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特表2025-502037ウェアラブル分析物モニタリング装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ウェアラブル分析物モニタリング装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
A61B5/1473
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540761
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 US2023060177
(87)【国際公開番号】W WO2023133468
(87)【国際公開日】2023-07-13
(31)【優先権主張番号】63/296,830
(32)【優先日】2022-01-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521146056
【氏名又は名称】バイオリンク インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Biolinq Incorporated
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ブリスター, マーク クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】マンスフィールド, ジョージ アルバート ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】モアロック, デイビッド マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ゴットリーブ, エミリー
(72)【発明者】
【氏名】ハロシュ, ツク
(72)【発明者】
【氏名】パテル, ソニー
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KX01
(57)【要約】
本主題の態様は、対象者の皮膚表面内へマイクロニードルアレイベースのセンサを展開するための一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置を対象とする。マイクロニードルアレイは、第1である装着構成において、ウェアラブル分析物モニタリング装置のハウジング本体内に保持される。作動時に、付勢要素がマイクロニードルアレイを対象者の皮膚内へと加速させ、それにより、マイクロニードルアレイがハウジング本体の遠位開口部を通って突出する第2の展開構成にマイクロニードルアレイを移行させ、対象者の皮膚間質液中の1種以上の標的分析物をマイクロニードルアレイによって感知することを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブル分析物モニタリング装置であって、
空洞を内部に画定する本体を含むハウジングであって、前記ハウジング本体は遠位開口部を含む、ハウジングと、
前記ハウジングの遠位端に結合され、前記遠位開口部を取り囲む接着層であって、前記装置をユーザの皮膚表面に固定するように構成されている、接着層と、
前記空洞内に収容される付勢要素と、
前記付勢要素に結合され、複数のマイクロニードルを含む、マイクロニードルアレイと、
前記空洞内に収容され、前記付勢要素を解放可能に保持するように構成されている、保持要素と、
前記保持要素に結合された作動部材であって、前記作動部材の係合により、前記マイクロニードルアレイが第1の構成と第2の構成との間を移行させられる、作動部材と、を含み、
前記第1の構成において、前記マイクロニードルアレイは、前記ハウジング本体の前記空洞内に保持され、
前記第2の構成において、前記マイクロニードルアレイは、前記ハウジング本体の前記遠位開口部を通って突出する、ウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項2】
前記第2の構成において、前記複数のマイクロニードルが、前記ユーザの前記皮膚表面を貫通して挿入される、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項3】
前記マイクロニードルアレイが、前記第1の構成から前記第2の構成へ移行する少なくとも10メートル/秒の速度を達成する、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項4】
前記マイクロニードルアレイが、前記第1の構成から前記第2の構成へ移行する1.5ミリメートル以下の距離を移動する、請求項3に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項5】
前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成にあるとき、前記マイクロニードルアレイの外周と前記遠位開口部との間にシールが形成される、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項6】
前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成にあるとき、前記空洞が水密である、請求項5に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項7】
前記作動部材が、前記ハウジング本体の部分と一体化されている、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項8】
前記作動部材の係合が、前記ハウジング本体の前記部分を押し下げ、それによって前記付勢要素を解放し、前記マイクロニードルアレイを前記第2の構成に移行させることを含む、請求項7に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項9】
前記保持要素が、前記ハウジング本体と一体化されている、請求項8に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項10】
前記ハウジング本体が、前記ハウジング本体の前記部分の押し下げ時の屈曲を容易にするために1つ以上のテーパ部分を含む、請求項8に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項11】
前記作動部材の係合が、前記作動部材を回転させることを含む、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項12】
前記付勢要素の部分が、前記空洞内の前記ハウジング本体の内部遠位端の近位に結合される、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項13】
前記付勢要素が、板ばね、コイルばね、圧縮ばね、可撓性部材、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項14】
前記付勢要素が、第1の端部及び第2の端部を含み、前記付勢要素の前記第1の端部が、前記マイクロニードルアレイに結合し、前記付勢要素の前記第2の端部が、前記空洞内の前記ハウジング本体の内部遠位端の近位に結合される、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項15】
前記付勢要素の前記第1の端部が、前記保持要素によって解放可能に保持される、請求項14に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項16】
前記保持要素が、前記空洞内の前記ハウジング本体の内部近位端の近位にある、請求項15に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項17】
前記ハウジング本体の前記空洞内に収容されたプリント回路基板を更に含む、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項18】
前記プリント回路基板が、可撓性プリント回路基板を介して前記マイクロニードルアレイと電気通信しており、前記マイクロニードルアレイが、前記可撓性プリント回路基板上に取り付けられている、請求項17に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項19】
前記可撓性プリント回路基板が作動接点を含み、前記作動接点は、前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成にあるときに、前記プリント回路基板上に設けられた対応する接点と接触する、請求項17に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項20】
前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成にあるとき、前記ウェアラブル分析物モニタリング装置が作動する、請求項19に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項21】
前記プリント回路基板が、前記マイクロニードルアレイと共に移動する、請求項17に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項22】
前記マイクロニードルアレイの前記複数のマイクロニードルのうちの第1のマイクロニードルが、電気化学的感知コーティングを有する作用電極を含む、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項23】
前記マイクロニードルアレイの前記複数のマイクロニードルのうちの第2のマイクロニードルが、基準電極を含む、請求項22に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項24】
前記マイクロニードルアレイの前記複数のマイクロニードルのうちの第3のマイクロニードルが、対極を含む、請求項22に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項25】
前記マイクロニードルアレイを前記付勢要素に結合するように構成されたシャトルを更に含む、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項26】
前記ハウジング本体の遠位端から前記空洞内に延在する管状突出部を更に含み、前記管状突出部は、前記マイクロニードルアレイが前記第1の構成と前記第2の構成との間を移行するときに前記シャトルをガイドするように構成されている、請求項25に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項27】
前記管状突出部が、前記シャトルの可撓性アームに係合し、それによって前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成に保持するように構成されたアパーチャを含む、請求項26に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項28】
前記作動部材の押し下げが、前記シャトルの前記可撓性アームを内側に偏向させ、それによって、前記シャトルを解放し、前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成から前記第2の構成に移行させる、請求項27に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項29】
前記管状突出部の内部側壁が、前記ハウジング本体の前記遠位開口部を画定する、請求項26に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項30】
前記ハウジング本体の遠位端から前記空洞内に延在する突出部を更に含み、前記突出部は、前記マイクロニードルアレイが前記第1の構成にあるときに前記シャトルに当接するように構成されている、請求項25に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項31】
前記作動部材の押し下げが、前記突出部を外側に偏向させ、それによって、前記シャトルを解放し、前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成から前記第2の構成に移行させる、請求項30に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項32】
前記突出部の内部側壁が、前記ハウジング本体の前記遠位開口部を画定する、請求項30に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項33】
第2の付勢要素を更に含む、請求項1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項34】
前記第2の付勢要素は、前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成に到達した後に展開される、請求項33に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【請求項35】
マイクロニードルアレイをユーザの皮膚表面に挿入する方法であって、
第1の構成の前記マイクロニードルアレイを含むウェアラブル分析物モニタリング装置を提供することであって、前記マイクロニードルアレイは複数のマイクロニードルを含み、前記マイクロニードルアレイはハウジングの空洞内に収容された付勢要素に結合され、前記ハウジングは、前記空洞をその内部に画定する本体を含み、前記付勢要素は、前記空洞内に収容された保持要素によって解放可能に保持され、前記保持要素は作動部材に結合される、ことと、
前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成から第2の構成に移行させることと、を含み、
前記第1の構成において、前記マイクロニードルアレイは、前記ハウジング本体の前記空洞内に保持され、
前記第2の構成において、前記マイクロニードルアレイは、前記ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、方法。
【請求項36】
前記ウェアラブル分析物モニタリング装置を前記ユーザの前記皮膚表面に接着することを更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成から前記第2の構成に移行させる前に、前記ウェアラブル分析物モニタリング装置が前記ユーザの前記皮膚表面に接着される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
分析物モニタリング装置であって、
空洞を内部に画定する本体を含むハウジングであって、前記ハウジング本体は遠位開口部を含む、ハウジングと、
前記空洞内に収容される付勢要素と、
前記付勢要素に結合されたマイクロニードルアレイと、
作動部材であって、前記作動部材の係合が、前記マイクロニードルアレイを前記付勢要素の影響下で第1の構成から第2の構成に移行させる、作動部材と、を含み、
前記第1の構成において、前記マイクロニードルアレイは、前記ハウジング本体の前記空洞内に保持され、
前記第2の構成において、前記マイクロニードルアレイの少なくとも一部は、前記ハウジング本体の前記遠位開口部を通って突出する、分析物モニタリング装置。
【請求項39】
前記マイクロニードルアレイが、対象者の皮膚表面を貫通し、前記対象者の皮膚間質液中に存在する標的分析物を検出するように構成されている、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項40】
前記マイクロニードルアレイが、電気化学的感知コーティングを有する作用電極を含む第1のマイクロニードルを含む、請求項39に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項41】
前記マイクロニードルアレイが、基準電極を含む第2のマイクロニードルを含む、請求項39に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項42】
前記マイクロニードルアレイが、対極を含む第3のマイクロニードルを含む、請求項39に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項43】
前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成に保持するように構成された保持要素を更に含み、前記作動部材の係合が前記保持要素の一部を偏向させて、前記マイクロニードルアレイが前記付勢要素の影響下で前記第1の構成から前記第2の構成に移行することを可能にする、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項44】
前記第2の構成において、前記複数のマイクロニードルが、前記ユーザの前記皮膚表面を貫通して挿入される、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項45】
前記マイクロニードルアレイが、前記第1の構成から前記第2の構成へ移行する少なくとも7メートル/秒の速度を達成する、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項46】
前記マイクロニードルアレイが、前記第1の構成から前記第2の構成へ移行する1.5ミリメートル以下の距離を移動する、請求項45に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項47】
前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成にあるとき、前記マイクロニードルアレイの外周と前記遠位開口部との間にシールが形成される、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項48】
前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成にあるとき、前記空洞が水密である、請求項47に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項49】
前記作動部材が、前記ハウジング本体の部分と一体化されている、請求項43に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項50】
前記作動部材の係合が、前記ハウジング本体の前記部分を押し下げ、それによって前記付勢要素を解放し、前記マイクロニードルアレイを前記第2の構成に移行させることを含む、請求項49に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項51】
前記保持要素が、前記ハウジング本体と一体化されている、請求項50に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項52】
前記ハウジング本体が、前記ハウジング本体の前記部分の押し下げ時の屈曲を容易にするために1つ以上のテーパ部分を含む、請求項50に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項53】
前記作動部材の係合が、前記作動部材を回転させることを含む、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項54】
前記付勢要素の部分が、前記空洞内の前記ハウジング本体の内部遠位端の近位に結合される、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項55】
前記付勢要素が、板ばね、コイルばね、圧縮ばね、可撓性部材、又はこれらの組み合わせを含む、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項56】
前記付勢要素が、第1の端部及び第2の端部を含み、前記付勢要素の前記第1の端部が、前記マイクロニードルアレイに結合し、前記付勢要素の前記第2の端部が、前記空洞内の前記ハウジング本体の内部遠位端の近位に結合される、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項57】
前記付勢要素の前記第1の端部が、保持要素によって解放可能に保持される、請求項56に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項58】
前記保持要素が、前記空洞内の前記ハウジング本体の内部近位端の近位にある、請求項57に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項59】
前記ハウジング本体の前記空洞内に収容されたプリント回路基板を更に含む、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項60】
前記プリント回路基板が、可撓性プリント回路基板を介して前記マイクロニードルアレイと電気通信しており、前記マイクロニードルアレイが、前記可撓性プリント回路基板上に取り付けられている、請求項59に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項61】
前記可撓性プリント回路基板が作動接点を含み、前記作動接点は、前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成にあるときに、前記プリント回路基板上に設けられた対応する接点と接触する、請求項59に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項62】
前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成にあるとき、前記分析物モニタリング装置が作動する、請求項61に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項63】
前記プリント回路基板が、前記マイクロニードルアレイと共に移動する、請求項59に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項64】
前記マイクロニードルアレイの前記複数のマイクロニードルのうちの第1のマイクロニードルが、電気化学的感知コーティングを有する作用電極を含む、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項65】
前記マイクロニードルアレイの前記複数のマイクロニードルのうちの第2のマイクロニードルが、基準電極を含む、請求項64に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項66】
前記マイクロニードルアレイの前記複数のマイクロニードルのうちの第3のマイクロニードルが、対極を含む、請求項65に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項67】
前記マイクロニードルアレイを前記付勢要素に結合するように構成されたシャトルを更に含む、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項68】
前記ハウジング本体の遠位端から前記空洞内に延在する管状突出部を更に含み、前記管状突出部は、前記マイクロニードルアレイが前記第1の構成と前記第2の構成との間を移行するときに前記シャトルをガイドするように構成されている、請求項67に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項69】
前記管状突出部が、前記シャトルの可撓性アームに係合し、それによって前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成に保持するように構成されたアパーチャを含む、請求項68に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項70】
前記作動部材の押し下げが、前記シャトルの前記可撓性アームを内側に偏向させ、それによって、前記シャトルを解放し、前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成から前記第2の構成に移行させる、請求項69に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項71】
前記管状突出部の内部側壁が、前記ハウジング本体の前記遠位開口部を画定する、請求項68に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項72】
前記ハウジング本体の遠位端から前記空洞内に延在する突出部を更に含み、前記突出部は、前記マイクロニードルアレイが前記第1の構成にあるときに前記シャトルに当接するように構成されている、請求項67に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項73】
前記作動部材の押し下げが、前記突出部を外側に偏向させ、それによって、前記シャトルを解放し、前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成から前記第2の構成に移行させる、請求項72に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項74】
前記突出部の内部側壁が、前記ハウジング本体の前記遠位開口部を画定する、請求項72に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項75】
第2の付勢要素を更に含む、請求項38に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項76】
前記第2の付勢要素は、前記マイクロニードルアレイが前記第2の構成に到達した後に展開される、請求項75に記載の分析物モニタリング装置。
【請求項77】
ウェアラブル分析物モニタリング装置を使用してユーザをモニタリングする方法であって、
第1の構成のマイクロニードルアレイを含む前記ウェアラブル分析物モニタリング装置を提供することであって、前記マイクロニードルアレイは複数のマイクロニードルを含み、前記マイクロニードルアレイはハウジングの空洞内に収容された付勢要素に結合され、前記ハウジングは、前記空洞をその内部に画定する本体を含み、前記付勢要素は、前記空洞内に収容された保持要素によって解放可能に保持され、前記保持要素は作動部材に結合される、ことと、
前記ウェアラブル分析物モニタリング装置を前記ユーザの皮膚表面に接着することと、
前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成から第2の構成に移行させることであって、
前記第1の構成において、前記マイクロニードルアレイは、前記ハウジング本体の前記空洞内に保持され、
前記第2の構成において、前記マイクロニードルアレイは、前記ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、ことと、
前記マイクロニードルアレイで前記対象者の皮膚間質液中の標的分析物レベルを測定することと、を含む、方法。
【請求項78】
前記標的分析物レベルの前記測定値を示す情報を通信することを更に含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記標的分析物レベルの前記測定値を表示することを更に含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記標的分析物レベルの前記測定値を示す情報を通信することが、前記情報を外部装置に送信することを含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記情報を送信することが、前記標的分析物レベルの前記測定値を無線で送信することを含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記標的分析物レベルの前記測定値を無線で送信することが、近距離無線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又はその両方を介して送信することを含む、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記標的分析物レベルを測定することが、前記マイクロニードルアレイから受信した信号を処理することを更に含む、請求項77に記載の方法。
【請求項84】
前記マイクロニードルアレイから受信した前記信号を処理することが、前記ウェアラブル分析物モニタリング装置の前記ハウジング内に設けられたマイクロプロセッサによって実行される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記処理することが、前記マイクロニードルアレイから受信した前記信号にアルゴリズムを適用することを含む、請求項83に記載の方法。
【請求項86】
マイクロニードルアレイを皮膚表面に挿入する方法であって、
ハウジングの空洞内に前記マイクロニードルアレイを提供することであって、前記ハウジングは、前記空洞をその内部に画定する本体を含み、前記マイクロニードルアレイは、前記空洞内の付勢要素に結合される、ことと、
前記マイクロニードルアレイが前記付勢要素によって前記ハウジング本体の遠位端に向かって付勢される第1の構成で前記マイクロニードルアレイを装填することと、
作動部材を提供することであって、前記作動部材は、前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成から解放し、前記ハウジング本体の遠位開口部から前記マイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルが突出する第2の構成に前記マイクロニードルアレイを移行させるように係合される、ことと、を含み、
前記第1の構成から前記第2の構成への前記移行において、前記マイクロニードルアレイは、前記付勢要素の影響下で前記空洞内を前記ハウジング本体の前記遠位端に向かって移動する、方法。
【請求項87】
前記マイクロニードルアレイを前記第1の構成で装填することが、前記付勢要素を保持要素内にロックすることを更に含み、前記保持要素は、前記ハウジング本体の前記遠位端から所定の距離だけ離れて設けられる、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記作動部材が、前記ハウジング本体の一部を含む、請求項86に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2022年1月5日に出願された米国仮特許出願第63/296,830号の優先権を主張し、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、持続グルコースモニタリングなどの分析物モニタリングの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
糖尿病は、身体が、血中グルコースを調節するホルモンであるインスリンを産生しないか、又は適切に利用しない慢性疾患である。血糖値の調節を助けるためにインスリンが糖尿病患者に投与され得るが、それでもやはり、タイミング及び投与量が適切であることを確実にするのを助けるために、血糖値は注意深くモニタリングされなければならない。糖尿病患者は、自分の状態を適切に管理しなければ、高血糖症(高血糖値)又は低血糖症(低血糖値)から生じる種々の合併症に罹患し得る。
【0004】
血中グルコースモニタは、血液サンプルから血糖値を測定することによって、糖尿病患者が自分の状態を管理するのを助ける。例えば、糖尿病患者は、指先穿刺サンプリング機構を介して血液サンプルを採取し、血液サンプルと反応する好適な試薬(複数可)の付いた試験ストリップに血液サンプルを移し、血中グルコースモニタを使用して試験ストリップを分析し、その血液サンプル中のグルコースレベルを測定し得る。しかしながら、このプロセスを使用する患者は、典型的には、自身のグルコースレベルを離散的な時間インスタンスで測定することしかできず、高血糖又は低血糖状態を適時に捕捉することができない場合がある。更により最近の種々のグルコースモニタは、持続グルコースモニタ(CGM)装置であり、これは、皮下間質液中のグルコースレベルのプロキシ測定によって血糖値を持続的に検出及び定量化するために使用される埋め込み型経皮電気化学センサを含む。しかしながら、従来のCGM装置はまた、挿入からの組織外傷及び信号遅延(例えば、グルコース分析物が毛細管源からセンサに拡散するために必要とされる時間による)を含む弱点を有する。これらの弱点はまた、電気化学センサが挿入されるときに患者が経験する痛み、及び特に血糖値が急速に変化しているときにグルコース測定の精度が制限されるなど、いくつかの欠点につながる。したがって、新規で改良された分析物モニタリングシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、本開示は、分析物モニタリングに関する。
【0006】
実施形態では、本開示は更に、空洞を内部に画定する本体を含むハウジングであって、ハウジング本体は遠位開口部を含む、ハウジングと、ハウジングの遠位端に結合され、遠位開口部を取り囲む接着層であって、装置をユーザの皮膚表面に固定するように構成されている、接着層と、空洞内に収容される付勢要素と、付勢要素に結合され、複数のマイクロニードルを含むマイクロニードルアレイと、空洞内に収容され、付勢要素を解放可能に保持するように構成された保持要素と、保持要素に結合された作動部材であって、作動部材の係合により、マイクロニードルアレイが第1の構成と第2の構成との間を移行させられる、作動部材と、を含み、第1の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の空洞内に保持され、第2の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、ウェアラブル分析物モニタリング装置に関する。
【0007】
実施形態では、本開示は更に、マイクロニードルアレイをユーザの皮膚表面に挿入する方法に関し、この方法は、第1の構成のマイクロニードルアレイを含むウェアラブル分析物モニタリング装置を提供することであって、マイクロニードルアレイは複数のマイクロニードルを含み、マイクロニードルアレイはハウジングの空洞内に収容された付勢要素に結合され、ハウジングは、空洞をその内部に画定する本体を含み、付勢要素は、空洞内に収容された保持要素によって解放可能に保持され、保持要素は作動部材に結合される、ことと、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させることと、を含み、第1の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の空洞内に保持され、第2の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する。
【0008】
実施形態では、本開示は更に、空洞を内部に画定する本体を含むハウジングであって、ハウジング本体は遠位開口部を含む、ハウジングと、空洞内に収容される付勢要素と、付勢要素に結合されたマイクロニードルアレイと、作動部材であって、作動部材の係合が、マイクロニードルアレイを付勢要素の影響下で第1の構成から第2の構成に移行させる、作動部材と、を含み、第1の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の空洞内に保持され、第2の構成において、マイクロニードルアレイの少なくとも一部は、ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、分析物モニタリング装置に関する。
【0009】
実施形態では、本開示は更に、ウェアラブル分析物モニタリング装置を使用してユーザをモニタリングする方法に関し、この方法は、第1の構成のマイクロニードルアレイを含むウェアラブル分析物モニタリング装置を提供することであって、マイクロニードルアレイは複数のマイクロニードルを含み、マイクロニードルアレイはハウジングの空洞内に収容された付勢要素に結合され、ハウジングは、空洞をその内部に画定する本体を含み、付勢要素は、空洞内に収容された保持要素によって解放可能に保持され、保持要素は作動部材に結合される、ことと、ウェアラブル分析物モニタリング装置をユーザの皮膚表面に接着することと、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させることであって、第1の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の空洞内に保持され、第2の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、ことと、マイクロニードルアレイで対象者の皮膚間質液中の標的分析物レベルを測定することとを含む。
【0010】
実施形態では、本開示は更に、マイクロニードルアレイを皮膚表面に挿入する方法に関し、この方法は、ハウジングの空洞内にマイクロニードルアレイを提供することであって、ハウジングは、空洞をその内部に画定する本体を含み、マイクロニードルアレイは、空洞内の付勢要素に結合される、ことと、マイクロニードルアレイが付勢要素によってハウジング本体の遠位端に向かって付勢される第1の構成でマイクロニードルアレイを装填することと、作動部材を提供することであって、作動部材は、マイクロニードルアレイを第1の構成から解放し、ハウジング本体の遠位開口部からマイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルが突出する第2の構成にマイクロニードルアレイを移行させるように係合される、ことと、を含み、第1の構成から第2の構成への移行において、マイクロニードルアレイは、付勢要素の影響下で空洞内をハウジング本体の遠位端に向かって移動する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】マイクロニードルアレイを有する分析物モニタリングシステムの例示的な概略図を示す。
【0012】
図2A】分析物モニタリング装置の例示的な概略図を示す。
【0013】
図2B】分析物モニタリング装置におけるマイクロニードル挿入の深さの例示的な概略図を示す。
【0014】
図3A】分析物モニタリング装置の上方斜視図、側面図、底面図、及び分解図をそれぞれ示す。
図3B】分析物モニタリング装置の上方斜視図、側面図、底面図、及び分解図をそれぞれ示す。
図3C】分析物モニタリング装置の上方斜視図、側面図、底面図、及び分解図をそれぞれ示す。
図3D】分析物モニタリング装置の上方斜視図、側面図、底面図、及び分解図をそれぞれ示す。
【0015】
図4A】分析物モニタリング装置におけるセンサアセンブリの斜視分解図、側面分解図、下方斜視図、側面図、及び上方斜視図をそれぞれ示す。
図4B】分析物モニタリング装置におけるセンサアセンブリの斜視分解図、側面分解図、下方斜視図、側面図、及び上方斜視図をそれぞれ示す。
図4C】分析物モニタリング装置におけるセンサアセンブリの斜視分解図、側面分解図、下方斜視図、側面図、及び上方斜視図をそれぞれ示す。
図4D】分析物モニタリング装置におけるセンサアセンブリの斜視分解図、側面分解図、下方斜視図、側面図、及び上方斜視図をそれぞれ示す。
図4E】分析物モニタリング装置におけるセンサアセンブリの斜視分解図、側面分解図、下方斜視図、側面図、及び上方斜視図をそれぞれ示す。
【0016】
図4F】分析物モニタリング装置におけるセンサアセンブリの斜視分解図、側面分解図、及び側面図をそれぞれ示す。
図4G】分析物モニタリング装置におけるセンサアセンブリの斜視分解図、側面分解図、及び側面図をそれぞれ示す。
図4H】分析物モニタリング装置におけるセンサアセンブリの斜視分解図、側面分解図、及び側面図をそれぞれ示す。
【0017】
図5A】マイクロニードルアレイの例示的な概略図を示す。
図5B図5Aに示すマイクロニードルアレイのマイクロニードルの例示的な概略図を示す。
【0018】
図6】複数の分析物を感知するために使用されるマイクロニードルアレイ構成の例示的な概略図を示す。
【0019】
図7A】テーパ状の遠位端を有する柱状マイクロニードルの側断面図を示す。
図7B図7Aに示すマイクロニードルの実施形態の斜視図及び詳細図を示す画像である。
図7C図7Aに示すマイクロニードルの実施形態の斜視図及び詳細図を示す画像である。
【0020】
図8】テーパ状の遠位端を有する柱状マイクロニードルの例示的な概略図を示す。
【0021】
図9A】それぞれマイクロニードルアレイ及びマイクロニードルの例示的な概略図を示す。
図9B】それぞれマイクロニードルアレイ及びマイクロニードルの例示的な概略図を示す。
図9C】マイクロニードルの例示的な変形形態の詳細な部分図を示す。
図9D】マイクロニードルの例示的な変形形態の詳細な部分図を示す。
図9E】マイクロニードルの例示的な変形形態の詳細な部分図を示す。
図9F】マイクロニードルの例示的な変形形態の詳細な部分図を示す。
【0022】
図10A】マイクロニードルの例示的な変形形態を示す。
図10B】マイクロニードルの例示的な変形形態を示す。
【0023】
図11A】マイクロニードルアレイ構成の例示的な概略図を示す。
図11B】マイクロニードルアレイ構成の例示的な概略図を示す。
図11C】マイクロニードルアレイ構成の例示的な概略図を示す。
図11D】マイクロニードルアレイ構成の例示的な概略図を示す。
【0024】
図12A】それぞれ、マイクロニードルアレイを含むダイの例示的な変形形態の斜視図及び直交図を示す。
図12B】それぞれ、マイクロニードルアレイを含むダイの例示的な変形形態の斜視図及び直交図を示す。
【0025】
図13A】マイクロニードルアレイ構成の異なる変形形態の例示的な概略図を示す。
図13B】マイクロニードルアレイ構成の異なる変形形態の例示的な概略図を示す。
図13C】マイクロニードルアレイ構成の異なる変形形態の例示的な概略図を示す。
図13D】マイクロニードルアレイ構成の異なる変形形態の例示的な概略図を示す。
図13E】マイクロニードルアレイ構成の異なる変形形態の例示的な概略図を示す。
【0026】
図14A】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図14B】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図14C】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図14D】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図14E】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図14F】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図14G】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
【0027】
図15A】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図15B】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図15C】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図15D】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図15E】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
【0028】
図16A】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図16B】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図16C】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
【0029】
図17A】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図17B】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図17C】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図17D】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図17E】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
【0030】
図18A】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図18B】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図18C】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
【0031】
図19A】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
図19B】ウェアラブル分析物モニタリング装置の態様の例示的な概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の種々の態様及び変形例の非限定的な例が本明細書に記載され、添付の図面に示される。
【0033】
本主題の態様は、一体化されたアプリケータを有するマイクロニードルアレイベースの分析物モニタリング装置を対象とする。いくつかの変形形態では、一体化されたアプリケータ機構は、ユーザが、皮膚への挿入のために、分析物モニタリング装置を所望の領域上に配置し、マイクロニードルアレイを展開して、ユーザの皮膚を穿刺することを可能にする。いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置は、マイクロニードルアレイが展開される前に、所望の領域で接着剤を介して皮膚に固定される。
【0034】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイベースの分析物モニタリング装置(本明細書では、分析物モニタリング装置、ウェアラブル分析物モニタリング装置、及び/又は一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置とも呼ばれる)は、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させる。いくつかの変形形態では、第1の構成は、装填構成であり(例えば、マイクロニードルアレイが第1の構成にあるとき、分析物モニタリング装置及び/又は付勢要素は、マイクロニードルアレイをいつでも展開できるように装填される)、第2の構成は、展開構成である(例えば、マイクロニードルアレイが第2の構成にあるとき、分析物モニタリング装置及び/又は付勢要素は、マイクロニードルアレイがユーザの皮膚に挿入されるように展開される)。第1の構成では、マイクロニードルアレイは、ウェアラブル分析物モニタリング装置のハウジング内に、周囲の電子機器及びハウジング構成要素から離れて保持される。マイクロニードルアレイを第1の構成でハウジング内に保持することによって、マイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルは、展開前に損傷から保護され得る。この配置は、マイクロニードルアレイが、支持電子機器及びハウジングとは独立してほぼ垂直方向に移動する(例えば、展開構成又は第2の構成に移行する)ことを可能にする。マイクロニードルアレイを他の構成要素から隔離又は分離することにより、マイクロニードルアレイを保持する支持構造体の質量は小さくなり、(例えば、別個のアプリケータ装置を用いた場合に必要となるような)装置本体全体を移動させることと比較して、比較的小さな力による比較的小さな変位でマイクロニードルアレイを迅速に加速させることが可能になる。この配置は、衝突運動量を最小化し、衝突時のユーザへの不快感を低減する。低減された移動質量はまた、効果的な挿入のための構成要素がウェアラブルセンサ本体ハウジングの内側に収まるほど十分小さくなるという程度まで、ばねサイズ及び必要とされるばね力が小さくなることを可能にする。
【0035】
変形形態では、分析物モニタリング装置の組み立て時に、マイクロニードルアレイは第1の装填構成に位置付けられ、この構成において、マイクロニードルアレイはハウジング本体内に後退させられ、例えば、ハウジング本体の外部から、作動部材によって変位させられることができる保持要素(可動クリップなど)によって第1の構成に保持される。第1の構成では、付勢要素は、圧力が加わっている状態に圧縮され、一定の力(例えば、約15~約35ニュートン)でマイクロニードルアレイを押圧する。付勢要素がユーザによる作動を介して保持要素から解放されると、付勢要素は、マイクロニードルアレイに対して適用方向に加速力を加える。質量が小さいため、この力は、マイクロニードルアレイを非常に短い変位距離(例えば、約1.5~約3mm)で比較的高い速度(例えば、約7~約14m/s)に加速して、皮膚に衝突させる。この速度は、皮膚表面の粘弾性機械的特性に打ち勝ち、したがって、マイクロニードルアレイを効果的かつ確実に挿入する。
【0036】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイは、機械的可撓性接続を介して分析物モニタリング装置の電子機器との電気的接続性を維持する。いくつかの変形形態では、ユーザの皮膚内への挿入のためにマイクロニードルアレイが遠位開口部から突出する展開構成又は第2の構成にマイクロニードルアレイが到達すると、分析物モニタリング装置の電子機器との電気的接続が確立される。いくつかの変形形態では、第1の構成から第2の構成に移行する間、マイクロニードルアレイとハウジングとの間にシールが維持される。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイが展開構成又は第2の構成に到達すると、シールが確立される。
【0037】
一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置の態様に関する更なる詳細を提供する前に、以下は、本明細書に記載されるウェアラブル分析物モニタリング装置と共に使用され得る分析物モニタリング装置のいくつかの例の説明を提供する。以下の説明は、例示的であることを意図しており、本主題と一致する一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置に関連する態様は、本明細書に記載の例示的な分析物モニタリング装置に限定されない。
【0038】
本明細書に一般的に記載されるように、分析物モニタリングシステムは、ユーザによって装着され、ユーザの少なくとも1種の分析物をモニタリングするための1つ以上のセンサを含む分析物モニタリング装置を含み得る。センサは、例えば、少なくとも1種の分析物の電気化学的検出を実行するように構成された1つ以上の電極を含み得る。分析物モニタリング装置は、センサデータの記憶、表示、及び/又は分析のために、センサデータを外部コンピューティング装置に通信することができる。
【0039】
例えば、図1に示されるように、分析物モニタリングシステム100は、ユーザによって装着される分析物モニタリング装置110を含み得、分析物モニタリング装置110は、持続分析物モニタリング装置(例えば、持続グルコースモニタリング装置)であり得る。分析物モニタリング装置110は、例えば、ユーザの体液中の1種以上の分析物を検出及び/又は測定するための少なくとも1つの電気化学センサを含むマイクロニードルアレイを含み得る。分析物モニタリング装置110は、センサデータの分析を実行するための1つ若しくは複数のプロセッサ、及び/又はセンサデータをモバイルコンピューティング装置102(例えば、スマートフォン)若しくは他の適切なコンピューティング装置に通信するように構成された通信モジュール(例えば、無線通信モジュール)を含み得る。いくつかの変形形態では、モバイルコンピューティング装置102は、センサデータ(例えば、データの表示、傾向に関するデータの分析など)を処理し、及び/又はセンサデータ及び/又はその分析に関連する適切な警告又は他の通知を提供するためにモバイルアプリケーションを実行する1つ以上のプロセッサを含むことができる。いくつかの変形形態では、モバイルコンピューティング装置102はローカルにセンサデータ分析を実行することができるが、他のコンピューティング装置は、代替的に又は追加的に、センサデータを分析し、及び/又はユーザに表示するためにそのような分析に関連する情報をモバイルコンピューティング装置102(又は他の適切なユーザインターフェース)と通信することができることを理解されたい。更に、いくつかの変形形態では、モバイルコンピューティング装置102は、ネットワーク104を介して、分析物モニタリング装置のユーザに関連するデータ及び/又は他の適切な情報をアーカイブするために、センサデータ及び/又はセンサデータの分析を、1つ以上の記憶装置106(例えば、サーバ)に通信するように構成されてもよい。
【0040】
本明細書に記載の分析物モニタリング装置は、持続グルコースモニタリング(CGM)装置などの持続分析物モニタリング装置に有利ないくつかの特性を改善する特徴を有する。例えば、本明細書中に記載される分析物モニタリング装置は、改善された感度(標的分析物の所与の濃度当たりに生成されるセンサ信号の量)、改善された選択性(標的分析物の検出を妨害し得る内因性及び外因性循環化合物の排除)、及び改善された安定性を有して、分析物モニタリング装置の記憶及び操作による経時的なセンサ応答の変化を最小限に抑えるのを助ける。更に、従来の持続分析物モニタリング装置と比較して、本明細書に記載の分析物モニタリング装置は、埋め込み後にセンサが安定したセンサ信号を迅速に提供することを可能にするより短いウォームアップ時間、並びにユーザの分析物濃度の変化後にセンサが安定したセンサ信号を迅速に提供することを可能にする短い応答時間を有する。更に、以下に更に詳細に記載されるように、本明細書中に記載される分析物モニタリング装置は、様々な装着部位に適用されてその中で機能することができ、無痛のセンサ挿入をユーザに提供する。生体適合性、滅菌可能性、及び機械的完全性などの他の特性も、本明細書に記載の分析物モニタリング装置において最適化される。
【0041】
本明細書で説明される分析物モニタリングシステムは、(例えば、2型糖尿病、1型糖尿病を有するユーザにおける)グルコースのモニタリングを参照して説明され得るが、そのようなシステムは、追加的又は代替的に、他の好適な分析物を感知及びモニタリングするように構成されてもよいことを理解されたい。以下に更に詳細に記載されるように、検出のための好適な標的分析物は、例えば、グルコース、ケトン、乳酸塩、及びコルチゾールを含み得る。1種の標的分析物がモニタリングされてもよく、又は複数種の標的分析物が同時にモニタリングされてもよい(例えば、同じ分析物モニタリング装置において)。例えば、他の標的分析物のモニタリングは、ストレス(例えば、コルチゾール及びグルコースの上昇の検出を通じて)及びケトアシドーシス(例えば、ケトンの上昇の検出を通じて)などの他の徴候のモニタリングを可能にし得る。
【0042】
図2Aに示すように、いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置110は、一般に、ハウジング112と、マイクロニードルアレイ140とを含み得る。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイは、展開構成にあるとき、ハウジングから外側に延在する。ハウジング112は、例えば、マイクロニードルアレイ140が展開後に少なくとも部分的にユーザの皮膚内に延在するように、ユーザの皮膚に装着されるように構成されたウェアラブルハウジングであってもよい。例えば、ハウジング112は、分析物モニタリング装置110がユーザへの適用のために単純かつ簡単な皮膚接着パッチであるように接着剤を含んでもよい。マイクロニードルアレイ140は、ユーザの皮膚を穿刺するように構成され、マイクロニードルアレイ140がユーザの皮膚を穿刺した後にアクセス可能な1種以上の標的分析物を測定するように構成された1つ以上の電気化学センサ(例えば、電極)を含むことができる。いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置110は、単一のユニットとして一体化され得るか又は内蔵されていてもよく、ユニットは使い捨てであってもよい(例えば、一定期間使用され、分析物モニタリング装置110の別のインスタンスと置き換えられる)。
【0043】
電子機器システム120は、ハウジング112内に少なくとも部分的に配置され、信号処理(例えば、電気化学センサのバイアス及び読み出し、電気化学センサからのアナログ信号のデジタル信号への変換など)を実行するように構成されたセンサ回路124などの様々な電子部品を含むことができる。電子機器システム120はまた、分析物モニタリング装置110を制御するための少なくとも1つのマイクロコントローラ122、少なくとも1つの通信モジュール126、少なくとも1つの電源130、及び/又は他の様々な適切な受動回路127を含み得る。マイクロコントローラ122は、例えば、(例えば、ファームウェア内でプログラムされたルーチンを実行することによって、)センサ回路124から出力されたデジタル信号を解釈し、様々な適切なアルゴリズム又は数学的変換(例えば、較正など)を実行し、及び/又は処理されたデータを通信モジュール124との間でルーティングするように構成することができる。いくつかの変形形態では、通信モジュール126は、1つ以上のアンテナ128を介して外部コンピューティング装置102とデータを通信するための適切な無線トランシーバ(例えば、ブルートゥース(登録商標)トランシーバなど)を含むことができる。いくつかの変形形態では、通信モジュール126の1つ以上のアンテナ128は、近距離無線通信のために構成されている。例えば、通信モジュール126は、分析物モニタリング装置110と対になっている外部コンピューティング装置102とのデータの単方向及び/又は双方向通信を提供するように構成され得る。電源130は、電子機器システムなどのために、分析物モニタリング装置110に電力を供給することができる。電源130は、バッテリ又は他の適切な電源を含んでもよく、いくつかの変形形態では、再充電可能及び/又は交換可能であってもよい。受動回路127は、他の電子部品などの間の相互接続を提供する様々な非給電電気回路(例えば、抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)を含むことができる。受動回路127は、例えば、ノイズ低減、バイアス、及び/又は他の目的を実行するように構成されてもよい。いくつかの変形形態では、電子機器システム120内の電子部品は、例えば、剛性、半剛性、又は可撓性であり得る1つ以上のプリント回路基板(PCB)上に配置されてもよい。電子機器システム120の更なる詳細は、以下で更に説明される。
【0044】
いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置110は、ユーザモニタリングに関連し得る追加の情報を提供するための1つ以上の追加のセンサ150を更に含み得る。例えば、分析物モニタリング装置110は、皮膚の温度を測定するように構成された少なくとも1つの温度センサ(例えば、サーミスタ)を更に含んでもよく、それにより、マイクロニードルアレイ電気化学センサによって得られたセンサ測定値の温度補償を可能にする。
【0045】
分析物モニタリング装置110内のマイクロニードルアレイ140は、ユーザの皮膚を穿刺するように構成されている。図2Bに示すように、装置110がユーザによって装着されると、マイクロニードルアレイ140は、マイクロニードルの遠位領域上の電極が真皮に留まるように、ユーザの皮膚内に延在するように展開され得る。具体的には、いくつかの変形形態では、電極がこれらの層の細胞を取り囲む間質液にアクセスすることを可能にするために、マイクロニードルが皮膚を貫通し、皮膚の上部皮膚領域(例えば、真皮乳頭層及び上部網状真皮層)にアクセスするように設計することができる。例えば、いくつかの変形形態では、マイクロニードルは、一般に少なくとも350μm~約515μmの範囲の高さを有し得る。いくつかの変形形態では、展開構成において、マイクロニードル上の電極の遠位端が、ハウジングの皮膚接触面から約5mm未満、ハウジングから約4mm未満、ハウジングから約3mm未満、ハウジングから約2mm未満、又はハウジングから約1mm未満に配置されるように、1つ以上のマイクロニードルがハウジングから延在してもよい。
【0046】
典型的には皮膚の皮下組織又は脂肪層の皮膚表面下約8mm~約10mmに埋め込まれたセンサを含む、従来の持続分析物モニタリング装置(例えば、CGM装置)とは対照的に、分析物モニタリング装置110は、(電極が皮膚の上部皮膚領域に埋め込まれるように)約0.25mmのより浅いマイクロニードル挿入深さを有し、これは多くの利点を提供する。これらの利点には、少なくとも、皮膚間質液の少なくともいくつかの種類の分析物測定値が血液の分析物測定値と密接に相関することが分かっているので、検出のための1種以上の標的分析物を含む皮膚間質液へのアクセスが含まれる。例えば、皮膚間質液にアクセスする電気化学センサを使用して実行されるグルコース測定は、有利には、血中グルコース測定値と高度に線形に相関することが発見されている。したがって、皮膚間質液に基づくグルコース測定値は、血中グルコース測定値を高度に表すものである。
【0047】
更に、分析物モニタリング装置110のより浅いマイクロニードル挿入深さのため、従来の連続分析物モニタリング装置と比較して、分析物検出における時間遅延の低減が得られる。そのようなより浅い挿入深さは、センサ表面を、網状真皮の高密度で十分に灌流された毛細血管床に近接して(例えば、数百マイクロメートル以下内に)位置決めし、その結果、毛細血管からセンサ表面への拡散ラグは無視できるほど小さくなる。拡散時間は、t=x/(2D)に従って拡散距離に関連付けられ、式中、tは拡散時間であり、xは拡散距離であり、Dは対象の分析物の質量拡散率である。したがって、分析物感知要素を毛細血管内の分析物源から2倍離して位置決めすると、拡散遅延時間は4倍になる。よって、従来の分析物センサ(真皮の下の非常に血管新生が不十分な脂肪組織内に存在する)は、真皮内の血管系からの拡散距離が著しく長くなり、その結果、実質的な拡散待ち時間(例えば、典型的には5~20分)が生じる。対照的に、分析物モニタリング装置110のより浅いマイクロニードル挿入深さは、毛細血管からセンサへの低い拡散待ち時間から利益を得、それによって、分析物検出における時間遅延が減少し、リアルタイム又はほぼリアルタイムでより正確な結果が得られる。例えば、いくつかの実施形態では、拡散待ち時間は、10分未満、5分未満、又は3分未満であり得る。
【0048】
更に、マイクロニードルアレイが上部皮膚領域にある場合、マイクロニードルアレイの下側下部真皮は、真皮代謝を支援するために非常に高レベルの血管新生及び灌流を含み、これは(血管収縮及び/又は血管拡張を介して)体温調節を可能にし、マイクロニードル周囲の感知環境を安定化するのを助けるバリア機能を提供する。より浅い挿入深さの更に別の利点は、上部真皮層が疼痛受容体を欠いているため、マイクロニードルアレイがユーザの皮膚を穿刺したときに痛みの感覚が軽減され、より快適で低侵襲性なユーザ体験が提供されることである。
【0049】
したがって、本明細書中に記載される分析物モニタリング装置及び方法は、ユーザの1種以上の標的分析物の改善された持続モニタリングを可能にする。例えば、上記のように、分析物モニタリング装置は、適用するのが単純かつ簡単であり得、これにより、使いやすさ及びユーザコンプライアンスが改善される。更に、皮膚間質液の分析物測定は、非常に正確な分析物検出を提供し得る。更に、従来の持続分析物モニタリング装置と比較して、マイクロニードルアレイ及びそのセンサの挿入は侵襲性が低く、ユーザの痛みが少ない可能性がある。分析物モニタリング装置及び方法の他の態様の更なる利点を以下に更に記載する。
【0050】
図3A図3Dは、分析物モニタリング装置110の態様を示す。図3A図3Dは、分析物モニタリング装置110の上方斜視図、側面図、底面図、及び分解図をそれぞれ示す。
【0051】
分析物モニタリング装置110は、分析物モニタリング装置110の他の構成要素(例えば、電子部品)を保護するためなどに、そのような構成要素を少なくとも部分的に取り囲む又は包囲する空洞を画定するハウジングを含んでもよい。例えば、ハウジングは、埃及び水分が分析物モニタリング装置110に入るのを防ぐのを助けるように構成され得る。いくつかの変形形態では、ハウジングをユーザの表面(例えば、皮膚)に取り付けるために、ハウジングの遠位端に接着層が提供され得る。いくつかの変形形態では、ハウスが表面に取り付けられた後、マイクロニードルアレイ140は、ハウジングから外側に、かつユーザの皮膚の中に延在するように展開され得る。更に、いくつかの変形形態では、ハウジングは、一般に、丸みを帯びた縁部若しくは角部を含むことができ、及び/又はユーザが着用する衣類などとの干渉を低減するように、薄型であってもよい。
【0052】
例えば、図3A図3Dに示すように、分析物モニタリング装置110の例示的な変形形態は、分析物モニタリング装置110の内部構成要素を少なくとも部分的に取り囲むように構成された、ハウジングカバー320及びベースプレート330を含み得る。例えば、ハウジングカバー320及びベースプレート330は、マイクロニードルアレイ140及び電子部品を含むセンサアセンブリ350のためのエンクロージャを提供し得る。展開されると、マイクロニードルアレイ140は、分析物モニタリング装置110の皮膚に面する方向(例えば、下側)においてベースプレート330の一部から外側に延在する。
【0053】
ハウジングカバー320及びベースプレート330は、例えば、適切な締結具(例えば、機械的締結具)、機械的に連結若しくは嵌合する特徴部、及び/又は工学的嵌合を介して互いに結合することができる1つ以上の剛性又は半剛性の保護シェル構成要素を含んでもよい。ハウジングカバー320及びベースプレート330は、丸みを帯びた縁部及び角部、並びに/又は他の非外傷性特徴部を含むことができる。互いに結合されると、ハウジングカバー320及びベースプレート330は、センサアセンブリ350などの内部構成要素を収容する内部容積を含む空洞を形成し得る。例えば、内部容積内に配置された内部構成要素は、センサアセンブリ350としてコンパクトで薄型の積層体に配置されてもよい。
【0054】
分析物モニタリング装置110は、分析物モニタリング装置110(例えば、互いに結合されたハウジングカバー320及びベースプレート330)をユーザの表面(例えば、皮膚)に取り付けるためにハウジングの遠位端に設けられた1つ以上の接着層を含み得る。図3Dに示されるように、1つ以上の接着層は、内側接着層342及び外側接着層344を含み得る。内側接着層342は、ベースプレート330に接着し得、外側接着層344は、内側接着層342に接着し、その外向き側面上で、ユーザの皮膚に(例えば、一時的に)接着するための接着剤を提供し得る。内側接着層342及び外側接着層344は共に、分析物モニタリング装置110をユーザの皮膚に接着するための両面接着剤として機能する。外側接着層344は、ユーザが皮膚への適用前に除去して接着剤を露出させる剥離ライナによって保護され得る。いくつかの変形形態では、単一の接着層が提供される。いくつかの変形形態では、外側接着層344、内側接着層342、及び/又は単一の接着層は、ハウジングカバー320及びベースプレート330の外周又は周辺部よりも遠くに延在する外周を有し得る。これは、取り付けのための表面積を増加させ、ユーザの皮膚への保持又は取り付けの安定性を増加させ得る。内側接着層342、外側接着層344、及び/又は単一の接着層はそれぞれ、以下で更に説明されるように、展開されると外側に延在するマイクロニードルアレイ140が通過することを可能にする開口部を有し得る。内側接着層342及び外側接着層344の開口部は、概して、互いに整列し得るが、いくつかの変形形態では、一方の開口部が他方の開口部よりも小さくなるようにサイズが異なり得る。いくつかの変形形態では、開口部は、実質的に同じサイズである。
【0055】
ベースプレート330は、第2の表面の反対側に第1の表面(例えば、外側に露出した表面)を有し、支持及び/又は接続構造として、並びにセンサアセンブリ350のための保護カバーとして機能する。ベースプレート330は、ハウジングカバー320に取り付けられるようなサイズ及び形状である。ベースプレート330は、ベースプレート330の外側縁部がハウジングカバー320の開口部の対応する縁部と整列するように、ハウジングカバー320内にしっかりと嵌合するように成形され得る。この整列は、ベースプレート330の外側縁部とハウジングカバー320の開口部の対応する縁部との間に隙間がないようなものであり得る。
【0056】
ベースプレート330の第1の表面の中央領域又はほぼ中央の領域には、接続部材332が形成され得る。接続部材332は、ベースプレート330の第1の表面から延在する側壁と、ベースプレート330の第1の表面に実質的に平行な第1の表面とを有する突出部(例えば、突出ハブ)である。側壁は、接続部材332の第1の表面の縁部からベースプレート330の第1の表面まで延在する。接続部材332を取り囲むベースプレート330の第1の表面の残りの部分は、平坦又は実質的に平坦であり得る。1つ以上のコネクタ特徴部336は、接続部材332の側壁から外側に延在して、例えば、マイクロニードルアレイ140のための滅菌環境を提供するマイクロニードルエンクロージャの対応するコネクタと解放可能に係合する。接続部材332の第1の表面及び側壁は、チャンバを部分的に画定する。チャンバは、接続部材332に隣接する(例えば、その下の)ベースプレート330の部分によって更に画定され得る。チャンバは、ベースプレート330の第2の表面上に開口部を有し、アクセス可能である。アパーチャ又は遠位開口部334は、接続部材332の第1の表面を貫通して形成される。遠位開口部334は、マイクロニードルアレイ140が、展開構成時に遠位開口部334内にしっかりと嵌合し、それを通って延在するような、サイズ及び形状であり得る。例えば、マイクロニードルアレイ140の側壁は、遠位開口部334の対応する側壁と整列し得る。いくつかの変形形態では、遠位開口部334は、マイクロニードルアレイ140を取り囲む領域に対応するサイズ及び形状であり得る。内側接着層342及び外側接着層344(又は単一の接着層)の開口部は、接続部材332が接着層と干渉することなく開口部を通って延在するようなサイズであり得る。例えば、内側接着層342の開口部の直径及び外側接着層344の開口部の直径は、接続部材332のものより大きい。いくつかの変形形態では、内側接着層342の開口部及び/又は外側接着層344の開口部(又は単一の接着層の開口部)は、1つ以上のコネクタ特徴部336を収容するためにクリアランスを伴って接続部材332の側壁に近接している。いくつかの変形形態では、1つ以上のスリット又は切り欠きが、内側接着層342、外側接着層344、及び/又は単一の接着層に形成され得、それぞれの接着層の配置を補助するように開口部から延在する。
【0057】
図3A図3Dに示されるハウジングカバー320及びベースプレート330は実質的に円形であり、ハウジングカバー320はドーム形状を有するが、他の変形形態では、ハウジングカバー320及びベースプレート330は任意の好適な形状を有し得る。例えば、他の変形形態では、ハウジングカバー320及びベースプレート330は、ほぼ角柱状であってもよく、楕円形、三角形、長方形、五角形、六角形、又は他の好適な形状を有し得る。外側接着層344(又は単一の接着層)は、ハウジングカバー320及びベースプレート330から外側に延在して、ハウジングカバー320の外周を越えて延在し得る。外側接着層344(又は単一の接着層)は、図3A図3Dに示すように円形であってもよく、又は楕円形、三角形、長方形、五角形、六角形、若しくは他の好適な形状を有してもよく、ハウジングカバー320及び/又はベースプレート330と同じ形状である必要はない。
【0058】
図4A図4Eは、分析物モニタリング装置110のセンサアセンブリ350の態様を、それぞれ、斜視分解図、側面分解図、下方斜視図、側面図、及び上方斜視図で示す。
【0059】
センサアセンブリ350は、分析物の検出及び測定のためのマイクロニードルアレイベースの持続分析物モニタリング装置110の分析物検出及び処理態様を実装するためのマイクロニードルアレイ構成要素及び電子部品を含む。いくつかの変形形態では、センサアセンブリ350は、ハウジングカバー320及びベースプレート330によって画定される内部容積を含む空洞内に少なくとも部分的に収容されるコンパクトで薄型の積層体である。
【0060】
いくつかの変形形態では、センサアセンブリ350は、本明細書で更に説明されるマイクロニードルアレイ分析物検出及び処理態様を実装するために互いに接続するマイクロニードルアレイアセンブリ360及び電子機器アセンブリ370を含む。いくつかの変形形態では、電子機器アセンブリ370は、電子部品が接続される主プリント回路基板(PCB)450を含み、マイクロニードルアレイアセンブリ360は、マイクロニードルアレイ140が接続される二次プリント回路基板(PCB)420を含む。
【0061】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイアセンブリ360は、二次PCB 420及びマイクロニードルアレイ140に加えて、エポキシスカート410及び二次PCBコネクタ430を含む。マイクロニードルアレイ140は、図3A図3Dを参照して説明したように、マイクロニードルアレイ140の個々のマイクロニードルが露出するように、二次PCB 420の上側(例えば、外側に面する側)に結合される。二次PCBコネクタ430は、二次PCB 420の上側とは反対の裏側に結合される。二次PCBコネクタ430は、電気機械コネクタであり得、二次PCB 420と一次PCB 450との間の信号通信を可能にするために一次PCB 450の上側(例えば、外側に面する側)の一次PCBコネクタ470を介して一次PCB 450に通信可能に結合し得る。例えば、マイクロニードルアレイ140からの信号は、二次PCB 420、二次PCBコネクタ430、及び一次PCBコネクタ470を介して一次PCB 450に通信され得る。
【0062】
二次PCB 420は、マイクロニードルアレイ140がハウジングのベースプレート330から突出する距離を部分的に決定し得る。したがって、二次PCB 420の高さは、マイクロニードルアレイ140がユーザの皮膚に適切に挿入されることを確実にするのを助けるように選択され得る。マイクロニードル挿入中、ベースプレート330の接続部材332の第1の表面(例えば、外側に面する表面)は、マイクロニードル挿入のための停止部として機能し得る。二次PCB 420の高さが低く、その上面が接続部材332の第1の表面と同一平面又はほぼ同一平面上にある場合、接続部材332は、マイクロニードルアレイ140が皮膚に完全に挿入されるのを防ぐことができる。
【0063】
いくつかの変形形態では、他の構成要素(例えば、センサ又は他の構成要素などの電子部品)もまた、二次PCB 420に接続され得る。例えば、二次PCB 420は、二次PCB 420の上側又は裏側に電子部品を収容するようなサイズ及び形状であり得る。
【0064】
いくつかの変形形態では、エポキシスカート410は、図3C及び図3Dに示されるように、マイクロニードルアレイ140の縁部(例えば、外周)に沿って堆積させられて、ベースプレート330の接続部材332に形成された遠位開口部334内へのマイクロニードルアレイ140のしっかりとした嵌合を提供し、及び/又はマイクロニードルアレイ140に沿った鋭い縁部を和らげ得る。例えば、エポキシスカート410は、マイクロニードルアレイ140によって充填されていない遠位開口部334の部分、及び/又は二次PCB 420によって充填されていないベースプレート330内に画定されたチャンバの部分を占有し得る。エポキシスカート410はまた、マイクロニードルアレイ140の縁部から二次PCB 420の縁部への移行部を提供し得る。いくつかの変形形態では、エポキシスカート410は、ガスケット(例えば、ゴムガスケット)又は同等物によって置換又は補完され得る。
【0065】
一次PCB 450を有する電子機器アセンブリ370は、一次PCBコネクタ470が結合される上側とは反対の、一次PCB 450の裏側に結合されたバッテリ460を含む。いくつかの変形形態では、バッテリ460は、一次PCB 450の上側に及び/又は他の配置で結合され得る。
【0066】
図4F図4Hは、分析物モニタリング装置110のセンサアセンブリ350の代替変形形態の態様を示す。センサアセンブリ350の斜視分解図、側面分解図、及び側面図が、それぞれ、図4F図4Hに提供される。
【0067】
図示のように、センサアセンブリ350には、追加のPCB構成要素である中間PCB 425が組み込まれている。いくつかの変形形態では、中間PCB 425は、マイクロニードルアレイアセンブリ360の一部であり、二次PCB 420とマイクロニードルアレイ140との間に位置付けられ、それらに接続される。中間PCB 425は、マイクロニードルアレイアセンブリ360の高さを増加させるために追加されてもよく、それにより、マイクロニードルアレイ140は、ベースプレート330から更に遠い距離に延在し、これは、ユーザの皮膚へのマイクロニードルアレイ140の挿入を補助し得る。マイクロニードルアレイ140は、図3A図3Dを参照して説明したように、マイクロニードルアレイ140の個々のマイクロニードルが露出するように、中間PCB 425の上側(例えば、外側に面する側)に結合される。二次PCB 420は、中間PCB 425の上側とは反対の裏側に結合され、二次PCBコネクタ430は、二次PCB 420の上側とは反対の裏側に結合される。エポキシスカート410(同等物のガスケットによって置換又は補完されてもよい)は、マイクロニードルアレイ140の縁部から中間PCB 425の縁部までの移行部を提供する。
【0068】
二次PCB 420を有する中間PCB 425は、部分的に、マイクロニードルアレイ140がベースプレート330の遠位開口部334を通って突出する距離を決定する。中間PCB 425の組み込みは、マイクロニードルアレイ140がユーザの皮膚内に適切に挿入されることを確実にするのに役立つ追加の高さを提供する。いくつかの変形形態では、中間PCB 425の上側(例えば、外側に面する側)は、遠位開口部334を通って外に延在し、その結果、遠位開口部334を囲む接続部材332の第1の表面(例えば、露出した上面)は、マイクロニードルアレイが皮膚に完全に挿入されることを妨げない。いくつかの変形形態では、中間PCB 425の上側(例えば、外側に面する側)は、遠位開口部334から外に延在しないが、増加した高さ(中間PCB 425を組み込むことによる)により、マイクロニードルアレイ140がハウジングのベースプレート330から十分な距離に突出することが確実になる。
【0069】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルエンクロージャが、分析物モニタリング装置110への解放可能な取り付けのために提供され得る。マイクロニードルエンクロージャは、マイクロニードルアレイ140が安全に収容され得る保護環境又はエンクロージャを提供し得、それによって、分析物モニタリング装置110の適用前の、分析物モニタリング装置110の製造及び輸送の特定の段階中のマイクロニードルアレイ140の完全性を確実にする。マイクロニードルエンクロージャは、本明細書で更に説明されるように、マイクロニードルアレイ140が露出され、かつ/又はユーザの皮膚への挿入の準備ができるように、分析物モニタリング装置110から解放可能又は取り外し可能である。
【0070】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルエンクロージャは、マイクロニードルアレイ140が収容され得る包囲され密封された環境を提供することによって、マイクロニードルアレイ140が滅菌され得る環境を提供する。例えば、マイクロニードルアレイ140を有するマイクロニードルエンクロージャは、マイクロニードルアレイ140も滅菌されるように、滅菌がマイクロニードルエンクロージャを貫通する滅菌プロセスに供され得る。マイクロニードルアレイ140は包囲された環境内に収容されるので、マイクロニードルアレイ140は、包囲された環境から取り出されるまで滅菌されたままである。いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置110を対象者の皮膚表面に適用する前に、取り外し可能なフィルムがハウジングの遠位端に設けられ、遠位開口部334を覆う。取り外し可能なフィルムは、分析物モニタリング装置110の適用前に、滅菌環境を維持し、異物又は外来物質の侵入を防ぎ得る。ユーザは、分析物モニタリング装置110を対象者の皮膚表面に適用及び/又は接着する直前にフィルムを除去又は剥がし得る。
【0071】
いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置110の電子機器システムは、アナログフロントエンドを含み得る。アナログフロントエンドは、アナログ電流測定値をマイクロコントローラによって処理することができるデジタル値に変換するセンサ回路(例えば、図2Aに示すようなセンサ回路124)を含むことができる。アナログフロントエンドは、例えば、電気化学センサでの使用に適したプログラム可能なアナログフロントエンドを含むことができる。例えば、アナログフロントエンドは、Maxim Integrated(カリフォルニア州サンノゼ)から入手可能なMAX30131、MAX30132、又はMAX30134構成要素(これらはそれぞれ1、2、及び4つのチャネルを有する)を含むことができ、これらは電気化学センサと共に使用するための超低電力プログラマブルアナログフロントエンドである。アナログフロントエンドはまた、Analog Devices(ノーウッド、マサチューセッツ州)から入手可能なAD5940又はAD5941構成要素を含んでもよく、これらは高精度、インピーダンス及び電気化学フロントエンドである。同様に、アナログフロントエンドはまた、Texas Instruments(テキサス州ダラス)から入手可能なLMP91000を含んでもよく、これは、低電力化学感知用途のための構成可能なアナログフロントエンドポテンショスタットである。アナログフロントエンドは、アナログデジタル変換器(ADC)を含むバイアス及び完全な測定経路を提供することができる。超低電力は、身体装着型バッテリ動作装置を使用して長時間(例えば7日)測定が必要な場合に、センサの連続的なバイアスが精度及び高速反応を維持することを可能にし得る。
【0072】
いくつかの変形形態では、アナログフロントエンド装置は、DC電流測定、AC電流測定、及び電気化学インピーダンス分光法(EIS)測定機能の両方を可能にするなどのために、2つ及び3つの端子の電気化学センサの両方と互換性があり得る。更に、アナログフロントエンドは、内部温度センサ及びプログラム可能な電圧基準を含み、外部温度モニタリング及び外部基準源をサポートし、安全性及びコンプライアンスのためにバイアス電圧及び供給電圧の電圧モニタリングを統合することができる。
【0073】
いくつかの変形形態では、アナログフロントエンドは、センサ入力を多重化し、複数の信号チャネルを処理するためのマルチチャネルポテンショスタットを含むことができる。例えば、アナログフロントエンドは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第9,933,387号に記載されているようなマルチチャネルポテンショスタットを含み得る。
【0074】
いくつかの変形形態では、アナログフロントエンド及び周辺電子機器は、例えばコストを削減するのに役立ち得る特定用途向け集積回路(ASIC)に統合され得る。この統合された解決策は、いくつかの変形形態では、以下に説明するマイクロコントローラを含むことができる。
【0075】
いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置の電子機器システムは、少なくとも1つのマイクロコントローラ(例えば、図2Aに示すコントローラ122)を含み得る。マイクロコントローラは、例えば、統合フラッシュメモリを有するプロセッサを含むことができる。いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置内のマイクロコントローラは、センサ信号を分析物測定値(例えば、グルコース測定値)に相関させる分析を実行するように構成され得る。例えば、マイクロコントローラは、ファームウェア内のプログラムされたルーチンを実行して、デジタル信号(例えば、アナログフロントエンドから)を解釈し、任意の関連アルゴリズム及び/又は他の分析を実行し、処理されたデータを通信モジュールとの間でルーティングすることができる。分析物モニタリング装置に分析を搭載したままにすることにより、例えば、分析物モニタリング装置は、接続された各装置が同じ情報を有することを保証しながら、分析物測定を複数の装置(例えば、スマートフォン又はスマートウォッチなどのモバイルコンピューティング装置、インスリンペン又はポンプなどの治療送達システムなど)に並行してブロードキャストすることができる。
【0076】
いくつかの変形形態では、マイクロコントローラは、1つ以上の検出された状態で分析物モニタリング装置を作動及び/又は不作動にするように構成され得る。例えば、装置は、マイクロニードルアレイを皮膚に展開又は挿入すると、分析物モニタリング装置の電源を入れるように構成され得る。これは、例えば、マイクロニードルアレイが展開されるまでバッテリが切断され、その時点で装置がセンサデータのブロードキャストを開始することができる省電力機能を可能にし得る。そのような特徴は、例えば、分析物モニタリング装置の保存寿命を改善し、及び/又はユーザのための分析物モニタリング装置-外部装置ペアリングプロセスを単純化するのに役立ち得る。
【0077】
図5Aの概略図に示すように、いくつかの変形形態では、分析物の感知に使用するためのマイクロニードルアレイ510は、基板表面502から突出する1つ以上のマイクロニードル510を含み得る。基板表面502は、例えば、ほぼ平坦な半導体(例えば、シリコン)基板であってもよく、1つ以上のマイクロニードル510は、平面から直交して突出してもよい。一般に、図5Bに示すように、マイクロニードル510は、本体部分512(例えば、シャフト)と、ユーザの皮膚を穿刺するように構成されたテーパ状の遠位部分514とを含むことができる。いくつかの変形形態では、テーパ状の遠位部分514は、絶縁された遠位頂部516で終端することができる。マイクロニードル510は、テーパ状の遠位部分の表面に電極520を更に有していてもよい。いくつかの変形形態では、電極ベースの測定は、体内に配置された電極と間質液とのインターフェース(例えば、マイクロニードル全体の外面上)で実行され得る。いくつかの変形形態では、マイクロニードル510は、固体コア(例えば、固体本体部分)を有し得るが、いくつかの変形形態では、マイクロニードル510は、例えば、皮膚間質液の薬剤送達又はサンプリングのために使用され得る1つ以上の管腔を含み得る。以下に記載されるような他のマイクロニードル変形形態は、同様に、固体コア又は1つ以上の管腔のいずれかを含み得る。
【0078】
マイクロニードルアレイ500は、半導体(例えば、シリコン)基板から少なくとも部分的に形成されてもよく、以下で更に説明するように、様々な適切な微小電気機械システム(MEMS)製造技術(例えば、堆積及びエッチング技術)を使用して適用及び成形された様々な材料層を含む。マイクロニードルアレイは、典型的な集積回路と同様に、回路基板にリフローはんだ付けすることができる。更に、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ500は、分析物の検出を可能にする電気化学的感知コーティング(アプタマー又は酵素などの生体認識要素を含む)を有する作用(感知)電極、基準電極、及び対極を含む三電極構成を含み得る。換言すれば、マイクロニードルアレイ500は、作用電極を含む少なくとも1つのマイクロニードル510と、基準電極を含む少なくとも1つのマイクロニードル510と、対極を含む少なくとも1つのマイクロニードル510とを含んでいてもよい。これらのタイプの電極の更なる詳細は、以下で更に詳細に説明される。
【0079】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ500は、複数のマイクロニードル内の各マイクロニードル上の電極が個別にアドレス指定可能であり、マイクロニードルアレイ上の他の全ての電極から電気的に絶縁されるように絶縁された複数のマイクロニードルを含み得る。結果として生じるマイクロニードルアレイ500の個々のアドレス指定可能性は、各電極を別々にプローブすることができるので、各電極の機能に対するより大きな制御を可能にすることができる。例えば、マイクロニードルアレイ500を使用して、所与の分析物の複数の独立した測定値を提供することができ、これにより、装置の感知信頼性及び精度が改善される。更に、いくつかの変形形態では、複数のマイクロニードルの電極を電気的に接続して、増強された信号レベルを生成することができる。別の例として、同じマイクロニードルアレイ500に追加的又は代替的に調べて、複数の分析物を同時に測定して、生理学的状態のより包括的な評価を提供することができる。例えば、図6の概略図に示すように、マイクロニードルアレイは、第1の分析物Aを検出するためのマイクロニードルの部分、第2の分析物Bを検出するためのマイクロニードルの第2の部分、及び第3の分析物Cを検出するためのマイクロニードルの第3の部分を含み得る。マイクロニードルアレイは、検出される分析物の少なくとも1つが分析物であるという条件で、任意の好適な数の分析物(例えば、1、2、3、4、5又はそれ以上など)を検出するように構成され得ることを理解されたい。
【0080】
マイクロニードル(例えば、作用電極を有するマイクロニードル)のいくつかの変形形態では、電極520は、マイクロニードルの絶縁された遠位頂部516の近位に配置されてもよい。換言すれば、いくつかの変形形態では、電極520はマイクロニードルの頂部を覆わない。むしろ、電極520は、マイクロニードルの頂部又は先端からオフセットされてもよい。電極520は、マイクロニードルの絶縁された遠位頂部516の近位にあるか、又は遠位頂部からオフセットされており、有利には、より正確なセンサ測定値を提供する。例えば、この配置は、製造中にマイクロニードル頂部516での電界の集中を防止し、それにより、誤った感知をもたらす電極表面520上の感知化学の不均一な電着を回避する。電極520は、環状形状を有するように構成されてもよく、遠位縁部521a及び近位縁部521bを含んでもよい。
【0081】
別の例として、電極520をマイクロニードル頂部からオフセットして配置することにより、マイクロニードル挿入時の応力によって引き起こされる望ましくない信号アーチファクト及び/又は誤ったセンサ読み取り値を低減することによって、感知精度が更に改善される。マイクロニードルの遠位頂部は、皮膚に貫通する最初の領域であり、したがって、皮膚の引き裂き又は切断に伴う機械的剪断現象によって引き起こされる最も大きな応力を受ける。電極520がマイクロニードルの頂部又は先端に配置された場合、この機械的応力は、マイクロニードルが挿入されたときに電極表面の電気化学的感知コーティングを剥離させ、及び/又は電極の活性感知部上に輸送される組織の少量ではあるが干渉する量を生じさせる可能性がある。したがって、電極520をマイクロニードル頂部から十分にオフセットして配置することにより、感知精度を向上させることができる。例えば、いくつかの変形形態では、電極521aの遠位縁部520は、マイクロニードルの長手方向軸に沿って測定した場合に、マイクロニードルの遠位頂部又は先端から少なくとも約10μm(例えば、約20μm~約30μm)に配置され得る。
【0082】
マイクロニードル510の本体部分512は、電極520と裏面電極又は他の電気接点(例えば、マイクロニードルアレイの基板の裏面に配置される)との間に延在する導電性経路を更に含んでもよい。裏面電極は、回路基板にはんだ付けされてもよく、導電性経路を介して電極520と電気通信することができる。例えば、使用中に、作用電極で測定されたインビボ感知電流(真皮の内側)が裏面電気接点によって調べられ、裏面電気接点と作用電極との間の電気的接続が導電性経路によって促進される。いくつかの変形形態では、この導電性経路は、マイクロニードルの近位端と遠位端との間のマイクロニードル本体部分(例えば、シャフト)の内部を通る金属ビアによって促進され得る。あるいは、いくつかの変形形態では、導電性経路は、導電性材料(例えば、ドープシリコン)から形成される本体部分全体によって提供されてもよい。これらの変形形態のいくつかでは、マイクロニードルアレイ500が構築される完全な基板は導電性であり得、マイクロニードルアレイ500の各マイクロニードル510は、以下に説明するように隣接するマイクロニードル510から電気的に絶縁され得る。例えば、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ500内の各マイクロニードル510は、電極520と裏面電気接点との間に延在する導電性経路を取り囲む電気絶縁材料(例えば、二酸化ケイ素などの誘電材料)を含む絶縁バリアを用いて、隣接するマイクロニードル510から電気的に絶縁されてもよい。例えば、本体部分512は、導電性経路の周りにシースを形成し、それによって導電性経路と基板との間の電気通信を防止する絶縁材料を含むことができる。マイクロニードル間の電気絶縁を可能にする構造の他の例示的な変形形態を以下で更に詳細に説明する。
【0083】
マイクロニードルアレイ内のマイクロニードル間のこのような電気絶縁は、センサが個別にアドレス指定可能であることを可能にする。この個々のアドレス指定可能性は、有利には、センサ間の独立した並列化された測定、並びにセンサ割り当ての動的再構成(例えば、異なる分析物に対して)を可能にする。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイの電極は、冗長分析物測定値を提供するように構成することができ、これは従来の分析物モニタリング装置を超える利点である。例えば、冗長性は、精度を改善すること(例えば、分析物レベルの判定に対する極端に高い又は低いセンサ信号の影響を減少させる異なるマイクロニードルからの複数の分析物測定値を平均化すること)によって性能を改善することができ、及び/又は全体的な故障の可能性を低減することによって装置の信頼性を改善することができる。
【0084】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルのそれぞれの異なる変形形態を用いて以下で更に詳細に説明するように、マイクロニードルアレイは、適切な半導体及び/又はMEMS製造技術及び/又は機械的切断又はダイシングによって少なくとも部分的に形成され得る。そのようなプロセスは、例えば、マイクロニードルアレイの大規模で費用効率の高い製造を可能にするために有利であり得る。
【0085】
分析物モニタリング装置におけるマイクロニードルアレイについての上記のマイクロニードルの特徴の1つ以上を組み込んだマイクロニードル構造の更なる例示的な変形形態が本明細書に記載される。
【0086】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルは、ほぼ柱状の本体部分と、電極を有するテーパ状の遠位部分とを有し得る。例えば、図7A図7Cは、基板702から延在するマイクロニードル700の例示的な変形形態を示す。図7Aは、マイクロニードル700の概略側面断面図であり、図7Bは、マイクロニードル700の斜視図であり、図7Cは、マイクロニードル700の遠位部分の詳細斜視図である。図7B及び図7Cに示すように、マイクロニードル700は、柱状の本体部分712と、絶縁された遠位頂部716で終端するテーパ状の遠位部分714と、環状電極720とを含むことができる。環状電極720は、テーパ状の遠位部分714上、例えばそのセグメント上に配置された導電性材料(例えば、Pt、Ir、Au、Ti、Cr、Ni、これらの組み合わせなど)を含み、遠位縁部721a及び近位縁部721bを含む。図7Aに示すように、環状電極720は、遠位頂部716の近位にあってもよい(遠位頂部からオフセットされていても離間していてもよい)。環状電極720は、絶縁材料(例えば、SiO2)を含む遠位絶縁表面715aによって、遠位頂部716から電気的に絶縁され得る。例えば、環状電極720の遠位縁部721aは、絶縁された遠位頂部716の遠位絶縁表面715aの近位縁部に近接していてもよい。いくつかの変形形態では、環状電極720の遠位縁部721aは、遠位頂部716の近位縁部(遠位絶縁表面715aの近位縁部)に近位(例えば、すぐ近位、隣接、当接)であり得るが、他の変形形態では、環状電極720の遠位縁部721aは、絶縁された遠位頂部716の近位縁部(遠位絶縁表面715aの近位縁部)に対して遠位(例えば、すぐ遠位、隣接)であり得るが、頂部自体に近位のままであり得る。したがって、いくつかの変形形態では、環状電極720は、遠位絶縁表面715aの一部の上に重なってもよいが、絶縁された遠位頂部自体に対して近位のままであってもよい(及び、絶縁された遠位頂部自体からオフセットしていてもよい)。
【0087】
また、図7Aに示すように、環状電極720の近位縁部721bは、柱状の本体部分712の遠位にあってもよく、いくつかの変形形態では、それからオフセット又は離間していてもよい。いくつかの変形形態では、環状電極720の近位縁部721bはまた、テーパ状の遠位部分714の近位端又は領域において、絶縁材料(例えば、SiO2)を含む第2の遠位絶縁表面715bによって、柱状の本体部分712から電気的に絶縁されてもよい。例えば、環状電極720の近位縁部721bは、第2の遠位絶縁表面715bの遠位縁部に近接していてもよい。いくつかの変形形態では、環状電極720の近位縁部721bは、第2の遠位絶縁表面715bの遠位縁部に近位(例えば、すぐ近位、隣接、当接)であってもよく、他の変形形態では、環状電極720の近位縁部721bは、第2の遠位絶縁表面715bの遠位縁部より遠位(例えば、すぐ遠位、隣接)であってもよいが、柱状の本体部分712の近位のままであってもよい。したがって、いくつかの変形形態では、環状電極720は、第2の遠位絶縁表面715bの一部の上に重なってもよいが、柱状の本体部分712の近位に(かつそこからオフセットされて)残ってもよい。図7A及びいくつかの他の変形形態に示すように、環状電極720は、テーパ状の遠位部分714の表面の一部のみにあってもよく、柱状の本体部分712まで延在していてもいなくてもよい。
【0088】
電極720は、本体部分712に沿って基板702内又は基板上の裏面電気接点730(例えば、Ni/Au合金から作製される)又は他の電気パッドまで通過する導電性コア740(例えば、導電性経路)と電気通信してもよい。例えば、本体部分712は、導電性コア材料(例えば、高濃度ドープシリコン)を含んでいてもよい。図7Aに示すように、いくつかの変形形態では、絶縁材料(例えば、SiO2)を含む絶縁モート713が、本体部分712の周りに(例えば、外周の周りに)配置され、基板702を少なくとも部分的に貫通して延在することができる。したがって、絶縁モート713は、例えば、導電性コア740と周囲の基板702との間の電気的接触を防止するのに役立ち得る。絶縁モート713は、本体部分712の表面上に更に延在してもよい。基板702の上面及び/又は下面はまた、基板絶縁層704(例えば、SiO2)を含んでもよい。したがって、絶縁モート713及び/又は基板絶縁体704によって提供される絶縁は、マイクロニードルアレイ内のマイクロニードル700のアドレス指定可能性を可能にするマイクロニードル700の電気絶縁に少なくとも部分的に寄与し得る。更に、いくつかの変形形態では、本体部分712の表面上に延在する絶縁モート713は、マイクロニードル700構造の機械的強度を高めるように機能し得る。
【0089】
マイクロニードル700は、ドライエッチングとも呼ばれるプラズマエッチングなどの適切なMEMS製造技術によって少なくとも部分的に形成することができる。例えば、いくつかの変形形態では、マイクロニードルの本体部分712の周囲の絶縁モート713は、最初に、基板の裏側からの深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)によってシリコン基板にトレンチを形成し、次いで、低圧気相化学成長(LPCVD)又は他の好適なプロセスによって、そのトレンチをSiO2/多結晶シリコン(poly-Si)/SiO2のサンドイッチ構造で充填することによって作製されてもよい。換言すれば、絶縁モート713は、マイクロニードルの本体部分712の表面を不動態化し、マイクロニードルの近位部分付近の基板702内の埋め込み特徴として継続することができる。主にシリコンの化合物を含むことによって、絶縁モート713は、隣接するシリコン壁(例えば、導電性コア740、基板702など)への良好な充填及び接着を提供することができる。絶縁モート713のサンドイッチ構造は、隣接するシリコンとの熱膨張係数(CTE)の優れた一致を提供するのを更に助けることができ、それによって絶縁構造713の故障、亀裂、及び/又は他の熱誘起脆弱性を有利に低減する。
【0090】
テーパ状の遠位部分は、基板の前面からの等方性ドライエッチングによって形成することができ、マイクロニードル700の本体部分712はDRIEから形成することができる。前面金属電極720は、遠位頂部716をコーティングすることなく電極720の所望の環状領域への金属堆積を可能にする特殊なリソグラフィ(例えば、電子ビーム蒸着)によって遠位部分上に堆積及びパターニングされてもよい。更に、Ni/Auの裏面電気接点730は、適切なMEMS製造技術(例えば、スパッタリング)によって堆積されてもよい。
【0091】
マイクロニードル700は、任意の好適な寸法を有し得る。例示として、マイクロニードル700は、いくつかの変形形態では、約300μm~約500μmの高さを有してもよい。いくつかの変形形態では、テーパ状の遠位部分714は、約60度~約80度の先端角、及び約1μm~約15μmの頂部直径を有してもよい。いくつかの変形形態では、環状電極720の表面積は、約9000μm~約11000μm、又は約10,000μmを含んでもよい。図8は、上述のマイクロニードル700と同様に、テーパ状の遠位部分及び環状電極を有する柱状マイクロニードルの例示的な変形形態の様々な寸法を示す。図8の柱状マイクロニードルは、上述のマイクロニードル700と同様に、柱状の本体部分と、絶縁された遠位頂部で終端するテーパ状の遠位部分と、テーパ状の遠位部分内に形成された接触トレンチと、テーパ状の遠位部分上に配置され、接触トレンチを覆う環状電極(図8では「Pt」と表記した)とを含む。環状電極は、導電性材料(例えば、Pt、Ir、Au、Ti、Cr、Ni、これらの組み合わせなど)を含むことができる。いくつかの変形形態では、接触トレンチは、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、又は図8に示すように、約20μmの幅を有してもよい。環状電極は、遠位縁部及び近位縁部を含んでもよく、いくつかの変形形態では、環状電極の遠位縁部と近位縁部との間の距離は、約20μm、約30μm、約40μm約50μm、約60μm、約70μm、約80μm、約90μm、約100μm、又は図8に示すように、約60μmであってもよい。いくつかの変形形態では、寸法吹き出し60μm及び20μmによって図8に示すように、環状電極は、接触トレンチ、及び、場合によっては、テーパ状の遠位部分(図8では「酸化物」と表記されている)の絶縁表面の一部の上に重なってもよい。
【0092】
図9A図9Fは、上面904を有する基板902から延在するほぼ柱状の本体部分を有するマイクロニードル900の別の例示的な変形形態を示す。マイクロニードル900は、以下に記載することを除いて、上記のマイクロニードル700と同様であり得る。例えば、図9Bに示すように、マイクロニードル700と同様に、マイクロニードル900は、柱状の本体部分912と、円筒913上に配置され、絶縁された遠位頂部916で終端するテーパ状の遠位部分とを含むことができる。円筒913は、絶縁されていてもよく、柱状の本体部分912よりも小さい直径を有してもよい。マイクロニードル900は、導電性材料を含み、遠位頂部916に近位の(又は遠位頂部からオフセット若しくは離間した)位置でテーパ状の遠位部分に配置された環状電極920を更に含んでもよい。電極920は、本体部分912に沿って基板902内又は基板上の裏面電気接点930(例えば、Ni/Au合金から作製される)又は他の電気パッドまで通過する導電性コア940(例えば、導電性経路)と電気通信してもよい。図9A図9Fに示すマイクロニードル900の他の要素は、マイクロニードル700の対応する要素と同様の番号を有する。
【0093】
図9B図9C及び図9Fで最も容易に分かるように、テーパ状の遠位部分914、より具体的には、マイクロニードル900のテーパ状の遠位部分914上の電極920は、先端接触トレンチ922を含むことができる。この接触トレンチは、電極920とマイクロニードルの下にある導電性コア940との間にオーミック接触を確立するように構成されてもよい。いくつかの変形形態では、先端接触トレンチ922の形状は、テーパ状の遠位部分914の表面に形成された環状凹部を含むことができる。いくつかの変形形態では、先端接触トレンチ922の形状は、導電性コア940の表面に形成された環状凹部を含むことができる(例えば、マイクロニードルの本体部分内、又はそうでなければ本体部分内の導電性経路と接触している)。いくつかの変形形態では、先端接触トレンチ922は、テーパ状の遠位部分914上の絶縁材料内に形成されてもよく、絶縁材料の厚さ(例えば、遠位絶縁表面915a及び/又は第2の遠位絶縁表面915b)にほぼ等しい深さを有してもよい。いくつかの例では、接触トレンチの深さは、接触トレンチが導電性コア940の表面を超えて(例えば、導電性コア940内に)延在するように、絶縁材料の厚さよりも大きくてもよい。電極920は、電極920と導電性コア940との間にオーミック接触が確立されるように、先端接触トレンチ922の上に重なってもよい。いくつかの変形形態では、電極920は、電極920の材料が導電性コア940上に堆積されると、先端接触トレンチ922を有する電極920が側面から見て階段状のプロファイルを有することができるように、先端接触トレンチ922を越えて延在してもよい。したがって、先端接触トレンチ922は、電極920と下にある導電性コア940との間の接触を確実にするのに有利に役立ち得る。本明細書に記載の他のマイクロニードル変形形態のいずれも、電極(例えば、作用電極、基準電極、対極などであってもよい)とマイクロニードル内の導電性経路との間の接触を確実にするのを助けるために、同様の先端接触トレンチを有してもよい。
【0094】
図10A及び図10Bは、上述のマイクロニードル900と同様の、テーパ状の遠位部分及び環状電極を有する柱状マイクロニードルの例示的な変形形態の更なる様々な寸法を示す。例えば、図10A及び図10Bに示すマイクロニードルの変形形態は、一般に約80度(又は約78度~約82度、又は約75度~約85度)のテーパ角及び約140μm(又は約133μm~約147μm、又は約130μm~約150μm)の円錐直径を有するテーパ状の遠位部分を有することができる。テーパ状の遠位部分の円錐は、円錐と円筒とを組み合わせ全体の高さが約110μm(又は約99μm~約116μm、又は約95μm~約120μm)になるように、円筒上に配置されてもよい。テーパ状の遠位部分上の環状電極は、約106μm(又は約95μm~約117μm、又は約90μm~約120μm)の外径又はベース径、及び約33.2μm(又は約30μm~約36μm、又は約25μm~約40μm)の内径を有することができる。テーパ状の遠位部分の傾斜に沿って測定される環状電極の長さは、約57μm(又は約55μm~約65μm)であってもよく、電極の全表面積は、約12,700μm(又は約12,500μm~約12,900μm、若しくは約12,000μm~約13,000μm)であってもよい。図10Bに示すように、電極は、テーパ状の遠位部分の円錐の中央領域の周りに延在する先端接触トレンチを更に有することができ、接触は、テーパ状の遠位部分の傾斜に沿って測定した場合に約11μm(又は約5μm~約50μm、約10μm~約12μm、若しくは約8μm~約14μm)の幅、及び約1.5μm(又は約0.1μm~約5μm、若しくは約0.5μm~約1.5μm、若しくは約1.4μm~約1.6μm、若しくは約1μm~約2μm)のトレンチ深さを有することができる。マイクロニードルは、約5.5μm(又は約5.3μm~約5.8μm、又は約5μm~約6μm)の直径を有する絶縁された遠位頂部を有する。
【0095】
マイクロニードルアレイ構成の例示的な変形形態の詳細は、以下に更に詳細に記載される。
【0096】
上述のように、マイクロニードルアレイ内の各マイクロニードルは、電極を含み得る。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイのマイクロニードルの中に複数の異なるタイプの電極を含めることができる。例えば、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイは、3種類の電極を用いて電解的に動作可能な電気化学セルとして機能し得る。換言すれば、マイクロニードルアレイは、少なくとも1つの作用電極、少なくとも1つの対極、及び少なくとも1つの基準電極を含み得る。したがって、マイクロニードルアレイは3つの異なる電極タイプを含み得るが、各電極タイプの1つ以上は完全なシステム(例えば、システムは、複数の別個の作用電極を含むことができる)を形成し得る。更に、複数の別個のマイクロニードルを電気的に接合して、有効な電極タイプ(例えば、単一の作用電極は、作用電極部位を有する2つ以上の接続されたマイクロニードルから形成されてもよい)を形成することができる。これらの電極タイプの各々は、金属化層を含むことができ、その電極の機能を促進するのに役立つ金属化層上の1つ以上のコーティング又は層を含むことができる。
【0097】
一般に、作用電極は、対象の分析物の検出のために対象の酸化及び/又は還元反応が起こる電極である。対極は、作用電極での電気化学反応を持続させるために必要な電子を電流を介して供給(供給)又はシンク(蓄積)するように機能する。基準電極は、システムに基準電位を提供するように機能する。すなわち、作用電極がバイアスされる電位は、基準電極を基準とする。作用電極と基準電極との間には、固定された、時間変化する、又は少なくとも制御された電位関係が確立され、実用的な制限内では、電流は基準電極から供給されないか、又は基準電極にシンクされない。更に、そのような3電極システムを実施するために、分析物モニタリング装置は、(電子フィードバック機構を介して)電気化学システム内の作用電極と基準電極の偶発事象との間の固定電位関係を維持するための適切なポテンショスタット又は電気化学アナログフロントエンドを含むことができ、一方で、対象の酸化還元反応を維持するために必要な電位に対極を動的に変動させることができる。
【0098】
複数のマイクロニードル(例えば、本明細書に記載のマイクロニードル変形形態のいずれかであり、そのそれぞれが上記の作用電極、対極、又は基準電極を有し得る)をマイクロニードルアレイに配置することができる。マイクロニードルをどのように構成するかの考慮には、マイクロニードルアレイで皮膚を貫通するための所望の挿入力、電極信号レベル及び他の性能面の最適化、製造コスト及び複雑さなどの要因が含まれる。
【0099】
例えば、マイクロニードルアレイは、所定のピッチ(1つのマイクロニードルの中心とその最も近い隣接マイクロニードルの中心との間の距離)で離間した複数のマイクロニードルを含み得る。いくつかの変形形態では、マイクロニードルは、マイクロニードルアレイを皮膚に浸透させるためにユーザの皮膚に加えられる力(例えば、「針のむしろ」効果を回避する)を分散させるのに十分なピッチで離間され得る。ピッチが増加するにつれて、マイクロニードルアレイを挿入するのに必要な力は減少する傾向があり、貫通の深さは増加する傾向がある。しかし、ピッチは低い値(例えば、約150μm未満)でのみ挿入力に影響を及ぼし始めることが分かっている。したがって、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイのマイクロニードルは、少なくとも200μm、少なくとも300μm、少なくとも400μm、少なくとも500μm、少なくとも600μm、少なくとも700μm、又は少なくとも750μmのピッチを有し得る。例えば、ピッチは、約200μm~約800μm、約300μm~約700μm、又は約400μm~約600μmであってもよい。いくつかの変形形態では、マイクロニードルは周期的グリッドに配置されてもよく、ピッチは、マイクロニードルアレイの全方向及び全領域にわたって均一であってもよい。あるいは、ピッチは、異なる軸(例えば、X、Y方向)に沿って測定した場合に異なっていてもよく、及び/又はマイクロニードルアレイの一部の領域はより小さいピッチを含んでもよく、他の領域はより大きいピッチを含んでもよい。
【0100】
更に、より一貫した貫通のために、マイクロニードルは互いに等距離に離間され得る(例えば、全方向で同じピッチ)。その目的のために、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ内のマイクロニードルを、図11A図11C図12A図12B、及び図13A図13Eに示すように六角形の構成で配置することができる。あるいは、マイクロニードルアレイ内のマイクロニードルは、矩形アレイ(例えば、正方形アレイ)で、又は別の好適な対称的な方法で配置され得る。
【0101】
マイクロニードルアレイの構成を判定するための別の考慮事項は、マイクロニードルによって提供される全体的な信号レベルである。一般に、各マイクロニードルでの信号レベルは、アレイ内のマイクロニードル要素の総数に対して不変である。しかしながら、信号レベルは、複数のマイクロニードルをアレイ内で電気的に相互接続することによって強化することができる。例えば、多数の電気的に接続されたマイクロニードルを有するアレイは、より少ないマイクロニードルを有するアレイよりも大きな信号強度を生成する(したがって、精度が向上する)と予想される。しかしながら、ダイ上のマイクロニードルの数が多いと、(一定のピッチを所与として)ダイコストが増加し、皮膚に挿入するためにより大きな力及び/又は速度も必要となる。対照的に、ダイ上のマイクロニードルの数が少ないと、ダイコストが削減され、適用力及び/又は速度が低下した皮膚への挿入が可能になる。更に、いくつかの変形形態では、ダイ上のマイクロニードルの数が少ないとダイの全体的なフットプリント面積が減少する可能性があり、望ましくない局所的な浮腫及び/又は紅斑が少なくなる可能性がある。したがって、いくつかの変形形態では、図12A図12Bに示す37本のマイクロニードルを含むマイクロニードルアレイ、又は図11A図11Cに示す7本のマイクロニードルを含むマイクロニードルアレイで、これらの因子のバランスを達成することができる。しかし、他の変形形態では、アレイ内のマイクロニードルの数が少なくてもよく(例えば、約5~約35、約5~約30、約5~約25、約5~約20、約5~約15、約5~約100、約10~約30、約15~約25など)、又はアレイ内のマイクロニードルの数が多くてもよい(例えば、37超、40超、45超など)。
【0102】
更に、以下で更に詳細に説明するように、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ内のマイクロニードルのサブセットのみが、分析物モニタリング装置の動作中に活性であり得る。例えば、マイクロニードルアレイ中のマイクロニードルの一部は不活性であり得る(例えば、不活性マイクロニードルの電極から読み取られる信号はない)。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ内のマイクロニードルの一部は、動作中の特定の時間に活性化され、装置の動作寿命の残りの間、活性のままであり得る。更に、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ内のマイクロニードルの一部は、追加的又は代替的に、動作中の特定の時間に不活性化され、装置の動作寿命の残りの間、不活性のままであり得る。
【0103】
マイクロニードルアレイ用のダイの特性を考慮すると、ダイサイズは、マイクロニードルアレイ内のマイクロニードルの数及びマイクロニードルのピッチの関数である。所与の面積の単一のウェハから形成することができるダイの数が増加するので、より小さいダイサイズはより低いコストに寄与するので、製造コストも考慮すべきである。更に、より小さいダイサイズはまた、基板の相対的な脆弱性に起因する脆性破壊の影響を受けにくい。
【0104】
更に、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイの周辺部のマイクロニードル(例えば、ダイの縁部又は境界の近く、ハウジングの縁部又は境界の近く、ハウジング上の接着層の縁部又は境界の近く、マイクロニードルアレイの外縁に沿ってなど)は、マイクロニードルアレイ又はダイの中心のマイクロニードルと比較してより良好な貫通により、より良好な性能(例えば、感度)を有することが見出され得る。したがって、いくつかの変形形態では、作用電極は、より正確な及び/又は精密な分析物測定値を得るために、マイクロニードルアレイの周辺部に配置するマイクロニードル上に大部分又は完全に配置され得る。
【0105】
図12A及び図12Bは、マイクロニードルアレイ1200の例示的な変形形態に配置された37本のマイクロニードルの例示的な概略図を示す。37個のマイクロニードルは、例えば、各マイクロニードルの中心と任意の方向のそのすぐ隣のマイクロニードルの中心との間の約750μm(又は約700μm~約800μm、又は約725μm~約775μm)の針間中心間ピッチを有する六角形のアレイに配置され得る。図12Aは、マイクロニードル配置を含むダイの例示的な変形形態の例示的な概略図を示す。ダイ(例えば、約4.4mm×約5.0mm)及びマイクロニードルアレイ1200の例示的な寸法を図12Bに示す。
【0106】
図11A及び図11Bは、マイクロニードルアレイ1100の例示的な変形形態に配置された7本のマイクロニードル1110の例示的な概略図の斜視図を示す。7本のマイクロニードル1110は、基板1102上に六角形のアレイで配置されている。図11Aに示すように、電極1120は、基板1102の第1の表面から延在するマイクロニードル1110の遠位部分に配置されている。図11Bに示すように、マイクロニードル1110の近位部分は、基板1102の第1の表面とは反対側の基板1102の第2の表面上のそれぞれの裏面電気接点1130に導電的に接続されている。図11C及び図11Dは、マイクロニードルアレイ1100と同様のマイクロニードルアレイの例示的な概略図の平面図及び側面図を示す。図11C及び図11Dに示すように、7本のマイクロニードルは、各マイクロニードルの中心と任意の方向のそのすぐ隣のマイクロニードルの中心との間で約750μmの針間中心間ピッチを有する六角形のアレイで配置されている。他の変形形態では、針間中心間ピッチは、例えば、約700μm~約800μm、又は約725μm~約775μmであってもよい。マイクロニードルは、約170μm(又は約150μm~約190μm、又は約125μm~約200μm)のおおよその外軸直径及び約500μm(又は約475μm~約525μm、又は約450μm~約550μm)の高さを有し得る。
【0107】
更に、本明細書に記載のマイクロニードルアレイは、作用電極、対極、及び基準電極がマイクロニードルアレイ内のどこに配置されるかに関して高度の構成可能性を有し得る。この構成可能性は、電子機器システムによって促進され得る。
【0108】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイは、マイクロニードルアレイ内で対称又は非対称に2つ以上のグループに分布した電極を含むことができ、各グループは、信号感度及び/又は冗長性の要件に応じて同じ又は異なる数の電極構成要素を特徴とする。例えば、同じタイプの電極(例えば、作用電極)は、マイクロニードルアレイ内で両側対称又は半径方向に対称に分布していてもよい。例えば、図13Aは、「1」及び「2」とラベル付けされた2つの作用電極群を有する、7つの作用電極(WE)の2つの対称的な群を含むマイクロニードルアレイ1300Aの変形形態を示す。この変形形態では、2つの作用電極群は、マイクロニードルアレイ内で両側対称に分布している。作用電極は、一般に、3つの基準電極(RE)の中央領域と20個の対電極(CE)の外周領域との間に配置される。いくつかの変形形態では、2つの作用電極群の各々は、それらの間で電気的に接続された7つの作用電極を含むことができる(例えば、センサ信号を強化するために)。あるいは、作用電極群の一方又は両方の一部のみが、それらの間で電気的に接続された複数の電極を含んでもよい。更に別の代替例として、作用電極群は、独立型であり、他の作用電極に電気的に接続されていない作用電極を含むことができる。更に、いくつかの変形形態では、作用電極群は、非対称又はランダムな構成でマイクロニードルアレイに分布していてもよい。
【0109】
別の例として、図13Bは、「1」、「2」、「3」、及び「4」とラベル付けされた4つの作用電極群を有する3つの作用電極(WE)の4つの対称群を含むマイクロニードルアレイ1300Bの変形形態を示す。本変形形態では、マイクロニードルアレイにおいて4つの作用電極群が径方向に対称に分布している。各作用電極群は、マイクロニードルアレイにおける2つの基準電極(RE)構成要素の一方に隣接し、対称的に配置されている。マイクロニードルアレイはまた、非活性であるか又は他の特徴又は動作モードに使用され得る六角形の頂点上の2つの電極を除いて、マイクロニードルアレイの周囲に配置された対極(CE)を含む。
【0110】
図13Cは、7本のマイクロニードルを有するマイクロニードルアレイ1300Cの別の例示的な変形形態を示す。マイクロニードル配置は、独立した作用電極(1及び2)として割り当てられた2つのマイクロニードルと、4つのマイクロニードルからなる対極条件と、単一の基準電極とを含む。中央基準電極から等距離にある作用電極及び対極の配置には左右対称性がある。更に、作用電極は、作用電極がより高い感度及び全体的な性能を有すると予想される位置を利用するために、マイクロニードルアレイの中心(例えば、ダイ又はアレイの周辺部)から可能な限り遠くに配置される。
【0111】
図13Dは、7本のマイクロニードルを有するマイクロニードルアレイ1300Dの別の例示的な変形形態を示す。マイクロニードル配置は、それぞれ2つの作用電極の2つの独立した群(1及び2)として割り当てられた4つのマイクロニードルと、2つのマイクロニードルからなる対極と、単一の基準電極とを含む。中央基準電極から等距離にある作用電極及び対極の配置には左右対称性がある。更に、作用電極は、作用電極がより高い感度及び全体的な性能を有すると予想される位置を利用するために、マイクロニードルアレイの中心(例えば、ダイ又はアレイの周辺部)から可能な限り遠くに配置される。
【0112】
図13Eは、7本のマイクロニードルを有するマイクロニードルアレイ1300Eの別の例示的な変形形態を示す。マイクロニードル配置は、独立した作用電極(1、2、3、及び4)として割り当てられた4つのマイクロニードルと、2つのマイクロニードルからなる対極条件と、単一の基準電極とを含む。中央基準電極から等距離にある作用電極及び対極の配置には左右対称性がある。更に、作用電極は、作用電極がより高い感度及び全体的な性能を有すると予想される位置を利用するために、マイクロニードルアレイの中心(例えば、ダイ又はアレイの周辺部)から可能な限り遠くに配置される。
【0113】
図13A図13Eは、マイクロニードルアレイ構成の例示的な変形形態を示しているが、これらの図は限定的ではなく、他のマイクロニードル構成(作用電極、対極、及び基準電極の異なる数及び/又は分布、並びに活性電極及び不活性電極などの異なる数及び/又は分布を含む)がマイクロニードルアレイの他の変形形態に適し得ることを理解されたい。
【0114】
上述したように、分析物モニタリング装置(又は上述したようなその様々な態様)は、マイクロニードルアレイ140が皮膚内に(例えば、所望の標的深さまで)挿入されるように、マイクロニードルアレイ140をユーザの皮膚に向かって付勢するように構成されたアプリケータ又は適用構成要素と一体化され得る。いくつかの変形形態では、1つ以上の接着層が分析物モニタリング装置のハウジングの遠位端上に設けられ、皮膚に接着されて、マイクロニードルアレイ140の皮膚内への展開中又は展開前に分析物モニタリング装置110を定位置にしっかりと保持する。
【0115】
図14A及び図14Bは、一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置1400(本明細書では分析物モニタリング装置とも呼ばれる)の態様を示す。図14Aは、一体化されたアプリケータを有する分析物モニタリング装置1400の上方斜視図を提供し、図14Bは側面図を提供する。いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置1400は、ハウジングカバー1410及びハウジングベース1420を含み、これらは一緒になってハウジングの本体を形成し、内部空洞を画定する。分析物モニタリング装置1400をユーザの皮膚に接着するために、ハウジングベース1420の遠位の外側に面する領域又はハウジングの遠位端に接着層が設けられ得る。
【0116】
いくつかの変形形態では、作動部材1430が、ハウジングカバー1410の近位表面に形成される。作動部材1430は、ユーザの力に応答する押し下げ可能又は解放可能(例えば、可撓性)部材である。例えば、ユーザが作動部材1430を下方に押すと、作動部材は、内側に押し下がることによって応答する。ユーザの力が除去された後、作動部材1430は、その元の形状をとり得る。いくつかの変形形態では、作動部材1430は、ハウジングカバー1410の変形可能部分であり得る。例えば、作動部材1430は、力及び/又は圧力に応答する材料から作製され得る。ハウジングカバー1410の周囲部分は、いくつかの変形形態では、ユーザによって適用された力に応じて作動部材1430が変形するときに、その形状及び構造を維持する、より強くてより弾力性のある材料から作製され得る。いくつかの変形形態では、作動部材1430は、ハウジングカバー1410とは別個であるが、それと結合される構成要素であり得る。例えば、作動部材1430は、ハウジングカバー1410の周囲部分内に嵌合されるか、又はそれと噛合される、キャップ又はボタンなどの解放可能部材であり得る。いくつかの変形形態では、作動部材1430はダイアフラムであり得る。
【0117】
図14C及び図14Dは、分析物モニタリング装置1400の内部態様を示す。図14Cは、分析物モニタリング装置1400のマイクロニードルアレイ140を展開するための構成にある分析物モニタリング装置1400の、図14Aに示される線14C:14Cに沿ってとられた側断面図である。図14Cでは、マイクロニードルアレイ140は、マイクロニードルアレイ140がハウジング本体の空洞内に保持される第1の構成にある。図14Dは、マイクロニードルアレイ140が展開されている構成にある分析物モニタリング装置1400の、図14Aに示される線14C:14Cに沿ってとられた側断面図である。図14Dでは、マイクロニードルアレイ140は、マイクロニードルアレイ140がハウジング本体の遠位開口部を通って突出する第2の構成にある。
【0118】
いくつかの変形形態では、第1のアセンブリ部分1442及び第2のアセンブリ部分1444を含むプリント回路基板アセンブリ1440は、ハウジング内(例えば、ハウジングカバー1410及びハウジングベース1420によって画定される空洞内)に配置される。第1のアセンブリ部分1442は、マイクロニードルアレイ140に接続するように構成され得る。すなわち、マイクロニードルアレイ140は、例えば、接続構成要素1422を介して、第1のアセンブリ部分1442に電気的に接続され得る。接続構成要素1422は、上述の二次PCB構成要素及び/又は二次PCBコネクタ(例えば、図4B及び図4Gに示される二次PCB 420及び二次PCBコネクタ430)と類似しているか、又は同様であり得、それにより、接続構成要素1422は、マイクロニードルアレイ140の裏側の電気接点とプリント回路基板アセンブリ1440の第1のアセンブリ部分1442との間の電気的接続を提供する。
【0119】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ140は、上述のマイクロニードルアレイアセンブリ(例えば、図4B及び図4Gに示されるマイクロニードルアレイアセンブリ360)と同様に、マイクロニードルアレイアセンブリの一部として提供される。更に、一体化されたアプリケータを有する分析物モニタリング装置内で利用されるマイクロニードルアレイアセンブリは、スカート(図4B及び図4Gに示されるスカート410と同様のもの)及びスペーサ又は中間PCB(図4Gに示される中間PCB 425と同様のもの)を含み得る。
【0120】
第2のアセンブリ部分1444は、概して、第1のアセンブリ部分1442を取り囲み、本明細書の他の場所に説明されるような分析物モニタリング装置の他の構成要素(例えば、分析物信号を処理及び通信するための電子部品)を含む。いくつかの変形形態では、第1のアセンブリ部分1442は、マイクロニードルアレイ140と第2のアセンブリ部分1444との間の電気的接続を提供する可撓性PCBを含み、それによって、分析物モニタリング装置の他の構成要素と電気通信するマイクロニードルアレイを提供する。いくつかの変形形態では、第1のアセンブリ部分1442は弾性材料を含み、追加の構成要素を必要とすることなく付勢要素として利用され得る。例えば、プリント回路基板アセンブリ1440は、弾性基板(例えば、ガラス繊維強化PCB)を含み得、これにより、第1のアセンブリ部分1442が、第2のアセンブリ部分1444と一体のまま、切り取られて付勢要素として利用されることが可能である。
【0121】
図14E図14F、及び図14Gは、プリント回路基板アセンブリ1440の態様を示す。図14Eは上方斜視図を提供し、図14Fは、マイクロニードルアレイ140を展開するための構成にある側断面図を提供し、図14Gは、マイクロニードルアレイ140を展開するための構成にある側断面図を提供する。第1のアセンブリ部分1442は、可撓性回路基板であり得、この可撓性は、第2のアセンブリ部分1444に対する第1のアセンブリ部分1442の移動を可能にする。いくつかの変形形態では、バッテリ160が、第2のアセンブリ部分1444に結合される。バッテリ160は、マイクロニードルアレイ140の展開中の第1の構成から第2の構成へのマイクロニードルアレイ140の移行中のマイクロニードルアレイ及び付勢要素の並進のための空間を確保するために、装置/第2のアセンブリ1444の中心からオフセットされ得る。
【0122】
図14C図14Gに示すように、付勢要素1450は、分析物モニタリング装置1400のハウジング本体の空洞内に配置される。付勢要素1450は、マイクロニードルアレイ140を含むプリント回路基板アセンブリ1440の第1のアセンブリ部分1442に取り付けられるか、又は別様に接続される。したがって、付勢要素1450は、マイクロニードルアレイ140のための支持構造体として機能する。付勢要素1450は、可動クリップ、板ばね、圧縮コイルばね、引張ばねなどであってもよく、図14Cに示されるように、分析物モニタリング装置1400の組み立て時に、装填構成又は第1の構成に位置付けられる。この位置では、マイクロニードルアレイ140は、ハウジングカバー1410及びハウジングベース1420によって画定される空洞内に後退し、付勢要素1450及び保持要素1460の係合によって定位置に保持される。
【0123】
付勢要素1450は、作動部材1430の作動時に保持要素1460から係合解除され得る。例えば、作動部材1430の外面に力又は圧力を加えることによって、保持要素1460は付勢要素1450から解放される。付勢要素1450及び保持要素1460の解放又は係合解除は、マイクロニードルアレイ140に対する加速力を生じさせ、ユーザの皮膚表面への挿入を引き起こす。付勢要素1450は、第1である装填構成から第2である展開構成に移行し、この構成では、第1の付勢要素1450は、圧力が加わっている状態に圧縮され、したがって、マイクロニードルアレイ140を一定の力(例えば、約15~約35ニュートン)で押圧する。付勢要素1450がユーザによる作動を介して解放されると、第1の付勢要素1450は、マイクロニードルアレイ140に対して適用方向に加速力を加える。
【0124】
付勢要素は、装填されると、圧力が加わっている状態に圧縮され及び/又は曲げられ、したがって、マイクロニードルアレイが第1の構成にあるときに位置エネルギーを提供する。付勢要素がユーザによる作動を介して保持要素から解放されると、付勢要素は、マイクロニードルアレイに対して適用方向に加速力を加える。付勢要素はマイクロニードルアレイにのみ作用し、モニタリング装置全体には作用しないので、力は、マイクロニードルアレイを非常に短い変位距離で比較的高速にまで加速して皮膚に衝突させる。
【0125】
いくつかの変形形態では、付勢要素は、マイクロニードルアレイを、ユーザの皮膚表面を貫通する前に約7~約14メートル毎秒(m/s)の速度まで加速する。いくつかの変形形態では、付勢要素は、マイクロニードルアレイを約2.5m/s~約5m/s、約2.5m/s~約7m/s、約2.5m/s~約10m/s、約2.5m/s~約12.5m/s、約2.5m/s~約15m/s、約2.5m/s~約20m/s、約2.5m/s~約25m/s、約5m/s~約7m/s、約5m/s~約10m/s、約5m/s~約12.5m/s、約5m/s~約15m/s、約5m/s~約20m/s、約5m/s~約25m/s、約7m/s~約10m/s、約7m/s~約12.5m/s、約7m/s~約15m/s、約7m/s~約20m/s、約7m/s~約25m/s、約10m/s~約12.5m/s、約10m/s~約15m/s、約10m/s~約20m/s、約10m/s~約25m/s、約12.5m/s~約15m/s、約12.5m/s~約20m/s、約12.5m/s~約25m/s、約15m/s~約20m/s、約15m/s~約25m/s、又は約20m/s~約25m/sの速度まで加速する。いくつかの変形形態では、付勢要素は、マイクロニードルアレイを少なくとも約2.5m/s、約5m/s、約7m/s、約10m/s、約12.5m/s、約15m/s、約20m/s、又は約25m/sの速度まで加速する。
【0126】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイは、第1の構成から第2の構成に展開されるときに、約1.5~約3ミリメートル(mm)並進させられる。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイは、約0.5mm~約1mm、約0.5mm~約1.5mm、約0.5mm~約2mm、約0.5mm~約2.5mm、約0.5mm~約3mm、約0.5mm~約5mm、約0.5mm~約7mm、約0.5mm~約10mm、約1mm~約1.5mm、約1mm~約2mm、約1mm~約2.5mm、約1mm~約3mm、約1mm~約5mm、約1mm~約7mm、約1mm~約10mm、約1.5mm~約2mm、約1.5mm~約2.5mm、約1.5mm~約3mm、約1.5mm~約5mm、約1.5mm~約7mm、約1.5mm~約10mm、約2mm~約2.5mm、約2mm~約3mm、約2mm~約5mm、約2mm~約7mm、約2mm~約10mm、約2.5mm~約3mm、約2.5mm~約5mm、約2.5mm~約7mm、約2.5mm~約10mm、約3mm~約5mm、約3mm~約7mm、約3mm~約10mm、約5mm~約7mm、約5mm~約10mm、又は約7mm~約10mm並進させられる。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイは、最大で約0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、5mm、7mm、又は10mm並進させられる。
【0127】
変形形態では、保持要素1460は、作動部材1430と一体であり、及び/又はそれに結合される。保持要素1460は、保持レッジ1464を有する延長アーム1462を含み得る。保持レッジ1464は、第1の付勢要素1450のための支持面を提供する。付勢要素1450の外側縁部は、装填されると、保持レッジ1464上に載置され、それとインターフェース接続し、及び/又は別様にそれと係合される。
【0128】
作動部材1430の作動(例えば、ユーザによって加えられる圧力又は力)に応答して、付勢要素1450及び保持要素1460は係合解除する。保持要素1460は、作動に応答して下方向に屈曲及び/又は移動し得、付勢要素1450と保持要素1460との間の係合解除を可能にする。いくつかの変形形態では、図14Dに示されるように、作動部材1430は、ハウジングカバー1430と一体化される。作動部材1430は、ユーザが押し下げると反転するハウジングカバー1410の可撓性部分として設けられ得る。作動部材1430が反転されると、保持要素1460の延長アーム1462は、付勢要素1450から外側に離れる方向に移動し、付勢要素1450を保持レッジ1462から解放する。いくつかの変形形態では、作動部材1430は、反転されたままであり、ウェアラブル分析物モニタリング装置1400のプロファイル(例えば、高さ)を減少させる。いくつかの変形形態では、作動部材1430は、その元の形状に戻り得る。
【0129】
いくつかの変形形態では、第2の付勢要素がハウジング本体の空洞の中に配置されて、ユーザの皮膚の中に挿入されたマイクロニードルアレイ140に追加の圧縮を与え得る。例えば、第2の付勢要素は、ハウジング本体と付勢要素1450との間に画定される容積内に位置付けられ得る。第2の付勢要素は、圧縮コイルばねなどのばねであり得る。第2の付勢要素は、付勢要素1450が装填構成にあるときに第1の圧縮状態にあり得、付勢要素1450が展開構成にあるときに第2の圧縮状態にあり得る。第2の圧縮状態は、展開構成にある間、付勢要素1450に追加の力を与え得る。
【0130】
図15A図15Eは、いくつかの変形形態による、一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置1500の態様を示す。図15Aは、一体化されたアプリケータを有する分析物モニタリング装置1500の上方斜視図を提供する。図15B図15C図15D、及び図15Eは、分析物モニタリング装置1500の内部態様を示す。図15Bは、分析物モニタリング装置1500のマイクロニードルアレイ140を展開するための装填構成にある分析物モニタリング装置1500の側断面図である。図15Cは、展開構成にある分析物モニタリング装置1500の側断面図である。図15Dは、マイクロニードルアレイ140を展開するための装填構成にある分析物モニタリング装置1500の詳細図である。図15Eは、展開構成にある分析物モニタリング装置1500の詳細図である。
【0131】
分析物モニタリング装置1500は、分析物モニタリング装置1500の様々な構成要素が保持される内部空洞を含むハウジング本体を含む。いくつかの変形形態では、ハウジングは、カバー1510及びハウジングベース1515を含み、これらは一緒になってハウジング本体を形成し、内部空洞を画定する。接着層1520が、ハウジング本体の遠位端(例えば、ハウジングベース1515の底部の外側に面する領域)上に設けられて、分析物モニタリング装置1500をユーザの皮膚に接着し得る。
【0132】
いくつかの変形形態では、作動部材1530が、ハウジングカバー1510の上面に形成される。作動部材1530は、ユーザの力に応答する押し下げ可能又は解放可能(例えば、可撓性)部材である。例えば、ユーザが作動部材1530を下方に押すと、作動部材は、内側に押し下がることによって応答する。ユーザの力が除去された後、作動部材1530は、その元の形状をとり得る。いくつかの変形形態では、作動部材1530は、ハウジングカバー1510の変形可能部分であり得る。例えば、作動部材1530は、力及び/又は圧力に応答する材料から作製され得る。ハウジングカバー1510の周囲部分は、いくつかの変形形態では、ユーザによって適用された力に応じて作動部材1530が変形するときに、その形状及び構造を維持する、より強くてより弾力性のある材料から作製され得る。
【0133】
図15B図15Eに示すように、付勢要素1550は、分析物モニタリング装置1500のハウジングの空洞内に配置される。付勢要素1550は、マイクロニードルアレイ140に結合されるか、又は別様に接続される。したがって、付勢要素1550は、マイクロニードルアレイ140のための支持構造体として機能する。いくつかの変形形態では、付勢要素1500は、マイクロニードルアレイ140への取り付けを容易にするために、平坦部分又は輪郭部分1555を含む。付勢要素1550は、図15B及び図15Dに示されるように、分析物モニタリング装置1500が装填されてマイクロニードルアレイ140を展開するときにマイクロニードルアレイ140をユーザの皮膚表面に向かって付勢するための2点で固定された板ばねであり得る。この位置では、マイクロニードルアレイ140は、ハウジングカバー1510及びハウジングベース1515によって画定される空洞内に後退し、付勢要素1550及び保持要素1560の係合によって定位置に保持される。
【0134】
付勢要素1550は、作動部材1530の作動時に保持要素1560から係合解除され得る。例えば、作動部材1530の外面に力又は圧力を加えることによって、保持要素1560は付勢要素1550から解放される。付勢要素1550及び保持要素1560の解放又は係合解除は、マイクロニードルアレイ140に対する加速力を生じさせ、ユーザの皮膚表面への挿入を引き起こす。付勢要素1550が装填構成から展開構成に移行するとき、付勢要素1550は、装填された、圧力が加わっている状態から移行し、したがって、装置1500がユーザに適用されたときに、マイクロニードルアレイ140を一定の力(例えば、約15~約35ニュートン)で皮膚表面に押し込む。
【0135】
いくつかの変形形態では、付勢要素1550は、ハウジングカバー1510の内側表面、主PCB 1544の表面、又はハウジングベース1515の表面に結合されるか、取り付けられるか、又は別様に固定される、2つの対向端部を有する。組み立て中、付勢要素1550の中間部分(マイクロニードルアレイ及び/又は接続構成要素への取り付けのために構成され得る)が、並進させられ、保持要素1560と係合させられ、それにより、装填構成の付勢要素1550が得られる。装填構成では、付勢要素1550が保持要素1560から係合解除されると、付勢要素1550の中間部分が、取り付けられたマイクロニードルアレイ140を皮膚表面に向かって加速させるように、付勢要素1550は、曲げられた、圧力が加わっている状態で提供される。
【0136】
変形形態では、保持要素1560は、作動部材1530と一体であり、及び/又はそれに結合される。保持要素1560は、保持レッジ1565を含み得る。いくつかの変形形態では、保持レッジ1565は、付勢要素1550又は付勢要素1550の外側縁部が保持レッジ1565上に載置され、それとインターフェース接続し、及び/又は別様にそれと係合するための支持面を提供して、分析物モニタリング装置1500を装填構成に保持する。いくつかの変形形態では、保持レッジは、接続構成要素1522と係合して、分析物モニタリング装置1500を装填構成に保持する。
【0137】
いくつかの変形形態では、第2の付勢要素(図示せず)がハウジングの空洞の中に配置されて、ユーザの皮膚の中に挿入されたマイクロニードルアレイ140に追加の圧縮を与え得る。例えば、第2の付勢要素は、ハウジングと付勢要素1550との間に画定される容積内に位置付けられ得る。第2の付勢要素は、圧縮コイルばねなどのばねであり得る。第2の付勢要素は、付勢要素1550が装填されているときに第1の圧縮状態にあり得、付勢要素1550が展開されているときに第2の圧縮状態にあり得る。第2の圧縮状態は、マイクロニードルアレイ140を第1の構成から第2の構成に移行させながら、マイクロニードルアレイ140に追加の圧縮力を与え得る。
【0138】
いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置1500は、ハウジング内(例えば、ハウジングカバー1510及びハウジングベース1515によって画定される空洞内)に配置されたプリント回路基板(PCB)アセンブリを含み、このPCBアセンブリは、主PCB部分1544及び可撓性PCB部分1542を含む。可撓性PCB 1542は、マイクロニードルアレイ140を主PCB 1544に接続して、電気的接続を維持しながら主PCB 1544に対するマイクロニードルアレイ140の移動を可能にするように構成され得る。いくつかの変形形態では、主PCB部分1544も可撓性プリント回路基板である。したがって、主PCB部分1544及び可撓性PCB部分1542は一体化されてもよく、それらの間に接続を確立する必要はない。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ140は、例えば、接続構成要素1522を介して、可撓性PCB 1542に電気的に接続され得る。接続構成要素1522は、上述の二次PCB構成要素及び/又は二次PCBコネクタ(例えば、図4B及び図4Gに示される二次PCB 420及び二次PCBコネクタ430)と類似し得、それにより、接続構成要素1522は、マイクロニードルアレイ140の裏側の電気接点とプリント回路基板アセンブリの可撓性PCB 1542との間の電気的接続を提供する。
【0139】
いくつかの変形形態では、ハウジングベース1515、接着層1520、及び/又は主PCB 1544は、マイクロニードルアレイ140の少なくとも一部が装置から外側に延在することを可能にするように、ハウジング本体の遠位開口部を形成するアパーチャを含む。展開(第1の構成から第2の構成への移行)中に、マイクロニードルアレイ140の部分は、マイクロニードルがハウジング本体から延在し、ユーザの皮膚表面を貫通するように、空洞内から遠位開口部を通って並進させられ得る。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ140が展開されるときに内部空洞がシールされるように、シール要素が提供される。シール要素は、ハウジングの内部空洞への水分の侵入を防止するために、耐水性又は防水性シールを提供し得る。
【0140】
図15B図15C図15D、及び図15Eは、レッジ1514及び内壁1516を含むシール要素1512を示す。いくつかの変形形態では、(図15C及び図15Eに示されるような)展開構成において、マイクロニードルアレイ140に結合される接続構成要素1522は、遠位開口部をシールするようにシール要素1512に接触し、それによって、ハウジングの内部空洞をシールする。いくつかの変形形態では、接続構成要素1522は、シール要素1512のレッジ1514、内壁1516、又はその両方に当接して、シールを作り出す。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ140の外側縁部が、シール要素1512のレッジ1514、内壁1516、又はその両方に当接して、シールを作り出す。いくつかの変形形態では、シール要素1512の内壁1516は、シール要素1512と接続構成要素1522及び/又はマイクロニードルアレイ140との間の締まり嵌め、圧入、又は摩擦嵌めを容易にするためにテーパ状である。シール要素1512は、シリコーン、防水ポリマー、ゴム、又は防水性シールを作り出すのに適した同様の材料から形成され得る。
【0141】
いくつかの変形形態では、シール要素1512は、ハウジングベース1515と一体である。いくつかの変形形態では、シール要素1512は、ハウジングベース1515に接着されるか、又は別様に結合される。シール要素1512は、実質的に長方形又は正方形として示されているが、シール要素1512の特徴部は、マイクロニードルアレイ140及び/又は接続構成要素1522の形状に実質的に対応し得る。例えば、マイクロニードルアレイ140及び/又は接続構成要素1522が実質的に円形である場合、シール要素1512の内壁1516及びレッジ1514も実質的に円形であり、締まり嵌めを作り出すような寸法であり得る。
【0142】
いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置の構成要素は、腐食、破壊、又は液体若しくは水分への暴露から生じる他の悪影響を防止するために、コンフォーマル防水コーティングを有し得る。シールはまた、可撓性及び/又は蛇腹状の膜によって提供されてもよい。例えば、蛇腹状の膜が、マイクロニードルアレイとハウジングのベースとの間に設けられ得、その結果、水分はそれらの間を通過することができない。そのような構成は、防水性シールを維持し、水分がハウジングの内部空洞に進入することを防止しながら、マイクロニードルアレイがハウジングに対して移動することを可能にし得る(例えば、第1の構成から第2の構成への移行中)。
【0143】
いくつかの変形形態では、付勢要素は、ユーザの皮膚表面内にマイクロニードルを保持するために、第2の構成にあるマイクロニードルアレイに一定の力を加える。いくつかの変形形態では、展開されたマイクロニードルアレイの位置を維持するために、ロック機構が利用される。例えば、シール要素1512のレッジ1514はコンタクト接着剤でコーティングされ得、それにより、マイクロニードルアレイ140及び/又は接続構成要素1522の外側縁部は、展開中にシール要素1512のレッジ1514に接触すると、レッジ1514に接着する。戻り止め、ばね式スライドなど、追加又は代替のロックアウト機構が利用されてもよい。例えば、保持要素1560は、展開構成において保持要素1560の底面が付勢要素1550の上面に当接するように、保持レッジ1565を越えて延在する底部を有してもよい。そのような例では、保持要素1560は、作動中に外側に移動して、付勢要素1550が展開構成に移行することを可能にし、次いで、作動力が除去された後、定位置に戻るように移動し、保持要素の底面は付勢要素の上面に当接し得る。
【0144】
図16A図16Cは、いくつかの変形形態による、一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置1600の態様を示す。図16A図16Cは、対象者の皮膚間質液中に存在する標的分析物のレベルをモニタリングするために構成されたマイクロニードルアレイ140の展開をトリガするための作動機構の変形形態を示す。図16Aは、装填構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第1の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1600の側断面図である。図16Bは、展開構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第2の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1600の側断面図である。図16Cは、分析物モニタリング装置1600の作動部材1630、シャトル1640、及びハウジングベース1615の分解斜視図である。
【0145】
いくつかの変形形態では、ウェアラブル分析物モニタリング装置1600は、突出部1617を有するベース1615を含む。いくつかの変形形態では、突出部1617は円筒形であり、(図16Aに示すように)装填構成にあるときにシャトル1640を保持する。いくつかの変形形態では、突出部1617は内径及び外径を有し、実質的に管状である。突出部1617は、ベース1615の近位表面から、ベース1615及びハウジング1610によって形成される空洞内に延在する。
【0146】
いくつかの変形形態では、シャトル1640は、その外側側壁から延在する1つ以上の可撓性アーム1642を有する実質的に円筒形の部材である。可撓性アーム1642は、分析物モニタリング装置1600が(例えば、図16Aに示すように)装填構成にあるとき、可撓性アーム1642の遠位面(例えば、突出部)が突出部1617の対応するアパーチャ1612の遠位表面に当接するので、シャトル1640の保持を可能にする。マイクロニードルアレイ140は、マイクロニードルアレイ140のマイクロニードルがシャトル1640の遠位端から遠位方向に延びるように、シャトル1640にその遠位端で結合される。付勢要素1650(例えば、圧縮ばね)は、シャトル1640及びマイクロニードルアレイ140を分析物モニタリング装置1600のベース1615に向かって、作動部材1630から離れる方向に付勢し得る。
【0147】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ140の展開中、シャトル1640の可撓性アーム1642の突出部は、作動部材1630の内面によって内側に押し下げられ、それによって、可撓性アーム1642をアパーチャ1612との係合から解放し、シャトル1640及び取り付けられたマイクロニードルアレイ140がベースに向かってユーザの皮膚表面まで並進させられることを可能にする。いくつかの変形形態では、上述したように、ベース1615は、マイクロニードルアレイ140の複数のマイクロニードルが(図16Bに示すような)展開構成において装置を通過し、そこから延在することを可能にするための、ハウジング本体の遠位開口部を形成するアパーチャを含む。展開構成においてシールが提供又は形成され得る。
【0148】
いくつかの変形形態では、作動部材1630は、ハウジング1610の上部と一体化される。したがって、作動部材1630は、ユーザがハウジングの上部を押し下げることによって係合され得る。いくつかの変形形態では、作動部材1630は、ハウジング1610とは別個の構成要素であり得る。付勢要素1650はまた、マイクロニードルアレイ140の偶発的な展開を防止するために、作動部材1630に対する付勢を提供するように機能し得る。いくつかの変形形態では、ハウジング1610の一部を変形させることによって作動部材1630が係合される場合、付勢要素1650は、展開後にハウジング1610をその元の形状に押し戻すように機能し得る。
【0149】
いくつかの変形形態では、作動部材1630は、シャトル1640の可撓性アーム1642がベースの突出部1617の内側部分の中に完全に後退させられることを確実にするように、作動時にアパーチャ1612に嵌まり込む1つ以上の突出部1632を有する。いくつかの変形形態では、作動部材1630の突出部1632は、ベースの突出部1617上での作動部材1630の摺動を促進するように、可撓性アーム上に提供される。いくつかの変形形態では、ベース1615の突出部1617は、作動部材1630及び/又はシャトル1640が作動及び展開中に並進させられるときにそれらをガイドするための1つ以上のスロット又はトラック1631を含む。
【0150】
図16A図16Cは、2つの可撓性アーム1642と、ベース1615の突出部1617によって提供される2つの対応するアパーチャ1612とを有するシャトル1640の変形形態を示すが、可撓性アーム及び対応するアパーチャの数は変更されてもよいことを理解されたい。例えば、シャトルは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれを上回る可撓性アームを有してもよく、ベースの突出部は、対応する数のアパーチャを含んでもよい。更に、可撓性アーム及び対応するアパーチャのサイズを変更してもよい。
【0151】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ140はシャトル1640に結合され、シャトル1640は付勢要素1650(例えば、コイルばね)に結合され、それによって、付勢要素へのマイクロニードルアレイ140の間接的結合を容易にする。いくつかの変形形態では、ウェアラブル分析物モニタリング装置1600の電子部品(例えば、バッテリ、無線トランシーバ、マイクロプロセッサなど)は、シャトル1640に結合され、及び/又はその中に提供される。いくつかの変形形態では、電子部品は、ハウジングによって形成される空洞内の他の場所に提供されるか、又はベース1615に取り付けられ、可撓性PCB又はワイヤアレイによってマイクロニードルアレイ140に接続される。シャトル1640を貫通して提供されるアパーチャ1644は、ベース1615の突出部1617内に形成されるスロット1614に対応して、第1の構成から第2の構成へのシャトル1642及びマイクロニードルアレイ140の並進中に可撓性PCB又はワイヤ接続が維持されることを可能にし得る。
【0152】
図17A図17Eは、いくつかの変形形態による、一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置1700の態様を示す。図17A図17Eは、対象者の皮膚間質液中に存在する標的分析物のレベルをモニタリングするために構成されたマイクロニードルアレイ140の展開をトリガするための作動機構の変形形態を示す。図17Aは、装填構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第1の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1700の側断面図である。図17Bは、展開構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第2の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1700の側断面図である。図17Cは、装填構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第1の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1700の作動部材1730及びハウジングベース1715の上面図である。図17Dは、展開構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第2の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1700の作動部材1730及びハウジングベース1715の上面図である。図17Eは、分析物モニタリング装置1700の作動部材1730、マイクロニードルアレイ140、及びハウジングベース1715の分解斜視図である。
【0153】
いくつかの変形形態では、ウェアラブル分析物モニタリング装置1700は、1つ以上の突出部1717を有するベース1715を有する。マイクロニードルアレイ140は、作動部材1730に結合され得る。付勢要素1750(例えば、コイルばね)は、作動部材1730及びマイクロニードルアレイ140をベース1715に向かって付勢し得る。いくつかの変形形態では、作動部材1730は、その遠位表面上に突出部1732の底面として保持要素を提供する1つ以上の突出部1732を有し得、これらは、(図17Cに示すように)装填構成においてベース1715の突出部1717の近位表面に当接する。いくつかの変形形態では、作動部材1730の上部は、ハウジングの外部に設けられ、ユーザによって回転可能である。マイクロニードルアレイ140を展開するために、作動部材1730は、(図17Dに示されるように)突出部1732がベース1715の突出部1717の間に設けられたスロット又は空間内に位置付けられるように回転され、それによって、作動部材1730及び取り付けられたマイクロニードルアレイ140を解放してベース1715に向かって並進させ、その結果、マイクロニードルアレイ140が付勢要素1750の影響下で遠位開口部を通ってユーザの皮膚表面内に突出する。いくつかの変形形態では、上述したように、ベース1715は、マイクロニードルアレイ140の複数のマイクロニードルが第2の構成において装置を通過し、そこから延在することを可能にするための、アパーチャによって形成される遠位開口部を含む。マイクロニードルアレイ140の周りにシールが提供又は形成され得る。
【0154】
図17C図17Eは、4つの突出部1732を有する作動部材1730、及びベース1715上に設けられた4つの対応する突出部1717の変形形態を示すが、作動部材の突出部及びベースの対応する突出部の数は変更されてもよいことを理解されたい。例えば、作動部材は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれを上回る突出部を有してもよく、ベースは、対応する数の突出部を含んでもよい。更に、突出部のサイズは変更されてもよい。例えば、図17Eに示されるように、ベース上に設けられた、間により小さい間隔を有するより大きい突出部は、展開中のマイクロニードルアレイ140のガイド及び整列を促進するトラック又はスロットを形成し得る。
【0155】
いくつかの変形形態では、付勢要素1750は、第1の端部においてハウジング1710の上部の内面に当接する。いくつかの変形形態では、付勢要素1750は、第1の端部の反対側の第2の端部において、作動部材1730の突出部1732のうちの1つ以上の上面に当接する。いくつかの変形形態では、ベース1715の突出部1717の内面は、並進中の作動部材1730のためのガイドを形成する。いくつかの変形形態では、付勢要素1750は、作動部材1730の一部の周りに巻き付けられ、付勢要素1750の外周は、ベース1715の突出部1717の内面内に嵌合する。いくつかの変形形態では、作動部材1730の並進は、突出部1732がベース1715の一部に当接すると、又は作動部材の上部の底面がハウジング1710に当接すると停止される。
【0156】
図18A図18Cは、いくつかの変形形態による、一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置1800の態様を示す。図18A図18Cは、対象者の皮膚間質液中に存在する標的分析物のレベルをモニタリングするために構成されたマイクロニードルアレイ140の展開をトリガするための作動機構の変形形態を示す。図18Aは、装填構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第1の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1800の側断面図である。図18Bは、展開構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第2の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1800の側断面図である。図18Cは、分析物モニタリング装置1800の付勢要素1850、保持要素1840、及びベースの突出部1817の分解斜視図である。
【0157】
いくつかの変形形態では、ウェアラブル分析物モニタリング装置1800は、突出部1817を有するベース1815を含む。マイクロニードルアレイ140は、付勢要素1850に結合され得る。付勢要素1850(例えば、板ばね)は、マイクロニードルアレイ140を装置1800のベース1815に向かって付勢し得る。いくつかの変形形態では、保持要素1840は、ベース1817の突出部内に嵌合し、1つ以上の可撓性ウィング1847を有する。付勢要素1850は、第1の端部に取り付けられるか、又は固定され得る。付勢要素1850の第2の端部は、ベース1815の突出部1817の外径よりわずかに大きい幅を有するスロット1855を含み得る。(図18Aに示すような)装填構成では、保持要素は、ウィング1847が突出部1817の外側にあり、保持要素1840の本体から外側に延在するように、ばね1845によってベースから離れる方向に付勢され得る。装填構成では、ウィング1847は、付勢要素1850の底面がウィング1847に当接し、ウィング1847が突出部に当接するように、付勢要素1850のスロット1855の幅を越えて延在する。いくつかの変形形態では、作動部材1830の係合は、保持要素1840を突出部1817の中に押し込み、ウィング1847は、保持要素1840が突出部の中に押し込まれるにつれて、内側に押し下げされる。ウィング1847が内側に押し下げられることにより、付勢要素1850は解放され、ウィング1847は付勢要素の並進をもはや妨げない。付勢要素1850がベース1815に向かって並進させられると、突出部1817は、付勢要素のスロット1855を通って移動し、マイクロニードルアレイ140は(図18Bに示されるように)展開される。
【0158】
図18Cは、4つのウィング1847を有する保持要素1840の変形形態を示すが、ウィングの数は変更されてもよいことを理解されたい。例えば、保持要素は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれを上回る可撓性ウィングを有してもよい。更に、可撓性ウィングのサイズは変更されてもよい。
【0159】
いくつかの変形形態では、作動部材1830は、保持要素1840に当接するように押し下げられる、ハウジング1810の可撓性部分を含む。いくつかの変形形態では、作動部材1830は、保持要素1840に当接する突出部を有する。突出部は、ユーザによって押し下げされるハウジング1810の可撓性部分に結合されるか、又は一体化され得る。いくつかの変形形態では、保持要素1840は、作動部材1830に結合されるか、又はそれと一体化される。上述したように、ベース1815は、マイクロニードルアレイ140の複数のマイクロニードルが第2の構成において装置を通過し、そこから延在することを可能にするための、ハウジング本体の遠位開口部を形成するアパーチャを含み得る。展開構成においてシールが提供又は形成され得る。
【0160】
図19A図19Bは、いくつかの変形形態による、一体化されたアプリケータを有するウェアラブル分析物モニタリング装置1900の態様を示す。図19A図19Bは、対象者の皮膚間質液中に存在する標的分析物のレベルをモニタリングするために構成されたマイクロニードルアレイ140の展開をトリガするための作動機構の変形形態を示す。図19Aは、装填構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第1の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1900の側断面図である。図19Bは、展開構成(例えば、マイクロニードルアレイ140が第2の構成にあるとき)の分析物モニタリング装置1900の側断面図である。
【0161】
いくつかの変形形態では、ウェアラブル分析物モニタリング装置1900は、1つ以上の突出部1917を有するベース1915を有する。突出部1917は、ベース1915の近位表面から、ベース1915及びハウジング1910によって形成される空洞内に延在する。いくつかの変形形態では、突出部1917は、(図19Aに示すように)装填構成にあるときに保持要素を形成してシャトル1940を保持する。マイクロニードルアレイ140は、シャトル1940に結合され得る(例えば、シャトル1940の遠位端に結合される)。付勢要素1950(例えば、圧縮ばね)は、シャトル1940及びマイクロニードルアレイ140を装置のベース1915に向かって、作動部材1930から離れる方向に付勢し得る。装填構成では、シャトル1940及びマイクロニードルアレイ140の移動は、突出部1917の1つ以上の対向する表面によって防止される。例えば、突出部1917は、シャトル1940及びマイクロニードルアレイ140の遠位方向への垂直並進を防止する停止部を形成する。
【0162】
いくつかの変形形態では、ユーザは、作動部材1930の1つ以上の表面がシャトル1940に当接するように、作動部材1930を係合する。作動部材1930に適用された押し下げは、シャトル1940まで並進させられて、シャトル1940の一部を、突出部1917によって作り出される開口部内に押し込む。いくつかの変形形態では、シャトル1940は、突出部1917を通るシャトル1940の一方向通過を促進するためにテーパ状である。シャトル1940の遠位端が突出部1917によって作り出される開口部を通過した後、付勢要素1950は、マイクロニードルアレイ140を(図19Bに示されるような)第2の構成まで並進させる。いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイ140の深さは、シャトル1940が突出部1917を通過すると、ロック又は固定される。シャトル1940の近位部分の厚さ又は深さは、第2の構成におけるマイクロニードルアレイ140の挿入深さを制御するために変更されてもよい。
【0163】
いくつかの変形形態では、突出部1917は、可撓性であり(例えば、可撓性材料から形成される)、作動部材1930の押し下げ時にシャトル1940によって外側に偏向され、シャトル1940が開口部の中を通過することを可能にする。いくつかの変形形態では、シャトル1940は、作動部材1930の押し下げ時に突出部1917によって内側に偏向される1つ以上の可撓性部材を有し、シャトル1940が通過することを可能にする。シャトル1940及び/又は突出部1917の当接面は、突出部1917を通過するシャトル1940の並進を容易にするように、面取り(例えば、傾斜、テーパなど)され得る。図19A図19Bは、2つの可撓性突出部1917を有するベースの変形形態を示すが、突出部の数は変更されてもよいことを理解されたい。例えば、ベースは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、又はそれを上回る突出部を有してもよい。更に、突出部のサイズ及び間隔は変更されてもよい。いくつかの変形形態では、突出部1917は、実質的に環状であり、可撓性である(例えば、可撓性材料から形成される)。いくつかの変形形態では、突出部1917の近位端は、ユーザによる作動部材1930への力の適用時にシャトルの通過を促進するために可撓性である。
【0164】
いくつかの変形形態では、作動部材1930は、ハウジング1910の上部と一体化される。したがって、作動部材1930は、ユーザがハウジングの上部を押し下げることによって係合され得る。いくつかの変形形態では、作動部材1930は、ハウジング1910とは別個の構成要素であり得る。付勢要素1950はまた、マイクロニードルアレイ140の偶発的な展開を防止するために、作動部材1930に対する付勢を提供するように機能し得る。いくつかの変形形態では、ハウジング1910の一部を変形させることによって作動部材1930が係合される場合、付勢要素1950は、展開後にハウジング1910をその元の形状に押し戻すように機能し得る。いくつかの変形形態では、突出部1917は、展開構成にあるときにマイクロニードルアレイ140の複数のマイクロニードルが分析物モニタリング装置1900を通過してそこから延在することを可能にするために、ベース1915内に遠位開口部を画定する。上述したように、展開構成においてシールが提供又は形成され得る。いくつかの変形形態では、シャトル1940の遠位部分と、突出部1917によって形成される内面との間にシールが提供される。
【0165】
いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイが第2の構成に到達する(例えば、マイクロニードルアレイが展開される)と、1つ以上の電気的接続が確立される。上記で開示されるように、装置の特徴(例えば、可撓性PCB接続)は、マイクロニードルアレイが、第1の構成から第2の構成に移行する際に、主PCBとの電気的接続を維持することを可能にし得る。更に、マイクロニードルアレイ140が第2の構成にあるとき(例えば、マイクロニードルアレイ140が展開されているとき)、追加の電気的接続が確立されてもよい。例えば、第1の構成において開回路を提供し、第2の構成において閉回路を確立するために、1つ以上の電気接点が提供され得る。第2の構成において新たな電気的接続を確立することは、分析物モニタリング装置の構成要素の電源を入れ、分析物モニタリング装置のバッテリへの接続を確立し、分析物モニタリング装置をスリープ状態からウェイクさせ、及び/又は分析物モニタリング装置を低電力モードから全電力モードに移行させるために利用され得る。
【0166】
いくつかの変形形態では、分析物モニタリングシステムの一部又は全部の構成要素が、キットで(例えば、ユーザ、臨床医などに)提供され得る。例えば、キットは、少なくとも1つの分析物モニタリング装置を含み得る。いくつかの変形形態では、キットは、複数の分析物モニタリング装置を含み得、これは、所定の期間(例えば、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年など)に十分な分析物モニタリング装置の供給を形成し得る。
【0167】
いくつかの変形形態では、キットは、分析物モニタリング装置及び/又はアプリケータを動作させるためのユーザ指示書(例えば、分析物モニタリング装置を手動で又はアプリケータを用いて適用するための指示書、分析物モニタリング装置を1つ以上の周辺機器(例えば、携帯電話などのコンピューティング装置)とペアリングするための指示書など)を更に含み得る。
【0168】
以下に、分析物モニタリング装置及び周辺機器などを含む、分析物モニタリングシステムの使用及び操作の方法の様々な態様の概要を記載する。
【0169】
上述のように、分析物モニタリング装置は、装置内のマイクロニードルアレイが皮膚を貫通し、マイクロニードルアレイの電極が皮膚間質液へのアクセスのために真皮上層に配置されるように、ユーザの皮膚に適用される。例えば、いくつかの変形形態では、マイクロニードルアレイは、皮膚の外層、角質層を貫通し、表皮を貫通し、乳頭又は上側網状真皮内に静止するように幾何学的に構成され得る。(上述のように)アレイの各マイクロニードル構成要素の遠位範囲の電極に限定された感知領域は、神経終末による出血又は過度の影響のリスクなしに循環皮膚間質液(ISF)への適切な曝露を確実にするために、適用後に乳頭又は上部網状真皮に静止し着座したままであるように構成され得る。
【0170】
いくつかの変形形態では、分析物モニタリング装置は、ハウジングの遠位端に提供され、皮膚に接着し、マイクロニードルアレイを定位置に固定するように構成された接着層を有するウェアラブルハウジング又はパッチを含み得る。
【0171】
分析物モニタリング装置は、任意の適切な位置に適用されてもよいが、いくつかの変形形態では、厚い又はただれた皮膚の解剖学的領域(例えば、掌及び足底領域)、又は有意な屈曲を受ける領域(例えば、肘頭又は膝蓋骨)を回避することが望ましい場合がある。適切な装着部位としては、例えば、腕(例えば、上腕、下腕、前腕、又は手掌側前腕)、肩(例えば、三角筋上)、手の甲、首、顔、頭皮、胴体(例えば、胸領域、腰領域、仙骨領域などの背部に、又は胸部若しくは腹部に)、臀部、脚(例えば、上部脚部、下部脚部など)、及び/又は足の甲などが挙げられ得る。
【0172】
分析物モニタリング装置が挿入され、ウォームアップ及び任意の較正が完了すると、分析物モニタリング装置は、標的分析物のセンサ測定を提供する準備が整い得る。標的分析物(及び任意の必要な補因子)は、生物学的環境から、作用電極上の生体適合性及び拡散制限層を通って、生体認識要素を含む生体認識層まで拡散する。補因子の存在下で(存在する場合)、生体認識要素は、標的分析物を電気活性生成物に変換し得る。
【0173】
分析物モニタリング装置の作用電極と基準電極との間にバイアス電位を印加することができ、作用電極と基準電極との間の固定電位関係を維持するために対極から電流を流すことができる。これにより、電気活性生成物が酸化又は還元され、作用電極と対極との間に電流が流れる。電流値は、作用電極における酸化還元反応の速度に比例し、具体的には、上で更に詳細に説明したようなコットレルの関係に従って対象の分析物の濃度に比例する。
【0174】
電流は、トランスインピーダンスアンプによって電圧信号に変換され、アナログ-デジタル変換器(ADC)によってデジタルビットストリームに量子化され得る。あるいは、電流は、電流モードADCによってデジタルビットストリームに直接量子化されてもよい。電流のデジタル表現は、分析物モニタリング装置内の埋め込みマイクロコントローラ内で処理され、ブロードキャスト又は送信のために無線通信モジュールに中継され得る(例えば、1つ以上の周辺機器に)。いくつかの変形形態では、マイクロコントローラは、信号の忠実度、精度、及び/又は較正などを改善するために、データに対して追加のアルゴリズム処理を実行することができる。
【0175】
いくつかの変形形態では、電流又はセンサ信号のデジタル表現は、分析物モニタリング装置による分析物測定値(例えば、グルコース測定値)と相関し得る。例えば、マイクロコントローラは、ファームウェア内のプログラムされたルーチンを実行してデジタル信号を解釈し、任意の関連アルゴリズム及び/又は他の分析を実行することができる。分析物モニタリング装置に分析を搭載したままにすることにより、例えば、分析物モニタリング装置が、接続された各装置が同じ情報を有することを保証しながら、分析物測定値を複数の装置に並行してブロードキャストすることを可能にすることができる。したがって、一般に、ユーザの標的分析物(例えば、グルコース)値は、推定され、分析物モニタリング装置に記憶され、1つ以上の周辺機器に通信され得る。
【0176】
前述の記載は、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために特定の命名法が使用された。しかしながら、本発明を実施するために特定の詳細が必要とされないことは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の特定の実施形態の前述の記載は、例示及び記載の目的で提示されている。それらは網羅的であること、又は本発明を開示された精密な形態に限定することを意図するものではない。明らかに、上記の教示を考慮して多くの修正及び変形形態が可能である。実施形態は、本発明の原理及びその実際の用途を説明するために選択及び記載され、それにより、当業者が、企図される特定の使用に適した様々な修正を加えて本発明及び様々な実施形態を利用することを可能にする。以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物が本発明の範囲を定義することが意図される。
発明を実施するための番号付き実施形態
【0177】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、以下の番号付き実施形態について記載している。
【0178】
実施形態I-1.空洞を内部に画定する本体を含むハウジングであって、ハウジング本体は遠位開口部を含む、ハウジングと、ハウジングの遠位端に結合され、遠位開口部を取り囲む接着層であって、装置をユーザの皮膚表面に固定するように構成されている、接着層と、空洞内に収容される付勢要素と、付勢要素に結合され、複数のマイクロニードルを含むマイクロニードルアレイと、空洞内に収容され、付勢要素を解放可能に保持するように構成された保持要素と、保持要素に結合された作動部材であって、作動部材の係合により、マイクロニードルアレイが第1の構成と第2の構成との間を移行させられる、作動部材と、を含み、第1の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の空洞内に保持され、第2の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、ウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0179】
実施形態I-2.第2の構成において、複数のマイクロニードルが、ユーザの皮膚表面を貫通して挿入される、実施形態I-1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0180】
実施形態I-3.マイクロニードルアレイが、第1の構成から第2の構成へ移行する少なくとも10メートル/秒の速度を達成する、実施形態I-1~I-2のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0181】
実施形態I-4.マイクロニードルアレイが、第1の構成から第2の構成へ移行する1.5ミリメートル以下の距離を移動する、実施形態I-1~I-3のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0182】
実施形態I-5.マイクロニードルアレイが第2の構成にあるとき、マイクロニードルアレイの外周と遠位開口部との間にシールが形成される、実施形態I-1~I-4のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0183】
実施形態I-6.マイクロニードルアレイが第2の構成にあるとき、空洞が水密である、実施形態I-1~I-5のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0184】
実施形態I-7.作動部材が、ハウジング本体の部分と一体化されている、実施形態I-1~I-6のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0185】
実施形態I-8.作動部材の係合が、ハウジング本体の部分を押し下げ、それによって付勢要素を解放し、マイクロニードルアレイを第2の構成に移行させることを含む、実施形態I-1~I-7のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0186】
実施形態I-9.保持要素が、ハウジング本体と一体化されている、実施形態I-8に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0187】
実施形態I-10.ハウジング本体が、ハウジング本体の部分の押し下げ時の屈曲を容易にするために1つ以上のテーパ部分を含む、実施形態I-8又は実施形態I-9に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0188】
実施形態I-11.作動部材の係合が、作動部材を回転させることを含む、実施形態I-1に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0189】
実施形態I-12.付勢要素の部分が、空洞内のハウジング本体の内部遠位端の近位に結合される、実施形態I-1~実施形態I-6のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0190】
実施形態I-13.付勢要素が、板ばね、コイルばね、圧縮ばね、可撓性部材、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態I-1~I-12のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0191】
実施形態I-14.付勢要素が、第1の端部及び第2の端部を含み、付勢要素の第1の端部が、マイクロニードルアレイに結合し、付勢要素の第2の端部が、空洞内のハウジング本体の内部遠位端の近位に結合される、実施形態I-1~I-13のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0192】
実施形態I-15.付勢要素の第1の端部が、保持要素によって解放可能に保持される、実施形態I-14に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0193】
実施形態I-16.保持要素が、空洞内のハウジング本体の内部近位端の近位にある、実施形態I-15に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0194】
実施形態I-17.ハウジング本体の空洞内に収容されたプリント回路基板を更に含む、実施形態I-1~I-16のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0195】
実施形態I-18.プリント回路基板が、可撓性プリント回路基板を介してマイクロニードルアレイと電気通信しており、マイクロニードルアレイが、可撓性プリント回路基板上に取り付けられている、実施形態I-17に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0196】
実施形態I-19.可撓性プリント回路基板が作動接点を含み、作動接点は、マイクロニードルアレイが第2の構成にあるときに、プリント回路基板上に設けられた対応する接点と接触する、実施形態I-17に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0197】
実施形態I-20.ウェアラブル分析物モニタリング装置は、マイクロニードルアレイが第2の構成にあるときに作動する、実施形態I-1~I-19のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0198】
実施形態I-21.プリント回路基板が、マイクロニードルアレイと共に移動する、実施形態I-17に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0199】
実施形態I-22.マイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルのうちの第1のマイクロニードルが、電気化学的感知コーティングを有する作用電極を含む、実施形態I-1~I-21のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0200】
実施形態I-23.マイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルのうちの第2のマイクロニードルが、基準電極を含む、実施形態I-22に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0201】
実施形態I-24.マイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルのうちの第3のマイクロニードルが、対極を含む、実施形態I-22又は実施形態I-23に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0202】
実施形態I-25.マイクロニードルアレイを付勢要素に結合するように構成されたシャトルを更に含む、実施形態I-1~I-24のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0203】
実施形態I-26.ハウジング本体の遠位端から空洞内に延在する管状突出部を更に含み、管状突出部は、マイクロニードルアレイが第1の構成と第2の構成との間を移行するときにシャトルをガイドするように構成されている、実施形態I-25に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0204】
実施形態I-27.管状突出部が、シャトルの可撓性アームに係合し、それによってマイクロニードルアレイを第1の構成に保持するように構成されたアパーチャを含む、実施形態I-26に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0205】
実施形態I-28.作動部材の押し下げが、シャトルの可撓性アームを内側に偏向させ、それによって、シャトルを解放し、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させる、実施形態I-27に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0206】
実施形態I-29.管状突出部の内部側壁が、ハウジング本体の遠位開口部を画定する、実施形態I-26~実施形態I-28のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0207】
実施形態I-30.ハウジング本体の遠位端から空洞内に延在する突出部を更に含み、突出部は、マイクロニードルアレイが第1の構成にあるときにシャトルに当接するように構成されている、実施形態I-25に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0208】
実施形態I-31.作動部材の押し下げが、突出部を外側に偏向させ、それによって、シャトルを解放し、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させる、実施形態I-30に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0209】
実施形態I-32.突出部の内部側壁が、ハウジング本体の遠位開口部を画定する、実施形態I-30又は実施形態I-31に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0210】
実施形態I-33.第2の付勢要素を更に含む、実施形態I-1~I-32のいずれか1つに記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0211】
実施形態I-34.第2の付勢要素は、マイクロニードルアレイが第2の構成に到達した後に展開される、実施形態I-33に記載のウェアラブル分析物モニタリング装置。
【0212】
実施形態I-35.マイクロニードルアレイをユーザの皮膚表面に挿入する方法であって、第1の構成のマイクロニードルアレイを含むウェアラブル分析物モニタリング装置を提供することであって、マイクロニードルアレイは複数のマイクロニードルを含み、マイクロニードルアレイはハウジングの空洞内に収容された付勢要素に結合され、ハウジングは、空洞をその内部に画定する本体を含み、付勢要素は、空洞内に収容された保持要素によって解放可能に保持され、保持要素は作動部材に結合される、ことと、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させることと、を含み、第1の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の空洞内に保持され、第2の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、方法。
【0213】
実施形態I-36.ウェアラブル分析物モニタリング装置をユーザの皮膚表面に接着することを更に含む、実施形態I-35に記載の方法。
【0214】
実施形態I-37.マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させる前に、ウェアラブル分析物モニタリング装置がユーザの皮膚表面に接着される、実施形態I-36に記載の方法。
【0215】
実施形態I-38.空洞を内部に画定する本体を含むハウジングであって、ハウジング本体は遠位開口部を含む、ハウジングと、空洞内に収容される付勢要素と、付勢要素に結合されたマイクロニードルアレイと、作動部材であって、作動部材の係合が、マイクロニードルアレイを付勢要素の影響下で第1の構成から第2の構成に移行させる、作動部材と、を含み、第1の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の空洞内に保持され、第2の構成において、マイクロニードルアレイの少なくとも一部は、ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、分析物モニタリング装置。
【0216】
実施形態I-39.マイクロニードルアレイが、対象者の皮膚表面を貫通し、対象者の皮膚間質液中に存在する標的分析物を検出するように構成されている、実施形態I-38に記載の分析物モニタリング装置。
【0217】
実施形態I-40.マイクロニードルアレイが、電気化学的感知コーティングを有する作用電極を含む第1のマイクロニードルを含む、実施形態I-38又は実施形態I-39に記載の分析物モニタリング装置。
【0218】
実施形態I-41.マイクロニードルアレイが、基準電極を含む第2のマイクロニードルを含む、実施形態I-38~実施形態I-40のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0219】
実施形態I-42.マイクロニードルアレイが、対極を含む第3のマイクロニードルを含む、実施形態I-38~実施形態I-41のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0220】
実施形態I-43.マイクロニードルアレイを第1の構成に保持するように構成された保持要素を更に含み、作動部材の係合が保持要素の一部を偏向させて、マイクロニードルアレイが付勢要素の影響下で第1の構成から第2の構成に移行することを可能にする、実施形態I-38~実施形態I-42のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0221】
実施形態I-44.第2の構成において、複数のマイクロニードルが、ユーザの皮膚表面を貫通して挿入される、実施形態I-38~実施形態I-43のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0222】
実施形態I-45.マイクロニードルアレイが、第1の構成から第2の構成へ移行する少なくとも7メートル/秒の速度を達成する、実施形態I-38~実施形態I-44のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0223】
実施形態I-46.マイクロニードルアレイが、第1の構成から第2の構成へ移行する1.5ミリメートル以下の距離を移動する、実施形態I-38~実施形態I-45のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0224】
実施形態I-47.マイクロニードルアレイが第2の構成にあるとき、マイクロニードルアレイの外周と遠位開口部との間にシールが形成される、実施形態I-38~実施形態I-46のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0225】
実施形態I-48.マイクロニードルアレイが第2の構成にあるとき、空洞が水密である、実施形態I-38~実施形態I-47のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0226】
実施形態I-49.作動部材が、ハウジング本体の部分と一体化されている、実施形態I-38~実施形態I-48のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0227】
実施形態I-50.作動部材の係合が、ハウジング本体の部分を押し下げ、それによって付勢要素を解放し、マイクロニードルアレイを第2の構成に移行させることを含む、実施形態I-38~実施形態I-49のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0228】
実施形態I-51.保持要素が、ハウジング本体と一体化されている、実施形態I-43に記載の分析物モニタリング装置。
【0229】
実施形態I-52.ハウジング本体が、ハウジング本体の部分の押し下げ時の屈曲を容易にするために1つ以上のテーパ部分を含む、実施形態I-50又は実施形態I-51に記載の分析物モニタリング装置。
【0230】
実施形態I-53.作動部材の係合が、作動部材を回転させることを含む、実施形態I-38~実施形態I-42及び実施形態I-45~I-48のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0231】
実施形態I-54.付勢要素の部分が、空洞内のハウジング本体の内部遠位端の近位に結合される、実施形態I-38~実施形態I-53のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0232】
実施形態I-55.付勢要素が、板ばね、コイルばね、圧縮ばね、可撓性部材、又はこれらの組み合わせを含む、実施形態I-38~実施形態I-54のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0233】
実施形態I-56.付勢要素が、第1の端部及び第2の端部を含み、付勢要素の第1の端部が、マイクロニードルアレイに結合し、付勢要素の第2の端部が、空洞内のハウジング本体の内部遠位端の近位に結合される、実施形態I-38~実施形態I-55のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0234】
実施形態I-57.付勢要素の第1の端部が、保持要素によって解放可能に保持される、実施形態I-56に記載の分析物モニタリング装置。
【0235】
実施形態I-58.保持要素が、空洞内のハウジング本体の内部近位端の近位にある、実施形態I-57に記載の分析物モニタリング装置。
【0236】
実施形態I-59.ハウジング本体の空洞内に収容されたプリント回路基板を更に含む、実施形態I-38~実施形態I-58のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0237】
実施形態I-60.プリント回路基板が、可撓性プリント回路基板を介してマイクロニードルアレイと電気通信しており、マイクロニードルアレイが、可撓性プリント回路基板上に取り付けられている、実施形態I-59に記載の分析物モニタリング装置。
【0238】
実施形態I-61.可撓性プリント回路基板が作動接点を含み、作動接点は、マイクロニードルアレイが第2の構成にあるときに、プリント回路基板上に設けられた対応する接点と接触する、実施形態I-59又は実施形態I-60に記載の分析物モニタリング装置。
【0239】
実施形態I-62.分析物モニタリング装置は、マイクロニードルアレイが第2の構成にあるときに作動する、実施形態I-38~実施形態I-61のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0240】
実施形態I-63.プリント回路基板が、マイクロニードルアレイと共に移動する、実施形態I-59に記載の分析物モニタリング装置。
【0241】
実施形態I-64.マイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルのうちの第1のマイクロニードルが、電気化学的感知コーティングを有する作用電極を含む、実施形態I-38~実施形態I-63のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0242】
実施形態I-65.マイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルのうちの第2のマイクロニードルが、基準電極を含む、実施形態I-64に記載の分析物モニタリング装置。
【0243】
実施形態I-66.マイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルのうちの第3のマイクロニードルが、対極を含む、実施形態I-64又は実施形態I-65に記載の分析物モニタリング装置。
【0244】
実施形態I-67.マイクロニードルアレイを付勢要素に結合するように構成されたシャトルを更に含む、実施形態I-38~実施形態I-66のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0245】
実施形態I-68.ハウジング本体の遠位端から空洞内に延在する管状突出部を更に含み、管状突出部は、マイクロニードルアレイが第1の構成と第2の構成との間を移行するときにシャトルをガイドするように構成されている、実施形態I-67に記載の分析物モニタリング装置。
【0246】
実施形態I-69.管状突出部が、シャトルの可撓性アームに係合し、それによってマイクロニードルアレイを第1の構成に保持するように構成されたアパーチャを含む、実施形態I-68に記載の分析物モニタリング装置。
【0247】
実施形態I-70.作動部材の押し下げが、シャトルの可撓性アームを内側に偏向させ、それによって、シャトルを解放し、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させる、実施形態I-69に記載の分析物モニタリング装置。
【0248】
実施形態I-71.管状突出部の内部側壁が、ハウジング本体の遠位開口部を画定する、実施形態I-68~実施形態I-70のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0249】
実施形態I-72.ハウジング本体の遠位端から空洞内に延在する突出部を更に含み、突出部は、マイクロニードルアレイが第1の構成にあるときにシャトルに当接するように構成されている、実施形態I-67に記載の分析物モニタリング装置。
【0250】
実施形態I-73.作動部材の押し下げが、突出部を外側に偏向させ、それによって、シャトルを解放し、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させる、実施形態I-72に記載の分析物モニタリング装置。
【0251】
実施形態I-74.突出部の内部側壁が、ハウジング本体の遠位開口部を画定する、実施形態I-72又は実施形態I-73に記載の分析物モニタリング装置。
【0252】
実施形態I-75.第2の付勢要素を更に含む、実施形態I-38~実施形態I-74のいずれか1つに記載の分析物モニタリング装置。
【0253】
実施形態I-76.第2の付勢要素は、マイクロニードルアレイが第2の構成に到達した後に展開される、実施形態I-75に記載の分析物モニタリング装置。
【0254】
実施形態I-77.ウェアラブル分析物モニタリング装置を使用してユーザをモニタリングする方法であって、第1の構成のマイクロニードルアレイを含むウェアラブル分析物モニタリング装置を提供することであって、マイクロニードルアレイは複数のマイクロニードルを含み、マイクロニードルアレイはハウジングの空洞内に収容された付勢要素に結合され、ハウジングは、空洞をその内部に画定する本体を含み、付勢要素は、空洞内に収容された保持要素によって解放可能に保持され、保持要素は作動部材に結合される、ことと、ウェアラブル分析物モニタリング装置をユーザの皮膚表面に接着することと、マイクロニードルアレイを第1の構成から第2の構成に移行させることであって、第1の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の空洞内に保持され、第2の構成において、マイクロニードルアレイは、ハウジング本体の遠位開口部を通って突出する、ことと、マイクロニードルアレイで対象者の皮膚間質液中の標的分析物レベルを測定することと、を含む、方法。
【0255】
実施形態I-78.標的分析物レベルの測定値を示す情報を通信することを更に含む、実施形態I-77に記載の方法。
【0256】
実施形態I-79.標的分析物レベルの測定値を表示することを更に含む、実施形態I-77又は実施形態I-78に記載の方法。
【0257】
実施形態I-80.標的分析物レベルの測定値を示す情報を通信することが、情報を外部装置に送信することを含む、実施形態I-78に記載の方法。
【0258】
実施形態I-81.情報を送信することが、標的分析物レベルの測定値を無線で送信することを含む、実施形態I-80に記載の方法。
【0259】
実施形態I-82.標的分析物レベルの測定値を無線で送信することが、近距離無線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又はその両方を介して送信することを含む、実施形態I-81に記載の方法。
【0260】
実施形態I-83.標的分析物レベルを測定することが、マイクロニードルアレイから受信した信号を処理することを更に含む、実施形態I-77~実施形態I-82のいずれか1つに記載の方法。
【0261】
実施形態I-84.マイクロニードルアレイから受信した信号を処理することが、ウェアラブル分析物モニタリング装置のハウジング内に設けられたマイクロプロセッサによって実行される、実施形態I-83に記載の方法。
【0262】
実施形態I-85.処理することが、マイクロニードルアレイから受信した信号にアルゴリズムを適用することを含む、実施形態I-83又は実施形態I-84に記載の方法。
【0263】
実施形態I-86.マイクロニードルアレイを皮膚表面に挿入する方法であって、ハウジングの空洞内にマイクロニードルアレイを提供することであって、ハウジングは、空洞をその内部に画定する本体を含み、マイクロニードルアレイは、空洞内の付勢要素に結合される、ことと、マイクロニードルアレイが付勢要素によってハウジング本体の遠位端に向かって付勢される第1の構成でマイクロニードルアレイを装填することと、作動部材を提供することであって、作動部材は、マイクロニードルアレイを第1の構成から解放し、ハウジング本体の遠位開口部からマイクロニードルアレイの複数のマイクロニードルが突出する第2の構成にマイクロニードルアレイを移行させるように係合される、ことと、を含み、第1の構成から第2の構成への移行において、マイクロニードルアレイは、付勢要素の影響下で空洞内をハウジング本体の遠位端に向かって移動する、方法。
【0264】
実施形態I-87.マイクロニードルアレイを第1の構成で装填することが、付勢要素を保持要素内にロックすることを更に含み、保持要素は、ハウジング本体の遠位端から所定の距離だけ離れて設けられる、実施形態I-86に記載の方法。
【0265】
実施形態I-88.作動部材が、ハウジング本体の一部を含む、実施形態I-86又は実施形態I-87に記載の方法。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図10A
図10B
図11A
図11B
図11C
図11D
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図13D
図13E
図14A
図14B
図14C
図14D
図14E
図14F
図14G
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
【国際調査報告】