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特表2025-501892オーディオ接地スイッチのチャネルクロストークキャンセル技法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】オーディオ接地スイッチのチャネルクロストークキャンセル技法
(51)【国際特許分類】
   H04S 1/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
H04S1/00 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536268
(86)(22)【出願日】2023-01-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-17
(86)【国際出願番号】 US2023010123
(87)【国際公開番号】W WO2023141017
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】17/580,505
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダナセカラン、ビジャヤクマー
【テーマコード(参考)】
5D162
【Fターム(参考)】
5D162AA06
5D162BA07
5D162CC34
5D162DA12
5D162DA16
5D162EA02
(57)【要約】
本開示の態様は、第1及び第2の出力部を含むオーディオインターフェースと、オーディオインターフェースの第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部を含むクロストークキャンセル回路と、オーディオインターフェースの第1の出力部に結合された第1の入力部及びクロストークキャンセル回路の第1の出力部に結合された第2の入力部を含む第1の加算器と、オーディオインターフェースの第2の出力部に結合された第1の入力部及びクロストークキャンセル回路の第2の出力部に結合された第2の入力部を含む第2の加算器と、第1の加算器の出力部に結合された入力部を含む第1のデジタルアナログ変換器(DAC)と、第2の加算器の出力部に結合された入力部を含む第2のDACと、を含む、装置に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の出力部を含むオーディオインターフェースと、
前記オーディオインターフェースの前記第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部を含むクロストークキャンセル回路と、
前記オーディオインターフェースの前記第1の出力部に結合された第1の入力部及び前記クロストークキャンセル回路の第1の出力部に結合された第2の入力部を含む第1の加算器と、
前記オーディオインターフェースの前記第2の出力部に結合された第1の入力部及び前記クロストークキャンセル回路の第2の出力部に結合された第2の入力部を含む第2の加算器と、
前記第1の加算器の出力部に結合された入力部を含む第1のデジタルアナログ変換器(DAC)と、
前記第2の加算器の出力部に結合された入力部を含む第2のDACと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記クロストークキャンセル回路が、線形クロストークキャンセル回路を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記線形クロストークキャンセル回路が、
前記オーディオインターフェースの前記第1の出力部に結合された第1の入力部を含む第1の乗算器と、
前記オーディオインターフェースの前記第2の出力部に結合された第2の入力部を含む第2の乗算器と、
を備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1の乗算器が、第1のスピーカの両端間の第1の抵抗に関連する第1の乗算係数を有し、
前記第2の乗算器が、第2のスピーカの両端間の第2の抵抗に関連する第2の乗算係数を有する、
請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の乗算係数が、前記第1の抵抗を接地スイッチのターンオン抵抗で除算した値に関連し、
前記第2の乗算係数が、前記第2の抵抗を前記接地スイッチの前記ターンオン抵抗で除算した値に関連する、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の乗算係数が、前記第1の抵抗を接地スイッチのターンオン抵抗と前記第2の抵抗との第1の並列抵抗で除算した値に関連し、
前記第2の乗算係数が、前記第2の抵抗を前記接地スイッチの前記ターンオン抵抗と前記第1の抵抗との第2の並列抵抗で除算した値に関連する、
請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記クロストークキャンセル回路が、非線形クロストークキャンセル回路を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記非線形クロストークキャンセル回路が、
前記オーディオインターフェースの前記第1の出力部に結合された第3の入力部を含む第3の乗算器と、
前記オーディオインターフェースの前記第2の出力部に結合された第4の入力部を含む第4の乗算器と、
前記第3及び第4の乗算器の第3及び第4の出力部にそれぞれ結合された入力部を含む第3の加算器と、
前記第3の加算器の出力部に結合された入力部を含む非線形計算ブロックと、
前記非線形計算ブロックの出力部に結合された入力部を含む第5の乗算器と、
を備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記非線形計算ブロックが、二乗器を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第5の乗算器が、接地スイッチのターンオン抵抗の非線形特性に関連する乗算係数を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記線形クロストークキャンセル回路が、
前記第2及び第5の乗算器の出力部にそれぞれ結合された入力部及び前記第1の加算器の前記第2の入力部に結合された出力部を含む第4の加算器と、
前記第1及び第5の乗算器の出力部にそれぞれ結合された入力部及び前記第2の加算器の前記第2の入力部に結合された出力部を含む第5の加算器と、
を更に含む、請求項8に記載の装置。
【請求項12】
前記クロストークキャンセル回路が、非線形クロストークキャンセル回路を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記非線形クロストークキャンセル回路が、
前記オーディオインターフェースの前記第1の出力部に結合された入力部を含む第1の乗算器と、
前記オーディオインターフェースの前記第2の出力部に結合された入力部を含む第2の乗算器と、
前記第1及び第2の乗算器の出力部にそれぞれ結合された入力部を含む第3の加算器と、
前記第3の加算器の出力部に結合された入力部を含む非線形計算ブロックと、
前記非線形計算ブロックの出力部に結合された入力部を含む第3の乗算器と、
を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1のDACの出力部に結合された入力部を含む第1のオーディオ増幅器と、
前記第2のDACの出力部に結合された入力部を含む第2のオーディオ増幅器と、
を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記第1及び第2のオーディオ増幅器の第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部と、前記クロストークキャンセル回路に結合された出力部と、を含むスピーカ抵抗検出器を更に備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタを更に備え、前記ユニバーサルシリアルバスコネクタが、
前記第1のオーディオ増幅器の第1の出力部に選択的に結合される第1のピンであって、第1のスピーカの第1の端子に結合するように構成されている、第1のピンと、
前記第2のオーディオ増幅器の第2の出力部に選択的に結合される第2のピンであって、第2のスピーカの第1の端子に結合するように構成されている、第2のピンと、
接地スイッチに結合された第3のピンであって、前記第1及び第2のスピーカの共通の第2の端子に結合するように構成されている、第3のピンと、
を含む、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を生成することと、
第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、前記第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することと、
前記第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号をそれぞれ第1及び第2のアナログオーディオ信号に変換することと、
前記第1及び第2のアナログオーディオ信号をそれぞれ、接地スイッチを介して接地に結合された共通端子を有する第1及び第2のスピーカに提供することと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することが、
第1の中間デジタル信号を生成するために、前記第1のチャネルデジタルオーディオ信号に第1の係数を乗算することと、
第2の中間デジタル信号を生成するために、前記第2のチャネルデジタルオーディオ信号に第2の係数を乗算することと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の係数が、前記第2のスピーカの両端間の第1の抵抗に関連し、
前記第2の係数が、前記第1のスピーカの両端間の第2の抵抗に関連する、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することが、
第3の中間信号を生成するために、前記第1及び第2の中間デジタル信号を合算することと、
第4の中間デジタル信号を生成するために、前記第3の中間デジタル信号を二乗することと、
第5の中間デジタル信号を生成するために、前記第4の中間デジタル信号に第3の係数を乗算することと、
を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第3の係数が、前記接地スイッチの非線形抵抗に関連する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することが、
第1のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、前記第2の中間信号を前記第5の中間信号と合算することと、
第2のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、前記第1の中間信号を前記第5の中間信号と合算することと、
前記第1のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、前記第1のクロストークキャンセルデジタル信号を前記第1のチャネルデジタルオーディオ信号と合算することと、
前記第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、前記第2のクロストークキャンセルデジタル信号を前記第2のチャネルデジタルオーディオ信号と合算することと、
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を生成するための手段と、
第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、前記第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段と、
前記第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号をそれぞれ第1及び第2のアナログオーディオ信号に変換するための手段と、
前記第1及び第2のアナログオーディオ信号をそれぞれ、接地スイッチを介して接地に結合された共通端子を有する第1及び第2のスピーカに提供するための手段と、
を備える、装置。
【請求項24】
前記第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段が、
第1の中間デジタル信号を生成するために、前記第1のチャネルデジタルオーディオ信号に第1の係数を乗算するための手段と、
第2の中間デジタル信号を生成するために、前記第2のチャネルデジタルオーディオ信号に第2の係数を乗算するための手段と、
を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の係数が、前記第2のスピーカの両端間の第1の抵抗に関連し、
前記第2の係数が、前記第1のスピーカの両端間の第2の抵抗に関連する、
請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段が、
第3の中間信号を生成するために、前記第1及び第2の中間デジタル信号を合算するための手段と、
第4の中間デジタル信号を生成するために、前記第3の中間デジタル信号を二乗するための手段と、
第5の中間デジタル信号を生成するために、前記第4の中間デジタル信号に第3の係数を乗算するための手段と、
を更に備える、請求項24に記載の装置。
【請求項27】
前記第3の係数が、前記接地スイッチの非線形抵抗に関連する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段が、
第1のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、前記第2の中間信号を前記第5の中間信号と合算するための手段と、
第2のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、前記第1の中間信号を前記第5の中間信号と合算するための手段と、
前記第1のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、前記第1のクロストークキャンセルデジタル信号を前記第1のチャネルデジタルオーディオ信号と合算するための手段と、
前記第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、前記第2のクロストークキャンセルデジタル信号を前記第2のチャネルデジタルオーディオ信号と合算するための手段と、
を更に備える、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
ワイヤレス通信デバイスであって、
少なくとも1つのアンテナと、
前記少なくとも1つのアンテナに結合された送受信機と、
前記送受信機に結合された1つ又は複数の信号処理コアと、
第1及び第2の出力部を含むオーディオインターフェースであって、前記1つ又は複数の信号処理コアに結合される、オーディオインターフェースと、
前記オーディオインターフェースの前記第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部を含むクロストークキャンセル回路と、
前記オーディオインターフェースの前記第1の出力部に結合された第1の入力部及び前記クロストークキャンセル回路の第1の出力部に結合された第2の入力部を含む第1の加算器と、
前記オーディオインターフェースの前記第2の出力部に結合された第1の入力部及び前記クロストークキャンセル回路の第2の出力部に結合された第2の入力部を含む第2の加算器と、
前記第1の加算器の出力部に結合された入力部を含む第1のデジタルアナログ変換器(DAC)と、
前記第2の加算器の出力部に結合された入力部を含む第2のDACと、
を備える、ワイヤレス通信デバイス。
【請求項30】
前記第1のDACの出力部に結合された入力部を含む第1のオーディオ増幅器と、
前記第2のDACの出力部に結合された入力部を含む第2のオーディオ増幅器と、
ユニバーサルシリアルバス(USB)アプリケーションプロセッサと、
充電器回路と、
前記第1及び第2のオーディオ増幅器、前記USBアプリケーションプロセッサ、並びに前記充電器回路に選択的に結合されるUSBコネクタと、
を更に備える、請求項29に記載のワイヤレス通信デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001] 本特許出願は、2022年1月20日に出願され、本特許出願の譲受人に譲渡された係属中の米国非仮出願第17/580,505号に対する優先権を主張し、この米国非仮出願は、以下に完全に記載されているかのように、及び全ての適用可能な目的のために、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示の態様は、概して、オーディオ信号処理に関し、特に、オーディオ接地スイッチのチャネルクロストークキャンセル技法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial Bus、USB)、タイプC(本明細書では「USB-C」と呼ぶ)を介したオーディオは、特にスマートフォン、タブレットデバイス、スマートウォッチ等、フォームファクタが小さなデバイスにおいて普及しつつある。USB-Cコネクタが、ヘッドフォン又はスピーカへのアナログオーディオ又はデジタルオーディオの送信、USBデバイスからのUSBデータの送受信、バッテリ充電器の制御、マルチメディアデータ(例えば、DisplayPortデータ)の送信、他の機能等、複数の目的のために使用され得るため、USB-Cコネクタ又はポートは、普及している。更に、フォームファクタが小さなデバイスにおいてUSB-Cを介してオーディオを提供することにより、これらのデバイスが、ヘッドフォン又はスピーカへのアナログオーディオの送信に典型的に使用される3.5ミリメートル(mm)ジャックを排除することが可能になる。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 以下では、1つ又は複数の実装形態の簡略化された概要が、そのような実装形態の基本的理解をもたらすために提示される。本概要は、企図される全ての実装形態の包括的な概説ではなく、全ての実装形態の主要又は重要な要素を特定することも、いずれか又は全ての実装形態の範囲を定めることも意図しない。その唯一の目的は、後に提示される「発明を実施するための形態」に対する導入部として、1つ又は複数の実装形態のいくつかの構想を簡略化された形式で提示することである。
【0005】
[0005] 本開示のある態様は、装置に関する。装置は、第1及び第2の出力部を含むオーディオインターフェースと、オーディオインターフェースの第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部を含むクロストークキャンセル回路と、オーディオインターフェースの第1の出力部に結合された第1の入力部及びクロストークキャンセル回路の第1の出力部に結合された第2の入力部を含む第1の加算器と、オーディオインターフェースの第2の出力部に結合された第1の入力部及びクロストークキャンセル回路の第2の出力部に結合された第2の入力部を含む第2の加算器と、第1の加算器の出力部に結合された入力部を含む第1のデジタルアナログ変換器(DAC)と、第2の加算器の出力部に結合された入力部を含む第2のDACと、を含む。
【0006】
[0006] 本開示の別の態様は、方法に関する。方法は、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を生成することと、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することと、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号をそれぞれ第1及び第2のアナログオーディオ信号に変換することと、第1及び第2のアナログオーディオ信号をそれぞれ、接地スイッチを介して接地に結合された共通端子を有する第1及び第2のスピーカに提供することと、を含む。
【0007】
[0007] 本開示の別の態様は、装置に関する。装置は、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を生成するための手段と、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段と、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号をそれぞれ第1及び第2のアナログオーディオ信号に変換するための手段と、第1及び第2のアナログオーディオ信号をそれぞれ、接地スイッチを介して接地に結合された共通端子を有する第1及び第2のスピーカに提供するための手段と、を含む。
【0008】
[0008] 本開示の別の態様は、無線通信デバイスに関する。ワイヤレス通信デバイスは、少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナに結合された送受信機と、送受信機に結合された1つ又は複数の信号処理コアと、第1及び第2の出力部を含むオーディオインターフェースであって、1つ又は複数の信号処理コアに結合される、オーディオインターフェースと、オーディオインターフェースcの第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部を含むクロストークキャンセル回路と、オーディオインターフェースの第1の出力部に結合された第1の入力部及びクロストークキャンセル回路の第1の出力部を含む第1の加算器と、オーディオインターフェースの第2の出力部に結合された第2の入力部及びクロストークキャンセル回路の第2の出力部を含む第2の加算器と、第1の加算器の出力部に結合された入力部を含む第1のデジタルアナログ変換器(DAC)と、第2の加算器の出力部に結合された入力部を含む第2のDACと、を含む。
【0009】
[0009] 上記の目的及び関係する目的の達成のために、1つ又は複数の実装形態が、以下で十分に説明されると共に特に特許請求の範囲において指摘される特徴を含む。以下の説明及び添付の図面は、1つ又は複数の実装形態のいくつかの例示的な態様を詳細に示している。しかしながら、これらの態様は、様々な実装形態の原理が採用されることがある様々な方法のうちの小数の方法のみを示しており、記載される実装形態は、そのような全ての態様及びそれらの均等物を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】[0010] 本開示の態様による、例示的なユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース回路のブロック/概略図を示す。
図1B】[0011] 本開示の別の態様による、例示的なユニバーサルシリアルバス(USB)タイプC(USB-C)コネクタのピン図を示す。
図2】[0012] 本開示の別の態様による、例示的なチャネルクロストークキャンセルシステムのブロック図を示す。
図3】[0013] 本開示の別の態様による、例示的なチャネルクロストークキャンセラのブロック図を示す。
図4】[0014] 本開示の別の態様による、別の例示的なユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース回路のブロック/概略図を示す。
図5】[0015] 本開示の別の態様による、共通の接地スイッチに起因するチャネルクロストークを低減する例示的な方法のフロー図を示す。
図6】[0016] 本開示の別の態様による、例示的なワイヤレス通信デバイスのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0017] 添付図面に関連して、以下に記載される「発明を実施するための形態」は、様々な構成の説明として意図されているものであり、本明細書で説明される構想を実践することができる、唯一の構成を表すことを意図するものではない。「発明を実施するための形態」は、様々な構想の完全な理解をもたらすことを目的とする、具体的な詳細を含む。しかしながら、当業者には、これらの具体的な詳細を伴わずとも、これらの構想を実践することができる点が明らかとなるであろう。場合によっては、そのような構想を不明瞭にすることを回避するために、周知の構造及び構成要素は、ブロック図の形式で示されている。
【0012】
[0018] 図1Aは、本開示の態様による、例示的なユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース回路100のブロック/概略図を示す。USBインターフェース回路100は、ステレオ右スピーカ180-R及びステレオ左スピーカ180-Lの対(例えば、ヘッドフォン)にUSBコネクタ170を介してアナログオーディオを提供するように構成される。本明細書で使用する場合、添え字-R及び-Lはそれぞれ、右オーディオチャネル及び左オーディオチャネルを指す。USBコネクタ170がUSB-Cコネクタとして実装される場合、スピーカ180-R及び180-Lへのアナログオーディオの提供が、USB-Cを介したオーディオ(audio over USB-C)モード又はオーディオアクセサリモードと呼ばれることがある。
【0013】
[0019] USBインターフェース回路100はまた、任意選択で、USBコネクタ170に接続された外部デバイスとの間で他の情報を送信及び/又は受信するように構成され得る。例えば、USBインターフェース100は、外部USBデバイスとの間でUSBアプリケーションデータ信号を送信及び/又は受信し得る。USBインターフェース100は、外部バッテリ充電器との間でバッテリ充電データ信号を送信及び/又は受信し得る。
【0014】
[0020] USBインターフェース回路100は、オーディオインターフェース(INTF)112と、ステレオデジタルアナログ変換器(DACs)114-R及び114-Lと、チャネルクロストーク(x-talk)キャンセラ115と、オフチップインダクタL及びLを含むステレオ増幅器116-R及び116-Lと、ステレオ切替え素子SW及びSWとを含む、集積回路(IC)110(破線の境界ボックスによって描写される)を含み得る。オーディオインターフェース112は、例えば、ホストデバイス(例えば、ワイヤレス通信デバイス、スマートフォン、タブレットデバイス、ラップトップ、デスクトップ、又は他のデバイス)のプロセッサ及び/又はメモリデバイスから、オーディオストリームを受信するように構成された入力部を含む。オーディオインターフェース112はそれぞれ、オーディオストリームに基づいて、ステレオDAC114-R及び114-Lの入力部に結合されたステレオ出力部においてステレオデジタルオーディオ信号D及びDを生成する。
【0015】
[0021] ステレオDAC114-R及び114-Lはそれぞれ、ステレオデジタルオーディオ信号D及びDを、チャネルクロストークキャンセラ115の入力部に結合された出力部においてステレオアナログオーディオ信号V及びVに変換する。本明細書でより詳細に説明するように、チャネルクロストークキャンセラ115は、ステレオアナログオーディオ信号V及びVを処理して、ステレオチャネルクロストークが低減されたクロストーク補償されたステレオアナログオーディオ信号VRX及びVLXを生成するように構成される。オフチップインダクタL及びLを含むステレオオーディオ増幅器116-R及び116-Lはそれぞれ、ステレオアナログオーディオ信号VRX及びVLXを増幅して、ステレオ切替え素子SW及びSWの第1の端子において、増幅されたステレオアナログオーディオ信号VAR及びVALを生成する。
【0016】
[0022] IC110は、切替え素子SW及びSWを更に含み、「P」は、USB差動データDPの正側を表し、「N」は、USB差動データの負側を表す。切替え素子SW及びSWは各々、任意選択のフローティング構成を有する単極双投(SPDT)スイッチとして実装され得る。切替え素子SW及びSWはそれぞれ、ステレオ切替え素子SW及びSWの第2の端子(及び、IC110の破線の境界において実線の円として表される、IC110のピン)に結合された極を含む。切替え素子SW及びSWはそれぞれ、アプリケーションプロセッサ140及び充電器回路150の正のデータポートDPに結合された第1のスローを含む。切替え素子SW及びSWはそれぞれ、アプリケーションプロセッサ140及び充電器回路150の負のデータポートDNに結合された第2のスローを含む。
【0017】
[0023] 例示的な動作として、アナログオーディオ信号VAR及びVALがスピーカ180-R及び180-Lに送信される場合、構成コントローラ195が、ステレオ切替え素子SW及びSWを閉状態に、切替え素子SW及びSWをフローティング状態に選択的に設定する。この構成では、アナログオーディオ信号VAR及びVALはそれぞれ、閉じたステレオ切替え素子SW及びSW、過電圧(OVP)スイッチ160-N及び160-P(例えば、電界効果トランジスタ(FETs))を介してスピーカ180-R及び180-Lに送信される。
【0018】
[0024] USBアプリケーションデータ信号が、アプリケーションプロセッサ140と、USBコネクタ170に接続されたUSBデバイスとの間で送信される場合、構成コントローラ195は、ステレオ切替え素子SW及びSWを開状態に選択的に設定し、切替え素子SW及びSWを、それらの極がそれらの第1のスローに接続されるように選択的に設定する。この構成では、USBアプリケーションデータ信号DP及びDNはそれぞれ、切替え素子SW及びSW、OVPスイッチ160-N及び160-P、並びにUSBコネクタ170を介して、アプリケーションプロセッサ140とUSBデバイスとの間で送信され得る。バッテリ充電データ信号が、バッテリ充電器回路150と、USBコネクタ170に接続されたバッテリ充電器との間で送信される場合、構成コントローラ195は、ステレオ切替え素子SW及びSWを開状態に選択的に設定し、切替え素子SW及びSWを、それらの極がそれらの第2のスローに接続されるように選択的に設定する。この構成では、バッテリ充電データ信号DP及びDNはそれぞれ、切替え素子SW及びSW、OVPスイッチ160-N及び160-P、並びにUSBコネクタ170を介して、バッテリ充電器回路150とバッテリ充電器との間で送信される。
【0019】
[0025] IC110は、過電圧保護(OVP)回路130と、クロスカップリング切替え素子118と、マイクロフォンバイアス(MB)回路124と、マイクロフォン増幅器120と、マイクロフォンアナログデジタル変換器(ADC)122と、を更に含む。OVP回路130は、USBコネクタ170による外部過電圧からIC110を保護する目的のために、ICピンのセットを介してオフチップスイッチ160-N、160-P、162-1、162-2、164-1、及び164-2(例えば、FETとして実装される)を制御するように構成される。すなわち、OVP回路130がUSBコネクタ170による過電圧を検知した場合、OVP回路130は、対応するFET160-N、160-P、162-1、162-2、164-1、及び164-2をオフにして、過電圧がIC110に伝播してIC110を損傷させることを防止し得る。通常動作では、FET160-N、160-P、162-1、162-2、164-1、及び164-2は、オンにされる。
【0020】
[0026] クロスカップリング切替え素子118は、OVP FET162-1及び162-2にそれぞれ結合された「入力」端子を含む。クロスカップリング切替え素子118は、接地に結合された「出力」端子と、オフチップインダクタLに結合されたICピンと、を含む。MB回路124は、別のICピンを介してオフチップ抵抗器Rに結合される。マイクロフォン増幅器120は、別のICピンを介してオフチップインダクタL及び抵抗器Rに結合された入力部を含む。マイクロフォン増幅器120は、ADC122の入力部に結合された出力部を含む。ADC122は、オーディオインターフェース112の入力部に結合された出力部を含む。
【0021】
[0027] マイクロフォンオーディオ処理に関して、スピーカ180-R及び180-Lに関連付けられ得るマイクロフォン(例えば、ヘッドフォンの一体型マイクロフォン)によって生成されたアナログオーディオ信号が、OVP FET162-1又は162-2を介して受信され、クロスカップリング切替え素子118を介してオフチップインダクタLにルーティングされる。インダクタL及び抵抗器Rは、マイクロフォンオーディオ信号から高周波ノイズを除去するローパスフィルタ(LPF)を形成する。マイクロフォンバイアス回路124は、マイクロフォンオーディオ信号に電圧オフセットを加えて、信号のダイナミックレンジを設定する。マイクロフォン増幅器120は、マイクオーディオ信号を増幅する。ADC122は、マイクロフォンオーディオ信号をデジタルオーディオ信号に変換する。オーディオインターフェース112は、デジタルオーディオ信号をオーディオストリームに変換し、そのオーディオストリームをホストデバイスのプロセッサ及び/又はメモリに送信する。
【0022】
[0028] クロストークキャンセルの目的のために、IC110は、OVP FET164-1及び164-2に結合された入力部と、クロストーク検知信号を生成し、クロストークキャンセラ115の入力部に結合される出力部と、を含むクロストーク(x-talk)センサ128を含む。
【0023】
[0029] USBコネクタ170は、スピーカがUSBコネクタ170に接続されているときに、OVP FET160-N及び右スピーカ180-Rの第1の「1」端子に結合される負の差動データピンDNを含む。USBコネクタ170は、スピーカがUSBコネクタ170に接続されているときに、OVP FET160-P及び左スピーカ180-Lの第1の「1」端子に結合される正の差動データピンDPを含む。上述したように、USBコネクタ170はSBU1ピンを含み、SBU1ピンは、USBコネクタ170へのスピーカの接続が第1の向きである場合、OVP FET162-1に、かつ、右スピーカ180-R及び左スピーカ180-Lの共通の(互いに結合された)第2の「2」端子、あるいはスピーカ180-R及び180-Lに関連付けられたマイクロフォン(図示せず)に結合され得る。また、上述したように、USBコネクタ170はSBU2ピンを含み、SBU2ピンは、USBコネクタ170へのスピーカの接続が第2の(反転された)向きにある場合、OVP FET162-2に、かつ、マイクロフォン、あるいは右スピーカ180-R及び左スピーカ180-Lの共通の第2の端子に結合され得る。
【0024】
[0030] 図1Bは、本開示の別の態様による、USBインターフェース回路100のUSBコネクタ170として使用され得る例示的な雌型USB-Cコネクタのピン図を示す。USB-Cコネクタ170は、回転対称形のコネクタである。すなわち、スピーカ180-R及び180-L並びにマイクロフォン(又は他のUSBデバイス)に関連付けられた対応する雄型USBコネクタが、第1の向き又は第2の(反転された)向きで雌型USBコネクタ170に差し込まれることがあり、信号機能は影響を受けないはずである。
【0025】
[0031] 例えば、USB-Cコネクタ170は、左から右にA1~A12とラベル付けされた上の列のピンを有し、ピンはそれぞれ、接地リターン(GND)、第1の送信差動正(TX1+)、第1の送信差動負(TX1-)、バスパワー(VBUS)、第1の構成チャネル(CC1)、正の差動データ(DP又はD+)、負の差動データ(DP又はD-)、第1の側波帯使用(SBU1)、バスパワー(VBUS)、第2の受信差動負(RX2-)、第2の受信差動正(RX2+)、及び接地リターン(GND)として指定される。同様に、USB-Cコネクタ170は、右から左にB1~B12とラベル付けされた下の列のピンを有し、ピンはそれぞれ、接地リターン(GND)、第2の送信差動正(TX2+)、第2の送信差動負(TX2-)、バスパワー(VBUS)、第2の構成チャネル(CC2)、正の差動データ(DP又はD+)、負の差動データ(DP又はD-)、第2の側波帯使用(SBU2)、バスパワー(VBUS)、第1の受信差動負(RX1-)、第1の受信差動正(RX1+)、及び接地リターン(GND)として指定される。したがって、ピンA1~A12はそれぞれ、ピンB1~B12に実質的に対応し、ピンA1~A12のうちのいくつかが、添え字「1」及び「2」で指定され(CC1、SBU1、TX1+/TX1-、及びRX2+/RX2-)、ピンB1~B12のうちのいくつかもまた、添え字「2」及び「1」で指定される(CC2、SBU2、TX2+/TX2-、及びRX1+/RX1-)という点でいくつかの違いがある。
【0026】
[0032] したがって、正の差動データピンDP及び負の差動データピンDNに関して、スピーカ180-R及び180-Lの第1の端子はそれぞれ、スピーカ雄型コネクタがUSB-Cコネクタ170に第1の向きで差し込まれるか、第2の(反転された)向きで差し込まれるかにかかわらず、DP及びDNピンに接触し得る。SBU1ピン及びSBU2ピンに関して、第1の構成では、スピーカ180-R及び180-Lの共通の第2の端子は、SBU1(A8)ピンに接触し得、関連付けられたマイクロフォンは、SBU2(B8)ピンに接触し得る。第2の(反転された)向きでは、スピーカ180-R及び180-Lの共通の第2の端子は、SBU2(B8)ピンに接触し得、関連付けられたマイクロフォンは、SBU1(A8)ピンに接触し得る。
【0027】
[0033] 構成コントローラ195は、スピーカコネクタがUSB-Cコネクタ170に差し込まれる(第1又は第2の)向きを検知し得、それに応じてクロスカップリング切替え素子118、並びにクロストークセンサ128を構成し得る。例えば、コントローラ195が第1の向きを検出した場合、コントローラ195は、SBU1ピン(スピーカの共通端子)をOVP FET162-1を介して接地に結合し、SBU2ピン(マイクロフォン)をOVP FET162-2を介してマイクロフォンオーディオ処理回路(例えば、インダクタL、抵抗器R、マイクロフォンバイアス回路124、マイクロフォン増幅器120、及びADC122)に結合するように、クロスカップリング切替え素子118を構成する。コントローラ195が第2の(反転された)向きを検出した場合、コントローラ195は、SBU2ピン(スピーカの共通端子)をOVP FET162-2を介して接地に結合し、SBU1ピン(マイクロフォン)をOVP FET162-1を介してマイクロフォンオーディオ処理回路(例えば、インダクタL、抵抗器R、マイクロフォンバイアス回路124、マイクロフォン増幅器120、及びADC122)に結合するように、クロスカップリング切替え素子118を構成する。
【0028】
[0034] 前に説明したように、USBインターフェース回路100がアナログオーディオをスピーカ180-R及び180-Lに送信するように構成されている場合、構成コントローラ195は、ステレオ切替え素子SW及びSWを閉じて、ステレオオーディオ信号VAR及びVALをそれぞれFET160-N及び160-Pを介して右スピーカ180-R及び左スピーカ180-Lに送信する。スピーカリターン信号は、スピーカ180-R及び180-Lの共通端子が接続されるOVP FET162-1又は162-2(例えば、本明細書では接地スイッチと呼ばれることがある)を介して接地に送信される。接地スイッチ162-1及び162-2は各々、有限のターンオン抵抗RONを有する。本明細書で更に説明するように、ターンオン抵抗RONは、右スピーカ180-Rと左スピーカ180-Lとの間に線形クロストーク及び非線形クロストークを生成する。
【0029】
[0035] 例えば、右スピーカ180-R及び左スピーカ180-Lを通るステレオオーディオ信号電流I及びIは、共通の第2の端子において合算され、接地スイッチ162-1又は162-2を通って流れる。したがって、接地FET162-1又は162-2の両端間の電圧は、(I+I)*RONである。右スピーカ180-R及び左スピーカ180-Lの第1の端子における電圧はそれぞれ、実質的にVAR及びVALである(切替え素子SW及びSWとスピーカ180-R及び180-Lの第1の端子との間にIR損失がないと仮定する)。したがって、右スピーカ180-R及び左スピーカ180-Lの両端間の電圧降下ΔV及びΔVは、以下のようになる。
【0030】
【数1】
【0031】
なお、右スピーカ180-R及び左スピーカ180-Lの両端間の電圧降下ΔV及びΔVはそれぞれ、クロストーク成分I*RON及びI*RONを有する。すなわち、式1によれば、右スピーカ180-Rの両端間の電圧降下ΔVは、左スピーカ180-Lを通って流れる電流Iに関連する。同様に、式2によれば、左スピーカ180-Lの両端間の電圧降下ΔVは、右スピーカ180-Rを通って流れる電流Iに関連する。そのようなクロストーク成分I*RON及びI*RONは、スピーカ180-R及び180-Lによって生成される音の精度及び忠実度に影響を及ぼし、音の精度及び忠実度を改善するために除去又は低減され得る。
【0032】
[0036] この点に関して、構成コントローラ195は、較正手順中に、スピーカ180-R及び180-Lの共通の第2の端子に結合される「レプリカ接地」FET164-1又は164-2を通る電流を検知するようにクロストークセンサ128を構成する。較正手順中、FET162-1及び162-2は、スピーカ180-R及び180-Lからの全リターン電流がクロストークセンサ128に流れるように、オフにされ得る。較正手順の第1の段階の間、電圧VALは、ゼロ(0)ボルト(V)に設定され、電圧VARは、既知の電圧VCALに設定される。クロストークセンサ128は、次いで、検知された電流ISNS1を測定する。次いで、較正手順の第2の段階の間、電圧VARは、0Vに設定され、電圧VALは、既知の電圧VCALに設定される。クロストークセンサ128は、次いで、検知された電流ISNS2を測定する。クロストークセンサ128は、検知された電流ISNS1及びISNS2に基づいてクロストーク検知信号を生成し、クロストーク検知信号をクロストークキャンセラ115に提供し得る。
【0033】
[0037] クロストークキャンセラ115は、検知された電流ISNS1及びISNS2に基づいて、右スピーカ及び左スピーカの抵抗R及びRを計算し得る。クロストークキャンセラ115は、次いで、クロストーク成分I*RON及びI*RONを、R/RON及びR/RON又はいくつかの他の公式(例えば、R|/(R||RON)及びR/(R||RON)、ここで、||は並列抵抗を示す。)に関連するものとして推定し得る。クロストークキャンセラ115は、クロストーク成分を低減又は実質的に排除するために、推定されたクロストーク成分est(I*RON)及びest(I*RON)をそれぞれステレオアナログ信号V及びVに加算する。したがって、クロストーク補償を用いて、スピーカ180-R及び180-Lの両端間の電圧は、以下のように表され得る。
【0034】
【数2】
【0035】
したがって、式3及び式4によれば、スピーカ180-R及び180-Lの両端間の電圧ΔV及びΔVは、クロストークキャンセラ115によって提供されたクロストーク補償に起因して、クロストーク成分を実質的に有していない。
【0036】
[0038] USBインターフェース回路100におけるクロストークキャンセル手法には、いくつかの欠点がある。第1に、追加のFET164-1及び164-2は、キャンセル目的のためにクロストーク検知を行う必要がある。第2に、追加のFET164-1及び164-2は、USBコネクタ170のSBU1ピン及びSBU2ピンに配線される必要があり、これにより、プリント回路基板(PCB)ルーティング及びUSBコネクタ170に対するスター接続が必要となり得る。第3に、IC110は、クロストークセンサ128をFET164-1及び164-2に結合する追加のピンを必要とする。したがって、USBインターフェース回路100におけるクロストークキャンセル手法は、複雑であり、配線、ルーティング、PCB及びICピンの複雑さ、製品コスト、材料の構築(Build of material、BOM)コスト、信頼性の問題、及び他の不利な問題を増大させる。
【0037】
[0039] 図2は、本開示の別の態様による、例示的なステレオクロストークキャンセルシステム200のブロック図を示す。クロストークキャンセルシステム200は、USBインターフェース回路100のオーディオインターフェース112、DAC114-R及び114-L、クロストークキャンセラ115、オーディオ増幅器116-R及び116-L、並びにクロストークセンサ128に取って代わり得る。加えて、ステレオクロストークキャンセルシステム200では、追加のオフチップFET164-1及び164-2、並びに関連付けられたICピン、PCB配線、及びUSBコネクタ170へのスター接続が不要である。したがって、上で説明したFET164-1及び164-2を使用する欠点が、クロストークキャンセルシステム200を使用して排除される。
【0038】
[0040] 特に、ステレオクロストークキャンセルシステム200は、オーディオインターフェース(INTF)202と、任意選択のステレオ補間器204-R及び204-Lと、チャネルクロストーク(x-talk)キャンセラ206と、ステレオ加算器208-R及び208-Lと、ステレオデジタルアナログ変換器(DAC)210-R及び210-Lと、ステレオ増幅器212-R及び212-L(簡略化のために、この図には示されていないオフチップインダクタを含む)と、スピーカ抵抗検出器220と、を含む。
【0039】
[0041] オーディオインターフェース202は、例えば、ホストデバイス(例えば、ワイヤレス通信デバイス、スマートフォン、タブレットデバイス、ラップトップ、デスクトップ、又は他のデバイス)のプロセッサ及び/又はメモリデバイスから、オーディオストリームを受信するように構成された入力部を含む。オーディオインターフェース202はそれぞれ、オーディオストリームに基づいて、任意選択のステレオ補間器204-R及び204-Lの入力部に結合されたステレオ出力部においてステレオデジタルオーディオ信号DR1及びDL1を生成する。ステレオ補間器204-R及び204-Lはそれぞれ、ステレオデジタルオーディオ信号DR1及びDL1をアップサンプリングして、クロストークキャンセラ206のステレオ入力部並びにステレオ加算器208-R及び208-Lの入力部に結合された出力部において、アップサンプリングされたステレオデジタルオーディオ信号DR2及びDL2を生成する。上述したように、補間器204-R及び204-Lは任意選択であり、オーディオインターフェース202のステレオ出力部はそれぞれ、クロストークキャンセラ206のステレオ入力部並びにステレオ加算器208-R及び208-Lの入力部に直接結合され得る。
【0040】
[0042] 本明細書でより詳細に説明するように、クロストークキャンセラ206は、ステレオデジタルオーディオ信号DR2及びDL2(又はDR1及びDL1)と、スピーカ抵抗検出器220によって生成されたスピーカ抵抗信号Zとに基づいて、ステレオクロストークキャンセル信号DRXC及びDLXCを生成する。スピーカ抵抗信号ZSは、右スピーカ180-Rの抵抗R及び左スピーカ180-Lの抵抗Rの測定値を提供する。なお、接地スイッチ162-1又は162-2のターンオン抵抗RONは、製造業者ごと及びロットごとに変動し得、また、ヘッドフォンスピーカ抵抗R及びRは、USBコネクタ170に接続されたヘッドフォンのモデル又はタイプに依存して変動し得る。
【0041】
[0043] クロストークキャンセル信号DRXC及びDLXCは、式1及び式2を参照して前に説明した推定されたクロストーク補償成分est(I*RON)及びest(I*RON)のデジタルバージョンに対応し得る。しかし、接地スイッチ162-1又は162-2のターンオン抵抗RONは、接地スイッチ162-1又は162-2を通って流れる電流I+Iによって非線形に変動し得る。したがって、本明細書で更に詳細に説明するように、クロストーク補償信号DRXC及びDLXCは各々、接地スイッチ162-1又は162-2のターンオン抵抗RONの線形変動及び非線形変動を補償するための、線形成分及び非線形成分を含む。
【0042】
[0044] ステレオ加算器208-R及び208-Lはそれぞれ、ステレオDAC210-R及び210-Lの入力部に結合された出力部において、クロストーク補償されたステレオデジタルオーディオ信号DRX及びDLXを生成するために、ステレオデジタルオーディオ信号DR2及びDL2をクロストークキャンセル信号DRXC及びDLXCと合算する。ステレオDAC210-R及び210-Lはそれぞれ、クロストーク補償されたステレオデジタルオーディオ信号DRX及びDLXを、オーディオ増幅器212-R及び212-Lの差動入力部に結合された差動出力部において、クロストーク補償された差動アナログオーディオ信号VRX及びVLXに変換する。可変利得又はプログラマブルな利得を有し得るオーディオ増幅器212-R及び212-Lはそれぞれ、クロストーク補償された差動アナログオーディオ信号VRX及びVLXを増幅して、増幅されたステレオオーディオ信号VAR及びVALを生成し、これらは、それぞれステレオ切替え素子SW及びSWを介してスピーカ180-R及び180-Lに提供され得る。
【0043】
[0045] スピーカ抵抗検出器220は、増幅されたオーディオ信号VAR及びVALをそれぞれ受信するためにステレオオーディオ増幅器212-R及び212-Lの出力部に結合された入力部を含む。スピーカ抵抗検出器220は、較正手順に従ってVAR又はVALのいずれかの既知の較正された電圧VCALに基づいて、右スピーカ180-R及び左スピーカ180-Lの抵抗R及びRを決定することができる。例えば、増幅器212-R及び212-Lがスピーカ抵抗検出器220の入力部から分離された状態では、電圧VARは、接地スイッチ162-1又は162-2がオンにされた状態で、較正された電圧VCALに設定され得、スピーカ抵抗検出器220は、較正手順の第1の段階に従ってVAL端子を介して受信された第1の検知電流ISNS1を測定し得る。第1の較正段階に従って、スピーカ抵抗検出器220は、以下の式を導出し得る。
【0044】
【数3】
【0045】
第2の較正段階に従って、電圧VARは、接地スイッチ162-1又は162-2が今度はオフにされた状態で、較正された電圧VCALに設定され得、スピーカ抵抗検出器220は、次いで、VAL端子を介して受信された第2の検知電流ISNS2を測定し得る。スピーカ抵抗検出器220は、以下の式を導出し得る。
【0046】
【数4】
【0047】
第1の較正オプションに従って、右スピーカの抵抗Rと左スピーカの抵抗Rは同じであると仮定される。VCALが既知であるので、スピーカ抵抗検出器220は、2つの方程式-2つの未知数代数処理を使用して、R/R及びRONを解き得る。これにより、スピーカ抵抗検出器220は、R、R及びRONを含むインピーダンス信号ZSを生成する。
【0048】
[0046] 第2の較正オプションに従って、右スピーカの抵抗Rと左スピーカの抵抗Rは同じでないと仮定される。この点に関して、較正の追加の第3の段階は、電圧VALが較正された電圧VCALに設定され、かつ、接地スイッチ162-1又は162-2がオンにされた状態で実行され、スピーカ抵抗検出器220は、較正手順の第3の段階に従って、VAR端子を介して受信された第3の検知電流ISNS3を測定し得る。スピーカ抵抗検出器220は、以下の式を導出し得る。
【0049】
【数5】
【0050】
CALが既知であるので、スピーカ抵抗検出器220は、3つの方程式-3つの未知数代数処理を使用して、R、R、及びRONを解き得る。同様に、スピーカ抵抗検出器220は、R、R、及びRONを含むインピーダンス信号ZSを生成する。
【0051】
[0047] 図3は、本開示の別の態様による、例示的なステレオクロストークキャンセラ300のブロック図を示す。ステレオクロストークキャンセラ300は、ステレオクロストークキャンセルシステム200のクロストークキャンセラ206のより詳細な例示的な実装形態であり得る。
【0052】
[0048] 特に、クロストークキャンセラ300は、線形クロストークキャンセル回路310及び非線形クロストークキャンセル回路320を含む。線形クロストークキャンセル回路310は、第1の係数C1乗算器312-R、第2の係数C2乗算器312-L、第1の加算器314-R、及び第2の加算器314-Lを含む。第1の乗算係数C1は、R/RON、R/(R||RON)、又は何らかの他の公式に関連し得る。これは、これらの値がスピーカ抵抗検出器220によってクロストークキャンセラ300に提供されたためである。同様に、第2の乗算係数C2は、R/RON、R/(R||RON)、又は何らかの他の公式に関連し得る。C1乗算器312-R及びC2乗算器312-Lはそれぞれ、ステレオデジタルオーディオ信号DR2及びDL2を受信するために補間器204-R及び204-Lの出力部に結合された入力部を含む。したがって、C1乗算器312-R及びC2乗算器312-Lはそれぞれ、加算器314-R及び314-Lの第1の入力部に結合された出力部において線形クロストークキャンセル信号C1*DR2及びC2*DL2を生成するように構成される。
【0053】
[0049] 非線形クロストークキャンセル回路320は同様に、第1の係数C1乗算器322-R、第2の係数C2乗算器322-L、加算器324、非線形計算ブロック(例えば、二乗器)326、及び第3の係数K乗算器328を含む。第1の係数C1乗算器322-R及び第2の係数C2乗算器322-Lはまたそれぞれ、ステレオデジタルオーディオ信号DR2及びDL2を受信するために補間器204-R及び204-Lの出力部に結合された入力部を含む。したがって、C1乗算器322-R及びC2乗算器322-Lはそれぞれ、加算器324の入力部に結合された出力部において中間信号の第1のセットC1*DR2及びC2*DL2を生成するように構成される。乗算器322-R及び322-Lは、乗算器312-R及び312-Lと実質的に同じ機能を実行するので、クロストークキャンセラ300は、両方の動作を実施するために、任意選択で、それらのうちの1対を使用し得ることを理解されたい。
【0054】
[0050] 加算器324は、非線形計算ブロック326の入力部に結合された出力部において、合算された第2の中間信号C1*DR2+C2*DL2を生成するために、中間信号の第1のセットを合算する。二乗器であり得る非線形計算ブロック326は、第3の係数K乗算器328の入力部に結合された出力部において第3の中間信号(C1*DR2+C2*DL2を生成する。非線形計算ブロック326は二乗器として例示されているが、非線形計算ブロック326は、より高次の非線形化計算を更に実行し得ることを理解されたい。第3の乗算係数K乗算器328は、非線形クロストークキャンセル回路320の出力部において非線形クロストークキャンセル信号K*(C1*DR2+C2*DL2を生成するために、第3の中間信号(C1*DR2+C2*DL2に第3の係数Kを乗算する。第3の係数Kは、接地スイッチ162-1又は162-2のターンオン抵抗RONの非線形特性に基づいて経験的に決定され得る。
【0055】
[0051] 第3の係数乗算器328の出力部は、線形クロストークキャンセル回路310の第1及び第2の加算器314-R及び314-Lの第2の入力部に結合される。第1の加算器314-R及び第2の加算器314-Lはそれぞれ、ステレオ加算器208-R及び208-Lの第2の入力部に結合された出力部においてクロストークキャンセルステレオ信号DRXC及びDLXCを生成するために、線形クロストークキャンセル信号C2*DL2及びC1*DR2を非線形クロストークキャンセル信号K*(C1*DR2+C2*DL2と合算する。
【0056】
[0052] 図4は、本開示の別の態様による、別の例示的なユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース回路400のブロック/概略図を示す。USBインターフェース回路400は、USBインターフェース回路100に基づいており、集積回路(IC)410を含み、集積回路は、オーディオインターフェース412と、オフチップインダクタL及びLを含む右チャネルオーディオ増幅器416-R及び左チャネルオーディオ増幅器416-Lと、ステレオ切替え素子SW及びSWと、SPDT切替え素子SW及びSWと、過電圧保護(OVP)回路430と、クロスカップリング切替え素子418と、オフチップ抵抗器Rに結合されたマイクロフォンバイアス(MB)回路424、オフチップインダクタL及び抵抗器Rに結合されたオーディオ増幅器420、並びにアナログデジタル変換器(ADC)422を含む、マイクロフォン処理回路と、を含む。同様に、USBインターフェース回路400は、アプリケーションプロセッサ440と、充電器回路450と、構成コントローラ495と、過電圧保護(OVP)スイッチ460-N、460-P、462-1、及び462-2(例えば、FET)と、ヘッドフォンスピーカ480-R及び480-Lに接続され得るUSBコネクタ470と、を含む。これらの前述した要素については、それらの接続及び動作を含めて、USBインターフェース回路100に関して詳細に説明した。
【0057】
[0053] USBインターフェース回路400は、クロストークキャンセラ402、加算器404-R及び404-L、並びにスピーカ抵抗検出器406を含む点で、USBインターフェース回路100とは異なる。クロストークキャンセラ402は、前に詳細に説明したクロストークキャンセラ206又は300に対応し得る。加算器404-R及び404-Lは、加算器208-R及び208-Lに対応し得、スピーカ抵抗検出器406は、前に詳細に説明したスピーカ抵抗検出器220に対応し得る。
【0058】
[0054] より具体的には、クロストークキャンセラ402は、ステレオデジタルオーディオ信号D及びDを受信するためにオーディオインターフェース412のステレオ出力部にそれぞれ結合されたステレオ入力部を含む。前述したように、補間器204-R及び204-Lは任意選択であるので、図4に示していない。しかし、USBインターフェース回路400がそのような補間器を含み得ることを理解されたい。クロストークキャンセラ402は、クロストーク補償されたステレオデジタル信号DRX及びDLXを生成するために、加算器404-R及び404-Lによってステレオデジタルオーディオ信号D及びDとそれぞれ合算される右クロストーク補償信号及び左クロストーク補償信号を生成するように構成される。USBインターフェース回路400は、クロストーク補償されたステレオデジタル信号DRX及びDLXを受信し、クロストーク補償されたステレオアナログ信号VRX及びVLXをそれらから生成するために、加算器404-R及び404-Lの出力部にそれぞれ結合されたステレオDAC414-R及び414-Lを更に含む。
【0059】
[0055] ステレオオーディオ増幅器416-R及び416-Lはそれぞれ、クロストーク補償されたステレオアナログ信号VRX及びVLXを受信及び増幅して、増幅されたクロストーク補償されたステレオアナログ信号VAR及びVALを生成するために、ステレオDAC414-R及び414-Lの出力部に結合された入力部を含み、これらの信号はそれぞれ、ステレオ切替え素子SW及びSW、OVPスイッチ460-N及び460-P、並びにUSBコネクタ470のピンDN及びDPを介してヘッドフォンスピーカ480-R及び480-Lに提供され得る。
【0060】
[0056] スピーカ抵抗検出器406は、ステレオオーディオ増幅器416-R及び416-Lの出力部にそれぞれ結合された入力部を含む。前に説明したように、スピーカ抵抗検出器406は、右スピーカ480-R及び左スピーカ480-Lの等しいと仮定された抵抗と、接地スイッチ462-1又は462-2の抵抗とを、式5及び式6を使用して決定する第1の較正オプションを実行し得る。あるいは、スピーカ抵抗検出器406は、右スピーカ480-R及び左スピーカ480-Lの抵抗並びに接地スイッチ462-1又は462-2の抵抗を決定する第2の較正オプションを式5~式7を使用して実行し得る。スピーカ抵抗検出器406は、スピーカ及び接地スイッチの抵抗情報を用いてスピーカ抵抗信号ZSを生成し、それをクロストークキャンセラ402に提供し、クロストークキャンセラは、前に説明したように、スピーカ抵抗信号ZSに基づいて係数C1及びC2を決定する。
【0061】
[0057] なお、レプリカ過電圧(OVP)スイッチ164-1及び164-2、USBコネクタ170のSBU1ピン及びSBU2ピンへのそれらの接続、並びにIC110のピンへのそれらの接続は、USBインターフェース回路400では排除されている。これにより、配線、ルーティング、PCB及びICピンの複雑さ、製品コスト、材料の構築(BOM)コスト、信頼性の問題、及び他の不利な問題が低減及び/又は排除される。
【0062】
[0058] 図5は、本開示の別の態様による、共通の接地スイッチに起因するステレオクロストークを低減する例示的な方法500のフロー図を示す。方法500は、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を生成すること(ブロック510)を含む。第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を生成するための手段の例は、オーディオインターフェース112、オーディオインターフェース202、オーディオインターフェース412、並びに補間器204-R及び204-Lを含む。
【0063】
[0059] 方法500は、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理すること(ブロック520)を更に含む。第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段の例は、クロストークキャンセラ206、クロストークキャンセラ300、線形クロストークキャンセル回路310若しくは非線形クロストークキャンセル回路320のいずれか1つ、又はクロストークキャンセラ402を含む。
【0064】
[0060] 加えて、方法500は、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号をそれぞれ第1及び第2のアナログオーディオ信号に変換すること(ブロック530)を含む。第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号をそれぞれ第1及び第2のアナログオーディオ信号に変換するための手段の例は、DAC210-R及び210-L、並びにDAC414-R及び414-Lを含む。
【0065】
[0061] 更に、方法500は、第1及び第2のアナログオーディオ信号をそれぞれ、接地スイッチを介して接地に結合された共通端子を有する第1及び第2のスピーカに提供すること(ブロック540)を含む。第1及び第2のアナログオーディオ信号をそれぞれ、接地スイッチを介して接地に結合された共通端子を有する第1及び第2のスピーカに提供するための手段の例は、USBコネクタ170、470、及び550を含む。
【0066】
[0062] ブロック520に従った第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号の処理は、第1の中間デジタル信号を生成するために、第1のチャネルデジタルオーディオ信号に第1の係数を乗算することと、第2の中間デジタル信号を生成するために、第2のチャネルデジタルオーディオ信号に第2の係数を乗算することと、を含み得る。第1の中間デジタル信号を生成するために、第1のチャネルデジタルオーディオ信号に第1の係数を乗算するための手段の例は、乗算器312-R及び322-Rを含む。第2の中間デジタル信号を生成するために、第2のチャネルデジタルオーディオ信号に第2の係数を乗算するための手段の例は、乗算器312-L及び322-Lを含む。
【0067】
[0063] ブロック520に従った第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号の処理は、第3の中間信号を生成するために、第1及び第2の中間デジタル信号を合算することと、第4の中間デジタル信号を生成するために、第3の中間デジタル信号を二乗することと、第5の中間デジタル信号を生成するために、第4の中間デジタル信号に第3の係数を乗算することと、を更に含み得る。第3の中間信号を生成するために、第1及び第2の中間デジタル信号を合算するための手段の一例は、加算器324を含む。第4の中間デジタル信号を生成するために、第3の中間デジタル信号を二乗するための手段の一例は、非線形計算ブロック326を含む。第5の中間デジタル信号を生成するために、第4の中間デジタル信号に第3の係数を乗算するための手段の一例は、乗算器328を含む。
【0068】
[0064] ブロック520に従った第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号の処理は、第1のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、第2の中間信号を第5の中間信号と合算することと、第2のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、第1の中間信号を第5の中間信号と合算することと、第1のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1のクロストークキャンセルデジタル信号を第1のチャネルデジタルオーディオ信号と合算することと、第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第2のクロストークキャンセルデジタル信号を第2のチャネルデジタルオーディオ信号と合算することと、を更に含み得る。
【0069】
[0065] 第1のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、第2の中間信号を第5の中間信号と合算するための例示的な手段は、加算器314-Rを含む。第2のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、第1の中間信号を第5の中間信号と合算するための手段の一例は、加算器314-Lを含む。第1のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1のクロストークキャンセルデジタル信号を第1のチャネルデジタルオーディオ信号と合算するための手段の一例は、加算器208-Rを含む。また、第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第2のクロストークキャンセルデジタル信号を第2のチャネルデジタルオーディオ信号と合算するための手段の一例は、加算器208-Lを含む。
【0070】
[0066] 図6は、本開示の別の態様による、例示的なワイヤレス通信デバイス600のブロック図を示す。ワイヤレス通信デバイス600は、モバイルハンドセットデバイス、タブレットデバイス、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、健康監視デバイス、人間活動監視デバイス等)、モノのインターネット(IoT)デバイス等、任意のタイプのワイヤレス通信デバイスとして実装され得る。
【0071】
[0067] ワイヤレス通信デバイス600は、システムオンチップ(SOC)として実装され得る集積回路(IC)610を含む。SOC610は、USBアプリケーションプロセッサ625に結合された1つ又は複数の信号処理コア615を含み得る。1つ又は複数の信号処理コア615は、ベースバンド(BB)信号を生成及び/又は処理するように構成され得る。USBアプリケーションプロセッサ625は、1つ又は複数の信号処理コア615から受信されたオーディオデータに基づいてオーディオストリームを生成するように構成され得る。USBアプリケーションプロセッサ625はまた、1つ又は複数の信号処理コア615から受信されたデータに基づいてUSB差動データ信号VOUN/VOUPを生成するように、かつ/又はUSB-Cホストコネクタ650に接続されたクライアントデバイスから受信されたUSB差動データ信号VOUN/VOUPを処理するように構成され得る。
【0072】
[0068] ワイヤレス通信デバイス600は、前に説明したように、IC410ごとに実装され得る(一体型デジタルクロストークキャンセラを有する)USBインターフェース回路640を更に含む。USBインターフェース回路640は、USBアプリケーションプロセッサ625に結合されて、オーディオストリームをそこから受信し、かつ/又はそこに提供する。USBインターフェース回路640はまた、USBアプリケーションプロセッサ625に差動結合されて、USB差動データ信号VOUN/VOUPをそこから受信し、かつ/又はそこに提供する。USBインターフェース回路640は、充電器データ信号を受信及び/又は提供するために充電器回路635に結合され得る。USBインターフェース回路640は、USB差動送信線DP/DNの少なくとも一部分を含み、これは、過電圧保護(OVP)回路645、並びにUSB-Cコネクタ650のDN及びDNピンに結合される。OVP回路645は、右ステレオオーディオチャネル信号と左ステレオオーディオチャネル信号との間のクロストーク歪みを生成し得る、前に説明した接地スイッチ又はFETを含み得る。
【0073】
[0069] クライアントデバイスが、USB-Cコネクタ650に差し込まれ得る。モード信号がUSBデータ通信を示す場合、USBインターフェース回路640は、USB差動データ信号VOUN/VOUPをクライアントデバイス又はUSBアプリケーションプロセッサ625にルーティングし得る。モード信号がステレオオーディオ送信を示す場合、USBインターフェース回路640は、USB差動データ送信線DN/DP、OVP回路645、及びUSB-Cコネクタ650を介して、ステレオアナログオーディオ信号VAR及びVALをクライアントデバイスにルーティングし得る。また、モード信号が充電器データ通信を示す場合、USBインターフェース回路640は、充電器データ信号をクライアントデバイス又は充電器回路635にルーティングし得る。
【0074】
[0070] ワイヤレス送信のために、ワイヤレス通信デバイス600は、ベースバンド(BB)信号を1つ又は複数の信号処理コア615に提供するために、かつ/あるいは1つ又は複数の信号処理コアから受信するために、1つ又は複数の信号処理コア615に結合された送受信機660を含む。ワイヤレス通信デバイス600はまた、無線周波数(RF)信号を送受信機660に提供するための、かつ/又は送受信機から受信するための少なくとも1つのアンテナ665(例えば、アンテナアレイ)を含む。送信用途に従って、送受信機660は、送信BB信号を処理して、少なくとも1つのアンテナ665を介してリモートデバイスにワイヤレス送信するための送信RF信号を生成するように構成される。受信用途に従って、送受信機660は、少なくとも1つのアンテナ665から受信されたRF信号を処理して、1つ又は複数の信号処理コア615による信号処理のための受信BB信号を生成するように構成される。
【0075】
[0071] 以下は、本開示の態様の概要を提供する。
【0076】
[0072] 態様1:第1及び第2の出力部を含むオーディオインターフェースと、オーディオインターフェースの第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部を含むクロストークキャンセル回路と、オーディオインターフェースの第1の出力部に結合された第1の入力部及びクロストークキャンセル回路の第1の出力部に結合された第2の入力部を含む第1の加算器と、オーディオインターフェースの第2の出力部に結合された第1の入力部及びクロストークキャンセル回路の第2の出力部に結合された第2の入力部を含む第2の加算器と、第1の加算器の出力部に結合された入力部を含む第1のデジタルアナログ変換器(DAC)と、第2の加算器の出力部に結合された入力部を含む第2のDACと、を含む、装置。
【0077】
[0073] 態様2:クロストークキャンセル回路が、線形クロストークキャンセル回路を含む、態様1の装置。
【0078】
[0074] 態様3:線形クロストークキャンセル回路が、オーディオインターフェースの第1の出力部に結合された第1の入力部を含む第1の乗算器と、オーディオインターフェースの第2の出力部に結合された第2の入力部を含む第2の乗算器と、を含む、態様2の装置。
【0079】
[0075] 態様4:第1の乗算器が、第1のスピーカの両端間の第1の抵抗に関連する第1の乗算係数を有し、第2の乗算器が、第2のスピーカの両端間の第2の抵抗に関連する第2の乗算係数を有する、態様3の装置。
【0080】
[0076] 態様5:第1の乗算係数が、第1の抵抗を接地スイッチのターンオン抵抗で除算した値に関連し、第2の乗算係数が、第2の抵抗を接地スイッチのターンオン抵抗で除算した値に関連する、態様4の装置。
【0081】
[0077] 態様6:第1の乗算係数が、第1の抵抗を接地スイッチのターンオン抵抗と第2の抵抗との第1の並列抵抗で除算した値に関連し、第2の乗算係数が、第2の抵抗を接地スイッチのターンオン抵抗と第1の抵抗との第2の並列抵抗で除算した値に関連する、態様4の装置。
【0082】
[0078] 態様7:クロストークキャンセル回路が、非線形クロストークキャンセル回路を備える、態様1~6のいずれか1つの装置。
【0083】
[0079] 態様8:非線形クロストークキャンセル回路が、オーディオインターフェースの第1の出力部に結合された第3の入力部を含む第3の乗算器と、オーディオインターフェースの第2の出力部に結合された第4の入力部を含む第4の乗算器と、第3及び第4の乗算器の第3及び第4の出力部にそれぞれ結合された入力部を含む第3の加算器と、第3の加算器の出力部に結合された入力部を含む非線形計算ブロックと、非線形計算ブロックの出力部に結合された入力部を含む第5の乗算器と、を備える、態様7の装置。
【0084】
[0080] 態様9:非線形計算ブロックが、二乗器を備える、態様8の装置。
【0085】
[0081] 態様10:第5の乗算器が、接地スイッチのターンオン抵抗の非線形特性に関連する乗算係数を含む、態様8又は9の装置。
【0086】
[0082] 態様11:線形クロストークキャンセル回路が、第2及び第5の乗算器の出力部にそれぞれ結合された入力部及び第1の加算器の第2の入力部に結合された出力部を含む第4の加算器と、第1及び第5の乗算器の出力部にそれぞれ結合された入力部及び第2の加算器の第2の入力部に結合された出力部を含む第5の加算器と、を更に含む、態様8~10のいずれか1つの装置。
【0087】
[0083] 態様12:クロストークキャンセル回路が、非線形クロストークキャンセル回路を備える、態様1~6のいずれか1つの装置。
【0088】
[0084] 態様13:非線形クロストークキャンセル回路が、オーディオインターフェースの第1の出力部に結合された入力部を含む第1の乗算器と、オーディオインターフェースの第2の出力部に結合された入力部を含む第2の乗算器と、第1及び第2の乗算器の出力部にそれぞれ結合された入力部を含む第3の加算器と、第3の加算器の出力部に結合された入力部を含む非線形計算ブロックと、非線形計算ブロックの出力部に結合された入力部を含む第3の乗算器と、を備える、態様12の装置。
【0089】
[0085] 態様14:第1のDACの出力部に結合された入力部を含む第1のオーディオ増幅器と、第2のDACの出力部に結合された入力部を含む第2のオーディオ増幅器と、を更に備える、態様1~13のいずれか1つの装置。
【0090】
[0086] 態様15:第1及び第2のオーディオ増幅器の第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部と、クロストークキャンセル回路に結合された出力部と、を含むスピーカ抵抗検出器を更に備える、態様14の装置。
【0091】
[0087] 態様16:ユニバーサルシリアルバス(USB)コネクタを更に備え、ユニバーサルシリアルバスコネクタが、第1のオーディオ増幅器の第1の出力部に選択的に結合される第1のピンであって、第1のスピーカの第1の端子に結合するように構成されている、第1のピンと、第2のオーディオ増幅器の第2の出力部に選択的に結合される第2のピンであって、第2のスピーカの第1の端子に結合するように構成されている、第2のピンと、接地スイッチに結合された第3のピンであって、第1及び第2のスピーカの共通の第2の端子に結合するように構成されている、第3のピンと、を含む、態様14又は15の装置。
【0092】
[0088] 態様17:第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を生成することと、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することと、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号をそれぞれ第1及び第2のアナログオーディオ信号に変換することと、第1及び第2のアナログオーディオ信号をそれぞれ、接地スイッチを介して接地に結合された共通端子を有する第1及び第2のスピーカに提供することと、を含む、方法。
【0093】
[0089] 態様18:第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することが、第1の中間デジタル信号を生成するために、第1のチャネルデジタルオーディオ信号に第1の係数を乗算することと、第2の中間デジタル信号を生成するために、第2のチャネルデジタルオーディオ信号に第2の係数を乗算することと、を含む、態様17の方法。
【0094】
[0090] 態様19:第1の係数が、第2のスピーカの両端間の第1の抵抗に関連し、第2の係数が、第1のスピーカの両端間の第2の抵抗に関連する、態様18の方法。
【0095】
[0091] 態様20:第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することが、第3の中間信号を生成するために、第1及び第2の中間デジタル信号を合算することと、第4の中間デジタル信号を生成するために、第3の中間デジタル信号を二乗することと、第5の中間デジタル信号を生成するために、第4の中間デジタル信号に第3の係数を乗算することと、を更に含む、態様18又は19の方法。
【0096】
[0092] 態様21:第3の係数が、接地スイッチの非線形抵抗に関連する、態様20の方法。
【0097】
[0093] 態様22:第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理することが、第1のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、第2の中間信号を第5の中間信号と合算することと、第2のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、第1の中間信号を第5の中間信号と合算することと、第1のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1のクロストークキャンセルデジタル信号を第1のチャネルデジタルオーディオ信号と合算することと、第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第2のクロストークキャンセルデジタル信号を第2のチャネルデジタルオーディオ信号と合算することと、を更に含む、態様20又は21の方法。
【0098】
[0094] 態様23:第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を生成するための手段と、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段と、第1及び第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号をそれぞれ第1及び第2のアナログオーディオ信号に変換するための手段と、第1及び第2のアナログオーディオ信号をそれぞれ、接地スイッチを介して接地に結合された共通端子を有する第1及び第2のスピーカに提供するための手段と、を備える、装置。
【0099】
[0095] 態様24:第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段が、第1の中間デジタル信号を生成するために、第1のチャネルデジタルオーディオ信号に第1の係数を乗算するための手段と、第2の中間デジタル信号を生成するために、第2のチャネルデジタルオーディオ信号に第2の係数を乗算するための手段と、を備える、態様23の装置。
【0100】
[0096] 態様25:第1の係数が、第2のスピーカの両端間の第1の抵抗に関連し、第2の係数が、第1のスピーカの両端間の第2の抵抗に関連する、態様24の装置。
【0101】
[0097] 態様26:第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段が、第3の中間信号を生成するために、第1及び第2の中間デジタル信号を合算するための手段と、第4の中間デジタル信号を生成するために、第3の中間デジタル信号を二乗するための手段と、第5の中間デジタル信号を生成するために、第4の中間デジタル信号に第3の係数を乗算するための手段と、を更に備える、態様24又は25の装置。
【0102】
[0098] 態様27:第3の係数が、接地スイッチの非線形抵抗に関連する、態様26の装置。
【0103】
[0099] 態様28:第1及び第2のチャネルデジタルオーディオ信号を処理するための手段が、第1のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、第1の中間信号を第5の中間信号と合算するための手段と、第2のクロストークキャンセルデジタル信号を生成するために、第2の中間信号を第5の中間信号と合算するための手段と、第1のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第2のクロストークキャンセルデジタル信号を第1のチャネルデジタルオーディオ信号と合算するための手段と、第2のクロストーク補償されたデジタルオーディオ信号を生成するために、第1のクロストークキャンセルデジタル信号を第2のチャネルデジタルオーディオ信号と合算するための手段と、を更に備える、態様26又は27の装置。
【0104】
[0100] 態様29:ワイヤレス通信デバイスであって、少なくとも1つのアンテナと、少なくとも1つのアンテナに結合された送受信機と、送受信機に結合された1つ又は複数の信号処理コアと、第1及び第2の出力部を含むオーディオインターフェースであって、1つ又は複数の信号処理コアに結合される、オーディオインターフェースと、オーディオインターフェースの第1及び第2の出力部にそれぞれ結合された第1及び第2の入力部を含むクロストークキャンセル回路と、オーディオインターフェースの第1の出力部に結合された第1の入力部及びクロストークキャンセル回路の第1の出力部を含む第1の加算器と、オーディオインターフェースの第2の出力部に結合された第2の入力部及びクロストークキャンセル回路の第2の出力部を含む第2の加算器と、第1の加算器の出力部に結合された入力部を含む第1のデジタルアナログ変換器(DAC)と、第2の加算器の出力部に結合された入力部を含む第2のDACと、を備えるワイヤレス通信デバイス。
【0105】
[0101] 態様30:第1のDACの出力部に結合された入力部を含む第1のオーディオ増幅器と、第2のDACの出力部に結合された入力部を含む第2のオーディオ増幅器と、ユニバーサルシリアルバス(USB)アプリケーションプロセッサと、充電器回路と、第1及び第2のオーディオ増幅器、USBアプリケーションプロセッサ、並びに充電器回路に選択的に結合されるUSBコネクタと、を更に備える、態様29のワイヤレス通信デバイス。
【0106】
[0102] 本開示の前述の説明は、あらゆる当業者が本開示を作成又は使用することが可能となるように提供される。本開示に対する様々な修正が、当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義されている一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の変形例に適用することができる。それゆえ、本開示は、本明細書で説明されている実施例に限定されることを意図するものではなく、本明細書で開示されている原理及び新規の特徴と一致する、最も広い範囲が与えられるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】