(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ウェアラブルデバイスによるユーザ認証
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20250117BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20250117BHJP
A61B 5/117 20160101ALI20250117BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F3/01 514
G06F3/01 570
A61B5/117 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539571
(86)(22)【出願日】2022-12-23
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 US2022082342
(87)【国際公開番号】W WO2023129888
(87)【国際公開日】2023-07-06
(32)【優先日】2021-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】ティリー,ハル
(72)【発明者】
【氏名】スオトサロ,キムモ
(72)【発明者】
【氏名】ルシラ,マッティ
(72)【発明者】
【氏名】フットゥネン,ヘイッキ
(72)【発明者】
【氏名】ポイコラ,ヴァッティ
(72)【発明者】
【氏名】パルタネン,ユッカ
【テーマコード(参考)】
4C038
5E555
【Fターム(参考)】
4C038VA07
4C038VB13
5E555AA52
5E555AA53
5E555BA04
5E555BA38
5E555BB04
5E555BB38
5E555BC16
5E555CA10
5E555CB66
5E555CB69
5E555FA00
(57)【要約】
ウェアラブルデバイスを動作させるための方法、システム、およびデバイスが説明される。ウェアラブルデバイスは、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定し得る。ウェアラブルデバイスは、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに基づいて、ユーザから生理学的データを収集し得る。次いで、ウェアラブルデバイスは、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定し得る。次いで、ウェアラブルデバイスは、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスにおける方法であって、
前記ウェアラブルデバイスによって、ユーザが前記ウェアラブルデバイスを前記ユーザの指に装着していると決定するステップと、
前記ユーザが前記ウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザから生理学的データを収集するステップと、
前記ユーザのアイデンティティを、前記収集された生理学的データが前記アイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定するステップと、
ユーザ認証を必要とする前記ウェアラブルデバイスによるアクションに対して前記ユーザを認証するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて前記アクションを開始するステップであって、前記アクションが、支払トランザクション、または前記アイデンティティについての追加の生理学的データを収集することを含む、ステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザを認証して以来、前記ウェアラブルデバイスが前記ユーザの前記指に装着されたままであると決定するステップであって、前記アクションは、前記ユーザを認証して以来、前記ウェアラブルデバイスが前記ユーザの前記指に装着されたままであると決定したことに少なくとも部分的に基づいて開始される、ステップ
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて、および前記ユーザによって行われるジェスチャまたは前記ユーザに対する前記ウェアラブルデバイスの近接度に少なくとも部分的に基づいて、通信構成要素をアクティブ化するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記通信構成要素をアクティブ化してからしきい値期間が経過したことに少なくとも部分的に基づいて、前記アクションを完了したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに対する前記ウェアラブルデバイスの前記近接度がしきい値距離を超えたことに少なくとも部分的に基づいて、またはそれらの任意の組合せにより、前記通信構成要素を非アクティブ化するステップ
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ジェスチャは、前記ウェアラブルデバイスで支払端末をタップすることを含み、前記方法は、
前記通信構成要素をアクティブ化したことに少なくとも部分的に基づいて、支払情報を前記支払端末に通信するステップ
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザに関する加速度計データを収集するステップであって、前記ジェスチャは、前記加速度計データに少なくとも部分的に基づいて決定される、ステップと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ある期間にわたって前記生理学的プロファイルを決定するステップと、
前記生理学的プロファイルを前記ウェアラブルデバイスのメモリに記憶するか、前記生理学的プロファイルをユーザデバイスに通信するか、またはその両方を行うステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記生理学的プロファイルは、光電式容積脈波(PPG)データを含み、前記方法は、
前記PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの1つまたは複数の生理学的特性を決定するステップであって、前記ユーザのアイデンティティは、前記1つまたは複数の生理学的特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、ステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の生理学的特性は、心拍数、心拍数変動、血圧、またはそれらの組合せを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記生理学的データは第2のPPGデータを含み、前記方法は、
前記ユーザによって行われている活動に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連付けられた状態に少なくとも部分的に基づいて、または両方に基づいて、前記第2のPPGデータを正規化するステップ
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記生理学的プロファイルは、前記ユーザの動きに関連付けられた動きパターンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記動きパターンは、前記ユーザによって実行される予め定義されたハンドジェスチャを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記アイデンティティに関連付けられたユーザデバイスに対する前記ウェアラブルデバイスの近接度を決定するステップであって、前記ユーザの前記アイデンティティは、前記ユーザデバイスに対する前記ウェアラブルデバイスの前記近接度に少なくとも部分的に基づいて決定される、ステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ユーザを認証するステップは、第1の認証手順の一部であり、前記方法は、
前記ユーザの認証後、前記ユーザが前記ウェアラブルデバイスを取り外したと決定するステップと、
前記ユーザの認証後、前記ユーザが前記ウェアラブルデバイスを取り外したと決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザのための第2の認証手順を実行するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて通信構成要素をアクティブ化するステップと、
前記通信構成要素を使用してアクセス手順またはサインイン手順を実行するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて通信構成要素をアクティブ化するステップと、
前記通信構成要素をアクティブ化したことに少なくとも部分的に基づいて別のデバイスとのデータ転送を開始するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記生理学的データは、前記ウェアラブルデバイスの1つまたは複数のセンサを使用して収集され、前記方法は、
前記生理学的データを前記ウェアラブルデバイスのメモリに記憶するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
ウェアラブルデバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記メモリに記憶された命令と
を備え、前記命令は、前記装置に、
前記ウェアラブルデバイスによって、ユーザが前記ウェアラブルデバイスを前記ユーザの指に装着していると決定することと、
前記ユーザが前記ウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザから生理学的データを収集することと、
前記ユーザのアイデンティティを、前記収集された生理学的データが前記アイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定することと、
ユーザ認証を必要とする前記ウェアラブルデバイスによるアクションに対して前記ユーザを認証することと
を行わせるように前記プロセッサによって実行可能である、ウェアラブルデバイス。
【請求項20】
コードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コードは、ウェアラブルデバイスに、
前記ウェアラブルデバイスによって、ユーザが前記ウェアラブルデバイスを前記ユーザの指に装着していると決定することと、
前記ユーザが前記ウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザから生理学的データを収集することと、
前記ユーザのアイデンティティを、前記収集された生理学的データが前記アイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定することと、
ユーザ認証を必要とする前記ウェアラブルデバイスによるアクションに対して前記ユーザを認証することと
を行わせるようにプロセッサによって実行可能な命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本特許出願は、2022年12月22日に出願された「USER AUTHENTICATION BY A WEARABLE DEVICE」と題するTilyらによる米国特許出願第18/087,590号、および2021年12月30日に出願された「USER AUTHENTICATION BY A WEARABLE DEVICE」と題するTilyらによる米国仮特許出願第63/295,040号の利益を主張するものであり、それらの各々は、本明細書の譲受人に譲渡され、それらの各々は、参照により本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
以下は、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証を含む、ウェアラブルデバイスおよびデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかのウェアラブルデバイスは、ユーザから個人データを収集するように構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスは、ユーザから生理学的データを収集する1つまたは複数のセンサを含み得る。ウェアラブルデバイスはまた、支払トランザクションまたはアクセス手順などの様々なアクションを実行することが可能であり得る。ウェアラブルデバイスによってアクションを実行するための改善された技法が望まれ得る。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするシステムの一例を示す。
【
図2】本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするシステムの一例を示す。
【
図3】本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするシステムの一例を示す。
【
図4】本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートする装置のブロック図を示す。
【
図5】本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするウェアラブルデバイスマネージャのブロック図を示す。
【
図6】本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするデバイスを含むシステムの図を示す。
【
図7】本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートする方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ウェアラブルデバイスは、支払トランザクションまたはアクセス手順など、ユーザの代わりに様々なアクションを実行するように構成され得る。しかしながら、場合によっては、権限のない人がウェアラブルデバイスにアクセスし、ウェアラブルデバイスを使用して、認可ユーザ(authorized user)に限定されたアクションを実行する可能性がある。例えば、権限のない人が、ウェアラブルデバイスを使用して、支払を不正に行ったり、アカウントにサインインしたり、制限されたエリアにアクセスしたりする可能性がある。本明細書で説明される技法によれば、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルデバイスの認可ユーザに限定されるアクションをある人が開始することを許可する前に、認証手順を実行し得る。
【0006】
認証手順をサポートするために、ウェアラブルデバイスは、認可ユーザのための生理学的データを収集して、ウェアラブルデバイスが認可ユーザのための生理学的プロファイルを構築することができるようにし得る。ウェアラブルデバイスがある人によって装着されていることを検出すると、ウェアラブルデバイスは、その人から生理学的データを収集し、その生理学的データを認可ユーザの生理学的プロファイルと比較し得る。その人からの生理学的データが認可ユーザのプロファイルと一致する場合、ウェアラブルデバイスは、その人を認可ユーザとして識別し、その人を認証し得る。そうでない場合(例えば、その人からの生理学的データが認可ユーザの生理学的プロファイルと一致しない場合)、ウェアラブルデバイスは、その人にウェアラブルデバイスの未認可ユーザというフラグを立て、その人によりユーザ認証を必要とするアクションが開始されるのを防止し得る。生理学的プロファイルはまた、他の好適な用語の中でもとりわけ、生理学的シグネチャ、生理学的パターン、またはバイオメトリックプロファイルと呼ばれることもある。
【0007】
本開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスを介したユーザからの生理学的データ収集をサポートするシステムの文脈で説明される。本開示の態様は、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証に関する装置図、システム図、およびフローチャートによってさらに示され、それらを参照して説明される。
【0008】
図1は、本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするシステム100の一例を示す。システム100は、1人以上のユーザ102によって装着および/または操作され得る複数の電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、ネットワーク108および1つまたは複数のサーバ110をさらに含む。
【0009】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えば、リングウェアラブルデバイス、ウォッチウェアラブルデバイスなど)、ユーザデバイス106(例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット)など、当該技術分野において既知の任意の電子デバイスを含み得る。それぞれのユーザ102に関連付けられた電子デバイスは、以下の機能、すなわち、1)生理学的データを測定すること、2)測定されたデータを記憶すること、3)データを処理すること、4)処理されたデータに基づいてユーザ102に(例えば、GUIを介して)出力を提供すること、ならびに5)互いにおよび/または他のコンピューティングデバイスとデータを通信することのうちの1つまたは複数を含み得る。異なる電子デバイスが、これらの機能のうちの1つまたは複数を実行してもよい。
【0010】
例示的なウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に装着されるように構成されたリングコンピューティングデバイス(以下、「リング」)、ユーザ102の手首に装着されるように構成された手首コンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、フィットネスバンド、またはブレスレット)、および/またはヘッドマウントコンピューティングデバイス(例えば、眼鏡/ゴーグル)などのウェアラブルコンピューティングデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、バンド、ストラップ(例えば、可撓性または非可撓性のバンドまたはストラップ)、スティックオンセンサなどを含み得、これらは、頭の周りのバンド(例えば、額ヘッドバンド)、腕の周りのバンド(例えば、前腕バンドおよび/または二頭筋バンド)、および/または脚の周りのバンド(例えば、大腿またはふくらはぎバンド)、耳の後ろ、腋窩の下などの他のロケーションに配置され得る。ウェアラブルデバイス104は、衣類に取り付けられてもよいし、衣類に含められてもよい。例えば、ウェアラブルデバイス104は、衣服のポケットおよび/またはポーチに含められ得る。別の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ留めおよび/またはピン留めされてもよいし、他の方法でユーザ102の近傍内に保持されてもよい。衣料品の例としては、帽子、シャツ、手袋、ズボン、靴下、上着(例えば、ジャケット)、および下着が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実装形態では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツデバイスなどの他のタイプのデバイスに含まれ得る。例えば、ウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー板、テニスラケット、ゴルフクラブ、および/またはトレーニングウェイトに取り付けられてもよいし、それらに含まれてもよい。
【0011】
本開示の多くは、リングウェアラブルデバイス104の文脈で説明され得る。したがって、「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」などの用語、本明細書において別段の記載がない限り、互換的に使用され得る。しかしながら、本開示の態様は、他のウェアラブルデバイス(例えば、ウォッチウェアラブルデバイス、ネックレスウェアラブルデバイス、ブレスレットウェアラブルデバイス、イヤリングウェアラブルデバイス、アンクレットウェアラブルデバイスなど)を使用して実行され得ることが本明細書で企図されるので、「リング104」という用語の使用は、限定と見なされるべきではない。
【0012】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、スマートフォンおよびタブレットコンピューティングデバイスなどのハンドヘルドモバイルコンピューティングデバイスを含み得る。ユーザデバイス106はまた、ラップトップおよびデスクトップコンピューティングデバイスなどのパーソナルコンピュータを含み得る。他の例示的なユーザデバイス106は、(例えば、インターネットを介して)他の電子デバイスと通信し得るサーバコンピューティングデバイスを含み得る。いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスは、外部ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、ホルターモニタ)などの医療デバイスを含み得る。医療デバイスには、ペースメーカーおよび電気除細動器などの埋込型医療デバイスも含まれ得る。他の例示的なユーザデバイス106には、モノのインターネット(IoT)デバイス(例えば、IoTデバイス)、スマートテレビ、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えば、ビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば、ワイヤレス通信ハブ)、セキュリティシステム、スマート家電(例えば、サーモスタットおよび冷蔵庫)、およびフィットネス機器などのホームコンピューティングデバイスが含まれ得る。
【0013】
いくつかの電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラフィ波形、連続皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、心拍数変動(HRV)、アクティグラフィー、電気皮膚反応、パルスオキシメトリ、および/または他の生理学的パラメータなど、それぞれのユーザ102の生理学的パラメータを測定し得る。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書で説明される計算のうちのいくつか/すべてを実行し得る。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定しなくてもよく、本明細書で説明される計算のうちのいくつか/すべてを実行し得る。例えば、リング(例えば、ウェアラブルデバイス104)、モバイル端末アプリケーション、またはサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定された受信した生理学的データを処理し得る。
【0014】
いくつかの実装形態では、ユーザ102は、複数の電子デバイスを動作させてもよいし、それに関連付けられてもよく、生理学的パラメータを測定し得るものもあれば、測定された生理学的パラメータを処理し得るものもある。いくつかの実装形態では、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えば、ウェアラブルデバイス104)を有し得る。ユーザ102はまた、ユーザデバイス106(例えば、モバイル端末、スマートフォン)を有してもよいし、それに関連付けられてもよく、ウェアラブルデバイス104およびユーザデバイス106は、相互に通信可能に結合される。場合によっては、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受信し、本明細書で説明される計算のうちのいくつか/すべてを実行し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106はまた、モーション/活動パラメータなどの本明細書で説明される生理学的パラメータを測定し得る。
【0015】
例えば、
図1に示すように、第1のユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書で説明されるように動作し得るウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)およびユーザデバイス106-aを動作させてもよいし、それらに関連付けられてもよい。この例では、ユーザ102-aに関連付けられたユーザデバイス106-aは、リング104-aによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。比較すると、第2のユーザ102-b(ユーザ2)は、リング104-b、ウォッチウェアラブルデバイス104-c(例えば、ウォッチ104-c)、およびユーザデバイス106-bに関連付けられ得、ユーザ102-bに関連付けられたユーザデバイス106-bは、リング104-bおよび/またはウォッチ104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。さらに、第nのユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書で説明される電子デバイスの配置(例えば、リング104-n、ユーザデバイス106-n)に関連付けられ得る。いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング104、ウォッチ104)および他の電子デバイスは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、および他のワイヤレスプロトコルを介してそれぞれのユーザ102のユーザデバイス106に通信可能に結合され得る。
【0016】
いくつかの実装形態では、システム100のリング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)は、ユーザの指内の動脈血流に基づいて、それぞれのユーザ102から生理学的データを収集するように構成され得る。特に、リング104は、ユーザの指の手のひら側に光を放出する1つまたは複数のLED(例えば、赤色LED、緑色LED)を利用して、ユーザの指内の動脈血流に基づいて生理学的データを収集し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、緑色LEDおよび赤色LEDの両方の組合せを使用して、生理学的データを取得し得る。生理学的データは、限定はしないが、温度データ、加速度計データ(例えば、移動/モーションデータ)、心拍数データ、HRVデータ、血中酸素濃度データ、またはそれらの任意の組合せを含む、当該技術分野において既知の任意の生理学的データを含み得る。一般に、発光構成要素、発光素子などの用語には、LED、マイクロLED、ミニLED、レーザダイオード(LD)などが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0017】
場合によっては、システム100は、毛細血管および細動脈を有する皮膚の微小血管床内に拡散した血流に基づいて、それぞれのユーザ102から生理学的データを収集するように構成されてもよい。例えば、システム100は、毛細血管および細動脈の微小血管系に拡散した血液の測定量に基づいて、PPGデータを収集してもよい。いくつかの実装形態では、リング104は、緑色LEDおよび赤色LEDの両方の組合せを使用して、生理学的データを取得し得る。生理学的データは、限定はしないが、温度データ、加速度計データ(例えば、移動/モーションデータ)、心拍数データ、HRVデータ、血中酸素濃度データ、またはそれらの任意の組合せを含む、当該技術分野において既知の任意の生理学的データを含み得る。
【0018】
赤色LEDおよび緑色LEDは、異なる条件(例えば、明/暗、活動/非活動)下で、身体の異なる部分を介して生理学的データを取得するとき、それぞれ独自の明確な利点を有することが分かっているので、緑色LEDおよび赤色LEDの両方を使用すると、他の解決策を上回るいくつかの利点が提供され得る。例えば、緑色LEDは、運動中により良好な性能を示すことが分かっている。さらに、リング104の周りに分散された複数のLED(例えば、緑色LEDおよび赤色LED)を使用することは、ウォッチウェアラブルデバイス内など、互いに近接して配置されたLEDを使用するウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を示すことが分かっている。さらに、手首内の血管と比較して、指内の血管(例えば、動脈、毛細血管)は、LEDを介したアクセスがより容易である。特に、手首の動脈は、手首の下部(例えば、手首の手のひら側)に位置しており、これは、ウェアラブルウォッチデバイスおよび同様のデバイスが典型的に装着される手首の上部(例えば、手首の手の甲側)では毛細血管にのみアクセス可能であることを意味している。このように、リング104内でLEDおよび他のセンサを利用すると、リング104による(毛細血管と比較して)動脈へのアクセスがより大きくなり、その結果、信号が強くなって生理学的データがより有益になり得るので、手首に装着されるウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を呈することが分かっている。
【0019】
システム100の電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、ワイヤードまたはワイヤレス通信プロトコルを介して1つまたは複数のサーバ110に通信可能に結合され得る。例えば、
図1に示すように、電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つまたは複数のサーバ110に通信可能に結合され得る。ネットワーク108は、インターネットなどの転送制御プロトコルおよびインターネットプロトコル(TCP/IP)を実装してもよいし、他のネットワーク108プロトコルを実装してもよい。ネットワーク108とそれぞれの電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、メール、またはコンピュータネットワーク108内の対話の任意の他の適切な形態を介したデータの転送を容易にし得る。例えば、いくつかの実装形態では、第1のユーザ102-aに関連付けられたリング104-aは、ユーザデバイス106-aに通信可能に結合され得、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110に通信可能に結合される。追加または代替のケースでは、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング104、ウォッチ104)は、ネットワーク108に直接通信可能に結合され得る。
【0020】
システム100は、ユーザデバイス106と1つまたは複数のサーバ110との間でオンデマンドのデータベースサービスを提供し得る。場合によっては、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受信してもよく、データを記憶および分析してもよい。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供してもよい。場合によっては、サーバ110は、1つまたは複数のデータセンタに位置していてもよい。サーバ110は、データ記憶、管理、および処理のために使用され得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106にウェブベースのインターフェースを提供し得る。
【0021】
いくつかの態様では、システム100は、ユーザ102が眠っている期間を検出し、ユーザ102が眠っている期間を1つまたは複数の睡眠段階に分類し得る(例えば、睡眠段階分類)。例えば、
図1に示すように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)およびユーザデバイス106-aに関連付けられ得る。この例では、リング104-aは、温度、心拍数、HRV、呼吸数などを含む、ユーザ102-aに関連付けられた生理学的データを収集し得る。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータは、機械学習分類器に入力され得、機械学習分類器は、ユーザ102-aが眠っている(または眠っていた)期間を決定するように構成される。さらに、機械学習分類器は、覚醒睡眠段階、急速眼球運動(レム(REM))睡眠段階、浅い睡眠段階(ノンレム(NREM))、および深い睡眠段階(NREM)を含む異なる睡眠段階に期間を分類するように構成され得る。いくつかの態様では、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIを介してユーザ102-aに表示され得る。睡眠段階分類は、推奨就寝時刻(bedtime)、推奨覚醒時刻(wake-up time)などのユーザの睡眠パターンに関するフィードバックをユーザ102-aに提供するために使用され得る。さらに、いくつかの実装形態では、本明細書で説明される睡眠段階分類技法は、睡眠スコア(Sleep Score)、レディネススコア(Readiness Score)などのそれぞれのユーザのスコアを計算するために使用され得る。
【0022】
いくつかの態様では、システム100は、生理学的データ収集、データ処理手順、および本明細書で説明される他の技法をさらに改善するために、概日リズム由来の特徴を利用し得る。概日リズムという用語は、約24時間ごとに繰り返される個人の睡眠-覚醒サイクルを調整する自然な内部プロセスを指し得る。この点に関して、本明細書で説明される技法は、生理学的データ収集、分析、およびデータ処理を改善するために、概日リズム調整モデルを利用し得る。例えば、概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aを介してユーザ102-aから収集された生理学的データとともに機械学習分類器に入力され得る。この例では、概日リズム調整モデルは、ユーザの自然な略24時間の概日リズムを通して収集された生理学的データを「重み付け」または調整するように構成され得る。いくつかの実装形態では、本システムは、最初に、「ベースライン」概日リズム調整モデルから開始し得、各ユーザ102から収集された生理学的データを使用してベースラインモデルを修正し、各それぞれのユーザ102に固有の、調整された個別の概日リズム調整モデルを生成し得る。
【0023】
いくつかの態様では、システム100は、他の生体リズムを利用して、これらの他のリズムのフェーズによる生理学的データ収集、分析、および処理をさらに改善し得る。例えば、週単位のリズムが個人のベースラインデータ内で検出された場合、モデルは、曜日別にデータの「重み」を調整するように構成され得る。この方法によるモデルの調整を必要とし得る生体リズムは、以下を含む:1)ウルトラディアン(1日よりも速いリズムであり、睡眠状態における睡眠周期、および覚醒状態の間の測定された生理学的変数における1時間未満から数時間の周期性の振動を含む)、2)概日リズム、3)作業スケジュールのように、概日リズムに課されることが示される非内因性の日周リズム、4)週単位のリズム、または外因的に課される他の人工的な時間周期性(例えば、12日の「週」を持つ仮定上の文化であれば、12日のリズムが使用され得る)、5)女性の場合の数日間の卵巣リズムおよび男性の場合の精子形成リズム、6)月のリズム(人工光がほとんどまたは全くない状態で生活している人に関連がある)、7)季節的リズム。
【0024】
生体リズムは必ずしも定常リズムとは限らない。例えば、多くの女性は、周期間で卵巣周期の長さのばらつきを経験し、ウルトラディアンリズムは、ユーザ内であっても、日をまたいでまったく同じ時間または周期性で起きるとは考えられない。そのため、生理学的データにおいけるこれらのリズムの時間分解能を維持しながら周波数成分を定量化するのに十分な信号処理技法を使用してこれらのリズムの検出を改善し、測定された各時点に各リズムの位相を割り当て、それによって調整モデルおよび時間間隔の比較を修正し得る。生体リズム調整モデルおよびパラメータは、個人または個人のグループの動的な生理学的ベースラインをより正確に捉えるために、必要に応じて線形または非線形の組合せで追加され得る。
【0025】
いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104は、ユーザ102が認可ユーザに限定されたアクションを開始することを許可する前に、ユーザ102をウェアラブルデバイス104の認可ユーザとして(または1つもしくは複数のアクションに対する認可ユーザとして)認証するように構成され得る。例えば、ある人がウェアラブルデバイス104を装着していると決定すると、ウェアラブルデバイス104は、その人の生理学的データを収集し、その生理学的データを認可ユーザに関連付けられた生理学的プロファイルと比較し得る。その人からの生理学的データが、認可ユーザの生理学的プロファイルと一致する場合、ウェアラブルデバイス104は、その人を認可ユーザとして認証し得る。その人からの生理学的データが認可ユーザの生理学的プロファイルと一致しない場合、ウェアラブルデバイス104は、その人を認可ユーザとして認証しないことができる。
【0026】
その人を認証すると、ウェアラブルデバイス104は、その人が、認可ユーザに限定された様々なアクションを開始することを許可し得る。例えば、ウェアラブルデバイス104は、その人が支払手順、アクセス手順、またはサインイン手順を開始することを許可し得る。未認可ユーザが後にウェアラブルデバイス104を使用してそのようなトランザクションを開始するのを防止するために、ウェアラブルデバイス104は、ウェアラブルデバイス104が取り外されたことをウェアラブルデバイス104が感知するたびに認証手順を実行し得る。例えば、ある人を認証した後、ウェアラブルデバイス104がその人の認証以降に除去されたとウェアラブルデバイス104が決定した場合、ウェアラブルデバイス104は認証手順を再び実行し得る。
【0027】
生理学的データは人に固有のものであるので、ユーザ認証を実行するための生理学的データの使用は、他の技法(例えば、ユーザからの入力を必要とし、未認可ユーザによって使用される可能性のあるパスコードに依拠する技法)よりも、ユーザからの労力をあまり必要としないことがあり、より信頼できる可能性がある。ユーザ認証を実行するための生理学的データの使用はまた、(例えば、保険料率またはリベート目的のため、臨床試験目的のために)ある人について収集された生理学的データが正しい人に関連付けられることを確実にし得る。
【0028】
本開示の1つまたは複数の態様は、追加的または代替的に、上記で説明した問題以外の問題を解決するためにシステム100において実装され得ることを、当業者によって理解されたい。さらに、本開示の態様は、本明細書で説明されるような「従来の」システムまたはプロセスに対する技術的な改善を提供し得る。しかしながら、説明および添付の図面は、本開示の態様を実施することから生じる例示的な技術的改善を含むにすぎず、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善のすべてを表すとは限らない。
【0029】
図2は、本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするシステム200の例を示す。システム200は、システム100を実装してもよいし、それらによって実装されてもよい。特に、システム200は、
図1を参照して説明されるように、リング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106、およびサーバ110の一例を示す。
【0030】
いくつかの態様では、リング104は、ユーザの指に装着されるように構成され得、ユーザの指に装着されたときに1つまたは複数のユーザ生理学的パラメータを決定し得る。例示的な測定および決定には、ユーザ皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、血中酸素濃度などが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0031】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えば、スマートフォン)をさらに含む。例えば、リング104は、ユーザデバイス106とワイヤレスおよび/またはワイヤード通信し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、測定および処理されたデータ(例えば、温度データ、光電式容積脈波(PPG)データ、モーション/加速度計データ、リング入力データなど)をユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106はまた、リング104のファームウェア/構成更新などのデータをリング104に送信し得る。ユーザデバイス106は、データを処理し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106は、処理および/または記憶のために、データをサーバ110に送信し得る。
【0032】
リング104は、内側ハウジング205-aおよび外側ハウジング205-bを含み得るハウジング205を含み得る。いくつかの態様では、リング104のハウジング205は、限定はしないが、デバイス電子機器、電源(例えば、バッテリ210、および/またはキャパシタ)、デバイス電子機器および/または電源を相互接続する1つまたは複数の基板(例えば、印刷可能回路板)などを含む、リングの様々な構成要素を格納するか、または他の方法で含み得る。デバイス電子機器は、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225などのデバイスモジュール(例えば、ハードウェア/ソフトウェア)を含み得る。デバイス電子機器はまた、1つまたは複数のセンサを含み得る。例示的なセンサは、1つまたは複数の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えば、PPGシステム235)、および1つまたは複数のモーションセンサ245を含み得る。
【0033】
センサは、リング104のそれぞれの構成要素/モジュールと通信し、それぞれのセンサに関連する信号を生成するように構成された関連モジュール(図示せず)を含み得る。いくつかの態様では、リング104の構成要素/モジュールの各々は、ワイヤードまたはワイヤレス接続を介して互いに通信可能に結合され得る。さらに、リング104は、光センサ(例えば、LED)、オキシメータなどを含む、ユーザから生理学的データを収集するように構成された追加および/または代替のセンサまたは他の構成要素を含み得る。
【0034】
図2を参照して示され説明されるリング104は、単に例示の目的で提供される。そのため、リング104は、
図2に示すもののような追加または代替の構成要素を含み得る。本明細書で説明される機能を提供する他のリング104が製造されてもよい。例えば、より少ない構成要素(例えば、センサ)を有するリング104が製造されてもよい。具体的な例では、単一の温度センサ240(または他のセンサ)、電源、および単一の温度センサ240(または他のセンサ)を読み取るように構成されたデバイス電子機器を有するリング104が製造され得る。別の具体的な例では、温度センサ240(または他のセンサ)は、(例えば、クランプ、ばね式クランプなどを使用して)ユーザの指に取り付けられ得る。この場合、センサは、温度センサ240(または他のセンサ)を読み取る手首装着型コンピューティングデバイスなどの別のコンピューティングデバイスに配線され得る。他の例では、追加のセンサおよび処理機能を含むリング104が製造されてもよい。
【0035】
ハウジング205は、1つまたは複数のハウジング205構成要素を含み得る。ハウジング205は、外側ハウジング205-b構成要素(例えば、シェル)と、内側ハウジング205-a構成要素(例えば、成形品)とを含み得る。ハウジング205は、
図2に明示的に示されていない追加の構成要素(例えば、追加の層)を含み得る。例えば、いくつかの実装形態では、リング104は、デバイス電子機器および他の導電性材料(例えば、電気トレース)を外側ハウジング205-b(例えば、金属外側ハウジング205-b)から電気的に絶縁する1つまたは複数の絶縁層を含み得る。ハウジング205は、デバイス電子機器、バッテリ210、基板(複数可)、および他の構成要素に構造的支持を提供し得る。例えば、ハウジング205は、デバイス電子機器、バッテリ210、および基板(複数可)を、圧力および衝撃などの機械的な力から保護し得る。ハウジング205はまた、デバイス電子機器、バッテリ210、および基板(複数可)を、水および/または他の化学物質から保護し得る。
【0036】
外側ハウジング205-bは、1つまたは複数の材料から製作され得る。いくつかの実装形態では、外側ハウジング205-bは、比較的軽量でありながら強度および耐摩耗性を提供し得るチタンなどの金属を含み得る。外側ハウジング205-bはまた、ポリマーなどの他の材料から製造されてもよい。いくつかの実装形態では、外側ハウジング205-bは、保護的であるだけでなく装飾的であり得る。
【0037】
内側ハウジング205-aは、ユーザの指とインターフェースするように構成され得る。内側ハウジング205-aは、ポリマー(例えば、医療グレードのポリマー)または他の材料から形成され得る。いくつかの実装形態では、内側ハウジング205-aは透過的であり得る。例えば、内側ハウジング205-aは、PPG発光ダイオード(LED)によって放出される光に対して透過的であり得る。いくつかの実装形態では、内側ハウジング205-a構成要素は、外側ハウジング205-a上に成形され得る。例えば、内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205-bの金属シェルに収まるように成形された(例えば、射出成形された)ポリマーを含み得る。
【0038】
リング104は、1つまたは複数の基板(図示せず)を含み得る。1つまたは複数の基板上にデバイス電子機器およびバッテリ210を備え得る。例えば、デバイス電子機器およびバッテリ210は、1つまたは複数の基板上に搭載され得る。例示的な基板には、フレキシブルPCB(例えば、ポリイミド)などの1つまたは複数のプリント回路基板(PCB)が含まれ得る。いくつかの実装形態では、電子機器/バッテリ210は、フレキシブルPCB上の表面実装デバイス(例えば、表面実装技術(SMT)デバイス)を含み得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の基板(例えば、1つまたは複数のフレキシブルPCB)は、デバイス電子機器間の電気通信を提供する電気トレースを含み得る。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイス電子機器に接続し得る。
【0039】
デバイス電子機器、バッテリ210、および基板は、様々な方法でリング104内に配置され得る。いくつかの実装形態では、デバイス電子機器を含む1つの基板は、センサ(例えば、PPGシステム235、温度センサ240、モーションセンサ245、および他のセンサ)がユーザの指の下側とインターフェースするように、リング104の底部(例えば、下半分)に沿って取り付けられ得る。これらの実装形態では、リング104の上部部分に沿って(例えば、別の基板上に)バッテリ210を備え得る。
【0040】
リング104の様々な構成要素/モジュールは、リング104に含まれ得る機能(例えば、回路および他の構成要素)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに帰属する機能を生成することが可能なアナログおよび/またはデジタル回路を実装する、任意のディスクリートおよび/または集積電子回路構成要素を含み得る。例えば、モジュールは、アナログ回路(例えば、増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路、および/または他の信号調整回路)を含み得る。モジュールはまた、デジタル回路(例えば、組合せ論理回路または順序論理回路、メモリ回路など)を含み得る。
【0041】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または任意の他のメモリデバイスなど、任意の揮発性、不揮発性、磁気、または電気媒体を含み得る。メモリ215は、本明細書で説明されるデータのいずれかを記憶し得る。例えば、メモリ215は、それぞれのセンサおよびPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば、モーションデータ、温度データ、PPGデータ)を記憶するように構成され得る。さらに、メモリ215は、1つまたは複数の処理回路によって実行されると、モジュールに、本明細書のモジュールに帰属する様々な機能を実行させる命令を含み得る。本明細書で説明されるリング104のデバイス電子機器は、例示的なデバイス電子機器にすぎない。そのため、デバイス電子機器を実装するために使用される電子構成要素のタイプは、設計上の考慮事項に基づいて異なり得る。
【0042】
本明細書で説明されるリング104のモジュールに帰属する機能は、1つまたは複数のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合せとして具現化され得る。異なる特徴をモジュールとして描写することは、異なる機能的態様を強調することを意図するものであり、そのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも意味するものでない。むしろ、1つまたは複数のモジュールに関連付けられた機能は、別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実行されてもよいし、共通のハードウェア/ソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0043】
リング104の処理モジュール230-aは、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、システムオンチップ(SoC)、および/または他の処理デバイスを含み得る。処理モジュール230-aは、リング104に含まれるモジュールと通信する。例えば、処理モジュール230-aは、センサなど、モジュールおよびリング104の他の構成要素に/からデータを送信/受信し得る。本明細書で説明されるように、モジュールは、様々な回路構成要素によって実装され得る。したがって、モジュールは、回路(例えば、通信回路および電力回路)と呼ばれることもある。
【0044】
処理モジュール230-aは、メモリ215と通信し得る。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行されたとき、処理モジュール230-aに、本明細書の処理モジュール230-aに帰属する様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を含み得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-a(例えば、マイクロコントローラ)は、通信モジュール220-a(例えば、統合Bluetooth Low Energyトランシーバ)および/または追加のオンボードメモリ215によって提供される通信機能など、他のモジュールに関連付けられた追加の特徴を含み得る。
【0045】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えば、ユーザデバイス106の通信モジュール220-b)とのワイヤレスおよび/またはワイヤード通信を提供する回路を含み得る。いくつかの実装形態では、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth(登録商標)回路および/またはWi‐Fi回路などのワイヤレス通信回路を含み得る。いくつかの実装形態では、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサルシリアルバス(USB)通信回路などのワイヤード通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを使用して、リング104およびユーザデバイス106は、互いに通信するように構成され得る。リングの処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106に/からデータを送信/受信するように構成され得る。例示的なデータには、モーションデータ、温度データ、パルス波形、心拍数データ、HRVデータ、PPGデータ、およびステータス更新(例えば、充電ステータス、バッテリ充電レベル、および/またはリング104構成設定)が含まれ得るが、これらに限定されない。リングの処理モジュール230-aはまた、ユーザデバイス106から更新(例えば、ソフトウェア/ファームウェア更新)およびデータを受信するように構成され得る。
【0046】
リング104は、バッテリ210(例えば、充電式バッテリ210)を含み得る。例示的なバッテリ210には、リチウムイオンまたはリチウムポリマータイプのバッテリ210が含まれ得るが、様々なバッテリ210オプションが可能である。バッテリ210は、ワイヤレス充電され得る。いくつかの実装形態では、リング104は、キャパシタなど、バッテリ210以外の電源を含み得る。電源(例えば、バッテリ210またはキャパシタ)は、リング104の湾曲に一致する湾曲した幾何学形状を有し得る。いくつかの態様では、充電器または他の電源は、リング104自体によって収集されたデータに加えて、またはそれを補足するデータを収集するために使用され得る追加のセンサを含み得る。さらに、リング104のための充電器または他の電源は、ユーザデバイス106として機能し得、その場合、リング104のための充電器または他の電源は、リング104からデータを受信し、リング104から受信されたデータを記憶および/または処理し、リング104とサーバ110との間でデータを通信するように構成され得る。
【0047】
いくつかの態様では、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば、電力モジュール225は、リング104とインターフェースされたときにバッテリ210を充電する外部ワイヤレス充電器とインターフェースし得る。充電器は、104充電中にリング104との指定された向きを作成するようにリング104基準構造と篏合する基準構造を含み得る。電力モジュール225はまた、デバイス電子機器の電圧(複数可)を調整し、デバイス電子機器に出力される電力を調整し、バッテリ210の充電の状態を監視し得る。いくつかの実装形態では、バッテリ210は、高電流放電、104充電中の過電圧、および104放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する保護回路モジュール(PCM)を含み得る。電力モジュール225はまた、静電放電(ESD)保護を含み得る。
【0048】
1つまたは複数の温度センサ240は、処理モジュール230-aに電気的に結合され得る。温度センサ240は、温度センサ240によって読み取られたまたは感知された温度を示す温度信号(例えば、温度データ)を生成するように構成され得る。処理モジュール230-aは、温度センサ240のロケーションにおけるユーザの温度を決定し得る。例えば、リング104において、温度センサ240によって生成された温度データは、ユーザの指におけるユーザの温度(例えば、皮膚温度)を示し得る。いくつかの実装形態では、温度センサ240は、ユーザの皮膚に接触し得る。他の実装形態では、ハウジング205の一部(例えば、内側ハウジング205-a)は、温度センサ240とユーザの皮膚との間にバリア(例えば、薄い熱伝導性バリア)を形成し得る。いくつかの実装形態では、ユーザの指に接触するように構成されたリング104の部分は、熱伝導性部分と熱絶縁性部分とを有し得る。熱伝導性部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝導し得る。熱絶縁性部分は、リング104の部分(例えば、温度センサ240)を周囲温度から断熱し得る。
【0049】
いくつかの実装形態では、温度センサ240は、処理モジュール230-aが温度を決定するために使用し得るデジタル信号(例えば、温度データ)を生成し得る。別の例として、温度センサ240が受動センサを含む場合、処理モジュール230-a(または温度センサ240モジュール)は、温度センサ240によって生成された電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づいて温度を決定し得る。例示的な温度センサ240には、負温度係数(NTC)サーミスタなどのサーミスタ、または抵抗器、トランジスタ、ダイオード、および/もしくは他の電気/電子構成要素を含む他のタイプのセンサが含まれ得る。
【0050】
処理モジュール230-aは、経時的にユーザの温度をサンプリングし得る。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングレートにしたがってユーザの温度をサンプリングし得る。例示的なサンプリングレートは、1サンプル/秒を含み得るが、処理モジュール230-aは、1サンプル/秒よりも高いまたは低い他のサンプリングレートで温度信号をサンプリングするように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して連続的にユーザの温度をサンプリングし得る。1日を通して十分な速度(例えば、1サンプル/秒)でサンプリングすることにより、本明細書で説明される分析に十分な温度データが得られ得る。
【0051】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データをメモリ215に記憶し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データを処理し得る。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたる平均温度値を決定し得る。一例では、処理モジュール230-aは、1分間に収集されたすべての温度値を合計し、その1分間のサンプルの数で割ることによって、平均温度値を毎分決定し得る。1サンプル/秒で温度がサンプリングされる特定の例では、平均温度は、1分間のすべてのサンプリングされた温度の合計を60秒で割ったものであり得る。メモリ215は、経時的に平均温度値を記憶し得る。いくつかの実装形態では、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた温度の代わりに平均温度(例えば、1分あたり1つ)を記憶し得る。
【0052】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは、構成可能であり得る。いくつかの実装形態では、サンプリングレートは、昼夜を通して同じであり得る。他の実装形態では、サンプリングレートは、昼/夜を通して変更されてもよい。いくつかの実装形態では、リング104は、生理学的変化を示すものではない温度の大きなスパイク(例えば、熱いシャワーからの温度スパイク)などの温度読取り値をフィルタリング/拒否し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、104運動中の過度の動き(例えば、モーションセンサ245によって示されるような)などの他の要因により信頼できない可能性がある温度読取り値をフィルタリング/拒否し得る。
【0053】
リング104(例えば、通信モジュール)は、サンプリングされたおよび/または平均温度データを、記憶および/またはさらなる処理のためにユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106は、サンプリングされたおよび/または平均温度データを、記憶および/またはさらなる処理のためにサーバ110に転送し得る。
【0054】
リング104は、単一の温度センサ240を含むものとして示されているが、リング104は、ユーザの指の近くに内側ハウジング205-aに沿って配置されるなど、1つまたは複数のロケーションにおいて複数の温度センサ240を含んでいてもよい。いくつかの実装形態では、温度センサ240は、スタンドアロン温度センサ240であり得る。追加的または代替的に、1つまたは複数の温度センサ240は、加速度計および/またはプロセッサなど他の構成要素とともに含まれてもよい(例えば、他の構成要素とともにパッケージ化されてもよい)。
【0055】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して説明されたものと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを取得し、処理し得る。例えば、処理モジュール230は、複数の温度センサ240の各々からの温度データを個別にサンプリングし、平均化し、記憶し得る。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なるセンサについて異なる値を平均化/記憶し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、指上の異なるロケーションにある2つ以上の温度センサ240によって決定された2つ以上の温度の平均に基づいて単一の温度を決定するように構成され得る。
【0056】
リング104上の温度センサ240は、ユーザの指(例えば、任意の指)における遠位温度を取得し得る。例えば、リング104上の1つまたは複数の温度センサ240は、指の下側から、または指上の異なるロケーションで、ユーザの温度を取得し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、(例えば、サンプリングレートで)遠位温度を連続的に取得し得る。リング104によって指で測定される遠位温度が本明細書で説明されているが、他のデバイスが同じ/異なるロケーションで温度を測定してもよい。場合によっては、ユーザの指で測定された遠位温度は、ユーザの手首または他の外部身体ロケーションで測定される温度とは異なり得る。追加的に、ユーザの指で測定された遠位温度(例えば、「シェル」温度)は、ユーザの深部温度とは異なり得る。そのため、リング104は、身体の他の内部/外部ロケーションでは取得されない可能性がある有用な温度信号を提供し得る。場合によっては、指での連続温度測定は、深部温度では明らかにならない可能性がある温度変動(例えば、小さいまたは大きい変動)を捉え得る。例えば、指での連続温度測定は、身体の他の場所での他の温度測定によって提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分単位または時間単位の温度変動を捉え得る。
【0057】
リング104は、PPGシステム235を含み得る。PPGシステム235は、光を送信する1つまたは複数の光送信機を含み得る。PPGシステム235はまた、1つまたは複数の光送信機によって送信される光を受信する、1つまたは複数の光受信機を含み得る。光受信機は、光受信機によって受信された光の量を示す信号(以下では、「PPG」信号)を生成し得る。光送信機は、ユーザの指の領域を照射し得る。PPGシステム235によって生成されたPPG信号は、照射領域における血液の灌流を示し得る。例えば、PPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされる照射領域における血液量の変化を示し得る。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づいてユーザのパルス波形を決定し得る。処理モジュール230-aは、ユーザの呼吸数、心拍数、HRV、酸素飽和度、および他の循環パラメータなどの様々な生理学的パラメータをユーザのパルス波形に基づいて決定し得る。
【0058】
いくつかの実装形態では、PPGシステム235は、光受信機(複数可)がユーザの指の領域を通して反射された透過光を受信する反射型PPGシステム235として構成され得る。いくつかの実装形態では、PPGシステム235は、光がユーザの指の一部を通して光受信機(複数可)に直接送信されるように、光送信機(複数可)および光受信機(複数可)が互いに対向して配列される透過型PPGシステム235として構成され得る。
【0059】
PPGシステム235に含まれる送信機および受信機の数および比率は、変化し得る。例示的な光送信機は、発光ダイオード(LED)を含み得る。光送信機は、赤外線スペクトルおよび/または他のスペクトルの光を送信し得る。例示的な光受信機には、光センサ、フォトトランジスタ、および光ダイオードが含まれ得るが、これらに限定されない。光受信機は、光送信機から受信された波長に応答してPPG信号を生成するように構成され得る。送信機および受信機のロケーションは変化し得る。追加的に、単一のデバイスは、反射型および/または透過型PPGシステム235を含み得る。
【0060】
図2に示されるPPGシステム235は、いくつかの実装形態では、反射型PPGシステム235を含み得る。これらの実装形態では、PPGシステム235は、(例えば、リング104の底部において)中心に位置する光受信機と、光受信機の両側に位置する2つの光送信機とを含み得る。この実装形態では、PPGシステム235(例えば、光受信機)は、光送信機の一方または両方から受信された光に基づいてPPG信号を生成し得る。他の実装形態では、1つまたは複数の光送信機および/または光受信機の他の配置、組合せ、および/または構成が企図される。
【0061】
処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングしつつ、光を送信するように光送信機の一方または両方を制御し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングしつつ、より強い受信信号を持つ光送信機に光を送信させ得る。例えば、選択された光送信機は、PPG信号がサンプリングレート(例えば、250Hz)でサンプリングされている間、光を連続的に放出し得る。
【0062】
PPGシステム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることで、「PPG」と呼ばれ得るパルス波形が得られ得る。パルス波形は、複数の心周期についての血圧対時間を示し得る。パルス波形は、心周期を示すピークを含み得る。追加的に、パルス波形は、呼吸数を決定するために使用され得る呼吸誘発変動を含んでもよい。処理モジュール230-aは、いくつかの実装形態では、パルス波形をメモリ215に記憶し得る。処理モジュール230-aは、本明細書で説明されるユーザ生理学的パラメータを決定するために、生成されたときの、および/またはメモリ215からのパルス波形を処理し得る。
【0063】
処理モジュール230-aは、パルス波形に基づいてユーザの心拍数を決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、パルス波形におけるピーク間の時間に基づいて心拍数(例えば、1分あたりの拍動数)を決定し得る。ピーク間の時間は、インタービート間隔(IBI)と呼ばれることがある。処理モジュール230-aは、決定された心拍数値およびIBI値をメモリ215に記憶し得る。
【0064】
処理モジュール230-aは、経時的にHRVを決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、IBlの変動に基づいてHRVを決定し得る。処理モジュール230-aは、経時的なHRV値をメモリ215に記憶し得る。さらに、処理モジュール230-aは、経時的にユーザの呼吸数を決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調、またはベースライン変調に基づいて呼吸数を決定し得る。呼吸数は、1分あたりの呼吸数で、または別の呼吸数(例えば、30秒あたりの呼吸数)として計算され得る。処理モジュール230-aは、経時的なユーザ呼吸数値をメモリ215に記憶し得る。
【0065】
リング104は、1つまたは複数の加速度計(例えば、6D加速度計)および/または1つまたは複数のジャイロスコープ(ジャイロ)など、1つまたは複数のモーションセンサ245を含み得る。モーションセンサ245は、センサの動きを示すモーション信号を生成し得る。例えば、リング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する1つまたは複数の加速度計を含み得る。別の例として、リング104は、角運動(例えば、角速度)および/または向きの変化を示すジャイロ信号を生成する1つまたは複数のジャイロセンサを含み得る。モーションセンサ245は、1つまたは複数のセンサパッケージに含まれ得る。例示的な加速度計/ジャイロセンサは、3つの垂直軸における角速度および加速度を測定し得るBosch BMl160慣性微小電気機械システム(MEMS)センサである。
【0066】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば、50Hz)でモーション信号をサンプリングし、サンプリングされたモーション信号に基づいて、リング104の動きを決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、リング104の加速度を決定するために加速度信号をサンプリングし得る。別の例として、処理モジュール230-aは、角運動を決定するためにジャイロ信号をサンプリングし得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、モーションデータをメモリ215に記憶し得る。モーションデータは、サンプリングされたモーションデータ、およびサンプリングされたモーション信号に基づいて計算されるモーションデータ(例えば、加速度値および角度値)を含み得る。
【0067】
リング104は、本明細書で説明される様々なデータを記憶し得る。例えば、リング104は、生のサンプリングされた温度データおよび計算された温度データ(例えば、平均温度)などの温度データを記憶し得る。別の例として、リング104は、パルス波形およびパルス波形に基づいて計算されたデータ(例えば、心拍数値、IBI値、HRV値、および呼吸数値)などのPPG信号データを記憶し得る。リング104はまた、直線運動および角運動を示すサンプリングされたモーションデータなどのモーションデータを記憶し得る。
【0068】
リング104または他のコンピューティングデバイスは、サンプリングされた/計算された生理学的データに基づいて追加の値を計算し、記憶し得る。例えば、処理モジュール230は、睡眠メトリック(例えば、睡眠スコア)、活動メトリック、およびレディネスメトリックなどの様々なメトリックを計算し、記憶し得る。いくつかの実装形態では、追加の値/メトリックは、「導出値」と呼ばれることがある。リング104または他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、動きに関して様々な値/メトリックを計算し得る。モーションデータについての例示的な導出された値には、動きカウント値、規則性値、強度値、代謝当量値(MET:metabolic equivalence of task)、および配向値(orientation value)が含まれ得るが、これらに限定されない。動きカウント、規則性値、強度値、およびMETは、経時的なユーザの動きの量(例えば、速度/加速度)を示し得る。配向値は、リング104がユーザの指上でどのように方向付けられているか、およびリング104が左手に装着されているか右手に装着されているかを示し得る。
【0069】
いくつかの実装形態では、動きカウントおよび規則性値は、1つまたは複数の期間(例えば、30秒から1分の1つまたは複数の期間)内の加速度ピークの数をカウントすることによって決定され得る。強度値は、動きの数および動きの関連強度(例えば、加速度値)を示し得る。強度値は、関連しきい値加速度値に応じて、低、中、および高に分類され得る。METは、ある期間(例えば、30秒)の間の動きの強度、動きの規則性/不規則性、および異なる強度に関連付けられた動きの数に基づいて決定され得る。
【0070】
いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されたデータを圧縮し得る。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングされたデータに基づいて計算を行った後、サンプリングされたデータを削除し得る。別の例として、処理モジュール230-aは、記憶される値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均化し得る。特定の例では、1分間のユーザの平均温度がメモリ215に記憶されている場合、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間の期間にわたって平均温度を計算し、その後、1分間の平均温度データを消去し得る。処理モジュール230-aは、使用済み/利用可能なメモリ215の総量および/またはリング104が最後にデータをユーザデバイス106に送信してからの経過時間などの様々な要因に基づいて、データを圧縮し得る。
【0071】
ユーザの生理学的パラメータは、リング104に備わっているセンサによって測定され得るが、他のデバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えば、ユーザの温度は、リング104に含まれる温度センサ240によって測定され得るが、他のデバイスがユーザの温度を測定してもよい。いくつかの例では、他のウェアラブルデバイス(例えば、手首デバイス)が、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含み得る。追加的に、外部医療デバイス(例えば、ウェアラブル医療デバイス)および/または埋込型医療デバイスなどの医療デバイスがユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。任意のタイプのコンピューティングデバイス上の1つまたは複数のセンサが、本明細書で説明される技法を実装するために使用され得る。
【0072】
生理学的測定は、日中および/または夜間を通して連続的に行われ得る。いくつかの実装形態では、生理学的測定は、日中の部分および/または夜間の部分の間104に行われ得る。いくつかの実装形態では、生理学的測定は、ユーザが、活動状態、安静状態、および/または睡眠状態などの特定の状態にあるとの決定に応答して行われ得る。例えば、リング104は、よりクリーンな生理学的信号を取得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104または他のデバイス/システムは、ユーザが安静にしているときおよび/または睡眠しているときを検出し、その検出された状態に対する生理学的パラメータ(例えば、温度)を取得し得る。デバイス/システムは、本開示の技法を実装するために、ユーザが他の状態にあるとき、安静/睡眠生理学的データおよび/または他のデータを使用し得る。
【0073】
いくつかの実装形態では、本明細書で前に説明したように、リング104は、データを収集、記憶、および/または処理するように構成され得、記憶および/または処理のために、本明細書で説明されるデータのいずれかをユーザデバイス106に転送し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)285、ウェブブラウザアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ280)、1つまたは複数の追加のアプリケーション、およびGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、触覚フィードバックデバイスなどを含む他のモジュールおよび構成要素をさらに含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106上にインストールされ得るアプリケーション(例えば、「アプリ」)の例を含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、本明細書で説明されるように、リング104からデータを取得し、取得したデータを記憶し、取得したデータを処理するように構成され得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインターフェース(UI)モジュール255と、取得モジュール260と、処理モジュール230-bと、通信モジュール220-bと、アプリケーションデータを記憶するように構成された記憶モジュール(例えば、データベース265)とを含み得る。
【0074】
本明細書で説明される様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110、またはそれらの任意の組合せによって実行され得る。例えば、場合によっては、リング104によって収集されたデータは、前処理され、ユーザデバイス106に送信され得る。この例では、ユーザデバイス106は、受信したデータに対していくつかのデータ処理動作を実行してもよいし、データ処理のためにデータをサーバ110に送信してもよいし、その両方であってもよい。例えば、場合によっては、ユーザデバイス106は、比較的低い処理能力を必要とする処理動作および/または比較的低いレイテンシを必要とする動作を実行してもよく、一方で、ユーザデバイス106は、比較的高い処理能力を必要とする処理動作および/または比較的高いレイテンシを許容し得る動作のためにデータをサーバ110に送信してもよい。
【0075】
いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106、およびサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するように構成され得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、リング104を介してユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づいてユーザの1つまたは複数のスコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコア)を生成するために使用され得る。例えば、本明細書で前述したように、システム200のリング104は、温度、心拍数、HRVなどを含むデータをユーザから収集するためにユーザによって装着され得る。リング104によって収集されたデータは、所与の「睡眠日」に対するユーザの睡眠を評価するために、ユーザが眠っているときを決定するために使用され得る。いくつかの態様では、スコアは、第1の睡眠日がスコアの第1のセットに関連付けられ、第2の睡眠日がスコアの第2のセットに関連付けられるように、それぞれの睡眠日ごとにユーザについて計算され得る。スコアは、それぞれの睡眠日の間にリング104によって収集されたデータに基づいて、それぞれの睡眠日ごとに計算され得る。スコアには、睡眠スコア、レディネススコアなどが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0076】
場合によっては、「睡眠日」は、所与の睡眠日がそれぞれの暦日の午前0時から午前0時までとなるように、従来の暦日と一致し得る。他の場合では、睡眠日は、暦日に対してオフセットされてもよい。例えば、睡眠日は、暦日の6:00pm(18:00)から次の暦日の6:00pm(18:00)までであってもよい。この例では、6:00pmは、「カットオフ時間」として機能し得、6:00pmの前にユーザから収集されたデータは、現在の睡眠日にカウントされ、6:00pmの後にユーザから収集されたデータは、次の睡眠日にカウントされる。ほとんどの個人は夜に最もよく眠るという事実により、暦日に対して睡眠日をオフセットすることで、システム200は、ユーザの睡眠スケジュールと一致するような方法でユーザの睡眠パターンを評価することができる。場合によっては、ユーザは、暦日に対して睡眠日のタイミングを(例えば、GUIを介して)選択的に調整することが可能であり得、それにより、それぞれのユーザが通常睡眠する持続時間と睡眠日を一致させることができる。
【0077】
いくつかの実装形態では、それぞれの日のユーザの各総合スコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコア)は、1つまたは複数の「寄与因子(contributor)」、「要因(factor)」、または「寄与因子(contributing factor)」に基づいて決定/計算され得る。例えば、ユーザの総合的な睡眠スコアは、総睡眠、効率、安らぎ度、レム睡眠、深い睡眠、レイテンシ、タイミング、またはそれらの任意の組合せを含む寄与因子のセットに基づいて計算され得る。睡眠スコアは、任意の数の寄与因子を含み得る。「総睡眠」寄与因子は、睡眠日のすべての睡眠期間の合計を指し得る。「効率」寄与因子は、ベッドにいる間の起きている時間と比較して眠っている時間の割合を反映するものであり得、各睡眠期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日の長い睡眠期間(例えば、主睡眠期間)の効率平均を使用して計算され得る。「安らぎ度」寄与因子は、ユーザの睡眠がどの程度安らいでいるかを示し得、各期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して計算され得る。安らぎ度寄与因子は、「覚醒カウント」(例えば、異なる睡眠期間中に検出されたすべての覚醒(ユーザが目覚めたとき)の合計)、過剰な動き、および「起床カウント(got up count)」(例えば、異なる睡眠期間中に検出されたすべての覚醒(ユーザがベッドから出るとき)の合計)に基づき得る。
【0078】
「レム睡眠」寄与因子は、レム睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたるレム睡眠持続時間の合計を指し得る。同様に、「深い睡眠」寄与因子は、深い睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたる深い睡眠持続時間の合計を指し得る。「レイテンシ」寄与因子は、ユーザが眠りにつくまでにかかる時間(例えば、平均、中央値、最長)を表し得、各期間の持続時間およびそのような期間の数によって重み付けされて、睡眠日を通した長い睡眠期間の平均を使用して計算され得る(例えば、所与の1つまたは複数の睡眠段階の統合は、それ自体の寄与因子であってもよいし、他の寄与因子を重み付けしてもよい)。最後に、「タイミング」寄与因子は、睡眠日および/または暦日内の睡眠期間の相対的なタイミングを指し得、各期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して計算し得る。
【0079】
別の例として、ユーザの全体的なレディネススコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍数、HRVバランス、回復指数、体温、活動、活動バランス、またはそれらの任意の組合せを含む寄与因子のセットに基づいて計算され得る。レディネススコアは、任意の数の寄与因子を含み得る。「睡眠」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の組み合わされた睡眠スコアを指し得る。「睡眠バランス」寄与因子は、睡眠日内のすべての睡眠期間の累積持続時間を指し得る。特に、睡眠バランスは、ユーザがある期間の持続時間(例えば、過去2週間)にわたってとっていた睡眠がユーザのニーズとバランスがとれているかをユーザに示し得る。典型的には、成人が、健康で、常に注意を払い、精神的にも身体的にも最高の能力を発揮するためには、一晩に7~9時間の睡眠を必要とする。しかしながら、時折よく眠れない日があるのは普通のことであり、そのため、睡眠バランス寄与因子は、各ユーザの睡眠ニーズが満たされているかどうかを決定するために、長期的な睡眠パターンを考慮する。「安静時心拍数」寄与因子は、睡眠日の最長睡眠期間(例えば、主睡眠期間)からの最低心拍数、および/または主睡眠期間後に発生する一睡(nap)からの最低心拍数を示し得る。
【0080】
続けて、レディネススコアという「寄与因子」(例えば、要因、寄与因子)を参照すると、「HRVバランス」寄与因子は、主睡眠期間および主睡眠期間の後に起こる一睡からの最高HRV平均を示し得る。HRVバランス寄与因子は、第1の期間(例えば、2週間)にわたるユーザのHRV傾向を、ある第2のより長い期間(例えば、3ヶ月)にわたる平均HRVと比較することによって、ユーザがユーザの回復状態を追跡するのに役立ち得る。「回復指数」寄与因子は、最長睡眠期間に基づいて計算され得る。回復指数は、ユーザの安静時心拍数が夜間に安定するのにかかる時間を測定する。非常に良好な回復の徴候は、ユーザの安静時心拍数が、夜の前半の間で、ユーザが目を覚ます少なくとも6時間前に安定し、翌日のために身体を回復させる時間を残していることである。「体温」寄与因子は、最長睡眠期間(例えば、主睡眠期間)に基づいて、または一睡中のユーザの最も高い体温が最長期間中の最も高い体温よりも少なくとも0.5℃高い場合は、最長睡眠期間後に起こる一睡に基づいて計算され得る。いくつかの態様では、リングは、ユーザが眠っている間ユーザの体温を測定し得、システム200は、ユーザのベースライン体温に対するユーザの平均体温を表示し得る。ユーザの体温が正常範囲外(例えば、0.0より明らかに上または下)である場合、体温寄与因子は、強調表示される(例えば、「注意(Pay attention)」状態に進む)か、または別の方法でユーザに対するアラートを生成し得る。
【0081】
いくつかの態様では、システム200は、ユーザを認証するための技法をサポートし得る。例えば、リング104は、(例えば、ある期間にわたって)認可ユーザの生理学的データを収集し、その生理学的データを使用して、認可ユーザの生理学的プロファイルを構築し得る。次いで、リング104は、生理学的プロファイルを使用して、リング104のユーザを認証し得る。リング104は、生理学的プロファイルをリング104のメモリ(例えば、メモリ215)に記憶してもよいし、生理学的プロファイルをユーザデバイス106に通信してもよいし、両方を行ってもよい。生理学的プロファイルをメモリ215に記憶することにより、リング104は、ワイヤレス接続がない場合であっても生理学的プロファイルを使用して認証手順を実行することができる(例えば、リング104は、ユーザデバイス106などの別のデバイスと通信することなく生理学的プロファイルを使用して認証手順を実行し得る)。リング104が生理学的プロファイルをユーザデバイス106に通信する(これにより、リング104はメモリ215内の空間を確保することが可能になる)場合、リング104は、リング104が認証手順を実行することができるように、ユーザデバイス106から生理学的プロファイルを要求(および受信)し得る。
【0082】
リング104は、生理学的データを連続的にまたは長時間にわたって収集するウェアラブルデバイスであるので、リング104によって構築される生理学的プロファイルは、生理学的データのスナップショットに基づく他の生理学的プロファイルよりも包括的(例えば、より多くのユーザ固有のバイオメトリックファクタを含む)、ロバスト(例えば、偽装がより困難)、および/または信頼できる(例えば、より一貫性がある)ものであり得る。ウェアラブルリングデバイスを参照して説明されるが、本明細書で説明される認証技法は、任意のタイプのウェアラブルデバイスを使用して実装され得る。
【0083】
図3は、本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするシステム300の一例を示す。システム300は、ウェアラブルデバイス304および関連するユーザデバイス306を含み得る。システム300はまた、支払トランザクションをワイヤレスで実行するように構成され得る支払端末308と、制限エリア(例えば、建物、部屋、車両)または電子デバイス(例えば、コンピュータ、電話)へのアクセスをワイヤレスで許可するように構成され得るアクセス端末310と、ウェアラブルデバイス304と同様であり得るウェアラブルデバイス312とを含み得る。
【0084】
ウェアラブルデバイス304は、生理学的データを使用して、ユーザ302のアイデンティティが決定されるユーザ302の認証手順を実行し得る。例えば、ある人(例えば、ユーザ302)がウェアラブルデバイス304を装着していると決定すると(またはユーザデバイス306などの別のデバイスによるプロンプトに応答して)、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302から生理学的データを収集し、収集された生理学的データをウェアラブルデバイス304の認可ユーザの生理学的プロファイルと比較し得る。生理学的データが生理学的プロファイルに十分に類似している場合(例えば、生理学的データが生理学的プロファイルと一致するか、または誤差の範囲内である場合)、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302を認証し得る(例えば、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302のアイデンティティを認可ユーザのアイデンティティとして決定し得る)。ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302の皮膚とインターフェースする1つまたは複数のセンサを使用して、ユーザ302の生理学的データを収集し得る。
【0085】
いくつかの例では、生理学的プロファイルは、PPG信号パターンまたは他の好適な専門用語で呼ばれることもあるPPGデータに基づき得るか、またはそれを含み得る。生理学的プロファイルには、心拍数、心拍数変動、血圧、酸素飽和度、呼吸、動脈硬化度(artery stiffness)、身体インピーダンス、付属器官のサイズ(例えば、指のサイズ)、温度(例えば、基礎体温)、パルス特性(例えば、収縮期振幅、収縮期幅、上昇幅、収縮期振幅に対するパルス長の比、隆起時間)、またはそれらの任意の組合せなどの認可ユーザの様々な特性が含まれ得る。
【0086】
生理学的特性は、ウェアラブルデバイスによって収集されたPPGデータまたは他の生理学的データに基づいてもよいし、それらから導出されてもよい。いくつかの生理学的特性はまた、他のデバイスから受信されたデータに基づいてもよいし、それから導出されてもよい。例えば、ウェアラブルデバイス304は、認可ユーザによって装着された別のウェアラブルデバイス(例えば、リング、ウォッチ、アンクルブレスレット)からのデータに基づいて、認可ユーザのインピーダンスを決定し得る。いくつかの例では、ウェアラブルデバイス304は、インピーダンスを使用して、身体組成(例えば、筋、脂肪、水分の割合)など、認証に使用することができるユーザ302の他の生理学的特性を決定し得る。
【0087】
比較のために、生理学的特性に対応するユーザ302について収集された生理学的データは、認可ユーザの生理学的プロファイルを含む。例えば、認可ユーザの生理学的プロファイルが、心拍数、体温、およびインピーダンスなどのPPGデータを含む場合、ユーザ302について収集された生理学的データは、同じ生理学的特性(例えば、心拍数、体温、およびインピーダンス)のPPGデータを含み得る。
【0088】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイス304は、ディープニューラルネットワークなどのニューラルネットワークを使用して、生理学的データを使用して認証を実行し得る。例えば、ウェアラブルデバイス304は、2つの姉妹ネットワークを含むシャムニューラルネットワークを使用し得る。各姉妹ネットワークは、多数の隠れ層を含み得、2つの異なる入力ベクトルに対してタンデムに動作する間、同じ重みを使用し得る。シャムニューラルネットワークは、ユーザ302についての収集された生理学的データと、認可ユーザの生理学的プロファイルからの生理学的データとに対して動作し、ユーザ302が認可ユーザであるかどうかを示す値(例えば、バイナリ値)を出力し得る。例えば、シャムニューラルネットワークは、ユーザ302を認証するために使用されるパルス特性を抽出するために、パルスのペア(ここで、各ペアは、ユーザ302のためのパルスと認可ユーザのためのパルスとを含む)に対して動作し得る。生理学的特性は、生理学的特徴と呼ばれることもある。
【0089】
シャムニューラルネットワークをトレーニングするために、トレーニングセット中のパルスの各々を反復し、現在のパルスをアンカーとして選択し、アンカーを1つの正例および1つの負例とペアリングすることによって、パルスペア入力が形成され得る。各正例は、アンカーパルスを除いて、同じユーザのパルスの中からランダムにサンプリングされ得、各負例は、他のユーザのパルスの中からランダムにサンプリングされ得る。検証セットに対して同じ手順が繰り返され得る。ニューラルネットワークおよびトレーニングの他の例が企図され、本開示の範囲内である。
【0090】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイス304は、生理学的データを認可ユーザの生理学的プロファイルと比較する前に、ユーザ302について収集された生理学的データを正規化し得る。生理学的データを正規化することは、生理学的データをスケーリングすることを指し得る。生理学的データを正規化することにより、ウェアラブルデバイス304は、生理学的プロファイルが構築されたときと比べて、ユーザ302が異なる条件(例えば、病気対健康)にあるとき、異なる活動(例えば、運動対休息)を行っているとき、または異なる環境(例えば、より高い高度対より低い高度)にあるときに生じる生理学的データの差を補償することができる。したがって、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302の条件に基づいて、ユーザ302によって行われている活動に基づいて、ユーザ302の環境に基づいて、またはそれらの任意の組合せに基づいて、ユーザ302の生理学的データを正規化し得る。
【0091】
いくつかの例では、生理学的プロファイルは、認可ユーザについての1つまたは複数の加速度パターンまたは動きパターンを含み得る。例えば、生理学的プロファイルは、認可ユーザによって日常的に実行される手の動きパターン、または認可ユーザの加速度計データおよび/もしくはジャイロスコープデータに基づき得る、認可ユーザの歩行パターン(例えば、歩調、腕の速度、腕の角度、腕振りプロファイルに基づく)を含み得る。
【0092】
別の例として、生理学的プロファイルは、ユーザ302によって予め定義された1つまたは複数のハンドジェスチャを含み得る。ハンドジェスチャは、振りパターン、タップパターン(例えば、ウェアラブルデバイス304を指でタップすること、またはリングを装着した指(ring-finger)もしくはリングを装着した手(ring-hand)で表面をタップすること)、または回転パターン(例えば、コンビネーションロックのダイヤルを回転させるように、ユーザ302の四肢の周りでウェアラブルデバイス304を回転させること)であり得る。例えば、ユーザ302は、第1の向きでウェアラブルデバイス304を起動し、次いで、ウェアラブルデバイス304をユーザの指の周りで特定の回数および/または特定の角度/度で前後に回転させることができる。
【0093】
生理学的特性および動きパターンに加えて、ウェアラブルデバイス304は、他の要因(例えば、地理的ロケーション、ユーザデバイスに対する近接度)を使用して、ユーザ302を認証し得る。例えば、ウェアラブルデバイス304は、(例えば、ユーザの通勤の一部として)ユーザ302が特定の時刻に予想される地理的ロケーションにある場合、ユーザ302を認証し得る。ウェアラブルデバイス304は、ユーザデバイスまたは既知の地理的ロケーションを有する1つもしくは複数の近くのデバイスと通信することによって、ユーザ302のロケーションを決定し得る。追加的または代替的に、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302(ひいてはウェアラブルデバイス304)が、認可ユーザに関連付けられたユーザデバイス306のしきい値距離内にある場合、ユーザ302を認証してもよい。
【0094】
ユーザ302を認証した後、ウェアラブルデバイス304は、しきい値期間にわたって、またはトリガイベントがウェアラブルデバイス304に新しい認証手順を実行させるまで、ユーザ302を認可ユーザと見なし続け得る。トリガイベントの例には、認証を必要とするアクションの完了、またはユーザ302からのウェアラブルデバイス304の取り外しが含まれる。
【0095】
ウェアラブルデバイス304は、ウェアラブルデバイス304のセンサによって感知された信号の不連続性に基づいて、ウェアラブルデバイス304が取り外されたことを決定し得る。例えば、ウェアラブルデバイス304は、ウェアラブルデバイス304がしきい値時間にわたってユーザ106から生理学的信号(パルスなど)を検出することができなかったとウェアラブルデバイス304が決定した場合、ウェアラブルデバイス304が取り外されたと決定し得る。追加的または代替的に、ウェアラブルデバイス304は、ウェアラブルデバイス304の回転、ウェアラブルデバイス304の軸回転、またはその両方を検出したことに基づいて、ウェアラブルデバイス304が取り外されたと決定してもよい。追加的または代替的に、ウェアラブルデバイス304は、PPGデータの品質の変化、光の変化、温度の変化、または気圧の変化に基づいて、ウェアラブルデバイス304が取り外された(例えば、認可ユーザの指から偽物にスライドされた)と決定してもよい。例えば、ウェアラブルデバイス304は、光送信機によって放出された光を障害物(例えば、ユーザの指)が遮らない限り、光検出器がその光を検出することができるように、光送信機の反対側に(例えば、内側ハウジング205-aの内面上に)配置された光検出器を含み得る。そのような例では、ウェアラブルデバイス304は、光検出器によって検出される光の途絶(disruption)に基づいてウェアラブルデバイス304の取り外しを検出し得る。
【0096】
ユーザ302を認可した後、ウェアラブルデバイス304は、通信構成要素(例えば、通信モジュール220-a)をアクティブ化し得る。ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302を認可することに応答して、ユーザ302によるロック解除アクションに応答して、またはその両方により、通信構成要素をアクティブ化し得る。ウェアラブルデバイス304はまた、ユーザ302が、認証を必要とする様々なアクション(例えば、認可ユーザに限定されるアクション)を開始することを許可し得る。例えば、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302が(例えば、通信構成要素を使用して)支払端末308との支払トランザクションを開始することを可能にし得る。別の例として、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302が(例えば、通信構成要素を使用して)アクセス端末310とのアクセス手順を開始することを可能にし得る。別の例として、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302がユーザデバイス306、ウェアラブルデバイス312、または両方とのデータ転送を開始することを可能にし得る。いくつかの例では(例えば、二要素認証シナリオでは)、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302が認証されたという指示を別のデバイス(例えば、ユーザデバイス306)に送信し得、それにより、その別のデバイスは、認可ユーザに制限されるエリア、電子デバイス、アカウント、またはアプリケーションへのアクセスをユーザ302に許可することができる。
【0097】
ユーザ302が認証された後にアクション(例えば、通信構成要素をアクティブ化すること、支払を行うこと)を不注意に開始することを防止するために、ウェアラブルデバイス304は、ウェアラブルデバイス304がアクションを開始する前にロック解除アクションを実行することをユーザ302に要求し得る。例えば、ユーザ302が認証された場合であっても、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302が予め定義されたジェスチャ(支払端末308上にウェアラブルデバイス304をタップすること、ウェアラブルデバイス304を支払端末308上で予め定義されたパターンで振ること、または指を使用してウェアラブルデバイス304を所定のパターンまたはテンポでタップすること、またはウェアラブルデバイス304を所定のパターンで回転させることなど)を行わない限り、支払トランザクションを開始しないことができる。
【0098】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイス304は、(ユーザ302が認証され、必要なロック解除アクションを実行した場合であっても)ウェアラブルデバイス304がユーザ302の状態を認証するまで、ユーザ302がアクションを開始することを防止し得る。例えば、ウェアラブルデバイス304は、ユーザ302が酔っている場合または眠気を催している場合、ユーザ302が自動車にアクセスすることを防止し得る。ウェアラブルデバイス304は、通信構成要素を非アクティブ化すること、またはゲートキーパーデバイス(例えば、アクセス端末310)と通信することを控えることによって、ユーザ302がアクションを開始することを防止し得る。代替的に、ウェアラブルデバイス304は、ゲートキーパーデバイスにユーザ302の状態を警告することによってアクションを防止してもよい(その結果、ゲートキーパーデバイスは、ユーザ302によるアクションを開始しようとする試みを拒否する)。いくつかの例では、ウェアラブルデバイス304は、ユーザの状態をユーザ302に警告し得る。例えば、ウェアラブルデバイス304は、ユーザの状態を示す信号(例えば、可視信号、聴覚信号)を振動または出力してもよいし、ウェアラブルデバイス304は、ユーザデバイス306がユーザ302に警告することができるように、状態をユーザデバイス306に通信してもよい。
【0099】
特定のアクションを開始するためにユーザ302を認証することに加えて、ウェアラブルデバイス304はまた、ウェアラブルデバイス304が、認可ユーザに固有の特定のアクションを自律的に実行することができるように、ユーザ302を認証し得る。例えば、ウェアラブルデバイス304は、保険目的または臨床試験目的で生理学的データを収集する前に、データを収集するための正しい人としてユーザ302を認証することができる(これにより、ウェアラブルデバイス304が偽者のために生理学的データを収集することを防止し得る)。追加的または代替的に、ウェアラブルデバイス304は、ウェアラブルデバイス304による使用のために生理学的データを収集する前に、または認可ユーザの生理学的プロファイルを更新するために生理学的データを収集する前に、ユーザ302を認証してもよい。
【0100】
上記のように、ウェアラブルデバイス304は、他のデバイスとワイヤレスで通信するように構成された通信構成要素を含み得る。いくつかの例では、通信は、NFC範囲制限による偶発的なアクションの開始を防ぐのを助け得るNFC構成要素であり得る。NFC構成要素の使用はまた、ウェアラブルデバイス304の充電を可能にし、他のワイヤレス通信技術に対して実装するのがより簡単であり得る。しかしながら、通信構成要素は、NFC技術に限定されず、とりわけ、Wi-FiおよびBluetooth(登録商標)などの他のタイプのワイヤレス通信技術を実装し得る。
【0101】
いくつかの例では、通信構成要素は、ウェアラブルデバイス304ともう一方のデバイス(例えば、ユーザデバイス306、ウェアラブルデバイス312)との間でデータを転送するために使用され得る。上記のように、ユーザ302の認証(および場合によってはユーザ302によるロック解除アクション)は、通信構成要素をアクティブ化し得る。通信構成要素がアクティブ化された後、トリガアクション(例えば、もう一方のデバイスに対してウェアラブルデバイス304をタップすること)によって、もう一方のデバイスとデータを交換するようにウェアラブルデバイス304に促し得る。トリガアクションはまた、ウェアラブルデバイス304ともう一方のデバイスとの間で直接トークンの交換を開始し得、トークンは、(ウェアラブルデバイス304およびもう一方のデバイスの)ユーザを認証し、データ転送を開始するために、ユーザデバイス306(または何らかの他のデバイスもしくはアプリケーション)によって使用され得る。場合によっては、ユーザ302は、ウェアラブルデバイス304をもう一方のデバイスに対してタップして、もう一方のデバイスによる何らかのアクション(もう一方のデバイスを機内モードにするなど)をトリガし得る。
【0102】
図4は、本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするデバイス405のブロック
図400を示す。デバイス405は、入力モジュール410と、出力モジュール415と、ウェアラブルデバイスマネージャ420とを含み得る。デバイス405はまた、プロセッサを含み得る。これらの構成要素の各々は、(例えば、1つまたは複数のバスを介して)互いと通信し得る。
【0103】
例えば、ウェアラブルデバイスマネージャ420は、処理モジュール425、感知回路430、またはそれらの任意の組合せを含み得る。いくつかの例では、ウェアラブルデバイスマネージャ420またはその様々な構成要素は、入力モジュール410、出力モジュール415、もしくは両方を使用して、または他の方法でそれらと協働して、様々な動作(例えば、受信、監視、送信)を実行するように構成され得る。例えば、ウェアラブルデバイスマネージャ420は、入力モジュール410から情報を受信してもよいし、出力モジュール415に情報を送信してもよいし、情報の受信、情報の送信、または本明細書で説明されるような様々な他の動作の実行を行うために入力モジュール410、出力モジュール415、または両方と組み合わせて統合されてもよい。
【0104】
処理モジュール425は、ウェアラブルデバイスによって、ユーザがウェアラブルデバイスをユーザの指に装着していると決定するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。感知回路430は、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザから生理学的データを収集するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。処理モジュール425は、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。処理モジュール425は、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0105】
図5は、本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするウェアラブルデバイスマネージャ520のブロック
図500を示す。ウェアラブルデバイスマネージャ520は、本明細書で説明されるように、ウェアラブルデバイスマネージャもしくはウェアラブルデバイスマネージャ420、またはその両方の態様の一例であり得る。ウェアラブルデバイスマネージャ520、またはその様々な構成要素は、本明細書で説明されるようなウェアラブルデバイスによるユーザ認証の様々な態様を実行するための手段の一例であり得る。例えば、ウェアラブルデバイスマネージャ520は、処理モジュール525、感知回路530、通信構成要素535、メモリモジュール540、またはそれらの任意の組合せを含み得る。これらの構成要素の各々は、(例えば、1つまたは複数のバスを介して)互いと直接または間接的に通信し得る。
【0106】
処理モジュール525は、ウェアラブルデバイスによって、ユーザがウェアラブルデバイスをユーザの指に装着していると決定するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。感知回路530は、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザから生理学的データを収集するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、処理モジュール525は、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る(例えば、処理モジュール525は、収集された生理学的データが認可ユーザに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに基づいて、ユーザが認可ユーザであることを決定し得る)。いくつかの例では、処理モジュール525は、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0107】
いくつかの例では、通信構成要素535は、ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいてアクションを開始するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、処理モジュール525は、ユーザを認証して以来、ウェアラブルデバイスがユーザの指に装着されたままであると決定するための手段であって、アクションは、ユーザを認証して以来、ウェアラブルデバイスがユーザの指に装着されたままであると決定したことに少なくとも部分的に基づいて開始される、手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得。
【0108】
いくつかの例では、アクションは、支払トランザクションを含む。いくつかの例では、アクションは、アイデンティティについての追加の生理学的データを収集することを含む。
【0109】
いくつかの例では、処理モジュール525は、ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて、およびユーザによって行われるジェスチャまたはユーザに対するウェアラブルデバイスの近接度に少なくとも部分的に基づいて、通信構成要素をアクティブ化するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0110】
いくつかの例では、処理モジュール525は、通信構成要素をアクティブ化してからしきい値期間が経過したことに少なくとも部分的に基づいて、アクションを完了したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに対するウェアラブルデバイスの近接度がしきい値距離を超えたことに少なくとも部分的に基づいて、またはそれらの任意の組合せにより、通信構成要素を非アクティブ化するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0111】
いくつかの例では、ジェスチャは、ウェアラブルデバイスで支払端末をタップすることを含み、通信構成要素535は、通信構成要素をアクティブ化したことに少なくとも部分的に基づいて、支払情報を支払端末に通信するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0112】
いくつかの例では、感知回路530は、ユーザに関する加速度計データを収集するための手段であって、ジェスチャは、加速度計データに少なくとも部分的に基づいて決定される、手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0113】
いくつかの例では、処理モジュール525は、ある期間にわたって生理学的プロファイルを決定するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、処理モジュール525は、生理学的プロファイルをウェアラブルデバイスのメモリに記憶するか、生理学的プロファイルをユーザデバイスに通信するか、またはその両方を行うための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0114】
いくつかの例では、生理学的プロファイルは、ワイヤレス接続の不在下で決定され、ユーザのアイデンティティは、ワイヤレス接続の不在下で決定され、ユーザは、ワイヤレス接続の不在下で認証される。
【0115】
いくつかの例では、生理学的プロファイルはPPGデータを含む。いくつかの例では、処理モジュール525は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの1つまたは複数の生理学的特性を決定するための手段であって、ユーザのアイデンティティは、1つまたは複数の生理学的特性に少なくとも部分的に基づいて決定される、手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0116】
いくつかの例では、1つまたは複数の生理学的特性は、心拍数、心拍数変動、血圧、またはそれらの組合せを含む。いくつかの例では、生理学的データは第2のPPGデータを含み、処理モジュール525は、ユーザによって行われている活動に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられた状態に少なくとも部分的に基づいて、または両方に基づいて、第2のPPGデータを正規化するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0117】
いくつかの例では、生理学的プロファイルは、ユーザの動きに関連付けられた動きパターンを含む。いくつかの例では、動きパターンは、ユーザによって実行される予め定義されたハンドジェスチャを含む。いくつかの例では、ハンドジェスチャは、ユーザの指を中心としたウェアラブルデバイスの回転パターンを含む。
【0118】
いくつかの例では、処理モジュール525は、ユーザの地理的ロケーションを決定するための手段であって、ユーザのアイデンティティは、ユーザの地理的ロケーションに少なくとも部分的に基づいて決定される、手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0119】
いくつかの例では、処理モジュール525は、アイデンティティに関連付けられたユーザデバイスに対するウェアラブルデバイスの近接度を決定するための手段であって、ユーザのアイデンティティは、ユーザデバイスに対するウェアラブルデバイスの近接度に少なくとも部分的に基づいて決定される、手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0120】
いくつかの例では(例えば、ユーザを認証することが第1の認証手順の一部であるとき)、処理モジュール525は、ユーザの認証後、ユーザがウェアラブルデバイスを取り外したと決定するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。そのような例では、処理モジュール525は、ユーザの認証後、ユーザがウェアラブルデバイスを取り外したと決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザのための第2の認証手順を実行するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0121】
いくつかの例では、処理モジュール525は、ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて通信構成要素をアクティブ化するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、通信構成要素535は、通信構成要素を使用してアクセス手順またはサインイン手順を実行するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0122】
いくつかの例では、処理モジュール525は、ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて通信構成要素をアクティブ化するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、通信構成要素535は、通信構成要素をアクティブ化したことに少なくとも部分的に基づいて別のデバイスとのデータ転送を開始するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0123】
いくつかの例では、処理モジュール525は、ウェアラブルデバイスがもう一方のデバイスのしきい値距離内にあると決定するための手段であって、データ転送は、ウェアラブルデバイスがもう一方のデバイスのしきい値距離内にあると決定したことに少なくとも部分的に基づいて開始される、手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0124】
いくつかの例では、生理学的データは、ウェアラブルデバイスの1つまたは複数のセンサを使用して収集され、メモリモジュール540は、生理学的データをウェアラブルデバイスのメモリに記憶するためのするための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0125】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0126】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて生理学的データを収集する。
【0127】
図6は、本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートするデバイス605を含むシステム600の図を示す。デバイス605は、本明細書で説明されるようなデバイス405の構成要素の一例であるか、またはそれを含み得る。デバイス605は、本明細書で前に説明したように、ウェアラブルデバイス104の一例を含み得る。デバイス605は、ウェアラブルデバイスマネージャ620、通信モジュール610、アンテナ615、センサ構成要素625、電力モジュール630、メモリ635、プロセッサ640、およびワイヤレスデバイス650など、ユーザデバイス106およびサーバ110との通信を送信および受信するための構成要素を含む、双方向通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、1つまたは複数のバス(例えば、バス645)を介して電子通信しているか、または他の方法で(例えば、動作可能に、通信可能に、機能的に、電子的に、電気的に)結合され得る。
【0128】
例えば、ウェアラブルデバイスマネージャ620は、ウェアラブルデバイスによって、ユーザがウェアラブルデバイスをユーザの指に装着していると決定するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。ウェアラブルデバイスマネージャ620は、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザから生理学的データを収集するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。ウェアラブルデバイスマネージャ620は、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。ウェアラブルデバイスマネージャ620は、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証するための手段として構成されるか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0129】
本明細書で説明される例にしたがってウェアラブルデバイスマネージャ620を含むかまたは構成することによって、デバイス605は、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証のための技法をサポートし得る。
【0130】
図7は、本開示の態様による、ウェアラブルデバイスによるユーザ認証をサポートする方法700を示すフローチャートを示す。方法700の動作は、本明細書で説明されるウェアラブルデバイスまたはそれの構成要素によって実装され得る。例えば、方法700の動作は、
図1~
図6を参照して説明されるように、ウェアラブルデバイスによって実行され得る。いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、説明された機能を実行するようにウェアラブルデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的または代替的に、ウェアラブルデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行し得る。
【0131】
705において、方法は、ウェアラブルデバイスによって、ユーザがウェアラブルデバイスをユーザの指に装着していると決定するステップを含み得る。705の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、705の動作の態様は、
図5を参照して説明されるように、処理モジュール525によって実行され得る。
【0132】
710において、方法は、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザから生理学的データを収集するステップを含み得る。710の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、710の動作の態様は、
図5を参照して説明されるように、感知回路530によって実行され得る。
【0133】
715において、方法は、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定するステップを含み得る。715の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、715の動作の態様は、
図5を参照して説明されるように、処理モジュール525によって実行され得る。
【0134】
720において、方法は、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証するステップを含み得る。720の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、720の動作の態様は、
図5を参照して説明されるように、処理モジュール525によって実行され得る。
【0135】
上記で説明した方法は可能な実装形態を説明するものであり、動作およびステップは並べ替えられるかまたは他の方法で修正され得、他の実装形態が可能であることに留意されたい。さらに、本方法のうちの2つ以上からの態様が組み合わされてもよい。
【0136】
方法が説明される。本方法は、ウェアラブルデバイスによって、ユーザがウェアラブルデバイスをユーザの指に装着していると決定するステップと、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザから生理学的データを収集するステップと、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定するステップと、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証するステップとを含み得る。
【0137】
装置が説明される。本装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、装置に、ウェアラブルデバイスによって、ユーザがウェアラブルデバイスをユーザの指に装着していると決定することと、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザから生理学的データを収集することと、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定することと、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証することとを行わせるようにプロセッサによって実行可能である。
【0138】
別の装置が説明される。本装置は、ウェアラブルデバイスによって、ユーザがウェアラブルデバイスをユーザの指に装着していると決定するための手段と、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザから生理学的データを収集するための手段と、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定するための手段と、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証するための手段とを含み得る。
【0139】
コードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が説明される。本コードは、ウェアラブルデバイスによって、ユーザがウェアラブルデバイスをユーザの指に装着していると決定することと、ユーザがウェアラブルデバイスを装着していると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザから生理学的データを収集することと、ユーザのアイデンティティを、収集された生理学的データがアイデンティティに関連付けられた生理学的プロファイルに一致したことに少なくとも部分的に基づいて決定することと、ユーザ認証を必要とするウェアラブルデバイスによるアクションに対してユーザを認証することとを行うためにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0140】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいてアクションを開始するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0141】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザを認証して以来、ウェアラブルデバイスがユーザの指に装着されたままであり得ると決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、アクションは、ユーザを認証して以来、ウェアラブルデバイスがユーザの指に装着されたままであり得ると決定したことに少なくとも部分的に基づいて開始され得る。
【0142】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、アクションは支払トランザクションを含む。
【0143】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、アクションは、アイデンティティについての追加の生理学的データを収集することを含む。
【0144】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて、およびユーザによって行われるジェスチャまたはユーザに対するウェアラブルデバイスの近接度に少なくとも部分的に基づいて、通信構成要素をアクティブ化するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0145】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、通信構成要素をアクティブ化してからしきい値期間が経過したことに少なくとも部分的に基づいて、アクションを完了したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに対するウェアラブルデバイスの近接度がしきい値距離を超えたことに少なくとも部分的に基づいて、またはそれらの任意の組合せにより、通信構成要素を非アクティブ化するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0146】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ジェスチャは、ウェアラブルデバイスで支払端末をタップすることを含み、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、通信構成要素をアクティブ化したことに少なくとも部分的に基づいて、支払情報を支払端末に通信するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0147】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザに関する加速度計データを収集するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、ジェスチャは、加速度計データに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0148】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ある期間にわたって生理学的プロファイルを決定し、生理学的プロファイルをウェアラブルデバイスのメモリに記憶するか、生理学的プロファイルをユーザデバイスに通信するか、またはその両方を行うための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0149】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的プロファイルは、ワイヤレス接続の不在下で決定され得、ユーザのアイデンティティは、ワイヤレス接続の不在下で決定され得、ユーザは、ワイヤレス接続の不在下で認証され得る。
【0150】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的プロファイルはPPGデータを含む。本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、PPGデータに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの1つまたは複数の生理学的特性を決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、ユーザのアイデンティティは、1つまたは複数の生理学的特性に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0151】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、1つまたは複数の生理学的特性は、心拍数、心拍数変動、血圧、またはそれらの組合せを含む。
【0152】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的データは第2のPPGデータを含み、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、ユーザによって行われている活動に少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられた状態に少なくとも部分的に基づいて、または両方に基づいて、第2のPPGデータを正規化するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0153】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的プロファイルは、ユーザの動きに関連付けられた動きパターンを含む。
【0154】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、動きパターンは、ユーザによって実行される予め定義されたハンドジェスチャを含む。
【0155】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ハンドジェスチャは、ユーザの指を中心としたウェアラブルデバイスの回転パターンを含む。
【0156】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザの地理的ロケーションを決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、ユーザのアイデンティティは、ユーザの地理的ロケーションに少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0157】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、アイデンティティに関連付けられたユーザデバイスに対するウェアラブルデバイスの近接度を決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、ユーザのアイデンティティは、ユーザデバイスに対するウェアラブルデバイスの近接度に少なくとも部分的に基づいて決定され得る。
【0158】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では(例えば、ユーザを認証することが第1の認証手順の一部であるとき)、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、ユーザの認証後、ユーザがウェアラブルデバイスを取り外した可能性があると決定し、ユーザの認証後、ユーザがウェアラブルデバイスを取り外した可能性があると決定したことに少なくとも部分的に基づいて、ユーザのための第2の認証手順を実行するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0159】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて通信構成要素をアクティブ化し、通信構成要素を使用してアクセス手順またはサインイン手順を実行するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0160】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザを認証したことに少なくとも部分的に基づいて通信構成要素をアクティブ化し、通信構成要素をアクティブ化したことに少なくとも部分的に基づいて別のデバイスとのデータ転送を開始するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0161】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ウェアラブルデバイスがもう一方のデバイスのしきい値距離内にあると決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、データ転送は、ウェアラブルデバイスがもう一方のデバイスのしきい値距離内にあり得ると決定したことに少なくとも部分的に基づいて開始され得る。
【0162】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的データは、ウェアラブルデバイスの1つまたは複数のセンサを使用して収集され得、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、生理学的データをウェアラブルデバイスのメモリに記憶するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得る。
【0163】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて生理学的データを収集する。
【0164】
添付の図面に関して本明細書に記載された説明は、例示的な構成を説明するものであり、実装され得るまたは特許請求の範囲内にあるすべての例を表すとは限らない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、事例、または例示として機能する」を意味し、「好ましい」または「他の例よりも有利である」を意味しない。詳細な説明は、説明された技法についての理解を与えるための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な詳細なしに実践され得る。いくつかの事例では、説明される例の概念を不明瞭にしないために、周知の構造およびデバイスがブロック図の形態で示される。
【0165】
添付の図では、同様の構成要素または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に、ダッシュと、同様の構成要素を区別する第2のラベルとを続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、第2の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のいずれにも適用可能である。
【0166】
本明細書で説明される情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得る。例えば、上記の説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組合せによって表され得る。
【0167】
本明細書の開示に関連して説明された様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAまたは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)として実装され得る。
【0168】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または送信され得る。他の例および実装形態は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質により、上記で説明された機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、配線、またはこれらの任意の組合せを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、様々な位置に物理的に位置してもよく、これには、機能の部分が異なる物理的ロケーションで実装されるように分散されることが含まれる。また、特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、項目のリスト(例えば、「~のうちの少なくとも1つ」または「~のうちの1つまたは複数」などの語句が前に付く項目のリスト)で使用される「または」は、例えば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つのリストが、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような包括的なリストを示す。また、本明細書で使用される場合、「~に基づく」という語句は、条件の閉じたセットへの言及として解釈されるべきではない。例えば、「条件Aに基づいて」と記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aおよび条件Bの両方に基づき得る。言い換えると、本明細書で使用される場合、「~に基づいて」という語句は、「~に少なくとも部分的に基づいて」という語句と同様に解釈されるものとする。
【0169】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体と非一時的コンピュータ記憶媒体の両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセス可能である任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送もしくは記憶するために使用することができ、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセス可能な任意の他の非一時的媒体を含むことができる。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、diskは、通常、データを磁気的に再生し、discは、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0170】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作成または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される例および設計に限定されず、本明細書で開示した原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【国際調査報告】