(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】使い捨て光ファイバ装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/22 20060101AFI20250117BHJP
A61B 1/018 20060101ALI20250117BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20250117BHJP
G02B 6/036 20060101ALI20250117BHJP
G02B 6/02 20060101ALI20250117BHJP
G02B 6/26 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61B18/22
A61B1/018 515
A61B1/00 621
A61B1/00 632
G02B6/036
G02B6/02 421
G02B6/02 461
G02B6/02 411
G02B6/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539435
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-07
(86)【国際出願番号】 EP2022087693
(87)【国際公開番号】W WO2023126337
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524242564
【氏名又は名称】オプセラス アーエス
【氏名又は名称原語表記】OPTHERAS A/S
【住所又は居所原語表記】Bregnerodvej 132A, 1. 3460 Birkerod (DK)
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン、グレーガス ゴーチエ
(72)【発明者】
【氏名】アルケスクヨールド、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】モーゲンスン、カリン
(72)【発明者】
【氏名】ピーダスン、ソーレン
【テーマコード(参考)】
2H137
2H250
4C026
4C161
【Fターム(参考)】
2H137AA08
2H137AA13
2H137AB01
2H137BA02
2H137BA03
2H137BA18
2H137BA20
2H137BA23
2H137BC02
2H137CA15A
2H250AB03
2H250AB32
2H250AB33
2H250AC03
2H250AC12
2H250AC25
2H250AC32
2H250AC33
2H250AC51
2H250AC62
2H250AC63
2H250AC83
2H250AC93
2H250AD13
2H250AD17
2H250AD32
2H250AE72
2H250AH37
2H250BA32
2H250BA33
2H250BB03
2H250BB08
4C026AA02
4C026AA03
4C026BB08
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4C026FF21
4C026FF55
4C026GG07
4C161AA15
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF43
4C161FF46
4C161GG15
4C161HH56
4C161JJ11
4C161LL02
4C161QQ06
(57)【要約】
使い捨て光ファイバ装置であって、使い捨て光ファイバ装置は、近位端および遠位端を有する少なくともダブルクラッドの光ファイバであって、遠位端は、内視鏡の作業チャネルを通して前進させられるように構成されており、少なくともダブルクラッドの光ファイバは、少なくとも1つのコアおよび少なくとも2つのクラッドを有する、少なくともダブルクラッドの光ファイバと、少なくともダブルクラッドの光ファイバの近位端を医療処置装置に光学的に接続するためのコネクタモジュールと、を備える。コネクタモジュールは、第1の光ファイバと、第2の光ファイバと、第1の光ファイバを医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第1の光コネクタと、第2の光ファイバを医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第2の光コネクタと、第1の光ファイバと少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのコアとの間で放射を結合し、第2の光ファイバと少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも2つのクラッドのうちの少なくとも1つのクラッドとの間で放射を結合するように構成された光コンバイナモジュールと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て光ファイバ装置であって、前記使い捨て光ファイバ装置は、
近位端および遠位端を有する少なくともダブルクラッドの光ファイバであって、前記遠位端は、内視鏡の作業チャネルを通して前進させられるように構成されており、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバは、少なくとも1つのコアおよび少なくとも2つのクラッドを有する、少なくともダブルクラッドの光ファイバと、
前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記近位端を医療処置装置に光学的に接続するためのコネクタモジュールと、
を備え、
前記コネクタモジュールは、
第1の光ファイバと、
第2の光ファイバと、
前記第1の光ファイバを前記医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第1の光コネクタと、
前記第2の光ファイバを前記医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第2の光コネクタと、
前記第1の光ファイバと前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも1つのコアとの間で放射を結合し、前記第2の光ファイバと前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも2つのクラッドのうちの少なくとも1つのクラッドとの間で放射を結合するように構成された光コンバイナモジュールと、
を備える、
使い捨て光ファイバ装置。
【請求項2】
前記第1の光ファイバは、シングルモード若しくは少数モード光ファイバであるか、またはシングルモード若しくは少数モードコアを有する、
請求項1に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項3】
前記第2の光ファイバは、マルチモード光ファイバである、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項4】
前記第1の光コネクタは、低反射率光シングルモードコネクタである、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項5】
前記第2の光コネクタは、高出力光マルチモードコネクタである、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項6】
前記第1および/または第2の光コネクタはばね荷重式である、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項7】
前記光コンバイナモジュールはサイドコンバイナを含む、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項8】
前記サイドコンバイナは、前記第2の光ファイバ、または前記第2の光ファイバに光学的に結合されたマルチモードファイバ部と、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも1つのクラッドとの間で放射を側方に結合するように構成されており、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも1つのコアは、前記サイドコンバイナを通過する、
請求項7に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項9】
前記サイドコンバイナは、第1のファイバ直径を有するマルチモードファイバ部と少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのクラッドとの間で放射を側方に結合するように構成されており、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのコアは、前記サイドコンバイナを通過し、前記ダブルクラッドの光ファイバは、前記マルチモードファイバ部の前記直径よりも大きい直径を有する、
請求項7または8に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項10】
前記コネクタモジュールは温度センサを備える、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項11】
前記コネクタモジュールは、前記光コンバイナモジュールを冷却するために構成された冷却部材を備える、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項12】
前記少なくともダブルクラッドの光ファイバは、2つ以上のコアを有するマルチコアファイバであり、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバは、前記2つ以上のコアのうちの第1のコアと、前記第1のコアと異なる前記2つ以上のコアのうちの少なくとも第2のコアとの間の放射の結合のために構成されたテーパ領域を備える、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項13】
前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの遠位端は、傾斜した先端を有する、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項14】
前記コネクタモジュールは、少なくとも前記光コンバイナモジュールと、前記第1の光ファイバの少なくとも一部と、前記第2の光ファイバの少なくとも一部とを収容する第1の筐体を備える、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項15】
前記第1の筐体は、前記第1および第2の光コネクタをさらに収容する、
請求項14に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項16】
前記第1の光コネクタおよび/または前記第2の光コネクタは、前記第1の筐体の外側に配置されており、前記第1の光ファイバおよび/または前記第2の光ファイバの一部を収容する可撓性光ファイバケーブルを介して前記第1の筐体に接続されている、
請求項14に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項17】
前記第1の光ファイバは、近位端および遠位端を有しており、前記第1の光コネクタは、前記第1の光ファイバの前記近位端を前記医療処置装置の光ファイバの端面に光学的に結合するように構成されており、前記第1の光コネクタは、前記第1の光ファイバの前記近位端が前記医療処置装置の前記光ファイバの前記端面に当接する状態で、前記第1の光ファイバの前記近位端を前記医療処置装置に取外し可能に接続するように構成されている、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項18】
前記第1の光コネクタは、3より小さいなど、10より小さいV数を有するシングルモードレーザ放射を結合するように構成されている、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項19】
前記第2の光ファイバは、近位端および遠位端を有しており、前記第2の光コネクタは、前記第2の光ファイバの前記近位端を前記医療処置装置の出力光ファイバに光学的に結合するように構成されており、前記第2の光コネクタは、前記第2の光ファイバの前記近位端が前記医療処置装置の前記出力光ファイバの端面から離れて位置付けられた状態で、前記第2の光ファイバの前記近位端を前記医療処置装置に取外し可能に接続するように構成されている、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項20】
前記第2の光コネクタは、10より大きいV数および10W以上の出力を有するマルチモードレーザ放射を前記第2の光ファイバに結合するように構成されている、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項21】
医療処置装置と、
先の請求項のいずれか一項に記載の使い捨て光ファイバ装置と、
を備え、
前記使い捨て光ファイバ装置は、前記医療処置装置に取外し可能かつ光学的に結合されるように構成されている、
光ファイバ医療処置装置。
【請求項22】
前記医療処置装置は、
医学的状態の処置のための処置レーザ放射を出力するように構成された処置レーザ源であって、前記医療処置装置は、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記クラッドを介して前記処置レーザ放射を出力するように構成されている、処置レーザ源と、
センサレーザ放射を出力するように構成されたセンサレーザ源を含むセンサモジュールであって、前記医療処置装置は、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも1つのコアを介して前記センサレーザ放射を出力するように構成されている、センサモジュールと、
を備える、
請求項21に記載の光ファイバ医療処置装置。
【請求項23】
前記センサモジュールは、干渉距離感知モジュールおよび/または分光センサモジュールを備える、
請求項22に記載の光ファイバ医療処置装置。
【請求項24】
前記処置レーザ放射はマルチモード放射であり、前記センサレーザ放射はシングルモードまたは少数モードレーザ放射である、
請求項22から23のいずれか一項に記載の光ファイバ医療処置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使い捨て光ファイバ装置およびそのような使い捨て光ファイバ装置を備える光ファイバ医療処置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの医学的状態は、処置されるべき組織にレーザ光を適用することによって処置することができる。多くの場合、そのような処置は、光ファイバを介して処置レーザ放射を処置されるべき組織に向けることによって行われる。
【0003】
さらに、いくつかの用途では、処置レーザ放射を処置されるべき組織に向けることに加えて、他の放射を処置されるべき組織に供給することも望ましい。例えば、処置が非接触モードで行われる場合、ファイバの先端と処置されるべき組織との間の距離は、例えば、特に、患者が動いたり、または組織が患者の体の内部の運動に起因して動いたりすると、ファイバの正確な手動操作が困難になり得るため、処置速度および危険性に大きな影響を及ぼす。したがって、ファイバの先端と処置されるべき組織との間の距離を測定することが望ましい。
【0004】
US2010/0228119は、外科的処置中に相対運動を測定するためのシステムを開示している。この従来技術のシステムは、人間および動物の組織に挿入可能なカニューレと共に使用するためのものである。システムは、カニューレに挿入可能なプローブ先端を有するプローブと、カニューレとプローブ先端との間の相対運動を決定するための手段とを含む。
【0005】
多くの処置では、光ファイバは、可撓性内視鏡の作業チャネルを通して前進させられる。この目的のために、異なる種類の医療処置に合わせた内視鏡が存在する。例えば、膀胱鏡は、膀胱鏡が尿道を通して膀胱の中へ前進させられる膀胱鏡検査を行うために構成される内視鏡である。他の処置の中でも、膀胱鏡は、膀胱の癌のレーザ処置に使用される。
【0006】
膀胱鏡および他の種類の内視鏡は、直径が制限され、多くの処置では、内視鏡が高度に屈曲可能であることが望ましい。例えば、膀胱鏡の作業チャネルは、典型的には、わずか1.8mmの直径を有する。使用中、膀胱鏡は、多くの場合、半径10mmの曲げ半径まで、またはさらにより小さい曲げ半径まで曲げられ、作業チャネルの有効直径をさらに小さくさせ得る。したがって、そのような処置に使用される光ファイバもまた、非常に細く、高度に屈曲可能であることが望ましい。
【0007】
さらに、上記の課題は、処置レーザ放射に加えて、追加のセンサ放射が、例えば距離測定の目的で、処置されるべき組織に向けて供給される場合、さらに増大される。したがって、光ファイバ装置を損傷することなく、かつ異なる種類の放射線を過度に劣化させることなく、光ファイバ装置を介して内視鏡の作業チャネルを通して異なる種類の放射線を供給することが望ましい。これは、処置およびセンサ放射が、異なる、時には、相反する要件または制限さえも光ファイバ装置に課し得るため、困難であり得る。
【0008】
したがって、膀胱鏡等の内視鏡の狭い作業チャネルを通してさえも前進させることができる光ファイバを伴う光ファイバ装置を提供することが望ましい。
【0009】
さらに、高度に屈曲可能な光ファイバを有する光ファイバ装置を提供することが望ましい。
【0010】
光ファイバ装置は使い捨てであり、例えば、1回または少なくとも数回の使用後に廃棄またはリサイクルされるため、光ファイバ装置の製造コストを低く抑えることがさらに望ましい。
【0011】
さらに、異なる種類の放射線を標的領域に向けることができる光ファイバ装置を提供することが望ましい。
【0012】
さらに、ファイバの先端と処置されるべき組織との間の距離の正確かつ効率的な監視、および/または処置の状態もしくは進行の正確かつ効率的な監視を可能にする、光ファイバ医療処置装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0013】
本開示の態様は、上記の事項およびその他のうちの少なくともいくつかに対処する。
【0014】
特に、本開示は、使い捨て光ファイバ装置の実施形態を提供する。使い捨て光ファイバ装置は、近位端および遠位端を有する少なくともダブルクラッドの光ファイバを備え、遠位端は、内視鏡の作業チャネルを通して前進させられるように構成されており、少なくともダブルクラッドの光ファイバは、少なくとも1つのコアおよび少なくとも2つのクラッドを有する。使い捨て光ファイバ装置は、少なくともダブルクラッドの光ファイバの近位端を医療処置装置に光学的に接続するためのコネクタモジュールをさらに備える。コネクタモジュールは、
第1の光ファイバと、
第2の光ファイバと、
第1の光ファイバを医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第1の光コネクタと、
第2の光ファイバを医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第2の光コネクタと、
第1の光ファイバと少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのコアとの間で放射を結合し、第2の光ファイバと少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも2つのクラッドのうちの少なくとも1つのクラッドとの間で放射を結合するように構成された光コンバイナモジュールと、
を備える。
【0015】
したがって、使い捨て光ファイバ装置は、異なる種類の放射線が単一の少なくともダブルクラッドの光ファイバを通して供給されることを可能にし、したがって、光ファイバは、細く、高度に屈曲可能に保たれ得る。
【0016】
さらに、異なる光コネクタを介して少なくともダブルクラッドの光ファイバのコアおよびクラッドにそれぞれ結合された放射により、異なる種類の放射を単一の光ファイバを通して効率的に供給することができると同時に、異なる光コネクタをそれぞれの種類の放射、例えば、高出力処置レーザ放射および信号外乱に敏感な低出力センサ放射のそれぞれに適合させることができる。
【0017】
別の態様によれば、本明細書に開示されるのは、上記および下記に開示される医療処置装置および使い捨て光ファイバ装置を含む光ファイバ医療処置装置の実施形態である。使い捨て光ファイバ装置は、医療処置装置に取外し可能かつ光学的に結合されるように構成されている。
【0018】
当業者は、添付の説明を読んで理解すると、本出願のさらに他の態様を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
上記および他の態様は例として示されており、添付の図面の図によって限定されない。添付の図面では、同様の参照符号は同様の要素を示す。
【0020】
【
図1】本明細書で開示される実施形態による光ファイバ医療処置装置の一例を図式的に示す。
【
図2】本明細書で開示される実施形態による、内視鏡の作業チャネルに挿入され、その作業チャネルを通して前進させられた光ファイバを伴う使い捨て光ファイバ装置の一例を図式的に示す。
【
図3】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置の一例を図式的に示す。
【
図4】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置のコネクタモジュールの光コンバイナモジュールの一例を図式的に示す。
【
図5】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置のコネクタモジュールの光コンバイナモジュールの別の例を図式的に示しており、少なくともダブルクラッドの光ファイバは、テーパ領域を含む。
【
図6】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するためのマルチコアダブルクラッドの光ファイバの一例の断面図を図式的に示す。
【
図7】
図5の光コンバイナモジュールのテーパ領域の動作を図式的に示す。
【
図8A】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらなる例の断面図を図式的に示す。
【
図8B】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらなる例の断面図を図式的に示す。
【
図8C】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらなる例の断面図を図式的に示す。
【
図8D】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらなる例の断面図を図式的に示す。
【
図8E】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらなる例の断面図を図式的に示す。
【
図8F】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらなる例の断面図を図式的に示す。
【
図9A】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのファイバ先端設計の例の縦断面図を図式的に示す。
【
図9B】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのファイバ先端設計の例の縦断面図を図式的に示す。
【
図9C】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのファイバ先端設計の例の縦断面図を図式的に示す。
【
図10】本明細書で開示される実施形態による光ファイバ医療処置装置のより詳細な例を図式的に示す。
【
図11】少なくともダブルクラッドの光ファイバを通して供給される複数の光路を結合するための光コンバイナモジュールの一例を図式的に示す。
【
図12】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置のさらなる例を図式的に示す。
【
図13】本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置のさらなる例を図式的に示す。
【
図14A】本明細書で開示される使い捨て光ファイバ装置の実施形態の第1の光コネクタの一例を概略的に示す。
【
図14B】本明細書で開示される使い捨て光ファイバ装置の実施形態の第1の光コネクタの一例を概略的に示す。
【
図15A】本明細書で開示される使い捨て光ファイバ装置の実施形態の第2の光コネクタの一例を概略的に示す。
【
図15B】本明細書で開示される使い捨て光ファイバ装置の実施形態の第2の光コネクタの一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下は、既存の装置の上記および/または他の欠点の1つ以上を軽減するか、または少なくとも既存の装置の代替として機能できる使い捨て光ファイバ装置の実施形態を説明する。以下は、光ファイバ医療処置装置の実施形態をさらに説明する。
【0022】
図1は、本明細書で開示される実施形態による光ファイバ医療処置装置の一例を図式的に示す。
【0023】
光ファイバ医療処置装置は、医療処置装置2000と使い捨て光ファイバ装置1000とを備える。使い捨て光ファイバ装置1000は、医療処置装置に取外し可能かつ光学的に結合されるように構成されている。
【0024】
この目的のために、使い捨て光ファイバ装置1000は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200とコネクタモジュール1100とを備える。
【0025】
光ファイバ1200は、少なくともダブルクラッドであり、すなわち、ダブルクラッドであってもよく、または2つより多いクラッド、例えばトリプルクラッドを有するマルチクラッドであってもよい。一般に、ダブルクラッドの光ファイバは、光学材料の3つの層を含む。最も内側の層はコアと呼ばれる。それは、外側クラッドによって囲まれている内側クラッドによって囲まれている。3つの層は、典型的には、異なる屈折率を有する材料で作られている。少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位端1201は、膀胱鏡等の内視鏡の作業チャネルを通して前進させられるように構成されている。好ましくは、コアはシングルモードコアであり、少なくとも1つ以上の標的波長または標的波長の範囲においてシングルモードである。任意選択的に、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200は、2つ以上のコア、好ましくはシングルモードコア、例えば、少数モードまたはシングルモード中央コアおよび1つ以上の少数モードまたはシングルモード側面コアを含む。任意選択的に、少なくともダブルクラッドの光ファイバは、例えば、青色EFTE、テフロン(登録商標)、ナイロンなどの医療グレードの緩衝コーティングを有する。光ファイバは、モードスクランブリングのために、円形のクラッドまたは六角形もしくは八角形のクラッドを有し得る。内側クラッドは、マルチコアクラッドであってもよい。
【0026】
少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200は、内視鏡の作業チャネルに挿入されるのに適した直径を有してもよく、すなわち、直径の選択は、内視鏡の種類に依存してもよい。好適な直径は、0.1mmから1mm、例えば0.1mmから0.4mm、好ましくは0.1mmから0.3mm、例えば0.1mmから0.25mmであってもよい。1mm以下、好ましくは0.4mm以下、例えば0.3mm以下の直径を有する光ファイバは十分に細く、ファイバ端に誘起される引張応力および圧縮応力が比較的小さい曲げを可能にする。少なくともダブルクラッドの光ファイバの長さは、内視鏡の種類および/または医療処置の種類に依存し得る。好適な長さは、2mから4mであり得る。
【0027】
概して、少なくともいくつかの実施形態では、処置されるべき組織に向かって放射線を放出する少なくともダブルクラッドの光ファイバは、100μmから1000μm、例えば100μmから300μm、例えば150μmから200μmのファイバ直径を有してもよい。いくつかの実施形態では、処置レーザ放射を伝達するマルチモードクラッドの開口数は、0.17から0.50、例えば0.22から0.45の開口数を有する。ここで、内側クラッドの開口数は、内側クラッドの屈折率の二乗と、内側クラッドを取り囲む外側クラッドの屈折率の二乗との差の平方根として定義することができる。
【0028】
少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位端1201は、内視鏡の作業チャネルの中への容易な挿入、および挿入中に光ファイバの縁が破損する危険性の低減のために、好ましくは丸みを帯びた縁を伴って、傾斜させられていてもよい。
【0029】
コネクタモジュール1100は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の近位端を医療処置装置2000に光学的に接続するように、特に少なくともダブルクラッドの光ファイバのコアおよびクラッドをそれぞれ医療処置装置に別々に結合するように構成されている。
【0030】
この目的のために、コネクタモジュールは、第1の光コネクタ1111および第2の光コネクタ1121を有する。第1の光コネクタ1111は、医療処置装置2000の第1の嵌合光コネクタ2101に取外し可能に接続されるように構成されている。第2の光コネクタ1121は、医療処置装置の第2の嵌合光コネクタ2102に取外し可能に接続されるように構成されている。
【0031】
使い捨て光ファイバ装置1000の実施形態は、
図3を参照して以下でより詳細に説明される。
【0032】
概して、医療処置装置2000は、医学的状態の処置のための処置レーザ放射を出力するように構成された処置レーザ源2200を含んでいてもよい。処置レーザ源2200は、実施される医療処置に適した波長および出力で処置レーザ放射を放出するように構成された適切な種類のレーザ、例えばダイオードレーザを含んでいてもよい。医療処置装置が、光凝固および/または切除による膀胱の腫瘍の処置のためのものである場合、処置レーザ源は、高輝度ダイオードレーザを備えていてもよい。医療処置装置は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッド、特に内側クラッドを介して処置レーザ放射を出力するように構成されている。この目的のために、処置レーザ源は、使い捨て光ファイバ装置1000の第2の光コネクタ1121への接続のために、第2の嵌合光コネクタ2102に光学的に結合されている。したがって、第2の光コネクタは、好ましくは、処置レーザビーム、特に10Wから200Wの出力を有する処置レーザビームを受け取るように構成されている。
【0033】
概して、別段の指定がない限り、本明細書で論じるレーザ放射の出力の数値への言及は、レーザ放射の最大出力を指すものとする。例えば、レーザ放射がパルス化される場合、数値は、パルス列の平均出力ではなく、個々のパルスの最大出力に対応する。後者は、最大出力よりも小さくてもよく、パルス列のデューティサイクルを示す係数によって最大出力に関連付けられてもよい。
【0034】
医療処置装置2000は、センサモジュール2300をさらに備えていてもよい。センサモジュール2300は、センサレーザ放射を出力するように構成されたセンサレーザ源2310を含んでいてもよい。医療処置装置は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のコアを介してセンサレーザ放射を出力するように構成されている。この目的のために、センサレーザモジュールは、使い捨て光ファイバ装置の第1の光コネクタ1111への接続のために、第1の嵌合光コネクタ2101に光学的に結合されている。少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのコアは、センサレーザ放射の波長において、10未満、好ましくは8未満、例えば6未満、例えば3またはさらには2.4未満のV数を有し得る。すなわち、少なくとも1つのコアは、センサレーザ放射の波長において、少数モードコアまたはシングルモードコアでさえあり得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、センサレーザ放射は、複数の波長を含む。したがって、少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのコアのV数は、センサ放射の異なる波長に対して異なり得る。例えば、コアは、センサレーザ放射の1つまたはいくつかの波長におけるシングルモードコア、およびレーザ放射の他の波長における少数モードコア(またはさらにはマルチモードコア)であってもよい。特に、いくつかの実施形態では、医療処置装置は、複数のセンサモジュール、例えば、干渉距離センサモジュールおよび分光センサモジュールを含む。異なるセンサモジュールは、異なる波長で動作してもよい。そのような実施形態では、少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのコアは、センサモジュールのうちの1つ、例えば干渉センサモジュールのセンサレーザ放射の波長において、小さいV数を有する少数モードコア、またはシングルモードコア(例えば、4未満、例えば3またはさらには2.4未満のV数を有する)でさえあり得る。少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのコアは、他のセンサモジュール、例えば分光センサモジュールのセンサレーザ放射の波長においてより大きいV数(例えば3から10、例えば3から6)を有する少数モードコアであってもよい。
【0036】
第1の光コネクタは、好ましくは、センサレーザビームを受け取り、反射されたレーザ放射を出力するように構成される。センサモジュール2300は、処置されるべき組織から受信される放射線、特に、センサレーザ源2310からのセンサレーザ放射によって照射されることに応答して組織によって反射される放射線を検出するための検出器2320をさらに備えていてもよい。検出器は、使い捨て光ファイバ装置の少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200を介して、特に、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のコアおよび/またはクラッドを介して、組織から放射線を受け取るように構成されていてもよい。
【0037】
様々な実施形態では、医療処置装置は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位端と処置されるべき組織との間の距離の干渉距離感知を実行するように構成された干渉距離センサモジュールを備える。特に、いくつかの実施形態では、干渉距離センサは、光ファイバの遠位端が基準光路の反射器として動作可能である共通経路センサであり、したがって、いかなる追加のファイバも必要としない、特にコンパクトなシステムを提供する。医療処置装置は、好ましくは、測定された距離に応答して処置レーザ放射を制御するようにさらに構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、医療処置装置は、処置されるべき組織によって反射される放射線の1つ以上のスペクトル特性を感知するための分光センサをさらに備える。医療処置装置は、好ましくは、感知された1つ以上のスペクトル特性から処置の状態または進行を示す尺度を決定するようにさらに構成されている。好ましくは、医療処置装置は、決定された状態または進行に応答して、特に感知された距離および決定された状態または進行に応答して、処置レーザ放射を制御するように構成されている。
【0039】
医療処置装置2000の実施形態は、
図10を参照して以下でより詳細に説明される。以下の開示から明らかになるように、医療処置装置は、追加のまたは代替の放射線源および/または追加の光検出器を含んでいてもよい。
【0040】
使用時には、使い捨て光ファイバ装置1000は、コネクタモジュール1100を介して医療処置装置2000に取外し可能かつ光学的に接続され、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位端1201は、例えば
図2に示されるように、内視鏡の作業チャネルに挿入される。
【0041】
図2は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200が内視鏡3000の作業チャネル3100に挿入され、前進させられている、使い捨て光ファイバ装置の一例を図式的に示す。使い捨て光ファイバ装置は、全て
図1に関連して説明したように、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200およびコネクタモジュール1100を備える。
図2の例では、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位端1201は、内視鏡の作業チャネルから外に延びている。使用時には、内視鏡は、医療処置の性質に応じて、患者の血管または器官の中に挿入される。内視鏡3000は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200が作業チャネル3100内に既に挿入された状態で挿入され得る。あるいは、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200は、標的器官または血管の中への内視鏡3000の挿入後に、作業チャネル3100の中に挿入されてもよい。
【0042】
様々な医療処置に適合された内視鏡は、当該技術分野においてそのようなものとして知られており、本明細書ではより詳細には説明しない。特に、異なる種類の内視鏡は、ほぼ標準化された直径の作業チャネルを有し得る。内視鏡の典型的な作業チャネルは、1mmから5mmの直径を有する。いくつかの内視鏡は、医師が医療処置の進行を観察することを可能にするように、内視鏡3000の遠位端に配置される、カメラ3600および/または1つ以上の照明光、例えば、LED3500をさらに含んでいてもよい。
【0043】
概して、使い捨て光ファイバ装置の様々な実施形態は、尿路の処置、例えば、膀胱の処置、特に膀胱癌の処置のためのものである。
【0044】
したがって、いくつかの実施形態では、内視鏡は、尿路を通して膀胱の中へ挿入するように適合される膀胱鏡である。膀胱鏡の作業チャネルは、典型的には、1.5mmから2mm、例えば1.8mmの直径を有する。膀胱鏡は、典型的には、小さな曲げ半径、例えば、10mm以下、またはさらには5mm以下の曲げ半径で曲げることができなければならない。
【0045】
図3は、本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置1000の一例を図式的に示す。
【0046】
使い捨て光ファイバ装置1000は、近位端および遠位端1201を有する少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200を備える。遠位端1201は、例えば、
図2に関連して説明したように、内視鏡の作業チャネルを通して前進させられるように構成されている。少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200は、少なくとも1つのコアと、内側クラッドと、少なくとも1つの外側クラッドとを有する。特に、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200は、1つ以上のコアと、内側クラッドと、外側クラッドとを有するダブルクラッドの光ファイバであってもよい。
【0047】
使い捨て光ファイバ装置1000は、例えば
図1に関連して説明したように、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の近位端を医療処置装置(
図3には図示せず)に光学的に接続するためのコネクタモジュール1100をさらに備える。
【0048】
コネクタモジュール1100は、第1の光ファイバ1110と、第2の光ファイバ1120と、第1の光ファイバ1110を医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第1の光コネクタ1111と、第2の光ファイバ1120を医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第2の光コネクタ1121と、第1の光ファイバ1110と少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の少なくとも1つのコアとの間で放射を結合し、第2の光ファイバ1120と少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の少なくとも2つのクラッドのうちの少なくとも1つのクラッドとの間で放射を結合するように構成された光コンバイナモジュール1300とを備える。
【0049】
一般に、取外し可能な接続とは、医療処置装置の使用者によって行われる通常使用中の接続であって、通常使用中に接続を再び切断することができる接続を指す。特に、使い捨て光ファイバ装置の光コネクタの取外し可能な接続は、光コネクタが接続される医療処置装置の対応する嵌合コネクタが、接続または切断中に破壊されないことを意味する。好ましくは、使い捨て光ファイバ装置の光コネクタは、切断中にも破壊されず、すなわち、使い捨て光ファイバ装置の光コネクタは、医療処置装置に可逆的にかつ繰り返し接続することができる。光接続は、放射線が、医療処置装置と、光コネクタが結合されるコネクタモジュールの対応する光ファイバとの間を通過することができることを意味する。
【0050】
概して、様々な実施形態では、コネクタモジュールは、筐体1170を備えていてもよい。第1の光ファイバ1110、第2の光ファイバ1120および光コンバイナモジュール1300は、完全にまたは部分的に筐体内に収容されていてもよい。筐体1170は、プラスチック筐体、または別の好適な材料、例えば、剛性材料または軟質材料から作製される筐体であってもよい。筐体は、例えば剛性材料から作製された箱であってもよく、または別の形態で、例えば細長い可撓性スリーブとして提供されてもよい。筐体は、単一の区画または複数の区画を形成してもよい。筐体は、医療処置装置に接続されるように構成された一端を有し、それによって第1および第2の光コネクタを医療処置装置の対応する第1および第2の嵌合光コネクタに接続することができる。この目的のために、ばね荷重式(spring-loaded)であり得る第1および/または第2の光コネクタは、筐体の側壁上または側壁内に直接取り付けられてもよく、したがって、容易かつ信頼性のある接続を可能にする。あるいは、ばね荷重式であり得る第1および/または第2の光コネクタは、1つ以上の可撓性光ファイバケーブルを介して、筐体に取り付けられてもよい。したがって、一般に、コネクタモジュールの構成要素は全て、単一の筐体内に収容されてもよく、またはそれらは、2つ以上の別個の筐体間に分散されてもよく、1つ以上の光ファイバケーブルなどを介して相互接続されてもよい。
【0051】
概して、第1および/または第2の光コネクタは、ばね荷重式であり得る。この目的のために、第1および/または第2の光コネクタは、医療処置装置に接続されたときに第1または第2の光コネクタをそれぞれ所定の位置に保持するためのばねまたは他の弾性要素を含んでいてもよい。ばねまたは他の弾性要素は、弾性力を付与するための任意の好適な構成要素、例えば、板ばね、コイルばね等であってもよい。
【0052】
筐体は、追加の機械的コネクタまたはガイド1171、例えば、ガイドレールを備えていてもよく、これは、例えば、ばね荷重式であるコネクタ上の好適な機械的力による医療処置装置への固定を確実にすることによって、確実かつ安全な接続をさらに促進する。この目的のために、ガイドレールまたは他の機械的コネクタは、クリックオン機構を含んでいてもよい。
【0053】
筐体1170は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200が筐体から突出する開口部をさらに含む。筐体1170は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200が筐体から突出する開口部に、軟質コーン1172または他の形態の応力および/または曲げ緩和を含んでいてもよい。
【0054】
第1光ファイバ1110は、シングルモード光ファイバ、またはシングルモードコアを有する光ファイバ(例えばダブルクラッドの光ファイバ)であってもよく、またはシングルモード光ファイバ部を含んでいてもよい。第1の光ファイバまたは第1の光ファイバの少なくともコアは、少なくとも所定の目標波長、特に医療処置装置のセンサモジュールによって、例えば干渉距離センサモジュールによって使用される波長でシングルモードであってもよい。第1の光ファイバ1110は、単一のファイバ部であってもよく、または互いに光学的に結合された、例えば互いにつなぎ合わされた若しくは他の方法で接続された複数のファイバ部を含んでいてもよい。
【0055】
第1の光コネクタ1111は、低反射率光シングルモードファイバコネクタ、例えば、例えば
図14Aおよび
図14Bに関連して説明されるように、光コネクタによって光学的に接続される光ファイバのそれぞれのファイバ端部、すなわち、第1の光ファイバ1110と医療処置装置の対応する第1の光ファイバとの間に物理的接触を提供するコネクタであってもよい。特に、第1の光コネクタは、傾斜物理的接触(APC)コネクタであってもよい。いくつかの実施形態では、低反射率光シングルモードファイバコネクタは、-40dB未満、例えば-50dB、好ましくは-60dB未満、例えば-70dB未満、例えば-80dBの反射率を有する。概して、第1の光コネクタは、少数モードまたはシングルモードのレーザ放射、特に、3より小さいなど、10より小さいV数によって特徴付けられることができる放射を第1の光ファイバに結合するように構成されてもよい。第1の光コネクタは、1W未満、例えば200mW未満、例えば100mW未満の出力を有するシングルモードレーザ放射を第1の光ファイバに結合するように構成されてもよい。
【0056】
したがって、後方反射がほとんどないシングルモードまたは少数モードファイバ間の効率的な光結合が提供される。これは、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のコアを通る放射が、例えばセンサ用途、特に干渉距離測定などの干渉測定のためのセンサレーザ放射である場合に特に有利である。
【0057】
概して、本明細書で使用されるシングルモード放射またはシングルモードレーザ放射という用語は、シングルモード光ファイバまたは他のシングルモード導波路から放出されることによって伝達されるレーザ放射を指す。同様に、本明細書で使用されるマルチモード放射またはマルチモードレーザ放射という用語は、マルチモード光ファイバまたは他のマルチモード導波路を通して伝送される、および/またはそこから放出されるレーザ放射を指す。
【0058】
第2の光ファイバ1120は、マルチモード光ファイバであってもよく、またはマルチモードファイバ部を含んでいてもよい。第2の光ファイバ1120は、単一のファイバ部であってもよく、または互いに光学的に結合された、例えば互いにつなぎ合わされた若しくは他の方法で接続された複数のファイバ部を含んでいてもよい。
【0059】
第2の光コネクタ1121は、SMA905コネクタまたはコリメートビームコネクタなどの高出力光マルチモードコネクタであってもよい。コリメートビームコネクタは、光ファイバコネクタから出射するビームをコリメートするように動作可能なコリメートレンズを含む光ファイバコネクタである。特に、コリメートレンズは、コネクタのコネクタ筐体の内側に配置され得る。コリメートレンズは、コリメートビームコネクタの対応するコリメートビームコネクタとの嵌合を特に低い出力損失で可能にする。したがって、例えば高出力処置レーザ放射に適した高出力接続が提供される。第2の光コネクタは、自立型ファイバ先端コネクタ、すなわち、例えば
図15Aおよび
図15Bに関連して説明されるように、光学的に結合されたファイバのファイバ端部間の物理的接触なしに光学的に結合するように構成されたコネクタであってもよい。ここで、高出力光コネクタという用語は、高出力レーザ放射、特に、例えば光凝固および/または切除による組織の医療処置に適した出力のレーザ放射を伝える光ファイバの光接続に適合された光コネクタを指すことが意図される。第2の光コネクタ1121は、10W以上、例えば100W以上、例えば200W以上、例えば10Wから500Wの出力を有するレーザ放射を伝える光ファイバの光接続に適合されてもよい。概して、第2の光コネクタは、マルチモードレーザ放射、特に、10より大きいV数によって特徴付けられることができる放射を第2の光ファイバに結合するように構成されてもよい。
【0060】
一般に、2つの光コネクタは、嵌合スリーブを介して互いに接続されるように動作可能であり得る。したがって、いくつかの実施形態では、使い捨て光ファイバ装置の光コネクタに結合されるように動作可能である医療処置装置の嵌合光コネクタの各々は、それぞれの嵌合スリーブを備えていてもよく、またはそれぞれの嵌合スリーブに取り付けられていてもよい。使い捨て光ファイバ装置の第2の光コネクタに結合されるように動作可能である医療処置装置の第2の嵌合光コネクタの嵌合スリーブは、少なくとも部分的に、高出力の光接続を可能にするのに十分に高い融点および/または低い熱膨張を有する好適な材料から作製され得る。好適な材料の例には、タングステンカーバイドが含まれる。
【0061】
概して、第1の光コネクタ1111および第2の光コネクタ1121は、医療処置装置との第1の光ファイバ1110および第2の光ファイバ1120の個別の光結合をそれぞれ提供し、すなわち、それらは異なるコネクタであってもよい。特に、第1の光コネクタ1111は、医療処置装置の対応する第1のファイバとの第1の光ファイバ1110の光結合を提供し、第2の光コネクタ1121は、医療処置装置の対応する第2のファイバとの第2の光ファイバ1120の光結合を提供し、医療処置装置の対応する第2のファイバは、医療処置装置の対応する第1のファイバとは異なる。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1および第2の光コネクタは、物理的に別個のコネクタである。特に、光コネクタ1111は、例えば第1のフェルールを含む第1のコネクタ筐体を有してもよく、第2の光コネクタ1121は、第1のコネクタ筐体とは異なる、例えば第2のフェルールを含む第2のコネクタ筐体を有してもよい。他の実施形態では、第1の光コネクタ1111および第2の光コネクタ1121は、単一のコネクタ筐体内に収容されるか、または別な方法で、複数の光学末端を有する単一の複合コネクタとして形成されてもよい。例えば、単一のコネクタ筐体は、複数の光学末端を有するDiamond DM4コネクタなどの2つのフェルールコネクタ筐体であってもよい。
【0063】
少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200は、シングルモードの低出力センサレーザ放射を、そのコアを通して、処置されるべき組織に向けて供給し得る。少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200はさらに、そのコアを通して、少なくともダブルクラッドの光ファイバの遠位端から、第1の光コネクタ1111を介して、医療処置装置にシングルモード反射放射を供給し得る。反射放射は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位端1201によって反射されたセンサレーザ放射、および/または処置されるべき組織によって反射され、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位端1201によって捕捉されたセンサレーザ放射であってもよい。したがって、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のコアは、好ましくは、少なくともセンサレーザ放射の波長または複数の波長においてシングルモードコアである。少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200はさらに、その内側クラッドを通して、処置されるべき組織に向かって、高出力マルチモード処置レーザ放射を供給してもよい。
【0064】
本説明の目的のために、「処置されるべき組織」という用語は、処置されるべき前の組織だけでなく、処置中の組織、さらに処置によって既に影響を受けた組織も指すことが意図される。一般に、処置されるべき組織は、軟組織などの生体組織である。
【0065】
光コンバイナモジュール1130の例は、それぞれ
図4および
図5を参照してより詳細に説明される。
【0066】
任意選択的に、コネクタモジュール1100は、追加の構成要素を備えていてもよい。
【0067】
特に、いくつかの実施形態では、コネクタモジュールは、光コンバイナモジュール1130の温度を感知するように構成された温度センサ1161、例えばサーミスタを備える。温度センサは、PTCまたはNTCセンサであってもよい。温度センサ1161は、電気コネクタ1162を介して医療処置装置に電気的に接続可能であってもよく、したがって、医療処置装置が、動作中に光コンバイナモジュールの温度を監視し、任意に、感知された温度に応答して処置レーザ源の動作を制御することを可能にする。例えば、医療処置装置は、光コンバイナモジュール1130の過熱を防止するために、処置レーザの出力および/またはデューティサイクルを低減するように、あるいはさらに処置レーザをオフにするか、またはシャッタもしくは光学スイッチを閉じるように制御されてもよい。
【0068】
代替的または追加的に、コネクタモジュールは、光コンバイナモジュール1130の受動的または能動的冷却のために構成された冷却部材1131を備えていてもよい。冷却部材は、例えば、コネクタモジュールが医療処置装置に接続されるときに医療処置装置のヒートシンクに熱を輸送するように構成されたヒートシンク、冷却リブ、および/または熱伝導体を備えていてもよい。
【0069】
さらに代替的または追加的に、使い捨て光ファイバ装置1000、特にコネクタモジュール1100は、医療処置装置が使い捨て光ファイバ装置1000の識別子を自動的に登録することを可能にする、RFIDチップ1140または他の形態の装置識別子、例えば、無線可読IDタグを含んでいてもよい。これは、医療処置装置が異なる種類の使い捨て光ファイバ装置と共に動作されるように構成されている場合に有利であり得る。これは、医療処置装置が、その動作パラメータのうちの1つ以上を、接続されている特定の種類の使い捨て光ファイバ装置に適合させることを可能にする。
【0070】
図4は、本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置のコネクタモジュールの光コンバイナモジュール1130の一例を図式的に示す。
【0071】
光コンバイナモジュール1130は、本明細書で開示される実施形態に従って、コネクタモジュールの第1の光ファイバ1110と、使い捨て光ファイバ装置の少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のコアとの間で放射を結合する。光コンバイナモジュール1130はさらに、コネクタモジュールの第2の光ファイバ1120と少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッド、特に内側クラッドとの間で放射を結合する。
【0072】
したがって、第1の光ファイバ1110は、少なくとも1つ以上の標的波長において、シングルモード光ファイバであってもよく、第2の光ファイバ1120は、マルチモード光ファイバであってもよい。
【0073】
光コンバイナモジュール1130は、コアおよびクラッドを有する少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135を備える。少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135のコアは、第1の光ファイバを介して受信される放射の標的波長における少数モード、好ましくはシングルモードコアである。少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135は、任意選択でフッ素化シリカ(F-SiO2)クラッドを有する低指数アクリレートコーティングを含んでいてもよい。少なくともダブルクラッドの光ファイバ部のコアは、5μmから10μmの直径および/または0.07から0.15の開口数を有していてもよい。少なくともダブルクラッドの光ファイバ部のコアは、センサレーザ放射の波長λsensorにおいて、V<10@λsensor、好ましくはV<8@λsensor、例えばV<7@λsensor、例えばV<2.4@λsensorのV数を有していてもよい。
【0074】
V数は、ステップインデックスファイバなどの光ファイバのコンテキストでよく使用される無次元パラメータである。それは、ステップインデックスファイバなどの光ファイバのモードの数を決定する正規化された周波数パラメータである。それは、次のように定義される。
【0075】
【0076】
ここで、λは真空波長であり、αはファイバコアの半径であり、NAは開口数である。ncoreおよびncladdingはそれぞれコアおよび内側クラッドの屈折率を示す。
【0077】
本説明の目的のために、特に明記しない限り、シングルモードファイバおよびシングルモードコアという用語は、それぞれ、関連する波長において2.4未満のV数を有するファイバおよびコアを指す。少数モードファイバおよび少数モードコアという用語は、それぞれ、関連する波長において2.4より大きく10未満のV数を有するファイバおよびコアを指す。マルチモードファイバおよびマルチモードコアという用語は、それぞれ、10より大きいV数を有するファイバおよびコアを指す。
【0078】
光コンバイナモジュール1130は、第1の光ファイバ1110と少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135のコアとの間で放射を結合する第1の接合点1136をさらに備える。第1の接合点1136は、第1の光ファイバ1110の中への戻りマルチモード放射の除去のために構成される、クラッドモードストリッパを提供されてもよい。代替的にまたは追加的に、第1の接合点1136は、散乱面または高指数接着剤(high index glue)および/またはコーティングを備えていてもよい。
【0079】
光コンバイナモジュール1130は、マルチモードファイバ部1137と、第2の光ファイバ1120とマルチモードファイバ部1137との間で放射を結合する第2の接合点1138とをさらに備える。
【0080】
光コンバイナモジュール1130は、マルチモードファイバ部1137と少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135の内側クラッドとの間で放射を結合するために構成された光ファイバコンバイナ1132をさらに備える。光ファイバコンバイナ1132は、サイドポンプコンバイナと呼ばれることもあるサイドコンバイナ、すなわち、少なくともダブルクラッドの光ファイバ部のコアがサイドコンバイナを通過する間にマルチモードファイバ部1137と少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135の内側クラッドとの間で放射を側方に結合するように構成されたコンバイナであってもよい。したがって、サイドコンバイナは、パススルー一次ファイバ(ここでは少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135)の周方向外側に対して斜めにマルチモード二次ファイバ(ここではマルチモードファイバ部1137)を結合/融着する。好ましくは、二次ファイバは、一次ファイバよりも小さい直径を有する。例えば、ダブルクラッドフィードスルーファイバは、200μmの直径(または別の好適な直径)を有してもよく、二次ファイバは、125μmのファイバ直径(またはフィードスルーダブルクラッドファイバの直径よりも小さい別の好適な直径)を有してもよい。側面結合は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135のマルチモード内側クラッドの開口数(NA)のアップコンバージョン、したがって少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の開口数(NA)のアップコンバージョン、例えば、0.22から約0.45へのNAをもたらし得る。これは、次に、処置されるべき組織上の処置レーザ放射のより大きいスポットサイズをもたらす。さらに、サイドコンバイナは、少なくともダブルクラッドの光ファイバ部のコア内を伝搬するセンサレーザ放射が、接合部などによる反射なしにサイドコンバイナを通過することを可能にする。
【0081】
光コンバイナモジュール1130は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135と少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の近位端とを結合するための、特にそれぞれのファイバのコアおよびクラッドを結合するための第3の接合点1134をさらに備える。
【0082】
図5は、本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置のコネクタモジュールの光コンバイナモジュール1130の別の例を図式的に示す。光コンバイナモジュール1130は、全て
図4に関連して説明したように、少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135と、マルチモードファイバ部1137と、光ファイバコンバイナ1132と、第1の接合点1136と、第2の接合点1138と、第3の接合点1134とを備えるという点で
図4の光コンバイナモジュールと同様である。
【0083】
いくつかの実施形態では、
図4および
図5に示される接合点のうちの1つ以上は、省略されてもよい。例えば、少なくともダブルクラッドの光ファイバ部1135は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の近位端によって形成されてもよい。代替的または追加的に、マルチモードファイバ部1137は、第2の光コネクタに取り付けられた第2の光ファイバ1120の一部であってもよい。
【0084】
図5の光コンバイナモジュールは、第1および第2の光ファイバ1110および1120をそれぞれマルチコアの少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200と結合するように構成されている点で
図4の光コンバイナモジュールと異なる。すなわち、
図5の光コンバイナモジュールは、マルチコアの少なくともダブルクラッドの光ファイバを備える使い捨て光ファイバ装置の実施形態と共に使用するためのものである。
【0085】
図6は、マルチコアダブルクラッドの光ファイバ1200の一例を図式的に示す。光ファイバ1200は、外側クラッド1214および内側クラッド1211、例えば、石英から作製され得るマルチモード内側クラッドを含んでいる。光ファイバはさらに、中央シングルモードコア1213と、2つのシングルモードサイドコア1212とを備えている。他の実施形態では、光ファイバは、単一のサイドコアのみ、または2つより多いサイドコアを含んでいてもよい。概して、マルチコア光ファイバは、放射、例えばセンサレーザ放射のための複数の冗長経路を提供するため、信頼性の増加を提供する。これは、センサ信号の信号対雑音比を改善し、またはセンサ検出の信頼性を改善し、例えば、ファイバの先端の部分が組織または他の汚染物質で汚染されているにもかかわらず、継続的な距離測定を可能にし得る。
【0086】
再び
図5を参照すると、光コンバイナモジュール1130は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の近位端にテーパ状ファイバ領域1220をさらに備える。テーパ領域1200は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の単一のコアと少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の1つ以上のさらなるコアとの間の放射の結合のために構成されている。テーパ領域1220は、アップコンバートされたクラッド放射を支持するように高い開口数を可能にするために、テーパウエストを取り囲む空気を有するフェルール内にパッケージ化されてもよい。
【0087】
図7は、テーパ領域1220の動作を示す。特に、
図7は、
図5の実施形態の光ファイバコンバイナ1132とテーパ状ファイバ領域1220との間に延在する少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の近位部分1221と、コンバイナモジュールの筐体から延在し、内視鏡の作業チャネルの中への挿入のために構成される、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位部分1225とを示す。
図7は縮尺通りに描かれておらず、テーパ領域は好ましくはコネクタモジュールの筐体と共に配置されるので、遠位部分1225は典型的には近位部分1221よりもはるかに長いことが理解されるであろう。
【0088】
図7の例では、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200は、
図6に示されるように、1つの中央コアと2つのサイドコアとを有するマルチコアの少なくともダブルクラッドの光ファイバである。しかしながら、他の実施形態では、マルチコアファイバは、異なる数のサイドコアを有していてもよい。
【0089】
動作中、近位ファイバ部1221の中央コアは、第1の光ファイバ1110から放射を伝える。特に、放射は、例えば干渉距離測定のためのシングルモードセンサレーザ放射および/または例えば分光法のための他の種類のセンサ放射であってもよい。近位ファイバ部1221において、サイドコアは、好ましくは、放射を伝えないか、または最小限の放射のみを伝える。
【0090】
光ファイバは、ダウンテーパ領域1222において縮径ファイバ部1223まで細くなるようにテーパが付けられ(tapered down)、その後、再びアップテーパ領域1224において遠位部分1225における通常の直径まで太くなるようにテーパが付けられる(tapered up)。
【0091】
ダウンテーパリングおよびその後のアップテーパリングは、中央コアからサイドコアへの放射の結合を可能にする。縮径部1223の長さは、全てのコアへの等しい結合を可能にするように、または中央コアからの全ての放射をサイドコアに結合するように選択されてもよい。したがって、近位部分1225において、光ファイバ1200は、第1の光ファイバ1110からの放射を、サイドコアのみで、またはすべてのコアで伝える。
【0092】
光ファイバ1200の遠位端1201では、放射は、先端によって部分的に後方に反射されてもよい。残りの放射は、ファイバから出て、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200が向けられる組織から反射されて戻る。したがって、反射光は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200によって再び捕捉され、センサ目的のために、例えば、少なくともダブルクラッドの光ファイバの遠位端1201と反射組織との間の距離の干渉距離感知のために、および/または反射組織の1つ以上の特性の分光分析のために使用されてもよい。
【0093】
その後、遠位部分1225のサイドコアを通って逆方向に伝搬する反射光は、テーパ領域1220によって近位部分1221の中央コアに再び集中され、したがって、反射された放射が、コネクタモジュールの第1の光ファイバおよび第1の光コネクタを介して医療処置装置にフィードバックされることを可能にする。
【0094】
図8A-
図8Fは、本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらなる例を図式的に示す。
【0095】
概して、様々な実施形態では、少なくともダブルクラッドの光ファイバは、少なくともセンサレーザ放射の波長においてシングルモードである、コア、例えば、シリカコアを有する。少なくともダブルクラッドの光ファイバは、コアを取り囲む内側クラッド、例えばシリカクラッドを有する。内側クラッドは、マルチモードコアとして動作可能である。少なくともダブルクラッドのファイバは、内側クラッドを取り囲む外側クラッドをさらに備える。外側クラッドは、シリカまたはポリマークラッド、例えばFSiO2層または低指数アクリレートコーティングであってもよい。いくつかの実施形態は、内側クラッドと外側クラッドとを分離する空気クラッドをさらに備える。
【0096】
少なくともダブルクラッドの光ファイバはさらに、最外保護バッファ、例えば、ナイロン、テフロン(登録商標)、または他の好適な材料から作製され得る生体適合性コーティングを備えていてもよい。
【0097】
様々な実施形態では、コアの屈折率ncは、内側クラッドの屈折率niよりも大きく、内側クラッドの屈折率niは、外側クラッドの屈折率noよりも大きい。
【0098】
特に、
図8Aは、シングルコアダブルクラッドの光ファイバ1200の一例の断面図を図式的に示す。シングルコアダブルクラッドの光ファイバ1200は、外側クラッド1214および内側クラッド1211、例えば石英から作製され得るマルチモード内側クラッドを含む。光ファイバは、例えばドープ石英からの中央シングルモードコア1213をさらに備えている。いくつかの実施形態では、コアは、少数モードコア(例えば、10より小さいV数によって特徴付けられることができる)であってもよい。
【0099】
図8Bは、シングルコアダブルクラッドの光ファイバ1200の別の例の断面図を図式的に示す。前の例におけるように、シングルコアダブルクラッドの光ファイバ1200は、外側クラッド1214および内側クラッド1211、例えば石英から作製され得るマルチモード内側クラッドを含む。光ファイバはさらに、中心シングルモードコア1213を備える。しかしながら、本例では、内側クラッドは六角形の断面を有する。他の実施形態は、他の断面形状、例えば八角形のクラッドを有してもよいことが理解されるであろう。六角形または八角形のクラッドまたは別の適切に成形されたクラッドは、モードをスクランブルし、マルチモードクラッドにおいてより均一な強度分布を可能にする。
【0100】
図8Cは、ダブルクラッドの光ファイバ1200のさらに別の例の断面図を図式的に示す。この例は、
図8Cのダブルクラッドの光ファイバが、中央コア1213に加えてサイドコア1212を有する2コアダブルクラッドの光ファイバであることを除いて、
図8Bの例と同様である。両方のコアは、シングルモードコアまたは少数モードコアであってもよい。
【0101】
図8Dは、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のさらに別の例の断面図を図式的に示す。この例は、
図8Dの光ファイバが成形されたクラッド1211を取り囲むダウンドープ石英層1215をさらに備えることを除いて、
図8Cの例と同様である。
図8Bの成形されたクラッドを有するシングルコア例もまた、このようなダウンドープ石英層が備えられてもよいことが理解されるであろう。
【0102】
図8Eは、少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらに別の例の断面図を図式的に示す。この例は、
図8Eの光ファイバが、例えばプラスチック、EFTE、テフロン(登録商標)、ナイロン、または別の好適な材料で作製され得る外側コーティング/バッファ1216をさらに備えることを除いて、
図8Dの例と同様である。
図6、
図8A~
図8Dおよび
図8Fの例のいずれもまた、このような外側バッファ/コーティングが備えられてもよいことが理解されるであろう。
【0103】
いくつかの実施形態では、少なくともダブルクラッドの光ファイバは、空気クラッド光ファイバである。この点において、
図8Fは、少なくともダブルクラッドの光ファイバのさらに別の例、特に空気クラッド光ファイバの例の断面図を図式的に示す。空気クラッドファイバは、コア1213と、内側クラッド1211と、空気クラッド1217と、外側クラッド1214とを備え、内側および外側クラッドは、空気クラッドによって半径方向に分離されている。空気クラッド1217は、ファイバの長手方向に沿って延びる複数の空気チャネルによって形成されている。空気チャネルは、内側クラッド1211の周囲に分散されている。
【0104】
空気クラッドファイバの様々な実施形態では、コアの屈折率ncは、内側クラッドの屈折率niよりも大きく、内側クラッドの屈折率niは、空気クラッドの屈折率nacよりも大きい。外側クラッドの屈折率noは、内側クラッドの屈折率niと実質的に等しくてもよい。
【0105】
空気クラッドファイバは、特殊なプラスチックコーティングを必要としなくても高い開口数で提供され得、したがって、柔らかい緩衝コーティングの使用を可能にし、これは、ファイバ上の微小曲げ損失を低減する。大きい開口数、例えば、最大0.65@980nmの開口数は、いくつかの実施形態では、提供され得、したがって、処置スポットの大きいスポットサイズを提供し得る。空気クラッドはまた、モードスクランブラとして動作可能であり、それによって、その遠位端においてファイバを出るビームのより均一なビームプロファイルを提供する。
【0106】
いくつかの実施形態では、空気クラッドの空気チャネルは、ファイバの近位端において短い部分、例えば約50μm以下でつぶされてもよく、それによってマルチモード接続損失を低減してもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、空気クラッドの空気チャネルは、ファイバの遠位端において一部分、例えば約50μm以上でつぶされてもよく、それによって、ファイバを出る前にマルチモードビームのビーム拡張を可能にしてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、空気クラッドファイバは、空気クラッドの半径方向内側にフッ素ドープ層1218を備え、それによって、接合点におけるより多くの光の捕捉を促進し、接続損失を低減し、接合点における加熱の問題を低減する。いくつかの実施形態では、フッ素クラッドを有する空気クラッドファイバは、コネクタモジュールのサイドコンバイナの開口数と一致するか、またはそれを超える、0.22から0.30の開口数を有してもよい。
【0109】
概して、様々な実施形態では、例えば、
図6および
図8A~
図8Fの実施形態では、光ファイバのコアまたは複数のコアは、例えば、
図9A~
図9Cに示されるように、異なる寸法を有していてもよい。コア寸法の選択は、ファイバの曲げ性、信号対雑音比などの間のバランスを取り得る。例えば5μm以上、例えば10μmから15μmの大きなコア直径は、例えば干渉距離センサ信号に対して高い信号強度を提供する。10μm未満、例えば約5μmのより小さいコア直径は、よりきつい曲げを容易にする。いくつかの実施形態では、ファイバは、曲げを改善するために、凹んだクラッドと共に、5μmから10μmのコア直径を有していてもよい。
【0110】
図9A~
図9Cは、本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置で使用するための少なくともダブルクラッドの光ファイバのファイバ先端設計の例の縦断面を図式的に示す。
図9A~
図9Cのそれぞれは、遠位端1201を含む少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位部分を示す。例のそれぞれにおいて、遠位端は、好ましくは丸みを帯びた縁部を有する傾斜した先端として提供される。先端は、例えば3°から10°の間で選択され得る角度αで傾斜させられる。
【0111】
概して、様々な実施形態では、光ファイバは、膀胱鏡などの内視鏡の作業チャネルを通して前進させられるのに十分に小さい直径を有する。いくつかの実施形態では、光ファイバ1200は、2mm以下、例えば1.5mm以下、例えば1mm以下、例えば0.75mm以下、例えば0.6mm以下の直径を有する。
【0112】
小型ファイバの場合、レンズまたは他の光学素子をファイバの遠位端に取り付けることは多くの場合実現不可能である。すなわち、光学系は、好ましくは、放射がファイバの先端から処置されるべき組織に向かって発散する状況に適応するように設計される。
【0113】
図9Aは、0.14の開口数および6μmの直径を有するシングルモードコアを有し、したがって、きつい曲げを可能にするシングルコアファイバを示す。
【0114】
図9Bは、0.075の開口数および10μmの直径を有するシングルモードコアを有し、したがって、例えば干渉距離センサ信号に対して高い信号強度を提供するシングルコアファイバを示す。概して、いくつかの実施形態では、少なくともダブルクラッドの光ファイバは、よりきつい曲げを可能にするために、周囲の低指数クラッド溝を有する大きいコア(例えば、10μmから15μmの直径を有する)ステップインデックスファイバを有していてもよい。
【0115】
図9Cは、5μmから8μm、例えば6μmのコア直径から、例えば10μmの拡張されたコア直径に拡張された、拡張された先端、例えば熱的に拡張された先端を有するシングルモードコアを有するシングルコアファイバを示す。このような先端設計は、ファイバモードをファイバ端で拡張させながら、熱プロセスを通して低減されたコア開口数を提供する。
【0116】
図10は、本明細書で開示される実施形態による光ファイバ医療処置装置のより詳細な例を図式的に示す。
【0117】
光ファイバ医療処置装置は、全て
図1に関連して説明したように、医療処置装置2000および使い捨て光ファイバ装置1000を備える。使い捨て光ファイバ装置の実施形態は、
図2~
図5に関連して説明される。使い捨て光ファイバ装置1000は、医療処置装置2000に取外し可能かつ光学的に結合されるように構成されている。使い捨て光ファイバ装置1000は、全て先の図のいずれかに関連して説明したように、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200およびコネクタモジュール1100を備える。
【0118】
例示の光ファイバ医療処置装置は、膀胱鏡を用いるレーザ光凝固および/または切除による膀胱の癌の処置のために構成されている。しかしながら、光ファイバ医療処置装置の他の実施形態は、他の種類の医療処置のために、および/または他の種類の内視鏡とともに使用するために構成されていてもよいことが理解されるであろう。
【0119】
医療処置装置2000は、様々なレーザ源、光検出器および付随する制御回路、並びにユーザインターフェースなどを備える。医療処置装置2000は、その全てのモジュールが単一の筐体に収容されて具現化されてもよいし、またはそれぞれのモジュールが異なる筐体に収容されて具現化されてもよい。
【0120】
医療処置装置2000は、操作者が医療処置装置のユーザ制御可能な機能を制御することを可能にし、装置が処置に関連する情報を出力することを可能にする、例えば、タッチセンシティブディスプレイなどのディスプレイと、キーボード、タッチスクリーンなどの適切なユーザ入力装置とを備えるユーザインターフェースモジュール2110を備える。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースモジュールは、処置レーザ放射の現在のレーザ出力または処置の現在の状態を示す可聴の指示および/または可視の指示を出力するように構成された可聴および/または可視出力/進行状況インジケータを備える。例えば、出力インジケータは、医師がファイバを次のスポットにいつ移動させるかを知るように、処置レーザの出力または測定された処置状態を示してもよい。可聴インジケータは、可聴信号の音量または音の高さによって、繰り返される音の繰り返し速度によって、または別の好適な方法で、出力レベルまたは処置状態を示してもよい。医療処置装置2000は、例えば、医師が膀胱鏡を操作しながら処置レーザを作動させることを可能にするために、フットペダルなどの1つ以上の制御装置2120をさらに備えていてもよい。
【0121】
医療処置装置はさらに、ユーザインターフェースモジュール2110および1つ以上の制御装置2120に電気的におよび/または別の方法で通信可能に接続される、制御ユニット2400を備える。制御ユニット2400は、医療処置装置の様々な光学処置および/またはセンサモジュールを制御するように構成された回路を備える。特に、制御ユニットは、ユーザインターフェースモジュールおよび/または1つ以上の制御装置から受信された入力に応答して、処置レーザ源、センサレーザ源、および/または他の放射線源および/またはセンサを制御するように構成されていてもよい。制御ユニットはさらに、受信されたセンサ信号に応答して、処置レーザ源、センサレーザ源、および/または他の放射線源および/またはセンサを制御してもよい。制御ユニットは、適切なドライバおよび/または通信インターフェースと、処理装置、例えば、適切なプログラムされた中央処理装置とを含んでいてもよい。
【0122】
医療処置装置2000は、光凝固および/または切除によって膀胱の腫瘍組織を処置するのに適した処置レーザ放射を出力するように構成された処置レーザ源2200を備える。いくつかの実施形態では、処置レーザ源は、好ましくは、高い水分およびヘモグロビン吸収および/または低い水分および高いヘモグロビン吸収を提供するように選択される波長で、例えば、約980nmでまたは別の好適な波長で、例えば、750nmから1000nm、例えば、790nmから820nmまたは900nmから1000nm、例えば900nmから940nm、例えば905nmから925nm、または970nmから1000nm、例えば970nmから990nmの範囲で処置レーザ放射を出力するように構成されている。処置レーザ放射は、例えば10Wから200Wの適切な出力を有し得る。処置レーザ源2200からの処置レーザ放射は、好ましくは、使い捨て光ファイバ装置1000の第2の光コネクタ1121および少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッドを通して供給される。
【0123】
医療処置装置はさらに、光ファイバ1200の遠位端と処置されるべき組織との間の距離の干渉距離感知のために構成された第1の光センサモジュール2300を備える。
【0124】
好ましくは、医療処置装置2000は、光ファイバ1200の遠位端と処置されるべき組織との間の感知された距離に応答して、例えば、処置レーザ放射の出力を低減させたり、パルス持続時間またはパルスデューティサイクルを変更したりすることによって、またはさらには、ファイバの先端が組織に近づいたときに処置レーザ放射を停止したりすることによって、処置レーザ源2200を制御するように構成され得る。これは、処置されるべき組織への意図しない損傷を防止し得る。
【0125】
干渉距離感知は、光干渉断層撮影(OCT)からそれ自体知られている広帯域干渉法を使用して実行され得る。この目的のために、第1の光センサモジュールは、例えば800nmから1100nmの範囲で選択される適切な波長でシングルモードレーザ放射を出力するように構成された適切なセンサレーザ源2310を備えていてもよい。膀胱鏡検査などの用途では、センサレーザ放射の波長は、低水分吸収波長、例えば、900nm未満の波長または約1050nmの波長で選択されることが好ましい。センサレーザ放射は、1mWから500mWの出力、すなわち、処置レーザ放射の出力よりもかなり小さい、例えば、少なくとも2または3桁小さい出力を有し得る。
【0126】
第1の光センサモジュール2300は、広帯域干渉法を実行するための分光計2320をさらに備える。この目的のために、第1の光センサモジュールは、使い捨て光ファイバ装置を介して戻る反射される放射、特に、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の先端によって反射される基準放射と、処置されるべき組織によって反射され、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の先端によって捕捉される放射とを受信する。反射される放射に基づいて、医療処置装置は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の遠位端と処置されるべき組織との間の距離を、当該技術分野においてそれ自体知られている方法で決定する。したがって、第1の光センサモジュール2300は、距離測定の基礎として、少なくともダブルクラッドの光ファイバのシングルモードまたは少数モードコアを介してセンサレーザ放射を出力し、少なくともダブルクラッドの光ファイバのシングルモードまたは少数モードコアを介して反射される放射を受信し得る。
【0127】
第1の光センサモジュール2300の干渉距離センサの様々な実施形態は、5μmから200μm、例えば10μmから150μm、例えば50μmから100μmの軸方向分解能を提供する。
【0128】
第1の光センサモジュール2300の干渉距離センサは、異なる方法で実装され得る。いくつかの実施形態では、干渉距離センサは、SLEDおよび分光計を使用するスペクトル領域OCTを採用する。発明者らは、このようなシステムが、約10nm~30nmのSLEDの帯域幅で十分な軸方向分解能を提供することを見出した。したがって、分光計は、比較的小さい帯域幅もカバーするだけでよい。好ましくは、分光計は、0.01nmから0.05nmの分解能を有し、それによって、処置中の距離測定に適した十分な軸方向範囲を得る。干渉距離センサは、CMOS検出器/分光計が良好な感度を有し、InGaAsまたはGaAs SLEDが容易に入手可能である、約800nmから約900nmの範囲の波長で動作し得る。距離センサのこの最大軸方向範囲は、約3mmから10mm、例えば約3mmから9mmであってもよい。
【0129】
別の実施形態では、干渉距離センサは、掃引源レーザおよび検出器を使用するスペクトル領域OCTを採用してもよい。この実施形態は、約10mmから20mmの間まで拡張された最大軸方向範囲という利点を有する。100mW以上の出力は、適切なレーザ源、例えば、1~2mWの1060nmのInGaAsまたはGaAs掃引源レーザを使用して、出力を2mWから500mWの間に高めるようにレーザ放射をYbファイバ増幅器または増幅器チェーンにシードすることによって得ることができる。この実施形態は、レーザ掃引に同期したデータ取得で、従来の掃引源OCTシステムと同様に実施され得る。掃引範囲は、10nmから40nm、例えば約20nm以下となるように選択されてもよく、掃引周波数は、1kHzから100kHz、例えば10kHz以下となるように選択されてもよい。
【0130】
処置中に屈曲および移動させられる可撓性内視鏡を通して前進させられるファイバを介した測定に適応するために、干渉距離センサの様々な実施形態は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200が基準経路およびサンプル経路の両方として使用される共通経路干渉測定を採用する。少なくともダブルクラッドの光ファイバの遠位端からの反射は、基準信号として使用される。したがって、別個の基準アームが回避され、それによってシステムの複雑さおよびコストを低減させる。
【0131】
このような実施形態では、基準信号の好適な振幅は、分光計上の良好な干渉信号を保証する。この目的のために、好適な基準信号振幅は、少なくともダブルクラッドの光ファイバの遠位端の好適なファイバ先端角度、例えば、ファイバの種類およびレーザ出力に応じて、2から10度の角度を選択することによって得られ得る。
【0132】
様々な実施形態では、干渉距離センサ2300のセンサレーザ源2310からの放射および後方反射される放射は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のシングルモードコアを通して、および使い捨て光ファイバ装置1000の第1の光コネクタ1111を通して供給される。発明者らは、干渉距離センサの分光計から少なくともダブルクラッドの光ファイバの遠位端までの信号経路が、好ましくは-60dB未満の低い後方反射損失を有することを認識した。したがって、いくつかの実施形態では、干渉距離測定のためのセンサ信号が供給される使い捨て光ファイバ装置の第1の光コネクタ1111は、好ましくは、低反射コネクタ、例えば、ファイバ間に物理的接触を伴うファイバ光コネクタ、任意に、E2000コネクタなどの傾斜コネクタである。
【0133】
医療処置装置2000は、好ましくは、処置されるべき組織の分光分析のために構成された第2の光センサモジュール2500を備えていてもよい。特に、処置されるべき組織によって反射される放射線のスペクトル特性は、処置の進行の指標として使用されてもよい。この目的のために、医療処置装置は、反射分光法を使用して、例えば白色光反射分光法を使用して、組織の状態を測定するように構成されていてもよい。
【0134】
組織は光処理されると、吸収状態からより散乱した状態へと状態を変化させる。低波長の光は長波長の光よりも反射され、1つ以上の波長における反射される出力の差を測定することによって、組織の散乱状態を推定することができる。したがって、後方反射される放射線の2つ以上の波長間の出力の差を測定することは、組織の光凝固状態の測定、ひいては、処置の状態または進行の測定をもたらす。したがって、様々な実施形態では、医療処置装置は、反射分光法を使用して、処置レーザによって引き起こされる凝固の状態を監視するように構成されている。
【0135】
いくつかの実施形態では、第2のセンサモジュールは、例えば400nmから1100nm、例えば400nmから800nmの波長範囲をカバーするスーパーコンティニュームレーザを使用する照射源を備える。あるいは、照射源は、それぞれの波長で、例えば、以下の波長、約400nm、約500nm、約600nmおよび約700nmおよび/または400nmから700nmの範囲の他の波長のうちの1つ以上で、1つ以上の単色LEDを使用してもよい。
【0136】
いずれにしても、第2の光センサモジュール2500は、処置されるべき組織によって反射される放射を受信するように構成されている。したがって、第2の光センサモジュール2500は、反射される放射を測定するための好適な検出器を備えていてもよい。検出器は、例えば、例えば400nmから1100nm、例えば400nmから800nmの適切な波長範囲をカバーする、例えば1nmまでの分解能を有する格子CCD/CMOS分光計を備えていてもよい。あるいは、検出器は、複数のLEDと時間多重化され得る、光検出器を含んでいてもよい。
【0137】
組織から反射されて戻る放射の良好な信号強度を維持するために、照射光は、第1の光コネクタ1111を通過し、使い捨て光ファイバ装置1000の少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のシングルモードコアを通過すること、すなわち、照射光は、干渉距離測定放射と同じ使い捨て光ファイバ装置を通る経路を共有することが好ましい。分光法は非干渉法であり、したがって干渉距離測定よりもノイズによってより制限される。したがって、様々な実施形態では、使い捨て光ファイバ装置1000の少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のマルチモードクラッドは、分光照射の反射光を捕捉する。すなわち、第2の光センサモジュール2500は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッドを介して、および使い捨て光ファイバ装置1000の第2の光コネクタ1121を介して、第2の光センサモジュール2500の照射源によって照射されることに応答して、処置されるべき組織から反射されて戻る放射を受信する。
【0138】
したがって、医療処置装置は、進行指示を表示または別な方法で出力してもよく、またはさらには、例えば、そうでなければ望ましくない組織損傷をもたらし得る、意図しない過剰処置を防止するように、処置レーザ源2200を自動的に制御してもよい。いくつかの実施形態では、第2の光センサモジュール2500は、少なくともダブルクラッドの光ファイバのシングルモードまたは少数モードコアを介してセンサレーザ放射を出力し、少なくともダブルクラッドの光ファイバのシングルモードまたは少数モードコアを介して、またはマルチモードクラッドを介して反射されるセンサレーザ放射を受信してもよい。スペクトル分析に使用される波長は、好ましくは、900nm未満の波長または約1050nmの波長などの低水分吸収波長で選択されてもよい。特に、いくつかの実施形態では、スペクトル分析に使用される波長は、好ましくは、吸収最大限ヘモグロビンおよび/または別の好適な分子マーカに一致するように選択されてもよい。
【0139】
いくつかの実施形態では、医療処置装置は、追加のまたは代替の光学要素、例えば、以下のさらなる構成要素のうちの1つ以上を含んでいてもよい。医療処置装置2000のいくつかの実施形態は、例えば、光凝固および/または切除のためではなく、組織を切断するために構成される、少なくとも1つの追加の処置レーザ2610を備える。切断レーザは、処置レーザ放射を好適な波長で、例えば、赤外線放射を、例えば水によって吸収される1940nmで出力してもよい。切断レーザ2610からの処置レーザ放射は、好ましくは、第2の光コネクタ1121および使い捨て光ファイバ装置1000の少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッドを通して供給される。いくつかの実施形態では、追加の処置レーザ2610は、処置されるべき組織の近傍の水によって吸収され、処置部位からの処置された組織の除去を促進するように構成される、処置レーザ放射を出力する。この目的のために、追加の処置レーザ2610は、1000nmから2000nm、例えば1200nmから2000nmの波長で、処置レーザ放射を出力するように構成されていてもよい。
【0140】
代替的または追加的に、医療処置装置2000は、処置されるべき腫瘍の特性を決定するために構成される、ラマンセンサ2620または他の好適なセンサを備えていてもよい。ラマンセンサは、例えば、785nm、300mWラマンレーザを用いてもよい。ラマンレーザからのセンサレーザ放射は、好ましくは、使い捨て光ファイバ装置1000の第1の光コネクタ1111および少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のシングルモードコアを通して供給される。ラマンセンサへの戻り放射は、好ましくは、使い捨て光ファイバ装置1000の少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッドおよび第2の光コネクタ1121を通して供給される。
【0141】
さらに代替的または追加的に、医療処置装置は、パイロット光源、例えば、処置されるべき組織の部分を照射し、装置の医師または他のユーザへの照準ガイドとして機能するためのパイロットビームとして好適な可視光を放出するように適合される、パイロットレーザ源または他の種類の光源を含んでいてもよい。パイロットビームは、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200を通して、例えば、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のコアおよび/または内側クラッドを通して供給されてもよい。いくつかの実施形態では、パイロットビームは多色であってもよい。特に、パイロットビームは、医療処置装置のカメラによって検出可能な2つ以上の色成分を含み得る、例えば、少なくとも40nm離れている少なくとも2つの検出可能な色成分を含み得る。少なくとも2つの色成分は、40nm以上の帯域幅を有する広帯域発光スペクトルの一部であってもよく、放出されたパイロット光の強度は、帯域幅にわたって実質的に均一であってもよく、または帯域幅にわたって変化してもよい。2つの検出可能な色成分はそれぞれ、パイロットビームによって照射されるスポットが、カメラ画像において、前記少なくとも2つの色成分の混合として生じる色を有する照射スポットとして、例えば、白色または実質的に白色のスポットとして、人間の観察者に可視であるように、医療処置装置のカメラまたは同様の検出器によって検出可能であるのに十分に高い強度を有していてもよい。
【0142】
いくつかの実施形態では、装置は、ユーザコマンド、第1の処置レーザ放射の動作パラメータ、およびセンサモジュールによって得られるセンサ信号のうちの1つ以上に応答して、可視パイロット光の可視属性、特に強度、色および/または色分布を制御するように構成されている。例えば、装置は、処置レーザ放射を作動させるためのフットペダルまたは他の入力デバイスを操作するユーザに応答して、パイロットビームの可視属性を制御し、例えば、パイロットビームの色および/または強度を変化させてもよい。代替的または追加的に、装置は、少なくとも第1の設定の1つ以上の動作パラメータ、例えば選択されたレーザ出力および/またはデューティサイクル、および/または装置が第1または第2の処置レーザ放射を現在放出しているかどうかに応答して可視属性を制御してもよい。さらに代替的または追加的に、装置は、1つ以上のセンサ信号に応答して、例えば遠位端と処置されるべき組織との間の感知された距離、検出された組織特性に応答して、可視属性を制御してもよい。検出された組織特性は、例えば、遠位端の範囲内の組織の存在、および/または光凝固または切除の感知された段階などを示し得る。組織特性は、処置されるべき組織によって反射される放射の1つ以上のスペクトル特性を感知することによって、または別な方法で感知されてもよい。したがって、パイロットビームの強度、色、または他の可視特性は、1つ以上の状態または動作パラメータをユーザに示すために使用されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、医療処置装置は、手持ち式通信装置2130を備える。手持ち式通信装置は、例えば、有線または無線接続を介して、医療処置装置2000に通信可能に結合されてもよい。手持ち式通信装置は、医療処置装置による処置中に患者からユーザ入力を受信するように構成されたユーザ入力装置、例えばプッシュボタンを備える。ユーザ入力は、処置中に患者によって経験される痛みまたは不快感を示し得る。この目的のために、患者は、患者が処置中に痛みまたは不快感を経験する場合、ボタンを押すように指示され得る。いくつかの実施形態では、ユーザ入力装置は、ユーザ入力に加えられる力または圧力を測定するように構成されていてもよい。したがって、医療処置装置は、測定された力または圧力から痛みまたは不快感の程度を導き出し得る。したがって、医療処置装置の制御ユニット2400は、受信されたユーザ入力に少なくとも部分的に応答して、処置レーザ放射のレーザ出力、パルス持続時間または別の動作パラメータを選択するように構成され得る。
【0144】
医療処置装置2000は、処置レーザ源2200、干渉距離センサを有する第1の光センサモジュール2300、および任意選択の第2の光センサ2500への光インターフェースを有する光コンバイナモジュール2700をさらに備える。追加の光学処理および/またはセンサユニットを有する実施形態では、光コンバイナモジュールはまた、任意のそのようなユニット、例えば、切断レーザ2610および/またはラマンセンサ2620への光インターフェースを有する。
【0145】
上述したように、処置レーザ源2200は、少なくともダブルクラッドの光ファイバのマルチモードクラッドを通して供給される比較的高出力の処置レーザ放射を放出し、一方、第1の光センサモジュール2300の干渉距離センサは、少なくともダブルクラッドの光ファイバのシングルモードまたは少数モードコアを介して低出力の放射を放出および受信する。第2の光センサモジュール2500は、使い捨て光ファイバ装置の少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のシングルモードまたは少数モードコアを通して供給される放射を放出し、使い捨て光ファイバ装置の少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッドを通して放射を受け取る。
【0146】
したがって、光コンバイナモジュール2700は、使い捨て光ファイバ装置1000の第1の光コネクタ1111を介して少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のコアを通して供給される光路を互いに結合するように構成されている。光コンバイナモジュール2700はさらに、使い捨て光ファイバ装置1000の第2の光コネクタ1121を介して少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッドを通して供給される光路を結合するように構成されている。この目的のために、光コンバイナモジュール2700は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のシングルモードコアを通して供給される信号経路を結合するための好適な融合ファイバコンバイナを備えていてもよい。同様に、光コンバイナモジュールは、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のクラッドを通して供給される放射のマルチモード出力および波長分割/結合を実行するために、好適な自由空間構成要素、レンズ、およびダイクロイックフィルタを備えていてもよい。
【0147】
光コンバイナモジュール2700は、使い捨て光ファイバ装置1000に結合される2つの光インターフェース、それぞれシングルモードまたは少数モードインターフェース2810(例えば、10より小さいV数によって特徴付けられることができる)およびマルチモードインターフェース2820(例えば、20より大きいV数によって特徴付けられることができる)を備える。
【0148】
医療処置装置は、好ましくは、シングルモードまたは少数モードインターフェース2810およびマルチモードインターフェース2820とそれぞれインターフェースで接続するための対応する光インターフェースを有する犠牲インターフェースモジュール2800を備える。犠牲インターフェースモジュール2800は、シングルモードまたは少数モードインターフェース2810を、使い捨て光ファイバ装置1000の第1の光コネクタ1111が接続可能である第1の嵌合光コネクタ2101と光学的に接続する。さらに、犠牲インターフェースモジュール2800は、マルチモードインターフェース2820を、使い捨て光ファイバ装置1000の第2の光コネクタ1121が接続可能である第2の嵌合光コネクタ2102と光学的に接続する。医療処置装置の動作中、使い捨て光ファイバ装置1000は、典型的には、各処置の間で新しい使い捨て光ファイバ装置によって交換される使い捨て装置であるため、異なる使い捨て光ファイバ装置が、犠牲インターフェースモジュール2800の嵌合する第1および第2の光コネクタ2101および2102にそれぞれ交換可能に接続されてもよい。したがって、犠牲インターフェースの第1および第2の嵌合光コネクタは、摩耗を受け得る。したがって、比較的容易に交換することができる犠牲インターフェースモジュール2800の提供は、医療処置装置2000の保守を容易にする。
【0149】
医療処置装置のそれぞれの光モジュールから/への放射は、必ずしも使い捨て光ファイバ装置を通して同時に供給されなくてもよいことが理解されるであろう。代わりに、それらは、それらが望ましくない方法で相互作用することを回避するために、好適な方法で時間多重化されてもよい。
【0150】
図11は、少なくともダブルクラッドの光ファイバを通して供給される複数の光路を結合するための光コンバイナモジュールの一例を図式的に示す。光コンバイナモジュール2700は、医療処置装置の様々な光学要素、特に処置レーザ源、およびセンサモジュールへの光インターフェース2701~2708を有する。
【0151】
図示した実施形態では、光コンバイナモジュール2700は、医療処置装置の処置レーザ源からのマルチモード処置レーザ放射の受け取りのための光インターフェース2705を有する。光コンバイナモジュール2700は、医療処置装置の干渉距離センサモジュールからのシングルモードセンサレーザ放射の受け取りのための光インターフェース2701と、干渉距離センサモジュールからのセンサレーザ放射によって照射されることに応答して処置されるべき組織によって反射されたシングルモード応答放射を、医療処置装置の干渉距離センサモジュールに戻すための光インターフェース2702とをさらに有する。同様に、医療処置装置が分光センサモジュールをさらに備える実施形態では、光コンバイナモジュール2700は、医療処置装置の分光センサモジュールからのシングルモードまたは少数モードセンサレーザ放射の受け取りのための光インターフェース2703と、分光センサモジュールからのセンサレーザ放射によって照射されることに応答して処置されるべき組織によって反射されたマルチモード応答放射を、医療処置装置の分光センサモジュールに戻すための光インターフェース2704とをさらに有する。
【0152】
さらに、医療処置装置が、さらなる処置レーザ源、例えば、切断レーザをさらに備える実施形態では、光コンバイナモジュール2700は、医療処置装置の追加の処置レーザ源からのマルチモード処置レーザ放射の受け取りのための光インターフェース2706をさらに有する。医療処置装置が追加のセンサモジュール、例えばラマンセンサをさらに備える実施形態では、同様に、光コンバイナモジュール2700は、医療処置装置の追加のセンサモジュールからのシングルモードまたは少数モードセンサレーザ放射の受け取りのための光インターフェース2707と、追加のセンサモジュールからのセンサレーザ放射によって照射されることに応答して処置されるべき組織によって反射されたマルチモード応答放射を、医療処置装置の追加のセンサモジュールに戻すための光インターフェース2708とをさらに有する。コンバイナモジュール2700の代替実施形態は、医療処置装置のより少ない、追加の、および/または代替の光モジュールに対して、より少ない、追加の、および/または代替の光インターフェースを有してもよいことが理解されるであろう。
【0153】
光コンバイナモジュール2700は、少なくともダブルクラッドの光ファイバのコアを通して供給される光路を互いに結合するように構成されている。光コンバイナモジュール2700はさらに、少なくともダブルクラッドの光ファイバの内側クラッドを通して供給される光路を結合するように構成されている。
【0154】
この目的のために、光コンバイナモジュール2700は、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200のシングルモードコアを通して供給される信号経路を結合するための好適な融合ファイバコンバイナを備える。特に、光コンバイナモジュール2700は、第1の融合ファイバコンバイナ2710、例えば、それぞれのシングルモード光ファイバ2741および2742を介して光インターフェース2710および2702にそれぞれ接続されるシングルモード出力スプリッタを備える。光コンバイナモジュール2700は、シングルモードファイバ2743を介して第1の融合ファイバコンバイナ2710に接続され、シングルモード光ファイバ2744を介して光インターフェース2703に接続される、例えば、波長多重化のために構成される、第2の融合ファイバコンバイナ2720をさらに備える。第2の融合ファイバコンバイナ2720は、干渉距離センサの波長におけるシングルモード放射と分光センサモジュールの波長における少数モード放射との間の波長多重化を実行するように動作可能であってもよい。追加のセンサモジュールを有する実施形態では、光コンバイナモジュール2700は、シングルモードファイバ2745を介して第2の融合ファイバコンバイナ2720に接続され、シングルモード光ファイバ2746を介して光インターフェース2707に接続される、例えば、波長多重化のために構成される、第3の融合ファイバコンバイナ2730をさらに備えていてもよい。結合されたシングルモードおよび少数モード放射は、シングルモードファイバ2747を介して光コンバイナモジュールによって出力される。シングルモードファイバ2741~2747は、少なくとも干渉センサモジュールのセンサレーザ放射の波長においてシングルモードである。シングルモードファイバ2741~2747は、15μm未満、例えば10μm未満の直径を有するコアを有していてもよい。シングルモードファイバ2741~2747は、結合されるそれぞれの波長において10未満のV数を有していてもよい。
【0155】
光コンバイナモジュール2700は、少なくともダブルクラッドの光ファイバの内側クラッドを通して供給される放射のマルチモード出力および波長分割/結合を実行するために、例えば、レンズおよびダイクロイックフィルタを含む、好適な自由空間構成要素2750をさらに備える。この目的のために、自由空間構成要素は、それぞれのマルチモードファイバ2781~2784を介して光インターフェース2704、2705、2706、および2708にそれぞれ光学的に結合される。結合されたマルチモード放射は、マルチモードファイバ2785を介して光コンバイナモジュールによって出力される。マルチモードファイバ2781~2785は、30μmから500μm、例えば50μmから400μm、例えば100μmから200μmの直径のコアを有していてもよい。マルチモードファイバ2781~2785は、20以上のV数を有していてもよい。
【0156】
したがって、光コンバイナモジュール2700は、使い捨て光ファイバ装置に結合される2つの光インターフェース、それぞれシングルモードまたは少数モードインターフェース2810(例えば、10より小さいV数によって特徴付けられることができる)およびマルチモードインターフェース2820(例えば、20より大きいV数によって特徴付けられることができる)を備える。
【0157】
概して、様々な実施形態では、医療処置装置は、干渉距離センサからのセンサレーザ放射を、分光センサからのセンサレーザ放射とともに、少なくとも干渉距離センサのセンサレーザ放射の波長においてシングルモードである光ファイバに多重化するように構成される1つ以上の融合ファイバカプラを備える光コンバイナモジュールを備える。特に、干渉距離センサのセンサレーザ放射の波長は、分光センサの波長と異なっていてもよい。ファイバカプラは、融合3dBカプラであってもよい。
【0158】
様々な実施形態では、医療処置装置は、マルチモード処置レーザ放射およびマルチモードセンサ放射をマルチモード光ファイバに多重化するように構成される光コンバイナモジュールを備える。この目的のために、光コンバイナモジュールは、1つ以上のレンズおよび1つ以上のダイクロイックミラーを含む自由空間構成要素を含み得る。マルチモードセンサ放射は、分光センサモジュールによって放出されるセンサレーザ放射によって照射されることに応答して処置されるべき組織によって反射されたマルチモード応答放射を含んでいてもよい。
【0159】
図12は、本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置1000の別の例を図式的に示す。
【0160】
使い捨て光ファイバ装置1000は、全て
図3に関連して説明されるように、近位端および遠位端1201を有する少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200を備えるという点で、
図3に関連して説明される光ファイバ装置と同様である。
【0161】
使い捨て光ファイバ装置1000は、例えば
図1に関連して説明したように、少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の近位端を医療処置装置(
図3には図示せず)に光学的に接続するためのコネクタモジュール1100をさらに備える。
【0162】
コネクタモジュール1100は、全て
図3に関連して説明したように、第1の光ファイバ1110と、第2の光ファイバ1120と、第1の光ファイバ1110を医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第1の光コネクタ1111と、第2の光ファイバ1120を医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第2の光コネクタ1121と、第1の光ファイバ1110と少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の少なくとも1つのコアとの間で放射を結合し、第2の光ファイバ1120と少なくともダブルクラッドの光ファイバ1200の少なくとも2つのクラッドのうちの少なくとも1つのクラッドとの間で放射を結合するように構成された光コンバイナモジュール1300とを備える。
【0163】
コネクタモジュール1170は、筐体1170をさらに備えており、第1の光ファイバ1110の一部、第2の光ファイバ1120の一部、および光コンバイナモジュール1300は、筐体内に収容されている。
図12のコネクタモジュール1100は、第1の光コネクタ1111および第2の光コネクタ1121が筐体1170に統合されていないが、第1および第2の光ファイバ1110および1120がそれぞれ通って延びる可撓性光ファイバケーブル1112および1122をそれぞれ介して筐体1170に接続されている点で
図3の例と異なる。
図12の例では、第1および第2の光コネクタ1111および1121はそれぞれ、それらの別個のコネクタ筐体を有する。
【0164】
図13は、本明細書で開示される実施形態による使い捨て光ファイバ装置1000の別の例を図式的に示す。
【0165】
使い捨て光ファイバ装置1000は、第1および第2の光コネクタ1111および1121が、第1の光ファイバ1110および第2の光ファイバ1120が通って延びる可撓性光ファイバケーブル1112を介して、光コンバイナ1130を収容する筐体1170に接続される共通のコネクタ筐体1150内に収容されていることを除いて、
図13に関連して説明される光ファイバ装置と同様である。代替の例では、コネクタ筐体1150は、それぞれ第1および第2の光ファイバのための2つの別個の光ファイバケーブルを介して筐体1170に接続されてもよいことが理解されるであろう。
【0166】
明示的に図示または説明されていないが、
図12および
図13の例の各々は、
図3に関連して説明される追加の構成要素のうちの1つ以上、例えば温度センサ、RFIDチップ、および/または冷却部材を含んでいてもよいことが理解されるであろう。同様に、
図13の例のコネクタ筐体1150は、
図3の筐体に関連して説明したように機械的なコネクタまたはガイドを含んでいてもよい。
【0167】
図14Aおよび
図14Bは、本明細書で開示される使い捨て光ファイバ装置の実施形態の第1の光コネクタ、特に低反射率光シングルモードファイバコネクタの一例を概略的に示す。第1の光コネクタ1111は、光ファイバ装置の第1の光ファイバ1110を医療処置装置2000、特に医療処置装置2000の嵌合光コネクタ2101に取外し可能かつ光学的に接続するためのものである。
図14Aは、非接続状態にある第1の光コネクタを示し、一方、
図14Bは、接続状態にある第1の光コネクタ1111を示す。すなわち、第1の光コネクタ1111は、嵌合光コネクタ2101に取外し可能に接続され、第1の光ファイバ1110は、医療処置装置2000の光ファイバ2111に光学的に結合される。第1の光コネクタ1111は、第1の光コネクタ1111が嵌合光コネクタ2101に取外し可能に接続されるときに、第1の光ファイバ1110の近位端111を医療処置装置2000の光ファイバ2110の端面211に光学的に結合するように構成されている。特に、第1の光コネクタ1111は、物理的接触コネクタ、すなわち、第1の光ファイバ1110の近位端111が医療処置装置の光ファイバ2111の端面211に当接する状態で、第1の光ファイバ1110の近位端111を医療処置装置2000に取外し可能に接続するように構成されている光コネクタである。この目的のために、第1の光ファイバおよび医療処置装置の光ファイバの端面は、物理的に接触するときに改善された光結合を提供するように、傾斜および/または丸みを帯びていてもよい。第1の光ファイバおよび/または医療処置装置の光ファイバは、ファイバ端部間の物理的接触を確実にするように、それらのそれぞれのコネクタ筐体内にばね荷重式で取り付けられてもよい。光ファイバは、それぞれのフェルールによって周方向に囲まれていてもよいことが理解されるであろう。フェルールは、好ましくは、第1の光コネクタが嵌合光コネクタ2101に取外し可能に接続されるときにファイバ端面の物理的接触を確実にするように、ファイバ端部がそれぞれのフェルールの少なくとも軸方向端部に延びるように構成されている。
【0168】
図15Aおよび
図15Bは、本明細書で開示される使い捨て光ファイバ装置の実施形態の第2の光コネクタ、特に高出力光マルチモードコネクタの一例を概略的に示す。第2の光コネクタ1112は、光ファイバ装置の第2の光ファイバ1120を医療処置装置2000、特に医療処置装置2000の嵌合光コネクタ2102に取外し可能かつ光学的に接続するためのものである。
図15Aは、非接続状態にある第2の光コネクタを示し、一方、
図15Bは、接続状態にある第2の光コネクタ1112を示す。すなわち、第2の光コネクタ1112は、嵌合光コネクタ2102に取外し可能に接続され、第2の光ファイバ1120は、医療処置装置2000の出力光ファイバ2112に光学的に結合される。第2の光コネクタ1112は、第2の光コネクタ1112が嵌合光コネクタ2102に取外し可能に接続されるときに、第2の光ファイバ1120の近位端112を医療処置装置2000の出力光ファイバ2112の端面221に光学的に結合するように構成されている。特に、第2の光コネクタ1112は、自立型ファイバ先端コネクタ、すなわち、光学的に結合されたファイバのファイバ端部間の物理的接触なしに光結合するように構成されたコネクタである。第2の光コネクタ1112は、第2の光ファイバ1120の近位端111が医療処置装置2000の出力光ファイバ2112の端面221から離れて位置付けられた状態で、第2の光ファイバ1120の近位端112を医療処置装置2000に取外し可能に接続するように構成されている。この目的のために、第2の光コネクタ1112は、出力光ファイバ2112の端面221から放出された光を第2の光ファイバ1120の端面112に結合するように構成されたコリメートレンズなどのレンズ120を含んでいてもよい。代替的または追加的に、嵌合光コネクタ2101は、1つ以上のレンズを含んでいてもよい。光ファイバは、それぞれのフェルールによって周方向に囲まれていてもよいことが理解されるであろう。概して、第2の光コネクタは、医療処置装置に取外し可能に接続されるときに、第2の光ファイバの近位端を医療処置装置の光学要素と直接物理的に接触させることなく、光が第2の光ファイバの中に結合されることを可能にするように構成されている。第2の光ファイバ1120の近位端112と出力光ファイバ2112の端面112とを分離する空間は、空気、または第2の光ファイバを介して伝送されるレーザ放射に対して適切に透過的である別の材料によって充填される空隙であってもよいことが理解されるであろう。
【0169】
様々な態様が、様々な実施形態を参照して説明されてきた。本開示を読むと、他者には修正および変更が思い浮かぶであろう。本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内に入る限りにおいて、全てのそのような修正および変更を含むと解釈されることが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使い捨て光ファイバ装置であって、前記使い捨て光ファイバ装置は、
近位端および遠位端を有する少なくともダブルクラッドの光ファイバであって、前記遠位端は、内視鏡の作業チャネルを通して前進させられるように構成されており、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバは、少なくとも1つのコアおよび少なくとも2つのクラッドを有する、少なくともダブルクラッドの光ファイバと、
前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記近位端を医療処置装置に光学的に接続するためのコネクタモジュールと、
を備え、
前記コネクタモジュールは、
第1の光ファイバと、
第2の光ファイバと、
前記第1の光ファイバを前記医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第1の光コネクタと、
前記第2の光ファイバを前記医療処置装置に取外し可能かつ光学的に接続するための第2の光コネクタと、
前記第1の光ファイバと前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも1つのコアとの間で放射を結合し、前記第2の光ファイバと前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも2つのクラッドのうちの少なくとも1つのクラッドとの間で放射を結合するように構成された光コンバイナモジュールと、
を備える、
使い捨て光ファイバ装置。
【請求項2】
前記第1の光ファイバは、シングルモード若しくは少数モード光ファイバであるか、またはシングルモード若しくは少数モードコアを有する、
請求項1に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項3】
前記第2の光ファイバは、マルチモード光ファイバである、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項4】
前記第1の光コネクタは、低反射率光シングルモードコネクタである、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項5】
前記第2の光コネクタは、高出力光マルチモードコネクタである、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項6】
前記第1および/または第2の光コネクタはばね荷重式である、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項7】
前記光コンバイナモジュールはサイドコンバイナを含む、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項8】
前記サイドコンバイナは、前記第2の光ファイバ、または前記第2の光ファイバに光学的に結合されたマルチモードファイバ部と、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも1つのクラッドとの間で放射を側方に結合するように構成されており、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも1つのコアは、前記サイドコンバイナを通過する、
請求項7に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項9】
前記サイドコンバイナは、第1のファイバ直径を有するマルチモードファイバ部と少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのクラッドとの間で放射を側方に結合するように構成されており、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの少なくとも1つのコアは、前記サイドコンバイナを通過し、前記
少なくともダブルクラッドの光ファイバは、前記マルチモードファイバ部の前記
第1のファイバ直径よりも大きい直径を有する、
請求項
7に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項10】
前記コネクタモジュールは温度センサを備える、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項11】
前記コネクタモジュールは、前記光コンバイナモジュールを冷却するために構成された冷却部材を備える、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項12】
前記少なくともダブルクラッドの光ファイバは、2つ以上のコアを有するマルチコアファイバであり、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバは、前記2つ以上のコアのうちの第1のコアと、前記第1のコアと異なる前記2つ以上のコアのうちの少なくとも第2のコアとの間の放射の結合のために構成されたテーパ領域を備える、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項13】
前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの遠位端は、傾斜した先端を有する、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項14】
前記コネクタモジュールは、少なくとも前記光コンバイナモジュールと、前記第1の光ファイバの少なくとも一部と、前記第2の光ファイバの少なくとも一部とを収容する第1の筐体を備える、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項15】
前記第1の筐体は、前記第1および第2の光コネクタをさらに収容する、
請求項14に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項16】
前記第1の光コネクタおよび/または前記第2の光コネクタは、前記第1の筐体の外側に配置されており、前記第1の光ファイバおよび/または前記第2の光ファイバの一部を収容する可撓性光ファイバケーブルを介して前記第1の筐体に接続されている、
請求項14に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項17】
前記第1の光ファイバは、近位端および遠位端を有しており、前記第1の光コネクタは、前記第1の光ファイバの前記近位端を前記医療処置装置の光ファイバの端面に光学的に結合するように構成されており、前記第1の光コネクタは、前記第1の光ファイバの前記近位端が前記医療処置装置の前記光ファイバの前記端面に当接する状態で、前記第1の光ファイバの前記近位端を前記医療処置装置に取外し可能に接続するように構成されている、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項18】
前記第1の光コネクタは
、10より小さいV数を有するシングルモードレーザ放射を結合するように構成されている、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項19】
前記第2の光ファイバは、近位端および遠位端を有しており、前記第2の光コネクタは、前記第2の光ファイバの前記近位端を前記医療処置装置
の光ファイバに光学的に結合するように構成されており、前記第2の光コネクタは、前記第2の光ファイバの前記近位端が前記医療処置装置の前
記光ファイバの端面から離れて位置付けられた状態で、前記第2の光ファイバの前記近位端を前記医療処置装置に取外し可能に接続するように構成されている、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項20】
前記第2の光コネクタは、10より大きいV数および10W以上の出力を有するマルチモードレーザ放射を前記第2の光ファイバに結合するように構成されている、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置。
【請求項21】
医療処置装置と、
請求項
1または2に記載の使い捨て光ファイバ装置と、
を備え、
前記使い捨て光ファイバ装置は、前記医療処置装置に取外し可能かつ光学的に結合されるように構成されている、
光ファイバ医療処置装置。
【請求項22】
前記医療処置装置は、
医学的状態の処置のための処置レーザ放射を出力するように構成された処置レーザ源であって、前記医療処置装置は、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記クラッドを介して前記処置レーザ放射を出力するように構成されている、処置レーザ源と、
センサレーザ放射を出力するように構成されたセンサレーザ源を含むセンサモジュールであって、前記医療処置装置は、前記少なくともダブルクラッドの光ファイバの前記少なくとも1つのコアを介して前記センサレーザ放射を出力するように構成されている、センサモジュールと、
を備える、
請求項21に記載の光ファイバ医療処置装置。
【請求項23】
前記センサモジュールは、干渉距離感知モジュールおよび/または分光センサモジュールを備える、
請求項22に記載の光ファイバ医療処置装置。
【請求項24】
前記処置レーザ放射はマルチモード放射であり、前記センサレーザ放射はシングルモードまたは少数モードレーザ放射である、
請求項2
2に記載の光ファイバ医療処置装置。
【国際調査報告】