この発光素子作製後に電荷発生層化合物としてAlq3を蒸着した後、同様の発光素子を蒸着して積層(tandem)デバイスを作製し、評価した。
【0333】
【化71】
【0334】
【表1】
【0335】
比較例1及び比較例2は、市販のフルオランテン及びフルオランテン系材料である。比較例1は、効率は高いものの、電圧高寿命が短いという問題がある。一方、比較例2は、寿命は長いものの、効率が低い。比較例3及び比較例4は、市販されているリーディングレベルを有する電子輸送材料であり、比較例3は、電圧が低く、効率が高いが、寿命が短い。一方、比較例4は、効率は高いが、電圧も高く、寿命が長くない。これらのデバイスの性能には欠点があり、実用的なアプリケーションに重大な影響を与える可能性がある。比較例5及び比較例6は検討された幾つかのフルオランテン系材料であり、比較例5は電圧は低いが寿命及び効率も低い。また比較例5自体が不安定であり、昇華過程で分解する場合がある。デバイス化が難しく、良品率が低下する。比較例6は、相対的に寿命が長いが、電圧がやや高く、効率が低く、実施例1~31の材料は、総合性能において比較例1~6より優れており、デバイスとしてより優れた性能を示した。
【0336】
実施例1、実施例21、実施例22を比較すると、フルオランテン基を減少させると、分子軌道のエネルギー準位遷移が深くなるため、電子注入層材料との整合が向上し、電圧が低下し、寿命も上昇する傾向が見られた。特に、1つのフルオランテン基が好ましい場合、電圧及び寿命が大幅に向上した。また、1つのフルオランテン基が好ましい場合、材料の蒸着おいてもより容易である。
【0337】
実施例6、実施例23を比較することにより、アザベンゼン系基を減少させると、分子軌道エネルギー準位遷移が深くなるため、電子注入層材料とのマッチングが向上し、電圧が低下し、寿命も上昇する傾向があることが分かる。特に、1つのアザベンゼン系基が好ましい場合、電圧及び寿命が大幅に向上した。また、1つのアザベンゼン系基が好ましい場合、材料の蒸着もより容易である。この傾向はフルオランテン基と類似しているが、アザベンゼン系基の減少はフルオランテンよりもデバイス効果に対する最適化の度合いが強い。
【0338】
実施例6、実施例9、実施例10、実施例24、実施例25を比較することにより、アザベンジン系ホストに窒素原子が含まれる場合、電子の供給が多くなるため、分子全体における電子数が向上し、デバイス効率が向上する。アゾベンゼン系ホストの中心部分に窒素がない場合には非常に効率が低く、窒素を1つ含む場合には、窒素が全くない場合に比べて高い効率が得られるものの、依然として顕著な優位性がない水準にある。4つの窒素の場合、エネルギー準位が深すぎ、電圧が高すぎる。好ましくは、アザ本体の中心部分が2つの窒素原子(ピリミジン)または3つの窒素原子(トリアジン)を含む場合、効率を向上させるとともに、低電圧を維持し、両者を良好なバランスにすることができる。中心部に2つの窒素が含まれているとより高い効率を示し、3つの窒素が含まれているとより長い寿命を示す。この傾向は、実施例26~31においても同様に現れた。
【0339】
実施例11~14と比較例7とを比較することにより、ジフェニルトリアジンとフルオランテンとを2つのm-フェニレン基で接続した場合には電圧、効率及び寿命のいずれも好ましくないが、アザベンジン系ホストをピリミジンに、及び/又はフェニル基をビフェニル基に変更することにより電圧を低下させ、効率及び寿命を向上させることができる。
【0340】
実施例6、実施例16、実施例26~31を比較することにより、分子中に隣接するベンゼンを導入することにより、フルオランテンホストとアゾベンゼン系ホストとの距離を近づけることができ、電子処理能力を強化することにより、その電気特性を向上させ、電圧を低減し、効率を向上させ、効果が非常に顕著であることが分かる。
【0341】
実施例6と実施例16と比較することにより、アザベンゼン系ホストの置換基がベンゼンとビフェニルである場合、ベンゼン2つに比べて効率と寿命を向上させることができたが、電圧がやや向上した。また、実施例6で用いた化合物は、アザベンゼン系ホストがより対称であるため、蒸着時に孔を塞ぎやすく、良品率が低下し、生産タクトが低下した。一方、アザベンジン系ホストの非対称性を改善した実施例16は、より良好な生産タクトを示した。さらに、実施例26、実施例29、実施例32、実施例33を比較すると、オルト置換基を導入して電子処理能力をさらに強化した後、ベンゼンとビフェニルで置換されたアザベンジン系ホストは、電圧をさらに低下させ、効率を向上させ、寿命を向上させるが、ビスベンゼン系材料の上昇幅が小さいことが分かる。周辺材料との整合性に加えて、ビフェニルの空間排除効果は、アザベンジン系ホストの回転を制限し、それにより非局在の大きなπ電子の安定性を強化し、電子処理性能を強化することも重要な原因である。
【0342】
実施例16、実施例18と比較例5とを比較すると、含窒素置換基置換アザベンゼン系ホストを用いた場合には、エネルギー準位調整が過剰となり、周辺層材料と整合しないため、効率が低下することがわかる。
【0343】
実施例16と実施例18と比較例6を比較することにより、アゾベンゼン系ホストに縮合環を連結させると、縮合環がフルオランテンによる規則的な電子移動を乱し、分子の電子処理能力を低下させ、電圧低減効率が向上することが分かる。
【0344】
実施例29~31と実施例34~36を比較して分かるように、LとLにおけるベンゼン環の長さを増加させ、π電子系の長さを増加させ、性能をさらに向上させる。
【0345】
実施例37~41と比較例4、比較例8を比較することにより、本発明が提供するフルオランテン系化合物は電子に対して特化するため、正孔に対する処理能力を低下させ、正孔阻止層として使用する場合、一般的な正孔阻止材料HB-1及び化合物C7に比べて、正孔の通過を効果的に阻止し、効率を向上させ、寿命を延長することができる。
【0346】
実施例42~45と比較例9とを比較すると、本発明のフルオランテン系化合物を電荷発生層材料として用いた場合にも、一般的な電荷発生層材料Alq3よりも低電圧、高効率、長寿命を実現できることがわかる。ただし、デバイスは、材料の各層の特性が線形的に重ね合わされてのものでなく、複数の材料層の組み合わせである点が指摘される。そのため、周辺材料が変化すると、それに応じて最適となる電子輸送層材料もある。従って、本発明は、異なる実際のデバイスに対して分子を調整するための一連の材料を提供する。
【国際調査報告】