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特表2025-501953植物におけるEimeriaの配列の発現およびそのための植物産生ワクチン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】植物におけるEimeriaの配列の発現およびそのための植物産生ワクチン
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/012 20060101AFI20250117BHJP
   A01H 5/10 20180101ALI20250117BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20250117BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20250117BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20250117BHJP
   C12N 5/04 20060101ALI20250117BHJP
   A61K 36/18 20060101ALI20250117BHJP
   A61P 33/02 20060101ALI20250117BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20250117BHJP
   C07K 14/455 20060101ALN20250117BHJP
   C12N 15/30 20060101ALN20250117BHJP
【FI】
A61K39/012
A01H5/10
C12N15/63 Z
C12P21/02 C
C12N5/10
C12N5/04
A61K36/18
A61P33/02
A23K10/30
C07K14/455 ZNA
C12N15/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539530
(86)(22)【出願日】2022-12-22
(85)【翻訳文提出日】2024-08-14
(86)【国際出願番号】 US2022082240
(87)【国際公開番号】W WO2023129867
(87)【国際公開日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】63/266,112
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523455172
【氏名又は名称】メイズン アニマル ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ハワード, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】エーゲルクラウト, エリン
(72)【発明者】
【氏名】シュレイダー, ジョアン
【テーマコード(参考)】
2B150
4B064
4B065
4C085
4C088
4H045
【Fターム(参考)】
2B150AA02
2B150AA03
2B150AA05
2B150AB10
2B150DD42
4B064AG31
4B064CA11
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA01
4B065AA88X
4B065AA88Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA43
4C085AA03
4C085BA05
4C085BB11
4C085CC40
4C085EE01
4C085GG08
4C088AB11
4C088AC04
4C088BA16
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZC64
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA20
4H045DA86
4H045EA31
4H045FA74
(57)【要約】
Eimeriaのポリペプチドを発現するワクチンおよび方法が提供され、動物に投与した場合にEimeriaに対する防御応答が生じる。ワクチンは、植物または植物部分の胚組織に優先的に発現を指示するプロモーターに連結された、植物または植物部分におけるEimeriaワクチンタンパク質3-1e、Gam82、および/またはEF-1aポリペプチドの発現を提供する。さらなる実施形態は、ポリペプチドが、アポプラスト/細胞壁または小胞体を標的とし得ることを提供する。植物または植物部分で増大した発現レベルが得られる。一実施形態における植物または植物材料は、経口投与され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物においてEimeriaに対する防御応答を生じさせる方法であって、
a)少なくとも1つのEimeriaワクチンタンパク質を含む植物もしくは植物産物、またはそれと少なくとも90%の同一性を有する配列もしくは少なくとも10mg/kgのレベルで前記植物の種子に発現する前記少なくとも1つのEimeriaワクチンタンパク質の機能的断片を含む組成物を前記動物に経口投与することと、
b)前記動物において前記Eimeriaに対する防御応答を生じさせることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記組成物が植物材料または植物組織を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が種子または種子の胚を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記防御応答が前記動物における血清抗体応答を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記血清抗体応答が、前記ワクチンを投与していない動物における血清抗体応答よりも少なくとも4倍大きい、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのEimeriaワクチンタンパク質が、3-1eポリペプチド、Gam82ポリペプチドおよび/またはEF-1aポリペプチドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのEimeriaワクチンタンパク質が、アポプラストまたは小胞体を標的とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
Eimeriaワクチンタンパク質の植物産生ポリペプチドを含むワクチンであって、
(a)植物の胚組織に優先的に発現を指示するプロモーターと、
(b)本明細書に開示されるようなEimeriaワクチンタンパク質をコードする核酸分子、またはそれと少なくとも90%の同一性を有する配列または前記プロモーターに作動可能に連結された機能的断片と、
(c)前記植物のアポプラストまたは小胞体における前記ポリペプチドの発現を標的とし、前記植物の種子の少なくとも1mg/kgのレベルで前記植物において前記Eimeriaワクチンタンパク質を発現する核酸分子と
を含む構築物を含む植物または植物産物を含む、ワクチン。
【請求項9】
前記構築物が、少なくとも2つのEimeriaワクチンタンパク質を含み、前記Eimeriaワクチンタンパク質が、3-1eポリペプチド、Gam82ポリペプチドまたはEF-1aポリペプチドを含む、請求項8に記載のワクチン。
【請求項10】
前記少なくとも1つのEimeriaワクチンタンパク質が、前記植物における発現のために最適化されていない、請求項8に記載のワクチン。
【請求項11】
前記構築物が、pr44-BAASS:3-1e pr44-BAASS:Gam82、pr44-BAASS:EF-1a、pr44-BAASS:3-1e KDEL pr44-BAASS:EF-1a KDEL、またはpr44-BAASS:Gam82 KDELを含む、請求項8に記載のワクチン。
【請求項12】
Eimeriaワクチンタンパク質が3-1eポリペプチドを含み、前記3-1eポリペプチドが配列番号1を含むか、または配列番号2もしくは3によってコードされる、請求項8に記載のワクチン。
【請求項13】
Eimeriaワクチンタンパク質がEF-1aポリペプチドを含み、前記EF-1aポリペプチドが配列番号4を含むか、または配列番号5もしくは6によってコードされる、請求項8に記載のワクチン。
【請求項14】
Eimeriaワクチンタンパク質がGam82ポリペプチドを含み、前記Gam82ポリペプチドが配列番号7を含むか、または配列番号8もしくは9によってコードされる、請求項8に記載のワクチン。
【請求項15】
Eimeriaワクチンタンパク質またはその機能的断片のポリペプチドを発現する方法であって、
(a)植物の胚組織に優先的に発現を指示するプロモーターと、
(b)本明細書に開示されるようなEimeriaワクチンタンパク質をコードする核酸分子またはそれと少なくとも90%の同一性を有する配列または前記プロモーターに作動可能に連結された機能的断片と、
(c)前記植物のアポプラストおよび/または小胞体における前記ポリペプチドの発現を標的とし、前記植物の種子の少なくとも1mg/kgのレベルで前記植物において前記Eimeriaワクチンタンパク質を発現する核酸分子と
を含む構築物を植物に導入することを含む、方法。
【請求項16】
前記構築物が、構築物EIA、構築物EIB、構築物EIDおよび/または構築物EIEを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記Eimeriaワクチンタンパク質が3-1eポリペプチドを含み、前記3-1eポリペプチドが配列番号1を含むか、または配列番号2もしくは3によってコードされる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記Eimeriaワクチンタンパク質がEF-1aポリペプチドを含み、前記EF-1aポリペプチドが配列番号4を含むか、または配列番号5もしくは6によってコードされる、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記Eimeriaワクチンタンパク質がGam82ポリペプチドを含み、前記Gam82ポリペプチドが配列番号7を含むか、または配列番号8もしくは9によってコードされる、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記Eimeriaワクチンタンパク質が、前記植物または植物部分において少なくとも50mg/kgのレベルで発現する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記Eimeriaワクチンタンパク質またはその断片が、前記植物または植物産物において全種子の少なくとも10mg/kgのレベルで発現する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、米国特許法第119条の下で、2021年12月29日に出願された米国仮特許出願第63/266,112号に基づく優先権を主張する。この仮特許出願は、本明細書、特許請求の範囲、および要約、ならびにそれらの任意の図、表、付録、または図面を含むが、これらに限定されない、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府による資金提供を受けた研究に関する記載
本発明は、USDA-国立食品農業研究所によって付与されたSBIR助成金#2019-33610-29782、Production of a Candidate Vaccine for Avian Coccidiosis in maizeの下で政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明に一定の権利を有する。
【0003】
電子的に提出された配列表の参照
本出願は、XML形式で電子的に提出された配列表を含み、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。2022年12月13日に作成された前記XMLコピーは、「P13608US01_SequenceListing.xml」という名称で、サイズが18,077バイトである。
【背景技術】
【0004】
背景
コクシジウム症は、アピコンプレクサ寄生原生動物によって引き起こされる家禽、ブタおよびウシの感染症であり、世界中で問題を呈している。特に、家禽の保健福祉は、Eimeria属のいくつかの病原体および寄生原生動物によって脅かされている。腸上皮細胞内に侵入して複製するEimeriaによる感染は、ニワトリの福祉を損ない、高価な処置を必要とする可能性がある。これらの処置の費用は、感染によって引き起こされる損失と相まって、世界中の養鶏産業に毎年20億ドルを超える費用がかかると推定されている。Eimeria感染はまた、Clostridium perfringensなどの他の病原体への曝露の結果を悪化させ、併せて壊死性腸炎を引き起こすことが実証されている
【0005】
7種のEimeriaがニワトリに感染することが認識されており、これらは繁殖力、病原性、および腸内の複製位置が異なる。さらに、感染の大部分を引き起こす3つの循環株、Eimeria acervulina、Eimeria tenellaおよびEimeria maximaが存在する。生きているEimeriaオーシストによるニワトリの免疫化は有効であり、ほぼ70年間コクシジウム症経口生ワクチンの基礎となってきたが、完全に防御されるためには、ニワトリに各Eimeria種由来のオーシストをワクチン接種しなければならない。生ワクチンが、Eimeriaのすべての病原性種についてオーシストの制御された用量を含むことを必要とし、場合によっては、複数のEimeria maxima株は、厳密な特定病原体除去の条件下ですべてのワクチン株をニワトリで別々に増殖させなければならないため、ロジスティックなワクチン製造を必要とする。別の重要な検討事項は、ほとんどのEimeria種による病原性抗原投与からニワトリを防御するのに十分なレベルの防御免疫を生成するために、ワクチン寄生生物の糞口リサイクルが必要であることである。したがって、複数のEimeria種に対して防御的な組換えワクチンが非常に望ましく、これは、異なる寄生生物種およびライフサイクル段階に由来する複数の抗原を含有すべきである。
【0006】
商業的なニワトリ生産におけるEimeriaの制御は、現在、抗コクシジウム薬(化学物質および抗生物質)と生の毒性または弱毒化したEimeria種の製剤を使用するワクチン接種との組み合わせに依存している。抗コクシジウム薬の大量投与が防除方法として長年用いられてきたが、薬剤耐性が現在まん延しており、新たな化学防除手段は開発されておらず、家畜における抗生物質の使用を減らすための公的/法的圧力が高まっている。さらに、既存のワクチンは高価であり、動物に有害なストレスを引き起こす可能性がある。この必要性に対処して、植物生産ワクチンは、生産コストおよび機器使用を最小限に抑えながら大量のワクチンタンパク質を供給することができる。例えば、トウモロコシ生産ワクチンは、費用対効果が高く、熱に安定であり、様々な動物への直接給餌に適している。
【0007】
したがって、本発明者らは、Eimeria acervulina、Eimeria tenellaおよびEimeria maximaのうちの1またはそれを超えるものに対する免疫応答を誘導するために、高レベルの3-1e、EF-1アルファおよびGam82を発現するトウモロコシ系統を生産し、最適化し、特徴付けることを試みた。第2の目的は、経口送達された場合にトウモロコシ粒中のバイオカプセル化Eimeria抗原が有効なワクチンを提供することを実証することであった。本発明の商業的目標は、ニワトリにおいてEimeria種の抗原投与に対して85%を超える防御を提供するワクチンである。この研究が成功裏に終わると、抗生物質への依存およびこの疾患に関連する経済的損失を減らすはずである鳥コクシジウム症のための低コスト、熱安定性、有効な経口ワクチンの将来の開発につながる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
簡単な要旨
植物から産生されるEimeriaワクチンが提供される。動物においてEimeriaに対する防御応答を生じさせるワクチンおよび方法を提供する。植物または植物産物を動物に経口投与すると、防御応答が観察される。実施形態は、前記植物の種子中に少なくとも10mg/kgのレベルで発現する少なくとも1つのEimeriaワクチンタンパク質を含む植物または植物産物を経口投与することを提供する。Eimeriaワクチンタンパク質は、3-1e、Gam82、および/またはEF-1aを含む。実施形態は、植物の胚組織に優先的に発現を指示するプロモーターを提供する。さらなる実施形態は、Eimeriaワクチンタンパク質の発現を、アポプラストまたは小胞体を標的とすることを提供する。さらなる実施形態は、植物における高レベルでのその発現用の構築物およびプラスミドを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、Eimeria抗原発現構築物の概略図を示すグラフである。4つのプラスミド構築物は、トウモロコシでEimeria抗原の3-1e、Gam82および/またはEF-1ポリペプチド(まとめて「Eimeriaワクチンタンパク質」と呼ばれる)を種々に発現するように設計された。4つの構築物は、構築物EIA(3-1eおよびGam82を発現)、構築物EIB(EF-1aを発現)、構築物EID(3-1eおよびEF-1aを発現)、および構築物EIE(Gam82を発現)を含む。EIAおよびEIBはアポプラスト/細胞壁を標的とし、EIDおよびEIEは小胞体を標的とする。細胞/オルガネラターゲティング配列(BAASS:細胞壁/アポプラスト)はすべての構築物に含まれた。C末端配列(KDEL:ER)はコドン最適化EID構築物およびEIE構築物に含まれた。胚優先プロモーター(Pr44:種子胚)を使用して、すべての構築物において高い遺伝子転写およびその後の高収率のタンパク質産生を駆動した。mRNA安定性を高めるために、ジャガイモプロテアーゼ阻害剤II(pinII)の非翻訳3’領域も転写終結要素としてすべての構築物に付加された。
【0010】
図2図2は、構築物EIAおよびEIDにおける3-1eの種子粒発現のウエスタンブロットである。種子を収穫し、ウエスタンブロットによって分析して3-1eを検出した。各レーンは、EIAまたはEIDのいずれかにおける独立した挿入事象からの1つの植物からの種子を表す。レーン1は、約27kDの予想MWで特異的バンドを示す3-1e標準である。特に、レーン1で予想されるよりも大きく泳動するバンドは、3-1e凝集および/または翻訳後修飾に起因する。レーン2は、標準ラダーである。レーン3(HiII)は非形質転換陰性対照である。レーン4~7はEIA構築物を表し、レーン4、5、および7は約27kDの予想MWで特異的バンドを示す。レーン8~10はEID構築物を表し、レーン8および10は約27kDの予想MWで特異的バンドを示す。
【0011】
図3図3は、構築物EIBおよびEIDにおけるEF-1aの種子粒発現のウエスタンブロットである。種子を収穫し、ウエスタンブロットによって分析してEF-1aを検出した。各レーンは、EIBまたはEIDのいずれかにおける独立した挿入事象からの1つの植物からの種子を表す。レーン1はEF-1a標準であり、レーン2は標準ラダーである。レーン3(HiII)は非形質転換陰性対照である。レーン4~7はEIB構築物を表し、レーン8~10はEID構築物を表す。レーン4~10は、約51kDの予想MWで特異的なバンドを示す。バンドは、翻訳後修飾のために、より大きく泳動するように見え得る。
【0012】
図4図4は、構築物EIAおよびEIEにおけるGam82の種子粒発現のウエスタンブロットである。種子を収穫し、ウエスタンブロットによって分析してGam82を検出した。各レーンは、EIAまたはEIEのいずれかにおける独立した挿入事象からの1つの植物からの種子を表す。レーン4~7はEIA構築物を表し、レーン8~10はEIE構築物を表す。レーン1は、約67kDの予想MWで特異的バンドを示すGam82標準である(矢印を参照)。レーン2は、標準ラダーである。レーン3(HiII)は非形質転換陰性対照である。レーン4~10は、約67kDの予想MWで特異的バンドを示す。バンドは、翻訳後修飾のために、より大きく泳動するように見え得る。
【0013】
図5図5は、EIA pr44-BAASS:3-1e pr44-BAASS:Gam82のプラスミドマップである。
【0014】
図6図6は、EIB pr44-BAASS:EF-1aのプラスミドマップである。
【0015】
図7図7は、EID pr44-BAASS:3-1e KDEL pr44-BAASS:EF-1a KDELのプラスミドマップである。
【0016】
図8図8は、EIE pr44-BAASS:Gam82 KDELのプラスミドマップである。
【0017】
図9A図9A図9Cは、ブロイラー鶏におけるEimeriaワクチンについての概念実証研究の結果を示す。図9Aは、4つの処置群(群あたり24羽)におけるE.acervulinaの病変スコア結果を示す。高用量群で有意なワクチン効果が観察された。図9Bは、4つの処置群(群あたり48羽)における抗原投与12日後(試験27~33日目)の調整飼料変換率を示す。高用量ワクチン群は、陽性対照および低用量ワクチン群よりも有意に良好な飼料変換率であった。図9Cは、4つの処置群における抗原投与6日後のオーシスト排出量の減少率を示す。結果は、高用量ワクチン群および低用量ワクチン群の両方について排出量の低下を示す。
図9B図9A図9Cは、ブロイラー鶏におけるEimeriaワクチンについての概念実証研究の結果を示す。図9Aは、4つの処置群(群あたり24羽)におけるE.acervulinaの病変スコア結果を示す。高用量群で有意なワクチン効果が観察された。図9Bは、4つの処置群(群あたり48羽)における抗原投与12日後(試験27~33日目)の調整飼料変換率を示す。高用量ワクチン群は、陽性対照および低用量ワクチン群よりも有意に良好な飼料変換率であった。図9Cは、4つの処置群における抗原投与6日後のオーシスト排出量の減少率を示す。結果は、高用量ワクチン群および低用量ワクチン群の両方について排出量の低下を示す。
図9C図9A図9Cは、ブロイラー鶏におけるEimeriaワクチンについての概念実証研究の結果を示す。図9Aは、4つの処置群(群あたり24羽)におけるE.acervulinaの病変スコア結果を示す。高用量群で有意なワクチン効果が観察された。図9Bは、4つの処置群(群あたり48羽)における抗原投与12日後(試験27~33日目)の調整飼料変換率を示す。高用量ワクチン群は、陽性対照および低用量ワクチン群よりも有意に良好な飼料変換率であった。図9Cは、4つの処置群における抗原投与6日後のオーシスト排出量の減少率を示す。結果は、高用量ワクチン群および低用量ワクチン群の両方について排出量の低下を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
説明
Eimeriaは、ワクチン開発を成功させるためのモデル寄生性病原体としていくつかの利点を提供する。本発明者らは、ワクチンの開発を進めるために、高レベルのEimeriaタンパク質を発現するトウモロコシ系統を生産し、最適化し、特徴付けた。Eimeria抗原は、単一のトウモロコシ系統の穀粒中で一緒に産生され、これを使用して、動物対象において、Eimeria acervulina、Eimeria tenellaおよびEimeria maximaに対する免疫応答を誘導した。植物産生タンパク質の使用および複数のEimeria抗原の同時使用は、以前の研究よりも大きな防御効果をもたらすと予測される。この単純で費用効果の高いEimeriaワクチンタンパク質の産生および投与の方法は、ニワトリおよび他の動物におけるワクチン開発を大きく前進させる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、Eimeria抗原の3-1e、Gam82およびEF-1aに基づくサブユニットワクチンの製造の基礎としてトウモロコシ穀粒を使用する。実施形態では、サブユニットワクチンは、3-1e(Lillehoj,HSら、2005;Ding,X.ら、2004)などのEimeria acervulina由来の抗原、Gam82(Belli,S.ら、2004の抗原)などのEimeria maxima由来の抗原、およびEimeria tenella伸長因子-1a(EF-1a)(Wu,S.ら、2004;Pogonka,T.ら、2003)などのEimeria tenella由来の抗原を含む、鳥類原虫抗原に由来する免疫原/抗原に基づいてもよい。少なくとも1mg/kg全種子の高い発現レベルが得られる。一実施形態は、約10~600mg/kgの平均範囲を提供する。さらなる実施形態は、11mg/kg、12mg/kg、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40mg/kgの全種子またはそれを超えるまたはその間の量での発現を提供する。
【0020】
植物、植物部分、または植物部分から産生された産物、例えば、種子、穀物、小麦粉、またはEimeriaタンパク質(例えば、3-1e、Gam82、および/またはEF-1a)を含む植物、植物部分もしくはそれから産生された産物を含む他の食用組成物の経口投与は、対象動物に対する抗原投与からの防御をもたらし得る。対象動物は、応答で検出可能な抗体を産生してもしなくてもよいが、動物は、疾患抗原投与に曝露されると、動物が感染に対抗することができるように、ワクチンの投与に起因する罹患率または死亡率が低下する。本発明の組成物はまた、意外な血清抗体応答ならびに粘膜応答を誘導し得る。1つの実施形態における血清抗体応答が対照の2倍超~100倍超の範囲にある。別の実施形態において、応答は、ワクチン接種を受けない対照動物の5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、50倍、55倍、60倍、65倍、70倍、75倍、80倍、85倍、90倍、95倍、またはそれを超えること、あるいはその間での量であることが可能である。
【0021】
本明細書で使用される場合、「動物」または「対象」または「対象動物」という用語は、ニワトリおよびヒトを含む他の動物を含むことを意図している。
【0022】
本明細書中で使用される場合、核酸またはポリヌクレオチドの用語は、一本鎖形態または二本鎖形態でのどちらでもデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドおよびそれらのポリマーを示す。ワクチンを作製するために使用される配列は、どのような供給源からであっても、例えば、生物学的サンプルから単離する際の生物学的供給源などから得られる場合があり、または前記サンプルから得られる配列に基づいて合成的に製造される配列を示すことができる。そのようなものとして、これらの用語には、RNAおよびDNAが含まれ、これらは、遺伝子またはその一部分、cDNA、合成ポリデオキシリボ核酸配列、あるいは同様なものであることが可能であり、また、一本鎖状または二本鎖状、同様にまた、DNA/RNAのハイブリッドであることが可能である。さらには、これらの用語は、細胞から単離することができる天然に存在する核酸分子、同様にまた、例えば、化学合成の方法によって、または酵素的方法によって、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などによって調製することができる合成分子が含まれるように本明細書中では使用される。具体的に限定される場合を除き、これらの用語は、参照核酸と類似した結合特性を有し、かつ、天然に存在するヌクレオチドに類似する様式で代謝される、天然ヌクレオチドの知られている類似体を含有する核酸を包含する。別途示される場合を除き、特定の核酸配列がまた、明示的に示される配列と同様に、当該核酸配列の保存的改変バリアント(例えば、縮重コドン置換体)、および相補的配列を暗黙的に包含する。具体的には、様々な縮重コドン置換が、1またはそれを超える選択された(あるいはすべての)コドンの3番目の位置が混合塩基残基および/またはデオキシイノシン残基により置換される配列を生じさせることによって達成され得る(Batzerら、(1991)Nucleic Acid Res.19:5081;Ohtsukaら、(1985)J.Biol.Chem.260:2605-2608;Cassolら、(1992);Rossoliniら、(1994)Mol.Cell.Probes、8:91-98)。核酸の用語は、遺伝子、cDNA、および遺伝子によってコードされるmRNAと交換可能に使用される。
【0023】
本書で用いられる核酸には、ポリペプチド全体をコードする核酸、同様にまた、当該ポリペプチドの部分配列をコードする核酸、または防御応答をもたらすフラグメントを生じさせる核酸が含まれる。例えば、全長ではなく、それにもかかわらず、Eimeriaに対する保護活性を有するポリペプチドをコードする核酸。本発明には、本明細書中に示されるようなヌクレオチド配列が含まれる核酸だけでなく、例示された実施形態と実質的に同一である、または例示された実施形態に対応する、または例示された実施形態に対して実質的に相補的である核酸もまた含まれる。例えば、本発明には、少なくとも約70%の同一性を本明細書中に示されるヌクレオチド配列に対して有するヌクレオチド配列、より好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、85.5%、86%、86.5%、87%、87.5%、88%、88.5%、89%、89.5%、さらにより好ましくは少なくとも90%、90.5%、91%、91.5%、92%、92.5%、93%、94.5%、94%、94.5%、いっそうより好ましくは少なくとも約95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、95.5%、100%の同一性(またはどのような百分率であれその間の百分率)を例示されたヌクレオチド配列に対して有するヌクレオチド配列が含まれる核酸が含まれる。ヌクレオチド配列は、産生されるポリペプチドがどれも、防御応答の生成を誘導することが可能である限り、前述のように改変され得る。防御応答は、動物における強い血清抗体応答を含む。
【0024】
核酸は、当業者に知られている様々な方法を使用して得ることができる。好適な核酸(例えば、cDNA、ゲノムまたは部分配列)をクローニングすることができ、またはインビトロ方法によって、例えば、好適なプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写に基づく増幅システム(TAS)、または自己持続配列複製システム(SSR)などによって増幅することができる。多種多様なクローニング方法論およびインビトロ増幅方法論が当業者には広く知られている。多くのクローニング訓練を通じて当業者を導くために十分であるこれらの技術および説明書の様々な例が、BergerおよびKimmel、Guide to Molecular Cloning Techniques、Methods in Enzymology 152、Academic Press,Inc.、San Diego、Calif.(Berger);Sambrookら(2001)Molecular Cloning-A Laboratory Manual(第3版)、Vol.1-3、Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Press、NY(Sambrook他);Current Protocols in Molecular Biology、F.M.Ausubel他編、Current Protocols、Greene Publishing Associates,Inc.と、John Wiley&Sons,Inc.との間での共同事業体、(1994年増補)(Ausubel);Cashionら、米国特許第5,017,478号;およびCarr、欧州特許第0,246,864号において見出される。インビトロ増幅方法を介して当業者を導くために十分である技術の様々な例が、Berger、Sambrook、およびAusubel、同様にまた、Mullisら(1987)、米国特許第4,683,202号;PCR Protocols A Guide to Methods and Applications(Innis他編)、Academic Press Inc.San Diego、Calif.(1990)(Innis);Amheim&Levinson(1990年10月1日)、C&EN、36-47;The Journal Of NIH Research(1991)3:81-94;Kwohら、(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86:1173;Guatelliら、(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87、1874;Lomellら、(1989)J.Clin.Chem.、35:1826;Landegrenら、(1988)Science、241:1077-1080;Van Brunt(1990)Biotechnology、8:291-294;WuおよびWallace(1989)Gene、4:560;およびBarringerら、(1990)Gene、89:117において見出される。インビトロ増幅核酸をクローニングする改善された様々な方法が、Wallaceらの米国特許第5,426,039号に記載される。様々な核酸、またはこれらの核酸の部分配列を、例えば、適切な配列のクローニングおよび制限を含めて、どのような方法であれ上記で記載されるような好適な方法によって調製することができる。
【0025】
「コドン最適化」を、配列を発現のために最適化するために使用することができる。これは、「コドン最適化」は、生来的配列の少なくとも1つのコドン、2つ以上のコドン、またはかなりの数のコドンを、組み換え宿主においてより頻繁に、または最も頻繁に使用されるコドンにより置き換えることによって、核酸配列を組み換え宿主の細胞における増強された発現のために改変することとして定義される。様々な生物種が、特定のアミノ酸のある特定のコドンについては特定の偏りを示す。
【0026】
本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド」は一般には、ペプチドおよびタンパク質を示す。ある特定の実施形態において、ポリペプチドは、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個もしくは10個またはそれを超えるアミノ酸である、あるいはそれを超える、あるいはどのような量であれその間の量であり得る。ペプチドは一般には、50個を超えるアミノ酸であると見なされる。用語「フラグメント」、用語「誘導体」および用語「ホモログ」は、本発明によるポリペプチドに言及するときには、前記ポリペプチドと本質的に同じ生物学的な機能または活性を保持するポリペプチド、すなわち、抗原として作用する、かつ/あるいは疾患のための処置および/または疾患からの保護をもたらすポリペプチドを意味する。そのようなフラグメント、誘導体およびホモログを、ポリペプチドの生物学的活性の1つまたはそれを超えるものを保持する能力、すなわち、抗原として作用する、かつ/あるいは病原体のための処置および/または病原体からの保護をもたらす能力に基づいて選定することができる。本発明のポリペプチドワクチンは、組換えポリペプチド、天然ポリペプチドまたは合成ポリペプチドである場合があり、好ましくは組換えポリペプチドであり得る。当業者は、防御ポリペプチドが、宿主細胞、および動物に投与される植物組成物における遺伝子によって発現させられ、投与前に植物から抽出され得ることが可能であることを認識する。
【0027】
「保存的改変バリアント」はアミノ酸配列および核酸配列の両方に当てはまる。特定の核酸配列に関して、保存的改変バリアントは、同一のアミノ酸配列もしくは本質的に同一のアミノ酸配列をコードするそのような核酸、または核酸がアミノ酸配列をコードしない場合には、本質的に同一の配列を示す。遺伝暗号の縮重のために、多数の機能的に同一の核酸により、どのようなポリペプチドであれ所与のポリペプチドがコードされる。例えば、CGU、CGC、CGA、CGG、AGAおよびAGGの各コドンがすべて、アミノ酸のアルギニンをコードする。したがって、アルギニンが、あるコドンによって指定されるどの位置においても、このコドンは、コードされたポリペプチドを変化させることなく、記載される対応するコドンのいずれかに変更することができる。そのような核酸変動は、「保存的改変変動」の1つの種である「サイレント置換」または「サイレント変動」である。ポリペプチドをコードする本明細書中に記載されるどのポリヌクレオチド配列もまた、別途記される場合を除いて、ありとあらゆるサイレント変動を表す。したがって、サイレント置換は、アミノ酸をコードするあらゆる核酸配列の言外の特徴である。当業者は、核酸におけるそれぞれのコドン(通常はメチオニンのための唯一のコドンであるAUGを除く)が、標準的な技術によって、機能的に同一の分子を得るために改変され得ることを認識するであろう。いくつかの実施形態において、防御ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は好ましくは、ポリペプチドまたはRNAを産生させるために使用される特定の宿主細胞(例えば、酵母、哺乳動物、植物、真菌、および同様なもの)における発現のために最適化される。
【0028】
アミノ酸配列については、当業者は、コードされた配列におけるただ1つのアミノ酸または小さい割合のアミノ酸を変更する、または付加する、または欠失する、核酸配列、ペプチド配列、ポリペプチド配列またはタンパク質配列に対する個々の置換、欠失または付加が、化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換が当該変更によってもたらされる「バリアント」として本明細書中では示される「保存的改変バリアント」であることを認識するであろう。機能的に類似したアミノ酸を提供する様々な保存的置換表がこの技術分野では広く知られている。例えば、Davisら、“Basic Methods in Molecular Biology”Appleton&Lange、Norwalk、Conn.(1994)を参照のこと。そのような保存的改変バリアントは、本発明の多型バリアント、種間ホモログおよび対立遺伝子に加えてのものであり、それらを除外しない。
【0029】
下記の8つの群がそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含有する:1)アラニン(A)、グリシン(G);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リシン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W);7)セリン(S)、トレオニン(T);および8)システイン(C)、メチオニン(M)。
【0030】
単離されたバリアントタンパク質は、それを生来的に発現する細胞から精製することができ、またはそれを発現するように変更されている細胞から精製することができ(組換え)、または知られているタンパク質合成方法を使用して合成することができる。例えば、バリアントポリペプチドをコードする核酸分子が発現ベクターにクローニングされ、発現ベクターが宿主細胞に導入され、バリアントタンパク質が宿主細胞において発現させられる。その後、バリアントタンパク質を、標準的なタンパク質精製技術を使用する適切な精製スキームによって細胞から単離することができる。これらの技術の多くが下記において詳しく記載される。特に、Eimeriaタンパク質という語句は、本明細書ではEimeria抗原と同義で使用される。
【0031】
方法には、少なくとも約70%の同一性を本明細書中に示されるアミノ酸配列に対して有するアミノ酸配列、より好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも85%、85.5%、86%、86.5%、87%、87.5%、88%、88.5%、89%、89.5%、さらにより好ましくは少なくとも90%、90.5%、91%、91.5%、92%、92.5%、93%、94.5%、94%、94.5%、いっそうより好ましくは少なくとも約95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、95.5%、100%の同一性(またはどのような割合であれその間の割合)を例示されたヌクレオチド配列に対して有するアミノ酸配列が含まれるアミノ酸が含まれる。配列は、ポリペプチドが、防御応答の生成を誘導することが可能である限り、前述のように改変され得る。
【0032】
本方法において使用されるバリアントタンパク質は、キメラタンパク質または融合タンパク質を形成するために異種配列に取り付けることができる。そのようなキメラタンパク質および融合タンパク質は、バリアンタンパク質とは実質的に相同的ではないアミノ酸配列を有する異種タンパク質に読み枠を合わせて融合されるバリアントタンパク質を含む。異種タンパク質はバリアントタンパク質のN末端またはC末端に融合することができる。
【0033】
キメラタンパク質または融合タンパク質を標準的な組換えDNA技術によって産生させることができる。例えば、異なるタンパク質配列をコードするDNAフラグメントが、従来の技術に従って読み枠を合わせて一緒に連結される。別の実施形態において、融合遺伝子を、自動化DNA合成機が含まれる従来の技術によって合成することができる。代替において、遺伝子フラグメントのPCR増幅を、後でアニーリングされ、キメラ遺伝子配列が生じるように再増幅されることが可能である2つの連続する遺伝子フラグメントの間での相補的な突出部を生じさせるアンカープライマーを使用して行うことができる(Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology、1992を参照のこと)。そのうえ、融合成分(例えば、GSTタンパク質)を既にコードする多くの発現ベクターが市販されている。バリアントタンパク質をコードする核酸を、融合成分がバリアントタンパク質に読み枠を合わせて連結されるようにそのような発現ベクターにクローニングすることができる。
【0034】
ポリペプチドはときには、20個の天然の存在するアミノ酸として一般には示される20個のアミノ酸とは別のアミノ酸を含有する。さらに、末端アミノ酸を含めて多くのアミノ酸が、天然のプロセス、例えば、プロセシングおよび他の翻訳後修飾などによって、またはこの技術分野では広く知られている化学的修飾技術によって改変され得る。ポリペプチドにおいて天然に生じる一般的な修飾が、基礎的なテキスト、詳細なモノグラフ、および研究文献に記載されており、それらは当業者には広く知られている。したがって、本発明のバリアントペプチドはまた、置換されたアミノ酸残基が、遺伝暗号によってコードされるものではない誘導体または類似体、置換基が含まれる誘導体または類似体、成熟ポリペプチドが別の化合物と、例えば、ポリペプチドの半減期を増大させるための化合物(例えば、ポリエチレングリコール)などと融合される誘導体または類似体、あるいは追加のアミノ酸が成熟ポリペプチドに融合される、例えば、リーダー配列もしくは分泌配列、または成熟ポリペプチドもしくはプロタンパク質配列を精製するための配列などが融合される誘導体または類似体を包含する。
【0035】
知られている修飾には、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合付着、ヘム成分の共有結合付着、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合付着、脂質または脂質誘導体の共有結合付着、ホスホチジルイノシトールの共有結合付着、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマカルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解的プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、タンパク質へのアミノ酸の転移RNA媒介付加(例えば、アルギニル化など)、およびユビキチン化が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
本発明の方法はさらに、核酸分子およびポリペプチド(ポリペプチドのバリアントタンパク質を含む)の機能的フラグメントを、そのようなフラグメントが抗原として作用し、かつ/あるいはEimeriaのための処置および/またはEimeriaからの保護をもたらすことを条件として、そのようなフラグメントを含むタンパク質およびペプチド、ならびにそのようなフラグメントからなるタンパク質およびペプチドに加えて、提供する。
【0037】
本明細書中で使用される場合、用語「サブユニット」は、保護をもたらし、自身が抗原性であるかもしれない、すなわち、免疫応答を動物において誘導することが可能であるかもしれない微生物の一部分を示す。この用語は、組換え方法および生化学的方法の両方によって得られるサブユニットが含まれるように解釈されなければならない。
【0038】
一実施形態では、防御を誘発するウイルスまたは核酸の防御配列を同定する方法が提供される。この方法は、核酸分子の断片、誘導体またはホモログも含む。一態様では、本方法は、そのような配列を試験動物に投与することを含む。続いて、試験動物および対照動物は、疾患を引き起こす感染量の微生物を抗原投与される。防御が提供されるか否かを決定するための様々な方法および技術が当業者に公知であり、例えば、限定されないが、疾患の症状における試験動物と対照動物との差異を観察することが挙げられる。対照動物と比較して試験動物で観察された症状のいずれかの減少は、防御分子が疾患に対してある程度の防御を提供することを示す。対照動物で観察された症状と比較して、試験動物で観察された類似の症状または症状のいずれかの増加は、防御分子が防御を提供しないことを示す。
【0039】
別の態様では、分子がEimeriaに対する防御を提供したか否かを決定することは、電子顕微鏡法もしくは抗体によって試験動物における抗原投与疾患の有無を決定することを含むか、または蛍光フォーカス中和(FFN)試験もしくはウエスタンブロットアッセイなどのアッセイが使用され得る。PCR法を使用して、防御分子が存在するか否かを決定してもよい。ノーザンブロッティングは、診断配列の存在を検出し得る。別の態様では、ELISAまたは同様のアッセイ、例えばヘマグルチニン阻害アッセイは、防御分子が有効であるか否かを決定し得る多くの様々なアッセイのタイプである。ELISAまたは酵素結合イムノアッセイは、1971年以来知られている。一般に、緩衝液に可溶化された抗原は、プラスチック表面にコーティングされる。血清を添加すると、抗体は固相上の抗原に結合し得る。これらの抗体の有無は、酵素にコンジュゲートした場合に実証され得る。適切な基質を添加することにより、定量化され得る結合コンジュゲートの量が検出される。一般的なELISAアッセイは、ビオチン化抗(タンパク質)ポリクローナル抗体およびアルカリホスファターゼコンジュゲートを使用するものである。例えば、タンパク質レベルの定量に使用されるELISAは、商業的に得られるポリクローナルウサギ抗体を利用する抗体サンドイッチアッセイであり得る。抗体は、検出用にアルカリホスファターゼにコンジュゲートされる。別の例では、トリプシンまたはトリプシノゲンを検出するためのELISAアッセイは、ビオチン化抗トリプシンまたは抗トリプシノゲンポリクローナル抗体およびストレプトアビジン-アルカリホスファターゼコンジュゲートを使用する。
【0040】
明らかに、分子が防御を提供し、動物に投与されるレベルで防御を提供するか否かを確認するために、多くのそのような方法が当業者に利用可能である。
【0041】
核酸分子、ポリペプチドまたはその断片は、対象動物に投与されると、Eimeriaに対する防御応答を生じる。防御応答が動物で誘発される。対象動物は、応答で抗体を産生してもしなくてもよいが、本明細書でさらに記載されるように、動物はワクチンの投与に起因する罹患率または死亡率が低下するであろう。本明細書で使用される「防御する」、「防御」、「防御免疫」または「防御免疫応答」という用語は、宿主対象動物が本発明のワクチンまたはポリペプチドに対する能動免疫応答を開始し、疾患抗原投与に曝露されると、対象動物が感染に対抗できることを意味することを意図している。したがって、防御免疫応答は、宿主動物間の微生物への曝露による罹患率および死亡率の発生率を低下させる。対象動物は、その後の病原体への曝露から防御される。一実施形態では、病原体に既に曝露された動物を、そのような曝露後にワクチンまたはポリペプチドを投与することにより処置することによって、動物が防御され得る。そのような例では、罹患率および死亡率の低下も示されている。当業者は、市販の動物環境では、集団全体に及ぼすワクチン接種の効果を評価することによって防御免疫応答の生成が評価され、例えば、ワクチン接種動物の少数に依然として罹患率および死亡率があり得ることを理解するであろう。さらに、防御は、防御されていない同様の動物において分離株によって典型的に引き起こされる変化または症状と比較した(すなわち、適切な対照に対する)疾患の肉眼的または組織病理学的な変化および/または症状の重症度の軽減も含む。したがって、防御免疫応答は、対照動物と比較して疾患の症状を低減させる。
【0042】
「構築物」は、様々な技術を介して細胞のゲノムに挿入される遺伝物質のパッケージである。「ベクター」は、どのような手段であれ核酸の宿主細胞への移入のための手段である。ベクターは、別のDNAセグメントが、取り付けられたセグメントの複製をもたらすように取り付けられ得るレプリコンであり得る。「レプリコン」は、インビボでのDNA複製またはRNA複製の自律的ユニットとして機能する、すなわち、それ自身の制御のもとでの複製が可能であるいずれかの遺伝要素(例えば、プラスミド、ファージ、コスミド、染色体、ウイルス)である。用語「ベクター」には、核酸をインビトロで、エクスビボで、またはインビボで細胞に導入するためのウイルス手段および非ウイルス手段の両方が含まれる。ウイルスベクターには、アルファウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、ポックスベクター、バキュロウイルスベクター、ワクシニアベクター、単純ヘルペスベクター、エプスタイン・バーベクター、狂犬病ウイルスベクター、水疱性口内炎ウイルスベクターおよびアデノウイルスベクターが含まれる。非ウイルスベクターには、プラスミド、リポソーム、電荷を帯びた脂質(サイトフェクチン)、DNAタンパク質複合体またはRNAタンパク質複合体、およびバイオポリマーが含まれるが、これらに限定されない。核酸に加えて、ベクターはまた、1またはそれを超える調節領域、ならびに/あるいは核酸移入結果(どの組織への移入か、発現継続期間など)を選択すること、測定すること、およびモニタリングすることにおいて有用である選択マーカーを含有し得る。
【0043】
「カセット」は、特定の制限部位においてベクターに挿入することができるDNAのセグメントを示す。DNAのセグメントは目的のポリペプチドをコードし、またはRNAを産生させ、カセットおよび制限部位は、転写および翻訳のための適正な読み枠での当該カセットの挿入を保証するように設計される。
【0044】
核酸分子が、細胞に挿入されるときには当該細胞に導入される。細胞は、外因性または異種のDNAまたはRNAが細胞の内部に導入されているときにはそのようなDNAまたはRNAによって「トランスフェクション」されている。
【0045】
遺伝子が、所望の特徴(例えば、所望の細胞内局在化配列)を含有するように操作されると、遺伝子はその後、標準的な方法によって発現ベクター内に設置され得る。適切な発現ベクターの選択は、発現ベクターを宿主細胞に導入する方法に依存するであろう。典型的な発現ベクターは、細菌の複製起点についてコードする原核生物DNAエレメント、ならびに細菌宿主における成長および発現ベクターの選択に備えるための抗生物質耐性遺伝子;外因性DNA配列の挿入のためのクローニング部位;外因性遺伝子の転写の開始を制御する真核生物DNAエレメント;および転写物のプロセシングを制御するDNAエレメント、例えば、転写終結/ポリアデニル化配列などを含有する。発現ベクターはまた、ベクターの宿主染色体内への最終的な一体化のために必要とされるような配列を含有すことができる。「プロモーター」によって、それに連結される配列の転写を調節することが可能であるDNAの調節領域が意味される。この調節領域は通常、RNA合成を特定のコード配列のための適切な転写開始部位で開始するようにRNAポリメラーゼIIを導くことが可能であるTATAボックスを含む。プロモーターは、転写を所望の様式で導くために十分である最小配列である。用語「調節領域」はまた、転写を所望の様式で開始させることが可能である配列を示すために使用される。
【0046】
核酸分子は、それ自身のプロモーターまたは別のプロモーターと併せて使用され得る。1つの実施形態において、選択マーカー、目的とする核酸分子を、同じプロモーターに機能的に連結することができる。別の実施形態において、それらは、異なるプロモーターに機能的に連結することができる。さらに第3および第4の実施形態において、発現ベクターは、同じプロモーターまたは異なるプロモーターに連結されることが可能である目的とする2またはそれを超える遺伝子を含有することができる。例えば、1つのプロモーターを、目的とする核酸分子と、選択マーカーとを駆動させるために使用することができ、あるいは、異なるプロモーターを1つまたはそれぞれのために使用することができる。これらの他のプロモーターエレメントは、プロモーター依存的遺伝子発現を、細胞タイプ特異的、組織特異的または時間特異的もしくは発達段階特異的であるとして、あるいは外部のシグナルまたは作用因によって誘導可能であるとして制御可能にするために構成的または十分であるものが可能である。そのようなエレメントは遺伝子の5’側領域または3’側領域に位置し得る。追加のプロモーターが、目的とする構造遺伝子の内因性プロモーターであり得るにもかかわらず、プロモーターはまた、外来の調節配列であることが可能である。産物タンパク質および選択遺伝子の発現を制御するために用いられるプロモーターエレメントは、宿主適合性プロモーターがどのようなものであれ可能である。これらは、植物遺伝子プロモーターであることが可能であり、例えば、ユビキチンプロモーター(欧州特許出願第0342926号);リブロース-1,5-ビス-ホスファートカルボキシラーゼの小サブユニット(ssRUBISCO)のためのプロモーター(Coruzziら、1984;Broglieら、1984);あるいはAgrobacterium tumefaciens由来の腫瘍誘導プラスミドからのプロモーター、例えば、植物活性を有するノパリンシンターゼプロモーター、オクトピンシンターゼプロモーターおよびマンノピンシンターゼプロモーターなど(VeltenおよびSchell、1985);あるいはウイルスプロモーター、例えば、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の19Sプロモーターおよび35Sプロモーター(Guilleyら、1982;Odellら、1985)、ゴマノハグサモザイクウイルスFLtプロモーター(Maitiら、1997)、またはTMVのコートタンパク質プロモーター(Grdzelishviliら、2000)などであることが可能である。代替において、植物プロモーター、例えば、熱ショックプロモーター(例えば、ダイズhsp17.5-E(Gurleyら、1986))など、またはエタノール誘導性プロモーター(Caddickら、1998)が使用され得る。好適に用いられる例示的な植物プロモーターの総説については、国際特許出願公開番号WO91/19806を参照のこと。
【0047】
プロモーターは加えて、転写開始速度に影響を与える、TATAボックスの一般には上流側に、すなわち、5’端側に配置される他の認識配列(これは上流側プロモーターエレメントとして示される)を含むことができる。プロモーター領域のためのヌクレオチド配列が特定されているので、本明細書中に特定される特定のプロモーター領域の上流側にある5’領域におけるさらなる調節エレメントを単離し、特定することは、最先端技術の範囲内であることが認識される。したがって、プロモーター領域は一般には、上流側の調節エレメント、例えば、コード配列、エンハンサーおよび同様なものの組織発現および時間的発現を担う調節エレメントなどを含むことによってさらに定義される。
【0048】
組織優先プロモーターを、特定の組織の内部における増強された転写および/または発現を目標とするために利用することができる。優先的発現に言及するとき、意味するものは、特定の組織における、他の組織におけるよりも高いレベルでの発現である。これらのタイプのプロモーターの例には、胚優先発現、例えば、ファセオリンプロモーターによってもたらされる発現(Bustosら(1989)、The Plant Cell、Vol.1、839-853)などが含まれる。双子葉植物については、胚優先プロモーターには、マメβ-ファセオリン、ナピン、β-コングリシニン、ダイズレクチン、クルシフェリン、および同様なものが含まれるが、これらに限定されない。単子葉植物については、胚優先プロモーターには、トウモロコシの15kDゼイン、22kDゼイン、27kDゼイン、γ-ゼイン、waxy、shrunken1、shrunken2の各遺伝子、Ltp1遺伝子(例えば、米国特許第7,550,579号を参照のこと)、Ltp2遺伝子(Opsahl-Sorteberg,H-G.ら(2004)、Gene、341:49-58、および米国特許第5,525,716号)、およびオレオシン遺伝子が含まれるが、これらに限定されない。end1遺伝子およびend2遺伝子からの胚優先プロモーターが開示される国際公開WO00/12733もまた参照のこと。種子優先プロモーターにはまた、遺伝子発現を主に種子内の特定の組織に導くプロモーター、例えば、γ-ゼインの胚乳優先プロモーター、タバコ由来の潜在性プロモーター(Fobertら、(1994)“T-DNA tagging of a seed coat-specific cryptic promoter in tobacco”Plant J.4:567-577)、トウモロコシ由来のP遺伝子プロモーター(Chopraら、(1996)“Alleles of the maize P gene with distinct tissue specificities encode Myb-homologous proteins with C-terminal replacements”Plant Cell 7:1149-1158、Plant Cell1997、1:109の訂正)、トウモロコシ由来のグロブリン-1プロモーター(BelangerおよびKriz(1991)“Molecular basis for Allelic Polymorphism of the maize Globulin-1 gene”Genetics 129:863-972、およびGenBankアクセション番号L22344)、発現をトウモロコシ穀粒の種皮または種子外皮に導くプロモーター、例えば、果皮特異的グルタミンシンテターゼプロモーター(Muhitchら、(2002)“Isolation of a Promoter Sequence From the Glutamine Synthetase1-2 Gene Capable of Conferring Tissue-Specific Gene Expression in Transgenic Maize”Plant Science、163:865-872、およびGenBankアクセション番号AF359511)、および発現を胚(胚芽)に導くプロモーター、例えば、米国特許第7,169,967号で開示されるプロモーターなどが含まれる。種子優先プロモーターまたは胚優先プロモーターに言及するときには、当該プロモーターが、動作可能に連結された配列を種子または胚組織において、他の植物組織におけるよりも高い程度に発現させることが意味される。種子優先プロモーターまたは胚優先プロモーターは、種子または胚の発達期間中に、他の段階での発現と一緒に発現させる場合があり、また、種子または胚の発達期間中に強く、そして他の時点でははるかにより少ない程度に発現させ得る。本明細書に示されるグロブリンプロモーターは、植物の胚に優先的に発現する。グロブリン-1は、トウモロコシ胚において最も豊富なタンパク質であり、グロブリン-1遺伝子によってコードされるビシリン様貯蔵タンパク質である。例えば、Liuら(1992)MNL Vol.22:108-109を参照のこと。Belangerら(1991)に記載されているように、グロブリンは、トウモロコシ胚タンパク質の10~20%を構成すると認識されている貯蔵タンパク質であり、グロブリン1は、グロブリン1遺伝子によってコードされる最も豊富なタンパク質の1つである。Belanger,F.C.and Kriz,A.L.(1991)“Molecular basis for allelic polymorphism of the maize globulin-1 gene”Genetics 129,863-872。トウモロコシ胚における2つの最も豊富なタンパク質は、食塩水可溶性の水不溶性グロブリンであり、一方はグロブリン-1遺伝子によってコードされる63,000Da分子量のタンパク質であり、他方はグロブリン-2遺伝子によってコードされる45,000 Da分子量のタンパク質である。例えば、Kriz(1989)Biochem Genet.27(3-4):238-51を参照のこと。ヌル対立遺伝子が存在する場合、グロブリン1タンパク質は産生されない。Belangerら(1991)、上記。Belangerらは、タンパク質が、胚からのタンパク質抽出物のクーマシー染色ゲル中で容易に検出され、いくつかの対立遺伝子が認識されていることに注目している。Belangerら(1991)、865頁。当業者は、グロブリン1タンパク質をコードする核酸分子が周知であり、当業者に利用可能な技術を使用して容易に同定されることを理解しており、本明細書で論じられるように、限定されないが例として、利用可能な多くの手段の中でも、既知の配列との比較、ライブラリーの調製およびプローブを用いたスクリーニング、ノーザンブロット、サザンブロットまたはウエスタンブロットを使用した抗体結合を含む。グロブリン-1をコードする遺伝子のプロモーターは、植物において作動可能に連結された核酸分子を発現するために植物で使用され得る。限定することを意図するものではないが、グロブリンプロモーターの例としては、1.45kbのトウモロコシグロブリン-1プロモーターとBelanger and Kriz,1991、上記およびGenBankアクセッションL22344に記載される非翻訳リーダーとが挙げられる。
【0049】
利用可能なプロモーターの範囲には、誘導性プロモーターが含まれる。誘導性の調節エレメントは、1またはそれを超えるDNA配列または遺伝子の転写を誘導因子に応答して直接的または間接的に活性化することが可能である調節エレメントである。誘導因子の非存在下では、DNA配列または遺伝子は転写されないであろう。典型的には、誘導性調節エレメントに特異的に結合して転写を活性化するタンパク質因子は、後において誘導因子によって活性な形態に直接的または間接的に変換される不活性な形態で存在している。誘導因子は、化学的作用因、例えば、タンパク質、代謝産物、成長調節剤、除草剤またはフェノール系化合物など、あるいは生理学的ストレスで、熱、寒冷、塩もしくは毒性元素によって直接的に強いられる、または病原体もしくは疾患媒介者(例えば、ウイルスなど)の作用(action)を介して間接的に強いられる生理学的ストレスであり得る。誘導性調節エレメントを含有する細胞が、噴霧、水やり、加熱または同様の方法によるなどして誘導因子を細胞または植物に外部から適用することによって、誘導因子に曝され得る。
【0050】
どのような誘導性プロモーターも使用することができる。Wardら、Plant Mol.Biol.22:361-366(1993)を参照のこと。例示的な誘導性プロモーターには、エクジソン受容体プロモーター、米国特許第6,504,082号;銅に応答するACE1系に由来するプロモーター(Mettら、PNAS90:4567-4571(1993));ベンゼンスルホンアミド系除草剤の毒性緩和剤に応答するトウモロコシ由来のIn2-1遺伝子およびIn2-2遺伝子(米国特許第5,364,780号;Hersheyら、Mol.Gen.Genetics、227:229-237(1991)、およびGatzら、Mol.Gen.Genetics、243:32-38(1994))、Tn10由来のTetリプレッサー(Gatzら、Mol.Gen.Genet.227:229-237(1991)、またはステロイドホルモン遺伝子由来のTetリプレッサーであって、その転写活性がグルココルチコステロイドホルモンによって誘導される、Tetリプレッサーが含まれる。Schenaら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.88:10421(1991);トウモロコシGSTプロモーター(これは、出芽前除草剤として使用される疎水性求電子化合物によって活性化される);およびタバコPR-1aプロモーター(これはサリチル酸によって活性化される)。目的とする他の化学調節型プロモーターには、ステロイド応答性プロモーター(例えば、Schenaら(1991)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10421-10425、およびMcNellisら、(1998)Plant J.14(2):247-257)におけるグルココルチコイド誘導性プロモーターを参照のこと)、ならびにテトラサイクリン誘導性プロモーターおよびテトラサイクリン抑制性プロモーター(例えば、Gatzら、(1991)Mol.Gen.Genet.227:229-237、ならびに米国特許第5,814,618号および同第5,789,156号を参照のこと)が含まれる。
【0051】
ベクターの他の構成成分が、遺伝子の意図された使用にこれらもまた依存して、含まれ得る。例には、選択マーカー、標的化配列または調節配列、安定化配列またはリーダー配列、イントロンなどが含まれる。植物発現ベクターおよびレポーター遺伝子の様々な一般的記載および例を、Gruberら、“Vectors for Plant Transformation”、Method in Plant Molecular Biology and Biotechnology(Glick他編、CRC Press、pp.89-119(1993))において見出すことができる。適切な発現ベクターの選択は、宿主、および発現ベクターを宿主に導入する方法に依存するであろう。発現カセットはまた、目的とする異種ヌクレオチド配列の3’末端に、植物において機能的である転写終結領域および翻訳終結領域を含むであろう。
【0052】
発現ベクターは必要に応じてまた、プロモーターと、目的とする遺伝子との間に、および/または目的とする遺伝子の後に位置するシグナル配列を含有することができる。シグナル配列は、真核生物細胞内または真核生物細胞外の特定の場所に配置されるように目的とするタンパク質またはポリペプチドを導くために細胞によって使用されるアミノ酸配列を与えるように翻訳されるヌクレオチド配列である。多くのシグナル配列がこの技術分野では知られている。例えば、Beckerら、(1992)Plant Mol.Biol.20:49、Knox,C.ら、“Structure and Organization of Two Divergent Alpha-Amylase Genes from Barley”Plant Mol.Biol.9:3-17(1987)、Lernerら、(1989)Plant Physiol.91:124-129、Fontesら、(1991)Plant Cell 3:483-496、Matsuokaら、(1991)Proc.Natl.Acad.Sci.88:834;Gouldら、(1989)J.Cell.Biol.108:1657;Creissenら、(1991)Plant J.2:129;Kalderonら、(1984)“A short amino acid sequence able to specify nuclear location”、Cell 39:499-509;Steifelら、(1990)“Expression of a maize cell wall hydroxyproline-rich glycoprotein gene in early leaf and root vascular differentiation”、Plant Cell 2:785-793を参照のこと。タンパク質を細胞壁および/またはアポプラストに仕向けるときには、シグナル配列の使用が必要である。一例がオオムギのアルファ-アミラーゼシグナル配列である。Rogers,J.C.(1985)“Two barley alpha-amylase gene families are regulated differently in aleurone cells”J.Biol.Chem.260:3731-3738。
【0053】
異種ヌクレオチド配列の発現産物を特定のオルガネラに、特に色素体、アミロプラストに、または小胞体に向かわせること、あるいは細胞の表面に、または細胞外に分泌させることが望ましいそのような場合において、発現カセットはさらに、輸送ペプチドのためのコード配列を含むことができる。様々なそのような輸送ペプチドがこの技術分野では広く知られており、それらには、アシルキャリアタンパク質のための輸送ペプチド、RUBISCOの小サブユニット、植物EPSPシンターゼ、トウモロコシのBrittle-1葉緑体輸送ペプチド(Nelsonら、Plant Physiol 117(4):1235-1252(1998);Sullivanら、Plant Cell 3(12):1337-48;Sullivanら、Planta(1995)、196(3):477-84;Sullivanら、J.Biol.Chem.(1992)267(26):18999-9004)、および同様なものが含まれるが、これらに限定されない。当業者は、特定のオルガネラに至るように生成物を発現させることにおいて利用可能である多くの選択肢を容易に理解するであろう。輸送ペプチドの使用が広く知られている(例えば、米国特許第5,717,084号、同第5,728,925号を参照のこと)。タンパク質が植物細胞の小胞体に仕向けられ得る。これが局在化配列の使用によって、例えば、KDELなどの使用によって達成され得る。この配列(Lys-Asp-Glu-Leu)は小胞体における受容体のための結合部位を含有する。(Munroら、(1987)“A C-terminal signal prevents secretion of luminal ER proteins.”Cell.48:899-907.多種多様な小胞体保持シグナル配列が当業者に利用可能であり、KDEL配列が一例である。別の一例がHDEL(His-Asp-Glu-Leu)である。例えば、様々な小胞体タンパク質を産生させる方法を議論するKumarらを参照のこと。Kumarら、(2017)“prediction of endoplasmic reticulum resident proteins using fragmented amino acid composition and support vector machine”Peer J.doi:10.7717/peerj.3561。
【0054】
タンパク質を液胞に保持することが、別の一例である。これを達成するための様々なシグナル配列が広く知られている。例えば、Raikhelの米国特許第5,360,726号には、Warrenらの米国特許第5,889,174号が示すような液胞シグナル配列が示される。液胞標的化シグナルがアミノ末端部分に存在する場合があり(Holwerdaら、(1992)The Plant Cell、4:307-318、Nakamuraら、(1993)Plant Physiol.、101:1-5)、またはカルボキシ末端部分に存在する場合があり、または標的化タンパク質の内部配列に存在し得る。(Tagueら、(1992)The Plant Cell、4:307-318、Saalbachら、(1991)The Plant Cell、3:695-708)。加えて、アミノ末端配列がカルボキシ末端配列と連携して、遺伝子産物の液胞標的化を担う(Shinshiら、(1990)Plant Molec.Biol.14:357-368)。
【0055】
終結領域は目的とするDNA配列とともに生来的であり得るし、または別の供給源に由来し得る。使いやすい様々な終結領域が、A,tumefaciensのTiプラスミドから利用可能であり、例えば、オクトピンシンターゼの終結領域(MacDonaldら、(1991)Nuc.Acids Res.19(20)5575-5581)およびノパリンシンターゼの終結領域(Depickerら、(1982)Mol.and Appl.Genet.1:561-573;およびShawら、(1984)Nucleic Acids Research Vol.12、No.20 pp7831-7846(nos))などが利用可能である。様々な他のターミネーターの例には、ジャガイモ由来のプロテアーゼ阻害剤II遺伝子からのpinIIターミネーター(Anら、(1989)Plant Cell 1、115-122)が含まれる。Guerineauら、(1991)Mol.Gen.Genet.262:141-144;Proudfoot(1991)Cell 64:671-674;Sanfaconら、(1991)Genes Dev.5:141-149;Mogenら、(1990)Plant Cell 2:1261-1272;Munroeら、(1990)Gene、91:151-158;Ballasら、(1989)Nucleic Acids Res.17:7891-7903;およびJoshiら、(1987)Nucleic Acid Res.15:9627-9639もまた参照のこと。
【0056】
プロモーター、選択マーカー、シグナル配列、リーダー配列、終結配列、イントロン、エンハンサー、およびベクターの他の構成成分に対する多くの変化体が当業者に利用可能である。
【0057】
植物は、植物切断物、植物細胞培養物、植物器官、植物種子および小植物を含めて、発達のいずれかの段階にあるどのような植物も含まれるように本明細書中では広く使用される。言い換えれば、植物という用語は、植物全体または植物材料または植物部分または植物組織または植物細胞の集合体を含む植物細胞を指す。例えば、植物種子の様々な部分には、果皮または仁(kernel)、胚または胚芽、および内質が含まれる。植物細胞は、プロトプラストおよび細胞壁を含む、植物の構造的および生理学的な単位物である。植物細胞は、単離された単一細胞もしくは細胞凝集塊(例えば、脆弱なカルスなど)、または培養細胞の形態であることが可能であり、あるいはより高度に組織化された単位物(例えば、植物組織、植物器官または植物)の一部分であり得る。したがって、植物細胞は、プロトプラスト、配偶子産生細胞、あるいは完全な植物に再生することができる細胞または細胞の集合体であり得る。植物組織または植物器官は、種子、プロトプラスト、カルス、あるいは植物細胞のどのような一群であれ構造的単位物または機能的単位物に組織化される他の植物細胞群であり得る。植物の特に有用な部分には、収穫可能な部分、および子孫植物の繁殖のために有用な部分が含まれる。植物の収穫可能な部分は、植物のいずれかの有用な部分、例えば、花、花粉、実生、塊茎、葉、茎、果実、種子、根、および同様なものであり得る。繁殖のために有用な植物の部位には、例えば、種子、果実、切断物、実生、塊茎、根茎、および同様なものが含まれる。1つの実施形態において、組織培養は好ましくは、植物を再生させることが可能であろう。好ましくは、そのような組織培養物における再生可能な細胞は、胚、プロトプラスト、分裂組織細胞、カルス、花粉、葉、葯、根、根端、毛(silk)、花、仁、穂(ear)、穂軸(cob)、穀皮(husk)または茎であろう。なおさらに、植物が組織培養物から再生され得る。
【0058】
種々の植物種が、任意の植物種を含み、単子葉類であろうと、または双子葉類であろうと、使用される場合があり、これらには、トウモロコシ(Zea mays)、カノーラ(Brassica napus、Brassica rapa ssp.)、アルファルファ(Medicago sativa)、イネ(Oryza sativa)、ライムギ(Secale cereale)、モロコシ(Sorghum bicolor、Sorghum vulgare)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、コムギ(Triticum aestivum)、ダイズ(Glycine max)、タバコ(Nicotiana tabacum)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、ピーナッツ(Arachis hypogaea)、ワタ(Gossypium hirsutum)、サツマイモ(Ipomoea batatus)、キャッサバ(Manihot esculenta)、コーヒー(Cofea spp.)、ココナツ(Cocos nucifera)、パイナップル(Ananas comosus)、柑橘類樹(Citrus spp.)、ココア(Theobroma cacao)、茶(Camellia sinensis)、バナナ(Musa spp.)、アボカド(Persea americana)、イチジク(Ficus casica)、グアバ(Psidium guajava)、マンゴー(Mangifera indica)、オリーブ(Olea europaea)、パパイヤ(Carica papaya)、カシュー(Anacardium occidentale)、マカダミア(Macadamia integrifolia)、アーモンド(Prunus amygdalus)、サトウダイコン(Beta vulgaris)、オートムギ(Avena)、オオムギ(Hordeum)、野菜類、観賞植物および針葉樹が含まれるが、これらに限定されない。野菜類には、トマト(Lycopersicon esculentum)、レタス(例えば、Lactuca sativa)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ライマメ(Phaseolus limensis)、エンドウ(Lathyrus spp.)、ならびにキュウリ属のメンバー、例えば、キュウリ(C.sativus)、カンタループ(C.cantalupensis)およびマスクメロン(C.melo)などが含まれる。観賞植物には、アザレア(Rhododendron spp.)、アジサイ(Macrophylla hydrangea)、ハイビスカス(Hibiscus rosasanensis)、バラ(Rosa spp.)、チューリップ(Tulipa spp.)、スイセン(Narcissus spp.)、ペチュニア(Petunia hybrida)、カーネーション(Dianthus caryophyllus)、ポアンセチア(Euphorbia pulcherrima)、およびキクが含まれる。本発明を実施する際に用いられることがある針葉樹には、例えば、マツ類、例えば、テーダマツ(Pinus taeda)、スラッシュマツ(Pinus elliotii)、ポンデローサマツ(Pinus ponderosa)、ロッジポールマツ(Pinus contotta)およびモンテレーマツ(Pinus radiata)など;ベイマツ(Pseudotsuga menziesii);アメリカツガ(Tsuga canadensis);ベイトウヒ(Picea glauca);セコイア(Sequoia sempervirens);モミ類、例えば、モミ(Abies amabilis)およびバルサムモミ(Abies balsamea)など;シーダー類、例えば、ベイスギ(Thuja plicata)およびベイヒバ(Chamaecyparis nootkatensis)、藻類またはウキクサ亜科(Lemnoideae)(別名、アオウキクサ)などが含まれる。1つの実施形態により、植物がトウモロコシであることが提供される。
【0059】
形質転換またはトランスフェクションの様々な方法が現在のところ利用可能である。より新しい方法が、作物または他の宿主細胞を形質転換するために利用可能であるので、直接に適用され得る。それゆえ、多種多様な方法が、DNA配列を宿主細胞のゲノムに挿入して、当該配列の転写または転写物および翻訳を得て、表現型変化を生物において生じさせるために開発されている。したがって、効率的な形質転換/トランスフェクションを規定するどのような方法も用いられ得る。特に、発現カセット内の異種ヌクレオチド配列に作動可能に連結された配列を含む形質転換ベクターはまた、生物に同時形質転換される遺伝子のための少なくとも1つのさらなるヌクレオチド配列を含み得る。あるいは、追加の配列は、別の形質転換ベクターで提供され得る。
【0060】
発現ベクターを当業者に利用可能な植物組織に導入するための方法が様々であり、これらの方法は、選択される植物に依存するであろう。多種多様な植物種を形質転換するための様々な手順が広く知られており、文献の至るところに記載される。(例えば、MikiおよびMcHugh(2004)Biotechnol.107、193-232;Kleinら、(1992)Biotechnology(NY)10、286-291;およびWeisingら、(1988)Annu.Rev.Genet.22、421-477を参照のこと)。例えば、DNA構築物が、微小弾丸媒介送達(Kleinら、1992、前掲)、エレクトロポレーション(Frommら、1985 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82、5824-5828)、ポリエチレングリコール(PEG)沈殿(MathurおよびKoncz、1998 Methods Mol.Biol.82、267-276)、遺伝子の直接移入(国際公開WO85/01856および欧州特許出願公開第275069号)、インビトロでのプロトプラスト形質転換(米国特許第4,684,611号)、および植物細胞プロトプラストまたは胚形成性カルスの微量注入(Crossway,A.(1985)Mol.Gen.Genet.202、179-185)などの技術を使用して植物細胞のゲノムDNAに導入され得る。Ishidaら(1996)のアグロバクテリウム形質転換方法、同様に、米国特許第5,591,616号に記載されるアグロバクテリウム形質転換方法が、さらに別の選択肢である。植物組織をアグロバクテリウム・ツメファシエンスと共培養することが、DNA構築物がバイナリーベクターシステムの中に置かれる一変形である(Ishidaら、1996、Nat.Biotechnol.14、745-750)。アグロバクテリウム・ツメファシエンス宿主のビルレンス機能は、細胞が細菌によって感染したとき、構築物の植物細胞DNAへの挿入を導くであろう。例えば、Fraleyら(1983)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、80、4803-4807を参照のこと。アグロバクテリウムは主に双子葉植物において使用され、しかし、トウモロコシを含めた単子葉植物がアグロバクテリウムによって形質転換され得る。例えば、米国特許第5,550,318号を参照のこと。この方法に対する多くの変形の1つにおいて、トウモロコシへのアグロバクテリウム感染を、未成熟胚の熱ショック処理(Wilsonら、米国特許第6,420,630号)とともに、またはII型カルスの抗生物質選抜(Wilsonら、米国特許第6,919,494号)とともに使用することができる。
【0061】
イネの形質転換が、Hieiら、(1994)Plant J.6、271-282、およびLeeら、(1991)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 88、6389-6393によって記載される。カノーラを形質転換するための標準的な方法が、Moloneyら、(1989)Plant Cell Reports、8、238-242によって記載される。トウモロコシの形質転換が、Frommら、(1990)Biotechnology(NY)8、833-839、およびGordon-Kammら、(1990)上掲によって記載される。コムギを、トウモロコシまたはイネを形質転換するために使用される技術と類似する技術によって形質転換することができる。モロコシの形質転換がCasasらによって記載される(Casasら、(1993)Transgenic sorghum plants via microprojectile bombardment.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90、11212-11216)。オオムギの形質転換がWanおよびLemauxによって記載される(WanおよびLemaux(1994)Generation of large numbers of independently transformed fertile barley plants.Plant Physiol.104、37-48)。ダイズの形質転換が、米国特許第5,015,580号を含めて多数の刊行物に記載される。
【0062】
1つの方法において、Ishidaら(1996)のアグロバクテリウム形質転換方法、同様に、米国特許第5,591,616号に記載されるアグロバクテリウム形質転換方法が、本発明者らが見出している、得られる形質転換体の数を改善する改変とともに、大体においてまねられる。Ishidaの方法では、I型カルスを培養において産生するA188品種のトウモロコシが使用される。1つの実施形態において、HiIIトウモロコシ系統が使用され、これはII型胚形成性カルスを培養で生じさせる(Armstrongら、1991)。
【0063】
Ishidaは、bar遺伝子またはpat遺伝子を選抜のために使用するときにはホスフィノトリシンでの選抜を推奨するが、別の好ましい実施形態により、ビアラホスの使用が代わりに提供される。一般には、第5,591,616号特許に記載されるように、また下記においてより詳しく概説されるように、脱分化が、植物の外植片を脱分化誘導培地で7日以上にわたって培養することによって得られ、脱分化中または脱分化後の組織が、目的とする遺伝子を有するアグロバクテリウムと接触させられる。培養組織は、例えば、カルス、不定胚様組織、または浮遊細胞であり得る。この好ましい実施形態において、アグロバクテリウムの懸濁物は10~1011細胞/mlの細胞集団を有しており、組織と3~10分間にわたって接触させられ、またはアグロバクテリウムと7日以上にわたって連続培養される。アグロバクテリウムは、目的とする遺伝子がプラスミドのT領域の境界配列の間に存在するプラスミドpTOK162を含有することができ、または目的とする遺伝子が別のプラスミド含有アグロバクテリウムに存在し得る。ビルレンス領域は起源がTiプラスミドまたはRiプラスミドのビルレンス領域であり得る。Ishidaプロトコルで使用される細菌株は、超病原性A281株からの3つのvir遺伝子座を含有する40kbのスーパーバイナリープラスミドを有するLBA4404である。このプラスミドはテトラサイクリンに対する耐性を有する。クローニングベクターがスーパーバイナリープラスミドとコインテグレートする。クローニングベクターは、アグロバクテリウムの複製起点ではなく、大腸菌特異的な複製起点を有しているため、スーパーバイナリープラスミドとコインテグレートすることなしにアグロバクテリウムにおいて生き残ることができない。LBA4404株は高病原性でなく、スーパーバイナリープラスミドなしには適用が限られるため、本発明者らは、EHA101株が好ましいことをさらに別の実施形態において見出している。この株は、超病原性A281株に由来する武装解除されたヘルパー株である。LBA4404親由来のコインテグレートしたスーパーバイナリー/クローニングベクターが単離され、EHA101にエレクトロポレーションされ、スペクチノマイシン耐性について選択する。プラスミドが、EHA101が当該プラスミドを含有することを確かなものにするために単離される。EHA101は、カナマイシンに対する耐性を伝える武装解除されたpTiを含有する。Hoodら(1986)を参照のこと。
【0064】
さらに、記載されるようなIshidaプロトコルは、アグロバクテリウムの新鮮な培養物をプレートで成長させ、細菌をプレートから掻き取り、トウモロコシ胚とのインキュベーションのために第5,591,616号特許で述べられるような共培養培地に再懸濁することを規定する。この培地には、1リットルあたり4.3gのMS塩、0.5mgのニコチン酸、0.5mgのピリドキシン塩酸塩、1.0mlのチアミン塩酸塩、カザミノ酸、1.5mgの2,4-D、68.5gのスクロースおよび36gのグルコースが、すべてが5.8のpHにおいて含まれる。さらに好ましい方法において、細菌が1mlの培養物で一晩成長させられ、その後、新鮮な10mlの培養物が、形質転換が行われることになる翌日に再接種される。細菌は成長して対数期に入り、OD600=0.5を決して超えない密度で、好ましくは0.2~0.5の間の密度で集められる。細菌はその後、培地を除くために遠心分離され、共培養培地に再懸濁される。HiIIが使用されるため、HiIIのために好まれる培地が使用される。この培地が、ArmstrongおよびGreen(1985)によってかなり詳しく記載される。再懸濁培地は、上記で記載される培地と同じである。すべてのさらなるHiII培地が、ArmstrongおよびGreen(1985)に記載される通りである。結果が植物細胞の再分化および植物への再生である。再分化はときには脱分化として示され、しかし、前者の用語はより正確には、細胞が形態および同一性を伴って始まり、細胞がその同一性を失い、新しい同一性を有するように「再プログラム」される培地に置かれるプロセスを表す。したがって、胚盤細胞が胚形成カルスになる。
【0065】
ポリペプチドをコードする導入核酸分子を含有する遺伝子組換え植物が作製され得る。
【0066】
植物へのヌクレオチド配列の導入に言及するとき、細胞への形質転換、同様にまた、従来の植物育種技術における場合のように、当該配列を有する植物を別の植物と交雑し、その結果、第2の植物が異種配列を含有するようにすることが含まれることが意味される。そのような育種技術は当業者には広く知られている。これは、どのような手段であれ植物を育種するためにこの技術分野で知られている手段によって、例えば、上記で記載される遺伝子組換え植物の他の植物との他家受粉、およびアミノ酸配列を発現する後世代からの植物についての選択などによって達成することができる。本明細書中で使用される植物育種方法は当業者には広く知られている。植物育種技術の議論については、Poehlman(1995)Breeding Field Crops(AVI Publication Co.、Westport Conn、第4版)を参照のこと。この方法において有用な多くの作物植物が、植物の受粉方法の利点を利用する技術を介して育種される。1つの花からの花粉が同じ植物の同じ花または別の花に移されるならば、植物は自家受粉性である。花粉が、異なる植物にある花に由来するならば、植物は他家受粉性である。例えば、アブラナ属においては、植物は通常、自家不稔性であり、変異体の発見を介して、または遺伝学的介入を介して自家和合性が得られる場合を除いて、他家受粉のみが可能である。自家受粉種、例えば、イネ、オートムギ、コムギ、オオムギ、エンドウ、マメ、ダイズ、タバコおよびワタなどにおいて、雄性植物および雌性植物は解剖学的には並置される。自然受粉の期間中に、所与の花の雄性生殖器官が、同じ花の雌性生殖器官に授粉する。トウモロコシ植物(Zea mays L.)は自家受粉技術および他家受粉技術の両方によって育種することができる。トウモロコシは、雄穂に位置する雄花と、穂に位置する雌花とを、同じ植物に有する。トウモロコシは自家受粉または他家受粉することができる。
【0067】
受粉は、手、風または昆虫を介した受粉、あるいは雄性稔性植物および雄性不稔植物との間での機械的接触(これらに限定されない)を含めて、どのような手段によってであっても可能である。ハイブリッド種子をほとんどの植物種において商業的規模で生産するためには、風による受粉、または昆虫による受粉が好ましい。受粉プロセスのより厳密な制御を、一方の植物プールを雄性不稔性にし、かつ他方を雄性稔性花粉ドナーにするための様々な方法を使用することによって達成することができる。これを、手による雄穂除去、細胞質雄性不稔、または熟練の育種者には広く知られている様々な方法を介する雄性不稔の制御によって達成することができる。より洗練された雄性不稔系の例には、Brarら、米国特許第4,654,465号および同第4,727,219号、ならびにAlbertsenら、米国特許第5,859,341号および同第6,013,859号によって記載される系が含まれる。
【0068】
戻し交配方法が、遺伝子を植物に導入するために使用され得る。この技術は、様々な形質を植物に導入するために何十年にわたって使用されている。広く知られているこの植物育種方法論および他の植物育種方法論の説明の一例を参考文献において、例えば、Neal(1988)などにおいて見出すことができる。典型的な戻し交配プロトコルにおいて、目的とする元の品種(反復親)が、移入されることになる目的とするただ1つのだけの遺伝子を運ぶ第2の品種(非反復親)に対して交雑させられる。この交雑からの得られた子孫がその後、再び反復親に対して交雑させられる:このプロセスが、反復親の所望の形態学的特徴および生理学的特徴の本質的にすべてが、非反復親からのただ1つだけの移入遺伝子に加えて転換植物において取り戻される植物が得られるまで繰り返される。
【0069】
上記で記載される選抜技術および繁殖技術は、従来の様式で収穫される複数の遺伝子組換え植物をもたらすことができる。組換えポリペプチドを発現する植物、またはどのような部分であれ、組換えポリペプチドを発現する部分は商業的プロセスにおいて使用することができ、あるいはポリペプチドを抽出することができる。植物または部分そのものを使用するときには、植物または部分は、例えば、粉にされ、その後、商業的プロセスにおいて適用されることが可能である。バイオマスからのポリペプチド抽出を、知られている方法によって達成することができる。どのような製造システムであれ製造システムのための下流側の加工は、製造物合成、この場合においては遺伝子組換え種子でのタンパク質産生(Kusnadi,A.R.、Nikolov,Z.L.、Howard,J.A.、1997.Biotechnology and Bioengineering.56:473-484)の後におけるすべての単位操作を示す。例えば、種子を、種子全体が粉に粉砕され得るように、または分画化されて、胚芽が外皮および胚乳から分離され得るようにどちらであっても加工することができる。胚芽が使用されるならば、胚芽は通常の場合、抽出プロセスを使用して脱脂され、残った破砕胚芽が粉砕されて粗びき粉またはふるい分け粉にされる。いくつかの場合において、胚芽が直接にプロセスにおいて使用され、またはタンパク質を抽出することができる(例えば、国際公開WO98/39461を参照のこと)。抽出は一般には、組換えタンパク質の抽出を増強し、かつ生来的な種子タンパク質の抽出を最小限にするために、特定のpHで水性緩衝液の中に行われる。続くタンパク質の濃縮または精製を次に続けることができる。
【0070】
本明細書に記載の組成物およびプロセスはまた、動物をEimeriaから防御するワクチンを製造および投与するためのものである。
【0071】
本明細書で使用される場合、「ワクチン」という用語は、対象において防御応答を誘導する少なくとも1つの防御分子、および場合によっては、必ずしもそうではないが、前記有効成分の活性を増強する1またはそれを超える追加の成分を含む医薬組成物を指す。ワクチンは、医薬組成物に典型的なさらなる成分をさらに含み得る。別の形態では、ワクチンの免疫学的に有効な成分は、前記生物の適切な要素(サブユニットワクチン)を含んでもよく、それにより、これらの要素は、生物全体もしくはそのような微生物の増殖培養物を破壊すること、および所望の構造を得るその後の精製工程によって、または細菌、昆虫、哺乳動物もしくは他の種などであるがこれらに限定されない適切な系の適切な操作によって誘導される合成プロセス、およびその後の単離および精製手順によって、または適切な医薬組成物を使用した遺伝物質の直接組み込みによるワクチンを必要とする動物における前記合成プロセスの誘導(ポリヌクレオチドワクチン接種)によって生成される。ワクチンは、上記の要素の1つまたは複数を同時に含み得る。
【0072】
本発明のワクチンは、薬学的に許容され得る担体、賦形剤、担体、安定剤および/または希釈剤を含み得る。限定することを意図するものではないが、例としては、湿潤剤および潤滑剤、保存剤、脂質、安定剤、可溶化剤および乳化剤が挙げられる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物および植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。1つの可能な担体は生理学的塩溶液である。安定剤の例としては、例えば、グリセロール/EDTA、炭水化物(ソルビトール、マンニトール、トレハロース、デンプン、スクロース、デキストランまたはグルコースなど)、タンパク質(アルブミンまたはカゼインなど)およびタンパク質分解産物(例えば、部分的に加水分解されたゼラチン)が挙げられる。
【0073】
ワクチン中にアジュバントを提供することが可能である。アジュバントは抗原の免疫原性を増強するが、それ自体は必ずしも免疫原性ではない。アジュバントは、抗原を投与部位の近くに局所的に保持することによって作用して、免疫系の細胞への抗原のゆっくりとした持続放出を促進するデポー効果をもたらし得る。アジュバントはまた、免疫系の細胞を抗原デポーに引き付け、そのような細胞を刺激して免疫応答を誘発し得る。免疫刺激剤またはアジュバントは、例えばワクチンに対する宿主免疫応答を改善するために長年使用されてきた。本発明のワクチンは、アジュバント、例えば、リポ多糖、水酸化アルミニウムおよびリン酸アルミニウム(ミョウバン)、膜タンパク質抗原に複合体化したサポニン(免疫刺激複合体)、鉱油を含むpluronic(登録商標)ポリマー、鉱油中の不活化マイコバクテリア、フロイント完全アジュバント、ムラミルジペプチド(MDP)およびリポ多糖(LPS)などの細菌産物、ならびに脂質A、ならびにリポソームと組み合わせて使用され得る。理想的なアジュバントの望ましい特徴には、以下が含まれ得る。(1)毒性の欠如;(2)持続性免疫応答を刺激する能力;(3)製造の簡便性および長期保存での安定性;(4)様々な経路によって投与された抗原に対してCMIおよびHIRの両方を誘発する能力;(5)他のアジュバントとの相乗作用;(6)抗原提示細胞(APC)の集団と選択的に相互作用する能力;(7)適切なT細胞ヘルパー1(TH1)またはTH2細胞に特異的な免疫応答を特異的に誘発する能力;(8)抗原に対して適切な抗体アイソタイプレベル(例えば、IgA)を選択的に増加させる能力。本発明の組成物および方法と共に使用されるアジュバントは、使用されるこれらの特徴のすべてを有する必要はない。
【0074】
本明細書で使用される場合、「免疫原有効量」は、感染症、疾患、障害、または症状の症候を軽減、排除、処置、予防、または制御するのに有効な量を指す。
【0075】
投与される量は、例えば、個体の免疫系が防御応答を開始する能力を含めて、処置される対象に依存する。初回投与およびブースター用量に適したレジメンも可変的であるが、初回投与とそれに続く後続投与を含み得る。例えば、ワクチンの初回投与とそれに続く追加用量を提供することが望ましい場合がある。有効量の防御分子を提供する必要性はまた、より多量の防御分子を提供するコストと釣り合う必要がある。費用対効果の高いワクチンは、それを製造するコストが、それを使用することから得ることができる価値よりも低いワクチンである。本発明の組成物およびワクチンのいずれかの有効性の測定および決定は、当業者に利用可能な多くの方法のいずれかによって達成され得る。
【0076】
一実施形態では、簡単で迅速な方法は、試料中に存在するポリペプチドまたは断片の量を定量するために試料候補ワクチン組成物のウエスタンブロット分析を実施することであり得る。一実施形態では、ポリペプチドの量を、他の生物型由来の同様のポリペプチドと有効であることが知られている標準と比較し、産生されるポリペプチドのレベルが少なくともこの標準以上であるワクチンを調製するか、またはワクチンを試験動物で試験する場合がある。
【0077】
本明細書に記載される化合物は、Eimeria関連疾患を予防するために治療有効用量で対象に投与され得る。投与量は、ワクチンを受けている対象ならびに対象の大きさ、体重および年齢などの因子に依存する。
【0078】
製剤に使用される本発明の免疫原性組成物の正確な量は、投与経路および対象の性質(例えば、疾患の年齢、大きさ、病期/レベル)に依存し、標準的な臨床技術に従って医師の判断および各対象の状況に従って決定されるべきである。有効な免疫化量は、対象、例えば鳥類の対象におけるEimeria感染症を処置または予防するのに十分な量である。
【0079】
組成物の免疫原性は、当技術分野で知られる任意の免疫アッセイを使用して、組成物による免疫化後の試験対象の免疫応答をモニタリングすることによって決定され得る。体液性(抗体)応答および/または細胞性免疫の生成は、免疫応答の指標として解釈され得る。
【0080】
試験対象の免疫応答は、既知の技術、例えば酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫ブロット、免疫沈降、ウイルス中和などによってアッセイされるような、免疫原性コンジュゲートに対して得られる免疫血清の反応性などの様々なアプローチ、または感染性病原体のレベル、例えばウイルスレベルをアッセイするために(例えば、対象からの試料を培養することによって)、当技術分野で知られる任意の方法によって決定されるように、免疫化宿主を病原体による感染から防御すること、および/または免疫化宿主における病原体による感染に起因する症候を軽減することによって、または当技術分野で知られる他の技術によって分析され得る。感染性病原体のレベルはまた、免疫グロブリンが向けられた抗原のレベルを測定することによって決定され得る。感染性病原体のレベルの低下または感染性疾患の症候の改善は、組成物が有効であることを示す。
【0081】
本発明の治療剤は、動物におけるインビボ使用に先立って、所望の治療活性または予防活性についてインビトロで試験することができる。例えば、特定の治療剤の投与が指示されるかどうかを判定するために使用することができるインビトロアッセイには、細胞株からの適切な細胞、または特定の疾患もしくは障害を有する対象から培養される細胞が治療剤に曝される、あるいはそうでない場合にはそのような細胞に治療剤が投与され、細胞に対する治療剤の効果が観察されるインビトロ細胞培養アッセイが含まれる。
【0082】
さらに、治療剤は、治療剤を、感染性疾患媒介者による感染に対して感受性があり、しかし感染性疾患媒介者には感染していない細胞(対象から培養される細胞、または培養細胞株から培養される細胞のどちらか)に接触させ、当該細胞を感染性疾患媒介者に曝し、その後、治療剤と接触させられる細胞の感染率が、治療剤と接触していない細胞の感染率よりも低かったかどうかを判定することによってアッセイされ得る。感染性疾患媒介者による細胞の感染が、どのような方法であれこの技術分野で知られている方法によってアッセイされ得る。
【0083】
治療剤はまた、抗体が向けられる分子のレベルを動物モデルおよび/またはヒト対象において、治療前、治療期間中または治療後に好適な時間間隔で測定することによって評価され得る。どのような変化であれ当該分子の量における変化、または当該分子の量における変化の非存在を特定し、対象に対する処置の効果と相関させることができる。当該分子のレベルは、どのような方法であれこの技術分野で知られている方法によって求めることができる。
【0084】
本発明の方法および組成物を使用して動物をEimeriaにワクチン接種した後、当技術分野で知られる任意の結合アッセイを使用して、得られた抗体と特定の分子との結合を評価し得る。これらのアッセイはまた、特定の抗原に対してより高い親和性または特異性を示す抗体を選択するために実施され得る。ワクチン効力の1つの尺度として、ワクチン接種された個体から採取された試料に対してELISAを実施して、配列、誘導体、ホモログまたはその変異体もしくはその断片を含むワクチンに対する抗体が抗ポリペプチド抗体を生成したか否かを決定し得る。個体の試料は参照抗ポリペプチド抗体に対して測定される。症候の分析および動物の体重増加の測定はまた、特定の用量の存在下での疾患の影響の減少を実証した。蛍光フォーカス中和アッセイは、血清中和抗体を検出し、ワクチンおよび特定の用量の有効性を分析するためのさらに別のアッセイである。ワクチンを投与した動物を試験する場合、例えば、抗体応答を測定することも、ワクチンの有効性を決定するのに有効である。以下の例に記載されるように、血清が収集され、力価は、赤血球凝集が阻害される最大希釈の逆数として測定され得る。ワクチン投与後の他の測定値も、有効性、病理学的評価、病原体の単離、症候の測定、ならびに対象の健康全般および体重増加を決定するために使用され得る。
【0085】
ワクチン有効性はまた、定量的(例えば、適切な対照群と比較した疾患組織の割合の減少)または定性的(例えば、血液からのウイルスの単離、アッセイ法による組織試料中のウイルス抗原の検出など)に評価され得る。疾患の症候は、定量的(例えば、体温/発熱)、半定量的(例えば、苦痛の重症度)、または定性的(例えば、1またはそれを超える症候の有無または1またはそれを超える症候の重症度の低下)に評価され得る。明らかに、当業者は、ワクチンの有効性を測定するために利用可能な多くの異なる選択肢を有する。病原性微生物への少なくとも1回の抗原投与または曝露の後7日を超える防御期間が達成され、本発明を使用して、少なくとも2週間、少なくとも20日間、21日間、22日間、23日間、24週間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、31日間、32日間、33日間、34日間、35日間、36日間、37日間、38日間、39日間、40日間、41日間、42日間、43日間、44日間、45日間、46日間、47日間、48日間、49日間、50日間、51日間、52日間、53日間、54日間、55日間、56日間、57日間、58日間、59日間、60日間またはそれを超える防御が達成された。このような防御期間は、本発明を他の動物と共に使用する場合にも提供される。防御応答はまた、本明細書では一実施形態において、別の疾患とは対照的に前記疾患に特異的であることが示されており、したがって特異的記憶を実証する。
【0086】
鼻腔内、経口および/または非経口(例えば、筋肉内)投与を含む標準的な方法を使用してワクチンを投与し得る。例えば、Eimeriaワクチンタンパク質を含有するワクチンは、1またはそれを超える回数で筋肉内投与され得る。本方法の別の実施形態では、例えば、ワクチンは1またはそれを超える回数で経口投与される。代替的な実施形態では、経口投与の後に、および/または少なくとも1回、筋肉内にワクチンを投与する前に経口投与され得る。トウモロコシ穀粒を食品にして動物に供給し、それにより、さらなる加工によって生じ得るコストおよび抗原の損失を低減し得る。
【0087】
下記は、本発明の範囲を限定することを意図することなく例示として提供される。本明細書中で引用されるすべての参考文献が参照によって本明細書中に組み込まれる。
【実施例
【0088】
実施例1
植物産生タンパク質は、いくつかの難分解性タンパク質について微生物よりもはるかに高いレベルで組換えタンパク質を蓄積することができ、一般に最も安価なタンパク質源であるという点で大きな有望性を示している6~8。しかしながら、すべての植物系が同等に作出されるわけではない。コスト、スケーラビリティ、プロテアーゼ、リグニンおよびフェノールなどの精製を妨害する物質、宿主におけるアレルゲン性、発癌性または毒素物質に関する貯蔵特性および安全性には大きなばらつきがある。これらの特徴は他にも概説されており、トウモロコシは、いくつかの組換えタンパク質の最近の商品化につながる主要な系の1つとして浮上している。
【0089】
これは、いくつかのワクチン候補で観察された高い蓄積によって証明される。食用植物組織(トウモロコシ以外)におけるB型肝炎表面抗原(HBsAg)の蓄積の報告は劇的に変化しており、バナナ果実は0.001μg/グラム新鮮重で最も低いものの1つであり、ジャガイモは8μg/グラム新鮮重で最も高いものの1つである9、10。本発明者らによって開発されたトウモロコシ由来の系では、HBsAgは200μg/g超で発現している。穀粒中のこの高レベルの抗原は、蓄積がわずか10μg/gである場合でも、原材料のコストが0.01ドル/用量未満になる。しかし、精製コストは産物の90%を占める場合があり、バイオマス中の濃度に反比例する。コストモデルは、10μg/gという低いレベルが経済的に実現可能であり得ることを示しているが、ほとんどの場合、精製コストを低く保つために>50mg/kgのレベルが目標とされている。このレベルは、微生物で達成されているレベルよりも約5倍高い。本発明者らは、同じトウモロコシ由来の系を使用して、同様に高レベルおよび低コストでEimeriaワクチンタンパク質を発現させ得ることを示した。
【0090】
実際、加工トウモロコシ穀粒は、費用対効果が高く、熱に安定であり、動物対象への直接給餌に適している。Eimeria3-1e、Gam82、およびE-1FaなどのサブユニットEimeriaワクチンタンパク質をトウモロコシ穀粒に組み込むことはまた、対象への経口送達時にサブユニットワクチンタンパク質を消化器系における分解から保護するバイオカプセル化を可能にする。さらに、トウモロコシ粒中にバイオカプセル化されたEimeriaタンパク質は、経口送達された場合、より有効なワクチンをもたらす。例えば、本発明は、Eimeria種の抗原投与に対してニワトリで85%を超える防御を提供すると予想される。
【0091】
したがって、Eimeriaの候補ワクチンを生産するためにトウモロコシにEimeria抗原を蓄積することに着手したとき、本明細書に記載されるように、高レベルを蓄積するためのいくつかのアプローチを使用した。
【0092】
実施例2
分子構築物を作出する
Eimeriaワクチンを開発するために、Eimeriaワクチンタンパク質3-1eポリペプチド、Gam82ポリペプチドおよび/またはEF-1ポリペプチドをコードする4つの構築物でトウモロコシを形質転換した(図1)。4つの構築物は、EIA(3-1eおよびGam82を発現する)、EIB(EF-1aを発現する)、EID(3-1eおよびEF-1aを発現する)、およびEIE(Gam82を発現する)を含んだ。3-1e(GenBank AAD39362)、Gam82(GenBank XP_013333566)およびEF-1a(GenBank XP_013234784)の配列を、トウモロコシのコドン使用頻度について最適化し、本発明者らの以前に公開された研究と同様の様式でトウモロコシで発現させた11。オープンリーディングフレームは、ジャガイモプロテアーゼ阻害剤II(pinII)終結配列による高発現を付与する本発明者らの以前に公開された研究12、13と同様の方法で、胚優先プロモーターに連結される14。特に、「Eimeriaワクチンタンパク質」、「Eimeriaタンパク質」、および「Eimeria抗原」という語句は、本明細書では同義で使用される。さらに、「EF-1a」および「EF-1アルファ」は、本明細書では同義で使用される。
【0093】
Eimeriaワクチンタンパク質3-1e、EF-1αおよび/またはGam82は、よく特徴付けられたオオムギアルファ-アミラーゼ(「BAASS」)ターゲティング配列を使用してアポプラスト/細胞壁に向けられたターゲティングシグナル、または前述のKDEL C末端ターゲティングシグナル配列を使用して小胞体(ER)に向けられたターゲティングシグナルを有し得る15。両方の細胞内局在化戦略は、高レベルの発現をもたらす。実際、アポプラストおよび小胞体は、トウモロコシ粒内に抗原を蓄積するための一貫した細胞位置であることが証明されている。
【0094】
図1に示すように、構築物EIAおよびEIBは、アポプラスト/細胞壁を標的とした。EIDおよびEIEは、小胞体を標的とした(図1)。図1および図5図7に示すように、細胞/オルガネラターゲティング配列(BAASS:細胞壁/アポプラスト)はすべての構築物に含まれた。C末端配列(KDEL:ER)はコドン最適化EID構築物およびEIE構築物に含まれた。mRNA安定性を高めるために、ジャガイモプロテアーゼ阻害剤II(pinII)の非翻訳3’領域も転写終結要素としてすべての構築物に付加された。
【0095】
胚優先プロモーター(Pr44:種子胚)を使用して、すべての構築物(本明細書では「発現カセット」とも呼ばれる)において高い遺伝子転写およびその後の高収率のタンパク質産生を駆動した。最大のタンパク質発現レベルは、単一転写単位を含有する構築物においてプロモーターpr44を使用して達成された。特に、プロモーターpr44は、よく特徴付けられたトウモロコシグロブリン-1プロモーターの一部の重複を含む。
【0096】
形質変換
処理後、構築物をトウモロコシ形質転換のために適切なAgrobacterium株に転移した。構築物を、先に記載されたように三親交配(triparental mating)およびエレクトロポレーションの組み合わせによってトウモロコシ形質転換のためにAgrobacteriumに転移した13。簡単に記載すると、Agrobacterium用のバイナリーベクター系を使用し、次いで、トウモロコシを形質転換することができるAgrobacterium株に転移した。形質転換された細胞株を除草剤耐性によって特定し、植物に成熟させた。
【0097】
具体的には、トウモロコシを、構築物あたり少なくとも2000個のトウモロコシ胚を最初に処理し、続いてT0世代植物を再生することによって形質転換した。次いで、植物を温室に移し、HiII未形質転換トウモロコシと交配してT1世代種子を得た。各構築物について種子が得られた再生T1世代植物の数を以下に列挙する。特に、植物における個々の形質転換事象の発現は、独立事象間で大きく異なることが示されており、したがって、本発明者らは、1構築物当たり多くの事象および1事象当たり多くの植物を成熟および結実させることを目標とする。
EIA-18事象を表す89植物
EIB-4事象を表す50植物
EID-15事象を表す88植物
EIE-6事象を表す37植物
【0098】
タンパク質の検出
T1世代植物の多数の単一種子を発現についてアッセイし、1構築物当たり最大360個の試料を得た。粗抽出物を粉砕全種子から試験した。最適な結果は、1×PBS+0.05%Tween(登録商標)中での抽出で得られた。代表的なウエスタンブロット(図2~4)によって示されるように、3つの組換えタンパク質(例えば、Eimeriaワクチンタンパク質3-1e、EF-1アルファおよびGam82)の強い発現が達成された。抗Eimeriaタンパク質抗体を使用するウエスタンブロットは、選択された高発現株で行われ、タンパク質のサイズおよびそれらがEimeriaタンパク質と免疫反応性であることを確認した。
【0099】
3-1e
図2は構築物EIAおよびEIDにおける3-1eの種子粒発現のウエスタンブロットを示す。50個の全種子を粉砕し、100mg小麦粉/1mL 1×PBS+0.05%Tween(登録商標)で抽出した。各試料は、構築物EIAまたはEIDのいずれかからの独立した挿入事象からの1つの植物由来の種子を表し、非形質転換陰性対照としてHiIIを有する。抽出物を還元条件下で標準SDS PAGEゲルにロードした。ブロットをiBlotによって膜に転写し、マウスmAbと3-1eを1:1000で用いて一晩インキュベーションした。ブロットを、アルカリホスファターゼおよびBCIP/NBTにコンジュゲートした抗マウスIgGを使用して展開させた。発現は100mg/kgと推定された。レーン1で予想されるよりも大きく泳動するバンドは、3-1e凝集および/または翻訳後修飾に起因する。
【0100】
EF-1a
図3は、構築物EIBおよびEIDにおけるEF-1aの種子粒発現のウエスタンブロットを示す。50個の全種子を粉砕し、100mg小麦粉/1mL 1×PBS+0.05%Tween(登録商標)(pH7.0)で抽出した。各試料は、構築物EIBまたはEIDのいずれかからの独立した挿入事象からの1つの植物由来の種子を表し、非形質転換陰性対照としてHiIIを有する。抽出物を還元条件下で標準SDS PAGEゲルにロードした。ブロットをiBlotによって膜に転写し、EF-1aに対してウサギAbを用いて一晩インキュベーションした。ブロットを、アルカリホスファターゼおよびBCIP/NBTにコンジュゲートした抗ウサギを使用して展開させた。輸送におけるいくらかの分解が、利用された1μgの陽性対照組換えタンパク質において認められた。予測サイズは51kDであったが、翻訳後修飾のために組換えタンパク質はより大きく泳動した(図3)。組換えタンパク質標的は、前記翻訳後修飾に起因して約82kD(図3に矢印で示す)に現れる。発現は平均50mg/kgと推定される。特に、内因性トウモロコシEF-1aは、Eimeria EF-1aと約70%同一であり、そのため、ポリクローナル抗体とのいくらかの交差反応性が観察され得る。本発明者らは、単一の種子を用いたさらなる分析を企図している。
【0101】
Gam82
図4は、構築物EIAおよびEIEにおけるGam82の種子粒発現のウエスタンブロットである。50個の全種子を粉砕し、100mg小麦粉/1mL 1×PBS+0.05%Tween(登録商標)で抽出した。各試料は、構築物EIAまたはEIEのいずれかからの独立した挿入事象からの1つの植物由来の種子を表し、非形質転換陰性対照としてHiIIを有する。抽出物を還元条件下で標準SDS PAGEゲルにロードした。ブロットをiBlotによって膜に転写し、Gam82に対してrAbを用いて一晩インキュベーションした。ブロットを、アルカリホスファターゼおよびBCIP/NBTにコンジュゲートした抗ウサギを使用して展開させた。対照大腸菌組換えタンパク質およびいくつかのEIA株(矢印)では強いシグナルがあるが、翻訳後修飾のために予想よりも大きく泳動した。予測サイズは約67kDである。このゲルおよび標準との比較に基づいて、発現は最大600mg/kgと推定される。本発明者らは、単一の種子を用いたさらなる分析を企図している。
【0102】
ELISAによる発現の定量
種子中のEimeriaワクチンタンパク質3-1eポリペプチド、Gam82ポリペプチドおよび/またはEF-1ポリペプチドの発現レベルも、以前に記載されたものと同様の方法でELISAによって定量され得る16。簡潔に記載すると、各植物からの個々の種子をPBS+1%Triton(登録商標) X-100中で別々に抽出し、抽出物中のタンパク質含有量をBradford法によって測定する。次いで、1μg相当の抽出タンパク質をELISAで試験する(Eimeriaタンパク質および抗Eimeriaタンパク質抗体は標準的な方法によって誘導され得る)。精製Eimeriaタンパク質を標準として使用し、対照種子抽出物を陰性対照として使用する。植物あたり6つの個々の種子を分析することができ、陽性種子における発現レベルを使用して各植物における平均抗原発現レベルを計算することができ、これを使用して各事象の平均発現レベルを計算し、これを最後に使用して様々な構築物の平均発現を計算することができる。このアプローチは、最も高い発現を有する構築物および形質転換事象を選択するために使用され得る。この手順は以前に統計的に分析されており、最高発現系統の選択に十分であることが示されている。
【0103】
さらなる試験のために材料を調製する
本発明者らは、構築物から、最も高い発現レベルのEimeriaワクチンタンパク質3-1eポリペプチド、Gam82ポリペプチドおよび/またはEF-1aポリペプチドを有する株を選択した。これらの構築物は、個々にEimeriaワクチンタンパク質を試験するために使用され得る。種子は、意図しない植物の変化を伴わずに、高発現の安定な系統を選択するために繁殖し得る。次世代からの材料を、本明細書に記載の研究に使用し得る。前記Eimeriaワクチンタンパク質は、少なくとも1mg/kgの種子のレベルで高発現安定株で発現する。Eimeriaワクチンタンパク質を含有する穀粒は、前述のように抗体アフィニティーカラムを使用して抗原を精製するために使用され得る17。簡潔に記載すると、抗Eimeria IgGを、臭化シアン活性化セファロースビーズに結合してもよく、これは次いでカラムを作製するために使用され得る。カラムをPBSで平衡化し、抽出物をカラムにロードし、PBSで洗浄し、pH3の高塩で溶出し得る。溶出液をウエスタンブロットで泳動して免疫反応性を確認し、クーマシー染色ゲルで泳動して純度の推定値を得る。ウエスタンブロットに加えて、n末端配列およびレクチン結合を使用してグリコシル化を確認することができ、分光光度分析を使用して植物産生タンパク質を他の組換え宿主から産生されたEimeriaタンパク質のものと比較することができる。系統由来の穀粒は、前述のようにウエハを形成するために処理および使用することができる18
【0104】
配列の詳細
(トウモロコシのコドン最適化配列)
開始メチオニン
終止コドン
下線:重要な制限部位(NcoI、PacI、HindIII)
イタリック体:シグナル配列(オオムギアルファアミラーゼ(BAASS)および/またはKDEL)
配列番号1 GenBank AAD39362の3-1eポリペプチド配列
(3-1eポリペプチドは、「3-1e」、「3-1eタンパク質」または「Eimeria acervulina 3-1e/プロフィリンタンパク質配列」とも呼ばれる)
配列番号2 BAASS 3-1eヌクレオチド配列
【化1】
配列番号3 BAASS KDEL 3-1eヌクレオチド合成
【化2】
配列番号4 GenBank XP_013234784のEF-1aポリペプチド配列
(EF-1aポリペプチドは、「EF-1a」、「EF-1aタンパク質」または「Eimeria tenella EF-1aタンパク質配列」とも呼ばれる)
配列番号5 EF-1aヌクレオチド配列
【化3】
配列番号6 BAASS EF-1a KDELヌクレオチド合成
【化4】
配列番号7 GenBank XP_013333566のGam82ポリペプチド配列
(Gam82ポリペプチドは、「Gam82」、「Gam82タンパク質」または「Eimeria maxima Gam82タンパク質配列」とも呼ばれる)
配列番号8 BAASS Gam82ヌクレオチド合成
【化5】
配列番号9 BAASS KDEL Gam82ヌクレオチド合成
【化6】
【0105】
実施例3
ニワトリにおけるEimeriaによる抗原投与からの防御を得る
給餌試験のためのトウモロコシ穀粒調製
最も高レベルのEimeriaワクチンタンパク質3-1e、EF-1アルファおよびGam82を有する系統からの種子を繁殖させて、給餌試験用の穀粒を得た。穀粒は、カスタマイズされた胚芽を取り除くシステムを使用して胚芽画分を濃縮することができる。一実施形態では、抗原は胚で優先的に発現し、濃縮は抗原濃度の3~7倍の増加をもたらし得る。このアプローチは、組換えタンパク質濃度を増加させるために多くの他のタンパク質に使用されてきた。次いで、胚芽画分を小麦粉に粉砕し、SFEを使用して脱脂して安定性を高めることができる。胚芽粉は、1mgの目標用量を使用して標準的なニワトリ飼料に組み込むことができる。次いで、材料を、周囲温度で乾燥飼料中の抗原の安定性について試験することができる。本発明者らが企図する別の実施形態では、Eimeriaワクチンタンパク質は、対象動物に個別にまたは複合的に送達され得る。例えば、様々な系統を混合することによって、2つまたはそれを超えるEimeriaワクチンタンパク質(例えば、3-1e、EF-1アルファおよびGam82)を同時に対象に送達することができる。系統はまた、標的抗原を送達する追加の手段を提供するために交配されてもよい。
【0106】
ブロイラー鶏における経口送達されたEimeriaサブユニットワクチンの評価:
給餌および抗原投与:給餌および投薬は、消費の下端で対象鳥を防御するのに十分な用量を達成できるように構成することができる。予想される投薬は、防御された鳥の>85%で集団免疫が達成され得るような投薬である。動物モデルに基づいて、これは、経済的損失を防ぎ、疾患のまん延を止めるのに十分であるべきである。
【0107】
完全飼料における送達されたEimeriaのトウモロコシ由来抗原の防御効果をワクチン接種-抗原投与試験で評価した。ワクチン飼料の3日間投与を、7、8および9日齢ならびに14、15および16日齢で投与した。非ワクチン接種、非抗原投与の処置群および非ワクチン接種、抗原投与の処置群も存在した。実験設計の詳細を以下の表1に要約する。
【表1】
【0108】
E.acervulina、E.maximaおよびE.tenellaの約35,000個のオーシストからなる大用量の混合種アイEimeria抗原投与を28日齢(試験21日目)で投与した。病変スコアリングを抗原投与後6日目および12日目に行った。標準的な統計分析を使用して、平均病変スコア(0~4、スコア2の病変が有意な産生低下をもたらす)、オーシスト排出量、体重および飼料転換について処置を比較した。
【0109】
試験の結果は、E.acervulina抗原投与に対する3日間の高用量ワクチン接種レジメンについて統計学的に有意な防御応答を示した。平均病変スコアは、陽性対照群の1.9から高用量群の1.5に減少した(図9A)。2を超えるまたは2未満の病変スコアを有する鳥のカテゴリ分析を適用した場合、ワクチン接種群は、すべてのEimeria種の陽性対照と比較して、2を超える病変を有する鳥が少ない傾向があった。
【0110】
成績データは、ワクチン接種が陰性対照群と比較して体重または飼料転換に悪影響を及ぼさないことを実証した。ワクチン接種は、抗原投与後の体重減少または飼料転換の低下に対する統計学的に有意な防御をもたらさなかった。しかしながら、抗原投与後の体重増加は、対照群と比較して高用量ワクチン接種処置群においてより良好であった(図9B)。
【0111】
抗原投与後のオーシスト排出量も免疫の尺度として調べた。オーシスト排出量の減少は、フロック内の感染へのその後の曝露を減少させ、フロック間のオーシストのキャリーオーバを減少させる。排泄物1グラム当たりのオーシストの平均数(OPG)は、陽性対照と比較して抗原投与後6日目に両ワクチン処置群で低く、ワクチン接種群では85%および75%減少した(図9C)。これらの結果は、サブユニットワクチンについての文献と比較した場合に有望である。
【0112】
全体として、経口送達されたEimeriaサブユニットワクチンは安全性を実証し、免疫原性について好ましい結果を示した。抗原用量、ワクチン投与のタイミングを最適化し、免疫応答をさらに特徴付けるために、将来の研究が行われるであろう。
【0113】
本明細書に記載されるように、上記の例は、トウモロコシ産生Eimeria抗原の経口投与がどのようにEimeriaの抗原投与からニワトリを防御することができるかを示す。
【0114】
結論
本明細書では、ニワトリおよび他の動物において経口送達され、低コストで、迅速に測定可能なEimeriaワクチンを開発するためのワクチンプラットフォームが開示される。この前提を支持するために、本発明者らは以下を実証した:1)アポプラストまたはERを標的とする3つのタンパク質3-1e、EF-1アルファ、およびGam82を表す43の独立した形質転換事象からの植物が再生された、2)。これは、トウモロコシ産生Eimeria抗原の経口投与が、コストおよび植物での産生からのスケールアップの利点を伴って、Eimeriaの抗原投与からニワトリを防御し得ることを実証するために使用される。鳥コクシジウム症に対する有効なワクチンの初期開発は、最も一般的なEimeria種のいくつかに対する広範な防御を提供し得る。ウエスタンブロット分析を個々の事象からのバルク種子に対して行った。蓄積レベルは、各抗原について平均50mg/kgの全種子であった。この範囲は、選択せずに動物研究を実施するのに最適である。さらに、本発明者らは、本発明者らが胚芽およびバルクアップ穀粒を濃縮することができるように、最も高い生産ラインを拡大することを企図している。本発明者らは現在、トウモロコシの1本の穂のみから始めて、伝統的に製造されるワクチンのコストの何分の1で、1年で数十億回の用量まで製造を拡大する立場にある。熱安定性経口ワクチンはまた、投与のためのコールドチェーンおよび人員の必要性を排除し、家禽の大量免疫化に向けたより容易で迅速な経路を可能にする。
【0115】
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【0116】
配列概要
配列番号1 AAD39362の3-1eポリペプチド配列
配列番号2 BAASS 3-1eヌクレオチド配列
配列番号3 BAASS KDEL 3-1eヌクレオチド合成
配列番号4 GenBank XP_013234784のEF-1aポリペプチド配列
配列番号5 EF-1aヌクレオチド配列
配列番号6 BAASS EF-1a KDELヌクレオチド合成
配列番号7 GenBank XP_013333566のGam82ポリペプチド配列
配列番号8 BAASS Gam82ヌクレオチド合成
配列番号9 BAASS KDEL Gam82ヌクレオチド合成
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
【配列表】
2025501953000001.xml
【国際調査報告】