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特表2025-501960ハイブリッド車及びその発電方法、装置、並びに車両コントローラ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ハイブリッド車及びその発電方法、装置、並びに車両コントローラ
(51)【国際特許分類】
   B60W 10/08 20060101AFI20250117BHJP
   B60W 20/12 20160101ALI20250117BHJP
   B60W 20/20 20160101ALI20250117BHJP
   B60L 50/61 20190101ALI20250117BHJP
【FI】
B60W10/08 900
B60W20/12 ZHV
B60W20/20
B60L50/61
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539606
(86)(22)【出願日】2022-12-13
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 CN2022138694
(87)【国際公開番号】W WO2023130917
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】202210002120.X
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100216150
【弁理士】
【氏名又は名称】香山 良樹
(72)【発明者】
【氏名】▲韓▼▲懿▼
(72)【発明者】
【氏名】彭勃
(72)【発明者】
【氏名】朱福堂
(72)【発明者】
【氏名】王春生
【テーマコード(参考)】
3D202
5H125
【Fターム(参考)】
3D202BB00
3D202BB11
3D202CC15
3D202CC16
3D202DD00
3D202DD01
3D202DD24
3D202DD45
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC11
5H125BC11
5H125BD17
5H125CA18
5H125EE27
5H125EE52
5H125EE55
5H125EE62
(57)【要約】
ハイブリッド車及びその発電方法、装置、並びに車両コントローラを開示する。方法は、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合、及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得するステップ(S101)と、位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定するステップ(S102)と、モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するステップ(S103)と、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御するステップ(S104)と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド車の発電方法であって、
前記ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び前記所定時間内の前記ハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得するステップと、
前記位置情報、前記異なる車速域の割合及び前記異なる勾配域の割合に基づいて、前記ハイブリッド車の現在のモードを決定するステップと、
前記モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するステップと、
前記目標発電電力に基づいて、前記ハイブリッド車を発電するように制御するステップと、
を含む、
ハイブリッド車の発電方法。
【請求項2】
前記位置情報、前記異なる車速域の割合及び前記異なる勾配域の割合に基づいて、前記ハイブリッド車の現在のモードを決定するステップは、
前記位置情報が都市道路であり、第1車速域の割合が第1割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、前記モードが都市モードであると決定するステップと、
前記位置情報が地方道/郊外道路であり、第2車速域の割合が第2割合閾値より大きく、かつ前記第1勾配域の割合が前記第4割合閾値より小さい場合、前記モードが地方道/郊外モードであると決定するステップであって、前記第2車速域の車速が前記第1車速域の車速より大きいステップと、
前記位置情報が高速道路であり、第3車速域の割合が第3割合閾値より大きく、かつ前記第1勾配域の割合が前記第4割合閾値より小さい場合、前記モードが高速モードであると決定するステップであって、前記第3車速域の車速が前記第2車速域の車速より大きいステップと、
前記第1勾配域の割合が前記第4割合閾値以上である場合、前記モードが山道モードであると決定するステップであって、前記第1勾配域の割合が第1勾配より大きい勾配の割合であるステップと、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するステップは、
前記ハイブリッド車の初期発電電力を取得するステップと、
前記モードに基づいて、対応する補正係数を取得するステップと、
前記補正係数に基づいて、前記初期発電電力を補正して前記目標発電電力を取得するステップと、
を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モードに基づいて、対応する補正係数を取得するステップは、
前記モードが都市モードである場合、前記補正係数を第1係数とするステップと、
前記モードが地方道/郊外モードである場合、前記補正係数を第2係数とするステップと、
前記モードが山道モードである場合、前記補正係数を第3係数とするステップと、
前記モードが高速モードである場合、前記補正係数を第4係数とするステップと、
を含み、
前記ハイブリッド車の動力電池の現在のSOCがSOC平衡点より大きい場合、前記第1係数、前記第2係数、前記第3係数及び前記第4係数は、いずれも1であり、
前記SOCが前記SOC平衡点以下である場合、前記第1係数、前記第2係数、前記第3係数及び前記第4係数は、いずれも1より大きく、かつ前記第4係数>前記第3係数>前記第2係数>前記第1係数である、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ハイブリッド車の初期発電電力を取得するステップは、
前記ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップと、
前記走行要求電力及び前記現在のSOCに基づいて、前記初期発電電力を取得するステップと、
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記走行要求電力が一定である場合、前記初期発電電力と前記現在のSOCとは、逆相関であり、
前記現在のSOCが一定である場合、前記初期発電電力と前記走行要求電力とは、正相関である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップと、
前記走行要求電力及び前記現在のSOCに基づいて、前記ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定した場合、前記ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び前記所定時間内の前記ハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得するステップと、
を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップの後、
前記走行要求電力に基づいて、対応するSOC発電域を決定し、前記現在のSOCが前記SOC発電域内にあれば、前記ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定するステップ、又は、
前記現在のSOCに基づいて、対応する走行要求電力発電域を決定し、前記走行要求電力が前記走行要求電力発電域にあれば、前記ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定するステップ、
を更に含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ハイブリッド車の発電装置であって、
前記ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び前記所定時間内の前記ハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得する取得モジュールと、
前記位置情報、前記異なる車速域の割合及び前記異なる勾配域の割合に基づいて、前記ハイブリッド車の現在のモードを決定するモード識別モジュールと、
前記モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得する発電電力取得モジュールと、
前記目標発電電力に基づいて、前記ハイブリッド車を発電するように制御する制御モジュールと、
を含む、
ハイブリッド車の発電装置。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサ上で実行可能なハイブリッド車の発電プログラムと、を含み、
前記プロセッサが前記プログラムを実行すると、請求項1~8のいずれか一項に記載のハイブリッド車の発電方法を実現する、
車両コントローラ。
【請求項11】
請求項9に記載のハイブリッド車の発電装置を含む、
ハイブリッド車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2022年1月4日に提出された、出願番号が202210002120.Xで、名称が「ハイブリッド車及びその発電方法、装置、並びに車両コントローラ」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、ハイブリッド車の技術分野に関し、特にハイブリッド車及びその発電方法、装置、並びに車両コントローラに関する。
【背景技術】
【0003】
ハイブリッド車の急速な発展に伴い、ハイブリッド車の車両発電戦略もますます重要になっている。従来の車両発電戦略は、運転者の行為動作に基づいて走行信号を取得し、更に車両の走行モードを判断することである。しかしながら、該車両発電戦略によれば、取得した走行信号のみによってモードを判断し、運転者が疲労運転状態である場合、合理的な走行信号を取得することができないため、車両走行モードを合理的に予測することができず、また、該車両発電戦略が単一で固定され、低SOC状態での車両発電要求を満たすこともできず、ハイブリッド車の燃料経済性を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。このため、本開示は、ハイブリッド車の発電方法を提供し、該方法では、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、ハイブリッド車の発電装置を更に提供する。
【0006】
本開示は、車両コントローラを更に提供する。
【0007】
本開示は、ハイブリッド車を更に提供する。
【0008】
本開示の第1態様の実施例に係るハイブリッド車の発電方法は、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合、及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得するステップと、位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定するステップと、モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するステップと、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御するステップとを含む。
【0009】
本開示の実施例のハイブリッド車の発電方法によれば、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得し、取得した位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定し、現在のモードに基づいて、対応する目標発電電力を取得し、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する。これにより、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【0010】
本開示の一実施例によれば、位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定するステップは、位置情報が都市道路であり、第1車速域の割合が第1割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、モードが都市モードであると決定するステップと、位置情報が地方道/郊外道路であり、第2車速域の割合が第2割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、モードが地方道/郊外モードであると決定するステップであって、第2車速域の車速が第1車速域の車速より大きいステップと、位置情報が高速道路であり、第3車速域の割合が第3割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、前記モードが高速モードであると決定するステップであって、第3車速域の車速が第2車速域の車速より大きいステップと、第1勾配域の割合が第4割合閾値以上である場合、モードが山道モードであると決定するステップであって、第1勾配域の割合が第1勾配より大きい勾配の割合であるステップと、を含む。
【0011】
本開示の一実施例によれば、モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するステップは、ハイブリッド車の初期発電電力を取得するステップと、モードに基づいて、対応する補正係数を取得するステップと、補正係数に基づいて、初期発電電力を補正して目標発電電力を取得するステップと、を含む。
【0012】
本開示の一実施例によれば、モードに基づいて、対応する補正係数を取得するステップは、モードが都市モードである場合、補正係数を第1係数とするステップと、モードが地方道/郊外モードである場合、補正係数を第2係数とするステップと、モードが山道モードである場合、補正係数を第3係数とするステップと、モードが高速モードである場合、補正係数を第4係数とするステップと、を含み、ハイブリッド車の動力電池の現在のSOCがSOC平衡点より大きい場合、第1係数、第2係数、第3係数及び第4係数は、いずれも1であり、SOCがSOC平衡点以下である場合、第1係数、第2係数、第3係数及び第4係数は、いずれも1より大きく、かつ第4係数>第3係数>第2係数>第1係数である。
【0013】
本開示の一実施例によれば、ハイブリッド車の初期発電電力を取得するステップは、ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップと、走行要求電力及び現在のSOCに基づいて、初期発電電力を取得するステップと、を含む。
【0014】
本開示の一実施例によれば、走行要求電力が一定である場合、初期発電電力と現在のSOCとは、逆相関であり、現在のSOCが一定である場合、初期発電電力と走行要求電力とは、正相関である。
【0015】
本開示の一実施例によれば、方法は、ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップと、走行要求電力及び現在のSOCに基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定した場合、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得するステップと、を含む。
【0016】
本開示の一実施例によれば、ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップの後、方法は、走行要求電力に基づいて、対応するSOC発電域を決定し、現在のSOCがSOC発電域内にあれば、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定するステップ、又は現在のSOCに基づいて、対応する走行要求電力発電域を決定し、走行要求電力が走行要求電力発電域にあれば、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定するステップを更に含む。
【0017】
本開示の第2態様の実施例に係るハイブリッド車の発電装置は、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得する取得モジュールと、位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定するモード識別モジュールと、モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得する発電電力取得モジュールと、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する制御モジュールと、を含む。
【0018】
本開示の実施例のハイブリッド車の発電装置によれば、取得モジュールにより、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得し、モード識別モジュールにより、取得された位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定し、発電電力取得モジュールにより、現在のモードに基づいて、対応する目標発電電力を取得し、制御モジュールにより、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する。これにより、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【0019】
本開示の第3態様の実施例に係る車両コントローラは、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサ上で実行可能なハイブリッド車の発電プログラムと、を含み、プロセッサがプログラムを実行すると、第1態様の実施例におけるハイブリッド車の発電方法を実現する。
【0020】
本開示の実施例の車両コントローラによれば、上記ハイブリッド車の発電方法により、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【0021】
本開示の第4態様の実施例に係るハイブリッド車は、第2態様の実施例におけるハイブリッド車の発電装置を含む。
【0022】
本開示の実施例のハイブリッド車によれば、上記ハイブリッド車の発電装置により、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【0023】
本開示の付加的な態様及び利点については、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の一実施例に係るハイブリッド車の発電方法のフローチャートである。
図2】本開示の一実施例に係る、モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するフローチャートである。
図3】本開示の一実施例に係るハイブリッド車の発電方法の概略図である。
図4】本開示の一実施例に係るハイブリッド車の発電装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例が図面において示されるが、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは、同一又は類似の機能を有する部品を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものに過ぎず、本開示を解釈するものであり、本開示を限定するものであると理解すべきではない。
【0026】
以下、図面を参照しながら本開示の実施例に係るハイブリッド車及びその発電方法、装置、並びに車両コントローラを説明する。
【0027】
図1は、本開示の一実施例に係るハイブリッド車の発電方法のフローチャートである。図1に示すように、該ハイブリッド車の発電方法は、以下のステップS101~S104を含む。
【0028】
ステップS101では、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得する。
【0029】
なお、ハイブリッド車の走行過程において、単一の固定した発電戦略を用いるだけでは、異なる走行モードに遭遇した場合、ハイブリッド車の発電要求を満たすことが困難であり、ハイブリッド車のエンジンが様々な走行モードの条件で最適点で動作できることを保証し、ハイブリッド車の燃費の低減を実現し、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成するために、ハイブリッド車が異なる走行モードで走行する場合の最適な発電戦略を取得し、ハイブリッド車の現在の走行モードに基づいて、対応する発電戦略を用いることにより、ハイブリッド車の異なる走行モードでの発電要求を満たす必要がある。
【0030】
具体的には、車載高精度地図システム、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)及び車両センサーによって、ハイブリッド車の位置、車速、加速度、勾配、環境温度、標高などのデータを含む現在のハイブリッド車の走行環境及び道路状況情報をリアルタイムに検出し、リアルタイムに検出した上記データを統合して、現在のハイブリッド車の走行状態を取得し、例えば、車載高精度地図システムによって現在のハイブリッド車の走行位置を取得し、車載高精度地図システムが、現在のハイブリッド車が都市道路を走行していることを表示する場合、取得した現在のハイブリッド車の位置情報は、都市道路であり、車載高精度地図システムが、現在のハイブリッド車が地方道/郊外道路を走行していることを表示する場合、取得した現在のハイブリッド車の位置情報は、地方道/郊外道路であり、車載高精度地図システムが、現在のハイブリッド車が高速道路を走行していることを表示する場合、取得した現在のハイブリッド車の位置情報は、高速道路であり、車載GPSによって現在のハイブリッド車の走行速度を取得し、走行速度に基づいて、所定時間内の異なる車速域の該所定時間内の割合を取得して、異なる車速域の割合を形成してもよく、更に、車載車両センサーによって現在のハイブリッド車の傾斜角度を取得し、取得した傾斜角度に基づいて、現在のハイブリッド車が走行している道路の勾配を決定することにより、所定時間内にハイブリッド車が走行している道路の異なる勾配域の該所定時間内の割合を取得してもよい。車載高精度地図システム、GPS及び車両センサーによって自動車の走行状態をリアルタイムに取得するため、現在の走行モードの識別予測は、一定の適時性を有する。
【0031】
ステップS102では、位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定する。
【0032】
具体的には、取得した上記ハイブリッド車の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて総合的に判断して、ハイブリッド車の現在の走行モードを決定する。
【0033】
いくつかの実施例では、位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定するステップは、位置情報が都市道路であり、第1車速域の割合が第1割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、モードが都市モードであると決定するステップと、位置情報が地方道/郊外道路であり、第2車速域の割合が第2割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、モードが地方道/郊外モードであると決定するステップであって、第2車速域の車速が第1車速域の車速より大きいステップと、位置情報が高速道路であり、第3車速域の割合が第3割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、前記モードが高速モードであると決定するステップであって、第3車速域の車速が第2車速域の車速より大きいステップと、第1勾配域の割合が第4割合閾値以上である場合、モードが山道モードであると決定するステップであって、第1勾配域の割合が第1勾配より大きい勾配の割合であるステップとを含む。
【0034】
具体的には、現在のハイブリッド車が都市道路を走行していると判断した場合、該ハイブリッド車の走行速度をリアルタイムに取得し、都市道路の道路状況に対して、ハイブリッド車システムにおいて第1車速域及び第1割合閾値が予め設定されており、所定時間内に、ハイブリッド車の走行速度が第1車速域にある時間の所定時間に対する割合を取得するとともに、ハイブリッド車の走行中に現在の走行道路の勾配をリアルタイムに取得し、走行勾配に対して、ハイブリッド車システムにおいて第1勾配域及び第4割合閾値が予め設定されており、所定時間内に、ハイブリッド車の走行勾配が第1勾配域にある時間の所定時間に対する割合を取得し、ハイブリッド車の走行速度が第1車速域にある割合が第1割合閾値より大きく、かつ走行勾配が第1勾配域にある割合が第4割合閾値より小さい場合、現在のハイブリッド車のモードが都市モードであると決定する。
【0035】
具体的には、現在のハイブリッド車が地方道/郊外道路を走行していると判断した場合、該ハイブリッド車の走行速度をリアルタイムに取得し、地方道/郊外道路の道路状況に対して、ハイブリッド車システムにおいて第2車速域及び第2割合閾値が予め設定され、所定時間内に、ハイブリッド車の走行速度が第2車速域にある時間の所定時間に対する割合を取得し、なお、第2車速域の車速は、第1車速域の車速より大きく、例えば、第1車速域は、[0km/h,60km/h)であり、第2車速域は、[60km/h,80km/h)であり、本実施例では、第1車速域と第2車速域は、隣接したものであってもよく、隣接したものでなくてもよく、例えば、第2車速域が[65km/h,80km/h)に設定されてもよく、第2車速域の車速が第1車速域の車速より大きいことを保証すればよく、そして、ハイブリッド車の走行中に、走行勾配が第1勾配域にある時間の所定時間に対する割合を取得し、ハイブリッド車の走行速度が第2車速域にある割合が第2割合閾値よりも大きく、かつ走行勾配が第1勾配域にある割合が第4割合閾値より小さい場合、現在のハイブリッド車のモードが地方道/郊外モードであると決定する。
【0036】
具体的には、現在のハイブリッド車が高速道路を走行していると判断した場合、該ハイブリッド車の走行速度をリアルタイムに取得し、高速道路の道路状況に対して、ハイブリッド車システムにおいて第3車速域及び第3割合閾値が予め設定されており、所定時間内に、ハイブリッド車の走行速度が第3車速域にある時間の所定時間に対する割合を取得し、なお、第3車速域の車速は、第2車速域の車速より大きく、例えば、第1車速域は、[60km/h,80km/h)であり、第3車速域は、[80km/h,100km/h)であり、本実施例では、第1車速域と第2車速域は、隣接したものであってもよく、隣接したものでなくてもよく、例えば、第2車速域が[85km/h,100km/h)に設定されてもよく、第3車速域の車速が第2車速域の車速より大きいことを保証すればよく、そして、ハイブリッド車の走行中に走行勾配が第1勾配域にある時間の所定時間に対する割合を取得し、ハイブリッド車の走行速度が第3車速域にある割合が第3割合閾値より大きく、かつ走行勾配が第1勾配域にある割合が第4割合閾値より小さい場合、現在のハイブリッド車のモードが高速モードであると決定する。
【0037】
ハイブリッド車の走行中に、取得した走行の道路勾配が第1勾配より大きい時間の所定時間に対する割合が第4割合閾値より大きい場合、現在のハイブリッド車のモードが山道モードであると決定し、第1勾配域の割合は、第1勾配より大きい勾配の割合である。つまり、ハイブリッド車が走行している道路勾配が第1勾配より大きい時間の所定時間に対する割合が第4割合閾値より大きいと判断した場合、該ハイブリッド車の位置情報及び車速情報を考慮せずに、一律に山道モードとして決定する。
【0038】
なお、ハイブリッド車が上記判断条件に基づいて走行モードを決定することができない場合、該ハイブリッド車のモードは他のモードであると考えられる。
【0039】
ステップS103では、モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得する。
【0040】
具体的には、位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定した後、ハイブリッド車の異なるモードでの目標発電電力を取得して、対応する発電戦略を用いることにより、異なる走行モードでの発電要求を満たす。
【0041】
いくつかの実施例では、図2に示すように、モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するステップは、ステップS201~S203を含む。
【0042】
ステップS201では、ハイブリッド車の初期発電電力を取得する。
【0043】
いくつかの実施例では、ハイブリッド車の初期発電電力を取得するステップは、ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップと、走行要求電力及び現在のSOCに基づいて、初期発電電力を取得するステップと、を含む。
【0044】
具体的には、ハイブリッド車の走行中に、車載高精度地図システム、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)及び車両センサーによって現在のハイブリッド車の車速、加速度、勾配、温度及び標高高度などのデータをリアルタイムに取得し、上記ハイブリッド車の車速、加速度、勾配、温度及び標高高度などのデータに基づいてハイブリッド車の走行要求電力を計算すると共に、ハイブリッド車システムによって動力電池の現在のSOCを取得し、取得した走行要求電力及び現在のSOC(即ち、最低SOC電池放電能力)に基づいて、ハイブリッド車の初期発電電力を取得する。
【0045】
いくつかの実施例では、走行要求電力が一定である場合、初期発電電力と現在のSOCとは、逆相関であり、現在のSOCが一定である場合、初期発電電力と走行要求電力とは、正相関である。つまり、ハイブリッド車の初期発電電力は、走行要求電力及び現在のSOCによって決定され、初期発電電力は、現在のSOCの低下及び走行要求電力の増大に伴って増大し、走行要求電力が一定である場合、初期発電電力とSOCとは、逆相関関係にあり、現在のSOCが一定である場合、初期発電電力と走行要求電力とは、正相関関係にある。
【0046】
ステップS202では、モードに基づいて、対応する補正係数を取得する。
【0047】
具体的には、ハイブリッド車の走行モードに基づいて、該モードに対応する補正係数を取得することにより、ハイブリッド車が該モードの条件で走行する場合に最適な発電戦略を用いる。
【0048】
いくつかの実施例では、モードに基づいて、対応する補正係数を取得するステップは、モードが都市モードである場合、補正係数を第1係数とするステップと、モードが地方道/郊外モードである場合、補正係数を第2係数とするステップと、モードが山道モードである場合、補正係数を第3係数とするステップと、モードが高速モードである場合、補正係数を第4係数とするステップと、を含み、ハイブリッド車の動力電池の現在のSOCがSOC平衡点より大きい場合、第1係数、第2係数、第3係数及び第4係数は、いずれも1であり、SOCがSOC平衡点以下である場合、第1係数、第2係数、第3係数及び第4係数は、いずれも1より大きく、かつ第4係数>第3係数>第2係数>第1係数である。
【0049】
具体的には、ハイブリッド車システムにおいて異なる走行モードに応じて第1係数a、第2係数b、第3係数c及び第4係数dが予め設定されており、動力電池においてSOC平衡点が予め設定されており、動力電池の現在のSOCがSOC平衡点以下である場合、第1係数a、第2係数b、第3係数c及び第4係数dをいずれも1より大きく設定し、つまり、動力電池の現在のSOCがSOC平衡点以下である場合、車両の動力電池のSOCが最小許容SOCより低くなることを回避し、車両のSOCを最小SOC値以上に維持するために、ハイブリッド車の発電電力を補正する必要があり、またハイブリッド車の異なるモードに対して、対応する補正係数も異なり、ハイブリッド車の現在のモードが都市モードであると決定した場合、補正係数を第1係数aとし、ハイブリッド車の現在のモードが地方道/郊外モードであると決定した場合、補正係数を第2係数bとし、ハイブリッド車の現在のモードが山道モードであると決定した場合、補正係数を第3係数cとし、ハイブリッド車の現在のモードが高速モードであると決定した場合、補正係数を第4係数dとし、第4係数d>第3係数c>第2係数b>第1係数aであり、ハイブリッド車の動力電池の現在のSOCがSOC平衡点より大きい場合、第1係数a、第2係数b、第3係数c及び第4係数dをいずれも1に設定し、つまり、ハイブリッド車の動力電池の現在のSOCがSOC平衡点よりも大きい場合、ハイブリッド車がどのようなモードにあるかにかかわらず、初期発電電力を補正しない。
【0050】
ステップS203では、補正係数に基づいて、初期発電電力を補正して目標発電電力を取得する。
【0051】
具体的には、動力電池の現在のSOCがSOC平衡点以下である場合、異なるモードの補正係数に基づいて、初期発電電力と該モードでの補正係数とを乗算すれば、該モードでの目標発電電力を取得することができ、図3に示すように、異なるモードの条件で異なる発電戦略を用い、異なる発電戦略では、異なる補正係数によって異なるモードでの発電電力を計算し、運転者の走行要求を満たすと共に、車両のSOCが最小SOC値より低い状況の発生を回避し、車両のSOCを常に最小SOC値以上に維持し、即ち、異なるモードでの低SOC状態での車両の発電要求を満たすことができ、一方、動力電池の現在のSOCがSOC平衡点より大きい場合、初期発電電力を補正する必要がなく、即ち、ハイブリッド車の初期発電電力がハイブリッド車の目標発電電力である。
【0052】
なお、ハイブリッド車が他のモードであると決定した場合にも、初期発電電力を補正する必要がなく、即ち、ハイブリッド車の初期発電電力がハイブリッド車の目標発電電力である。
【0053】
ステップS104では、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する。
【0054】
具体的には、補正された目標発電電力を取得した後、ハイブリッド車が異なるモードで走行する場合、対応するモードに応じて補正された目標発電電力に従って発電するようにハイブリッド車を制御することにより、ハイブリッド車の異なる走行モードでの発電要求を満たす。
【0055】
いくつかの実施例では、上記ハイブリッド車の発電方法は、ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップと、走行要求電力及び現在のSOCに基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定した場合、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得するステップと、を更に含む。
【0056】
本開示の一実施例によれば、ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップの後、方法は、走行要求電力に基づいて、対応するSOC発電域を決定し、現在のSOCがSOC発電域内にあれば、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定するステップ、又は現在のSOCに基づいて、対応する走行要求電力発電域を決定し、走行要求電力が走行要求電力発電域にあれば、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定するステップを更に含む。
【0057】
具体的には、ハイブリッド車の走行中に、ハイブリッド車システムによって走行要求電力及び動力電池の現在のSOCをリアルタイムに取得し、走行要求電力に基づいて、対応するSOC発電域を決定し、現在のSOCに基づいて、対応する走行要求電力発電域を決定し、現在のSOCがSOC発電域内にあるか又は走行要求電力が走行要求電力発電域内にあれば、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があり、そうでなければ、車両発電戦略を有効化せず、ハイブリッド車が走行し続け、図3に示すように、車両発電戦略を有効化する必要があると判断した場合、車載高精度地図システム、GPS及び車両センサーによってハイブリッド車の位置、車速、加速度、勾配、環境温度、標高などのデータをリアルタイムに取得し、リアルタイムに検出した上記データを統合して、現在のハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得し、取得したハイブリッド車の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在の走行モードを決定し、異なる走行モードに応じて異なる発電戦略を用いることにより、ハイブリッド車のエンジンが様々な走行モードで最適点で動作できることを保証し、ハイブリッド車の燃費の低下を実現し、更にハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成することができる。
【0058】
以上より、本開示の実施例のハイブリッド車の発電方法によれば、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得し、取得した位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定し、現在のモードに基づいて、対応する目標発電電力を取得し、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する。これにより、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【0059】
図4は、本開示の一実施例に係るハイブリッド車の発電装置の概略構成図である。図4に示すように、該ハイブリッド車の発電装置100は、取得モジュール110、モード識別モジュール120、発電電力取得モジュール130及び制御モジュール140を含む。
【0060】
取得モジュール110は、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得し、モード識別モジュール120は、位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定し、発電電力取得モジュール130は、モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得し、制御モジュール140は、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する。
【0061】
いくつかの実施例では、モード識別モジュール120は、具体的に、位置情報が都市道路であり、第1車速域の割合が第1割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、モードが都市モードであると決定し、位置情報が地方道/郊外道路であり、第2車速域の割合が第2割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、モードが地方道/郊外モードであると決定し、第2車速域の車速が第1車速域の車速より大きく、位置情報が高速道路であり、第3車速域の割合が第3割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、前記モードが高速モードであると決定し、第3車速域の車速が第2車速域の車速より大きく、第1勾配域の割合が第4割合閾値以上である場合、モードが山道モードであると決定し、第1勾配域の割合が第1勾配より大きい勾配の割合である。
【0062】
いくつかの実施例では、発電電力取得モジュール130は、具体的には、ハイブリッド車の初期発電電力を取得し、モードに基づいて、対応する補正係数を取得し、補正係数に基づいて、初期発電電力を補正して目標発電電力を取得する。
【0063】
いくつかの実施例では、発電電力取得モジュール130は、具体的には、モードが都市モードである場合、補正係数を第1係数とし、モードが地方道/郊外モードである場合、補正係数を第2係数とし、モードが山道モードである場合、補正係数を第3係数とし、モードが高速モードである場合、補正係数を第4係数とし、ハイブリッド車の動力電池の現在のSOCがSOC平衡点より大きい場合、第1係数、第2係数、第3係数及び第4係数は、いずれも1であり、SOCがSOC平衡点以下である場合、第1係数、第2係数、第3係数及び第4係数は、いずれも1より大きく、かつ第4係数>第3係数>第2係数>第1係数である。
【0064】
いくつかの実施例では、発電電力取得モジュール130は、具体的には、ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得し、走行要求電力及び現在のSOCに基づいて、初期発電電力を取得する。
【0065】
いくつかの実施例では、走行要求電力が一定である場合、初期発電電力と現在のSOCとは、逆相関であり、現在のSOCが一定である場合、初期発電電力と走行要求電力とは、正相関である。
【0066】
いくつかの実施例では、取得モジュール110は、具体的には、ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得し、走行要求電力及び現在のSOCに基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定した場合、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得する。
【0067】
いくつかの実施例では、上記ハイブリッド車の発電装置は、発電判断モジュール(図示せず)を更に含み、発電判断モジュールは、具体的には、走行要求電力に基づいて、対応するSOC発電域を決定し、現在のSOCがSOC発電域内にあれば、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定し、又は現在のSOCに基づいて、対応する走行要求電力発電域を決定し、走行要求電力が走行要求電力発電域にあれば、ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定する。
【0068】
なお、本開示におけるハイブリッド車の発電装置に関する説明について、本開示におけるハイブリッド車の発電方法に関する説明を参照し、ここでは具体的な説明を省略する。
【0069】
本開示の実施例のハイブリッド車の発電装置によれば、取得モジュールにより、ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び所定時間内のハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得し、モード識別モジュールにより、取得した位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合に基づいて、ハイブリッド車の現在のモードを決定し、発電電力取得モジュールにより、現在のモードに基づいて、対応する目標発電電力を取得し、制御モジュールにより、目標発電電力に基づいて、ハイブリッド車を発電するように制御する。これにより、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【0070】
また、本開示の実施例に係る車両コントローラは、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサ上で実行可能なハイブリッド車の発電プログラムとを含み、プロセッサがプログラムを実行すると、上記ハイブリッド車の発電方法を実現する。
【0071】
本開示の実施例の車両コントローラによれば、上記ハイブリッド車の発電方法により、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【0072】
また、本開示の実施例に係るハイブリッド車は、上記ハイブリッド車の発電装置を含む。
【0073】
本開示の実施例のハイブリッド車によれば、上記ハイブリッド車の発電装置により、ハイブリッド車両の位置情報、異なる車速域の割合及び異なる勾配域の割合を取得して現在のモードを決定することにより、車両走行モードの予測がより合理的になると共に、異なるモードで異なる発電戦略を用いて発電するようにハイブリッド車を制御することにより、異なるモードでの低SOC状態でのハイブリッド車両の車両発電要求を満たして、ハイブリッド車の燃料経済性を改善するという目的を達成する。
【0074】
なお、フローチャートに示されるか又は本開示で他の方式で説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順序付けられたリストとしてみなされてもよく、任意のコンピュータ可読媒体に具体的に実現されることにより、命令実行システム、装置若しくは機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置若しくは機器から命令を読み取って実行できる他のシステム)によって使用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置若しくは機器と組み合わせて使用されてもよい。本明細書において、「コンピュータ可読媒体」は、命令実行システム、装置又は機器によって使用されるか、これらの命令実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用されるためのプログラムを格納、記憶、通信、伝播又は伝送することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上の配線を有する電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクボックス(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ可読媒体は更に、例えば、紙又は他の媒体を光学的にスキャンし、次に編集し、解釈するか、又は必要に応じて他の適切な方式で処理することにより、上記プログラムを電子的に取得し、その後にコンピュータメモリに記憶することができるので、上記プログラムを印刷することができる紙又は他の適切な媒体であってもよい。
【0075】
本開示の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせによって実現することができることを理解されたい。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、かつ適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実現することができる。例えば、ハードウェアによって実現される場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を有する離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの本分野の公知技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現することができる。
【0076】
本明細書の説明において、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体的な例」、又は「いくつかの例」などを参照した説明は、該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0077】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆し、或いは示された技術的特徴の数を暗示的に明示すると理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本開示の説明では、「複数」とは、明確かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0078】
本開示では、明確な規定及び限定がない限り、用語「装着」、「連結」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、明確な限定がない限り、例えば、固定接続、着脱可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的な連結、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に基づいて上記用語の本開示における具体的な意味を理解することができる。
【0079】
以上、本開示の実施例を示し説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本開示を限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本開示の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイブリッド車の発電方法であって、
前記ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び前記所定時間内の前記ハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得するステップと、
前記位置情報、前記異なる車速域の割合及び前記異なる勾配域の割合に基づいて、前記ハイブリッド車の現在のモードを決定するステップと、
前記モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するステップと、
前記目標発電電力に基づいて、前記ハイブリッド車を発電するように制御するステップと、
を含む、
ハイブリッド車の発電方法。
【請求項2】
前記位置情報、前記異なる車速域の割合及び前記異なる勾配域の割合に基づいて、前記ハイブリッド車の現在のモードを決定するステップは、
前記位置情報が都市道路であり、第1車速域の割合が第1割合閾値より大きく、かつ第1勾配域の割合が第4割合閾値より小さい場合、前記モードが都市モードであると決定するステップと、
前記位置情報が地方道/郊外道路であり、第2車速域の割合が第2割合閾値より大きく、かつ前記第1勾配域の割合が前記第4割合閾値より小さい場合、前記モードが地方道/郊外モードであると決定するステップであって、前記第2車速域の車速が前記第1車速域の車速より大きいステップと、
前記位置情報が高速道路であり、第3車速域の割合が第3割合閾値より大きく、かつ前記第1勾配域の割合が前記第4割合閾値より小さい場合、前記モードが高速モードであると決定するステップであって、前記第3車速域の車速が前記第2車速域の車速より大きいステップと、
前記第1勾配域の割合が前記第4割合閾値以上である場合、前記モードが山道モードであると決定するステップであって、前記第1勾配域の割合が第1勾配より大きい勾配の割合であるステップと、
を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得するステップは、
前記ハイブリッド車の初期発電電力を取得するステップと、
前記モードに基づいて、対応する補正係数を取得するステップと、
前記補正係数に基づいて、前記初期発電電力を補正して前記目標発電電力を取得するステップと、
を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記モードに基づいて、対応する補正係数を取得するステップは、
前記モードが都市モードである場合、前記補正係数を第1係数とするステップと、
前記モードが地方道/郊外モードである場合、前記補正係数を第2係数とするステップと、
前記モードが山道モードである場合、前記補正係数を第3係数とするステップと、
前記モードが高速モードである場合、前記補正係数を第4係数とするステップと、
を含み、
前記ハイブリッド車の動力電池の現在のSOCがSOC平衡点より大きい場合、前記第1係数、前記第2係数、前記第3係数及び前記第4係数は、いずれも1であり、
前記SOCが前記SOC平衡点以下である場合、前記第1係数、前記第2係数、前記第3係数及び前記第4係数は、いずれも1より大きく、かつ前記第4係数>前記第3係数>前記第2係数>前記第1係数である、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ハイブリッド車の初期発電電力を取得するステップは、
前記ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップと、
前記走行要求電力及び前記現在のSOCに基づいて、前記初期発電電力を取得するステップと、
を含む、
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記走行要求電力が一定である場合、前記初期発電電力と前記現在のSOCとは、逆相関であり、
前記現在のSOCが一定である場合、前記初期発電電力と前記走行要求電力とは、正相関である、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップと、
前記走行要求電力及び前記現在のSOCに基づいて、前記ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定した場合、前記ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び前記所定時間内の前記ハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得するステップと、
を含む、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ハイブリッド車の走行要求電力及び動力電池の現在のSOCを取得するステップの後、
前記走行要求電力に基づいて、対応するSOC発電域を決定し、前記現在のSOCが前記SOC発電域内にあれば、前記ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定するステップ、又は、
前記現在のSOCに基づいて、対応する走行要求電力発電域を決定し、前記走行要求電力が前記走行要求電力発電域にあれば、前記ハイブリッド車を発電するように制御する必要があると決定するステップ、
を更に含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ハイブリッド車の発電装置であって、
前記ハイブリッド車の位置情報、所定時間内の異なる車速域の割合及び前記所定時間内の前記ハイブリッド車が位置する道路の異なる勾配域の割合を取得する取得モジュールと、
前記位置情報、前記異なる車速域の割合及び前記異なる勾配域の割合に基づいて、前記ハイブリッド車の現在のモードを決定するモード識別モジュールと、
前記モードに基づいて、対応する目標発電電力を取得する発電電力取得モジュールと、
前記目標発電電力に基づいて、前記ハイブリッド車を発電するように制御する制御モジュールと、
を含む、
ハイブリッド車の発電装置。
【請求項10】
メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて前記プロセッサ上で実行可能なハイブリッド車の発電プログラムと、を含み、
前記プロセッサが前記プログラムを実行すると、請求項1~のいずれか一項に記載のハイブリッド車の発電方法を実現する、
車両コントローラ。
【請求項11】
請求項9に記載のハイブリッド車の発電装置を含む、
ハイブリッド車。
【国際調査報告】