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特表2025-502001衛星を使用した気象検出のための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】衛星を使用した気象検出のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20250117BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20250117BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20250117BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20250117BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W24/10
H04W16/18 110
H04W84/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540568
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-08-28
(86)【国際出願番号】 US2022011268
(87)【国際公開番号】W WO2023132823
(87)【国際公開日】2023-07-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513180451
【氏名又は名称】ヴィアサット,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ViaSat,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】スペルマン,ロジャー アイ.
(72)【発明者】
【氏名】ディ マイオ,ナザリオ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067BB27
5K067BB43
5K067DD43
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067LL01
5K067LL11
5K067LL14
(57)【要約】
技術は、衛星サービスエリア(26)に影響を与える気象条件を検出するために、気象メトリック(52)の計算に依拠し、気象メトリック(52)は、基準値(98)に関連して、衛星リンクパラメータの監視された値(92)を評価することに基づく。基準値(98)は、衛星サービスエリア(26)の衛星リンクパラメータである履歴監視の過去の評価から決定された晴天値を表すものとして理解され得る。基準値(98)がサービスエリア(26)について行われた過去の評価に基づいていることは、進行中の気象条件を評価するための有利な相対的基準を提供する。本技術の1つの適用例は、例えば、関与する衛星サービスプロバイダとサービス水準合意(SLA)によってカバーされる加入者との間のSLAに関するコンプライアンス例外を決定するための、気象による供給停止の検出である。他の適用例としては、関与する衛星通信システム(10)におけるスケジューリング又は負荷分散を制御することが挙げられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステム(50)による動作の方法(400)であって、前記方法(400)は、
衛星通信システム(10)の1つ以上のサービスエリア(26)の各々について、1つ以上の時間間隔(100)の各々に関して気象メトリック(52)を決定することを含み、各サービスエリア(26)及び時間間隔(100)について、前記気象メトリック(52)が、
前記時間間隔(100)の間に前記サービスエリア(26)内の加入者端末(24)の集団(28)について監視された、衛星リンクパラメータの監視された値(92)を受信すること(402)と、
前記監視された値(92)の関数として、評価値(94)を計算すること(404)と、
前記気象メトリック(52)を、前記評価値(94)の関数として、かつ前記サービスエリア(26)について、複数の以前の時間間隔(100)に関して計算された複数の過去の評価値(94)から決定された基準値(98)の関数として計算すること(406)と、に基づいて決定される、方法(400)。
【請求項2】
各時間間隔(100)が、
周期的に繰り返される時間間隔、又は
同様の時間間隔の近接する連続内の任意の特定の時間間隔のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法(400)。
【請求項3】
1つ以上の前記気象メトリック(52)又はそれに対応する評価結果を示すシグナリング(54)を、タイムスタンプ及びサービスエリア情報とともにデータベース(56)に出力すること(408)を更に含む、請求項1又は2に記載の方法(400)。
【請求項4】
前記衛星通信システム(10)の制御エンティティ(46)にシグナリング(62)を出力することを更に含み、前記シグナリング(62)が、前記1つ以上の気象メトリック(52)又はそれに対応する評価結果を示し、前記制御エンティティ(46)が、前記シグナリング(62)に依存して、前記衛星通信システム(10)で負荷分散及び送信スケジューリングのうちの少なくとも1つを実施するように動作する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項5】
前記1つ以上の気象メトリック(52)のある特定の値に少なくとも応答して、1つ以上の通知を含むシグナリング(63)を出力することを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項6】
特定のサービスエリア(26)について前記複数の以前の時間間隔(100)に関して計算された前記複数の過去の評価値(94)が、以前の時間間隔(100)の実行窓に対応する過去の評価値(94)の実行セットを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項7】
各サービスエリア(26)及び各時間間隔(100)についての前記基準値(98)が、前記サービスエリア(26)について、対応する複数の以前の時間間隔(100)に関して計算された対応する複数の過去の評価値(94)に関して定義されたパーセンタイル順位を有する数値である、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項8】
前記衛星リンクパラメータが、適応可能なホームチャネルシンボルレート(HCSR)であり、各サービスエリア(26)及び各時間間隔(100)について、前記監視された値(92)が、前記時間間隔(100)の全部又は一部分の間に前記サービスエリア(26)内の前記加入者端末(24)のうちのそれぞれの加入者端末のHCSRである、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項9】
各サービスエリア(26)及び各時間間隔(100)についての前記評価値(94)が、前記サービスエリア(26)内で動作しているそれぞれの数の加入者端末(24)によって使用中のHCSRの加重平均として計算される、請求項8に記載の方法(400)。
【請求項10】
任意の特定のサービスエリア(26)に対して検出されたサービス供給停止イベントを、前記特定のサービスエリア(26)について計算された対応する気象メトリック(52)によって示されるような、前記特定のサービスエリア(26)に対する気象障害の指標と相関させることを更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項11】
前記衛星通信システム(10)が、複数のサービスエリア(10)を含み、前記方法(400)が、
ある特定のサービスエリアサイズ閾値を下回るサービスエリア(26)についての気象メトリック(52)を計算しないこと、又は
ある特定のサービスエリアサイズ閾値を上回るサービスエリア(26)についての気象メトリック(52)を計算しないことのうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項12】
前記衛星通信システム(10)が、複数のサービスエリア(10)を含み、前記方法(400)が、ある特定の集団サイズ閾値を下回る加入者端末(24)の集団(28)を有するサービスエリア(26)についての気象メトリック(52)を計算しないことを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項13】
前記方法(400)が、任意の特定のサービスエリア(26)について任意の特定の時間間隔(100)に関して評価値(94)を計算することに関して、前記特定のサービスエリア(26)内の、前記衛星通信システム(10)に新たに入る加入者端末(24)を考慮から除外することを更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項14】
各気象メトリック(52)が、範囲最小値及び範囲最大値によって境界される範囲内の数値として計算され、前記範囲最小値又は範囲最大値のうちの一方は、気象影響がないことに対応し、前記範囲最小値又は範囲最大値のうちの他方は、最大の気象影響に対応する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項15】
コンピュータシステム(50)であって、
インターフェース回路(80、82)と、
衛星通信システム(10)の1つ以上のサービスエリア(26)の各々について、1つ以上の時間間隔(100)の各々に関して気象メトリック(52)を決定するように動作する処理回路(70)と、を備え、各サービスエリア(26)及び時間間隔(100)について前記気象メトリック(52)を計算するために、前記処理回路が、
前記インターフェース回路(80、82)を介して、前記時間間隔(100)の間に前記サービスエリア(26)内の加入者端末(24)の集団(28)について監視された、衛星リンクパラメータの監視された値(92)を受信し、
前記監視された値(92)の関数として、評価値(94)を計算し、
前記気象メトリック(52)を、前記評価値(94)の関数として、かつ前記サービスエリア(26)について、複数の以前の時間間隔(100)に関して計算された複数の過去の評価値(94)から決定された基準値(98)の関数として計算する、ように構成されている、コンピュータシステム(50)。
【請求項16】
各時間間隔(100)が、
周期的に繰り返される時間間隔、又は
同様の時間間隔の近接する連続内の任意の特定の時間間隔のうちの1つを含む、請求項15に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項17】
前記処理回路(70)が、前記インターフェース回路(80、82)を介して、データベース(56)にシグナリング(54)を出力するように更に構成されており、前記シグナリング(54)が、1つ以上の前記気象メトリック(52)又はそれに対応する評価結果を、タイムスタンプ及びサービスエリア情報とともに示す、請求項15又は16に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項18】
前記処理回路(70)が、前記インターフェース回路(80、82)を介して、前記衛星通信システム(10)のグラウンドセグメント(40)内の制御エンティティ(46)にシグナリング(62)を出力するように更に構成されており、前記シグナリング(62)が、前記1つ以上の気象メトリック(52)又はそれに対応する評価結果を示し、前記制御エンティティ(46)が、前記シグナリング(62)に依存して、前記衛星通信システム(10)で負荷分散及び送信スケジューリングのうちの少なくとも1つを実施するように動作する、請求項15~17のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項19】
前記処理回路(70)が、前記1つ以上の気象メトリック(52)のある特定の値に少なくとも応答して、前記インターフェース回路装置(80、82)を介して、1つ以上の通知を含むシグナリング(63)を出力するように更に構成されている、請求項15~18のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項20】
各サービスエリア(26)及び各時間間隔(100)についての前記基準値(98)が、前記サービスエリア(26)について、対応する複数の以前の時間間隔(100)に関して計算された対応する複数の過去の評価値(94)に関して定義されたパーセンタル順位を有する数値である、請求項15~19のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項21】
前記衛星リンクパラメータが、適応可能なホームチャネルシンボルレート(HCSR)であり、各サービスエリア(26)及び各時間間隔(100)について、前記監視された値(92)が、前記時間間隔(100)の全部又は一部分の間に前記サービスエリア(26)内の前記加入者端末(24)のうちのそれぞれの加入者端末のHCSRである、請求項15~20のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項22】
各サービスエリア(26)及び時間間隔(100)についての前記評価値(94)が、前記サービスエリア(26)内で動作しているそれぞれの数の加入者端末(24)によって使用中のHCSRの加重平均として計算される、請求項21に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項23】
前記処理回路(70)が、任意の特定のサービスエリア(26)に対して検出されたサービス供給停止イベントを、前記特定のサービスエリア(26)について計算された対応する気象メトリック(52)によって示されるような、前記特定のサービスエリア(26)に対する気象障害の指標と相関させるように更に構成されている、請求項15~22のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項24】
前記衛星通信システム(10)が、複数のサービスエリア(26)を含み、前記処理回路(70)が、ある特定のサービスエリアサイズ閾値を下回るサービスエリア(26)についての気象メトリック(52)を計算しない、又はある特定のサービスエリアサイズ閾値を上回るサービスエリア(26)についての気象メトリック(52)を計算しない、ように構成されている、請求項15~23のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項25】
前記衛星通信システム(10)が、複数のサービスエリア(10)を含み、前記処理回路(70)が、ある特定の集団サイズ閾値を下回る加入者端末(24)の集団(28)を有するサービスエリア(26)についての気象メトリック(52)を計算しないように構成されている、請求項15~24のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項26】
前記衛星通信システム(10)が、複数のサービスエリア(26)を含み、前記処理回路(70)が、閾値パーセンテージを超えるオフラインの加入者端末(24)を有するサービスエリア(26)についての気象メトリック(52)を計算しないように構成されている、請求項15~25のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項27】
前記処理回路(70)が、前記加入者端末(24)の集団(28)内の、前記衛星通信システム(10)に新たに入る加入者端末(24)を、前記評価値(94)の前記計算における考慮から除外するように構成されている、請求項16~26のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【請求項28】
前記気象メトリック(52)が、範囲最小値及び範囲最大値によって境界される範囲内の数値として計算され、前記範囲最小値又は範囲最大値のうちの一方は、気象影響がないことに対応し、前記範囲最小値又は範囲最大値のうちの他方は、最大の気象影響に対応する、請求項16~27のいずれか一項に記載のコンピュータシステム(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術は、対応する衛星サービスエリア内のサービスに影響を与える気象条件を検出するために、気象メトリックの計算に依拠し、気象メトリックは、過去の評価から決定された基準値に関連して、衛星リンクパラメータの監視された値を評価することに基づく。
【背景技術】
【0002】
衛星通信システムの文脈における「降雨フェード」とは、雨、みぞれ、又は雪などの特定の大気条件に伴って発生する信号減衰を指す。降雨フェードは、衛星と影響を受けたサービスエリア内に位置する加入者端末との間のスループットを低下させ得るか、又はより重大な場合には、サービス供給停止を引き起こし得る。Ku帯及びKa帯は特に降雨フェードの影響を受けやすいが、この現象は、信号周波数の範囲にわたって懸念されるものである。
【0003】
衛星サービスに影響を与える気象条件を検出するための例示的なアプローチが知られている。例示的な衛星気象検出システムは、大気降水密度データを使用する。例えば、嵐を検出するために、アップストリーム送信電力、ダウンストリーム信号強度、又は信号対雑音比(SNR)などのデータを収集し、正規化し、現在の大気データと比較することができる。米国特許第8,730,086号(B2)及び米国特許第9,091,763号(B2)を参照されたい。
【0004】
しかしながら、衛星通信ネットワークの1つ以上の機能に適用するために、自動ベースで、十分な信頼性及び粒度の気象メトリックをもたらす技術の必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
技術は、衛星サービスエリアに影響を与える気象条件を検出するために、気象メトリックの計算に依拠し、気象メトリックは、基準値に関連して、衛星リンクパラメータの監視された値を評価することに基づく。基準値は、衛星サービスエリアの衛星リンクパラメータである履歴監視の過去の評価から決定された晴天値を表すものとして理解され得る。基準値がサービスエリアについて行われた過去の評価に基づいていることは、進行中の気象条件を評価するための有利な相対的基準を提供する。本技術の1つの適用例は、例えば、関与する衛星サービスプロバイダとサービス水準合意(SLA)によってカバーされる加入者との間のSLAに関するコンプライアンス例外を決定するための、気象による供給停止の検出である。他の適用例としては、関与する衛星通信システムにおけるスケジューリング又は負荷分散を制御することが挙げられる。
【0006】
一実施形態は、コンピュータシステムによる動作の方法を含む。方法は、衛星通信システムの1つ以上のサービスエリアの各々について、1つ以上の時間間隔の各々に関して気象メトリックを決定することを含む。各サービスエリア及び時間間隔について、気象メトリックは、時間間隔の間にサービスエリア内の加入者端末の集団について監視された、衛星リンクパラメータの監視された値を受信することと、監視された値の関数として、評価値を計算することと、気象メトリックを、評価値の関数として、かつサービスエリアについて、複数の以前の時間間隔に関して計算された複数の過去の評価値から決定された基準値の関数として計算することと、に基づいて決定される。
【0007】
別の実施形態は、インターフェース回路と処理回路とを含むコンピュータシステムを備える。15.処理回路は、衛星通信システムの1つ以上のサービスエリアの各々について、1つ以上の時間間隔の各々に関して気象メトリックを決定するように動作し、各サービスエリア及び時間間隔について気象メトリックを計算するために、処理回路は、インターフェース回路を介して、時間間隔の間にサービスエリア内の加入者端末の集団について監視された、衛星リンクパラメータの監視された値を受信し、監視された値の関数として、評価値を計算し、気象メトリックを、評価値の関数として、かつサービスエリアについて、複数の以前の時間間隔に関して計算された複数の過去の評価値から決定された基準値の関数として計算する、ように構成されている。
【0008】
もちろん、本発明は上記の特徴及び利点に限定されない。実際、当業者であれば、以下の詳細な説明を読み、添付の図面を参照すれば、更なる特徴及び利点を認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、例示的な実施形態による、衛星通信システムのブロック図である。
図2図2は、例示的な実施形態による、コンピュータシステムのブロック図である。
図3A図3Aは、気象メトリック決定のための、評価値及び基準値を計算するために使用される例示的な時間間隔構造の図である。
図3B図3Bは、気象メトリック決定のための、評価値及び基準値を計算するために使用される例示的な時間間隔構造の図である。
図4図4は、例示的な実施形態による、コンピュータシステムによる動作の方法の論理フロー図である。
図5図5は、例示的な実施形態による、コンピュータシステムによる動作の方法の論理フロー図である。
図6図6は、衛星通信システムのサービスエリア内の加入者端末の集団についての、気象に関する衛星リンクパラメータの例示的な挙動を示すプロットである。
図7図7は、図6に図示された衛星リンクパラメータの挙動に依存して計算された気象メトリックを示すプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、例示的な実施形態による、衛星通信システム10「システム10」を示す。本明細書で開示される「気象メトリック」の計算及び使用は、図1に図示された特定のシステム配置に限定されないが、本図は、考察のために有用な例示的詳細を提示する。
【0011】
例示的なシステム10は、1つ以上の地上波ゲートウェイ端末12を含み、地上波ゲートウェイ端末12は、「ゲートウェイ端末」、又は「ゲートウェイ局」若しくは「アクセスノード」、又は利便性のために単に「ゲートウェイ」と称され得る。例示的なシステム10は、1つ以上の衛星14を更に含み、例えば、システム10は、衛星14のコンステレーションを含み得る。各衛星14は、電力システムを含む衛星14のインフラストラクチャを備えるバス16を含む。各衛星14は、ペイロード18を更に含む。ペイロード18は、衛星14によって運搬される通信パッケージであり、1つ以上のそれぞれのゲートウェイ12から受信するための、かつそれに送信するためのアンテナ20を含むか又はそれに関連付けられており、また1つ以上のサービスエリア26内の加入者端末24から受信するための、かつそれに送信するためのアンテナ22に関連付けられている。
【0012】
所与のサービスエリア26内の加入者端末24は、加入者端末24の集団28とみなされ得る。各サービスエリア26は、それぞれの衛星14によって、又は全体としてシステム10によって形成されたアンテナビーム30の地上波フットプリントであり得る。しかしながら、サービスエリア26は、2つ以上のアンテナビーム30、例えば、部分的に重なり合うグラウンドカバレッジエリア又は「フットプリント」を有するビーム30に対応してもよい。いくつかのサービスエリア26は、他のものよりも小さくても大きくてもよい。例えば、加入者端末24のより高い密度を有する地理的地域にサービスを提供するために、複数のより小さいサービスエリア26が使用されてもよく、一方、加入者端末24の低い密度を有する地理的地域に、単一の大きなサービスエリア26が使用されてもよい。
【0013】
加入者端末24のうちの少なくともいくつかは、システム10を介して提供されるテレビ又は他のブロードバンドサービスのために使用されるような、静止した固定位置端末であってもよい。単一の加入者が複数の加入者端末24を所有又はリースしてもよく、例えば、システム10のオペレータと加入者との間のサービス水準合意(SLA)の下で、システム10を通して提供される1つ以上の通信サービスを使用してもよい。加入者は、個人であっても、会社などの組織であってもよい。
【0014】
システム10内の各衛星14内のペイロード18は、例えば、1つ以上のトランスポンダを備える。各トランスポンダは、衛星14を通る信号経路を提供し、例えば、同じ又は変換された周波数で受信信号を中継するための、受信機回路と対応する送信機回路とを含む。ペイロード18は、トランスポンダのそれぞれを、ゲートウェイ12と加入者端末24とに関連付けられたそれぞれのカバレッジエリアに対応する選択されたアンテナフィードと選択的に結合するための、スイッチング回路を含み得る。トランスポンダは、非処理の信号経路として構成されてもよく、これは、周波数変換及び他の信号調節を実施してもよいが、復調及び再生成を介入させることなく、受信信号を再送信信号として中継する。
【0015】
衛星14が非処理の信号経路又は処理された信号経路を使用するかどうかにかかわらず、システム10は、フォワードチャネル及びリターンチャネルを提供する。所与のゲートウェイ12と所与の衛星14との間で、フォワードチャネルは、ゲートウェイ12と衛星14との間の無線アップリンク結合を表すフォワードチャネルアップリンク32と、衛星14とそれぞれのサービスエリア26内の加入者端末24との間の無線ダウンリンク結合を表すフォワードチャネルダウンリンク34と、を備える。各衛星14は、それぞれのサービスエリア26に対応する複数のフォワードチャネルダウンリンク34を提供し得る。それに対応して、各サービスエリア26に関して、リターンチャネルは、サービスエリア26内のそれぞれの加入者端末24と衛星14との間の無線アップリンク結合を表すリターンチャネルアップリンク36を備える。リターンチャネルは、衛星14とゲートウェイ12との間の無線ダウンリンク結合を表すリターンチャネルダウンリンク38を更に備える。
【0016】
ゲートウェイ12とともに、システム10のグラウンドセグメント40は、グラウンドセグメント処理システム42を含み、グラウンドセグメント処理システム42は、通信信号処理を扱い、例えば、1つ以上の外部通信ネットワーク44とインターフェースする。外部ネットワーク(複数可)は、例えば、公衆交換電話ネットワーク(PSTN)、インターネット、又は他のパケットデータネットワーク(PDN)のうちのいずれか1つ以上を含む。外部通信ネットワーク(複数可)44は、例えば、それぞれの加入者端末24に提供されるユーザトラフィックのソースとして動作する。
【0017】
ゲートウェイ12に関する分散型又は集中型であり得るグラウンドセグメント処理システム42は、1つ以上の制御エンティティ46を含むか又はそれに関連付けられる。制御エンティティ46は、例えば、システム10内でスケジューリング及び動的負荷分散のうちのいずれか1つ以上を実施するように構成されている。「スケジューリング」は、例えばシステム負荷と、例えば公平性、リンクスループット、サービス優先順位付け、加入者優先順位付けなどを考慮した定義されたスケジューリング目標とに従って、それぞれの加入者端末への/からのユーザトラフィックのスケジューリングを指す。「負荷分散」は、ビーム30及び衛星14にわたってより良い帯域幅利用のためにトラフィックフローを操作することを指す。
【0018】
グラウンドセグメント40は、システム10の1つ以上のサービスエリア26について気象メトリック52を計算するように構成されたコンピュータシステム50、例えば、ネットワーク化されたサーバを含むか、又はそれと通信可能に結合される。例えば、コンピュータシステム50は、システム10の1つ以上のサービスエリア26の各々について、時間単位で、又は何らかの他の繰り返し時間間隔に従って、例えば、5分毎、30分毎、2時間毎、若しくは何らかの他の時間粒度に従って、気象メトリック52を計算するように構成されている。
【0019】
大まかに言えば、コンピュータシステム50は、1つ以上のサービスエリア26の各々について、1つ以上の時間間隔の各々に関して気象メトリック52を決定するように構成されている。各時間間隔は、周期的に繰り返される時間間隔、又は同様の時間間隔の近接する連続内の任意の特定の時間間隔を含み、コンピュータシステム50は、そのような時間間隔定義のいずれか又は両方に関する気象メトリックを決定し得る。
【0020】
周期的に繰り返される時間間隔とは、例えば、毎日同じ時間、毎日同じ30分など、日単位で繰り返されるタイムスライスである。近接して連続する時間間隔内のある時間間隔とは、例えば、実行中の連続する5分間隔内の任意の所与の5分間窓のことである。当然のことながら、実行間隔は、10分、15分などの異なる粒度を有してもよい。理解すべき点は、「時間間隔」が特定の時間窓を指し、その結果、「以前の時間間隔」という語句が、問題の特定の時間窓に先行する同様の時間窓を指すということである。したがって、例示的な時間間隔を任意の所与の5分間窓とすると、その所与の5分間窓「以前の」複数の時間間隔とは、これより前の5分間窓の近接した連続であってもよく、又は直近の何日間かにわたって同じ時刻に発生する5分間窓のセットであってもよい。1つ以上の実施形態におけるコンピュータシステム50は、「時間間隔」及び「以前の時間間隔」のいずれか又は両方の理解に基づいて気象メトリック52を計算し得る。
【0021】
1つ以上の実施形態では、コンピュータシステム50は、気象メトリック情報をシグナリング54としてデータベース56に出力するように構成されている。データベース56は、コンピュータシステム50に対してローカルであってもよく、又は図示された例では、コンピュータシステム50に対してリモートであってもよく、例えば、リモートビジネスサポートシステム(BSS)58にホストされてもよい。BSS58は、別のネットワーク化されたサーバであり得る。気象メトリック情報は、例えば、コンピュータシステム50によって計算された1つ以上の気象メトリック52、又はそれに対応する評価結果を含む。例えば、特定のサービスエリア26について、かつ特定の時間間隔について計算された特定の気象メトリック52を評価することは、気象メトリック52の値が気象の存在を示すかどうかを判定することを含む。より具体的には、1つ以上の実施形態における評価は、例えば、実質的なサービス障害に対応する定義された閾値を下回る(又は上回る)気象メトリック52の数値に基づいて、気象メトリック52がサービス障害を示すかどうかを判定することを含む。
【0022】
1つ以上の実施形態では、コンピュータシステム50は、グラウンドセグメント40から発信されるシグナリング60を受信し、例えば、システム10の対応するサービスエリア26内の加入者端末24のそれぞれの集団28について、衛星リンクパラメータの監視された値を伝達する。ここで、衛星14と集団28内のそれぞれの加入者端末24との間のリンク品質の任意の数の測定値又はインジケータは、気象メトリック52の計算に使用される衛星リンクパラメータとして機能し得る。パラメータ例としては、加入者端末の送信電力、加入者端末24における受信信号SINR、又は衛星14における加入者端末24に関する受信信号SINRが挙げられる。
【0023】
別のパラメータ例は、「ホームチャネルシンボルレート」又はHCSRである。HCSRの例示的な詳細は、米国特許第8,547,863号(B2)に記載されている。各加入者端末24は、「ホームチャネル」に割り当てられ得、実効等方放射電力(EIRP)又は加入者端末24の他のパラメータは、ホームチャネル上の測定信号品質に基づいて調整される。ここで、ホームチャネルは、例えば、エラーレートなどの制限に従って、加入者端末24が動作することができる最高のシンボルレートを使用する特定の物理チャネル又はキャリアを含む。
【0024】
1つ以上の実施形態におけるシステム10は、加入者端末24を、可能な限り最大のシンボルレートを使用するホームチャネルに割り当てる。米国特許第8,547,863号(B2)で述べられているように、システム10は、降雨フェードを補償するために個々の加入者端末24を電力制御し得る。しかしながら、降雨フェードの重大度が増加するにつれて、システム10は、影響を受けた加入者端末24のHCSRの低減を開始しなければならない。そのため、加入者端末24の集団28について監視されたHCSR値は、対応するサービスエリア26における気象条件の良好な指標を提供する。
【0025】
本明細書の少なくとも1つの実施形態では、コンピュータシステム50は、気象メトリック52を計算し評価するために、降雨フェードを補償するために行われたリンク適応を反映する別の衛星リンクパラメータの監視されたHCSR値又は監視された値を使用するための有利な技術を実装する。以下に記載される「評価」値及び「基準」値の使用を通じて、本明細書で開示される気象メトリック技術は、システム10の1つ以上のサービスエリア26に影響を与える気象障害を検出し、かつそれに応答するための、特に信頼性の高い自動化された機構を提示する。
【0026】
1つ以上の実施形態では、コンピュータシステム50は、システム10の動作を制御するための制御情報を含むシグナリング62を出力するように構成されている。例えば、シグナリング62は、グラウンドセグメント40の制御エンティティ46による負荷分散又はスケジューリングにおいて使用するために、システム10のそれぞれのサービスエリア26に現在適用可能な気象メトリック52を示す。シグナリング62は少なくとも1つの実施形態において、例えば、グラウンドセグメント40内の制御エンティティ46によってとられるべき特定の負荷分散又はスケジューリングアクション又は戦略を指定する、負荷分散及びスケジューリングの一方又は両方のためのコマンドを含む。
【0027】
追加的又は代替的に、コンピュータシステム50は、アラームであり得る通知を含むシグナリング63を出力するように構成されている。シグナリング63を含む通知は、BSS58に送られてもよく、又はシステム10の健全性及び動作を監視するためにシステム10のオペレータによって使用されるコンピュータシステム若しくはデバイスなど、システム10に関連付けられた他のコンピュータシステム若しくはデバイスに送信されてもよい。
【0028】
図2は、1つ以上の実施形態によるコンピュータシステム50の例示的な詳細を図示しており、ここでは、コンピュータシステム50は、処理回路70と、関連付けられた記憶装置72と、を備え、記憶装置72は、1つ以上のタイプのコンピュータ可読媒体、例えば、SRAM若しくはDRAM又は他の揮発性記憶装置、及び不揮発性記憶装置のためのハードドライブ若しくはソリッドステートディスク(SSD)を含む。記憶装置72は、例えば、図において「CP(複数可)」として示される1つ以上のコンピュータプログラム74を保持し、1つ以上のタイプのデータ76も保持し得る。少なくとも1つの実施形態では、処理回路70は、1つ以上のコンピュータプログラム74として記憶装置72に記憶されたコンピュータプログラム命令の実行に基づいて、本明細書に記載される気象メトリック処理を実行するように特別に適合された1つ以上のマイクロプロセッサを含む。
【0029】
コンピュータシステム50の更なる例示的な要素は、通信回路80と入力/出力(I/O)回路82とを含み、これらのいずれか又は両方は、コンピュータシステム50と1つ以上の外部デバイス又はシステムとの間の通信結合を提供することにおけるそれらの役割を示すために、「インターフェース回路」と呼ばれ得る。一例として、通信回路80は、イーサネットインターフェース又は他のデータネットワーキングインターフェースを含み、例えば、シグナリング60を受信し、シグナリング62を送るために、コンピュータシステム50をグラウンドセグメント処理システム42に通信可能に結合する。1つ以上の実施形態における通信回路80はまた、BSS58との通信結合も提供する。代替的に、シグナリング60及び62の一方又は両方は、例えば、ローカル入力/出力デバイスとインターフェースすることを含むI/O回路82を介して提供される。I/O回路82は、例えば、監視、データ記録などを動作させるために、ローカル又はリモートのビデオディスプレイ、キーボード、記憶システムなどとのインターフェースをサポートする。
【0030】
少なくとも1つの実施形態では、記憶装置72に保持されたデータ76は、監視された値92の1つ以上のセット90を含む。ここで、監視された値92は、1つ以上の集団28内の加入者端末24に対応する、SINR、送信電力、HCSRなどの衛星リンクパラメータの監視された値である。各集団28は、システム10の特定のサービスエリア26に対応するものとして理解され得る。したがって、監視された値92の「セット」90は、特定の集団28について、特定の時間期間、すなわち、その日の特定の時間又は何らかの他の定義された時間間隔に関して収集された、監視された値92を指す。したがって、関心のあるサービスエリア26毎に監視された値92の複数のセット90が存在し得、そのような各セットは、それぞれの時間間隔に対応する。
【0031】
コンピュータシステム50は、監視された値92のそのような各セット90を処理して、対応するサービスエリア26及び時間間隔についての気象メトリック52の計算に使用される対応する評価値94を取得する。監視された値92のセット90に対する評価値94は、例えば平均として、又は何らかの他の統計的尺度として計算される。コンピュータシステム50は、対応する評価値94の決定後に、監視された値92の所与のセット90を維持する必要はない。
【0032】
1つ以上の実施形態におけるデータ76は、基準値98のセット96を更に含む。例えば、各サービスエリア26について、各時間間隔についての特定の基準値98がある。特定の時間間隔についてのかつ特定のサービスエリア26についての基準値98は、そのサービスエリア26及びその特定の時間間隔についての「晴天」値として理解され得る。すなわち、基準値98は、気象障害が存在しない場合のそのサービスエリア26内の加入者端末24の集団28の履歴パフォーマンスを反映する値である。ここで、「集団」という用語は、経時的に構成員が変化することを見越したものとして理解されるべきであり、すなわち、所与の集団28は、必ずしも常に同じ構成員を有するとは限らない。
【0033】
概して、集団28は、それぞれのサービスエリア26に関連付けられた、所与の時間間隔に関する加入者端末24の集合を表す。1つ以上の実施形態におけるコンピュータシステム50は、ある特定の集団サイズ閾値を下回るか若しくは上回る加入者端末24の集団28を無視するように構成されている。加入者端末24の集団28を無視することは、その集団28についての気象メトリック52を計算しないことを意味する。
【0034】
図3Aは、周期的に、例えば、時間単位、又は日単位で繰り返される例示的な時間間隔100を図示する。示された時間間隔100の出現には、「TI1」、「TI2」、及び「TI3」とラベル付けされているが、この図が、実行中のタイムラインの小さなスナップショットのみを示していることが理解されるべきである。図中に「SA_X」と示された所与のサービスエリア26について、所与の時間間隔TI_Nに関して気象メトリック52を計算するために、コンピュータシステム50は、TI_Nの全部又は一部分の間に加入者端末24から取得された監視された値92から計算された基準値94を使用し、SA_Xについて、複数の以前の時間間隔内の各以前の時間間隔に関して計算された基準値94に依存する基準値98を使用する。
【0035】
この例では、考慮される時間間隔100の以前の出現は、先の出現TI_N-1~TI_N-Rである。例えば、時間間隔100がその日の特定の時間である場合、Rは、基準値98の計算のために考慮される以前の日数を表す。任意の所与のサービスエリア26について、かつ任意の所与の時間間隔100について、評価値94は、所与の時間間隔100に対応する監視された値92に依存し、基準値98は、同じサービスエリア26について、複数の以前の時間間隔100について計算されたいくつかの基準値94に依存する。
【0036】
図3Bは、連続して発生する時間間隔100、すなわち、5分間隔、10分間隔、又は何らかの他の粒度の間隔などの、実行中の近接する一連の同様の間隔における時間間隔100を示す。任意の所与のサービスエリア26、例えばSA_Xについての、時間間隔100のうちの任意の所与の1つについての気象メトリック52の計算は、SA_X内の加入者端末24について、時間間隔100の全部又は一部について取得された監視された値92から決定された基準値94と、同じサービスエリア26について、複数の以前の時間間隔100について計算されたいくつかの基準値94に基づく基準値98とに依存する。図3Aと比較して、以前の時間間隔100は、実行中の一連の時間間隔におけるR個の最近の連続した時間間隔100として取られ得る。
【0037】
コンピュータシステム50は、図3A又は図3Bの時間間隔構造に従って気象メトリック52を計算してもよく、又は各基準で別々の気象メトリック52を計算してもよい。大まかに言えば、いずれかの時間間隔構造を用いて、特定のサービスエリア26について、特定の時間間隔100に関して計算された気象メトリック52は、(1)特定のサービスエリア26及び特定の時間間隔100について計算された評価値94と、(2)特定のサービスエリア26について、いくつかの以前の時間間隔100について計算された基準値98とに基づく。これらの以前の時間間隔100は、少なくとも、それらが同じ継続時間のものであり、図3Aに見られるように、それらが同じ時刻の過去のインスタンスに対応し得るので、問題の特定の時間間隔100と「同様」である。
【0038】
図3A及び図3Bの例示的な詳細を念頭に置いて、1つ以上の実施形態によるコンピュータシステム50は、インターフェース回路80又は82と処理回路70とを備える。ここで、かつ本開示の他の場所では、具体的に記載されているか、又は文脈から明らかでない限り、「A又はB」は、A単独、B単独、又はA及びBの両方を意味する。処理回路70は、衛星通信システム10の1つ以上のサービスエリア26の各々について、1つ以上の時間間隔100の各々に関して気象メトリック52を決定するように動作する。
【0039】
任意の特定のサービスエリア26について任意の特定の時間間隔100に関して気象メトリック52を計算するために、処理回路70は、(a)インターフェース回路システム80又は82を介して、サービスエリア26内の加入者端末24の集団28について時間間隔100について監視された、衛星リンクパラメータの監視された値92を受信し、(b)監視された値92の関数として評価値94を計算し、かつ(c)気象メトリック52を、評価値94の関数として、かつサービスエリア26について、複数の以前の時間間隔100に関して計算された複数の過去の評価値94から決定された基準値98の関数として計算する、ように構成されている。
【0040】
気象メトリック52は、適用可能な評価値94及び適用可能な基準値98に基づいて、特定の時間間隔100及びサービスエリア26について計算される数値である。「適用可能」とは、それらの値が特定の時間間隔100及び特定のサービスエリア26に関連していることを意味する。このように計算された気象メトリック52は、時間間隔100に関して、サービスエリア26における気象障害の存在、不在、又は重大度を示す。例えば、気象メトリック計算により、定義された範囲内に収まる数値がもたらされ、範囲の一方の端は気象障害がないことに対応し、範囲の他方の端は「最悪の」気象障害に対応する。
【0041】
各時間間隔100は、周期的に繰り返される時間間隔、又は同様の時間間隔の近接する連続内の任意の特定の時間間隔を含む。一例では、関心のある時間間隔100は、任意の所与のサービスエリア26について特定の日の任意の所与の時間に関して計算された気象メトリック52が、その特定の日のその所与の時間について計算された評価値94に依存するように、かつ適用可能な基準値98が、例えば過去1ヶ月にわたって、所与のサービスエリア26について、その時間のいくつかの以前の出現について計算された評価値94に依存するように、その日の時間である。
【0042】
1つ以上の実施形態における処理回路70は、インターフェース回路80又は82を介して、データベース56にシグナリング54を出力するように更に構成されている。シグナリング54は、処理回路70によって計算された1つ以上の気象メトリック52、又はそれに対応する評価結果を、タイムスタンプ及びサービスエリア情報とともに示す。
【0043】
1つ以上の実施形態における処理回路70は、インターフェース回路80又は82を介して、衛星通信システム10のグラウンドセグメント40内の制御エンティティ46にシグナリング62を出力するように更に構成されている。シグナリング62は、1つ以上の気象メトリック52又はそれに対応する評価結果を示し、制御エンティティ46は、シグナリング62に依存して、衛星通信システム10で負荷分散及び送信スケジューリングのうちの少なくとも1つを実施するように動作する。
【0044】
1つ以上の実施形態における処理回路70は、1つ以上の気象メトリック52のある特定の値に少なくとも応答して、インターフェース回路80又は82を介して、1つ以上の通知を含むシグナリング63を出力するように更に構成されている。例えば、処理回路70は、1つ以上の気象メトリック52が著しい気象障害に関連付けられた閾値を下回る(又は上回る)ことを検出することに応答して、1つ以上のタイプの電子信号の出力を出力するか、又は1つ以上のタイプの電子信号の出力を開始するようにコンピュータシステム50を制御する。電子信号の例としては、ショートメッセージングサービス(SMS)メッセージ、電子メール、又はコンピュータディスプレイ、聴覚アナンシエータ、視覚アナンシエータ用の信号などが挙げられる。
【0045】
少なくとも1つの実施形態によれば、各サービスエリア26及び各時間間隔100についての基準値98は、サービスエリア26について、対応する複数の以前の時間間隔100に関して計算された対応する複数の過去の評価値94に関して定義されたパーセンタル順位を有する数値である。ここで、対応する複数の過去の評価値94及び対応する複数の以前の時間間隔100は、上述した意味の範囲内で、「適用可能な」評価値94及び以前の時間間隔100である。
【0046】
1つ以上の実施形態では、衛星リンクパラメータは、適応可能なホームチャネルシンボルレート(HCSR)である。そのような実施形態では、各サービスエリア(26)及び各時間間隔(100)について、監視された値92は、時間間隔100の全部又は一部分の間にサービスエリア26内の加入者端末24のうちのそれぞれの加入者端末のHCSRである。少なくとも1つのそのような実施形態では、各サービスエリア26及び時間間隔100の評価値94は、サービスエリア26内で動作しているそれぞれの数の加入者端末24によって使用中のHCSRの加重平均として計算される。
【0047】
1つ以上の実施形態における処理回路70は、任意の特定のサービスエリア26に対して検出されたサービス供給停止イベントを、特定のサービスエリア26について計算された対応する気象メトリック52によって示されるような、特定のサービスエリア26に対する気象障害の指標と相関させるように更に構成されている。
【0048】
衛星通信システム10は、例えば、複数のサービスエリア26を含み、1つ以上の実施形態における処理回路70は、ある特定のサービスエリアサイズ閾値を下回るサービスエリア26についての気象メトリック52を計算しない、又はある特定のサービスエリアサイズ閾値を上回るサービスエリア26についての気象メトリック52を計算しない、ように構成されている。追加的又は代替的に、処理回路70は、ある特定の集団サイズ閾値を下回る加入者端末24の集団28を有するサービスエリア26についての気象メトリック52を計算しないように構成されている。追加的又は代替的に、処理回路70は、閾値パーセンテージを超えるオフラインの加入者端末24を有するサービスエリア26についての気象メトリック52を計算しないように構成されている。更に、1つ以上の実施形態では、処理回路70は、加入者端末24の集団28内のある特定の加入者端末24を、評価値94の計算における考慮から除外するように構成されている。
【0049】
少なくとも1つの実施形態では、気象メトリック52は、範囲最小値及び範囲最大値によって境界される範囲内の数値として計算される。範囲最小値又は範囲最大値の一方は、気象影響がないことに対応し、範囲最小値又は範囲最大値の他方は、最大の気象影響に対応する。特定の実施形態による気象メトリック52は、気象障害の不在に対応する最大値と、最大の気象障害に対応するより低い閾値とを有し、そのより低い閾値を下回る値は、欠陥がある又は不十分な入力データ、例えば、加入者端末24の集団28からの監視された値92から生じるものとして無効であるとみなされる。
【0050】
より詳細な例では、対象とする所与の時間間隔100は、日単位で繰り返される。特定のサービスエリア26に関して、処理回路70は、時間間隔100についての基準値98を、サービスエリア26について、定義された最近の日数にわたる時間間隔100の以前の出現に関して計算された複数の過去の評価値94に関して定義されたパーセンタイル順位を有する値として維持するように構成されている。例えば、処理回路70は、基準値98を、時間間隔100の対応する複数の過去の出現について決定された実行中の複数の過去の評価値94に関する「p99」値として計算する。「p99」値は、99番目のパーセンタイル値であり、複数の基準値94の99パーセントよりも良好であることを意味する。
【0051】
特定のサービスエリア26について特定の時間間隔100に関して気象メトリック52を計算するために使用される基準値98に到達するために、他のパーセンタイル順位又は他の順位付けスキームが使用されてもよい。例えば、基準値は、最大値であってもよく、又は別のメトリックに従って選択されてもよい。更に、任意の所与のサービスエリア26について、ある時間間隔100、例えば、午前6~7時の間隔の基準値98は、異なる時間間隔100、例えば、午後3~4時の間隔について計算された基準値98とは異なり得ることが理解されるべきである。認識すべき更なるポイントは、コンピュータシステム50が異なる時間粒度について気象メトリック52を計算し得ることであり、例えば、コンピュータシステム50は、時間単位の間隔に参照される気象メトリック52を維持し得るが、10分又は5分の間隔などのより短い又はより長い間隔に参照される気象メトリック52も維持し得る。
【0052】
1つ以上の実施形態では、監視された値92が気象メトリック計算のために提供される衛星リンクパラメータは、適応可能なホームチャネルシンボルレート(HCSR)である。そのような場合、衛星リンクパラメータの監視された値92は、対象とする時間間隔100の全部又は一部分の間にサービスエリア26内の加入者端末24のそれぞれの加入者端末のHCSRである。HCSRは、システム10がそれぞれの加入者端末24に対するHCSRを制御し、例えば、それぞれの加入者端末24の無線条件に対するHCSRを最高の達成可能なレートに設定するという意味において、「適応可能」である。システム10は、可能なHCSRの限られたセットで動作し得、その結果、通常の動作中の各加入者端末24が、無線条件を鑑みてサポートすることができるそれらの可能なHCSRのうちの最も高いものとなる。
【0053】
少なくとも1つのそのような実施形態における処理回路70は、所与の時間間隔100に関して、かつ所与のサービスエリア26について、HCSRの加重平均として評価値94を計算するように構成されている。重み付けは、定義されたHCSRのセットの中のそれぞれのHCSRで動作する集団28内のそれぞれの加入者端末24の数に依存する。すなわち、限られた数の定義されたHCSRについて、定義されたHCSRのうちの第1のHCSRで動作する集団28内のいくつかの加入者端末24と、定義されたHCSRのうちの第2のHCSRで動作する集団内の別の数の加入者端末24とが存在し得る。したがって、第1及び第2のHCSRの平均を決定することは、第1及び第2のHCSRを使用している集団28内の加入者端末24の相対数に依存するであろう。
【0054】
図4は、コンピュータシステム50などのコンピュータシステムによる動作の方法400を示す。方法400は、衛星通信システム10の1つ以上のサービスエリア26の各々について、1つ以上の時間間隔100の各々に関して気象メトリック52を決定することを含む。各サービスエリア26及び時間間隔100について、気象メトリック52は、(a)サービスエリア26内の加入者端末24の集団28について時間間隔100について監視された、衛星リンクパラメータの監視された値92を受信すること(ブロック402)と、(b)監視された値92の関数としてサービスエリア26についての評価値94を計算すること(ブロック404)と、(c)気象メトリック52を、評価値94の関数として、かつサービスエリア26について、複数の以前の時間間隔100に関して計算された複数の過去の評価値94から決定された基準値98の関数として計算すること(ブロック406)と、に基づいて決定される。
【0055】
1つ以上の実施形態における方法400は、(d)1つ以上の気象メトリック52又はそれに対応する評価結果を示すシグナリングを出力すること(ブロック408)を更に含む。そのようなシグナリングの一例としては、例えば、気象メトリック52又は気象メトリック52を評価した結果をデータベース56に記録するために、シグナリング54をBSS58に出力することが挙げられる。他の例としては、システム10のグラウンドセグメント40内の1つ以上の制御エンティティ46にシグナリング62を出力すること、例えば、検出された気象障害に応答してシステム10内の負荷分散又はスケジューリングを制御するためのシグナリングを出力すること、又は例えば、検出された気象障害についてシステムオペレータ若しくは他の責任者に警告するための通知若しくはアラームを含むシグナリング63を出力することが挙げられる。
【0056】
したがって、ブロック408は、以下のうちの任意の1つ以上として理解され得る。
-気象メトリックのうちの少なくとも1つ、若しくは気象メトリックを評価した結果を示す、シグナリング54を、タイムスタンプ及びサービスエリア情報とともにデータベース56に出力すること、
-システム10のグラウンドセグメント40内の制御エンティティ46にシグナリング62を出力することであって、シグナリング62は、気象メトリックのうちの少なくとも1つ、若しくは気象メトリックを評価した結果を示し、制御エンティティ46は、シグナリングに依存して、衛星通信システムで負荷分散及び伝送スケジューリングのうちの少なくとも1つを実施するように動作する、出力すること、又は
-気象メトリックのある特定の値に少なくとも応答する通知シグナリングを出力すること。
【0057】
方法400は、システム10の1つ以上のサービスエリア26の各々について、1つ以上の時間間隔100の各々に関して実施され得る。複数のサービスエリア26を考慮する場合、方法400は、複数のサービスエリア26について並行して実施されてもよく、又は一度に1つのサービスエリア26を連続的に実行してもよい。更に、方法400は、それぞれの時間間隔100の通過に応答して、例えば、各時間の終わりに呼び出すことができる。しかしながら、方法400は、必要なデータが記憶されている限り、遡及的に適用されてもよい。コンピュータシステム50又はシステム10に関連付けられた別のコンピュータが、監視された値92の履歴セット90を維持する、又は監視された値92のそのようなセット90から導出された評価値94の履歴セットを維持する例を考えてみる。そうすると、コンピュータシステム50は、対象となるサービスエリア26に関する過去の任意の時間間隔についての評価値94と基準値98とを決定するための十分な記憶済みデータがある場合、その時間間隔100についての気象メトリック52を計算することができる。
【0058】
図5は、コンピュータシステムによる動作の方法500を示し、方法400の実装のための例示的な詳細を提供するものとして理解され得る。示された処理は、1つ以上のサービスエリア26の各々について、1つ以上の時間間隔100の各々に関して適用される。
【0059】
処理は、選択された時間間隔100及び選択されたサービスエリア26で「開始」し、選択されたサービスエリア26について選択された時間間隔100に関して気象メトリック52を計算及び記録することを含む。現在選択されている時間間隔100についての気象メトリック52が計算されるべき更なるサービスエリア26がある場合、処理は、次のサービスエリア26を選択し、対応する気象メトリック52を計算することで続行する。そのような動作が、評価されるべき全てのサービスエリア26について、現在選択されている時間間隔100の間繰り返される。ブロック502、504、及び506を参照のこと。次いで、プロセス全体が、考慮されるべき更なる各時間間隔100について繰り返される。ブロック508及び510を参照のこと。したがって、複数の時間間隔100及び複数のサービスエリア26に関して図5の処理を実行することは、各サービスエリア26についての各時間間隔100に関するそれぞれの気象メトリック52を生じさせる。
【0060】
上述したような気象メトリック52を使用することは、衛星通信システム10の機能における有意義な改善を提示する。例えば、衛星通信システムのオペレータ、すなわちサービスプロバイダは、多くの場合、稼働時間、スループット、及び他のサービス品質(QoS)メトリックのようなものに関する交渉されたパラメータに従って加入者にサービスを提供している。これらのサービス水準合意(SLA)は、多くの場合、サービスプロバイダがSLAで指定された条項を満たさなかった場合の金銭的又はその他の罰則を指定している。しかしながら、そのような合意は、多くの場合、悪気象に関連するサービスの問題についての例外を有する。
【0061】
少なくとも1つの実施形態では、コンピュータシステム50は、サービス障害、例えば、システム10の任意の所与のサービスエリア26で経験されたサービス供給停止を、検出された気象イベント、すなわち、所与のサービスエリア26について計算された適用可能な気象メトリック52から検出されたものと相関させるように構成されている。ここで、「相関」とは、特定の時間間隔100の間に特定のサービスエリア26で経験されたサービス障害が、そのサービスエリア26についてその時間間隔100について計算された気象障害の存在を示す気象メトリック52と一致するかどうかを判定することを指す。
【0062】
本明細書で開示される気象メトリック計算(複数可)のいくつかの利点の中で、この技術は、ユーザビーム又はサービスエリアに対する気象の影響に関連する単純な単一のメトリックを提供するということがある。ここで、「に関連する」とは、気象メトリック52の計算値が気象の重大度に少なくともいくらか比例していることを意味すると理解され得る。別の利点は、気象メトリック52が、サービスエリア26内の加入者端末24の計数に基づいていないことであり、実際には、サービスエリア26内のオンライン加入者端末24の計数の減少を説明するために使用され得る。別の注目すべき点は、気象メトリック52が、実際に衛星サービスに影響を及ぼす気象条件を反映していることである。
【0063】
1つ以上の例示的な実施形態では、気象メトリック52は、0~100の数値として計算され、100は、気象影響がないことを表し、最低値は、重大な気象影響を表す。例示的な範囲は以下のとおりである。
-95~100:悪気象なし
-90~95:悪気象の可能性あり
-90未満:悪気象
-0:無効なデータ、気象メトリックを無視する。
【0064】
1つ以上の実施形態では、所与のサービスエリア26について所与の時間間隔100に関して計算された気象メトリック52は、異なるリターンリンクHCSRにわたる加入者端末分布に基づく。ここで、リターンリンク又は「RL」は、加入者端末24から衛星14へのアップリンクを指す。例えば、時間間隔100がその日の時間である場合、特定のサービスエリア26についてのその日の特定の時間に関する気象メトリック52は、以下のように計算される。
-特定のサービスエリア26について、過去5分間のHCSRの加重平均に100を掛け、その日の同じ時間における先の30日間のp99 HCSRで割ったもの。
例示的な事例では、可能な最高のHCSRは160であり、可能な最低のHCSRは3である。これらの数値を用いると、気象メトリック52は、気象メトリック52を計算するために使用されるデータが無効でない限り、3の値を下回ることはない。以前の週のp99 HCSRが160であり、現在のHCSRが3である場合、気象メトリック52は、約3%である分数3/160に依存し、気象メトリック52が3の数値を有することにつながる。
【0065】
過去5分間のHCSRの加重平均は、上述した評価値94の一例と考えることができ、p99 HCSRは、上述した基準値98の一例と考えることができる。特に、p99 HCSRは、過去30日間にわたって特定のサービスエリア26について同じ時間単位の間隔で観察された加重平均HCSRの最大値に近いことを考えれば、晴天値とみなすことができる。サービスエリア26内の集団28内の加入者端末24についてのHCSRの加重平均は、集団内のいくつの加入者端末24が、可能なHCSRの定義されたセットの中の各HCSRにあるかに基づいて計算され得る。
【0066】
少なくとも1つの実施形態では、所与のサービスエリア26についての、かつ特定の時間間隔100に関する気象メトリック52の計算は、サービスエリア26内にある全ての加入者端末24を考慮するわけではない。すなわち、気象メトリック計算のために考慮される加入者端末24の集団28は、いくつかの加入者端末24が考慮から除外される、より大きな集団から決定される「フィルタリングされた」集団であってもよい。例えば、新たに集団28に入る加入者端末24は、それらの最適化された又は安定化されたHCSRではなくてもよいため、除外されてもよい。同様に、「測距」又は他の動作を実施中の加入者端末24は、気象メトリック52の計算のための考慮から除外されてもよい。
【0067】
他のフィルタリングがサービスエリアレベルで実施されてもよい。例えば、気象メトリック52は、所与の時間間隔100の間にオンラインであった加入者端末24の数が、「通常の」加入者端末24の数又は予想される数の一部未満であった場合、特定のサービスエリア26に関してこの時間間隔100については計算されなくてもよい。そのようなフィルタリングは、オンライン加入者端末24の予想される数を知るか又は推定するための基礎を提供する、加入者プロファイル又は履歴監視に基づいてもよい。一例として、加入者端末24の数が、任意の所与のサービスエリア26についての任意の所与の時間間隔100に関して予想される数の80パーセント未満である場合、気象メトリック52は計算されない。
【0068】
図6は、所与のサービスエリア26内の加入者端末24の集団28、例えば、端末毎のHCSRの加重平均についての、例示的な衛星リンクパラメータとしてのHCSRの例示的な挙動を示す。図7は、サービスエリア26内の加入者端末24の集団28全体について計算された気象メトリック52の対応する例示的な挙動を示す。重大な気象を示す気象閾値は90%レベルに設定され、重大な気象がサービスエリア26に影響を及ぼさない限り、気象スコアとも呼ばれる気象メトリック52は、そのレベルを上回ったままである。当然のことながら、数値及び示されたスコア挙動は、示された文脈に適用可能な例として理解されるべきである。
【0069】
特に、開示された発明(複数可)の修正及び他の実施形態は、前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を有するこれらの開示が関連する当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本発明(複数可)が開示される特定の実施形態に限定されず、修正及び他の実施形態が本開示の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用することがあるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。
図1
図2
図3
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項14
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項14】
各気象メトリック(52)が、範囲最小値及び範囲最大値によって境界される範囲内の数値として計算され、前記範囲最小値又は範囲最大値のうちの一方は、気象影響がないことに対応し、前記範囲最小値又は範囲最大値のうちの他方は、最大の気象影響に対応する、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法(400)。
【国際調査報告】