(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】電気航空機推進システムのためのDC-DCコンバータ
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
H02M3/28 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539295
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 FR2022052514
(87)【国際公開番号】W WO2023131755
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516235451
【氏名又は名称】サフラン・ヘリコプター・エンジンズ
(71)【出願人】
【識別番号】311016455
【氏名又は名称】サントル ナシオナル ドゥ ラ ルシェルシェ シアンティフィク
【氏名又は名称原語表記】CENTRE NATIONAL DE LA RECHERCHE SCIENTIFIQUE
(71)【出願人】
【識別番号】512079439
【氏名又は名称】ユニベルシテ ドゥ ロレーヌ
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バラコ,トマ・ミシェル・アンドレ・ジェラール
(72)【発明者】
【氏名】クロノウスキー,トマ
(72)【発明者】
【氏名】ピエルフェデリシ,セルジュ・リオネル
(72)【発明者】
【氏名】ウエーバー,マチュー・ロベール
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AA15
5H730AS04
5H730AS05
5H730AS08
5H730AS13
5H730AS17
5H730BB27
5H730DD03
5H730DD04
5H730DD12
5H730DD16
5H730EE03
5H730EE07
5H730EE12
5H730FG03
5H730FG10
(57)【要約】
本発明は、電気航空機推進システムのためのDC-DCコンバータ(209)であって、電気推進システムの電気エネルギーストレージユニットと直列に接続されるように設計されたDC-DCコンバータ(209)に関する。DC-DCコンバータ(209)は、インバータ(401)、変圧器(403)、及び整流器(405)を備え、整流器(405)に接続され、DC-DCコンバータ(209)を通過する電力を制御するように構成された電流源(417)をさらに備える。変圧器(403)は、一次コイル(403a)及び2つの二次コイル(403b、403c)を備え、2つの二次コイル(403b、403c)は、電気推進システム(201)の高電圧DCバス(207)に接続されるように設計された共通端子(407)と、整流器(405)に接続されている2つの他の端子(409、411)とを共有する。整流器(405)は、それぞれ直列であり、一方で、変圧器(403)の2つの他の端子(409、411)に接続され、他方で、電流源(417)に接続されている少なくとも2つのトランジスタ(415a、415b、415c、415d)を備える2本のアームを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気航空機推進システム(201)のためのDC-DCコンバータ(209)であって、前記電気推進システム(201)の電気エネルギーストレージユニット(205)と直列に接続されるように設計され、電気エネルギーストレージユニット(205)から来るDC入力電圧から第1のAC電圧を供給するように構成されたインバータ(401)と、第1のAC電圧から少なくとも1つの第2のAC電圧を供給するように構成された変圧器(403)と、前記少なくとも1つの第2のAC電圧から出力DC電圧を供給するように構成された整流器(405)とを備え、
前記DC-DCコンバータ(209)は、整流器(405)に接続され、前記DC-DCコンバータ(209)を通して移動する電力を制御するように構成された電流源(417)をさらに備えるという点と、
変圧器(403)が、一次コイル(403a)及び2つの二次コイル(403b、403c)を備え、2つの二次コイル(403b、403c)が、電気推進システム(201)の高電圧DCバス(207)に接続されるように設計された共通端子(407)と、整流器(405)に接続された2つの他の端子(409、411)とを有し、DC-DCコンバータ(209)の基準レベル及びHVDCバス(207)の基準レベルが電流源(417)を通して互いに接続されているという点と、
整流器(405)が2本のアームを備え、それぞれが、少なくとも2つの直列のトランジスタ(415a、415b、415c、415d)を備え、一方で、変圧器(403)の2つの他の端子(409、411)に接続され、他方で、電流源(417)に接続されているという点と
を特徴とする、DC-DCコンバータ(209)。
【請求項2】
電流源(417)が、インダクタ(213)及び電気エネルギーストレージユニットを備える、請求項1に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項3】
インバータ(401)が、複数のトランジスタ(413a、413b、413c、413d)を、好ましくはMOSFETタイプの又はIGBTタイプの4つのトランジスタを含む、請求項1又は2に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項4】
トランジスタ(413a、413b、413c、413d)が、数十kHzより大きい、有利には、百kHzのオーダーの、又は百kHzより大きいスイッチング周波数を有する、請求項3に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項5】
変圧器(403)は、前記少なくとも1つの第2のAC電圧を第1のAC電圧に対して降圧させるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項6】
変圧器(403)は、平面タイプ又は巻回タイプである、請求項1から5のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項7】
変圧器(403)は、前記変圧器(403)の一次コイル(403a)と2つの二次コイル(403b、403c)との間にガルバニック絶縁を提供するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項8】
整流器(405)は、4つのトランジスタ(415a、415b、415c、415d)を備え、2つのトランジスタは直列に変圧器の各二次コイルに接続され、前記トランジスタはMOSFETタイプである、請求項1から7のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項9】
各二次コイルに直列に接続された2つのトランジスタのゲートは共通である、請求項8に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項10】
各二次コイルに直列に接続された2つのトランジスタのゲートは別個である、請求項8に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項11】
トランジスタに並列に接続されたダイオード(419)が、前記トランジスタを過電圧から保護するように構成される、請求項8から10のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項12】
少なくとも1つのフィルタ(421)、好ましくはRCフィルタタイプのフィルタ(421)が、変圧器と整流器との間に接続される、請求項1から11のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項13】
フィルタ(421)、好ましくはRCフィルタタイプのフィルタ(421)が、トランジスタ(415a、415b、415c、415d)と並列に、整流器(405)の各アームの端子に接続される、請求項1から11のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ(209)。
【請求項14】
少なくとも1つの熱電供給源(203)と、電荷を供給するように設計された高電圧DCバス(207)に電気エネルギーを供給するように構成された電気エネルギーストレージユニット(205)とを備える電気航空機推進システム(201)であって、請求項1から13のいずれか一項に記載のDC-DCコンバータ(209)をさらに備える、電気航空機推進システム(201)。
【請求項15】
電気エネルギーストレージユニット(205)は、スーパーキャパシタなどの電解電流源、又はバッテリなどの電気化学的電流源である、請求項14に記載の電気航空機推進システム(201)。
【請求項16】
アクティブ化されると、高電圧DCバス(207)の高電位を電気エネルギーストレージユニット(205)の高電位と直接接続するように構成された接触器をさらに備える、請求項14又は15に記載の電気航空機推進システム(201)。
【請求項17】
請求項14から16のいずれか一項に記載の電気推進システム(201)を備える航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気航空機推進システムの分野に関し、より詳細には、そのようなネットワークのためのDC-DCコンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にシリーズハイブリッド化と称される、航空機のハイブリッド推進アーキテクチャは、航空機の負荷を供給する同じ高電圧直流(High Voltage Direct Current)(HVDC)バスに接続された、熱電供給源(source thermoelectrique)と電気エネルギーストレージユニットとの共同使用を行うことが、従来技術から知られている。
【0003】
以下では、頭文字DCは「直流」を表し、ACは「交流」を表す。
【0004】
図1に示されるように、ハイブリッド推進アーキテクチャ101は一般に:
- 制御ユニット105によって制御される内燃機関103と、
- 動作時に、内燃機関103が発電機107を駆動するように、内燃機関に結合された発電機107と、
- 発電機107に接続され、発電機107によって供給される交番電流(この場合、三相電流)を直流に変換するように構成された整流器109と、
- DC-ACコンバータ(交番電流を直流に変換する)113a及び113bと、
- 整流器109をDC-ACコンバータ113a及び113bに接続する高電圧DCバス111と、
- 動作時に、DC-ACコンバータ113a及び113bが、電気モータ115a及び115bに交番電流を供給するように、DC-ACコンバータ113a及び113bに接続された電気モータ115a及び115bと、
- 動作時に、電気モータ115a及び115bが、プロペラ117a及び117bを駆動するように、電気モータ115a及び115bに結合されたプロペラ117a及び117bと
を備える。
【0005】
アーキテクチャ101はさらに、バッテリなどの高電圧DCストレージを意味する(HVDCストレージとしても知られる)電気エネルギーストレージユニット119を備える。この電気ストレージユニットは以下の機能を行うことができる:HVDCバスから余剰の電気エネルギーを吸収する、移行(transitoire)フェーズ中に、さらなる電気エネルギーを提供する、又は燃焼機関とともに主エネルギー源として、若しくは、例えば故障の際に、燃焼機関の代替として機能する。特に、HVDCバス上で電気エネルギーの戻りが生じると、ストレージユニット119は、HVDCバスの構成要素を保護するために、この過剰な電気エネルギーを吸収する。
【0006】
そのようなアーキテクチャにおいては、内燃機関103と、発電機107と、DC-ACコンバータ113a及び113b、電気モータ115a及び115b、並びにプロペラ117a及び117bからなっている電気推進チェーンとが、化石燃料源を用いて、複数の回転翼により、航空機を飛行させることを可能にする。
【0007】
そのようなハイブリッド推進アーキテクチャを備える航空機は、航空機の制御性、例えば、制動、回避方策、方向の変更、又はロータの傾動に関して、従来の航空機と比較してさらなる自由度を提供することを可能にするマルチロータである。
【0008】
このタイプのアーキテクチャの他の例は、特許EP-B1-3519294号及び特許出願WO-A1-2019186042号に説明されており、WO-A1-2019186042号では、複数の中間電力発生器が、HVDCバスに並列に接続されている。さらに、様々な、知られているアーキテクチャにおいては、HVDCバスはさらに、複数であり得る、又はリングネットワークにおいて接続され得る。
【0009】
いずれの場合においても、そのようなアーキテクチャは、VTOL(垂直離着陸)タイプの航空機向けに、又はCTOL(通常型離着陸)タイプの航空機向けに使用され得る。
【0010】
HVDCバスに接続された負荷が、一般に、一定出力で動作する、航空機のプロペラを駆動する電気モータである、このタイプのアーキテクチャでは、不安定な状態を、又はさらに、電圧崩壊によるバスの完全なロス(perte)を回避するため、HVDCバスの最適な制御を維持することが不可欠である。
【0011】
したがって、上述のように、この制御を可能にする電気エネルギーストレージユニットを使用することが知られている。
【0012】
さらに、この電気エネルギーストレージユニットは、特に、ストレージユニットによって送達された電圧レベル及び電流レベルを適合させる役割を有するDC-DCコンバータに関連付けられていてもよく、又は関連付けられていなくてもよい。
【0013】
第1の手法では、電気エネルギーストレージユニットは、DC-DCコンバータを使用せずに、電気推進ネットワークの残部に接続される。これは、直接接続として知られる。
【0014】
1つ以上のバッテリ(すなわち、電気エネルギーストレージユニット)の直接接続により、電気ネットワーク全体の質量を最小限に抑えることができる。実際、DC-DCコンバータの追加は、質量の観点からだけでなく、体積、効率、熱放散、及び制御の複雑さの観点からもコストを有する。
【0015】
しかしながら、バッテリの電気化学的性質に起因して、この構成は、バッテリを保護するための制限を課す。これは、全てが同じ電圧を「見る」バッテリ(複数可)によって、主電圧が課せられるからである。
【0016】
さらに、ネットワークの電圧レベルは、バッテリ(複数可)の充電状態に影響を与える。後者が変わると、それに応じてバッテリの電気量も変わる。
【0017】
最後に、直接接続構成では、同じ電気ネットワークに接続されたバッテリの充電状態は同一である。これは、追加のバッテリが電気推進システムに接続されると、電圧はバランスしなければならず、移行レジーム(regime)として知られる期間中にバッテリ同士間に高電流が流れ、それにより、ネットワークの要素の動作が中断する又は劣化するおそれがあることを意味する。この移行レジームの影響は、専用システムの使用によって制限され得るが、これらのシステムは潜在的に重く、かさばる。
【0018】
第2の手法は、電気エネルギーストレージユニットと電気推進システムの残部とのインターフェースでDC-DCコンバータを使用することである。
【0019】
そのようなDC-DCコンバータの追加は複数の利点を提供する。第1に、電気エネルギーストレージユニットの電圧は、電気推進システムの残部の電圧からデカップリングされて、エネルギーストレージユニットとHVDCバスの電圧レベルとの間の異なる電圧レベルを維持させることができる。第2に、DC-DCコンバータは、昇圧及び/又は降圧とすることができ、すなわち、DC-DCコンバータは、その出力での電圧を、電気エネルギーストレージユニットが入力として供給した電圧に対して増加させる又は減少させることを可能にすることができる。第3に、DC-DCコンバータが可逆(reversible)電流タイプであるとき、エネルギーストレージユニットの充電状態(SOC)としても知られるエネルギーレベルを制御することもできる。
【0020】
これにより、それぞれが、それ自体のDC-DCコンバータを有し、互いに独立しており、それぞれが電流変動から保護された、いくつかのストレージユニットの並列での使用が可能になる。それはさらに、潜在的に有害な移行レジームを引き起こすというリスクなしで、新たなエネルギーストレージユニットとの容易な接続を可能にする。
【0021】
電気エネルギーストレージユニットと電気推進システムの残部とのインターフェースでのそのようなDC-DCコンバータにより、さらに、適切な場合、ガルバニック絶縁特性(すなわち、電気ネットワークの2つの部位間の導電リンクの不在)の追加を可能にする。それで、DC-DCコンバータは、いわゆる完全ブリッジ構造、例えば、「デュアルアクティブブリッジ(Dual Active Bridge)」を表すDABとして知られる制御式完全ブリッジ構造を有する。
【0022】
しかしながら、上述のように、これらの全ての特性を考慮に入れると、質量、体積、性能、及び制御の複雑さの観点からコストとなる。特に、知られているDC-DCコンバータは、電気エネルギーストレージユニットの全電力を伝送するように設計されており、これは、必然的に、大量の受動構成部品、及び用途に応じた高い定格電流/定格電圧(すなわち、電流/電圧を伝送する能力)をを意味する。さらに、そのようなシステムの効率が90%を超えることはめったにない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0023】
【特許文献1】欧州特許第3519294号明細書
【特許文献2】国際公開第2019/186042号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は、これらの不利な点に対する解決策を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0025】
この目的のため、第1の態様によると、本発明は、電気航空機推進システムのためのDC-DCコンバータであって、前記電気推進システムの電気エネルギーストレージユニットと直列に接続されるように設計され、電気エネルギーストレージユニットから来るDC入力電圧から第1のAC電圧を供給するように構成されたインバータと、第1のAC電圧から少なくとも1つの第2のAC電圧を供給するように構成された変圧器と、前記少なくとも1つの第2のAC電圧からDC出力電圧を供給するように構成された整流器とを備え、
前記DC-DCコンバータは、整流器に接続され、前記DC-DCコンバータを通過する電力を制御するように構成された電流源をさらに備えるという点と、
変圧器が、一次コイル及び2つの二次コイルを備え、2つの二次コイルが、電気推進システムの高電圧DC(HVDC)バスに接続されるように設計された共通端子と、整流器に接続された2つの他の端子とを有し、DC-DCコンバータの基準レベル及びHVDCバスの基準レベルが電流源を通して互いに接続されているという点と、
整流器が2本のアームを備え、それぞれが、少なくとも2つの直列のトランジスタを備え、一方で、変圧器の2つの他の端子に接続され、他方で、電流源に接続されているという点と
を特徴とする、DC-DCコンバータに関する。
【0026】
本発明によるDC-DCコンバータは、互いに分離された、又は互いに組合せられた、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:
- 電流源はインダクタ及び電気エネルギーストレージユニットを備える。
- インバータは、複数のトランジスタを、好ましくはMOSFETタイプの又はIGBTタイプの4つのトランジスタを有する。
- トランジスタは、数十kHzより大きい、有利には、百kHzのオーダーの、又は百kHzより大きいスイッチング周波数を有する。
- 変圧器は、前記少なくとも1つの第2のAC電圧を、第1のAC電圧に対して降圧させるように構成される。
- 変圧器は、平面タイプ又は巻回タイプである。
- 変圧器は、前記変圧器の一次コイルと2つの二次コイルとの間にガルバニック絶縁を提供するように構成される。
- 整流器は、4つのトランジスタを備え、2つのトランジスタは直列に変圧器の各二次コイルに接続され、前記トランジスタはMOSFETタイプである。
- 各二次コイルに直列に接続された2つのトランジスタのゲートは共通である。
- 各二次コイルに直列に接続された2つのトランジスタのゲートは別個である。
- トランジスタに並列に接続されたダイオードが、前記トランジスタを過電圧から保護するように構成される。
- 少なくとも1つのフィルタ、好ましくはRCフィルタタイプのフィルタが、変圧器と整流器との間に接続される。
- フィルタ、好ましくはRCフィルタタイプのフィルタが、トランジスタと並列に、整流器の各アームの端子に接続される。
【0027】
第2の態様によると、本発明はさらに、少なくとも1つの熱電供給源と、電荷を供給するように設計された高電圧DCバスに電気エネルギーを供給するように構成された電気エネルギーストレージユニットとを備える電気航空機推進システムに関し、前記電気航空機推進システムはさらに、第1の態様によるDC-DCコンバータを備える。
【0028】
本発明による電気推進システムは、互いに分離がされた、又は互いに組合せられた、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる:
- 電気エネルギーストレージユニットは、スーパーキャパシタなどの電解電流源、又はバッテリなどの電気化学的電流源である。
- 電気推進システムは、アクティブ化されると、高電圧DCバスの高電位を電気エネルギーストレージユニットの高電位と直接接続するように構成された接触器をさらに備える。
【0029】
最後に、第3の態様において、本発明は、第2の態様による電気推進システムを備える航空機に関する。
【0030】
添付図面を参照しながら本発明の例示的及び非限定的な例の以下の説明を読むと、本発明はより良好に理解されることとなり、本発明の他の詳細、特徴及び利点はより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】従来技術における、航空機のハイブリッド推進アーキテクチャの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図2】本発明による電気航空機推進システムの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図3】本発明による電気航空機推進システムの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図4】本発明による電気航空機推進システムのDC-DCコンバータの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図5】本発明による電気航空機推進システムのDC-DCコンバータの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図6】本発明による電気航空機推進システムのDC-DCコンバータの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図7】本発明による電気航空機推進システムのDC-DCコンバータの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図8】本発明による電気航空機推進システムのDC-DCコンバータの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図9】本発明による電気航空機推進システムのDC-DCコンバータの実施形態の概略的な表現を示す図である。
【
図10】本発明によるDC-DCコンバータのインバータのトランジスタ制御シーケンスと、この制御シーケンスに応答してインバータによって発生されたAC電圧との例を示す図である。
【
図11】
図10に示される例のインバータによって発生された電圧から、本発明によるDC-DCコンバータの整流器の2本のアームの端子で得られた電圧の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
異なる実施形態において同じ機能を有する要素は、図面において同じ参照符号を有する。
【0033】
ここで、
図2及び
図3を参照して、本発明による電気航空機推進システム201を説明することとする。
【0034】
電気推進システム201は、少なくとも1つの熱電供給源203と、高電圧直流(HVDC)バス207に電気エネルギーを供給するように構成されている電気エネルギーストレージユニット205とを備える。
【0035】
示される例では、熱電供給源203は、内燃機関203aと、内燃機関203aに結合された発電機203bと、発電機203bに接続された整流器203cとを備える。熱電供給源203は、直流をHVDCバス207に送達する。
【0036】
HVDCバス207は、航空機の電気モータなどの(非表示の)負荷を供給するように設計される。関係している航空機はVTOL又はCTOL航空機であり得る。本発明は、50kWと2000kWとの間の機械的動力を搭載した、重量が5トン未満の航空機に特によく適している。
【0037】
電気航空機推進システム201はさらに、(「HVDCストレージ」とも呼ばれる)電気エネルギーストレージユニット205とHVDCバス207とのインターフェースに、電気エネルギーストレージユニット205と直列に接続された(直流/直流向けの)DC-DCコンバータ209を備える。
【0038】
1つ以上のキャパシタ211が、通常、熱電供給源203及びDC-DCコンバータ209の出力に設けられる。これらのキャパシタは、HVDCバスに接続された負荷が、すなわち、インバータとプロペラを駆動するモータとの全てが実際は電圧源であることを確実にする。
【0039】
電気推進システム201の様々な実施形態において、電気エネルギーストレージユニット205は、スーパーキャパシタなどの電解電流源、又はバッテリなどの電気化学的電流源であり得る。両方の事例において、エネルギーストレージユニットは、異なる動作フェーズ中に、エネルギー源として(すなわち、供給源モードで)又は充電として(すなわち、充電モードで)振る舞う。さらに、本発明はまた、もっぱらソーラーパネル又はセルなどの非可逆(non reversible)エネルギー源として備えるエネルギーストレージユニットにも適用される。
【0040】
スーパーキャパシタタイプの供給源は、電力ピーク、すなわち、非常に短い時間期間の間に強力な電力を提供することができる特徴を有する。例えば、スーパーキャパシタは、航空機の離陸フェーズに関連付けられ得る高電力要求に対する移行レジーム時の応答に非常に有用である。しかしながら、それらは長期の電力要件には適さない。他方、スーパーキャパシタは、非常に多数の充電/放電サイクルに持ちこたえることができる。
【0041】
逆に、バッテリは、電力ピークへの応答には適さない。バッテリは、長期間にわたり平均的な電力を送達することができる。バッテリは大きなエネルギー自律性をもたらす。しかしながら、バッテリは、より少ない充電/放電サイクルにしか持ちこたえることができない。
【0042】
アセンブリ215内に一緒にグループ化された、DC-DCコンバータ209を構成する複数の要素に加えて、
図4から9を参照して下記に詳細に記述された、本発明によるDC-DCコンバータ209は、ストレージユニット205とHVDCバス207との間の電流を制御するために、一方で、このアセンブリ215の出力に、他方で、ストレージユニット205の正端子に接続されたインダクタ213を含む。
【0043】
特に、インダクタ213は、用途に応じて、ストレージユニット205によって放出された電力の全てをHVDCバス207へ伝達させないようにすることが可能ないわゆる部分電力コンバータ(Partial Power Converter)(PPC)を、アセンブリ215と共に形成する。
【0044】
図2及び
図3に示される例では、ストレージユニット205とHVDCバス207との間を流れる電流のレベルを制御するのは、ストレージユニット205に接続されたインダクタ213の組合せである。しかしながら、他の実施形態(図示せず)では、この機能は、電気推進システム201の別のエネルギーストレージユニットを伴うアセンブリ215の出力に接続された、関連するこの同じインダクタ213によって得られ得る。
【0045】
全ての事例において、互いに接続されたインダクタとエネルギーストレージユニットとは、ストレージユニット205とHVDCバス207との間を流れる電流を制御するという機能を行う。
【0046】
さらに、このインダクタの使用は、ストレージユニット205が充電しているフェーズ中に、HVDCバスからストレージユニットに移動する電力の大部分が前記インダクタを経由して移動することができることを意味している。この事例では、アセンブリの効率は1に近い。
【0047】
さらに、特定の実施形態では、電気推進システム201は、アクティブ化されると、HVDCバス207の高電位を電気エネルギーストレージユニット205の高電位と直接接続するように構成された接触器(図示せず)をさらに備えることができる。
【0048】
有利には、この接触器により、電気エネルギーストレージユニット205をHVDCバス207に直接接続することができるので、DC-DCコンバータ209のいかなる故障も、電気エネルギーストレージユニット205の、又はHVDCバス207のロスを招かない。
【0049】
ここで、
図4を参照して、電気航空機推進システムのためのDC-DCコンバータの実施形態を説明することとする。説明されるDC-DCコンバータ209は、
図3を参照して説明される電気推進システム201の電気エネルギーストレージユニット205などの電気推進システムの電気エネルギーストレージユニットと直列に接続されるように設計される。
【0050】
示される例では、DC-DCコンバータ209は、電気エネルギーストレージユニットによって供給される入力電圧として知られるDC電圧からAC電圧を供給するように構成されたインバータ401を備える。
【0051】
インバータ401は単相インバータであり、すなわち、インバータ401は、2本の並列ワイヤ、言い換えれば、それぞれ、トランジスタ413a及び413cを有する線、並びにトランジスタ413b及び413dを備える線からなる伝送線上の交番電流を受ける。
【0052】
示される例では、インバータは、直列の2つのトランジスタの2本の線にわたって分散された4つのトランジスタ413a、413b、413c、及び413dを備える。しかしながら、当業者は、本発明が、2本の線のそれぞれの上に3つ以上のいくつかのトランジスタを備えるインバータに適用されることを理解するであろう。
【0053】
例はMOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)タイプのトランジスタ又はIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)タイプのトランジスタを含む。
【0054】
有利な実施形態においては、
図4に示されるインバータのトランジスタ413a、413b、413c、及び413dは、SiC(炭化ケイ素)又はGaN(窒化ガリウム)などの、高いスイッチング周波数を得ることを可能にする材料から作られている。このようにして、磁気構成要素(変圧器及びインダクタンス)のサイズは、有利には、より小さくなり、インバータの体積は最小化される。
【0055】
さらに、高いスイッチング周波数、すなわち、典型的には、数十kHzより大きい、又はさらに、百kHzのオーダーの、若しくは百kHzより大きい高いスイッチング周波数の使用により、チョップされた信号(インバータ及び整流器段の出力での電流又は電圧)の周波数を増加させること、さらにその制御(電流及び電圧制御)を改善することができる。
【0056】
例えば、IGBTタイプのトランジスタでは、最大30又は40kHzのスイッチング周波数が使用され得る。SiC又はGaNなどの大きなギャップの材料から作られているトランジスタでは、さらに上回ることができる。例えば、100-200kHzのオーダーのスイッチング周波数を得ることができる。
【0057】
DC-DCコンバータ209はさらに、インバータ401の出力で供給されるAC電圧から、少なくとも1つのAC電圧を発生させるように構成された変圧器403を含む。
【0058】
示される例では、変圧器403は、入力における電圧よりも、出力において低い電圧を発生させるように構成されている点で、降圧変圧器と言われる。これは、使用される電気エネルギーストレージユニットからの電圧が、電気エネルギーストレージユニットとHVDCバスとの間を流れる電流の制御を確実にするために必要とされる電圧よりもはるかに高いからであり、このことは、DC-DCコンバータを下記に記述されるように使用する目的のうちの1つである。
【0059】
しかしながら、本発明のある特定の実施形態では、特に、DC-DCコンバータが接続される、用いられる電気エネルギーストレージユニットが可逆性であるか否かに応じて、いわゆる昇圧変圧器を使用することができる。実際、典型的には、電気エネルギーストレージユニットは、ネットワークの電圧よりも高い公称電圧を有し、ストレージユニットからネットワークへの電力の流れをより容易に制御することができる。しかしながら、従来の月々の使用のいくつかの事例では、供給源は、より低い電圧を有しており昇圧変圧器と結合される必要があり、供給源からネットワークへの電力の適正な伝達が可能になる。全ての事例において、アーキテクチャは固定されており、使用される変圧器のタイプは前もって決定される。
【0060】
さらに、DC-DCコンバータの様々な実施形態において、変圧器は平面又は巻回とすることができる。
【0061】
さらに、DC-DCコンバータ209の示される例において、変圧器403は、一次コイル403a並びに2つの二次コイル403b及び403cを備える。有利には、変圧器は、一次コイル403aと2つの二次コイル403b及び403cとの間にガルバニック絶縁を提供するように構成され得る。
【0062】
2つの二次コイル403b及び403cは、HVDCバス207に直接接続されるように設計されている共通の端子407と、下記に記述される整流器405の2本のアームに接続されている2つの他の端子409及び411とを有する。
【0063】
DC-DCコンバータ209はさらに、変圧器403から来る1つ以上のAC電圧からDC出力電圧を供給するように構成された整流器405を含む。
【0064】
下記でより詳細に見ることとなるように、整流器405は、いわゆる4象限整流器である。特に、これは、それが制御される(又はされ得る)方法と一緒に、そのアーキテクチャが(すなわち、降圧される又は昇圧される)負の又は正の電圧を出力する能力を有し、さらに、電気エネルギーストレージユニットからHVDCバスに電流を流す、又はその逆を行う能力を有することを意味する。
【0065】
言い換えると、制御の全ての度合いが可能になり、ストレージユニットを、HVDCバスの電圧よりも低い又は高いバッテリ電圧で充電する又は放電することができる。
【0066】
示される例では、整流器405は、4つのトランジスタ415a、415b、415c、及び415dを含み、それらはまた、例えば、MOSFETタイプ又はIGBTタイプであり得る。インバータと同様に、示される整流器は、直列の2つのトランジスタの2本の線(2本のアーム)を備える。しかしながら、本発明はさらに、線ごとにより高い個数のトランジスタを備える整流器に適用される。
【0067】
最後に、
図2及び
図3を参照して上記で説明したように、DC-DCコンバータ209はさらに、整流器405の2本のアームに(例えば、これらの2本のアームの共通の端子を介して)接続された電流源417を備え、それは、一方で、インダクタからなり、他方で、ストレージユニット205又は別のストレージユニットのうちのどちらかからなる。
【0068】
したがって、
図3に示される例では、電流源は、インダクタ213及びストレージユニット205からなる。さらに、
図3でまた見ることができるように、DC-DCコンバータ209の基準レベル(したがって、基準電圧)とHVDCバス207の基準レベルとは、(インダクタ213及びストレージユニット205によって形成された)電流源を介して互いに接続される。言い換えれば、2本の整流器アーム405の出力は、電流源417に接続され、電流源417は、HVDCバス207の基準レベルに接続される。
【0069】
ストレージユニット205からHVDCバス207に流れる電力を制御するのはこの電流源417である。特に、電流源417の使用は、DC-DCコンバータの出力において電圧を課すことができるようにし、それにより、電気ストレージユニットとHVDCバスとの間を通る電流を調節し、必要な場合、電気エネルギーストレージユニットとHVDCバスとの間の異なる電圧レベルを維持する。したがって、DC-DCコンバータ209は、それに接続されているストレージユニットによって供給される電力の一部のみを伝送するその能力ゆえに、部分電力のコンバータと言われる。
【0070】
結果として、DC-DCコンバータは、電気エネルギーストレージユニットの充電状態をHVDCバスの電圧とは独立して制御し、電気エネルギーストレージユニットの端子への移行電流を制御することができる。この最後の点は、電気エネルギーストレージユニットの完全性を保護し、電気エネルギーストレージユニットを損傷させ得る熱暴走を防止する。
【0071】
さらに、本発明はまた、説明されたものなどのDC-DCコンバータをそれぞれが有する、並列の複数の電気エネルギーストレージユニットを備える電気推進システムに適用される。
【0072】
有利には、そのようなDC-DCコンバータは、電気エネルギーストレージユニットの動作範囲に対して、すなわち、定格電流及び定格電圧に応じてサイズ設定され得る。
【0073】
有利には、さらに、DC-DCコンバータは、電気エネルギーストレージユニットとHVDCバスとの間を流れる電流を調節しながら電気エネルギーストレージユニットの電圧とHVDCバスの電圧とを等しくさせることを可能にする。このようにして、電気推進システムは、すでに使用されている電気エネルギーストレージユニットを損傷させる又はストレスを加えることなく再構成され得る(すなわち、電気エネルギーストレージユニットが追加され又は取り除かれ得る)。
【0074】
第2に、電気エネルギーストレージユニットの電圧とHVDCバスの電圧とが閉じると、この場合、電気エネルギーストレージユニットとHVDCバスとの間を電流が流れないので、DC-DCコンバータの効率は100%に近い。
【0075】
図4から9は、本発明による、電気航空機推進システムのためのDC-DCコンバータの様々な実施形態を示している。特に、これらの図面は、DC-DCコンバータ209の整流器405のアーキテクチャのいくつかの例をより詳細に図解している。
【0076】
特に、
図4では、整流器405のトランジスタ415a及び415bが二次コイル403bと直列に接続され、整流器405のトランジスタ415c及び415dが変圧器403の二次コイル403cと直列に接続されている。さらに、この例では、直列に各二次コイルに接続されている2つのトランジスタのゲートは共通である。有利には、この構成により、整流器を制御するために必要とされる信号数を制限することができる。
【0077】
対照的に、
図5に示される例では、直列に各二次コイルに接続された2つのトランジスタのゲートは別個である。有利には、この構成により、(各トランジスタの個別制御を可能にすることによって)整流器の制御オプションを増加させることができる。
【0078】
図6及び
図7に示される例では、トランジスタ415a、415b、415c、及び415dに並列に接続されたダイオード419が、いかなる過電圧からもトランジスタ415a、415b、415c、及び415dを保護するように構成される。さらに、第1の事例では、各二次コイルに直列に接続された2つのトランジスタのゲートは共通であり、第2の事例では、各二次コイルに直列に接続された2つのトランジスタのゲートは別個である。
【0079】
最後に、
図3、
図8、及び
図9に示される例では、1つ以上のフィルタ421が、整流器の端子に接続される。
【0080】
例えば、1つ以上のフィルタは、変圧器と整流器との間に接続され得るか、又は、整流器の各アーム上の2つのMOSFETトランジスタの2つのドレイン間に、トランジスタと並列に接続され得る。
【0081】
これらのフィルタ421は、ある特定の望まれない周波数を、整流器405に到達する電圧から除去する。この事例では、使用されるフィルタはRCタイプのフィルタ、すなわち、ある特定の周波数をフィルタリングするために直列に接続された抵抗器とキャパシタとの組合せを用いている。
【0082】
図10及び
図11は、本発明によるDC-DCコンバータに適用された制御と、そのような制御からコンバータの出力で得られた電圧との例を示している。
【0083】
特に、
図10は、左側で、
図6に示されるDC-DCコンバータなどのDC-DCコンバータのインバータのトランジスタを制御するためのシーケンスの例を示している。制御シーケンスは、インバータの4つのトランジスタに、時間(x軸)に応じて適用される電圧のシーケンスに対応する。例えば、示される電圧は、トランジスタタイプMOSFETの端子G(ゲート)及び端子S(ソース)に、又はトランジスタタイプIGBTのG及びE(エミッタ)に送られ得る。
【0084】
特に、参照符号Q1、Q2、Q3、及びQ4は、それぞれ、
図6におけるトランジスタ413a、413b、413c、及び413dに対応する。各制御電圧は、値ゼロから正の値(本例では1に正規化された)に変化する矩形波信号であり、トランジスタをそれぞれ開スイッチ又は閉スイッチのように振る舞わせる。
【0085】
図10の右手側は、この制御シーケンスによりもたらされ、DC-DCコンバータの変圧器の一次コイル(一次電圧と呼ばれる)に適用される電圧を示している。
【0086】
図11は、
図10で与えられた例によるインバータによって発生された電圧から、
図6を参照して説明されたDC-DCコンバータなどのDC-DCコンバータの整流器の2本のアームの端子で得られた電圧の例を示している。
【0087】
特に、最上部の曲線は、
図10を参照して説明されたインバータに適用される制御シーケンスから得られた一次電圧を示している。
【0088】
真ん中の曲線及び最下部の曲線は、この一次電圧から、DC-DCコンバータの整流器の(それぞれ、コンバータの変圧器の2つの二次コイルに接続された)2本のアームの端子で得られた電圧を示している。特に、電圧K1が直列の2つのトランジスタ415a及び415bの線の端子で得られた電圧に対応する一方、電圧K2は、直列の2つのトランジスタ415c及び415dの線の端子で得られた電圧に対応する。
【0089】
最後に、電気エネルギーストレージユニットと電気推進システムの残部とのインターフェースで使用されるDC-DCコンバータのタイプのおかげで、電気推進システムは、長い時間期間にわたって高い平均電力を発生させること、高い瞬時の電気出力を発生させること、並びに、重量及び体積の観点でできる限りコンパクトにすることができる。
【国際調査報告】