(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】マルチ流路流体制御バルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 11/074 20060101AFI20250117BHJP
F16K 11/22 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
F16K11/074 Z
F16K11/22 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024536524
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 KR2023000230
(87)【国際公開番号】W WO2023136548
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516011246
【氏名又は名称】ハンオン システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソウブジャキ, フーサム
【テーマコード(参考)】
3H067
【Fターム(参考)】
3H067AA13
3H067AA32
3H067BB03
3H067BB08
3H067BB12
3H067BB14
3H067CC32
3H067DD02
3H067DD13
3H067DD14
3H067DD45
3H067EA03
(57)【要約】
【課題】本発明は、マルチ流路流体制御バルブの選択された構成に応じて、複数の異なる入口と出口間の流体連通を効率的かつ効果的に提供できる改良されたマルチ流路流体制御バルブを生産することを目的とする。
【解決手段】本発明の流体制御バルブは、リングギア、第1回転バルブ体のアレイ、第2回転バルブ体のアレイ、シールプレートを含むバルブアセンブリを含み、第1回転バルブ体のそれぞれは、貫通して形成された少なくとも一つの第1流路を含み、第2回転バルブ体のそれぞれは、貫通して形成された少なくとも一つの第2流路を含むことを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バルブアセンブリを含む流体制御バルブであって、
前記第1バルブアセンブリは、
第1リングギアの回転軸を中心に選択的に回転する円筒形の前記第1リングギアと、
第1回転バルブ体のアレイと、
前記第1回転バルブ体のアレイは、前記第1回転バルブ体のそれぞれは円筒形形状であり、前記第1リングギアの回転に反応して、対応する回転軸を中心に選択的に回転するように構成され、前記第1回転バルブ体のそれぞれは、貫通して形成された少なくとも一つの第1流路を含み、
第2回転バルブ体のアレイは、前記第1リングギアの軸方向に対して、前記第1回転バルブ体の前記アレイから相殺された第2回転バルブ体のアレイで、前記第2回転バルブ体のそれぞれは円筒形形状であり、前記第1リングギアの回転に反応して該当する回転軸を中心に選択的に回転する円筒形の第2リングギアで構成され、
前記第2回転バルブ体のそれぞれは貫通して形成された少なくとも一つの第2流路を含む第2回転バルブ体のアレイと、
前記第1回転バルブ体のアレイと前記第2回転バルブ体のアレイの間に、前記第1リングギアの前記軸方向に対して配置された第1シールプレートと、からなり、
前記第1シールプレートは、軸方向に貫通形成された複数の第1流路開口を含み、前記第1流路開口のそれぞれは、前記第1回転バルブ体の前記アレイの前記第1流路の一つと、前記第2回転バルブ体の前記アレイの前記第2流路の一つとの間に流体連通を提供するよう構成されていることを特徴とする第1バルブアセンブリを含む流体制御バルブ。
【請求項2】
前記第1リングギアの第1回転位置は、前記第1流路のうち第1チャンネルと流体連通する前記第1流路開口のうち第1開口と一致し、前記第1リングギアの第2回転位置は、前記第1流路のうち第2チャンネルと流体連通する前記第1流路開口のうち第1開口と一致することを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項3】
前記第1リングギアの前記第1回転位置は、前記第2流路のうち第1チャンネルと流体連通する前記第1流路開口のうち前記第1開口と一致し、前記第2リングギアの前記第2回転位置は、前記第2流路のうち第2チャンネルと流体連通する前記第1流路開口のうち前記第1開口と一致することを特徴とする請求項2に記載の流体制御バルブ。
【請求項4】
前記第1流路のうち少なくとも一つは、前記第1軸方向端面からそれに対向する第2軸方向端面まで、前記第1回転バルブ体のうち前記対応する回転バルブ体を軸方向に貫通して延長することを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項5】
前記第1流路のうちの少なくとも一つは、対応する前記第1回転バルブ体の前記回転軸に垂直な方向に延びることを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブである。
【請求項6】
前記第1流路のうちの少なくとも一つは、前記第1流路開口部のうちの少なくとも二つの開口部と軸方向に整列し、流体連通することを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項7】
前記第1回転バルブ体の前記アレイは、前記第1回転バルブ体のうち3つの回転バルブ体を含み、前記3つの第1回転バルブ体の前記回転軸は正三角形に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項8】
前記第2回転バルブ体のアレイは、前記第2回転バルブ体のうち3つの回転バルブ体を含み、前記3つの第2回転バルブ体の前記回転軸は正三角形に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項9】
前記3つの第1回転バルブ体の前記回転軸たちによって形成される前記正三角形は、前記第1リングギアの前記回転軸に対して、前記3つの第2回転バルブ体の前記回転軸たちによって形成される前記正三角形から60°の角度で相殺されることを特徴とする請求項8に記載の流体制御バルブ。
【請求項10】
前記第1回転バルブ体のうち前記第1回転バルブ体の第1部分は、前記第2回転バルブ体のうち前記第1回転バルブ体の第1部分と軸方向に整列することを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項11】
前記第1流路開口のうち少なくとも一つは、前記第1回転バルブ体のうち前記第1回転バルブ体の前記第1部分と前記第2回転バルブ体のうち前記第1回転バルブ体の前記第1部分との間に軸方向に配置されることを特徴とする請求項10に記載の流体制御バルブ。
【請求項12】
前記第1回転バルブ体群の前記第1回転バルブ体の前記第2部分は、前記第2回転バルブ体群のうち前記第2回転バルブ体の前記第1部分と軸方向に整列し、前記第1流路開口のうち少なくとも一つは、前記第1回転バルブ体たちの前記第1回転バルブ体の前記第2部分と、前記第2回転バルブ体たちの前記第2回転バルブ体の前記第1部分との間に軸方向に配置されることを特徴とする請求項11に記載の流体制御バルブ。
【請求項13】
前記第1回転バルブ体のそれぞれは、各回転バルブ体の外面に形成された複数の第1流路を含み、前記第1流路のそれぞれは、前記第1回転バルブ体のうち、前記該当する回転バルブ体の前記第1流路のうち、少なくとも2つに向かって延びるが、前記第1流路のそれぞれは、該当する前記第1流路の内部への流入口又は流出口を形成することを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項14】
前記第1回転バルブ体それぞれの前記第1流路のそれぞれは、前記第1回転バルブ体のうち前記該当する回転バルブ体の前記回転軸から等しく離隔され、前記第1回転バルブ体それぞれの前記第1流路のそれぞれは、共通の角度変位によって、前記第1回転バルブ体のうち前記該当する回転バルブ体の前記回転軸に対して、前記第1流路のうち隣接する一方の流路から角変位する流体制御装置、共通の角度変位によって、前記第1回転バルブ体のうち、前記対応する回転バルブ体の前記回転軸に対して、前記第1流路のうち、隣接する一つの流路から斜めに変位することを特徴とする請求項13に記載の流体制御バルブ。
【請求項15】
前記共通の角度変位は、60°又は90°のいずれかであることを特徴とする請求項14に記載の流体制御バルブ。
【請求項16】
前記第1リングギアを選択的に回転させるアクチュエータをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項17】
前記第1リングギアの回転に反応して回転しない第1固定バルブ回転バルブ体をさらに含み、前記第1固定バルブ回転バルブ体は、貫通して形成された少なくとも一つの第1流路を含み、前記第1シールプレートは、貫通して形成された少なくとも一つの第2流路をさらに含み、前記第1流路開口のそれぞれは、前記第1固定バルブ回転バルブ体の前記第1流路のうちの一つと、前記第1回転バルブ体の前記アレイの前記第1流路のうちの一つ又は、前記第2回転バルブ体の前記アレイの前記第2流路のうちの一つとの間に流体連通を提供することを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項18】
前記第1リングギアの内周面に配置された内歯が、前記第1回転バルブ体たちの前記対応する一つの回転バルブ体に配置された外歯と噛み合うとき、前記第1回転バルブ体それぞれは、前記リングギアの回転に反応して、前記対応する回転軸を中心に回転する、前記内歯のない前記第1リングギヤの前記内周面のセグメントが、前記第1回転バルブ体の前記第1回転バルブ体の前記対応する回転バルブ体の前記外歯を通過するとき、前記第1回転バルブ体のそれぞれは、前記第1リングギヤの回転に応答して、前記対応する回転軸を中心に回転しないことを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項19】
前記第1リングギアの前記軸方向に対して前記第1バルブアセンブリから離隔された第2バルブアセンブリをさらに含む流体制御バルブであって、
前記第2バルブアセンブリは、
回転軸を中心に選択的に回転する円筒形の第2リングギアと、
第3回転バルブ体のアレイと、
前記第2リングギアの軸方向に対して前記第3回転バルブ体の前記アレイから相殺される第4回転バルブ体のアレイと、
前記第2リングギアの前記軸方向に対して前記第3回転バルブ体の前記アレイと前記第4回転バルブ体の前記アレイの間に配置された第2シールプレートと、を含み、
前記第3回転バルブ体のそれぞれは円筒形であり、前記第1リングギアの回転に反応して対応する回転軸を中心に選択的に回転し、前記第3回転バルブ体のそれぞれは、貫通して形成された少なくとも一つの第3流路を含む、
前記第4回転バルブ体のそれぞれは円筒形であり、前記第2リングギアの回転に反応して対応する回転軸を中心に選択的に回転し、前記第4回転バルブ体のそれぞれは貫通して形成された少なくとも一つの第4流路を含み、
前記第2シールプレートは、軸方向に貫通して形成された複数の第2流路開口を含み、前記第2流路開口のそれぞれは、前記第3回転バルブ体の前記アレイの前記第3流路の一つと、前記第4回転バルブ体の前記アレイの前記第4流路の一つとの間に流体連通を提供することを特徴とする請求項1に記載の流体制御バルブ。
【請求項20】
前記第1バルブアセンブリと前記第2バルブアセンブリの間に軸方向に配置された第3シールプレートをさらに含み、前記第3シールプレートは、前記第2回転バルブ体の前記アレイの前記第2流路のうちの一つと、前記第3回転バルブ体の前記アレイの前記第3流路のうちの一つとの間に流体連通を提供する少なくとも一つの第3流路開口を含むことを特徴とする請求項19に記載の流体制御バルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体制御バルブに係り、より詳しくは、複数の異なる構成に調整可能で、流体制御バルブを介して複数の異なる流路を設定できるマルチ流路流体制御バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
貫通する流体の単一の流路の流れを単に許可又は防止するだけでなく、関連する流体の複数の異なる流路に対して所望の流路構成を規定するために、様々な流体システムでマルチ流路バルブを統合することがますます一般的になっている。このようなマルチフローバルブは、そのような流体システムに関連する1つ又は複数の流体流路を組み合わせ、分割し、切り替えたり、戻したりするために使用することができる。そのようなマルチチャンネルバルブは、関連する流体システムの所望の構成要素とその流体を連通させるために、従来は入口として機能していた流路を出口として機能するように切り替えること、及びその逆の切り換えを含む、そのようなマルチチャンネルバルブを介した複数の異なるフロー構成が、複数の異なる動作モードを有する流体システムに対して使用することができる。例えば、そのようなマルチフローバルブは、車両の選択された動作モードに応じて、車両の様々なコンポーネントを加熱又は冷却するために、又は車両のキャビンに提供される空気を加熱又は冷却するように構成された熱管理システム内で使用することができる。このようなマルチフローバルブは、流体システムの動作に関連する特定のプロセスに費やされる不必要なエネルギー損失を回避する複雑なフロー構成を可能にすることにより、システムの効率を向上させるために使用することができる。
【0003】
しかし、このようなマルチフローバルブは、通常、シーリングが必要な追加の流体接続や、所望のフロー構成を達成するために追加の可動部品が必要になるなど、複雑さが増すという問題がある。このような複雑さは、システムのコストを増加させ、マルチチャンネルバルブを隣接するコンポーネントに相対的にパッケージ化することを困難にし、さらに、マルチチャンネルバルブの異なる位置に切り替える際に、システムの適切な動作を保証するための制御スキームを作成する必要があり、マルチチャンネルバルブを通る流れの構成に大きな変更を必要とする別の動作モードにシステムを切り替えることに関連する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が目的とするところは、マルチ流路流体制御バルブの選択された構成に応じて、複数の異なる入口と出口間の流体連通を効率的かつ効果的に提供できる改良されたマルチ流路流体制御バルブを生産することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1バルブアセンブリを含む流体制御バルブは、第1バルブアセンブリを含む流体制御バルブであって、前記第1バルブアセンブリは、第1リングギアの回転軸を中心に選択的に回転する円筒形の前記第1リングギアと、第1回転バルブ体のアレイと、前記第1回転バルブ体のアレイは、前記第1回転バルブ体のそれぞれは円筒形形状であり、前記第1リングギアの回転に反応して、対応する回転軸を中心に選択的に回転するように構成され、前記第1回転バルブ体のそれぞれは、貫通して形成された少なくとも一つの第1流路を含み、第2回転バルブ体のアレイは、前記第1リングギアの軸方向に対して、前記第1回転バルブ体の前記アレイから相殺された第2回転バルブ体のアレイで、前記第2回転バルブ体のそれぞれは円筒形形状であり、前記第1リングギアの回転に反応して該当する回転軸を中心に選択的に回転する円筒形の第2リングギアで構成され、前記第2回転バルブ体のそれぞれは貫通して形成された少なくとも一つの第2流路を含む第2回転バルブ体のアレイと、前記第1回転バルブ体のアレイと前記第2回転バルブ体のアレイの間に、前記第1リングギアの前記軸方向に対して配置された第1シールプレートと、からなり、前記第1シールプレートは、軸方向に貫通形成された複数の第1流路開口を含み、前記第1流路開口のそれぞれは、前記第1回転バルブ体の前記アレイの前記第1流路の一つと、前記第2回転バルブ体の前記アレイの前記第2流路の一つとの間に流体連通を提供するよう構成されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明のマルチ流路流体制御バルブの斜視図である。
【
図2】制御バルブの二つの軸方向に隣接するバルブアセンブリの配置を示す、
図1の制御バルブの分解斜視図である。
【
図3】周囲を囲むリングギアを図示するもので、制御バルブのバルブアセンブリの一つを形成する内部構成要素の斜視図である。
【
図4】
図3に開示したバルブアセンブリのうち、リングギアのうちの1つがバルブアセンブリのうちのそれぞれ1つのアセンブリを囲むように配置された、バルブアセンブリの積層されたペアの斜視図を示す。
【
図5】制御バルブの回転バルブ体の斜視図であり、回転バルブ体内に内部流路を示すために回転バルブ体の端部面を透明に図示し、透明な端部面のそれぞれに貫通形成された各流路開口の周囲を点線で表示している。
【
図6】複数の回転バルブ体とその周囲を取り囲むリングギアとの相互作用を示し、回転バルブ体それぞれの端面は内部流路を示すために透明に示している。
【
図7】当該リングギアの第1回転位置によるバルブアセンブリの第2隣接層の回転バルブ体のペアに対するバルブアセンブリの第1層の回転バルブ体の1つの例示的な構成の部分的な概略図であり、開示した構成による第2層の流路と第1層の流路が潜在的に相互作用する方法を示すために、透明で重複した形式で隣接層の回転バルブ体を示している。
【
図8】当該リングギアの第2回転位置による第2層の回転バルブ体のペアに対する第1層の回転バルブ体のうちの1つの他の例示的な構成の部分概略図であり、開示した構成による第2層の流路と第1層の流路が相互作用する方法を示すために、透明で重複した形式で隣接する層の回転バルブ体を示している。
【
図9】本発明の隣接層の各々の回転バルブ体のそれぞれに関連する6つの異なる可能な流路位置を有するバルブアセンブリの隣接層間で可能な第1流路構成を示している、第1流路構成は、重複された回転バルブ体それぞれに対して、二つの異なる流路位置のそれぞれにおいて、隣接層の回転バルブ体のうち二つと軸方向に整列され、重複される回転バルブ体それぞれを含む。
【
図10】本発明の隣接層の各々の回転バルブ体のそれぞれに関連する6つの異なる可能な流路位置を有するバルブアセンブリの隣接層間で可能な第2流路構成を示している、第2流動流路構成は、重複された回転バルブ体それぞれに対して一つの可能な流路位置における隣接層の回転バルブ体のうち二つと軸方向に整列され、重複する回転バルブ体それぞれを含む。
【
図11】本発明のプラネタリーマルチ流路流体制御バルブの斜視図であり、制御バルブは、
図9に開示した第1流路構成を使用する。
【
図12】バルブアセンブリの一つの層に対して当該流路と回転バルブ体を露出させた図であり、第1流動流路構成を通じて得られる例示的な一つの流路構成を露出させるためにシールプレートとケーシングカバープレートが除去された状態の
図11の制御バルブの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明と添付の図面は、本発明の様々な実施形態を説明し、図示するものである。説明及び図面は、当業者が本発明を製造及び使用できるようにするためのものであり、本発明の範囲を限定する意図はない。開示した方法に関連して、提示したステップは本質的に例示的なものであり、ステップの順序は必要又は重要ではない。
【0008】
図1乃至
図8は、本発明のマルチ流路流体制御バルブ(10)を示し、以下、簡単に「制御バルブ(10)」と呼ぶ。現在開示している制御バルブ(10)は、例えば、関連車両の油圧システム、空気圧システム、燃料システム、冷却システム、又は暖房、換気及び空調(HVAC)システムの駆動に関連する様々な流体の制御を含め、自動車アプリケーション分野に活用することができる。制御バルブ(10)と一緒に使用するのに適した流体は、必要に応じて、そのような車両システムに関連して一般的に使用される空気、任意の油圧流体、任意のタイプの燃料、任意の冷媒、又は任意の冷却水であってもよい。しかしながら、本発明の制御バルブ(10)は、本発明の範囲を必ずしも逸脱することなく、任意の流体移送システムに関連する任意の流体と一緒に使用するように構成することができることも明らかである。
【0009】
制御バルブ(10)は、構成上、実質的に平面である可能性のある継ぎ目に沿って接合できる第1のシェル(13)と、それと協働する第2のシェル(14)からなるケーシング(12)を含む。第1のシェル(13)及び第2のシェル(14)のそれぞれは、シェルから延びる複数の流路(15)を含む。流路(15)は、外部流路(15a)とターンアラウンド流路(15b)を含むことができる。外部流路(15a)は、関連する流体を、外部コンポーネント及び/又は関連する流体システムの流体ラインから、又は流体ラインに送受信するための制御バルブ(10)の入口又は出口として機能するように構成されている。従って、各外部流路(15a)は、各外部流路(15a)のそれぞれの遠位端で、対応する流体ライン又は隣接する構成要素に接続することができる。ターンアラウンド流路(15b)は、貫通流体の流れ方向を変更するために、対応するシェル(13、14)の位置から180度の角度曲率で延びるターンアラウンド導管を備えることができる。
図2に最もよく示しているように、流路(15)のそれぞれは、シェル(13、14)のうち、対応するシェルの軸方向端部壁を貫通して形成された開口部を介して、シェル(13、14)のうち、対応するシェル内部に定義された中空空間と流体連通する。
【0010】
制御バルブ(10)は、第1アクチュエータ(17)と第2アクチュエータ(18)をさらに含む。必要に応じて、各アクチュエータ(17、18)は、回転アクチュエータであってもよい。しかしながら、本発明の範囲を逸脱しない限り、他のアクチュエータも使用することができる。第1のアクチュエータ(17)は、第1のシェル(13)によって定義された中空空間内に配置され、第1のシェル(13)を貫通して形成された開口部内に収容され、第1のギアアセンブリ(30)の第1のリングギア(31)との作動結合のために第1のシェル(13)を貫通して形成された軸方向に延びる回転子を含む。同様に、第2アクチュエータ(18)は、第2シェル(14)が定義した中空空間内に配置された第2ギアアセンブリ(32)の第2リングギア(33)との作動結合のために、第2シェル(14)を貫通して形成された開口部内に収容され、軸方向に延長された回転子を含む。第1バルブアセンブリ(30)の第1リングギア(31)は実質的に円筒形であり、実質的に第1シェル(13)の中空空間の形状に一致する。第1リングギア(31)は、後述する制御バルブ(10)の軸方向に一致する、中心回転軸を中心に回転するように、ケーシング(12)に回転可能に取り付けられている。第1リングギア(31)の外周面は、ケーシング(12)に対して第1リングギア(31)の選択的な回転を生じさせるように、第1アクチュエータ(17)の対応する歯部と噛み合うように構成された外歯を含む。第1のアクチュエータ(17)は、2つの対向する回転方向のうちの1つの方向に第1のリングギア(31)の選択的回転を引き起こすのに適した任意のタイプのアクチュエータであってもよく、したがって、軸方向に延びる回転子の使用に限定されない。例えば、第1リングギア(31)の外歯(35)に噛み合うように構成された歯部を有するリニアアクチュエータであってもよく、そのようなリニアアクチュエータは、第1リングギア(31)の所望の回転を規定するために外歯(25)と噛み合う間、往復運動を行う。第2アクチュエータ(18)は、軸方向に延びる回転子に限定されず、2つの対向する回転方向のうちの1つの方向に第2リングギア(33)の選択的な回転を引き起こすことができる任意のアクチュエータであってもよい。本発明はまた、様々な他の回転駆動システムが、説明及び図示した各構成要素の回転を規定するために使用され得るので、本発明は、回転運動のギア連動移動の使用に限定されない。駆動機構はこれに限定されないが、ウォームドライブ、ベルト、スパーなどを含むことができる。
【0011】
第1バルブアセンブリ(30)は、第1シールプレート(51)、第1回転バルブ体(60)のアレイ、第1固定バルブ回転バルブ体(70)、第2シールプレート(52)、第2回転バルブ体(80)のアレイ、第2固定バルブ回転バルブ体(90)、第3シールプレート(53)をさらに含む。シールプレート(51、52、53)のそれぞれは、実質的に平面であり、制御バルブ(10)の軸方向に対して垂直に配置され、それぞれのシールプレート(51、52、53)は、制御バルブ(10)の軸方向に対して互いにさらに離れている。回転バルブ体(60)の第1アレイと第1固定バルブ回転バルブ体(70)はそれぞれ第1シールプレート(51)と第2シールプレート(52)の間に配置され、第2回転バルブ体(80)のアレイと第2固定バルブ回転バルブ体(90)はそれぞれ第2シールプレート(52)と第3シールプレート(53)の間に配置される。回転バルブ体(60)と第1固定バルブ回転バルブ体(70)のそれぞれは、各嵌合位置に形成された適切なシールを保証するために、対向する軸方向端面それぞれがシールプレート(51、52)の対向するプレートと同一平面上に配置されて接触するように、軸方向に延びている。同様に、回転バルブ体(80)と第2固定バルブ回転バルブ体(90)それぞれは、対向する軸方向端面それぞれがシールプレート(52、53)と同一平面上に配置され、接触するように、軸方向に延びている。
【0012】
したがって、第1のバルブアセンブリ(30)は、第1のバルブアセンブリ(30)の軸方向に対して各層がシールプレート(51、52、53)のいずれかによって互いに分離される第1及び第2の層を含む積層構成を有すると言える。前記積層された構成は、説明した各構成要素の軸方向端面に適切なシール力が存在することを保証するために、互いに軸方向に圧縮された層とシールプレート(51、52、53)を含むことができる。この力は、所望のシール効果を維持すると同時に、各バルブアセンブリ(30、32)を形成する構成要素間の相対的な移動を可能にするように選択することができる。以下でより詳細に説明するように、この力は、バルブアセンブリ(30、32)を形成する構成要素間の相対的な動きを促進するように調整することができる。
【0013】
第1シールプレート(51)は、軸方向に貫通して形成された複数の流路開口部(55)を含む。各流路開口部55は、第1のシェル(13)の軸方向端壁において、流路(15)のうちの1つと軸方向に整列させることができ、第1のバルブアセンブリ(30)の残りの部分に進入又は退出するために、流体が第1のシールプレート(51)を軸方向に貫通して流れるように構成されている。以下に説明するように、流路(15)の位置のいくつかは、第1シールプレート(51)内に形成された軸方向に整列された流路開口(55)のうちの1つを含まないことができ、それによって、流体が第1シールプレート(51)を軸方向に貫通することを制限する壁セグメントを形成する。前記セグメントの生成は、流路開口部(55)のうちの1つがない位置での流体の構成が、横方向に再送信される流体又は対向する軸方向に流れるために方向を変えるように引き起こされる流体を含む場合に発生することができる。
【0014】
図5に最もよく示しているように、第1アレイを形成するバルブ回転バルブ体(60)それぞれは、実質的に円筒形形状であり、第1軸方向端面(61)、対向する第2軸方向端面(62)、端面(61、62)を軸方向に連結する円周方向表面(63)を含む。円周方向表面(63)は、第1リングギア(31)の内周面に沿って配置された内歯(36)に噛み合うように構成された外歯(65)を含む。バルブ回転バルブ体(60)それぞれは、固定ケーシング(12)に対して対応する中央回転軸を中心にバルブ回転バルブ体(60)それぞれの回転を許容するためにケーシング(12)に回転可能に装着される。
図2に示すように、バルブ回転バルブ体(60)それぞれの回転軸は、制御バルブ(10)を軸方向に貫通して延びるシャフト又はロッド(rod)によって形成することができる。シールプレート(51、52、53)のそれぞれ、回転バルブ体(60、80)のそれぞれ、固定バルブ回転バルブ体(70、90)のそれぞれを含む構成要素は、そのようなシャフトやロッドを収容するように構成された軸方向に延びる開口部又は穴を含むことができる。そのようなシャフト又はロッドは、所望の構成で軸方向に積層された構成要素を組み立てるために、制御バルブ(10)を貫通して延長することもできる。
【0015】
バルブ回転バルブ体(60)それぞれは、リングギア(31)の内歯(36)と、当該バルブ回転バルブ体(60)の外歯(65)間の噛み合いを許容するために、一つの接線位置で各該バルブ回転バルブ体(60)の円周方向表面(63)が第1リングギア(31)の内周面に接触するように、第1リングギア(31)の内部に位置する。第1アクチュエータ(17)のアクチュエーター(17)のアクチュエーションによって引き起こされた第1リングギア(31)の回転は、従って、第1リングギア(31)の内歯(36)と当該バルブ回転バルブ体(60)それぞれの外歯(65)との間に噛み合いを即座に発生させる、当該バルブ回転バルブ体(60)それぞれの回転を引き起こすことができる。
【0016】
第1のリングギア(31)の内周面は、第1のリングギア(31)が、第1のリングギア(31)と対向する歯部(36、35)間の接触なしに上部を通過する際に、第1のリングギア(31)が固定されたままであり、相対的な回転がないように、各バルブ回転バルブ体(60)を直ちに上述した接線位置でそれらのセグメントに向かい合うようにする内歯(36)のないセグメントを含むことができる。このような不連続的なセグメントは、特定のバルブ回転バルブ体(60)が従来の作動位置で固定された状態にある間、他の特定のバルブ回転バルブ体(60)が回転して新しい作動位置をとることを可能にすることにより、制御バルブ(10)を介して構成に変動性を導入するために使用することができる。例えば、第1リングギア(31)は、
図6において、第1リングギア(31)の時計回りの回転が、バルブ回転バルブ体(60)のうちの1つを、対応する回転軸を中心にそれ以上回転させないようにする、バルブ回転バルブ体(60)の一つとの噛み合い接線ポイントに直ちに隣接する位置で内歯(36)がない、内周面のセグメント(38)を含むものとして示している。これとは逆に、
図6の2つの残りのバルブ回転バルブ体(60)は、第1リングギア(31)の時計回り回転に反応して時計回りに回転するように構成され、バルブ回転バルブ体(60)に前記回転に応じて新たな作動位置をとるようにさせる。
【0017】
バルブ回転バルブ体(60)それぞれの第1軸方向端面(61)は、第1流路(66)のアレイを含む一方、バルブ回転バルブ体(60)それぞれの第2軸方向端面(62)は、第2流路(67)のアレイを含む。各流路(66、67)は、軸方向端面(61、62)のうち対応する一つの表面を貫通して形成された軸方向に延びる開口を指し、各流路(66、67)は、当該バルブ回転バルブ体(60)を貫通して形成された少なくとも一つの流路(68)と流体連通する。流路(68)それぞれは、流路(66、67)のうち少なくとも二つを互いに連結する、当該バルブ回転バルブ体(60)内部の中空空間で構成され、流体通路(66、67)それぞれは、当該流路(68)への流入口又は流出口として機能する。
【0018】
一つ以上の流路(68)は、一つ以上の第1流路(66)及び一つ以上の第2流路(67)間に流体を連通させるために軸方向に延在することができる。また、一つ以上の流路(68)は、軸方向に垂直な方向に当該バルブ回転バルブ体(60)を貫通して延長することができ、そのおかげで、流路(66、67)のうち横方向に相殺された流路間の流体連通を許容する。このような流路(68)は、軸方向に対して垂直な方向に軸方向及び横方向の2つの方向に流体を連通させることを含め、対応する流体の組み合わせを含むことができる。異なる様々な流路(66、67)間の様々な流動関係を達成するために、流路(68)は、異なる流体の区分又は組み合わせを含む、それぞれ異なる様々な流動構成を含むことができる。例えば、任意の数の第1の流路(66)は、残りの第1の流路(0を含む)のうち任意の数及び任意の組み合わせの流路と連通することができ、任意の数の第2の流路(67)は、残りの第2の流路(0を含む)のうち任意の数及び任意の組み合わせの流路と連通することができ、任意の数及び組み合わせの第1の流路(66)は、任意の数及び組み合わせの第2の流路(67)と連通することができる。いくつかの状況では、流路(68)のうちの1つの流路は、第1の流路(66)間のみ、又は第2の流路(67)間のみ、又は第1の流路(66)と第2の流路(67)間のみ、流体の流れの軸方向を変更するように180度の転換(ターンアラウンド)を提供するために延長することができる。他の状況では、流路(66、67)のうちの1つからの流れは、軸方向端面(61、62)のうちの1つの上部に配置された任意の数の他の流路(66、67)に分岐することができる。このような可変性の観点から、状況に応じて、添付の図面に示されているものとは異なる構成を達成するために、他のフロー構成と示されている流路構成の組み合わせが使用され得るので、流路(68)は本質的に例示的なものであることを理解すべきである。
図1~
図8では、第1の流路(66)のそれぞれは、その流路(66、67)に進入又は退出する任意の流体の所望の流動構成を規定するのに適した構成を有する実質的に円筒形の壁セグメントによって、第2の流路(67)のうち軸方向に整列した1つの流路に接続されている。もし、純粋に軸方向である流れが望まれるならば、円筒形壁セグメントは、壁セグメント内部の任意の他の流路開口部なしに、整列された流路(66、67)間に軸方向に延びることができ、それにより、軸方向に延びる円筒形形状の流路(68)が円筒形壁セグメントの内部を貫通して形成されることになる。少なくとも一部の流れが当該バルブ回転バルブ体(60)内部の横方向位置にガイドされるようにしたいその他の状況では、当該円筒形壁セグメントは、流路(66、67)の隣接する位置(流路(66、67)のうちの隣接する流路(66、67)のうち、隣接する流路の位置の間に直線的に延びるように)間に形成された流路開口と連通するための円周方向表面に形成された一つの開口を含むことができ、前記流路開口は、隣接配置された流路(66、67)と関連する円筒形壁セグメントの円周方向表面に形成された別の開口に接続される。そのような流路(68)は、従って、第1円筒形壁セグメントの一部、連結流路開口、第2円筒形壁セグメントの内部を含むことができる。流路(68)は、上述した可変性に基づき、必要に応じて、流路(66、67)の残りの2つの位置に関連する追加の円筒形壁セグメントに接続するための追加の横方向流路開口をさらに含むことができる。
図5には、流路構成の例を示しており、ここで、軸方向端面(61、62)は、点線で識別された流路(66、67)の異なる位置の間に形成された流路(68)の構成を示すために、透明に示している。
【0019】
バルブ回転バルブ体(60)のそれぞれの内部に形成された中空開口部の任意の構成は、実質的に、バルブ回転バルブ体(60)を貫通する所望の流体の構成に応じて、関連する流路(66、67)の任意のセット間に流体連通を提供するために使用することができるので、流路(68)は、説明又は図示した構成に限定されないことは明らかである。例えば、2つの異なる流路(68)間の流体連通なしに、流路(66、67)の隣接する位置間で流体を連通させるために、流路(68)の少なくとも1つは、バルブ回転バルブ体(60)を軸方向に隣接するが、バルブ回転バルブ体(60)を貫通する流路(68)の別の通路から分離された位置まで延長することが可能である。例えば、整列された第2流体ポート(67)と関連する隣接する流路(68)のうちの任意の通路から一つの流路(68)を分離させる仕切りを用いて、対応する第1流路(66)中の流体に対して180度転換が必要なときなど、バルブ回転バルブ体(60)の唯一の一つの軸方向半分を占有した状態で、一つの流路(68)は、一対の第1流路(66)を連結させることができる。前記流路(68)はまた、対応するバルブ回転バルブ本体(60)を貫通するときに蛇行する構成を含むことができ、その構成は、少なくとも部分的に軸方向、及び少なくとも部分的に軸方向に垂直な1つ以上の横方向に延びることを含む、対応する流路(66、67)間の所望の流れ構成を達成するために必要な方向転換及び変更を含む。
【0020】
第1流路群(66)それぞれと第2流路群(67)それぞれは、当該バルブ回転バルブ体(60)の回転軸から等しく離隔している。 特に、流路群(66、67)のうち該当するそれぞれの中央を貫通する中心軸は、当該バルブ回転バルブ体(60)の回転軸から共通の距離で離隔している。この共通の距離は、各アレイを形成するバルブ回転バルブ体(60)全体間で共有される。各バルブ回転バルブ体(60)の円周方向について、流路(66、67)のうち隣接する流路はまた、共通の角度変位によって、当該バルブ回転バルブ体(60)それぞれの回転軸に対して互いに等しい角度で相殺される。
図1乃至
図8(の実施例)では、流路達(66、67)のそれぞれは、当該回転軸を中心に流路達(66、67)のそれぞれ異なる4つの位置を導くために90°間隔で離隔される。このような等しい間隔と等しい角度変位は、各流路(66、67)が、隣接する流路(66、67)間に存在する角度変位に対応する角度を通じて、対応するバルブ回転バルブ体(60)の回転後に同じ位置を占有するようにする。また、該当するバルブ回転バルブ体(60)それぞれが隣接する流路(66、 67)間の角度相殺に相当する距離だけ回転されるたびに、バルブ回転バルブ体(60)それぞれの第1流路(66)それぞれが第1シールプレート(51)を貫通して形成された流路開口(55)の該当する開口と軸方向に整列するように、バルブ回転バルブ体(60)の位置が決まる。
【0021】
図1乃至
図8(に示す実施例)では、バルブ回転バルブ体(60)それぞれは、4つの異なる流路開口が軸方向端面(61、62)それぞれに設けられるように、軸方向端面(61、62)それぞれの上部に4つの位置で、流路(66、67)のいずれかを含む。しかしながら、本発明はこの構成に限定されないことは明らかである。いくつかの実施形態では、軸方向端面(61、62)に対して回転バルブ本体(60)の内部又は外部に流れが発生しないように、軸方向端面(61、62)の一部を形成する壁セグメントによって、1つ以上の図示された流路(66、67)の位置を閉鎖することができる。前記軸方向端面(61、62)上の位置のうちの一つの位置における流路(66、67)のうちの一つの閉鎖は、制御バルブ(10)を貫通して形成された隣接する流路についてバルブ回転バルブ体(60)を貫通する流れの構成に基づいて決定される。
【0022】
別の例として、流路(66、67)の任意の形状と位置決定は、流体連通を提供するように流路(66、67)を隣接する層の流路開口部に整列させるように備えることができるので、流路(66、67)のそれぞれは、必ずしも4つの上述の流路位置のいずれかに対応する円形形状を有するように制限されない。例えば、共通の方向に共通の1つの構成要素として連通する2つの別々の円形開口部とは対照的に、円形開口部のうちの2つの隣接する開口部は、開示された円形開口部のうちの2つの位置の間で円周方向に延びるアーチ状のスロットで結合することができる。隣接するシールプレートは、同様に、バルブ回転バルブ本体に形成された形状と一致するアーチ型スロットを含むことができる。複数の異なる回転的に離間した流路位置の位置へのこのような流れの組み合わせのさらなる例は、
図11及び
図12を参照して、以下に図示し、説明される。
【0023】
第1固定バルブ回転バルブ体(70)は、第1シールプレート(51)と第2シールプレート(52)の間のバルブ回転バルブ体(60)のうちの一つがない位置に配置される。第1固定バルブ回転バルブ体(70)は、貫通して形成された複数の流路(71)を含み、流路(71)のそれぞれは、バルブ回転バルブ体(60)の第1流路(66)の一つと整列するように配置されていない第1シールプレート(51)を貫通して形成された流路開口(55)の一つと整列するように配置される。第1固定バルブ回転バルブ体(70)は、選択的な回転を通じてバルブ回転バルブ体(60)が再配置される間、停止状態を維持するように構成され、代替的に第1固定バルブ回転バルブ体(70)と呼ぶことができる。代替的に、第1固定バルブ回転バルブ体(70)は、本発明の範囲を逸脱することなく、必要に応じて同じ位置に流路を有する複数の離隔された構造で提供することもできる。
【0024】
流路71は、
図2及び
図3において、第1固定バルブ回転バルブ体(70)を介して純粋に軸方向に延びるように図示しているが、流路(68)の可能な構成の同じ可変性が、本発明の範囲を逸脱することなく、流路(71)にも適用できることを理解すべきである。例えば、流体の流れをある流路位置から別の流路位置に横方向に向きを変えたり、異なる流路位置の流れを分割又は結合するために、図示した流路(71)の間に横方向に延びる通路を設けることができる。2つ以上の流路(66、67)の間に延びる流路(68)の1つを参照して図示又は説明した任意のフロー構成は、本発明の範囲を逸脱することなく、関連する流体又は流体を任意の所望の横方向及び/又は軸方向の組み合わせに導くために、流路(71)の1つに関連付けることができる。例えば、任意の固定バルブ回転バルブ体は、必要に応じて、ターンアラウンド(180度転換)セクション及び軸方向フローセクションを含む開示されたケーシングシェル(13、14)のいずれかと同様のフロー構成を含むことができる。
【0025】
第2シールプレート(52)には、複数の流路開口部(55)が形成されている。第2シールプレート(52)の流路開口部(55)それぞれは、バルブ回転バルブ体(60)のうちの一つの第2流路(67)の一つ又は第1固定バルブ回転バルブ体(70)の流路(71)の一つと軸方向に整列している。第2シールプレート(52)の流路開口部(55)のそれぞれは、第2シールプレート(52)によって分離された第1バルブアセンブリ(30)の2つの異なる層間の流体連通を可能にする。具体的には、流路開口部(55)は、流路開口部(55)の第1セット及び流路開口部(55)の第2セットに割り当てられ、第1セットに割り当てられた流路開口部(55)のそれぞれは、回転バルブ体(60、80)の隣接する層間に形成された流路間に流体連通を選択的に提供するように構成される、第2セットに割り当てられた流路開口部(55)それぞれは、回転バルブ体(60、80)の層のうちの一つの流路の一つと、隣接する層の固定バルブ回転バルブ体(70、90)の一つを貫通して形成された流路の一つとの間に流体連通を選択的に提供するように構成される。
【0026】
第2アレイの回転バルブ体(80)それぞれの一般的な構造及び動作は、第1アレイの回転バルブ体(60)と同様であるため、詳細な説明は省略する。ただし、前述したように、各個別のバルブ回転バルブ体(60)と各個別のバルブ回転バルブ体(80)は、それに対応する貫通形成された流路の固有の構成を持つことができるので、本発明は、流路構成の一部又は全部が複数のバルブ体(60、80)又はその複数の層に対して繰り返される実施例に限定されない。以下で使用されるように、第2アレイのバルブ回転バルブ体(80)それぞれは、第2シールプレート(52)に向かう第1軸方向端部に形成された複数の第1流路(86)と、第3シールプレート(53)に向かう第2軸方向端部に形成された複数の第2流路(87)を含む。それぞれの第2流路(87)は、第3シールプレート(53)を貫通して形成された流路開口部(55)のうち対応する1つと軸方向に整列される。
【0027】
各バルブ回転バルブ体(80)は、第1リングギア(31)の内周面に沿った内歯(36)の構成により、第1リングギア(31)の内歯(36)と噛み合う際に、それぞれの回転軸を中心に回転するように同様に歯形を有する。具体的には、第1リングギア(31)の回転時に、内歯(36)を有する第1リングギア(31)のセグメントに噛み合いながらそれぞれのバルブ回転バルブ体(80)が回転し、一方、内歯(36)がない第1リングギア(31)のセグメントがバルブ回転バルブ体(80)のうち対応する回転バルブ体の噛み合い位置を通過するとき、バルブ回転バルブ体(80)それぞれは回転しないことがある。
【0028】
第2固定バルブ回転バルブ体(90)も第1固定バルブ回転バルブ体(70)と構造的に同一であり、同様に貫通して形成された複数の流路(91)を含む。各流路(91)は、その軸方向端部において、(第2シールプレート(52)の流路開口部(55)のいずれかを介して)バルブ回転バルブ体(60)のいずれかの第2流路(67)のいずれかと軸方向に整列している。各流路(91)は、バルブ回転バルブ体(60)の反対側の端部で第3シールプレート(53)を貫通して形成された流路開口(55)の一つと軸方向にさらに整列している。流路開口部(68)の流路(67、67)の異なる位置の間で、第2固定バルブ本体(90)に、第2固定バルブ本体(90)に、第2固定バルブ(90)に流入する様々な流体の方向を変えたり、分割したり、第2固定バルブ本体(90)に流入する様々な流体の方向を変えたり、分割したり、結合したりするために、流体又は流体を連通させるのに適していると説明される、又は代替的に、ケーシングシェル(13、14)のいずれかを参照して説明される任意の流路構成のような所望の方法で、第2固定バルブ本体(90)に追加の通路が組み込まれることもできる。第2固定バルブ回転バルブ本体(90)は、第1リングギア(31)の回転時に停止状態を維持する。
【0029】
第1層は、バルブ回転バルブ体(60)それぞれの回転軸が第1リングギア(31)の回転軸と同じ間隔で離隔され、バルブ回転バルブ体(60)の間に存在する空隙の少なくとも一部を第1固定バルブ回転バルブ体(70)が埋める状態で、正三角形に配置された3つのバルブ回転バルブ体(60)を含む。第2層は、バルブ回転バルブ体(80)それぞれの回転軸が第1リングギア(31)の回転軸と同じ間隔で離隔され、バルブ回転バルブ体(80)の間に存在する空隙の少なくとも一部を第2固定バルブ回転バルブ体(90)が埋める状態で、前記と同様に正三角形に配置された3つのバルブ回転バルブ体(80)を含む。ただし、バルブ回転バルブ体(80)の第2アレイと第2固定バルブ回転バルブ体(90)によって形成された第1バルブ組立体(30)の第2層は、バルブ回転バルブ体(60)の第1アレイと第1固定バルブ回転バルブ体(70)によって形成された第1層に対して、第1リングギア(31)の回転軸を基準として60度の角度で角度をずらしてオフセットされる。このような角度オフセットにより、第1層のバルブ回転バルブ体(60)それぞれは、2つの第2流路(67)が第2固定バルブ回転バルブ体(90)を貫通して形成された流路(91)のいずれかと軸方向に整列させ、第2流路(67)の一つが第2アレイのバルブ回転バルブ体(80)のうち第1回転バルブ体の第1流路(86)の一つと軸方向に整列させ、第2流路(67)のうちもう一つが第2アレイのバルブ回転バルブ体(80)の第2回転バルブ体の第1流路(86)の一つと軸方向に整列させる。バルブ回転バルブ体(80)それぞれについても同じ関係が存在し、バルブ回転バルブ体(80)それぞれは、二つの第1流路(86)が第1固定バルブ回転バルブ体(70)の流路(71)の一つと軸方向に整列される、第1の流路(86)の一つが、バルブ回転バルブ体(60)の第1の回転バルブ体の第2の流路(86)の一つと軸方向に整列し、第1の流路(86)のうちもう一つが、バルブ回転バルブ体(60)のうち第2の回転バルブ体の第2の流路(67)の一つと軸方向に整列することを含む。
【0030】
図1乃至
図8では、回転バルブ体(60、80)が4つの異なる回転位置で回転可能であり、異なる回転位置のそれぞれは、対応する回転バルブ体(60、80)を貫通している異なる流路構成と一致する。異なる回転位置は、第1リングギア(31)の歯部とそれに対応する回転バルブ体(60、80)の歯部が互いに噛み合うときに対応する回転角度を通る第1リングギア(31)の回転によって達成することができる。このように、ある状況では、1つ又は複数の回転バルブ体(60、80)が、第1リングギア(31)の4つの異なる回転を介して4つの異なる位置のそれぞれに回転させることができる。この状況は、上述した内歯(36)の不連続セグメント(38)のいずれかが、回転バルブ体(60、80)のうちの1つの回転バルブ体を通過しない場合に発生する可能性がある。他の状況では、内歯(36)の一つ以上の不連続セグメント(38)が回転バルブ体(60、80)のいずれかを通過することができるので、回転バルブ体(60、80)の4つの異なる可能な位置のそれぞれを達成するためには、4回を超える第1リングギア(31)のそれぞれの異なる回転調整は必須である。内歯(36)の不連続セグメント(38)が回転バルブ体(60、80)の後続の回転バルブ体を通過する方法により、第1リングギア(31)の任意の方向への連続的な回転は、対応する回転バルブ体(60、80)の代替的な動作モードに進む、回転バルブ体(60、80)の代替的な動作モードの進行をもたらし、それにより、第1リングギア(31)の後続の回転間で回転バルブ体(60、80)の回転が進行しない順序が交互になることは明らかである。
【0031】
図2に示すように、第1リングギア(31)に関連する第1バルブアセンブリ(30)の構造は、制御バルブ(10)の軸方向に対してバルブアセンブリ(30、32)が互いに積層され、異なる特徴部間で繰り返し的に角度オフセットが導入された状態を含め、第2リングギア(33)に関連する第2バルブアセンブリ(32)の構造と実質的に同じである。このような類似性により、第2バルブアセンブリ(32)を形成する構成要素の説明は省略され、その構成要素の動作方法の説明も省略される。上述したように、第2バルブアセンブリ(32)の該当するバルブ回転バルブ体を貫通して形成された任意の流路は、制御バルブ(10)を貫通する必須の流れ構成に準拠して、所望の任意の構成を含むように形成することができ、したがって、本発明に図示又は説明した構成は、何にも制限されることを意図していない。
【0032】
バルブアセンブリ(30、32)のいずれかを形成するバルブ回転バルブ体のそれぞれは、上述した形状と構成で射出成形することができる。各バルブ回転バルブ体は、限定されない例として、1つ、2つ又は3つの側面で構成することができる。各バルブ回転バルブ本体の軸方向端面のそれぞれは、隣接するシールプレートとのシールを促進するために、Oリング又は他のシール部材と関連付けることができ、又はそのようなシール効果を提供するために、セラミックのような低摩擦及び/又は耐摩耗性の低い材料で形成するか、又はそのような材料でコーティングすることができる。流路は、バルブ回転バルブ本体の内部に成形されたり、内部に機械加工されたり、その他の方法で内部に形成することができる。また、各シールプレートは、回転又は固定されたバルブ回転バルブ体に向けて配向された対応する流路開口部を囲むか、又は開口部を制限するために、低摩擦材料で形成又はコーティングすることができ、又は主表面に沿ってOリングのようなシール部材を含むことができる。
【0033】
作動時、所望の構成に達するまで、バルブ回転バルブ体(60、80)それぞれを、バルブ回転バルブ体(60、80)それぞれと第1リングギア(31)との間に存在する歯形関係に準拠して回転させるために、第1リングギア(31)が回転される。また、第2バルブ組立体(32)の当該バルブ回転バルブ体それぞれが所望の構成をとるようにさせるために、第2リングギア(33)が回転される。制御バルブ(10)の特定の動作モードへの調整は、制御バルブ(10)を貫通して形成された特定の流れ構成に応じて、第1リングギア(31)のみの回転、第2リングギア(32)のみの回転、又はリングギア(31、32)のそれぞれの回転の組み合わせを含むことができる。
【0034】
第1シェル(13)内部に存在する一つ以上の外部流路(15a)を通じて、流体が制御バルブ(10)内部に流入する。流体は、当該外部流路(15a)を貫通して、第1シールプレート(51)に貫通形成された流路開口部(55)のいずれかを貫通する。流体は、流体の流れと軸方向整列した第1固定バルブ回転バルブ体(70)の流路開口(71)のうち任意の通路を軸方向に貫通する。また、流体は、形成された流路の構成に応じて、バルブ回転バルブ体(60)に形成された残りの流路(66、67)の組み合わせへの分配のために、流体を伝達する外部流路(15)と軸方向整列されたバルブ回転バルブ体(60)の第1流路(66)のそれぞれに進入する。これらの流路(68)に沿って、流体は制御バルブ(10)を軸方向に貫通して移動し、又は流路(66、67)のうちの他の一つの位置に横方向に移動することができる。バルブ回転バルブ体(60)それぞれの少なくとも一部が、それに隣接して配置されたバルブ回転バルブ体(80)それぞれの少なくとも一部と部分的に軸方向整列される態様は、バルブ回転バルブ体(60、80)、固定バルブ回転バルブ体(70、90)、外部流路(15a)の中に具備された任意のターンアラウンドセクション(15b)での十分な移動を通じて、バルブ回転バルブ体(60、80)のうち任意の回転バルブ体内部に形成された流路(66、67、86、87)のうち任意の流路の任意の位置に流体を連通させる能力を作り出す。回転バルブ体(60、80)内の流体の流れは、所望の流れ構成に必須である場合、横方向の流れ方向への変更だけでなく、軸方向の流れ方向への変更も含むことができる。一部の実施形態では、固定バルブ回転バルブ体(70、90)内における流体の流れは、図示された軸方向貫通流れだけでなく、横方向の流れ方向への変更も含む。
【0035】
流体は、第1バルブアセンブリ(30)を参照して上述した方法と同じ方法で第2バルブアセンブリ(32)を貫通して前進し、様々な流動特徴部の位置合わせ、回転バルブ体それぞれの選択された回転位置、隣接する層間の角度オフセット、バルブ回転バルブ体それぞれの内部に規定された流路は、流体が占有する流路を決定する。具体的には、構造の残りの層が制御バルブ(10)の軸方向に対して同じ方法で繰り返し作動する状態で、第3シールプレート(53)は、次のアセンブリの第1シールプレートとして機能することができる。
【0036】
一部の構成は、同じケーシングシェル(13、14)の外部流路(15a)のうちの1つを中心に回転し、それに向かって流れるように、本発明の範囲を逸脱することなく、一部の流体がバルブアセンブリ(30、32)のうちの1つにのみ残留することを含むことができることを理解すべきである。そのような他の流動構成では、必要に応じて、流体が、外部流路(15a)を介してケーシングシェル(13、14)の残りのシェルから抜け出すために、流体がバルブアセンブリ(30、32)のそれぞれの連続する層を貫通して流れることを含むことができる。
【0037】
制御バルブ(10)は、通過する流路構成の可変性を許容しながら、バルブアセンブリ(30、32)のうちの1つだけを使用することができ、したがって、第2バルブアセンブリ(32)は、この実施形態では省略することができ、代わりに、ケーシング(12)は、第1アクチュエータ(17)によってのみ駆動することができる第1バルブアセンブリ(30)のみを囲むことができることは明らかである。代替的に、これらの特徴は、同様の繰り返し構造を有する第2バルブアセンブリの使用など、追加のバルブアセンブリの使用を利用して、追加の流路構成を導入するために、積層方向に繰り返すことができる。開示された2つの実施形態とは対照的に、単一のアクチュエータの作動によって3つの異なる層を貫通する流れを規定するために、リングギアの1つに関連するバルブアセンブリの1つは、アセンブリ内に配置された回転バルブ体と固定バルブ回転バルブ体の3つ以上の層を含むことができる。そのような構成は、図示し)、説明した構成と同じように動作することができるが、バルブ回転バルブ体の3つの層のそれぞれと噛み合うように関連するリングギアの軸方向延長と追加のシールプレートの使用のみを含むことができる。1つのリングギアが回転バルブ体の2つの層を回転させること、別のリングギアが3つの層を回転させること、及び2つの回転の組み合わせなど、前記層の任意の組み合わせが使用できることを理解する。また、各バルブアセンブリのリングギアは、同じリングギア上部の異なる軸方向位置に対して、歯の不連続セグメントを異なる円周方向に分配することを含むなど、リングギアに関連する回転バルブ体の各層に対して、内歯の異なるパターンを含むように、軸方向に分割することができる。このような構成は、セグメントのうちの1つが歯部を含み、セグメントのうちの隣接する1つが歯部を含まないように、内歯の軸方向に隣接するセグメントが互いに異なるようにすることができる。このようにして、リングギアのうちの1つの歯車の回転で達成可能な流れの構成に追加の可変性を追加することができる。
【0038】
制御バルブ(10)はまた、制御バルブ(10)の内部で経験される圧力が比較的低いとき、バルブアセンブリの各隣接する層の特徴部を分離し、圧力が比較的高いとき、隣接する層の特徴部を軸方向に互いに係合させる、これにより、回転バルブ体の再構成によって新しい動作モードが達成されたときに適切なシールを保証するために、制御バルブ(10)を貫通する流体の動きに関連する流体ポンプからの圧力を使用することができる油圧クラッチ機能を含むことができる。これは、必要に応じて、統合されたチャネル、ダイヤフラム、及びばねのシステムを通じて達成することができる。あるいは、制御バルブ(10)は、制御バルブ(10)の層の隣接する特徴部間の回転の初期段階の間に、プレート及び係合されたバルブ回転バルブ体を固定及び解放するために自動的に係合される機械的ランプ特徴部を含むことができる。
【0039】
図7及び
図8は、本発明のいくつかの特徴部によるバルブアセンブリのうちの1つのアセンブリの異なる層の一部分間に存在し得る例示的な流れ構成を概略的に示している。本例は、
図2の第1のリングギア(31)のように、開示されたレイヤのそれぞれと噛み合うリングギアの回転に反応して、それぞれ異なるレイヤの間で発生することができる例示的な流動構成を開示するために、第2のレイヤの回転バルブ体(80a及び80bで表記)のうちの2つに対して位置指定された第1のレイヤの回転バルブ体(60)のうちの1つを示している。回転バルブ体(60、80a、80b)の限定的な組み合わせについて示されている特徴は、以下の説明に基づいて、軸方向又は横方向の流体の所望の流れを規定するために、そのバルブアセンブリ全体にわたって繰り返すことができることが明らかである。開示した構成は、回転バルブ体(60)と回転バルブ体(80a)の間に軸方向に配置されることによって、異なる流路(68、88)間に流体連通を提供する流路開口の一つ(差別化のために55aで表記)が重複及び軸方向整列された部分を軸方向に貫通するように形成され、回転バルブ体(80a)の第1部分と軸方向に整列及び重複する回転バルブ体(60)の第1部分を含む。回転バルブ体(60、80)の層の一つと、固定バルブ回転バルブ体(70、90)の層の一つとは対照的に、流路開口(55a)は、回転バルブ体(60、80)の隣接する層間の流体連通を提供する流路開口(55)の第1セットに属すると言える。この構成はまた、回転バルブ体(80b)の第1部分と軸方向に整列して重複する回転バルブ体(60)の第2部分、回転バルブ体(60)の第2部分と回転バルブ体(80b)の第1部分との間に流体連通を提供するためにその間に軸方向に配置された流路開口部(55b)のうちのもう一つをさらに含む。
【0040】
例示的な回転バルブ体(60、80a、80b)は、これに限定されない、様々な異なる構成を有する流路(68、88)を含む。回転バルブ体(60)は、可能な隣接流路位置のうち3つの位置と流体連通する第1流路(68a)と、一つの流路位置で回転バルブ体(60)を軸方向に貫通して延長される第2流路(68b)を含む。回転バルブ体(80a)は、二つの可能な流路位置と流体連通する第1流路(88a)、一つの流路位置で回転バルブ体(80a)を軸方向に貫通して形成された第2流路(88b)、一つの流路位置で回転バルブ体(80a)を軸方向貫通して形成された第3流路(88c)を含む。回転バルブ体(80b)は、回転バルブ体(60)と同様の構成を含み、可能な隣接流路位置のうち三つの位置と流体連通する第1流路(88d)、一つの流路位置で回転バルブ体(80b)を軸方向に貫通して延長される第2流路(88e)を含む。回転バルブ体(60、80a、80b)それぞれのための可能な4つの流路位置の各々は、当該実施例に示された横方向流動後の対向する軸方向のいずれかへの流体の連通のために、対向する流路(66、67)のうちの少なくとも1つを含むことが本実施例では想定される。
【0041】
図7は、第1回転位置で図示した回転バルブ体(60、80a、80b)のそれぞれと選択的に噛み合う第1リングギア(31)(
図7に図示せず)と一致する。第1回転位置は、対向する軸方向側において、回転バルブ体(60)の第1流路(68a)、回転バルブ体(80a)の第1流路(88a)と流体連通する流路開口(55a)と一致する。また、第1回転位置は、対向する軸方向側から、回転バルブ体(60)の第1流路(68a)(流路開口(55a)以外の他の流路を介して)、回転バルブ体(80b)の第1流路(88d)と流体連通する流路開口(55b)と一致する。複数の横方向変位流路位置と連通する流路(68a、88a、88d)間の矢印が示すように、第1流路構成は、状況に応じて、流路開口(55a、55b)から前方及び後方に移動されたとき、開示された回転バルブ体(60、80a、80b)の3つの回転バルブ体全体にわたって流れる流体と一致することができる。
【0042】
対照的に、
図8は、
図7に示した回転バルブ体(60、80a)それぞれの周囲で回転する矢印が示すように、回転バルブ体(60)と回転バルブ体(80a)それぞれを時計回りに一つの流路位置に回転させるために、回転の選択的な回転度合いを経た第1リングギア(31)と一致している。しかしながら、この例はまた、
図8の第1回転位置から第2回転位置に回転されたとき、第1リングギア(31)と噛み合うために接線位置で歯部(
図7で図示せず)の不連続的セグメントの一つを有する回転バルブ体(80b)と一致する。従って、回転バルブ体(80b)は、
図7から
図8への任意の回転を受けないように示している。
【0043】
第1リングギア(31)の第2回転位置は、対向する軸方向側から回転バルブ体(60)の軸方向に延びる第2流路(68b)及び回転バルブ体(80a)の軸方向に延びる第2流路(88b)と流体連通する流路開口(55a)と一致する。第2回転位置はまた、対向する軸方向側で、回転バルブ体(60)の第1流路(68a)(
図7とは異なる流路を介して)及び回転バルブ体(80b)の第1流路(88d)と流体連通するように維持された流路開口(55b)と一致する。複数の横方向に変位された流路位置と連通する流路(68a、88a、88d)の矢印で示すように、第2流路構成は、異なる流路(68a、68b、88a、88b、88c、88d、88e)間の横方向及び軸方向流量の異なる組み合わせと一致する。
【0044】
詳細には図示していないが、回転バルブ体(60)と軸方向に整列した残りの流路(55c、55d)及び隣接する一つの固定バルブ回転バルブ体(図示せず)の間に存在する関係は、第1リングギア(31)が第1回転位置から第2回転位置に調整されたときに変更される。例えば、流路開口(55c)は、流路(68a、68b)のどれが第1及び第2回転位置の間で軸方向に整列された固定バルブ回転バルブ体と流体連通するかの切り替え(スイッチング)を受ける。前記と同じ関係が、1つ以上のバルブアセンブリのそれぞれの異なる層の回転バルブ体のうち2つの間で整列されず、軸方向に配置された流路開口部(55)のそれぞれについて存在し、したがって、この同じ概念が制御バルブ(10)に対する任意の位置で適用できることは、残りの図面を検討したときに明らかである。
【0045】
図9と
図10は、4つに対向する6つの流路を有する制御バルブの隣接する層のバルブ回転バルブ体に対して可能な追加的な構成を示している。しかしながら、同じ一般的な原則が依然として適用され、隣接するレイヤの流路の少なくとも一部が互いに整列され、各バルブ回転バルブ体が隣接するレイヤの複数の他のバルブ回転バルブ体と軸方向に重複するように、隣接するレイヤのバルブ回転バルブ体は、角度を成して相殺される。
【0046】
詳細には、
図9は、
図1乃至
図8の単一流路位置の重複に対して、二つのそれぞれ異なる流路位置で隣接する層の二つの回転バルブ体(80)それぞれと一つの層の回転バルブ体(60)それぞれが重なることを含む、密に充填された六つの流路の位置構成の一例を示している。このような構成は、回転バルブ体(60、80)を、隣接して配置された固定バルブ回転バルブ体(70、90)に関連する二つのそれぞれ異なる流路開口部(55)と軸方向に整列させることができる。逆に、
図10は、より密集していない6つの流路位置構成を示しており、1つの層の回転バルブ体(60、80)のそれぞれが、1つの流路位置で隣接する層の2つの回転バルブ体(60、80)のそれぞれと重なることを含む。この構成は、隣接する軸方向に隣接する各層の回転バルブ体(60、80)のうちの1つと軸方向に整列していない流路開口を介して、回転バルブ体(60、80)それぞれが、隣接する固定バルブ回転バルブ体などと連通するための4つのオープン流路位置を持つようにする。6つの位置構成のそれぞれは、60度程度に角度を成して相殺され、当該回転バルブ体の回転軸から同じ距離間隔で分散された流路位置を含む。6つの流路位置構成は、開示された4つの流路位置構成と実質的に同じ方法で駆動するが、追加の流路の導入により、使用可能なオーバーラップの違い、使用可能な追加の駆動モードなどの重要な違いがある。例えば、各回転バルブ体は、4つのバルブアセンブリの場合とは対照的に、流路位置がバルブアセンブリの隣接する層と整列する6つの異なる固有の位置と関連付けることができ、これにより、リングギアアセンブリとそのアクチュエータの1つを使用することで達成できる使用可能なフロー構成の数が増加する。
【0047】
図11と
図12は、本発明のマルチ流路プラネタリー流体制御バルブ(110)で使用する6つの流路構成の実施例を示す。制御バルブ(110)は、制御バルブ(10)と実質的に同じ方式で駆動し、したがって、以下で関連しない場合、詳細な説明は省略する。制御バルブ(110)は、複数の層で実装されたとき、6つの流路構成の積層された本質をより詳細に示すために、周辺のリングギアを省略して図示した。制御バルブ(110)は、第1の回転バルブ体(160)と第2の回転バルブ体(180)の交互の層に向かって対向するケーシングシェル(113、114)を含み、
図9の構成に準拠して、軸方向に隣接する回転バルブ体(160、180)の部分間に軸方向の整列と重複を導入するために、回転バルブ体(160、180)のそれぞれの異なる層間に角度変位が存在する。交互の層はまた、回転バルブ体(160、180)のいずれかがない位置で固定バルブ回転バルブ体(170、190)を含む。複数のシールプレート(150)のうちの1つは、バルブ回転バルブ体(160、170、180、190)の隣接する層の間に配置される。
【0048】
制御バルブ(110)はまた、本明細書上で説明された様々な特徴部が
図1乃至
図8の制御バルブに適用可能であることを示している。
図11に示すように、シェル(114)は、複数のそれぞれ異なる流路位置と流体連通するマルチ流路外部流路(115b)と、単一の流路位置と関連する軸方向に延びる外部流路(115a)を含む、マルチ流路外部流路(115b)は、外部流体ライン、パイプ、ホースなどへの接続のために延長される流路(115b)の軸方向に延長される部分から直接隣接する流路位置ではない位置に配置された流路位置を含む。そのようなシェル(114)に対して図示された流れの組み合わせと方向転換は、所望に応じて、固定バルブ回転バルブ体のうち、任意の回転バルブ体を貫通して形成された流路のうち、任意の通路に適用することができ、又は、バルブアセンブリの隣接するレイヤー間のシールプレートのうちの一つの内部で使用することができる。
【0049】
図12に示す通り、回転バルブ体(180)の層のうちの1つの回転バルブ体(180a、180b)のペアが、バルブアセンブリの隣接する層を省略して露出させて示している。回転バルブ体(180a、180b)のそれぞれは、
図1乃至
図8の全体にわたって図示したものと比較して対照的な、回転バルブ体の端部面に位置する流路構成を含む。特に、回転バルブ体(180a)は、その流路位置のそれぞれで3つの独立した円形の流路の使用に対して、流路(187a)の穿孔された2つの脚を含む円周形状を有する2つの脚型流路(188a)を含む。代わりに、流路(187a)の周囲内部に形成された開口部は、隣接するシールプレート(150)を貫通して形成された整列された流体開口部のうち任意の開口部と流体連通することができる。回転バルブ体(180b)は、回転バルブ体(180b)の回転軸の周りに延長される実質的に三角形の流路(188b)を含む。ここで、流路(187b)の周囲は、回転軸の周りに二つの隣接していない流路位置の位置まで延びている。
したがって、流路(187b)の周囲によって形成された開口は、同様に、三角形の流路(188b)と軸方向整列された隣接するシールプレート(150)内部に形成された流路開口のうち任意の開口と流体的に連通することができる。従って、回転バルブ体(180a、180b)は、本明細書に開示した任意の実施例の回転バルブ体のうち、任意の回転バルブ体に対して使用することができる追加的な流動構成を代表する。
【0050】
前述の説明から、当業者は、本発明の本質的な特徴を容易に確認することができ、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、本発明を様々な用途や条件に適用するために様々な変更や修正を加えることができる。
【符号の説明】
【0051】
10 制御バルブ
12 ケーシング
13 第1のシェル
14 第2のシェル
15 流路
15a 外部流路
15b ターンアラウンド流路
17 第1アクチュエータ
18 第2アクチュエータ
25、35、36 外歯
30 ギアアセンブリ、第1バルブアセンブリ
31 第1リングギア
32 第2ギアアセンブリ、バルブアセンブリ
33 第2リングギア
36 内歯
51 第1シールプレート
52 第2シールプレート
53 シールプレート、第3シールプレート
55 流路開口部
55a 流路開口
55b 流路開口
55c、55d 流路
60 第1回転バルブ体
61 第1軸方向端面
62 第2軸方向端面
63 円周方向表面
65 外歯
66 第1流路
67 第2流路
68 流路
68a 第1流路
68b 流路
70 第1固定バルブ回転バルブ体
80 第2回転バルブ体
80a、80b 回転バルブ体
86 第1流路
87 第2流路
88a 第1流路
88b 第2流路
88c 第3流路
88d 第1流路
88e 流路
90 第2固定バルブ回転バルブ体
110 制御バルブ
114 ケーシングシェル
150 シールプレート
115a 外部流路
115b マルチ流路外部流路
160 第1の回転バルブ体
190 固定バルブ回転バルブ体
180、180a、180b 回転バルブ体
187a 流路
188a 脚型流路
187b 流路
【国際調査報告】