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特表2025-502014装着可能熱伝達デバイスおよび関連付けられるシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】装着可能熱伝達デバイスおよび関連付けられるシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 7/03 20060101AFI20250117BHJP
   A61F 7/10 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61F7/08 331
A61F7/10 321
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540650
(86)(22)【出願日】2023-01-03
(85)【翻訳文提出日】2024-08-28
(86)【国際出願番号】 US2023060050
(87)【国際公開番号】W WO2023133382
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/266,401
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522031733
【氏名又は名称】ブルーエックスサーマル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】モナザミ, レーザ
(72)【発明者】
【氏名】ジャハニ, サハル
(72)【発明者】
【氏名】アンセルモ, ニコラス キース
【テーマコード(参考)】
4C099
【Fターム(参考)】
4C099AA05
4C099CA03
4C099CA07
4C099CA09
4C099EA01
4C099EA05
4C099GA02
4C099HA01
4C099JA01
4C099LA01
4C099LA07
4C099LA13
4C099LA21
4C099NA02
4C099PA03
4C099PA04
(57)【要約】
熱管理デバイスおよび関連付けられるシステムおよび方法が、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、代表的デバイスは、(i)それぞれ、所望の温度で動作されるように構成される、第1の側と、第1の側に対向する、第2の側とを含む、熱電構成要素(TEC)と、(ii)流体分配ネットワークのアレイと、流体分配ネットワークに結合される、入口通路と、流体分配ネットワークに結合される、出口通路とを含む、熱伝達システムとを備えることができる。動作時、作業流体は、流体分配ネットワークを通して、入口通路から出口通路に流動し、流体分配ネットワークからの熱を吸収する。入口および出口通路は、個々の流体分配ネットワークを横断した作業流体の圧力降下および/または温度降下が相互にほぼ同一であるように、個々の流体分配ネットワークに流体的に結合されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱管理デバイスであって、
アレイ内に配列され、相互から離間される熱電構成要素であって、個々の熱電構成要素は、哺乳類の標的エリアに熱的に結合されるように構成される第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有する、熱電構成要素と、
熱伝達システムであって、
熱交換器と、
流体分配ネットワークのアレイと、
前記流体分配ネットワークに流体的に結合され、作業流体を前記流体分配ネットワークに提供するように構成される入口通路と、
前記流体分配ネットワークに流体的に結合され、前記作業流体を前記流体分配ネットワークから受容するように構成される出口通路と
を含み、
個々の流体分配ネットワークは、前記熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、前記入口通路および前記出口通路を介して、前記熱交換器に流体的に結合され、
前記個々の流体分配ネットワークは、入口領域と、出口領域とを有し、動作時、前記作業流体は、前記入口領域から、前記流体分配ネットワークを通して、前記出口領域に流動し、
前記流体分配ネットワークは、第1の流体分配ネットワークと、第2の流体分配ネットワークとを含み、
前記第1の流体分配ネットワークは、前記入口通路の第1のエリアに結合され、前記第2の流体分配ネットワークは、前記入口通路の第1のエリアの下流の前記入口通路の第2のエリアに結合され、
前記第1の流体分配ネットワークは、前記出口通路の第1のエリアに結合され、前記第2の流体分配ネットワークは、前記出口通路の第1のエリアの下流の前記出口通路の第2のエリアに結合される、
熱伝達システムと
を備える、熱管理デバイス。
【請求項2】
動作時、前記入口通路の第1のエリアと前記出口通路の第1のエリアとの間で測定される前記作業流体の圧力の差異は、前記入口通路の第2のエリアと前記出口通路の第2のエリアとの間で測定される前記作業流体の圧力の差異にほぼ等しい、請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項3】
動作時、
前記入口通路の第1のエリアと前記出口通路の第1のエリアとの間で流動する前記作業流体は、第1の圧力降下を有し、
前記入口通路の第2のエリアと前記出口通路の第2のエリアとの間で流動する前記作業流体は、第2の圧力降下を有し、
前記第1の圧力降下と前記第2の圧力降下との間の差異は、相互の10%以内である、
請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項4】
動作時、前記作業流体は、
前記入口通路の第1のエリアにおける第1の圧力と、
前記出口通路の第1のエリアにおける前記第1の圧力未満の第2の圧力と、
前記入口通路の第2のエリアにおける前記第1の圧力未満の第3の圧力と、
前記出口通路の第2のエリアにおける前記第3の圧力未満の第4の圧力と
を有し、
前記第1の圧力降下と前記第2の圧力降下との間の差異は、所定の閾値未満である、
請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項5】
動作時、前記入口通路の第1のエリアにおける前記作業流体、および前記入口通路の第2のエリアにおける前記作業流体は、同一温度を有する、請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項6】
動作時、前記出口通路の第1のエリアにおける前記作業流体は、第1の温度を有し、前記出口通路の第2のエリアにおける前記作業流体は、第2の温度を有し、前記第1の温度と前記第2の温度との間の差異は、所定の閾値とほぼ同一またはそれ未満である、請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項7】
前記出口通路の第1のエリアは、前記出口通路の近位終端である、請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項8】
前記入口通路の第2のエリアは、前記入口通路の遠位終端である、請求項7に記載の熱管理デバイス。
【請求項9】
前記熱伝達システムは、閉ループシステムである、請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項10】
前記入口通路は、冷却された作業流体を前記熱交換器から前記流体分配ネットワークに指向するように構成される低温作業流体通路であり、前記出口通路は、加熱された作業流体を前記流体分配ネットワークから前記熱交換器に指向するように構成される高温作業流体通路である、請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項11】
前記流体分配ネットワークはさらに、第3の流体分配ネットワークを含み、前記第3の流体分配ネットワークは、(i)前記入口通路の第2のエリアの下流の前記入口通路の第3のエリアと、(ii)前記出口通路の第2のエリアの下流の前記出口通路の第3のエリアとに結合される、請求項1に記載の熱管理デバイス。
【請求項12】
動作時、前記入口通路の第1のエリアと前記出口通路の第1のエリアとの間で測定される前記作業流体の圧力の差異は、(i)前記入口通路の第2のエリアと前記出口通路の第2のエリアとの間で測定される前記作業流体の圧力の差異と、(ii)前記入口通路の第3のエリアと前記出口通路の第3のエリアとの間で測定される前記作業流体の圧力の差異とにほぼ等しい、請求項11に記載の熱管理デバイス。
【請求項13】
動作時、前記作業流体は、
前記入口通路の第1のエリアにおける第1の圧力と、
前記出口通路の第1のエリアにおける前記第1の圧力未満の第2の圧力と、
前記入口通路の第2のエリアにおける前記第1の圧力未満の第3の圧力と、
前記出口通路の第2のエリアにおける前記第3の圧力未満の第4の圧力と、
前記入口通路の第3のエリアにおける前記第2の圧力未満の第5の圧力と、
前記出口通路の第3のエリアにおける前記第5の圧力未満の第6の圧力と
を有する、請求項11に記載の熱管理デバイス。
【請求項14】
動作時、
前記入口通路の第1のエリアと前記出口通路の第1のエリアとの間で流動する前記作業流体は、第1の圧力降下を有し、
前記入口通路の第2のエリアと前記出口通路の第2のエリアとの間で流動する前記作業流体は、第2の圧力降下を有し、
前記入口通路の第3のエリアと前記出口通路の第3のエリアとの間で流動する前記作業流体は、第3の圧力降下を有し、
(i)前記第1の圧力降下および前記第2の圧力降下と、(ii)前記第2の圧力降下および前記第3の圧力降下との間の差異は、ほぼ等しい、
請求項13に記載の熱管理デバイス。
【請求項15】
熱管理デバイスであって、
アレイ内に配列され、相互から離間される熱電構成要素であって、個々の熱電構成要素は、哺乳類の標的エリアに熱的に結合されるように構成される第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有する、熱電構成要素と、
熱伝達システムであって
熱交換器と、
流体分配ネットワークのアレイと、
前記流体分配ネットワークに流体的に結合され、作業流体を前記流体分配ネットワークに提供するように構成される入口通路と、
前記流体分配ネットワークのうちの少なくともいくつかに流体的に結合され、前記作業流体を前記流体分配ネットワークから受容するように構成される出口通路と、
を含み、
個々の流体分配ネットワークは、前記熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、前記入口通路および前記出口通路を介して、前記熱交換器に流体的に結合され、
前記流体分配ネットワークはそれぞれ、入口領域と、出口領域と、相互から離間される微小特徴とを有し、少なくとも部分的に、前記作業流体を受容するように構成されるチャネルを画定し、
動作モードでは、前記作業流体は、前記入口領域から、前記出口領域に流動し、前記微小特徴からの熱を吸収する、
熱伝達システムと
を備え、
前記流体分配ネットワークは、第1の流体分配ネットワークと、第2の流体分配ネットワークとを含み、
前記入口通路は、前記作業流体を、(i)第1の温度および第1の圧力において、前記第1の流体分配ネットワークに、(ii)第2の温度および第2の圧力において、前記第2の流体分配ネットワークに提供するように位置付けられ、
前記第1の温度および前記第2の温度は、等しく、
前記第1の圧力は、前記第2の圧力を上回る、
熱管理デバイス。
【請求項16】
前記第1の流体分配ネットワークの前記入口領域と前記出口領域との間の第1の圧力降下および前記第2の流体分配ネットワークの前記入口領域と前記出口領域との間の第2の圧力降下は、等しい、請求項15に記載の熱管理デバイス。
【請求項17】
前記第1の流体分配ネットワークは、第1の作業流体流量を有し、前記第2の流体分配ネットワークは、第2の作業流体流量を有し、前記第1および第2の作業流体流量は、等しい、請求項15に記載の熱管理デバイス。
【請求項18】
前記熱交換器は、低温作業流体を前記流体分配ネットワークに提供し、高温作業流体を前記流体分配ネットワークから受容する、請求項15に記載の熱管理デバイス。
【請求項19】
前記動作モードは、第1の動作モードであり、前記熱管理デバイスはさらに、第2の動作モードを備え、前記作業流体は、熱を前記微小特徴に提供する、請求項15に記載の熱管理デバイス。
【請求項20】
熱管理デバイスであって、
アレイ内に配列され、相互から離間される熱電構成要素であって、個々の熱電構成要素は、哺乳類の標的エリアに熱的に結合されるように構成される第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有する、熱電構成要素と、
熱伝達システムであって、前記熱伝達システムは、熱交換器と、流体分配ネットワークのアレイとを有し、前記流体分配ネットワークのアレイは、その中で個々の流体分配ネットワークが、前記熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、前記熱交換器に流体的に結合され、前記流体分配ネットワークはそれぞれ、入口領域と、出口領域と、相互から離間される微小特徴とを有し、少なくとも部分的に、作業流体を受容するように構成されるチャネルを画定し、動作時、前記作業流体は、前記入口領域から、前記出口領域に流動し、前記微小特徴からの熱を吸収する、熱伝達システムと、
可撓性支持ユニットであって、前記可撓性支持ユニットは、前記熱電構成要素に結合され、前記哺乳類に取り付けられると、前記熱電構成要素が、前記標的エリアに隣接するように配列されるように構成され、前記可撓性支持ユニットは、圧縮力を前記標的エリアに対して付与するように構成される、可撓性支持ユニットと、
熱伝導性部材であって、前記熱伝導性部材は、前記可撓性支持ユニットに結合され、前記可撓性支持ユニットの寸法に沿って、前記熱電構成要素のうちの2つまたはそれを上回るものを横断して熱連通する、熱伝導性部材と
を備える、熱管理デバイス。
【請求項21】
前記熱伝導性部材は、前記熱電構成要素のうちの2つまたはそれを上回るものを横断する波状パターンにおける伝導性ワイヤである、請求項20に記載の熱管理デバイス。
【請求項22】
前記熱伝導性部材は、前記熱電構成要素のうちの2つまたはそれを上回るものを横断する熱伝導性材料のシートである、請求項20に記載の熱管理デバイス。
【請求項23】
前記いくつかの熱伝導性部材の第1のセットは、前記可撓性支持ユニットの寸法と実質的に整合し、前記いくつかの熱伝導性部材の第2のセットは、前記可撓性支持ユニットの寸法から不整合される、請求項22に記載の熱管理デバイス。
【請求項24】
前記いくつかの熱伝導性部材は、前記可撓性支持ユニットより高い剛性を有する、請求項22に記載の熱管理デバイス。
【請求項25】
前記いくつかの熱伝導性部材は、前記可撓性支持ユニットおよび前記いくつかの熱伝導性部材が、前記可撓性支持ユニットの寸法に沿って拡張されると、前記いくつかの熱伝導性部材が、ばね付勢力を前記可撓性支持ユニット上に付与するように、前記可撓性支持ユニット内でばねのように構成される、請求項22に記載の熱管理デバイス。
【請求項26】
前記熱伝導性部材は、前記可撓性支持ユニット内に埋設される、請求項20に記載の熱管理デバイス。
【請求項27】
所定の期間内で哺乳類の標的エリアの温度を制御するための方法であって、
装着可能熱伝達デバイスを提供することであって、前記装着可能熱伝達デバイスは、
熱電構成要素であって、前記熱電構成要素は、それぞれが、第1の側と、前記第1の側に対向する第2の側とを有する、熱電構成要素と、
流体分配ネットワークのアレイであって、前記流体分配ネットワークのアレイは、それぞれが、前記熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、熱交換器に流体的に結合され、前記流体分配ネットワークはそれぞれ、共通入口流体分配通路に流体的に結合される入口領域と、共通出口流体分配通路に流体的に結合される出口領域とを有し、動作時、前記流体分配ネットワーク内の作業流体は、前記熱電構成要素の対応するものからの熱を吸収するように構成される、流体分配ネットワークのアレイと、
可撓性支持ユニットであって、前記可撓性支持ユニットは、前記熱電構成要素の第1の側に結合され、少なくとも、個々の熱電構成要素間に延在し、前記可撓性支持ユニットは、前記哺乳類からの熱伝達を向上させるように構成される熱スプレッダである、可撓性支持ユニットと
を含む、ことと、
前記熱伝達デバイスの熱電構成要素が前記標的エリアに熱的に結合されるように、前記熱伝達デバイスを前記哺乳類の標的エリアにわたって配置することと、
前記熱伝達デバイスに動作可能に結合されるコントローラを介して、
前記コントローラを使用して、前記熱電構成要素の前記第1の側および第2の側における温度読取値を収集することと、
前記可撓性支持ユニットの有効熱伝導率を参照して、前記収集された温度読取値を評価し、前記哺乳類の標的エリアの温度を識別することと、
前記熱電構成要素のうちの少なくともいくつかが前記標的エリアの温度を所望の温度に向かって変化させるように、前記熱電構成要素のうちの少なくともいくつかへの入力を修正することと、
を含む、前記熱伝達デバイスの温度制御を始動させることと
を含む、方法。
【請求項28】
前記可撓性支持ユニットは、熱伝導性可撓性部材を備え、前記熱伝導性可撓性部材は、前記熱電構成要素の第1の側に結合され、少なくとも、個々の熱電構成要素間に延在し、前記熱電構成要素は、前記熱伝導性可撓性部材を介して、前記標的エリアに熱的に結合される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
第1の熱電構成要素群と、第2の熱電構成要素群とをさらに含み、前記第1および第2の熱電構成要素群はそれぞれ、少なくとも2つの熱電構成要素と、少なくとも2つの流体分配ネットワークとを含み、前記入力を修正することは、前記第1の熱電構成要素群に提供される第1の入力を修正することと、前記第2の熱電構成要素群に提供される第2の入力を修正することとを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記標的エリアの温度が前記所望の温度に等しくなるまで、少なくとも2回、前記収集するステップと、評価するステップと、修正するステップとを反復的に繰り返すことをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、それらの全体として参照することによって本明細書に組み込まれる、2022年1月4日に出願された、米国仮特許出願第63/266,401号の優先権の利益を主張し、「WEARABLE HEAT TRANSFER DEVICES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」と題され、2021年2月23日に出願された、米国特許出願第17/183,313号、および「OCULAR REGION HEAT TRANSFER DEVICES AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」と題され、2023年1月3日に出願された、米国特許出願第18/149,574号に関連する。
【0002】
本開示は、ユーザによって装着されるように構成される、熱伝達デバイス、および関連付けられるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くのタイプのデバイスおよびシステムが、有意な熱流束を生産しており、そのような熱流束を抽出および消散させ、温度を容認可能動作範囲内に保つことが可能である、高度かつ効率的なシステムに関する、成長しつつある需要が存在する。多くの装着可能デバイスは、例えば、標的エリアからの熱を消散させ、疼痛または腫脹を低減させる、組織構造を変化させる(例えば、脂肪組織を低減させる、および皮膚条件を治療する)、または他の手技(例えば、レーザ治療)によって引き起こされる、組織の局在化された加熱を緩和させる。装着可能デバイスは、望ましくは、軽量および可搬性であるが、これは、多くの用途において要求される、有意な熱流束を消散させるための課題を提示する。結果として、有意な隔たりが、多くの用途のために要求される熱伝達性能と、既存のデバイスおよびシステムの熱伝達性能との間に存在する。例えば、現在の熱伝達システムは、多くの場合、腫脹および他の外科手術後用途を制御するための適正な加熱または冷却を提供するには、大きくて重い。したがって、そのようなシステムは、煩雑であって、装着可能デバイスでは不快であり得、それらは、多くの場合、大きすぎ、ある解剖学的特徴の複雑な輪郭と協働することができない。さらに、眼下組織等のより敏感なエリアのための熱治療用途は、限定され、多くの場合、対応する脂肪細胞を凍結および死滅させるために必要とされる、必要時間持続時間にわたって、一貫した能動的冷却治療を提供することが不可能である。結果として、改良された装着可能熱伝達デバイスの必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示の技術の特徴、側面、および利点は、以下の図面に関してより深く理解され得る。
【0005】
図1図1は、本技術の実施形態による、哺乳類の一部の周囲の熱伝達デバイスの部分概略断面図である。
【0006】
図2図2は、図1に示される、熱伝達デバイスの一部の部分概略拡大断面図である。
【0007】
図3A図3Aは、図2に示される、熱伝達デバイスの一部の部分概略断面等角図である。
【0008】
図3B図3Bは、本技術の実施形態による、熱伝達構造の部分概略断面等角図である。
【0009】
図4図4は、図1の熱伝達デバイスの部分概略上面図である。
【0010】
図5A図5Aは、本技術の実施形態による、装着可能熱伝達デバイスの熱伝達システムの部分概略上面図である。
【0011】
図5B図5Bは、図5Aの熱伝達システムの部分概略断面側面図である。
【0012】
図6図6は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスの熱伝達システムの部分概略上面図である。
【0013】
図7図7は、本技術の実施形態による、熱伝導性部材を伴う、熱伝達デバイスの部分概略底面図である。
【0014】
図8A図8Aは、本技術の実施形態による、非拡張状態にあって、熱伝導性部材を含む、拡張可能熱伝達デバイスの部分概略底面図である。
【0015】
図8B図8Bは、拡張状態における、図8Aの熱伝達デバイスの部分概略底面図である。
【0016】
図9図9は、本技術の実施形態による、複数の方向に拡張可能であって、熱伝導性部材を含む、熱伝達デバイスの部分概略底面図である。
【0017】
図10図10は、本技術の実施形態による、熱伝導性部材を含む、熱伝達デバイスの概略分解等角図である。
【0018】
図11図11は、本技術の実施形態による、熱伝導性部材を伴う、熱伝達デバイスの概略分解等角図である。
【0019】
図12図12は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスの熱電構成要素の配列の概略上面図である。
【0020】
図13図13は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスの熱電構成要素の配列の概略上面図である。
【0021】
図14図14は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスの熱電構成要素の配列の概略上面図である。
【0022】
図15A図15Aは、本技術の実施形態による、ヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
【0023】
図15B図15B-15Dは、本技術の実施形態による、図15Aの熱伝達デバイスを含む、熱伝達システムの部分概略図である。
図15C図15B-15Dは、本技術の実施形態による、図15Aの熱伝達デバイスを含む、熱伝達システムの部分概略図である。
図15D図15B-15Dは、本技術の実施形態による、図15Aの熱伝達デバイスを含む、熱伝達システムの部分概略図である。
【0024】
図16図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
図17図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
図18図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
図19図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
図20図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
図21図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
図22図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
図23図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
図24図16-24は、本技術の実施形態による、種々の標的エリアにおいてヒトによって装着されている、熱伝達デバイスの部分概略図である。
【0025】
図25図25は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスを組み込むシステムを図示する、概略ブロック図である。
【0026】
図26図26は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスを介してヒトを治療するための方法を図示する、フロー図である。
【0027】
図27図27は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスを用いてヒトの標的エリアの温度を制御するための方法を図示する、フロー図である。
【0028】
当業者は、図面に示される特徴が、例証目的のためのものであって、異なるおよび/または付加的特徴およびその配列を含む、変形例が、可能性として考えられることを理解するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0029】
詳細な説明
I.概要
多くのタイプのデバイスおよびシステムが、有意な熱流束を生産しており、そのような熱流束を抽出および消散させ、温度を容認可能動作範囲内に保つことが可能である、高度かつ効率的なシステムに関する、成長しつつある需要が存在する。多くの装着可能デバイスは、例えば、標的エリアからの熱を消散させ、疼痛または腫脹を低減させる、組織構造を変化させる(例えば、脂肪組織を低減させる、および皮膚条件を治療する)、または他の手技(例えば、レーザ治療)によって引き起こされる、組織の局在化された加熱を緩和させる。装着可能デバイスは、望ましくは、軽量および可搬性であるが、これは、多くの用途において要求される、有意な熱流束を消散させるための課題を提示する。結果として、有意な隔たりが、多くの用途のために要求される熱伝達性能と、既存のデバイスおよびシステムの熱伝達性能との間に存在する。例えば、現在の単相システムは、多くの場合、腫脹および他の外科手術後用途を制御するための適正な加熱または冷却を提供するには、大きくて重い。したがって、そのようなシステムは、煩雑であって、装着可能デバイスでは不快であり得、それらは、多くの場合、大きすぎ、膝、肩部、足首、脚部、腕、背中、頭部、頸部、および/または肘領域を含む、ある解剖学的特徴の複雑な輪郭と協働することができない。
【0030】
循環冷却剤および氷/ゲルパックを伴う、スリーブが、現在、標的組織エリアを熱的に治療する、例えば、組織の温度を低減させるための最も広く認められている装着可能熱伝達デバイスである。例えば、流体循環式スリーブを用いることで、単一温度における低温流体が、ポンプによって、標的エリアの周囲に巻着されるスリーブを通して循環される。標的エリア内の組織の温度は、熱が、スリーブを横断して伝導され、循環される低温流体によって吸収されるにつれて、降下する。加熱された流体は、氷槽に戻され、組織から除去される熱は、氷が溶融するにつれて、それによって吸収される。氷/ゲルパックは、同様に、パック内の低温氷またはゲルを加温することにより、標的エリアからの熱を吸収することによって、機能する。
【0031】
これらの装着可能デバイスは両方とも、(i)それに対して組織が暴露される温度制御または標的組織を囲繞する筋骨格または類似構造に対する冷却療法制御の欠如、(ii)冷却するための限定された期間または容量、(iii)デバイスを調節または配慮せずに、持続的冷却療法を提供することができないこと、(iv)例えば、氷パックの加圧された液体流動および/または剛性に起因する、デバイスの可撓性の欠如であって、その点で、ユーザにとって不快なフィットを引き起こすことを含む、有意な欠点を有する。可撓性の欠如はさらに、デバイスの非可撓性性質が、快適なフィットおよび/またはデバイスとユーザとの間の最適熱接触を防止するため、デバイスとユーザとの間の熱伝達の量を限定し得る。結果として、現在の装着可能デバイスは、哺乳類の標的エリアを適正に熱的に治療することが不可能であって、概して、下層条件(例えば、疼痛、腫脹、過加熱、減少された血液灌流、減少された神経接続、脳卒中等)を治療する際、非効果的である。
【0032】
本開示の実施形態は、他の特徴の中でもとりわけ、より安全であって、より良好な温度制御を可能にし、可撓性で、現在の関連デバイスより軽く、かつより薄くあることによって、デバイスとユーザ/哺乳類との間の向上された熱接触を可能にする、熱管理デバイスおよびシステムを提供することによって、上記に説明される問題点のうちの少なくともいくつかに対処する。例えば、本明細書に説明されるように、本開示の実施形態は、(i)哺乳類の標的に熱的に結合されるために、アレイ内に配列され、相互から離間される、熱電構成要素と、(ii)熱電構成要素に熱的に結合される、熱伝達システムとを含むことができる。熱伝達システムは、熱交換器と、流体分配ネットワークと、流体分配ネットワークに流体的に結合され、作業流体を流体分配ネットワークに提供するように構成される、入口(および/または低温作業流体)通路と、流体分配ネットワークに流体的に結合され、作業流体を流体分配ネットワークから受容するように構成される、出口(および/または高温作業流体)通路とを含むことができる。いくつかの実施形態では、熱管理デバイスおよびシステムは、熱電構成要素に結合され、熱電構成要素が標的エリアを熱的に治療するように配列されるように、哺乳類の標的エリアに対して圧縮するように構成される、可撓性支持ユニットを含む。可撓性支持ユニットは、2つまたはそれを上回る熱電構成要素を横断して位置付けられ、熱電構成要素と本デバイスとの間の熱を分散させる、熱伝導性部材を含んでもよい。熱電構成要素はそれぞれ、個々に、または群として、そこに動作可能に結合される、コントローラによって、制御される(例えば、特定の温度に設定される)ことができる。したがって、本デバイスの個々の領域は、他の領域に対して異なる温度に設定されることができ、したがって、本デバイスがその上またはその周囲に位置付けられる、哺乳類の対応する標的エリアを個々に治療することができる。冷却モードにあるとき、熱は、標的エリアから熱電構成要素および熱伝達システムに流動することができる。そうすることによって、本開示の実施形態は、疼痛、腫脹、過加熱、減少された血液灌流、減少された神経接続、および/または脳卒中等のある下層条件を治療するための高速かつ制御された冷却を可能にする一方、表皮および/または真皮組織への損傷を緩和する。
【0033】
いくつかの実施形態では、熱伝達システムの流体分配ネットワーク(本明細書には、熱伝達構造とも称される)は、第1の流体分配ネットワークと、第2の流体分配ネットワークとを含み、その中で第1の流体分配ネットワークは、入口通路の第1のエリアに結合され、第2の流体分配ネットワークは、入口通路の第1のエリアの下流の入口通路の第2のエリアに結合される。そのような実施形態では、第1の流体分配ネットワークは、出口通路の第1のエリアに結合されることができ、第2の流体分配ネットワークは、出口通路の第1のエリアの下流の出口通路の第2のエリアに結合される。有利なこととして、熱管理デバイスのそのような実施形態は、流体分配ネットワークのそれぞれを横断した作業流体の圧力降下が、相互にほぼ等しいまたは所定の圧力閾値未満(例えば、10%以内)だけ異なることを可能にする。換言すると、個別の流体分配ネットワークの入口および出口における、作業流体の圧力は、異なり得るが、流体分配ネットワークのそれぞれを横断した作業流体の圧力降下は、ほぼ等しいまたは所定の圧力閾値未満だけ異なる。加えて、または代替として、圧力降下プロファイルの結果として、流体分配ネットワークのそれぞれを横断した温度降下もまた、ほぼ等しいまたは所定の温度閾値未満(例えば、10%以内)だけ異なる。本共通温度プロファイルは、本デバイスを横断して個々のTECから除去される熱の量が、ほぼ同一である(例えば、比例ベースで)ことを確実にし、それによって、本デバイスが、標的エリアおよび/または囲繞する領域からの熱を除去するまたは調整する際、より効果的であることを可能にすることに役立ち得る。
【0034】
図中では、同じ参照番号は、概して、類似および/または同じ要素を識別する。図に示される、詳細、寸法、および他の特徴の多くは、単に、開示される技術の特定の実施形態の例証である。故に、他の実施形態は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく、他の詳細、寸法、および特徴を有することができる。加えて、当業者は、種々の開示される技術のさらなる実施形態が、下記に説明される詳細のうちのいくつかを伴わずに、実践されることができることを理解するであろう。
II.熱伝達デバイスおよび関連付けられるシステムおよび方法
【0035】
図1は、本技術の実施形態による、哺乳類またはヒト10(「ヒト10」)の一部の周囲の熱伝達デバイス100(「デバイス100」)の部分概略断面図である。図示される実施形態に示されるように、デバイス100は、(i)少なくとも部分的に、ヒト10の一部または標的エリア(例えば、皮膚、組織、腕、脚部、膝、足首、足部、肩部、頭部、頸部、顔、肘、または任意の他の身体部分エリア)の周囲に巻着される、可撓性支持ユニット105と、(ii)可撓性支持ユニット105にわたり、ヒト10に熱的に結合される、熱電構成要素またはモジュール110(「TEC110」)と、(iii)TEC110に熱的に結合され、そこから熱を除去するように構成される、熱伝達システムまたはユニット115とを含む。本明細書の付加的詳細に説明されるように、熱伝達システム115は、単相熱伝達システム、いくつかの実施形態では、二相熱伝達システムを含む。動作時、TEC110は、特定の温度に設定され、したがって、ヒト10の標的エリアを加熱および/または冷却するように構成されることができる。デバイス100が、冷却モードにあるとき、例えば、熱流動(H)は、ヒト10から、可撓性支持ユニット105、個々のTEC110、および熱伝達システム115に伝達する。熱が、そのような様式において、ヒト10から除去されるにつれて、標的エリア上の冷却ゾーン15が、形成され、ヒトの冷却深度(D)まで延在することができる。深度(D)は、少なくとも1ミリメートル(mm)、2mm、3mm、4mm、または5mm、または1~5mmの範囲またはその任意の増分範囲(例えば、1.5~3mm)内であることができる。冷却ゾーン15は、デバイス100が加熱モードにあるとき、加熱ゾーンに対応し得る。
【0036】
図2は、本技術の実施形態による、図1のデバイス100の一部の部分概略拡大断面図である。図1および2の熱伝達システム115は、単相熱伝達システムである。いくつかの実施形態では、熱伝達システム115は、二相熱伝達システムであることができる。熱伝達システム115は、(i)それぞれ、TEC110の対応するものに熱的に結合される、流体分配ネットワークのアレイまたは熱伝達構造120と、(ii)低温温度における作業流体(WF)を熱伝達構造120のそれぞれに提供するように構成される(例えば、熱伝達構造120のそれぞれの個別の入口132において)、低温作業流体通路130(例えば、入口作業流体通路)と、(iii)低温作業流体(WF)の温度より高い、高温温度における作業流体(WF)を熱伝達構造120のそれぞれから受容するように構成される(例えば、熱伝達構造120のそれぞれの個別の出口142において)、加熱された作業流体通路140(例えば、出口作業流体通路)と、(iv)断熱部材150と、(v)熱交換器160とを含むことができる。いくつかの実施形態では、断熱部材150は、デバイス100から省略される。熱交換器160は、加熱された作業流体(WF)を加熱された作業流体通路140から受容し、低温作業流体(WF)を低温作業流体通路130に提供するように構成される。いくつかの実施形態では、熱交換器160は、1つまたはそれを上回るポンプを介して提供される、冷却流体を用いて、受動的に空気冷却または能動的に冷却される。
【0037】
TEC110は、熱をTEC110の片側からTEC110の第2の対向側に移動させるように構成される、半導体ベースの電子構成要素を備えることができる。TEC110は、標的エリアとデバイス100との間の界面に、精密な、制御可能な、および/または局在化された温度制御を提供することができる。図1に示されるように、TEC110は、ヒト10に熱的に結合され、コントローラ(例えば、コントローラ2594;図27)によって、特定の温度および/または所定の温度プロファイル(例えば、一定温度プロファイル、温度サイクルプロファイル、および/または時間ベースのプロファイル)に設定され、ヒト10の隣接する標的エリアを冷却および/またはを加熱することができる。TEC110を特定の温度に設定することは、その温度に対応する、電気電流をTEC110に提供することを含むことができる。例えば、第1のTEC110を第1の温度に設定することは、第1の電流レベルを第1のTEC110に提供することを含むことができ、第2のTEC110を第1の温度と異なる第2の温度に設定することは、第1の電流と異なる第2の電流レベルを第2のTEC110に提供することを含むことができる。そうすることによって、ヒト10は、所望の療法をある標的エリアのみにおいて受けることができる。
【0038】
TEC110が動作され得る方法の実施例として、いくつかの実施形態では、ヒト10に面したTEC110の第1の側または熱伝達構造120に面したTEC110の第2の側は、45℃~-20℃の範囲内(例えば、40℃、35℃、20℃、5℃、0℃、-5℃、-10℃、-15℃等)の温度に設定されることができる。いくつかの実施形態では、TEC110は、単独で、または熱伝達構造120と組み合わせてのいずれかにおいて、TEC110の第2の側が、第1の温度または第1の温度範囲に設定または保持され、TEC110の第1の側が、正常表面身体表面温度から第2の温度または第2の温度範囲に冷却されるように制御されるように構成されることができる。そのような実施形態では、第2の温度または第2の温度範囲は、第1の温度または第1の温度範囲より高いまたはより低い(例えば、5℃、10℃、20℃、30℃、または40℃より高いまたはより低い)ことができる。加えて、または代替として、TEC110の第2の側における温度を設定することに応じて、TEC110の第1の側は、所定の時間内、例えば、10秒以下、20秒以下、30秒以下、40秒以下、または60秒以下、または10~60秒の範囲またはそれらの間の任意の増分範囲内に所望の温度に到達するように構成されることができる。本明細書に開示されるように、TEC110の動作は、標的エリアの温度、TEC110の第1の側、またはTEC110の第2の側を検出するように構成される、1つまたはそれを上回るセンサから受信される信号に基づいてもよい。
【0039】
TEC110は、加熱モード、冷却モードに設置され、または加熱と冷却との間でサイクルし、標的エリアにおける温度を制御することができる。個々のTEC110を横断した熱流動は、その2つの側間の温度差異および/または個々のTEC110に電源(例えば、電源2592;図25)から提供される電力入力の関数であることができる。モードおよび/またはモードの動作は、所定のサイクル時間、温度センサフィードバック、および/または他のパラメータに基づいて、選択されることができる。加熱モードにあるとき、TEC110は、TEC110の第1の側を加熱することによって、熱をヒト10の標的エリアに提供することができ(例えば、可撓性支持ユニット105を介して)、これは、TEC110の第2の側を冷却させる。熱伝達構造120は、TEC110の第2の側のさらなる冷却を緩和するように制御される(例えば、オフにされる)ことができる。いくつかの実施形態では、デバイス100はさらに、コントローラを介して制御され、ヒト10の隣接する標的エリアを加熱するように構成され得る、付加的抵抗加熱器を備えることができる。
【0040】
冷却モードにあるとき、熱伝達構造120は、熱をTEC110のより高温の第2の側から除去し、それによって、TEC110の第1の側がヒト10の隣接する標的エリアを冷却することを可能にするように構成される。したがって、冷却モードでは、熱は、ヒト10の標的エリアから、半径方向外向き方向に、TEC110、次いで、熱伝達構造120に流動する。上記に記載されるように、TEC110はまた、加熱モードと冷却モードとの間でサイクルすることができ、これは、標的エリアへの血流および灌流を向上させ得る。いくつかの実施形態では、冷却および/または加熱モードのパラメータは、最大加熱または冷却温度および/または最大加熱または冷却時間量(例えば、15分、20分等)等、安全性考慮点に基づく、またはそれによって限定される。個々のTEC110に関する付加的詳細は、本明細書に提供される(例えば、図3および5参照)。
【0041】
熱伝達システム115は、閉ループ単相システムを備えることができ、熱伝達システム115を通した作業流体の流動は、TEC110から個々の熱伝達構造120に熱伝達されることによって駆動される。いくつかの実施形態では、熱伝達システムは、閉ループ二相システムを備える、または熱伝達システム115を通した作業流体の流動を駆動する、1つまたはそれを上回るポンプを含むことができる。加えて、または代替として、熱伝達システム115を通した作業流体の流動は、重力によって駆動される。例えば、重力によって駆動されると、熱交換器160は、重力が作業流体を伝達構造に循環させるために十分な力を提供し得るように、熱伝達システム115の他の部分(例えば、熱伝達構造120)の上方に物理的に位置付けられ得、そこで、作業流体の温度は、上昇し、加熱された作業流体通路140を介して、熱交換器160に戻る。加えて、または代替として、熱伝達システム115を通した作業流体の流動は、低温作業流体をチャンバの入口からチャンバの出口に向かって駆動する、熱伝達構造120のチャンバ内にチャネルを形成する、微小特徴(例えば、柱、ピン、または壁)によって誘発される、毛細管力によって駆動されることができる。加えて、または代替として、いくつかの実施形態では、熱伝達システム115は、過剰量の低温作業流体(WF)を保持し、例えば、低温作業流体(WF)の供給量が持続的に供給され得ることを確実にするように構成される、バッファ容器またはリザーバを含むことができる。バッファ容器は、特に、デバイス100がより極限温度(例えば、45℃、-20℃等)で動作するとき、有益であり得る。いくつかの実施形態では、バッファ容器および熱交換器160は、単一一体型ユニットを備えてもよい。
【0042】
熱伝達構造120はそれぞれ、チャンバ320と、チャンバ320内の基部基板または部材322と、基部部材322から突出する、微小特徴324と、微小特徴324の隣接するもの間に形成され、それによって画定される、チャネル326とを含むことができる。熱伝達構造120は、一体型構造(例えば、単一構成要素)を備え、したがって、基部部材322およびチャネル326に沿って延在する、連続的表面を含むことができる。図2に示されるように、作業流体(WFおよびWF)は、チャネル326内に位置付けられ、メニスカスを形成することができ、これは、作業流体および微小特徴324の性質、より具体的には、微小特徴324の熱および相互に対しての微小特徴324の配列(例えば、間隔)に部分的に起因する。理論によって拘束されるわけではないが、メニスカスは、隣接する微小特徴壁との界面に、TEC110から熱伝達構造120および作業流体への効率的熱伝達を向上させる、薄膜部分を形成することができる。動作時、微小特徴324の熱および/または配列は、毛細管力を作業流体に誘発し、作業流体を、チャンバ320の第1の端部における入口領域132から、チャンバ320の第2の対向端における出口領域142に移動させる。個々の微小特徴324は、5ミクロン~250ミクロンの側方寸法(D)を有することができ、5~1,000ミクロンの側方寸法(D)だけ隣接する微小特徴324から離間されることができる。
【0043】
図示される実施形態に示されるように、微小特徴324は、TEC110から離れるように基部部材322から延在する。他の実施形態では、熱伝達構造120は、低温作業流体通路130に隣接する基部部材322または基部部材322からTEC110に向かって延在する断熱部材150および微小特徴と対向配向に位置付けられることができる。そのような実施形態では、熱伝達構造120は、TEC110に隣接し、低温作業流体(WF)を含有する、リザーバを含み、微小特徴324の端部部分は、低温作業流体(WF)内に浸水される。動作時、微小特徴324は、毛細管力を低温作業流体(WF)上に誘発し、温度を増加させ、チャンバ320から加熱された作業流体通路140を通して退出する、加熱された作業流体(WF)を発生させる。
【0044】
熱伝達構造120はそれぞれ、1つまたはそれを上回るTEC110にわたって存在する。低温作業流体通路130および加熱された作業流体通路140は、熱伝達構造120のそれぞれに、より具体的には、熱伝達構造120のチャンバ320に流体的に結合される。例えば、個々の熱伝達構造120に関して、低温作業流体(WF)は、低温作業流体通路130から、熱伝達構造120のチャンバ320の入口132(例えば、入口のうちの1つ)に供給される。低温作業流体(WF)が、熱を吸収するにつれて、より高い温度における加熱された作業流体(WF)となり、熱伝達構造120のチャンバ320の出口142(例えば、いくつかの出口のうちの1つ)を通して、加熱された作業流体通路140に指向される。加熱された作業流体通路140および低温作業流体通路130はそれぞれ、熱交換器160に流体的に接続され、閉ループシステムの一部である。したがって、加熱された作業流体通路140からの加熱された作業流体(WF)は、低温作業流体(WF)より高い圧力において、熱交換器160の中に流動し、低温作業流体(WF)は、それによって、熱交換器160から低温作業流体通路130に駆動され、それを通して、持続的サイクルにおいて、熱伝達構造120のそれぞれに流動する。熱交換器160は、図2に図式的に示される。いくつかの実施形態では、熱交換器160は、低温作業流体通路130および加熱された作業流体通路140(例えば、熱伝達システムの最外要素)のそれぞれの半径方向周辺および断熱部材150から半径方向内向きに位置付けられることができる。いくつかの実施形態では、熱交換器160は、熱伝達構造120の上方に物理的に位置付けられることができ、したがって、熱交換器160から提供される低温作業流体(WF)は、付加的水頭圧力を有し、これは、有益なこととして、熱伝達構造120を通した低温作業流体(WF)のより良好な循環を提供することができる。
【0045】
図2の個々の熱伝達構造120(および低温作業流体通路130および加熱された作業流体通路140の対応するエリア)は、異なる配向を有することができる。例えば、熱伝達構造120のうちのいくつかは、重力と略平行に位置付けられ、他の熱伝達構造120は、重力に対してある角度で位置付けられ、さらに他の熱伝達構造120は、重力と略垂直に位置付けられる。故に、いくつかの実施形態では、熱伝達システム115は、これらの異なる配向にもかかわらず、動作し、および/またはデバイス100に作用する重力に実質的に鈍感であることができる。すなわち、熱伝達システム115およびその個々の要素(例えば、熱伝達構造120)は、重力に対するそれらの配向に関係なく、動作することができる。
【0046】
断熱部材150は、最外層または要素であることができ、および/または熱伝達システムの周辺にあることができ、デバイス100の他の要素を完全または部分的に包囲することができる。断熱部材150は、デバイス100から周囲環境および/または周囲環境からデバイス100への熱漏出を防止または阻止することができる。実践では、断熱部材150はまた、ユーザ(例えば、ヒト10)とデバイス100の他の要素との間の保護障壁としての役割を果たすことができ、これは、より極限温度を有することができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、断熱部材150は、付加的機能性を有し、および/または他の機能を果たすことができる。例えば、いくつかの実施形態では、断熱部材150は、調節可能圧力を伴う、圧縮空気(または他の流体)を含有し、デバイス100からヒト10の標的エリア上に印加される、接触圧を増加および/または減少させるように構成されることができる。そのような圧力を改変することは、標的エリアへおよび/またはからの血流を改変することができ、これは、腫脹および/または疼痛を治療するために有益であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス100は、ある期間(例えば、15~20分)にわたって、断熱部材150またはデバイス100の他の部材を介して印加される圧力(例えば、圧縮)において、ヒト10の標的エリアを冷却し、次いで、ある期間(例えば、5~10分)にわたって、熱冷却を休止し、印加される圧力を減少させることができる。印加される圧力を減少させることによって、標的エリアへの血流は、向上される一方、標的エリアは、冷却された状態にある。加えて、または代替として、本デバイスの印加される圧力およびその中で本デバイスが標的エリアに印加している圧縮力を調節するための能力は、デバイス100を除去および再締結する必要性を排除することができる。
【0048】
デバイス100のTEC110は、TEC110の第1の側にあって、可撓性支持ユニット105に隣接する、熱電性の第1の面312と、TEC110の第2の対向側にあって、熱伝達構造120に隣接する、熱電性の第2の面316と、第1の面312と第2の面316との間に延在する、熱電性の脚部または柱314とを含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の面316は、省略されてもよく、脚部314が、熱伝達構造120と直接接触する。図2に示されるように、TEC110と、熱伝達構造120、低温作業流体通路130、および加熱された作業流体通路140を含む、熱伝達システム115とは、ともに、1mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、15mm以下、25mm以下、または30mm以下、または1ミリメートル(mm)~30mmの範囲またはそれらの間の任意の増分範囲内の寸法(D)を有することができる。いくつかの実施形態では、TEC110および熱伝達構造120は、ともに、1mm以下、3mm以下、5mm以下、10mm以下、15mm以下、25mm以下、または30mm以下、または1mm~30mmの範囲またはそれらの間の任意の増分範囲内の寸法(D)を有することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、TEC110(例えば、第1の面312、第2の面316、および/または脚部314)は、概して、非可撓性である、剛性材料を備えることができる。そのような実施形態では、個々のTEC110の占有面積を限定し、デバイス100(または本明細書に開示される任意の他の熱伝達デバイス)の全体的可撓性を維持し、標的エリア(例えば、膝)の周囲またはその幾何学形状に共形化し得ることを確実にすることが望ましくあり得る。すなわち、TEC110の占有面積が、より小さく、その中のデバイス100の剛性部分が、より小さいとき、デバイス100は、可撓性支持ユニット105からTEC110間で十分な可撓性を有し、少なくとも、概して、標的エリアの周囲またはその幾何学形状に共形化し、ヒトとTEC110との間の熱接触を改良することができる。いくつかの実施形態では、TECは、2mm以下、3mm以下、4mm以下、5mm以下、6mm以下、7mm以下、8mm以下、または9mm以下、または2~9mmの範囲またはそれらの間の任意の増分範囲内の占有面積(例えば、可撓性支持ユニット105にわたる表面積)を有することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、個々のTEC110の第1の面312、第2の面316、および/または脚部314は、可撓性材料を備え、例えば、デバイス100がヒトによって装着されるとき、TEC110が標的エリアにより良好に共形化することを可能にすることができる。その中でTEC110が剛性材料から形成される、それらの実施形態に関して、例えば、TEC110の第1の面312(すなわち、高温側)のために可撓性材料を使用することは、デバイス100の可撓性がもはやTEC110によって限定されないため、TEC110の占有面積がより大きくなることを可能にすることができる。そうすることによって、より大きい熱TEC110が、熱伝達のためのより高い容量を可能にし、および/またはデバイス100のための製造コストを減少させることができる。
【0051】
図3Aは、本技術の実施形態による、デバイス100の一部の断面等角図である。TEC110および熱伝達構造120のみが、図3Aに示され、デバイス100の他の要素は、例証目的のために、省略される。図3Aに示されるように、熱伝達構造120は、複数の行内に配列される、連続的伸長チャネル326を形成する、連続的伸長壁によって画定される、微小特徴324を有する。チャネル326は、相互と実質的に同じであって、その長さに沿って、均一幅を有することができる。いくつかの実施形態では、チャネル326は、それらの長さに沿って変動する、幅を有することができ、例えば、それらがチャンバの入口または出口に接近するにつれて、より狭くなる。加えて、または代替として、個々のチャネルは、隣接するチャネルと異なり得る(例えば、より広いまたはより狭い)。理論によって拘束されるわけではないが、そのようなチャネル設計は、付加的な好ましい圧力勾配を液体作業流体流動上に誘発することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、微小特徴は、連続的伸長壁ではなく、むしろ、チャンバの中に延在する、他のタイプの突出部である、構造を備えることができる。例えば、熱伝達構造の一部の断面図を図示する、図3Bに示されるように、微小特徴324は、柱またはピンである。図3Bに示されるように、微小特徴324は、行および列、またはチャネル326を微小特徴326間の空間内に画定する、他の好適な配列内に配列されることができる。図3Bに示される、ピンタイプ微小特徴324は、直線断面を有するが、それらは、円形または他の断面形状(例えば、六角形、八角形等)を有することもできる。また、図3Aおよび3Bに示されるように、微小特徴324によって画定されたチャネル326内の作業流体(WF)は、入口領域132(図3A)から出口領域142(図3A)に流動し、そこで、チャンバ320から退出する。
【0053】
図4は、本技術の実施形態による、図1のデバイス100の部分概略上面図である。(図1に示されるような)デバイス100の要素の一部は、デバイス100の要素の層状配列を例証するために、図4から除去される。示されるように、デバイス100は、半径方向外向き方向に、可撓性支持ユニット105と、熱伝達構造120と、低温作業流体通路130と、加熱された作業流体通路140と、断熱部材150とを含む。例証目的のために、(図2に示されるような)熱交換器160は、図4には示されず、TEC110は、熱伝達構造120によって被覆される。可撓性支持ユニット105は、TEC110のそれぞれに熱的に結合され、それらの間に延在する。可撓性支持ユニット105は、熱スプレッダとして作用し、TEC110間の領域において、ヒト10の標的エリアへおよび/またはからの熱伝達を向上させる、熱伝導性および/または可撓性接触部材を備えることができる。加えて、または代替として、可撓性支持ユニット105は、金属、金属合金、コーティング、ポリマー、シリコーン、および/またはそれらの組み合わせを含む、伝導性材料および/または生体適合性材料を備えることができる。いくつかの実施形態では、熱伝導性部材は、接触部材の第1の側にあって、個々のTEC110と接触する、金属シートまたは材料と、熱伝導性部材の第2の対向側にあって、ヒト10と接触する、非金属シートまたは材料とを備えることができる。いくつかの実施形態では、可撓性支持ユニット105は、標的エリアの周囲に巻着されるように構成される、弾性ラップまたは材料を備える。弾性ラップは、弾性ラップを保定し、圧縮力をヒト10の標的エリアに対して付与するように構成される、締結具を用いて、ストラップ留めされることができる。図1および2に示されるように、TEC110はそれぞれ、可撓性支持ユニット105にわたって存在し、可撓性支持ユニット105は、ヒト10の周囲にある。いくつかの実施形態では、可撓性支持ユニット105は、TEC110の個々のものの間にのみ延在し、TEC110は、直接、ヒト10にわたって存在する(例えば、ヒト10と直接接触する)。いくつかの実施形態では、可撓性支持ユニット105は、完全に省略されることができ、TEC110は、ヒト10にわたって存在する、または直接わたって存在する。
【0054】
デバイス100は、1つまたはそれを上回るセンサ180a-f(集合的に、「センサ180」と称される)を含むことができ、これは、図4に図式的に図示される。示されるように、デバイス100は、断熱部材150上にあって、その所望のパラメータ(例えば、温度、圧力等)を測定するように構成される、第1のセンサ180aと、加熱された作業流体通路140上にあって、その所望のパラメータを測定するように構成される、第2のセンサ180bと、低温作業流体通路130上にあって、その所望のパラメータを測定するように構成される、第3のセンサ180cと、可撓性支持ユニット105上にあって、その所望のパラメータを測定するように構成される、第4のセンサ180dと、熱伝達構造120上にあって、その所望のパラメータを測定するように構成される、第5のセンサ180eと、ヒト10上にあって、その所望のパラメータを測定するように構成される、第6のセンサ180fとを含むことができる。他のセンサもまた、デバイス100の最終使用に応じて、含まれてもよい。例えば、1つまたはそれを上回る他のセンサは、TEC110上にあって、その所望のパラメータを測定するように構成され、例えば、その個々の性能または異常動作を測定することができる。センサ180はそれぞれ、コントローラと通信し、コントローラを介して、デバイス100の安全性(例えば、過冷却および/または高圧ゾーンを防止する)、有効性、および動作を立証および/または改良するために使用されることができる。
【0055】
図4の図示される実施形態に示されるように、デバイス100は、8つの別個のTEC110を含む。他の実施形態では、TEC110の実際の数は、デバイス100の特定の最終使用およびデバイス100から必要とされる加熱/冷却容量要件に応じて、より多いまたはより少なくてもよい(例えば、2、3、5、10、20、30、またはそれを上回る)。さらに、TEC110の形状およびサイズは、本デバイスの異なる領域間で変動し得る。加えて、または代替として、TEC110は、図4に示されるものと異なるように配列されてもよい。例えば、図1に示されるように、標的エリアの周囲の(例えば、ヒト10の円周の周囲の)個々のTEC110に加え、個々のTEC110は、相互の上部の上にスタックされ、TEC110のその特定のスタックの加熱および/または冷却能力を増加させてもよい。そのような実施形態では、第1のTEC110の上部の上にスタックされた第2のTEC110は、第1のTEC110と接触する、片側と、熱伝達構造120と接触する、別の対向側とを有することができる。TEC110のスタックされた配列は、特に、ヒト10の標的エリアにおいて、より極限温度(例えば、0℃、-10℃、または-20℃未満)が、所望されるとき、有益であり得る。
【0056】
図5Aは、装着可能熱伝達デバイス(例えば、デバイス100;図1A)の単相熱伝達システム515の部分概略上面図であって、図5Bは、図5Aの熱伝達システム515の部分概略断面側面図である。前述の熱伝達システムまたはその一部(例えば、図3A-3B参照)と同様に、熱伝達システム515は、TEC110にわたって存在し、熱をそこから除去するように構成される。図5Aおよび5Bをともに参照すると、熱伝達システム515は、1つまたはそれを上回るTEC110にわたって、基部部材または基板522を含むことができる。基板522は、少なくとも部分的に、流体分配ネットワークのチャネル526またはマニホールド525を画定する、微小特徴524(例えば、基板の暴露された表面積を増加させるように構成される、ピンまたは他の構造)を含むことができる。微小特徴524およびチャネル526は、本明細書に説明される、個別の微小特徴322およびチャネル324の特徴および/または機能性を含むことができる。チャネル524は、低温作業流体(WF)を受容し、基板522および/または微小特徴522からの熱を吸収するように構成される。低温作業流体(WF)は、第1の温度で、その中間または中心領域に位置付けられる、入口528において、個々の流体分配ネットワーク525に提供され、第1の温度より高い第2の温度で、加熱された作業流体(WF)として、流体分配ネットワーク525の対向側上の周辺領域における出口530a-b(集合的に、「出口530」と称される)において、流体分配ネットワークから退出することができる。作業流体を中間領域において提供することによって、流体分配ネットワーク525は、作業流体を第1の側上で供給し、加熱された作業流体を第2の対向側から除去した、流体分配ネットワークに対して、より均一な冷却を提供することができる。図5Aおよび5Bに示されるように、流体分配ネットワーク525は、流体分配ネットワーク525の各側上に、1つの入口および1つの出口530a、530bのみを含む。他の実施形態では、流体分配ネットワーク525は、複数の入口、複数の出口、または複数の入口および出口を含むことができる。
【0057】
代替実施形態では、熱伝達システム515は、対向配列において機能してもよく、その場合、チャネル524は、加熱された作業流体(WF)を受容し、熱を基板522および/または微小特徴522に提供するように構成される。加熱された作業流体(WF)は、第1の温度で、その中間または中心領域に位置付けられる、入口528において、個々の流体分配ネットワーク525に提供され、第1の温度より低い第2の温度で、冷却された作業流体(WF)として、出口530において、流体分配ネットワークから退出することができる。
【0058】
熱伝達システム515はさらに、(i)加熱された作業流体(WF)を、例えば、第1の温度に冷却する、熱交換器560と、(ii)作業流体を熱伝達システム515全体を通して循環させるように構成される、1つまたはそれを上回るポンプ565とを含むことができる。熱交換器560は、本明細書に説明される熱交換器160と同じである、特徴および機能性を含むことができる。
【0059】
図6は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイス(例えば、熱伝達デバイス100;図1-4)の熱伝達システム615の部分概略上面図である。熱伝達システム615は、熱伝達システム115に対応し、熱伝達システム115と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。図6に示されるように、熱伝達システム615は、上流端において、熱交換器160に流体的に結合され、下流端において、熱伝達構造120(個々に、熱伝達構造120a、120b、および120cとして示される)のそれぞれの入口部分に流体的に結合される、低温作業流体通路130を含むことができ、上流端において、熱伝達構造120のそれぞれの出口部分に流体的に結合され、下流端において、熱交換器160に流体的に結合される、加熱された作業流体通路140を含むことができる。低温作業流体通路130は、低温作業流体(WF)を熱伝達構造120に提供するように構成され、加熱された作業流体通路140は、加熱された作業流体(WF)を熱伝達構造120から受容するように構成される。上記に記載されるように、熱伝達構造120はそれぞれ、TEC110の対応するもの(個々に、TEC110a、110b、および110cとして示される)に熱的に結合され、そこから熱を除去するように構成される。
【0060】
また、図6に示されるように、低温作業流体通路130は、少なくとも、第1の入口領域632aにおいて、第1の熱伝達構造120aに、第1の入口領域632aの下流の第2の入口領域632bにおいて、第2の熱伝達構造120bに流体的に結合される。低温作業流体通路130はさらに、第2の入口領域632bの下流の第3の入口領域632cにおいて、第3の熱伝達構造120cに流体的に結合されてもよい。加熱された作業流体通路140は、少なくとも、第1の出口領域642aにおいて、第1の熱伝達構造120aに、第1の出口領域642aの下流の第2の出口領域642bにおいて、第2の熱伝達構造120bに流体的に結合される。加熱された作業流体通路140はさらに、第2の出口領域642bの下流の第3の出口領域642cにおいて、第3の熱伝達構造120cに流体的に結合されてもよい。熱伝達システム615は、それぞれ、第3の熱伝達構造120cの下流の低温作業流体通路130および加熱された作業流体通路140に流体的に結合される、関連付けられる入口および出口領域632、642を伴う、付加的熱伝達構造120を含んでもよい。低温作業流体通路130は、熱交換器160から第3の(または最も下流の)熱伝達構造120cの第3の(または最も下流の)入口領域632cまで延在し、加熱された作業流体通路140は、第1の熱伝達構造120aの第1の出口領域642aから熱交換器160まで延在する。
【0061】
動作時、低温作業流体通路130は、低温作業流体(WF)を熱交換器160から、低温作業流体通路130に流体的に結合される、全ての熱伝達構造120(例えば、図示されるように、熱伝達構造120a-c)に提供し、加熱された作業流体通路140は、加熱された作業流体(WF)を熱交換器160に、加熱された作業流体通路140に流体的に結合される、全ての熱伝達構造120(例えば、図示されるように、熱伝達構造120a-c)から戻す。図6に示されるように、熱伝達システム615は、ハイブリッド直列-並列システムとして動作する。低温作業流体通路130は、低温作業流体(WF)を熱交換器160から受容し、低温作業流体(WF)を、(i)第1の入口温度および圧力において、第1の入口領域632aに、(ii)第2の入口温度および圧力において、第2の入口領域632bに、および(iii)第3の入口温度および圧力において、第3の入口領域632cに送達する。低温作業流体(WF)の第1、第2、および第3の入口温度は、同一または略同一であって(例えば、1、5%、または10%以内)、第1の入口圧力は、第2の入口圧力を上回り、第2の入口圧力は、第3の入口圧力を上回る。
【0062】
加熱された作業流体通路140は、加熱された作業流体(WF)を、(i)第1の出口温度および圧力において、第1の出口領域642aから、(ii)第2の出口温度および圧力において、第2の出口領域642bから、および(iii)第3の出口温度および圧力において、第3の出口領域642cから受容する。第1の出口圧力は、第2の出口圧力を上回り、第2の出口圧力は、第3の出口圧力を上回る。加えて、第1の入口および出口領域632a、642a間の圧力差は、第2の入口および出口領域632b、642b間の圧力差および第3の入口および出口領域632c、642c間の圧力差と同一または実質的に同一である。本等しい圧力差は、作業流体の等しいまたは実質的に等しい流量を第1、第2、および第3の熱伝達構造120a-cを通して通過させる。付加的熱伝達構造120が、熱伝達システム615内に含まれる場合、(i)それらの入口領域はまた、(a)先行する入口領域632a-cと同一温度において、低温作業流体(WF)を熱交換器160から受容し、(b)先行する入口領域632a-cより低い入口圧力を有し、(ii)それらの出口領域はまた、(a)先行する出口領域634a-cより低い出口圧力を有し、(b)熱伝達構造120a-cと同一の入口圧力と出口圧力との間の圧力差を有する。いくつかの実施形態では、個々の熱伝達構造120a-cに関する入口圧力と出口圧力との間の圧力差は、1.0バールまたは0.5バール未満、または0~1バールまたは0~0.5バールの範囲内であることができる。
【0063】
図6を参照して説明される、本技術の実施形態は、熱伝達構造に並列または直列に接続される、冷却システムを使用する、他の従来の熱伝達デバイスに優る複数の利点を有する。例えば、図示および説明される閉ループシステムは、本技術の実施形態が、標的エリアを横断して均一温度において冷却することによる熱治療およびより全体的効率的システム動作を提供することを可能にする。本明細書に説明されるように、これは、各熱伝達構造に提供される作業流体が、同一または略同一温度を有し、熱伝達構造を横断した圧力降下が、同一または略同一であるように、熱伝達構造が、低温作業流体通路130および高温作業流体通路140に対して配列されるため、達成される。そうすることによって、個々の熱伝達構造を横断した作業流体の流量は、相互に同一または類似する。結果として、熱伝達デバイスのTECは、入射供給源ヘッダに対する場所にかかわらず、効果的に熱的に治療されることができる。
【0064】
図6に示される実施形態と対照的に、直列配列を利用する、熱伝達デバイスに関して、熱伝達システムの下流熱伝達構造は、上流熱伝達構造から吸収される熱に起因して、より高い温度における、作業流体を受容する。すなわち、作業流体が、熱伝達構造を通して、連続して通過されるにつれて、各下流熱伝達構造は、先行する構造より温かい作業流体を受容する。結果として、下流熱伝達構造は、熱を対応するTECから除去する際、上流熱伝達構造ほど効果的ではない。並列配列を利用する、熱伝達デバイスに関して、作業流体によって被られる、熱伝達構造を横断した圧力降下は、個々の熱伝達構造への作業流体供給源ヘッダが熱伝達構造間の中心に位置する場合のみ、等しい。例えば、作業流体供給源ヘッダが、別の熱伝達構造より1つの熱伝達構造により近い場合、作業流体は、最も少ない抵抗の経路を好み、より遠い熱伝達構造は、殆ど作業流体を受容しないであろう。加えて、より少ない熱が、対応するTECから吸収されるであろう。ヒトによって装着される、したがって、身体部分または標的エリアの周囲に巻着されるように構成される、熱伝達デバイスに関して、供給源ヘッダを中心に位置させるための能力は、困難であり得、いくつかの事例では、実践的ではない。
【0065】
図7は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイス700(「デバイス700」)の部分概略底面図である。熱伝達デバイス700は、デバイス100に対応し、デバイス100と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。デバイス700は、可撓性支持ユニット705と、可撓性支持ユニット705の上部表面にわたる、モジュール710(破線を介して示される)と、熱伝導性部材770とを含むことができる。モジュール710は、前述のTEC110および/または熱伝達構造120を含むことができる。熱伝導性部材770は、可撓性支持ユニット705内に埋設される(例えば、その中に織り込まれる、または縫着される)、またはそこに結合されることができ、可撓性支持ユニット705の寸法の全てまたは一部を横断して、側方に延在することができる。いくつかの実施形態では、図7に示されるように、熱伝導性部材770は、モジュール710の行にわたって延在し、および/または概して、それと整合されることができる。いくつかの実施形態では、熱伝導性部材770は、モジュール710のある行または群間またはある個々のモジュール710間に延在することができる。隣接する熱伝導性部材770は、寸法(D)だけ相互から離間されることができ、これは、少なくとも、0mm、2mm、4mm、6、mm、8mm、または10mm、または0~10mmの範囲、またはそれらの間の任意の増分範囲内であることができる。図7に示されるように、2つの熱伝導性部材770が、モジュール710の行毎に、相互に隣接して含まれる。いくつかの実施形態では、より多い(例えば、3つ、5つ等)またはより少ない熱伝導性部材770が、含まれてもよい。熱伝導性部材770は、伝導性であって、可撓性支持ユニット705のものより高い剛性を有する、金属材料(例えば、銅、真鍮、鋼鉄、亜鉛、またはそれらの合金)または他の合成材料を備える、またはそれから成ることができる。
【0066】
図7に示されるように、熱伝導性部材770は、それらがデバイス700を横断して延在するにつれて、蛇行形状(例えば、波状、発振等)を有することができる。ワイヤは、敷設されたワイヤ、または蛇行形状に形成され、蛇行形状に打ち抜かれる、金属、または熱伝導性部材770がデバイス700とともに組み込まれる前に、所望のパターンを達成し得る、任意の他の好適な製造プロセスを使用して、製造されることができる。いくつかの実施形態では、熱伝導性部材770は、半径方向において、可撓性支持ユニット705の底部または上部表面に接着されることができる。熱伝導性部材770の全ての説明される実装では、熱伝導性部材770は、モジュール710(例えば、TEC)からの熱効果が可撓性支持ユニット705の寸法を横断してより均一になるように、可撓性支持ユニット705、モジュール710、またはモジュール710の群を横断して、熱を分散させる。加えて、または代替として、熱伝導性部材770は、デバイス700および/または可撓性支持ユニット705の強度および弾性を改良し得る。
【0067】
熱伝導性部材によって提供される強度および弾性の改良はさらに、図8Aおよび8Bに図示され、これは、熱伝達デバイス800(「デバイス800」)の部分概略底面図である。熱伝達デバイス800は、デバイス100に対応し、デバイス100と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。図8Aおよび8Bを参照すると、デバイス800は、1つまたはそれを上回る寸法に沿って拡張可能(例えば、弾性、伸展可能等)である、可撓性支持ユニット805を含み、可撓性支持ユニット805の寸法の全てまたは一部に沿って延在する、熱伝導性部材870を含む。熱伝導性部材870は、熱伝導性部材770に対応し、熱伝導性部材770と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。図8Aでは、可撓性支持ユニット805は、非拡張状態(例えば、弛緩状態)にあって、図8Bでは、可撓性支持ユニット805は、拡張状態(例えば、張力付与状態)にある。
【0068】
熱伝導性部材870は、可撓性支持ユニット805より高い剛性を伴う材料を可撓性支持ユニット805の中に導入することによって、強度を、可撓性支持ユニット805、またはより一般的には、デバイス800に提供することができる。図8Aに示される、デバイス800の非拡張された状態では、熱伝導性部材870は、弛緩され、熱を分散させ、構造を可撓性支持ユニット805およびデバイス800に提供する。加えて、または代替として、熱伝導性部材870は、可撓性支持ユニット805内でばねとして作用することによって、弾性を提供することができる。熱伝導性部材870および可撓性支持ユニット805が、熱伝導性部材870の寸法に沿って拡張されると、デバイス800は、図8Bに示される、拡張状態に入り(熱伝導性部材870の増加された波長によって図示されるように)、熱伝導性部材870は、継続された熱分配および構造を可撓性支持ユニット805に提供することに加え、ばね力を発生させ、デバイス800を非拡張状態に向かって付勢する。
【0069】
図9は、前述の図7-8Bに図示されるように、熱消散、強度、および弾性に対する改良を提供するための代替アプローチを図示する。図9は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイス900(「デバイス900」)の部分概略底面図である。熱伝達デバイス900は、デバイス100に対応し、デバイス100と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。デバイス900は、可撓性支持ユニット905と、可撓性支持ユニット905の上部表面にわたる、モジュール910(単一モジュールは、破線を使用して示される)と、第1の熱伝導性部材970と、第2の熱伝導性部材972とを含むことができる。モジュール910は、前述のTEC110および/または熱伝達構造120を含むことができる。可撓性支持ユニット905は、少なくとも第1および第2の寸法に沿って、拡張可能(例えば、伸展可能)であって、それぞれ、可撓性支持ユニット905の少なくとも第1および第2の寸法に沿って延在し得る、第1および第2の熱伝導性部材970、972を含むことができる。
【0070】
第1および第2の熱伝導性部材970、972は、その両方とも、または個々に、熱伝導性部材770に対応し得る。特に、第1および第2の熱伝導性部材970、972は、同様に、(i)可撓性支持ユニット905内に埋設される、またはそれに結合され、(ii)可撓性支持ユニット905の寸法の全てまたは一部を横断して延在し、(iii)モジュール910の行にわたって延在し、および/または概して、それと整合され、および/または(iv)モジュール910のある個々のもの、行、または群間に延在してもよい。第1および第2の熱伝導性部材970、972は、その両方とも、または個々に、同様に、伝導性であって、可撓性支持ユニット905のものより高い剛性を有する、金属材料(例えば、銅、真鍮、鋼鉄、亜鉛、またはそれらの合金)または他の合成材料を備える、またはそれから成ってもよい。第1および第2の熱伝導性部材970、972は、その両方とも、または個々に、同様に、それらがデバイス900を横断して延在するにつれて、波状または発振形状を有し、敷設される、波状形状に形成される、または打ち抜かれる、金属であってもよい。第1および第2の熱伝導性部材970、972は、その両方とも、または個々に、同様に、半径方向に、可撓性支持ユニット905の底部または上部表面に接着されてもよい。第1および第2の熱伝導性部材970、972は、その両方とも、または個々に、同様に、モジュール910(例えば、TEC)からの熱効果がデバイス900の1つまたはそれを上回る寸法を横断してより均一であるように、可撓性支持ユニット905、モジュール910、またはモジュール910の群を横断して、熱を分散させてもよい。
【0071】
図9に示されるように、4つの個別の第1および第2の熱伝導性部材970、972が、モジュール910を横断して延在する。いくつかの実施形態では、より多い(例えば、5つ、6つの等)またはより少ない第1および/または第2の熱伝導性部材970、972が、含まれてもよい。第1および第2の熱伝導性部材970、972は、可撓性支持ユニット905内に位置付けられ、相互に対して実質的に直角に交差することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の熱伝導性部材970、972は、実質的に鋭角に交差してもよい。いくつかの実施形態では、デバイス900は、第1および第2の熱伝導性部材970、972と交差する、付加的熱伝導性部材を含んでもよい。これらのさらなる実施形態では、含まれる熱伝導性部材は、あらゆる他の含まれる熱伝導性部材と実質的に60°角度において、含まれる熱伝導性部材のいくつかと実質的に90°角度において、および他のものと実質的に45°において、または交点角度の任意の他の組み合わせにおいて、交差することができる。
【0072】
第1および第2の熱伝導性部材970、972は、可撓性支持ユニット905より高い剛性を伴う材料を可撓性支持ユニット905の中に導入することによって、可撓性支持ユニット905、またはより一般的には、デバイス900の強度を改良し得る。加えて、または代替として、第1および第2の熱伝導性部材970、972は、可撓性支持ユニット905の少なくとも第1および第2の寸法の全てまたは一部に沿って、デバイス900の弾性を改良し得る。例えば、図8に同様に図示されるように、第1の熱伝導性部材970および可撓性支持ユニット905が、拡張されると、第1の熱伝導性部材970は、第1の熱伝導性部材970と対応する、第1の可撓性支持ユニット905の寸法に沿って、デバイス900を付勢し、拡張状態から非拡張状態に戻すことができる。同様に、第2の熱伝導性部材972および可撓性支持ユニット905が、拡張されると、第2の熱伝導性部材972は、第2の熱伝導性部材972と対応する、可撓性支持ユニット905の第2の寸法に沿って、デバイス900を付勢し、拡張状態から非拡張状態に戻すことができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、熱伝導性部材770、870、970は、可撓性支持ユニット(例えば、可撓性支持ユニット105、705、805、905)内および/または上に分散される、高伝導性材料(例えば、シート)または高伝導性粒子の連続的構造であってもよい。図10は、本技術の実施形態による、高伝導性材料のシートとして図示される、熱伝導性部材1070を伴う、熱伝達デバイス1000(「デバイス1000」)の概略分解等角図である。熱伝達デバイス1000は、デバイス100に対応し、デバイス100と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。図10では、デバイス1000の層は、部分的に暴露され、可撓性支持ユニット1005と、熱伝導性部材1070と、モジュール1010(破線を介して示される)と、モジュール1060の群と、低温作業流体通路130と、加熱された作業流体通路140と、断熱部材150とを示す。モジュール1010は、前述のTEC110および/または熱伝達構造120を含むことができる。図10に示されるように、熱伝導性部材1070は、モジュール群1060の複数のモジュール1010を横断して延在する、高伝導性材料のシートである。熱伝導性部材1070は、半径方向に、可撓性支持ユニット1005の上部に接着される、または代替として、可撓性支持ユニット1005との組み合わせ前に、モジュール1010に接着される。熱伝導性部材1070は、代替として、半径方向に、可撓性支持ユニット1005の底部に接着されてもよい。熱伝導性部材1070は、モジュール1010と可撓性支持ユニット1005との間の全ての方向に延在する、均一シートであってもよい。加えて、または代替として、熱伝導性部材1070(例えば、エリア重複モジュール1010)のエリアは、厚さにおいて変動する、またはあるモジュール1010間の熱伝導性を回避または低減させるために、または他の機能的目的のために、カットアウトを有することができる。
【0074】
図11は、本技術の実施形態による、熱伝導性部材1170を伴う、熱伝達デバイス1100(「デバイス1100」)の概略分解等角図である。熱伝達デバイス1100は、デバイス100に対応し、デバイス100と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。図11では、デバイス1100の層は、部分的に暴露され、可撓性支持ユニット1105と、熱伝導性部材1170と、モジュール1110(破線を介して示される)と、モジュール1160の群と、低温作業流体通路130と、加熱された作業流体通路140と、断熱部材150とを示す。モジュール1110は、前述のTEC110および/または熱伝達構造120を含むことができる。図11に示されるように、熱伝導性部材1170は、可撓性支持ユニット1105内に散在される、高伝導性粒子である。いくつかの実施形態では、熱伝導性部材1170は、噴霧される、または別様に、半径方向に、可撓性支持ユニット1105の上部または底部表面に接着されてもよい。熱伝導性部材1170は、伝導性であって、可撓性支持ユニット1105のものより高い剛性を有し得る、金属材料(例えば、銅、真鍮、鋼鉄、亜鉛、またはそれらの合金)または他の合成材料を備える、またはそれから成ることができる。図10または11の例証のいずれかでは、高伝導性部材1070、1170は、熱を、可撓性支持ユニット1005、1105の寸法を横断して、またはモジュール1010、1110またはモジュール1060、1160の群間に分散させ、可撓性支持ユニット1005、1105の強度および/または弾性を改良することができる。
【0075】
図12-14は、モジュール(例えば、モジュール110、710、810、910、1010、1110)の配列、数、および形状の代替実施形態を示す。以下の説明の例証目的のために、モジュールの輪郭のみが、図12-14に示される。図12-14を参照して図示および説明される、モジュールは、対応するデバイスのより効果的熱治療を可能にすることができる。例えば、個々のモジュールの形状またはモジュールの群の配列は、治療されるべきヒトの標的エリアに基づいて決定されることができる。例えば、個々のモジュールまたは複数のモジュールの群は、個々のモジュールまたは複数のモジュールの群の形状が標的エリアの形状に類似するように、利用されてもよい。
【0076】
図12は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイス1200内のグループ化された長方形モジュール1210の配列の概略上面図である。熱伝達デバイス1200は、デバイス100に対応し、デバイス100と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。モジュール1210は、前述のTEC110および/または熱伝達構造120を含むことができる。図12に示されるように、2つのモジュール1210は、平行長方形であって、第1の方向(D12)に、相互から離間される。モジュール1210は、(i)高さおよび幅が等しい、(ii)高さまたは幅のみが等しい、または(iii)高さおよび幅を変動させることができる。モジュール1210は、図12に示されるように、離間され、中心に整合されてもよい、またはモジュール1210は、離間および不整列され、段付配列または縦続配列を生成してもよい。さらに、モジュール1210は、平行に配列されなくてもよく、代わりに、モジュール1210は、傾いて、例えば、それらの間に鋭角を伴って、配列されてもよい。
【0077】
図13は、モジュール配列(例えば、モジュール110、710、810、910、1010、1110、1210)の付加的例証を提供する。図13は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイス1300内のグループ化された円形モジュール1310の配列の概略上面図である。熱伝達デバイス1300は、デバイス100に対応し、デバイス100と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。モジュール1310は、前述のTEC110および/または熱伝達構造120を含むことができる。図13に示されるように、熱伝達デバイス1300のモジュール1310は、円形形状であって、正方形構成内に大まかに配列され、個々のモジュール130は、第1の距離(D13-1)および第2の距離(D13-2)だけ、近傍モジュール130から離間される。より少ないモジュール1310が、行、列、または他の構成(例えば、三角形)内に大まかに配列されてもよい、またはより多いモジュール1310が、他の多角形に従って、配列されてもよい。モジュール1310は、直径が等しくてもよい、または直径が変動してもよい。図12および13のモジュール1210、1310は、いくつかの実施形態では、例えば、3つまたはそれを上回る辺を伴う多角形、長円形、または具体的熱伝達デバイス1200、1300用途のための他のカスタマイズされた形状を含む、正方形または円形以外の形状を有してもよい。
【0078】
異なる形状、サイズ、間隔、および配列を有する、異なるモジュールの群(例えば、モジュール110、710、810、910、1010、1110、1210、1310)が、異なる熱伝達デバイス用途のために組み合わせられてもよい。図14は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイス1400(「デバイス1400」)内のモジュール群1460、1462、1464の配列の概略上面図である。熱伝達デバイス1400は、デバイス100に対応し、デバイス100と関連して前述の要素のいくつか、類似するもの、または全てを含むことができる。図示されるデバイス1400は、正方形モジュール群1460と、長方形モジュール群1462と、円形モジュール群1464とを有する(集合的に、破線によって識別される、「群1460-1464」)。群1460-1464内のモジュールは、前述のTEC110および/または熱伝達構造120を含むことができる。群1460-1464は、3つの均一に離間された(D14-1)列内に配列されることができる。正方形群1460は、第1および第3の列内に位置し、デバイス1400の両側を挟むことができる。長方形群1462は、第2の列内の円形群1464の上方および下方に均一に離間されることができる(D14-2)。デバイス1400は、デバイス1400の上方、下方、または側方に、図14の関連する個々の群1460-1464と同様に配向される(例えば、横並垂直長方形)、付加的な個々の群1460-1464を含んでもよい。いくつかの実施形態では、付加的な個々の群1460-1464は、図14の配向から回転されてもよい(例えば、一方が他方の上方にスタックされる、水平長方形)。デバイス1400は、代わりに、デバイス1400の上方、下方、または側方に、図14に配向される、またはそこから回転されるように、群1460-1464の付加的セットを含んでもよい。各群1460-1464は、個々に、図6の熱伝達システム615を実装し、各群1460-1464のTECに接続してもよい。本構造では、各群1460-1464は、個々に、異なる加熱または冷却療法またはそのレートをヒト10の近接する標的エリアにもたらすように制御されてもよい。
【0079】
上記に記載されるように、本明細書に説明されるモジュール(例えば、モジュール110、710、810、910、1010、1110、1210、1310、または群1460-1464内のモジュール)は、加熱モードと冷却モードとの間でサイクルすることができる。本明細書に説明されるモジュールが、異なる形状および配列を伴う、デバイス1400内に実装されると、および/またはデバイス1400が、可撓性支持ユニット105に類似する、可撓性支持ユニットを含むとき、デバイス1400は、少なくとも、ヒト10の輪郭に実質的に共形化することができる(図1および2)。デバイス1400が、ヒト10とより良好に接触すると、ヒト10からデバイス1400へおよびそこからの熱伝達は、より効果的であって、熱療法をヒト10上の標的エリアにより効果的に実施し、疼痛、腫脹、過加熱、減少された血液灌流、減少された神経接続、および/または脳卒中等の条件を治療する一方、表皮および/または真皮組織への損傷を緩和し得る。
III.治療の装着可能熱伝達デバイスエリア
【0080】
本明細書に開示される装着可能熱伝達デバイスは、頭部、頸部、胸部、肩部、背中上側、背中下側、上腕、下腕、手首、腰部、上腿、下腿、足部、手等を含む、異なる標的エリアおよび/または身体部分のために設計されることができる。本デバイスは、締結具、接着剤、ストラップ、テープ(例えば、Velcro(登録商標))、ベルト、または他の手段を利用して、標的エリア上に設置されることができる。標的エリアのうちのいくつかは、図15A-24に図示され、これは、ヒト10によって装着されている、熱伝達デバイスの種々の部分概略図である。図15A-24に示される、デバイスは、本明細書に説明されるデバイス100のいずれかに対応し得、したがって、それぞれ、本明細書に説明される要素(例えば、可撓性支持ユニット、TEC、低温作業流体通路、加熱された作業流体通路等)のいくつかまたは全てを含むことができる。これらの図を参照すると、デバイス1500は、ヒト10の膝領域の周囲にあって、デバイス1600は、ヒト10の肩部領域にわたって存在し、デバイス1700は、ヒト10の足首および/または脚部下側領域の周囲にあり、デバイス1800は、ヒト10の頭部および頸部領域の周囲にあって、デバイス1900は、ヒト10の頭部、頸部、および顔(例えば、鼻用)領域の周囲にあって、デバイス2000は、ヒト10の頸部領域の周囲にあって、デバイス2100は、ヒト10の手首および/または腕下側領域の周囲にあって、デバイス2200は、ヒト10の肘領域の周囲にあって、デバイス2300は、ヒト10の下半身および上半身領域の周囲にあって、デバイス2400は、ヒト10の下半身、上半身、および頭部領域の周囲にある。
【0081】
図15B-15Dは、熱伝達デバイス1500およびサブシステムまたは他のデバイス要素を含む、熱伝達システム1790の部分概略図である。デバイス1500に加え、図15B-15Dを参照して説明される、システムは、本明細書に開示されるデバイス(例えば、デバイス100、700、800、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400)のいずれかに適用される、またはそれとともに組み込まれることができる。サブシステムおよび/またはデバイス要素は、ヒト10に固着される(例えば、腰部領域において)、パッケージ1550の中に統合されることができる。デバイス1500は、熱交換器1560と、1つまたはそれを上回るポンプ1562とを含むことができ、その両方とも、パッケージ1550内に格納されることができる。熱交換器1560は、液体-空気熱交換器(例えば、熱交換器560)を含むことができる。熱交換器1560をデバイス1500の上方に物理的に格納することは、有利なこととして、付加的水頭圧力をデバイス1500に供給される作業流体に提供し、デバイス1500の流体分配ネットワークへの作業流体の適正な流動を確実にすることに役立つことができる。1つまたはそれを上回るポンプ1562は、熱交換器1560およびデバイス1500の熱伝達システムに流体的に結合されることができ、熱伝達システム全体を通した作業流体の適正な流動を確実にすることができる。
【0082】
熱伝達システム1590はさらに、デバイス1500に動作可能に結合され、電力をTEC110(図15C)に提供するように構成される、電源1592を含むことができる。電源1592は、TEC110が、加熱および/または冷却目的のために、特定の温度に設定されることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、電源1592は、ポータブルエネルギー貯蔵デバイス(例えば、バッテリ)を含むことができる。
【0083】
熱伝達システム1590はさらに、デバイス1500、電源1592、および他のサブシステムに動作可能に結合される、コントローラおよび/または電子構成要素1594を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラおよび/または電子構成要素1594は、コントローラ1594が(例えば、モバイルデバイスおよび/または遠隔ネットワーク上の)遠隔ユーザインターフェースおよび/またはデバイス1500と通信する(例えば、無線で通信する)ことを可能にする、送信機および/または受信機を含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラ1594は、デバイス1500を複数の動作モード(例えば、冷却モード、加熱モード、または両方)で動作させ、および/またはデバイス1500が動作するように構成される、プロセス値(例えば、設定温度)を提供するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ1594は、TEC(例えば、TECの第1または第2の側)が設定点温度で動作するように構成されるように、40℃~-20℃の範囲内(例えば、35℃、20℃、0℃、-10℃等)の設定点温度をデバイス1500に提供することができる。加えて、または代替として、コントローラ1594は、デバイス1500上のセンサ(例えば、センサ180a-f;図2)からの入力を受信し、受信された入力に基づいて、本デバイスを制御するように構成されることができる。例えば、コントローラ1594は、動作しているデバイスの任意の異常を決定し、自動的に、異常のインジケーションを発生させ、および/または本デバイスの動作パラメータを調節することができる。加えて、または代替として、コントローラ1594は、人工知能および/または機械学習を利用して、例えば、同一ユーザまたはユーザの群のために使用された以前の治療に基づいて、電力および/または他の制御パラメータを調節してもよい。
【0084】
いくつかの実施形態では、熱伝達システム1590は、パッケージ1550からデバイス500まで延在する、導管1580を含むことができる。導管1580は、(i)例えば、熱交換器1560および/または1つまたはそれを上回るポンプ1562からデバイス1500の流体分配ネットワークまで延在し、そこに流体的に結合する、流体搬送ライン、(ii)例えば、電源1592からTECまで延在し、それに動作可能に結合する、電力ライン、および/または(iii)例えば、コントローラからデバイス1500上のセンサまで延在し、それに動作可能に結合する、他のワイヤを含むことができる。いくつかの実施形態では、導管1580は、例えば、図10Dを参照して図示および説明されるように、省略される。加えて、または代替として、いくつかの実施形態では、導管1580。
【0085】
図15Cは、図15Bを参照して図示および説明される、システム1590の別の図を図示するが、例証目的のために、デバイス1500の外側カバーを省略する。したがって、他の図を参照して前述のTEC110、可撓性支持ユニット105、および熱伝達システム115が、図式的に示される。
【0086】
図15Dは、別のシステム1598を図示し、これは、概して、図15Bおよび15Cを参照して図示および説明される、システム1590に類似するが、パッケージ1550およびその構成要素(例えば、熱交換器1560、ポンプ1562、電源1592、および/またはコントローラ1594)は、デバイス1500内に、例えば、TECまたはデバイス構成要素の大部分の上方に物理的に埋設される。
【0087】
個別の図15Cおよび15Dを参照して説明される、システム1590、1598は、単一デバイスに動作可能に結合されるように示される。いくつかの実施形態では、システム1590またはシステム1598は、例えば、ヒト10の異なる標的エリア上またはその周囲において、複数のデバイスに動作可能に結合されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、システム1590(またはシステム1598)は、膝領域の周囲において、第1のデバイスに、肩部領域にわたって、第2のデバイスに動作可能に結合されることができる。そのような実施形態では、システム1590(またはシステム1598)は、個々に、第2のデバイス(およびその上の個々のTEC110)から独立して第1のデバイスを、またはその逆に、制御することができる。
【0088】
図15A-19に示される、デバイスはそれぞれ、他の条件の中でもとりわけ、疼痛、腫脹、過加熱(例えば、癌患者のため)、減少された血液灌流、減少された神経接続、および/または脳卒中等の標的エリアにおいて被られる、いくつかの下層条件を治療するために使用されることができる。さらに、図15A-19に示される、デバイスはそれぞれ、治療の特定のエリアに基づいて、設計されることができる。すなわち、本デバイスを標的エリアの幾何学形状に共形化するように設計することに加え、図15A-19に示されるように、他の特性(例えば、厚さ、可撓性、TECの密度、標的エリアに印加される圧縮力等)が、標的エリアに基づいて、設計の中に組み込まれてもよい。例えば、ヒト10の膝領域の周囲のデバイス1500は、最も屈曲を被ることが予期される、デバイス1500の膝関節エリアにおいて、増加された可撓性を有するように設計されることができ、したがって、そのエリアに隣接してより少ないTECを含んでもよい。いくつかの実施形態では、設計は、特定のデバイスを介して提供されるべき予期される治療に基づいてもよい。例えば、ヒト10の頭部領域の周囲のデバイス1800および1900は、特に、脳卒中を経験し、脳卒中事象に続いて、頭部領域の比較的に迅速冷却の必要がある(例えば、救急車内または病院において)、患者を治療するために有用であり得る。故に、デバイス1800および1900は、最近脳卒中または他の関連条件を経験した、患者を熱的に治療するように構成される、動作モードとともに、事前にプログラムされてもよい。
【0089】
図1-24を参照して本明細書に説明される、熱伝達デバイス100、700、800、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、または2400のうちの任意の1つは、無数の他のおよび/またはより複雑なシステムの中に組み込まれることができ、その代表的実施例は、図25に図式的に示される、システム2590である。システム2590は、熱伝達デバイス(例えば、熱伝達デバイス100、700、800、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、または2400)と、本デバイス(例えば、本デバイスのTEC)に動作可能に結合される、電源2592(例えば、ポータブル電源、バッテリ等)と、本デバイスおよび電源2592に動作可能に結合される、コントローラ2594(例えば、プロセッサ)と、コントローラ2594および電源2592に動作可能に結合される、ユーザインターフェース2596と、他のサブシステムとを含むことができる。システム2590は、メモリ記憶、データ処理、および/または他の好適な機能等の多種多様な機能のいずれかを実施することができる。
【0090】
コントローラ2594は、本デバイスを動作モード(例えば、冷却モード、加熱モード、または両方)のうちの1つで動作させ、および/または本デバイスが動作するように構成される、プロセス値(例えば、設定温度)を提供するように構成されることができる。図1を参照して前述で説明されるように、例えば、コントローラ2594は、TEC110(例えば、TECの第1または第2の側)が設定点温度で動作するように構成されるように、40℃~-20℃の範囲内(例えば、35℃、20℃、0℃、-10℃等)の設定点温度を本デバイスに提供することができる。加えて、または代替として、コントローラ2594は、本デバイス上のセンサ(例えば、センサ180a-f;図4)からの入力を受信し、受信される入力に基づいて、本デバイスを制御するように構成されることができる。例えば、コントローラ2594は、動作しているデバイスの任意の異常を決定し、自動的に、異常のインジケーションを発生させ、および/または本デバイスの動作パラメータを調節することができる。加えて、または代替として、コントローラ2594は、人工知能および/または機械学習を利用して、例えば、同一ユーザまたはユーザの群のために使用された以前の治療に基づいて、電力および/または他の制御パラメータを調節してもよい。
【0091】
ユーザインターフェース2596は、ディスプレイ、および/またユーザが、モバイルデバイス(例えば、電話、タブレット、腕時計、ラップトップ等)または他のコンピューティングデバイスを通して本デバイスを利用することを可能にする、アプリケーションまたはプログラムを含むことができる。ユーザインターフェース2596は、事前にプログラムされた熱管理手技を含み、および/またはユーザが、所望の用途に基づいて、冷却および加熱パラメータを調節することを可能にしてもよい。
【0092】
図26は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスを介して、ヒトを治療するための方法2600を図示する、フロー図である(例えば、疼痛、腫脹、過加熱、減少された血液灌流、減少された神経接続、および/または脳卒中のために)。方法2600は、熱伝達デバイス(例えば、熱伝達デバイス100、700、800、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、または2400)を提供すること(プロセス部分2602)と、ヒトの標的エリアにわたって、熱伝達デバイスを配置すること(プロセス部分2604)とを含むことができる。標的エリアにわたって、熱伝達デバイスを配置することは、例えば、本デバイスまたは本デバイスの可撓性支持ユニットが、圧縮力を標的エリア上に提供し、本デバイスのTECを標的エリアと熱接触するように位置付けるように、本デバイスを標的エリアにわたって締結することを含むことができる。
【0093】
方法2600はさらに、コントローラ(例えば、コントローラ2594;図25)を介して、温度制御および/または熱伝達デバイスの動作モードを始動させ、それによって、熱をヒトの標的エリアから熱伝達デバイスまたはその逆に伝達させること(プロセス部分2606)を含むことができる。動作モードを始動させることは、冷却モード、加熱モード、または冷却モードおよび加熱モードの両方を始動させることを含むことができる。温度制御を始動させることは、TEC(例えば、TEC110;図1-6)が動作するための温度または本デバイスが所定の時間(例えば、10秒、20秒、30秒、40秒、60秒、または120秒)内で標的エリアを加熱または冷却するように構成される温度を提供することを含むことができる。いくつかの実施形態では、温度は、40℃~-20℃の範囲内(例えば、35℃、20℃、0℃、-10℃等)に設定されることができる。
【0094】
図27は、本技術の実施形態による、熱伝達デバイスを介して、ヒトの標的エリアの温度を制御するための方法2700を図示する、フロー図である。方法2700は、熱伝達デバイスまたはモジュールまたは複数のモジュールの中への現在の電力入力、熱伝達デバイスまたはモジュールまたは複数のモジュールにおける加熱された作業流体温度、および熱伝達デバイスまたはモジュールまたは複数のモジュールにおける低温作業流体温度を前提として、熱伝達デバイス(例えば、熱伝達デバイス100、700、800、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、または2400)またはモジュール(例えば、モジュール110、710、810、910、1010、1110、1210、1310、または群1460-1464内のモジュール)の個々のものまたは群の入射熱流束を計算すること(プロセス部分2702)と、熱伝達デバイスまたはモジュールまたは複数のモジュールに近接する可撓性支持ユニットの入射熱流束および性質を前提として、ヒトの標的エリアの温度を計算すること(プロセス部分2704)と、ヒトの標的エリアの温度およびヒトの標的エリアのための標的温度を前提として、熱伝達デバイスまたはモジュールまたは複数のモジュールの中への修正された(または維持される)電力入力を決定すること(プロセス部分2706)とを含むことができる。所望の転帰が標的エリアにおいて達成されるかどうかに応じて、本プロセスは、繰り返され得る。
IV.結論
【0095】
変更が、本開示の基礎原理から逸脱することなく、上記に説明される実施形態の詳細に行われ得ることが当業者に明白であろう。ある場合には、周知である構造および機能は、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、詳細に示されていない、または説明されていない。方法のステップは、特定の順序で本明細書に提示され得るが、代替実施形態は、異なる順序において、ステップを実施してもよい。同様に、特定の実施形態の文脈に開示される、本技術のある側面は、他の実施形態では、組み合わせられる、または排除されることができる。さらに、本技術のある実施形態と関連付けられる、利点が、それらの実施形態の文脈に開示されている場合があるが、他の実施形態もまた、そのような利点を呈することができ、全ての実施形態が、本技術の範囲内に該当するために、必ずしも、そのような利点または本明細書に開示される他の利点を呈する必要はない。故に、本開示および関連付けられる技術は、本明細書に明示的に示されない、または説明されない、他の実施形態も包含することができ、本発明は、添付の請求項による場合を除き、限定されない。
【0096】
本開示全体を通して、単数形用語「a」、「an」、および「the」は、文脈によってそうでないことが明確に示されない限り、複数参照を含む。用語「および/または」は、2つまたはそれを上回るアイテムのリストを参照して使用されるとき、(a)リスト内の任意の単一アイテム、(b)リスト内のアイテムの全て、または(c)リスト内のアイテムの任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。加えて、用語「comprising(~を備える)」、「including(~を含む)」、および「having(~を有する)」は、任意のより多数の同一特徴および/または付加的タイプの他の特徴が除外されないように、少なくとも列挙される特徴を含むことを意味するものとして解釈されるべきである。
【0097】
本明細書では、「一実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、または類似定型句の言及は、実施形態に関連して説明される、特定の特徴、構造、動作、または特性が、本技術の少なくとも一実施形態に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書のそのような語句または定型句の表出は、必ずしも、全て同一実施形態を参照するわけではない。さらに、種々の特定の特徴、構造、動作、または特性は、1つまたはそれを上回る実施形態では、任意の好適な様式において組み合わせられてもよい。
【0098】
別様に示されない限り、明細書および請求項において使用される、数値を表す全ての数は、全ての事例において、用語「約」または「おおよそ」によって修飾されているものとして理解されるべきである。用語「約」または「おおよそ」は、値を参照して使用されるとき、述べられた値の10%以内を意味するように解釈されるべきである。故に、反対に示されない限り、以下の明細書および添付の請求項に記載される、数値パラメータは、本技術によって取得されるように求められる所望の性質に応じて変動し得る、近似値である。最低限でも、かつ請求項の範囲への均等論の適用を限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効数字の数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって、解釈されるべきである。加えて、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包摂されるあらゆるサブ範囲を包含するものとして理解されるべきである。例えば、「1~10」の範囲は、1の最小値と10の最大値との間の、あらゆるサブ範囲(かつそれらを含む)、すなわち、1に等しいまたはそれを上回る最小値と、10に等しいまたはそれ未満の最大値とを有する、あらゆるサブ範囲、例えば、5.5~10を含む。
【0099】
上記に記載される開示は、任意の請求項がその請求項内で明示的に列挙されるものより多くの特徴を要求する意図を反映させるものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の請求項が反映させるように、本発明の側面は、任意の単一の前述の開示される実施形態の全ての特徴より少ないものの組み合わせ内にある。したがって、本詳細な説明に続く請求項は、本明細書によって、本詳細な説明の中に明示的に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として、その独自のものとして独立する。本開示は、独立請求項とともに、それらの従属請求項の全ての列挙を含む。
【0100】
本技術は、例えば、下記に説明される種々の側面に従って図示される。本技術の側面の種々の実施例は、便宜上、付番された実施例(1、2、3等)として説明される。これらは、実施例として提供され、本技術を限定するものではない。従属実施例のいずれかは、任意の組み合わせにおいて組み合わせられ、個別の独立実施例の中に設置されてもよいことに留意されたい。他の実施例も、類似様式において、提示されることができる。
(付記1)
熱管理デバイスであって、
アレイ内に配列され、相互から離間される、熱電構成要素であって、個々の熱電構成要素は、哺乳類の標的エリアに熱的に結合されるように構成される、第1の側と、第1の側に対向する、第2の側とを有する、熱電構成要素と、
熱交換器と、流体分配ネットワークのアレイと、流体分配ネットワークに流体的に結合され、作業流体を流体分配ネットワークに提供するように構成される、入口通路と、流体分配ネットワークに流体的に結合され、作業流体を流体分配ネットワークから受容するように構成される、出口通路とを有する、熱伝達システムであって、個々の流体分配ネットワークは、熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、入口通路および出口通路を介して、熱交換器に流体的に結合され、流体分配ネットワークはそれぞれ、入口領域と、出口領域とを有し、動作時、作業流体は、入口領域から、流体分配ネットワークを通して、出口領域に流動する、熱伝達システムと、
を備える、熱管理デバイス。
(付記2)
流体分配ネットワークは、第1の流体分配ネットワークと、第2の流体分配ネットワークとを含み、
第1の流体分配ネットワークは、入口通路の第1のエリアに結合され、第2の流体分配ネットワークは、入口通路の第1のエリアの下流の入口通路の第2のエリアに結合され、
第1の流体分配ネットワークは、出口通路の第1のエリアに結合され、第2の流体分配ネットワークは、出口通路の第1のエリアの下流の出口通路の第2のエリアに結合される、
本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記3)
動作時、入口通路の第1のエリアと出口通路の第1のエリアとの間で測定される、作業流体の圧力の差異は、入口通路の第2のエリアと出口通路の第2のエリアとの間で測定される、作業流体の圧力の差異にほぼ等しい、付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記4)
動作時、
入口通路の第1のエリアと出口通路の第1のエリアとの間で流動する、作業流体は、第1の圧力降下を有し、
入口通路の第2のエリアと出口通路の第2のエリアとの間で流動する、作業流体は、第2の圧力降下を有し、
第1の圧力降下と第2の圧力降下との間の差異は、同一であるかまたは相互の5%、10%、または15%以内である、
付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記5)
動作時、
入口通路の第1のエリアと出口通路の第1のエリアとの間で流動する、作業流体は、第1の圧力降下を有し、
入口通路の第2のエリアと出口通路の第2のエリアとの間で流動する、作業流体は、第2の圧力降下を有し、
第1の圧力降下と第2の圧力降下との間の差異は、所定の閾値未満である、
付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記6)
動作時、入口通路の第1のエリアにおける、作業流体、および入口通路の第2のエリアにおける、作業流体は、同一温度を有する、付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記7)
動作時、入口通路の第1のエリアにおける、作業流体は、第1の温度を有し、入口通路の第2のエリアにおける、作業流体は、第2の温度を有し、第1の温度と第2の温度との間の差異は、1℃、2℃、3℃、4℃、または5℃の所定の閾値未満である、付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記8)
出口通路の第1のエリアは、出口通路の近位終端である、付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記9)
入口通路の第2のエリアは、入口通路の遠位終端である、付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記10)
熱伝達システムは、閉ループシステムである、付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記11)
入口通路は、冷却された作業流体を熱交換器から流体分配ネットワークに指向するように構成される、低温作業流体通路であって、出口通路は、加熱された作業流体を流体分配ネットワークから熱交換器に指向するように構成される、高温作業流体通路である、付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記12)
流体分配ネットワークはさらに、第3の流体分配ネットワークを含み、第3の流体分配ネットワークは、(i)入口通路の第2のエリアの下流の入口通路の第3のエリアと、(ii)出口通路の第2のエリアの下流の出口通路の第3のエリアとに結合される、付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記13)
動作時、入口通路の第1のエリアと出口通路の第1のエリアとの間で測定される、作業流体の圧力の差異は、(i)入口通路の第2のエリアと出口通路の第2のエリアとの間で測定される、作業流体の圧力の差異と、(ii)入口通路の第3のエリアと出口通路の第3のエリアとの間で測定される、作業流体の圧力の差異とにほぼ等しい、付記12に記載の熱管理デバイス。
(付記14)
動作時、
入口通路の第1のエリアと出口通路の第1のエリアとの間で流動する、作業流体は、第1の圧力降下を被り、
入口通路の第2のエリアと出口通路の第2のエリアとの間で流動する、作業流体は、第2の圧力降下を被り、
入口通路の第3のエリアと出口通路の第3のエリアとの間で流動する、作業流体は、第3の圧力降下を被り、
第1の圧力降下、第2の圧力降下、および第3の圧力降下間の差異は、同一であるかまたは相互の5%、10%、または15%以内である、
付記12に記載の熱管理デバイス。
(付記15)
動作時、
入口通路の第1のエリアと出口通路の第1のエリアとの間で流動する、作業流体は、第1の圧力降下を有し、
入口通路の第2のエリアと出口通路の第2のエリアとの間で流動する、作業流体は、第2の圧力降下を有し、
第1の圧力降下と第2の圧力降下との間の差異は、所定の閾値未満である、
付記2に記載の熱管理デバイス。
(付記16)
流体分配ネットワークはそれぞれ、相互から離間される、微小特徴を含み、少なくとも部分的に、作業流体を受容するように構成される、チャネルを画定する、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記17)
第1の側と、第1の側に対向する、第2の側とを含む、可撓性支持部材をさらに備え、可撓性支持部材の第1の側は、熱電構成要素の第1の側に結合され、可撓性支持部材の第2の側は、哺乳類の標的エリア上に配置されるように構成される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記18)
可撓性支持部材は、第1の寸法または第1の寸法に対して法線方向である第2の寸法のうちの少なくとも1つに沿って、拡張可能である、付記17に記載の熱管理デバイス。
(付記19)
可撓性支持部材の寸法の全てまたは一部に沿って延在する、1つまたはそれを上回る熱伝導性部材をさらに備える、付記17に記載の熱管理デバイス。
(付記20)
熱伝導性部材は、銅、真鍮、鋼鉄、亜鉛、またはそれらの合金を備える、付記17に記載の熱管理デバイス。
(付記21)
熱伝導性部材は、可撓性支持部材のものより高い剛性を有する、付記17に記載の熱管理デバイス。
(付記22)
熱伝導性部材は、伝導性ワイヤ、打ち抜かれた伝導性金属、または熱伝導性材料のシートを備える、付記17に記載の熱管理デバイス。
(付記23)
熱伝導性部材は、発振または波状形状を有する、付記19に記載の熱管理デバイス。
(付記24)
熱伝導性部材は、第1の方向に延在する、第1の熱伝導性部材と、第1の方向に対して法線方向である第2の方向に延在する、第2の熱伝導性部材とを含む、付記19に記載の熱管理デバイス。
(付記25)
熱管理デバイスであって、
アレイ内に配列され、相互から離間される、熱電構成要素であって、個々の熱電構成要素は、哺乳類の標的エリアに熱的に結合されるように構成される、第1の側と、第1の側に対向する、第2の側とを有する、熱電構成要素と、
熱交換器と、流体分配ネットワークのアレイと、流体分配ネットワークに流体的に結合され、作業流体を流体分配ネットワークに提供するように構成される、入口通路と、流体分配ネットワークに流体的に結合され、作業流体を流体分配ネットワークから受容するように構成される、出口通路とを有する、熱伝達システムであって、個々の流体分配ネットワークは、熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、入口通路および出口通路を介して、熱交換器に流体的に結合され、流体分配ネットワークはそれぞれ、入口領域と、出口領域と、相互から離間される、微小特徴とを有し、少なくとも部分的に、作業流体を受容するように構成される、チャネルを画定し、動作モードでは、作業流体は、入口領域から、出口領域に流動し、微小特徴からの熱を吸収する、熱伝達システムと、
を備え、
流体分配ネットワークは、第1の流体分配ネットワークと、第2の流体分配ネットワークとを含み、
入口通路は、作業流体を、第1の温度および第1の圧力において、第1の流体分配ネットワークに、第2の温度および第2の圧力において、第2の流体分配ネットワークに提供するように位置付けられ、
第1の温度および第2の温度は、ほぼ等しく、
第1の圧力は、第2の圧力を上回る、
熱管理デバイス。
(付記26)
第1の流体分配ネットワークの入口領域と出口領域との間の第1の圧力降下および第2の流体分配ネットワークの入口領域と出口領域との間の第2の圧力降下は、等しい、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記27)
第1の流体分配ネットワークは、第1の作業流体流量を有し、第2の流体分配ネットワークは、第2の作業流体流量を有し、第1および第2の作業流体流量は、等しい、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記28)
熱交換器は、低温作業流体を流体分配ネットワークに提供し、高温作業流体を流体分配ネットワークから受容する、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記29)
動作モードは、第1の動作モードであって、熱管理デバイスはさらに、第2の動作モードを備え、作業流体は、熱を微小特徴に提供する、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記30)
熱管理デバイスであって、
アレイ内に配列され、相互から離間される、熱電構成要素であって、個々の熱電構成要素は、哺乳類の標的エリアに熱的に結合されるように構成される、第1の側と、第1の側に対向する、第2の側とを有する、熱電構成要素と、
熱交換器と、その中で個々の流体分配ネットワークが、熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、熱交換器に流体的に結合される、流体分配ネットワークのアレイとを有する、熱伝達システムであって、流体分配ネットワークはそれぞれ、入口領域と、出口領域と、相互から離間される、微小特徴とを有し、少なくとも部分的に、作業流体を受容するように構成される、チャネルを画定し、動作時、作業流体は、入口領域から、出口領域に流動し、微小特徴からの熱を吸収する、熱伝達システムと、
熱電構成要素に結合され、哺乳類に取り付けられると、熱電構成要素が、標的エリアに隣接するように配列されるように構成される、可撓性支持ユニットであって、圧縮力を標的エリアに対して付与するように構成される、可撓性支持ユニットと、
可撓性支持ユニットに結合され、可撓性支持ユニットの寸法に沿って、熱電構成要素のうちの2つまたはそれを上回るものを横断して、熱連通する、熱伝導性部材と、
を備える、熱管理デバイス。
(付記31)
熱伝導性部材は、熱電構成要素のうちの2つまたはそれを上回るものを横断する、波状パターンにおける、伝導性ワイヤである、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記32)
熱伝導性部材は、熱電構成要素のうちの2つまたはそれを上回るものを横断して、波状パターンで打ち抜かれる、伝導性金属である、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記33)
熱伝導性部材は、熱電構成要素のうちの2つまたはそれを上回るものを横断する、熱伝導性材料のシートである、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記34)
熱伝導性材料のシートは、カットアウトを画定し、カットアウトは、熱電構成要素のうちの少なくとも1つと整合される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記35)
熱伝導性部材は、いくつかの熱伝導性部材のうちの1つである、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記36)
いくつかの熱伝導性部材の第1のセットは、可撓性支持ユニットの寸法と実質的に整合し、いくつかの熱伝導性部材の第2のセットは、可撓性支持ユニットの寸法から不整合される、付記35に記載の熱管理デバイス。
(付記37)
いくつかの熱伝導性部材は、可撓性支持ユニットより高い剛性を有する、付記35に記載の熱管理デバイス。
(付記38)
いくつかの熱伝導性部材は、可撓性支持ユニットおよびいくつかの熱伝導性部材が、可撓性支持ユニットの寸法に沿って拡張されると、いくつかの熱伝導性部材が、ばね付勢力を可撓性支持ユニット上に付与するように、可撓性支持ユニット内でばねのように構成される、付記35に記載の熱管理デバイス。
(付記39)
いくつかの熱伝導性部材は、可撓性支持ユニット内の伝導性粒子である、付記35に記載の熱管理デバイス。
(付記40)
熱伝導性部材は、可撓性支持ユニット内に埋設される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記41)
熱管理デバイスであって、
アレイ内に配列され、相互から離間される、熱電構成要素であって、個々の熱電構成要素は、哺乳類の標的エリアに熱的に結合されるように構成される、第1の側と、第1の側に対向する、第2の側とを有する、熱電構成要素と、
熱交換器と、その中で個々の流体分配ネットワークが、熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、熱交換器に流体的に結合される、流体分配ネットワークのアレイとを有する、熱伝達システムであって、流体分配ネットワークはそれぞれ、入口領域と、出口領域と、相互から離間される、微小特徴とを有し、少なくとも部分的に、作業流体を受容するように構成される、チャネルを画定し、動作時、作業流体は、入口領域から、出口領域に流動し、微小特徴からの熱を吸収する、熱伝達システムと、
有効熱伝導率を有し、熱電構成要素に結合され、哺乳類に取り付けられると、熱電構成要素が、標的エリアに隣接するように配列されるように構成される、可撓性支持ユニットであって、圧縮力を標的エリアに対して付与するように構成される、可撓性支持ユニットと、
熱電構成要素に結合される、コントローラであって、熱電構成要素から、第1の側および第2の側におけるいくつかの温度読取値を収集し、可撓性支持ユニットの有効熱伝導率を参照して、収集された温度読取値を評価し、標的エリアの温度を識別し、熱電構成要素が標的エリアの温度を標的温度に所定の期間以内に変化させるように、熱電構成要素への入力を修正するように構成される、コントローラと、
を備える、熱管理デバイス。
(付記42)
可撓性支持ユニットは、熱電構成要素の第1の側に結合され、少なくとも、個々の熱電構成要素間に延在する、熱伝導性可撓性部材を備え、熱電構成要素は、熱伝導性可撓性部材を介して、標的エリアに熱的に結合される、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記43)
第1および第2の熱電構成要素群をさらに備え、第1および第2の熱電構成要素群はそれぞれ、少なくとも2つの熱電構成要素と、少なくとも2つの流体分配ネットワークとを含む、本明細書の付記のいずれか1項に記載の熱管理デバイス。
(付記44)
コントローラはさらに、独立して、第1および第2の熱電構成要素群から、第1の側および第2の側における温度読取値を収集し、可撓性支持ユニットの有効熱伝導率を参照して、収集された温度読取値を評価し、標的エリアの温度を識別し、熱電構成要素群が、独立して、第1の熱電構成要素群に近接する標的エリアの温度を第1の標的温度に第1の所定の期間以内に、第2の熱電構成要素群に近接する標的エリアの温度を第2の標的温度に第2の所定の期間内に変化させるように、熱電構成要素群への入力を修正するように構成される、付記43に記載の熱管理デバイス。
(付記45)
第1および第2の所定の期間は、同一である、付記44に記載の熱管理デバイス。
(付記46)
所定の期間内で哺乳類の標的エリアの温度を制御するための方法であって、
それぞれ、第1の側と、第1の側に対向する、第2の側とを有する、熱電構成要素と、
流体分配ネットワークのアレイであって、それぞれ、熱電構成要素の対応するものの第2の側に熱的に結合され、熱交換器に流体的に結合され、流体分配ネットワークはそれぞれ、共通入口流体分配通路に流体的に結合される、入口領域と、共通出口流体分配通路に流体的に結合される、出口領域とを有し、動作時、流体分配ネットワーク内に配置される、作業流体は、熱電構成要素の対応するものからの熱を吸収するように構成される、流体分配ネットワークのアレイと、
熱電構成要素の第1の側に結合され、少なくとも、個々の熱電構成要素間に延在する、可撓性支持ユニットであって、哺乳類からの熱伝達を向上させるように構成される、熱スプレッダである、可撓性支持ユニットと、
を含む、装着可能熱伝達デバイスを提供することと、
熱伝達デバイスの熱電構成要素が標的エリアに熱的に結合されるように、熱伝達デバイスを哺乳類の標的エリアにわたって配置することと、
熱伝達デバイスに動作可能に結合される、コントローラを介して、
コントローラを使用して、熱電構成要素の第1の側および第2の側における、いくつかの温度読取値を収集することと、
可撓性支持ユニットの有効熱伝導率を参照して、収集されたいくつかの温度読取値を評価し、哺乳類の標的エリアの温度を識別することと、
熱電構成要素が標的エリアの温度を所望の温度に向かって変化させるように、熱電構成要素への入力を修正することと、
標的エリアの温度が所望の温度に等しくなるまで、収集、評価、および修正を繰り返すことと、
を含む、熱伝達デバイスの温度制御を始動させることと、
を含む、方法。
(付記47)
可撓性支持ユニットは、熱電構成要素の第1の側に結合され、少なくとも、個々の熱電構成要素間に延在する、熱伝導性可撓性部材を備え、熱電構成要素は、熱伝導性可撓性部材を介して、標的エリアに熱的に結合される、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法の。
(付記48)
標的エリアにわたって、熱伝達デバイスを配置することは、直接、哺乳類に対して熱伝導性可撓性部材を配置することを含む、付記47に記載の方法。
(付記49)
第1および第2の熱電構成要素群をさらに備え、第1および第2の熱電構成要素群はそれぞれ、少なくとも2つの熱電構成要素と、少なくとも2つの流体分配ネットワークとを含む、本明細書の付記のうちのいずれか1項に記載の方法。
(付記50)
コントローラはさらに、独立して、第1および第2の熱電構成要素群から、第1の側および第2の側における温度読取値を収集し、可撓性支持ユニットの有効熱伝導率を参照して、収集された温度読取値を評価し、標的エリアの温度を識別し、熱電構成要素群が、独立して、第1の熱電構成要素群に近接する標的エリアの温度を第1の標的温度に第1の所定の期間以内に、第2の熱電構成要素群に近接する標的エリアの温度を第2の標的温度に第2の所定の期間以内に変化させるように、熱電構成要素群への入力を修正するように構成される、付記49に記載の方法。
(付記51)
第1および第2の所定の期間は、同一である、付記50に記載の方法。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【国際調査報告】