(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】濃縮酸素を発生させるためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 16/10 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A61M16/10 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540651
(86)(22)【出願日】2023-01-03
(85)【翻訳文提出日】2024-09-02
(86)【国際出願番号】 US2023060051
(87)【国際公開番号】W WO2023133383
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513285561
【氏名又は名称】ベンテック ライフ システムズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブルケール, ローラン
(72)【発明者】
【氏名】チャップマン, アンドリュー アール.
(72)【発明者】
【氏名】ガウ, シャン イー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス, アダム
(57)【要約】
本技術は、療法目的のための濃縮酸素を発生させるためのシステムおよび方法を対象とする。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるシステムは、酸素のパルスおよび/または酸素の連続流動を患者に提供し得る、酸素アセンブリを含む。酸素アセンブリは、メディアベッドを通して流動する周囲空気から窒素を除去すること等によって、周囲空気から濃縮酸素を発生させるように構成される、1つまたはそれを上回るメディアまたは吸着ベッドを含むことができる。1つまたはそれを上回るメディアベッドは、ユーザによるメディアベッドの交換を促進するために、本システムから除去されることができる。本明細書に説明される酸素アセンブリおよびメディアベッドはまた、酸素発生プロセスおよび/または酸素発生システムの動作を改良することが予期される、種々の付加的特徴を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
統合された酸素生産を伴う人工呼吸器システムであって、前記人工呼吸器システムは、
筐体と、
前記筐体の外部から空気を受容するように構成される前記筐体内の1つまたはそれを上回る空気取入口と、
前記筐体内に位置付けられ、呼吸の吸気段階の間に前記受容された空気を人工呼吸送達回路に提供するように構成される人工呼吸アセンブリと、
前記筐体内に位置付けられ、前記呼吸の吸気段階の間に濃縮酸素を酸素送達回路に提供するように構成される酸素アセンブリであって、前記酸素アセンブリは、
吸着ベッドアセンブリであって、
前記受容された空気から前記濃縮酸素を発生させるように構成される吸着ベッドと、
前記吸着ベッドの端部部分に結合される統合パネルと
を有し、
前記吸着ベッドアセンブリは、ユーザによって前記筐体から除去可能であり、前記吸着ベッドアセンブリが、前記筐体内に位置付けられると、前記統合パネルは、前記筐体の外部表面の一部を形成する、吸着ベッドアセンブリ
を含む、酸素アセンブリと
を備える、人工呼吸器システム。
【請求項2】
前記吸着ベッドアセンブリはさらに、前記統合パネルを前記筐体に解放可能に結合するように構成される取付機構を備える、請求項1に記載の人工呼吸器システム。
【請求項3】
前記取付機構は、前記統合パネルに枢動的に結合されるラッチング部材を含み、前記ラッチング部材は、前記統合パネルが前記筐体に係止される第1の位置と、前記統合パネルが前記筐体から係止解除される第2の位置との間で枢動可能に移動可能である、請求項2に記載の人工呼吸器システム。
【請求項4】
前記取付機構は、(i)係止位置と係止解除位置との間で回転可能な鍵穴と、(ii)係止位置と係止解除位置との間で移動可能なワイヤベイルとを含み、前記取付機構は、前記筐体から前記吸着ベッドアセンブリを係脱させるために、前記鍵穴および前記ワイヤベイルが両方とも、前記係止解除位置になければならないように構成される、請求項2に記載の人工呼吸器システム。
【請求項5】
前記吸着ベッドアセンブリは、前記受容された空気を受容するように構成される1つまたはそれを上回る第1の空気流ポートを有する第1の端部部分と、前記濃縮酸素を出力するように構成される1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートを有する第2の端部部分とを含む、請求項1に記載の人工呼吸器システム。
【請求項6】
前記統合パネルは、前記1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートを含む、請求項5に記載の人工呼吸器システム。
【請求項7】
前記統合パネルはさらに、前記吸着ベッドおよび前記1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートを流体的に結合する流体移送エリアを含む、請求項6に記載の人工呼吸器システム。
【請求項8】
前記1つまたはそれを上回る第1の空気流ポートは、対応する1つまたはそれを上回る第1の空気流軸を有し、前記1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートは、1つまたはそれを上回る対応する第2の空気流軸を有し、前記1つまたはそれを上回る第1の空気流軸は、前記1つまたはそれを上回る第2の空気流軸に平行である、請求項5に記載の人工呼吸器システム。
【請求項9】
前記1つまたはそれを上回る第1の空気流ポートは、対応する1つまたはそれを上回る第1の空気流軸を有し、前記1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートは、1つまたはそれを上回る対応する第2の空気流軸を有し、前記1つまたはそれを上回る第1の空気流軸は、前記1つまたはそれを上回る第2の空気流軸に略垂直である、請求項5に記載の人工呼吸器システム。
【請求項10】
吸着ベッドであって、
前記吸着ベッドの内部を画定する筐体であって、前記吸着ベッドの内部は、前記吸着ベッドの内側寸法を画定する、筐体と、
前記筐体内に位置付けられる伸長螺旋挿入部であって、前記伸長螺旋挿入部は、前記吸着ベッドの内側寸法とほぼ同一である外側寸法を有する、伸長螺旋挿入部と
を備え、
前記螺旋挿入部は、前記内部を通した第1の流路および前記内部を通した前記第1の流路と異なる第2の流路を画定し、前記第1の流路および前記第2の流路は、それらの個別の長さの実質的部分に沿って流体的に隔離される、吸着ベッド。
【請求項11】
前記第1の流路は、第1の長さを有し、前記第2の流路は、第2の長さを有し、前記吸着ベッドは、第3の長さを有し、前記第3の長さは、前記第1の長さおよび前記第2の長さ未満である、請求項10に記載の吸着ベッド。
【請求項12】
前記第1の長さは、前記第2の長さとほぼ同一である、請求項11に記載の吸着ベッド。
【請求項13】
内側寸法は、前記吸着ベッドの内径であり、前記外側寸法は、前記螺旋挿入部の外径である、請求項10に記載の吸着ベッド。
【請求項14】
前記螺旋挿入部は、一定のピッチを有する、請求項10に記載の吸着ベッド。
【請求項15】
前記螺旋挿入部は、前記螺旋挿入部の縦方向軸に沿って変化する可変ピッチを有する、請求項10に記載の吸着ベッド。
【請求項16】
前記可変ピッチは、空気を受容するように構成される前記吸着ベッドの第1の端部に近接する第1のピッチと、前記第1の端部と反対にあり、濃縮酸素を出力するように構成される前記吸着ベッドの第2の端部に近接する第2のピッチとを含み、前記第2のピッチは、前記第1のピッチを上回る、請求項15に記載の吸着ベッド。
【請求項17】
前記第1の流路の端部領域は、前記第1の流路および前記第2の流路が、流体的に直列に結合されるように、前記第2の流路の端部領域に流体的に結合される、請求項10に記載の吸着ベッド。
【請求項18】
前記第1の流路と前記第2の流路との間に位置付けられる弁をさらに備え、前記弁は、(i)前記弁が、ガスが前記第1の流路と前記第2の流路との間で流動することを防止しない第1の構成と、(ii)前記弁が、ガスが前記第1の流路と前記第2の流路との間で流動することを実質的に防止する第2の構成との間で移行可能である、請求項17に記載の吸着ベッド。
【請求項19】
吸着ベッドであって、
前記吸着ベッドの内部を画定する筐体であって、前記内部は、第1の流路と、第2の流路とを含む、筐体と、
前記第1の流路と前記第2の流路との間に位置付けられる弁であって、前記弁は、(i)前記第1の流路および前記第2の流路が流体的に接続される第1の構成と、(ii)前記第1の流路および前記第2の流路が流体的に隔離される第2の構成との間で移行可能である、弁と
を備え、
前記弁は、酸素発生サイクルの吸着段階の間に前記第1の構成に、および前記酸素発生サイクルの脱着段階の間に前記第2の構成にあるように構成される、吸着ベッド。
【請求項20】
前記第1の流路は、第1の長さを有し、前記第2の流路は、第2の長さを有し、前記吸着ベッドは、第3の長さを有し、前記第1の長さおよび前記第2の長さの和は、前記第3の長さを上回る、請求項19に記載の吸着ベッド。
【請求項21】
前記吸着ベッドは、前記弁が前記第1の構成にあるとき、第1の縦横比を、および前記弁が前記第2の構成にあるとき、前記第1の縦横比未満の第2の縦横比を有する、請求項19に記載の吸着ベッド。
【請求項22】
吸着ベッドであって、
筐体と、
前記筐体内にあり、デシカント材料を含有するように構成されるデシカント材料部分と、
前記筐体内にあり、窒素吸着剤材料を含有するように構成される窒素吸着剤材料部分と、
前記デシカント材料部分と前記窒素吸着剤材料部分との間で前記筐体内に位置付けられる弁であって、前記弁は、前記デシカント材料部分が前記窒素吸着剤材料部分に流体的に結合される第1の構成と、前記デシカント材料部分が前記窒素吸着剤材料部分から流体的に隔離される第2の構成との間で移行可能である、弁と
を備える、吸着ベッド。
【請求項23】
弁は、前記吸着ベッドが使用されているとき、前記第1の構成に、および前記吸着ベッドが使用されていないとき、前記第2の構成にあるように構成される、請求項22に記載の吸着ベッド。
【請求項24】
前記弁が、前記第2の構成にあるとき、前記弁は、前記デシカント材料部分内に捕捉された水分が、前記窒素吸着剤材料部分の中に移動することを防止するように構成される、請求項22に記載の吸着ベッド。
【請求項25】
吸着ベッドであって、
筐体であって、前記筐体は、第1の端部と、前記第1の端部と反対の第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する内部とを有する、筐体と、
前記第1の端部における1つまたはそれを上回る第1の開口と、
前記第2の端部における1つまたはそれを上回る第2の開口と、
前記第2の端部に位置付けられる弁であって、前記弁は、(i)前記弁が前記1つまたはそれを上回る第2の開口を通して第1の流体抵抗を提供する第1の構成と、(ii)前記弁が前記1つまたはそれを上回る第2の開口を通して第2の流体抵抗を提供する第2の構成との間で移行可能であり、前記第2の流体抵抗は、前記第1の流体抵抗未満である、弁と
を備え、
前記弁は、酸素発生サイクルの吸着段階の間に、ガスが前記第1の端部から前記第2の端部に向かって流動するとき、前記第1の構成に、および前記酸素発生サイクルの脱着段階の間に、ガスが前記第2の端部から前記第1の端部に向かって流動するとき、前記第2の構成にあるように構成される、吸着ベッド。
【請求項26】
前記第2の構成では、前記弁は、前記第2の端部を通して流動する前記流体の少なくとも一部を前記内部の少なくとも側壁に向かって再指向する、請求項25に記載の吸着ベッド。
【請求項27】
前記内部は、前記弁が前記第1の構成にあるとき、第1の圧力を、および前記弁が前記第2の構成にあるとき、前記第1の圧力未満の第2の圧力を有する、請求項25に記載の吸着ベッド。
【請求項28】
吸着ベッドであって、
窒素吸着剤材料を格納するように構成される内部と、
前記吸着ベッドの端部部分に位置付けられるシールアセンブリであって、前記シールアセンブリは、
少なくとも部分的に、前記シールアセンブリの外周の周囲に延在する第1のシール要素と、
少なくとも部分的に、前記シールアセンブリの外周の周囲に延在する第2のシール要素と、
前記第1のシール要素と前記第2のシール要素との間に画定され、少なくとも部分的に、前記シールアセンブリの外周の周囲に延在する流体チャネルと、
前記内部および前記流体チャネルを流体的に結合する1つまたはそれを上回る流路と
を含む、シールアセンブリと
を備え、
前記吸着ベッドは、濃縮酸素を発生させるためのシステム内の対応する筐体の中に挿入されるように構成され、前記吸着ベッドは、前記システムの対応する筐体の中に挿入されると、前記流体チャネルが、前記筐体内の1つまたはそれを上回るポートと整合するように構成される、吸着ベッド。
【請求項29】
吸着ベッドであって、
第1の端部部分と第2の端部部分との間に延在し、窒素吸着剤材料を格納するように構成される内部を有する円筒形筐体
を備え、
前記吸着ベッドは、前記第2の端部部分に近接するテーパ状部分を含み、
前記内部の内側寸法は、前記テーパ状部分に沿って減少し、前記円筒形筐体の外側寸法は、前記テーパ状部分に沿って実質的に同一のままである、吸着ベッド。
【請求項30】
前記円筒形筐体は、前記テーパ状部分を含む、請求項29に記載の吸着ベッド。
【請求項31】
前記吸着ベッドは、テーパ状部分挿入部を含み、前記テーパ状部分挿入部は、前記円筒形筐体の内部内に位置付けられ、前記テーパ状部分を画定する、請求項29に記載の吸着ベッド。
【請求項32】
前記テーパ状部分は、線形テーパリングを有する、請求項29に記載の吸着ベッド。
【請求項33】
前記テーパ状部分は、凸状テーパリングを有する、請求項29に記載の吸着ベッド。
【請求項34】
前記テーパ状部分は、凹状テーパリングを有する、請求項29に記載の吸着ベッド。
【請求項35】
前記内側寸法は、内径である、請求項29に記載の吸着ベッド。
【請求項36】
前記内径は、前記テーパ状部分の第1の端部における第1の内径から前記テーパ状部分の第2の端部における第2の内径まで減少する、請求項35に記載の吸着ベッド。
【請求項37】
前記第1の内径は、約1.25インチ~2.25インチであり、前記第2の内径は、約0.25インチ~約1.25インチである、請求項36に記載の吸着ベッド。
【請求項38】
前記第1の内径と前記第2の内径との間の比は、約5:1~1.5:1である、請求項36に記載の吸着ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2022年1月4日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR GENERATING CONCENTRATED OXYGEN」と題された、米国仮特許出願第63/266,403号の優先権を主張する。
【0002】
本技術は、概して、療法的使用のための濃縮酸素を発生させるためのシステムおよび方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
濃縮酸素は、多種多様な患者における多種多様な医学的条件を治療するために使用される。例えば、一部の患者は、自宅にいる間に酸素療法を要求し得、一部の患者は、歩行する間に酸素療法を要求し得る等である。これらおよび他の患者は、多くの場合、ポータブル酸素濃縮器を使用する。そのような酸素濃縮器は、それらが、周囲空気から濃縮酸素を発生させることができ、したがって、外部(例えば、高圧)酸素供給源に接続される必要がないため、便宜的である。しかしながら、従来の酸素濃縮器は、限定された寿命、高い電力要件、および他の非効率性を示し得る。故に、濃縮酸素を発生させるための改良されたシステムに関する必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
詳細な説明
本技術は、療法目的のための濃縮酸素を発生させるためのシステムおよび方法を対象とする。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるシステムは、酸素のパルスおよび/または酸素の連続流動を患者に提供し得る、酸素アセンブリを含む。酸素アセンブリは、メディアベッドを通して流動する周囲空気から窒素を除去すること等によって、周囲空気から濃縮酸素を発生させるように構成される、1つまたはそれを上回るメディアまたは吸着ベッドを含むことができる。本明細書により詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、1つまたはそれを上回るメディアベッドは、ユーザによるメディアベッドの交換を促進するために、本システムから除去されることができる。本明細書に説明される酸素アセンブリおよびメディアベッドはまた、酸素発生プロセスおよび/または酸素発生システムの動作を改良することが予期される、種々の付加的特徴を含むことができる。例えば、本明細書に説明されるシステムは、増加された効率、増加された酸素出力、より一貫した酸素出力、増加された寿命、減少された電力要件、または他の利点のうちの1つまたはそれを上回るものを示し得る。故に、本デバイス、方法、および使用のさらなる側面および利点が、実施例としてのみ与えられる、続く説明から明白となるであろう。
【0005】
当業者が以下の説明から理解するであろうように、本明細書に説明される酸素発生システムは、独立型酸素濃縮器および統合された酸素生産を伴う人工呼吸器システムの両方を含む。故に、いくつかの実施形態では、下記に説明される種々の特徴は、従来の酸素濃縮器の性能を改良するために実装されることができる。他の実施形態では、本明細書に説明される種々の特徴は、人工呼吸療法および酸素療法の両方を提供するように構成される、人工呼吸器システムに統合されることができる。例えば、本明細書に説明されるシステムは、酸素アセンブリに加えて、人工呼吸アセンブリを含んでもよい。人工呼吸アセンブリは、酸素療法に加えて、またはその代わりに、患者の呼吸を支援するための吸気ガスを提供することができる。故に、本技術は、独立型酸素濃縮器および統合された酸素濃縮器を含む人工呼吸器システムの両方を含む。
【0006】
下記に提示される説明において使用される専門用語は、これが本技術のある具体的実施形態の詳細な説明と併せて使用されているとしても、その最も広範な合理的様式において解釈されることを意図している。ある用語は、下記に強調されることさえあり得るが、しかしながら、任意の制限された様式において解釈されることを意図する任意の専門用語は、本詳細な説明の節においてそのように明白かつ具体的に定義されるであろう。加えて、本技術は、実施例の範囲内にあるが、
図1-9に関して詳細に説明されない他の実施形態を含むことができる。
【0007】
本明細書全体を通した「一実施形態(one embodiment)」または「ある実施形態(an embodiment)」の言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通した種々の箇所における語句「一実施形態では(in one embodiment)」または「ある実施形態では(in an embodiment)」の表出は、必ずしも全てが同一の実施形態を指すわけではない。さらに、特定の特徴または特性は、1つまたはそれを上回る実施形態において任意の好適な様式において組み合わせられてもよい。
【0008】
本明細書全体を通した、例えば、「概して」、「おおよそ」、および「約」等の相対的用語の言及は、記載された値±10%を意味するように本明細書で使用される。用語「実質的に」またはその文法的変形例は、少なくとも約50%、例えば、75%、85%、95%、または98%を指す。
【0009】
本明細書に提供される見出しは、便宜上のためだけのものであり、請求される本技術の範囲または意味を解釈しない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本技術の多くの側面は、以下の図面を参照してより深く理解されることができる。図面における構成要素は、必ずしも縮尺通りではない。代わりに、本技術の原理を明確に図示することに重点が置かれている。
【0011】
【
図1】
図1は、そのそれぞれが、本技術の実施形態に従って構成される、人工呼吸器および患者回路の概略図である。
【0012】
【
図2A】
図2A-2Dは、本技術の実施形態に従って構成される、別の人工呼吸器を図示する、一連の斜視図である。
【
図2B】
図2A-2Dは、本技術の実施形態に従って構成される、別の人工呼吸器を図示する、一連の斜視図である。
【
図2C】
図2A-2Dは、本技術の実施形態に従って構成される、別の人工呼吸器を図示する、一連の斜視図である。
【
図2D】
図2A-2Dは、本技術の実施形態に従って構成される、別の人工呼吸器を図示する、一連の斜視図である。
【0013】
【
図3A】
図3Aおよび3Bは、本技術の実施形態に従って構成される、別の人工呼吸器の斜視図である。
【
図3B】
図3Aおよび3Bは、本技術の実施形態に従って構成される、別の人工呼吸器の斜視図である。
【0014】
【
図3C】
図3Cは、
図3Aおよび3Bの人工呼吸器の人工呼吸器から除去された、吸着ベッドアセンブリの正面斜視図である。
【0015】
【
図3D】
図3Dは、吸着ベッドアセンブリの選択された側面が、吸着ベッドアセンブリの付加的特徴をより良好に示すために省略される、
図3Cの吸着ベッドアセンブリの別の正面斜視図である。
【0016】
【0017】
【
図3F】
図3Fは、吸着ベッドアセンブリの選択された側面が、吸着ベッドアセンブリの付加的特徴をより良好に示すために省略される、
図3Cの吸着ベッドアセンブリのまた別の正面斜視図である。
【0018】
【
図3G】
図3Gおよび3Hは、本技術の実施形態に従って構成される、別の吸着ベッドアセンブリの斜視図である。
【
図3H】
図3Gおよび3Hは、本技術の実施形態に従って構成される、別の吸着ベッドアセンブリの斜視図である。
【0019】
【
図3I】
図3Iおよび3Jは、本技術の実施形態に従って構成される、別の吸着ベッドアセンブリの斜視図である。
【
図3J】
図3Iおよび3Jは、本技術の実施形態に従って構成される、別の吸着ベッドアセンブリの斜視図である。
【0020】
【
図4A】
図4Aおよび4Bは、吸着ベッドを含み、本技術の実施形態に従って構成される、酸素アセンブリの概略図示である。
【
図4B】
図4Aおよび4Bは、吸着ベッドを含み、本技術の実施形態に従って構成される、酸素アセンブリの概略図示である。
【0021】
【
図5A】
図5A-5Dは、螺旋挿入部を含み、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを図示する、一連の部分的概略図である。
【
図5B】
図5A-5Dは、螺旋挿入部を含み、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを図示する、一連の部分的概略図である。
【
図5C】
図5A-5Dは、螺旋挿入部を含み、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを図示する、一連の部分的概略図である。
【
図5D】
図5A-5Dは、螺旋挿入部を含み、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを図示する、一連の部分的概略図である。
【0022】
【
図6A】
図6A-6Cは、酸素発生プロセスの間の、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドの動作を図示する、一連の概略図である。
【
図6B】
図6A-6Cは、酸素発生プロセスの間の、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドの動作を図示する、一連の概略図である。
【
図6C】
図6A-6Cは、酸素発生プロセスの間の、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドの動作を図示する、一連の概略図である。
【0023】
【
図7A】
図7Aおよび7Bは、可変流路を有し、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを含む、酸素アセンブリの概略図示である。
【
図7B】
図7Aおよび7Bは、可変流路を有し、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを含む、酸素アセンブリの概略図示である。
【0024】
【
図8A】
図8A-8Dは、テーパ状流路を有し、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを図示する。
【
図8B】
図8A-8Dは、テーパ状流路を有し、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを図示する。
【
図8C】
図8A-8Dは、テーパ状流路を有し、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを図示する。
【
図8D】
図8A-8Dは、テーパ状流路を有し、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッドを図示する。
【0025】
【
図9】
図9は、
図8A-8Dのテーパ状吸着ベッドに関する体積および圧力特性を図示する、グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
I.統合された酸素生産を伴う人工呼吸器システムの選択された実施形態
図1は、本技術の実施形態に従って構成される、人工呼吸療法および/または酸素療法を患者30に送達するための、人工呼吸器100と、患者回路20とを含む、システム10のブロック図である。人工呼吸器100は、ポータブルであり、内部バッテリ(図示せず)および/または従来の壁コンセント等の外部電源(図示せず)によって給電されるように構成されてもよい。人工呼吸器100は、人工呼吸ガス(例えば、「空気12」)を患者30に提供するための人工呼吸アセンブリ102を含むことができる。空気12は、人工呼吸アセンブリ102に結合される、患者空気取入口104を介して、人工呼吸器100によって受容される。「空気」であるものとして識別されるが、当業者は、空気12が、人工呼吸器100の外部の任意の源から取得される、周囲空気または加圧空気を含み得ることを理解する。人工呼吸アセンブリ102は、呼吸の吸気段階および/または呼気段階の間に空気12を主要人工呼吸器接続106に提供することができる。いくつかの実施形態では、人工呼吸器100は、呼吸の呼気段階の間に呼気ガスを受容してもよい。人工呼吸器100は、したがって、患者呼気または呼息ガス14を人工呼吸器100の外部の環境に通気するために、人工呼吸アセンブリ102に結合される、出口ポート107を有してもよい。いくつかの実施形態では、患者呼気または呼息ガス14の一部または全ては、その両方が下記に詳細に説明される、患者接続部40に、または患者回路20に沿って位置付けられる、排気弁(図示せず)等を介して、人工呼吸器100に戻るように経路指定されるのではなく、システム10の別の好適な場所において通気されてもよい。
【0027】
人工呼吸器100はまた、濃縮酸素18を患者30に提供するための酸素アセンブリ110(本明細書では、「酸素発生アセンブリ」または「酸素発生モジュール」とも称され得る)を含むことができる。酸素アセンブリ110は、窒素吸着剤材料(例えば、ゼオライト)を含有する、吸着ベッド120(「吸着器」、「メディアベッド」、「シーブベッド」、または同等物とも称され得る)を含むことができる。吸着ベッド120は、したがって、患者空気取入口104を介して、酸素アセンブリ110によって受容された空気12から窒素を優先的に吸着することができる(人工呼吸アセンブリ102と同一の患者空気取入口104を介して空気を受容するように示されるが、他の実施形態では、酸素アセンブリ110は、別個の空気取入口に結合されることができる)。窒素吸着剤材料は、酸素18または別のガスが吸着ベッド120を通して流動し、下記に説明される、窒素リッチガス16の形態において窒素吸着剤材料から吸着された窒素をパージする、脱着段階の間に再生されることができる。また、下記により詳細に説明されるように、吸着ベッド120は、吸着ベッド120が、(例えば、患者30および/または別のユーザによって)除去および交換され得るように、人工呼吸器100(例えば、人工呼吸器100の酸素アセンブリ110)によって解放可能に受容されることができる。また、単一の吸着ベッド120として説明されるが、酸素アセンブリ110は、2つ、3つ、4つ等の1つまたはそれを上回る吸着ベッド120を含んでもよい。
【0028】
酸素アセンブリ110は、したがって、吸着ベッド120を通して空気12を流動させることによって、人工呼吸器100内に濃縮酸素18を発生させることができる。本明細書に使用されるように、用語「濃縮酸素」は、80%~96%の純酸素(O2)を含有するガスを指す。酸素アセンブリ110は、圧力スイング吸着(PSA)プロセス、真空圧スイング吸着(VPSA)プロセスを使用して、または別の好適な技法を介して動作することができる。酸素アセンブリ110は、随意に、吸着ベッド120によって発生された濃縮酸素18を少なくとも一時的に保持するための酸素チャンバ121を含むことができる。いくつかの実施形態では、酸素アセンブリ110はさらに、その間の酸素18の流動を制御するために、吸着ベッド120と酸素チャンバ121との間に位置付けられる、弁122(例えば、調整器)を含むことができる。例えば、濃縮酸素18が、吸着ベッド120を通して空気12を流動させることによって生産される、吸着段階の間、弁122は、吸着ベッド120内で十分な圧力に到達し、それによって、酸素18が十分な純度に到達していることを確実にした後にのみ、酸素18が吸着ベッド120から外へ、酸素チャンバ121の中に流動することを可能にすることができる。同様に、窒素が、吸着ベッド120を通して濃縮酸素18または別のガスを流動させることによって、吸着ベッド120から脱着およびパージされる、脱着段階の間、弁122は、酸素18が酸素チャンバ121から、吸着ベッド120の中に戻るように、それを通して流動することを可能にし、吸着ベッド120から窒素をパージすることができる。いくつかの実施形態では、酸素アセンブリ110はまた、米国特許第10,046,134号(その開示は、参照することによってその全体として、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれる)に説明されるものを含む、付加的弁類、流動導管、または同等物等、吸着ベッド120の動作をさらに制御するためのある付加的特徴を含むことができる。人工呼吸器100は、排気ガス(例えば、吸着ベッド120を通して酸素18を流動させることによって脱着段階の間に生産された窒素リッチガス16)を、酸素アセンブリ110から、酸素アセンブリ110に結合される出口通気孔112を介して、人工呼吸器100の外部の環境に出力してもよい。
【0029】
人工呼吸器100は、患者回路20および患者接続部40を介して、患者30に結合されることができる。患者回路20は、人工呼吸ガス送達回路22と、酸素送達回路24とを含むことができる。人工呼吸ガス送達回路22は、主要人工呼吸器接続106に流体的に結合されるように構成され、患者30に、および/またはそこからガス(例えば、吸気段階の間の空気12および呼気段階の間の患者呼息ガス14)を輸送するための導管または管腔(例えば、管類)を含むことができる。酸素送達回路24は、酸素出口ポート108に流体的に結合されるように構成され、また、患者30に、および/またはそこから濃縮酸素18を輸送するための導管または管腔(例えば、管類)を含むことができる。いくつかの実施形態では、人工呼吸ガス送達回路22および酸素送達回路24は、酸素アセンブリ110からの濃縮酸素18および人工呼吸アセンブリ102からの空気12が、患者接続部40に来る、またはそれに近接するまで混合しないように、それらの個別の長さの全体または実質的部分に沿って流体的に隔離される。故に、人工呼吸ガス送達回路22および酸素送達回路24は、同軸配列を有する多管腔管、ともに接合される2つまたはそれを上回る別個の管、および/またはともに結合されない2つの明確に異なる回路によって形成されることができる。いくつかの実施形態では、患者回路20は、米国特許第10,518,059号および第10,105,509号(その開示は、参照することによってそれらの全体として、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等の受動的患者回路または能動的患者回路であり得る。患者回路20はまた、下記に説明される、呼吸感知ポート114に接続されることができる。患者接続部40は、完全リブリーザマスク、部分的リブリーザマスク、鼻マスク、マウスピース、ノーズピース(例えば、カニューレ)、気管チューブ、または同等物等、空気12および濃縮酸素18を患者30に送達するために患者回路20に結合される、任意の好適なインターフェースであり得る。いくつかの実施形態では、システム10は、随意に、患者回路20内または別の好適な場所において等、人工呼吸器100と患者30との間に一直線に位置付けられる、1つまたはそれを上回る細菌フィルタを含むことができる。
【0030】
呼吸感知ポート114は、患者の呼吸の、および/またはシステム10内の1つまたはそれを上回るパラメータ(例えば、流動、圧力、体積等)を測定するための1つまたはそれを上回るトランスデューサまたはセンサ115を含むことができる。例えば、呼吸感知ポート114は、患者信号(例えば、圧力信号)を1つまたはそれを上回るセンサ115に伝送するように構成される、患者回路20の一部に結合されることができる。1つまたはそれを上回るセンサ115は、伝送された患者信号を測定することができ、これは、(例えば、呼吸ガスおよび/または酸素の送達を患者の吸気努力に同期させるために)主要人工呼吸器接続106を通した呼吸ガスおよび/または酸素出口ポート108を通した濃縮酸素18のパルスの送達をトリガするために使用されることができる。いくつかの実施形態では、呼吸感知ポート114は、米国特許第10,245,406号および第10,315,002号(その開示は、参照することによってそれらの全体として、あらゆる目的のために本明細書に組み込まれる)に説明される多管腔管接続等の多管腔管接続であり得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、人工呼吸器100は、米国特許出願公開第US 2022/0193354号(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように、人工呼吸療法から独立して、および/または人工呼吸療法と組み合わせて、酸素を患者30に送達することができる。例えば、システム10は、これが補足的濃縮酸素18のパルスを患者30に提供する、酸素モード、これが吸気ガス(例えば、空気12)を患者30に提供する、人工呼吸モード、および/または、これが吸気ガス(例えば、空気12)および濃縮酸素18のパルスの両方を患者30に提供する、組み合わせモードにおいて動作することができる。故に、人工呼吸器100は、補足的酸素を患者30に提供することができ、機械的人工呼吸を患者30に提供することができ、および/または濃縮酸素18と組み合わせた機械的人工呼吸を患者30に提供することができる。
【0032】
人工呼吸器100は、人工呼吸器100の動作を制御するための制御モジュール116を含んでもよい。例えば、制御モジュール116は、人工呼吸アセンブリ102および/または酸素アセンブリ110の動作を制御するための1つまたはそれを上回る信号を発生させることができる。例えば、制御モジュール116は、人工呼吸モード、酸素モード、および/または組み合わせモードの間で人工呼吸器100を移行させることができる。これは、自動的に、またはユーザ入力に応答して行われてもよい。制御モジュール116はまた、人工呼吸器100の動作を患者の呼吸と同期させることができる。例えば、いくつかの実施形態では、制御モジュール116は、呼吸感知ポート114におけるセンサ115から1つまたはそれを上回る測定パラメータを受信する。人工呼吸器100は、したがって、体積制御人工呼吸、圧力制御人工呼吸、および/または流動制御人工呼吸を提供するように構成されてもよい。例えば、制御モジュール116は、呼吸感知ポート114から受信された測定パラメータを分析し、分析に基づいて、患者回路20を介した呼吸の送達をトリガし、および/または酸素送達回路24を介した濃縮酸素18のパルスの送達をトリガすることができる。制御モジュール116はまた、(例えば、検出可能な自発呼吸を示さない患者のために)トリガ信号を要求することなく、人工呼吸器100の動作を制御するように構成されることができる。そのような実施形態では、制御モジュール116は、事前設定されたタイミングまたは他の好適な技法に従って人工呼吸器100を動作させることができる。制御モジュール116はまた、人工呼吸器100の種々の側面を監視および/または制御するために、人工呼吸アセンブリ102および/または酸素アセンブリ110からフィードバック信号を受信してもよい。
【0033】
人工呼吸器100はさらに、ユーザインターフェース118を含むことができる。ユーザインターフェース118は、ユーザ(例えば、患者30または患者30と関連付けられる介護者、臨床医、または同等の人)から入力を受信し、その入力を制御モジュール116に提供するように構成される。ユーザインターフェース118を介して受信される入力は、人工呼吸器設定、動作のパラメータ、動作モード、および同等物を含むことができる。特定の実施例では、ユーザは、ユーザインターフェース118を使用して、人工呼吸モード、酸素モード、および/または組み合わせモードの間で選択してもよい。ユーザインターフェース118はさらに、人工呼吸器設定、動作のパラメータ、動作モード、吸着ベッド120のステータス、吸着ベッド120の推定される残りの寿命、吸着ベッド120を交換するためのアラート、および同等物を含む、情報をユーザおよび/または患者に表示するように構成されることができる。ユーザインターフェース118は、デジタルディスプレイを有するタッチスクリーン等の当技術分野で公知の任意の好適なユーザインターフェースであり得る。
【0034】
人工呼吸器100は、随意に、本明細書に説明される人工呼吸および酸素送達以外の付加的機能を含むことができる。例えば、人工呼吸器100は、随意に、米国特許第9,956,371号(その開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるように、ネブライザアセンブリに結合するためのネブライザ接続、吸引アセンブリに結合するための吸引接続、および/または咳補助を患者に提供するための咳補助モジュールを含むことができる。
【0035】
上記に記載されるように、本明細書に説明される人工呼吸器は、周囲空気から濃縮酸素を生産するための除去可能および交換可能吸着ベッドを含むことができる。例えば、
図2A-2Cは、除去可能吸着ベッド220を有し、本技術の選択された実施形態に従って構成される、人工呼吸器200を図示する、一連の斜視図である。
図2Aを参照すると、人工呼吸器200は、筐体230と、主要人工呼吸器接続206(
図1に関して説明される主要人工呼吸器接続106と同一である、または類似し得る)と、酸素出口ポート208(
図1に関して説明される酸素出口ポート108と同一である、または類似し得る)と、呼吸感知ポート214(
図1に関して説明される呼吸感知ポート114と同一である、または類似し得る)とを有することができる。
【0036】
筐体230は、
図2Aに示される閉鎖位置と
図2Bに示される開放位置との間で選択的に移動され得る、アクセス扉またはパネル232を含むことができる。アクセス扉232は、アクセス扉232が開放位置と閉鎖位置との間で繰り返し移動されることを可能にする、任意の好適な配列を介して筐体230に結合されることができる。例えば、
図2Bに示されるように、アクセス扉232は、開放位置にあるときにアクセス扉232を筐体に結合された状態に保つ、結合部材234(例えば、テザー)を介して筐体230に結合されることができる。他の実施形態では、アクセス扉232は、随意に、アクセス扉232を閉鎖位置に保つように付勢され得る、ヒンジを介して筐体230に結合されることができる。いくつかの実施形態では、アクセス扉232は、摩擦フィット、スナップフィット、磁気接続、または当技術分野で公知の他の好適な接続を介して、閉鎖位置において筐体230に解放可能に固着されることができる。
【0037】
アクセス扉232は、人工呼吸器200の内部内に位置付けられ、濃縮酸素を発生させるように構成される、酸素アセンブリ210の少なくとも一部へのアクセスを提供するように構成されることができる。特に、アクセス扉232は、酸素アセンブリ210の吸着ベッド220と整合されることができる。例えば、
図2Bおよび2Cに示されるように、アクセス扉232が、開放位置にあるとき、ユーザ(図示せず)は、例えば、
図2Cの矢印Aによって示される方向に吸着ベッド220を移動させることによって、酸素アセンブリ210から吸着ベッド220を部分的または完全に除去することができる。いくつかの実施形態では、吸着ベッド220は、いかなるツールの使用も伴わずに、人工呼吸器200から除去されることができる(例えば、ユーザは、単純に自身の手を使用して、吸着ベッド220を完全に除去することができる)。他の実施形態では、1つまたはそれを上回る容易に入手可能なツール(例えば、アレンレンチ、フィリップスヘッドスクリュドライバ等)が、
図3Iおよび3Jを参照して下記に説明される実施形態等に関して、ユーザが人工呼吸器200から吸着ベッド220を除去するために要求されてもよい。いったんユーザが人工呼吸器200から吸着ベッド220を除去すると、ユーザは、吸着ベッド220によって以前に占有されていた同一のスロットの中に新しい吸着ベッドを摺動させることによって、人工呼吸器200の中に新しい吸着ベッド(図示せず)を挿入することができる。いくつかの実施形態では、新しい吸着ベッドは、いかなるツールの使用も伴わずに、人工呼吸器200内に配設されることができる(例えば、ユーザは、単純に自身の手を使用して、新しい吸着ベッドを完全に配設することができる)。他の実施形態では、1つまたはそれを上回る容易に入手可能なツール(例えば、アレンレンチ、フィリップスヘッドスクリュドライバ等)が、ユーザが人工呼吸器200内に新しい吸着ベッドを配設するために要求されてもよい。ユーザは、次いで、アクセス扉232を閉鎖位置(
図2A)に移動させ、筐体230内に新しい吸着ベッドを保定することができる。
図2Aに最も詳細に示されるように、いくつかの実施形態では、アクセス扉232はさらに、酸素アセンブリ210が、副生ガス(例えば、窒素リッチガス)を人工呼吸器200の外部の環境にパージし得るように、1つまたはそれを上回る通気孔または排気開口部212(
図1に関して説明される出口通気孔112と同一である、または類似し得る)を含んでもよい。
【0038】
図2Dは、人工呼吸器200内に位置付けられる、吸着ベッド220の個別の断面図である。
図2Dに示されるように、吸着ベッド220は、少なくとも部分的または完全に、シールアセンブリ222の周(例えば、円周)の周囲に延在する、環状流体チャネル224(「環状チャネル224」)を有する、シールアセンブリ222を含むことができる。いくつかの実施形態では、環状チャネル224は、部分的または完全に、第1の環状隆起またはシール要素228a(例えば、第1のOリング、第1の辺縁シール等)と第2の環状隆起またはシール要素228b(例えば、第2のOリング、第2の辺縁シール等)(集合的に、シール要素228と称される)との間に形成され、その両方もまた、少なくとも部分的または完全に、シールアセンブリ222の周(例えば、円周)の周囲に延在してもよい。シール要素228は、吸着ベッド220が、人工呼吸器200の中に挿入されると、環状チャネル224が、吸着ベッド220の外部円周の周囲に延在する、トロイド形チャンバを形成するように、吸着ベッド220を受容するように構成される人工呼吸器200の内部部分または表面との実質的に気密のシールを形成するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、環状チャネル224およびシール要素228は、略円形であるが、他の実施形態では、環状チャネル224およびシール要素228は、三角形、正方形、または、概して、吸着ベッド220を受容するように構成される人工呼吸器200の内部表面によって形成される形状に対応する、任意の他の好適な形状であり得る。加えて、環状チャネル224およびシール要素228は、吸着ベッド220の断面形状に対応するように成形されることができる。
【0039】
環状チャネル224は、少なくとも部分的に、シールアセンブリ222を通して延在する、1つまたはそれを上回る流路226を介して、吸着ベッド220の内部221と流体連通することができる。1つのみの流路226が、
図2Dに示されるが、他の実施形態では、シールアセンブリ222は、2つ、3つ、4つ、5つ、または任意の他の好適な数の流路226を含むことができる。人工呼吸器200の中に挿入されると、環状チャネル224はまた、吸着ベッドを受容する人工呼吸器200の内部表面内の1つまたはそれを上回るポート(図示せず)と流体連通することができる。ポートは、酸素チャンバ(例えば、
図1に示される酸素チャンバ121)または酸素出口ポート(例えば、
図1に示される酸素出口ポート108)に流体的に結合されることができる。故に、吸着ベッド220の内部221内で発生された酸素は、患者への送達のために、流路226を通して環状チャネル224の中に、および環状チャネル224から酸素アセンブリ210および/または人工呼吸器200の下流部分の中に流動することができる。
【0040】
環状チャネル224等の環状チャネルを含む、吸着ベッドは、いくつかの利点を呈することが予期される。例えば、吸着ベッド220は、人工呼吸器200内に正しく位置付けることがより容易であり得る。多くの従来の吸着ベッドは、例えば、酸素アセンブリの空気流ポートと吸着ベッドとの間の適切な整合を保証するために、具体的配向において(例えば、人工呼吸器に対して具体的半径方向配向における吸着ベッドを伴って)、および/または吸着ベッドのテーパ状部分が関連付けられる酸素濃縮器の対応してテーパ状の部分によって受容されるように位置付けられる状態で、関連付けられる酸素アセンブリの中に挿入されなければならない。対照的に、吸着ベッド220の環状チャネル224は、吸着ベッド220が、ガスが吸着ベッドを通して流動することを可能にする流体接続を依然として形成しながら、任意の半径方向配向において人工呼吸器200の中に挿入され得るように、シールアセンブリ222の全周の周囲に延在することができる(例えば、流路226は、吸着ベッド220がその中に挿入される半径方向配向にかかわらず、人工呼吸器200の内部表面内の1つまたはそれを上回るポート(図示せず)に流体的に結合されるであろう)。加えて、環状チャネル224は、1つまたはそれを上回る流体経路226を介して、吸着ベッド220の内部221に流体的に結合されることができるため、流体経路226のうちの個々のものの1つまたはそれを上回る寸法(例えば、長さ、幅、断面積等)は、低減されることができ、これは、ひいては、他の従来の吸着ベッドと比較して、吸着ベッド220の圧力完全性を増加させることができる。
【0041】
図3Aおよび3Bは、除去可能吸着ベッド320を有し、本技術の実施形態に従って構成される、別の人工呼吸器300を図示する。人工呼吸器300は、概して、人工呼吸器100(
図1)および/または人工呼吸器200(
図2A-2C)に類似し得る。しかしながら、人工呼吸器筐体230の一部を形成するアクセス扉232を有する、人工呼吸器200に対して、人工呼吸器300は、人工呼吸器300の筐体330の一部を形成する、統合パネル332を有する、吸着ベッド320(
図3B)を含む(吸着ベッド320および統合パネル332は、集合的に「吸着ベッドアセンブリ322」または単純に「酸素アセンブリ322」を形成する)。
図3Aに示されるように、統合パネル332は、筐体330の外部表面と整合する。統合パネル332は、統合パネル332(したがって、吸着ベッド320)を筐体330に解放可能に結合するように動作可能な取付またはラッチング機構310を含むことができる。
図3Dに関してより詳細に説明されるように、取付機構310は、(例えば、
図3Bに示されるように)吸着ベッドアセンブリ322が、人工呼吸器300から除去され得るように、筐体330から統合パネル332を結合解除するようにユーザによって作動されることができる。理論によって拘束されるわけではないが、パネル332を吸着ベッド320と統合することは、パネル332が占有する人工呼吸器300内の体積を低減させることが予期され、これは、ひいては、より大きい吸着ベッド320が利用されることを可能にする。これは、当業者が認識するであろうように、比較的により大きい吸着ベッドが、概して、より長い使用可能寿命を有し、したがって、ユーザが、吸着ベッドアセンブリ322を交換する必要性がある前に、より長い期間にわたって濃縮酸素を発生させることを可能にするため、有利であることが予期される。
【0042】
図3Cは、人工呼吸器300から除去された、吸着ベッドアセンブリ322の正面斜視図である。示されるように、吸着ベッドアセンブリ322は、第1の端部部分322aと、第1の端部部分322aと反対の第2の端部部分322bとを有することができる。第2の端部部分322bは、統合パネル332の全てまたは一部を含むことができる。
【0043】
図3Dは、統合パネル332の選択された側面が、取付機構310の付加的特徴をより良好に示すために省略される、吸着ベッドアセンブリ322の別の斜視図である。例えば、図示される実施形態では、取付機構310は、ラッチング部材313に動作可能に結合される、付勢要素311を含む。図示される実施形態では、付勢要素311は、第1の方向D1にラッチング部材313を付勢するように構成される、圧縮ばねである。他の実施形態では、付勢要素311は、任意の他の好適な付勢要素を含むことができ、および/または任意の他の好適な方向にラッチング部材313を付勢するように構成されることができる。ラッチング部材313は、人工呼吸器300(
図3Aおよび3B)の筐体330の保定特徴(図示せず)によって解放可能に受容されるように構成される、突出部315を含むことができる。ラッチング部材313は、これが第1の方向D1および第1の方向D1と反対の第2の方向D2において統合パネル332に対して移動し得るように、吸着ベッドアセンブリ322に摺動可能に結合されることができる。いくつかの実施形態では、ラッチング部材313はさらに、ユーザが取付機構310を動作させることを可能にするためのスイッチまたはアクチュエータ317を含むことができる。動作時、付勢要素311は、突出部315が、筐体330の保定特徴によって解放可能に受容されるように、例えば、人工呼吸器筐体330(
図3Aおよび3B)に向かって第1の方向D1にラッチング部材313を付勢するために、第1の方向D1においてラッチング部材313に対して力を付与することができる。本構成における付勢要素311を用いることで、吸着ベッドアセンブリ322は、人工呼吸器300内に保定されることができる。人工呼吸器300から吸着ベッドアセンブリ322を除去するために、ラッチング部材313は、例えば、付勢要素311によってラッチング部材313に対して付与される力に対抗するために、ユーザが第2の方向D2にアクチュエータ317を摺動させることによって、第2の方向D2に移動されることができる。ラッチング部材313が第2の方向D2に移動するにつれて、突出部315は、人工呼吸器筐体330の保定特徴から解放される/それを係脱させることができ、これは、ひいては、
図3Aおよび3Bに関して前述で説明されるように、吸着ベッドアセンブリ322が人工呼吸器300から除去されることを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、ラッチング部材313は、吸着ベッドアセンブリ322の偶発的脱落または除去のリスクを低減させるために、追加レベルの安全性を提供するために、これが第2の方向D2に摺動し得る前に、(例えば、吸着ベッド320の縦方向軸に平行な方向に)圧入されなければならない。
図3Dは、付勢要素311および突出部315の使用を図示するが、他の好適なユーザ動作可能取付機構も、吸着ベッドアセンブリ322を人工呼吸器300に除去可能なように固着させるために使用されることができる。
【0044】
吸着ベッドアセンブリ322は、人工呼吸器300の中に挿入されると、人工呼吸器300の他の部分に流体的に結合され、人工呼吸器300内の酸素アセンブリ(図示せず)を通した経路を完成させるように構成される。例えば、
図3Eは、吸着ベッドアセンブリ322を人工呼吸器300に流体的に接続するための空気流ポートを図示する、吸着ベッドアセンブリ322の後面斜視図である。いくつかの実施形態では、第1の端部部分322aは、酸素アセンブリまたは人工呼吸器300の空気取入口(例えば、
図1に示される患者空気取入口104)と整合する、第1の開口またはポート324を含むことができる。故に、第1のポート324は、周囲空気(例えば、空気12)が、第1のポート324を介して吸着ベッド320の中に流動し得るように、空気取入口と流体連通するように吸着ベッド320の内部を設置することができる。加えて、第2の端部部分322bは、濃縮酸素18が、第2のポート326を介して吸着ベッド320から外に流動し得るように、同様に吸着ベッド320の内部と流体連通する第2の開口またはポート326を含むことができる。第2のポート326は、酸素チャンバ(例えば、
図1に示される酸素チャンバ121)または他の酸素出口(例えば、
図1に示される酸素出口ポート108)と整合する、または別様にそれに流体的に結合されるように構成されることができる。故に、ガスは、(例えば、吸着段階の間に)吸着ベッド320を通して、第1のポート324から第2のポート326に流動することができる。他の実施形態では、ガス流動の方向は、ガスが、(例えば、脱着段階の間に)吸着ベッド320を通して、第2のポート326から第1のポート324に向かって流動するように、逆転されることができる。図示される実施形態では、第1のポート324および第2のポート326は、略平行であり、例えば、相互に略平行である軸に沿ってガス(例えば、空気12、濃縮酸素18等)の流動を指向するように構成される。他の実施形態では、ポート324およびポート326は、垂直(例えば、
図2Dに関して図示されるような)または角度付き等、相互に対する任意の他の好適な配向を有することができる。
【0045】
図3Fは、統合パネル332および取付機構310の選択された側面が、吸着ベッドアセンブリ322を通した流路をより良好に示すために省略される、吸着ベッドアセンブリ322のまた別の正面斜視図である。特に、統合パネル332は、陥凹付きまたは流体移送エリア334を含むことができる。流体移送エリア334は、流体移送エリア334内の1つまたはそれを上回る通気孔または開口部336を介して、吸着ベッド320の内部と流体連通することができる。流体移送エリア334はさらに、第2のポート326(
図3E)に流体的に結合される、開口338を含むことができる。故に、少なくともいくつかの実施形態では、流体(例えば、酸素)は、通気孔336のうちの1つまたはそれを上回るものを介して吸着ベッド320から退出し、流体移送エリア334を通して通過し、開口338に進入し、第2のポート326を介して吸着ベッドアセンブリ322から退出することができる(流動の方向は、脱着段階の間に逆転される)。本流体移送は、少なくとも部分的に、統合パネル332内で生じることができ、これは、吸着ベッド320の有効長を増加させることができる。例えば、人工呼吸器300内の流体移送のために使用される吸着ベッド320の体積を低減させること(例えば、最小限にすること)は、対応して、吸着ベッド320が、他の吸着ベッドと比較して、増加された量の窒素吸着剤材料を担持し得るように、吸着ベッド320の内部(図示せず)内の容積を増加させることができる。
図3Fに示されないが、第2の端部部分332bは、吸着ベッド320内で発生された実質的に全ての流体(例えば、酸素)が、開口338および関連付けられる第2のポート326を介して吸着ベッドアセンブリ322から退出し得るように、流体移送エリア334との実質的に気密のシールを形成するように構成される、1つまたはそれを上回るプレートまたはシール部材を含むことができる。
【0046】
図3Gおよび3Hは、本技術の実施形態に従って構成される、別の吸着ベッドアセンブリ372の斜視図である。吸着ベッドアセンブリ372は、概して、
図3A-3Fの吸着ベッドアセンブリ322に類似し得、人工呼吸器300との併用のために構成されることができる。しかしながら、吸着ベッドアセンブリ372は、統合パネル332に枢動的に結合される、ラッチング部材363を有する、取付機構360を含む。図示される実施形態では、ラッチング部材363は、略T形であるが、ラッチング部材363は、他の形状を有することができる。動作時、ラッチング部材363は、例えば、前述で説明されるように、吸着ベッドアセンブリ372が人工呼吸器300(
図3Aおよび3B)から除去されることを可能にするために、統合パネル332に対する第1の位置(
図3G)から、統合パネル332に対する第2の位置(
図3H)に、および/またはそれに向かって枢動されることができる。いくつかの実施形態では、ラッチング部材363を第1の位置から第2の位置に移行させることは、吸着ベッドアセンブリ372を人工呼吸器300の筐体330に固着させるフランジ、舌部、または他の保定要素(図示せず)を係止解除または解放する。いくつかの実施形態では、第2の位置では、ラッチング部材363は、例えば、人工呼吸器300から吸着ベッドアセンブリ372を除去する際にユーザを支援するために、取っ手としての役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、ラッチング部材363は、吸着ベッドアセンブリ372の偶発的脱落または除去のリスクを低減させるために、追加レベルの安全性を提供するために、これがフランジ、舌部、または他の保定要素(図示せず)を係脱させるために第2の位置に移動された後、(例えば、時計回りまたは反時計回り方向に)回転されなければならない。図示される実施形態では、ラッチング部材363は、第1の位置において吸着ベッドアセンブリ372の縦方向軸に略垂直であり、第2の位置において吸着ベッドアセンブリ372の縦方向軸に略平行である。他の実施形態では、ラッチング部材363は、第1および第2の位置において吸着ベッドアセンブリ372に対する任意の他の好適な配向を有することができる。
【0047】
図3Iおよび3Jは、本技術の実施形態に従って構成される、別の吸着ベッドアセンブリ382の斜視図である。吸着ベッドアセンブリ382は、概して、
図3A-3Fの吸着ベッドアセンブリ322および
図3Gおよび3Hの吸着ベッドアセンブリ372に類似し得、したがって、人工呼吸器300との併用のために構成されることができる。しかしながら、吸着ベッドアセンブリ382は、ワイヤベイル386と、鍵穴388とを含む、係止/係止解除または取付機構381と、取付機構381を被覆するためのエラストマカバー384とを含む(カバー384は、図示の目的のために、
図3Iおよび3Jにおいて取付機構381から除去され、したがって、それへのアクセスを提供して示される)。鍵穴388およびワイヤベイル386は両方とも、個別の係止位置(
図3I)と係止解除位置(
図3J)との間で移動可能である。いくつかの実施形態では、鍵穴388およびワイヤベイル386は両方とも、人工呼吸器(例えば、人工呼吸器300)から吸着ベッドアセンブリ382を除去するために、それらの個別の係止解除位置になければならない。例えば、動作時、ユーザは、取付機構381にアクセスするためにカバー384を除去することによって、人工呼吸器/人工呼吸器筐体から吸着ベッドアセンブリ382を除去することができる。取付機構381が暴露された状態で、ユーザは、ツール(例えば、フラットヘッドスクリュドライバ、ヘックスヘッドスクリュドライバ等、図示せず)を鍵穴388の中に挿入し、これを
図3Jに示される構成に約90度反時計回りに回転させ、少なくとも部分的に、人工呼吸器300に吸着ベッドアセンブリ382を機械的に保持する内部ラッチング機構(図示せず)を係止解除する、または係脱させることができる。内部ラッチング機構を完全に係止解除する、または係脱させるために、ユーザは、次いで、ワイヤベイル386を
図3Jに示される構成に反転させることができる。ユーザは、次いで、ワイヤベイル386を使用し、人工呼吸器筐体(図示せず)から外に吸着ベッドアセンブリ382を引動することができる。いったん吸着ベッドアセンブリ382が人工呼吸器筐体から引き抜かれると、交換カートリッジが、上記に列挙される手順を逆に実施することによって配設されることができる。
【0048】
図1-3Jに示される実施形態は、統合された酸素濃縮器または酸素アセンブリを含む、人工呼吸器システムの文脈において説明されるが、当業者は、
図1-3Jに関して説明されるある特徴が、人工呼吸器システムの一部ではない酸素濃縮器において実装され得ることを理解するであろう。例えば、酸素アセンブリ110またはその構成要素(
図1)、酸素アセンブリ210またはその構成要素(
図2A-2D)、および/または吸着ベッドアセンブリ322またはその構成要素(
図3A-3J)は、人工呼吸療法もまた提供しない独立型酸素濃縮器に統合されることができる。故に、本技術はまた、上記に説明される対応する除去可能吸着ベッドおよび酸素アセンブリと同一である、または概して、それに類似し得る、除去可能吸着ベッドおよび酸素アセンブリを有する、酸素濃縮器を含む。
【0049】
II.吸着ベッドを有する酸素アセンブリの付加的特徴
図4Aは、吸着ベッド420を含み、本技術の実施形態に従って構成される、酸素アセンブリ410の概略図示である。酸素アセンブリ410および吸着ベッド420は、概して、
図1-3Jを参照して説明される酸素アセンブリおよび吸着ベッドに類似し、またはそれと同一であり得、したがって、前述で説明される人工呼吸器100-300、統合された酸素生産を伴う他の人工呼吸器、および/または独立型酸素濃縮器と併用されることができる。吸着ベッド420は、第1の端部420aと、第1の端部420aと反対の第2の端部420bとを含むことができる。吸着ベッド420はさらに、流体入口部分422と、入口部分422を介して、吸着ベッド420に進入する空気中の水分または湿気を捕捉し、留めるための水分捕捉またはデシカント材料部分424と、遮断弁部分426と、除湿された空気から窒素を捕捉し、留めるための窒素吸着剤材料部分428とを含むことができる。図示される実施形態では、入口部分422は、吸着ベッド420の第1の端部420aに近接して位置付けられ、デシカント材料部分424は、入口部分422と遮断弁部分426との間に位置付けられ、遮断弁部分426は、デシカント材料部分424と窒素吸着剤材料部分428との間に位置付けられ、窒素吸着剤材料部分428は、遮断弁部分426と第2の端部420bとの間に位置付けられる。
【0050】
流体入口部分422は、1つまたはそれを上回る流体入口423を含むことができ、流体入口423のうちの個々のものは、空気取入口404(例えば、
図1に示される患者空気取入口104)に流体的に結合され、選択的に、および/または独立して、患者空気取入口404を介して受容された空気12が、吸着ベッド420の中に流動することを可能にするように構成されることができる。デシカント材料部分424は、空気12がデシカント材料部分424を通して通過すると、空気12から水分(例えば、水)を優先的に捕捉するように構成される、1つまたはそれを上回る水分捕捉またはデシカント材料425(例えば、アルミナ)を含み、それによって、少なくとも部分的に、これが窒素吸着剤材料部分428の中に流動する前に空気12を除湿することができる。遮断弁部分426は、1つまたはそれを上回る遮断弁427を含むことができ、遮断弁427のうちの個々のものは、選択的に、および/または独立して、(i)遮断弁427が、空気がデシカント材料部分424と窒素吸着剤材料部分428との間の遮断弁部分426を通して流動することを可能にする、第1の(例えば、開放)構成と、(ii)遮断弁427が、少なくとも部分的または完全に、空気12がデシカント材料部分424と窒素吸着剤材料部分428との間の遮断弁部分426を通して流動することを防止する、第2の(例えば、閉鎖)構成との間で移行されることができる。窒素吸着剤材料部分428は、空気12が窒素吸着剤材料部分428を通して通過すると、空気12から窒素を優先的に吸着するように構成される、1つまたはそれを上回る窒素吸着剤材料429(例えば、ゼオライト)を含み、例えば、濃縮酸素18を発生させることができ、これは、次いで、酸素チャンバ421の中に、および/または直接酸素出口ポート408に流動することができる。
【0051】
いくつかの実施形態では、酸素アセンブリ410はさらに、吸着ベッド420の第2の端部420bに流体的に結合される、1つまたはそれを上回る調整器430を含んでもよい。調整器430のうちの個々のものは、選択的に、および/または独立して、吸着ベッド420の第2の端部420bを通した流体(例えば、酸素18)の流動を制御するように構成されることができる。加えて、調整器430のうちの1つまたはそれを上回るものは、酸素チャンバ421および/または酸素出口ポート408に流体的に結合されることができる。酸素アセンブリ410はまた、空気取入口404と入口423との間に位置付けられる、1つまたはそれを上回る空気流弁(図示せず)を含んでもよい。空気流弁は、(例えば、酸素アセンブリ410の使用の間に)ガスが空気取入口404と入口423との間で流動することを可能にし、(例えば、酸素アセンブリが使用されていないとき)空気取入口と入口423との間のガス流動を遮断するように選択的に作動されることができる。いくつかの実施形態では、空気流弁は、吸着ベッド420に結合されることができるが、他の実施形態では、空気流弁は、吸着ベッド420とは別個である。
【0052】
動作時、吸着ベッド420は、入口423のうちの1つまたはそれを上回るものを介して、患者空気取入口404から空気12を受容することができる。空気12は、入口部分422を通して流動し、デシカント材料部分424に進入することができ、その中でデシカント材料425は、例えば、空気12を除湿するために、空気12から水分を優先的に捕捉し、留めることができる。遮断弁427のうちの1つまたはそれを上回るものが、第1の(例えば、開放)構成にあるとき、除湿された空気は、デシカント材料部分424から、遮断弁427を通して流動し、窒素吸着剤材料部分428に進入することができる。除湿された空気が、窒素吸着剤材料部分428内にあるとき、窒素吸着剤材料429は、空気12から窒素を優先的に捕捉し、留めることができる。窒素吸着剤材料部分428内での空気12からの窒素の吸着は、濃縮酸素18を発生させることができ、これは、例えば、患者への送達のために、調整器430のうちの1つまたはそれを上回るものを通して、酸素出口ポート408に向かって流動することができる。吸着ベッド420が、もはや使用されなくなると、遮断弁427の全てまたはサブセットは、窒素吸着剤材料部分428からデシカント材料部分424を流体的に隔離するために、第2の構成に、および/またはそれに向かって移行されることができる。
【0053】
ゼオライト等のいくつかの窒素吸着剤材料は、水分に暴露される場合、劣化し得る。本劣化を低減させるために、いくつかの吸着ベッドは、空気が吸着ベッドを通して流動する際、水分が窒素吸着剤材料に到達することを少なくとも部分的に防止するために、窒素吸着剤材料のすぐ上流に位置付けられるデシカント材料を含む。しかしながら、空気が、吸着ベッドを通して流動していないとき(例えば、酸素アセンブリが、オフにされる、または保管中であるとき)、デシカント材料内の水分の一部は、窒素吸着剤材料の中に移動し、その中の窒素吸着剤材料の劣化を助長し得る。デシカント材料は、窒素吸着剤材料と同一の筐体内に位置付けられるため、本水分移動は、吸着ベッドが、保管期間の間に外部環境から流体的に密閉される場合であっても生じ得る。対照的に、吸着ベッド420の遮断弁部分426は、デシカント材料部分424と窒素吸着剤材料部分428との間に位置付けられる、1つまたはそれを上回る遮断弁427を含み、1つまたはそれを上回る遮断弁427のうちの個々のものは、閉鎖され、デシカント材料425によって捕捉された水分が窒素吸着剤材料429に移動し、それを劣化させることを低減させ、および/またはそうなることを防止することができる。例えば、吸着ベッド420が、使用されていないとき、1つまたはそれを上回る(例えば、全ての)遮断弁427は、遮断弁427が、少なくとも部分的または完全に、窒素吸着剤材料429からデシカント材料425を(およびデシカント材料425によって捕捉されたいかなる水分も)分離する(例えば、流体的に隔離する)ように、第1の(例えば、開放)構成から第2の(例えば、閉鎖)構成に、および/またはそれに向かって移行されることができる。故に、本技術の実施形態に従って構成される吸着ベッドは、デシカント材料と窒素吸着剤材料との間の水分移送を低減させることが予期され、これは、窒素吸着剤材料の劣化を低減させ、および/またはこれらの吸着ベッドの動作寿命を改良することができる。
【0054】
吸着ベッド420は、酸素発生プロセスの吸着段階の間に、水分が窒素吸着剤材料429に進入することを防止する、または少なくともそうなることを低減させる。いくつかの実施形態では、デシカント材料はまた、窒素吸着剤材料429と調整器430との間に位置付けられ、酸素発生プロセスの脱着段階の間に使用されるガス中の水分が窒素吸着剤材料に進入することを防止する、または少なくともそうなることを低減させる。例えば、
図4Bは、吸着ベッド470を有し、本技術の選択された実施形態に従って構成される、酸素アセンブリ460を図示する。酸素アセンブリ460は、概して、酸素アセンブリ410(
図4A)に類似し得る。例えば、吸着ベッド470は、第1の端部470aと、第1の端部と反対の第2の端部470bと、第1のデシカント材料425を有する、第1のデシカント材料部分424と、第1の遮断弁427を有する、第1の遮断弁部分426と、窒素吸着剤材料429を有する、窒素吸着剤材料部分428とを有することができる。しかしながら、酸素アセンブリ410に対して、酸素アセンブリ460はさらに、窒素吸着剤部分428と第2の端部470bとの間に位置付けられる、デシカント材料475を含有する、第2のデシカント材料部分474を含む。デシカント材料475は、デシカント材料425と同一であり得る、または窒素吸着剤材料およびデシカント材料の組み合わせであり得る。脱着段階の間、ガス(例えば、酸素18)は、吸着ベッド420を通して、第2の端部470bから第1の端部470aに向かって流動し、窒素吸着剤材料429を再生させる。窒素リッチガス16が、入口423から外に流動し、1つまたはそれを上回る通気孔(図示せず)を介して外部環境にパージされる。しかしながら、特に、不使用の期間後、酸素チャンバ421内の酸素18は、(例えば、酸素チャンバ421における漏出に起因して)増加された含水量を有し得る。故に、第2のデシカント材料部分474内のデシカント材料475は、酸素18が窒素吸着剤材料429に進入する前に、脱着段階の間に使用される酸素18中のいかなる水分も捕捉し、留める。
【0055】
第2のデシカント材料部分474を有することに加えて、またはその代わりに、酸素アセンブリ460および/または酸素チャンバ421は、本システムの中への不要な水分進入をさらに最小限にする、または少なくとも低減させるために、比較的に低い水蒸気透過率(「MVTR」)を有する材料から成り、それによって、脱着段階の間に吸着ベッド470を通して押し戻され得る水分を最小限にする、または少なくとも低減させることができる。例えば、酸素アセンブリ460、酸素チャンバ421、酸素アセンブリ460および酸素チャンバ421を接続する任意の導管または流路、および/または任意の他の介在する構造が、水蒸気がそれを通して漏出/浸透することを殆どまたは全く可能にしない材料から成ることができる。結果として、酸素チャンバ421内に貯蔵され、脱着段階のために使用される酸素は、長い保管期間の間であっても、本システムが保管または使用される環境の湿度にかかわらず、低い含水量を留めることが予期される。比較的に高いMVTRを有する好適な材料は、限定ではないが、金属(例えば、アルミニウム、チタン、銅、ニッケル等)、合金(例えば、ステンレス鋼、黄銅、青銅等)、および/または金属めっきを含む。光学的に透過性の構成要素に関して、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、または環状オレフィンコポリマー(COC)等の比較的に高いMVTRの透明プラスチックが、使用されることができる。Oリングまたは他のゴム構成要素に関して、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)等の比較的に高いMVTRのゴム材料が、使用されることができる。付加的材料は、ポリエチレンイミン(PEI)および/または高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、材料は、6g/m2またはそれ未満、5g/m2またはそれ未満、4.5g/m2またはそれ未満、4g/m2またはそれ未満、3.5g/m2またはそれ未満、または3g/m2またはそれ未満等の8g/m2またはそれ未満のMVTR値を有する。
【0056】
吸着ベッド470はさらに、窒素吸着剤材料部分428と第2のデシカント材料部分474との間に位置付けられる、第2の遮断弁477を有する、第2の遮断弁部分476を含むことができる。第2の遮断弁477は、第2の遮断弁477が、酸素アセンブリ460が使用されていないとき、第2のデシカント材料部分474内に捕捉された水分が、窒素吸着剤材料部分の中に移動することを防止する、または少なくともそうなることを低減させることを除いて、概して、
図4Aに関して詳細に説明される第1の遮断弁427に類似し得る。
【0057】
本技術はまた、改良された縦横比を有する吸着ベッドを含む。例えば、
図5A-5Dは、本技術の実施形態に従って構成される、関連付けられる渦巻状または螺旋挿入部540a-dを有する、個別の吸着ベッド520a-dを図示する。具体的には、
図5Aは、螺旋挿入部540aを含む、吸着ベッド520aの斜視図であり、
図5Bは、比較的に低いピッチを伴う螺旋挿入部540bを含む、吸着ベッド520bの側面図であり、
図5Cは、比較的に高いピッチを伴う螺旋挿入部540cを含む、吸着ベッド520cの側面図であり、
図5Dは、縦方向に変動されたピッチを伴う螺旋挿入部540dを有する、吸着ベッド520dの側面図である。
図5A-5Dの以下の説明は、個別の吸着ベッド520a-dおよび関連付けられる螺旋挿入部540a-dのそれぞれの選択された側面に言及する。これらの側面は、例証の明確化のために、具体的吸着ベッドおよび/または具体的螺旋挿入部を参照して説明されるが、1つの螺旋挿入部(例えば、
図5Aの螺旋挿入部540a)の任意の説明が、本技術の他の螺旋挿入部のうちの1つまたはそれを上回るもの(例えば、
図5B-Dの螺旋挿入部540b-dのうちの1つまたはそれを上回るもの)に等しく適用され得、逆もまた同様であることを理解されたい。
【0058】
螺旋挿入部540a-dはそれぞれ、個別の吸着ベッド520a-dの対応する内部521a-d内に位置付けられ、個別の吸着ベッド520a-dの縦方向軸に略平行な方向に、例えば、少なくとも部分的または完全に、個別の内部521a-dの長さに沿って延在することができる。前述で説明されるように、吸着ベッド520a-dのそれぞれの内部521a-dは、窒素吸着剤材料(図示せず)で充填されることができる。動作時、螺旋挿入部540a-dはそれぞれ、(例えば、
図5Bおよび5Cの吸着ベッド520bおよび520cを通して進行する空気12によって示されるように)個別の吸着ベッド520a-dを通して進行する空気を略螺旋または渦巻形経路に沿って指向する。結果として、螺旋挿入部540a-dは、吸着ベッド自体の長さよりも長い、個別の吸着ベッドを通した空気流路を提供する。故に、吸着ベッド520a-dとともに螺旋挿入部540a-dを利用することは、吸着ベッドの全長を増加させることなく、吸着ベッド520a-dの縦横比(例えば、長さ対直径)を効果的に増加させる。例えば、螺旋挿入部を使用することは、吸着ベッドの縦横比を少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも100%、少なくとも200%、またはそれを上回って増加させることができる。理論によって拘束されるわけではないが、これは、(1)所与の吸着ベッドサイズに関して、吸着ベッドによって発生される酸素を増加させ、および/または(2)酸素発生能力を維持しながら、比較的によりコンパクトな吸着ベッドの使用を可能にすることが予期され、これは、ひいては、酸素発生アセンブリ、したがって、人工呼吸器のサイズを低減させることができる。
【0059】
最初に
図5Aを参照すると、螺旋挿入部540aは、吸着ベッド520a内に1つまたはそれを上回るチャンバ、したがって、1つまたはそれを上回る流動経路を作成することができる。図示される実施形態では、例えば、螺旋挿入部540aは、吸着ベッド520aを通した第1のチャンバ544a
1および第2のチャンバ544a
2を作成する。他の実施形態では、螺旋挿入部540aは、少なくとも3つ、4つ、5つ、またはそれを上回るチャンバを作成するように構成されることができる。チャンバ544aはそれぞれ、チャンバ544aがそれぞれ、吸着ベッド520aの内部521aを通した個別の流路を画定し得るように、相互から流体的に隔離されることができる。図示される実施形態では、例えば、第1のチャンバ544a
1は、吸着ベッド520aを通した第1の流路542a
1を画定し、第2のチャンバ544a
2は、吸着ベッド520aを通した第2の流路542a
2を画定する。螺旋挿入部540aが、2つを上回るチャンバを作成する実施形態では、螺旋挿入部540aはまた、2つを上回る流路542a(例えば、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回る流路)を画定するであろう。
【0060】
螺旋挿入部540aは、これが、吸着ベッド520aの内部表面内にフィットするが、それに当接する、またはほぼ当接するように構成される外側円周を有するようにサイズ決めされることができる。例えば、螺旋挿入部540aの外側円周は、螺旋挿入部540aが、概して、吸着ベッド520aの内側寸法D2(例えば、幅、直径等)に類似する、またはそれをごくわずかに下回る外側寸法D1(例えば、幅、直径等)を有するように、内部表面の内側円周と同一である、またはそれよりもごくわずかに小さくあり得る。螺旋挿入部540aは、吸着ベッド520a内に密着してフィットするように寸法決定されるため、第1のチャンバ544a1および第1の流路542a1は、第2のチャンバ544a2および第2の流路542a2から実質的または完全に流体的に隔離されることができる。いくつかの実施形態では、吸着ベッド520aの内部表面に当接するように構成される螺旋挿入部540aの一部は、第1の流路542a1および第2の流路542a2をさらに流体的に隔離するために、内部表面にシール(例えば、糊着、テープ留め、接着等)されることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、吸着ベッド520aのチャンバのうちの1つまたはそれを上回るものは、例えば、単一の吸着ベッド内に複数の通路を形成するために、および/または吸着ベッドの縦横比をさらに増加させるために、直列に接続されることができる。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、第1のチャンバ544a
1は、ガスが、吸着ベッド520aに進入し、第1の流路542a
1を介して第1のチャンバ544a
1を通して流動し、次いで、第2の流路542a
2を介して第2のチャンバ544a
2を通して流動し得るように、吸着ベッド520aの端部(図示せず)において第2のチャンバ544a
2に流体的に結合されることができる。
図5B-Dの螺旋挿入部540b-dは、概して、螺旋挿入部540aのチャンバ544aおよび流路542aに類似する、またはそれと同一のチャンバおよび流路を含むことができる。
【0062】
螺旋挿入部540a-dのピッチもまた、異なる縦横比および流動特性を達成するために変動されることができる。例えば、
図5Bおよび5Cは、異なるピッチを有する、螺旋挿入部540b、540cを図示する(本明細書に使用されるように、用語「ピッチ」は、螺旋挿入部の単一の完全回転を指す)。図示される実施形態では、例えば、螺旋挿入部540bは、第1のピッチP1を有し、螺旋挿入部540cは、第1のピッチP1を上回る/それよりも密である第2のピッチP2を有する。ピッチの程度は、吸着ベッドを通して延在する流路の有効長を変化させる。例えば、所与の長さの螺旋挿入部および吸着ベッドに関して、より高い/より密なピッチは、より多い回転、より長い流路、したがって、より高い縦横比に対応する一方、より小さい/より疎らなピッチは、より少ない回転、より短い流路、したがって、より低い縦横比に対応する。故に、図示される実施形態では、吸着ベッド520bは、(吸着ベッドの所与の長さに関して)吸着ベッド520cと比較して、より短い流路、したがって、より低い縦横比を有する。螺旋挿入部540a-dのピッチは、少なくとも部分的に、所望の縦横比、関連付けられる人工呼吸器または酸素濃縮器の設計基準、関連付けられる吸着ベッドの製造制約、吸着ベッドによって担持される窒素吸着剤材料によって発生される背圧の量等に基づいて選択されることができる。所与の長さおよび直径を有するベッドに関して、より密なピッチ(例えば、
図5C)は、流路の長さを増加させ、したがって、窒素吸着剤材料によって発生される背圧を増加させるであろう一方、より疎らなピッチ(
図5B)は、流路の長さを減少させ、したがって、窒素吸着剤材料によって発生される背圧を減少させるであろう。故に、ピッチは、吸着ベッドの機能を最適化するために、窒素吸着剤材料によって発生される背圧を「微調整」するように選択されることができる。いくつかの実施形態では、ピッチはまた、例えば、圧縮機自体の設定(例えば、速度)を変化させる必要性を伴わずに、圧縮機によって発生される有効流動を調節するために、圧縮機(図示せず)に基づいて選択されることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、本技術の実施形態に従って構成される吸着ベッドは、例えば、2つまたはそれを上回る異なるようにサイズ決めされたサブピッチSPを含むように、変動される、または不均一である全体的ピッチVPを有する螺旋挿入部を含む。
図5Dを参照すると、螺旋挿入部540dの全体的ピッチVPは、吸着ベッド520dの縦方向軸に沿って、例えば、吸着ベッド520dの第1の(例えば、空気流入)端部520d
1から吸着ベッド520dの第2の(例えば、酸素流出)端部520d
2まで変動する。図示される実施形態では、全体的ピッチVPは、4つのサブピッチSP1-SP4(例えば、第1のサブピッチSP1、第2のサブピッチSP2、第3のサブピッチSP3、および第4のサブピッチSP4)を含む。第1のサブピッチSP1は、第2のサブピッチSP2未満であり、第2のサブピッチSP2は、第3のサブピッチSP3未満であり、第3のサブピッチSP3は、第4のサブピッチSP4未満であり、したがって、全体的ピッチVPは、吸着ベッド520dの縦方向軸に沿って、第1の端部520d
1から第2の端部520d
2に向かって増加する。他の実施形態では、全体的ピッチVPは、少なくとも2つ、3つ、5つ、6つ、または任意の他の好適な数のピッチ等のより多いまたはより少ないサブピッチを含むことができる。これらおよび他の実施形態では、サブピッチのうちの個々のものは、他のサブピッチのうちの1つまたはそれを上回るものに対する任意の他の好適な関係を有することができる。
【0064】
動作時、空気(例えば、
図1の空気12)は、第1の端部520d
1を介して吸着ベッド520dに進入し、内部521dを通して第2の端部520d
2に向かって流動することができる。空気が第2の端部520d
2に向かって流動するにつれて、内部521d内の窒素吸着剤材料(例えば、
図4の窒素吸着剤材料429)は、空気から窒素を優先的に吸着することができ、これは、ひいては、空気が第2の端部520d
2に向かって流動する際の空気中の窒素の量(および空気の体積)を低減させる。故に、第2の端部520d
2における、またはその近傍の空気は、第1の端部520d
1における、またはその近傍の空気よりも少ない窒素含有量を有することが予期され、ひいては、第1の端部520d
1と比較して、低減された量の窒素吸着剤材料が、第2の端部520d
2に、またはその近傍に位置付けられることができる。また、空気の体積は、これが第1の端部520d
1から第2の端部520d
2に向かって流動するにつれて、減少する。螺旋挿入部540dの全体的ピッチVPは、したがって、例えば、少なくとも部分的に、第2の端部520d
2において、またはその近傍で必要とされる低減された量の窒素吸着剤材料および/または第2の端部520d
2に進行する低減された体積の空気を収容することに基づいて、第2の端部520d
2において、またはその近傍で増加されることができる。
【0065】
螺旋挿入部540dの全体的ピッチVPを変動させることは、吸着ベッド520dが、概して、テーパ状または円錐形幾何学形状を有する(例えば、テーパ状/円錐形吸着ベッドの長さに沿って減少する1つまたはそれを上回る寸法(幅、直径、断面積等)を有する)吸着ベッドに類似して、またはそれと同様に動作する結果をもたらすことができる。テーパ状/円錐形幾何学形状を伴う吸着ベッドの実施例が、
図8A-8Cを参照してより詳細に説明される。少なくともいくつかの実施形態では、例えば、螺旋挿入部540dの縦方向軸に沿ったサブピッチSP1-SP4の変動は、吸着ベッド520dの内部521dが、概して、テーパ状/円錐形吸着ベッドの内部容積に類似する、またはそれと同一の容積を有するように選択される。加えて、または代替として、吸着ベッド520dの第2の端部520d
2における、またはその近傍の増加された相対的ピッチは、第2の端部520d
2における、またはその近傍の吸着ベッド520dによって担持される窒素吸着剤材料の体積を低減させることができ、窒素吸着剤材料の体積の本低減は、概して、縦方向にテーパ状または円錐形である吸着ベッド内の窒素吸着剤材料の体積の低減に類似する、またはそれと同一であり得る。いくつかの実施形態では、可変テーパリングは、吸着ベッド520dを通して移動するガスの流動が、実質的に一定のままであるように設計されることができる。そのような実施形態では、空気の体積は、前述で説明されるように、窒素の吸着に起因して、空気12が第1の端部520d
1から第2の端部520d
2に向かって移動するにつれて減少するため、ピッチは、概して、空気12を受容するように構成される第1の端部520d
1に近接してより疎らであり、酸素を出力するように構成される第2の端部520d
2に向かってより密である。
【0066】
本技術はさらに、酸素発生プロセスの吸着段階および/またはパージ段階の間の吸着ベッドの性能を改良するための種々の特徴を伴う吸着ベッドを含む。
図6A-6Cは、酸素発生プロセスの間の、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッド620の動作を図示する、一連の概略図である。具体的には、
図6Aは、酸素発生プロセスの吸着段階の間の吸着ベッド620を示し、
図6Bおよび6Cは、酸素発生プロセスの脱着またはパージ段階の間の吸着ベッド620を図示する。吸着ベッド620は、概して、本明細書に説明される吸着ベッドのうちのいずれかまたは別の好適な吸着ベッドに類似する、またはそれと同一であり得る。
【0067】
ともに
図6A-6Cを参照すると、吸着ベッド620は、第1の端部622aと、第1の端部622aと反対であり、それから離間される、第2の端部622bとを有する、筐体622を含むことができる。筐体622は、第1の端部622aにおける第1の開口またはポート624と、第2の端部622bにおける1つまたはそれを上回る第2の開口またはポート626とを含むことができる。筐体622は、少なくとも部分的に、吸着ベッド620の内部621を画定することができる。内部621は、少なくとも部分的に、窒素吸着剤材料629で充填されることができる。第2の端部622bは、第1の(例えば、吸着段階、閉鎖等)構成(
図6A)と、第2の(例えば、脱着段階、パージ段階、開放等)構成(
図6Bおよび6C)との間で移行可能な弁650を含むことができる。第1の(例えば、閉鎖)構成では、ガスは、第2のポート626を通して流動することのみによって、吸着ベッドの第2の端部622bに進入する、またはそれから退出することができる。第2の(例えば、開放)構成では、ガス進入/退出のために利用可能な第2のポート626のうちの1つまたはそれを上回るものの表面積は、増加される。弁650は、一方向弁、フラッパ型弁、または任意の他の好適な弁であり得る。
図6A-6Cに単一の弁650として説明されるように示されるが、他の実施形態では、本技術の吸着ベッドは、少なくとも2つ、3つ、4つ、または任意の他の好適な数の弁等のより多い弁650を含むことができる。
【0068】
図6Aを参照すると、吸着段階の間、吸着ベッド620は、第1の端部622aにおける第1のポート624を介して空気12を受容することができる。空気12は、吸着ベッド620の内部621を通して流動することができ、その中に含有される窒素吸着剤材料629は、例えば、濃縮酸素18を発生させるために、空気12から窒素を優先的に吸着することができる。吸着段階では、弁650は、第1の(例えば、閉鎖)構成にあり得、少なくとも部分的に、吸着ベッド620の第2の端部622bを通した酸素32の流動を制限することができ(例えば、酸素18の流動が第2のポート626を介して退出することのみを可能にし)、これは、ひいては、吸着ベッド620の内部621の全てまたは一部全体を通して比較的に高い圧力を維持することができる。
【0069】
図6Bを参照すると、脱着段階の間、吸着ベッド620は、第2の端部622bを介してガス(例えば、酸素18または別のガス)を受容することができる。酸素18は、例えば、少なくとも1つの後続吸着段階のために窒素吸着剤材料629を再生させるために、吸着ベッド620の内部621を通して流動し、少なくとも部分的に、吸着段階の間に窒素吸着剤材料629によって捕捉された窒素を脱着させ、窒素リッチガス16として吸着ベッド620から外に流動することができる。脱着段階では、弁650は、第2の(例えば、開放)構成にあり、弁650が第1の(例えば、閉鎖)位置にあるときに対して、流体がそれを通して流動するための比較的により大きいエリアを提供することができる。これは、弁650が第1の構成(
図6A)にあるときの第2の端部622bを通した流動の流量および/または体積と比較して、第2の端部622bを通したガス流動の増加された流量および/または増加された体積を提供することが予期される。第2の端部622bを通した酸素18の流動の増加された流量および/または体積は、脱着段階の間の流動の増加された表面積を提供することができ、これは、ひいては、窒素が脱着され、窒素吸着剤材料629が再生される率を増加させることができる。加えて、または代替として、脱着段階の間に第2の位置における弁650を有することは、吸着ベッド620の内部621の圧力を減少させることができ、これもまた、窒素が脱着され、窒素吸着剤材料629が再生される率を増加させることができる。
【0070】
図6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、弁650は、脱着段階の間に、第2の端部622bを通した流体の流動を再指向する、または別様に改変するように構成されることができる。図示される実施形態では、例えば、弁650が、第2の構成にあるとき、弁650は、吸着ベッドの内部621の少なくとも1つの側壁621aに向かって酸素18の一部を再指向するように構成されることができる。他の実施形態では、弁650は、吸着ベッドの内部621の任意の他の好適な部分に向かって酸素18の流動を再指向するように構成されることができる。理論によって拘束されるわけではないが、脱着段階の間に流動を再指向するように構成される弁を含む吸着ベッドが、有利なこととして、吸着ベッドの内部の全てまたは一部全体を通した流動拡散を増加させ、および/または吸着ベッドの内部の全てまたは一部全体を通した流動のより均一な分配を生じさせ得ることが考えられる。
【0071】
いくつかの実施形態では、本技術の吸着ベッドは、吸着段階およびパージ段階の間に異なる流路を提供するように構成される。例えば、
図7Aおよび7Bは、可変流路を有し、本技術の実施形態に従って構成される、吸着ベッド720を含む、酸素アセンブリ710の概略図示である。
図7Aおよび7Bを集合的に参照すると、吸着ベッド720は、窒素吸着剤材料729を含有する、第1の区分760aと、窒素吸着剤材料729を含有する、第2の区分760bとを含む。第1の区分760aは、第1の端部760a
1と、第1の端部760a
1と反対の第2の端部760a
2とを有することができ、第2の区分760bは、同様に、第1の端部760b
1と、第1の端部760b
1と反対の第2の端部760b
2とを有することができる。区分760a、bはそれぞれ、吸着ベッド720の長さ未満である、それに等しい、またはそれを上回る長さを有することができる。
【0072】
第1の区分760aおよび第2の区分760bは、流動制御要素762によって分離されることができ、これは、流動制御要素762が、ガスが第1の区分760aと第2の区分760bとの間で流動することを可能にする、開放位置(
図7Aに示されるような)と、流動制御要素762が、第1の区分760aと第2の区分760bとの間のガス流動を防止する、閉鎖位置(
図7Bに示されるような)との間で移行することができる。流動制御要素762の構成に応じて、区分760a、bは、直列(例えば、
図7Aに示されるような)または並列(例えば、
図7Bに示されるような)のいずれかで結合されることができる。流動制御要素762は、第1および第2の区分760a、bを流体的に接続し、流体的に隔離するように選択的に移動し得る、弁(例えば、ソレノイド弁、回転弁等)または他の好適な特徴であり得る。
【0073】
流動制御要素762は、酸素発生サイクルの間に開放位置と閉鎖位置との間で循環するように構成される。例えば、流動制御要素762は、概して、酸素発生サイクルの吸着段階の間に開放位置に、および酸素発生サイクルのパージ段階の間に閉鎖位置にある。吸着段階の間の開放位置における流動制御要素762を示す、
図7Aを参照すると、吸着ベッド720は、第1の区分760aの第1の端部760a
1における患者空気取入口712または他の好適な入口を介して空気12を受容することができる。空気12は、第1の区分760aを通して、第1の区分760aの第2の端部760a
2に向かって流動することができ、空気12が第1の区分760aを通して流動する際、その中に含有される窒素吸着剤材料729は、空気12から窒素を優先的に捕捉し、留めること(例えば、吸着すること)ができる。流動制御要素762が、第1の構成にあるとき、流動制御要素762は、第1の区分760aを通して流動する空気12が、流動制御要素762によって第2の区分760bに、および/またはそれに向かって指向され得るように、第1の区分760aの第2の端部760a
2を第2の区分760bの第2の端部760b
2に流体的に結合することができる。空気12は、第2の区分760bを通して、第2の区分760bの第1の端部760b
1に向かって流動し続けることができ、空気12が第2の区分760bを通して流動する際、その中に含有される窒素吸着剤材料729は、例えば、患者への送達のための濃縮酸素18を発生させるために、空気12中に残留する任意の窒素の少なくとも一部を優先的に吸着することができる。第1および第2の区分760a、760bは、吸着段階の間に流動制御要素762によって流体的に結合されるため、吸着ベッド720は、吸着段階の間に増加された縦横比(例えば、長さ対幅/直径)を有することができる。
【0074】
吸着段階とパージ段階との間の移行の前に、および/またはその間、流動制御要素762は、流動制御要素762が第1および第2の区分760a-bを流体的に結合する、第1の位置から、流動制御要素762が第1および第2の区分762a、bを流体的に隔離する(例えば、流体的に結合しない)、第2の構成に移行(例えば、回転)されることができる。脱着またはパージ段階の間の閉鎖位置における流動制御要素762を示す、
図7Bを参照すると、酸素18(または別の好適な流体)は、例えば、少なくとも部分的に、窒素吸着剤材料729を再生させるために、第1および第2の区分760a、760bの個別の第1の端部760a
1、760b
1に供給され、吸着段階の間に第1および第2の区分760a、760bのそれぞれの中の窒素吸着剤材料729によって捕捉された窒素を少なくとも部分的に脱着させる、またはパージすることができる。流動制御要素762は、第1および第2の区分760a、760bを流体的に隔離するため、第1および第2の区分760a、760bの個別の第2の端部760a
2、760b
2は、(例えば、第1の区分760aと第2の区分760bとの間に流動するように窒素リッチガス16を指向する代わりに)窒素リッチガス16がパージ段階の間に吸着ベッド720から外に流動することを可能にすることができる。第1および第2の区分760a、760bは、パージ段階の間に流動制御要素762によって流体的に隔離されるため、吸着ベッド720は、例えば、吸着段階(
図7A)における縦横比に対して、脱着段階の間に減少された縦横比を有することができる。
【0075】
脱着段階の間の第1の区分760aおよび第2の区分760bの両方を通した酸素18の流動を促進するために、酸素アセンブリ710はさらに、酸素チャンバ弁764(単純に「弁764」とも称される)を含むことができる。酸素チャンバ弁764は、酸素チャンバ721を第1の区分760aに接続する経路を通した流動を制御することができる。故に、吸着段階の間、
図7Aに示されるように、酸素チャンバ弁764は、閉鎖位置にある、または別様に第1の区分760aの第1の端部760a
1の中に流動しないように酸素18を遮断する。しかしながら、脱着段階の間、
図7Bに示されるように、酸素チャンバ弁764は、開放位置にある、または別様に酸素18が酸素チャンバ721から第1の区分760aの第1の端部760a
1の中に流動することを可能にする。いくつかの実施形態では、酸素チャンバ弁764は、吸着段階の間、(1)空気12が空気取入口712から第1の区分760に流動することを可能にし、(2)酸素チャンバ721から第1の区分に流動しないように酸素18を遮断し、脱着段階の間、(3)空気取入口712から第1の区分760に流動しないように空気12を遮断し、(4)酸素18が酸素チャンバ721から第1の区分760に流動することを可能にする、三方向弁である。
【0076】
吸着段階およびパージ段階のための可変流路を有する吸着ベッドは、流路が酸素発生サイクルの特定の段階に最適化されることを可能にする。例えば、吸着ベッド720は、吸着段階の間の比較的により高い縦横比と、パージ段階の間の比較的により低い縦横比とを有するように構成される。これは、いくつかの利点を提供することが予期される。例えば、増加された窒素吸着を可能にするために、吸着ベッドが吸着段階の間に増加された縦横比を有することが、有益である。また、窒素吸着剤材料のための増加された再生率を可能にするために、脱着またはパージ段階の間に低減された縦横比を有することが、有益である。例えば、減少された縦横比は、概して、減少された背圧、吸着ベッドを通してガスを流動させるための減少された動力駆動要件、および増加されたサイクル時間と相関され、その全ては、脱着段階の間に有利である。故に、本技術の実施形態に従って構成される吸着ベッドは、吸着段階の間の増加された窒素吸着およびパージ段階の間の増加された窒素吸着剤材料再生率を提供することができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、本技術は、吸着ベッドの内側断面寸法が、ベッドの給送端においてよりも生成物端においてより小さくなるように、テーパ状形状を有する、吸着ベッドを含む。例えば、
図8A-8Dは、ベッドの生成物端においてテーパ状形状を有し、本技術の選択された実施形態に従って構成される、吸着ベッドの実施例を図示する。より具体的には、
図8Aは、第1のテーパ状形状を有し、本技術の選択された実施形態に従って構成される、第1の吸着ベッド820aの縦方向断面図であり、
図8Bは、第2のテーパ状形状を有し、本技術の選択された実施形態に従って構成される、第2の吸着ベッド820bの縦方向断面図であり、
図8Cは、第3のテーパ状形状を有し、本技術の選択された実施形態に従って構成される、第3の吸着ベッド820cの縦方向断面図であり、
図8Dは、第4のテーパ状形状を有し、本技術の選択された実施形態に従って構成される、第4の吸着ベッド820dの縦方向断面図である。
【0078】
図8A-8Dを集合的に参照すると、第1の吸着ベッド820a、第2の吸着ベッド820b、第3の吸着ベッド820c、および第4の吸着ベッド820d(集合的に吸着ベッド820と称される)はそれぞれ、窒素吸着剤材料を格納するための内部821a-dを画定する、対応する筐体822a-dを含む。各筐体822a-dは、第1の端部部分822a
1-822d
1と第2の端部部分822a
2-822d
2との間に延在する。吸着段階の間、空気は、矢印Fによって示される方向において、第1の端部部分822a
1-822d
1と第2の端部部分822a
2-822d
2との間の内部821a-dを通して流動する。脱着/パージ段階の間、酸素は、反対方向において、内部821a-dを通して流動する。
【0079】
吸着ベッド820はそれぞれ、第2の端部部分822a2-822d2に近接するテーパ状部分824a-dを含む。テーパ状部分824a-dはそれぞれ、第1の内径ID1から第2の内径ID2までテーパ状である。第1の内径ID1は、内部821a-dの内径が、テーパ状部分824a-dの長さに沿って減少するように、第2の内径ID2を上回る。いくつかの実施形態では、第1の内径ID1は、約1.25インチ~約2.25インチ、または約1.5インチ~約2インチ、または約1.75インチであり得、第2の内径ID2は、約0.25インチ~1.25インチ、または約0.5インチ~1インチ、または約0.75インチであり得る。いくつかの実施形態では、第1の内径ID1と第2の内径ID2との間の比は、約5:1~1.5:1、または約4:1~1.5:1、または約3:1~約2:1、または約2.5:1であり得る。前述の範囲、寸法、および比は、実施例としてのみ提供され、いくつかの実施形態では、第1の内径ID1および/または第2の内径ID2は、前述の範囲外の寸法および比を有することができる。注目すべきこととして、筐体822a-dの外径ODは、吸着ベッド820が、それらの略円筒形外側外形を保つように、実質的に同一のままである。
【0080】
テーパ状部分824a-dの形状は、吸着ベッド820の間で異なる。例えば、
図8Aに示されるように、第1の吸着ベッド820aのテーパ状部分824aは、第1の内径ID
1と第2の内径ID
2との間の直径の減少が、テーパ状部分824aの長さに沿って略一定であるように、線形にテーパ状である。
図8Bに示されるように、第2の吸着ベッド820bのテーパ状部分824bは、テーパ状部分824bの長さに沿った直径の変化が、一定ではないように、凸状テーパリングを有する。同様に、
図8Cに示されるように、第3の吸着ベッド820cのテーパ状部分824cは、テーパ状部分824cの長さに沿った直径の変化がまた、一定ではないように、凹状テーパリングを有する。
図8Dに示されるように、第4の吸着ベッド820dのテーパ状部分824dは、
図8Aの第1の吸着ベッド820aのように線形にテーパ状であるが、テーパ状部分824dの内径の変化率が、より少ないように、第1の吸着ベッド820aのテーパ状部分824aよりも長い長さを有する。
【0081】
テーパ状部分824a-dの長さおよび形状は、吸着ベッド820の圧力および流動特性、したがって、吸着剤特性に影響を及ぼし得る。例えば、
図9は、(1)吸着段階の間の典型的な流動に関する各吸着ベッド820の長さに沿った圧力降下、および(2)その長さに沿った各吸着ベッド820の有効断面積を示す、グラフである。示されるように、各吸着ベッド820のテーパ状部分824a-dはそれぞれ、わずかに異なる有効断面積を有し、したがって、動作の間にわずかに異なる圧力降下を有する。したがって、テーパ状部分824a-dの長さおよび/または形状は、吸着ベッドの所望の圧力および/または流動特性に基づいて選択されることができる。当業者が理解するであろうように、
図8A-8Dの吸着ベッド820は、テーパ状部分に関する異なる形状およびサイズの4つの代表的実施例を提供する。しかしながら、本技術は、
図8A-8Dに示される形状およびサイズに限定されない。実際、当業者が本明細書の開示から理解するであろうように、テーパ状部分は、本技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に明確に示されるもの以外の他の好適な形状およびサイズを有することができる。例えば、テーパ状部分は、異なる幾何学形状(例えば、段階的幾何学形状、不規則な幾何学形状等)、異なる長さ、異なるテーパリング度、および/または異なる内側寸法を有することができる。
【0082】
理論によって拘束されることを意図していないが、
図9に示されるように、テーパ状部分824a-dは、吸着ベッド820a-d内の平均速度を、第2の端部部分822a
2-822d
2(例えば、生成物端)において増加する率において増加させる。理論によって拘束されることを意図していないが、これは、吸着ベッド820によって生産される酸素濃度の変化率を低減させることが予期される。すなわち、吸着ベッドの中にテーパ状部分824a-dを組み込むことは、質量移送区域の有効長を増加させ、したがって、吸着ベッドの第2の端部部分822a
2-822d
2から外に流動する酸素の濃度を安定させることが予期される。故に、いくつかの実施形態では、ベッドの生成物端においてテーパ状部分を有する吸着ベッドは、酸素のより一貫した出力を提供することが予期される。
【0083】
テーパ状部分824a-dは、(例えば、筐体822a-dの一部として)吸着剤ベッド自体に内蔵されることができるか、またはユーザが吸着剤ベッド内に配設し得る別個の構成要素(例えば、挿入部)であり得るかのいずれかである。テーパ状部分824a-dが、挿入部を備える実施形態では、ユーザは、例えば、所望の酸素出力を達成するために、流路の寸法を調節するために、使用されている挿入部を繰り返し変更することができる。
【0084】
III.実施例
本技術のいくつかの側面が、以下の実施例に記載される。
1.統合された酸素生産を伴う人工呼吸器システムであって、
筐体と、
筐体の外部から空気を受容するように構成される、筐体内の1つまたはそれを上回る空気取入口と、
筐体内に位置付けられ、呼吸の吸気段階の間に受容された空気を人工呼吸送達回路に提供するように構成される、人工呼吸アセンブリと、
筐体内に位置付けられ、呼吸の吸気段階の間に濃縮酸素を酸素送達回路に提供するように構成される、酸素アセンブリであって、
吸着ベッドアセンブリであって、
受容された空気から濃縮酸素を発生させるように構成される、吸着ベッドと、
吸着ベッドの端部部分に結合される、統合パネルと、
を有し、
吸着ベッドアセンブリは、ユーザによって筐体から除去可能であり、吸着ベッドアセンブリが、筐体内に位置付けられると、統合パネルは、筐体の外部表面の一部を形成する、
吸着ベッドアセンブリ、
を含む、酸素アセンブリと、
を備える、人工呼吸器システム。
2.吸着ベッドアセンブリはさらに、統合パネルを筐体に解放可能に結合するように構成される、取付機構を備える、実施例1に記載の人工呼吸器システム。
3.取付機構は、統合パネルに枢動的に結合される、ラッチング部材を含み、ラッチング部材は、統合パネルが筐体に係止される、第1の位置と、統合パネルが筐体から係止解除される、第2の位置との間で枢動可能に移動可能である、実施例2に記載の人工呼吸器システム。
4.取付機構は、(i)係止位置と係止解除位置との間で回転可能な鍵穴と、(ii)係止位置と係止解除位置との間で移動可能なワイヤベイルとを含み、取付機構は、筐体から吸着ベッドアセンブリを係脱させるために、鍵穴およびワイヤベイルが両方とも、係止解除位置になければならないように構成される、実施例2に記載の人工呼吸器システム。
5.吸着ベッドアセンブリは、受容された空気を受容するように構成される、1つまたはそれを上回る第1の空気流ポートを有する、第1の端部部分と、濃縮酸素を出力するように構成される、1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートを有する、第2の端部部分とを含む、実施例1-4のいずれかに記載の人工呼吸器システム。
6.統合パネルは、1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートを含む、実施例5に記載の人工呼吸器システム。
7.統合パネルはさらに、吸着ベッドおよび1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートを流体的に結合する、流体移送エリアを含む、実施例6に記載の人工呼吸器システム。
8.1つまたはそれを上回る第1の空気流ポートは、対応する1つまたはそれを上回る第1の空気流軸を有し、1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートは、1つまたはそれを上回る対応する第2の空気流軸を有し、1つまたはそれを上回る第1の空気流軸は、1つまたはそれを上回る第2の空気流軸に平行である、実施例5-7のいずれかに記載の人工呼吸器システム。
9.1つまたはそれを上回る第1の空気流ポートは、対応する1つまたはそれを上回る第1の空気流軸を有し、1つまたはそれを上回る第2の空気流ポートは、1つまたはそれを上回る対応する第2の空気流軸を有し、1つまたはそれを上回る第1の空気流軸は、1つまたはそれを上回る第2の空気流軸に略垂直である、実施例5-7のいずれかに記載の人工呼吸器システム。
10.吸着ベッドであって、
吸着ベッドの内部を画定する、筐体であって、吸着ベッドの内部は、吸着ベッドの内側寸法を画定する、筐体と、
筐体内に位置付けられる、伸長螺旋挿入部であって、吸着ベッドの内側寸法とほぼ同一である外側寸法を有する、伸長螺旋挿入部と、
を備え、
螺旋挿入部は、内部を通した第1の流路および内部を通した第1の流路と異なる第2の流路を画定し、第1の流路および第2の流路は、それらの個別の長さの実質的部分に沿って流体的に隔離される、吸着ベッド。
11.第1の流路は、第1の長さを有し、第2の流路は、第2の長さを有し、吸着ベッドは、第3の長さを有し、第3の長さは、第1の長さおよび第2の長さ未満である、実施例10に記載の吸着ベッド。
12.第1の長さは、第2の長さとほぼ同一である、実施例11に記載の吸着ベッド。
13.内側寸法は、吸着ベッドの内径であり、外側寸法は、螺旋挿入部の外径である、実施例10-12のいずれかに記載の吸着ベッド。
14.螺旋挿入部は、一定のピッチを有する、実施例10-13のいずれかに記載の吸着ベッド。
15.螺旋挿入部は、螺旋挿入部の縦方向軸に沿って変化する、可変ピッチを有する、実施例10-14のいずれかに記載の吸着ベッド。
16.可変ピッチは、空気を受容するように構成される、吸着ベッドの第1の端部に近接する第1のピッチと、第1の端部と反対にあり、濃縮酸素を出力するように構成される、吸着ベッドの第2の端部に近接する第2のピッチとを含み、第2のピッチは、第1のピッチを上回る、実施例15に記載の吸着ベッド。
17.第1の流路の端部領域は、第1の流路および第2の流路が、流体的に直列に結合されるように、第2の流路の端部領域に流体的に結合される、実施例10-16のいずれかに記載の吸着ベッド。
18.第1の流路と第2の流路との間に位置付けられる、弁をさらに備え、弁は、(i)弁が、ガスが第1の流路と第2の流路との間で流動することを防止しない、第1の構成と、(ii)弁が、ガスが第1の流路と第2の流路との間で流動することを実質的に防止する、第2の構成との間で移行可能である、実施例17に記載の吸着ベッド。
19.吸着ベッドであって、
吸着ベッドの内部を画定する、筐体であって、内部は、第1の流路と、第2の流路とを含む、筐体と、
第1の流路と第2の流路との間に位置付けられる、弁であって、(i)第1の流路および第2の流路が流体的に接続される、第1の構成と、(ii)第1の流路および第2の流路が流体的に隔離される、第2の構成との間で移行可能である、弁と、
を備え、
弁は、酸素発生サイクルの吸着段階の間に第1の構成に、および酸素発生サイクルの脱着段階の間に第2の構成にあるように構成される、吸着ベッド。
20.第1の流路は、第1の長さを有し、第2の流路は、第2の長さを有し、吸着ベッドは、第3の長さを有し、第1の長さおよび第2の長さの和は、第3の長さを上回る、実施例19に記載の吸着ベッド。
21.吸着ベッドは、弁が第1の構成にあるとき、第1の縦横比を、および弁が第2の構成にあるとき、第1の縦横比未満の第2の縦横比を有する、実施例19または実施例20に記載の吸着ベッド。
22.吸着ベッドであって、
筐体と、
筐体内にあり、デシカント材料を含有するように構成される、デシカント材料部分と、
筐体内にあり、窒素吸着剤材料を含有するように構成される、窒素吸着剤材料部分と、
デシカント材料部分と窒素吸着剤材料部分との間で筐体内に位置付けられる、弁であって、デシカント材料部分が窒素吸着剤材料部分に流体的に結合される、第1の構成と、デシカント材料部分が窒素吸着剤材料部分から流体的に隔離される、第2の構成との間で移行可能である、弁と、
を備える、吸着ベッド。
23.弁は、吸着ベッドが使用されているとき、第1の構成に、および吸着ベッドが使用されていないとき、第2の構成にあるように構成される、実施例22に記載の吸着ベッド。
24.弁が、第2の構成にあるとき、弁は、デシカント材料部分内に捕捉された水分が、窒素吸着剤材料部分の中に移動することを防止するように構成される、実施例22または実施例23に記載の吸着ベッド。
25.吸着ベッドであって、
第1の端部と、第1の端部と反対の第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に延在する、内部とを有する、筐体と、
第1の端部における1つまたはそれを上回る第1の開口と、
第2の端部における1つまたはそれを上回る第2の開口と、
第2の端部に位置付けられる、弁であって、(i)弁が1つまたはそれを上回る第2の開口を通して第1の流体抵抗を提供する、第1の構成と、(ii)弁が1つまたはそれを上回る第2の開口を通して第2の流体抵抗を提供する、第2の構成との間で移行可能であり、第2の流体抵抗は、第1の流体抵抗未満である、弁と、
を備え、
弁は、酸素発生サイクルの吸着段階の間に、ガスが第1の端部から第2の端部に向かって流動するとき、第1の構成に、および酸素発生サイクルの脱着段階の間に、ガスが第2の端部から第1の端部に向かって流動するとき、第2の構成にあるように構成される、吸着ベッド。
26.第2の構成では、弁は、第2の端部を通して流動する流体の少なくとも一部を内部の少なくとも側壁に向かって再指向する、実施例25に記載の吸着ベッド。
27.内部は、弁が第1の構成にあるとき、第1の圧力を、および弁が第2の構成にあるとき、第1の圧力未満の第2の圧力を有する、実施例25または実施例26に記載の吸着ベッド。
28.吸着ベッドであって、
窒素吸着剤材料を格納するように構成される、内部と、
吸着ベッドの端部部分に位置付けられる、シールアセンブリであって、
少なくとも部分的に、シールアセンブリの外周の周囲に延在する、第1のシール要素と、
少なくとも部分的に、シールアセンブリの外周の周囲に延在する、第2のシール要素と、
第1のシール要素と第2のシール要素との間に画定され、少なくとも部分的に、シールアセンブリの外周の周囲に延在する、流体チャネルと、
内部および流体チャネルを流体的に結合する、1つまたはそれを上回る流路と、
を含む、シールアセンブリと、
を備え、
吸着ベッドは、濃縮酸素を発生させるためのシステム内の対応する筐体の中に挿入されるように構成され、吸着ベッドは、本システムの対応する筐体の中に挿入されると、流体チャネルが、筐体内の1つまたはそれを上回るポートと整合するように構成される、吸着ベッド。
29.吸着ベッドであって、
第1の端部部分と第2の端部部分との間に延在し、窒素吸着剤材料を格納するように構成される、内部を有する、円筒形筐体を備え、
吸着ベッドは、第2の端部部分に近接するテーパ状部分を含み、
内部の内側寸法は、テーパ状部分に沿って減少し、円筒形筐体の外側寸法は、テーパ状部分に沿って実質的に同一のままである、
吸着ベッド。
30.円筒形筐体は、テーパ状部分を含む、実施例29に記載の吸着ベッド。
31.吸着ベッドは、テーパ状部分挿入部を含み、テーパ状部分挿入部は、円筒形筐体の内部内に位置付けられ、テーパ状部分を画定する、実施例29に記載の吸着ベッド。
32.テーパ状部分は、線形テーパリングを有する、実施例29-31のいずれかに記載の吸着ベッド。
33.テーパ状部分は、凸状テーパリングを有する、実施例29-32のいずれかに記載の吸着ベッド。
34.テーパ状部分は、凹状テーパリングを有する、実施例29-33のいずれかに記載の吸着ベッド。
35.内側寸法は、内径である、実施例29-34のいずれかに記載の吸着ベッド。
36.内径は、テーパ状部分の第1の端部における第1の内径からテーパ状部分の第2の端部における第2の内径まで減少する、実施例35に記載の吸着ベッド。
37.第1の内径は、約1.25インチ~2.25インチであり、第2の内径は、約0.25インチ~約1.25インチである、実施例36に記載の吸着ベッド。
38.第1の内径と第2の内径との間の比は、約5:1~1.5:1である、実施例36または実施例37に記載の吸着ベッド。
【0085】
IV.結論
当業者が本明細書の開示から理解するであろうように、上記に説明されるシステムの種々の構成要素が、単一のシステム、デバイス、または構成要素に組み合わせられることができる。例えば、本技術に従って構成される吸着ベッドおよび/または酸素アセンブリは、窒素吸着剤材料からデシカント材料を隔離する弁(例えば、
図4に関して説明されるような)、縦横比を最適化するための螺旋挿入部(例えば、
図5A-5Dに関して説明されるような)、流入/流出ポートのサイズを変化させる弁類(例えば、
図6A-6Cに関して説明されるような)、酸素発生サイクルの種々の段階の間に流路を変化させる流動制御要素(例えば、
図7Aおよび7Bに関して説明されるような)、および/または吸着ベッドの内側寸法を変化させるテーパ状部分(例えば、
図8A-9に関して説明されるような)を含む、本明細書に説明される特徴の任意の組み合わせを含んでもよい。同様に、前述の特徴のうちのいずれかが、
図1-3Bを参照して本明細書に説明される人工呼吸器の中に、統合された酸素生産を伴う他の人工呼吸器の中に、または独立型酸素濃縮器の中に組み込まれることができる。当業者がさらに理解するであろうように、上記に説明されるシステムの種々の構成要素は、省略されることができ、および/または上記に明示的に説明されない付加的構成要素が、本技術の範囲から逸脱することなく、本システムに追加されてもよい。例えば、本技術の具体的実施形態が、例証の目的のために本明細書に説明されているが、周知の構造および機能が、本技術の実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に示されていない、または説明されていないことを理解されたい。また、本技術の具体的実施形態およびそれに関する実施例が、例証目的のために上記に説明されるが、種々の同等の修正が、当業者が認識するであろうように、本技術の範囲内で可能性として考えられる。例えば、ステップが、所与の順序において提示されるが、代替実施形態は、異なる順序においてステップを実施してもよい。本明細書に説明される種々の実施形態はまた、さらなる実施形態を提供するために組み合わせられてもよい。故に、本技術は、本明細書に明確に識別される構成に限定されず、むしろ、説明されるシステムおよび方法の変形例および改変を包含する。
【0086】
さらに、本技術のいくつかの実施形態と関連付けられる利点が、それらの実施形態の文脈において説明されているが、他の実施形態もまた、そのような利点を呈し得、全ての実施形態が、本技術の範囲内に該当するために、必ずしもそのような利点を呈する必要があるわけではない。故に、本開示および関連付けられる技術は、本明細書に明確に示されない、または説明されない他の実施形態を包含することができる。
【0087】
文脈が別様に明確に要求しない限り、説明および実施例全体を通して、単語「~を備える(comprise)」、「~を備える(comprising)」、および同等物は、排他的または網羅的意味と対照的に、包括的意味で、すなわち、「限定ではないが、~を含む」の意味で解釈されるものである。本明細書に使用されるように、用語「接続される」、「結合される」、またはそれらの任意の変形は、2つまたはそれを上回る要素の間の直接または間接的のいずれかの任意の接続または結合を意味し、要素の間の結合または接続は、物理的、論理的、またはそれらの組み合わせであり得る。加えて、単語「本明細書では」、「上記」、「下記」、および類似する意味の単語は、本願に使用されるとき、本願の任意の特定の部分ではなく、全体としての本願を指すものとする。文脈が許す場合、単数または複数を使用する上記の詳細な説明における単語はまた、それぞれ、複数または単数を含んでもよい。本明細書に使用されるように、「Aおよび/またはB」におけるような語句「および/または」は、Aのみ、Bのみ、およびAおよびBを指す。さらに、実施形態が関連する技術分野において公知の均等物を有する、具体的整数が、本明細書に言及される場合、そのような公知の均等物は、個々に記載される場合と同程度に本明細書に組み込まれると見なされる。
【国際調査報告】