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特表2025-501970電池パック用の保護板、電池パック及び車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】電池パック用の保護板、電池パック及び車両
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/242 20210101AFI20250117BHJP
   H01M 50/227 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/224 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/231 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/233 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/229 20210101ALI20250117BHJP
   H01M 50/222 20210101ALI20250117BHJP
【FI】
H01M50/242
H01M50/227
H01M50/224
H01M50/231
H01M50/233
H01M50/249
H01M50/229
H01M50/222
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024539685
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 CN2023071513
(87)【国際公開番号】W WO2023143040
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】202220240991.0
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】万▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲魯▼志佩
(72)【発明者】
【氏名】彭青波
(72)【発明者】
【氏名】▲譚▼志佳
(72)【発明者】
【氏名】▲孫▼▲沢▼楠
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA14
5H040AA31
5H040AA37
5H040AS04
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY05
5H040AY10
5H040CC28
5H040CC30
5H040CC38
5H040JJ03
5H040LL01
5H040LL04
5H040LL06
5H040LL10
5H040NN01
5H040NN03
(57)【要約】
本願は、電池パック用の保護板、電池パック及び車両を開示する。上記保護板は、順に積層して設けられた第1の繊維樹脂複合層、金属層及び緩衝層を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に積層して設けられた第1の繊維樹脂複合層(11)、金属層(12)及び緩衝層(13)を含む、ことを特徴とする電池パック(2)用の保護板(1)。
【請求項2】
前記保護板(1)は、前記緩衝層(13)の前記金属層(12)から離れる側に設けられた第2の繊維樹脂複合層(14)を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項3】
前記第1の繊維樹脂複合層(11)の厚さは、0.3mm~1.0mmであり、前記金属層(12)の厚さは、0.6mm~1.2mmであり、前記緩衝層(13)の厚さは、6mm~12mmであり、前記第2の繊維樹脂複合層(14)の厚さは、0.5mm~1.0mmである、ことを特徴とする請求項2に記載の保護板(1)。
【請求項4】
前記保護板(1)の厚さは、7~15mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項5】
前記第1の繊維樹脂複合層(11)と前記金属層(12)との間に第1の接着剤層(15)が設けられ、前記第1の接着剤層(15)の厚さは、0.1mm~0.3mmであり、及び/又は、前記金属層(12)と前記緩衝層(13)との間に第2の接着剤層(16)が設けられ、前記第2の接着剤層(16)の厚さは、0.1mm~0.3mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項6】
前記緩衝層(13)と前記第2の繊維樹脂複合層(14)との間に第3の接着剤層が設けられ、前記第3の接着剤層の厚さは、0.1mmで~0.3mmである、ことを特徴とする請求項2に記載の保護板(1)。
【請求項7】
前記緩衝層(13)と前記金属層(12)が溶融部を介して接続され、前記金属層(12)に接続孔(20)が形成され、前記溶融部の一端が接続孔(20)内に位置し、かつ前記接続孔(20)の内壁に接続され、前記溶融部の他端が前記緩衝層(13)に接続され、又は、
前記緩衝層(13)の前記金属層(12)に向かう側に凹溝(17)が設けられ、前記金属層(12)が前記凹溝(17)内に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項8】
前記金属層(12)は、前記保護板(1)の長手方向に第1の寸法を有し、前記第1の繊維樹脂複合層(11)は、前記保護板(1)の長手方向に第2の寸法を有し、前記緩衝層(13)は、前記保護板(1)の長手方向に第3の寸法を有し、前記第1の寸法は、前記第2の寸法よりも小さく、前記第1の寸法は、前記第3の寸法よりも小さく、及び/又は、
前記金属層(12)は、前記保護板(1)の幅方向に第4の寸法を有し、前記第1の繊維樹脂複合層(11)は、前記保護板(1)の幅方向に第5の寸法を有し、前記緩衝層(13)は、前記保護板(1)の幅方向に第6の寸法を有し、前記第4の寸法は、前記第5の寸法よりも小さく、前記第4の寸法は、前記第6の寸法よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項9】
前記第2の寸法は、第3の寸法以上であり、及び/又は、前記第5の寸法は、前記第6の寸法以上である、ことを特徴とする請求項8に記載の保護板(1)。
【請求項10】
前記保護板(1)は、前記緩衝層(13)の前記金属層(12)から離れる側に設けられた第2の繊維樹脂複合層(14)を更に含み、前記第2の繊維樹脂複合層(14)は、前記保護板(1)の長手方向に第7の寸法を有し、前記第7の寸法は、前記第2の寸法と等しく、及び/又は、前記第2の繊維樹脂複合層(14)は、前記保護板(1)の幅方向に第8の寸法を有し、前記第5の寸法は、前記第8の寸法と等しい、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の保護板(1)。
【請求項11】
前記保護板(1)の長さ寸法は、Lmmであり、前記保護板(1)の長手方向において、前記金属層(12)のエッジと前記第1の繊維樹脂複合層(11)のエッジとの間に第1の距離があり、前記第1の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmであり、前記金属層(12)のエッジと前記緩衝層(13)のエッジとの間に第2の距離があり、前記第2の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmであり、及び/又は、
前記保護板(1)の幅寸法は、Wmmであり、前記保護板(1)の幅方向において、前記金属層(12)のエッジと前記第1の繊維樹脂複合層(11)のエッジとの間に第3の距離があり、前記第3の距離の寸法は、W*(2%~12%)mmであり、前記金属層(12)のエッジと前記緩衝層(13)のエッジとの間に第4の距離があり、前記第4の距離の寸法は、W*(2%~12%)mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項12】
前記第1の繊維樹脂複合層(11)は、繊維及び樹脂を含み、前記繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維のうちの少なくとも1つであり、前記樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂のうちの少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項13】
前記緩衝層(13)は、ハニカム構造(19)を有し、前記ハニカム構造(19)の孔径寸法は、6mm~10mmであり、前記ハニカム構造(19)の孔壁寸法は、0.3mm~0.8mmであり、
又は前記緩衝層(13)は、フォーム構造を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項14】
トレイ(21)と、請求項1~13のいずれか一項に記載の保護板(1)とを含み、前記保護板(1)が前記トレイ(21)に取り付けられている、ことを特徴とする電池パック(2)。
【請求項15】
請求項14に記載の電池パック(2)と、前記電池パック(2)に接続された負荷とを含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2022年1月28日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202220240991.0で、出願名称が「電池パック用の保護板、電池パック及び車両」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は、参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、新エネルギーの技術分野に関し、より具体的には、電池パック用の保護板、電池パック及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
省エネルギー・環境保護への要求がますます高まっているにつれて、近年、中国の電気自動車は、急速に発展している。従来のガソリン車とは異なり、駆動用電池は、電気自動車の重要な構成要素である。駆動用電池ケースは、駆動用電池の担体であるため、駆動用電池ケースの安全性能、力学性能及び軽量化に対する要求もますます高まっている。
【0004】
従来の電池ケースの大部分は、金属材料で製造される。車体の重量を低減するために、一般的にアルミニウム材料で電池ケースを製造する。しかしながら、アルミニウムの硬度が低く、新エネルギー車が走行して巻き上げた石ころ又はその他の突出物が電池パックの底部に衝撃した場合、電池ケースは、破損するリスクが発生しやすく、電池パックをよりよく保護することができず、それゆえに、電池パックの機能が失効し、延いては発火、爆発などの危険が発生する可能性がある。そのため、一般的に、電池パックの底部に保護板を設けることで電池パックの安全性能を向上させる。
【0005】
従来技術では、通常、鋼、アルミニウムなどの金属材料で保護板を製造するが、金属材料で製造された保護板は、防腐処理が難しく、表面が腐食されやすく、現在の使用ニーズを満たすことが難しい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の1つの目的は、電池パック用の保護板、電池パック及び車両を提供することである。
【0007】
本願の実施例に係る第1の態様は、電池パック用の保護板を提供する。前記保護板は、順に積層して設けられた第1の繊維樹脂複合層、金属層及び緩衝層を含む。
【0008】
いくつかの実施例では、前記保護板は、前記緩衝層の前記金属層から離れる側に設けられた第2の繊維樹脂複合層を更に含む。
【0009】
いくつかの実施例では、前記第1の繊維樹脂複合層の厚さは、0.3mm~1.0mmであり、前記金属層の厚さは、0.6mm~1.2mmであり、前記緩衝層の厚さは、6mm~12mmであり、前記第2の繊維樹脂複合層の厚さは、0.5mm~1.0mmである。
【0010】
いくつかの実施例では、前記保護板の厚さは、7~15mmである。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第1の繊維樹脂複合層と前記金属層との間に第1の接着剤層が設けられ、前記第1の接着剤層の厚さは、0.1mm~0.3mmである。
【0012】
いくつかの実施例では、前記金属層と前記緩衝層との間に第2の接着剤層が設けられ、前記第2の接着剤層の厚さは、0.1mm~0.3mmである。
【0013】
いくつかの実施例では、前記緩衝層と前記第2の繊維樹脂複合層との間に第3の接着剤層が設けられ、前記第3の接着剤層の厚さは、0.1mmで~0.3mmである。
【0014】
いくつかの実施例では、前記緩衝層と前記金属層が溶融部を介して接続され、前記金属層に接続孔が形成され、前記溶融部の一端が接続孔内に位置し、かつ前記接続孔の内壁に接続され、前記溶融部の他端が前記緩衝層に接続される。
【0015】
いくつかの実施例では、前記緩衝層の前記金属層に向かう側に凹溝が設けられ、前記金属層が前記凹溝内に位置する。
【0016】
いくつかの実施例では、前記金属層は、前記保護板の長手方向に第1の寸法を有し、前記第1の繊維樹脂複合層は、前記保護板の長手方向に第2の寸法を有し、前記緩衝層は、前記保護板の長手方向に第3の寸法を有し、前記第1の寸法は、前記第2の寸法よりも小さく、前記第1の寸法は、前記第3の寸法よりも小さく、及び/又は、前記金属層は、前記保護板の幅方向に第4の寸法を有し、前記第1の繊維樹脂複合層は、前記保護板の幅方向に第5の寸法を有し、前記緩衝層は、前記保護板の幅方向に第6の寸法を有し、前記第4の寸法は、前記第5の寸法よりも小さく、前記第4の寸法は、前記第6の寸法よりも小さい。
【0017】
いくつかの実施例では、前記保護板は、前記緩衝層の前記金属層から離れる側に設けられた第2の繊維樹脂複合層を更に含み、前記第2の繊維樹脂複合層は、前記保護板の長手方向に第7の寸法を有し、前記第7の寸法は、前記第2の寸法と等しく、及び/又は、前記第2の繊維樹脂複合層は、前記保護板の幅方向に第8の寸法を有し、前記第5の寸法は、前記第8の寸法と等しい。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第2の寸法は、第3の寸法以上であり、及び/又は、前記第5の寸法は、前記第6の寸法以上である。
【0019】
いくつかの実施例では、前記保護板の長さ寸法は、Lmmであり、前記保護板の長手方向において、前記金属層のエッジと前記第1の繊維樹脂複合層のエッジとの間に第1の距離があり、前記第1の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmであり、前記金属層のエッジと前記緩衝層のエッジとの間に第2の距離があり、前記第2の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmである。
【0020】
いくつかの実施例では、前記保護板の幅寸法は、Wmmであり、前記保護板の幅方向において、前記金属層のエッジと前記第1の繊維樹脂複合層のエッジとの間に第3の距離があり、前記第3の距離の寸法は、W*(2%~12%)mmであり、前記金属層のエッジと前記緩衝層のエッジとの間に第4の距離があり、前記第4の距離の寸法は、W*(2%~12%)mmである。
【0021】
いくつかの実施例では、前記第1の繊維樹脂複合層は、繊維及び樹脂を含み、前記繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維のうちの少なくとも1つであり、前記樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂のうちの少なくとも1つである。
【0022】
いくつかの実施例では、前記緩衝層は、ハニカム構造を有し、前記ハニカム構造の孔径寸法は、6mm~10mmであり、前記ハニカム構造の孔壁寸法は、0.3mm~0.8mmであり、又は前記緩衝層は、フォーム構造を有する。
【0023】
本願の実施例に係る第2の態様は、電池パックを提供する。前記電池パックは、トレイと、第1の態様に記載の保護板とを含み、前記保護板が前記トレイに取り付けられる。
【0024】
本願の実施例に係る第3の態様は、車両を提供する。前記車両は、第2の態様に記載の電池パックを含む。
【発明の効果】
【0025】
本願には、以下の技術的効果がある。本願の保護板は、順に積層して設けられた第1の繊維樹脂複合層、金属層及び緩衝層を含み、金属層が第1の繊維樹脂複合層と緩衝層との間に位置し、保護板の金属層が腐食される現象を回避する。
【0026】
本願の保護板の第1の繊維樹脂複合層と金属層とが積層され、金属層の塑性変形能力は、第1の繊維樹脂複合層自体の脆性破壊を効果的に補い、保護板の外部衝撃に対する抵抗能力を大幅に向上させることができ、緩衝層は、良好な緩衝及びエネルギー吸収作用を有し、本願の保護板は、耐衝撃能力及び構造剛性を同時に有し、保護板の耐用年数を延長する。
【0027】
以下、図面を参照しながら、本願の例示的な実施例を詳細に説明することにより、本願の他の特徴及びその利点は、明らかになる。
【0028】
明細書の一部となる図面は、本願の実施例を説明し、かつ明細書とともに本願の原理を解釈する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本願に係る電池パックの概略構成図である。
図2】本願に係る電池トレイ及び保護板の概略構成図である。
図3】本願に係る保護板の概略構成図1である。
図4】本願に係る保護板の概略構成図2である。
図5】本願に係る保護板の概略構成図3である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本願の様々な例示的な実施例を詳細に説明する。特に具体的に説明しない限り、これらの実施例において記載された部品及びステップの相対的な配置、数式及び数値は、本願の範囲を限定しないことに留意されたい。
【0031】
以下、少なくとも1つの例示的な実施例についての説明は、本質的に例示的なものに過ぎず、本願及びその適用又は使用を限定することは決して意図されていない。
【0032】
当業者が知っている技術及び装置について詳細に検討していないが、適切な場合には、上記技術及び装置は、明細書の一部と見なされるべきである。
【0033】
ここで示されて検討された全ての例では、いかなる具体的な値は、例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと解釈されるべきである。したがって、例示的な実施例の他の例は、異なる値を有してもよい。
【0034】
なお、類似した符号及びアルファベットが以下の図面において類似したものを表すため、あるものが1つの図面において定義されば、後の図面において更に検討する必要がない。
【0035】
本願は、電池パック用の保護板1を提供する。図1図5に示すように、保護板1は、順に積層して設けられた第1の繊維樹脂複合層11、金属層12及び緩衝層13を含む。
【0036】
本開示の実施例では、保護板1は、第1の繊維樹脂複合層11、金属層12及び緩衝層13を含み、金属層12は、第1の繊維樹脂複合層11と緩衝層13との間に位置する。第1の繊維樹脂複合層11は、繊維材料と樹脂材料を複合したシート構造であり、第1の繊維樹脂複合層11は、保護板1の表面材料として使用され、即ち、第1の繊維樹脂複合層11は、保護板1の最外層である。本願の第1の繊維樹脂複合層11は、優れた耐腐食性を有するとともに、金属層12の表面の耐傷付き及び耐衝撃の強度を向上させることができる。本願の第1の繊維樹脂複合層11は、繊維材料と樹脂複合材料を複合したものであり、保護板1の強度及び剛性を確保する。
【0037】
本開示の実施例では、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12とが積層される。例えば、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12とが直接的に積層されてもよく、又は媒質材料を介して積層されてもよい。以下、例えば、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12とが第1の接着剤層15を介して積層される場合について説明する。第1の接着剤層15は、媒質材料としたものである。本願の実施例では、金属層12の塑性変形能力は、第1の繊維樹脂複合層11自体の脆性破壊を効果的に補い、保護板1の外部衝撃に対する抵抗能力を大幅に向上させることができる。また、第1の繊維樹脂複合層11が金属層12の一方の表面に設けられることにより、金属層12が容易に腐食される現象を回避する。例えば、金属層12の材料は、鋼、アルミニウム、チタン合金などであってもよい。いくつかの実施例では、金属層12は、鋼板である。
【0038】
本開示の実施例では、緩衝層13と金属層12とが積層され、例えば、緩衝層13と金属層12とが直接的に積層されてもよく、又は媒質材料を介して積層されてもよい。以下、例えば、緩衝層13と金属層12とが第2の接着剤層16を介して積層される場合について説明する。第2の接着剤層16は、媒質材料としたものである。使用中に保護板1が衝突を受けた場合、緩衝層13は、良好な緩衝能力を有するため、保護板が衝突を受けた際の作用力を吸収し、それにより、保護板1は、良好な緩衝及びエネルギー吸収作用を有する。具体的には、緩衝層13の剛性は、金属層12の剛性よりも小さく、即ち、金属層12と緩衝層13が同じ力で衝撃を受けた場合、金属層12の変形量がより小さく、これにより、金属層12は、より大きな構造強度を有し、保護板1の底部の過大な変形量による全体の変形を防止し、保護板1の構造の安定性を向上させることができる。緩衝層13は、剛性が小さく、自体の変形によって金属層12から伝達された衝撃エネルギーを更に吸収し、衝撃エネルギーの伝達速度を抑制し、保護板1が受ける衝撃量を低減することができる。保護板1が衝撃を受けた後、構造全体の安定性を保証するとともに、衝撃エネルギーを効果的に吸収し、保護板1の構造の安定性を向上させ、保護板1の耐用年数を延長することができる。また、緩衝層13が金属層12の他方の表面に設けられることにより、金属層12の表面が容易に腐食される現象を回避する。
【0039】
一実施例では、図1図5に示すように、上記保護板1は、上記緩衝層13の上記金属層12から離れる側に設けられた第2の繊維樹脂複合層14を更に含む。
【0040】
本開示の実施例では、第2の繊維樹脂複合層14は、緩衝層13上に設けられ、金属層12と反対側に設けられる。例えば、保護板1は、順に積層して設けられた第1の繊維樹脂複合層11、金属層12、緩衝層13及び第2の繊維樹脂複合層14を含む。本願は、第2の繊維樹脂複合層14を別途設けることにより、保護板1の構造剛性を更に向上させる。
【0041】
一実施例では、第1の繊維樹脂複合層11及び第2の繊維樹脂複合層14は、いずれも繊維材料及び樹脂材料を含み、繊維材料の重量パーセントの範囲は、繊維樹脂複合層の50%~60%であり、樹脂材料の重量パーセントは、繊維樹脂複合層の35%~50%である。本実施例では、第1の繊維樹脂複合層11及び第2の繊維樹脂複合層14がいずれも軽量、耐衝突、耐衝撃などの特徴を兼ね備えるように、第1の繊維樹脂複合層11及び第2の繊維樹脂複合層14における繊維材料及び樹脂材料を限定する。
【0042】
一実施例では、図1図5に示すように、上記第1の繊維樹脂複合層11の厚さは、0.3mm~1.0mmであり、上記金属層12の厚さは、0.6mm~1.2mmであり、上記緩衝層13の厚さは、6mm~12mmであり、上記第2の繊維樹脂複合層14の厚さは、0.5mm~1.0mmである。
【0043】
この実施例では、第1の繊維樹脂複合層11、金属層12、緩衝層13及び第2の繊維樹脂複合層14の厚さを限定し、保護板1の構造強度、剛性及び耐衝撃性能の要求を満たす前提で保護板1の厚さをできるだけ減らし、軽量化効果を向上させる。保護板1が電池パック2に適用されることにより、電池パック2全体の高さ空間を低減する。
【0044】
従来技術において、保護板は、金属保護板であり、金属保護板が腐食されることを防止するために、金属保護板の表面にコーティングが設けられ、金属表面に形成されたコーティングの厚さは、一般的に1.5~3.0mmである。本実施例では、第1の繊維樹脂複合層11が金属層12の一方の表面に設けられ、第1の繊維樹脂複合層11の厚さが0.3mm~1.0mmであることにより、更なる軽量化設計を実現し、保護板1全体の厚さを減らすことができる。例えば、第1の繊維樹脂複合層11の厚さは、0.3mm、0.5mm、0.8mm、1.0mmである。
【0045】
本実施例では、金属層12の厚さを限定し、保護板1の構造強度、剛性を満たす前提で、金属層12の厚さをできるだけ減らす。例えば、金属層12の厚さは、0.6mm、0.8mm、1mm、1.2mmである。
【0046】
本実施例では、緩衝層13の厚さを限定し、保護板1の緩衝性能を満たす前提で、緩衝層13の厚さをできるだけ減らす。例えば、緩衝層13の厚さは、6mm、8mm、10mm、12mmである。
【0047】
一実施例では、上記保護板1の厚さは、7~15mmである。
【0048】
この実施例では、保護板1全体の厚さを限定し、保護板の軽量化設置を満たす前提で、保護板1の剛性及び強度を確保し、保護板1が衝突又は衝撃を受けた場合に曲がりやすい現象を回避する。
【0049】
一実施例では、図3図5に示すように、上記第1の繊維樹脂複合層11と上記金属層12との間に第1の接着剤層15が設けられ、上記第1の接着剤層15の厚さは、0.1mm~0.3mmである。
【0050】
一実施例では、上記金属層12と上記緩衝層13との間に第2の接着剤層16が設けられ、上記第2の接着剤層16の厚さは、0.1mm~0.3mmである。
【0051】
具体的な一実施例では、図3に示すように、第1の繊維樹脂複合層11、金属層12及び緩衝層13において、隣接する層は、接着剤層によって接着されて保護板1を形成する。例えば、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12との間に第1の接着剤層15が設けられ、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12は、第1の接着剤層15によって接着される。金属層12と緩衝層13との間に第2の接着剤層16が設けられ、金属層12と緩衝層13は、第2の接着剤層16によって接着される。第1の接着剤層15と第2の接着剤層16は、同じ種類の接着剤層であってもよく、異なる種類の接着剤層であってもよい。例えば、第1の接着剤層15は、ホットメルト接着フィルムであり、加熱加圧装置によってホットメルト接着フィルムを溶融させることで、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12を接着し、又は、第1の接着剤層15は、スプレー接着層であり、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12は、スプレー接着層によって直接的に接着される。第2の接着剤層16は、ホットメルト接着フィルムであり、加熱加圧装置によってホットメルト接着フィルムを溶融させることで、緩衝層13と金属層12を接着し、又は、第2の接着剤層16は、スプレー接着層であり、緩衝層13と金属層12は、スプレー接着層によって直接的に接着される。
【0052】
保護板1の厚さが厚くなりすぎないように、第1の接着剤層15及び第2の接着剤層16の厚さを限定し、第1の接着剤層15及び第2の接着剤層16の厚さは、同じであっても異なっていてもよい。第1の接着剤層15の厚さは、0.1mm~0.3mmであり、好ましくは、0.15mm~0.2mmである。第2の接着剤層16の厚さは、0.1mm~0.3mmであり、好ましくは、0.15mm~0.2mmである。
【0053】
本開示の実施例では、第1の繊維樹脂複合層11、金属層12及び緩衝層13の接続方式を限定し、隣接する層間の接続信頼性を向上させ、保護板1の使用中の割れ現象を回避する。
【0054】
一実施例では、上記緩衝層13と上記第2の繊維樹脂複合層14との間に第3の接着剤層が設けられ、上記第3の接着剤層の厚さは、0.1mmで~0.3mmである。
【0055】
本開示の実施例では、緩衝層13と第2の繊維樹脂複合層14は、第3の接着剤層(図示せず)によって接着される。例えば、第3の接着剤層は、ホットメルト接着フィルムであり、加熱加圧装置によってホットメルト接着フィルムを溶融させることで、第2の繊維樹脂複合層14と緩衝層を接着し、又は、第3の接着剤層は、スプレー接着層であり、第2の繊維樹脂複合層14と緩衝層13は、スプレー接着層によって直接的に接着される。第3の接着剤層の厚さは、0.1mm~0.3mmであり、好ましくは、0.15mm~0.2mmである。
【0056】
一実施例では、図4に示すように、上記緩衝層13と上記金属層12が溶融部を介して接続され、上記金属層12に接続孔20が形成され、上記溶融部の一端が接続孔20内に位置し、かつ上記接続孔20の内壁に接続され、上記溶融部の他端が上記緩衝層13に接続され、又は、上記緩衝層13の上記金属層12に向かう側に凹溝17が設けられ、上記金属層12が上記凹溝17内に位置する。
【0057】
具体的な一実施例では、図3に示すように、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12は、第1の接着剤層15を介して接続される。例えば、第1の接着剤層15は、ホットメルト接着フィルムであり、加熱加圧装置によってホットメルト接着フィルムを溶融させることで、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12を接着する。又は、スプレー接着層によって第1の繊維樹脂複合層11と金属層12を接着する。
【0058】
図4に示すように、金属層12と緩衝層13は、接着剤層によって接続されていないが、金属層12と緩衝層13との間には、1つ以上の溶融部が設けられ、金属層12と緩衝層13は、溶融部を介して接続される。例えば、溶融部は、金属層12及び緩衝層13の周方向に分布してもよく、又は溶融部は、金属層12及び緩衝層13の対角に分布してもよく、又は溶融部は、金属層12と緩衝層13との間にアレイ状に分布してもよい。この実施例では、金属層12及び緩衝層13上に設けられた位置制限ポスト18をホットプレス方式により溶融状態にして溶融部を形成する。
【0059】
具体的には、緩衝層13に位置制限ポスト18が設けられ、金属層12に前記位置制限ポスト18に合わせる接続孔20が設けられ、位置制限ポスト18が接続孔20と嵌合し、即ち、位置制限ポスト18の一端が緩衝層13に固定され、位置制限ポスト18の他端が接続孔20を介して金属層12に固定され、ホットプレス工法により、位置制限ポスト18が溶融されて溶融部が形成される。金属層12と緩衝層13が溶融部(即ち、溶融状態の位置制限ポスト18)を介して接続されるとともに、溶融部の一端が接続孔20に接続されることにより、溶融部の一端が金属層12に固定され、溶融部の他端が緩衝層13に固定され、金属層12と緩衝層13との間の接続強度を向上させる。例えば、位置制限ポスト18は、プラスチックポストである。例えば、緩衝層13は、ハニカム構造を有し、図4に示すように、位置制限ポスト18の一端がハニカム構造の孔内に固定される。
【0060】
別の具体的な実施例では、図5に示すように、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12との間に第1の接着剤層15が設けられ、第1の繊維樹脂複合層11と金属層12は、第1の接着剤層15によって接着される。金属層12と緩衝層13との間に第2の接着剤層16が設けられ、金属層12と緩衝層13が第2の接着剤層16によって接着される。この実施例では、金属層12と緩衝層13との間の接続強度を更に向上させるために、緩衝層13に凹溝17が設けられ、金属層12が凹溝17内に位置する。金属層12が凹溝17内に嵌設されると、金属層12と緩衝層13をまず凹溝17によって予備的に固定し、予備的に固定した後、加熱加圧装置によって金属層12と緩衝層13との間に設けられた第2の接着剤層16を溶融させることにより、金属層12と緩衝層13を接着し、金属層12と緩衝層13との間の接続強度を更に向上させる。
【0061】
一実施例では、図3図5に示すように、上記金属層12は、上記保護板1の長手方向に第1の寸法を有し、上記第1の繊維樹脂複合層11は、上記保護板1の長手方向に第2の寸法を有し、上記緩衝層13は、上記保護板1の長手方向に第3の寸法を有し、上記第1の寸法は、上記第2の寸法よりも小さく、上記第1の寸法は、上記第3の寸法よりも小さく、及び/又は、上記金属層12は、上記保護板1の幅方向に第4の寸法を有し、上記第1の繊維樹脂複合層11は、上記保護板1の幅方向に第5の寸法を有し、上記緩衝層13は、上記保護板1の幅方向に第6の寸法を有し、上記第4の寸法は、上記第5の寸法よりも小さく、上記第4の寸法は、上記第6の寸法よりも小さい。
【0062】
この実施例では、金属層12は、第1の繊維樹脂複合層11と緩衝層13との間に位置し、金属層12の長さ寸法及び幅寸法を限定し、金属層12が腐食されることを回避する。
【0063】
具体的には、保護板1の長手方向(図3に示す矢印a方向を参照)において、金属層12の長さ寸法は、第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法よりも小さく、金属層12の長さ寸法は、緩衝層13の長さ寸法よりも小さい。
【0064】
保護板1の幅方向(図3に示す矢印b方向を参照)において、金属層12の幅寸法は、第1の繊維樹脂複合層11の幅寸法よりも小さく、金属層12の幅寸法は、緩衝層13の幅寸法よりも小さく、即ち金属層12の表面積の寸法は、第1の繊維樹脂複合層11の表面積よりも小さく、金属層12の面積は、緩衝層13の表面積よりも小さい。
【0065】
金属層12の表面積の寸法が第1の繊維樹脂複合層11の表面積よりも小さく、金属層12の面積が緩衝層13の表面積よりも小さいため、保護板1の成形中に、第1の繊維樹脂複合層11の一部が金属層12に積層され、第1の繊維樹脂複合層11の他の部分が緩衝層13に積層されることにより、金属層12が第1の繊維樹脂複合層11と緩衝層13との間に位置し、金属層12の表面が腐食されることを回避する。
【0066】
一実施例では、上記第2の繊維樹脂複合層14は、上記保護板1の長手方向に第7の寸法を有し、上記第7の寸法は、上記第2の寸法と等しく、及び/又は、上記第2の繊維樹脂複合層14は、上記保護板1の幅方向に第8の寸法を有し、上記第5の寸法は、上記第8の寸法に等しい。
【0067】
本開示の実施例では、緩衝層13の長さ寸法が第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法よりも小さく、緩衝層13の幅寸法が第1の繊維樹脂複合層11の幅寸法よりも小さく、同時に、第2の繊維樹脂複合層14の長さ寸法が第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法に等しく、第2の繊維樹脂複合層14の幅寸法が第1の繊維樹脂複合層11の幅寸法に等しい場合、第1の繊維樹脂複合層11の一部が金属層12に積層され、第1の繊維樹脂複合層11の他の部分が第2の繊維樹脂複合層14に積層されることにより、金属層12が包まれ、金属層12が腐食される現象を回避する。
【0068】
更に、第2の寸法は、第3の寸法以上であり、及び/又は、上記第5の寸法は、上記第6の寸法以上である。
【0069】
本実施例は、第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法と緩衝層13の長さ寸法との関係を限定し、第1の繊維樹脂複合層11の幅寸法と緩衝層13の幅寸法との関係を限定し、両者の長さ寸法及び幅寸法を限定することにより、金属層12の各表面がいずれも外部に露出せず、腐食されない。
【0070】
第2の繊維樹脂複合層14を含まない場合、好ましくは、第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法は、緩衝層13の長さ寸法に等しく、同時に、第1の繊維樹脂複合層11の幅寸法は、緩衝層13の幅寸法に等しく、この場合、第1の繊維樹脂複合層11の一部が金属層12に積層され、第1の繊維樹脂複合層11の他の部分が緩衝層13に積層される。
【0071】
第2の繊維樹脂複合層14を含む場合、第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法は、緩衝層13の長さ寸法よりも大きく、第1の繊維樹脂複合層11の幅寸法は、緩衝層13の幅寸法よりも大きく、同時に、第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法と第2の繊維樹脂複合層14の長さ寸法とは等しく、第1の繊維樹脂複合層11の幅寸法と第2の繊維樹脂複合層14の幅寸法とは等しく、この場合、第1の繊維樹脂複合層11の一部が金属層12に積層され、第1の繊維樹脂複合層11の他の部分が第2の繊維樹脂複合層14に積層される。
【0072】
一実施例では、上記保護板1の長さ寸法は、Lmmであり、上記保護板1の長手方向において、上記金属層12のエッジと上記第1の繊維樹脂複合層11のエッジとの間に第1の距離があり、上記第1の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmであり、上記金属層12のエッジと上記緩衝層13のエッジとの間に第2の距離があり、上記第2の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmである。
【0073】
上記保護板1の幅寸法は、Wmmであり、上記保護板1の幅方向において、上記金属層12のエッジと上記第1の繊維樹脂複合層11のエッジとの間に第3の距離があり、上記第3の距離の寸法は、W*(2%~12%)mmであり、上記金属層12のエッジと上記緩衝層13のエッジとの間に第4の距離が存在し、上記第4の距離の寸法は、W*(2%~12%)mmである。
【0074】
この実施例では、保護板1の長手方向において、金属層12は、第1のエッジ及び第2のエッジを有し、第1の繊維樹脂複合層11は、第3のエッジ及び第4のエッジを有し、第1のエッジ及び第3のエッジは、同じ側に位置し、第2のエッジ及び第4のエッジは、同じ側に位置し、金属層12の第1のエッジと第1の繊維樹脂複合層11の第3のエッジとの間に第1の距離があり、第1の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmである。又は、金属層12の第2のエッジと第1の繊維樹脂複合層11の第4のエッジとの間にも第1の距離があり、上記第1の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmである。
【0075】
同様に、保護板1の長手方向において、緩衝層13は、第5のエッジ及び第6のエッジを有し、上記第1のエッジ及び前記第5のエッジは、同じ側に位置し、上記第2のエッジ及び上記第6のエッジは、同じ側に位置し、上記第1のエッジと上記第5のエッジとの間に第2の距離があり、上記第2のエッジと上記第6のエッジとの間に第2の距離がある。
【0076】
この実施例では、金属層12の長さ寸法は、第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法よりも小さく、金属層12の長さ寸法は、緩衝層13の長さ寸法よりも小さい。本実施例では、金属層12のエッジと上記第1の繊維樹脂複合層11のエッジとの間に第1の距離があり、第1の距離の寸法がL*(3%~8%)mmであることを限定し、金属層12のエッジと緩衝層13のエッジとの間に第2の距離があり、上記第2の距離の寸法がL*(3%~8%)mmであることを限定することにより、金属層12が第1の繊維樹脂複合層11と緩衝層13との間に位置し、保護板1の長手方向に沿って設けられた金属層12の表面が腐食されることを回避する一方、金属層12の長さ寸法が第1の繊維樹脂複合層11の長さ寸法よりも小さく、金属層12の長さ寸法が緩衝層13の長さ寸法よりも小さいため、保護板1の長手方向のエッジ領域に金属層12が設けられず、本実施例では、第1の距離及び第2の距離をこの範囲内に限定することにより、保護板1のエッジ領域の構造強度を向上させる。
【0077】
この実施例では、保護板1の幅方向において、金属層12は、第7のエッジ及び第8のエッジを有し、第1の繊維樹脂複合層11は、第9のエッジ及び第10のエッジを有し、上記第7のエッジ及び上記第9のエッジは、同じ側に位置し、上記第8のエッジ及び上記第10のエッジは、同じ側に位置し、上記第7のエッジと上記第9のエッジの間に第3の距離があり、上記第8のエッジと上記第10のエッジの間に第3の距離がある。
【0078】
同様に、保護板1の幅方向において、緩衝層13は、第11のエッジ及び第12のエッジを有し、上記第7のエッジ及び上記第11のエッジは、同じ側に位置し、上記第8のエッジ及び上記第12のエッジは、同じ側に位置し、上記第7のエッジと上記第11のエッジとの間に第4の距離があり、上記第8のエッジと上記第12のエッジとの間に第4の距離がある。
【0079】
この実施例では、金属層12の幅寸法は、第1の繊維樹脂複合層11の幅寸法よりも小さく、金属層12の幅寸法は、緩衝層13の幅寸法よりも小さい。本実施例では、金属層12のエッジと上記第1の繊維樹脂複合層11のエッジとの間に第3の距離があり、第3の距離の寸法がW*(2%~12%)mmであることを限定し、金属層12のエッジと緩衝層13のエッジとの間に第4の距離があり、上記第4の距離の寸法がW*(2%~12%)mmであることを限定することにより、金属層12が第1の繊維樹脂複合層11と緩衝層13との間に位置し、保護板1の幅方向に沿って設けられた金属層12の表面が腐食されることを回避する一方、保護板1の幅方向のエッジ領域に金属層12が設けられず、本実施例では、第3の距離及び第4の距離をこの範囲内に限定することにより、保護板1のエッジ領域の構造強度を向上させる。
【0080】
例えば、第1の距離の寸法は、L*(3%~5%)mm、L*(5%~8%)mmであってもよく、第2の距離の寸法は、L*(3%~5%)mm、L*(5%~8%)mmであってもよく、第3の距離の寸法は、W*(2%~10%)mm、W*(3%~12%)mmであってもよく、第4の距離の寸法は、W*(2%~10%)mm、W*(3%~12%)mmであってもよい。
【0081】
一実施例では、上記第1の繊維樹脂複合層11は、繊維及び樹脂を含み、上記繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維のうちの少なくとも1つであり、上記樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂のうちの少なくとも1つである。
【0082】
この実施例では、保護板1の構造強度を向上させるために、第1の繊維樹脂複合層11の繊維の種類及び樹脂の種類を限定する。例えば、第1の繊維樹脂複合層11は、ガラス繊維とエポキシ樹脂で製造されてもよい。
【0083】
一実施例では、上記緩衝層13は、ハニカム構造19を有し、上記ハニカム構造19の孔径寸法は、6mm~10mmであり、前記ハニカム構造19の孔壁寸法は、0.3mm~0.8mmであり、又は前記緩衝層13は、フォーム構造を有する。
【0084】
本実施例では、緩衝層におけるハニカム構造19を限定し、具体的には、ハニカム構造の空間寸法及び孔壁寸法を限定することで、緩衝層13は、より良い緩衝及びエネルギー吸収作用を有することができる。
【0085】
また、緩衝層13の材質としてアルミニウムを用いて、アルミニウム板上にハニカム構造を形成してもよく、又は、緩衝層13の材質としてポリプロピレンを用いて、ポリプロピレン板(PP板)上にハニカム構造を形成してもよく、それにより、保護板1の耐衝撃性を向上させるとともに、保護板1全体の剛性を増加させる。
【0086】
好ましい一実施例では、緩衝層13は、緩衝及びエネルギー吸収作用を有するように、フォーム構造を有してもよい。
【0087】
本願の実施例の第2の態様は、電池パック2を提供する。上記電池パック2は、トレイ21と、第1の態様に記載の保護板とを含み、上記保護板1が上記トレイ21に取り付けられる。
【0088】
この実施例では、電池パック2を提供する。電池パック2は、本願の保護板1を含み、保護板1が電池パック2のトレイ21に取り付けられ、保護板1は、電池パック2を保護する役割を果たし、電池パック2の安全性を向上させる。図1に示すように、電池パック2は、シールカバー23、セル22、トレイ21及び保護板1で構成され、シールカバー23とトレイ21によって囲まれてセル22を収容する収容空間が形成され、保護板1がトレイ21の外部に設けられ、かつトレイ21の底部に接続される。
【0089】
本願の実施例に係る第3の態様は、車両を提供する。上記車両は、第2の態様に記載の電池パック2を含む。
【0090】
この実施例では、上記電池パック2と、電池パックに接続された負荷とを含む車両を提供する。負荷は、インバータ、エアコンコンプレッサなどを含むが、これらに限定されない。電池パック2が車両に適用され、電池パック2の安全性が保証され、更に車両の運転中の安全性が向上する。
【0091】
上記実施例では、各実施例の間の相違点が重点的に説明され、各実施例の間の異なる最適な特徴は、矛盾しない限り、組み合わせてより好ましい実施例を構成することができ、簡潔性を考慮した上で、ここでは、説明を省略する。
【0092】
例を挙げて本願のいくつかの特定の実施例を詳細に説明したが、当業者であれば、以上の例が説明するためのものに過ぎず、本願の範囲を限定するものではないことを理解すべきである。当業者であれば、本願の範囲及び趣旨から逸脱しない場合に、以上の実施例を修正できることを理解すべきである。本願の範囲は、添付した特許請求の範囲により限定される。
【符号の説明】
【0093】
1 保護板
11 第1の繊維樹脂複合層
12 金属層
13 緩衝層
14 第2の繊維樹脂複合層
15 第1の接着剤層
16 第2の接着剤層
17 凹溝
18 位置制限ポスト
19 ハニカム構造
20 接続孔
2 電池パック
21 トレイ
22 セル
23 シールカバー
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-08-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に積層して設けられた第1の繊維樹脂複合層(11)、金属層(12)及び緩衝層(13)を含む、ことを特徴とする電池パック(2)用の保護板(1)。
【請求項2】
前記保護板(1)は、前記緩衝層(13)の前記金属層(12)から離れる側に設けられた第2の繊維樹脂複合層(14)を更に含む、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項3】
前記第1の繊維樹脂複合層(11)の厚さは、0.3mm~1.0mmであり、前記金属層(12)の厚さは、0.6mm~1.2mmであり、前記緩衝層(13)の厚さは、6mm~12mmであり、前記第2の繊維樹脂複合層(14)の厚さは、0.5mm~1.0mmである、ことを特徴とする請求項2に記載の保護板(1)。
【請求項4】
前記保護板(1)の厚さは、7~15mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項5】
前記第1の繊維樹脂複合層(11)と前記金属層(12)との間に第1の接着剤層(15)が設けられ、前記第1の接着剤層(15)の厚さは、0.1mm~0.3mmであり、及び/又は、前記金属層(12)と前記緩衝層(13)との間に第2の接着剤層(16)が設けられ、前記第2の接着剤層(16)の厚さは、0.1mm~0.3mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項6】
前記緩衝層(13)と前記第2の繊維樹脂複合層(14)との間に第3の接着剤層が設けられ、前記第3の接着剤層の厚さは、0.1mmで~0.3mmである、ことを特徴とする請求項2に記載の保護板(1)。
【請求項7】
前記緩衝層(13)と前記金属層(12)が溶融部を介して接続され、前記金属層(12)に接続孔(20)が形成され、前記溶融部の一端が接続孔(20)内に位置し、かつ前記接続孔(20)の内壁に接続され、前記溶融部の他端が前記緩衝層(13)に接続され、又は、
前記緩衝層(13)の前記金属層(12)に向かう側に凹溝(17)が設けられ、前記金属層(12)が前記凹溝(17)内に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項8】
前記金属層(12)は、前記保護板(1)の長手方向に第1の寸法を有し、前記第1の繊維樹脂複合層(11)は、前記保護板(1)の長手方向に第2の寸法を有し、前記緩衝層(13)は、前記保護板(1)の長手方向に第3の寸法を有し、前記第1の寸法は、前記第2の寸法よりも小さく、前記第1の寸法は、前記第3の寸法よりも小さく、及び/又は、
前記金属層(12)は、前記保護板(1)の幅方向に第4の寸法を有し、前記第1の繊維樹脂複合層(11)は、前記保護板(1)の幅方向に第5の寸法を有し、前記緩衝層(13)は、前記保護板(1)の幅方向に第6の寸法を有し、前記第4の寸法は、前記第5の寸法よりも小さく、前記第4の寸法は、前記第6の寸法よりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項9】
前記第2の寸法は、第3の寸法以上であり、及び/又は、前記第5の寸法は、前記第6の寸法以上である、ことを特徴とする請求項8に記載の保護板(1)。
【請求項10】
前記保護板(1)は、前記緩衝層(13)の前記金属層(12)から離れる側に設けられた第2の繊維樹脂複合層(14)を更に含み、前記第2の繊維樹脂複合層(14)は、前記保護板(1)の長手方向に第7の寸法を有し、前記第7の寸法は、前記第2の寸法と等しく、及び/又は、前記第2の繊維樹脂複合層(14)は、前記保護板(1)の幅方向に第8の寸法を有し、前記第5の寸法は、前記第8の寸法と等しい、ことを特徴とする請求項に記載の保護板(1)。
【請求項11】
前記保護板(1)の長さ寸法は、Lmmであり、前記保護板(1)の長手方向において、前記金属層(12)のエッジと前記第1の繊維樹脂複合層(11)のエッジとの間に第1の距離があり、前記第1の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmであり、前記金属層(12)のエッジと前記緩衝層(13)のエッジとの間に第2の距離があり、前記第2の距離の寸法は、L*(3%~8%)mmであり、及び/又は、
前記保護板(1)の幅寸法は、Wmmであり、前記保護板(1)の幅方向において、前記金属層(12)のエッジと前記第1の繊維樹脂複合層(11)のエッジとの間に第3の距離があり、前記第3の距離の寸法は、W*(2%~12%)mmであり、前記金属層(12)のエッジと前記緩衝層(13)のエッジとの間に第4の距離があり、前記第4の距離の寸法は、W*(2%~12%)mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項12】
前記第1の繊維樹脂複合層(11)は、繊維及び樹脂を含み、前記繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維のうちの少なくとも1つであり、前記樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂のうちの少なくとも1つである、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項13】
前記緩衝層(13)は、ハニカム構造(19)を有し、前記ハニカム構造(19)の孔径寸法は、6mm~10mmであり、前記ハニカム構造(19)の孔壁寸法は、0.3mm~0.8mmであり、
又は前記緩衝層(13)は、フォーム構造を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の保護板(1)。
【請求項14】
トレイ(21)と、請求項1~13のいずれか一項に記載の保護板(1)とを含み、前記保護板(1)が前記トレイ(21)に取り付けられている、ことを特徴とする電池パック(2)。
【請求項15】
請求項14に記載の電池パック(2)と、前記電池パック(2)に接続された負荷とを含む、ことを特徴とする車両。
【国際調査報告】