(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】電子デバイスのプローブヘッド用のコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッド
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20250117BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20250117BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
G01R1/073 B
G01R31/26 J
H01L21/66 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538650
(86)(22)【出願日】2022-12-19
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 EP2022086755
(87)【国際公開番号】W WO2023126239
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】102021000032882
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519046085
【氏名又は名称】テクノプローベ ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェットーリ、リカルド
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
4M106
【Fターム(参考)】
2G003AA10
2G003AB01
2G003AG04
2G011AA14
2G011AB01
2G011AB07
2G011AC14
2G011AC21
2G011AE03
4M106AA01
4M106DD03
4M106DD04
4M106DD10
(57)【要約】
本明細書には、コンタクトプローブ(20)であって、コンタクトプローブ(20)が、被試験デバイス(51)のコンタクトパッド(51A)に当接するように構成されたコンタクトチップ(21A)で終端する第1の端部部分(20A)と試験装置のボード(60)のコンタクトパッド(61A)に当接するように構成されたコンタクトヘッド(21B)で終端する第2の端部部分(20B)とに加えて、長手方向展開軸(HH)に沿って第1の端部部分(20A)と第2の端部部分(20B)との間に延在したプローブ本体(20C)とを有し、第1の端部部分(20A)が、プローブ本体(20C)とコンタクトチップ(21A)との間に介在する第1の支持部(22A)を備える、コンタクトプローブ(20)が記載される。適切には、第1の支持部(22A)は、長手方向展開軸(HH)に沿って互いに対して平行に延在する、および空隙(ZA)によって分離されている少なくとも1つのコンタクトピン(24)および1つのプローブ長(23)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンタクトプローブ(20)であって、前記コンタクトプローブ(20)が、被試験デバイスのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトチップ(21A)で終端する第1の端部部分(20A)と、
試験装置のボードのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトヘッド(21B)で終端する第2の端部部分(20B)と、
長手方向展開軸(HH)に沿って前記第1の端部部分(20A)と前記第2の端部部分(20B)との間に延在したプローブ本体(20C)と、を有し、
前記第1の端部部分(20A)が、前記プローブ本体(20C)と前記コンタクトチップ(21A)との間に介在する第1の支持部(22A)を備え、
前記第1の支持部(22A)が、前記長手方向展開軸(HH)に沿って互いに対して平行に延在し空隙(ZA)によって分離されている少なくとも1つのコンタクトピン(24)および1つのプローブ長(23)を備えること、を特徴とする、コンタクトプローブ(20)。
【請求項2】
前記第1の支持部(22A)が、前記長手方向展開軸(HH)に直交する横方向に沿って前記コンタクトピン(24)と前記プローブ長(23)とを接続するように構成された少なくとも1つの材料ブリッジ(25)をさらに備え、前記プローブ長(23)、前記コンタクトピン(24)、および前記材料ブリッジ(25)が、全体として前記第1の支持部(22A)をU字形として構成していることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項3】
前記コンタクトチップ(21A)が、前記コンタクトプローブ(20)の前記長手方向展開軸(HH)とは別個かつ平行であるさらなる長手方向軸(H’H’)に沿って前記コンタクトピン(24)と位置合わせされることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項4】
前記コンタクトピン(24)が、前記材料ブリッジ(25)に接合されている端部とは反対側にある、その自由端に対応した少なくとも1つの保持部分(24B)を備え、前記保持部分(24B)が、前記保持部分(24B)の外側の前記コンタクトピン(24)の横径(D2)よりも大きな横径(Dc)を有し、横径が、非円形断面の場合でも、前記長手方向展開軸(HH)に対して直交する横断面の最大寸法を意味していることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項5】
前記保持部分(24B)が、前記コンタクトピン(24)の前記横径(D2)よりも大きな前記横径(Dc)を有する少なくとも1つの拡大部分(27c)をさらに備え、前記拡大部分(27c)が、前記保持部分(24B)の少なくとも1つのアンダーカット壁(Sq)を画定するように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項6】
前記保持部分(24B)が、さらなる長手方向軸(H’H’)に沿って延在する少なくとも1つの長手方向開口部(27)も備え、横方向の圧縮力、すなわち、前記さらなる長手方向軸(H’H’)に直交する力にさらされた場合に、互いに接近および離間する移動ができる前記保持部分(24B)の少なくとも一対の部分(27a、27b)を画定するように構成されていることを特徴とする、請求項4記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項7】
前記第2の端部部分(20B)が、ガイドホールが前記第2の端部部分(20B)を収容するときに前記ガイドホールの壁との摩擦を生成するように構成された少なくとも1つの保持機構(28)を備え、前記保持機構(28)が、好ましくは波形表面を備えることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項8】
前記第2の端部部分(20B)が、前記コンタクトヘッド(21B)に隣接する、前記第2の端部部分(20B)の第2の支持部(22B)において前記長手方向展開軸(HH)に沿って長手方向に配置された少なくとも1つの開口部(29)をさらに備え、前記長手方向に配置された少なくとも1つの開口部(29)が、横方向の圧縮力、すなわち、前記長手方向展開軸(HH)に直交する力にさらされた場合に、互いに接近および離間する移動ができる前記第2の支持部(22B)の2つの対向する部分(29a、29b)を画定するように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項9】
前記コンタクトプローブ(20)が、前記プローブ本体(20C)に沿って延在する少なくとも1つの長手方向スロット(26)を備え、互いに略平行であり前記長手方向スロット(26)によって分離された少なくとも一対のアーム(26a、26b)を中に画定するように構成されていることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項10】
前記プローブ本体(20C)が、少なくとも1つの屈曲部、好ましくは2つの屈曲部を含む、静置状態で曲線構造の予め変形された形状を有することを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項11】
前記プローブ本体(20C)が、前記第1の端部部分(20A)および前記第2の端部部分(20B)の1つに対応して前記プローブ本体(20C)に位置づけられた屈曲ネックを形成する少なくとも1つの断面縮小部分をさらに備えることを特徴とする、請求項1記載のコンタクトプローブ(20)。
【請求項12】
被試験デバイスの機能性を試験するためのプローブヘッド(40)であって、前記プローブヘッド(40)が、複数のコンタクトプローブ(20)を収容するための上部ガイドホール(41)が設けられた単一の上部ガイド(41)および下部ガイドホール(42A、42B)が設けられた単一の下部ガイド(42)を備え、
前記コンタクトプローブ(20)が請求項1~11のいずれか1項に従って実現されることを特徴とし、
前記下部ガイドホール(42A、42B)が、前記コンタクトプローブ(20)のプローブ長(23)を収容するように構成された第1の下部ガイドホール(42A)および前記コンタクトプローブ(20)のコンタクトピン(24)を収容するように構成された第2の下部ガイドホール(42B)を備えることを特徴とする、プローブヘッド(40)。
【請求項13】
前記第2の下部ガイドホール(42B)が、前記コンタクトピン(24)の保持部分(24B)の横径(Dc)に等しいかまたはそれより小さい横径を有し、前記横径が、好ましくは0~10%異なることを特徴とする、請求項12記載のプローブヘッド(40)。
【請求項14】
前記プローブヘッド(40)が、第1のコンタクトプローブ(20)および第2のコンタクトプローブ(20’)を備え、それぞれのコンタクトピン(24、24’)が、それぞれのプローブ長(23、23’)から、それぞれ、第1の距離(S1)および第2の距離(S2)だけ離間されており、前記第1の距離(S1)および前記第2の距離(S2)が、前記第1のコンタクトプローブ(20)および前記第2のコンタクトプローブ(20’)のそれぞれのコンタクトヘッド(21B、21B’)が当接するインターフェースボード(61)のコンタクトパッド(61A)を、前記第1のコンタクトプローブ(20)および前記第2のコンタクトプローブ(20’)のそれぞれのコンタクトチップ(21A、21A’)が当接する被試験デバイス(50)のコンタクトパッド(51A)に対して空間的に再分布するように互いに異なっていることを特徴とする、請求項12記載のプローブヘッド(40)。
【請求項15】
前記プローブヘッド(40)が、前記単一の上部ガイド(41)に関連付けられた、および前記コンタクトプローブ(20)を収容するように構成されたそれぞれの上部開口部(43H)が設けられた、少なくとも1つの上部フレーム(43)と、前記下部ガイド(42)に関連付けられた、および前記コンタクトプローブ(20)を収容するためのそれぞれの下部開口部(44H)が設けられた、少なくとも1つの下部フレーム(44)と、をさらに備えることを特徴とする、請求項12記載のプローブヘッド(40)。
【請求項16】
前記コンタクトプローブ(20)が、静置状態で、前記コンタクトプローブ(20)の最大オーバートラベル値より大きい前記下部ガイド(42)からの距離(H)で位置づけられた、前記プローブ長(23)および前記コンタクトピン(24)を接続するように構成された横方向材料ブリッジ(25)を備え、前記オーバートラベルは、前記コンタクトプローブ(20)が被試験デバイス(51)のコンタクトパッド(51A)に圧接しているときの長手方向展開軸(HH)に沿った前記コンタクトプローブ(20)のコンタクトチップ(21A)の変位であることを特徴とする、請求項12記載のプローブヘッド(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その最も一般的な態様では、電子デバイスのプローブヘッド用のコンタクトプローブに関し、以下の記載は、その説明を単純化するという唯一の目的で、この応用分野を参照して行われている。
【背景技術】
【0002】
周知のように、プローブヘッドは、実質的に、微細構造、特に半導体ウェーハ上に集積された電子デバイスの複数のコンタクトパッドを、機能性試験、特に電気試験、または一般的に試験を実行する試験装置の対応するチャネルと電気的に接続するように構成されたデバイスである。
【0003】
集積された電子デバイスに対して実行される試験は、特に、製造段階中の初期に欠陥のあるデバイスを検出して隔離することを目的としている。通常、プローブヘッドは、その後、ウェーハ上に集積された電子デバイスを切断してチップ収納パッケージ内に組み付ける前に、電子デバイスを電気的に試験するために使用される。
【0004】
プローブヘッドは、通常、良好な電気的および機械的特性を有する特殊な合金によって形成された、および被試験デバイスのコンタクトパッドの1つにコンタクトする少なくとも1つのコンタクト部分が設けられた、多数のコンタクト要素またはプローブを備える。
【0005】
より具体的には、垂直プローブヘッドは、コンタクトプローブを移動させて最終的に変形させるための自由領域または空隙を残すように互いに平行であり、一定の距離を置いて配置された、少なくとも一対のプレート状ガイドに作られたガイドホールに収容された複数のコンタクトプローブを備える。一対のガイドは、特に、プローブヘッドに接続された試験装置のより近くに位置づけられた上部ガイドと、被試験デバイスを備えるウェーハのより近くに位置づけられた下部ガイドと、を備え、両方のガイドにはそれぞれのガイドホールが設けられ、それぞれのガイドホール内で、コンタクトプローブは軸方向にスライドする。
【0006】
プローブヘッドのコンタクトプローブと被試験デバイスのコンタクトパッドとの間の良好な接続は、デバイスに対するプローブヘッドの圧力によって保証され、上部ガイドおよび下部ガイドのガイドホール内で移動可能であるコンタクトプローブは、上記圧接中に、2つのガイド間の空隙内で曲がり、それぞれのガイドホール内でスライドする。
【0007】
さらに、空隙内でのコンタクトプローブの曲がりは、
図1に概略的に示されるように、プローブおよびそのガイドの適切な構成によって支援することができ、示されたプローブヘッドはいわゆるシフトされたプレートのタイプ(shifted-plate type)のものである。
【0008】
このような場合、プローブヘッド10は、プレート状であり、互いに対して平行である、少なくとも一対の上部ガイドまたはダイ、特に第1の上部ガイド16と第2の上部ガイド17、および下部ガイドまたはダイ18を備え、上部ガイドおよび下部ガイドには、コンタクトプローブ11が中でスライドする、それぞれの第1の上部ガイドホール16A、第2の上部ガイドホール17A、および下部ガイドホール18Aが設けられている。図示されていない他の既知の実施形態では、下部ガイドも1つの下部ガイドと中間ガイドに分割することができ、その両方には、コンタクトプローブ11をスライドさせるための適切なガイドホールが設けられている。
【0009】
第1の上部ガイド16および第2の上部ガイド17は、下部ガイド18に対して適切にシフトされており、シフトという用語は、それぞれの第1の上部ガイドホール16A、第2の上部ガイドホール17A、および下部ガイドホール18Aの中心の位置が互いに対してずれており、これらは、代わりに図面のローカル基準においてzで示されている同じ長手方向に沿って配置されていないことを意味しており、上記長手方向zは、ガイドの横展開面に対応する基準面πに垂直である。さらに、第1の上部ガイド16および第2の上部ガイド17は互いに対してシフトされている。これによって、上記第1の上部ガイド16、第2の上部ガイド17、および下部ガイド18のガイドホールに収容されたコンタクトプローブ11は、図面のローカル基準の長手方向zに対応して、第1の上部ガイド16、第2の上部ガイド17、および下部ガイド18のその長手方向展開軸HHに対して変形する。
【0010】
各コンタクトプローブ11は、実質的に長手方向展開軸HHに沿って延在するプローブ本体11Cを備え、複数のコンタクトプローブ11が、通常、基準面πに直交するように配置されている上記長手方向展開軸HHを有してプローブヘッド10の内部に配置される。
【0011】
各コンタクトプローブ11は、コンタクトチップ11Aとして示された、および基準面π上に展開する半導体ウェーハ13上に作られた被試験デバイス12のコンタクトパッド12Aに当接するように構成された、少なくとも1つの第1のコンタクト端部と、コンタクトヘッド11Bとして示された、およびインターフェースPCBボードまたはいわゆるスペーストランスフォーマ、すなわち、それぞれのコンタクトパッドのその対向する両面に作られた分布に関連した空間変換を実現することができるPCBボードなどの、試験装置と接続するボード14のコンタクトパッド14Aに当接するように構成された、第2のコンタクト端部と、を有する。端部またはチップという用語は、本明細書および以下において、必ずしも尖っているわけではない端子部分を示す。特に、プローブヘッド10が集積デバイスの試験を実行する場合、そのコンタクトプローブ11のコンタクトチップ11Aは、被試験デバイス12のコンタクトパッド12Aに圧接し、プローブは曲がって変形し、そのコンタクトヘッド11Bもボード14のコンタクトパッド14Aに圧接しており、したがって、コンタクトプローブ11は、被試験デバイス12とプローブヘッド10が端部要素を形成する試験装置(図示せず)との間の機械的および電気的接触を実行する。
【0012】
適切には、図面のローカル基準の方向Zにおいて、第1の上部ガイド16がボード14により近いガイドである場合の第2の上部ガイド17と、下部ガイド18とは、空隙19によって離間され、それにより、プローブヘッド10の動作中にコンタクトプローブ11を変形させることが可能になる。
【0013】
コンタクトプローブ11の変形は、それぞれのコンタクトチップ11Aが、長手方向zに対して傾斜するように被試験デバイス12のコンタクトパッド12Aに当接し、それにより、コンタクトプローブ11と被試験デバイス12との間の、機械的であるだけでなく電気的でもある、正しい接触を保証するように、コンタクトパッド12A上の上記コンタクトチップ11Aのスライドおよびしたがってその表面のクリーニングまたはスクラブを保証する。
【0014】
特にプローブヘッドが集積回路のウェーハに対して静置していない場合は、プローブヘッドの内部のプローブの正しい保持を保証することも等しく重要である。この目的のために、通常、図面のローカル基準を考慮して、長手方向zの両方向、すなわち上方および下方で、コンタクトプローブ11がプローブヘッド10から不必要に滑り落ちることを防止するための機構が提供される。
【0015】
この目的のために、
図1の例のコンタクトプローブ11の各々のコンタクトヘッド11Bには、拡大部分11D、すなわち、プローブ本体11Cの残りの横径および第1の上部ガイド16の第1の上部ガイドホール16Aの横径よりも大きい横径を有する拡大部分11Dが設けられており、横径という用語は、本明細書および以下において、基準面πで取られた、円形でなくても断面の最大寸法の値を意味している。上記拡大部分11Dによって、第1の上部ガイド16へのコンタクトヘッド11Bの当接が保証され、特にプローブがプローブヘッド10の通常動作中に静置されている被試験デバイス12なしで、図面のローカル基準を依然として考慮して、下方への、すなわちウェーハ13の方向でのコンタクトプローブ11のスライドが防止される。
【0016】
さらに、各コンタクトプローブ11には、通常はストッパ15として示され、プローブ本体11Cの壁から開始して突設された、
図1の例に示されるような適切な突出要素を設けることができる。特に、ガイドのシフトにより、コンタクトプローブ11は、一旦組み立てられると、第1の上部ガイド16の対応する第1の上部ガイドホール16Aの壁に接触している第1の側壁ls1と、第2の上部ガイド17の第2の上部ガイドホール17Aの壁に接触している対向する第2の側壁ls2と、を有する。したがって、ストッパ15は、たとえば、通常は強力な空気ジェットによって行われ、コンタクトプローブ11の大きな垂直方向の変位を意味し得るプローブヘッド10のクリーニング操作中に、図面のローカル基準を考慮して、コンタクトプローブ11が上方に、すなわち試験装置の方向に移動するときに第2の上部ガイド17の下面F1と干渉するように、コンタクトプローブ11の第2の側壁ls2から開始して突設され、したがって、ストッパ15は、プローブヘッド10の外側のそれぞれのコンタクトプローブ11の移動およびスライドを防止するように構成されている。
【0017】
そのような場合、上部ガイドホール16Aおよび17Aは、以下に説明されるように、プローブヘッド10の組み立て中にストッパ15の通過を保証するように寸法合わせされており、上部ガイド16および17間のシフトは、いずれにしても、第2の側壁ls2がストッパ15の上の第2の上部ガイドホール17A上に静置されているコンタクトプローブ11の位置決めを保証し、したがって、ストッパ15とその上の第2の上部ガイド17との対照およびプローブヘッド10の内部でのコンタクトプローブ11の正しい保持を保証する。
【0018】
コンタクトプローブ11を、そのヘッド部分11Bの拡大、およびストッパ15と、要求通りにプローブを曲げて変形させるようにシフトされる上部ガイドの1つとの間の干渉によって保持するこの効率的な方法は、コンタクトプローブ11が、上方から開始して、すなわち試験装置と接続するボード14の側から開始してプローブヘッド10の内部に組み立てられることを伴う。(上方からの組み立て方向が試験機側(
図1の矢印TS)として示されている。)
【0019】
今のところ、垂直技術によるプローブヘッドにおけるコンタクトプローブの組み立ては、主に手動で行われ、特に、オペレータが、第1のガイド、すなわち試験装置と接続するボードにより近い上部ガイドのガイドホールを中心に置くようにコンタクトプローブを位置づけて、それらを、最後のガイド、すなわちウェーハ上に集積された被試験デバイスにより近い下部ガイドまで、他のガイドの他のガイドホールを中心に置くまで重力により下降させ、各コンタクトプローブの移動は、第1のガイド、すなわち上部ガイドのガイドホールを越えたスライドを可能にしない拡大ヘッド部分によって停止される。
【0020】
プローブヘッドにおけるコンタクトプローブの上記組み立ては、プローブの形状およびプローブヘッドのガイドのガイドホールの相対的な位置合わせに密に依存しており、これらの特性は、制御不可能であり、プロセスを効率的に自動化することを妨げるように決定的に組み立て工程の効率を制限している。
【0021】
また、専門のオペレータが、可能性としてカメラと照明システムによって支援される場合、手動による組み立ては、オペレータ自身のスキルに関連した時間とコストがかかり、大きな生産規模を可能にしないか、または需要のピークに対応することを可能にせず、専門のオペレータをトレーニングするために必要な期間は、多くの場合、そのような専門のオペレータを必要とする生産ピークの期間よりも長くなる。場合によっては、プローブが特に不規則なプロファイルを有する、および/またはガイドの関連するガイドホールの位置が大きくずれているときに、組み立てを成功させることができず(すなわち、プローブをガイドホールに挿入することができず)、これは、上記プローブの破損さえ引き起こしかねず、さらに時間だけでなくリソースも浪費され、試験機側タイプの組み立てモード全体を効率的ではないものにしている。
【0022】
プローブヘッドのガイドのプローブホールにおけるコンタクトプローブの組み立てに関連する問題はさらに、プローブヘッドの組み立て時に限定されない。実際、プローブヘッドは、一旦組み立てられると、特にそこに含まれるコンタクトプローブに関して、摩耗または故障にさらされ得る。
【0023】
必要な試験を実行することによって、コンタクトプローブに交換されるべき問題が見つかった場合、上方から抜き取って挿入するための既に説明した問題のある機構を依然として伴って、コンタクトヘッドは、試験装置から分解され、欠陥のあるプローブを取り外し、新しいプローブと交換することができるように部分的に分解されるべきであり、欠陥のあるプローブを交換した後、プローブヘッドは、再度組み立てられ、試験装置に再接続されなければならない。
【0024】
プローブヘッドに含まれるさまざまなコンタクトプローブが試験されるため、試験/分解/交換/再組み立ての操作は数回繰り返されるべきであり、プローブの数は数千になり得る。故障、たとえばプローブヘッドの耐用年数の間にコンタクトプローブの破損が生じた場合には、プローブヘッドの耐用年数の間に同じ操作シーケンスが繰り返されるべきである。
【0025】
本発明の技術的課題は、どのような状況でもプローブヘッドの内部のコンタクトプローブの正しい保持を依然として保証し、先行技術に従って製造されたコンタクトプローブおよびプローブヘッドに依然として影響を与えている制限および欠点を克服しながら、プローブヘッドの組み立て操作を簡素化することができるだけでなく、その操作および定期的に試験し、欠陥の可能性のあるコンタクトプローブの交換することもできる垂直技術を備えたプローブヘッド用のコンタクトプローブの構成を提供することである。
【発明の概要】
【0026】
本発明の根底にある考えは、各コンタクトプローブのヘッド部分の拡大またはその側面から突出するストッパの存在などのさらなる保持機構を提供する必要がなく、下部ガイドと干渉するためにプローブヘッドの内部にプローブを保持することができる、上記下部ガイドとのさらなる接続ピンを各コンタクトプローブに設けることであり、それにより、底部からの、すなわち、一般にプローブ側として示される、被試験デバイスの側から開始する、コンタクトプローブの組み立てが可能になる。
【0027】
上記解決策に基づいて、技術的課題は、被試験デバイスのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトチップで終端する第1の端部部分と、試験装置のボードのコンタクトパッドに当接するように構成されたコンタクトヘッドで終端する第2の端部部分と、長手方向展開軸に沿って第1の端部部分と第2の端部部分との間に延在したプローブ本体とを有するコンタクトプローブによって解決され、上記第1の端部部分は、プローブ本体とコンタクトチップとの間に介在する第1の支持部を備え、上記第1の支持部が、長手方向展開軸に沿って互いに対して平行に延在し、空隙によって分離されている少なくとも1つのコンタクトピンおよびプローブ長を備えること、を特徴としている。
【0028】
より具体的には、本発明は、単独で、または必要に応じて組み合わせて採用される、以下の追加および随意の特徴を含む。
【0029】
本発明の一態様によれば、第1の支持部は、長手方向展開軸に直交する横方向に沿ってコンタクトピンとプローブ長とを接続するように構成された少なくとも1つの材料ブリッジをさらに備えることができ、上記プローブ長、コンタクトピン、および材料ブリッジは、全体として第1の支持部をU字形として構成している。
【0030】
本発明の別の態様によれば、コンタクトチップは、コンタクトプローブの長手方向展開軸とは別個かつ平行であるさらなる長手方向軸に沿ってコンタクトピンと位置合わせすることができる。
【0031】
さらに、本発明の態様によれば、コンタクトピンは、材料ブリッジに接合されている端部とは反対側にある、その自由端に少なくとも1つの保持部分を備えることができ、上記保持部分は、保持部分の外側のコンタクトピンの横径よりも大きな横径を有し、横径は、非円形断面の場合でも、長手方向展開軸に対して直交する横断面の最大寸法を意味している。
【0032】
大部分をさらに備えることができ、上記拡大部分は、保持部分の少なくとも1つのアンダーカット壁を画定するように構成されている。
【0033】
さらに、保持部分は、さらなる長手方向軸に沿って延在する少なくとも1つの長手方向開口部も備えることもでき、横方向の圧縮力、すなわち、さらなる長手方向軸に直交する力にさらされた場合に、互いに接近および離間する移動ができる保持部分の少なくとも一対の部分を画定するように構成されている。
【0034】
本発明の別の態様によれば、第2の端部部分は、ガイドホールが第2の端部部分を収容するときにガイドホールの壁との摩擦を生成するように構成された少なくとも1つの保持機構を備えることができ、保持機構は、好ましくは波形表面を備える。
【0035】
上記第2の端部部分は、コンタクトヘッドに隣接する、第2の端部部分の第2の支持部において長手方向展開軸に沿って長手方向に配置された少なくとも1つの開口部をさらに備えることができ、上記長手方向に配置された少なくとも1つの開口部は、横方向の圧縮力、すなわち、長手方向展開軸に直交する力にさらされた場合に、互いに接近および離間する移動ができる第2の支持部の2つの対向する部分を画定するように構成されている。
【0036】
本発明の態様によれば、コンタクトプローブは、プローブ本体に沿って延在する少なくとも1つの長手方向スロットを備えることもでき、互いに略平行であり長手方向スロットによって分離された少なくとも一対のアームを中に画定するように構成されている。
【0037】
プローブ本体は、少なくとも1つの屈曲部、好ましくは2つの屈曲部を含む、静置状態で曲線構造の予め変形された形状を有することができる。
【0038】
本発明の別の態様によれば、コンタクトプローブは、上記第1の端部部分および上記第2の端部部分の1つに対応してプローブ本体に位置づけられた屈曲ネックを形成する少なくとも1つの断面縮小部分をさらに備えることができる。
【0039】
技術的課題はまた、複数のコンタクトプローブを収容するための上部ガイドホールが設けられた単一の上部ガイドおよび下部ガイドホールが設けられた単一の下部ガイドを備える、被試験デバイスの機能性を試験するためのプローブヘッドによって解決され、上記コンタクトプローブは上記で示したように作られ、上記下部ガイドホールは、コンタクトプローブのプローブ長を収容するように構成された第1の下部ガイドホールおよびコンタクトプローブのコンタクトピンを収容するように構成された第2の下部ガイドホールを備える。
【0040】
本発明の態様によれば、第2の下部ガイドホールは、コンタクトピンの保持部分の横径に等しいかまたはそれより小さい横径を有することができ、これらの横径は、好ましくは0~10%異なる。
【0041】
本発明の別の態様によれば、プローブヘッドは、第1のコンタクトプローブおよび第2のコンタクトプローブを備えることができ、それらのそれぞれのコンタクトピンは、それぞれのプローブ長から、それぞれ、第1の距離および第2の距離だけ離間されており、上記第1の距離および上記第2の距離は、上記第1のコンタクトプローブおよび上記第2のコンタクトプローブのそれぞれのコンタクトヘッドが当接するインターフェースボードのコンタクトパッドを、上記第1のコンタクトプローブおよび上記第2のコンタクトプローブのそれぞれのコンタクトチップが当接する被試験デバイスのコンタクトパッドに対して空間的に再分布するように互いに異なっている。
【0042】
本発明の依然として別の態様によれば、プローブヘッドは、単一の上部ガイドに連結された、およびコンタクトプローブを収容するように構成されたそれぞれの上部開口部が設けられた、少なくとも1つの上部フレームと、単一の下部ガイドと関連付けられた、およびコンタクトプローブを収容するためのそれぞれの下部開口部が設けられた、少なくとも1つの下部フレームと、をさらに備えることができる。
【0043】
最後に、コンタクトプローブは、静置状態で、コンタクトプローブの最大オーバートラベル値より大きい下部ガイドからの距離で位置づけられたプローブ長およびコンタクトピンを接続するように構成された横方向材料ブリッジを備えることができ、上記オーバートラベルは、コンタクトプローブが被試験デバイスのコンタクトパッドに圧接しているときの長手方向展開軸に沿ったコンタクトプローブのコンタクトチップの変位である。
【0044】
本発明によるコンタクトプローブおよびプローブヘッドの特徴および利点は、添付の図面を参照して、指示的かつ非限定的な例示として与えられる実施形態の、本明細書において以下でなされる、説明から結果としてもたらされる。
【0045】
本明細書に記載される開示は、本明細書で以下に与えられる詳細な説明および添付の図面からより十分に理解され、これらは、添付の請求項に記載される開示に限定されると見なされるべきではない。図面は以下を示している。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】先行技術に従って作られたプローブヘッドの正面図を概略的に示す。
【
図2A】本発明によるコンタクトプローブの実施形態の正面図を示す。
【
図2B】本発明によるコンタクトプローブの実施形態の正面図を示す。
【
図3A】本発明によるコンタクトプローブの代替の実施形態の正面図を示す。
【
図3B】本発明によるコンタクトプローブの代替の実施形態の正面図を示す。
【
図4】本発明によるコンタクトプローブの好ましい実施形態の正面図を示す。
【
図6】
図4の実施形態によるコンタクトプローブを備える、本発明によるプローブヘッドの正面図を示す。
【
図7A】本発明によるプローブヘッドのその異なる動作状態での正面図を示す。
【
図7B】本発明によるプローブヘッドのその異なる動作状態での正面図を示す。
【
図8A】
図4の実施形態に従って作られたコンタクトプローブの可能な構成の上面図を示す。
【
図8B】
図4の実施形態に従って作られたコンタクトプローブの可能な構成の正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
上記図面、特に
図2Aおよび2Bを参照すると、全体的に参照符号20で示される、本発明に従って作られたコンタクトプローブが説明される。
【0048】
図面は、概略図を表し、一定の縮尺で描かれていないが、代わりに、本発明の重要な特徴を強調するために描かれていることが留意されるべきである。また、図面では、さまざまな部分が概略的に示されており、それらの形状は所望の用途に応じて変化し得る。また、実施形態に関連して1つの図面に示される特定の特徴も、他の図面に示される実施形態の1つまたは複数で使用することができる。
【0049】
さらに、さまざまな図面に示され、以下に説明される、さまざまな実施形態における構造的および機能的に等しい要素は、同じ英数字符号で示されている。
【0050】
以下の説明では、「上」、「下」、「上方」、「下方」などの相対語は、図面に示されるプローブおよびプローブヘッドの図面を参照して、それらの説明を簡単にするためにのみ使用される。
【0051】
最後に、特定の幾何学的形状(円形、長方形)または要素の配置(平行、直交、隣接)の表示、ならびに「実質的に(substantially)」という用語は、幾何学的に抽象的な要素ではなく物理的な要素に常に関連するものであると理解されるべきであり、純粋な数学/幾何学の世界から現実の世界への移行によっても導入される許容範囲を常に考慮しなければならない。
【0052】
コンタクトプローブ20は、被試験デバイスのコンタクトパッドに当接するように構成された、およびコンタクトチップ21Aとして示される、コンタクト端部で終端する少なくとも1つの第1の端部部分20Aを備え、第1の端部部分20Aは、上記コンタクトチップ21Aに隣接する、およびコンタクトプローブ20を備えるプローブヘッドのガイドのそれぞれのガイドホール、特に、下部ガイド、すなわち被試験デバイスの近くに位置づけられたガイドのガイドホールに収容されるように構成された、第1の支持部22Aを備える。言い換えれば、第1の端部部分20Aは第1のセクションおよび第2のセクションを備え、第1のセクションは、少なくとも部分的に、それぞれの被試験デバイスの試験工程中にプローブが挿入されるプローブヘッドのガイド、特に下部ガイドのガイドホール内に収容され、上記第1のセクションは第1の支持部22Aを実質的に備え、第2のセクションは、上記ガイドから被試験デバイスに向かって突出し、圧接を介した被試験デバイスのパッドとの接続を実現するように構成されており、上記第2のセクションはコンタクトチップ21Aを実質的に備える。
【0053】
さらに、コンタクトプローブ20は、試験装置とのインターフェースボードのコンタクトパッドに当接するように構成された、およびコンタクトヘッド21Bとして示される、コンタクト端部で終端する第2の端部部分20Bを備え、第2の端部部分20Bは、コンタクトヘッド21Bに隣接する、およびコンタクトプローブ20を備えるプローブヘッドのガイドのガイドホール、特に上部ガイド、すなわち試験装置とのインターフェースボードの近くに位置づけられたガイドのガイドホール内に収容されるように構成された、第2の支持部22Bを備える。言い換えれば、第2の端部部分20Bは第1のセクションおよび第2のセクションを順に備え、第1のセクションは、少なくとも部分的に、それぞれの被試験デバイスの試験工程中にプローブが挿入されるプローブヘッドのガイド、特に上部ガイドのガイドホール内に収容され、第2のセクションは第2の支持部22Bを実質的に備え、第2のセクションは、上記ガイドから試験装置のインターフェースボードに向かって突出し、圧接を介したそのパッドとの接続を実現するように構成されており、上記第2のセクションはコンタクトヘッド21Bを実質的に備える。
【0054】
最後に、コンタクトプローブ20は、実質的に棒状である、および実質的に図面のローカル基準の方向zに、コンタクトプローブ20の長手方向展開軸HHに従って、第1の端部部分20Aと第2の端部部分20Bとの間に延在する、プローブ本体20Cを備える。したがって、以下の説明では、長手方向という用語は、長手方向展開軸HHに平行な方向または平面に従って配置された要素を示すために使用される。
【0055】
適切には、本発明によれば、第1の端部部分20Aは、コンタクトプローブ20の第1の支持部22Aに含まれるプローブ長23に対して平行に延在するコンタクトピン24をさらに備え、上記プローブ長23は、コンタクトピン24と空隙ZAだけ分離されており、特に、コンタクトピン24は、コンタクトプローブ20の、およびしたがってプローブ長23の長手方向展開軸HHとは別個かつ平行であり、距離Sだけ離間されている、さらなる長手方向展開軸H’H’に沿って延在する。これによって、第1の支持部22Aは、互いに平行であり、空隙ZAだけ分離されている、プローブ長23およびコンタクトピン24を備える。
【0056】
適切には、プローブ長23およびコンタクトピン24は、空隙ZA間に延在する材料ブリッジ25によって互いに、およびコンタクトチップ21Aに接続され、プローブ長23、コンタクトピン24、および材料ブリッジ25は、したがって、コンタクトプローブ20の第1の部分22AをU字形に従って画定する。これによって、コンタクトプローブ20は、コンタクトヘッド21Bとコンタクトチップ21Aとの間で長手方向展開軸HHに沿って展開し、その間に、U字形に従ってプローブ長23、コンタクトピン24、および材料ブリッジ25を含む第1の支持部22Aを備える。
【0057】
特に、
図2Aおよび2Bに示される実施形態では、コンタクトチップ21Aが、長手方向展開軸HHに沿ってプローブ長23と位置合わせされている一方で、コンタクトピン24は、プローブ長23およびプローブ本体20Cに対して材料ブリッジ25の長さに等しい距離だけシフトされている。コンタクトチップ21Aをテーパ形状に、コンタクトチップ21Aが当接するように意図されている被試験デバイスのパッドに向かって徐々に縮小する、すなわち長手方向展開軸HHに直交する横断面を有するように実現させることが可能であり、これにより、上記パッドに実際に当接する面積が縮小され、コンタクトプローブ20を特にサイズが縮小されたパッドを伴う用途に適合させる。
【0058】
また、コンタクトピン24は、少なくとも部分的に、コンタクトプローブ20を備えるプローブヘッドのガイドの追加のガイドホール、特に、下部ガイドホールがプローブ長23を少なくとも部分的に収容する下部ガイドの追加のガイドホールに収容されるように構成されている。
【0059】
適切には、コンタクトピン24はまた、少なくとも1つの保持部分24Bを備える。以下で明らかにされるように、上記保持部分24Bは、実質的に長手方向に展開し、対応するプローブヘッド内にコンタクトプローブ20を保持するように構成されて、上記プローブヘッドのガイド内にコンタクトピン24を収容する追加のガイドホールの外側のコンタクトピン24の移動、特に、たとえば、試験操作の終了時、または空気ジェットによるクリーニング操作中に、上記被試験デバイスを備えるウェーハからプローブヘッドが離れて移動させられるときに、被試験デバイスに向かう移動を阻止し、保持部分24Bは、被試験デバイスに対して反対方向にガイドから突出する。適切には、保持部分24Bは、コンタクトピン24の自由端、すなわち材料ブリッジ25に接合されている端部とは反対側の端部に対応して作られ、上記自由端は、試験装置とのインターフェースボードにより近い端部であるが、接合された端部は被試験デバイスにより近い端部である。
【0060】
このように構成されたコンタクトプローブ20は、これによって、被試験デバイスに対応する側、すなわちいわゆるプローブ側から開始して、プローブヘッド内に組み立てられるように構成され、その第2の端部部分20Bには、たとえばヘッド拡大部分の形態で、またはプローブ本体20Cに沿って、たとえばストッパの形態で、拡大部分または突出部分は設けられておらず、対応するプローブヘッド内でのコンタクトプローブ20の保持は、そのコンタクトピン24の保持部分24Bによって保証される。言い換えれば、このようにして作られたコンタクトプローブ20の組み立ては、既知の解決策とは反対の方法で、すなわち、
図1に示された矢印に従って、試験機側TSからではなくプローブ側PSから行われ、上記組み立ては、ヘッド部分での拡大部分および/またはプローブ本体に沿って位置づけられたストッパなどの突出部分が存在しないため可能になる。
【0061】
図2Bに示される代替の実施形態では、コンタクトプローブ20はまた、プローブ本体20Cに沿って延在してコンタクトプローブ20全体の弾性を増大させることができる、互いに対して実質的に平行でありスロット26によって分離されている、少なくとも一対のアーム26a、26bを画定する、少なくとも1つの長手方向スロット26を備え、非RF信号を伴う用途に関してコンタクトプローブ20の全体の長さを短縮させる必要がある場合に、長手方向の伸長を縮小させることを可能にし、コンタクトプローブ20を高周波またはRF用途にも適したものにしている。
【0062】
図2Bに示される実施形態では、アーム26aおよび26bは、等しい直径または横方向寸法を有するが、たとえば、プローブ本体20Cの横方向伸長に対して中央に位置づけられていないスロット26によって得られる、異なる横方向寸法を有するアームを作ることも明らかに可能である。
【0063】
また、得られることが望まれているコンタクトプローブ20の適用上のニーズに応じて寸法が合わせられ、互いに離間された、対応する複数の長手方向スロットを中に作ることによって、複数のアームをプローブ本体20C内に画定することも可能である。
【0064】
図3Aおよび3Bに示される好ましい実施形態によれば、コンタクトチップ21Aは、コンタクトピン24に隣接して位置合わせされており、すなわち、上記コンタクトチップ21Aおよび上記コンタクトピン24は、さらなる長手方向軸H’H’に沿って互いに対して順に配置されている。これによって、プローブ長23とコンタクトピン24とを接続するように構成された材料ブリッジ25は、プローブ長23に対して、およびしたがってプローブ本体20Cおよびコンタクトヘッド21Bに対して突出するコンタクトチップ21Aの偏心を実現し、コンタクトプローブ20の長手方向展開軸HHに対するコンタクトチップ21Aとコンタクトヘッド21Bとの間の距離を拡大することが可能になる。
【0065】
したがって、コンタクトヘッド21Bとコンタクトチップ21Aとの間の偏心または位置ずれの値は、プローブ長23の、およびしたがってコンタクトヘッド21Bの長手方向展開軸HHと、コンタクトピン24の、およびしたがってコンタクトチップ21Aの長手方向展開軸H’H’との間の距離にも対応する、材料ブリッジ25の長さSによって特定される。
【0066】
さらに、
図3Bの実施形態では、コンタクトプローブ20は、RF用途に適するように、プローブ本体20C内に少なくとも一対のアーム26a、26bを画定するように構成されたスロット26を備える。
【0067】
コンタクトチップ21Aがコンタクトヘッド21Bに対して位置ずれした状態のコンタクトプローブ20は、
図3Aおよび3Bに示されるように、利点として、被試験デバイスのパッドに対してセルフセンタリングされており、そのコンタクトチップ21Aは、追加のガイドホールに収容されているコンタクトピン24のおかげで自動的に位置合わせされる。より具体的には、被試験デバイスのコンタクトパッドに対して中心に配置されるようにコンタクトピン24を収容するための追加のガイドホールを実現することが可能である。したがって、特に多数のプローブを備えたプローブヘッドの場合には、時間のかかるプロセスである、特に既知のカンチレバープローブヘッドに使用される、既知のセンタリングプロセスを回避することが可能である。
【0068】
より具体的には、
図4に示される好ましい代替の実施形態によれば、コンタクトプローブ20が被試験デバイスのコンタクトパッドに圧接されていないときに、プローブ本体20Cは、予め変形された形状、すなわち既に静置状態にある曲線構成を有する。
図4に示される例では、プローブ本体20Cは、1つの屈曲部を備える曲線形状、すなわち円弧形状を有している。したがって、適切には、コンタクトプローブ20、特にそのプローブ本体20Cの1つの屈曲部を備える形状は、プローブの非動作状態で、すなわち、試験中にプローブが曲がって変形する前にも存在し、プローブ本体20Cの1つの屈曲部が予め変形することによって、試験中にコンタクトプローブ20が同じ望ましい方向に曲がることが保証される。
【0069】
図示されてはいないが、2つの屈曲部を備えた予め変形された形状を有するようなプローブ本体20Cを実現することも可能であり、2つの屈曲部は、実質的にS字形状に、長手方向展開方向zに対して反対に配置されている。上記予め変形されたS字形状は、たとえばRF用途の場合に、コンタクトプローブ20の全体寸法が縮小された場合でもコンタクトプローブ20の正しい動作を保証するように特に構成されている。
【0070】
適切には、コンタクトプローブ20のコンタクトピン24の保持部分24Bは、さらなる長手方向軸H’H’に沿って延在し、横方向の圧縮力、すなわち、コンタクトピン24が沿って展開するさらなる長手方向展開軸H’H’に対して直交する力にさらされた場合に、接近および離間する移動ができる保持部分24Bにおける2つの対向する部分27a、27bを画定するように構成されている、長手方向開口部27を備え、上記横方向の圧縮力は、したがって、
図4のローカル基準の方向xに従って適用される。以下の説明では、横方向という用語は、長手方向展開軸HHに、およびしたがって、さらなる長手方向軸H’H’に直交する方向または平面に従って配置された要素を示すために使用される。
【0071】
より具体的には、
図5Aの拡大図に示されるように、長手方向開口部27は、図面のローカル基準の方向zに沿った下方の、すなわち、上記コンタクトプローブ20を備えるプローブヘッドが試験にさらされ被試験デバイスから取り外されたときに、特に、被試験デバイスの対応するコンタクトパッド上のコンタクトチップ21Aの望ましくない接着であって、対応するプローブヘッドが試験後に被試験デバイスから離れて移動させられたときに、コンタクトプローブ20を下方に、すなわち、被試験デバイスに向かってスライドさせる接着の場合に、被試験デバイスに向かうコンタクトプローブ20の移動を防止するか、または少なくとも妨げるように、コンタクトピン24の内側で100μmから300μmの間で変化する長さLIにわたって延在し、コンタクトプローブ20を収容するプローブヘッドのガイド、特に下部ガイドに作られた対応するさらなるガイドホールの類似したかつわずかにより高い横方向寸法まで保持部分24Bを拡大するように横方向に寸法合わせされている。
【0072】
これにより、保持部分24Bに設けられたたコンタクトピン24は、対応するプローブヘッド内のコンタクトプローブ20の保持要素として機能する。長手方向開口部27の存在によって、保持部分24Bは弾性保持手段として構成される。
【0073】
より具体的には、
図4に、および
図5Aの拡大図に示される実施形態では、長手方向開口部27は、実質的に等しい2つの対向する部分27a、27bを画定するように、保持部分24Bに対して中央に位置づけられている。このように構成された保持部分24Bは、プローブヘッドにおけるコンタクトプローブ20の組み立て操作中のその通過や、たとえばコンタクトプローブ20を取り外して交換する必要がある考えられ得るメンテナンス操作中のオペレータによるその引き抜きなしで、さらなるガイドホールを通るコンタクトピン24の通過を対照させる弾性ストッパとして実質的に作用し、コンタクトプローブ20を収容するプローブヘッドが被試験デバイスに圧接されていないときでも正しい保持が依然として保証され、上記保持部分24Bは、通常は空気ジェットによって行われるクリーニング操作中などにおける、重力または他の横方向の力によるコンタクトプローブ20の移動を効率的に対照させることができる。
【0074】
適切には、コンタクトピン24の保持部分24Bはまた、拡大部分27cを備え、すなわち、コンタクトピン24を収容する対応する追加のガイドホールの横径よりも大きい横径Dcを有し、横径とは、ここで、および以下で、非円形断面の場合においても、保持部分24Bの横断面の、すなわち、さらなる長手方向軸H’H’に対して直交する最大寸法を意味している。好ましくは、拡大部分27cの横径Dcは、コンタクトピン24を収容する対応する追加のガイドホールの横径の102~110%に等しい。
【0075】
これによって、拡大部分27cは、コンタクトピン24を収容する追加のガイドホールを備えるガイドに当接するように構成された保持部分24Bの少なくとも1つのアンダーカット壁Sqを画定し、それにより、上記追加のガイドホール内のコンタクトピン24の保持をさらに保証する。
【0076】
特に、拡大部分27cは、長手方向開口部27の横方向寸法と等しいまたは同等の量、追加のガイドホールの横方向寸法に対して突出しており、同等とは、ここで、および以下で、横方向寸法が±1~5%異なることを意味している。これによって、いずれにしても、組み立て操作中に、保持部分24B、および特にその拡大部27cが、コンタクトピン24を収容する追加のガイドホール内を通過し、対抗する部分27a、27bに接近して、それにより、保持部分24B内の長手方向開口部27によって画定された空間を排除することが可能となる。
【0077】
さらに、
図4におよび
図5Aの拡大図に示される実施形態では、材料ブリッジ25は、被試験デバイスに面するように作られた、コンタクトチップ21Aとプローブ長23とを接続する、好ましくは円弧状の、丸い側面25sを備えるように作られ、上記円弧状の接続によって、コンタクトチップ21Aが被試験デバイスのパッドに圧接しているときに、コンタクトプローブ20の動作中に材料ブリッジ25に生成された応力が低減される。
【0078】
適切には、コンタクトプローブ20の第2の端部部分20Bにも、コンタクトプローブ20、特に第2の端部部分20Bが収容されるガイドホールの壁に対応して摩擦を生じさせるように構成された、
図5Bにより詳細に示される、保持機構28を設けることができる。
図4および5Bに示される実施形態では、上記保持機構28は、コンタクトプローブ20を収容するプローブヘッドの対応するガイドのガイドホール、特に上記プローブヘッドの上部ガイドのガイドホールの壁と対照をなし、摩擦を生じさせることができる少なくとも1つの波形表面を備える。保持機構28は、上部ガイドに対応して得られる追加の摩擦のおかげでコンタクトプローブ20をプローブヘッド内に維持することにさらに貢献し、下部ガイドに対応してコンタクトピン24の保持部分24Bのおかげで行われる保持に合わさる。
【0079】
明らかなことに、保持機構28は、コンタクトプローブ20の適切な動作を妨げないように、コンタクトプローブ20の移動、すなわち上部ガイドのガイドホールにおけるコンタクトプローブ20の引っかかりを完全には阻止しないように構成されるべきであり、上記コンタクトプローブ20は、周知のいわゆるバルキング動作に従ってそれを収容するガイドホール内で曲がってスライドするように意図されている。
【0080】
言い換えれば、上部ガイドのガイドホールに対応するコンタクトプローブ20の保持機構28は、コンタクトプローブ20の接点21Bが変位して、上記プローブを含むプローブヘッドに接続された試験装置とのインターフェースボードの対応するコンタクトパッドに当接することを妨げるなど、非常に強力であるべきではなく、すなわち、コンタクトプローブ20を含むプローブヘッドによって実行された試験操作中にコンタクトプローブ20の動作を妨げるべきではない。
【0081】
さらに、第2の端部部分20Bはまた、その第2の部分22Bに長手方向に配置された少なくとも1つの開口部29を備え、それにより、上記第2の部分22Bの2つの対向する部分29a、29bを画定し、コンタクトプローブ20を収容する対応するガイドホール、特に第2の端部部分20Bの第2の部分22Bの横径に同等な横径を上記第2の部分22Bが備えることを実現するのを可能にする弾性を上記第2の部分22Bに与えて、コンタクトプローブ20が実質的にクリアランスなしで収容される上記ガイドホールの壁と摺動接触している保持機構28のおかげで摩擦の生成が促進される。特に、上記第2の部分22Bの対向する部分29a、29bも、横方向の圧縮力にさらされた場合に、互いに接近し、離れて移動することができる。
【0082】
適切には、
図4および5Aに概略的に示されるように、コンタクトプローブ20は、第1の端部部分20Aに対応するプローブ本体20Cの端部に、好ましくは図示の例のように、プローブ本体20Cの端部の1つに対応して位置づけられた少なくとも1つの屈曲ネック30Aをさらに備える。より具体的には、上記屈曲ネック30Aは、好ましくは、プローブ本体20Cの断面の直径D1に対して30~60%だけ、より好ましくは上記直径D1の50%に等しい分だけ縮小された断面の直径Daを有する、プローブ本体20Cの断面縮小部分を備える。
【0083】
図4におよび
図5Bの拡大図に示される実施形態では、コンタクトプローブ20は、第2の端部部分20Bに対応するプローブ本体20Cの端部に、プローブ本体20Cの他端に対応して位置づけられたさらなる屈曲ネック30Bを備え、上記さらなる屈曲ネック30Bは、好ましくは、プローブ本体20Cの断面の直径D1に対して30~60%だけ、より好ましくは上記直径D1の50%に等しい分だけ縮小された直径Dbを有する断面縮小部分によって作られる。
【0084】
図4に示される実施形態では、屈曲ネック30Aおよび30Bは、好ましくは、長手展開方向zに沿ってプローブ本体20Cに対して同心円状に、コンタクトプローブ20の中央に配置され、プローブ本体20Cから対称的に、特に、上記プローブ本体20Cの対向する側壁から開始して、またはプローブ本体20Cのすべての輪郭に沿って環状に、材料を除去することによって得られる。さらに、
図4、5A、5Bに示される実施形態では、屈曲ネック30A、30Bは、互いに実質的に等しく、両方ともプローブ本体20Cに対して同心円状に配置されている。コンタクトプローブ20が互いに異なる屈曲ネック30Aおよび30Bを備えるようにすることは明らかに可能であり、その一方または両方は、プローブ本体20Cに対して非同心円状に配置され、たとえばプローブ本体20Cから材料を非対称に除去することによって作られる。
【0085】
より破損にさらされる領域であることが知られている、特にアーム26a、26bの端部およびしたがって本体20Cにおいて実現されるスロット26に対応した、屈曲ネック30Aおよび30Bの存在が、特に試験操作中に、すなわち、コンタクトプローブ20が被試験デバイスのコンタクトパッドに当接することで曲がって変形するときに、アーム26a、26bが受ける応力を軽減することができることは、直ちに確認される。
【0086】
さらに、上記屈曲ネック30Aおよび30Bは、中央位置にあるおかげで、コンタクトプローブ20の曲げ機構およびそのコンタクトチップ21Aのスクラブに悪影響を与えない。
【0087】
好ましくは、第1の端部部分20Aのコンタクトピン24は、プローブ本体20Cの断面の横径D1に等しいまたはそれより小さい横径D2を有する。
【0088】
図4にならびに
図5Aおよび5Bの拡大図に示される実施形態は、保持機構28および2つの屈曲ネック30A、30Bが設けられたコンタクトプローブ20を示しているが、コンタクトプローブ20が、2つの屈曲ネック30Aおよび30Bのみ、または1つの屈曲ネック30Aまたは30Bのみ、または保持機構28のみ、または依然として保持機構28と1つの屈曲ネック30Aまたは30Bのみを備えるようにすることも可能である。さらに、図示されていないが、コンタクトプローブ20は、スロット26を備えず、保持機構28および/または1つまたは2つの屈曲ネック30A、30Bを備えることができる。言い換えれば、図示されていないが、スロット26、保持機構28、および屈曲ネック30Aおよび/または30Bの存在に関連した特性は、本発明によるコンタクトプローブ20において別々に使用することができる。さらに、プローブ本体20Cの予めの変形およびスロット26の存在に関連した特性も別々に使用可能である。
【0089】
本発明はまた、前に説明したように作られた、複数のコンタクトプローブのガイドホールが設けられた一対のガイドのみを利点として備えることができる、垂直プローブを備えたタイプのプローブヘッド、を指し得る。
【0090】
より具体的には、
図6を参照すると、
図4に示される実施形態に従って作られた複数のプローブを備える、すなわち、コンタクトチップ21Aと位置合わせされたコンタクトピン24が設けられた、プローブヘッド40が記載される。
図6の実施形態では、コンタクトプローブ20は、予め変形され、スロット26が設けられたプローブ本体20Cと、長手方向開口部27が設けられたコンタクトピン24の保持部分24Bと、を備え、第2の端部部分20Bには、摩擦保持機構28およびさらなる開口部29の他に、屈曲ネック30Aおよび30Bも設けられるが、上記特徴の1つまたは複数を備えていないコンタクトプローブ20を使用してプローブヘッド40を作ることも明らかに可能である。
【0091】
プローブヘッド40は、コンタクトプローブ20を収容するための適切な上部ガイドホール41Aが設けられた、一般に上部ダイとして示される、第1のプレート状ガイドまたは上部ガイド41に加えて、プローブ長23に対応してコンタクトプローブ20を収容するための適切な第1の下部ガイドホール42Aも設けられた、一般に下部ダイとして示される、第2のプレート状ガイドまたは下部ガイド42も備える。適切には、下部ガイド42はまた、コンタクトピン24に対応してコンタクトプローブ20を収容するための第2の下部ガイドホール42Bを備える。
【0092】
適切には、第2の下部ガイドホール42Bは、コンタクトピン24の拡大部分27cの横径Dcに等しいかまたはそれより小さい横径を有し、上記径は、好ましくは、0~10%異なる。
【0093】
先行技術に関連して見られるように、上部ガイド41と下部ガイド42は、それらの間に空隙を画定するように互いに離間されており、そこで、コンタクトプローブ20は、半導体ウェーハ50上に集積された被試験デバイス51のコンタクトパッド51Aへのそのコンタクトチップ21Aの圧接中に自由に曲がり、対応するコンタクトヘッド21Bは、プローブヘッド30がその端部要素を形成する試験装置(図示せず)とのインターフェースボードのコンタクトパッドに当接している。先行技術に関連して見られるように、上記インターフェースボードは、いわゆるスペーストランスフォーマとすることができる。
【0094】
適切には、プローブヘッド40はまた、上部ガイド41に関連付けられた、およびコンタクトプローブ20を収容するように構成されたそれぞれの上部開口部43Hが設けられた、上部フレーム43と、下部ガイド42に関連付けられた、およびコンタクトプローブ20を収容するための下部開口部44Hが等しく設けられた、下部フレーム44と、を備える。好ましくは、上部フレーム43および下部フレーム44は、セラミックまたは金属要素である。
【0095】
より具体的には、上部フレーム43は、ネジ、ピン、または接着性フィルムなどの接続要素の使用により上部ガイド41に固定して接続され、同様に、下部フレーム44は、ネジ、ピン、または接着性フィルムなどの接続要素によって下部ガイド42に固定して接続される。これによって、上部フレーム43および下部フレーム44は、それぞれ、上部ガイド41および下部ガイド42と一体となり、その構造的補強要素として作用するとともに、プローブヘッド40の組み立て中にコンタクトプローブ20の位置合わせ手段としても作用する。これによって、コンタクトプローブ20のそのガイドホール内でのスライドを容易にする縮小された厚さの、好ましくはセラミックのガイドを使用することが可能になる。適切には、コンタクトピン24を収容するための第2の下部ガイドホール42Bの存在、および特にその配置によって、被試験デバイス51のコンタクトパッド51Aに対するコンタクトチップ21Aのセンタリングも保証される。
【0096】
上部ガイド41および下部ガイド42の他に、上部フレーム43および下部フレーム44も、互いに平行であり、基準面πに沿って延在しており、これは、半導体ウェーハ50および被試験デバイス51の他に、試験装置(図示せず)のインターフェースボードも基準面πに沿って展開することと同じである。ここでおよび文脈の他の部分において、平面であるかまたは平面上に展開する要素への言及は、抽象的な幾何学的意味ではなく、物質界におけるものとして意図されるべきであり、それゆえ、純粋な幾何学的物体の完全性に対する実物体の不完全性を考慮に入れることが強調される。
【0097】
より具体的には、下部ガイド42および上部ガイド41が、0.200mmから0.450mmまでで変化する、好ましくは、下部ガイド42に対しては0.250mmに等しいおよび上部ガイド41に対しては0.320mmに等しい値を有する、長手展開方向zに沿ったそれぞれの厚さHlw、Hupを有する一方で、上部フレーム43および下部フレーム44は、0.150mmから0.200mmまで変化する、好ましくは互いに等しく、0.180mmに等しいそれぞれの厚さHfup、Hflwを有する。
【0098】
また、上部ガイド41および上部フレーム43のアセンブリが、下部ガイド42および下部フレーム44のアセンブリに同等な、好ましくは等しい厚さを有するように、ガイドおよびフレームを構成することも可能であり、これにより、コンタクトプローブ20およびプローブヘッド40の全体としての動的および弾性性能の対称性が保証され、同等とは、2つの全体の厚さの値間に±20%の差があることを意味している。
【0099】
好ましい実施形態では、上部ガイド41および下部フレーム44は、2.000mmから3.000mmの間で含まれる、好ましくは2.750mmに等しい、軸zに沿った距離Hsで配置され、これにより、プローブヘッド40の全体の厚さを制限した状態に維持する。さらに、プローブヘッド40に含まれるコンタクトプローブ20は、適切には、縮小された寸法、特に、5mm未満、好ましくは4mm未満の全長Lsを有し、したがって、高周波またはRF用途に適したものにされていることが強調される。
【0100】
前で説明したように、コンタクトプローブ20は、利点として、
図6の矢印PSで示された底部から、すなわちプローブ側からプローブヘッド40内に組み立てることができる。それゆえ、適切には、コンタクトプローブ20の故障に関連するプローブヘッド40の動作中に問題が見つかった場合に、たとえば上記プローブが破損した場合に、コンタクトプローブ20にアクセスするためにコンタクトプローブ20の保持機構を分解して再び組み立てる必要はなく、その操作は、50本を超えるネジの分解および後続する再平坦化操作に対する力を意味し得、オペレータは、実際に、対応するコンタクトピン24の保持部分24Bによって行われた保持のみを克服することができる力、特に、上記保持部分24Bの全体の直径を縮小し、コンタクトピン24が下部ガイド42内に収容されているそれぞれの第2の下部ガイドホール42Bへの通過を可能にするように長手方向開口部27を変形させるのに十分な力を単に加えることによって、上記故障したコンタクトプローブ20を底部から抜き取ることができる。
【0101】
プローブヘッド40はまた、互いに異なる構成を有するコンタクトプローブを備え得る。特に、
図6に示されるように、例示としてのみ、プローブヘッド40は、コンタクトチップ21Aに位置合わせされた、およびプローブ長23とコンタクトピン24とを接続する材料ブリッジ25の長さに対応する第1の距離S1だけプローブ長23から離間された、コンタクトピン24を有する第1のコンタクトプローブ20を備える。上記第1の距離S1は、より具体的には、プローブ長23とコンタクトピン24の、それぞれ、長手方向展開軸HHとH’H’との間の距離として計算され、下部ガイド42に実現される、および第1のコンタクトプローブ20の上記要素を収容する、第1の下部ガイドホール42Aと第2の下部ガイドホール42Bとの間の距離に対応している。
【0102】
プローブヘッド40はまた、コンタクトチップ21A’に位置合わせされた、およびプローブ長23’とコンタクトピン24’を接続する材料ブリッジ25’の長さに対応する第2の距離S2だけプローブ長23’から離間された、コンタクトピン24’を有する第2のコンタクトプローブ20’を備える。上記第2の距離S2は、より具体的には、プローブ長23’とコンタクトピン24’の、それぞれ、長手方向展開軸間の距離として計算され、下部ガイド42に実現される、および第2のコンタクトプローブ20’の上記要素を収容する、第2の下部ガイドホール42A’と第2の下部ガイドホール42B’との間の距離に対応している。適切には、第2の距離S2は、第1の距離S1とは異なり、たとえば第1の距離S1よりも長い。
【0103】
これによって、コンタクトピン24、24’およびそれらに位置合わせされたコンタクトチップ21A、21A’が設けられ、プローブ長23、23’およびしたがってプローブ本体に対して変位された、コンタクトプローブ20、20’の使用のおかげで、プローブヘッド40は、下部ガイド42で空間変換を実現し、これはしたがってスペーストランスフォーマとしても機能する。
【0104】
第1のコンタクトプローブ20および第2のコンタクトプローブ20’はさらに、上部ガイド41に作られた対応する上部ガイドホール41A、41A’に収容されたそれぞれの第2の端部部分20B、20B’を有する。
【0105】
より具体的には、第1のコンタクトプローブ20および第2のコンタクトプローブ20’のコンタクトヘッド21B、21B’は、上部ガイド41から、上部フレーム43に作られた上部開口部43H内の試験装置(図示せず)の方向に現れ、同様に、第1のコンタクトプローブ20および第2のコンタクトプローブ20’のコンタクトピン24、24’の保持部分24B、24B’は、下部ガイド42から、下部フレーム44の下部開口部44H内の上部ガイド41の方向に、すなわち、試験装置の方向に現れる。
【0106】
適切には、前で見られたように、コンタクトプローブ20、20’はまた、その第2の端部部分20B、20B’に対応して、被試験デバイス51に向かうコンタクトプローブ20、20’の移動を妨げるように、それぞれの上部ガイドホール41A、41A’との摩擦を生成することができる、たとえば波形表面の形態での、またはレリーフまたはバンプが設けられた、少なくとも1つの保持機構28、28’を備え得る。各第2の端部部分20B、20B’は、弾性保持機構をそれぞれのコンタクトプローブ20、20’に合わせて構成するように、開口部をさらに備え得る。
【0107】
図示されていないが、プローブヘッド40に、上記したようなコンタクトピン24が設けられたコンタクトプローブ20および先行技術に従って作られた垂直コンタクトプローブを備えさせることも可能である。
【0108】
さらに利点として、プローブヘッド40に含まれるコンタクトプローブ20、20’は、その材料ブリッジ25、25’が、静置状態で、すなわち、それぞれのコンタクトチップ21A、21A’を被試験デバイス51のコンタクトパッド51Aに接触させることによって、下部ガイド42の距離Hに位置づけられるように構成されている。したがって、距離Hは、いわゆるオーバートラベル、すなわち、プローブヘッド40全体の正しい動作に影響を与えないように、試験操作中に、図面のローカル基準を考慮して上方に、すなわち試験装置の方向にコンタクトプローブ20、20’が実施する移動の最大値よりも大きくなるように選択される。
【0109】
より具体的には、例示の簡略化のために1つのコンタクトプローブ20のみが表されている
図7Aに示されるように、上記コンタクトプローブ20は静置状態にあり、コンタクトチップ21Aは被試験デバイス51のコンタクトパッド51Aに当接し、コンタクトヘッド21Bは試験装置とのインターフェースボード60の対応するコンタクトパッド61Aに当接しており、コンタクトプローブ20は、第1の値H1を有する、図面の軸zに従って、すなわち長手方向展開軸HHの方向で得られた距離Hに配置された材料ブリッジ25を備える。動作状態では、
図7Bに示されるように、コンタクトチップ21Aが被試験デバイス50のコンタクトパッド51Aに圧接されているときに、上記コンタクトチップ21Aは、上方に、すなわち試験装置に向かって押され、そのプローブ本体20Cは、プローブヘッド40の上部ガイド41と下部ガイド42との間に画定された空隙内で変形し、これらの状態では、材料ブリッジ25と下部ガイド42との間の距離Hは値H2まで縮小し、いずれにしてもプローブ20と下部ガイド42との接触を回避することができる。
【0110】
静置状態(H1)での距離Hの典型的な値は250μm~450μm、好ましくは350μmであり、オーバートラベル値は100μm未満、好ましくは80μmに等しく、これにより、いずれにしても150μmよりも大きい、動作状態での距離Hの値(H2)が保証され、コンタクトプローブ20の材料ブリッジ25と、それらを収容するプローブヘッド40の下部ガイド42との間の起こり得る接触リスクが回避される。
【0111】
したがって、プローブ長23に対して材料ブリッジ25によって分離されているコンタクトピン24の使用のおかげで、
図8Aおよび8Bに、それぞれ、上面図および正面図で概略的に示されるように、被試験デバイス51のコンタクトパッド51Aに対して試験装置とのインターフェースボード60のコンタクトパッド61Aを再分布することが可能である。特に、異なる長さS1、S2の材料ブリッジ25を備えたコンタクトプローブ20を使用して、インターフェースボード60上のコンタクトパッド61Aのスペースをさらに広げることが可能であり、ここで、チップおよびしたがって被試験デバイス50のコンタクトパッド51Aのますます縮小する寸法に関連する制限はない。
【0112】
図8Aおよび8Bに示される例では、利点として、被試験デバイス50上のコンタクトパッド51Aの線形構成が、コンタクトピン24が設けられたコンタクトプローブ20の使用のおかげで、インターフェースボード60上のコンタクトパッド61Aの4つの列を備えるマトリックス構成に変換され、さらに利点として、上記コンタクトパッド61Aは、被試験デバイス50のコンタクトパッド51Aよりも大きい寸法を有する。
【0113】
結論として、少なくとも1つのコンタクトピンが設けられたコンタクトプローブは、プローブ側からの組み立てプロセスによってプローブヘッドに収容することができ、コンタクトプローブは最初に、上部ガイドに到達するために下部ガイドを横断し、コンタクトピンの存在によって組み立て後のセンタリングプロセスの必要性が解消される。
【0114】
コンタクトピンの存在によって、利点として、コンタクトプローブは下部ガイドのレベルで現実の空間変換を実現することが可能になり、プローブを異なるレベルに分布させることもでき、したがって、ダイレクトアタッチ(Direct Attach)として知られる方法で行われる試験装置に向かうインターフェースボード上の直接接触に適した間隔が得られる。
【0115】
適切には、プローブヘッドは、強化フレームと関連付けられる可能性のある、上部ガイドおよび下部ガイドという2つのガイドのみを使用して作ることができ、コンタクトプローブは、予め変形させることができ、既知の解決策で使用されるシフトされた二重ガイドの必要性を解消するようにコンタクトピンに対応した拡大直径を備える保持部分とコンタクトヘッドに対応した波形表面を備える保持機構とを設けることができ、したがって、対応するプローブヘッド内でのプローブの現在の保持が保証される。
【0116】
コンタクトプローブの予めの変形によって、対応するプローブヘッドに収容されたときに、特にプローブヘッドによって実施される試験操作中の被試験デバイスへの圧接の間に、コンタクトプローブの均一な曲がりを容易にすることもでき、それにより、既知の解決策におけるように一対のシフトされたガイドがない場合でも、隣接するプローブ間の接触のリスクが最小限に抑えられる。
【0117】
本発明によるコンタクトプローブは、特に多数のコンタクトプローブが存在する場合に、望ましくない変位を引き起こしかねない横方向の力を被試験デバイスにかかり得る、プローブのオフセットを実現するための二重ガイドを備える既知の解決策の欠点を克服することも可能にする。
【0118】
さらに、本発明による利点として、保持部分の弾性によって、組み立て操作中にコンタクトプローブのコンタクトピンをそれぞれのガイドホールに通すことが保証されるだけでなく、たとえばプローブの取り外しまたは交換を必要とする考えられ得るメンテナンス操作中にオペレータによるプローブの引き抜きも保証し、依然として、コンタクトヘッドに対応した可能な保持機構と関連して、コンタクトピンに対応した上記保持部分によって作られた対照のおかげで、プローブを収容するプローブヘッドが被試験デバイスに圧接していないかまたは試験装置のボードに接触していない場合でも、正しい保持が保証され、プローブヘッドが、被試験デバイスから分離されるとき、または試験装置から引き離されるときに、また通常はエアジェットによって行われるクリーニング操作中などの他の横方向の力が存在するときにも、重力の影響によりプローブの移動を妨げることができる。
【0119】
適切には、コンタクトピンに対応した保持部分およびコンタクトヘッドに対応した保持機構は、互いに接近するまたは離れて移動することができる少なくとも一対の上記要素の部分を画定するように構成された開口部によって非常に簡単な方法で弾性にすることができる。
【0120】
さらに、プローブ全体の弾性を向上させるように複数の長手方向アームおよび/または屈曲ネックを形成するために、プローブにそのプローブ本体に作られた開口部を設けることも可能である。
【0121】
これによって、プローブの全長を特に短縮させて、プローブを、最新技術の用途、たとえば一対のガイドのみを使用する超高周波用途に適したものにすることが可能であり、依然として、内部でのプローブの正しい保持が保証され、上記プローブが塑性的に、すなわち永久的に変形されるリスクもない。
【0122】
長手方向の寸法が制限されてこのように作られたコンタクトプローブおよび対応するプローブヘッドは、特に検査工程中に、その移動が重要であり損傷のリスクがある、対応する大面積のプローブヘッドの使用を必要とする、最新の12インチのメモリなどの、大型デバイスのための用途にも適している。適切には、上記したようなコンタクトプローブを備えて作られたプローブヘッドは、たとえば、1つまたは複数のコンタクトプローブを交換する必要がある場合に、機構の組み立ておよび再組み立てという長く繊細な操作にさらされる必要がなく、したがって、その損傷リスクが低減される。
【0123】
明らかなことに、当業者は、不定および特定のニーズを満たすために、上記のコンタクトプローブおよびプローブヘッドに対して多数の修正および変更を行うことが可能であり、これらはすべて、以下の請求項によって定義されるように本発明の保護範囲に当てはまる。
【0124】
特に、開口部を充填するための考えられ得る可撓性材料の使用に加えて、コンタクトピンの保持部分およびコンタクトヘッドの保持機構に作られた開口部の他に、プローブ本体に任意数のアームを形成するための任意の数の長手方向開口部ための任意の形状を考慮することが可能である。
【0125】
最後に、本発明のコンタクトプローブに、たとえばプローブ本体に対して寸法が縮小されたコンタクトチップなどの、コンタクトチップおよびヘッド部分の特有の幾何学的構成またはコーティングフィルムの存在などの、さらなる特徴を提供することが可能である。
【国際調査報告】