(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】医療用テープのオンデマンド製造
(51)【国際特許分類】
A61F 13/02 20240101AFI20250117BHJP
C09J 7/00 20180101ALI20250117BHJP
B26D 3/00 20060101ALI20250117BHJP
B26F 1/00 20060101ALI20250117BHJP
A61F 13/0246 20240101ALI20250117BHJP
【FI】
A61F13/02 390
C09J7/00
B26D3/00 601B
B26F1/00 Z
A61F13/0246
A61F13/02 370
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539428
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 IB2022062885
(87)【国際公開番号】W WO2023126877
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】マスド,ムド アブデュラ アル
(72)【発明者】
【氏名】ハインズ,リンジー エル.
(72)【発明者】
【氏名】ウン,チン-イー
(72)【発明者】
【氏名】フー,ジア
(72)【発明者】
【氏名】ドッターマン,ペリー エス.
(72)【発明者】
【氏名】ウィッティング,ブライアン ティー.
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン,オードリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】コーベ,テイラー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3C060
4J004
【Fターム(参考)】
3C060AA04
3C060AA17
3C060AB01
3C060BA01
3C060BA03
3C060BB01
3C060BB11
3C060BF01
3C060BF02
4J004AA05
4J004AA10
4J004AB01
4J004EA06
4J004FA09
4J004GA02
(57)【要約】
顧客の使用箇所でロールストックから医療用テープをカスタマイズするためのシステム及び方法が提供される。システムは、付着改変機構が、自動的に又は受信されたカスタマイズ命令に基づいて、ロールストックからのテープの付着特性を改変するように構成される、テープ転換マシンを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズされた医療用テープを作るシステムであって、前記システムが、
5m
3以下の体積を有する1つ以上の小型テープ転換マシンであって、前記テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、テープのロールと、前記テープの付着特性を改変するように構成された付着改変機構と、通信デバイスとを備える、少なくとも1つの小型テープ転換マシンと、
コンピューティングデバイスであって、前記少なくとも1つのテープ転換マシンの前記通信デバイスに通信可能に接続された第2の通信デバイスと、1つ以上のコンピュータプロセッサと、命令を含む非一時的な有形のコンピュータ可読メモリとを備えるコンピューティングデバイスと、を備え、前記命令が、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記コンピュータプロセッサに、
前記テープの前記付着特性を改変する命令をユーザに入力させるユーザインタフェースを表示のために生成させ、
前記命令を分析させて、前記1つ以上のテープ転換マシンのマシン稼働パラメータを決定させる、システム。
【請求項2】
物体の1つ以上のデジタル画像を取得する1つ以上の画像センサを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記画像センサのうちの少なくとも1つが、モバイルデバイスに設けられ、前記ユーザインタフェースが、前記モバイルデバイスによって前記ユーザに表示される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサが、前記デジタル画像を分析して、前記マシン稼働パラメータを決定するように更に構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記付着改変機構が、表面接着改変剤のパターンを前記テープの接着面に適用するように構成されたアプリケータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アプリケータがプリンタを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記付着改変機構が、前記表面接着改変剤を放射によって硬化させるように構成された硬化ステーションを更に備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記テープが、接着面を支持するバッキングを含み、前記付着改変機構が、前記接着面とは反対の前記バッキングの側に配置され、前記テープの前記バッキングを改変するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記付着改変機構が、貫通孔のパターンを前記テープに切断するように構成されたカッターを更に備え、任意選択で、前記カッターが、レーザー、ブレード、又はダイを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記テープ転換マシンのうちの前記少なくとも1つが、カスタマイズされた形状を前記テープから切り抜くように構成されたパターンカッターを前記付着改変機構の下流に更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記テープ転換マシンのうちの前記少なくとも1つが、前記パターンカッターの下流にピックアップ包装機構を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
医療用テープをカスタマイズする方法であって、前記方法が、
5m
3以下の体積を有する1つ以上の小型テープ転換マシンにアクセスすることであって、前記テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、テープのロールと、前記テープの付着特性を改変するように構成された付着改変機構と、通信デバイスとを備える、アクセスすることと、
前記少なくとも1つのテープ転換マシンの前記通信デバイスに通信可能に接続された第2の通信デバイスと、1つ以上のコンピュータプロセッサと、命令を含む非一時的な有形のコンピュータ可読メモリとを備える、コンピューティングデバイスにアクセスすることと、を含み、前記命令が、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記コンピュータプロセッサに、
前記テープの前記付着特性を改変する命令をユーザに入力させるユーザインタフェースを表示のために生成させ、
前記命令を分析させて、前記1つ以上のテープ転換マシンのマシン稼働パラメータを決定させる、方法。
【請求項13】
前記コンピューティングデバイスが、自動改変構成を生成するように更に構成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記自動改変構成を含むクエリをユーザインタフェースによってユーザに提示することを更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザからフィードバックを受け、前記フィードバックに基づいて前記自動改変構成を修正することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療用テープ及びドレッシングは、異なるユーザニーズに対応するために多くの形状及びサイズで作られる。各患者の症例が人によって異なるので、臨床医及び医師は、患者ニーズに応じた任意の数の多様性を受け入れる必要がある。
【発明の概要】
【0002】
分散した製造箇所、例えば、顧客の使用箇所又はその近くで、医療用テープの特性をカスタマイズすることが望まれている。本開示は、医療用テープ又はドレッシングのためのオンデマンド製造システム及び方法を提供する。
【0003】
一態様では、本開示は、カスタマイズされた医療用テープを作る方法について記載する。システムは、5m3以下の体積を有する1つ以上の小型テープ転換マシンであって、テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、テープのロールと、テープの付着特性を改変するように構成された付着改変機構と、通信デバイスとを含む、少なくとも1つの小型テープ転換マシンと、コンピューティングデバイスであって、少なくとも1つのテープ転換マシンの通信デバイスに通信可能に接続された第2の通信デバイスと、1つ以上のコンピュータプロセッサと、命令を含む非一時的な有形のコンピュータ可読メモリとを含むコンピューティングデバイスと、を含み、命令が、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、コンピュータプロセッサに、テープの付着特性を改変する命令をユーザに入力させるユーザインタフェースを表示のために生成させ、命令を分析させて、1つ以上のテープ転換マシンのマシン稼働パラメータを決定させる。
【0004】
別の態様では、本開示は、医療用テープをカスタマイズする方法について記載する。方法は、5m3以下の体積を有する1つ以上の小型テープ転換マシンにアクセスすることであって、テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、テープのロールと、テープの付着特性を改変するように構成された付着改変機構と、通信デバイスとを含む、アクセスすることと、少なくとも1つのテープ転換マシンの通信デバイスに通信可能に接続された第2の通信デバイスと、1つ以上のコンピュータプロセッサと、命令を含む非一時的な有形のコンピュータ可読メモリとを含む、コンピューティングデバイスにアクセスすることと、を含み、命令が、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、コンピュータプロセッサに、テープの付着特性を改変する命令をユーザに入力させるユーザインタフェースを表示のために生成させ、命令を分析させて、1つ以上のテープ転換マシンのマシン稼働パラメータを決定させる。
【0005】
様々な予期せぬ結果及び利点が、本開示の例示的な実施形態において得られる。本開示の例示的な実施形態の利点としては、例えば、弱い付着及び強い付着の特定の領域を生成する能力が挙げられ、例えば、1片のテープにおいて穏やかな皮膚取付けによる気管内チューブの強固な結合などの固有の能力を可能にする。徐々に又は急に遷移する付着領域は、接着テープ又はドレッシングの除去を容易にする(又は偶発的な除去を困難にする)ことができる。オンデマンドの柔軟性はまた、特定の患者ニーズに対する現在の付着レベルを依然として提供しながら、強度が異なるテープの大量の在庫を保管する要求を軽減する。これは、特定の用途に対する適正な付着レベルを常に有することにより、MARSI(医療用接着剤に関連する皮膚損傷)を防止する努力をサポートする。完全なシステムとして、注文、仕入れ、出荷、受け取り、輸送に要求される労力、及びそれらを行う関連する時間を大幅に低減又は排除することができる。クラウドコンピューティング環境への接続性により、所望の出力を最適化するために最新のパラメータ/試験/モデリング結果の取得が可能になるとともに、将来的な患者及び病院又は診療所ニーズを追跡及び予測する能力も可能になる。
【0006】
以上が本開示の例示的な実施形態の様々な態様及び利点の概要である。上記の「発明の概要」は、本開示の特定の例示的な実施形態の、図示される各実施形態又は全ての実現形態を説明することを意図するものではない。以下の図面及び「発明を実施するための形態」は、本明細書に開示される原理を使用する特定の好ましい実施形態を、より詳細に例示するものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下の本開示の様々な実施形態の詳細な説明を添付図面と併せて検討することで、本開示をより完全に理解し得る。
【0008】
【
図1】一実施形態による医療用テープカスタマイズシステムの概略図である。
【
図2】一実施形態によるテープ転換管理システムを示すブロック図である。
【
図3】いくつかの実施形態によるテープ転換管理システムの様々なユーザインタフェースを示す図である。
【
図4】一実施形態によるテープ転換システムのブロック図である。
【
図5】一実施形態による、医療用テープをカスタマイズする方法のフロー図である。
【
図6】実施例1によるテープ転換マシンを示す概略図である。
【
図7】実施例2によるテープ転換マシンを示す概略図である。
【
図8】実施例3によるテープ転換マシンを示す概略図である。
【
図9】実施例4によるテープ転換マシンを示す概略図である。
【0009】
図面では、同様の参照符号は、同様の要素を示す。上記に特定した図面は、縮尺通りに描かれていないことがあり、本開示の様々な実施形態を説明しているが、「発明を実施するための形態」で指摘するように、他の実施形態もまた企図される。全ての場合において、本開示は、本明細書で開示される開示内容を、明示的な限定によってではなく、例示的な実施形態を表現することによって説明する。本開示の範囲及び趣旨に含まれる、数多くの他の修正形態及び実施形態を、当業者によって考案することができる点を理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、医療用テープ及びドレッシングをカスタマイズするためのシステム及び方法を提供する。カスタマイズは、現場で、例えば、顧客の使用箇所又はその近くで行われ、テープ又はドレッシングの全領域又は部分的に選択された領域における適切かつ精確な付着強度を、それが必要とされる場所で必要とされるときに正確に作り出すことができ、創傷及び患者ニーズが進行するにつれて変更することができる。
【0011】
図1は、例示的なテープカスタマイズシステム100を示す概略図であり、1つ以上の小型テープ転換マシン110が、小型テープ転換マシン110内のロールストックによって供給されるテープの付着特性を改変するために使用される。テープのカスタマイズされた改変は、
図2に示す管理システム6のようなテープ転換管理システムによって制御される。小型テープ転換マシン110は各々、例えば、体積が5m
3以下、3m
3以下、又は2m
3以下の、小型サイズを有する。小型サイズにより、テープ転換マシン110は、分散した製造箇所、例えば、看護拠点、流通センター、店舗などの顧客の使用箇所又はその近くに容易に分散及び設置できるポータブル又はデスクトップマシンであることができる。テープ転換マシン110のうちの少なくとも1つは、接着テープのロールストックを含む。接着テープは、バッキング材によって支持された接着面を有し、マシン110内にロールストックとして保管され得、患者ニーズに対処するカスタマイズされた医療用テープ又はドレッシングを作製するために、所望の量を所与の時間に分配することができる。テープ転換マシン110の付着改変機構は、テープの付着特性をカスタマイズされた医療用テープ又はドレッシングのために改変するように構成される。設置面積が小さい転換マシン110は、ロールストック上での柔軟な付着改変を実施し、取り扱い又は保管を容易にするために、テープを加工して改変されたフィルムを出力することができる。
【0012】
テープカスタマイズシステム100は、カスタマイズされたテープの高レベル又は低レベルの付着要求を含むカスタマイズ及び注文の情報を、顧客又はオペレータに入力させるカスタムインタフェース120を更に提供する。カスタムインタフェース120は、例えばモバイルデバイスにより、ユーザに表示することができる。カスタマイズされたテープ又はドレッシングの付着パターン、及びテープ転換マシンのための対応するマシン稼働パラメータを生成するために、様々なアルゴリズムを使用してユーザニーズを解釈することができる。医療用テープカスタマイズシステム100は、アルゴリズムを実装する1つ以上のコンピューティングデバイスを更に含み得る。
【0013】
テープカスタマイズシステム100のコンピューティングデバイスは、テープ転換マシン110の他の構成要素又はデバイスに通信可能に接続された通信デバイスを更に含み得る。コンピューティングデバイスは、1つ以上のコンピュータプロセッサと、命令を含む非一時的な有形のコンピュータ可読メモリとを含み、命令は、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、コンピュータプロセッサに、テープの接着面を改変する命令をユーザに入力させるユーザインタフェースを表示のために生成させ、命令を分析させて、1つ以上のテープ転換マシン110のマシン稼働パラメータを決定させる。1つ以上のコンピューティングデバイスは、例えば、クラウドコンピューティング環境、モバイルデバイス、ローカル/リモートコンピュータなど、任意の所望のコンピュータシステムリソースに物理的に配置できることを理解されたい。
【0014】
図1に示す実施形態では、クラウドコンピューティング環境130が、データ処理、システム100のデバイス又は構成要素との通信、並びに供給品の発注、請求書の発行、及び顧客との遠隔通信、システム保守などを含む、様々なタスクのためにシステム外部と通信するために提供される。テープ転換マシン110は、クラウドコンピューティング環境130及びユーザインタフェース120を表示するモバイルデバイスなどのシステム100の他のデバイス又は構成要素に通信可能に接続された通信デバイスを含み得る。
【0015】
図2は、一実施形態による、テープ転換管理システム6を使用して改変を管理又は制御し、テープのロールストックをカスタマイズされたテープに転換する方法を示すブロック図である。システム6は、ユーザインタフェース、様々なセンサ、様々なテープ転換マシン、又はユーザ若しくはテープ改変に関連するデータを記憶するデータベースから受信する使用データのストリームを処理するように構成された分析エンジンを有する、クラウドベースのシステムであり得る。いくつかの実施形態では、管理システム6は、異なる場所における複数の別個のテープ転換マシンをサポートできるクラウドベースのプラットフォームとしてホストされ得る。システム6の分析エンジンは、受信する使用データのストリームを適用して、異なる場所におけるカスタマイズ及び注文に対処するために、異なる場所におけるロールストックからのテープをどのように改変又は転換するかを決定することができる。
【0016】
システム6は、様々な視覚又は撮像センサ31から撮像データを受信するように構成されたデータインタフェース構成要素32を含む。例えば、視覚又は撮像センサは、患者の創傷床をスキャンして、撮像データを、例えば、創傷治癒の段階などの創傷情報を取得するためにデータを処理する視覚システムに提供することができる。創傷情報は、データインタフェース構成要素32によって分析エンジン36に送信することができる。データインタフェース構成要素32はまた、例えば、現在のマシン稼働パラメータ、供給ロールストックの状態などを含むテープ転換マシン110の状態に関する、データをテープ転換マシン110から受信し得る。
【0017】
システム6は、分析エンジン36及びテープ改変/転換構成要素38を含むインテリジェント現場製造アシスタント62を更に含み、インテリジェント現場製造アシスタントは、ユーザ(例えば、看護師又は医療提供者)にガイダンスを提供し、テープ転換マシン110のマシン稼働パラメータを決定することができる。分析エンジン36は、データインタフェース構成要素32からの患者情報又は変数を、データベース構成要素34からの他の情報とともに評価して、テープを製造するための要求を決定することができる。データベース構成要素34は、例えば、付着改変又は改変後の切断パターンのための所定の概略図面又は設計などのテープ又はドレッシングのためのパターン又は設計ライブラリを含む、情報を記憶し得る。データベース構成要素34は、例えば、患者の創傷状態とカスタマイズされたテープ又はドレッシングの好適な付着レベル又はパターンとの間のマッピング情報であり得る、事前設定された方針又は規則に関連する情報を更に記憶し得る。
【0018】
テープ改変/転換構成要素38は、分析エンジン36から命令を受信し、テープ転換マシン110の適切なマシン稼働パラメータを決定する。例えば、いくつかの実施形態では、分析エンジン36は、データインタフェース32からの患者情報及びデータベース構成要素34からの関連する事前設定された規則を評価して、高レベル又は低レベルの付着要求を決定することができる。例えば、分析エンジン36は、例えば、単一のテープ片において気管内/IV/処置チューブに強く結合され、皮膚に穏やかに結合するなどの、固有の能力を可能にする弱い付着又は強い付着を伴うテープ又はドレッシングの全領域又は部分的に選択された領域において決定することができる。割り当てられた付着レベルに基づいて、テープ転換構成要素38は、例えば、付着要求を満たすのに好適な付着改変手段などの適切なマシン稼働パラメータを決定することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、インテリジェント現場製造アシスタント62は、決定されたマシン稼働パラメータを、配信構成要素39によってテープ転換/改変マシン110に直接配信することができる。いくつかの実施形態では、インテリジェント現場製造アシスタント62は、例えばモバイルデバイス3によって表示される、決定された付着要求及びテープパターンを、ユーザインタフェース37によってユーザに提示し得る。ユーザは、自動設計を承認、拒絶、又は修正し、インテリジェント現場製造アシスタント62にフィードバックを送信し得る。インテリジェント現場製造アシスタント62は、ユーザからのフィードバックを評価し、ユーザのフィードバックに基づいてテープ改変の設計を更に修正し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、インテリジェント現場製造アシスタント62は、機械学習プロセスを実施して、テープ改変のための付着要求、及び付着改変後にテープから切断されるパターンを決定することができる。機械学習プロセスは、データベース構成要素34に記憶された訓練されたアルゴリズム又はモデルとともに、任意の好適なアルゴリズム又はモデルを使用し得る。例えば、以前のユーザ選択などのユーザデータを使用して、将来的な提案を通知し、改善することができる。既存のモデル及び実験データを使用して、各創傷の多様性に対する固有かつ様々な形状及びプロファイルに好適な出力を作成するモデルを訓練することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、インテリジェント現場製造アシスタント62は、データインタフェース32及びデータベース34から受信する使用データのストリームを自動的に処理して、テープの改変及びパターンのための自動設計を生成することができる。生成された設計は、例えば、付着レベル、付着パターン、ドレッシングパターンなどを含む、様々な改変構成を含み得る。自動設計は、ユーザインタフェース37によってユーザに提示することができる。加えて、インテリジェント現場製造アシスタント62は、ユーザインタフェース37によってユーザに提示するクエリを生成し、テープ改変に関するユーザニーズを更に明確にするユーザ入力を求め得る。
【0022】
図3は、ユーザと対話するモバイルデバイス上の様々なユーザインタフェースを示す。310において、ユーザインタフェースは、ユーザデータを提供する(例えば、リストバンドをスキャンする)ようにユーザに指示し、ユーザデータを受信して詳細を確認する。320において、ユーザインタフェースは、創傷画像を撮影するようにユーザに指示し、画像データを受信し、分析結果(例えば、創傷のスケール基準)をユーザに提示する。330において、ユーザインタフェースは、カスタマイズされた医療用テープの所望の出力形状を選択するようにユーザに指示し、ユーザ入力を受ける。340において、ユーザインタフェースは、カスタマイズされた医療用テープのサイズ形状を選択するようにユーザに指示し、ユーザ入力を受ける。350において、ユーザインタフェースは、現地で包帯のプレビューを提示し、ユーザの承認又は拒絶を促す。360において、ユーザインタフェースは、注文を現場製造マシンに提出するようにユーザに指示し、ユーザ入力を受ける。
【0023】
図4は、一実施形態による、テープ転換マシン又はテープ製造コア110のブロック図である。テープ転換マシン又はテープ製造コア110は、
図2のテープ転換管理システム6によって制御されて、ロールストック112からのテープを、所望の付着レベル、付着パターン、テープ若しくはドレッシングのパターン、形状、又はサイズを有するカスタマイズされた医療用テープに改変又は転換する。転換プロセスは、大量生産で作られた特定の付着特性の接着テープを含み得るロールストック112の供給テープから始まる。テープは、ユーザの要求に従ってテープを改変する一連の付着改変機構又はアプリケータ10-1...10-Nを通過し、ユーザの要求としては、例えば、付着特性、形状(2D)、形態(3D)、色、印刷情報又はグラフィック、並びに使用前のピックアップ及び包装機構114によるピックアップ、保管、及び輸送のためのカスタムテープの各々又は数片の所望の包装が挙げられる。
【0024】
様々なデジタル制御アプリケータを使用して、供給ロールストックテープ112に関する付着の特徴又は特性を改変することができる。いくつかの実施形態では、アプリケータのうちの1つ以上は、テープ上の接着剤コーティングの面に直接相互作用できる付着面改変剤を適用し得る。改変剤と接着面との相互作用は、物理的、化学的、光学的、音響的などであり得る。好適なアプリケータは、例えば、インクジェットプリントヘッド、UV光、レーザー、スプレージェット、3D印刷などであり得る。改変剤は、テープ接着面を部分的に又は完全に非接着性にし得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、表面接着改変剤は、テープの接着面とは異なる付着特性を有する第2の接着剤を含み得る。アプリケータは、テープの接着面に所望のパターンで適用された第2の接着剤を硬化させるように構成された硬化ステーションを更に含み得る。いくつかの実施形態では、第2の接着テープをテープに積層することにより、第2の接着剤をテープの接着面に適用することができる。例示的な接着材料は、用途に応じて、アクリル、シリコーン、又はゴムを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、テープの表面接着特性は、例えば電磁エネルギー源又は熱源からの、放射によって変更することができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、表面接着改変剤は、テープの接着面に適用される粉末材料を含み得る。例示的な粉末材料としては、タルク、ポピドンヨード、亜鉛酸化物などが挙げられ得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、表面接着改変剤は、例えば、テープの接着面にパターンを印刷することによって適用できるワックスなどの相変化材料を含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、表面接着改変剤は、例えばアセトンなどの反応性液体を含み得る。いくつかの実施形態では、表面接着改変剤は、例えば水などの非反応性液体を含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、アプリケータのうちの1つ以上をテープのバッキング層に適用して、テープの表面付着特性を改変することができる。例えば、アプリケータは、接着材料を選択的に適用できる構造化面(例えば、非平坦面)をバッキング層に生成し得る。例えば、バッキング層は、接着剤が存在し得る領域に影響を及ぼす窪みを有し得る。アプリケータは、パターン化された様々な剛性を有するようにバッキング層を改変し得る。アプリケータは、接着剤が接着面の特定の領域に選択的に付着するように、バッキング層を改変し得る。アプリケータは、バッキング及び接着剤を通じた化学的移行を生じさせて、テープの付着特性を改変し得る。アプリケータは、熱放射をバッキング層に適用して、バッキング材の特性の変化を熱的に誘導し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、アプリケータのうちの1つ以上は、貫通孔のパターンをテープに切断する様々なカッターを含み得る。適切なカッターとしては、例えば、レーザー、ブレード、ダイなどが挙げられ得る。貫通孔のパターンは、テープの有効接着面積をユーザが望むレベルまで減少させ得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、カスタマイズされた形状をテープから切り抜くように構成されたパターンカッターが、付着改変機構の下流に設けられる。様々なカッター、例えば、レーザー、ブレード、ダイなどを使用して、全体的なテープ形状を切り抜いて、例えば、可動関節、3D形状、及び創傷領域の周囲の健康な皮膚へのより良好な取付けを可能にすることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、カスタマイズされた形状をピックアップするように構成されたピックアップ及び包装機構を、パターンカッターの下流に設けることができる。ピックアップ及び包装機構は、カスタマイズされた形状に付着するためのシリンダ及び真空プレートを含み得る。
【0034】
カスタムテープ用の現場製造コア110のシステムはまた、所望の形状のテープ片を切り抜くパターンカッター113を含むことができる。プロセスは、
図2のテープ転換管理システム6によってデジタル的に制御することができる。カッターは、レーザー又はブレードであり得る。顧客がテープ片を容易にピックアップし、かつ/又はテープを自動的に包装若しくは密封するための手段114も、マシン110に設けられる。
【0035】
マシン110は、例えば、ユーザ入力を受けること、テープ設計をユーザに提示すること、マシンの状態を示すことなどを含む、ユーザとの対話を行うユーザインタフェース117を更に含み得る。マシン110は、クラウドコンピューティング環境130及び
図1のシステム100の他のデバイス又は構成要素に通信可能に接続された通信デバイス118を更に含み得る。マシン110は、
図2のテープ転換管理システム6から受信された命令を処理し、対応する制御信号を生成し、命令に従ってテープを改変するためにマシンの構成要素(例えば、ロールストック、アプリケータ、パターンカッター、ピックアップ及び包装構成要素など)に送信する、プロセッサ116を更に含み得る。
【0036】
図5は、一実施形態による、ユーザのために医療用テープをカスタマイズする方法500のフロー図を示す。方法500は、
図2の管理システム6によって実施することができる。510において、システムは、ユーザから入力データを取得するように指示する。入力データは、_を含み得る。520において、システムは、ユーザからの新しい入力データをデータベースからの既存の知識と組み合わせる。512において、データベースは、新しい入力を反映するように更新される。520において、システムは、カスタマイズされたテープの製品要求を決定する。525において、システムは、カスタマイズされたテープを作るテープ製造コアのマシンパラメータを決定する。530において、システムは、接着強度を選択的に改変するようにテープ製造コアに指示する。535において、システムは、改変が適正に実施されたかどうかを判定する。改変が適正に実施されたとシステムが判定すると、方法500は540に進み、製品はロールから分離される。改変が適正に実施されなかったとシステムが判定すると、方法500は530に進み、システムは、製品を廃棄し、新しいテープスパンの接着強度を選択的に改変するようにテープ製造コアに指示する。545において、システムは、分離が適正に実施されたかどうかを判定する。分離が適正に実施されたとシステムが判定すると、方法500は550に進み、製品を作製して出力する。分離が適正に実施されなかったとシステムが判定すると、方法500は530に進み、新しいテープスパンに対して改変をやり直す。555において、システムは、ロールストックが設定閾値を下回ったかどうかを判定する。はいの場合、システムは、560において、新しい供給品を注文する通知を送信する。
【0037】
別段の指示がない限り、本明細書及び実施形態で使用される量又は原料、特性の測定値などを表す全ての数は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されていると理解されるものとする。したがって、反対の指示がない限り、前述の明細書及び添付の実施形態のリストに記載される数値パラメータは、本開示の教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変化し得る。最低でも、各数値パラメータは少なくとも、報告される有効桁の数に照らして通常の丸め技法を適用することにより解釈されるべきであるが、このことは特許請求される記載の実施形態の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではない。
【0038】
本開示の例示的な実施形態は、本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変更が行われ得る。したがって、本開示の実施形態は、以下に記載の例示的な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている限定及びこれらの任意の均等物により支配されるものであることは理解されたい。
例示的な実施形態のリスト
【0039】
例示的な実施形態を以下に列挙する。実施形態1~10及び11~15のいずれか1つを組み合わせることができることを理解されたい。
【0040】
実施形態1は、カスタマイズされた医療用テープを作るシステムであって、システムが、
5m3以下の体積を有する1つ以上の小型テープ転換マシンであって、テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、テープのロールと、テープの付着特性を改変するように構成された付着改変機構と、通信デバイスとを備える、少なくとも1つの小型テープ転換マシンと、
コンピューティングデバイスであって、少なくとも1つのテープ転換マシンの通信デバイスに通信可能に接続された第2の通信デバイスと、1つ以上のコンピュータプロセッサと、命令を含む非一時的な有形のコンピュータ可読メモリとを備えるコンピューティングデバイスと、を備え、命令が、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、コンピュータプロセッサに、
テープの付着特性を改変する命令をユーザに入力させるユーザインタフェースを表示のために生成させ、
命令を分析させて、1つ以上のテープ転換マシンのマシン稼働パラメータを決定させる、システムである。
【0041】
実施形態2は、物体の1つ以上のデジタル画像を取得する1つ以上の画像センサを更に備える、実施形態1のシステムである。
【0042】
実施形態3は、画像センサのうちの少なくとも1つが、モバイルデバイスに設けられ、ユーザインタフェースが、モバイルデバイスによってユーザに表示される、実施形態2のシステムである。
【0043】
実施形態4は、1つ以上のコンピュータプロセッサが、デジタル画像を分析して、マシン稼働パラメータを決定するように更に構成される、実施形態2又は3のシステムである。
【0044】
実施形態5は、付着改変機構が、表面接着改変剤のパターンをテープの接着面に適用するように構成されたアプリケータを備える、実施形態1~4のいずれか1つのシステムである。
【0045】
実施形態6は、アプリケータがプリンタを含む、実施形態5のシステムである。
【0046】
実施形態7は、付着改変機構が、表面接着改変剤を放射によって硬化させるように構成された硬化ステーションを更に備える、実施形態5又は6のシステムである。
【0047】
実施形態8は、テープが、接着面を支持するバッキングを含み、付着改変機構が、接着面とは反対のバッキングの側に配置され、テープのバッキングを改変するように構成される、実施形態1~7のいずれか1つのシステムである。
【0048】
実施形態9は、付着改変機構が、貫通孔のパターンをテープに切断するように構成されたカッターを更に備え、任意選択で、カッターが、レーザー、ブレード、又はダイを含む、実施形態1~8のいずれか1つのシステムである。
【0049】
実施形態10は、テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、カスタマイズされた形状をテープから切り抜くように構成されたパターンカッターを付着改変機構の下流に更に備える、実施形態1~9のいずれか1つのシステムである。
【0050】
実施形態11は、テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、パターンカッターの下流にピックアップ包装機構を更に備える、実施形態1~10のいずれか1つのシステムである。
実施形態12は、医療用テープをカスタマイズする方法であって、方法が、
5m3以下の体積を有する1つ以上の小型テープ転換マシンにアクセスすることであって、テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、テープのロールと、テープの付着特性を改変するように構成された付着改変機構と、通信デバイスとを備える、アクセスすることと、
少なくとも1つのテープ転換マシンの通信デバイスに通信可能に接続された第2の通信デバイスと、1つ以上のコンピュータプロセッサと、命令を含む非一時的な有形のコンピュータ可読メモリとを備える、コンピューティングデバイスにアクセスすることと、を含み、命令が、1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、コンピュータプロセッサに、
テープの付着特性を改変する命令をユーザに入力させるユーザインタフェースを表示のために生成させ、
命令を分析させて、1つ以上のテープ転換マシンのマシン稼働パラメータを決定させる、方法である。
【0051】
実施形態13は、コンピューティングデバイスが、自動改変構成を生成するように更に構成される、実施形態12の方法である。
【0052】
実施形態14は、自動改変構成を含むクエリをユーザインタフェースによってユーザに提示することを更に含む、実施形態13の方法である。
【0053】
実施形態15は、ユーザからフィードバックを受け、フィードバックに基づいて自動改変構成を修正することを更に含む、実施形態14の方法である。
【実施例】
【0054】
これらの実施例は単に例示を目的としたものであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。
【0055】
実施例1
図6に示す実施例1は、本明細書で説明する現場製造コアの基本システムを示す。これは、大量生産で作られた特定の付着特性のロールストック接着テープの供給ロール610から始まる。テープは、一連のアプリケータ620a、620bを通過し、アプリケータは、付着特性、形状(2D)、形態(3D)、色、及び印刷情報又はグラフィックスを、顧客及びオペレータが必要とするように改変するとともに、使用前にピックアップし、保管し、輸送するためにカスタムテープの各々又は数片を包装する。実施例1における付着面改変剤620a、620bのアプリケータは、接着剤コーティングの面に直接相互作用する改変剤の1つのカテゴリである。改変剤と接着剤との相互作用は、物理的、化学的、光学的、音響的などであり得る。アプリケータは、包括的ではないが、インクジェットプリントヘッド、UV光、レーザー、スプレージェット、3D印刷であることができる。カスタムテープ用の現場製造コアのシステムは、所望の形状のテープ片を切り抜き、またデジタル制御される、カッター630も含むことができる。カッター630は、レーザー又はブレードであり得る。バッキングは、カスタマイズされ、切断及び分配された物品が潜在的に複雑な形状及び扱いにくいサイズであり得るときに、より容易な取り扱い/積み重ね/包装を容易にする。バッキングは、エンドユーザが接着面を容易に露出させるための剥離タブ又は他のユーザ補助特徴を含み得る。加えて、バッキングはまた、特に形状/サイズが小さい特徴又は複雑な特徴を有する場合に、カスタマイズされた接着物品にいくらかの剛性又は構造的支持をもたらし得る。接着剤バッキング上のインクジェット印刷620bが、特定のカスタマイズされたマーキングを生成して、カスタマイズされた接着物品のセンタリング/位置決めを助け、したがって、適用中の不確実性を除去する。不要部ロール640は、未使用のストックロール材料を、プロセスにより生じた不要部の連続ロールとして除去する。顧客がテープ片を容易にピックアップし、かつ/又はテープを自動的に包装又は密封するための手段650もまた、マシンに設けられるが、詳細に描かれていない。
【0056】
実施例2
図7に示す実施例2では、バッキング上の接着テープの供給ロール710が設けられる。この多孔性/透明バッキングは、a)浸透する接着改変剤720aがバッキングを横切って作用することを可能にし、b)接着剤が改変される前/間/後にテープの接着剤が汚染されることを防止し、c)カスタマイズされ、切断及び分配された物品が複雑な形状及び扱いにくいサイズである可能性がある場合に、より容易な取り扱い/積み重ね/包装を促進するように機能する。バッキングは、エンドユーザが接着面を容易に露出させるための剥離タブ又は他のユーザ補助特徴を含み得る。加えて、バッキングはまた、特に形状/サイズが小さい特徴又は複雑な特徴を有する場合に、カスタマイズされた接着物品にいくらかの剛性又は構造的支持をもたらし得る。接着剤バッキング上のインクジェット印刷720bが、特定のカスタマイズされたマーキングを生成して、カスタマイズされた接着物品のセンタリング/位置決めを助け、したがって、適用中の不確実性を除去する。パターンカッター730が、続いて、改変された接着テープを所望のサイズ/形状にトリミングする。不要部ロール740は、未使用のストックロール材料を、プロセスにより生じた不要部の連続ロールとして除去する。
【0057】
実施例3
図8に示す実施例3では、バッキング上の接着テープの供給ロール810に、一体型の多孔性/透明ライナーが設けられる。この多孔性/透明ライナーは、a)浸透する接着改変剤820aがバッキングを横切って作用することを可能にし、b)接着剤が改変される前/間/後にテープの接着剤が汚染されることを防止し、c)カスタマイズされ、切断及び分配された物品が複雑な形状及び扱いにくいサイズである可能性がある場合に、より容易な取り扱い/積み重ね/包装を促進するように機能する。ライナーは、エンドユーザが接着面を容易に露出させるための剥離タブ又は他のユーザ補助特徴を含み得る。加えて、ライナーはまた、特に形状/サイズが小さい特徴又は複雑な特徴を有する場合に、カスタマイズされた接着物品にいくらかの剛性又は構造的支持をもたらし得る。接着剤バッキング上のインクジェット印刷820bが、特定のカスタマイズされたマーキングを生成して、カスタマイズされた接着物品のセンタリング/位置決めを助け、したがって、適用中の不確実性を除去する。パターンカッター830が、続いて、改変された接着テープを所望のサイズ/形状にトリミングする。巻き取りロール840は、未使用のストックロール材料を、プロセスにより生じた不要部の連続ロールとして除去する。
【0058】
実施例4
図9に示す実施例4では、2つの接着ロール及びプリンタを用いた積層プロセスによって生成される連続的にカスタマイズ可能な接着テープが示される。3M Company(St.Paul、MN)から商品名Microporeで市販されている供給ロール910が、マシンに通された状態で示される。3M Company(St.Paul、MN)から商品名Press-In-Placeで市販されている、2つのライナー間に散在する離間した接着剤領域/ドットを有するエンブレム接着剤920が、Microporeの接着面に導入される。この積層プロセスは、ローラが加圧ロール930に対して作用するように作動されたときに、これらの接着剤ドットのみがMicroporeの接着面に転写するという点で不連続である。圧力ロール930に対して作用するローラは、本質的に、Microporeの接着面に結合される接着剤ドットを導入する。Microporeテープのバッキングに作用するプリンタ940が示される。切り離し機構(図示せず)が、続いて、カスタマイズされたMicroporeテープを所望のサイズ/形状にトリミングする。この図は、Microporeテープの長さ寸法に沿った変更/改変を示すが、拡張として、同様の改変が、Microporeテープの幅にわたって、複製されたPress-In-Place Emblem Adhesive転写機構と同様に行われ得る。
【0059】
本明細書全体を通して、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」、又は「ある実施形態」に対する言及は、「実施形態」という用語の前に、「例示的な」という用語が含まれているか否かにかかわらず、その実施形態に関連して説明される具体的な特徴部、構造、材料、又は特性が、本開示の特定の例示的な実施形態のうちの少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して、様々な箇所における「1つ以上の実施形態において」、「特定の実施形態において」、「一実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの表現の出現は、必ずしも本開示の特定の例示的な実施形態のうちの同一の実施形態に言及するものとは限らない。更に、具体的な特徴部、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
【0060】
本明細書では特定の例示的な実施形態について詳細に説明してきたが、当業者には、上述の説明を理解した上で、これらの実施形態の変更形態、変形形態、及び均等物を容易に想起できることが理解されよう。したがって、本開示は、ここまで説明してきた例示的な実施形態に過度に限定されるものではないことを理解されたい。特に、本明細書で使用するとき、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包含されるあらゆる数値を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)ことが意図される。加えて、本明細書で使用される全ての数は、用語「約」によって修飾されるものと想定される。更に、種々の例示的な実施形態が説明されてきた。これらの実施形態及び他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カスタマイズされた医療用テープを作るシステムであって、前記システムが、
5m
3以下の体積を有する1つ以上の小型テープ転換マシンであって、前記テープ転換マシンのうちの少なくとも1つが、テープのロールと、前記テープの付着特性を改変するように構成された付着改変機構と、通信デバイスとを備える、少なくとも1つの小型テープ転換マシンと、
コンピューティングデバイスであって、前記少なくとも1つのテープ転換マシンの前記通信デバイスに通信可能に接続された第2の通信デバイスと、1つ以上のコンピュータプロセッサと、命令を含む非一時的な有形のコンピュータ可読メモリとを備えるコンピューティングデバイスと、を備え、前記命令が、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって実行されると、前記コンピュータプロセッサに、
前記テープの前記付着特性を改変する命令をユーザに入力させるユーザインタフェースを表示のために生成させ、
前記命令を分析させて、前記1つ以上のテープ転換マシンのマシン稼働パラメータを決定させる、システム。
【請求項2】
物体の1つ以上のデジタル画像を取得する1つ以上の画像センサを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記画像センサのうちの少なくとも1つが、モバイルデバイスに設けられ、前記ユーザインタフェースが、前記モバイルデバイスによって前記ユーザに表示される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサが、前記デジタル画像を分析して、前記マシン稼働パラメータを決定するように更に構成される、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記付着改変機構が、表面接着改変剤のパターンを前記テープの接着面に適用するように構成されたアプリケータを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アプリケータがプリンタを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記付着改変機構が、前記表面接着改変剤を放射によって硬化させるように構成された硬化ステーションを更に備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記テープが、接着面を支持するバッキングを含み、前記付着改変機構が、前記接着面とは反対の前記バッキングの側に配置され、前記テープの前記バッキングを改変するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記付着改変機構が、貫通孔のパターンを前記テープに切断するように構成されたカッターを更に備え、任意選択で、前記カッターが、レーザー、ブレード、又はダイを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記テープ転換マシンのうちの前記少なくとも1つが、カスタマイズされた形状を前記テープから切り抜くように構成されたパターンカッターを前記付着改変機構の下流に更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記テープ転換マシンのうちの前記少なくとも1つが、前記パターンカッターの下流にピックアップ包装機構を更に備える、請求項1に記載のシステム
。
【国際調査報告】