IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バーコス フォーサルジニン アーベーの特許一覧

特表2025-501919煙生成器及び煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステム
<>
  • 特表-煙生成器及び煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステム 図1
  • 特表-煙生成器及び煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステム 図2
  • 特表-煙生成器及び煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】煙生成器及び煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A23B 2/704 20250101AFI20250117BHJP
   A23B 4/052 20060101ALN20250117BHJP
【FI】
A23L3/3409
A23B4/052
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024538658
(86)(22)【出願日】2023-01-11
(85)【翻訳文提出日】2024-08-19
(86)【国際出願番号】 SE2023050030
(87)【国際公開番号】W WO2023136770
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】2250016-9
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524238280
【氏名又は名称】バーコス フォーサルジニン アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バーコヴィッツ,デイビッド
【テーマコード(参考)】
4B021
【Fターム(参考)】
4B021MC01
4B021MC05
4B021MP04
4B021MQ07
(57)【要約】
本発明は、煙凝縮物を受け取るための凝縮物入口(11)及び過熱水蒸気を受け取るための蒸気入口(12)を伴うハウジング(15)を備える煙生成器(10、10a、10b)に関し、煙凝縮物は、煙凝縮物が過熱水蒸気と相互作用するとき、煙粒子に変換され、煙粒子は煙出口(13)において利用可能である。本発明は、煙粒子を煙キャビネット(23)に供給するためのシステムにも関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙凝縮物を受け取るための凝縮物入口(11)及び過熱水蒸気を受け取るための蒸気入口(12)を伴うハウジング(15)を備える煙生成器(10、10a、10b)であって、
前記煙凝縮物は、前記煙凝縮物が前記過熱水蒸気と相互作用するとき、煙粒子に変換され、前記煙粒子は煙出口(13)において利用可能である、煙生成器。
【請求項2】
前記過熱水蒸気は、摂氏120度の温度を有する、請求項1に記載の煙生成器。
【請求項3】
前記ハウジング(15)内で前記煙凝縮物を分配するように構成された、前記凝縮物入口(11)に取り付けられたノズル(14)を更に備える、請求項1又は2に記載の煙生成器。
【請求項4】
前記ノズル(14)は、前記蒸気入口(12)と前記煙出口(13)との間に位置し、
前記ノズル(14)から前記煙出口(13)までの前記距離は、少なくとも100mm、好ましくは少なくとも200mm、あるいはより好ましくは少なくとも400mmである、請求項3に記載の煙生成器。
【請求項5】
前記ノズル(14)と前記ノズル(14)を取り囲む前記ハウジング(15)の前記1つ又は複数の壁との間の距離、及び、前記蒸気入口(12)から前記煙出口(13)の間に延在する前記距離は、少なくとも20mm、好ましくは少なくとも50mm、あるいはより好ましくは少なくとも100mmである、請求項3又は4に記載の煙生成器。
【請求項6】
前記煙生成器(10a、10b)には、前記凝縮物入口(11)を介する前記煙生成器(10a、10b)の前記ハウジング(15)内部への前記煙凝縮物の流量を調整する、煙凝縮物レギュレータ(24、34)が提供される、請求項1から5の何れか一項に記載の煙生成器。
【請求項7】
前記流量は、0.1から20リットル/時の範囲内である、請求項6に記載の煙生成器。
【請求項8】
前記煙生成器(10a、10b)には、前記蒸気入口(12)を介して前記煙生成器(10a、10b)の前記ハウジング(15)内に入る前記過熱水蒸気の圧力を調整する、圧力レギュレータ(25、35)が提供される、請求項1から7の何れか一項に記載の煙生成器。
【請求項9】
前記圧力は、0.2から1.2バールの範囲内である、請求項8に記載の煙生成器。
【請求項10】
煙粒子を煙キャビネット(23)に供給するためのシステム(30)であって、
前記システムは、請求項1から9のいずれかに記載の煙生成器(10a、10b)、蒸気供給部(22)、及び、煙凝縮物供給部(21)を備え、
前記蒸気供給部(22)は、過熱水蒸気を、圧力レギュレータ(25、35)を介して前記煙生成器(10a、10b)の前記蒸気入口(12)へと提供し、
前記煙凝縮物供給部(21)は、煙凝縮物を、凝縮物レギュレータ(24、34)を介して前記煙生成器(10a、10b)の前記凝縮物入口(11)へと提供し、
前記煙生成器の前記煙出口(13)からの煙粒子は、前記煙キャビネット(23)の入口(26)に提供されるように構成される、システム。
【請求項11】
前記システムは、蒸気温度Tsを測定するためのセンサ(32)を有し、
前記煙キャビネットは、キャビネット温度Tcで動作するように構成され、
前記システムは、前記蒸気温度Ts及び前記キャビネット温度Tcに基づいて前記煙凝縮物の煙粒子への前記変換を制御するように構成された、制御ユニット(31)を更に備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記制御ユニット(31)は、前記煙凝縮物の前記流量を調整するための前記凝縮物レギュレータ(34)、及び/又は、前記煙凝縮物の煙粒子への前記変換を制御するために、前記過熱水蒸気の前記圧力を調整するための前記圧力レギュレータ(35)、を制御するように更に構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記システムは、25~300kg/時の範囲内で前記ハウジングを介した混合された蒸気及び液体の流量を生成するように構成される、請求項10から12の何れか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、煙キャビネット内の燻煙アイテムの分野に関し、具体的には、煙凝縮物からの煙粒子の生成の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
燻煙とは、食品を、材料、ほとんどの場合木材の、燃焼又はくすぶりからの煙にさらすことによる、食品の香り付け、褐色化、料理、又は保存のプロセスである。
【0003】
燻煙は、冷燻、温燻、熱燻、及び、煙凝縮物とも呼ばれる「燻液」の採用を介する、4つの手法で実行可能である。燻液は、水中の化合物から導出される生成物であり、噴霧、液浸、スプレー、又は浸漬を介して食品に適用される。しかしながら、従来の装置で燻液を使用して燻製食品を生成するには、生成される煙粒子が非常に大きく、この煙にさらされる製品に浸透させるには大きすぎるため、かなり長い時間がかかる。したがって、煙凝縮物に基づく燻煙プロセスを改良することが求められている。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的は、上記で識別された当技術分野における欠陥及び欠点のうちの1つ以上を個々に又は任意の組み合わせで軽減、緩和、又は消去することを追求する、燻液から煙粒子を生成する煙生成器を提供すること、並びに、煙キャビネットに煙粒子を供給するためのシステムを提供することである。また、小さな、好ましくは10マイクロメートルよりも小さな直径を有する煙粒子の生成を可能にする、煙生成器設計を提示することも、本発明の目的である。
【0005】
この目的は、煙凝縮物を受け取るための凝縮物入口及び過熱水蒸気を受け取るための蒸気入口を伴うハウジングを備える煙生成器によって取得され、煙凝縮物は、煙凝縮物が過熱水蒸気と相互作用するとき、煙粒子に変換され、煙粒子は煙出口において受け入れ可能である。
【0006】
煙生成器に伴う利点は、煙粒子のサイズが自然の煙、例えば、木を燃やすことによって生成される煙と同様であるが、煙の組成が含む身体に有害な物質、例えばタールは、自然の煙よりも少ないことである。一実施形態によれば、過熱水蒸気は摂氏120度の温度を有する。
【0007】
一実施形態によれば、煙生成器は、ハウジング内で煙凝縮物を分配するように構成された、凝縮物入口に取り付けられたノズルを備える。
【0008】
一実施形態によれば、ノズルは蒸気入口と煙出口との間に位置し、ノズルから煙出口までの距離は少なくとも100mm、好ましくは少なくとも200mm、あるいはより好ましくは少なくとも400mmである。それによって、煙粒子に微粉化されていない凝縮物の、ハウジングの壁の内側表面上への目詰まりは防止される。
【0009】
一実施形態によれば、ノズルとノズルを取り囲むハウジングの1つ又は複数の壁との間の距離、及び、蒸気入口から煙出口の間に延在する距離、は少なくとも20mm、好ましくは少なくとも50mm、あるいはより好ましくは少なくとも100mmである。それによって、煙粒子に微粉化されていない凝縮物の、ハウジングの壁の内側表面上への目詰まりは、更に防止される。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、ハウジングは、40~200mmの内部幅、及び、蒸気入口から煙出口までの400~2000mmの内部長さを有する。一実施形態によれば、ハウジングのジオメトリは円筒形であり、幅は直径を指す。
【0011】
一実施形態によれば、煙生成器には、凝縮物入口を介する煙生成器のハウジング内部への煙凝縮物の流量を調整する、煙凝縮物レギュレータが提供される。
【0012】
一実施形態によれば、流量は0.1から20リットル/時の範囲内である。言い換えれば、煙凝縮物入口及び煙凝縮物レギュレータは、流量0.1から20リットル/時で凝縮物をハウジング内に送達するように構成される。
【0013】
一実施形態によれば、煙生成器には、蒸気入口を介して煙生成器のハウジング内に入る過熱水蒸気の圧力を調整する、圧力レギュレータが提供される。
【0014】
一実施形態によれば、圧力は0.2から1.2バールの範囲内である。言い換えれば、蒸気入口と圧力レギュレータとは、0.2から1.2バールの圧力でハウジング内へと蒸気を送達するように構成される。
【0015】
一実施形態によれば、煙生成器は、25~300kg/時の範囲内でハウジングを介した混合された蒸気及び液体(凝縮物及び蒸気の合計)の流量を生成するように構成される。
【0016】
この目的は、煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステムによっても達成される。システムは、上記で定義されたような煙生成器、蒸気供給部、煙凝縮物供給部、制御ユニット、及び煙キャビネットを備える。蒸気供給部は、蒸気温度Tsを有する過熱水蒸気を、圧力レギュレータを介して煙生成器の蒸気入口へと提供し、煙凝縮物供給部は、煙凝縮物を、凝縮物レギュレータを介して煙生成器の凝縮物入口へと提供し、煙生成器の煙出口からの煙粒子は、キャビネット温度Tcにおいて動作する煙キャビネットの入口に提供される。制御ユニットは、蒸気温度Ts及びキャビネット温度Tcに基づいて、煙凝縮物の煙粒子への変換を制御するように構成される。
【0017】
システムに伴う利点は、食品を燻煙するための時間が、従来技術のシステムに比べて削減されることである。
【0018】
一実施形態によれば、システムは、蒸気温度Tsを測定するためのセンサを有し、煙キャビネットは、キャビネット温度Tcで動作するように構成され、システムは、蒸気温度Ts及びキャビネット温度Tcに基づいて煙凝縮物の煙粒子への変換を制御するように構成された、制御ユニットを更に備える。
【0019】
一実施形態によれば、制御ユニットは、煙凝縮物の流量を調整するための凝縮物レギュレータ、及び/又は、好ましくは、煙生成器によって生成される煙粒子のサイズが10マイクロメートルより小さいように、煙凝縮物の煙粒子への変換を制御するために、過熱水蒸気の圧力を調整するための圧力レギュレータを、制御するように更に構成される。
【0020】
一実施形態によれば、システムは、25~300kg/時の範囲内でハウジングを介した混合された蒸気及び液体(凝縮物及び蒸気の合計)の流量を生成するように構成される。
【0021】
上記内容は、同じ参照文字が異なる図面全体を通じて同じ部分を指す、添付の図面に示されたような例示の実施形態のより具体的な説明から明らかとなろう。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、代わりに、例示の実施形態を示すことに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】煙生成器を示す概略図である。
図2】煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステムの第1の実施形態を示す図である。
図3】煙粒子を、制御ユニットを含む煙キャビネットに供給するためのシステムの第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示の態様を、添付の図面を参照しながら下記でより完全に説明する。しかしながら、本明細書で開示される装置及び方法は、多くの異なる形式で具体化可能であり、本明細書に示される態様に限定されるものと解釈すべきではない。図面内の同様の番号は、全体を通じて同様の要素を示す。
【0024】
本明細書で使用される用語は、本開示の特定の態様を説明するためのみのものであり、本発明を限定することは意図されていない。本明細書で使用される際、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明白に示していない限り、複数形も同様に含むことが意図される。
【0025】
本明細書に提示される例示の実施形態のいくつかは、煙生成デバイス、及び、食品を燻煙するための煙キャビネットに煙粒子を提供するためのシステムを対象としている。本開示のシステムは、プロセスで生成された粒子が、煙粒子がおよそ100マイクロメートルである燻液を使用する従来のシステムよりも小さな粒子を伴う元の本来の状態に変換する際に、燻液を本来のサイズの煙粒子に再生成し、したがって、本開示で説明する煙生成器によって生成される煙粒子のサイズは10マイクロメートルより小さく、いくつかの例では、煙粒子は裸眼では見えない、すなわち、粒子のサイズは7マイクロメートル未満である。生成される煙粒子のサイズは、自然の煙における粒子のサイズと比較可能であり、これは、煙凝縮物が煙生成器内の本来のサイズの煙粒子に変換され得ることを意味する。
【0026】
煙はしばしば、煙の風味に加えて匂い及び色を食品に提供するために使用される。従来、燻液は何らかの凝縮物としても知られ、食品の表面をコーティングするために、煙キャビネット内の食品上にスプレーされている。しかしながら、煙凝縮物を食品に添加すると、結果として、色むら、時間のかかるプロセス、及び風味の良くない煙が生じる。
【0027】
本発明の目的は、煙凝縮物を使用し、これを、食品を燻煙するための煙キャビネット内に誘導する前に、煙生成器内で煙粒子に変換することであり、生成される煙粒子のサイズは、自然の煙粒子のサイズであり得る。煙生成器は、食品の着色がより均一であり、燻煙プロセスがスプレーに比べて高速且つ自然であり、したがって、より良い風味が実現されることを保証する。
【0028】
図1は、2つの入口11、12及び煙出口13を伴うハウジング15を備える煙生成器10の概略図を示す。凝縮物入口11としても知られる第1の入口は、煙凝縮物を受け取るように構成される。通常は煙凝縮物内に存在する身体に有害な物質の影響を減少させるために、凝縮物タンクが提供され得、ここでタールなどの重粒子が分離され、凝縮物タンクの底に落ちる。凝縮物タンクの表面により近いままである煙凝縮物の部分は、煙生成器10内に誘導され、したがって、元の煙凝縮物よりも身体に有害でない物質を含む。
【0029】
蒸気入口12としても知られる第2の入口は、過熱水蒸気、すなわち、摂氏100度を超える蒸気温度Ts、Ts>100℃を有する水蒸気を受け取るように構成される。蒸気温度は、100~140℃の範囲内、より好ましくは110~130℃、及び更により好ましくは120℃であるべきであることが好ましいことがわかっている。過熱水蒸気は、水蒸気が煙生成器10内に誘導される前に、水蒸気の湿度を減少させるために、蒸気トラップを介して渡され得る。
【0030】
煙凝縮物は、煙凝縮物が過熱水蒸気と相互作用するときに煙粒子に変換され、煙粒子はその後、煙出口13において利用可能である。煙凝縮物の煙粒子への変換は、入口の実装に関係なく、煙凝縮物が過熱水蒸気と相互作用するときに生じることに留意されたい。すなわち、煙凝縮物又は過熱水蒸気を煙生成器10内に誘導するときに、任意の種類の開口(ノズルを伴うか又は伴わない)が使用され得る。
【0031】
図2及び図3は、煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステムにおける、煙生成器の2つの異なる実装を示す。
【0032】
図2は、煙粒子を煙キャビネット23に供給するためのシステム20の第1の実施形態を示し、システムは、煙生成器10a(上記で説明し、一点鎖線で示されている)、蒸気供給部22、及び煙凝縮物供給部21を備える。蒸気供給部22は、過熱水蒸気を、圧力レギュレータ25を介して煙生成器10aの蒸気入口12に提供し、煙凝縮物供給部21は、煙凝縮物を、凝縮物レギュレータ24を介して煙生成器10aの凝縮物入口11に提供する。煙生成器の煙出口13からの煙粒子は、煙キャビネット23の入口26に提供される。
【0033】
本実施形態において、煙生成器は凝縮物入口11に取り付けられたノズル14を備え、ノズル14は、煙生成器のハウジング15内で煙凝縮物を分配するように構成される。更に、煙生成器10aには、本実施形態において、凝縮物入口11を介した煙生成器10aのハウジング15内への煙凝縮物の流量を調整する、手動制御式煙凝縮物レギュレータ24が提供される。流量は、好ましくは0.1から20リットル/時の範囲内である。
【0034】
加えて、煙生成器10aには、本実施形態において、蒸気入口12を介して煙生成器10aのハウジング15内に入る過熱水蒸気の圧力を調整する、手動制御式圧力レギュレータ25が提供される。圧力は、好ましくは0.2から1.2バールの範囲内である。煙キャビネット23は、本実施形態において、システム20の一部ではなく、したがって、破線によって示されている。
【0035】
ハウジング15内部では、凝縮物入口11、又はより精密にはノズル14は、蒸気入口12と煙出口13との間に位置する。ノズル14から煙出口13までの距離は、少なくとも100mm、好ましくは少なくとも200mm、あるいはより好ましくは少なくとも400mmである。それによって、凝縮物及び蒸気について前述した圧力及び流量を適用する際、ノズル14と煙出口13との間の距離は、煙出口が位置するハウジング15の内壁に凝縮物が達する前に、小サイズの煙粒子が生成されることを保証するものとなる。ノズル14と、ノズル14を取り囲み、蒸気入口12から煙出口13までの間に延在するハウジング15の1つ又は複数の壁との間の距離は、少なくとも20mm、好ましくは少なくとも50mm、あるいはより好ましくは少なくとも100mmである。それによって、凝縮物及び蒸気について前述した圧力及び流量を適用する際、ノズル14と取り囲むハウジング15の壁との間の距離は、凝縮物が壁の表面に達すること及びかなりの程度目詰まりすることを防止する。
【0036】
混合された蒸気及び液体(凝縮物及び蒸気の合計)のハウジング15を介した流量は、25~300kg/時の範囲内である。
【0037】
図3は、煙粒子を、制御ユニット31を含む煙キャビネットに供給するためのシステム30の第2の実施形態を示し、システムは、煙生成器10b(上記で説明し、一点鎖線で示されている)、蒸気供給部22、煙凝縮物供給部21、及び制御ユニット31を備える。蒸気供給部22は、過熱水蒸気を、圧力レギュレータ35を介して煙生成器10bの蒸気入口12に提供し、煙凝縮物供給部21は、煙凝縮物を、凝縮物レギュレータ34を介して煙生成器10bの凝縮物入口11に提供する。煙生成器の煙出口13からの煙粒子は、煙キャビネット23の入口26に提供されるように構成される。
【0038】
本実施形態において、過熱水蒸気は蒸気温度Tsを測定するためのセンサ32を有し、煙キャビネットはキャビネット温度Tcで動作するように構成され、制御ユニット31は、蒸気温度Ts及びキャビネット温度Tcに基づいて、煙凝縮物の煙粒子への変換を制御するように構成される。これを達成するために、煙生成器10bには、凝縮物入口11を介したハウジング15内への煙凝縮物の流量を調整する、自動制御型煙凝縮物レギュレータ34、及び、蒸気入口12を介して煙生成器10bのハウジング15内に入る過熱水蒸気の圧力を調整する、自動制御型圧力レギュレータ35が、提供される。
【0039】
流量は、好ましくは0.1から20リットル/時の範囲内であり、圧力は、好ましくは0.2から1.2バールの範囲内である。煙キャビネット23はシステム30の一部ではなく、したがって破線によって示されている。
【0040】
本開示は、煙凝縮物を受け取るための凝縮物入口と過熱水蒸気を受け取るための蒸気入口とを伴う、ハウジングを備える煙生成器に関し、煙凝縮物は、煙凝縮物が過熱水蒸気と相互作用するときに煙粒子に変換され、煙粒子は煙出口において利用可能である。
【0041】
いくつかの実施形態によれば、過熱水蒸気は摂氏120度の温度を有する。
【0042】
いくつかの実施形態によれば、煙生成器は、ハウジング内で煙凝縮物を分配するように構成された凝縮物入口に取り付けられたノズルを更に備える。
【0043】
いくつかの実施形態によれば、煙生成器には、煙凝縮物の凝縮物入口を介した煙生成器のハウジング内への流量を調整する、煙凝縮物レギュレータが提供される。流量は、0.1から20リットル/時の範囲内であり得る。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、煙生成器には、蒸気入口を介して煙生成器のハウジング内に入る過熱水蒸気の圧力を調整する、圧力レギュレータが提供される。圧力は、0.2から1.2バールの範囲内であり得る。
【0045】
本開示は、煙粒子を煙キャビネットに供給するためのシステムにも関し、システムは、上記で定義されたような煙生成器、蒸気供給部、及び煙凝縮物供給部を備え、蒸気供給部は、圧力レギュレータを介して煙生成器の蒸気入口に過熱水蒸気を提供する。煙凝縮物供給部は、凝縮物レギュレータを介して煙生成器の凝縮物入口に煙凝縮物を提供し、煙レギュレータの煙出口からの煙粒子は、煙キャビネットの入口に提供されるように構成される。煙キャビネットは、製品が静止している間さらされており、更に、製品が一時的に運動しているキャビネット、並びに、ベルト、コンベヤ、又は任意の他の形の動きを使用する周期的ステップにある、連続システムとすることができる。キャビネット自体は、連続システムがこの特徴を有するため、閉じない開口を有することができる。
【0046】
いくつかの実施形態によれば、過熱水蒸気は蒸気温度Tsを測定するためのセンサを有し、煙キャビネットはキャビネット温度Tcで動作するように構成され、システムは、蒸気温度Ts及びキャビネット温度Tcに基づいて、煙凝縮物の煙粒子への変換を制御するように構成された制御ユニットを更に備える。煙粒子は自然のサイズの煙粒子、例えば、7マイクロメートル未満のサイズを有する非可視煙粒子であり得ることに留意されたい。
【0047】
いくつかの実施形態によれば、制御ユニットは、煙凝縮物の流量を調整するための凝縮物レギュレータ、及び/又は、煙凝縮物の、自然のサイズの煙粒子であり得る煙粒子への変換を制御するために、過熱水蒸気の圧力を調整するための圧力レギュレータ、を制御するように更に構成される。
【0048】
本明細書で提供される例示の実施形態の説明は、例示の目的で提示されている。説明は網羅的であること、又は、例示の実施形態を開示された精密な形態に限定することは意図されず、上記の教示に照らして改変及び変形が可能であるか、又は、提供される実施形態の様々な代替の実践から獲得され得る。本明細書で考察される例は、当業者が様々な様式で、及び、企図される特定の使用に適するような様々な改変を用いて、例示の実施形態を利用できるようにするために、様々な例示の実施形態の原理及び特質並びにその実際の適用例を説明するために、選択及び説明された。本明細書で説明される実施形態の特徴は、方法、装置、モジュール、システム、及びコンピュータプログラム製品の、すべての可能な組み合わせで組み合わせられ得る。本明細書で提示される例示の実施形態は、互いの任意の組み合わせで実践され得ることを理解されたい。
【0049】
「備える」という語は、列挙された要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を必ずしも排除するものではなく、要素に先行する「a」又は「an」という語は、複数のこうした要素の存在を排除するものではないことに留意されたい。いずれの参照記号も、特許請求の範囲を制限するものではないこと、例示の実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアの両方を用いて少なくとも部分的に実装され得ること、並びに、いくつかの「手段」、「ユニット」、又は「デバイス」はハードウェアの同じアイテムによって表され得ることに、更に留意されたい。
【0050】
図面及び明細書において例示の実施形態が開示されてきた。しかしながら、これらの実施形態に対して多くの変形及び改変が実行可能である。したがって、特定の用語が採用されているが、それらは限定の目的ではなく、包括的及び説明的な意味のみで使用され、実施形態の範囲は以下の特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】