(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】伝送構造体、アンテナ、および端末
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20250117BHJP
H01P 5/107 20060101ALI20250117BHJP
H01Q 5/364 20150101ALI20250117BHJP
H01Q 1/32 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
H01Q13/08
H01P5/107 B
H01Q5/364
H01Q1/32 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539413
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2021142161
(87)【国際公開番号】W WO2023122978
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524397185
【氏名又は名称】深▲ジェン▼引望智能技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】ホーァ,イン
(72)【発明者】
【氏名】ターン,ジョーンシャン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,チェン
(72)【発明者】
【氏名】プオン,ダーチーン
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,シヤオパン
【テーマコード(参考)】
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J045AA03
5J045DA10
5J045FA02
5J045HA03
5J045HA05
5J045NA07
5J046AB03
5J046AB13
5J046MA00
(57)【要約】
本出願の実施形態は、伝送構造体、アンテナ、および端末を提供する。伝送構造体は回路基板を含む。ここで、回路基板は第1金属層、第2金属層、および誘電体層を含み、誘電体層は第1金属層と第2金属層との間に配置されており、第1金属層は放射部およびマイクロストリップを含み、マイクロストリップは放射部の一端に接続され、かつ、第2金属層は接地されている。放射部には、開口が設けられており、放射部が少なくとも2つの共振周波数を形成することを可能にする。本出願の実施形態において提供されるソリューションに従って、伝送構造体の動作帯域幅が拡張され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板を備える伝送構造体であって、
前記回路基板は、第1金属層、第2金属層、および、誘電体層を含み、
前記誘電体層は、前記第1金属層と前記第2金属層との間に配置されており、
前記第1金属層は、放射部、および、マイクロストリップを含み、
前記マイクロストリップは、前記放射部の一端に接続され、かつ、
前記第2金属層は、接地されており、
前記放射部には、開口が設けられており、前記放射部が、少なくとも2つの共振周波数を形成することを可能にする、
伝送構造体。
【請求項2】
伝送構造体は、さらに、
回路基板の側であり、かつ、第1金属層に近い側に配置されている導波管を含み、
前記導波管は、マイクロストリップ回避溝、および、導波管ポートを含み、
前記マイクロストリップは、前記マイクロストリップ回避溝の溝壁から間隔を置いて、前記マイクロストリップ回避溝に対向して配置され、
前記導波管ポートは、前記放射部に対向して配置されており、
前記放射部によって放射された信号は、前記導波管ポートを通過して、前記伝送構造体の外へ放射される、
請求項1に記載の伝送構造体。
【請求項3】
前記放射部は矩形であり、かつ、
前記マイクロストリップは、前記放射部の対称軸から外れるように配置されている、
請求項1または2に記載の伝送構造体。
【請求項4】
前記開口は、帯状開口であり、かつ、
前記開口は、前記放射部のエッジから間隔を置いて配置されている、
請求項1乃至3いずれか一項に記載の伝送構造体。
【請求項5】
前記開口は、帯状開口であり、かつ、
前記開口の一端は、前記放射部のエッジであり、かつ、前記マイクロストリップに接続されたエッジから離れたエッジに接続されている、
請求項3に記載の伝送構造体。
【請求項6】
前記開口は、第1帯状開口セグメント、および、第2帯状開口セグメントを含み、かつ、
前記第2帯状開口セグメントの一端は、前記第1帯状開口セグメントの一端に接続されている、
請求項4または5に記載の伝送構造体。
【請求項7】
前記開口は、さらに、第3帯状開口セグメントを含み、かつ、
前記第3帯状開口セグメントの一端は、前記第2帯状開口セグメントの他端に接続されており、
前記第2帯状開口セグメントの他端は、前記第1帯状開口セグメントに接続された端から遠く離れており、かつ、
前記第3帯状開口セグメントは、前記第1帯状開口セグメントに平行であり、前記第1帯状開口セグメントから間隔を置いて配置されている、
請求項6に記載の伝送構造体。
【請求項8】
前記第2帯状開口セグメントは、前記第1帯状開口セグメントに対して垂直に配置されている、
請求項6または7に記載の伝送構造体。
【請求項9】
前記開口の長さは、0.5×λから1.5×λまでの範囲であり、
前記開口の幅は、0.01×λから0.2×λまでの範囲であり、かつ、
λは、前記伝送構造体の動作波長である、
請求項4乃至8いずれか一項に記載の伝送構造体。
【請求項10】
前記開口は、第4帯状開口セグメント、および、第5帯状開口セグメントを含み、
前記第4帯状開口セグメントは、第1方向に沿って、前記放射部の第1エッジまで延在し、
前記第5帯状開口セグメントは、第2方向に沿って、前記第1エッジまで延在し、かつ、
前記第4帯状開口セグメントは、前記第1エッジ上で前記第5帯状開口セグメントと交差している、
請求項3に記載の伝送構造体。
【請求項11】
前記第1エッジは、前記放射部のエッジであり、かつ、前記マイクロストリップに接続されているエッジに隣接している、
請求項10に記載の伝送構造体。
【請求項12】
前記導波管は、さらに、シールド溝を含み、
前記シールド溝は、前記導波管の側であり、かつ、前記導波管ポートに近い側に配置され、前記導波管ポートおよび前記マイクロストリップ回避溝から間隔を置いて配置されている、
請求項2乃至11いずれか一項に記載の伝送構造体。
【請求項13】
前記シールド溝は、前記導波管ポートの周囲を取り囲んでいる、
請求項12に記載の伝送構造体。
【請求項14】
前記シールド溝の深さは、λ/4の奇数倍であり、かつ、
λは、前記伝送構造体の動作波長である、
請求項12または13に記載の伝送構造体。
【請求項15】
前記導波管は、さらに、導波管本体、および、ボスを含み、
前記ボスは、前記導波管本体から前記回路基板に向かって突出し、かつ、前記回路基板と接触している、
請求項2乃至14いずれか一項に記載の伝送構造体。
【請求項16】
第1金属層は、さらに、前記マイクロストリップと前記放射部との間のインピーダンス整合のために構成された、第1遷移部を含み、
前記第1遷移部は、前記放射部から前記マイクロストリップへの方向に沿って、前記放射部と前記マイクロストリップとの間に接続されている、
請求項1乃至15いずれか一項に記載の伝送構造体。
【請求項17】
前記第1金属層は、さらに、接地部分を含み、
前記接地部分は、前記放射部の周囲、および、前記マイクロストリップの周囲を取り囲み、前記放射部および前記マイクロストリップから間隔を置いて配置されており、
前記接地部分は、前記導波管と接触し、かつ、前記接地部分は、前記第2金属層と導通されている、
請求項1乃至16いずれか一項に記載の伝送構造体。
【請求項18】
前記接地部分は、めっきスルーホール、または、金属壁を通じて前記第2金属層と導通されている、
請求項17に記載の伝送構造体。
【請求項19】
前記回路基板における前記導波管ポートの正投影は、前記接地部分の内側輪郭によって囲まれた領域内に配置されている、
請求項17または18に記載の伝送構造体。
【請求項20】
前記接地部分は、接地部分本体、および、接地延長部を含み、
前記接地延長部は、前記マイクロストリップと前記放射部との間の接合部に対向して、かつ、前記接合部から間隔を置いて配置されており、
前記接地延長部は、前記接地部分本体から前記接合部に向かって延在している、
請求項17乃至19いずれか一項に記載の伝送構造体。
【請求項21】
請求項1乃至20いずれか一項に記載の伝送構造体を備える、
アンテナ。
【請求項22】
請求項21に記載の前記アンテナを備える、
検出装置。
【請求項23】
請求項22に記載の前記検出装置を備える、
端末。
【請求項24】
前記端末は車両である、
請求項23に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術の分野に関する。そして、より具体的には、伝送構造体(transfer structure)、アンテナ、および端末に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展と進歩に伴い、車両のインテリジェンスは、次第に車両分野における研究のホットスポットになってきている。インテリジェンスを伴う車両(略して、インテリジェンス車両(intelligent vehicle))は、人々に対してより安全で快適な運転体験をもたらすことができる。例えば、複数のセンサがインテリジェント車両に設置されてよく、その結果、インテリジェント車両の周囲環境情報がセンサを使用することによって取得され、そして、周囲環境情報に基づいてアシスト運転(assisted driving)または自動運転(self-driving)が実施される。センサは、例えば、カメラ、レーザレーダ、ミリ波レーダ、超音波センサ、を含んでいる。
【0003】
ミリ波レーダは、ミリ波を検出媒体として使用し、そして、ミリ波レーダから測定対象物までの距離、角度、移動速度などを測定することができる。ミリ波レーダは、フィード(feed)を使用することによってアンテナ放射器(antenna radiator)に信号を送信することができる。アンテナ放射器は、信号を導波管(wave guide)に放射することができる。導波管は、信号を伝送する。このように、ミリ波レーダは、測定対象物の位置、移動速度、等を比較的正確に検出することができる。ミリ波レーダの有効帯域幅は、ミリ波性能に対して大きな影響を及ぼす。ミリ波レーダの有効帯域幅をどのように改善するかは、解決されるべき問題である。
【発明の概要】
【0004】
本出願の実施形態は、伝送構造体を提供し、伝送構造体の動作帯域幅範囲を拡張する。
【0005】
第1態様に従って、伝送構造体が提供される。本伝送構造体は、回路基板を備える。ここで、前記回路基板は、第1金属層、第2金属層、および、誘電体層を含み、前記誘電体層は、前記第1金属層と前記第2金属層との間に配置されており、前記第1金属層は、放射部、および、マイクロストリップを含み、前記マイクロストリップは、前記放射部の一端に接続され、かつ、前記第2金属層は、接地されている。前記放射部には、開口が設けられており、前記放射部が、少なくとも2つの共振周波数を形成することを可能にする。
【0006】
本の出願は、伝送構造体を提供する。本伝送構造体は、回路基板を含み、そして、回路基板上の誘電体層は、第1金属層と第2金属層との間に配置されている。本出願において提供される伝送構造体は、金属バックキャビティ(metal back cavity)に対応している空間を低減するのに役立ち、そして、回路基板の全体の厚さを低減し、その結果、伝送構造体は、別のコンポーネントと容易に統合される。第1金属層上の放射部の開口(opening)は、伝送構造体の帯域幅を拡張し、その結果、伝送構造体は、より多くのシナリオで使用され得る。
【0007】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実施態様において、本伝送構造体は、さらに、回路基板の側であり、かつ、第1金属層に近い側に配置されている導波管を含む。前記導波管は、マイクロストリップ回避溝、および、導波管ポートを含み、前記マイクロストリップは、前記マイクロストリップ回避溝の溝壁から間隔を置いて、前記マイクロストリップ回避溝に対向して配置され、前記導波管ポートは、前記放射部に対向して配置されており、前記放射部によって放射された信号は、前記導波管ポートを通過して、前記伝送構造体の外へ放射される。
【0008】
本出願における伝送構造体は、導波管を、さらに改善する。導波管は、導波管ポートおよびマイクロストリップ回避溝(avoidance groove)を含んでいる。マイクロストリップ回避溝の存在は、導波管が回路基板と協働するときに、電磁波エネルギ漏れの可能性を低減すること、または、マイクロストリップと導波管との間の接触によって引き起こされる電磁波エネルギ漏れの量を低減することを可能にし、その結果、電磁波は、回路基板上のマイクロストリップから放射部に進入し、そして、次いで、導波管ポートを通じて伝送構造体全体から外に放射され得る。
【0009】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記放射部は矩形であり、かつ、前記マイクロストリップは、前記放射部の対称軸から外れるように配置されている。
【0010】
放射部、および、回路基板上のマイクロストリップの対称軸は、相互に外れて(deviated)配置されている。これは、マイクロストリップから放射部への電磁波の遷移によって引き起こされるエネルギ反射を低減するのに役立ち、すなわち、マイクロストリップから放射部への電磁波の遷移のインピーダンス整合を強化し、そして、伝送構造体の整合帯域幅を改善する。
【0011】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記開口は、帯状開口であり、かつ、前記開口は、前記放射部のエッジから間隔を置いて配置されている。
【0012】
放射部の開口は、放射部の内側に配置されており、そして、放射部の内部の帯状開口は、電流が帯状開口の近くに複数の共振周波数を形成することを可能にし、その結果、伝送構造体の動作帯域幅範囲が拡張される。
【0013】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記開口は、帯状開口であり、かつ、前記開口の一端は、前記放射部のエッジであり、かつ、前記マイクロストリップに接続されたエッジから離れたエッジに接続されている。
【0014】
放射部の開口は、放射部のエッジであり、かつ、放射部のエッジおよびマイクロストリップから離れたエッジに接続されており、そして、エッジに接続されたいくつかの開口を使用することによって電流回折経路(current diffraction path)が増加され、その結果、伝送構造体の動作帯域幅が増加される。
【0015】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記開口は、第1帯状開口セグメント、および、第2帯状開口セグメントを含み、かつ、前記第2帯状開口セグメントの一端は、前記第1帯状開口セグメントの一端に接続されている。
【0016】
本出願のこの実施形態において、2つの帯状開口セグメントの端部は、特定の角度が形成され得るように、接続されている。放射部を通過するとき、電磁波は、2つの帯状開口セグメントによって形成された構造を迂回することができ、そして、2つの帯状開口セグメントによって形成された構造の近くで放射されてよく、その結果、電磁波のエネルギの放射位置が増加され、かつ、伝送構造体の動作帯域幅が改善される。
【0017】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記開口は、さらに、第3帯状開口セグメントを含み、かつ、前記第3帯状開口セグメントの一端は、前記第2帯状開口セグメントの他端に接続されている。前記第2帯状開口セグメントの他端は、前記第1帯状開口セグメントに接続された端から遠く離れており、かつ、前記第3帯状開口セグメントは、前記第1帯状開口セグメントに平行であり、前記第1帯状開口セグメントから間隔を置いて配置されている。
【0018】
放射部の3つの開口セグメントによって形成される構造は、現在の共振点をさらに増加させ、そして、伝送構造体の動作帯域幅範囲を拡張する。
【0019】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記第2帯状開口セグメントは、前記第1帯状開口セグメントに対して垂直に配置されている。
【0020】
放射部の開口は、概ねU字型の開口であり、その結果、放射部は、マルチ同調(multi-tuned)回路を形成する。このようにして、品質係数が低減され、そして、放射部の帯域幅範囲が増加される。
【0021】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記開口の長さは、0.5×λから1.5×λまでの範囲である。例えば、前記開口の幅は、0.01×λから0.2×λまでの範囲である。λは、前記伝送構造体の動作波長である。
【0022】
本開口は、帯状であり、概ね0.5×λから1.5×λまでの範囲の全長、および、概ね0.01×λから0.2×λまでの範囲の幅を有している。特定の形状が限定されなくてよく、その結果、放射部の異なる形状の開口が、現在の回折経路を増加させ、そして、伝送構造体の動作帯域幅を増加させることができる。
【0023】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記開口は、第4帯状開口セグメント、および、第5帯状開口セグメントを含む。前記第4帯状開口セグメントは、第1方向に沿って、前記放射部の第1エッジまで延在し、前記第5帯状開口セグメントは、第2方向に沿って、前記第1エッジまで延在し、かつ、前記第4帯状開口セグメントは、前記第1エッジ上で前記第5帯状開口セグメントと交差している。
【0024】
本放射部の開口はV字型(V-shaped)であり、その結果、電流回折経路が増加され、そして、伝送構造体の動作帯域幅が増加され。
【0025】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実施態様において、前記第1エッジは、前記放射部のエッジであり、かつ、前記マイクロストリップに接続されているエッジに隣接している。
【0026】
本放射部のV字型開口の頂点は、放射部のエッジであり、かつ、マイクロストリップに接続されたエッジの隣接エッジ上に配置されており、その結果、隣接エッジの実際の長さが増加し、かつ、隣接エッジのエッジが放射部の内側に延伸する。このようにして、電磁波によって放射されるエネルギが再分配され、そして、伝送構造体の動作帯域幅範囲が増加される。
【0027】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実施態様において、前記導波管は、さらに、シールド溝を含み、そして、前記シールド溝は、前記導波管の側であり、かつ、前記導波管ポートに近い側に配置され、前記導波管ポートおよび前記マイクロストリップ回避溝から間隔を置いて配置されている。
【0028】
導波管ポートの周囲のシールド溝は、電磁波エネルギの漏れを低減することができ、その結果、大部分のエネルギは、導波管ポートを通じて伝送構造体の外へ放射され得る。
【0029】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記シールド溝は、前記導波管ポートの周囲を取り囲んでいる。
【0030】
本シールド溝は、導波管ポートの周囲を取り囲み、その結果、導波管ポートの比較的に大きな量の領域が、シールド溝によって取り囲まれ得る。これは、エネルギ損失を制限するのに役立ち、そして、伝送プロセスにおけるエネルギ利用を改善する。
【0031】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記シールド溝の深さは、λ/4の奇数倍であり、かつ、λは、前記伝送構造体の動作波長である。
【0032】
導波管上のシールド溝の形状は限定されなくてよく、例えば、長方形の長いストリップであってよい。長方形の長い帯状のシールド溝は、長いストリップの一方の側から漏れるエネルギを低減するのに役立つ。別の例として、シールド溝は、代替的に、電磁波エネルギ漏れをより良好に低減するために、導波管ポートを取り囲むことができる。シールド溝の深さは、λ/4の奇数倍に設定され、その結果、シールド溝は、インピーダンス変換後に比較的大きいインピーダンスを有する。
【0033】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記導波管は、さらに、導波管本体、および、ボスを含み、前記ボスは、前記導波管本体から前記回路基板に向かって突出し、かつ、前記回路基板と接触している。例えば、導波管本体およびボスは、一体的に形成されてよい。
【0034】
本導波管は、配置されたボスを使用することによって回路基板と接触しており、接触面積を低減し、それにより、導波管または回路基板の加工寸法公差の組み立て(assembly)に対する影響を低減している。
【0035】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、第1金属層は、さらに、前記マイクロストリップと前記放射部との間のインピーダンス整合のために構成された、第1遷移部を含み、そして、前記第1遷移部は、前記放射部から前記マイクロストリップへの方向に沿って、前記放射部と前記マイクロストリップとの間に接続されている。
【0036】
遷移セグメントは、放射部とマイクロストリップとの間に配置されており、その結果、伝送経路上のインピーダンスは、勾配状態にあることができ、そして、電磁波伝送プロセスにおける反射などによって引き起こされるエネルギ損失が低減され得る。
【0037】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実施態様において、前記第1金属層は、さらに、接地部分を含み、前記接地部分は、前記放射部の周囲、および、前記マイクロストリップの周囲を取り囲み、前記放射部および前記マイクロストリップから間隔を置いて配置されている。そして、前記接地部分は、前記導波管と接触し、かつ、前記接地部分は、前記第2金属層と導通されている。
【0038】
放射部の外側は接地部分を取り囲み、その結果、導波管が回路基板と協働するときに、導波管は接地部分と良好に接触している。
【0039】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装形態において、前記接地部分は、めっきスルーホール、または、金属壁を通じて前記第2金属層と導通されている。
【0040】
接地部分と第2金属層との間のめっきスルーホールは、接地部分が第2金属層と良好に接触することを可能にする。加えて、金属壁、または、めっきスルーホールは、電磁波エネルギの放射を、さらに制限することができ、その結果、伝送構造体の効率が改善される。
【0041】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実装において、前記回路基板における前記導波管ポートの正投影は、前記接地部分の内側輪郭によって囲まれた領域内に配置されている。
【0042】
接地部分の内側輪郭によって囲まれた領域は、回路基板と導波管との間の伝送領域である。伝送領域は、導波管ポートのサイズよりもわずかに大きくてよく、その結果、伝送性能に対する位置合わせ誤差(alignment error)の影響が低減され、そして、良好な伝送性能が実装される。
【0043】
第1態様に関連して、第1態様のいくつかの実施態様において、前記接地部分は、接地部分本体、および、接地延長部を含み、前記接地延長部は、前記マイクロストリップと前記放射部との間の接合部に対向して、かつ、前記接合部から間隔を置いて配置されている。そして、前記接地延長部は、前記接地部分本体から前記接合部に向かって延在している。
【0044】
接地部分には接地延長部が設けられ、接地延長部は放射部とマイクロストリップとの間の接合部まで延在している。接地延長部は、電磁波伝送のインピーダンス整合度を高めるように配置され得る。
【0045】
第2態様に従って、アンテナが提供される。本アンテナは、第1態様の実装形態のいずれか1つに従った、伝送構造体を含んでいる。
【0046】
第3態様に従って、検出装置が提供される。本検出装置は、第2態様の実装のいずれか1つに従った、アンテナを含んでいる。例えば、検出装置は、レーダである。
【0047】
第4態様に従って、端末が提供される。本端末は、第3態様の実装形態のいずれか1つに従った、検出装置を含んでいる。
【0048】
第4態様に関連して、第4態様のいくつかの実装形態において、本端末は、車両である。
【0049】
第5態様に従って、車両が提供される。本車両は、第3態様のいずれか1つの態様に従った、検出装置を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】
図1は、本出願の一つの実施形態に従った、伝送構造体が適用可能なシナリオの図である。
【
図2】
図2は、本出願の一つの実施形態に従った、伝送構造体に係る斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2に対応している回路基板上の第1金属層に係る概略構造図である。
【
図4】
図4は、
図3に対応している第1遷移部(transition portion)に係る概略構成図である。
【
図5】
図5は、本出願の一つの実施形態に従った、別の伝送構造体に係る斜視図である。
【
図6A】
図6(a)は、
図5に対応している導波管の第1端面(end surface)の概略構成図である。
【
図6B】
図6(b)は、
図5に対応している導波管の第1端面(end surface)の概略構成図である。
【
図8】
図8は、本出願の一つの実施形態に従った、放射部(radiation portion)の開口(opening)に係る概略構造図である。
【
図9】
図9は、
図8に対応している放射部の開口のシミュレーション結果図である。
【
図10】
図10は、本出願の一つの実施形態に従った、放射部の開口に係る概略構造図である。
【
図11】
図11は、本出願の一つの実施形態に従った、放射部の開口に係る概略構造図である。
【
図12】
図12は、本出願の一つの実施形態に従った、放射部の開口に係る概略構造図である。
【
図13】
図13は、本出願の一つの実施形態に従った、伝送構造体のアレイに係る概略構造図である。
【
図14】
図14は、本出願の一つの実施形態に従った、別の伝送構造体に係る概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下は、本出願の実施形態における添付の図面を参照して、本出願の実施形態における技術的ソリューションを説明している。明らかに、説明される実施形態は、本出願の実施形態の単なる一部に過ぎず、全てではない。創造的な努力なしに、本出願の実施形態に基づいて、当業者によって得られる全ての他の実施形態は、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【0052】
本出願で開示される技術的ソリューションは、一つの例としてレーダ分野におけるアプリケーションを使用するが、レーダシステムに限定されるものではない。伝送構造体は、導波管と回路基板との間の伝送が必要とされる任意のシナリオに対して適用され得る。
【0053】
本出願において使用される回路基板は、一般的なプリント回路基板(printed circuit board、PCB)であってよく、または、基板集積導波管(substrate integrated waveguide、SIW)であってもよい。
【0054】
本出願において使用される導波管は、矩形導波管であってよく、または、別の非標準または標準導波管ポートを有する管状導波管であってもよい。以下では、本出願の主要な技術的ソリューションを説明するために、例として、矩形導波管ポートを有する金属導波管を使用している。導波管ポートが他の形状である場合も、同様な事例が使用される。
【0055】
図1は、本出願における伝送構造体が適用可能な、導波管アンテナ形態における、レーダに係る概略構造図である。
図1に示されるように、レーダは、シールド層110、PCB層120、冷却層130、フィルタ/フィード(filter/feed)層140、および、放射層150を含んでいる。
【0056】
シールド層110は、アンテナ全体に対する外部電磁場の影響を低減するように構成されている。シールド層は、接地することができ、その結果、外部干渉信号は、本層によって接地(ground)に導かれる。シールド層は、さらに、アンテナ内部の回路が電磁エネルギを外部に放射することを防止することができ、その結果、内部信号伝送の損失が低減される。シールド層は、さらに、内部ラインによって生成された熱を装置全体の外に伝導するために、優れた熱伝導性を有してよく、その結果、内部ラインは比較的に安定した温度で動作する。
【0057】
能動素子(active device)が、PCB層120に配置されており、そして、能動素子によって生成された信号を処理することができる。処理された信号は、放射を介して、または、伝送線路(transmission line)を使用することによって、層から次の層構造に進入することができる。
【0058】
冷却層130は、PCB層120とフィルタ/フィード層140との間に配置されている。シールド層と同様に、冷却層130は、アンテナ内で発生した熱をアンテナシステム全体の外へ伝導することができる。層の特定の形状設計は、さらに、PCB層120とフィルタ/フィード層140との間の伝送を容易にすることができる。
【0059】
フィルタ/フィード層140は、PCB層120からの信号に対してフィルタリングといった処理を実行して、特定の帯域幅範囲内の電磁波を獲得するように構成されている。
【0060】
放射層150は、いくつかのスロットによって形成されたスロット放射アレイを含んでおり、そして、アレイを使用することによって、フィルタ/フィード層140によって処理された電磁波を、ミリ波アンテナ装置全体から外へ放射するように構成されている。
【0061】
図1に示されるレーダにおいて、PCB層120に関連する伝送は、装置全体の性能に対して大きな影響を及ぼす。従って、本出願において提供される技術的ソリューションでは、PCB層120と導波管との間の伝送が最適化され、その結果、比較的広い帯域幅範囲がカバーされ、かつ、小さい断面積(low cross-sectional area)の利点が提供される。このこと、モジュール全体の設置を容易にする。
【0062】
図2は、本出願の一つの実施形態に従った、伝送構造体に係る斜視図である。
図2に示されるように、本出願のこの実施形態において提供される伝送構造体は、回路基板20を含み得る。
【0063】
図2の回路基板20は、
図1のPCB層120であってよい。回路基板20は、第1金属層230、第2金属層210、および誘電体層220を含んでいる。誘電体層220は、第1金属層230と第2金属層210との間に配置されている。誘電体層220は、絶エッジ材料であってよく、そして、第2金属層210は接地されている。
【0064】
一つの実施形態において、第1金属層230および第2金属層210は、回路基板20上の2つの隣接する金属層であってよい。第1金属層230および第2金属層210は、電気めっき(electroplating)といった方法で誘電体層220の2つの表面上に配置され得る。
【0065】
本出願のこの実施形態において、処理の困難性および製造コストを低減するために、回路基板20は、バックキャビティ(back cavity)のない構造を使用している。誘電体層220は、第1金属層230と誘電体層220との間で、あらゆる他の金属バックキャビティを伴うことなく、第1金属層230の直接的な下に存在する。このようにして、処理の困難性を効果的に低減することができ、そして、回路基板20全体の厚さが比較的に小さく、その結果、コストが効果的に低減される。
【0066】
例えば、車載レーダプレートNF30の厚さは、たったの0.05mmから0.2mmまでであり、例えば、0.12mmであってよい。
【0067】
図3は、本出願に従った、伝送構造体の回路基板20上の第1金属層230の構造を示している。
図3に示されるように、第1金属層230は、放射部231、および、マイクロストリップ232を含んでいる。マイクロストリップ232の一端は、フィード(feed)に接続されており、そして、フィードは、伝送構造体全体、回路基板、または、電子デバイスにおけるフィードであり得る。マイクロストリップ232の他端は、放射部231に接続されてよい。
【0068】
いくつかの実施形態において、放射部231は、マイクロストリップ232に直接的に接続されてよい。いくつかの他の実施形態において、放射部231は、代替的に、第1遷移部(transition portion)233を使用することによって、マイクロストリップ232に接続されてよく、そして、第1遷移部233も、また、金属である。第1遷移部233の存在は、電磁波がマイクロストリップ232から放射部231に進入するときに、マイクロストリップ232から放射部231へのインピーダンスが勾配状態(gradient state)になることを可能にし得る。その結果、マイクロストリップ232と放射部231との間の接合部(joint)における電磁波エネルギの反射が低減される。このことは、放射部231に進入するエネルギを増加するのに役立ち、そして、損失を低減する。
【0069】
マイクロストリップ232に近い位置における第1遷移部233の幅は、放射部231に近い位置における第1遷移部233の幅よりも小さくてよい。第1遷移部233の幅方向は、マイクロストリップ232から放射部231への方向に対して垂直であり、かつ、第1金属層230の方向に対して平行であり得る。例えば、第1遷移部233の幅方向は、マイクロストリップ232の延在方向に対して垂直であってよい。
【0070】
図4は、本発明の一つの実施形態に従った、第1遷移部の構造を示している。
図4における(a)に示されるように、第1遷移部233の幅は、マイクロストリップ232から放射部231へ、例えば、線形的に、徐々に増加し得る。
【0071】
図4における(b)に示されるように、第1遷移部233の幅は、マイクロストリップ232から放射部231へ段階的に増加し得る。すなわち、第1遷移部233のエッジは、階段状であってよい。第1遷移部233のエッジは、第1遷移部233の幅方向に対して平行な第1ステップエッジ2331および第2ステップエッジ2332と、第1遷移部233の幅方向に対して垂直な第3ステップエッジ2333および第4ステップエッジ2334とを含むことができる。そして、第3ステップエッジ2333は、第1ステップエッジ2331と第2ステップエッジ2332との間に接続されてよく、かつ、第4ステップエッジ2334は、第2ステップエッジ2332とマイクロストリップ232との間に接続されてよい。第1ステップエッジにおける第1遷移部分233の幅は、第2ステップエッジにおける第1遷移部分233の幅とは異なっている。
【0072】
放射部231は、矩形であってよい。いくつかの実施形態において、マイクロストリップ232の延在方向(extension direction)における対称軸は、放射部231の対称軸から外れる(deviated)ように配置されてよい。
【0073】
マイクロストリップ231のポートの観点から、マイクロストリップ232によって提示されるインピーダンス状態は、バックエンド回路から伝導(conducted)されるインピーダンス値である。たいてい、電源容量および種々の要因を考慮して、マイクロストリップ232のインピーダンスは、50オームに設定されている。伝送ポート、すなわち放射部231、の観点から、放射部231によって提示されるインピーダンスは、伝送構造体全体のインピーダンスである。マイクロストリップは、放射部から外れて配置される、その結果、マイクロストリップと放射部との間の差異を減少させることができる。
【0074】
加えて、放射部231について、中間部分に現れるインピーダンス値は、たいてい、小さく、それは、インピーダンス整合に不利であり、そして、エッジのインピーダンスは大きい。適切なオフセットサイズが選択され、その結果、インピーダンス整合のデバッグにおける困難性が大幅に低減され得る。このことは、マイクロストリップ232と放射部231との間のインピーダンス整合を容易にする。
【0075】
いくつかの他の実施形態において、マイクロストリップ232の延在方向における対称軸は、放射部231の対称軸の延在方向にあってよい。
【0076】
放射部231は、開口234を備えており、放射部が少なくとも2つの共振周波数を形成することを可能にする。
【0077】
開口234は、放射部231の下の誘電体層(220)を露出させるために、放射部231から金属の一部を除去することによって形成されたパターンである。いくつかの実施形態において、放射部231における開口は、また、スロット(slot)とも呼ばれ得る。放射部231に開口234が存在するは、キャパシタンスおよびインダクタンス成分が変化させ、その結果、電流は、開口の近くで新たな共振周波数を形成することができる。このようにして、少なくとも2つの共振周波数が放射部231において形成され、そして、伝送構造体の動作帯域幅が増加される。
【0078】
開口234は、放射部231の内側に、すなわち放射部231のエッジから間隔をおいて配置されてよく、または、放射部231のエッジに接続されてもよい。
【0079】
第1金属層230における放射部231およびマイクロストリップ232の外側は、接地部分(grounding portion)235を、さらに含み得る。そして、接地部分235は、放射部231およびマイクロストリップ232を囲んでいる。放射部231、マイクロストリップ232、および、接地部分235の間の金属は、ケミカルエッチングといった方法で除去され、その結果、放射部231、マイクロストリップ232、および、接地部分235は、相互に分離され、または、相互に間隔を置いて(at an interval)配置される。代替的に、中間部分は、誘電体層220の上の金属層全体から除去されてよく、そして、放射部231およびマイクロストリップ232は、全体として中間部分に固定されている。誘電体層220の表面の一部は(ここで、誘電体層の露出部分は、
図3において斜線部分でされている)、中間部の放射部231およびマイクロストリップ232が配置されていない領域において、露出され得る。
【0080】
接地部分235は、伝送線路を使用することによって接地されてよく、または、接地部分235上に配置され、かつ、放射部231およびマイクロストリップ232に近い位置に配置されている、複数のめっきスルーホール(plated through hole)237を使用することによって、第2金属層210に接続されてよく、接地を実施する。複数のめっきスルーホール間の距離は、ターゲット閾値未満であってよく、その結果、電磁波のエネルギは、めっきスルーホール237によって囲まれたエリアの範囲に限定され、そして、電磁波のエネルギの損失が低減される。
【0081】
いくつかの実施形態において、数個のめっきスルーホール237は、代替的に、接地部分235と第2金属層210とを接続する金属壁(metal wall)で置き換えられてよい。
【0082】
接地部分235は、接地部分本体および接地延長部236を含み得る。接地延長部236は、マイクロストリップ232が放射部231に接続される位置に近い位置に配置され、そして、接地延長部236とマイクロストリップ232との間の距離は、接地部分本体とマイクロストリップ232との間の距離よりも小さい。接地部分235とマイクロストリップ232との間の距離は、マイクロストリップ232に垂直な延在方向における接地部分の内側プロファイルからマイクロストリップ232までの長さであり得る。
【0083】
いくつかの実施形態において、
図3に示されるように、接地延長部236は、接地部分本体からマイクロストリップ232まで延びている。
【0084】
いくつかの他の実施形態において、接地延長部は、放射部231とマイクロストリップ232との間の接合部に対向して配置されており、そして、放射部231とマイクロストリップ232との間の接合部まで延びてよい。
【0085】
接地延長部236を配置することは、放射部231とマイクロストリップ232との間のインピーダンス整合を、さらに改善し得る。そして、接地部分235および接地延長部236の全体は、マイクロストリップ232および放射部231と接触していない。
【0086】
図5は、本出願の一つの実施形態に従った、別の伝送構造体に係る斜視図である。本出願のこの実施形態において提供される伝送構造体は、さらに、導波管30を含み得る。導波管30は、金属片全体を加工することによって形成され、そして、本出願においておける導波管30の各構造は、フライス加工(milling)といった加工方法で導波管30の第1端面において処理され得る。
【0087】
導波管30は、導波管ポート311、および、マイクロストリップ回避溝(microstrip avoidance groove)312を含み得る。導波管ポート311は、標準導波管ポート、例えば、WR12導波管ポートであってよく(ここで、WR12標準導波管ポートのサイズは3.0988mm×1.5494mmである)、または、非標準導波管ポートであってもよい。導波管ポート311は、導波管30の第1端面を、第1端面の対向する側の面まで貫通し、導波管30から電磁波を送出する。導波管30の第1端面は、導波管30の端面であり、かつ、回路基板20に近い端面であってよい。
図4に示されるように、回路基板20上の第1金属層230は、回路基板20の側であり、かつ、導波管30に近い側に配置されてよい。
【0088】
回路基板20が導波管30と協働するとき、導波管30の第1端面上の導波管ポート311は、回路基板20上の第1金属層230に面し、その結果、電磁波のエネルギが、導波管ポート311を通して回路基板20上の第1金属層230から放射される。
【0089】
図6(a)および
図6(b)は、
図5に対応している導波管30の第1端面の概略構成図である。
図6(a)および
図6(b)に示されるように、導波管30の第1端面は、種々の加工された構造を有している。導波管ポート311およびマイクロストリップ回避溝312は、第1端面において配置されている。導波管ポート311は、マイクロストリップ回避溝312に接続され、または、マイクロストリップ回避溝210を通過している。マイクロストリップ回避溝312の深さは、約0.6mmであってよく、または、別の値であってもよい。これは、本出願において限定されない。
【0090】
導波管ポート311は、マイクロストリップ回避溝312に対して直接的に接続されてよく、または、第2遷移部313を介して、マイクロストリップ回避溝312に対して接続されてもよい。第2遷移部313は、その幅がマイクロストリップ回避溝312の幅よりも小さい、帯状の溝であってよい。第2遷移部313の幅は、代替的に、線形的または段階的に変化し得る。第2遷移部313の幅は、マイクロストリップ回避溝312に垂直な延在方向における、第2遷移部313の長さである。
【0091】
シールド溝(shielding groove)314が、さらに、導波管ポート311の外側に配置されてよい。シールド溝314は、導波管ポート311および導波管ポート311に接続されたマイクロストリップ回避溝312から間隔を置いて配置され、かつ、電磁波の主エネルギを、シールド溝314の側であり、かつ、導波管ポート311に近い側の範囲に制限するように構成されている。
【0092】
シールド溝314は、導波管ポート311の周囲を囲み得る。いくつかの実施形態において、シールド溝314は、
図6(a)に示される第1帯状溝3141、第2帯状溝3142、および、第3帯状溝3143を含み得る。第1帯状溝3141は、第3帯状溝3143と間隔を置いて配置されてよく、そして、第2帯状溝3142は、第1帯状溝3141と第3帯状溝3143との間に接続されてよい。3つの帯状の溝を配置することは、電磁波のエネルギをシールド溝によって形成される範囲に制限するのに役立ち、そして、伝送構造体の電磁波のエネルギの損失を低減する。
【0093】
シールド溝314の深さは限定されなくてよい。いくつかの実施形態において、シールド溝314の深さは、λ/4の奇数倍であってよく、その結果、溝開口、すなわち、第1端面、におけるインピーダンスは比較的に大きく、そして、電磁波のエネルギの伝搬が抑制される。いくつかの他の実施形態において、シールド溝314は、第1端面の対向する側の面にまで、導波管30の第1端面を貫通してよい。シールド溝の深さ方向は、導波管の第1端面の法線方向である。
【0094】
シールド溝314の幅は限定されなくてよい。例えば、シールド溝314の幅は、0.5mmであってよい。シールド溝314の幅方向は、第1端面の方向に対して平行であり、かつ、シールド溝314の延在方向に対して垂直であり得る。そして、シールド溝314の延在方向は、シールド溝314の軸方向であり得る。シールド溝314の形状も、また、限定されず、そして、円形または多角形であってよい。
【0095】
いくつかの実施形態において、シールド溝314は、導波管ポートの外側に閉鎖された方式(closed manner)で配置されてよい。例えば、
図6(a)の第1帯状溝(strip-shaped groove)3141、第2帯状溝3142、および、第3帯状溝3143の少なくとも1つが、相互に接続された複数の帯状溝によって形成された多角形の環状溝と置き換えられてよい。例えば、シールド溝314は、
図6(b)の斜線部で示される第4溝3144、第5溝3145、および、第6溝3146を含んでもよい。具体的には、各溝の内側輪郭(profile)および外側輪郭は、同心の矩形であり、そして、導波管ポート311は、溝の外側に配置されてよい。溝の形状は、代替的に、円形の溝、または、その他の異形の溝で置き換えられてよい。これは、本出願において限定されない。
【0096】
いくつかの他の実施形態において、シールド溝314は、導波管ポート311の外側を、閉じない方式(unclosed manner)で取り囲み、これは、
図6(a)に示されるシールド溝314の構造である。
【0097】
導波管30は、さらに、導波管本体、および、ボス315を含んでよい。導波管本体は、導波管ポート311、マイクロストリップ回避溝312、および、シールド溝314といった構造を含んでいる。ボス315は、導波管本体から回路基板20に対して突出し、そして、回路基板20と接触している。ボス315の位置は、限定されず、そして、ボス315の形状も、また、限定されなくてよい。いくつかの実施形態において、
図6(a)および
図6(b)に示されるように、ボス315は、一体的に形成され得る。例えば、ボス315は、第1ボス部3151、第2ボス部3152、および、第3ボス部3153を含み得る。第1ボス部3151は、シールド溝314の外側に配置されている。シールド溝314が、第1帯状の溝3141、第2帯状の溝3142、および、第3帯状の溝3143を含むときに、第1ボス部3151は、さらに、第1帯状の溝3141の側であり、かつ、導波管ポート311から離れた側に配置されたボス部、第2帯状の溝3142の側であり、かつ、導波管ポート311から離れた側に配置されたボス部、および、第3帯状の溝3143の側であり、かつ、導波管ポート311から離れた側に配置されたボス部を含み得る。第2ボス部3152は、導波管ポート311とシールド溝314との間に配置された領域である。第3ボス部3153は、マイクロストリップ回避溝312の2つの側に配置されたボス部を含み、ここで、2つのボス部は、両方とも帯状のボスであり、かつ、2つの帯状のボスの軸は、マイクロストリップ回避溝312の延在方向に対して平行である。
【0098】
いくつかの他の実施形態において、ボスは、代替的に、導波管ポートを取り囲んでいる部分のみを含んでよく、例えば、
図6(b)に示されるボス315であってよい。ボス315、および、マイクロストリップ回避溝312の部分であり、かつ、導波管ポート311に接続された部分は、導波管ポート311を取り囲み、かつ、導波管ポート311の外側輪郭と接触している。
図6(a)および
図6(b)におけるボス315の形状および位置は、単に、一つの例として提供されているに過ぎない。ボス315の形状は、限定されなくてよい。ボス315は、代替的に、間隔を置いて配置された、異なる数量のサブボス(sub-boss)を含み得る。ボス315の各部分と、マイクロストリップ回避溝312、導波管ポート311、およびシールド溝314との間の距離も、また、限定されなくてよい。
【0099】
導波管30は、ボス315を通じて回路基板20に接触している。ボス315の面積は、導波管30の第1端面の面積よりも小さいので、ボス315と回路基板20との間の接触は、導波管30と回路基板20との間の接触面積を減少させ、それにより、組み立て(assembly)における導波管30および回路基板20の加工公差の影響を減少している。ボス315の高さは限定されなくてよい。いくつかの実施形態において、ボス315の表面であり、かつ、回路基板20に面している表面は、平面であってよく、回路基板20上の平面構造と接触し、かつ、協働する。
【0100】
いくつかの他の実施形態において、ボス315の表面であり、かつ、回路基板20に面している表面は、曲面であってよく、回路基板20上のいくつかの曲面構造、または、回路基板20が曲面である使用事例(use case)に適合する。
【0101】
ボス315の表面は、接触面積をさらに低減するように、溝またはスロットといった、別の構造を得るために、エッチングされ続けてよく、それにより、組み立てにおけるボス315および回路基板の加工公差の影響を低減している。
【0102】
図7は、
図5に対応している回路基板20上の導波管30の部分的な構造に係る投影図である。
図7に示されるように、破線で示された構造は、回路基板20が導波管30と協働するときの回路基板20上の導波管30の部分的な構造の投影である。回路基板20上の導波管ポート311の外側輪郭の正投影(orthographic projection)316、および、回路基板20上のマイクロストリップ回避溝312の外側輪郭の正投影317は、放射部231およびマイクロストリップ232の外側に配置されている。具体的に、導波管ポート311の外側輪郭の正投影316は、放射部231から間隔を置いて配置され、そして、マイクロストリップ回避溝の外側輪郭の正投影317は、マイクロストリップ232から間隔を置いて配置されている。加えて、回路基板20が導波管30と協働する場合に、マイクロストリップ232は、マイクロストリップ回避溝312の溝壁(groove wall)から間隔を置いて配置されている。このようにして、電磁波が導波管ポート311に進入しない場合に短絡が発生することが回避される。
【0103】
回路基板20の接地部分235の内側プロファイルは、放射部に近い第1部分2351、接地延長部に近い第2部分2352、および、マイクロストリップ回避溝の本体(main body)に近い第3部分2353を含んでいる。回路基板20が導波管30と協働する場合に、第1部分2351は、回路基板20上の導波管ポート311の投影316の外側に配置され得る。すなわち、回路基板20上の導波管ポート311の正投影は、接地部分235の内側輪郭によって囲まれた領域内に配置され、その結果、(
図7の回路基板上の導波管ポートの投影3161によって示されるように)位置合わせ誤差(alignment error)が低減され、または、第1部分2351が、回路基板20上の導波管ポート311の投影316とオーバーラップし得る。第2部分2352または第3部分2353と、導波管30の第2遷移部313の外側輪郭の投影318およびマイクロストリップ回避溝の外側輪郭の投影317との間の関係は、限定されない。
【0104】
導波管30および回路基板20は、さらに、図示されていない、ネジ穴または制限穴といった、接続および位置決めのための構造を含み得る。
【0105】
本出願においては、回路基板20上の第1金属層230における放射部の開口234の形状を変更することによって、伝送構造体の帯域幅が拡張される。放射部231の開口234は、放射部231の内側に配置されてよく、すなわち、放射部231と間隔を置いて配置されてよく、または、放射部231のエッジと交差してもよい。
【0106】
放射部の開口234は、帯状開口であり得る。帯状開口の長さは、帯状開口の延在方向における寸法(size)であり、そして、帯状開口の幅は、帯状開口の延在方向に対して垂直な寸法であり得る。いくつかの実施形態において、開口は、等しい幅を有する帯状開口であってよい。帯状開口の軸の全長は、0.5×λから1.5×λまでの範囲であってよい。例えば、開口の長さは、0.5×λ、λ、または1.5×λであってよい。帯状開口の幅は、0.01×λから0.2×λまでの範囲であってよい。例えば、開口の幅は、0.05×λ、または0.1×λであってもよい。λは、伝送構造体の動作波長である。
【0107】
帯状開口は、異なる部分を含んでよい。いくつかの実施形態において、帯開口は、第1帯状開口セグメントおよび第2帯状開口セグメントを含み得る。第1帯状開口セグメントの一端は、第2帯状開口セグメントの一端に接続されてよく、その結果、2つの帯状開口セグメントは、特定の挟角(included angle)を形成する。例えば、挟角が90°である場合、すなわち、第1帯状開口セグメントが第2帯状開口セグメントに対して垂直である場合に、開口は、概ねL字形状である。挟角が90°でない場合、開口は、概ねV字状である。
【0108】
いくつかの他の実施形態において、第1帯状開口セグメントおよび第2帯状開口セグメントに加えて、開口234は、第3帯状開口セグメントを、さらに含む。第3帯状開口セグメントの一端は、第2帯状開口セグメントの他端に接続され、第2帯状開口セグメントの他端は、第1帯状開口セグメントに接続された端から遠く離れており、第3帯状開口セグメントは、第1帯状開口セグメントに平行であり、かつ、第1帯状開口セグメントから間隔を置いて配置され、そして、第2帯状開口セグメントは、第1帯状開口セグメントに垂直であってよく、その結果、3つのセグメントはU字型構造を形成している。
【0109】
いくつかの他の実施形態において、開口234は、第4帯状開口セグメントおよび第5帯状開口セグメントを含み得る。第4帯状開口セグメントは、第1方向に沿って放射部の第1エッジまで延在し、第5帯状開口セグメントは、第2方向に沿って第1エッジまで延在し、そして、第4帯状開口セグメントは、第1エッジ上で第5帯状開口セグメントと交差する。
【0110】
第4帯状開口セグメントおよび第5帯状開口セグメントは、V字型構造を概ね形成し、その結果、伝送構造体の動作帯域幅範囲が拡張される。
【0111】
第1エッジは、放射部231のエッジであり、かつ、マイクロストリップ232に接続されたエッジに隣接し得る。
【0112】
V字型開口の「V」頂点は、放射部231のエッジであり、かつ、マイクロストリップ232に接続されたエッジの隣接エッジ上に配置されている。
【0113】
図8は、本出願の一つの実施形態に従った、回路基板20上の第1金属層230における放射部の開口234に係る概略構造図である。
図8に示されるように、開口は、放射部231の内側に配置された帯状開口であり、そして、第1帯状開口セグメント2341、第2帯状開口セグメント2342、および、第3帯状開口セグメント2343を含んでいる。第1帯状開口セグメント2341は、第3帯状開口セグメント2343に対して平行である。第2帯状開口セグメント2342は、第1帯状開口セグメント2341および第3帯状開口セグメント2343に接続されている。第2帯状開口セグメント2342は、第1帯状開口セグメント2341に対して垂直である。3つの帯状開口セグメントは、概ねU字型構造を形成しており、そして、3つの帯状開口セグメントの合計長さ2a+bは、概ね0.5×λから1.5×λまでの範囲である。例えば、aは0.3×λであり、かつ、bは0.6×λである。または、aは0.15×λであり、かつ、bは0.3×λである。帯状開口セグメントの幅eは、概ね0.01×λから0.2×λまでの範囲である。例えば、eは、0.01×λ、0.05×λ、または0.1×λであり得る。
【0114】
本出願のいくつかの実施形態において、U字型開口の第1帯状開口セグメント2341および第2帯状開口セグメント2342の長さは、それぞれ0.25×λであってよく、そして、第3帯状開口セグメント2343の長さは、0.55×λであり得る。各帯状開口セグメントの幅は0.05×λであってよく、放射部231全体の長さおよび幅は限定されない。例えば、幅cは0.45×λからλまでの範囲であってよく、そして、放射部の長さdは0.75×λから2×λまでの範囲であってよい。λは、伝送構造体の動作波長である。
【0115】
図9は、
図8に対応している散乱パラメータ(scattering parameter)と動作周波数との間の関係に係るシミュレーション結果図である。
図9に示されるように、周波数が76GHzであるとき、s12は-2.77dBであり、かつ、s11は-22.4dBであり、または、周波数が81GHzであるとき、s12は-3.3dBであり、かつ、s11は-24.2dBである。76GHzから81GHzまでの周波数範囲において、透過係数(transmission coefficient)(すなわち、
図9において破線で示される線s12)は、ゆっくりと変化し、かつ、-3.3dBより大きく、そして、反射損失(return loss)(図において実線で示される線s11)は、いくつかの共振点を示している。しかしながら、76GHzから81GHzまでの範囲において、伝送係数および反射損失の両方は、-20dB未満である。本出願において、伝送構造体は、比較的に良好なインピーダンス整合を有しており、その結果、電磁波がマイクロストリップから回路基板に進入するときにインピーダンス不連続性によって引き起こされる、電磁波の反射エネルギの損失が低減され、そして、動作帯域幅の範囲が比較的に大きいことが分かる。
【0116】
上述のU字型開口の加えて、開口は、代替的に、V字型開口、W字型開口、などであってよい。開口の全長および幅は、インピーダンス整合性能の要件を満たしている。
【0117】
図10は、本出願の一つの実施形態に従った、放射部の開口に係る概略構造図である。
【0118】
図10において、放射部の右エッジは第2エッジ1001であり、そして、放射部の2つの対称軸1002および1003が、図に、さらに示されている。
【0119】
図10における(a)は、放射部の内部開口の一つの実施形態である。内部開口は、4つの帯状開口を含んでいる。第1帯状開口の一端は、第2帯状開口の一端に接続されている。第1帯状開口は、第2エッジ1001の対向するエッジまで延在し、そして、延在方向は、放射部の対称軸1002から外れている。第2帯状開口は、第2エッジ1001まで延在し、そして、延在方向は、放射部の対称軸1002から外れている。第3帯状開口の一端は、第4帯状開口の一端に接続されている。第3帯状開口は、第2エッジ1001の対向する側のエッジまで延在し、そして、延在方向は、放射部の対称軸1002から外れている。第4帯状開口は、第2エッジ1001まで延在し、そして、延在方向は、放射部の対称軸1002から外れている。第2帯状開口の他端は、第3帯状開口の他端に接続されている。4つの帯状開口はW字型である。いくつかの実施形態において、第1帯状開口および第4帯状開口は、対称軸1002に関して対称であってよく、かつ、第2帯状開口および第3帯状開口は、対称軸1002に関して対称であってよい。
【0120】
図10における(b)は、放射部の内部開口の一つの実施形態である。内部開口は、2つの帯状開口を含んでいる。第1帯状開口は、第2帯状開口に対して垂直に接続されている。第1帯状開口は、放射部の対称軸1002の方向に沿って、第2エッジ1001の隣接するエッジまで延在する。第2帯状開口は、放射部の対称軸1003の方向に沿って、第2エッジ1001まで延在する。2つの帯状開口は、全体としてL字型を形成している。
【0121】
図10における(c)は、放射部の内部開口の一つの実施形態である。内部開口は、2つの帯状開口を含んでいる。一方の帯状開口の一端は、他方の帯状開口の一端に接続されている。一方の帯状開口は、第2エッジ1001の対向するエッジまで延在しており、そして、延在方向は、放射部の対称軸1003の方向から外れている。他方の帯状開口は、第2エッジ1001まで延在しており、そして、延在方向は、放射部の対称軸1003の方向から外れている。2つの帯状開口は、全体としてV字型を形成している。いくつかの実施形態において、一方の帯状開口および他方の帯状開口は、対称軸1002に関して対称であってよい。
【0122】
図10における(d)は、放射部の内部開口の一つの実施形態である。内部開口は、3つの帯状開口を含んでいる。第1帯状開口の一端は、第2帯状開口の一端に接続されている。第1帯状開口は、放射部の対称軸1003の方向に沿って、接続された端部から第2エッジ1001の対向するエッジまで延在している。第2帯状開口は、接続された端部から第2エッジ1001の対向するエッジまで、対称軸から外れている方向に沿って、延在している。第3帯状開口は、第2帯状開口の端部であり、かつ、第1帯状開口に接続された端部から遠く離れた一端に接続され、そして、放射部の対称軸1003の方向に沿って、第2エッジ1001まで延在している。3つの帯状開口は、全体としてZ字型を形成している。
【0123】
図7および
図10に示される放射部の内部開口の形状に加えて、内部開口が閉じておらず、かつ、開口の全長および幅について前述の要件を満たせば、開口は別の形状であってよいことが理解されるべきである。
【0124】
また、開口が完全に内側にある事例に加えて、開口は、代替的に、特定の角度だけ回転されてよく、または、開口の2つの端部のうちの1つが、放射部のエッジに接続されている。
【0125】
図10に示される様々な開口構造に従って、伝送構造体の周波数の結合容量値(coupling capacitance value)が変更され、共振点が増加され、そして、伝送構造体の整合帯域幅(matching bandwidth)が拡大される。
【0126】
図11は、本出願の一つの実施形態に従った、放射部の開口に係る概略構造図である。
図11に示されるように、放射部の2つのエッジは、3つの開口を備えている。第1開口1101のサイズはW1×L1であり、第2開口1102のサイズはW2×L2であり、そして、第3開口1103のサイズはW3×L3である(ここで、放射部の右エッジは第2エッジ1104であり、かつ、マイクロストリップ232に接続されており、そして、マイクロストリップは図示されていない)。L1またはL2は、放射部の幅よりも小さく、そして、W1+W2+W3は、放射部の長さよりも小さい。W1、W2、W3は、第2エッジに対して垂直な方向における開口のサイズであり、そして、L1、L2、L3は、第2辺エッジに対して平行な方向における開口のサイズである。
【0127】
本出願のこの実施形態において、W1×L1は、概ね(0.1×λ)×(0.15×λ)であってよく、W1×L1は、概ね(0.1×λ)×(0.15×λ)であってもよく、そして、W3×L3は、概ね(0.05×λ)×(0.05×λ)であってよい。
【0128】
放射部のエッジにおける開口は、電流回折経路(current diffraction path)を増加させ、伝送構造体の動作帯域幅を拡張し、そして、本出願における伝送構造体の適用シナリオを改善することができる。
【0129】
本出願のこの実施形態において、開口は、また、放射部231のエッジであり、かつ、マイクロストリップ232に接続された第2エッジ、および、放射部231のエッジであり、かつ、マイクロストリップ232に接続されたエッジとは対向するエッジについても実行され得る。
【0130】
図12は、本出願の一つの実施形態に従った、放射部の開口に係る概略構造図である。
【0131】
図12において、放射部の右エッジは、第2エッジ1201、すなわち、放射部231のエッジであり、かつ、マイクロストリップ232に接続されているエッジとして定義され(ここで、マイクロストリップは図示されていない)、そして、放射部の2つの対称軸は、それぞれに、1202および1203である(ここで、開口の対称性は考慮されていない)。
【0132】
図12における(a)は、放射部のエッジ開口に係る一つの実施形態である。エッジ開口は、2つの帯状開口を含んでいる。一方の帯状開口は、第2エッジの隣接するエッジが第2エッジと交差する頂点から隣接するエッジの対向するエッジまで延在し、かつ、延在方向は、放射部の対称軸1202の方向から外れている。他方の帯状開口は、隣接するエッジの別の頂点から隣接するエッジの対向するエッジまで延在し、かつ、延在方向は、放射部の対称軸1202の方向から外れている。
【0133】
別の実施形態において、1つの帯状開口は、第2エッジの隣接するエッジが第2エッジと交差する頂点から第2エッジの対向するエッジまで延在し、かつ、延在方向は、放射部の対称軸1202の方向から外れている。他方の帯状開口は、隣接するエッジの別の頂点から第2エッジまで延在し、かつ、延在方向は、放射部の対称軸1202の方向から外れている。
【0134】
図12における(b)は、放射部のエッジ開口に係る別の実施形態である。エッジ開口は、2つの帯状開口を含んでいる。一方の帯状開口の一端は、第2エッジの隣接するエッジ上のポイントで他方の帯状開口の一端に接続されている。一方の帯状開口は、接続ポイントから第2エッジまで延在し、かつ、延在方向は、対称軸1202の方向から外れている。他方の帯状開口は、接続ポイントから第2エッジの対向するエッジまで延在し、かつ、延在方向は、放射部の対称軸の方向から外れている。
【0135】
図12における(c)は、放射部のエッジ開口に係る別の実施形態である。エッジ開口は、1つの帯状開口を含んでいる。帯状開口の一端は、第2エッジの一方の隣接するエッジ上のポイントに配置され、かつ、他方の隣接するエッジまで延在している。一つの実施形態において、延在方向は、放射部の対称軸1202の方向に対して平行である。
【0136】
図12における(d)は、放射部のエッジ開口に係る別の実施形態である。エッジ開口は、2つの帯状開口を含んでいる。一方の帯状開口の一端は、第2エッジの一方の隣接するエッジ上のポイントに配置され、かつ、他方の隣接するエッジまで延在し、そして、延在方向は、放射部の対称軸1202の方向に対して平行である。他方の帯状開口の一端は、隣接するエッジの別のポイントに配置され、かつ、他方の隣接するエッジまで延在し、そして、延在方向は、放射部の対称軸1202の方向に対して平行である。2つの帯状開口は、放射部231の対称軸1202に対して対称であってよい。
【0137】
図12における(e)は、放射部のエッジ開口に係る別の実施形態である。エッジ開口は、1つの帯状開口を含んでいる。帯状開口の一端は、第2エッジの対向するエッジ上のポイントに配置され、かつ、第2エッジまで延在し、そして、延在方向は、放射部の対称軸1203の方向に対して平行である。別の言葉で言えば、帯状開口は、第2エッジに対して垂直に配置されてよい。
【0138】
図12における(f)は、放射部のエッジ開口に係る別の実施形態である。エッジ開口は、2つの帯状開口を含んでいる。一方の帯状開口の一端は、第2エッジの対向するエッジ上に配置され、かつ、第2エッジまで延在し、そして、延在方向は、放射部の対称軸1203の方向に対して平行である。他方の帯状開口の一端は、第2エッジの隣接するエッジ上のポイントに配置され、かつ、隣接するエッジの対向するエッジまで延在し、そして、延在方向は、放射部の別の対称軸1202の方向に対して平行である。2つの帯状開口は、相互に交差しない。
【0139】
図12から、エッジ開口の長さ、幅、および位置は、ランダムに設定されてよく、そして、本出願の技術的効果が達成されること、すなわち、伝送構造体の帯域幅が拡張され得ることが分かる。
【0140】
加えて、本出願における伝送構造体は、アレイ方式で実装されてよい。回路基板20について、複数の放射部およびマイクロストリップ232が、特定の方法で回路基板20上に配置されている。導波管は、また、放射部と同じやり方で配置されてもよい。加えて、導波管は、シールド溝の1つ以上のエッジを共有することができる。
【0141】
図12に示される様々な開口構造に従って、伝送構造体の周波数の結合容量値が変化し、共振点が増加し、そして、伝送構造体の整合帯域幅が拡張される。
【0142】
図13は、本出願の一つの実施形態に従った、伝送構造体のアレイに係る概略構造図である。
図13に示されるように、伝送構造体は、複数の導波管を含んでよい。複数の導波管は、導波管a、導波管b、導波管c、および、導波管dを含んでおり、そして、複数の導波管は、例えば、アレイ状に配置されている。導波管aの導波管ポートは、導波管bの導波管ポートに対向して配置され得る。導波管aのマイクロストリップ回避溝、および、導波管bのマイクロストリップ回避溝は、それぞれに、導波管aおよび導波管bの導波管ポートの2つの側に配置され、かつ、導波管ポートから離れる方向に延在する。導波管aの導波管ポートは、導波管cの導波管ポートに対向して配置されている。導波管aのマイクロストリップ回避溝は、導波管cのマイクロストリップ回避溝に対向して配置されている。導波管cのマイクロストリップ回避溝および導波管dのマイクロストリップ回避溝は、それぞれに、導波管cおよび導波管dの導波管ポートの2つの側に配置され、かつ、導波管ポートから離れる方向に延在する。
【0143】
シールド溝は、第1エッジ1301、第2エッジ1302、第3エッジ1303、第4エッジ1304、第5エッジ1305、第6エッジ1306、第7エッジ1307、および、第8エッジ1308を含んでいる。第1エッジ1301、第3エッジ1303、および、第4エッジ1304は、導波管aの導波管ポート1を取り囲んでいる。第2エッジ1302、第3エッジ1303、および、第5エッジ1305は、導波管bの導波管ポート2を取り囲んでいる。第4エッジ1304、第6エッジ1306、および、第7エッジ1307は、導波管cの導波管ポート3を取り囲んでいる。第5エッジ1305、第6エッジ1306、および、第8エッジ1308は、導波管dの導波管ポート4を取り囲んでいる。導波管aおよび導波管bの導波管ポートは、第3エッジ1303の2つの側に配置されている。導波管aおよび導波管cの導波管ポートは、第4エッジ1304の2つの側に配置されている。導波管bおよび導波管dの導波管ポートは、第5エッジ1305の2つの側に配置されている。導波管cおよび導波管dの導波管ポートは、第6エッジ1306の2つの側に配置されている。隣接する導波管は、シールド溝の1つのエッジを共有している。導波管aおよび導波管bは、シールド溝の第3エッジ1303を共有している。導波管aおよび導波管cは、シールド溝の第4エッジ1304を共有している。導波管bおよび導波管dは、シールド溝の第5エッジ1305を共有している。導波管cおよび導波管dは、シールド溝の第6エッジ1306を共有している。
【0144】
回路基板20上の放射部は、同じやり方で、
図13の4つの導波管ポートの内側に配置されてよく、そして、マイクロストリップ232は、マイクロストリップ232の4つの回避溝に沿って延在している。従って、本出願における伝送構造体の技術的ソリューションは、アレイを形成することができ、そして、アレイは、別の装置またはモジュールへと統合される。
【0145】
図13は、単に、導波管、放射部、および、マイクロストリップ232をアレイに配置する方法の一つの例を提供するに過ぎないことが、理解されるべきである。本出願において、導波管、放射部、および、マイクロストリップ232は、代替的に、本出願における伝送構造体の集積度を高めるために、別の方法で配置されてよい。
【0146】
加えて、上記は、本出願における伝送構造体の回路基板20上のマイクロストリップ232および導波管が同じ側に配置されている、すなわち、マイクロストリップまたはフィードと、導波管との間のコプレーナ伝送が、回路基板の同じ側で実行される、出願を示している。本出願において、伝送は、第1金属層の側で行われる。本出願における伝送構造体は、代替的に、非共面伝送(non-coplanar)に使用され得る。
【0147】
図14は、本出願の一つの実施形態に従った、別の伝送構造体に係る概略図である。
【0148】
図14から、マイクロストリップ232が2つのセグメントへと分割されていることが分かる。すなわち、導波管と接触している第1金属層230上の第1セグメント2321、および、回路基板20上の第2金属層210上の第2セグメント2322である(
図12において破線によって示されている)。第2金属層210上の第2セグメント2322は、伝送構造体全体のフィードに接続され得る。マイクロストリップの2つのセグメントは、メッキされたスルーホール2323を通じて接続されている。このようにして、電磁波は、第2金属層210の側から第1金属層230上のめっきスルーホールを通じて導波管で伝送される。本出願のこの実施形態における伝送構造体に従って、回路基板20と導波管との間の非共面伝送がフレキシブルに実行され得る。一般的な非共面伝送方式と比較して、めっきスルーホールのソリューションは、統合するのが容易であり、そして、本出願における伝送構造の帯域幅は、放射部の開口を通じて効果的に拡張され得る。
【0149】
本出願で説明された伝送構造体は、様々な共面伝送および非共面伝送のシナリオにおいてフレキシブルに使用することができ、伝送構造体の帯域幅を効果的に拡張し、そして、共通の帯域幅範囲をカバーする。加えて、伝送構造体は、組み立てが容易であり、かつ、様々なレーダおよび試験シナリオにおいて使用することができる。
【0150】
本出願における伝送構造体は、フィードがマイクロストリップ23から放射部の伝送構造体に入る一つの実施例のみを使用することによって説明されている。別の事例において、本出願における伝送構造体のフィードは、代替的に、導波管、上位レベル(upper-level)アンテナ、SIW、などを含む、導波管側における構造であってよく、その結果、電磁波のエネルギは、導波管からマイクロストリップへ導入され、そして、さらなる処理のために回路基板の別の構造へ進入する。
【0151】
本出願の一つの実施形態は、さらに、アンテナを提供する。本アンテナは、
図2から
図14までのいずれかの構造体を含んでいる。
【0152】
本出願の一つの実施形態は、さらに、検出装置を提供する。本検出装置は、上記のアンテナを含んでいる。例えば、検出装置は、レーダである。
【0153】
本出願の一つの実施形態は、さらに、端末を提供する。本端末は、上記の検出装置を含んでいる。例えば、端末は、車両であってよい。
【0154】
本出願の一つの実施形態は、さらに、車両を提供する。本車両は、上記の検出装置を備えている。
【0155】
上記の説明は、単に本出願に係る特定の実施態様に過ぎず、本出願の保護範囲を限定するように意図されたものではない。本出願において開示される技術的範囲内で当業者によって容易に考え出される任意の変形または置換は、本出願の保護範囲内に入るものとする。従って、本出願の保護範囲は、請求項の保護
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板を備える伝送構造体であって、
前記回路基板は、第1金属層、第2金属層、および、誘電体層を含み、
前記誘電体層は、前記第1金属層と前記第2金属層との間に配置されており、
前記第1金属層は、放射部、および、マイクロストリップを含み、
前記マイクロストリップは、前記放射部の一端に接続され、かつ、
前記第2金属層は、接地されており、
前記放射部には、開口が設けられており、前記放射部が、少なくとも2つの共振周波数を形成することを可能にする、
伝送構造体。
【請求項2】
伝送構造体は、さらに、
回路基板の側であり、かつ、第1金属層に近い側に配置されている導波管を含み、
前記導波管は、マイクロストリップ回避溝、および、導波管ポートを含み、
前記マイクロストリップは、前記マイクロストリップ回避溝の溝壁から間隔を置いて、前記マイクロストリップ回避溝に対向して配置され、
前記導波管ポートは、前記放射部に対向して配置されており、
前記放射部によって放射された信号は、前記導波管ポートを通過して、前記伝送構造体の外へ放射される、
請求項1に記載の伝送構造体。
【請求項3】
前記放射部は矩形であり、かつ、
前記マイクロストリップは、前記放射部の対称軸から外れるように配置されている、
請求項
1に記載の伝送構造体。
【請求項4】
前記開口は、帯状開口であり、かつ、
前記開口は、前記放射部のエッジから間隔を置いて配置されている、
請求項
1に記載の伝送構造体。
【請求項5】
前記開口は、帯状開口であり、かつ、
前記開口の一端は、前記放射部のエッジであり、かつ、前記マイクロストリップに接続されたエッジから離れたエッジに接続されている、
請求項3に記載の伝送構造体。
【請求項6】
前記開口は、第1帯状開口セグメント、および、第2帯状開口セグメントを含み、かつ、
前記第2帯状開口セグメントの一端は、前記第1帯状開口セグメントの一端に接続されている、
請求項
4に記載の伝送構造体。
【請求項7】
前記開口は、さらに、第3帯状開口セグメントを含み、かつ、
前記第3帯状開口セグメントの一端は、前記第2帯状開口セグメントの他端に接続されており、
前記第2帯状開口セグメントの他端は、前記第1帯状開口セグメントに接続された端から遠く離れており、かつ、
前記第3帯状開口セグメントは、前記第1帯状開口セグメントに平行であり、前記第1帯状開口セグメントから間隔を置いて配置されている、
請求項6に記載の伝送構造体。
【請求項8】
前記第2帯状開口セグメントは、前記第1帯状開口セグメントに対して垂直に配置されている、
請求項
6に記載の伝送構造体。
【請求項9】
前記開口の長さは、0.5×λから1.5×λまでの範囲であり、
前記開口の幅は、0.01×λから0.2×λまでの範囲であり、かつ、
λは、前記伝送構造体の動作波長である、
請求項4乃至8いずれか一項に記載の伝送構造体。
【請求項10】
前記開口は、第4帯状開口セグメント、および、第5帯状開口セグメントを含み、
前記第4帯状開口セグメントは、第1方向に沿って、前記放射部の第1エッジまで延在し、
前記第5帯状開口セグメントは、第2方向に沿って、前記第1エッジまで延在し、かつ、
前記第4帯状開口セグメントは、前記第1エッジ上で前記第5帯状開口セグメントと交差している、
請求項3に記載の伝送構造体。
【請求項11】
前記第1エッジは、前記放射部のエッジであり、かつ、前記マイクロストリップに接続されているエッジに隣接している、
請求項10に記載の伝送構造体。
【請求項12】
前記導波管は、さらに、シールド溝を含み、
前記シールド溝は、前記導波管の側であり、かつ、前記導波管ポートに近い側に配置され、前記導波管ポートおよび前記マイクロストリップ回避溝から間隔を置いて配置されている、
請求項
2に記載の伝送構造体。
【請求項13】
前記シールド溝は、前記導波管ポートの周囲を取り囲んでいる、
請求項12に記載の伝送構造体。
【請求項14】
前記シールド溝の深さは、λ/4の奇数倍であり、かつ、
λは、前記伝送構造体の動作波長である、
請求項
12に記載の伝送構造体。
【請求項15】
前記導波管は、さらに、導波管本体、および、ボスを含み、
前記ボスは、前記導波管本体から前記回路基板に向かって突出し、かつ、前記回路基板と接触している、
請求項
2に記載の伝送構造体。
【請求項16】
第1金属層は、さらに、前記マイクロストリップと前記放射部との間のインピーダンス整合のために構成された、第1遷移部を含み、
前記第1遷移部は、前記放射部から前記マイクロストリップへの方向に沿って、前記放射部と前記マイクロストリップとの間に接続されている、
請求項
1に記載の伝送構造体。
【請求項17】
前記第1金属層は、さらに、接地部分を含み、
前記接地部分は、前記放射部の周囲、および、前記マイクロストリップの周囲を取り囲み、前記放射部および前記マイクロストリップから間隔を置いて配置されており、
前記接地部分は、前記導波管と接触し、かつ、前記接地部分は、前記第2金属層と導通されている、
請求項
2に記載の伝送構造体。
【請求項18】
前記接地部分は、めっきスルーホール、または、金属壁を通じて前記第2金属層と導通されている、
請求項17に記載の伝送構造体。
【請求項19】
前記回路基板における前記導波管ポートの正投影は、前記接地部分の内側輪郭によって囲まれた領域内に配置されている、
請求項17または18に記載の伝送構造体。
【請求項20】
前記接地部分は、接地部分本体、および、接地延長部を含み、
前記接地延長部は、前記マイクロストリップと前記放射部との間の接合部に対向して、かつ、前記接合部から間隔を置いて配置されており、
前記接地延長部は、前記接地部分本体から前記接合部に向かって延在している、
請求項
17に記載の伝送構造体。
【請求項21】
請求項1乃至20いずれか一項に記載の伝送構造体を備える、
アンテナ。
【請求項22】
請求項21に記載の前記アンテナを備える、
検出装置。
【請求項23】
請求項22に記載の前記検出装置を備える、
端末。
【請求項24】
前記端末は車両である、
請求項23に記載の端末。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0073
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0073】
マイクロストリップ232のポートの観点から、マイクロストリップ232によって提示されるインピーダンス状態は、バックエンド回路から伝導(conducted)されるインピーダンス値である。たいてい、電源容量および種々の要因を考慮して、マイクロストリップ232のインピーダンスは、50オームに設定されている。伝送ポート、すなわち放射部231、の観点から、放射部231によって提示されるインピーダンスは、伝送構造体全体のインピーダンスである。マイクロストリップは、放射部から外れて配置される、その結果、マイクロストリップと放射部との間の差異を減少させることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0107
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0107】
帯状開口は、異なる部分を含んでよい。いくつかの実施形態において、帯状開口は、第1帯状開口セグメントおよび第2帯状開口セグメントを含み得る。第1帯状開口セグメントの一端は、第2帯状開口セグメントの一端に接続されてよく、その結果、2つの帯状開口セグメントは、特定の挟角(included angle)を形成する。例えば、挟角が90°である場合、すなわち、第1帯状開口セグメントが第2帯状開口セグメントに対して垂直である場合に、開口は、概ねL字形状である。挟角が90°でない場合、開口は、概ねV字状である。
【国際調査報告】