(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】標的をブリッジ接続するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20250117BHJP
G06Q 20/02 20120101ALI20250117BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541070
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-15
(86)【国際出願番号】 US2022079513
(87)【国際公開番号】W WO2023132995
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519016413
【氏名又は名称】ティービーシーエーソフト,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】ウー、リン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン、デニス
(72)【発明者】
【氏名】マー、シモン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ウイリアム
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、シェン-チュアン
【テーマコード(参考)】
5L020
5L050
【Fターム(参考)】
5L020AA04
5L050CC11
(57)【要約】
本開示は、第1のサービス提供者の支払人が、第1のサービス提供者の標的を認識しない第2のサービス提供者の受取人に第2のサービス提供者の標的を提示できるようにする、標的ブリッジ接続技術に関する。本発明の標的ブリッジ接続サービスのシステムは、支払人の携帯デバイス、第1のサービス提供者の第1の管理システム、受取人のスキャンシステム、第2のサービス提供者の第2の管理システム、ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システム、および標的生成器のすべてまたは一部を必要とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のサービス提供者の支払人の携帯デバイスと、前記第1のサービス提供者とは異なる第2のサービス提供者の受取人のスキャンシステムとの間で標的をブリッジ接続する方法であって、
前記第1のサービス提供者の第1の管理システムによって、第2のサービス提供者の標的コンテンツまたは前記標的コンテンツに基づいて生成されたブリッジ接続標的を、支払人のブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムから受信することと、
前記第1のサービス提供者の前記第1の管理システムによって、前記第2のサービス提供者の前記標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的を、前記支払人の携帯デバイスに無線で提供して、前記標的コンテンツに基づいて生成された前記ブリッジ接続標的を、前記ブリッジ接続標的を認識する前記第2のサービス提供者の受取人の前記スキャンシステムに提示することと
を含む、方法において、
前記受取人の前記スキャンシステムは、前記第1のサービス提供者の標的を認識しないことを特徴とする、
方法。
【請求項2】
前記標的および前記ブリッジ接続標的はそれぞれ、QRコード(登録商標)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のサービス提供者は、第1の国に位置し、前記第2のサービス提供者は、第2の国に位置し、前記第1の国は、前記第2の国とは異なることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のサービス提供者の標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的を受信する前に、
前記第2のサービス提供者の前記標的コンテンツに対する支払人の前記携帯デバイスからの標的コンテンツの要求を、前記第1の管理システムによって無線で受信することと、
前記第1の管理システムによって、標的コンテンツの要求を前記ブリッジ接続システムに提供することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のサービス提供者の標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的を支払人の前記携帯デバイスに無線で提供して前記ブリッジ接続標的を前記受取人の前記スキャンシステムに提示した後、
前記受取人の前記スキャンシステムが前記ブリッジ接続標的をスキャンした後に、前記ブリッジ接続システムからの取引要求を前記第1の管理システムによって受信することと、
前記第1の管理システムによって取引承認を前記ブリッジ接続システムに提供することと、
前記ブリッジ接続システムが取引通知に関連する取引を記録した後、前記第1の管理システムによって前記ブリッジ接続システムから前記取引通知を受信することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記取引承認を前記ブリッジ接続システムに提供する前に、
前記第1の管理システムによって、前記取引要求を支払人の前記携帯デバイスに無線で提供することと、
前記第1の管理システムによって、支払人の前記携帯デバイスから前記取引承認を無線で受信することと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の管理システムによって、前記支払人と前記支払人の携帯デバイスの両方を認証すること
をさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記標的コンテンツの要求を前記ブリッジ接続システムに提供する前に、前記第1の管理システムは、前記支払人と前記支払人の携帯デバイスの両方を認証することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の管理システムによって、前記取引承認を前記ブリッジ接続システムに提供する前に、前記取引が有効かどうかを判断すること
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
前記標的コンテンツは、前記標的コンテンツが生成される第1の時点を示す第1のタイムスタンプを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記標的コンテンツは、
前記標的コンテンツが生成される第1の時点を示す第1のタイムスタンプを含み、
前記取引要求は、前記受取人の前記スキャンシステムが前記ブリッジ接続標的をスキャンする第2の時点を示す第2のタイムスタンプを含む
ことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のタイムスタンプと前記第2のタイムスタンプとの時間差が所定期間を超えているかどうかを判断すること
をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ブリッジ接続サービス提供者は、前記第1のサービス提供者または前記第2のサービス提供者であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記ブリッジ接続サービス提供者は、前記第1のサービス提供者でも前記第2のサービス提供者でもないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムは、複数の異なるサービス提供者の標的コンテンツを提供できることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の異なるサービス提供者は、複数の異なる国に位置していることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ブリッジ接続システムは、前記第1の管理システムから前記標的コンテンツの要求を受信した後、ブリッジ接続取引識別子を生成することを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のサービス提供者の標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的を前記支払人の携帯デバイスに無線で提供して、前記ブリッジ接続標的を前記受取人の前記スキャンシステムに提示した後、
前記受取人の前記スキャンシステムが前記ブリッジ接続標的をスキャンした後に、前記ブリッジ接続システムからの取引要求を前記第1の管理システムによって受信することと、
前記第1の管理システムによって取引承認を前記ブリッジ接続システムに提供することと、
前記ブリッジ接続システムが取引通知に関連する取引を記録した後、前記第1の管理システムによって前記ブリッジ接続システムから前記取引通知を受信することと
をさらに含む、方法において、
前記ブリッジ接続システムは、前記ブリッジ接続取引識別子に対応する少なくとも1つのジョブIDを生成し、前記ジョブIDに基づいて前記取引を記録すること
を特徴とする、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ブリッジ接続システムは、前記取引を分散型台帳に記録することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項20】
前記第2のサービス提供者のリストは、前記支払人の携帯デバイスの位置に基づいて選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
第1のサービス提供者の支払人の携帯デバイスと、前記第1のサービス提供者とは異なる第2のサービス提供者の受取人のスキャンシステムとの間で標的をブリッジ接続する方法であって、
ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムによって、第2のサービス提供者の標的コンテンツまたは前記標的コンテンツに基づいて生成されたブリッジ接続標的を標的生成器から受信することと、
前記ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムによって、前記標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的を前記第1のサービス提供者の第1の管理システムに提供し、前記支払人の携帯デバイスが、前記標的コンテンツに基づいて生成された前記ブリッジ接続標的を、前記ブリッジ接続標的を認識する前記受取人の前記スキャンシステムに提示するようにすることと
を含む、方法において、
前記受取人の前記スキャンシステムは、前記第1のサービス提供者の標的を認識しない
ことを特徴とする、方法。
【請求項22】
前記標的および前記ブリッジ接続標的はそれぞれ、QRコードであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1のサービス提供者は、第1の国に位置し、第2のサービス提供者は、第2の国に位置し、前記第1の国は、前記第2の国とは異なることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記標的生成器は、前記第2のサービス提供者のシステムであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記標的生成器は、前記ブリッジ接続サービス提供者のシステムであることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記第2のサービス提供者の前記標的コンテンツを受信する前に、
前記第2のサービス提供者の前記標的コンテンツに対する前記第1の管理システムからの標的コンテンツの要求を、前記ブリッジ接続システムによって受信することと、
前記ブリッジ接続システムによって、前記標的コンテンツの要求を前記標的生成器に提供することと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的を前記第1の管理システムに提供した後、
前記スキャンシステムが前記ブリッジ接続標的をスキャンした後に、前記第2のサービス提供者の第2の管理システムから取引要求を前記ブリッジ接続システムによって受信することと、
前記ブリッジ接続システムによって、前記取引要求を前記第1の管理システムに提供することと、
前記取引要求と関連する取引が承認された後、前記第1の管理システムからの取引承認を前記ブリッジ接続システムによって受信することと、
前記ブリッジ接続システムによって前記取引を記録することと
をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記ブリッジ接続システムは、前記標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的に加えて、前記標的生成器から第1のタイムスタンプを受信することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記ブリッジ接続システムは、前記標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的に加えて前記標的生成器から第1のタイムスタンプを受信し、前記第1のタイムスタンプは、前記標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的が提供される第1の時間を示し、
前記ブリッジ接続システムは、前記取引要求に加えて前記第2の管理システムから第2のタイムスタンプを受信し、前記第2のタイムスタンプは、前記スキャンシステムが前記標的をスキャンする第2の時間を示す
ことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のタイムスタンプと前記第2のタイムスタンプとの時間差が所定期間を超えているかどうかを判断すること
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記ブリッジ接続サービス提供者は、前記第1のサービス提供者でも前記第2のサービス提供者でもないことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムは、複数の異なるサービス提供者の標的コンテンツを提供できることを特徴とする、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記異なるサービス提供者は、複数の異なる国に位置していることを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ブリッジ接続システムは、前記第1の管理システムから前記標的コンテンツの要求を受信した後、ブリッジ接続取引識別子を生成することを特徴とする、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記標的コンテンツまたは前記ブリッジ接続標的を前記第1の管理システムに提供した後、
前記スキャンシステムが前記ブリッジ接続標的をスキャンした後に、前記第2のサービス提供者の第2の管理システムから取引要求を前記ブリッジ接続システムによって受信することと、
前記ブリッジ接続システムによって、前記取引要求を前記第1の管理システムに提供することと、
前記取引要求と関連する取引が承認された後、前記第1の管理システムからの取引承認を前記ブリッジ接続システムによって受信することと、
前記ブリッジ接続システムによって前記取引を記録することと
をさらに含む、方法において、
前記ブリッジ接続システムは、前記ブリッジ接続取引識別子に対応する少なくとも1つのジョブIDを生成し、前記ジョブIDに基づいて前記取引を記録すること
を特徴とする、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記第2のサービス提供者の第2の管理システムは、前記取引を分散型台帳に記録することを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【請求項37】
前記第2のサービス提供者のリストは、前記支払人の携帯デバイスの位置に基づいて選択されることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本明細書は、2022年1月9日に出願された「SYSTEMS AND METHODS FOR TARGET BRIDGING TECHNOLOGY」と題する米国仮出願第63/297,791号の利益を主張するものであり、同文献を参照してその全容を本明細書に援用する。
【0002】
発明の分野
本発明は、サービス提供者の支払人が別のサービス提供者の標的を提示できるようにする標的ブリッジ接続技術に関する。本開示は、標的形式の異なるサービス提供者間の取引を可能にする標的ブリッジ接続サービスのシステムおよび方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
決済方法とは、加盟店が顧客から代金を回収できる方法である。現金、小切手、デビットカード、クレジットカード、銀行振込、またはモバイル決済などをはじめとする様々な経路で決済を行うことができる。
【0004】
非接触型決済は、物理的な接触なしに支払いを行う方法である。非接触型決済の一般的な例として、スマートフォンおよびその他の携帯機器を介した無線周波数識別(RFID)決済、近距離無線通信(NFC)決済、およびクイックレスポンスコード(QRコード(登録商標))決済などがある。加盟店が適切な感知機器を備えている場合は、従来のクレジットカード、デビットカード、スマートカードも非接触型決済に使用されることがある。最近では、COVID-19パンデミックにより、従来の現金およびカードの取引と比較して非接触型決済の方が安全な決済方法であると考えられている。
【0005】
これらの一般的な非接触型決済方法のうち、QRコード決済は、モバイルアプリまたは加盟店のPOS(Point of Sale)システムからQRコードをスキャンすることによって行われる。加盟店提示モード(MPM)では、消費者は、加盟店が表示したQRコードを自分のスマートフォンでスキャンして支払う。一方、消費者提示モード(CPM)では、消費者が表示したQRコードを加盟店がスキャンして代金を受け取る。QRコード決済では、決済カード、決済ネットワーク、決済端末および加盟店アカウントなど、従来から電子決済に関連している基盤がなくても取引を行うことができる。単一のサービス提供者の支払人と受取人との間でこの決済方法を実装しているシステムは、サービス提供者のネットワーク内で実行される。
【0006】
近年、多くのモバイル決済サービス提供者が登場し、自社のユーザおよび加盟店を獲得している。しかしながら、2つのサービス提供者が別々のQRコード形式を使用しているため、一方のサービス提供者の支払人と他方のサービス提供者の受取人とがQRコードを介して取引を完了することができない。例えば、第1のサービス提供者の支払人(例えば消費者)は、第2のサービス提供者の受取人(例えば加盟店)から商品を購入できない。なぜなら、受取人のデバイス(例えばPOS)は、支払人の携帯端末(例えばスマートフォン)で提示された第1のサービス提供者のQRコードを認識しないからである。この問題の解決策の1つが、第1のサービス提供者と第2のサービス提供者が二者間協力協定を結び、両者のシステムを変更して、加盟店などの第2のサービス提供者の受取人が、ユーザなどの第1のサービス提供者の支払人が提供する第1のサービス提供者のQRコードを認識できるようにすることである。ただし、このような機能を提供するために両者のシステムを変更するには、コストと時間がかかる可能性がある。その上、より多くのサービス提供者が互いのQRコードを認識したい場合、複雑さは急激に増す。
【0007】
さらに、グローバルビレッジは、ビジネスとレジャーの両方で世界中を行き来するますます多くの国際的な事業を確実に推進している。このような事業から生じる海外の商品やサービスを購入するには、国境を越えたQRコード決済を行う必要がある。一般に、海外の加盟店でQRコード決済に利用できるサービス提供者はすべて、顧客が自国で使用しているサービス提供者とは異なる。この状況でも同じ問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国仮出願第63/297,791号
【特許文献2】国際特許出願第PCT/US17/12635号
【特許文献3】国際特許出願第PCT/US21/27370号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、サービス提供者間でのQRコード認識を可能にして取引を容易にする方法およびシステムを開発することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
QRコード認識の問題を解決して2つの異なるサービス提供者間で取引しやすくするために、標的ブリッジ接続技術を提供して、第1のサービス提供者の支払人(消費者など)と第2のサービス提供者の受取人(加盟店など)との間で取引できるようにする。第2のサービス提供者は、第1のサービス提供者とは異なる標的の規準、形式、および/または規則(「標的形式」)を使用している世界中の他のどのようなサービス提供者であってもよい。このように、標的ブリッジ接続技術は、サービス提供者間の取引の問題を解決し、長年の要望を満たすものである。また、世界中の関連業界の取引を革新的に改善する可能性のある予期せぬ結果をもたらすものである。
【0011】
本開示は、標的形式の異なる2つ以上のサービス提供者間で取引を可能にするブリッジ接続サービスのシステムおよび方法に関する。各サービス提供者は、独自のネットワーク、ユーザ、および加盟店を抱えている。1つの態様では、本発明は、(1)第1のサービス提供者の第1の管理システムによって、第2のサービス提供者の標的コンテンツまたは標的コンテンツに基づいて生成されたブリッジ接続標的を、支払人のブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムから受信する工程と、(2)第1のサービス提供者の第1の管理システムによって、第2のサービス提供者の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を、支払人の携帯デバイスに無線で提供して、標的コンテンツに基づいて生成されたブリッジ接続標的を、ブリッジ接続標的を認識する第2のサービス提供者の受取人のスキャンシステムに提示する工程とを含む。
【0012】
別の態様では、本発明は、(1)ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムによって、第2のサービス提供者の標的コンテンツまたは標的コンテンツに基づいて生成されたブリッジ接続標的を、標的生成器から受信する工程と、(2)ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムによって、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を第1のサービス提供者の第1の管理システムに提供して、支払人の携帯デバイスが、標的コンテンツに基づいて生成されたブリッジ接続標的を、ブリッジ接続標的を認識する受取人のスキャンシステムに提示するようにする工程とを含む。上記のいずれの態様でも、第2のサービス提供者の受取人のスキャンシステムは、第1のサービス提供者の標的を認識しない。さらに、第2のサービス提供者は、第1のサービス提供者の国とは異なる国に位置していることもあってよい。
【0013】
1つの実施形態では、第1のサービス提供者および第2のサービス提供者によって使用される標的には、1次元、2次元、および3次元のクイックレスポンスコード(QRコード)、NFC(近距離無線通信)タグ、音声署名、および指紋があるが、これらに限定されない。各サービス提供者は、標的および標的コンテンツに対して独自の専有データ形式を有していてよい。QRコードなどの標的は、支払人および/または受取人の情報を含んでいてよく、標的をスキャンするか感知すると、第2のサービス提供者が取引を開始できるようにする。
【0014】
1つの実施形態では、標的コンテンツの要求は、支払人の携帯デバイスによって行われ、第1のサービス提供者の第1の管理システムが第2のサービス提供者の標的コンテンツまたは標的コンテンツに基づいて生成されたブリッジ接続標的を受信する前に、ブリッジ接続サービス提供者に中継される。1つの実施形態では、第2のサービス提供者の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的は、標的生成器によって生成され、ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムを介して第1のサービス提供者の第1の管理システムに提供される。標的生成器は、第2のサービス提供者のシステム/モジュールであってもよいし、ブリッジ接続サービス提供者のシステム/モジュールであってもよい。
【0015】
1つの実施形態では、第2のサービス提供者の第2の管理システムは、取引(例えば決済)の要求をブリッジ接続サービス提供者に対して行って、支払人と受取人との間の取引を処理してよい。次にブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムは、取引要求を第1のサービス提供者の第1の管理システムに中継してよく、第1のサービス提供者の第1の管理システムは、取引要求を支払人の携帯デバイスにさらに中継して承認を得るか、事前に認可されている場合、例えば支払い額が所定の金額未満である場合に取引を承認してよい。
【0016】
1つの実施形態では、ブリッジ接続標的は、所定の期間のみ有効である。関連するシステムは、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的が生成される時間を示す第1のタイムスタンプを記録してよく、ブリッジ接続標的がスキャンされた時間を示す第2のタイムスタンプを記録してよい。第1のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの時間差が所定期間を超えれば、取引は無効とみなされてよい。別の実施形態では、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的は、第1のタイムスタンプと、その後の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的が有効なままである期間とを含んでいてよい。
【0017】
1つの実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者は、第1のサービス提供者または第2のサービス提供者である。別の実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者は、第1のサービス提供者でも第2のサービス提供者でもない。
【0018】
1つの実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムは、関連する取引情報がブリッジ接続取引識別子でつながってよいように、取引のブリッジ接続取引識別子を生成してよい。プライバシー保護を強化するために、ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムは、各ブリッジ接続取引識別子に対して取引を記録するためのジョブ識別子(ジョブID)を生成してよく、これをブロックチェーンなどの分散型台帳に保存してよい。
【0019】
1つの実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムは、ジョブID、支払人の仮想ウォレット、受取人の仮想ウォレット、金額および通貨の種類を含めて各取引を記録してよい。別の実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システムは、単一のブリッジ接続取引識別子に対して複数のジョブIDを生成してよく、その場合、取引の複数の部分が、様々なジョブIDを用いて記録されてよく、ジョブIDはすべて、1つのブリッジ接続取引識別子に対応している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1のサービス提供者の支払人と第2のサービス提供者の受取人との間で標的をブリッジ接続するシステムの一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】消費者提示モード(CPM)で標的をブリッジ接続する本発明の実施形態を示す図である。第1のSPおよび第2のSPは、それぞれ第1のサービス提供者(Service Provider)および第2のサービス提供者の略である。
【
図3】本システムで支払人からブリッジ接続標的を要求する工程を示すフローチャートである。
【
図4】本システムで標的生成器から標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を提供する工程を示すフローチャートである。
【
図5】ブリッジ接続標的をスキャンし、第1のサービス提供者の支払人と第2のサービス提供者の受取人との間の取引を処理する工程を示すフローチャートである。
【
図6】事前に要求せずに標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を提供する代替実施形態の工程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に記載する説明で使用する用語は、技術の特定の具体的な実施形態の詳細な説明と併せて使用されていても、最も広義の合理的な方法で解釈されることを意図している。以下では特定の用語が強調されることもあるが、限定的に解釈されることを意図した用語は、この詳細な説明の節でその旨具体的に定義される。
【0022】
本明細書および特許請求の範囲で使用しているように、「サービス提供者」という用語は、標的情報または標的の送信および/または受信を介してデジタル資産移転サービスを提供する当事者を指す。本開示の1つの実施形態では、サービス提供者とは、支払人識別子、受取人識別子、タイムスタンプ、および取引要求などの情報を交換するための標的を利用して、支払人と受取人との間で電子決済またはデジタル資産の移転を可能にする電子決済または移転システムの提供者である。サービス提供者は通常、デジタル資産取引に関連する機能を実行する管理システムを含む。
【0023】
本明細書で使用している「支払人」という用語は、自らのデジタル資産を他者に移転する取引を承認する当事者、個人または団体を指す。サービス提供者の支払人は、サービス提供者のアカウントを保持するサービス提供者のユーザでもある。ユーザは、アカウントに保存されているデジタル資産を他者に移転し、他者からデジタル資産を受け取ることができる。1つの実施形態では、アカウントは、仮想ウォレットによって実現される。支払人は、自分のモバイルデバイスを介して標的を受取人に提示してよい。
【0024】
「受取人」という用語は、他者から移転されたデジタル資産を受け取る当事者、個人または団体を指す。サービス提供者の受取人は、サービス提供者のユーザまたは加盟店のいずれかであってよい。サービス提供者の加盟店は、サービス提供者の標的を認識できる。ただし、サービス提供者の加盟店は、サービス提供者のアカウントを保有していない可能性があるため、サービス提供者のユーザではない可能性がある。換言すると、サービス提供者の加盟店は、加盟店のアクワイアラを通じて加盟店の機能を実行することがあり、サービス提供者との直接の関係はない。
【0025】
本明細書で使用している「デジタル資産」という用語は、デジタル形式で存在し、経済的価値のあるあらゆるものを指し、デジタル通貨、デジタル証券、デジタル債券、デジタル先物、デジタル貴金属、非代替性トークン(NFT)、デジタルクーポン、およびデジタル手数料トークンなど、複数種類のデジタル資産、クレジット、債務などがあるが、これらに限定されない。デジタル通貨には、デジタル米ドル、デジタル日本円、デジタルユーロ、デジタル新台湾ドルがあってよいが、これらに限定されない。デジタル証券には、デジタルアップル株、デジタルグーグル株、デジタル投資信託があってよいが、これらに限定されない。デジタル貴金属には、デジタル金、デジタル白金、およびデジタル銀があってよいが、これらに限定されない。デジタル先物には、コーヒー豆、大豆、およびトウモロコシのデジタル先物があってよいが、これらに限定されない。NFTは、当事者が所有/管理し、当事者が権利または利益を有する電子記録であってよく、それには、写真、ロゴ、イラスト、アニメーション、オーディオビジュアルメディア、プレゼンテーション、スプレッドシート、デジタルペインティング、ワード文書、電子メール、ウェブサイト、およびその他の多くのデジタル形式とそれに対応するメタデータがあるが、これらに限定されない。
【0026】
本明細書で使用している「標的」という用語は、特定のデバイスで認識または感知できる形式の情報を含む媒体を指す。例として、バーコード、QRコード、NFC(近距離無線通信)タグ、音声署名、および指紋があるが、これらに限定されない。標的情報は、標的に埋め込まれた特徴を抽出することによって分解されてよく、例えば、QRコードをスキャンしたり、NFCタグを感知したり、音声から音声署名を抽出したり、指紋をスキャンして特徴を抽出してそこに含まれている標的情報を取得したりすることによって分解する。本発明の一実施形態では、標的はQRコードである。
【0027】
本明細書で使用している「標的コンテンツ」という用語は、標的に含まれている情報を指し、それにはロケータ、識別子、およびトラッカーがあるが、これらに限定されない。標的コンテンツは、文字列の形式であってよい。本発明の1つの実施形態では、標的コンテンツは、支払人識別子、受取人識別子、および/または取引の要求を含み、これが支払人および/または受取人の情報を提供する。標的は、標的コンテンツを基に生成されてよい。
【0028】
本明細書で使用している「携帯デバイス」という用語は、基本のコンピューティング資源(プロセッサ、メモリ、および記憶装置の形態)と、電気通信ネットワーク、WiFi、Bluetooth(登録商標)、衛星、ラジオ放送、マイクロ波、赤外線などの無線通信とを備えたデバイスを指す。例として、ラップトップ、タブレットおよびスマートフォンがあるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用している「ブリッジ」または「ブリッジ接続」という用語は、第1のサービス提供者の支払人が第2のサービス提供者の標的を、第1のサービス提供者の標的を認識していない第2のサービス提供者の受取人に提示でき、それによって支払人と受取人との間の取引を完了できるようにするシステムおよび方法を指す。第1のサービス提供者および第2のサービス提供者は、異なる標的形式または規則を使用しているため、第2のサービス提供者の受取人は、第1のサービス提供者の標的を認識していない。いくつかの実施形態では、ブリッジ接続サービスは、消費者提示モード(CPM)で、消費者のサービス提供者のQRコードを認識できない加盟店のデバイス(例えばPOS)で認識できるQRコードを消費者のモバイルデバイスが提示できるようにする。
【0030】
「ブリッジ接続サービス提供者」という用語は、ブリッジ接続技術を他のサービス提供者に提供するサービス提供者を指す。ブリッジ接続サービス提供者は、第1のサービス提供者であっても第2のサービス提供者であってもよいし、第1のサービス提供者でも第2のサービス提供者でもない別のブリッジ接続サービス提供者であってもよい。「ブリッジ接続システム」という用語は、ブリッジ接続サービスの機能を実行するためのブリッジ接続サービス提供者のシステムを指す。
【0031】
以下に紹介する実施形態は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアによってプログラムされるか構成されたプログラマブル回路によって実装するか、専用回路によって全体的に実装するか、そのような形式を組み合わせて実装することが可能である。このような専用回路は(ある場合)、例えば、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの形をとることができる。
【0032】
本発明は、第1のサービス提供者の支払人と第2のサービス提供者の受取人との間で標的をスキャンするか感知することによって取引できるようにするために、第1のサービス提供者と第2のサービス提供者との間に標的ブリッジ接続サービスを提供することに関する。QRコードなどの標的は、モバイル決済業界では、従来の決済業界でのクレジットカード番号に似た役割を果たす。クレジットカードの保有者は、クレジットカード番号を認識する加盟店でしかカードを使用して支払いができない。同じように、第1のモバイル決済会社(第1のサービス提供者)の支払人は、第1のモバイル決済会社の標的(例えばQRコード)を、標的を認識する受取人(通常は第1のサービス提供者の加盟店)でしか使用できない。第1のサービス提供者の受取人は、第2のサービス提供者の標的を自らのデバイス(例えばPOS)で認識できない。同じように、第2のサービス提供者の受取人は、第1のサービス提供者の標的を自らのデバイスで認識できない。1つの実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者は、世界中の他の複数のサービス提供者(第2のサービス提供者およびその他多くの同様のサービス提供者など)のブリッジ接続標的または標的コンテンツを第1のサービス提供者の支払人に提供してよく、第1のサービス提供者の支払人が、これらの複数の他のサービス提供者のうちのいずれか1つの標的を認識する全加盟店で取引を完了してよいようにする。例えば、第1の国には主要なサービス提供者が10あって、第2の国には主要なサービス提供者が5つあってよい。第1の国の10のサービス提供者の各々が、第2の国の5つのサービス提供者の各々と関わるのは複雑である可能性がある。この状況では、ブリッジ接続サービス提供者は、このような標的ブリッジ接続サービスを提供して両国の15のサービス提供者すべてを接続してよく、任意のサービス提供者の支払人が任意の他のサービス提供者の受取人(例えば加盟店)側で取引を完了してよいようにする。
【0033】
図1に示したように、標的ブリッジ接続サービス100のシステムは、支払人110の携帯デバイス115、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125、受取人150のスキャンシステム155、第2のサービス提供者140の第2の管理システム145、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135および標的生成器160を含む。支払人110は、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125に無線で接続されたスマートフォンなどの携帯デバイス115を持っている第1のサービス提供者120のユーザである。受取人150は、第2のサービス提供者140の第2の管理システム145に無線または有線で接続されたスキャンシステム155を有する第2のサービス提供者140の加盟店またはユーザである。
図1に示した例では、支払人110は、デジタル資産を受取人150に移転している。ブリッジ接続サービス提供者130は、第1の管理システム125と第2の管理システム145の両方に通信接続されたブリッジ接続システム135を有し、2つの異なるサービス提供者間の「橋(ブリッジ)」として作用する。標的生成器160は、ブリッジ接続システム135および/または第2の管理システム145に接続されている。1つの実施形態では、標的生成器160は、第2の管理システム145に接続されるか埋め込まれるように構成されていて、第2のサービス提供者140の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を生成してよい。代替実施形態では、標的生成器160は、どのサービス提供者からも独立したモジュールである。この場合、標的生成器160は、ブリッジ接続システム135に埋め込まれるか接続されたシステムであってよく、複数のサービス提供者の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を生成してよい。
【0034】
第1のサービス提供者120と第2のサービス提供者140はそれぞれ、ユーザと加盟店との間で取引ネットワークを運営し、独自の標的の規準、形式、および/または規則を有している。そのため、第1のサービス提供者120の支払人と受取人、例えばユーザ(支払人)と加盟店(受取人)は、標的をスキャンすることによって取引(例えば決済または移転)を第1のサービス提供者のネットワーク内で完了することができる。同じ状況が第2のサービス提供者140の支払人および受取人にも当てはまる。ただし、第1のサービス提供者120の支払人と第2のサービス提供者140の受取人との間で取引および/またはその他の通信を完了させるために、2つのサービス提供者は、ブリッジ接続サービス提供者130に通信接続するように構成される。
【0035】
サービス提供者の他の機能のうち、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、ブリッジ接続した取引に関連する追加の機能を実装するように構成されている。この機能には、(1)取引のアクワイアラ(すなわち第2のサービス提供者)を選択すること、(2)ブリッジ接続システム135を介して第2のサービス提供者140の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を要求すること、(3)標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を受信し、それを支払人110に提供すること、(4)ブリッジ接続システム135から取引要求を受信すること、(5)ブリッジ接続システム135に取引承認を返すこと、および(6)ブリッジ接続システム135からの通知を処理することが含まれてよい。ブリッジ接続システム135は、世界中の複数のサービス提供者の各々の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を提供してよく、これらの複数のサービス提供者は、ブリッジ接続ネットワークを形成する。支払人110または第1の管理システムは、ブリッジ接続ネットワークから第2のサービス提供者を選択してよい。あるいは、支払人の携帯デバイスの位置に基づいて、携帯デバイスは、支払人110が取引用に選択する地域/国で利用可能なサービス提供者をすべて表示してよい。位置は、支払人の携帯デバイスのGPSシステムによって明らかになるとしてよい。
【0036】
ブリッジ接続標的を要求する支払人を識別するために、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、支払人110にブリッジ接続支払人識別子を割り当て、そのブリッジ接続支払人識別子を標的の要求に結び付けてよい。その後、標的の要求は、ブリッジ接続支払人識別子とともにブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135に中継されてよい。第1の管理システム125に割り当てられたブリッジ接続支払人識別子は、支払人の口座番号や仮想ウォレットIDなど、第1のサービス提供者120のネットワーク内で使用されている支払人110の元のユーザ識別子であってよい。あるいは、安全性を強化するために、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、支払人110の元のユーザ識別子とは異なるブリッジ接続支払人識別子を別段作成してよい。さらに、第1のサービス提供者のユーザなどのサービス提供者の支払人には、ブリッジ接続システム135によってブリッジ接続ウォレット識別子を含む仮想ウォレットが割り当てられてよい。したがって、第1のサービス提供者120は、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125によって作成されたブリッジ接続支払人識別子を使用する代わりに、ブリッジ接続システム135によって割り当てられたブリッジ接続ウォレット識別子を標的要求のためのブリッジ接続支払人識別子として使用してもよい。返されたブリッジ接続標的を要求元の支払人110に提供するために、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、以前に提供されたブリッジ接続支払人識別子とともに返された標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を受信し、その後、支払人110に対応付けられたブリッジ接続支払人識別子に基づいて標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を支払人110に提供するように構成される。
【0037】
ブリッジ取引を承認するために、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、ブリッジ接続システム135から取引要求(例えば支払い要求)を受信し、取引承認(例えば支払い承認)をブリッジシステム135に返すように構成される。第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、ブリッジ接続システム135によって提供されるブリッジ接続支払人識別子に基づいて、取引要求を支払人110に中継してよい。支払人110が取引を承認して承認を返した後、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、取引を処理するために取引の承認をブリッジ接続システム135に返してよい。あるいは、設定または合意に基づいて、第1のサービス提供者120は、支払人110に新たに確認してもらうことなく取引を承認する権限を与えられてもよい。例えば、支払額は、所定の数値内である。この場合、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、自ら取引承認をブリッジ接続システム135に返してよい。
【0038】
ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、3つの機能―第三者標的コンテンツ/ブリッジ接続標的提供者、第三者認証プロキシ、および第三者清算機関を実行するように構成されてよい。第一に、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的(例えば1つの実施形態での第2のサービス提供者140の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的)を第1の管理システム125に提供してよい。第二に、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、第1の管理システム125と第2の管理システム145との間で取引の要求および承認を中継するために、第三者認証プロキシとして機能してよい。第三に、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、記録されている関連取引情報に基づいて、取引ブリッジ機構を用いて異なるサービス提供者間をブリッジ接続して取引を清算するために(例えば第1のサービス提供者と第2のサービス提供者との間の複数の取引を清算する)、第三者清算機関として機能してよい。
【0039】
ブリッジ接続標的を提供するために、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、第1の管理システム125からブリッジ接続標的の要求を受信し、その要求を標的生成器160に中継し、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を第1の管理システム125に送り返すように構成される。ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、まず支払人の携帯デバイス115の位置を特定し、その後、その位置(例えば海外の地域/国)に対してブリッジ接続ネットワークで利用可能なサービス提供者のリストを決定してよい。このような利用可能なサービス提供者のリストは、支払人110に選択してもらえるように携帯デバイス115に提供される。この実施形態では、支払人110がブリッジ接続の標的に第2のサービス提供者140を選択した後、ブリッジ接続システム135は、第2のサービス提供者のブリッジ接続標的の要求を受け取る。次に、ブリッジ接続システム135は、その要求にブリッジ接続取引識別子を割り当て、ブリッジ接続取引識別子および/またはブリッジ接続ウォレット/支払人識別子とともに要求を標的生成器160に中継して第2のサービス提供者140の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を生成してよい。前述したように、ブリッジ接続ウォレット識別子は、ブリッジ接続サービス提供者130の観点からは支払人識別子の一種であり、ブリッジ接続標的の要求を開始した支払人110を識別するために使用されてよい。標的生成器160から標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を受け取った後、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、ブリッジ接続取引識別子をブリッジ接続支払人識別子に対応付けて、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を第1の管理システム125に返してよい。あるいは、ブリッジ接続取引識別子とブリッジ接続支払人識別子との間の対応付けは、ブリッジ接続システム135が標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を受け取る前に起きてもよい。
【0040】
別の実施形態では、第1のサービス提供者の第1の管理システム125は、支払人からのアクションがなくても、ブリッジ接続サービス提供者のブリッジ接続システム135から第2のサービス提供者の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を要求してよい。別の実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者135は、第1の管理システム125からのアクションがなくても、第2のサービス提供者の標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を第1の管理システム125に自発的に提供してよい。
【0041】
取引の要求と承認を中継する第三者認証プロキシとして機能するために、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、第2の管理システム145からの取引要求(例えば支払い要求)を第1の管理システム125に中継し、第1の管理システム125からの取引承認を第2の管理システム145に中継するように構成されてよい。第2の管理システム145は、受取人150の身元を表す受取人/加盟店識別子を取引要求と一緒に提供してよい。取引要求(第2の管理システム145から提供されるブリッジ接続取引識別子および受取人/加盟店識別子を含んでいる可能性がある)を受け取ると、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、第1のサービス提供者120の支払人110を表すブリッジ接続支払人識別子を見つけるために、ブリッジ接続取引識別子を使用してよい。次に、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、第2の管理システム145に受け取り確認を返し、ブリッジ接続支払人識別子および受取人/加盟店識別子を含む取引要求を第1の管理システム125に中継してよい。第1の管理システム125が取引要求を承認した後、ブリッジ接続システム135は、取引を記録し、取引が確認されたことを示すメッセージ(例えば支払いの成功)を、場合によってはいくつかの取引詳細と一緒に第1の管理システム125および第2の管理システム145に送ってよい。
【0042】
第三者清算機関として機能するために、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、取引ブリッジ機構を用いて、異なるサービス提供者間で取引を清算する(例えば第1のサービス提供者と第2のサービス提供者との間の複数の取引を清算する)ように構成されている。1つの実施形態では、第1のサービス提供者および第2のサービス提供者の各々が、このようなサービス提供者間の取引に対応する内部取引IDを作成する。例えば、第1のサービス提供者120は、支払人に関連付けられたX取引IDを生成し、第2のサービス提供者は、受取人に関連付けられたY取引IDを生成する。X取引IDは、以前に作成されたブリッジ接続支払人識別子であってもよいし、第1の管理システム125で別々に生成された別のIDであってもよい。同じように、Y取引IDは、以前に作成された受取人/加盟店の識別子であってもよいし、第2の管理システム145で別々に生成された別のIDであってもよい。異なるサービス提供者間のこのような取引をブリッジ接続するために、ブリッジ接続システム135は、ブリッジ接続取引識別子を使用して、X取引IDとY取引IDなど、異なるサービス提供者の内部取引IDと対応付け、関連する取引情報に結び付けてよい。ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、(1)ブリッジ接続取引識別子と第1のサービス提供者の内部取引IDとの対応付け、(2)ブリッジ接続取引識別子と第2のサービス提供者の内部取引IDとの対応付けを保存し、維持してよい。
【0043】
1つの実施形態では、プライバシー保護を強化するために、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、各々のブリッジ接続取引識別子に対してジョブIDを生成してよい。1つの実施形態では、プライバシー保護を強化するために、ジョブIDは、支払人110、第1のサービス提供者120、受取人150、および第2のサービス提供者140に関する情報を含んでいないシリアル番号またはランダムに生成された番号であってもよい。この実施形態では、ブリッジ接続システム135は、ブリッジ接続取引識別子とジョブIDとの対応付けを保存し、維持する。ブリッジ接続取引識別子および/またはジョブIDは、データベースに記録されてよく、データベースは、ブロックチェーンなどの分散型台帳などだがこれに限定されない。その結果、1つの実施形態では、ブリッジ接続システム135は、各取引をジョブID、支払人の仮想ウォレット、受取人の仮想ウォレット、金額および通貨と一緒に記録してよい。
【0044】
別の実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、単一のブリッジ接続取引識別子に対して複数のジョブIDを生成してよい。各ジョブIDは、単一のブリッジ接続取引識別子の支払い、返金、およびキャンセルのいずれか1つに対応し、データベースに記録されてよく、データベースは、ブロックチェーンなどの分散型台帳などだがこれに限定されない。そのため、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、データベースに記録された関連する取引情報に基づいて、第1のサービス提供者120と第2のサービス提供者140との間の取引の清算サービスを提供してよい。取引の記録および清算の詳細については、2017年1月6日に出願された「DIGITAL PROPERTY MANAGEMENT ON A DISTRIBUTED TRANSACTION CONSENSUS NETWORK」と題する国際特許出願第PCT/US17/12635号を参照してその全容を本明細書に援用する。
【0045】
サービス提供者のその他の機能の中でも、第2のサービス提供者140の第2の管理システム145は、受取人150のスキャンシステム155でスキャンされたブリッジ接続標的を認識するように構成される。ブリッジ接続標的は、標的の形式および第2のサービス提供者の規則に基づいて生成されるため、スキャンシステム155は、第2のサービス提供者の別の支払人からの標的と同じようにブリッジ接続標的を認識し、スキャンされた情報を生成する。第2の管理システム145は、スキャンされた情報を構文解析して、ブリッジ接続サービス提供者130、標的生成器160、ブリッジ接続取引識別子および/または受取人150の受取人/加盟店識別子を識別する。1つの実施形態では、第2の管理システム145は、受取人150がスキャンしたブリッジ接続標的に関連付けられたブリッジ接続取引識別子を提供するように標的生成器160に要求してよい。さらに、第2の管理システム145は、受取人150が販売する商品またはサービスの説明、金額、および通貨の種類など、関連する取引情報を受信してよい。1つの実施形態では、第2の管理システム145は、ブリッジ接続取引識別子および関連する対応付けを通して支払人の身元をさらに解明することができるとしてよい。第2の管理システム145は、ブリッジ接続取引識別子および受取人/加盟店識別子と対応付けるために内部取引ID(例えばY取引ID)を別個に生成して、そのような対応付けを維持してもよい。次に、第2のサービス提供者140の第2の管理システム145は、取引要求(例えば支払い要求)をブリッジ接続システム135に提供してよい。取引要求は、ブリッジ接続取引識別子、受取人/加盟店識別子、および関連する取引情報を含んでいてよい。最後に、ブリッジ接続された取引を確認するメッセージを受信すると、第2の管理システム145は、結果(例えば支払いの成功)を受取人150に通知するメッセージを送ってよい。
【0046】
標的生成器160は、標的要求を受信し、第2のサービス提供者のブリッジ接続標的または標的コンテンツを生成するように構成される。ブリッジ接続標的は、受取人150のスキャンシステム155および第2のサービス提供者140の第2の管理システム145によって認識可能である。標的要求は、第1のサービス提供者120および/または支払人110に結び付けることができるブリッジ接続取引識別子および/またはブリッジ接続ウォレット識別子を含んでいてよい。さらに、標的生成器160は、生成された標的コンテンツまたはブリッジ接続標的をブリッジ接続取引識別子および/またはブリッジ接続ウォレット識別子と対応付け、その対応付けを維持してよい。次に、標的生成器160は、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的をブリッジ接続システム135に提供する。受取人150のスキャンシステム155がブリッジ接続標的をスキャンした後、要求があれば、標的生成器160は、スキャンされたブリッジ接続標的に対応付けされたブリッジ接続取引識別子を第2の管理システム145に提供してよい。前述したように、標的生成器160は、第2の管理システム145に埋め込まれるか接続されているモジュールであってよい。したがって、ブリッジ接続ネットワーク内の各サービス提供者は、対応するブリッジ接続標的を生成する独自の標的生成器を保有している。あるいは、標的生成器160は、複数のサービス提供者に対応する標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を生成するために、サービス提供者ではないことがあるブリッジ接続システム135に埋め込まれるか接続されているモジュールであってよい。
【0047】
要約すると、TBCASoft,Inc.,のHIVEX(登録商標)などのブリッジ接続サービス提供者130は、第2のサービス提供者140標的コンテンツまたはブリッジ接続標的を第1のサービス提供者120の支払人110に提供して、支払人110が第2のサービス提供者140のブリッジ接続標的を受取人150(例えば第2のサービス提供者140の加盟店)に提示してよいようにする。受取人150(例えば加盟店)のスキャンシステム155は、第2のサービス提供者140のブリッジ接続標的をスキャンしてそれを認識する。スキャンした後、受取人150が生成した取引要求がブリッジ接続サービス提供者130を通じて第1のサービス提供者120に中継される。第1のサービス提供者120は、支払人110に取引を承認するよう要求してよい。第1のサービス提供者120の第1の管理システム125から取引承認を受信すると、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、その取引をデータベースまたはブロックチェーンなどの分散型台帳に記録し、その後、取引は完了したとみなされる。次に関連する取引記録は、第1の管理システム125と第2の管理システム145の両方に配信される。承認および関連する取引記録は、さらに受取人150(例えば加盟店)に配信されてよい。
【0048】
代替実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者130は、同時に第1のサービス提供者120または第2のサービス提供者140であってよい。例えば、ブリッジ接続サービス提供者が第2のサービス提供者である場合、第2のサービス提供者は、第2のサービス提供者の機能に加えてブリッジ接続サービス提供者の機能を実行する。1つの実施形態では、第2の管理システムは、ブリッジ接続システムの機能も実行する。その結果、ブリッジ接続システム135と第1の管理システム125または第2の管理システム145との間のデータ送信は省略されることがあるが、システムの構造は、前述したように、ブリッジ接続サービス提供者130が第1のサービス提供者120でも第2のサービス提供者140でもない場合と基本的に同じである。
【0049】
図2は、標的のブリッジ接続を消費者提示モード(CPM)で実行している本発明の実施形態を示している。この状況では、第1のサービス提供者(例えばLINE Pay(登録商標) Taiwan)の支払人110が台湾から日本へ旅行し、日本の加盟店(例えばWatsons(登録商標)の店舗)でモバイル決済での支払いを希望している。加盟店は、ここでは受取人150である。
図2に示したように、この店は、PayPay(登録商標)、Rakuten Pay、およびFamiPay(登録商標)を受け入れているが、これらはすべて支払人が使用するモバイル決済サービスとは異なるものである。したがって、2つのモバイル決済サービス提供者間の取引を完了するために、本発明の標的ブリッジ接続サービスを利用する必要がある。この例では、支払人110が決済を行うためにLine Pay Taiwan(すなわち第1のサービス提供者120)が使用され、受取人150が代金を受け取るためにPayPay(すなわち第2のサービス提供者140)が選択されている。支払人110が第2のサービス提供者140としてPayPayを選択した後、携帯電話(すなわち携帯デバイス115)上のアプリは、支払い方式、すなわち消費者提示モード(CPM)か加盟店提示モード(MPM)を選択するよう支払人110にさらに指示してよい。加盟店提示モードでのサービス提供者間の取引のいくつかの実施形態が、2021年4月14日に出願された「METHOD AND SYSTEM FOR RESOLVING A TARGET」と題する国際特許出願第PCT/US21/27370号に記載されており、同文献の全容を本明細書に援用する。消費者提示モードでは、支払人110は、「QRコードの提示」を選択し、アプリは、支払人110の携帯デバイス115上で表示できるブリッジ接続のQRコードを受信する。すると加盟店(例えば受取人150としてのWatsons)のスキャンシステム155は、支払人110の携帯デバイス115に表示されたQRコードをスキャンする。スキャンされた情報を加盟店から受信すると、PayPay(第2のサービス提供者140)は、取引要求をブリッジ接続サービス提供者130であるHIVEXに提供してよい。次に、HIVEXは、LINE Pay Taiwan(第1のサービス提供者120)からの取引承認を受信した後にブリッジ接続された取引を記録する。そしてHIVEXは、取引確認をLINE Pay Taiwan(第1のサービス提供者120)およびPayPay(第2のサービス提供者140)に提供する。
【0050】
図3~
図6は、本発明の1つの実施形態での標的ブリッジ接続のシーケンス図を示す。
図3に示したように、支払人110は、ブリッジ接続標的を要求してよい。工程S111では、支払人110は、支払人110の携帯デバイス115が位置している地域のピックリストに対する要求を第1のサービス提供者120に送信してよく、このピックリストは、その地域で利用可能な第2のサービス提供者のリストである。1つの実施形態では、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、工程S112、S1121およびS1122に示したように、支払人の要求をそれ以上処理する前に、支払人110とその携帯デバイス115の両方を認証してもよい。工程S1121は、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125から支払人110の携帯デバイス115に認証要求を送ってよいことを示している。支払人110の携帯デバイス115は、工程S1122に示したように、その情報を返してそれが本物であることを確かめてよい。工程S113では、支払人110から要求を受信した後、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、その要求をブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135に中継してよい。
【0051】
工程S114では、要求を受信した後、ブリッジ接続システム135は、携帯デバイス115の位置に基づいてブリッジ接続ネットワーク内でサービス提供者の情報を調べてから、利用可能な第2のサービス提供者のピックリストを第1の管理システム125に返してよい。工程S115では、第1の管理システムは、ブリッジ接続システム135からそれを受信した後、ピックリストを支払人110にさらに中継する。前述したように、支払人110は、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125からピックリストを受信してよい。あるいは、携帯デバイス115がブリッジ接続ネットワーク内でサービス提供者の情報を更新していれば、その地域およびブリッジ接続ネットワーク内で利用可能なサービス提供者を選択することによってピックリストをローカルで生成してよい。工程S116では、第1のサービス提供者120から受信するかローカルで生成されたピックリストに基づいて、支払人110は、携帯デバイス115に表示されたピックリストから第2のサービス提供者140を選択し、標的要求を第1の管理システム125に送信して選択した第2のサービス提供者140のブリッジ接続標的を要求してよい。
【0052】
工程S117では、標的要求を受信した後、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、ブリッジ接続支払人識別子を含む標的要求をブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135に送信してよい。最後に、工程S118で、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、選択された第2のサービス提供者140を識別し、受信した要求に対してブリッジ接続取引識別子を生成し、その要求を標的生成器160に送信して第2のサービス提供者140ブリッジ接続標的または標的コンテンツを要求してよい。1つの実施形態では、標的生成器160は、第2のサービス提供者140のシステムであり、ブリッジ接続標的または標的コンテンツは、第2のサービス提供者140によって提供される。別の実施形態では、標的生成器160は、第2のサービス提供者140のシステムではないが、標的の形式および第2のサービス提供者140の規則に基づいてブリッジ接続標的または標的コンテンツを生成する権限を有する。
【0053】
図4は、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを生成し、それを第1のサービス提供者の支払人110に提供する一例のシーケンス図を示す。標的要求を受信した後、標的生成器160は、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを生成して支払人110の携帯デバイス115に提供してよい。工程S121では、標的生成器160は、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを生成し、それをブリッジ接続取引識別子に対応付けてよい。1つの実施形態では、標的生成器160は、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを生成する第1の時点を示す第1のタイムスタンプも生成してよい。第1のタイムスタンプは、個別に保存されてもよいし、ブリッジ接続標的または標的コンテンツの一部として保存されてもよい。工程S123では、標的生成器160は次に、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを第1のタイムスタンプ(ある場合)と一緒にブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135に提供する。第1のタイムスタンプのほかに、標的生成器160は、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的が有効性を保つ期間を示す有効期間も提供してよい。あるいは、標的生成器160は、標的コンテンツまたはブリッジ接続標的が無効になる時点を示す有効期限を直接提供してもよい。
【0054】
工程S125では、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを受信した後、ブリッジ接続システム135は、ブリッジ接続取引識別子をブリッジ接続支払人識別子に対応付け、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを第1のサービス提供者120の第1の管理システム125に返してよい。工程S127では、第1の管理システム125は、受信した標的コンテンツをブリッジ接続標的に変換し、ブリッジ接続標的を支払人110の携帯デバイス115に提供してよい。実際、標的コンテンツは、標的生成器160、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135、または支払人110の携帯デバイス115によってブリッジ接続標的に変換されてよい。
【0055】
ブリッジ接続標的は、
図5に示したように取引を進めるよう受取人150に提示されてよい。工程S131では、受取人150のスキャンシステム155は、支払人110が携帯デバイス115に提示したブリッジ接続標的をスキャンしてよい。工程S132では、ブリッジ接続標的をスキャンした後、スキャンシステム155は、スキャンした情報を第2のサービス提供者140の第2の管理システム145に送信して取引要求を開始してよい。スキャンシステム155は、ブリッジ接続標的がスキャンされる2回目の時点を示す第2のタイムスタンプも送信してよい。第2のタイムスタンプは、スキャンシステム155からスキャンした情報を第2の管理システムが受信した時点で第2の管理システム145によって生成されてもよい。取引の安全性を確保するために、第1のタイムスタンプと第2のタイムスタンプとの時差が所定期間を超えれば、取引は無効とみなされてよい。スキャンした情報を受信すると、第2のサービス提供者140の第2の管理システム145は、工程S1331に示したように、スキャンしたブリッジ接続標的に対応付けされたブリッジ接続取引識別子を返すよう標的生成器160に要求してよく、標的生成器160は、工程S1332に示したように、以前に工程S121で生成された関連する対応付けに基づいてブリッジ接続取引識別子を返してよい。
【0056】
工程S134では、第2の管理システム145は、ブリッジ接続システム135を介してブリッジ接続取引識別子と一緒に取引要求を支払人110に送信してよい。工程S135では、取引要求を受信すると、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、スキャンしたブリッジ接続標的のブリッジ接続取引識別子を解読して、第1のサービス提供者120の支払人110を表すブリッジ接続支払人識別子にしてよい。この解読が成功すれば、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、工程S1351で示したように、第2の管理システム145に受け取り確認を返してよい。するとブリッジ接続システム135は、工程S1352で示したように、ブリッジ接続支払人識別子を含む取引要求を第1のサービス提供者120の第1の管理システム125に転送してよい。
【0057】
工程S136では、許可が下りると、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、取引を承認してよい。第1の管理システム125は、取引を自動的に承認する権限があってよく、支払人110によるそれ以上の許可は必要ない。あるいは、取引に対する支払人の承認は、取引の安全性を向上させるために求められる。この場合、第1の管理システム125は、ブリッジ接続支払人識別子で支払人110を識別し、携帯デバイス115を介して支払人110に取引を承認するよう要求してよく、すると携帯デバイス115は、工程S1361およびS1362で示したように、取引承認を第1の管理システム125に提供してよい。第1の管理システム125は、工程S137で示したように、さらに取引承認をブリッジ接続システム135に送信してよい。
【0058】
工程S138では、取引承認を受信すると、ブリッジ接続システム135は、支払人のアカウントに対応付けされたブリッジ接続支払人識別子を用いて取引を処理してよい。関連する取引情報は、ブリッジ接続取引識別子によって結び付けられてよい。各々のブリッジ接続取引識別子に対して、第1のサービス提供者120は、対応するX取引IDを有していてよく、第2のサービス提供者140は、対応するY取引IDを有していてよい。前述したように、X取引IDは、ブリッジ接続支払人識別子であってもよいし、別個に生成されたIDであってもよい。同じように、Y取引IDは、受取人/加盟店の識別子であってもよいし、別個に生成されたIDであってもよい。ブリッジ接続取引識別子とX取引IDとの対応付けは、ブリッジ接続システム135および/または第1の管理システム125によって保存され、保持されてよい。ブリッジ接続取引識別子とY取引IDとの対応付けは、ブリッジ接続システム135および/または第2の管理システム145によって保存され、保持されてよい。1つの実施形態では、プライバシー保護を強化するため、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、取引を記録するために各々のブリッジ接続取引識別子に対してジョブIDを生成してよく、これは、ブロックチェーンなどの分散型台帳に保存されてよい。その結果、ブリッジ接続システム135は、ジョブID、支払人の仮想ウォレット、受取人の仮想ウォレット、金額および通貨を含む各取引を記録してよい。別の実施形態では、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、単一のブリッジ接続取引識別子に対して複数のジョブIDを生成してよく、支払い、返金およびキャンセルに対応している取引の複数の部分が、様々なジョブIDを用いて記録されてよく、ジョブIDはすべて、1つのブリッジ接続取引識別子に対応している。次に、ブリッジ接続システム135は、支払い成功の通知を第1の管理システム125に送り(工程S1381)、第1の管理システム125から受け取り確認を受信(工程S1382)してよい。受け取り確認を受信すると、ブリッジ接続システム135は、工程S1383で示したように、支払い成功の通知を第2の管理システム145に送ってよい。最後に、支払い成功の通知は、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125から支払人110の携帯デバイス115へ(工程S1391)、そして第2のサービス提供者140の第2の管理システム145から受取人150のスキャンシステム155へ(工程S1392)、個別に送られてよい。
【0059】
別の実施形態では、標的要求がブリッジ接続システム135によって送信されず、標的生成器160は、
図6に示したように、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを、ブリッジ接続標的の使用履歴データなどの所定の基準に基づいて自動的に提供してよい。工程S141では、標的生成器160は、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを生成し、その後それをブリッジ接続取引識別子に対応付けしてよい。工程S142では、標的生成器160は、何らかの基準を満たしたときに、ブリッジ接続取引識別子と対応付けしたブリッジ接続標的または標的コンテンツをブリッジ接続システム135に自動的に送信してよい。例えば、標的生成器160は、以前に送信されたブリッジ接続標的または標的コンテンツの使用を監視し、未使用の標的の数が所定値を下回ったときに新たに生成されたブリッジ接続標的または標的コンテンツを提供してよい。この場合、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、標的生成器160で生成されたブリッジ接続取引識別子を認識でき、ブリッジ接続取引識別子を支払人110のブリッジ接続支払人識別子に対応付けできるとしてよい。工程S143では、支払人110は、ブリッジ接続標的を要求してよく、詳細な手順は、工程S111~S117の説明と同様である。
【0060】
工程S145では、標的生成器160からブリッジ接続標的または標的コンテンツを受信し、第1の管理システム125から標的要求を受信した後、ブリッジ接続サービス提供者130のブリッジ接続システム135は、(標的生成器160から提供された)ブリッジ接続取引識別子を(第1の管理システム125から提供された)ブリッジ接続支払人識別子に対応付けし、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを第1の管理システム125に提供してよい。別の実施形態では、標的生成器160は、要求がなくてもブリッジ接続標的または標的コンテンツを第1の管理システム125を介して自動的に支払人110に提供してもよい。1つの例として、第1の管理システム125が取引ネットワークの支払人110が使用しているブリッジ接続標的を検知したとき、第1の管理システム125は、ブリッジ接続システム135に通知してよく、ブリッジ接続システム135は、ブリッジ接続取引識別子を第1の管理システム125から提供されたブリッジ接続支払人識別子に対応付けし、その後、ブリッジ接続標的または標的コンテンツを提供してよい。ブリッジ接続システム135は、第1の管理システム125から要求がなくてもブリッジ接続標的または標的コンテンツを支払人110に提供する可能性もある。この場合、ブリッジ接続取引が要求されたとき、ブリッジ接続システム135は、そのイベントを検知し、第1の管理システム125から提供されたブリッジ接続支払人識別子に応じてブリッジ接続標的または標的コンテンツを追加してよい。すると標的コンテンツまたはブリッジ接続標的は、最初に要求することなく、第1の管理システム125から支払人110に提供されてよい。工程S147では、第1のサービス提供者120の第1の管理システム125は、受信した標的コンテンツをブリッジ接続標的に変換し、ブリッジ接続標的を支払人110の携帯デバイス115に提供してよい。あるいは、標的コンテンツは、標的生成器160、ブリッジ接続システム135、または携帯デバイス115によってブリッジ接続標的に変換されてよい。
【0061】
別の実施形態では、標的生成器160は、支払人110が加盟店である受取人150から景品との引き換えに使用できるデジタルクーポンのブリッジ接続標的または標的コンテンツを生成してよい。この実施形態では、標的生成器160は、生成されたブリッジ接続標的または標的コンテンツに対してブリッジ接続取引識別子を提供する必要がないことがある。この場合、ブリッジ接続標的は、受取人150(例えば加盟店)を宣伝するためにブリッジ接続サービス提供者130が自由に配布することを許可されてよい。標的を認識すると、第2のサービス提供者140の第2の管理システム145は、どの標的が使用されているのかを記録するだけでよく、景品は、取引を記録せずに直接支払人110に提供されてよい。
【0062】
実施形態の前述の説明は、当業者が主題を製造できて使用できるように提供されている。これらの実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に開示した新規な原理および主題は、革新的な能力を用いることなく他の実施形態に適用されてよい。特許請求の範囲に記載された請求項の主題は、本明細書に示した実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示した原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲に及ぶものとする。追加の実施形態は、開示した主題の趣旨および真の範囲内にあると考えられる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内にある変更および変形を網羅することを意図している。
【国際調査報告】