(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】RNAおよびDNAのシトシンメチル化の、迅速な検出および分析のための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/68 20180101AFI20250117BHJP
C12N 9/14 20060101ALI20250117BHJP
C12Q 1/34 20060101ALI20250117BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALI20250117BHJP
C12N 15/09 20060101ALN20250117BHJP
【FI】
C12Q1/68 ZNA
C12N9/14
C12Q1/34
C12Q1/6869 Z
C12N15/09 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024540864
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2024-08-22
(86)【国際出願番号】 US2023060267
(87)【国際公開番号】W WO2023133533
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399019892
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシティ・オブ・シカゴ
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF CHICAGO
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(74)【代理人】
【識別番号】100221741
【氏名又は名称】酒井 直子
(74)【代理人】
【識別番号】100114926
【氏名又は名称】枝松 義恵
(72)【発明者】
【氏名】フー チュアン
(72)【発明者】
【氏名】ダイ チン
(72)【発明者】
【氏名】イクリイエンコ イリーナ
(72)【発明者】
【氏名】イエ チャン
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA13
4B063QA20
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR10
4B063QR32
4B063QR35
4B063QR41
4B063QR42
4B063QS02
4B063QS28
4B063QS36
4B063QX01
(57)【要約】
本開示の局面は、DNAおよびRNAのシトシンメチル化を検出および分析するための方法、組成物、およびキットに関する。ある特定の局面は、低インプット試料に由来するメチル化核酸、例えば、無細胞DNAおよび無細胞RNAを含むメチル化核酸のバイサルファイトシークエンシングにおいて有用な方法、組成物およびキットを含む。DNA中の5-ヒドロキシメチルシトシンを検出および定量するための方法および組成物も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DNA処理のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、工程;および
(b)該DNA分子をアルカリ条件に供する工程。
【請求項2】
溶液が、添加された亜硫酸アンモニウムを含まない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項1または2記載の方法。
【請求項6】
溶液が、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項1または2記載の方法。
【請求項7】
溶液が、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項1または2記載の方法。
【請求項8】
溶液が、約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項1または2記載の方法。
【請求項9】
溶液が、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項10】
溶液が、60重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
溶液が、65重量%~68重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
溶液が、約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、請求項1または2記載の方法。
【請求項14】
溶液が、約5.1のpHを有する、請求項13記載の方法。
【請求項15】
(a)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項16】
(a)が、溶液を最大で10分間インキュベートすることを含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
(a)が、溶液を最大で8分間インキュベートすることを含む、請求項16記載の方法。
【請求項18】
DNA分子がN4-メチルシトシン(4mC)を含み、インキュベーション後に4mCの50%超が脱アミノされる、請求項1または2記載の方法。
【請求項19】
インキュベーション後に4mCの75%超が脱アミノされる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
インキュベーション後に4mCの実質的に全てが脱アミノされる、請求項19記載の方法。
【請求項21】
DNA処理のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を作製する工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、工程;
(b)該溶液を少なくとも95℃の温度でインキュベートする工程;および
(c)(a)の最大で12分後に、該溶液から該DNA分子を取り出す工程。
【請求項22】
溶液が、添加された亜硫酸アンモニウムを含まない、請求項21記載の方法。
【請求項23】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない、請求項21記載の方法。
【請求項24】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項21または22記載の方法。
【請求項25】
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項21または22記載の方法。
【請求項26】
溶液が、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項21または22記載の方法。
【請求項27】
溶液が、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項21または22記載の方法。
【請求項28】
溶液が、約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項21または22記載の方法。
【請求項29】
溶液が、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項21または22記載の方法。
【請求項30】
溶液が、60重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
溶液が、65重量%~68重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
溶液が、約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項31記載の方法。
【請求項33】
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、請求項21または22記載の方法。
【請求項34】
溶液が、約5.1のpHを有する、請求項33記載の方法。
【請求項35】
(b)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、請求項21または22記載の方法。
【請求項36】
(c)が、(a)の最大で10分後に、溶液からDNA分子を取り出すことを含む、請求項21または22記載の方法。
【請求項37】
(c)が、(a)の最大で8分後に、溶液からDNA分子を取り出すことを含む、請求項36記載の方法。
【請求項38】
(a)が、70%の亜硫酸水素アンモニウム溶液と50%の亜硫酸水素塩溶液とを混合する段階を含む、請求項21または22記載の方法。
【請求項39】
DNA分子が4mCを含み、インキュベーション後に4mCの50%超が脱アミノされる、請求項21または22記載の方法。
【請求項40】
インキュベーション後に4mCの75%超が脱アミノされる、請求項39記載の方法。
【請求項41】
インキュベーション後に4mCの実質的に全てが脱アミノされる、請求項40記載の方法。
【請求項42】
核酸試料を処理するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まず、該DNA分子のそれぞれが1つまたは複数のシトシン残基を含み、該溶液をインキュベートする工程の後に、該DNA分子の99%より多くがシトシン残基を含まない、工程。
【請求項43】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項42記載の方法。
【請求項44】
複数のDNA分子をアルカリ条件に供する工程をさらに含む、請求項42記載の方法。
【請求項45】
溶液が、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項42または44記載の方法。
【請求項46】
溶液が、60重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項42または44記載の方法。
【請求項47】
溶液が、65重量%~68重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項42または44記載の方法。
【請求項48】
溶液が、約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項42または44記載の方法。
【請求項49】
溶液が、添加された亜硫酸アンモニウムを含まない、請求項42または44記載の方法。
【請求項50】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない、請求項42または44記載の方法。
【請求項51】
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項42または44記載の方法。
【請求項52】
溶液が、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
溶液が、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項52記載の方法。
【請求項54】
溶液が、約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項53記載の方法。
【請求項55】
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、請求項42または44記載の方法。
【請求項56】
DNA分子が4mCを含み、インキュベーション後に4mCの50%超が脱アミノされる、請求項42または44記載の方法。
【請求項57】
インキュベーション後に4mCの75%超が脱アミノされる、請求項56記載の方法。
【請求項58】
インキュベーション後に4mCの実質的に全てが脱アミノされる、請求項57記載の方法。
【請求項59】
以下:
(a)6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度を有する亜硫酸水素アンモニウムを含む溶液であって、亜硫酸水素ナトリウムを含まない、溶液と、
(b)DNA試料を処理するための説明書と
を備える、DNA処理キット。
【請求項60】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項59記載のキット。
【請求項61】
溶液が、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項59記載のキット。
【請求項62】
溶液が、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項59記載のキット。
【請求項63】
溶液が、約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項59記載のキット。
【請求項64】
溶液が、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項59記載のキット。
【請求項65】
溶液が、60重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項64記載のキット。
【請求項66】
溶液が、65重量%~68重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項65記載のキット。
【請求項67】
溶液が、約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、請求項66記載のキット。
【請求項68】
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、請求項59または64記載のキット。
【請求項69】
溶液が、約5.1のpHを有する、請求項68記載のキット。
【請求項70】
説明書が、DNA試料を溶液と少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートするための説明書きを含む、請求項59または64記載のキット。
【請求項71】
説明書が、DNA試料を溶液と約98℃の温度でインキュベートするための説明書きを含む、請求項59または64記載のキット。
【請求項72】
説明書が、DNA試料を溶液と最大で10分間インキュベートするための説明書きを含む、請求項59または64記載のキット。
【請求項73】
説明書が、DNA試料を溶液と最大で8分間インキュベートするための説明書きを含む、請求項70記載のキット。
【請求項74】
溶液が、添加された亜硫酸アンモニウムを含まない、請求項59または64記載のキット。
【請求項75】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない、請求項59または64記載のキット。
【請求項76】
アルカリ性溶液をさらに含む、請求項59または64記載のキット。
【請求項77】
1種または複数種の緩衝溶液をさらに含む、請求項59または64記載のキット。
【請求項78】
RNA処理のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、工程;および
(b)該RNA分子をアルカリ条件に供する工程。
【請求項79】
溶液が、亜硫酸アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項78記載の方法。
【請求項80】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項78記載の方法。
【請求項81】
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項78記載の方法。
【請求項82】
溶液が、6.5M~7.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項78記載の方法。
【請求項83】
溶液が、約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項78記載の方法。
【請求項84】
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、請求項78または81記載の方法。
【請求項85】
溶液が、5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項78または81記載の方法。
【請求項86】
溶液が、8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項85記載の方法。
【請求項87】
溶液が、約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項86記載の方法。
【請求項88】
(a)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、請求項78または81記載の方法。
【請求項89】
(a)が、溶液を最大で10分間インキュベートすることを含む、請求項78または81記載の方法。
【請求項90】
(a)が、溶液を最大で8分間インキュベートすることを含む、請求項89記載の方法。
【請求項91】
RNA処理のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を作製する工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、工程;
(b)該溶液を少なくとも95℃の温度でインキュベートする工程;および
(c)(a)の最大で12分後に、該溶液から該RNA分子を取り出す工程。
【請求項92】
溶液が、亜硫酸アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項91記載の方法。
【請求項93】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項91記載の方法。
【請求項94】
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、請求項91記載の方法。
【請求項95】
溶液が、6.5M~7.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項91記載の方法。
【請求項96】
溶液が、約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、請求項91記載の方法。
【請求項97】
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、請求項91または94記載の方法。
【請求項98】
溶液が、約5.1のpHを有する、請求項97記載の方法。
【請求項99】
溶液が、5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項91または94記載の方法。
【請求項100】
溶液が、8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項99記載の方法。
【請求項101】
溶液が、約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項100記載の方法。
【請求項102】
(b)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、請求項91または94記載の方法。
【請求項103】
(c)が、(a)の最大で10分後に、溶液からRNA分子を取り出すことを含む、請求項91または94記載の方法。
【請求項104】
(c)が、(a)の最大で8分後に、溶液からRNA分子を取り出すことを含む、請求項103記載の方法。
【請求項105】
核酸試料を処理するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まず、該RNA分子のそれぞれが1つまたは複数のシトシン残基を含み、溶液をインキュベートする工程の後に該RNA分子の99%より多くがシトシン残基を含まない、工程。
【請求項106】
溶液が、亜硫酸アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項105記載の方法。
【請求項107】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項105記載の方法。
【請求項108】
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、請求項105記載の方法。
【請求項109】
溶液が、約5.1のpHを有する、請求項108記載の方法。
【請求項110】
溶液が、5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項105または108記載の方法。
【請求項111】
溶液が、8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項105または108記載の方法。
【請求項112】
溶液が、約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項111記載の方法。
【請求項113】
(a)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、請求項105または108記載の方法。
【請求項114】
(a)が、溶液を最大で10分間インキュベートすることを含む、請求項105または108記載の方法。
【請求項115】
(a)が、溶液を最大で8分間インキュベートすることを含む、請求項114記載の方法。
【請求項116】
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、請求項105または108記載の方法。
【請求項117】
溶液が、6.5M~7.5Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、請求項116記載の方法。
【請求項118】
溶液が、約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、請求項117記載の方法。
【請求項119】
複数のRNA分子をアルカリ条件に供する工程をさらに含む、請求項105または108記載の方法。
【請求項120】
以下:
(a)6.5M~8Mの亜硫酸水素塩濃度で亜硫酸アンモニウムと亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液であって、亜硫酸水素ナトリウムを含まない、溶液と、
(b)RNA試料を処理するための説明書と
を備える、RNA処理キット。
【請求項121】
溶液が、亜硫酸アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項120記載のキット。
【請求項122】
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項120記載のキット。
【請求項123】
溶液が、約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、請求項120記載のキット。
【請求項124】
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、請求項120または123記載のキット。
【請求項125】
溶液が、約5.1のpHを有する、請求項124記載のキット。
【請求項126】
溶液が、5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項120または123記載のキット。
【請求項127】
溶液が、8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項126記載のキット。
【請求項128】
溶液が、約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、請求項127記載のキット。
【請求項129】
説明書が、RNA試料を溶液と少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートするための説明書きを含む、請求項120または123記載のキット。
【請求項130】
説明書が、RNA試料を溶液と約98℃の温度でインキュベートするための説明書きを含む、請求項120または123記載のキット。
【請求項131】
説明書が、RNA試料を溶液と最大で10分間インキュベートするための説明書きを含む、請求項120または123記載のキット。
【請求項132】
5-ヒドロキシメチルシトシン分析のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)第1のDNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む第1の溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程;
(b)第2のDNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む第2の溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程;
(c)該第1のDNA分子をアルカリ条件に供する工程;
(d)該第2のDNA分子をアルカリ条件に供する工程;
(e)該第2のDNA分子をAPOBECデアミナーゼ酵素で処理する工程;および
(f)該第1のDNA分子と該第2のDNA分子を配列決定する工程。
【請求項133】
第1の溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項132記載の方法。
【請求項134】
第1の溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項132記載の方法。
【請求項135】
第2の溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項132または133記載の方法。
【請求項136】
第2の溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、請求項132記載の方法。
【請求項137】
第1の溶液と第2の溶液が、同じ溶液である、請求項132記載の方法。
【請求項138】
第1の溶液と第2の溶液が、異なる溶液である、請求項132記載の方法。
【請求項139】
(a)と(b)が同時に行われる、請求項132または133記載の方法。
【請求項140】
(c)と(d)が同時に行われる、請求項132または133記載の方法。
【請求項141】
第1のDNA分子と第2のDNA分子が同じヌクレオチド配列を有する、請求項132または133記載の方法。
【請求項142】
APOBECデアミナーゼ酵素が、APOBEC3Aである、請求項132または133記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2022年1月6日に出願された米国仮特許出願第63/297,165号の優先権の恩典を主張する。米国仮特許出願第63/297,165号は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
政府支援の記載
本発明は、米国立衛生研究所によって与えられたRM1 HG008935のもとで政府支援を受けてなされた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【0003】
配列表
本願は、ST26フォーマットで提出されており、その全体が参照により本明細書に組み入れられる配列表を含む。このST26コピーは2023年1月6日に作成され、ARCD_P0756WO_Sequence_Listing.xmlと命名され、サイズは59,305バイトである。
【0004】
I.発明の分野
本発明の局面は少なくとも細胞生物学およびエピジェネティックスの分野に関する。
【背景技術】
【0005】
II.背景
バイサルファイトシークエンシング(BS-seq)はDNAにおける5mC配列決定のための現在のゴールドスタンダードであり、RNAにおけるm5C配列決定にも広く用いられてきた。しかしながら、従来のBS-seqにはいくつかの重大な難点があり、そのため、RNA中のm5C配列決定およびDNA中の5mC配列決定において、特に、低インプット試料におけるRNA中のm5C配列決定およびDNA中の5mC配列決定において、その用途が制限されている。低インプット試料に由来するDNAおよびRNAを含むDNAおよびRNAのシトシンメチル化を検出および分析するための改善された方法および組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
概要
本開示は、核酸処理およびシトシンメチル化分析のための様々な方法、組成物、システム、およびキットを提供する。本開示のある特定の局面は、5mCおよびm5Cの検出および分析のための、DNAおよび/またはRNAの迅速な亜硫酸水素塩処理において有用な特定の亜硫酸水素塩組成物に関する。シトシン脱アミノのための開示される組成物の使用、ならびに配列決定およびシトシンメチル化分析のためのDNAおよび/またはRNAの調製を含む、DNAおよびRNA処理方法も開示される。5hmCの検出、定量、および分析のための方法がさらに開示される。シトシンメチル化分析のためのDNAおよび/またはRNAの調製において有用な亜硫酸水素塩変換キットを含む、DNAおよびRNA処理キットが開示される。
【0007】
本開示の局面は、亜硫酸水素塩溶液、亜硫酸アンモニウム溶液、亜硫酸水素アンモニウム溶液、亜硫酸水素ナトリウムを含まない亜硫酸水素塩溶液、核酸処理方法、DNA処理方法、RNA処理方法、5mC分析のための方法、m5C分析のための方法、5hmC分析のための方法、バイサルファイトシークエンシング方法、メチル化分析方法、亜硫酸水素塩処理方法、核酸処理キット、DNA処理キット、およびRNA処理キットを含む。本開示の方法は、以下の工程:亜硫酸水素塩溶液を作製する工程、第1の亜硫酸水素アンモニウム溶液と第2の亜硫酸水素アンモニウム溶液を混合する工程、亜硫酸水素塩溶液中でDNA分子をインキュベートする工程、亜硫酸水素塩溶液中でRNA分子をインキュベートする工程、亜硫酸水素塩溶液からDNA分子を取り出す工程、亜硫酸水素塩溶液からRNA分子を取り出す工程、DNA分子をアルカリ条件に供する工程、RNA分子をアルカリ条件に供する工程、DNA分子をAPOBECデアミナーゼ酵素で処理する工程、ヌクレオチドメチル化を検出する工程、ヌクレオチドメチル化を定量する工程、対象から試料を入手する工程、試料から核酸分子を単離する工程、DNA分子を配列決定する工程、およびRNA分子を配列決定する工程、のうちの少なくとも1つ、2つ、3つ、またはそれ以上を含んでもよい。ある特定の局面から前述の工程のいずれか1つまたは複数が除外されてもよい。本開示の組成物(例えば、溶液)は、以下の成分:亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、およびAPOBECデアミナーゼ酵素のうちの少なくとも1つ、2つ、3つ、またはそれ以上を含んでもよい。ある特定の局面から前述の成分のいずれか1つまたは複数が除外されてもよい。本開示のキットは、以下の成分:亜硫酸水素塩溶液、亜硫酸水素ナトリウム溶液、亜硫酸水素アンモニウム溶液、亜硫酸水素ナトリウムを含まない亜硫酸水素塩溶液、アルカリ性溶液、緩衝液、DNA処理のための説明書、DNA処理のための説明書、DNAの亜硫酸水素塩処理のための説明書、およびRNAの亜硫酸水素塩処理のための説明書のうちの少なくとも1、2、3、4、またはそれ以上を含んでもよい。ある特定の局面から前述の成分のいずれか1つまたは複数が除外されてもよい。
【0008】
一部の局面では、DNA処理のための方法であって、
(a)DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、前記溶液が、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、工程;および
(b)DNA分子をアルカリ条件に供する工程
を含む、方法が、本明細書において開示される。
一部の局面では、DNA処理のための方法であって、
(a)DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を作製する工程であって、前記溶液が、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、工程;
(b)前記溶液を少なくとも95℃の温度でインキュベートする工程;および
(c)(a)の最大で12分後に、前記溶液からDNA分子を取り出す工程
を含む、方法も、開示される。
一部の局面では、核酸試料を処理するための方法であって、
DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、前記溶液が、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まず、DNA分子のそれぞれが1つまたは複数のシトシン残基を含み、前記溶液をインキュベートする工程の後にDNA分子の99%より多くがシトシン残基を含まない、工程
を含む、方法が、さらに開示される。一部の局面では、前記方法は、複数のDNA分子をアルカリ条件に供する工程をさらに含む。一部の局面では、前記溶液は亜硫酸アンモニウムも、添加された亜硫酸アンモニウムも含まない。
【0009】
一部の局面では、RNA処理のための方法であって、
(a)RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、前記溶液が亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、工程;
(b)RNA分子をアルカリ条件に供する工程
を含む、方法が、本明細書において開示される。
一部の局面では、RNA処理のための方法であって、
(a)RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を作製する工程であって、前記溶液が、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、工程;
(b)前記溶液を少なくとも95℃の温度でインキュベートする工程;および
(c)(a)の最大で12分後に、前記溶液からRNA分子を取り出す工程
を含む、方法も、開示される。
一部の局面では、核酸試料を処理するための方法であって、
RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、前記溶液が、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まず、RNA分子のそれぞれが1つまたは複数のシトシン残基を含み、前記溶液をインキュベートする工程の後にRNA分子の99%より多くがシトシン残基を含まない、工程
を含む、方法が、さらに開示される。
一部の局面では、前記方法は、複数のRNA分子をアルカリ条件に供する工程をさらに含む。一部の局面では、前記溶液は5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む。
【0010】
一部の局面では、前記溶液は50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含むか、少なくとも50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含むか、あるいは最大で50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は65重量%~67重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。
【0011】
一部の局面では、溶液は、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない。一部の局面では、溶液は、亜硫酸アンモニウムおよび/または亜硫酸水素アンモニウムのレベルと比べて、約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%、またはその中で導き出せる任意の範囲を超えるレベルで、あるいは約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%、またはその中で導き出せる任意の範囲に等しいレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない。一部の局面では、溶液は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%濃度、またはその中で導き出せる任意の範囲を超えるレベルで、あるいは約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%濃度、またはその中で導き出せる任意の範囲に等しいレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない。
【0012】
一部の局面では、溶液は、添加された亜硫酸アンモニウムを含まない。一部の局面では、溶液は、亜硫酸水素アンモニウムのレベルと比べて、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%、またはその中で導き出せる任意の範囲を超えるレベルで、あるいは約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%、またはその中で導き出せる任意の範囲に等しいレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない。一部の局面では、溶液は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%濃度、またはその中で導き出せる任意の範囲を超えるレベルで、あるいは約0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%、0.35%、0.40%、0.45%、0.50%、0.55%、0.60%、0.65%、0.70%、0.75%、0.80%、0.85%、0.90%、0.95%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%濃度、またはその中で導き出せる任意の範囲に等しいレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない。
【0013】
一部の局面では、溶液は、亜硫酸アンモニウムも、添加された亜硫酸アンモニウムも含まない。一部の局面では、前記溶液は、1M、0.9M、0.8M、0.7M、0.6M、0.5M、0.4M、0.3M、0.2M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下の濃度で、または1M、0.9M、0.8M、0.7M、0.6M、0.5M、0.4M、0.3M、0.2M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下より小さな濃度で亜硫酸アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、1重量%、0.1重量%、0.01重量%、0.001重量%、もしくは0.0001重量%、またはそれ以下より小さな亜硫酸アンモニウムを含む。
【0014】
一部の局面では、前記溶液は、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない。一部の局面では、前記溶液は、1M、0.9M、0.8M、0.7M、0.6M、0.5M、0.4M、0.3M、0.2M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下の濃度で、または1M、0.9M、0.8M、0.7M、0.6M、0.5M、0.4M、0.3M、0.2M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下より小さな濃度で亜硫酸水素ナトリウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、1重量%、0.1重量%、0.01重量%、0.001重量%、もしくは0.0001重量%、またはそれ以下より小さな亜硫酸水素ナトリウムを含む。
【0015】
一部の局面では、前記溶液は、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の溶液である。一部の局面では、前記溶液は、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は、6.5M~7.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は、6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、10M、10.1M、10.2M、10.3M、10.4M、もしくは10.5M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の亜硫酸水素塩溶液の溶液であるか、少なくとも6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、10M、10.1M、10.2M、10.3M、10.4M、もしくは10.5M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の亜硫酸水素塩溶液の溶液であるか、あるいは最大で6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、10M、10.1M、10.2M、10.3M、10.4M、もしくは10.5M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の亜硫酸水素塩溶液の溶液である。一部の局面では、前記溶液は約7.0Mの亜硫酸水素塩溶液の溶液である。一部の局面では、前記溶液は約9.5Mの亜硫酸水素塩溶液の溶液である。
【0016】
一部の局面では、前記溶液は4.8~5.4のpHを有する。一部の局面では、前記溶液のpHは、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、もしくはそれ以上、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値であるか、少なくとも4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、もしくはそれ以上、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値であるか、最大で4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、もしくはそれ以上、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値である。一部の局面では、前記溶液のpHは約5.1である。
【0017】
一部の局面では、前記方法は、95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、99.5℃、99.9℃、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の温度で、少なくとも95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、99.5℃、99.9℃、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の温度で、または最大で95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、99.5℃、99.9℃、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の温度で、前記溶液をインキュベートする工程を含む。一部の局面では、前記方法は、少なくとも98℃の温度で前記溶液をインキュベートする工程を含む。一部の局面では、前記方法は、前記溶液を、12分間、11分間、10分間、9分間、8分間、7分間、6分間、5分間、もしくは4分間、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値にわたって、少なくとも12分間、11分間、10分間、9分間、8分間、7分間、6分間、5分間、もしくは4分間、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値にわたって、あるいは最大で12分間、11分間、10分間、9分間、8分間、7分間、6分間、5分間、もしくは4分間、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値にわたってインキュベートする工程を含む。一部の局面では、前記方法は、前記溶液を最大で10分間インキュベートする工程を含む。一部の局面では、前記方法は、前記溶液を最大で8分間インキュベートする工程を含む。
【0018】
一部の局面では、(a)6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度を有する亜硫酸水素アンモニウムを含む溶液であって、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、溶液と、(b)DNA試料を処理するための説明書と、を備える、DNA処理キットも本明細書において開示される。一部の局面では、前記溶液は、亜硫酸アンモニウムも、添加された亜硫酸アンモニウムも含まない。一部の局面では、前記キットはアルカリ性溶液をさらに備える。一部の局面では、前記キットは1種または複数種の緩衝溶液をさらに備える。ある特定の局面から前述の成分のいずれか1つまたは複数が除外されてもよい。
【0019】
一部の局面では、(a)6.5M~8Mの亜硫酸水素塩濃度で亜硫酸アンモニウムおよび亜硫酸水素アンモニウムを含む溶液であって、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、溶液と、(b)RNA試料を処理するための説明書と、を備える、RNA処理キットが本明細書においてさらに開示される。一部の局面では、前記溶液は5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含むか、最大で5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含むか、あるいは少なくとも5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記キットはアルカリ性溶液をさらに備える。一部の局面では、前記キットは1種または複数種の緩衝溶液をさらに備える。ある特定の局面から前述の成分のいずれか1つまたは複数が除外されてもよい。
【0020】
一部の局面では、前記溶液は50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含むか、少なくとも50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含むか、あるいは最大で50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は65重量%~67重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。
【0021】
一部の局面では、前記溶液は、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の溶液である。一部の局面では、前記溶液は8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は6.5M~7.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は、6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、10M、10.1M、10.2M、10.3M、10.4M、もしくは10.5M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。
【0022】
一部の局面では、前記溶液は4.8~5.4のpHを有する。一部の局面では、前記溶液のpHは、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、もしくは5.9、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値であるか、少なくとも4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、もしくは5.9、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値であるか、あるいは最大で4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、もしくは5.9、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値である。一部の局面では、前記溶液のpHは約5.1である。
【0023】
一部の局面では、説明書は、DNA試料を前記溶液と95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、99.5℃、99.9℃、もしくはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の温度で、または少なくとも95℃、96℃、97℃、98℃、99℃、99.5℃、99.9℃、もしくはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の温度でインキュベートするための説明書きを含む。一部の局面では、説明書は、DNA試料を前記溶液と少なくとも98℃の温度でインキュベートするための説明書きを含む。一部の局面では、説明書は、DNA試料を前記溶液と最大で12分間、11分間、10分間、9分間、8分間、7分間、6分間、5分間、もしくは4分間、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値にわたってインキュベートするための説明書きを含む。一部の局面では、説明書は、DNA試料を前記溶液と最大で10分間インキュベートするための説明書きを含む。一部の局面では、説明書は、DNA試料を前記溶液と最大で8分間インキュベートするための説明書きを含む。
【0024】
一部の局面では、5-ヒドロキシメチルシトシン分析のための方法であって、
(a)第1のDNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む第1の溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程;
(b)第2のDNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む第2の溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程;
(c)第1のDNA分子をアルカリ条件に供する工程;
(d)第2のDNA分子をアルカリ条件に供する工程;
(e)第2のDNA分子をAPOBECデアミナーゼ酵素で処理する工程;
(f)第1のDNA分子と第2のDNA分子を配列決定する工程
を含む、方法も、本明細書において開示される。
一部の局面では、第1の溶液は亜硫酸水素ナトリウムを含まない。一部の局面では、第2の溶液は亜硫酸水素ナトリウムを含まない。一部の局面では、第1の溶液と第2の溶液は同じ溶液である。一部の局面では、第1の溶液と第2の溶液は異なる溶液である。一部の局面では、(a)と(b)は同時に行われる。一部の局面では、(c)と(d)は同時に行われる。一部の局面では、第1のDNA分子と第2のDNA分子は同じヌクレオチド配列を有する。一部の局面では、APOBECデアミナーゼ酵素はAPOBEC3Aである。
【0025】
本願全体を通じて、「約」という用語は、ある値が、測定方法または定量方法の誤差の固有のばらつきを含むことを示すために用いられる。
【0026】
「1つの(a)」および「1つの(an)」という単語の使用は、「含む(comprising)」という用語と共に用いられた場合、「1つ」を意味することがあるが、「1つまたは複数の(one or more)」、「少なくとも1つの(at least one)」、および「1つまたは複数の(one or more than one)」という意味とも一致する。
【0027】
「および/または」という句は「および」または「または」を意味する。例示のために、A、B、および/またはCは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの組み合わせ、AとCの組み合わせ、BとCの組み合わせ、またはAとBとCの組み合わせを含む。言い換えると、「および/または」は包括的(inclusive)な、または(or)として働く。
【0028】
含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの、含む(comprising)の任意の形)、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの、有する(having)の任意の形)、「含む(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」などの、含む(including)の任意の形)、または「含有する(containing)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有する(contain)」などの、含有する(containing)の任意の形)という言葉は包括的またはオープンエンドであり、さらなる、列挙されなかった要素も方法の工程も排除しない。
【0029】
前記組成物および前記組成物を使用するための方法は、本明細書全体を通して開示される任意の成分もしくは工程を「含む(comprise)」、本明細書全体を通して開示される任意の成分もしくは工程「から本質的になる(consist essentially of)」、または本明細書全体を通して開示される任意の成分もしくは工程「からなる(consist of)」場合がある。開示される任意の成分または工程「から本質的になる」組成物および方法は、特許請求の範囲を、本発明の基本的な、かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない指定された材料または工程に限定する。
【0030】
当業者であれば、特定の化学物質(例えば、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸水素ナトリウムなど)を含有しない溶液が、添加された量のその化学物質を含有しないと理解するだろう。添加されたという用語は、化学物質が外因的に供給される、すなわち、微量または微少な量とみなされるものを上回る量で供給されることを意味する。
【0031】
本発明の一態様について議論された任意の限定が本発明の他の任意の態様にも当てはまる場合があることが特に意図される。さらに、本発明の任意の組成物が本発明の任意の方法において使用することができ、本発明の任意の方法が、本発明の任意の組成物を生産または利用するのに使用することができる。本開示の一局面について議論された任意の態様が本開示の他の局面にも当てはまり、逆もまた同じである。例えば、本明細書に記載の方法における任意の工程が他の任意の方法に当てはまる場合がある。さらに、本明細書に記載のどの方法にも、任意の工程または工程の組み合わせの除外がある場合がある。実施例に示された態様の局面はまた、異なる実施例の他の箇所で議論された態様、または本願の他の箇所、例えば、概要、詳細な説明、特許請求の範囲、および図面の簡単な説明で議論された態様の文脈において実行され得る態様でもある。
【0032】
本発明の他の目的、特徴、および利点は以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は本発明の特定の態様を示しているが、この詳細な説明から本発明の精神および範囲の中で様々な修正および変更が当業者に明らかになるので例示にすぎないと理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
以下の図面は本明細書の一部となり、本発明のある特定の局面をさらに証明するために含まれる。本発明は、本明細書において示される特定の局面の詳細な説明と組み合わせて、これらの図面の1つまたは複数を参照することによってさらに深く理解され得る。
【0034】
【
図1】バイサルファイトシークエンシング反応の図または機構を示す。
【
図2】
図2Aは、98℃でAGCGA(SEQ ID NO:1)とR-1Gの反応をモニタリングしたマトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(Maldi-TOF MS)を示す。これにより、シトシンは3分以内にU-BS付加物に完全に変換されたことが分かる。塩基処理すると、U-BS付加物はUに定量的に変換された。
図2Bは、98℃でAGm
5CGA(SEQ ID NO:2)とR-1Gの反応をモニタリングするMaldi-TOF MSを示す。m
5Cは30分間のインキュベーション後でもR-1Gと反応しなかったことが分かる。
【
図3】95℃または98℃で様々な時間(分)にわたってR-1Gで処理した後のRNA断片サイズ分布を示す。全ての場合においてRNA断片は150~300bpに分布している。
【
図4】A549細胞に由来する全RNAの配列決定結果を示す。既知のm
5C部位(上、y軸)と非m
5C部位(下、y軸)の平均変異率に対する反応温度と反応時間(x軸)の影響を図表で示した。非m
5C部位の適切に低いレベルの平均変異と、既知のm
5部位の適切に高いレベルの平均変異率とをもつ条件を特定した。98℃で9分の条件から、本開示に記載の改善に特徴的な結果が得られた。これらの条件は「最適条件」および/または本開示のある特定の部分では「D.5」と言及されることがある。
【
図5】28S rRNA部位におけるm
5C検出レベルを示す。28S rRNA m
5C部位とバックグラウンド部位はm
5C検出アッセイ感度とバックグラウンド測定のベンチマークとして働くことができる。28S rRNA上に2つの完全に修飾されたm
5C部位(垂直線が付いている)があり、他の全てのC部位は修飾されていない。98℃で9分の条件によって示されたように、2つの既知のm
5C部位の非変換率は95%超であったのに対して、C部位の全ての非変換率は5%より少なかった。
【
図6】
図6A~6Dは、様々なBSシークエンシング方法における偽陽性部位を示す。x軸は28SヒトrRNAにおける位置を表す。y軸は、検出されたC比を表す。赤色の点は偽陽性部位を表し、緑色の点は既知のm
5C部位を表す(垂直線が付いている)。
図6Aは、標準的BS処理(例えば「Zymoキット」)からの結果を示す。
図6Bは、Yangら
10の方法からの結果を示す。
図6Cは、Huangら
15の方法からの結果を示す。
図6Dは、Zhangら
21の方法からの結果を示す。
【
図7A】
図7A~7Fは、28S rRNAを用いたR-1Gレシピと検証を用いた様々な処理時間と温度の分析を示す。
図7Aは、様々な条件下での非m
5C部位上での偽陽性率を示す。A.1:70℃40分間、B.1:80℃30分間、B.2:80℃60分間、B.3:80℃120分間、C.1:90℃20分間、C.2:90℃30分間、C.3:90℃45分間、C.4:90℃60分間、D.1:98℃5分間、D.2:98℃6分間、D.3:98℃7分間、D.4:98℃8分間、D.5:98℃9分間、D.6:98℃10分間、D.7:98℃15分間。
図7Bは、様々な時間と温度の下での2つの既知のm
5C部位上での検出メチル化比を示す。
図7Cは、条件D5の下で偽陽性率が全て5%未満であったと同時に、2つの既知のm
5C部位が高い検出率を示したことを示す。
図7Dは、28S rRNA上の様々な位置での配列デプス(sequence depth)を示す。
図7Eと
図7Fは、様々な言及された方法(例えば、Zymo EZ RNA Methylation(商標)kit(「Zymo Kit」)、Yang et al., 2017、Huang et al., 2019、または Zhang et al., 2021)における、偽陽性率(FP)および検出m
5C部位割合の統計値を示す。
図7Eは、様々な言及された方法間での非m
5C部位上での偽陽性率(10%または5%のカットオフを用いた)の比較を示す。報告された方法は偽陽性を示したが、本明細書に記載の方法を用いて偽陽性は検出されなかった。
図7Fは、様々な方法によって検出されたm
5C割合の比較を示す。本明細書において提供される方法は、標準的BS処理(例えば、Zymoキット)と同様の2つの既知のm5C部位について95%超で修飾割合を検出したのに対して、他の全ての報告された方法は、それより少ないm
5C割合を検出した。このことから、これらの方法は偽陰性を生じる可能性があることが示唆される。
【
図8】本明細書において開示されるBSレシピと方法がRNA分解において、どのように偏りをほとんど生じないかを示し、様々な以前に開示された方法(例えば、Zymo EZ RNA Methylation(商標)kit(「Zymo Kit」)、Yang et al., 2017、Huang et al., 2019、または Zhang et al., 2021)と比較した時に高度に構造化した領域においてより均一なカバレッジを示す。一例として28s rRNAを用いて、以前の研究の組成物と方法の方が高GC領域の分解において偏りがあると見出され、特に、m
5C部位(緑色の破線の垂直線)の近くのカバレッジが低下したことが見出された。このことは、m
5C行分け法(stichometry)において偏りを生じさせる可能性がある。
【
図9A】
図9A~9Dは、tRNAにおけるm
5C部位の検出からの結果を示す。
図9A(A. G. Torres et al., 2014, Trends in Molecular Medicine.の
図1から)は標準的tRNA修飾を示す。部位48、49、および50にあるm
5C修飾はNSUN2によって付けられるのに対して、部位38のm
5CはDNMT2によって付けられる。
図9B~9Dは、部位48、49、および50にある検出されたm
5C割合は全て、NSUN2ノックダウンに対して感受性があったことを示したm
5C配列決定分析結果を示す。これに対して、対照的に、部位38のm
5C割合は変化しなかった。
【
図10】
図10A~10Bは、tRNAにおけるm
5C部位の検出と定量の結果を示す。
図10Aは、tRNAにおいて検出されたm
5C部位における修飾割合を示す。tRNAにおいて検出されたm
5C部位のほとんどが高い修飾割合を示した。
図10Bは、tRNA Gly
CCCにおいて検出された3つのm
5C部位を示す。2つの部位(49および50)は非常に高いm
5C割合を示したのに対して、1つの部位(48)は比較的低い割合を示したのに対して、他の全てのC部位は非常に低いバックグラウンドを示した。
【
図11】
図11A~11Bは、HeLa細胞の全RNAの中にある多くのRNA種間のm
5C部位分布を示す。
図11Aは、様々なRNA種間での検出されたm
5C部位分布を示すのに対して、
図11Bは、mRNAの中でのm
5C部位分布を示す。
【
図12】
図12A~12Bは、文献に記載のものと比較した時の、条件D.5でR-1Gレシピを用いたHeLa mRNAにおけるm
5C部位検出を示す。目下の方法(immediate method)によってより多くのm
5C部位が検出され(約1,241部位)、これらの部位は、文献において報告された部位の大多数をカバーした。
図12Aは、Huang et al., 2019
15との重複を示すのに対して、
図12Bは、Zhang et al., 2021
21との重複を示す。
【
図13】HeLa細胞mRNAにおけるm
5C部位の修飾レベルの分布を示す。HeLa細胞mRNAにおける検出されたm
5C部位について、修飾比は様々な部位間で異なり、部位の約半分が10%超の修飾比を示した。
【
図14】
図14A~14Bは、1遺伝子あたりの検出されたm
5C部位の数と、ジーンオントロジー(GO)に基づいた機能的アノテーションを示す。
図14Aは、特定された修飾された遺伝子のうち大部分がm
5C部位を1つしか有さなかったことを示す。
図15Bは、m
5Cによって修飾された遺伝子が様々な遺伝子機能に関与することが見出され、糖タンパク質代謝、細胞骨格組織化、細胞局在化などを含むことを示す。
【
図15】
図15A~15Bは、m
5C修飾レベルが様々な生物学的試料間で一致したことを示す。
図15Aは、m
5C部位の全修飾レベルがHeLa(x軸)とHEK293T(y軸)細胞株の間で一致していたのに対して、いくつかの異なって修飾された部位があることを示す。
図15Bは、HeLa細胞(上)におけるm
5C部位モチーフが、NSUN2に関連するシグネチャーであるGリッチ(例えば、CGGGG(SEQ ID NO:10)であったのに対して、HEK293T(下)m
5C部位が、NSUN6のシグネチャーである、CUCCA(SEQ ID NO:11)モチーフリッチであったことを示す。
【
図16】HeLa細胞株mRNA抽出物におけるNSUN2(x軸)またはNSUN6(y軸)ノックダウンにおいて検出されたm
5C部位を示す。NSUN2ノックダウン細胞抽出物では修飾割合の約90%超が低下した。この結果から、NSUN2はHeLa細胞におけるm
5C修飾において主要な役割を果たし得ることが示唆される。
【
図17】HeLa細胞およびHEK293T細胞に由来する修飾された遺伝子の転写物におけるm
5C部位位置の分布を示す。m
5C修飾は転写物の5'末端(例えば、遺伝子開始および/または転写(tx)開始)に豊富にあることが見出された。このことは、m
5C修飾は転写物翻訳と関連し得ることを示している。
【
図18】
図18A~18Bは、転写物の5'末端にあるm
5C修飾が翻訳効率を調整し得ることを示す。
図18Aは、非メチル化遺伝子と比較して5'末端にメチル化シグナルを示した遺伝子が転写物5'-UTRにおいてリボソーム密度シグナルも豊富にあったのに対して(p値=1.05×10
-6)、3'末端にメチル化シグナルを示した遺伝子がリボソーム密度シグナルの有意なエンリッチメントシグナルを示さなかったことを示す(p=0.37)。
図18Bは、CDS領域内で5'末端メチル化遺伝子と3'末端メチル化遺伝子は両方ともリボソーム密度エンリッチメントシグナルを示さなかったことを示す。
【
図19】
図19A~19Bは、DNAオリゴヌクレオチドAGCGA(SEQ ID NO:3)の分析を用いたR-1GレシピとA7レシピの比較を示す。
図19Aは、R-1Gを用いてモデルDNAオリゴを処理するとCをU-BSに完全に変換するのに98℃で5分かかったことを示す。後のアルカリ処理によってU-BS付加物はUに変換された。
図19Bは、A7を用いてモデルDNAオリゴを処理するとCをU-BSに完全に変換するのに98℃で3分しかかからなかったことを示す。
【
図20】98℃で様々な時間にわたる5mCとBSとの反応のMaldi-TOF MSモニタリングを示す。20分のインキュベーション後に最小限の反応しか検出されなかった。
【
図21】Cと5mCを両方とも含有する82merの合成DNAオリゴヌクレオチド(SEQ ID NO:8)のサンガーシークエンシングを示す。サンガーシークエンシングから、CからUへの変換を完了するには少なくとも8分インキュベーションが必要であったが、12分のインキュベーション後でも5mCは依然としてCと読み取られたことが分かった。
【
図22】
図22A~22Bは、標準的BS処理(例えば、Zymo-BS処理)とは対照的に、本明細書において開示されるBS処理(例えば、A7~BS)が4mCをどのように定量的に脱アミノしたかを示す。
図22Aは、(TA4mCTT(SEQ ID NO:9)中の4mC残基が標準的BS処理によって脱アミノされなかったが、本明細書において開示されるDNA BS処理が4mCを定量的に脱アミノしたことを示したMaldi TOF MS結果を図示する。
図22Bは、100bp合成オリゴヌクレオチド(SEQ ID NO:12)の中にある2つの4mCの既知部位が、本明細書において開示されるDNA BS処理を利用した時だけTと読み取られ、逆に、標準的BS処理を利用した時には2つの4mC部位が両方ともCと部分的に読み取られたことを示すサンガーシークエンシングデータを図示する。両条件において5mC部位はCと読み取られた。
【
図23】
図23A~23Bは、標準的BS処理(例えば「Zymoキット)と開示されるBSレシピA7を用いて引き起こされたDNA損傷の比較を示す。魚類gDNA(
図23A)を用いて、A7を4~12分間使用した全ての場合において、魚類gDNAの分解が、標準的BS処理を用いることで引き起こされる分解よりも少なかったことが見出された。下方のバンドは小さなDNA断片を表している。A7と比較して、Zymo kit処理によって多くの下方のバンドと少ない上方のバンドが生じた。このことから、Zymo kit処理は多くのDNA損傷を引き起こしたと示唆される。合成164 bp DNA(
図23B)を用いて、Zymo kitはA7 4~12分間よりも多くのDNA分解を再度引き起こしたことが見出された。
【
図24A】
図24A~24Eは、標準的BS処理(例えば、Zymoキット条件)と比較した、本明細書において開示されるレシピ(例えば、A7)と様々な時間を用いた、DNAの亜硫酸水素塩変換率を示す。結果から、開示されるプロトコールのバックグラウンドがZymo kit条件を用いた時よりかなり小さいだけでなく、バックグラウンドの範囲もかなり狭いことも分かった。レシピA7と10分のインキュベーションの使用が、本開示に記載の改善に特徴的な結果をもたらした。
図24Aは、λDNA(SEQ ID NO:15)に沿って様々なC部位の生のバックグラウンドノイズを示す、
図24Bから計算されたバックグラウンドノイズ比の平均を示す。
図24Cは、Zymo DNA methylation gold kitまたは開示されるA7レシピを用いて様々なインキュベーション時間で処理したλDNAの非変換比の比較を示す。黄色(上)の数字は非変換率の中央値を表すのに対して、赤色(下)の数字は非変換率の平均を表す。
図24Dは、Zymo DNA methylation gold kitまたは開示されるA7レシピで様々なインキュベーション時間で処理したλDNAの亜硫酸水素塩変換効率を示す。
図24Eは、Zymo DNA methylation gold kitまたは開示されるA7レシピで様々なインキュベーション時間で処理したλDNAからのバックグラウンドの比較を示す。結果から、A7の使用はZymoキット処理と比較して非常に低いバックグラウンドと、縮小したバックグラウンド範囲をもたらすことが証明された。
【
図25】
図25A~25Dは、低インプットDNA試料の5mC分析のための、本明細書において開示されるレシピとプロトコール(「新BS」)の効力を示す。10ngと3.3ngのmESC出発gDNAを利用して新BSプロトコール(例えば、98℃10分間とレシピA7)の効力を試験した。標準的BS処理(例えば、Zymo EZ DNA Methylation-Gold(登録商標)Kit)または本開示のプロトコールを用いた処理後のバックグラウンドノイズと5mC検出シグナルを、スパイクイン164merのdsDNAオリゴ(SEQ ID NO:13とアンチセンスSEQ ID NO:14)を用いて確かめた。
図25Aは、スパイクイン-オリゴを含む10ngと3ngのmES出発gDNAを用いた標準的BS処理を使用したバックグラウンドと検出5mCシグナルを示す。
図25Bは、
図25Aに示したデータのグラフによる分析を図示する。これにより、新BS処理は標準的BS処理と比較した時に有意に低いバックグラウンドレベル(%非変換C)をもたらすことが分かる。
図26Cは、スパイクイン-オリゴを含む10ngおよび3ngのmES出発gDNAを用いた、目下の開示(例えば、98℃10分間とレシピA7)のBS処理プロトコールを使用したバックグラウンドと検出5mCシグナルを示す。
図25Dは、
図25Cに示したデータのグラフによる分析を図示する。これにより、新BS処理は、標準的BS処理と同様の望ましくない5mC変換をもたらすことが分かる。示したように、標準的BS処理は低インプットDNA試料では高いバックグラウンドノイズの原因となり、インプット量が減少するとノイズは増加した。このノイズは超低インプット試料におけるBS-seqの適用を妨げる可能性がある。
【
図26】(例えば、
図25A~25Dに記載したような)mESC gDNAにおける標準的BS処理(y軸)と目下の開示のBSプロトコール(「新BS」、x軸)との間のメチル化レベルの比較を示す。標準的BS処理からのデータから報告されたメチル化レベルは、目下の開示の新BS処理から報告されたデータよりも高い比を示した。この結果は、標準的BS処理に関連する比較的高いレベルのバックグラウンドノイズ(例えば、不十分な変換)に起因するかもしれない。
【
図27】標準的BS処理データが(例えば、
図25A~25Dに記載のような)本開示のBSプロトコールよりも多くの非CpG部位を報告したことを示す。この観察は目下の開示のBSプロトコールと比較した時の標準的BS処理におけるバックグラウンドノイズの相対的増加に起因するのかもしれない。バックグラウンドノイズはランダムなシグナルであり、偶然、非CpG部位になることが多く、非CpGメチル化の研究において潜在的に問題を引き起こす可能性があり、そのため、生物学的研究において誤った結論につながる可能性がある。
【
図28】
図28A~28Bは、多様なGC含量を有するmESCゲノム領域に対する、本明細書において開示されるBS処理のカバレッジと変換効率を示す。
図28Aは、多様なGC含量を有するゲノム領域のカバレッジが目下の開示のBS処理(
図25A~25Dに記載のように「新BS」)と標準的BS処理との間で似ていることを示す。
図28Bは、ゲノム領域のGC%が増加すると非変換C比は増加するが、本明細書において開示されるBS処理では標準的BS処理と比較した時に、全てのGC含量領域における非変換比が低いバックグラウンドを示したことを示す。
【
図29】
図29A~29Bは、(例えば、
図25A~25Dに記載のように)標準的BS処理と比較した時に、本明細書において開示されるBSプロトコールがmESC gDNAにおいてより均一に分散したゲノムカバレッジを示したことを示す。
図29Aは、100kbオーバービューで異なるゲノムウィンドウの相対的カバレッジ(Zスコア)を示す。本明細書において開示されるBSプロトコールの分布は、ボックスプロットに示した統計データによって示されるように標準的BS処理データよりも狭かった。四分位数間範囲(IQR)が、データの統計学的分散を表すために用いられた。本明細書に記載のBSプロトコールと比較した標準的BS処理の比較から、10ngと3.3ngの試料について、それぞれ、7.5%と9.9%のIQR値の減少が示された。
図29BはmESC染色体の全ての生のゲノムカバレッジデータを示す。
【
図30】1、10、または100のmESCからのgDNAにスパイクしたλDNAにおけるパーセント非変換C(バックグラウンド)の比較を示す。この場合、DNAは標準的BS処理または本明細書において開示されるBS処理(「新BS」)に供されたことがある。
【
図31】1、10、または100のmESCからのgDNA抽出物からのミトコンドリアDNAにおけるパーセント非変換C(バックグラウンド)の比較を示す。この場合、DNAは標準的BS処理または本明細書において開示されるBS処理(「新BS」)に供されたことがある。
【
図32】
図32Aは、98℃でオリゴヌクレオチドAG5hmCGA(SEQ ID NO:5)のA7処理を用いて1分以内に5hmCがCMSに変換されたことを証明するMaldi-TOF MSを示す。
図32Bは5hmCからCMSへの変換プロセスの図を示す。
【
図33】
図33Aは、オリゴヌクレオチドAG5fCGA(SEQ ID NO:6)のA7処理を用いて98℃で30分以内に5fCがU-BSに変換されたことを証明するMaldi-TOF MSを示す。
図33Bは5fCからUへの変換プロセスの図を示す。
【
図34】
図34Aは、98℃で3分以内に5caCがU-BSに変換されたことを証明するMaldi-TOF MSを示す。
図34Bは5caCからUへの変換プロセスの図を示す。
【
図35】APOBEC3Aが5mCをTに効率的に脱アミノしたのに対して、CMSが脱アミノに抵抗し、APOBEC3A処理時に未変化であったことを証明するMaldi-TOF MS結果を示す。
【
図36】5mCがTに定量的に変換され、5hmCが主として5hmUに変換され、従って、Tと読み取られたが、5hmCのごく一部が脱アミノされなかったことを証明するサンガーシークエンシング結果を示す。対照的に、CMSはAPOBEC3A処理時に脱アミノに抵抗し、従って、依然としてCと読み取られた。
【
図37】開示される方法を用いてDNA中の5mCと5hmCを配列決定するためのワークフローの模式図を示す。ゲノムDNAはCとその誘導体、例えば、5mC、5hmC、5fC、および5caCを含有する。開示されるBS試薬と条件で処理した後、C、5fC、および5caCはUに変換され、5hmCはCMSに変換され、5mCは未変化のままである。試料の半分(左)は、5mCおよび5hmC部位だけがCと読み取られる配列決定に進む。試料のもう半分(右)は、CMSを変えずに5mCをTに変換するためにAPOBEC3Aで処理される。配列決定後にオリジナルの5hmC部位だけがCと読み取られるのに対して、他の全てのC誘導体はTと読み取られる。従って、5hmC部位が決定される。2つのライブラリーを差し引くとオリジナルの5mC部位が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
詳細な説明
本開示の局面は、メチル化DNAおよびメチル化RNAを検出および分析するための組成物、方法、およびキットに関する。ある特定の局面は、亜硫酸水素ナトリウムを含まない亜硫酸水素塩溶液を含む、メチル化DNAおよびメチル化RNAを亜硫酸水素塩処理するための組成物に関する。一部の局面では、開示される亜硫酸水素塩溶液を用いた短時間(例えば、<15分)で高温(例えば、>95℃)のインキュベーションを含む方法を含む、メチル化DNAおよびメチル化RNAを亜硫酸水素塩処理するための方法も開示される。開示される組成物を含むキットも、メチル化DNAおよび/またはメチル化RNAの分析のための説明書と共に本明細書において説明される。本開示の局面は、迅速な亜硫酸水素塩処理、低バックグラウンドノイズ、および高感度を備えたバイサルファイトシークエンシング方法を提供し、これにより、低インプット生物学的RNAまたはDNA試料から出発してRNAにおけるm5CおよびDNAにおける5mCの高度に正確な配列決定が可能になる。
【0036】
I.DNA処理方法
本開示の局面は、DNA処理のための組成物および方法に関する。特定の局面は、亜硫酸水素アンモニウムを含む組成物、およびDNAの亜硫酸水素塩処理において、このような組成物を使用するための方法に関する。従って、一部の局面では、DNA処理のための方法であって、
DNA分子のシトシン残基を脱アミノするのに十分な条件下でDNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液をインキュベートする工程であって、前記溶液が、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、工程
を含む、方法が、本明細書において開示される。このような方法は、DNA分子をアルカリ(すなわち、塩基性)条件に供する工程をさらに含んでもよい。本明細書において開示されるように、本開示の亜硫酸水素塩溶液中で1つまたは複数のDNA分子を適切な条件下でインキュベートすると、5-メチルシトシン(5mC)を保存しながら低DNA分解でシトシンが極めて迅速に脱アミノされ、それにより、非常に低い偽陽性率でメチル化ヌクレオチドが特定される。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、5mCをN4-メチルシトシン(4mC)と正確に区別するのに適したBS処理を提供する。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、標準的BS処理と比べて大きな割合で4mCの脱アミノを容易にする。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、標準的BS処理と比べて大きな割合で4mCからウラシルへの変換を容易にする。一部の局面では、本明細書において提供される方法は4mCを定量的に脱アミノする。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%、またはその中で導き出せる任意の範囲を超える効率で、あるいは約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、もしくは100%、またはその中で導き出せる任意の範囲に等しい効率で4mCの脱アミノを容易にする。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、ゲノムにおける4mCの存在によって生じるBS処理偽陽性を大幅に回避する。
【0037】
一部の局面では、本開示のDNA処理方法は、1つまたは複数のDNA分子を亜硫酸水素塩溶液中でインキュベートする工程を含み、亜硫酸水素塩溶液は亜硫酸水素アンモニウムを含み、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は、1M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下の濃度で、または最大で1M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下の濃度でナトリウムを含む。一部の局面では、前記溶液はナトリウムを含まない。一部の局面では、前記溶液は、10M、1M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、もしくはそれ以下の濃度で、または最大で10M、1M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、もしくはそれ以下の濃度で亜硫酸アンモニウムを含む。ある特定の局面では、前記溶液は、亜硫酸アンモニウムも、添加された亜硫酸アンモニウムも含まない。
【0038】
ある特定の局面では、本開示の溶液(例えば、亜硫酸水素塩溶液)は、50重量%~70重量%の中で導き出せる任意の範囲または値を含めて、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、少なくとも50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は、少なくとも66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%、66.96重量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含むか、最大で66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%
、66.96重量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含むか、あるいは約66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%、66.96重量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は約66.67重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は、亜硫酸アンモニウムも、添加された亜硫酸アンモニウムも含まない。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は亜硫酸アンモニウムを含む。
【0039】
一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は、6.5M~10Mの中で導き出せる任意の範囲または値を含む、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は、少なくとも6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。
【0040】
本開示の亜硫酸水素塩溶液は、例えば、異なる重量%の亜硫酸水素アンモニウムを有する2種類の亜硫酸水素アンモニウム溶液を混合することによって作製され得る。例えば、本開示の亜硫酸水素塩溶液は70%亜硫酸水素アンモニウム溶液と50%亜硫酸水素アンモニウム溶液を混合することによって作製され得る。一部の局面では、70%亜硫酸水素アンモニウム溶液と50%亜硫酸水素アンモニウム溶液は、例えば、10:0.1、10:0.2、10:0.3、10:0.4、10:0.5、10:0.6、10:0.7、10:0.8、10:0.9、10:1、10:1.1、10:1.2、10:1.3、10:1.4、10:1.5、10:1.6、10:1.7、10:1.8、10:1.9、もしくは10:2、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の比で混合される。一部の局面では、70%亜硫酸水素アンモニウム溶液と50%亜硫酸水素アンモニウム溶液は10:1の比で混合される。
【0041】
一部の局面では、DNA処理方法は、本開示の亜硫酸水素塩溶液(例えば、亜硫酸水素ナトリウムを含まない、亜硫酸水素アンモニウム、例えば、50%~70%の亜硫酸水素アンモニウムを含む溶液)中で1つまたは複数のDNA分子を少なくとも80℃の温度で最大で20分間インキュベートする工程を含む。一部の局面では、前記方法は、亜硫酸水素塩溶液中で1つまたは複数のDNA分子を、少なくとも80℃、80.1℃、80.2℃、80.3℃、80.4℃、80.5℃、80.6℃、80.7℃、80.8℃、80.9℃、81℃、81.1℃、81.2℃、81.3℃、81.4℃、81.5℃、81.6℃、81.7℃、81.8℃、81.9℃、82℃、82.1℃、82.2℃、82.3℃、82.4℃、82.5℃、82.6℃、82.7℃、82.8℃、82.9℃、83℃、83.1℃、83.2℃、83.3℃、83.4℃、83.5℃、83.6℃、83.7℃、83.8℃、83.9℃、84℃、84.1℃、84.2℃、84.3℃、84.4℃、84.5℃、84.6℃、84.7℃、84.8℃、84.9℃、85℃、85.1℃、85.2℃、85.3℃、85.4℃、85.5℃、85.6℃、85.7℃、85.8℃、85.9℃、86℃、86.1℃、86.2℃、86.3℃、86.4℃、86.5℃、86.6℃、86.7℃、86.8℃、86.9℃、87℃、87.1℃、87.2℃、87.3℃、87.4℃、87.5℃、87.6℃、87.7℃、87.8℃、87.9℃、88℃、88.1℃、88.2℃、88.3℃、88.4℃、88.5℃、88.6℃、88.7℃、88.8℃、88.9℃、89℃、89.1℃、89.2℃、89.3℃、89.4℃、89.5℃、89.6℃、89.7℃、89.8℃、89.9℃、90℃、90.1℃、90.2℃、90.3℃、90.4℃、90.5℃、90.6℃、90.7℃、90.8℃、90.9℃、91℃、91.1℃、91.2℃、91.3℃、91.4℃、91.5℃、91.6℃、91.7℃、91.8℃、91.9℃、92℃、92.1℃、92.2℃、92.3℃、92.4℃、92.5℃、92.6℃、92.7℃、92.8℃、92.9℃、93℃、93.1℃、93.2℃、93.3℃、93.4℃、93.5℃、93.6℃、93.7℃、93.8℃、93.9℃、94℃、94.1℃、94.2℃、94.3℃、94.4℃、94.5℃、94.6℃、94.7℃、94.8℃、94.9℃、95℃、95.1℃、95.2℃、95.3℃、95.4℃、95.5℃、95.6℃、95.7℃、95.8℃、95.9℃、96℃、96.1℃、96.2℃、96.3℃、96.4℃、96.5℃、96.6℃、96.7℃、96.8℃、96.9℃、97℃、97.1℃、97.2℃、97.3℃、97.4℃、97.5℃、97.6℃、97.7℃、97.8℃、97.9℃、98℃、98.1℃、98.2℃、98.3℃、98.4℃、98.5℃、98.6℃、98.7℃、98.8℃、98.9℃、99℃、99.1℃、99.2℃、99.3℃、99.4℃、99.5℃、99.6℃、99.7℃、99.8℃、99.9℃(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)の温度で、最大で80℃、80.1℃、80.2℃、80.3℃、80.4℃、80.5℃、80.6℃、80.7℃、80.8℃、80.9℃、81℃、81.1℃、81.2℃、81.3℃、81.4℃、81.5℃、81.6℃、81.7℃、81.8℃、81.9℃、82℃、82.1℃、82.2℃、82.3℃、82.4℃、82.5℃、82.6℃、82.7℃、82.8℃、82.9℃、83℃、83.1℃、83.2℃、83.3℃、83.4℃、83.5℃、83.6℃、83.7℃、83.8℃、83.9℃、84℃、84.1℃、84.2℃、84.3℃、84.4℃、84.5℃、84.6℃、84.7℃、84.8℃、84.9℃、85℃、85.1℃、85.2℃、85.3℃、85.4℃、85.5℃、85.6℃、85.7℃、85.8℃、85.9℃、86℃、86.1℃、86.2℃、86.3℃、86.4℃、86.5℃、86.6℃、86.7℃、86.8℃、86.9℃、87℃、87.1℃、87.2℃、87.3℃、87.4℃、87.5℃、87.6℃、87.7℃、87.8℃、87.9℃、88℃、88.1℃、88.2℃、88.3℃、88.4℃、88.5℃、88.6℃、88.7℃、88.8℃、88.9℃、89℃、89.1℃、89.2℃、89.3℃、89.4℃、89.5℃、89.6℃、89.7℃、89.8℃、89.9℃、90℃、90.1℃、90.2℃、90.3℃、90.4℃、90.5℃、90.6℃、90.7℃、90.8℃、90.9℃、91℃、91.1℃、91.2℃、91.3℃、91.4℃、91.5℃、91.6℃、91.7℃、91.8℃、91.9℃、92℃、92.1℃、92.2℃、92.3℃、92.4℃、92.5℃、92.6℃、92.7℃、92.8℃、92.9℃、93℃、93.1℃、93.2℃、93.3℃、93.4℃、93.5℃、93.6℃、93.7℃、93.8℃、93.9℃、94℃、94.1℃、94.2℃、94.3℃、94.4℃、94.5℃、94.6℃、94.7℃、94.8℃、94.9℃、95℃、95.1℃、95.2℃、95.3℃、95.4℃、95.5℃、95.6℃、95.7℃、95.8℃、95.9℃、96℃、96.1℃、96.2℃、96.3℃、96.4℃、96.5℃、96.6℃、96.7℃、96.8℃、96.9℃、97℃、97.1℃、97.2℃、97.3℃、97.4℃、97.5℃、97.6℃、97.7℃、97.8℃、97.9℃、98℃、98.1℃、98.2℃、98.3℃、98.4℃、98.5℃、98.6℃、98.7℃、98.8℃、98.9℃、99℃、99.1℃、99.2℃、99.3℃、99.4℃、99.5℃、99.6℃、99.7℃、99.8℃、99.9℃(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)の温度で、あるいは約80℃、80.1℃、80.2℃、80.3℃、80.4℃、80.5℃、80.6℃、80.7℃、80.8℃、80.9℃、81℃、81.1℃、81.2℃、81.3℃、81.4℃、81.5℃、81.6℃、81.7℃、81.8℃、81.9℃、82℃、82.1℃、82.2℃、82.3℃、82.4℃、82.5℃、82.6℃、82.7℃、82.8℃、82.9℃、83℃、83.1℃、83.2℃、83.3℃、83.4℃、83.5℃、83.6℃、83.7℃、83.8℃、83.9℃、84℃、84.1℃、84.2℃、84.3℃、84.4℃、84.5℃、84.6℃、84.7℃、84.8℃、84.9℃、85℃、85.1℃、85.2℃、85.3℃、85.4℃、85.5℃、85.6℃、85.7℃、85.8℃、85.9℃、86℃、86.1℃、86.2℃、86.3℃、86.4℃、86.5℃、86.6℃、86.7℃、86.8℃、86.9℃、87℃、87.1℃、87.2℃、87.3℃、87.4℃、87.5℃、87.6℃、87.7℃、87.8℃、87.9℃、88℃、88.1℃、88.2℃、88.3℃、88.4℃、88.5℃、88.6℃、88.7℃、88.8℃、88.9℃、89℃、89.1℃、89.2℃、89.3℃、89.4℃、89.5℃、89.6℃、89.7℃、89.8℃、89.9℃、90℃、90.1℃、90.2℃、90.3℃、90.4℃、90.5℃、90.6℃、90.7℃、90.8℃、90.9℃、91℃、91.1℃、91.2℃、91.3℃、91.4℃、91.5℃、91.6℃、91.7℃、91.8℃、91.9℃、92℃、92.1℃、92.2℃、92.3℃、92.4℃、92.5℃、92.6℃、92.7℃、92.8℃、92.9℃、93℃、93.1℃、93.2℃、93.3℃、93.4℃、93.5℃、93.6℃、93.7℃、93.8℃、93.9℃、94℃、94.1℃、94.2℃、94.3℃、94.4℃、94.5℃、94.6℃、94.7℃、94.8℃、94.9℃、95℃、95.1℃、95.2℃、95.3℃、95.4℃、95.5℃、95.6℃、95.7℃、95.8℃、95.9℃、96℃、96.1℃、96.2℃、96.3℃、96.4℃、96.5℃、96.6℃、96.7℃、96.8℃、96.9℃、97℃、97.1℃、97.2℃、97.3℃、97.4℃、97.5℃、97.6℃、97.7℃、97.8℃、97.9℃、98℃、98.1℃、98.2℃、98.3℃、98.4℃、98.5℃、98.6℃、98.7℃、98.8℃、98.9℃、99℃、99.1℃、99.2℃、99.3℃、99.4℃、99.5℃、99.6℃、99.7℃、99.8℃、99.9℃(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)の温度で、最大で15分間、14.9分間、14.8分間、14.7分間、14.6分間、14.5分間、14.4分間、14.3分間、14.2分間、14.1分間、14分間、13.9分間、13.8分間、13.7分間、13.6分間、13.5分間、13.4分間、13.3分間、13.2分間、13.1分間、13分間、12.9分間、12.8分間、12.7分間、12.6分間、12.5分間、12.4分間、12.3分間、12.2分間、12.1分間、12分間、11.9分間、11.8分間、11.7分間、11.6分間、11.5分間、11.4分間、11.3分間、11.2分間、11.1分間、11分間、10.9分間、10.8分間、10.7分間、10.6分間、10.5分間、10.4分間、10.3分間、10.2分間、10.1分間、10分間、9.9分間、9.8分間、9.7分間、9.6分間、9.5分間、9.4分間、9.3分間、9.2分間、9.1分間、9分間、8.9分間、8.8分間、8.7分間、8.6分間、8.5分間、8.4分間、8.3分間、8.2分間、8.1分間、8分間、7.9分間、7.8分間、7.7分間、7.6分間、7.5分間、7.4分間、7.3分間、7.2分間、7.1分間、7分間、6.9分間、6.8分間、6.7分間、6.6分間、6.5分間、6.4分間、6.3分間、6.2分間、6.1分間、6分間、5.9分間、5.8分間、5.7分間、5.6分間、5.5分間、5.4分間、5.3分間、5.2分間、5.1分間、5分間、4.9分間、4.8分間、4.7分間、4.6分間、4.5分間、4.4分間、4.3分間、4.2分間、4.1分間、4分間、3.9分間、3.8分間、3.7分間、3.6分間、3.5分間、3.4分間、3.3分間、3.2分間、3.1分間、3分間、2.9分間、2.8分間、2.7分間、2.6分間、2.5分間、2.4分間、2.3分間、2.2分間、2.1分間、2分間、1.9分間、1.8分間、1.7分間、1.6分間、1.5分間、1.4分間、1.3分間、1.2分間、1.1分間、もしくは1分間(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)、あるいは約15分間、14.9分間、14.8分間、14.7分間、14.6分間、14.5分間、14.4分間、14.3分間、14.2分間、14.1分間、14分間、13.9分間、13.8分間、13.7分間、13.6分間、13.5分間、13.4分間、13.3分間、13.2分間、13.1分間、13分間、12.9分間、12.8分間、12.7分間、12.6分間、12.5分間、12.4分間、12.3分間、12.2分間、12.1分間、12分間、11.9分間、11.8分間、11.7分間、11.6分間、11.5分間、11.4分間、11.3分間、11.2分間、11.1分間、11分間、10.9分間、10.8分間、10.7分間、10.6分間、10.5分間、10.4分間、10.3分間、10.2分間、10.1分間、10分間、9.9分間、9.8分間、9.7分間、9.6分間、9.5分間、9.4分間、9.3分間、9.2分間、9.1分間、9分間、8.9分間、8.8分間、8.7分間、8.6分間、8.5分間、8.4分間、8.3分間、8.2分間、8.1分間、8分間、7.9分間、7.8分間、7.7分間、7.6分間、7.5分間、7.4分間、7.3分間、7.2分間、7.1分間、7分間、6.9分間、6.8分間、6.7分間、6.6分間、6.5分間、6.4分間、6.3分間、6.2分間、6.1分間、6分間、5.9分間、5.8分間、5.7分間、5.6分間、5.5分間、5.4分間、5.3分間、5.2分間、5.1分間、5分間、4.9分間、4.8分間、4.7分間、4.6分間、4.5分間、4.4分間、4.3分間、4.2分間、4.1分間、4分間、3.9分間、3.8分間、3.7分間、3.6分間、3.5分間、3.4分間、3.3分間、3.2分間、3.1分間、3分間、2.9分間、2.8分間、2.7分間、2.6分間、2.5分間、2.4分間、2.3分間、2.2分間、2.1分間、2分間、1.9分間、1.8分間、1.7分間、1.6分間、1.5分間、1.4分間、1.3分間、1.2分間、1.1分間、もしくは1分間(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)、インキュベートする工程を含む。本開示のDNA処理方法では、前述のインキュベーション時間と温度の任意の組み合わせを使用することができる。
【0042】
一部の局面では、DNA処理方法は、本開示の亜硫酸水素塩溶液中で1つまたは複数のDNA分子を、少なくとも95℃の温度で最大で12分間、少なくとも96℃の温度で最大で12分間、少なくとも97℃の温度で最大で12分間、少なくとも98℃の温度で最大で12分間、少なくとも99℃の温度で最大で12分間、少なくとも95℃の温度で最大で11分間、少なくとも96℃の温度で最大で11分間、少なくとも97℃の温度で最大で11分間、少なくとも98℃の温度で最大で11分間、少なくとも99℃の温度で最大で11分間、少なくとも95℃の温度で最大で10分間、少なくとも96℃の温度で最大で10分間、少なくとも97℃の温度で最大で10分間、少なくとも98℃の温度で最大で10分間、少なくとも99℃の温度で最大で10分間、少なくとも95℃の温度で最大で9分間、少なくとも96℃の温度で最大で9分間、少なくとも97℃の温度で最大で9分間、少なくとも98℃の温度で最大で9分間、少なくとも99℃の温度で最大で9分間、少なくとも95℃の温度で最大で8分間、少なくとも96℃の温度で最大で8分間、少なくとも97℃の温度で最大で8分間、少なくとも98℃の温度で最大で8分間、少なくとも99℃の温度で最大で8分間、少なくとも95℃の温度で最大で7分間、少なくとも96℃の温度で最大で7分間、少なくとも97℃の温度で最大で7分間、少なくとも98℃の温度で最大で7分間、少なくとも99℃の温度で最大で7分間、少なくとも95℃の温度で最大で6分間、少なくとも96℃の温度で最大で6分間、少なくとも97℃の温度で最大で6分間、少なくとも98℃の温度で最大で6分間、少なくとも99℃の温度で最大で6分間、少なくとも95℃の温度で最大で5分間、少なくとも96℃の温度で最大で5分間、少なくとも97℃の温度で最大で5分間、少なくとも98℃の温度で最大で5分間、または少なくとも99℃の温度で最大で5分間インキュベートする工程を含む。
【0043】
本明細書において開示されるように、DNA分子を、本開示の亜硫酸水素塩溶液(例えば、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、亜硫酸水素アンモニウム、例えば、50%~70%の亜硫酸水素アンモニウムを含む溶液)と適切な条件(例えば、少なくとも95℃の温度で最大で12分間)下でインキュベートする工程は、DNA分子中のシトシン残基の大多数を脱アミノするのに十分である。一部の局面では、DNA分子を本開示の亜硫酸水素塩溶液と適切な条件下でインキュベートした後、DNA分子の90%超はシトシン残基を含まない。一部の局面では、DNA分子の90%、90.1%、90.2%、90.3%、90.4%、90.5%、90.6%、90.7%、90.8%、90.9%、91%、91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%、91.6%、91.7%、91.8%、91.9%、92%、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%、92.6%、92.7%、92.8%、92.9%、93%、93.1%、93.2%、93.3%、93.4%、93.5%、93.6%、93.7%、93.8%、93.9%、94%、94.1%、94.2%、94.3%、94.4%、94.5%、94.6%、94.7%、94.8%、94.9%、95%、95.1%、95.2%、95.3%、95.4%、95.5%、95.6%、95.7%、95.8%、95.9%、96%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)より多くが、あるいは90%、90.1%、90.2%、90.3%、90.4%、90.5%、90.6%、90.7%、90.8%、90.9%、91%、91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%、91.6%、91.7%、91.8%、91.9%、92%、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%、92.6%、92.7%、92.8%、92.9%、93%、93.1%、93.2%、93.3%、93.4%、93.5%、93.6%、93.7%、93.8%、93.9%、94%、94.1%、94.2%、94.3%、94.4%、94.5%、94.6%、94.7%、94.8%、94.9%、95%、95.1%、95.2%、95.3%、95.4%、95.5%、95.6%、95.7%、95.8%、95.9%、96%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、もしくは99.9%(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)がシトシン残基を含まない。一部の局面では、DNA分子の99%より多くがシトシン残基を含まない。
【0044】
本開示のDNA処理方法は、例えば、DNAシトシンメチル化を検出する、定量する、および/または分析するために配列決定用にDNA分子を調製するのに有用であり得る。一部の局面では、本開示のDNA処理方法は、標準的BS処理と比べて偽陽性レベルの低下、真の陽性レベルの増加、偽陰性レベルの低下、および/または真の陰性レベルの増加をもたらす、配列決定分析用のDNA分子を提供する。
【0045】
II.RNA処理方法
本開示の局面は、RNA処理のための組成物および方法に関する。特定の局面は、亜硫酸水素アンモニウムを含む組成物と、RNAの亜硫酸水素塩処理において、このような組成物を使用するための方法方法に関する。従って、一部の局面では、RNA処理のための方法であって、
RNA分子と、亜硫酸水素アンモニウムと、亜硫酸アンモニウムとを含む溶液を、RNA分子のシトシン残基を脱アミノするのに十分な条件下でインキュベートする工程であって、前記溶液が、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、工程
を含む、方法が、本明細書において開示される。このような方法は、RNA分子をアルカリ(すなわち、塩基性)条件に供する工程をさらに含んでもよい。本明細書において開示されるように、1つまたは複数のRNA分子を本開示の亜硫酸水素塩溶液中で適切な条件下でインキュベートすると、低RNA分解でシトシンが極めて迅速に脱アミノされ、それにより、非常に低い偽陽性率でメチル化ヌクレオチドが特定される。一部の局面では、本明細書において開示される方法は、標準的BS処理と比べて低レベルのバックグラウンドノイズ(例えば、非変換シトシン)をもたらす。
【0046】
一部の局面では、本開示のRNA処理方法は、
亜硫酸水素塩溶液中で1つまたは複数のRNA分子をインキュベートする工程であって、亜硫酸水素塩溶液が亜硫酸水素アンモニウムと亜硫酸アンモニウムを含み、亜硫酸水素塩溶液が亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、工程
を含む。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は、1M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下の濃度で、または1M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下より小さな濃度でナトリウムを含む。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液はナトリウムを含まない。
【0047】
ある特定の局面では、本開示の溶液(例えば、亜硫酸水素塩溶液)は、50重量%~70重量%の中で導き出せる任意の範囲または値を含む、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、少なくとも50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は、少なくとも66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%、66.96重量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%、66.96重
量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%、66.96重量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。
【0048】
一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は、6.5M~10Mの中で導き出せる任意の範囲または値を含む、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は、少なくとも6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7.0M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8.0M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9.0M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7.0M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8.0M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9.0M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7.0M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8.0M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9.0M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、あるいはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。
【0049】
一部の局面では、RNA処理に用いられる本開示の亜硫酸水素塩溶液は5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムまたはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は、少なくとも5重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、7重量%、7.1重量%、7.2重量%、7.3重量%、7.4重量%、7.5重量%、7.6重量%、7.7重量%、7.8重量%、7.9重量%、8重量%、8.1重量%、8.2重量%、8.3重量%、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、8.7重量%、8.8重量%、8.9重量%、9重量%、9.1重量%、9.2重量%、9.3重量%、9.4重量%、9.5重量%、9.6重量%、9.7重量%、9.8重量%、9.9重量%、10重量%、10.1重量%、10.2重量%、10.3重量%、10.4重量%、10.5重量%、10.6重量%、10.7重量%、10.8重量%、10.9重量%、11重量%、11.1重量%、11.2重量%、11.3重量%、11.4重量%、11.5重量%、11.6重量%、11.7重量%、11.8重量%、11.9重量%、12重量%、12.1重量%、12.2重量%、12.3重量%、12.4重量%、12.5重量%、12.6重量%、12.7重量%、12.8重量%、12.9重量%、13重量%、13.1重量%、13.2重量%、13.3重量%、13.4重量%、13.5重量%、13.6重量%、13.7重量%、13.8重量%、13.9重量%、14重量%、14.1重量%、14.2重量%、14.3重量%、14.4重量%、14.5重量%、14.6重量%、14.7重量%、14.8重量%、14.9重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で5重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、7重量%、7.1重量%、7.2重量%、7.3重量%、7.4重量%、7.5重量%、7.6重量%、7.7重量%、7.8重量%、7.9重量%、8重量%、8.1重量%、8.2重量%、8.3重量%、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、8.7重量%、8.8重量%、8.9重量%、9重量%、9.1重量%、9.2重量%、9.3重量%、9.4重量%、9.5重量%、9.6重量%、9.7重量%、9.8重量%、9.9重量%、10重量%、10.1重量%、10.2重量%、10.3重量%、10.4重量%、10.5重量%、10.6重量%、10.7重量%、10.8重量%、10.9重量%、11重量%、11.1重量%、11.2重量%、11.3重量%、11.4重量%、11.5重量%、11.6重量%、11.7重量%、11.8重量%、11.9重量%、12重量%、12.1重量%、12.2重量%、12.3重量%、12.4重量%、12.5重量%、12.6重量%、12.7重量%、12.8重量%、12.9重量%、13重量%、13.1重量%、13.2重量%、13.3重量%、13.4重量%、13.5重量%、13.6重量%、13.7重量%、13.8重量%、13.9重量%、14重量%、14.1重量%、14.2重量%、14.3重量%、14.4重量%、14.5重量%、14.6重量%、14.7重量%、14.8重量%、14.9重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約5重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、7重量%、7.1重量%、7.2重量%、7.3重量%、7.4重量%、7.5重量%、7.6重量%、7.7重量%、7.8重量%、7.9重量%、8重量%、8.1重量%、8.2重量%、8.3重量%、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、8.7重量%、8.8重量%、8.9重量%、9重量%、9.1重量%、9.2重量%、9.3重量%、9.4重量%、9.5重量%、9.6重量%、9.7重量%、9.8重量%、9.9重量%、10重量%、10.1重量%、10.2重量%、10.3重量%、10.4重量%、10.5重量%、10.6重量%、10.7重量%、10.8重量%、10.9重量%、11重量%、11.1重量%、11.2重量%、11.3重量%、11.4重量%、11.5重量%、11.6重量%、11.7重量%、11.8重量%、11.9重量%、12重量%、12.1重量%、12.2重量%、12.3重量%、12.4重量%、12.5重量%、12.6重量%、12.7重量%、12.8重量%、12.9重量%、13重量%、13.1重量%、13.2重量%、13.3重量%、13.4重量%、13.5重量%、13.6重量%、13.7重量%、13.8重量%、13.9重量%、14重量%、14.1重量%、14.2重量%、14.3重量%、14.4重量%、14.5重量%、14.6重量%、14.7重量%、14.8重量%、14.9重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む。一部の局面では、亜硫酸水素塩溶液は、亜硫酸水素アンモニウム溶液(例えば、50%~70%の亜硫酸水素アンモニウム)を亜硫酸アンモニウム(例えば、亜硫酸アンモニウム一水和物固体)と混合することによって作製される。
【0050】
一部の局面では、RNA処理方法は、1つまたは複数のRNA分子を本開示の亜硫酸水素塩溶液(例えば、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、亜硫酸水素アンモニウムと亜硫酸アンモニウムを含む溶液)の中で少なくとも80℃の温度で最大で20分間インキュベートする工程を含む。一部の局面では、前記方法は、亜硫酸水素塩溶液中で1つまたは複数のRNA分子を、少なくとも80℃、80.1℃、80.2℃、80.3℃、80.4℃、80.5℃、80.6℃、80.7℃、80.8℃、80.9℃、81℃、81.1℃、81.2℃、81.3℃、81.4℃、81.5℃、81.6℃、81.7℃、81.8℃、81.9℃、82℃、82.1℃、82.2℃、82.3℃、82.4℃、82.5℃、82.6℃、82.7℃、82.8℃、82.9℃、83℃、83.1℃、83.2℃、83.3℃、83.4℃、83.5℃、83.6℃、83.7℃、83.8℃、83.9℃、84℃、84.1℃、84.2℃、84.3℃、84.4℃、84.5℃、84.6℃、84.7℃、84.8℃、84.9℃、85℃、85.1℃、85.2℃、85.3℃、85.4℃、85.5℃、85.6℃、85.7℃、85.8℃、85.9℃、86℃、86.1℃、86.2℃、86.3℃、86.4℃、86.5℃、86.6℃、86.7℃、86.8℃、86.9℃、87℃、87.1℃、87.2℃、87.3℃、87.4℃、87.5℃、87.6℃、87.7℃、87.8℃、87.9℃、88℃、88.1℃、88.2℃、88.3℃、88.4℃、88.5℃、88.6℃、88.7℃、88.8℃、88.9℃、89℃、89.1℃、89.2℃、89.3℃、89.4℃、89.5℃、89.6℃、89.7℃、89.8℃、89.9℃、90℃、90.1℃、90.2℃、90.3℃、90.4℃、90.5℃、90.6℃、90.7℃、90.8℃、90.9℃、91℃、91.1℃、91.2℃、91.3℃、91.4℃、91.5℃、91.6℃、91.7℃、91.8℃、91.9℃、92℃、92.1℃、92.2℃、92.3℃、92.4℃、92.5℃、92.6℃、92.7℃、92.8℃、92.9℃、93℃、93.1℃、93.2℃、93.3℃、93.4℃、93.5℃、93.6℃、93.7℃、93.8℃、93.9℃、94℃、94.1℃、94.2℃、94.3℃、94.4℃、94.5℃、94.6℃、94.7℃、94.8℃、94.9℃、95℃、95.1℃、95.2℃、95.3℃、95.4℃、95.5℃、95.6℃、95.7℃、95.8℃、95.9℃、96℃、96.1℃、96.2℃、96.3℃、96.4℃、96.5℃、96.6℃、96.7℃、96.8℃、96.9℃、97℃、97.1℃、97.2℃、97.3℃、97.4℃、97.5℃、97.6℃、97.7℃、97.8℃、97.9℃、98℃、98.1℃、98.2℃、98.3℃、98.4℃、98.5℃、98.6℃、98.7℃、98.8℃、98.9℃、99℃、99.1℃、99.2℃、99.3℃、99.4℃、99.5℃、99.6℃、99.7℃、99.8℃、もしくは99.9℃(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)、最大で80℃、80.1℃、80.2℃、80.3℃、80.4℃、80.5℃、80.6℃、80.7℃、80.8℃、80.9℃、81℃、81.1℃、81.2℃、81.3℃、81.4℃、81.5℃、81.6℃、81.7℃、81.8℃、81.9℃、82℃、82.1℃、82.2℃、82.3℃、82.4℃、82.5℃、82.6℃、82.7℃、82.8℃、82.9℃、83℃、83.1℃、83.2℃、83.3℃、83.4℃、83.5℃、83.6℃、83.7℃、83.8℃、83.9℃、84℃、84.1℃、84.2℃、84.3℃、84.4℃、84.5℃、84.6℃、84.7℃、84.8℃、84.9℃、85℃、85.1℃、85.2℃、85.3℃、85.4℃、85.5℃、85.6℃、85.7℃、85.8℃、85.9℃、86℃、86.1℃、86.2℃、86.3℃、86.4℃、86.5℃、86.6℃、86.7℃、86.8℃、86.9℃、87℃、87.1℃、87.2℃、87.3℃、87.4℃、87.5℃、87.6℃、87.7℃、87.8℃、87.9℃、88℃、88.1℃、88.2℃、88.3℃、88.4℃、88.5℃、88.6℃、88.7℃、88.8℃、88.9℃、89℃、89.1℃、89.2℃、89.3℃、89.4℃、89.5℃、89.6℃、89.7℃、89.8℃、89.9℃、90℃、90.1℃、90.2℃、90.3℃、90.4℃、90.5℃、90.6℃、90.7℃、90.8℃、90.9℃、91℃、91.1℃、91.2℃、91.3℃、91.4℃、91.5℃、91.6℃、91.7℃、91.8℃、91.9℃、92℃、92.1℃、92.2℃、92.3℃、92.4℃、92.5℃、92.6℃、92.7℃、92.8℃、92.9℃、93℃、93.1℃、93.2℃、93.3℃、93.4℃、93.5℃、93.6℃、93.7℃、93.8℃、93.9℃、94℃、94.1℃、94.2℃、94.3℃、94.4℃、94.5℃、94.6℃、94.7℃、94.8℃、94.9℃、95℃、95.1℃、95.2℃、95.3℃、95.4℃、95.5℃、95.6℃、95.7℃、95.8℃、95.9℃、96℃、96.1℃、96.2℃、96.3℃、96.4℃、96.5℃、96.6℃、96.7℃、96.8℃、96.9℃、97℃、97.1℃、97.2℃、97.3℃、97.4℃、97.5℃、97.6℃、97.7℃、97.8℃、97.9℃、98℃、98.1℃、98.2℃、98.3℃、98.4℃、98.5℃、98.6℃、98.7℃、98.8℃、98.9℃、99℃、99.1℃、99.2℃、99.3℃、99.4℃、99.5℃、99.6℃、99.7℃、99.8℃、もしくは99.9℃(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)、あるいは約80℃、80.1℃、80.2℃、80.3℃、80.4℃、80.5℃、80.6℃、80.7℃、80.8℃、80.9℃、81℃、81.1℃、81.2℃、81.3℃、81.4℃、81.5℃、81.6℃、81.7℃、81.8℃、81.9℃、82℃、82.1℃、82.2℃、82.3℃、82.4℃、82.5℃、82.6℃、82.7℃、82.8℃、82.9℃、83℃、83.1℃、83.2℃、83.3℃、83.4℃、83.5℃、83.6℃、83.7℃、83.8℃、83.9℃、84℃、84.1℃、84.2℃、84.3℃、84.4℃、84.5℃、84.6℃、84.7℃、84.8℃、84.9℃、85℃、85.1℃、85.2℃、85.3℃、85.4℃、85.5℃、85.6℃、85.7℃、85.8℃、85.9℃、86℃、86.1℃、86.2℃、86.3℃、86.4℃、86.5℃、86.6℃、86.7℃、86.8℃、86.9℃、87℃、87.1℃、87.2℃、87.3℃、87.4℃、87.5℃、87.6℃、87.7℃、87.8℃、87.9℃、88℃、88.1℃、88.2℃、88.3℃、88.4℃、88.5℃、88.6℃、88.7℃、88.8℃、88.9℃、89℃、89.1℃、89.2℃、89.3℃、89.4℃、89.5℃、89.6℃、89.7℃、89.8℃、89.9℃、90℃、90.1℃、90.2℃、90.3℃、90.4℃、90.5℃、90.6℃、90.7℃、90.8℃、90.9℃、91℃、91.1℃、91.2℃、91.3℃、91.4℃、91.5℃、91.6℃、91.7℃、91.8℃、91.9℃、92℃、92.1℃、92.2℃、92.3℃、92.4℃、92.5℃、92.6℃、92.7℃、92.8℃、92.9℃、93℃、93.1℃、93.2℃、93.3℃、93.4℃、93.5℃、93.6℃、93.7℃、93.8℃、93.9℃、94℃、94.1℃、94.2℃、94.3℃、94.4℃、94.5℃、94.6℃、94.7℃、94.8℃、94.9℃、95℃、95.1℃、95.2℃、95.3℃、95.4℃、95.5℃、95.6℃、95.7℃、95.8℃、95.9℃、96℃、96.1℃、96.2℃、96.3℃、96.4℃、96.5℃、96.6℃、96.7℃、96.8℃、96.9℃、97℃、97.1℃、97.2℃、97.3℃、97.4℃、97.5℃、97.6℃、97.7℃、97.8℃、97.9℃、98℃、98.1℃、98.2℃、98.3℃、98.4℃、98.5℃、98.6℃、98.7℃、98.8℃、98.9℃、99℃、99.1℃、99.2℃、99.3℃、99.4℃、99.5℃、99.6℃、99.7℃、99.8℃、もしくは99.9℃(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)の温度で、最大で15分間、14.9分間、14.8分間、14.7分間、14.6分間、14.5分間、14.4分間、14.3分間、14.2分間、14.1分間、14分間、13.9分間、13.8分間、13.7分間、13.6分間、13.5分間、13.4分間、13.3分間、13.2分間、13.1分間、13分間、12.9分間、12.8分間、12.7分間、12.6分間、12.5分間、12.4分間、12.3分間、12.2分間、12.1分間、12分間、11.9分間、11.8分間、11.7分間、11.6分間、11.5分間、11.4分間、11.3分間、11.2分間、11.1分間、11分間、10.9分間、10.8分間、10.7分間、10.6分間、10.5分間、10.4分間、10.3分間、10.2分間、10.1分間、10分間、9.9分間、9.8分間、9.7分間、9.6分間、9.5分間、9.4分間、9.3分間、9.2分間、9.1分間、9分間、8.9分間、8.8分間、8.7分間、8.6分間、8.5分間、8.4分間、8.3分間、8.2分間、8.1分間、8分間、7.9分間、7.8分間、7.7分間、7.6分間、7.5分間、7.4分間、7.3分間、7.2分間、7.1分間、7分間、6.9分間、6.8分間、6.7分間、6.6分間、6.5分間、6.4分間、6.3分間、6.2分間、6.1分間、6分間、5.9分間、5.8分間、5.7分間、5.6分間、5.5分間、5.4分間、5.3分間、5.2分間、5.1分間、5分間、4.9分間、4.8分間、4.7分間、4.6分間、4.5分間、4.4分間、4.3分間、4.2分間、4.1分間、4分間、3.9分間、3.8分間、3.7分間、3.6分間、3.5分間、3.4分間、3.3分間、3.2分間、3.1分間、3分間、2.9分間、2.8分間、2.7分間、2.6分間、2.5分間、2.4分間、2.3分間、2.2分間、2.1分間、2分間、1.9分間、1.8分間、1.7分間、1.6分間、1.5分間、1.4分間、1.3分間、1.2分間、1.1分間、もしくは1分間(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値にわたって)、あるいは約15分間、14.9分間、14.8分間、14.7分間、14.6分間、14.5分間、14.4分間、14.3分間、14.2分間、14.1分間、14分間、13.9分間、13.8分間、13.7分間、13.6分間、13.5分間、13.4分間、13.3分間、13.2分間、13.1分間、13分間、12.9分間、12.8分間、12.7分間、12.6分間、12.5分間、12.4分間、12.3分間、12.2分間、12.1分間、12分間、11.9分間、11.8分間、11.7分間、11.6分間、11.5分間、11.4分間、11.3分間、11.2分間、11.1分間、11分間、10.9分間、10.8分間、10.7分間、10.6分間、10.5分間、10.4分間、10.3分間、10.2分間、10.1分間、10分間、9.9分間、9.8分間、9.7分間、9.6分間、9.5分間、9.4分間、9.3分間、9.2分間、9.1分間、9分間、8.9分間、8.8分間、8.7分間、8.6分間、8.5分間、8.4分間、8.3分間、8.2分間、8.1分間、8分間、7.9分間、7.8分間、7.7分間、7.6分間、7.5分間、7.4分間、7.3分間、7.2分間、7.1分間、7分間、6.9分間、6.8分間、6.7分間、6.6分間、6.5分間、6.4分間、6.3分間、6.2分間、6.1分間、6分間、5.9分間、5.8分間、5.7分間、5.6分間、5.5分間、5.4分間、5.3分間、5.2分間、5.1分間、5分間、4.9分間、4.8分間、4.7分間、4.6分間、4.5分間、4.4分間、4.3分間、4.2分間、4.1分間、4分間、3.9分間、3.8分間、3.7分間、3.6分間、3.5分間、3.4分間、3.3分間、3.2分間、3.1分間、3分間、2.9分間、2.8分間、2.7分間、2.6分間、2.5分間、2.4分間、2.3分間、2.2分間、2.1分間、2分間、1.9分間、1.8分間、1.7分間、1.6分間、1.5分間、1.4分間、1.3分間、1.2分間、1.1分間、もしくは1分間(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値にわたって)インキュベートする工程を含む。本開示のRNA処理方法では、前述のインキュベーション時間と温度の任意の組み合わせを使用することができる。
【0051】
一部の局面では、RNA処理方法は、本開示の亜硫酸水素塩溶液中で1つまたは複数のRNA分子を、少なくとも95℃の温度で最大で12分間、少なくとも96℃の温度で最大で12分間、少なくとも97℃の温度で最大で12分間、少なくとも98℃の温度で最大で12分間、少なくとも99℃の温度で最大で12分間、少なくとも95℃の温度で最大で11分間、少なくとも96℃の温度で最大で11分間、少なくとも97℃の温度で最大で11分間、少なくとも98℃の温度で最大で11分間、少なくとも99℃の温度で最大で11分間、少なくとも95℃の温度で最大で10分間、少なくとも96℃の温度で最大で10分間、少なくとも97℃の温度で最大で10分間、少なくとも98℃の温度で最大で10分間、少なくとも99℃の温度で最大で10分間、少なくとも95℃の温度で最大で9分間、少なくとも96℃の温度で最大で9分間、少なくとも97℃の温度で最大で9分間、少なくとも98℃の温度で最大で9分間、少なくとも99℃の温度で最大で9分間、少なくとも95℃の温度で最大で8分間、少なくとも96℃の温度で最大で8分間、少なくとも97℃の温度で最大で8分間、少なくとも98℃の温度で最大で8分間、少なくとも99℃の温度で最大で8分間、少なくとも95℃の温度で最大で7分間、少なくとも96℃の温度で最大で7分間、少なくとも97℃の温度で最大で7分間、少なくとも98℃の温度で最大で7分間、少なくとも99℃の温度で最大で7分間、少なくとも95℃の温度で最大で6分間、少なくとも96℃の温度で最大で6分間、少なくとも97℃の温度で最大で6分間、少なくとも98℃の温度で最大で6分間、少なくとも99℃の温度で最大で6分間、少なくとも95℃の温度で最大で5分間、少なくとも96℃の温度で最大で5分間、少なくとも97℃の温度で最大で5分間、少なくとも98℃の温度で最大で5分間、または少なくとも99℃の温度で最大で5分間インキュベートする工程を含む。
【0052】
本明細書において開示されるように、RNA分子を本開示の亜硫酸水素塩溶液(例えば、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、亜硫酸水素アンモニウムと亜硫酸アンモニウムを含む溶液)と適切な条件下で(例えば、少なくとも95℃の温度で最大で12分間)インキュベートする工程は、RNA分子中のシトシン残基の大多数を脱アミノするのに十分である。一部の局面では、RNA分子を本開示の亜硫酸水素塩溶液と適切な条件下でインキュベートする工程の後、RNA分子の90%超はシトシン残基を含まない。一部の局面では、RNA分子の90%、90.1%、90.2%、90.3%、90.4%、90.5%、90.6%、90.7%、90.8%、90.9%、91%、91.1%、91.2%、91.3%、91.4%、91.5%、91.6%、91.7%、91.8%、91.9%、92%、92.1%、92.2%、92.3%、92.4%、92.5%、92.6%、92.7%、92.8%、92.9%、93%、93.1%、93.2%、93.3%、93.4%、93.5%、93.6%、93.7%、93.8%、93.9%、94%、94.1%、94.2%、94.3%、94.4%、94.5%、94.6%、94.7%、94.8%、94.9%、95%、95.1%、95.2%、95.3%、95.4%、95.5%、95.6%、95.7%、95.8%、95.9%、96%、96.1%、96.2%、96.3%、96.4%、96.5%、96.6%、96.7%、96.8%、96.9%、97%、97.1%、97.2%、97.3%、97.4%、97.5%、97.6%、97.7%、97.8%、97.9%、98%、98.1%、98.2%、98.3%、98.4%、98.5%、98.6%、98.7%、98.8%、98.9%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、または99.9%より多く(またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値)がシトシン残基を含まない。一部の局面では、RNA分子の99%より多くがシトシン残基を含まない。
【0053】
本開示のRNA処理方法は、例えば、RNAシトシンメチル化を検出、定量、および/または分析するために配列決定用にRNA分子を調製するのに有用であり得る。
【0054】
III.5hmC分析方法
本開示の局面は、DNAにおける5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)を検出、定量、および分析するための組成物および方法に関する。本明細書に記載のように、開示されるDNA処理方法はシトシンの迅速な脱アミノにおいて有用であり、5hmCからシトシンメチレンスルホネート(CMS)への迅速な自発的変換でも有用である。APOBEC3AはCと5mCに対して高い脱アミノ反応性を有することが報告されている
28。従って、ある特定の局面では、本開示の亜硫酸水素塩溶液(例えば、亜硫酸水素ナトリウム、または添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない、亜硫酸水素アンモニウム、例えば、50%~70%の亜硫酸水素アンモニウムを含む溶液)中でDNA分子を十分な条件下で(例えば、少なくとも95℃の温度で最大で12分間)インキュベートする工程、それに続いてDNA分子をアルカリ条件に供し、それによって、CをUに、5hmCをCMSに変換する工程を含む、5hmC分析のための方法が本明細書において開示される。この後、場合によっては、DNA分子の一部をAPOBECデアミナーゼ酵素(例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Schutsky, E., DeNizio, et al. Nat Biotechnol 36, 1083-1090 (2018)に開示される条件などの適切な条件下でのAPOBEC3A)で処理し、従って、5mCをUに変換する。この後、DNA分子を全て配列決定に供し、配列比較してオリジナルのDNA分子上にあった5hmC残基を特定する。本開示の5hmC分析法の一例の模式図を
図37に示した。
【0055】
IV.一般的なアッセイ方法
A.メチル化核酸の検出および分析
前記方法の局面は、核酸(例えば、DNA、RNA)の発現レベルおよび/またはメチル化レベルを決定するために核酸をアッセイする工程を含む。核酸メチル化を検出および分析するための、ある特定の例となる方法が本明細書おいて説明される。
【0056】
ある特定の局面では、本明細書において提供される方法は、低DNAインプットおよび/または超低DNAインプットを用いたBS処理シークエンシングライブラリーの作製を容易にする。ある特定の局面では、本明細書において提供される方法は、低RNAインプットおよび/または超低RNAインプットを用いたBS処理シークエンシングライブラリーの作製を容易にする。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、標準的BS処理と比べて、低DNAインプットおよび/または超低DNAインプットを含むアッセイにおけるバックグラウンドレベルを低減する。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、標準的BS処理と比べて、低RNAインプットおよび/または超低RNAインプットを含むアッセイにおけるバックグラウンドレベルを低減する。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、標準的BS処理と比較した時に偽陽性率を約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100倍、またはその中で導き出せる任意の範囲に等しい分だけ、あるいは約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100倍、またはその中で導き出せる任意の範囲より多い分だけ低減する。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、標準的BS処理と比較した時に真の陽性検出率を約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100パーセント、またはその中で導き出せる任意の範囲に等しい分だけ、あるいは約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100パーセント、またはその中で導き出せる任意の範囲より多い分だけ増加させる。
【0057】
一部の局面では、本明細書において提供される方法は、標準的BS処理と比べて高GC%領域における非変換C率を低減する。一部の局面では、本明細書において提供される方法は、標準的BS処理と比較した時に高GC%領域における非変換C率を約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100パーセント、またはその中で導き出せる任意の範囲に等しい分だけ、あるいは約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100パーセント、またはその中で導き出せる任意の範囲より多い分だけ低減する。
【0058】
1.HPLC-UV
HPLC-UV(高速液体クロマトグラフィー-紫外線)の技法は、1980年にKuoとその同僚によって開発され(参照により本明細書に組み入れられる、Kuo K.C. et al., Nucleic Acids Res. 1980;8:4763-4776においてさらに説明される)、加水分解されたDNA試料に存在するデオキシシチジン(dC)とメチル化シトシン(5mC)の量を定量するのに使用することができる。この方法は、DNAを、その構成要素であるヌクレオシド塩基に加水分解する工程を含み、5mCとdC塩基がクロマトグラフィーによって分離され、次いで、割合が測定される。次いで、各試料について5mC/dC比を計算することができ、これを実験試料と対照試料との間で比較することができる。
【0059】
2.LC-MS/MS
タンデム質量分析と組み合わせた液体クロマトグラフィー(LC-MS/MS)は、極めて少ない量の加水分解DNA試料を必要とするHPLC-UVへの高感度アプローチである。全シトシン残基の約2%~5%がメチル化されている哺乳動物DNAの場合、LC-MS/MSは0.05%~10%レベルのメチル化レベルの検出について検証されており、グローバルなDNAメチル化における約5%の差違に相当する、全シトシン残基の約0.25%と小さな試料間差違を確信的に検出することができる。この手順は日常的に50~100ngのDNA試料を必要とするが、これよりかなり少ない量(わずか5ng)の特性が首尾良く明らかにされてきた。
【0060】
3.ELISAベースの方法
DNAメチル化状態の素早い評価を可能にする、いくつかの市販キットがあり、全てが酵素結合免疫測定法(ELISA)をベースとする。これらのアッセイには、Cell Biolabsから入手可能なGlobal DNA Methylation ELISA; Sigma-Aldrichから入手可能な、Imprint Methylated DNA Quantification kit(サンドイッチELISA); abcamから入手可能な、EpiSeeker methylated DNA Quantification Kit; Active Motifから入手可能な、Global DNA Methylation Assay-LINE-1; Zymo Researchから入手可能な、5-mC DNA ELISA Kit; Epigentekから入手可能な、MethylFlash Methylated DNA5-mC Quantification Kit、およびMethylFlash Methylated DNA5-mC Quantification Kitが含まれる。
【0061】
簡単に述べると、DNA試料がELISAプレート上に捕獲され、(1)5Mcに対して産生された一次抗体;(2)標識二次抗体、次いで、(3)比色/蛍光検出試薬を用いた連続インキュベーション工程によってメチル化シトシンが検出される。
【0062】
Global DNAメチル化アッセイ-LINE-1は、ヒトゲノムの約17%を構成するLINE-1(long interspersed nuclear elements-1)レトロトランスポゾンのメチル化レベルを特異的に決定する。これらはグローバルなDNAメチル化の代替物として十分に確立されている。簡単に述べると、断片化DNAがビオチン化LINE-1プローブにハイブリダイズされ、次いで、その後にストレプトアビジンコーティングプレートに固定化される。洗浄およびブロッキング工程の後に、メチル化シトシンが抗5mC抗体、HRP結合二次抗体、および化学発光検出試薬を用いて定量される。試料は、既知のLINE-1メチル化レベルを有する標準物質から作成した検量線に対して定量される。
【0063】
4.LINE-1パイロシークエンシング
または、LINE-1メチル化のレベルは、DNAの亜硫酸水素塩変換と、それに続くLINE-1保存配列のPCR増幅を伴う別の方法によって評価することができる。次いで、増幅断片のメチル化状態が、約5%と少ないDNA試料間差違を分離することができるパイロシークエンシングによって定量される。この技法はLINE-1エレメントを評価し、従って、比較的少ないCpG部位を評価するが、これはグローバルなDNAメチル化変化を非常に良く反映することが示されている。この方法は、低メチル化が予後不良と非常によく関連付けられている癌試料のハイスループット分析に特によく適している。この方法はヒトDNAに特に適しているが、ラットゲノムおよびマウスゲノムに合わせられたバージョンもある。
【0064】
5.AFLPおよびRFLP
異なってメチル化された断片の検出は、従来のPCRベースの増幅断片長多型(amplification fragment length polymorphism)(AFLP)、制限断片長多型(RFLP)、または両方の組み合わせを使用するプロトコールによって成し遂げることができるだろう。
【0065】
6.LUMA
LUMA(ルミノメトリックメチル化アッセイ(luminometric methylation assay))法では、消化されたDNA鎖の突出末端をフィルインするために、並行した、およびその後のパイロシークエンシング反応において行われる2つのDNA制限消化反応の組み合わせを利用する。一方の消化反応をCpGメチル化感受性酵素HpaIIで行う。これに対して、並行反応では、全てのCCGG部位において切断するメチル化非感受性酵素MspIを使用する。酵素EcoRIが内部標準として両反応に含まれる。MspIとHpaIIはいずれもDNA切断後に5'-CGオーバーハングを生じるのに対して、EcoRIは5'-AATTオーバーハングを生成し、次いで、これらは後のパイロシークエンシングベース伸長アッセイによってフィルインされる。本質的に、HpaII/MspI比として計算される光シグナル測定値は、試料中に存在する非メチル化DNAの量に比例する。パイロシークエンシング反応に添加されるヌクレオチドの配列が既知であるので、この方法の特異性は非常に高く、ばらつきが小さい。このことは、グローバルなメチル化におけるわずかな変化を検出するのに必須である。LUMAは比較的少ない量のDNA(250~500ng)しか必要とせず、ばらつきをほとんど示さず、DNAインプット量のばらつきを説明するための内部標準の利点を有する。
【0066】
7.バイサルファイトシークエンシング
DNAの亜硫酸水素塩処理はシトシンからウラシルへの脱アミノを媒介し、これらの変換された残基はPCR増幅とその後のサンガーシークエンシング分析によって確かめられた時にチミンと読み取られる。しかしながら、5-メチルシトシン(5mC)残基は、この変換に対して抵抗性であり、そのため、相変わらずシトシンと読み取られる。従って、未処理DNA試料からのサンガーシークエンシング読み取りデータを亜硫酸水素塩処理後の同じ試料と比較するとメチル化シトシンの検出が可能になる。次世代シークエンシング(NGS)技術の出現により、このアプローチを全ゲノムにわたるDNAメチル化分析に広げることができる。非メチル化シトシンの完全変換を確実にするために、対照が亜硫酸水素塩反応に組み込まれる場合がある。
【0067】
全ゲノムバイサルファイトシークエンシング(WGBS)は亜硫酸水素塩変換の追加工程を除けば全ゲノムシークエンシングとほぼ同じである。5mCが豊富にあるゲノム画分の配列決定は安価なアプローチであるだけでなく、シークエンシングカバレッジを増加させ、従って、異なってメチル化された領域を明らかにする際の精度を高めるのを可能にする。配列決定は任意の既存のNGSプラットフォームを用いて行うことができるだろう。Illumina(商標)とLife Technologies(商標)のどちらも、このような分析のためのキットを提供する。
【0068】
バイサルファイトシークエンシング法は、ゲノムの一部分だけが配列決定される還元型バイサルファイトシークエンシング(reduced representation bisulfite sequencing)(RRBS)を含む。RRBSでは、CCGG部位を認識する(メチル化部位と非メチル化部位を両方とも切断することができる)MspI消化後に短い断片を単離することによってCpGリッチ領域が濃縮される。これにより、ヒトゲノム中のCpGアイランドの約85%が確実に単離される。次いで、WGBSと同じ亜硫酸水素塩変換とライブラリー調製を行う。通常、RRBS手順は約100ng~1μgのDNAを必要とする。
【0069】
8.亜硫酸水素塩変換を除いた方法
一部の局面では、メチル化を検出するために、亜硫酸水素塩変換を伴わない修飾塩基の直接検出が用いられる場合がある。Pacific Biosciences社は、一分子シークエンシング中にポリメラーゼのキネティクスをモニタリングすることによって直接、メチル化塩基を検出する手法を開発し、このような配列決定のための商品を提供する(参照により本明細書に組み入れられる、Flusberg B.A., et al., Nat. Methods. 2010;7:461-465においてさらに説明される)。他の方法は、直接、修飾塩基を検出することができる、ナノポアベースの一分子リアルタイムシークエンシング技術(single-molecule real-time sequencing technology)(SMRT)を含む(参照により本明細書に組み入れられる、Laszlo A.H. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2013 および Schreiber J., et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 2013において説明される)。
【0070】
9.アレイまたはビーズハイブリダイゼーション
通常、ゲノムのメチル化DNA部分は免疫沈降によって得られ、マイクロアレイとのハイブリダイゼーションに使用することができるだろう。このようなアレイの現在利用可能な例には、Human CpG Island Microarray Kit (Agilent(登録商標))、GeneChip Human Promoter 1.0R Array、およびGeneChip Human Tiling 2.0R Array Set(Affymetrix(登録商標))が含まれる。
【0071】
亜硫酸水素塩変換DNAを用いた異なってメチル化された領域の探索は様々な技法を用いて行うことができるだろう。これらの技法の一部はゲノムの一部分だけが用いられるので、その他よりも実施および分析しやすい。DNAメチル化の最も顕著な機能的効果は遺伝子プロモーター領域、エンハンサー調節エレメント、および3'非翻訳領域(3'UTR)の中で起こる。これらの特定の領域に焦点を合わせたアッセイ、例えば、Illumina(商標)によるInfinium HumanMethylation450 Bead Chipアレイを使用することができる。これらのアレイは、miRNAプロモーター、5'UTR、3'UTR、コード領域(1つの遺伝子につき約17CpG)、およびアイランドショア(island shore)(CpGアイランドの約2kb上流にある領域)を含む遺伝子のメチル化状態を検出するのに使用することができる。
【0072】
簡単に述べると、亜硫酸水素塩で処理されたゲノムDNAがアッセイオリゴと混合され、このうちの1つが(オリジナルの非メチル化シトシンから変換された)ウラシルに相補的であり、別のものが、メチル化された(従って、変換から保護された)部位のシトシンに相補的である。ハイブリダイゼーション後にプライマーが伸長され、遺伝子座特異的オリゴと連結されて、ユニバーサルPCRのためのテンプレートが作り出される。最後に、バーコード付き(bar-coded)ビーズに固定化された検出可能な産物を作り出すために標識PCRプライマーが用いられ、シグナルが測定される。それぞれの遺伝子座(個々のCpG)に対する2つのタイプのビーズ間の比が、そのメチル化レベルの指標である。
【0073】
検証研究のためにメチル化特異的プライマーの伸長を利用したキットを購入することができる。VeraCode Methylation assay from Illumina(商標)では、ユーザによって指定された96または384のCpG遺伝子座をGoldenGate(登録商標)Assay for Methylationによってアッセイする。BeadChipアッセイとは異なり、VeraCodeアッセイはスキャニングのためにBeadXpress(登録商標)Readerを必要とする。
【0074】
10.メチル感受性カットカウンティング(Methyl-Sensitive Cut Counting):エンドヌクレアーゼ消化とそれに続く配列決定
かなりの量のメチル化(または非メチル化)DNAを配列決定する代わりに、これらの領域からスニペット(snippet)を作製し、配列決定後にゲノムにマッピングすることができるだろう。さらに、NGSにおけるカバレッジは、特定の遺伝子座のメチル化レベルを定量できるほど良いかもしれない。遺伝子発現連鎖解析(serial analysis of gene expression)(SAGE)の技法がこの目的に合わせられており、メチル化特異的デジタル核型分析、ならびにメチル感受性カットカウンティング(MSCC)と呼ばれる類似技法としても知られる。
【0075】
要約すると、これらの方法の全てにおいて、メチル化感受性エンドヌクレアーゼ、例えば、HpaIIが非メチル化部位におけるゲノムDNAの初回消化に用いられ、その後に、その認識部位外で切断される、別の消化酵素、例えば、EcoP15IまたはMmeIに対する部位を含有するアダプター連結が行われる。これらの方法で、オリジナルのHpaII部位のすぐ近くに位置する小さな断片が作製される。次いで、NGSおよびゲノムへのマッピングが行われる。それぞれのHpaII部位のリードの数はそのメチル化レベルと相関する。
【0076】
最近、メチル化DNAを基質として使用する多数の制限酵素(メチル化依存性エンドヌクレアーゼ)が発見された。これらには、例えば、BisI、BlsI、GlaI、GluI、KroI、MteI、PcsI、PkrIが含まれる。これらの酵素がメチル化部位のみを切断するユニークな能力は、メチル化DNAの選択的増幅を行う方法において利用されてきた。New England Biolabsから入手可能な3つのメチル化依存性エンドヌクレアーゼ(FspEI、MspJI、およびLpnPI)は、認識部位外で切断するIIS型酵素であり、従って、CpGを含有する完全メチル化認識部位の周囲に32bpのスニペットを作製することができる。これらの短い断片は配列であり、参照ゲノムにアライメントできるかもしれない。それぞれの特定の32bp断片について得られたリードの数は、そのメチル化レベルの指標になるかもしれない。同様に、短い断片を、大腸菌(Escherichia coli)メチル特異的エンドヌクレアーゼMcrBCによってメチル化CpGアイランドから作製できるかもしれない。大腸菌メチル特異的エンドヌクレアーゼMcrBCは、DNAを、互いから50bp~3000bpの範囲内にある、(G/A)mCの2つのハーフサイトの間で切断する。
【0077】
B.配列決定
1.DNA配列決定
一部の局面では、DNAが配列決定によって分析される場合がある。DNAは、ライブラリー調製、ハイブリッド捕獲、試料品質管理、製品に利用される連結ベースのライブラリー調製、またはその組み合わせなどの当技術分野において公知の任意の方法によって配列決定のために調製することができる。DNAは任意の配列決定法のために調製することができる。一部の局面では、各試料のユニークな遺伝子読み出し情報は、1つまたは複数の高度多型SNPをジェノタイピングすることによって作成され得る。一部の局面では、配列決定、例えば、塩基対および/またはペアードエンドシークエンシングは、標的オリゴヌクレオチドの約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上のパーセントを、20x、25x、30x、35x、40x、45x、50x、もしくは50x超のカバレッジ(またはその中で導き出せる任意の範囲)で、あるいは20x、25x、30x、35x、40x、45x、50x、もしくは50x超より大きなカバレッジ(またはその中で導き出せる任意の範囲)でカバーするように実施され得る。ある特定の局面では、変異、SNPS、インデル、コピー数変化(体細胞および/もしくは生殖系列)、または他の遺伝子差違は、VarScan2、任意のRパッケージ(CopywriteRを含む)、および/またはAnnovarを含むが、これに限定されない少なくとも1つのバイオインフォマティクスツールを用いて配列決定から特定され得る。
【0078】
2.RNA配列決定
一部の局面では、RNAが配列決定によって決定される場合がある。RNAは、ポリ-A選択、cDNA合成、ストランド特異的もしくは非ストランド特異的ライブラリー調製、またはその組み合わせなどがあるが、これに限定されない、当技術分野において公知の任意の方法によって配列決定のために調製することができる。RNAは、ストランディッドスペシフィックRNAシークエンシング(stranded specific RNA sequencing)を含むが、これに限定されない任意のタイプのRNA配列決定法のために調製することができる。一部の局面では、配列決定は、ペアのリード(read)を含む、約10M、15M、20M、25M、30M、35M、40M、またはそれ以上のリードを作成するのに実施され得る。一部の局面では、配列決定は、約50bp、55bp、60bp、65bp、70bp、75bp、80bp、85bp、90bp、95bp、100bp、105bp、110bp、もしくはそれ以上(またはその中で導き出せる任意の範囲)のリード長で実施され得る。一部の局面では、生の配列決定データが、推定リードカウント(estimated read count)(RSEM)、100万のマッピングされたリードあたりの転写物1キロベースあたりの断片(fragments per kilobase of transcript per million mapped reads)(FPKM)、および/または100万のマッピングされたリードあたりの転写物1キロベースあたりのリード(reads per kilobase of transcript per million mapped reads)(RPKM)に変換され得る。
【0079】
3.例となる配列決定法
関心対象の1つまたは複数の領域を増幅し、その後に配列決定するために、DNA(亜硫酸水素塩変換DNAを含む)および/またはRNA(亜硫酸水素塩変換RNAを含む)が用いられる場合がある。従って、本開示の局面は、核酸バイオマーカーのメチル化を検出および/または定量するために核酸を配列決定する工程を含む場合がある。一部の局面では、本開示の方法は配列決定法を含む。配列決定は、本開示のある特定の方法から除外される場合がある。例となる配列決定法には、下記の配列決定法が含まれるが、これに限定されない。
【0080】
a.超並列シグネチャーシークエンシング(MPSS).
次世代シークエンシング技術の最初のものである超並列シグネチャーシークエンシング(またはMPSS)は1990年代にLynx Therapeuticsにおいて開発された。MPSSは、アダプター連結とそれに続くアダプターデコーディング、4ヌクレオチド刻みの配列の読み取りという複合アプローチを用いたビーズベースの方法であった。この方法によって、配列特異的な偏り、または特定の配列の消失に対する感度が高くなった。
【0081】
b.ポロニー(Polony)シークエンシング
ポロニーシークエンシング法は、ハーバードにあるGeorge M. Churchの研究室において開発され、最初の次世代シークエンシングシステムの中にあり、2005年に完全ゲノムを配列決定するのに用いられた。これはインビトロペアードタグ(paired-tag)ライブラリーとエマルジョンPCR、自動顕微鏡、および連結ベースのシークエンシング化学を組み合わせて、>99.9999%の正確度と、サンガーシークエンシングの約1/9の費用で大腸菌ゲノムを配列決定した。
【0082】
c.454パイロシークエンシング(商標)
パイロシークエンシングの並列化バージョンが454 Life Sciences(商標)によって開発された。454 Life Sciences(商標)はその後、Roche Diagnostics(商標)によって買収された。この方法は、油溶液中にある水滴の内部でDNAを増幅し(エマルジョンPCR)、それぞれの液滴は、後でクローンコロニーを形成する、1つのプライマーコーティングビーズに取り付けられた1つのDNAテンプレートを含有する。シークエンシングマシンは多くのピコリットル体積のウェルを備え、それぞれのウェルが1つのビーズとシークエンシング酵素を含む。パイロシークエンシングでは、新生DNAに付加された個々のヌクレオチドの検出のために光を発生させるためにルシフェラーゼを使用し、組み合わされたデータを用いて、配列の読み出し情報を作成する。この技術は、一方ではサンガーシークエンシング、他方ではSolexaおよびSOLiD(商標)と比較して中間のリード長と1塩基あたりの価格を提供する。
【0083】
d.Illumina(商標)(Solexa)シークエンシング
Solexaは、可逆的ダイターミネーター技術と、Solexaが内部で開発した操作されたポリメラーゼに基づいて配列決定法を開発した。ターミネイティッドケミストリー(terminated chemistry)はSolexaにおいて内部で開発され、Solexaシステムの概念は、ケンブリッジ大学化学部(Cambridge University's chemistry department)のBalasubramanianとKlennermanによって考案された。2004年に、Solexaは、表面でのDNAクローン増幅を伴う「DNAクラスター」に基づく超並列シークエンシング技術を獲得するためにManteia Predictive Medicine社を買収した。このクラスター技術はカルフォルニアのLynx Therapeuticsと共同で買収された。Solexa Ltd.は後にLynxと合併してSolexa Incとなった。
【0084】
この方法では、最初に、後に「DNAクラスター」という言葉がつけられた局所的クローンDNAコロニーが形成されるように、DNA分子とプライマーがスライド上に取り付けられ、ポリメラーゼを用いて増幅される。配列を決定するために4つのタイプの可逆的ターミネーター塩基(RT-塩基)が添加され、組み込まれなかったヌクレオチドは洗い流される。カメラが蛍光標識ヌクレオチドの画像を撮影し、次いで、色素が末端の3'ブロッカーと共にDNAから化学的に除去され、次のサイクルの開始が可能になる。パイロシークエンシングとは異なり、DNA鎖は一度に1つのヌクレオチドが伸長し、画像取り込みは遅れて実施することができる。これにより、1台のカメラから撮影した連続画像によってDNAコロニーの非常に大きなアレイを取り込むことが可能になる。
【0085】
酵素反応と画像取り込みを切り離すことによって、最適な処理量と、理論的に制限のない配列決定能力が可能になる。従って、最適な配置では、最終的に到達可能な機器処理量は、カメラのアナログ・デジタル変換率にカメラの数を掛け、最適に視覚化するのに必要な、1つのDNAコロニーあたりの画素数(約10画素/コロニー)で割ったものによってのみ決定される。2012年には、10MHz超のA/D変換率で動作するカメラと、利用可能な光学、流体工学、および酵素学(enzymatics)を用いて処理量は100万ヌクレオチド/秒の倍量になり得る。これは、1xカバレッジ/時/機器の1人のゲノム当量、および(1台のカメラを備えた)1台の機器で1日に(約30xで)再配列決定される1人のゲノムにほぼ相当する。
【0086】
e.SOLiD(商標)シークエンシング
SOLiD(商標)技術は、ライゲーションによる配列決定を用いる。ここでは、一定の長さの可能な全てのオリゴヌクレオチドのプールを、配列決定される位置に応じて標識する。オリゴヌクレオチドがアニールおよび連結される。マッチする配列に対するDNAリガーゼによる優先的な連結によって、その位置にあるヌクレオチドの情報を提供するシグナルが得られる。配列決定の前に、DNAはエマルジョンPCRによって増幅される。それぞれが1コピーの同じDNA分子を含む、結果として生じたビーズがガラススライド上に付着される。その結果は、Illumina(商標)シークエンシングに匹敵する量と長さの配列である。
【0087】
f.Ion Torrent(商標)半導体シークエンシング
Ion Torrent(商標) Systems Inc.は、スタンダードなシークエンシング化学の使用に基づいているが、新規の半導体ベースの検出システムを用いてシステムを開発した。この配列決定法は、他のシークエンシングシステムにおいて用いられる光学的方法とは対照的に、DNA重合中に放出される水素イオンの検出に基づいている。配列決定しようとするテンプレートDNA鎖を含有するマイクロウェルを1つのタイプのヌクレオチドで満たす。導入されたヌクレオチドがリーディングテンプレートヌクレオチドに相補的であれば、成長中の相補鎖に取り込まれる。これにより、超高感度イオンセンサを起動する水素イオンが放出され、このことは反応が起こったことを示す。ホモポリマー反復がテンプレート配列に存在すれば、複数のヌクレオチドが1回のサイクルで取り込まれる。これにより、対応する数の水素放出が起こり、比例して高い電子信号が生じる。
【0088】
g.DNA Nanoballs(商標)シークエンシング
DNA Nanoballs(商標)シークエンシングは、生物のゲノム配列全体を決定するのに用いられるハイスループットシークエンシング技術の1つのタイプである。CompleteGenomics(登録商標)社は、この技術を用いて、独立した研究者によって提出された試料を配列決定する。この方法では、ゲノムDNAの小さな断片を増幅してDNAナノボールにするためにローリングサークル増幅を使用する。次いで、ライゲーションによるアンチェインドシークエンシング(unchained sequencing by ligation)を用いてヌクレオチド配列を決定する。このDNA配列決定法を用いると、1ランにつき多数のDNAナノボールを、他の次世代シークエンシングプラットフォームと比較して少ない試薬費用で配列決定することが可能になる。しかしながら、それぞれのDNAナノボールから短いDNA配列しか決定されず、そのため、参照ゲノムへの短いリードのマッピングが難しくなる場合がある。この技術は複数のゲノム配列決定プロジェクトに用いられてきた。
【0089】
h.Heliscope一分子シークエンシング
Heliscopeシークエンシングは、Helicos Biosciencesによって開発された一分子シークエンシングの方法である。これは、DNA断片と、フローセル表面に取り付けられた添加ポリAテールアダプターを使用する。次の工程は、蛍光標識ヌクレオチドを用いた伸長ベースの配列決定とフローセルの循環洗浄(サンガー法と同様に一度に1つのヌクレオチドタイプ)を伴う。Heliscopeシークエンサーによって読み取りが行われる。読み取りは1ランあたり55塩基までと短いが、最近の改良により、ヌクレオチドのうちの1つのタイプの区画をもっと正確に読み取ることができる。この配列決定法と機器が、M13バクテリオファージのゲノムを配列決定するのに用いられてきた。
【0090】
i.一分子リアルタイム(SMRT)シークエンシング
SMRTシークエンシングは合成アプローチによる配列決定に基づいている。ゼロモード導波路(ZMW)-ウェルの底に捕獲ツールを配置した、小さなウェルに似た容器の中で、DNAを合成する。配列決定は、(ZMWの底に取り付けられた)非改変ポリメラーゼと、溶液中で自由に流れている蛍光標識ヌクレオチドを用いて行われる。ウェルは、ウェルの底のそばで生じた蛍光だけが検出されるように構築されている。ヌクレオチドがDNA鎖に組み込まれると蛍光標識はヌクレオチドから切り離され、非改変DNA鎖が残る。SMRT技術の開発業者であるPacific Biosciencesによれば、この方法を用いるとヌクレオチド修飾(例えば、シトシンメチル化)を検出することが可能になる。これはポリメラーゼキネティクスの観察を通じて起こる。このアプローチを用いると5キロベースの平均リード長(read length)で20,000ヌクレオチド以上の読み取りが可能になる。
【0091】
C.さらなるアッセイ方法
一部の局面では、方法は、標的ゲノム領域に特異的な少なくとも1対のプライマーを用いて1つまたは複数の標的ゲノム領域を増幅および/または配列決定することを伴う。ある特定の局面では、プライマーはヘプタマーである。ある特定の局面では、プライマーを合成するために、プライマーゼまたはプライマーゼ/ポリメラーゼ組み合わせ酵素などの酵素が増幅工程に添加される。
【0092】
一部の局面では、アレイを用いて本開示の核酸を検出することができる。アレイは、核酸プローブが支持体に取り付けられた固体支持体を含む。アレイは、典型的に、支持層の表面の異なる既知の場所に結合された複数の異なる核酸プローブを含む。これらのアレイは「マイクロアレイ」または通称では「チップ」とも呼ばれ、当技術分野において、例えば、米国特許第5,143,854号、同第5,445,934号、同第5,744,305号、同第5,677,195号、同第6,040,193号、同第5,424,186号、およびFodor et al., 1991)において概説されており、それぞれが、全ての目的のために、その全体が参照により組み入れられる。機械的合成方法を用いて、これらのアレイを合成するための技法が、例えば、全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,384,261号に記載される。ある特定の局面では平面のアレイ表面が用いられるが、アレイは実質的に任意の形状の表面に組み立てられてもよく、多数の表面にさえ組み立てられてもよい。アレイは、ビーズ、ゲル、ポリマー表面、繊維、例えば、光ファイバー、ガラス、または他の任意の支持層の上にある核酸でもよい。全ての目的のために、その全体が本明細書に組み入れられる、米国特許第5,770,358号、同第5,789,162号、同第5,708,153号、同第6,040,193号、および同第5,800,992号も参照されたい。
【0093】
アレイおよびマイクロアレイの使用に加えて、多数の異なるアッセイを用いて核酸を分析できることが意図される。このようなアッセイには、核増幅、ポリメラーゼ連鎖反応、定量PCR、RT-PCR、インサイチューハイブリダイゼーション、デジタルPCR、ddPCR(ドロップレットデジタルPCR)、nCounter(登録商標)(nanoString(登録商標))、BEAMing(ビーズ、エマルジョン、増幅、および磁気学)(Inostics)、ARMS(Amplification Refractory Mutation Systems)、RNA-Seq、TAm-Seg(タグ化アンプリコンディープシークエンシング)、PAP(ピロホスホロライシス活性化重合(pyrophosphorolysis-activation polymerization))、次世代RNAシークエンシング、ノザンハイブリダイゼーション、ハイブリダイゼーション保護アッセイ(HPA)(GenProbe)、分枝DNA(bDNA)アッセイ(Chiron)、ローリングサークル増幅(RCA)、一分子ハイブリダイゼーション検出(US Genomics)、インベーダーアッセイ(Invader assay)(ThirdWave Technologies)、および/またはブリッジリティゲーションアッセイ(Bridge Litigation Assay)(Genaco)が含まれるが、これに限定されない。
【0094】
増幅プライマーまたはハイブリダイゼーションプローブは、本明細書に記載のゲノム領域、バイオマーカー、プローブ、またはオリゴに相補的になるように調製することができる。本明細書で使用する「プライマー」という用語は、テンプレート依存性プロセスでの新生核酸合成のプライミングおよび/または本開示のオリゴの一本鎖もしくはその一部との対形成が可能な任意の核酸を包含することが意図される。典型的に、プライマーは、長さが10~20および/または30の核酸からのオリゴヌクレオチドであるが、それより長い配列を使用することができる。プライマーは二本鎖および/または一本鎖の形で提供されてもよいが、一本鎖の形が好ましい。
【0095】
長さが13~100ヌクレオチド、特に17~100ヌクレオチドのプライマー、または一部の局面では長さが1~2キロベースまで、もしくはそれ以上の使用によって、安定的であり、かつ選択的な二重鎖分子の形成が可能になる。得られたハイブリッド分子の安定性および/または選択性を増加させるために、長さが20塩基を超える連続領域にわたって相補的配列を有する分子が用いられる場合がある。20~30ヌクレオチドの、または所望の場合、さらに長い1つまたは複数の相補的配列を有するハイブリダイゼーション用核酸分子が設計される場合がある。このような断片は、例えば、化学的手段によって断片を直接合成することによって、または選択された配列を組換え産生用の組換えベクターに導入することによって容易に調製され得る。
【0096】
一部の局面では、それぞれのプローブ/プライマーは少なくとも15ヌクレオチドを含む。例えば、それぞれのプローブは、少なくとも20、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、400、もしくはそれ以上のヌクレオチド(またはその中で導き出せる任意の範囲)、あるいは最大で20、25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、400、もしくはそれ以上のヌクレオチド(またはその中で導き出せる任意の範囲)を含んでもよい。プローブ/プライマーは、これらの長さを有してもよく、本明細書に記載の遺伝子に同一の、または相補的な配列を有してもよい。特に、それぞれのプローブ/プライマーは比較的高い配列複雑性を有し、どの多義的(ambiguous)残基(未決定の「n」残基)も有さない。プローブ/プライマーは、ストリンジェントな、または高度にストリンジェントな条件下で、標的遺伝子に、そのRNA転写物を含めてハイブリダイズすることができる。プローブまたはプライマーは、イノシン、または特定のバイオマーカーに対する複数のヒト配列の認識に対応する他の設計実施を有してもよいことが意図される。
【0097】
高い選択性を必要とする用途の場合、典型的には、ハイブリッドを形成するために比較的高いストリンジェンシー条件を使用することが望ましい。例えば、比較的低い塩条件および/または高温条件、例えば、約50℃~約70℃の温度で約0.02M~約0.10M NaClによって提供される比較的低い塩条件および/または高温条件。プローブまたはプライマーとテンプレートまたは標的鎖との間にミスマッチがあったとしても、このような高いストリンジェンシー条件はほとんど許容せず、特定の遺伝子を単離するのに、または特定のmRNA転写物を検出するのに特に適しているだろう。漸増量のホルムアミドを添加することによって条件をよりストリンジェントにできることが一般に認められている。
【0098】
一部の局面では、試料中の核酸のレベルまたは存在量を検出および比較するために定量RT-PCR(TaqMan(商標),ABIなどがあるが、これに限定されない)が用いられる。PCRプロセスの直線部分における標的DNAの濃度は、PCRが始まる前の標的の出発濃度に比例する。同じサイクル数で完了し、直線範囲にあるPCR反応における標的DNAのPCR産物の濃度を求めることによって、最初のDNA混合物中にある特定の標的配列の相対的濃度を求めることができる。PCR産物濃度と、出発物質中の相対的存在量との間の、この正比例関係はPCR反応の直線範囲部分において当てはまる。曲線のプラトー部分における標的DNAの最終濃度は反応混合物中の試薬の入手可能性によって決定され、標的DNAの最初の濃度とは無関係である。従って、PCR反応がその曲線の直線部分にある時に、増幅PCR産物のサンプリングおよび定量が実施され得る。さらに、増幅可能なDNAの相対的濃度は、いくつかの独立した標準/対照に対して正規化することができる。標準/対照は、内部に存在するDNA種に基づいてもよく、外部から導入されたDNA種に基づいてもよい。特定のDNA種の存在量はまた、試料中の全DNA種の平均存在量と比べて求められてもよい。
【0099】
一部の局面では、PCR増幅では、1つまたは複数のPCR内部標準を利用する。内部標準は、細胞中の豊富なハウスキーピング遺伝子でもよく、具体的にはGAPDH、GUSB、およびβ-2ミクログロブリンでもよい。異なる遺伝子産物の発現レベルを直接比較できるように、これらの標準が発現レベルを正規化するのに用いられる場合がある。当業者であれば、内部標準を用いて発現レベルを正規化するやり方を知っているだろう。
【0100】
一部の試料に固有の問題は試料の量および/または質が変わりやすいことである。RT-PCRが内部標準を用いた相対的定量RT-PCRとして実施されれば、この問題は克服することができる。この場合、内部標準は、標的DNA断片と類似の、またはそれより大きな増幅可能なDNA断片であり、内部標準に相当するDNAの存在量は、標的核酸領域に相当するDNAのおよそ5~100倍である。
【0101】
一部の局面では、相対的定量RT-PCRでは外部標準プロトコールを使用する。このプロトコールのもとでPCR産物は、その増幅曲線の直線部分においてサンプリングされる。サンプリングに最適なPCRサイクルの数は、それぞれの標的DNA断片について経験的に求めることができる。さらに、様々な試料から単離された核酸は、等濃度の増幅可能なDNAに対して正規化することができる。
【0102】
核酸アレイは、異なるバイオマーカーおよび/または同じバイオマーカーにハイブリダイズし得る、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250の、またはそれ以上の異なるポリヌクレオチドプローブを含んでもよい。1つの核酸アレイにおいて同じ遺伝子に対する複数種のプローブを使用することができる。他の疾患遺伝子に対するプローブも核酸アレイに含めることができる。アレイ上のプローブ密度は任意の範囲でよい。一部の局面では、密度は、50、100、200、300、400、500、もしくはそれ以上のプローブ/cm2(またはその中で導き出せる任意の範囲)でもよく、少なくとも50、100、200、300、400、500、もしくはそれ以上のプローブ/cm2(またはその中で導き出せる任意の範囲)でもよい。
【0103】
チップベース核酸技術、例えば、Hacia et al. (1996)およびShoemaker et al. (1996)に記載のチップベース核酸技術が特に意図される。簡単に述べると、これらの技法は、多数の遺伝子を迅速かつ正確に分析するための定量的方法を伴う。遺伝子をオリゴヌクレオチドでタグ化することによって、または一定のプローブアレイを使用することによって、チップ技術を用いて標的分子を高密度アレイとして分離し、これらの分子をハイブリダイゼーションに基づいてスクリーニングすることができる(Pease et al., 1994;およびFodor et al, 1991も参照されたい)。この技術は、診断方法、予後方法、および処置方法に関して1つまたは複数の癌バイオマーカーの発現レベルの評価と一緒に用いられる場合があると意図される。
【0104】
ある特定の局面は、アレイまたはアレイから作成されたデータの使用を伴う場合がある。データは容易に入手できるだろう。さらに、データを作成するためにアレイが調製される場合があり、次いで、データが相関研究において用いられる場合がある。
【0105】
V.使用方法
A.DNAメチル化変種の特定
最近、DNAメチル化分析の分野は複数種のシトシン変種の特定と共に発展してきた。従来のDNAメチル化は、シトシンの炭素5位置にメチル基が転移して5-メチルシトシン(5mC)を生じることを伴う。しかしながら、研究から、シトシンオキシゲナーゼ酵素のTetファミリーが、5-メチルシトシンを5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)、5-ホルミルシトシン(5fC)、および5-カルボキシルシトシン(5caC)に酸化することに関与することが分かってきた。
【0106】
5-ホルミルシトシン(5fC)は、Tet酵素が5-ヒドロキシメチルシトシンに作用する時に生成されるDNA変種の1つである。Tet酵素によって5-ホルミルシトシンがさらに酸化されることで5-カルボキシルシトシンへの変換が起こる。様々なDNAメチル化変種を通じた5-メチルシトシンの酸化がDNA脱メチル機構であり、この脱メチル経路は発生および生殖細胞プログラミングの間に機能を有すると考えられている。5-ホルミルシトシンはマウス胚性幹(ES)細胞と主要なマウス臓器に存在する。このDNA修飾は受精後の父性前核(paternal pronucleus)にも現れ、これと同時に5-メチルシトシンが消失する。このことから、5-ホルミルシトシンはDNA脱メチルプロセスに関与することが示唆される。
【0107】
5-カルボキシルシトシン(5caC)は、Tet酵素が5-ヒドロキシメチルシトシンを酸化し、その後に5-ホルミルシトシンを酸化する時に生成されるDNAメチル化変種の1つとして特定されている。5-メチルシトシンから5-カルボキシルシトシンへの酸化がDNA脱メチル機構であり、この脱メチル経路は発生と生殖細胞プログラミングの間に機能を有すると考えられている。5caCはチミンDNAグリコシラーゼ(TDG)によってゲノムDNAから切り取られ、これによりシトシン残基がその非修飾状態に戻ると示唆されてきた。5-カルボキシルシトシンはマウス胚性幹(ES)細胞において特定されている。このDNA修飾は受精後の父性前核に現れ、これと同時に5-メチルシトシンが消失する。このことから、この変種はDNA脱メチル経路の一部であることが支持される。
【0108】
5-メチルシトシン(5mC)は、S-アデノシルメチオニン(AdoMetまたはSAMとも知られる)からシトシン残基の炭素5位置へのメチル基転移に起因するDNA修飾である。この転移はDNAメチルトランスフェラーゼ酵素(DNMT)によって触媒される。5-メチルシトシンは最も一般的な、かつ広く研究されている種類のDNAメチル化である。5-メチルシトシンは、通常、CpGジヌクレオチドモチーフの中で生じるが、非CpGメチル化が胚性幹細胞において特定されている。
【0109】
5-ヒドロキシメチルシトシン(5hmC)は、鉄依存性デオキシナーゼ(iron-dependent deoxygenase)のTetファミリーによる5-メチルシトシン(5mC)の酵素的酸化の結果として生じるDNAメチル化修飾である3。5-ヒドロキシメチルシトシンはマウスプルキンエ細胞および顆粒ニューロンなどのある特定の哺乳動物組織において多量に発見することができる。または、5hmCはDNMTタンパク質によるDNAシトシンへのホルムアルデヒド付加によって生じることがある。
【0110】
エピジェネティック修飾を区別するための他の方法が提供されている。本方法を、当技術分野において開示される他の方法と共に適用し、組み合わせることができることが意図される。当技術分野において開示される方法の例には、米国特許第8,741,567号、米国特許第9,611,510号、PCT出願公開WO201416577、米国特許第11,130,991号、および米国特許出願公開第2021/0310062号が含まれる。これらのそれぞれが、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。一部の局面では、本方法は、上記で参照された特許および特許出願公報に記載の工程を含んでもよく、除外してもよい。
【0111】
B.臨床用途および診断用途
本開示の方法は、臨床目的および/または診断目的のためにDNAおよび/またはRNAを評価するのに有用な場合がある。ある特定の局面は、DNAを評価するための方法に関する。ある特定の局面は、RNAを評価するための方法に関する。ある特定の局面は、DNA分子および/またはRNA分子を含む試料を評価するための方法に関する。この評価は、特定のシトシン修飾の検出または決定でもよく、特定の修飾の差次的な検出または決定でもよい。
【0112】
試料は、生検材料、例えば、穿刺吸引、コア針生検、吸引生検、切開生検、摘除生検、パンチ生検、薄片生検、または皮膚生検に由来してもよい。ある特定の局面では、試料は、以前に述べられた任意の生検方法によって癌組織に由来する生検材料から入手される。ある特定の局面では、試料は、胆嚢、皮膚、心臓、肺、乳房、膵臓、肝臓、筋肉、腎臓、平滑筋、膀胱、結腸、腸、脳、前立腺、食道、または甲状腺組織を含むが、これに限定されない、本明細書において提供される任意の組織から入手されてもよい。または、試料は、血液、汗、毛包、頬組織、涙、月経分泌物、糞便、または唾液を含むが、これに限定されない他の任意の供給源から入手されてもよい。ある特定の局面では、試料は、嚢胞液または腫瘍もしくは新生物に由来する体液から入手される。ある特定の局面では、嚢胞、腫瘍、または新生物は結腸直腸の嚢胞、腫瘍、または新生物である。本方法のある特定の局面では、医師、看護師、または医療技師などの任意の医療従事者が検査のために生物学的試料を入手することができる。なおさらに、ある特定の局面では医療従事者の助け無しで生物学的試料を入手することができる。
【0113】
試料には、対象の組織、細胞、または細胞からの、もしくは細胞に由来する生物学的材料が含まれ得るが、これに限定されない。一部の局面では、試料は無細胞DNAを含む。一部の局面では、試料は受精卵、接合子、胚盤胞、または割球を含む。生物学的試料は細胞または組織の不均一な集団でもよく均一な集団でもよい。生物学的試料は、本明細書に記載の分析方法に適した試料を提供することができる当業者に公知の任意の方法を用いて入手することができる。試料は、皮膚または子宮頸部の掻爬、頬の拭き取り、唾液採取、採尿、糞便採取、月経分泌物、涙、または精液の採取を含むが、これに限定されない非侵襲的方法によって入手されてもよい。
【0114】
一部の局面では、本開示の方法は、疾患または病気の新規のバイオマーカーの発見において使用することができる。一部の局面では、本開示の方法は、患者における、ある特定の疾患または条件に対する予後を示すために、患者に由来する試料に対して実施することができる。一部の局面では、本開示の方法は、特定の療法に対する患者の応答を予測するために、患者に由来する試料に対して実施することができる。一部の局面では、疾患は癌を含む。例えば、癌は、膵臓癌、結腸癌、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連癌、AIDS関連リンパ腫、肛門癌、虫垂癌、星状細胞腫、小児小脳または大脳基底細胞癌、胆管癌、肝外膀胱癌、骨癌、骨肉腫/悪性線維性組織球腫、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、小脳星状細胞腫脳腫瘍、大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫脳腫瘍、上衣腫脳腫瘍、髄芽腫脳腫瘍、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍(supratentorial primitive neuroectodermal tumor)脳腫瘍、視路および視床下部の神経膠腫、乳癌、リンパ癌、気管支腺腫/カルチノイド、気管癌、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、小児カルチノイド腫瘍、原発不明の胃腸癌、中枢神経系リンパ腫、原発性小脳星状細胞腫、小児大脳星状細胞腫/悪性神経膠腫、小児子宮頸癌、小児癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性障害、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞性腫瘍(desmoplastic small round cell tumor)、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング、小児性腺外胚細胞腫瘍(extragonadal Germ cell tumor)、肝外胆管癌、眼の癌、眼内黒色腫である眼の癌、網膜芽細胞腫、胆嚢癌、胃(gastric)(胃(stomach))癌、胃腸カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(GIST)、生殖細胞腫瘍:頭蓋外、性腺外、または卵巣、妊娠性絨毛性腫瘍、脳幹の神経膠腫、神経膠腫、小児大脳星状細胞腫、小児視路および視床下部の神経膠腫、胃カルチノイド、毛様細胞性白血病、頭頸部癌、心臓癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、視床下部および視路の神経膠腫、小児眼内黒色腫、島細胞癌(内分泌膵臓)、カポジ肉腫、腎臓癌(腎臓細胞癌)、喉頭癌、白血病、急性リンパ芽球性(急性リンパ球性白血病とも呼ばれる)白血病、急性骨髄球性(急性骨髄性白血病とも呼ばれる)白血病、慢性リンパ性(慢性リンパ性白血病とも呼ばれる)白血病、慢性骨髄性(慢性骨髄白血病とも呼ばれる)白血病、ヘアリーセル唇および口腔癌、脂肪肉腫、肝臓癌(原発性)、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキン(ホジキンリンパ腫を除く全てのリンパ腫の古い分類)リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫/骨肉腫、小児髄芽腫、黒色腫、眼内(眼)黒色腫、メルケル細胞癌、成人悪性中皮腫、小児中皮腫、転移性扁平上皮頸部癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、菌状息肉腫、骨髄異形成症候群、骨髄異形成性/骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、成人急性骨髄白血病、小児急性骨髄白血病、多発性骨髄腫、慢性骨髄増殖性障害、鼻腔および副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫/悪性、骨の線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣上皮癌(表面上皮-間質腫瘍)、卵巣生殖細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、島細胞副鼻腔および鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、クロム親和細胞腫、松果体星状細胞腫、松果体胚細胞腫、松果体芽腫およびテント上未分化神経外胚葉性腫瘍、小児下垂体腺腫、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌(腎臓癌)、腎盂および尿管の移行上皮癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、小児唾液腺癌肉腫、腫瘍のユーイングファミリー、カポジ肉腫、軟部組織肉腫、子宮セザリー症候群肉腫、皮膚癌(非黒色腫)、皮膚癌(黒色腫)、皮膚癌、メルケル細胞小細胞肺癌、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、原発不明扁平上皮性頸部癌(squamous neck cancer with occult primary)、転移性胃癌、テント上未分化神経外胚葉性腫瘍、小児T細胞リンパ腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫、小児胸腺腫、胸腺癌、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、子宮内膜子宮肉腫、腟癌、視路および視床下部の神経膠腫、小児外陰癌、ならびにウィルムス腫瘍(腎臓癌)でもよい。
【0115】
一部の局面では、癌は卵巣癌、前立腺癌、結腸癌、または肺癌を含む。一部の局面では、前記方法は、本開示の方法を用いて無細胞DNAを評価することによって卵巣癌、前立腺癌、結腸癌、または肺癌の新規のバイオマーカーを決定するためのものである。一部の態様では、本開示の方法は、妊娠した雌から単離された胎児DNAに対して用いられる場合がある。一部の局面では、本開示の方法は、妊娠した雌から単離された胎児DNAを用いて出生前診断に用いられる場合がある。一部の局面では、本開示の方法は、胚の品質または特定の疾患マーカーの存在もしくは非存在を決定するための、接合子または胚盤胞などの受精済みの胚の評価に用いられる場合がある。
【0116】
一部の局面では、本明細書において開示される方法は、低インプット濃度のDNAおよび/またはRNAに対して行われる。一部の局面では、低インプットDNAおよび/またはRNA濃度は、約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、もしくは15ナノグラム、またはその中で導き出せる任意の範囲であるか、あるいは約0.01、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、0.50、0.55、0.60、0.65、0.70、0.75、0.80、0.85、0.90、0.95、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、もしくは15ナノグラム、またはその中で導き出せる任意の範囲より少ない。一部の局面では、低インプットDNAおよび/またはRNA濃度は、約1~10ng、5~10ng、10~50ng、または10~100ngの総DNAおよび/またはRNAである。一部の局面では、DNAおよび/またはRNAの低インプット濃度は、約1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、125個、150個、175個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、もしくは500個の細胞、または約1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、55個、60個、65個、70個、75個、80個、85個、90個、95個、100個、125個、150個、175個、200個、250個、300個、350個、400個、450個、もしくは500個より少ない細胞から入手される。
【0117】
VI.試料調製物
ある特定の局面では、方法は、対象から試料(「生物学的試料」とも)を入手する工程を伴う。本明細書において提供される入手する方法は、生検方法、例えば、穿刺吸引、コア針生検、吸引生検、切開生検、摘除生検、パンチ生検、薄片生検、液体生検、または皮膚生検を含んでもよい。ある特定の局面では、試料は、以前に述べられた任意の生検方法によって組織に由来する生検材料から入手される。ある特定の局面では、試料は、非癌組織または癌組織、および血清、胆嚢、粘膜、皮膚、心臓、肺、乳房、膵臓、血液、肝臓、筋肉、腎臓、平滑筋、膀胱、結腸、腸、脳、前立腺、食道、または甲状腺組織からの非癌組織または癌組織を含むが、これに限定されない、本明細書において提供される任意の組織から入手することができる。または、試料は、血液、汗、毛包、頬組織、涙、月経分泌物、糞便、または唾液を含むが、これに限定されない他の任意の供給源から入手することができる。本方法のある特定の局面では、医師、看護師、または医療技師などの任意の医療従事者が検査のために生物学的試料を入手することができる。なおさらに、医療従事者の助け無しで生物学的試料を入手することができる。
【0118】
生物学的試料には、対象の組織、細胞、または細胞からの、もしくは細胞に由来する生物学的材料が含まれ得るが、これに限定されない。一部の局面では、生物学的試料はエキソソームなどの細胞外小胞を含む。生物学的試料は細胞または組織の不均一な集団でもよく、均一な集団でもよい。生物学的試料は無細胞試料でもよい。生物学的試料は、本明細書に記載の分析方法に適した試料を提供することができる、当技術分野において公知の任意の方法を用いて入手することができる。試料は、皮膚または子宮頸部の掻爬、頬の拭き取り、唾液採取、脳脊髄液の採取、採尿、糞便採取、月経分泌物、涙、または精液の採取を含むが、これに限定されない非侵襲的方法によって入手されてもよい。
【0119】
試料は、当技術分野において公知の方法によって入手することができる。ある特定の局面では、試料は生検によって入手される。ある特定の局面では、試料は、拭き取り、内視鏡検査、掻爬、静脈切開、または当技術分野において公知の他の任意の方法によって入手される。場合によっては、試料は、本方法のキットの成分を用いて入手、保管、または輸送されることがある。場合によっては、複数の試料が診断のために本明細書に記載の方法によって入手されることがある。他の場合では、複数の試料、例えば、1つの組織に由来する1つまたは複数の試料および別の標本(例えば、血清)に由来する1つまたは複数の試料が診断のために前記方法によって入手されることがある。場合によっては、複数の試料、例えば、1つの組織タイプに由来する1つまたは複数の試料および別の標本(例えば、血清)に由来する1つまたは複数の試料が同じ時間または異なる時間で入手されることがある。試料は異なる時間で入手されることがあり、異なる方法によって保管および/または分析される。例えば、試料は日常的な染色方法または他の任意の細胞学的分析方法によって入手および分析されることがある。
【0120】
一部の局面では、生物学的試料は、医師、看護師、医療技師などの他の医療従事者、内分泌学者、細胞学者、瀉血医、放射線科医、または呼吸器科医によって入手されてもよい。医療従事者は、試料に対して実施する適切な試験またはアッセイを示すことがある。ある特定の局面では、分子プロファイリングビジネスが、どのアッセイまたは試験が最も適切に指示されるのかについて意見を聞くことがある。本方法のさらなる局面では、患者または対象は、全血試料、尿試料、糞便試料、頬試料、または唾液試料の入手など、医療従事者の助け無しで試験のために生物学的試料を入手することがある。
【0121】
他の場合では、試料は、生検、針吸引、内視鏡検査、または静脈切開を含むが、これに限定されない侵襲的手順によって入手される。針吸引の方法は穿刺吸引、コア針生検、吸引生検、またはラージコア生検をさらに含んでもよい。一部の局面では、十分な量の生物学的材料を保証するために複数の試料が本明細書中の方法によって入手されてもよい。
【0122】
生物学的試料を入手するための一般的方法も当技術分野において公知である。その全体が参照により本明細書に組み入れられる、Ramzy, Ibrahim Clinical Cytopathology and Aspiration Biopsy 2001などの刊行物が生検のための一般的方法および細胞学的方法について述べている。一部の局面では、試料は組織または疑わしい腫瘍もしくは新生物の細針吸引液である。場合によっては、細針吸引液サンプリング手順は超音波、X線、または他のイメージング装置の使用によってガイドされることがある。
【0123】
本方法の一部の局面では、分子プロファイリングビジネスが、生物学的試料を直接、対象から、医療従事者から、第三者から、または分子プロファイリングビジネスもしくは第三者によって提供されるキットから入手する場合がある。場合によっては、対象、医療従事者、または第三者が生物学的試料を取得し、分子プロファイリングビジネスに発送した後に、生物学的試料は分子プロファイリングビジネスによって入手されることがある。場合によっては、分子プロファイリングビジネスは、適切な容器と、生物学的試料を保管するための、および生物学的試料を分子プロファイリングビジネスに輸送するための賦形剤を提供することがある。
【0124】
本明細書に記載の方法の一部の局面では、医療従事者が初回診断または試料取得に関与する必要はない。代わりに、個人が一般用医薬品(over the counter)(OTC)キットを用いて試料を入手してもよい。OTCキットは、本明細書に記載のように前記試料を入手するための手段、検査のために前記試料を保管するための手段、およびキットを正しく使用するための説明書を備えてもよい。場合によっては、分子プロファイリングサービスはキット購入の価格に含まれている。他の場合では、分子プロファイリングサービスの請求書が別々に送られる。分子プロファイリングビジネスによる使用に適した試料は、試験しようとする個体の組織、細胞、核酸、遺伝子、遺伝子断片、発現産物、遺伝子発現産物、または遺伝子発現産物断片を含有する任意の材料でもよい。試料の適性および/または妥当性を決定するための方法が提供される。
【0125】
一部の局面では、対象は腫瘍医、外科医、または内分泌学者などの専門家に紹介されることがある。専門家は同様に検査のために生物学的試料を入手してもよく、生物学的試料を提出するために個人を検査センターまたは検査室に紹介することがある。場合によっては、医療従事者は生物学的試料を提出するために対象を検査センターまたは検査室に紹介することがある。他の場合では、対象は試料を提供することがある。場合によっては、分子プロファイリングビジネスが試料を入手することがある。
【0126】
VII.キット
本開示の方法の実施において有用であり得るキットも本明細書において開示される。キットの中身は、本開示全体を通して説明される1種もしくは複数種の試薬、および/または本開示全体を通して説明される1つもしくは複数の工程を実施するための当技術分野において公知の1種もしくは複数種の試薬を含んでもよい。例えば、キットは、以下:亜硫酸水素塩、亜硫酸水素アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム一水和物、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウムを含む亜硫酸水素塩溶液、亜硫酸水素アンモニウムと亜硫酸アンモニウムを含む亜硫酸水素塩溶液、70%亜硫酸水素アンモニウム溶液、50%亜硫酸水素アンモニウム溶液、50%~70%の亜硫酸水素アンモニウム溶液、APOBECデアミナーゼ酵素、APOBEC3A、ヌクレアーゼフリー水、1つまたは複数のプライマー、ポリエチレングリコール、磁気ビーズ、DNAポリメラーゼ、taqポリメラーゼ、DNAリガーゼ、RNAリガーゼ、逆転写酵素、dNTP、DNAポリメラーゼ緩衝液、RNAポリメラーゼ、DTT、酸化還元試薬、Mg2+、K+、アダプター、DNAアダプター、RNAプロモーターを含むDNA、プロテアーゼ、アルカリ性溶液、水酸化ナトリウム溶液、およびNTPの1つまたは複数を備えてもよい。前述の成分のいずれか1つまたは複数が、本開示のある特定の局面ではキットから除外されてもよい。一部の局面では、本開示のキットは、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない。一部の局面では、本開示のキットは、亜硫酸アンモニウムも、添加された亜硫酸アンモニウムも含まない。
【0127】
ある特定の局面では、本開示のキットは、亜硫酸水素アンモニウムを含む溶液を含む。一部の局面では、前記溶液は、50重量%~70重量%の中で導き出せる任意の範囲または値を含む、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、本開示のキットは、少なくとも50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約50重量%、50.1重量%、50.2重量%、50.3重量%、50.4重量%、50.5重量%、50.6重量%、50.7重量%、50.8重量%、50.9重量%、51重量%、51.1重量%、51.2重量%、51.3重量%、51.4重量%、51.5重量%、51.6重量%、51.7重量%、51.8重量%、51.9重量%、52重量%、52.1重量%、52.2重量%、52.3重量%、52.4重量%、52.5重量%、52.6重量%、52.7重量%、52.8重量%、52.9重量%、53重量%、53.1重量%、53.2重量%、53.3重量%、53.4重量%、53.5重量%、53.6重量%、53.7重量%、53.8重量%、53.9重量%、54重量%、54.1重量%、54.2重量%、54.3重量%、54.4重量%、54.5重量%、54.6重量%、54.7重量%、54.8重量%、54.9重量%、55重量%、55.1重量%、55.2重量%、55.3重量%、55.4重量%、55.5重量%、55.6重量%、55.7重量%、55.8重量%、55.9重量%、56重量%、56.1重量%、56.2重量%、56.3重量%、56.4重量%、56.5重量%、56.6重量%、56.7重量%、56.8重量%、56.9重量%、57重量%、57.1重量%、57.2重量%、57.3重量%、57.4重量%、57.5重量%、57.6重量%、57.7重量%、57.8重量%、57.9重量%、58重量%、58.1重量%、58.2重量%、58.3重量%、58.4重量%、58.5重量%、58.6重量%、58.7重量%、58.8重量%、58.9重量%、59重量%、59.1重量%、59.2重量%、59.3重量%、59.4重量%、59.5重量%、59.6重量%、59.7重量%、59.8重量%、59.9重量%、60重量%、60.1重量%、60.2重量%、60.3重量%、60.4重量%、60.5重量%、60.6重量%、60.7重量%、60.8重量%、60.9重量%、61重量%、61.1重量%、61.2重量%、61.3重量%、61.4重量%、61.5重量%、61.6重量%、61.7重量%、61.8重量%、61.9重量%、62重量%、62.1重量%、62.2重量%、62.3重量%、62.4重量%、62.5重量%、62.6重量%、62.7重量%、62.8重量%、62.9重量%、63重量%、63.1重量%、63.2重量%、63.3重量%、63.4重量%、63.5重量%、63.6重量%、63.7重量%、63.8重量%、63.9重量%、64重量%、64.1重量%、64.2重量%、64.3重量%、64.4重量%、64.5重量%、64.6重量%、64.7重量%、64.8重量%、64.9重量%、65重量%、65.1重量%、65.2重量%、65.3重量%、65.4重量%、65.5重量%、65.6重量%、65.7重量%、65.8重量%、65.9重量%、66重量%、66.1重量%、66.2重量%、66.3重量%、66.4重量%、66.5重量%、66.6重量%、66.7重量%、66.8重量%、66.9重量%、67重量%、67.1重量%、67.2重量%、67.3重量%、67.4重量%、67.5重量%、67.6重量%、67.7重量%、67.8重量%、67.9重量%、68重量%、68.1重量%、68.2重量%、68.3重量%、68.4重量%、68.5重量%、68.6重量%、68.7重量%、68.8重量%、68.9重量%、69重量%、69.1重量%、69.2重量%、69.3重量%、69.4重量%、69.5重量%、69.6重量%、69.7重量%、69.8重量%、69.9重量%、もしくは70重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む溶液を含む。一部の局面では、前記溶液は、少なくとも66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%、66.96重量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、
66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%、66.96重量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約66重量%、66.01重量%、66.02重量%、66.03重量%、66.04重量%、66.05重量%、66.06重量%、66.07重量%、66.08重量%、66.09重量%、66.1重量%、66.11重量%、66.12重量%、66.13重量%、66.14重量%、66.15重量%、66.16重量%、66.17重量%、66.18重量%、66.19重量%、66.2重量%、66.21重量%、66.22重量%、66.23重量%、66.24重量%、66.25重量%、66.26重量%、66.27重量%、66.28重量%、66.29重量%、66.3重量%、66.31重量%、66.32重量%、66.33重量%、66.34重量%、66.35重量%、66.36重量%、66.37重量%、66.38重量%、66.39重量%、66.4重量%、66.41重量%、66.42重量%、66.43重量%、66.44重量%、66.45重量%、66.46重量%、66.47重量%、66.48重量%、66.49重量%、66.5重量%、66.51重量%、66.52重量%、66.53重量%、66.54重量%、66.55重量%、66.56重量%、66.57重量%、66.58重量%、66.59重量%、66.6重量%、66.61重量%、66.62重量%、66.63重量%、66.64重量%、66.65重量%、66.66重量%、66.67重量%、66.68重量%、66.69重量%、66.7重量%、66.71重量%、66.72重量%、66.73重量%、66.74重量%、66.75重量%、66.76重量%、66.77重量%、66.78重量%、66.79重量%、66.8重量%、66.81重量%、66.82重量%、66.83重量%、66.84重量%、66.85重量%、66.86重量%、66.87重量%、66.88重量%、66.89重量%、66.9重量%、66.91重量%、66.92重量%、66.93重量%、66.94重量%、66.95重量%、66.96重量%、66.97重量%、66.98重量%、66.99重量%、もしくは67重量%の亜硫酸水素アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は約66.67重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む。
【0128】
一部の局面では、前記溶液は亜硫酸アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、少なくとも5重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、7重量%、7.1重量%、7.2重量%、7.3重量%、7.4重量%、7.5重量%、7.6重量%、7.7重量%、7.8重量%、7.9重量%、8重量%、8.1重量%、8.2重量%、8.3重量%、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、8.7重量%、8.8重量%、8.9重量%、9重量%、9.1重量%、9.2重量%、9.3重量%、9.4重量%、9.5重量%、9.6重量%、9.7重量%、9.8重量%、9.9重量%、10重量%、10.1重量%、10.2重量%、10.3重量%、10.4重量%、10.5重量%、10.6重量%、10.7重量%、10.8重量%、10.9重量%、11重量%、11.1重量%、11.2重量%、11.3重量%、11.4重量%、11.5重量%、11.6重量%、11.7重量%、11.8重量%、11.9重量%、12重量%、12.1重量%、12.2重量%、12.3重量%、12.4重量%、12.5重量%、12.6重量%、12.7重量%、12.8重量%、12.9重量%、13重量%、13.1重量%、13.2重量%、13.3重量%、13.4重量%、13.5重量%、13.6重量%、13.7重量%、13.8重量%、13.9重量%、14重量%、14.1重量%、14.2重量%、14.3重量%、14.4重量%、14.5重量%、14.6重量%、14.7重量%、14.8重量%、14.9重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で5重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、7重量%、7.1重量%、7.2重量%、7.3重量%、7.4重量%、7.5重量%、7.6重量%、7.7重量%、7.8重量%、7.9重量%、8重量%、8.1重量%、8.2重量%、8.3重量%、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、8.7重量%、8.8重量%、8.9重量%、9重量%、9.1重量%、9.2重量%、9.3重量%、9.4重量%、9.5重量%、9.6重量%、9.7重量%、9.8重量%、9.9重量%、10重量%、10.1重量%、10.2重量%、10.3重量%、10.4重量%、10.5重量%、10.6重量%、10.7重量%、10.8重量%、10.9重量%、11重量%、11.1重量%、11.2重量%、11.3重量%、11.4重量%、11.5重量%、11.6重量%、11.7重量%、11.8重量%、11.9重量%、12重量%、12.1重量%、12.2重量%、12.3重量%、12.4重量%、12.5重量%、12.6重量%、12.7重量%、12.8重量%、12.9重量%、13重量%、13.1重量%、13.2重量%、13.3重量%、13.4重量%、13.5重量%、13.6重量%、13.7重量%、13.8重量%、13.9重量%、14重量%、14.1重量%、14.2重量%、14.3重量%、14.4重量%、14.5重量%、14.6重量%、14.7重量%、14.8重量%、14.9重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約5重量%、5.1重量%、5.2重量%、5.3重量%、5.4重量%、5.5重量%、5.6重量%、5.7重量%、5.8重量%、5.9重量%、6重量%、6.1重量%、6.2重量%、6.3重量%、6.4重量%、6.5重量%、6.6重量%、6.7重量%、6.8重量%、6.9重量%、7重量%、7.1重量%、7.2重量%、7.3重量%、7.4重量%、7.5重量%、7.6重量%、7.7重量%、7.8重量%、7.9重量%、8重量%、8.1重量%、8.2重量%、8.3重量%、8.4重量%、8.5重量%、8.6重量%、8.7重量%、8.8重量%、8.9重量%、9重量%、9.1重量%、9.2重量%、9.3重量%、9.4重量%、9.5重量%、9.6重量%、9.7重量%、9.8重量%、9.9重量%、10重量%、10.1重量%、10.2重量%、10.3重量%、10.4重量%、10.5重量%、10.6重量%、10.7重量%、10.8重量%、10.9重量%、11重量%、11.1重量%、11.2重量%、11.3重量%、11.4重量%、11.5重量%、11.6重量%、11.7重量%、11.8重量%、11.9重量%、12重量%、12.1重量%、12.2重量%、12.3重量%、12.4重量%、12.5重量%、12.6重量%、12.7重量%、12.8重量%、12.9重量%、13重量%、13.1重量%、13.2重量%、13.3重量%、13.4重量%、13.5重量%、13.6重量%、13.7重量%、13.8重量%、13.9重量%、14重量%、14.1重量%、14.2重量%、14.3重量%、14.4重量%、14.5重量%、14.6重量%、14.7重量%、14.8重量%、14.9重量%、もしくは15重量%の亜硫酸アンモニウム、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値を含む。一部の局面では、前記溶液は、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、もしくはそれ以下の濃度で、または0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、もしくはそれ以下より小さな濃度で亜硫酸アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、1重量%、0.1重量%、0.01重量%、0.001重量%、もしくは0.0001重量%、またはそれ以下より小さな亜硫酸水素アンモニウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、1重量%、0.1重量%、0.01重量%、0.001重量%、または0.0001重量%、またはそれ以下より小さな亜硫酸アンモニウムを含む。ある特定の局面では、前記溶液は、亜硫酸アンモニウムも、添加された亜硫酸アンモニウムも含まない。
【0129】
一部の局面では、前記溶液は、亜硫酸アンモニウムも、添加された亜硫酸アンモニウムも含まない。一部の局面では、前記溶液は、1M、0.9M、0.8M、0.7M、0.6M、0.5M、0.4M、0.3M、0.2M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下の濃度で、または1M、0.9M、0.8M、0.7M、0.6M、0.5M、0.4M、0.3M、0.2M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下より小さな濃度で亜硫酸アンモニウムを含む。
【0130】
一部の局面では、前記溶液は、6.5M~10Mの中で導き出せる任意の範囲または値を含む、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は、少なくとも6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、最大で6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは約6.5M、6.6M、6.7M、6.8M、6.9M、7M、7.1M、7.2M、7.3M、7.4M、7.5M、7.6M、7.7M、7.8M、7.9M、8M、8.1M、8.2M、8.3M、8.4M、8.5M、8.6M、8.7M、8.8M、8.9M、9M、9.1M、9.2M、9.3M、9.4M、9.5M、9.6M、9.7M、9.8M、9.9M、もしくは10M、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、一部の局面では、前記溶液は約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である。一部の局面では、前記溶液は、pH4.8~5.4の中で導き出せる任意の範囲または値を含む、4.8~5.4のpHを有する。一部の局面では、前記溶液のpHは、少なくとも4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、もしくは5.4、最大で4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、もしくは5.4、または約4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、もしくは5.4である。一部の局面では、前記溶液のpHは約5.1である。
【0131】
一部の局面では、前記溶液は、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない。一部の局面では、前記溶液は、1M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、またはそれ以下より小さな濃度でナトリウムを含む。一部の局面では、前記溶液はナトリウムを含まない。
【0132】
一部の局面では、前記溶液は、亜硫酸水素ナトリウムも、添加された亜硫酸水素ナトリウムも含まない。一部の局面では、前記溶液は、1M、0.9M、0.8M、0.7M、0.6M、0.5M、0.4M、0.3M、0.2M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下の濃度で、または1M、0.9M、0.8M、0.7M、0.6M、0.5M、0.4M、0.3M、0.2M、0.1M、0.01M、1x10-3M、1x10-4M、1x10-5M、1x10-6M、1x10-7M、1x10-8M、1x10-9M、1x10-10M、1x10-11M、1x10-12M、1x10-13M、1x10-14M、1x10-15M、1x10-16M、1x10-17M、1x10-18M、1x10-19M、1x10-20M、もしくはそれ以下より小さな濃度で亜硫酸水素ナトリウムを含む。一部の局面では、前記溶液は、1重量%、0.1重量%、0.01重量%、0.001重量%、もしくは0.0001重量%、またはそれ以下より小さな亜硫酸水素ナトリウムを含む。
【0133】
ある特定の局面では、本開示のキットは、DNA試料またはRNA試料などの核酸試料を処理するための説明書を含む。説明書は、本明細書において開示される方法においてキットの1つまたは複数の成分を使用するための説明書きを含んでもよい。例えば、説明書は、核酸試料を亜硫酸水素塩溶液とインキュベートするための説明書き、亜硫酸水素塩溶液と核酸試料を混合するための説明書き、核酸を亜硫酸水素塩処理するための説明書き、試料から核酸を単離するための説明書き、核酸増幅のための説明書き、および配列決定のために試料を調製するための説明書きの1つまたは複数を含んでもよい。核酸試料を亜硫酸水素塩溶液とインキュベートするための説明書は、15分間、14分間、13分間、12分間、11分間、10分間、9分間、8分間、7分間、6分間、5分間、4分間、3分間、2分間、もしくは1分間、またはそれ以下、あるいはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値、あるいは最大で15分間、14分間、13分間、12分間、11分間、10分間、9分間、8分間、7分間、6分間、5分間、4分間、3分間、2分間、もしくは1分間、またはそれ以下、あるいはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値にわたって、試料と前記溶液をインキュベートするための説明書きを含んでもよい。核酸試料を亜硫酸水素塩溶液とインキュベートするための説明書は、80℃、80.1℃、80.2℃、80.3℃、80.4℃、80.5℃、80.6℃、80.7℃、80.8℃、80.9℃、81℃、81.1℃、81.2℃、81.3℃、81.4℃、81.5℃、81.6℃、81.7℃、81.8℃、81.9℃、82℃、82.1℃、82.2℃、82.3℃、82.4℃、82.5℃、82.6℃、82.7℃、82.8℃、82.9℃、83℃、83.1℃、83.2℃、83.3℃、83.4℃、83.5℃、83.6℃、83.7℃、83.8℃、83.9℃、84℃、84.1℃、84.2℃、84.3℃、84.4℃、84.5℃、84.6℃、84.7℃、84.8℃、84.9℃、85℃、85.1℃、85.2℃、85.3℃、85.4℃、85.5℃、85.6℃、85.7℃、85.8℃、85.9℃、86℃、86.1℃、86.2℃、86.3℃、86.4℃、86.5℃、86.6℃、86.7℃、86.8℃、86.9℃、87℃、87.1℃、87.2℃、87.3℃、87.4℃、87.5℃、87.6℃、87.7℃、87.8℃、87.9℃、88℃、88.1℃、88.2℃、88.3℃、88.4℃、88.5℃、88.6℃、88.7℃、88.8℃、88.9℃、89℃、89.1℃、89.2℃、89.3℃、89.4℃、89.5℃、89.6℃、89.7℃、89.8℃、89.9℃、90℃、90.1℃、90.2℃、90.3℃、90.4℃、90.5℃、90.6℃、90.7℃、90.8℃、90.9℃、91℃、91.1℃、91.2℃、91.3℃、91.4℃、91.5℃、91.6℃、91.7℃、91.8℃、91.9℃、92℃、92.1℃、92.2℃、92.3℃、92.4℃、92.5℃、92.6℃、92.7℃、92.8℃、92.9℃、93℃、93.1℃、93.2℃、93.3℃、93.4℃、93.5℃、93.6℃、93.7℃、93.8℃、93.9℃、94℃、94.1℃、94.2℃、94.3℃、94.4℃、94.5℃、94.6℃、94.7℃、94.8℃、94.9℃、95℃、95.1℃、95.2℃、95.3℃、95.4℃、95.5℃、95.6℃、95.7℃、95.8℃、95.9℃、96℃、96.1℃、96.2℃、96.3℃、96.4℃、96.5℃、96.6℃、96.7℃、96.8℃、96.9℃、97℃、97.1℃、97.2℃、97.3℃、97.4℃、97.5℃、97.6℃、97.7℃、97.8℃、97.9℃、98℃、98.1℃、98.2℃、98.3℃、98.4℃、98.5℃、98.6℃、98.7℃、98.8℃、98.9℃、99℃、99.1℃、99.2℃、99.3℃、99.4℃、99.5℃、99.6℃、99.7℃、99.8℃、99.9℃、もしくはそれ以上、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の温度で、あるいは少なくとも80℃、80.1℃、80.2℃、80.3℃、80.4℃、80.5℃、80.6℃、80.7℃、80.8℃、80.9℃、81℃、81.1℃、81.2℃、81.3℃、81.4℃、81.5℃、81.6℃、81.7℃、81.8℃、81.9℃、82℃、82.1℃、82.2℃、82.3℃、82.4℃、82.5℃、82.6℃、82.7℃、82.8℃、82.9℃、83℃、83.1℃、83.2℃、83.3℃、83.4℃、83.5℃、83.6℃、83.7℃、83.8℃、83.9℃、84℃、84.1℃、84.2℃、84.3℃、84.4℃、84.5℃、84.6℃、84.7℃、84.8℃、84.9℃、85℃、85.1℃、85.2℃、85.3℃、85.4℃、85.5℃、85.6℃、85.7℃、85.8℃、85.9℃、86℃、86.1℃、86.2℃、86.3℃、86.4℃、86.5℃、86.6℃、86.7℃、86.8℃、86.9℃、87℃、87.1℃、87.2℃、87.3℃、87.4℃、87.5℃、87.6℃、87.7℃、87.8℃、87.9℃、88℃、88.1℃、88.2℃、88.3℃、88.4℃、88.5℃、88.6℃、88.7℃、88.8℃、88.9℃、89℃、89.1℃、89.2℃、89.3℃、89.4℃、89.5℃、89.6℃、89.7℃、89.8℃、89.9℃、90℃、90.1℃、90.2℃、90.3℃、90.4℃、90.5℃、90.6℃、90.7℃、90.8℃、90.9℃、91℃、91.1℃、91.2℃、91.3℃、91.4℃、91.5℃、91.6℃、91.7℃、91.8℃、91.9℃、92℃、92.1℃、92.2℃、92.3℃、92.4℃、92.5℃、92.6℃、92.7℃、92.8℃、92.9℃、93℃、93.1℃、93.2℃、93.3℃、93.4℃、93.5℃、93.6℃、93.7℃、93.8℃、93.9℃、94℃、94.1℃、94.2℃、94.3℃、94.4℃、94.5℃、94.6℃、94.7℃、94.8℃、94.9℃、95℃、95.1℃、95.2℃、95.3℃、95.4℃、95.5℃、95.6℃、95.7℃、95.8℃、95.9℃、96℃、96.1℃、96.2℃、96.3℃、96.4℃、96.5℃、96.6℃、96.7℃、96.8℃、96.9℃、97℃、97.1℃、97.2℃、97.3℃、97.4℃、97.5℃、97.6℃、97.7℃、97.8℃、97.9℃、98℃、98.1℃、98.2℃、98.3℃、98.4℃、98.5℃、98.6℃、98.7℃、98.8℃、98.9℃、99℃、99.1℃、99.2℃、99.3℃、99.4℃、99.5℃、99.6℃、99.7℃、99.8℃、99.9℃、もしくはそれ以上、またはその中で導き出せる任意の範囲もしくは値の温度で、試料と前記溶液をインキュベートするための説明書きを含んでもよい。一部の局面では、前記説明書は、約98℃で試料をインキュベートするための説明書きを含む。一部の局面では、前記説明書は、98℃で試料をインキュベートするための説明書きを含む。
【0134】
1種または複数種の試薬は、好ましくは、在庫保管に適した、および試薬を使用する方法が実施された時に、後で反応培地に添加するのに適した固体の形で、または液体緩衝液で供給される。適切な包装が提供される。キットは、この手順において有用なさらなる成分を提供してもよい。これらのさらなる成分は、緩衝液、捕獲試薬、発色試薬、標識、反応表面、検出のための手段、対照試料、説明書、および説明的な情報を含んでもよい。
【0135】
本明細書に記載のキットの任意の成分を、本明細書において開示される方法において使用することができる。さらに、開示される方法の文脈において説明された成分が本開示のキットにおいて提供されてもよい。
【0136】
VIII.局面
以下の非限定的な局面は、本明細書において開示される本発明のある特定の特徴を証明するために含まれる。
【0137】
局面1.
DNA処理のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、工程;および
(b)該DNA分子をアルカリ条件に供する工程。
【0138】
局面2.
溶液が、添加された亜硫酸アンモニウムを含まない、局面1記載の方法。
【0139】
局面3.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない、局面1または2記載の方法。
【0140】
局面4.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面1~3のいずれかに記載の方法。
【0141】
局面5.
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面1~4のいずれかに記載の方法。
【0142】
局面6.
溶液が、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面1~5のいずれかに記載の方法。
【0143】
局面7.
溶液が、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面1~6のいずれかに記載の方法。
【0144】
局面8.
溶液が、約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面1~7のいずれかに記載の方法。
【0145】
局面9.
溶液が、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面1~8のいずれかに記載の方法。
【0146】
局面10.
溶液が、60重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面1~9のいずれかに記載の方法。
【0147】
局面11.
溶液が、65重量%~68重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面1~10のいずれかに記載の方法。
【0148】
局面12.
溶液が、約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面1~11のいずれかに記載の方法。
【0149】
局面13.
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、局面1~12のいずれかに記載の方法。
【0150】
局面14.
溶液が、約5.1のpHを有する、局面1~13のいずれかに記載の方法。
【0151】
局面15.
(a)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、局面1~14のいずれかに記載の方法。
【0152】
局面16.
(a)が、溶液を最大で10分間インキュベートすることを含む、局面1~15のいずれかに記載の方法。
【0153】
局面17.
(a)が、溶液を最大で8分間インキュベートすることを含む、局面1~16のいずれかに記載の方法。
【0154】
局面18.
DNA分子が4mCを含み、インキュベーション後に4mCの50%超が脱アミノされる、局面1~17のいずれかに記載の方法。
【0155】
局面19.
インキュベーション後に4mCの75%超が脱アミノされる、局面1~18のいずれかに記載の方法。
【0156】
局面20.
インキュベーション後に4mCの実質的に全てが脱アミノされる、局面1~19のいずれかに記載の方法。
【0157】
局面21.
DNA処理のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を作製する工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、工程;
(b)該溶液を少なくとも95℃の温度でインキュベートする工程;および
(c)(a)の最大で12分後に、該溶液から該DNA分子を取り出す工程。
【0158】
局面22.
溶液が、添加された亜硫酸アンモニウムを含まない、局面21記載の方法。
【0159】
局面23.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない、局面21または22記載の方法。
【0160】
局面24.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面21~23のいずれかに記載の方法。
【0161】
局面25.
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面21~24のいずれかに記載の方法。
【0162】
局面26.
溶液が、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面21~25のいずれかに記載の方法。
【0163】
局面27.
溶液が、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面21~26のいずれかに記載の方法。
【0164】
局面28.
溶液が、約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面21~27のいずれかに記載の方法。
【0165】
局面29.
溶液が、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面21~28のいずれかに記載の方法。
【0166】
局面30.
溶液が、60重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面21~29のいずれかに記載の方法。
【0167】
局面31.
溶液が、65重量%~68重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面21~30のいずれかに記載の方法。
【0168】
局面32.
溶液が、約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面21~31のいずれかに記載の方法。
【0169】
局面33.
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、局面21~32のいずれかに記載の方法。
【0170】
局面34.
溶液が、約5.1のpHを有する、局面21~33のいずれかに記載の方法。
【0171】
局面35.
(b)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、局面21~34のいずれかに記載の方法。
【0172】
局面36.
(c)が、(a)の最大で10分後に、溶液からDNA分子を取り出すことを含む、局面21~35のいずれかに記載の方法。
【0173】
局面37.
(c)が、(a)の最大で8分後に、溶液からDNA分子を取り出すことを含む、局面21~36のいずれかに記載の方法。
【0174】
局面38.
(a)が、70%の亜硫酸水素アンモニウム溶液と50%の亜硫酸水素塩溶液とを混合する段階を含む、局面21~37のいずれかに記載の方法。
【0175】
局面39.
DNA分子が4mCを含み、インキュベーション後に4mCの50%超が脱アミノされる、局面21~38のいずれかに記載の方法。
【0176】
局面40.
インキュベーション後に4mCの75%超が脱アミノされる、局面21~39のいずれかに記載の方法。
【0177】
局面41.
インキュベーション後に4mCの実質的に全てが脱アミノされる、局面21~40のいずれかに記載の方法。
【0178】
局面42.
核酸試料を処理するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
DNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まず、該DNA分子のそれぞれが1つまたは複数のシトシン残基を含み、該溶液をインキュベートする工程の後に、該DNA分子の99%より多くがシトシン残基を含まない、工程。
【0179】
局面43.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面42記載の方法。
【0180】
局面44.
複数のDNA分子をアルカリ条件に供する工程をさらに含む、局面42または43記載の方法。
【0181】
局面45.
溶液が、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面42~44のいずれかに記載の方法。
【0182】
局面46.
溶液が、60重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面42~45のいずれかに記載の方法。
【0183】
局面47.
溶液が、65重量%~68重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面42~46のいずれかに記載の方法。
【0184】
局面48.
溶液が、約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面42~47のいずれかに記載の方法。
【0185】
局面49.
溶液が、添加された亜硫酸アンモニウムを含まない、局面42~48のいずれかに記載の方法。
【0186】
局面50.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない、局面42~49のいずれかに記載の方法。
【0187】
局面51.
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面42~50のいずれかに記載の方法。
【0188】
局面52.
溶液が、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面42~51のいずれかに記載の方法。
【0189】
局面53.
溶液が、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面42~52のいずれかに記載の方法。
【0190】
局面54.
溶液が、約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面42~53のいずれかに記載の方法。
【0191】
局面55.
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、局面42~54のいずれかに記載の方法。
【0192】
局面56.
DNA分子が4mCを含み、インキュベーション後に4mCの50%超が脱アミノされる、局面42~55のいずれかに記載の方法。
【0193】
局面57.
インキュベーション後に4mCの75%超が脱アミノされる、局面42~56のいずれかに記載の方法。
【0194】
局面58.
インキュベーション後に4mCの実質的に全てが脱アミノされる、局面42~57のいずれかに記載の方法。
【0195】
局面59.
以下:
(a)6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度を有する亜硫酸水素アンモニウムを含む溶液であって、亜硫酸水素ナトリウムを含まない、溶液と、
(b)DNA試料を処理するための説明書と
を備える、DNA処理キット。
【0196】
局面60.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面59記載のキット。
【0197】
局面61.
溶液が、8M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面59または60記載のキット。
【0198】
局面62.
溶液が、9M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面59~61のいずれかに記載のキット。
【0199】
局面63.
溶液が、約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面59~62のいずれかに記載のキット。
【0200】
局面64.
溶液が、50重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面59~63のいずれかに記載のキット。
【0201】
局面65.
溶液が、60重量%~70重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面59~64のいずれかに記載のキット。
【0202】
局面66.
溶液が、65重量%~68重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面59~65のいずれかに記載のキット。
【0203】
局面67.
溶液が、約66.7重量%の亜硫酸水素アンモニウムを含む、局面59~66のいずれかに記載のキット。
【0204】
局面68.
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、局面59~67のいずれかに記載のキット。
【0205】
局面69.
溶液が、約5.1のpHを有する、局面59~68のいずれかに記載のキット。
【0206】
局面70.
説明書が、DNA試料を溶液と少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートするための説明書きを含む、局面59~69のいずれかに記載のキット。
【0207】
局面71.
説明書が、DNA試料を溶液と約98℃の温度でインキュベートするための説明書きを含む、局面59~70のいずれかに記載のキット。
【0208】
局面72.
説明書が、DNA試料を溶液と最大で10分間インキュベートするための説明書きを含む、局面59~71のいずれかに記載のキット。
【0209】
局面73.
説明書が、DNA試料を溶液と最大で8分間インキュベートするための説明書きを含む、局面59~72のいずれかに記載のキット。
【0210】
局面74.
溶液が、亜硫酸アンモニウムを含まない、局面59~73のいずれかに記載のキット。
【0211】
局面75.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸アンモニウムを含まない、局面59~74のいずれかに記載のキット。
【0212】
局面76.
アルカリ性溶液をさらに含む、局面59~75のいずれかに記載のキット。
【0213】
局面77.
1種または複数種の緩衝溶液をさらに含む、局面59~76のいずれかに記載のキット。
【0214】
局面78.
RNA処理のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、工程;および
(a)該RNA分子をアルカリ条件に供する工程。
【0215】
局面79.
溶液が、亜硫酸アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面78記載の方法。
【0216】
局面80.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面78または79記載の方法。
【0217】
局面81.
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面78~80のいずれかに記載の方法。
【0218】
局面82.
溶液が、6.5M~7.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面78~81のいずれかに記載の方法。
【0219】
局面83.
溶液が、約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面78~82のいずれかに記載の方法。
【0220】
局面84.
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、局面78~83のいずれかに記載の方法。
【0221】
局面85.
溶液が、5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面78~84のいずれかに記載の方法。
【0222】
局面86.
溶液が、8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面78~85のいずれかに記載の方法。
【0223】
局面87.
溶液が、約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面78~86のいずれかに記載の方法。
【0224】
局面88.
(a)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、局面78~87のいずれかに記載の方法。
【0225】
局面89.
(a)が、溶液を最大で10分間インキュベートすることを含む、局面78~88のいずれかに記載の方法。
【0226】
局面90.
(a)が、溶液を最大で8分間インキュベートすることを含む、局面78~89のいずれかに記載の方法。
【0227】
局面91.
RNA処理のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を作製する工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、工程;
(b)該溶液を少なくとも95℃の温度でインキュベートする工程;および
(c)(a)の最大で12分後に、該溶液から該RNA分子を取り出す工程。
【0228】
局面92.
溶液が、亜硫酸アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面91記載の方法。
【0229】
局面93.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面91または92記載の方法。
【0230】
局面94.
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、局面91~93のいずれかに記載の方法。
【0231】
局面95.
溶液が、6.5M~7.5Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面91~94のいずれかに記載の方法。
【0232】
局面96.
溶液が、約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、局面91~95のいずれかに記載の方法。
【0233】
局面97.
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、局面91~96のいずれかに記載の方法。
【0234】
局面98.
溶液が、約5.1のpHを有する、局面91~97のいずれかに記載の方法。
【0235】
局面99.
溶液が、5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面91~98のいずれかに記載の方法。
【0236】
局面100.
溶液が、8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面91~99のいずれかに記載の方法。
【0237】
局面101.
溶液が、約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面91~100のいずれかに記載の方法。
【0238】
局面102.
(b)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、局面91~101のいずれかに記載の方法。
【0239】
局面103.
(c)が、(a)の最大で10分後に、溶液からRNA分子を取り出すことを含む、局面91~102のいずれかに記載の方法。
【0240】
局面104.
(c)が、(a)の最大で8分後に、溶液からRNA分子を取り出すことを含む、局面91~103のいずれかに記載の方法。
【0241】
局面105.
核酸試料を処理するための方法であって、以下の工程を含む、方法:
RNA分子と、亜硫酸アンモニウムと、亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程であって、該溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まず、該RNA分子のそれぞれが1つまたは複数のシトシン残基を含み、溶液をインキュベートする工程の後に該RNA分子の99%より多くがシトシン残基を含まない、工程。
【0242】
局面106.
溶液が、亜硫酸アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面105記載の方法。
【0243】
局面107.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面105または106記載の方法。
【0244】
局面108.
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、局面105~107のいずれかに記載の方法。
【0245】
局面109.
溶液が、約5.1のpHを有する、局面105~108のいずれかに記載の方法。
【0246】
局面110.
溶液が、5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面105~109のいずれかに記載の方法。
【0247】
局面111.
溶液が、8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面105~110のいずれかに記載の方法。
【0248】
局面112.
溶液が、約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面105~111のいずれかに記載の方法。
【0249】
局面113.
(a)が、溶液を約98℃の温度でインキュベートすることを含む、局面105~112のいずれかに記載の方法。
【0250】
局面114.
(a)が、溶液を最大で10分間インキュベートすることを含む、局面105~113のいずれかに記載の方法。
【0251】
局面115.
(a)が、溶液を最大で8分間インキュベートすることを含む、局面105~114のいずれかに記載の方法。
【0252】
局面116.
溶液が、6.5M~10Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、局面105~115のいずれかに記載の方法。
【0253】
局面117.
溶液が、6.5M~7.5Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、局面105~116のいずれかに記載の方法。
【0254】
局面118.
溶液が、約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度を有する、局面105~117のいずれかに記載の方法。
【0255】
局面119.
複数のRNA分子をアルカリ条件に供する工程をさらに含む、局面105~118のいずれかに記載の方法。
【0256】
局面120.
以下:
(a)6.5M~8Mの亜硫酸水素塩濃度で亜硫酸アンモニウムと亜硫酸水素アンモニウムとを含む溶液であって、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、溶液と、
(b)RNA試料を処理するための説明書と
を備える、RNA処理キット。
【0257】
局面121.
溶液が、亜硫酸アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面120記載のキット。
【0258】
局面122.
溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面120または121記載のキット。
【0259】
局面123.
溶液が、約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度の溶液である、局面120~122のいずれかに記載のキット。
【0260】
局面124.
溶液が、4.8~5.4のpHを有する、局面120~123のいずれかに記載のキット。
【0261】
局面125.
溶液が、約5.1のpHを有する、局面120~124のいずれかに記載のキット。
【0262】
局面126.
溶液が、5重量%~15重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面120~125のいずれかに記載のキット。
【0263】
局面127.
溶液が、8重量%~12重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面120~126のいずれかに記載のキット。
【0264】
局面128.
溶液が、約10重量%の亜硫酸アンモニウムを含む、局面120~127のいずれかに記載のキット。
【0265】
局面129.
説明書が、RNA試料を溶液と少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートするための説明書きを含む、局面120~128のいずれかに記載のキット。
【0266】
局面130.
説明書が、RNA試料を溶液と約98℃の温度でインキュベートするための説明書きを含む、局面120~129のいずれかに記載のキット。
【0267】
局面131.
説明書が、RNA試料を溶液と最大で10分間インキュベートするための説明書きを含む、局面120~130のいずれかに記載のキット。
【0268】
局面132.
5-ヒドロキシメチルシトシン分析のための方法であって、以下の工程を含む、方法:
(a)第1のDNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む第1の溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程;
(b)第2のDNA分子と亜硫酸水素アンモニウムとを含む第2の溶液を少なくとも95℃の温度で最大で12分間インキュベートする工程;
(c)該第1のDNA分子をアルカリ条件に供する工程;
(d)該第2のDNA分子をアルカリ条件に供する工程;
(e)該第2のDNA分子をAPOBECデアミナーゼ酵素で処理する工程;および
(f)該第1のDNA分子と該第2のDNA分子を配列決定する工程。
【0269】
局面133.
第1の溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面132記載の方法。
【0270】
局面134.
第1の溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面132または133記載の方法。
【0271】
局面135.
第2の溶液が、添加された亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面132~134のいずれかに記載の方法。
【0272】
局面136.
第2の溶液が、亜硫酸水素アンモニウムのレベルの約1/10を超えるレベルで亜硫酸水素ナトリウムを含まない、局面132~135のいずれかに記載の方法。
【0273】
局面137.
第1の溶液と第2の溶液が、同じ溶液である、局面132~136のいずれかに記載の方法。
【0274】
局面138.
第1の溶液と第2の溶液が、異なる溶液である、局面132~137のいずれかに記載の方法。
【0275】
局面139.
(a)と(b)が同時に行われる、局面132~138のいずれかに記載の方法。
【0276】
局面140.
(c)と(d)が同時に行われる、局面132~139のいずれかに記載の方法。
【0277】
局面141.
第1のDNA分子と第2のDNA分子が同じヌクレオチド配列を有する、局面132~140のいずれかに記載の方法。
【0278】
局面142.
APOBECデアミナーゼ酵素が、APOBEC3Aである、局面132~141のいずれかに記載の方法。
【実施例】
【0279】
以下の実施例は、本発明のある特定の態様を証明するために含まれる。以下の実施例に開示される技法は、本発明の実施において良好に機能すると本発明者によって発見された技法であり、従って、本発明を実施するための、ある特定の態様を構成するとみなすことができると当業者に理解されるはずである。しかしながら、本開示を考慮すれば、開示された特定の態様に多くの変更を加えることができ、それでもなお、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、同様のまたは類似の結果が得られることが当業者に理解されるはずである。
【0280】
実施例1-RNAにおけるm5Cの検出および分析のためのバイサルファイトシークエンシング
RNA m5C修飾とその制御因子は多様な細胞機能に影響を及ぼし、膀胱癌1、肝細胞癌(HCC)2、多形性神経膠芽腫(GBM)3、および白血病4の発病において重要な役割を果たすことが示されきた。これによりRNA m5C修飾の調節的な役割が示唆される。RNAにおけるトランスクリプトームワイドm5Cマッピングのために、m5C-RIP-seq5、5-アザシチジンを介したRNA免疫沈降(Aza-IP)6、およびmiCLIP7などの様々な方法が報告されてきたが、これらは全て抗体濃縮工程を含む。BSシークエンシングは依然として5mCシークエンシングのゴールドスタンダードであり、近年ではRNA m5Cの研究にますます適用されている1,8-10。Zymo ResearchのEZ RNA Methylation(商標)KitおよびEpigentekのMethylamp(商標)RNA BS Conversion Kitを含む、いくつかの市販のRNA BS変換キットを利用することができる。RNA BSシークエンシングは、m5C付着についてトランスクリプトームワイドビューを1ヌクレオチド分解能で提供することに加えて、安価であり、かつ扱いやすい。他方で、BS-seqはtRNAおよびrRNAなどの豊富なRNAにあるm5Cを検出するのに有効であったが11,12、mRNAなどの少量のRNAでは様々な研究において大きな不一致が観察され、8000の異なるRNAにおいてm5C部位を検出した研究13もあれば、ごくわずかなメチル化mRNAしか発見しなかった研究もあった14。つい最近の研究では、改善されたバイサルファイトシークエンシング法と、より厳密な計算アプローチを用いてもヒトおよびマウスのトランスクリプトームに数百のm5C部位しかなかったと報告されている1,15。これらの議論の余地がある知見は、mRNAにおいて本物のm5C部位を特定する15ための、さらにロバストな方法を開発する必要性を提起してきた。
【0281】
様々なRNA修飾を配列決定するための定量方法を開発する包括的な試みの中で、本発明者らは、(i)非常に短い時間で反応を完了できるように効率を改善することでRNA分解を低減することと、(ii)高い反応温度を用いてRNAを変性させて完全にCをUに変換することに焦点を合わせた。バイサルファイト(BS)シークエンシング機構(
図1)において、シトシンとBSとの反応は速く、かつ可逆的であるのに対して、C-BS付加物をU-BS付加物に変換する脱アミノは律速である
16。亜硫酸水素塩は両段階に関与し
16,17、従って、高いBS濃度を使用するとBS変換率を劇的に加速することができる
17。この戦略をRNA m
5C配列決定に適用することは報告されたことがない。
【0282】
C-BS付加物とU-BS付加物は、脱塩基部位を生じさせて、その後のRNA切断と分解につながる主要な化学種である19。CをUに速く変換することによって、C-BSとU-BSが両方とも反応に存在する時間が短くなり、従って、RNA損傷が低減すると推論した。さらに、もっと短い時間で完全に亜硫酸水素塩変換できるように、温度をもっと高くすると脱アミノ反応が加速するだけでなく、より重要なことには、RNA中の二次構造変性の助けになるとさらに推論した。仮説上は高いBS濃度と高い反応温度がさらにRNA損傷を引き起こす可能性があるが、反応時間がかなり短縮されることでRNA損傷が少なくなり、従って、最終的にはRNA分解が低減する可能性があると仮説を立てた。高濃度のBSと高温がm5Cの望ましくない脱アミノを引き起こさなかったことも重要であった。
【0283】
亜硫酸水素ナトリウム塩の限られた水溶解度のために、現行の亜硫酸水素塩処理は3~5Mの亜硫酸水素塩濃度で行われる。DNA 5mC BS-シークエンシングにおいて、Shiraishiらは、亜硫酸水素アンモニウムが高い水溶解度を有することを提唱し、その提唱された高濃度の亜硫酸水素塩試薬は、ナトリウム塩から調製された低濃度の亜硫酸水素塩試薬よりも効率的であると報告された18,20。Shiraishiらは、DNA 5mCシークエンシングのために、亜硫酸水素ナトリウムと混合した亜硫酸水素アンモニウムを用いて10Mの亜硫酸水素塩試薬(5.0mLの50%亜硫酸水素アンモニウム中に2.08gのNaHSO3、0.67gの亜硫酸アンモニウム一水和物)を得ることを提唱した18,20。これらの条件を再現する試みの中で、このレシピに従って調製された混合物は固体を溶解するために加熱される必要があり、溶液を室温まで冷却した時に亜硫酸水素塩は容易に沈殿することが見出された。さらに、溶液は非常に粘着性があり、従って、扱いにくく、首尾一貫したレシピでないことが見出された。
【0284】
次に、本発明者らは、亜硫酸水素アンモニウムと亜硫酸アンモニウムのみからなる亜硫酸水素塩レシピを作成した。BS塩、濃度、pH、温度、および反応時間などの一連のBS条件をスクリーニングした。
【0285】
透明な溶液である、50%亜硫酸水素アンモニウム(1mL)と亜硫酸アンモニウム(100mg) とを含む混合物(「R-1G」と呼ぶ;約7.0Mの亜硫酸水素塩濃度、pH約5.1)を、水(1μL)の中で5merのRNAオリゴAGCGA(SEQ ID NO:1)(100ng)と混合し(9μL)、98℃でインキュベートした。MALDI TOF質量分析法(MS)を用いて反応をモニタリングした。AもGもBSと反応しないので、BS処理前後の質量変化はシトシン残基とBSの反応しか反映しないはずである。
図2Aに示したように、出発物質の大部分が1分以内に消費され、MS+83の中間体が生じた。このことから、シトシンは、直接、対応するU-BS付加物に変換されたことが示唆される。シトシンは2分以内にほぼ完全に消費され、3分以内にU-BS付加物に完全に変換された。
【0286】
興味深いことに、C-BS付加物(対照と比較してMS+82)は反応のどの時点でも観察されなかった。このことから、新たなBSレシピを使用すると、U-BS付加物を形成するC-BS脱アミノがもはや律速段階でなくなるように、劇的に加速されたことが示唆される。この観察は、新たなBS条件がCからU-BSへの反応全体を劇的に加速できる理由を説明している可能性が高い。この反応の後にU-BS付加物を塩基で処理し、U-BSをUに定量的に変換した(対照と比較してMS+1、
図2A)。新たなBS条件下で観察された、かなり大きなCからUへの変換率に加えて、RNA断片中の二次構造も98℃で完全に変性されるはずである(例えば、インキュベーション時間が適切に長ければ)。これらの変化の組み合わせが、従来のRNA m
5Cバイサルファイトシークエンシングにおいて何度も遭遇する偽陽性を劇的に低減すると仮説を立てた。
【0287】
新たなBS条件が望ましくないm
5C脱アミノを引き起こす可能性があるかどうか調べるために、対応するm
5C RNAオリゴヌクレオチド(SEQ ID NO:2)を同じ条件で様々な時間にわたって処理した。30分の処理後でもm
5CとBSの反応は観察されなかった。このことから、新たなBS反応は少なくとも30分以内に偽陰性を生じないことが示唆される(
図2B)。新たなBS条件がRNAを分解して、あまりにも小さな断片になるかどうか試験するために、HeLa細胞の全RNAを、R-1G BSレシピを用いて95℃または98℃で様々な時間にわたって処理し、次いで、RNA断片サイズを評価するためにPAGEゲルを測定した。RNA断片の大多数は処理して10分以内に150~300bpのサイズ分布を示した(
図3)。このサイズ範囲を有する断片化RNAはランダムなプライミング方法によってライブラリーを組み立てるのに直接使用されてもよく、連結ベースの方法を用いてライブラリーを組み立てるのに、もっと小さなサイズ(50~100bp)までさらに断片化されてもよい。
【0288】
新たなBS方法を用いて、m
5Cを脱アミノすることなくリード長が良好であり、CからUへの変換が効率的であり、かつ二次構造によって引き起こされる偽陽性が少ないライブラリーを組み立てることができることを検証するために、前記方法を、A549細胞を含む、ある範囲の様々な生物学的試料から単離した全RNAに適用した。個々の生物学的試料全RNAを、レシピR1-Gによって、ある範囲の様々な温度と時間で処理した。NEB small RNA kitを用いてオリゴヌクレオチドライブラリーを構築し、次いで、次世代シークエンシングを行った。ヒト28S RNAには、2つの確認されたm
5C部位があるのに対して、他のシトシン部位は非メチル化のままである。これらの研究は、これらの2つの立証されたm
5C部位を検出できるかどうか、新たなBS方法を用いてm
5C部位が、あらゆる望ましくないm
5C脱アミノを示すかどうか確かめようと試みた。さらに、ヒト28S rRNAは豊富な二次構造と三次構造を含有し、従って、従来のBSシークエンシングでは、通常、多くの偽陽性(例えば、非メチル化シトシンからウラシルへの不完全な変換)を生じる。
図4に示したように、反応時間が長くなるにつれて、2つの既知のm
5C部位での望ましくないm
5C脱アミノが増加したのに対して、バックグラウンドも時間が長くなるにつれて減少した。本明細書に記載のある特定の改善に特徴的なインキュベーション条件は98℃で9分間のインキュベーションだと突き止められた。このインキュベーションの下で、2つの既知のm
5C部位の平均非変換率は95%を上回ったのに対して、C部位全ての非変換率は5%未満であった(
図5)。直接比較を容易にするために、RNA中のm
5Cの検出に最も広く用いられているキットであるEZ RNA Methylation Kit(登録商標)(Zymo Research)と並行して新たなBS方法を用いてライブラリーを組み立て、偽陽性率を比較した。実際に
図6Aに示したように、Zymoキットを用いて調製したライブラリーは2つの既知のm
5C部位を検出した(垂直線のある緑色の点がこれらの位置を示す)。しかしながら、多数の偽陽性(赤色の点)も現れた。「最適化された」亜硫酸水素塩条件(75℃、4時間)を用いて得られた文献データセットをダウンロードした
10。
図6に示したように、偽陽性はスタンダードなZymoキットプロトコールと比べて実際に低下したが(偽陽性パーセント(FP%)は17.60%から0.67%に低下した)、いくつかの偽陽性が残った。2つの既知のm
5C部位の修飾割合も、観察できるほど大幅に減少した(97.52%の効率が87.64%に低下した)(
図6B)。文献
15,21から2つの追加のデータセットをダウンロードした。これらの文献では、研究者らはZymo BS試薬を使用したが、高温で3サイクルのBS処理を行った。偽陽性はさらに低下したが、依然としてかなりの数の偽陽性が検出された(
図6Cおよび6D)。さらに、2つの既知のm
5C部位において重大な望ましくない脱アミノも観察された。このことから、これらの文献のBS条件は全て最適ではないことが分かる。
【0289】
本明細書において開示されるBS処理と標準的BS処理(例えば、Zymo-BS)および追加の文献条件の統計比較を
図7にまとめた。本明細書において開示されるBS処理条件を用いた偽陽性率は最低であったのに対して(
図7E;「最適条件」)、本明細書において開示されるBS処理条件を用いて2つの既知の部位において検出されたm
5Cシグナルは最高であった(
図7F;「最適条件」)。さらに、本発明者らは、本明細書において開示されるBS処理条件と他の方法の間でリード分布パターンを比較した。R-1Gレシピを用いて様々な長さのインキュベーション時間と温度をスクリーニングした。条件の大多数において、5%非変換比カットオフの使用時に偽陽性部位は検出されないことが見出された(
図7A)。もっと長い反応時間と、もっと高い温度を用いると望ましくないm
5C脱アミノ率が増加することが確かめられた(
図7B)。これらの観察に基づいて、R-1Gレシピを用いた98℃で9分のインキュベーション時間が、非常に高いm
5C割合で2つの既知のm
5C部位が検出されたのに対して、5%非変換比カットオフの使用時に偽陽性率が0になった条件であった(
図7C)。これらの研究から、新たなBS条件は、RNA中にあるm
5CのBSシークエンシングにおける大問題を解決することが示唆された。さらに、
図7Dおよび
図8に示したように、青色(
図7D)、黒色(
図8)の曲線は本発明者らの方法のリード分布を表し、赤色(
図7D)の曲線と黒色の曲線(
図8)は他のいくつかの文献方法を表す。これらのシトシンリッチ領域(例えば、28S rRNA遺伝子)は、全ての公開されたデータにおいてシークエンシングカバレッジを示した。少ないデプス領域は多くのシトシンを含有し、そのため多くの断片化を引き起こした。これは全ての方法と一致した。このことから、RNA中の反応シトシンはRNA断片化を引き起こし、このことは、BS処理中の提唱されたRNA断片化機構と一致することが示される。しかしながら、開示される方法を用いたリードデプスの変動は文献方法と比較してかなり小さかった。このことから、新たなBS条件は非常に少ないRNA断片化を生じ、従って、m
5C割合の推定において非常に少ない偏りを生じたことが示唆される。
【0290】
開示される方法をさらに検証するために、野生型A549細胞株とそのNSUN2 KO株に由来する小型RNA画分を配列決定した。m
5Cは一部のtRNA種では部位48、49、または50に存在し、これらはNSUN2メチルトランスフェラーゼの基質になることが知られている(
図9A)。従って、これらの部位にあるm
5C部分はNSUN2ノックアウトに対して感度が高いはずだと予想した。対照的に、C38にあるm
5C部位はDNMT2の基質であり(
図9A)、そのため、その部分はNSUN2ノックアウトに対して感度が低いはずである。実際には
図9B~9Dに示したように、部位48、49、または50における検出されたm
5C割合は大幅に減少したのに対して、C38における検出されたm
5C割合はNSUN2ノックアウト時には変化しなかった。このことから、開示される方法は有効であることがさらに裏付けられる。小型RNAライブラリーのさらなる分析から、tRNAにおいて検出されるm
5C部位の大多数が高い修飾割合を有することが分かった(
図10A)。一例として、tRNA Gly
CCC中にある全てのCおよびm
5C部位における非変換率を
図10Bに示した。全てのCが非常に低いバックグラウンドを示したのに対して、49および50にある2つのm
5C部位は非常に高い修飾割合(>90%)を示したのに対して、部位48は非常に低い修飾割合(<25%)を示した。tRNA中にある、これらのm
5C部位の正確かつ定量的な検出は、関連する生物学的機能の研究を容易にすることができる。
【0291】
次いで、本明細書において開示されるBS-seqプロトコールをHeLa mRNAに適用した。検出されたm
5C部位の大多数が、タンパク質をコードするRNAに位置することが見出され(
図11A)、このうち、部位の半分がコード配列(CDS)領域に位置していた(
図11B)。本明細書に記載のプロトコールを用いて、本発明者らは、2つの最近の論文(Huang, et al., 2019、および Zhang, et al., 2021)と比較した時にさらに多くのm
5C部位を特定することができた(
図12)。Huang, et al.,
15およびZhang et al.,
21において特定されたm
5Cについて大多数が本明細書中でも見出された(例えば、それぞれ、376/565および222/343)。このことから、本明細書に記載のBS処理方法は、以前に述べられた方法よりも正確であり、かつ感度が高かったと示唆される。検出されたm
5C部位には10~100%の多様な修飾割合があり、多くの部位が高度に修飾されていた(
図13)。m
5C修飾を含有する遺伝子のほとんどにm
5C部位が1つしかなかったのに対して、2~5個のm
5C部位が159の遺伝子において検出された(
図14A)。さらなるジーンオントロジー(GO)分析から、m
5Cによって修飾された遺伝子が様々な遺伝子機能に関与し、糖タンパク質代謝、細胞骨格組織化、細胞局在化などを含むことが分かった(
図14B)。このことから、mRNA中にあるm
5C修飾は重要な生物学的機能をもつ可能性があることが示唆される。
【0292】
HeLa mRNAに加えて、本発明者らは、HEK293T細胞から抽出したポリA+RNAも配列決定した。
図15Aに示したように、m
5C部位の全修飾レベルはHeLa細胞株とHEK293T細胞株との間で一致していた。しかしながら、いくつかの異なって修飾された部位が存在した。HeLa細胞にあるm
5C部位はより多くのGリッチモチーフを示したのに対して、HEK293T細胞にあるm
5C部位はより多くのCUCCAモチーフを示した(
図15B)。NSUN2およびNSUN6は、m
5CをmRNA上に置くメチルトランスフェラーゼだと報告されている。従って、本発明者らは、目下の開示のBS-seqプロトコールをNSUN2またはNSUN6ノックダウンHeLa細胞mRNA抽出物と、対応するshRNA対照に適用した(
図16)。配列決定結果から、NSUN2ノックダウン細胞mRNA抽出物では、主にGリッチモチーフにある、修飾された部位の約90%超が減少したことが分かった。このことから、NSUN2は、HeLa細胞におけるmRNA中のm
5C修飾において大きな役割を果たしている可能性があると示唆される。さらに、本発明者らはまた、NSUN6ノックダウンに応答したm
5C部位の一部分も、主にCUCCAモチーフにおいて検出した。これらの結果から、細胞株間の修飾プロファイルにおける差違はメチルトランスフェラーゼ発現レベルの差違に関連する可能性があることも示唆される。
【0293】
興味深いことに、HeLa細胞とHEK293T細胞は両方とも、転写物の5'末端においてm
5C部位の同様の濃縮パターンを示した(
図17)。リボソームプロファイリングデータに関連して、本発明者らは、転写物の5'末端にあるm
5C修飾が翻訳効率を調節し得るという証拠を発見した。非メチル化遺伝子と比較して、5'末端にm
5C部位を含有する遺伝子は、転写物の5'-UTRにリボソーム密度シグナルが豊富にあった(p値=1.05×10
-6)。これに対して、3'末端にm
5C部位を含有する遺伝子は、リボソーム密度シグナルの有意な濃縮を示さなかった(p=0.37、
図18A)。さらに、5'末端メチル化遺伝子と3'末端メチル化遺伝子は両方とも、CDS領域内にリボソーム密度濃縮を示さなかった(
図18B)。
【0294】
実験手順
(1)Maldi-TOF MSによるRNAモデルオリゴを用いたBS条件の特定
様々なBS試薬を調製するために50%亜硫酸水素アンモニウムと亜硫酸アンモニウムを様々な比で混合した。次いで、9μLのBS試薬を、水(1μL)に溶解したモデルRNA(AGCGA、100ng)(SEQ ID NO:1)と混合する。混合物を70~98℃の様々な温度で様々な時間にわたってインキュベートし、反応をMaldi-TOF MALDIによってモニタリングした。
【0295】
【0296】
最も効率的な条件は、BS試薬R-1G(1mLの50%亜硫酸水素アンモニウムと100mgの亜硫酸アンモニウムの溶液)を使用し、反応混合物を98℃でインキュベートすることだと見出された。これにより、CはU-BS付加物に3分以内に定量的に変換された。さらにアルカリ処理することでU-BSはUに変換され、CはUに完全に変換された。基質として同様のモデルRNA(AGm5CGA)(SEQ ID NO:2)を用いた同じ条件下では、Maldi-TOF-MSから、30分以内にm5C-BS付加物は形成されなかったことが分かった。このことから、この新BS条件は高度に選択的であり、偽陰性を生じなかったことが示唆される。
【0297】
(2)R-1Gを用いた、HeLa細胞に由来する28S rRNAの配列決定によるBS条件の分析
70~90℃のインキュベーション温度を、尿素を添加して、または添加せずに、20~40分のインキュベーション時間と共に試験した。平均シトシン変換率は全て98%を上回り、2つのm5C部位はいずれも90%を上回る割合を示した。尿素添加による明らかな利益はなかった。
【0298】
【0299】
R-1Gを用いて追加の条件を試験した。98℃で処理すると最大のシトシン変換効率が得られることが見出された。
【0300】
【0301】
最大のシトシン変換効率を生じる温度として98℃を突き止めた後に様々な反応時間を試験した。9分でシトシン変換効率が最大になり(99.7%)、高いm5C割合(94.5%)が検出されることが見出された(以下の表4を参照されたい)。
【0302】
【0303】
(3)次世代シークエンシングによるBS試薬R-1GとA549全RNAを用いた処理時間と温度の研究
9μLのBS試薬R-1Gと1μLのA549全RNA(200ng)との混合物を、70~98℃で様々な時間にわたってインキュベートし、次いで、140μLの水を添加した。インカラム脱スルホン(In-column desulphonation)を、標準的BS処理の説明書(例えば、Zymo EZ RNA Methylation(商標)Kitの説明書)に従うことで実施した。RNAを0.1M NaHCO3で95℃で3分間さらに処理して、50~80ntのサイズまで断片化した。OCC精製とT4 PNKを用いた3'-修復および5'-リン酸化の後に、RNA断片をOCCによってさらに精製し、7μLの水を用いて溶出した。6μLを用いて、NEB small RNA libraries kitを使用してライブラリーを組み立て、ライブラリーをNova-seqによって配列決定した。データ分析後に、98℃で9分間のインキュベーションが、偽陽性を全て無くす条件であり、28S rRNAにある2つの既知のm5C部位が高い割合を示すと確かめられた。標準的BS処理(例えば、Zymo Research のEZ RNA Methylation(商標)Kit)を用いて、並行して同じ量のA549全RNA(200ng)から出発するライブラリーも組み立てた。配列決定結果から、2つの既知のm5C部位は高いm5C割合を示したが、多くの非変換シトシン部位を示唆する多くの偽陽性部位も現れたことが分かった。
【0304】
実施例2-低インプット試料に由来するRNAにおけるm5Cの検出および分析
血液または胚試料などの患者試料について、利用可能な試料の量は通常限られている(例えば、10~100ngの全RNA)。この少量の全RNAの場合、ポリ-Tビーズを用いてmRNAを濃縮することも、リボマイナス(ribo-minus)を用いてrRNAを枯渇させて、連結ベースの方法を用いて良い品質のライブラリーを組み立てるのに十分なRNA試料を得ることも現実的でない。従って、低インプット試料(例えば、血液試料、シングル細胞RNA)から入手したRNAに短いDNAプローブを添加してrRNAとアニールさせ、次いで、RNase Hを添加してrRNAを小さな断片に消化する。常磁性ビーズを用いて他の未消化RNAを精製した後に、R-1G亜硫酸水素塩試薬を98℃で9分間用いてRNAをBS処理に供した後に、ランダムプライミングを行ってcDNAを合成し、次いで、ssDNAライブラリー構築キットを用いてライブラリーを組み立てる。低インプット全RNA試料の非rRNAにおいてm5C部位が検出される。
【0305】
実施例3-DNAにおける5mCの検出および分析のためのバイサルファイトシークエンシング
最初に、DNAオリゴヌクレオチドAGCGA(SEQ ID NO:3)に適用するR-1G BSレシピを用いてDNAに対する亜硫酸水素塩変換を試験した。反応はRNAオリゴヌクレオチドについて観察されたものよりも遅くなることが観察され、完了するのに98℃で5分を要した(
図19A)。さらなるレシピをスクリーニングし、新しいレシピを特定し、A7(1mLの70%亜硫酸水素アンモニウム+100μLの50%亜硫酸水素アンモニウム;約9.5Mの亜硫酸水素塩濃度、pH約5.1)と名付けた。このレシピは、3分以内にdCをdUに定量的に変換した(
図19B)。処理の10分以内に明らかな5mC脱アミノは観察されなかった(
図20)。
【0306】
Cと5mCとを両方とも含有する82merの合成DNAオリゴ(SEQ ID NO:8)をBSレシピA7で98℃で4~10分間処理した時に、サンガーシークエンシング結果から、5mCは全ての場合においてCと読み取られたのに対して、Cは8~12分後に、Tと定量的に読み取られたことが分かった(
図21)。このことから、このレシピは非常に短時間でCからUへの変換を誘導するのに高効率なだけでなく、高度に選択的でもあり、望ましくない5mC脱アミノを回避することが裏付けられる。
SEQ ID NO:8(DO-16-20)
【0307】
DNA BSシークエンシングの場合、5mCを4mCと区別することも重要な場合がある。4mCは細菌に存在することが知られており、最近、真核生物ゲノムDNAにおいて検出された
27。以前に、本発明者らは、標準的BS処理(例えば、Zymo BS条件)が4mCを約50%の効率でしか脱アミノできず
28、従って、BSシークエンシングの使用時に4mC部位が偽陽性5mC検出部位の原因となり得ることを発見した。本発明者らは、高い温度とBSレシピ濃度を含む、本明細書において開示される反応条件が4mCの脱アミノを容易にできるかもしれないと推論した。これを試験するために、4mC修飾を含有する短いDNAオリゴ(TA4mCTT; SEQ ID NO:9)を、標準的BS処理(例えば、Zymo BS条件)と並行して本開示のBS条件で処理した。Maldi TOF MSデータから、標準的BS処理を利用した時に、4mCは部分的に脱アミノされて、対応するdU含有オリゴを約50%の効率で生じたのに対して、本明細書において開示される新BS条件を利用した時には逆に、4mCはdUに定量的に変換されたことが分かった(
図22A)。以前に開示された標準的BS処理(例えば、ZymoキットBS処理)と比較して、本明細書において開示されるBS条件を用いて、C、5mC、および4mCの脱アミノ効率を試験するために、Cおよび5mCと4mC修飾の両方を含有する合成100bp DNAオリゴ(SEQ ID NO:12)を合成し、本明細書において開示されるBS条件または標準的BS処理(例えば、Zymo BS条件)で処理した。処理後に、サンガーシークエンシングを行って、C、5mC、および4mCの脱アミノ効率を評価した。結果から、目下の開示のBS試薬と98℃で10分間インキュベートした後に、4mCとC部位は全てTと定量的に読み取られたのに対して、5mC部位は依然としてCと読み取られたことが分かった(
図22B)。これとは対照的に、標準的BS処理(例えば、ZymoキットBS処理)を利用した時には、2つの4mC部位は両方ともCとTと1:1比で読み取られた。これらの結果から、以前に開示された標準的BS処理とは極めて対照的に、目下の開示のBS条件はゲノムに4mCが存在することで生じる偽陽性を回避でき、ある特定の場合では完全に回避できることが示唆される。
SEQ ID NO:12
【0308】
DNA分解はBSシークエンシングにおける公知の問題である。DNA分解は、低インプットDNA試料ではかなり重大な問題であるDNA材料損失の原因となるだけでなく、検出された5mC割合を過大評価する可能性があるように、偏りのあるDNA切断の原因ともなり得る27。従来のBS処理における、示唆されたDNA分解機構に基づいて19、BS処理において形成されるC-BS付加物は、脱グリコシルを引き起こしてAP部位を形成し、これがβ脱離を介してさらなるDNAバックボーン切断を招く主要な化学種である。5mCはBSと反応しないのに対して、C部位は5mCよりもかなり切断されやすい。従って、BS処理は、Cが豊富にあるDNA配列中では大きなDNA損傷を引き起こし、従って、豊富なCを含有するDNA断片はライブラリーに少なく表され、これが5mCレベルの過大評価を招く。
【0309】
A7を含む、本明細書において開示されるいくつかのレシピは、C-BSからU-BS付加物への変換において高効率だと見出されたので、これらのレシピと開示される条件を用いると、この脱アミノ段階はもはや律速段階ではなく、従って、C-BS付加物は非常に短い時間しか、かつ非常に低い濃度でしか反応に存在しなかった。従って、開示されるレシピ(A7を含む)と処理条件を用いるとDNA損傷は他のBS条件と比較して大幅に低減すると予想した。開示される方法においてBS反応を加速するのに使用した非常に高いBS濃度と非常に高い温度が仮説上はDNA分解を加速する可能性があるが、非常に短い反応時間が、高温と高いBS濃度により引き起こされるDNA分解の加速より優れていると仮説を立てた。この仮説を試験するために、魚類gDNAと合成164merのdsDNA(cfDNAのサイズを模倣する;(SEQ ID NO:13、およびアンチセンスSEQ ID NO:14)をBSレシピA7で様々な期間にわたって処理し、標準的BS処理(例えば、Zymo EZ DNA Methylation-Gold(登録商標)Kit)と並行して比較した。
図23A~23Bに示したように、いずれの場合でも、4~10分以内で、レシピA7(1mLの70%亜硫酸水素アンモニウム+100μLの50%亜硫酸水素アンモニウム)によるDNA損傷は標準的BS処理(例えば、Zymoキット、98℃10分間に続いて64℃2.5時間)と比較して少ないことが観察された。このことから、レシピA7は低インプットDNAに適用される可能性があり、5mC割合の過大評価の問題を克服し得ると示唆される。
SEQ ID NO:13
SEQ ID NO:14
【0310】
上記の確立した原理を用いて、本発明者らは、合成スパイクインを含有する生物学的DNAを用いて新たな方法の評価に移った。Zymo EZ DNA Methylation-Gold(登録商標)KitのようなスタンダードなBS処理選択肢がBSシークエンシングの標準だということを考えて、直接比較するためにライブラリーを並行して組み立てた。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のgDNAは、5mC部位を有すると以前に報告された小さなゲノム(約135メガベース)を有し、そのため、これらの研究のための例示的なgDNAとして選択された。C部位全ての変換効率を比較する目的で、バックグラウンドを評価するために、5mC部位を含有しないスパイクインλDNAを添加した。望ましくない5mC脱メチル率を評価するために、4つの5mC部位を含有するスパイクイン合成164merのdsDNA(SEQ ID NO:13、およびアンチセンスSEQ ID NO:14)も添加した。BS処理と、Swift Accel-NGS Methyl-Seq DNA Library Kitを用いたライブラリー構築(一本鎖DNAライブラリー構築)と、NGSシークエンシングの後に、インキュベーション時間が10分に達した後にバックグラウンドが最も小さく、λDNA中にあるC部位の全てについて10分反応後のレシピA7の平均C→U変換率が約99.2%を上回るか、または約99.2%に等しいことがシークエンシングデータから分かった(
図24Cに示したように平均非変換率は0.82%であった。追加アッセイから、
図24Aに示したように99.6%の変換率と0.4%の非変換率が得られた)。比較して、標準的BS処理(例えば、Zymoキット)については、
図24Cに示したように平均変換率は98.2%であり、平均非変換率は1.81%であった。追加アッセイから、
図24Aに示したように97.8%の平均変換率と2.2%の非変換率が得られた(それぞれ、
図24Cおよび
図24A)。このことから、開示されるBSレシピと条件(「新BS」)から高い変換効率が得られたことが分かる(
図24A~24E)。重要なことに、標準的BS処理(例えば、Zymoキット)を用いて、それぞれのC部位の非変換率はかなり大きな変動を示し、そのため偽陽性を避けるために大きなカットオフ(10%)が必要となったのに対して、新BSレシピと条件では、それぞれの部位での非変換率は標準的BS処理よりも均一であり、ほぼ全ての部位が2%より小さな非変換率を示した(
図24Bおよび24E)。
【0311】
(1)Maldi-TOF MSによるDNAモデルオリゴを用いたBS条件の特定
様々なBS試薬を調製するために、70%亜硫酸水素アンモニウムと50%亜硫酸水素アンモニウムを様々な比で混合した。次いで、9μLのBS試薬を取り、水(1μL)に溶解したモデルDNA(AGCGA, 100ng)と混合する。混合物を様々な温度で98℃で様々な時間にわたってインキュベートし、反応をMaldi-TOF MALDIによってモニタリングした。以下の表5および表6を参照されたい。
【0312】
【0313】
【0314】
BS試薬A7(1mLの70%亜硫酸水素アンモニウムと100μLの50%亜硫酸水素アンモニウムとの混合物)を用いて最良の結果が得られ、98℃で反応混合物をインキュベートすると3分以内にCはU-BS付加物に定量的に変換されることが見出された。さらにアルカリ処理によってU-BSをUに変換すると、CはUに完全に変換された。基質として同様のモデルDNA(AG5mCGA; SEQ ID NO:4)を用いた同じ条件下で、Maldi-TOF-MSから、20分以内にT-BS付加物はほとんど形成されなかったことが分かった。このことから、新たなBS条件は高度に選択的であることが分かる。
【0315】
(2)BS試薬A7を使用して、次世代シークエンシングによってλDNAを含有する植物gDNAと、2つの5mC部位を含有する合成164nt DNAオリゴを処理する
9μLのBS試薬A7と、5mC修飾がないλDNA 0.5ngを含有する植物gDNA(50ng)1μLと、4つの5mC部位を含有する合成164merのdsDNA 0.1ng(SEQ ID NO:13、およびアンチセンスSEQ ID NO:14)との混合物を98℃で様々な時間にわたってインキュベートし、次いで、140μLの水を添加した。インカラム脱スルホンを標準的BS処理(Zymo EZ DNA Methylation-Gold(登録商標)Kit)に従うことで実施し、7μLの水で溶出した。6μLを用いて、Swift Accel-NGS Methyl-Seq DNA Library Kitを使用してライブラリーを組み立て、Nova-seqによってライブラリーを配列決定した。データ分析後に、98℃で10分間のインキュベーションが最良の条件であり、この条件下ではλDNA中にある全シトシン部位の平均変換効率は99.18%であることが確かめられた(以下の表7も参照されたい)。164bpスパイクインDNA中にある2つの既知の5mC部位について、検出された割合は96%を上回った。標準的BS処理(例えば、Zymo EZ DNA Methylation-Gold(登録商標)Kit)を用いて同じ量のDNAから出発して並行ライブラリー(side-by-side library)も組み立てた。配列決定結果から、標準的BS処理を用いたλDNA中にある全シトシン部位の平均変換効率は98.2%であることが分かった。164ntスパイクインDNA中にある2つの既知の5mC部位について、検出された割合は標準的BS処理を用いて98%であった。
【0316】
【0317】
実施例4-低インプット試料に由来するDNA中の5mC検出および分析
A7レシピを用いて、新たなBS処理条件と組み合わせてSwiftキットを使用して、0.1、1.0、もしくは10ngのマウス胚性幹細胞(mES)ゲノムDNA(gDNA)または0.1、1.0、もしくは10ngのヒト無細胞DNA(cfDNA)から出発してライブラリーを組み立てた。シークエンシング結果を分析してDNA中のメチル化部位を特定した。
【0318】
本発明者らは、本明細書において開示されるBSプロトコール(例えば、レシピA7と98℃で10分間のインキュベーション)をマウス胚性幹細胞(mESC)gDNAに適用した。本明細書において開示されるレシピと条件は従来のBS条件よりも少ないDNA損傷を生じたので、本発明者らは、低インプットgDNAを用いたアッセイに、これらのプロトコールを利用できると推論した。変換効率を評価するために、本明細書において開示されるBSプロトコールで処理したgDNAシークエンシングライブラリーを作製し、出発濃度10ngまたは3.3ngのmESC gDNAと、5mC部位をスパイクインしていないλDNAを用いてライブラリーを作製した。さらに、望ましくない5mC変換率を評価するために、5mCを含有する合成dsDNAもスパイクインした。開示されるプロトコールと現行の従来のBSプロトコールとの直接比較を容易にするために、標準的BS処理(例えば、Zymo EZ DNA Methylation-Gold(登録商標)Kit)を用いた並行ライブラリーも作製した。配列決定後に、本発明者らは、合成dsDNAの中にある全てのC部位と2つの既知の5mC部位の変換率を分析した。
図25に示したように、3.3ng mESC gDNAから出発した2つのライブラリーから、10ngから出発したものよりもわずかに大きなバックグラウンドが得られた(
図25B)。本明細書において開示されるBSプロトコールを用いて作製した2つのライブラリーを標準的BS処理と比較した時に(
図25Aを
図25Cと比較した)、新BSプロトコールからかなり小さなバックグラウンドが得られた。他方で、望ましくない5mC変換率は4つ全てのライブラリーにおいて低い(
図25D)。
【0319】
さらに、標準的BS処理によって系統的に作製したシークエンシングライブラリーから検出されたメチル化レベルは、本明細書において開示されるBS処理プロトコールよりも高い比を示した(
図26)。これは、本明細書において開示されるBSプロトコールと比較した時の標準的BS処理の大きなバックグラウンドノイズレベルのせいであるのかもしれない。標準的BS処理を用いた研究はゲノム中のメチル化レベルを過大評価する可能性がある。一方で、標準的BS処理データは非CpGモチーフにおいて多くのメチル化部位を報告した(
図27)。このことも、本明細書において開示されるプロトコールと比較した時の比較的大きなバックグラウンドノイズレベルの結果であるのかもしれない。バックグラウンドノイズはランダムなシグナルであり、非CpG部位において見出される可能性が大きい。非CpGメチル化の研究時のバックグラウンドの増加は生物学的有意性について研究者らに誤った情報を伝える可能性があり、潜在的に、間違った結論に至る可能性がある。本明細書において開示されるBSプロトコールで処理した試料は、標準的BSで処理した試料と比較した時に、異なるGC%領域において同様のゲノムカバレッジを示した(
図28A)。だが、標準的BSで処理した試料の方が高い非変換C割合を、特に高GC%の領域において示した(
図28B)。さらに、本明細書において開示されるBSプロトコールを用いて作製した2つのライブラリーはまた、標準的BS処理を用いて作製したものよりも均一に分散したゲノムカバレッジも示した(
図29Aおよび29B)。これにより、標準的BS処理と比較した時の本明細書において開示される方法と組成物のさらなる利点が証明される。
【0320】
本明細書に記載のBSプロトコールを利用して、mES細胞(それぞれ、1個、10個、および100個の細胞)とスパイクインλDNAを用いて作り出した超低gDNAインプットライブラリーまたは低gDNAインプットライブラリーを作製した。λDNAとミトコンドリアDNA(mtDNA)からのBS変換効率を評価した。なぜなら、全てのシトシン部位に5mC修飾がなかったからである。
図30および
図31に示したように、インプット量が増加すると非変換Cバックグラウンドノイズは減少した。例えば、1個細胞試料は10個細胞試料よりも大きなバックグラウンドを示したのに対して、10個細胞試料は100個細胞試料よりも大きなバックグラウンドを示した。本明細書に記載のBSプロトコールは標準的BS処理と比較した時に、かなり小さなバックグラウンドレベルをもたらした。λDNAの場合、バックグラウンドのカットオフとして1%を設定した時に、標準的BS処理は、本明細書において開示されるBSプロトコールと比べて10倍超の偽陽性レベル(例えば、%非変換C)を示した(例えば、3つの10個細胞試料試験について平均約4.9%対約0.36%、
図30)。高度に構造化したミトコンドリアDNAの場合(一般的にλDNAよりも大きなバックグラウンドレベルを有し、これは、潜在的に、mtDNAの高度に構造化した性質と、不完全な変性による、大きな変換レベルの実現に関連する難題に起因する)、バックグラウンドのカットオフとして10%を設定した時に、標準的BS処理を用いた偽陽性比は、本明細書において開示されるBSプロトコールの80倍超であった(例えば、3つの10個細胞試料試験について平均約86.3%対約1.3%、
図31)。これらの結果から、超低インプットgDNAを利用した時に、本明細書において開示されるBS処理プロトコールは標準的BS処理プロトコールよりも優れていることが分かった。
【0321】
実施例5-DNAにおける5hmCの検出および分析
DNAオリゴヌクレオチドAGXGA(X=5hmC、5fC、または5caC)(SEQ ID NO:5、6、7)をBSレシピA7と98℃で様々な時間にわたってインキュベートし、MALDI-TOF MSを用いて反応をモニタリングした。5hmCとBSの反応が最も効率的であることが見出され、5hmCは、わずか1分以内に、対応するシトシンメチレンスルホネート(CMS)に変換された(
図32A)。これに対して5fCとの反応が最も遅く、5fCは30分以内にU-BS付加物に変換された。塩基性条件下での脱スルホン後にU-BSはUに定量的に変換された。従って、5fCはBSシークエンシングにおいてUに変換されるだろう(
図33A)。5caCもBS試薬と非常に素早く反応した。この反応は3分以内に完了し、5caCをU-BS付加物に定量的に変換した(
図34A)。従って、5fCと5caCは両方ともBS-seqではUと読み取られるだろう。これに対して5mCと5hmCは依然としてCと読み取られる。
【0322】
BS処理時に5mCがBSと全く反応しないのに対して5hmCがCMSに変換されるため化学的性質は異なるが、BS処理後に5mCと5hmCがどちらもCと読み取られるので、BSシークエンシングの公知の難点は5mCと5hmCを区別できないことである。最近、ACE-seq28は、Cと5mCに対するAPOBEC3Aの高い脱アミノ反応性を利用することによって5hmCを配列決定することが報告されたが、5hmCも部分的に脱アミノされる可能性がある。
【0323】
開示されるBS条件は5hmCをCMSに自発的に定量的に変換するので、CMSはAPOBEC3A処理によって脱アミノされないと仮説を立てた。この仮説を試験するために、5hmCを含有するDNA 5merのオリゴをBSレシピA7で処理して、5hmCをCMSに変換し、次いで、5mC含有プローブまたはCMS含有プローブをAPOBEC3Aで並行して処理した。Maldi-TOF MSから、5mCはTに効率的に変換されたことが分かった。このことは文献と一致する。しかしながら、CMSに対する反応は観察されなかった(
図35)。5mC、5hmC、またはCMSを含有する82merのDNAオリゴを用いて、これをさらに試験した。APOBEC3A処理なしでは、これらの全てがサンガーシークエンシングにおいてCと読み取られた。しかしながら、APOBEC3A処理後に、5mCはTと定量的に読み取られ、5hmCはTと部分的に読み取られたのに対して、CMSはCと定量的に読み取られた(
図36)。このことから、CMSのこの新しい特性を用いて5mCと5hmCを区別し得ることがさらに裏付けられる。
【0324】
5mCと5hmCを配列決定するための新たなアプローチと、これらを区別する手法が本明細書において提供される。
図37に示したように、生物学的DNAを新たなBS条件で処理し、次いで、試料を2つの部分に分割することができる。これ以上APOBEC3A処理しなかった一方の部分は5mC+5hmC部位を提供するのに対して、さらにAPOBEC3A処理した他方の部分は5mCをTに変換するが、CMSを変えず、従って、オリジナルの5hmC部位だけがCと読み取られる。次いで、2セットのデータを差し引くと5mC部位のみが得られる。
【0325】
本明細書において開示および主張される方法は全て、本開示を考慮すれば過度の実験なく作製および実施することができる。ある特定の局面の点から本発明の組成物および方法が説明されたが、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法ならびに方法の工程または工程の順序に変更を加えることができることは当業者に明らかである。より具体的には、本明細書に記載の薬剤の代わりに、化学的および生理学的に関連している、ある特定の薬剤を使用することができ、同時に、同じ結果または類似する結果が得られることは明らかである。当業者に明らかな、このような全ての類似の代用および修正は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の精神、範囲、および概念の範囲内と考えられる。
【0326】
参考文献
以下の参考文献は、例示的な手順の詳細または本明細書に記載のものを補足する他の詳細を示す程度まで、参照により本明細書に特に組み入れられる。
【配列表】
【国際調査報告】