(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】連続的な均質化または溶解のための単回使用のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B01F 23/53 20220101AFI20250117BHJP
C12M 1/33 20060101ALI20250117BHJP
B01F 31/40 20220101ALI20250117BHJP
B01F 31/441 20220101ALI20250117BHJP
B01F 27/112 20220101ALI20250117BHJP
B01F 27/191 20220101ALI20250117BHJP
B01F 27/051 20220101ALI20250117BHJP
B01F 27/115 20220101ALI20250117BHJP
B01F 27/90 20220101ALI20250117BHJP
B01F 27/93 20220101ALI20250117BHJP
B01F 33/25 20220101ALI20250117BHJP
B01F 35/22 20220101ALI20250117BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20250117BHJP
B01F 35/75 20220101ALI20250117BHJP
B01F 35/213 20220101ALI20250117BHJP
B01F 35/51 20220101ALI20250117BHJP
【FI】
B01F23/53
C12M1/33
B01F31/40
B01F31/441
B01F27/112
B01F27/191
B01F27/051
B01F27/115
B01F27/90
B01F27/93
B01F33/25
B01F35/22
B01F35/71
B01F35/75
B01F35/213
B01F35/51
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541226
(86)(22)【出願日】2023-03-02
(85)【翻訳文提出日】2024-09-09
(86)【国際出願番号】 US2023063562
(87)【国際公開番号】W WO2023141664
(87)【国際公開日】2023-07-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524258598
【氏名又は名称】アセム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ATHEM LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】メータ,スニル
【テーマコード(参考)】
4B029
4G035
4G036
4G037
4G078
【Fターム(参考)】
4B029AA15
4B029BB01
4B029CC01
4B029DB02
4B029DB07
4B029DB09
4B029DG06
4B029FA15
4B029HA05
4B029HA09
4G035AB46
4G035AE02
4G035AE13
4G035AE17
4G036AA23
4G036AB04
4G036AC70
4G037AA02
4G037AA12
4G037AA18
4G037EA04
4G037EA10
4G078AA03
4G078AB01
4G078AB05
4G078BA05
4G078DA01
4G078DA23
4G078EA10
4G078EA13
(57)【要約】
本発明は、連続的流れ均質化デバイス、ならびに細胞、組織、および他の生物製剤の溶解または崩壊のために該デバイスを使用し、より小さい粒子および乳濁液を作成する方法に関する。本デバイスは、流入材料が連続的に入口からチャンバに入り、均質化された材料が連続的に出口から流れ出る均質化チャンバを含む。均質化チャンバは、均質化増強媒体の有無に関わらずチャンバの内側で回転運動および/または往復運動する少なくとも1つのインペラを含み得る。均質化増強媒体は、剛性粒子を含み得る。すべての生成物接触面は、滅菌状態および使い捨てであり得る。完全な均質化プロセスは、本システム構成要素の異なる入力および出力を管理する制御器によって完全自動または手動様式で実行され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口と出口を備えるチャンバと、
(i)回転運動もしくは往復運動する、または(ii)回転運動および往復運動するように構成されている、前記チャンバ内の少なくとも1つのインペラと
を備え、
使用前に滅菌状態にされ、単回使用の使い捨て品である均質化デバイス。
【請求項2】
前記チャンバは、均質化増強媒体を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記均質化増強媒体は、非圧縮性または固体の粒子を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記均質化増強媒体は、0.1~2000ミクロンのサイズの非圧縮性または固体粒子を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項5】
前記均質化増強媒体は、非孔質粒子を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項6】
前記均質化増強媒体は、孔質粒子を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項7】
前記均質化増強媒体は、粗面を有する粒子を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項8】
前記均質化増強媒体は、平滑面を有する粒子を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項9】
前記均質化増強媒体は、ガラスまたは金属の粒子を含む、請求項2に記載のデバイス。
【請求項10】
前記チャンバは、プラスチックから作製される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記チャンバは、金属から作製される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つのインペラは、シャフトに接続され、前記シャフトは、振動するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記インペラおよびシャフトは、プラスチックから作製される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記インペラおよびシャフトは、金属から作製される、請求項12に記載のデバイス。
【請求項15】
すべての生成物接触面は、単バッチを処理した後に廃棄される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記デバイスは、その使用前に滅菌および包装される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項17】
前記デバイスは、出発材料を均質化するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項18】
前記出発材料は、細胞培養物である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記出発材料は、微生物培養物である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項20】
前記出発材料は、有機物である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項21】
前記出発材料は、無機物である、請求項17に記載のデバイス。
【請求項22】
前記デバイスは、細胞を溶解するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項23】
前記デバイスは、材料を混合するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項24】
前記デバイスは、前記出発材料のサイズを低減するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項25】
前記チャンバは、内部空洞を画定する本体を備え、前記入口は、前記内部空洞の下部分にあり、前記出口は、前記内部空洞の上部分にある、請求項1に記載のデバイス。
【請求項26】
前記出口と前記内部空洞との間にフィルタをさらに備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記少なくとも1つのインペラに接続されたシャフトをさらに備える、請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記少なくとも1つのインペラは、前記シャフトに接続された単翼である、請求項27に記載のデバイス。
【請求項29】
複数の穴が、前記単翼インペラ内で画定される、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記シャフトは、前記チャンバ本体の上部から延びる、請求項27に記載のデバイス。
【請求項31】
出発材料の均質化のためのシステムであって、
前記出発材料を含有する出発材料容器と、
入口および出口を含むチャンバ、ならびに前記チャンバの内部容積内で回転運動および/または往復運動するように構成されているインペラを備える均質化デバイスと、
前記出発材料容器と前記チャンバの前記入口との間の第1の管ラインと、
前記第1の管ライン内のポンプ(P1)と、
前記第1の管ライン内の第1の弁(V1)と、
再循環容器と、
前記再循環容器と前記第1の管ラインとの間の第2の管ラインであって、前記再循環容器および前記チャンバの前記入口を流体接続する、第2の管ラインと、
前記第2の管ライン内の第2の弁(V2)と、
前記チャンバの前記出口と前記出発材料容器との間の第3の管ラインと、
前記第3の管ライン内の第3の弁(V3)と、
前記再循環容器と前記第3の管ラインとの間の第4の管ラインと、
前記第4の管ライン内の第4の弁(V4)と、
前記第3の管ラインと前記第1の管ラインとの間の第5の管ラインと、
前記第5の管ライン内の第5の弁(V5)と、
前記第1~第5の弁に選択的に開閉するように指示するように、前記インペラの動作を指示するように、ならびに前記ポンプにオンおよびオフにするように指示するように構成されている制御器と
を備えるシステム。
【請求項32】
前記制御器は、
(a)出発材料のサイクル体積が前記出発材料容器から前記入口へ流れ、前記均質化チャンバに流れるように、前記第1の弁を開き、前記ポンプをオンにすることと、
(b)前記サイクル体積が前記出口から前記入口へ流れ、前記均質化チャンバに複数回流れるように、前記第1の弁を閉じ、前記第5の弁を開くことと、
(c)前記サイクル体積が前記再循環容器内に受容されるように、前記第5の弁を閉じ、前記第4の弁を開くことと、
(d)前記出発材料容器内の出発材料が枯渇するまでステップ(a)~(c)を繰り返すことと
をするように構成されている、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記第1の管ライン内に気泡センサをさらに備え、前記制御器は、前記気泡センサによる測定に基づいて、前記出発材料容器内の出発材料が枯渇することを決定するように構成されている、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記制御器は、
(a)出発材料が前記出発材料容器から前記入口へ流れ、前記均質化チャンバに流れるように、前記第1の弁を開き、前記ポンプをオンにすることと、
(b)前記均質化された出発材料が前記出口から前記出発材料容器へ流れるように、前記第3の弁を開くことと、
(c)前記第1の管ラインおよび/または前記第3の管ライン内の光学センサによる測定に基づいて、所望の均質化が達成されるまで、前記第1および第3の弁を開いたまま、ならびに前記ポンプをオンにしたままにすることと
をするように構成されている、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記制御器は、
(a)前記出発材料容器内の出発材料が枯渇するまで、前記出発材料が前記出発材料容器から前記均質化デバイスを通って前記再循環容器へ流れるように、前記第1の弁を開き、前記第2の弁を閉じ、前記第3の弁を閉じ、前記第5の弁を閉じ、前記第4の弁を開き、前記ポンプをオンにすることと、
(b)前記再循環容器内の出発材料が枯渇するまで、前記出発材料が前記再循環容器から前記均質化デバイスを通って前記出発材料容器へ流れるように、前記第1の弁を閉じ、前記第4の弁を閉じ、前記第2の弁および前記第3の弁を開くことと、
(c)前記第1の管ラインおよび/または前記第3の管ライン内の光学センサによる測定に基づいて、所望の均質化が達成されるまで、ステップ(a)および/またはステップ(b)を複数回繰り返すことと
をするように構成されている、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1の管ライン内に気泡センサをさらに備え、前記制御器は、前記気泡センサによる測定に基づいて、前記出発材料容器および前記再循環容器内の出発材料が枯渇することを決定するように構成されている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記第1~第5の管ライン、前記第1~第5の弁、前記第1の管ライン内の気泡センサ(提供される場合)、前記第1の管ライン内の圧力センサ(提供される場合)、前記第1の管ライン内の光学センサ(提供される場合)、前記第3の管ライン内の光学センサ(提供される場合)、前記均質化デバイス、前記出発材料容器、前記再循環容器、および/または前記ポンプは、キットとして提供され、単回使用の使い捨て品である、請求項31に記載のシステム。
【請求項38】
出発材料の均質化のためのシステムであって、
前記出発材料を含有する出発材料容器と、
入口および出口を含むチャンバ、ならびに前記チャンバの内部容積内で回転運動および/または往復運動するように構成されているインペラを備える均質化デバイスと、
前記出発材料容器と前記チャンバの前記入口との間の第1の管ラインと、
前記第1の管ライン内のポンプ(P1)と、
前記第1の管ライン内の第1の弁(V1)と、
前記チャンバの前記出口と前記出発材料容器との間の第2の管ラインと、
前記第2の管ライン内の第2の弁(V3)と、
前記第1の管ラインおよび/または前記第2の管ライン内の少なくとも1つの光学センサと、
制御器と
を備え、該制御器は、
(a)出発材料が、前記出発材料容器から前記入口へ流れ、前記均質化チャンバに流れ、少なくとも部分的に均質化されるように、前記第1の弁を開き、前記ポンプをオンにし、前記インペラを回転運動および/または往復運動させることと、
(b)前記少なくとも部分的に均質化された出発材料が前記出口から前記出発材料容器へ流れるように、前記第2の弁を開くことと、
(c)前記第1の管ラインおよび/または前記第2の管ライン内の前記光学センサによる測定に基づいて、所望の均質化が達成されるまで、前記第1および第2の弁を開いたまま、ならびに前記ポンプをオンにしたままにすることと
をするように構成されている、システム。
【請求項39】
有機および無機の材料を均質化するための方法であって、
出発材料を均質化するために、前記出発材料を出発材料容器から均質化デバイスに複数回流すステップと、
前記均質化された材料を容器内に収集するステップと
を含む方法。
【請求項40】
前記流すステップは、
(a)前記出発材料のサイクル体積を、前記出発材料容器から第1の管ラインを通して前記均質化デバイスの入口へ圧送するステップと、
(b)前記第1の管ライン内の第1の弁(V1)を閉じ、第2の管ライン内の第2の弁(V5)を開くステップと、
(c)前記サイクル体積を均質化するために前記均質化デバイスを動作させながら、前記サイクル体積を前記均質化デバイスの出口から前記第2および第1の管ラインを通って前記入口へ流し、前記均質化デバイスに複数回流すステップと、
(d)前記均質化されたサイクル体積が再循環容器に入るように、前記第2の弁(V5)を閉じ、第3の管ライン内の第3の弁(V4)を開くステップと、
(e)前記出発材料容器が枯渇することを決定するまで、ステップ(a)~(d)を複数回繰り返すステップと
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記出発材料容器が枯渇することを決定するために、前記第1の管ライン内の気泡センサを使用するステップを含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記流すステップは、
(a)前記出発材料を、前記出発材料容器から第1の管ラインを通して前記均質化デバイスの入口へ圧送するステップと、
(b)前記出発材料を少なくとも部分的に均質化するために前記均質化デバイスを動作させながら、前記出発材料を前記均質化デバイスに流すステップと、
(c)前記少なくとも部分的に均質化された出発材料を前記出発材料と混合するために、前記少なくとも部分的に均質化された出発材料を前記均質化デバイスの出口から第2の管ラインを通って前記出発材料容器へ流すステップと、
(d)所望の均質化が達成されるまで、ステップ(a)~(c)を繰り返すステップと
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の管ラインおよび/または前記第2の管ライン内の少なくとも1つの光学センサ(OS1、OS2)を使用して、いつ前記所望の均質化が達成されるかを決定するステップをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記流すステップは、
(a)第1の管ライン内の第1の弁(V1)を開き、第2の管ライン内の第2の弁(V4)を開き、第3の管ライン内の第3の弁(V5)を閉じ、第4の管ライン内の第4の弁(V2)を閉じ、第5の管ライン内の第5の弁(V3)を閉じるステップと、
(b)前記出発材料を、前記出発材料容器から前記第1の管ラインを通して前記均質化デバイスの入口へ圧送するステップと、
(c)前記出発材料を前記均質化デバイスに流し、前記出発材料を少なくとも部分的に均質化するために前記均質化デバイスを動作させるステップと、
(d)前記出発材料容器が枯渇することを決定するまで、前記少なくとも部分的に均質化された出発材料を前記均質化デバイスの出口から第6の管ラインおよび前記第2の管ラインを通って再循環容器へ流すステップと、
(e)前記第1の管ライン内の前記第1の弁(V1)を閉じ、前記第2の管ライン内の前記第2の弁(V4)を閉じ、前記第3の管ライン内の第3の弁(V5)を閉じ、前記第4の管ライン内の前記第4の弁(V2)を開き、前記第5の管ライン内の前記第5の弁(V3)を開くステップと、
(f)前記少なくとも部分的に均質化された出発材料を前記再循環容器から前記第4の管ラインを通して前記均質化デバイスの前記入口へ圧送するステップと、
(g)前記少なくとも部分的に均質化された出発材料を前記均質化デバイスに流し、前記出発材料をさらに均質化するために前記均質化デバイスを動作させるステップと、
(h)前記再循環容器が枯渇することを決定するまで、前記さらに均質化された出発材料を前記均質化デバイスの前記出口から前記第6の管ラインおよび前記第5の管ラインを通って前記出発材料容器へ流すステップと、
(i)ステップ(d)において前記再循環容器内に均質化された材料を収集することを停止するか、またはステップ(h)において前記出発材料容器内に均質化された材料を収集することを停止しながら、所望の均質化が達成されるまでステップ(a)~(h)を繰り返すステップと
を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項45】
前記出発材料容器または前記再循環容器が枯渇することを決定するために、前記第1の管ライン内の気泡センサを使用するステップを含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の管ラインおよび/または前記第6の管ライン内の少なくとも1つの光学センサ(OS1、OS2)を使用して、いつ前記所望の均質化が達成されるかを決定するステップをさらに含む請求項44に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年1月6日に出願の米国仮出願第63/296,984号からの優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
本発明は、有機および無機の材料を均質化(homogenizing)するために使用される方法、デバイス、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
細胞または組織の溶解(lysis)または均質化は、細胞の内側に存在する有益な生成物を回収するために多くのプロセスに使用される。例えば、大腸菌によって生産される組み換えタンパク質は、細胞内に含まれる。細胞は、溶解されて、さらなる精製のために組み換えタンパク質を放出する。同様に、多くのウイルスおよびウイルスベクタは、細胞の内側に生産され(例えば、アデノ随伴ウイルス)、それらの放出のために細胞の溶解を必要とする。著しいせん断がホモジナイザによって生み出されるため、それらは、粒子のサイズを低減するため、ならびに乳濁液およびクリームを生産するために使用され得る。
【0004】
組織または細胞培養物からの細胞の均質化または溶解に使用され得るいくつかの注目すべき方法が存在する。これらの方法のうちの一部は、機械的溶解に基づく一方、化学的溶解に基づくものもある。化学的溶解は、小規模研究プロトコルに使用され得るが、化学物質が溶解ステップ後に生成物から完全に除去されなければならないため、それは、バイオ医薬品の製造に好ましい方法ではない。規制当局は、細胞を溶解するために時折使用される洗剤の使用を制限しているが、それは、これらの化学物質の除去が困難であり、いくつかの精製ステップを必要とし得るためである。これは、商業用の不連続または連続的な均質化システムが機械的溶解に基づく主たる理由の1つである。これらのシステムは、生成物接触部品の大半が非常に高価であり、また市販の単回使用(single use)の部品(例えば、管類、バッグ)が、これらの均質化システムによって生成される高圧力または高せん断に耐えることができないことから、洗浄されて再使用される。小規模のバッチモードで動作され得るが、スケールアップされることができない、Dounceホモジナイザ、超音波ホモジナイザ、およびビーズミルホモジナイザを含む、いくつかの他のシステムが存在する。
【0005】
単回使用の技術は、それらがCIP/SIP(Clean-In-Place(定置洗浄)/Sterilization-In-Place(定置滅菌))の必要性およびバッチ間の相互汚染のリスクを排除することから、バイオマニュファクチャリングのための再使用可能技術に勝って近年大きく勢いを増している。それらはまた、バッチ間のサイクル時間および資本投資を低減する。現在の均質化技術は、単回使用ではないため、単回使用の均質化技術の必要性が大いにある。
【発明の概要】
【0006】
本発明のいくつかの実施形態は、入口および出口を含むチャンバと、(i)回転運動もしくは往復運動する、または(ii)回転運動および往復運動するように構成されている、チャンバ内の少なくとも1つのインペラとを含む均質化デバイスに向けられる。本デバイスは、使用前に滅菌状態にされ、単回使用の使い捨て品である。
【0007】
いくつかの実施形態において、チャンバは、均質化増強媒体を含む。均質化増強媒体は、非圧縮性または固体粒子を含み得る。均質化増強媒体は、0.1~2000ミクロンのサイズの非圧縮性または固体粒子を含み得る。均質化増強媒体は、非孔質粒子を含み得る。均質化増強媒体は、孔質粒子を含み得る。均質化増強媒体は、粗面を有する粒子を含み得る。均質化増強媒体は、平滑面を有する粒子を含み得る。均質化増強媒体は、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、または任意の他の剛性粒子を含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、チャンバは、プラスチックから作製される。いくつかの実施形態において、チャンバは、金属から作製される。
【0009】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのインペラは、シャフトに接続され、シャフトは、振動するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、インペラおよびシャフトは、プラスチックから作製される。
【0011】
いくつかの実施形態において、インペラおよびシャフトは、金属から作製される。
【0012】
いくつかの実施形態において、すべての生成物接触面は、単バッチを処理した後にされる。
【0013】
いくつかの実施形態において、本デバイスは、その使用前に滅菌および包装される。
【0014】
いくつかの実施形態において、本デバイスは、出発材料を均質化するように構成されている。出発材料は、細胞培養物であってもよい。出発材料は、微生物培養物であってもよい。出発材料は、有機物であってもよい。出発材料は、無機物であってもよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、本デバイスは、細胞を溶解するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、本デバイスは、材料を混合するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、本デバイスは、出発材料のサイズを低減するように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態において、チャンバは、内部空洞を画定する本体を含み、入口は、内部空洞の下部分にあり、出口は、内部空洞の上部分にある。
【0019】
いくつかの実施形態において、本デバイスは、出口と内部空洞との間にフィルタを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、本デバイスは、少なくとも1つのインペラに接続されたシャフトを含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのインペラは、シャフトに接続された単翼である。
【0022】
いくつかの実施形態において、複数の穴が、単翼インペラ内で画定される。
【0023】
いくつかの実施形態において、シャフトは、チャンバ本体の上部から延びる。
【0024】
本発明のいくつかの他の実施形態は、出発材料の均質化のためのシステムに向けられる。本システムは、出発材料を含有する出発材料容器と、入口および出口を含むチャンバ、ならびにチャンバの内部容積内で回転運動および/または往復運動するように構成されているインペラを含む均質化デバイスと、出発材料容器とチャンバの入口との間の第1の管ラインと、第1の管ライン内のポンプ(P1)と、第1の管ライン内の第1の弁(V1)と、再循環容器と、再循環容器と第1の管ラインとの間の第2の管ラインであって、再循環容器およびチャンバの入口を流体接続する、第2の管ラインと、第2の管ライン内の第2の弁(V2)と、チャンバの出口と出発材料容器との間の第3の管ラインと、第3の管ライン内の第3の弁(V3)と、再循環容器と第3の管ラインとの間の第4の管ラインと、第4の管ライン内の第4の弁(V4)と、第3の管ラインと第1の管ラインとの間の第5の管ラインと、第5の管ライン内の第5の弁(V5)と、第1~第5の弁に選択的に開閉するように指示するように、インペラの動作を指示するように、ならびにポンプにオンおよびオフにするように指示するように構成されている制御器とを含む。
【0025】
いくつかの実施形態において、制御器は、(a)出発材料のサイクル体積が出発材料容器から入口へ流れ、均質化チャンバに流れるように、第1の弁を開き、ポンプをオンにすることと、(b)サイクル体積が出口から入口へ流れ、均質化チャンバに複数回流れるように、第1の弁を閉じ、第5の弁を開くことと、(c)サイクル体積が再循環容器内に受容されるように、第5の弁を閉じ、第4の弁を開くことと、(d)出発材料容器内の出発材料が枯渇するまでステップ(a)~(c)を繰り返すこととをするように構成されている。
【0026】
いくつかの実施形態において、本システムは、第1の管ライン内に気泡センサをさらに含み、制御器は、気泡センサによる測定に基づいて、出発材料容器内の出発材料が枯渇することを決定するように構成されている。
【0027】
いくつかの実施形態において、制御器は、(a)出発材料が出発材料容器から入口へ流れ、均質化チャンバに流れるように、第1の弁を開き、ポンプをオンにすることと、(b)均質化された出発材料が出口から出発材料容器へ流れるように、第3の弁を開くことと、(c)第1の管ラインおよび/または第3の管ライン内の光学センサによる測定に基づいて、所望の均質化が達成されるまで、第1および第3の弁を開いたまま、ならびにポンプをオンにしたままにすることとをするように構成されている。
【0028】
いくつかの実施形態において、制御器は、(a)出発材料容器内の出発材料が枯渇するまで、出発材料が出発材料容器から均質化デバイスを通って再循環容器へ流れるように、第1の弁を開き、第2の弁を閉じ、第3の弁を閉じ、第5の弁を閉じ、第4の弁を開き、ポンプをオンにすることと、(b)再循環容器内の出発材料が枯渇するまで、出発材料が再循環容器から均質化デバイスを通って出発材料容器へ流れるように、第1の弁を閉じ、第4の弁を閉じ、第2の弁および第3の弁を開くことと、(c)第1の管ラインおよび/または第3の管ライン内の光学センサによる測定に基づいて、所望の均質化が達成されるまで、ステップ(a)および/またはステップ(b)を複数回繰り返すこととをするように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態において、本システムは、第1の管ライン内に気泡センサをさらに含み、制御器は、気泡センサによる測定に基づいて、出発材料容器および再循環容器内の出発材料が枯渇することを決定するように構成されている。
【0030】
いくつかの実施形態において、第1~第5の管ライン、第1~第5の弁、第1の管ライン内の気泡センサ(提供される場合)、第1の管ライン内の圧力センサ(提供される場合)、第1の管ライン内の光学センサ(提供される場合)、第3の管ライン内の光学センサ(提供される場合)、均質化デバイス、出発材料容器、再循環容器、および/またはポンプは、キットとして提供され、単回使用の使い捨て品である。
【0031】
本発明のいくつかの他の実施形態は、出発材料の均質化のためのシステムに向けられる。本システムは、出発材料を含有する出発材料容器と、入口および出口を含むチャンバ、ならびにチャンバの内部容積内で回転運動および/または往復運動するように構成されているインペラを含む均質化デバイスと、出発材料容器とチャンバの入口との間の第1の管ラインと、第1の管ライン内のポンプ(P1)と、第1の管ライン内の第1の弁(V1)と、チャンバの出口と出発材料容器との間の第2の管ラインと、第2の管ライン内の第2の弁(V3)と、第1の管ラインおよび/または第2の管ライン内の少なくとも1つの光学センサと、制御器とを含み、制御器は、(a)出発材料が、出発材料容器から入口へ流れ、均質化チャンバに流れ、少なくとも部分的に均質化されるように、第1の弁を開き、ポンプをオンにし、インペラを回転運動および/または往復運動させることと、(b)少なくとも部分的に均質化された出発材料が出口から出発材料容器へ流れるように、第2の弁を開くことと、(c)第1の管ラインおよび/または第2の管ライン内の光学センサによる測定に基づいて、所望の均質化が達成されるまで、第1および第2の弁を開いたまま、ならびにポンプをオンにしたままにすることとをするように構成されている。
【0032】
本発明のいくつかの他の実施形態は、有機および無機の材料を均質化するための方法に向けられ、本方法は、出発材料を均質化するために、出発材料を出発材料容器から均質化デバイスに複数回流すステップと、均質化された材料を容器内に収集するステップとを含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、流すステップは、(a)出発材料のサイクル体積を、出発材料容器から第1の管ラインを通して均質化デバイスの入口へ圧送するステップと、(b)第1の管ライン内の第1の弁(V1)を閉じ、第2の管ライン内の第2の弁(V5)を開くステップと、(c)サイクル体積を均質化するために均質化デバイスを動作させながら、サイクル体積を均質化デバイスの出口から第2および第1の管ラインを通って入口へ流し、均質化デバイスに複数回流すステップと、(d)均質化されたサイクル体積が再循環容器に入るように、第2の弁(V5)を閉じ、第3の管ライン内の第3の弁(V4)を開くステップと、(e)出発材料容器が枯渇することを決定するまで、ステップ(a)~(d)を複数回繰り返すステップとを含む。
【0034】
いくつかの実施形態において、本方法は、出発材料容器が枯渇することを決定するために、第1の管ライン内の気泡センサを使用するステップを含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、流すステップは、(a)出発材料を、出発材料容器から第1の管ラインを通して均質化デバイスの入口へ圧送するステップと、(b)出発材料を少なくとも部分的に均質化するために均質化デバイスを動作させながら、出発材料を均質化デバイスに流すステップと、(c)少なくとも部分的に均質化された出発材料を出発材料と混合するために、少なくとも部分的に均質化された出発材料を均質化デバイスの出口から第2の管ラインを通って出発材料容器へ流すステップと、(d)所望の均質化が達成されるまで、ステップ(a)~(c)を繰り返すステップとを含む。
【0036】
いくつかの実施形態において、本方法は、第1の管ラインおよび/または第2の管ライン内の少なくとも1つの光学センサ(OS1、OS2)を使用して、いつ所望の均質化が達成されるかを決定するステップを含む。
【0037】
いくつかの実施形態において、流すステップは、(a)第1の管ライン内の第1の弁(V1)を開き、第2の管ライン内の第2の弁(V4)を開き、第3の管ライン内の第3の弁(V5)を閉じ、第4の管ライン内の第4の弁(V2)を閉じ、第5の管ライン内の第5の弁(V3)を閉じるステップと、(b)出発材料を、出発材料容器から第1の管ラインを通して均質化デバイスの入口へ圧送するステップと、(c)出発材料を均質化デバイスに流し、出発材料を少なくとも部分的に均質化するために均質化デバイスを動作させるステップと、(d)出発材料容器が枯渇することを決定するまで、少なくとも部分的に均質化された出発材料を均質化デバイスの出口から第5の管ラインおよび第2の管ラインを通って再循環容器へ流すステップと、(e)第1の管ライン内の第1の弁(V1)を閉じ、第2の管ライン内の第2の弁(V4)を閉じ、第3の管ライン内の第3の弁(V5)を閉じ、第4の管ライン内の第4の弁(V2)を開き、第5の管ライン内の第5の弁(V3)を開くステップと、(f)少なくとも部分的に均質化された出発材料を再循環容器から第4の管ラインを通して均質化デバイスの入口へ圧送するステップと、(g)少なくとも部分的に均質化された出発材料を均質化デバイスに流し、出発材料をさらに均質化するために均質化デバイスを動作させるステップと、(h)再循環容器が枯渇することを決定するまで、さらに均質化された出発材料を均質化デバイスの出口から第5の管ラインを通って出発材料容器へ流すステップと、(i)ステップ(d)において再循環容器内に均質化された材料を収集することを停止するか、またはステップ(h)において出発材料容器内に均質化された材料を収集することを停止しながら、所望の均質化が達成されるまでステップ(a)~(h)を繰り返すステップとを含む。
【0038】
いくつかの実施形態において、本方法は、出発材料容器または再循環容器が枯渇することを決定するために、第1の管ライン内の気泡センサを使用するステップを含む。
【0039】
いくつかの実施形態において、本方法は、第1の管ラインおよび/または第6の管ライン内の少なくとも1つの光学センサ(OS1、OS2)を使用して、いつ所望の均質化が達成されるかを決定するステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】いくつかの実施形態による、ホモジナイザの概略図である。
【
図2A-2F】いくつかの実施形態による、異なるインペラ構成を例証する図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、往復運動シールを例証する断面図である。
【
図6】いくつかの実施形態による、使い捨てホモジナイザチャンバの外部特徴を概略的に例証する側面および正面図である。
【
図7】いくつかの実施形態による、使い捨てホモジナイザチャンバの内部特徴を概略的に例証する背面および断面図である。
【
図8】いくつかの実施形態による、システムのフロー概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書に説明される実施形態は、細胞または粒子を伴う流体を出発材料混合物として使用するが、本明細書に説明されるデバイスおよび方法は、液体、固体、気体(例えば、空気)、およびそれらの組み合わせのいずれかを含有する混合物にも適用可能である。
【0042】
本明細書に説明されるデバイスおよび方法は、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を使用する(
図1)。すべての生成物接触面は、バッチを処理した後に廃棄され得る。バイオ医薬品製造用途では、すべての生成物接触面は、それらが、生体適合性があり、バイオ医薬品製造に適しているように選択される(例えば、C-Flex、シリコーン、ポリプロピレン、ポリエチレン、PVC、ポリカーボネート、316Lステンレス鋼)。完全均質化チャンバアセンブリおよび関連管類は、その使用前に、予め滅菌され(例えば、蒸気、ガンマ線照射、エチレンオキシドなどによって)、包装される。入口は、チャンバの下部分に接続され得、出口は、チャンバの上方部分に接続され得る(
図1)。この構成は、溶解した生成物がチャンバを出る前に、いかなる溶解または均質化増強媒体の沈殿も可能にする。加えて、この配置は、プライミングを簡単にし、プロセス中に導入または生成され得るいかなる気泡も出口から除去する(
図7)。スクリーンフィルタが、チャンバ内に均質化増強媒体を含有するために出口(例えば、
図7では75μmガスケットふるいまたはフィルタ)および/または入口において使用され得る。スクリーンフィルタは、それが、ねじまたはボルトを使用して締められるキャップ(
図6ではボルト付きキャップ)を使用して外側本体に対して押圧されるように設置される。フィルタ内の孔サイズは、それが均質化増強媒体粒子の漏れを可能にしないように選択される。スクリーンフィルタは、プラスチックもしくは316Lステンレス鋼、またはcGMP製造に好適である任意の他の材料からなり得る。チャンバは、好ましくは円筒状であるが(
図6および
図7)、他の形状も混合を向上させるために使用され得る(例えば、直角プリズム)。チャンバは、混合を向上させ、せん断を強化するための特徴(例えば、バッフル)を有し得る。均質化チャンバの外部ケーシングは、プラスチックからなるが、不動態化した316Lステンレス鋼などの金属も、チャンバを製造するために使用され得る。
【0043】
1.0g/mLよりも大きい比重を有する材料からなる様々なサイズおよび形状の非圧縮性ビーズが、溶解または均質化増強媒体として使用され得る。ビーズは、ビーズ間の間質空間を通過する細胞が圧迫されて、こじ開けられ、細胞内物質を発散させるため、溶解を向上させるために均質化チャンバに追加される。1つの実施形態において、ホウケイ酸またはソーダ石灰ガラスビーズが、均質化増強媒体として使用される。別の実施形態において、ステンレス鋼(例えば、不動態化した316L)ビーズが使用される。別の実施形態において、セラミックビーズ(例えば、イットリウム安定化される酸化ジルコニウムビーズ)が使用される。ビーズまたは粒子のサイズは、概して、0.1~2000ミクロンであり、形状は、好ましくは、球状、回転楕円体、棒、立方体、または直方体であるが、他の形状も使用され得る。本発明者らの結果において、より比重の高い媒体(例えば、比重2.7g/cm3を有するホウケイ酸ガラスビーズと比較して比重6.0g/cm3を有するセラミックビーズ)が、均質化を向上させた。より重い媒体は、同様の均質化結果を伴ってより高い流量(10-50%)を可能にした。ビーズまたは粒子は、平滑または粗い外面を有し得る。非孔質粒子が一般的には好ましいが、孔質粒子も使用され得る。異なるタイプの均質化増強媒体が、出発材料を用いて、そのタイプの出発材料のための最適な媒体を決定するために試験され得る。
【0044】
単一または複数のインペラを有するシャフトが、チャンバの内側に置かれる(
図1、
図2、および
図7)。シャフトおよびインペラの両方は、剛性材料(例えば、316Lステンレス鋼、ポリカーボネートなど)で構築される。インペラは、円形(
図2B)、楕円形(
図2C)、矩形などの多角形(
図2Fおよび
図7)、または十字形状(
図2Dおよび
図2E)を含む、多くの異なる形状のものであってもよい。これらすべての形状は、混合を向上させるために穴ありまたはなし(
図2A)であり得る。インペラに加えて、またはこれの代わりに、メッシュまたは不規則形状のワイヤ(例えば、スチールウール)もまた、シャフトに装着され得る。インペラの縁は、翼の縁において高いせん断を発生させるために鋭くてもよい(例えば、翼面)。鋭い縁は、一般的には、均質化増強媒体が使用されるときには必要とされない。インペラの平面は、シャフトに対して平行、垂直、または中間角度にある。1つの実施形態において、シャフトは、インペラの中心に、またはその近くにおいて、インペラに装着される。別の実施形態において、シャフトは、インペラの側面に装着される。シャフトおよびインペラは、一体となって製造され得る(
図7)。シャフトを駆動するため、駆動モータに接続されたシャフト内のスロットに適合する整列ピン(
図7)が使用され得る。ベースは、外側本体を係止するためにねじ山(例えば、
図7のねじ式係止ベース)または他の機構を有し得る。異なる形状のインペラと異なる運動のシャフトの組み合わせが使用され得る。インペラの最大幅は、チャンバの内径よりも小さく、最小幅は、好ましくは、チャンバの内径の20%よりも大きい。
【0045】
シャフトの回転運動もしくは往復運動、または回転運動および往復運動の組み合わせは、均質化増強媒体の有無に関わらず細胞をせん断するために使用される。シャフトはまた、混合を発生させるために振動され得る。シャフトの運動は、上または下から駆動され得る。往復運動は、回転(
図2A)または線形(上下、
図2A、
図2B)または両方(
図2A)であってもよい。運動の速度は、回転速度(0~50,000RPM)、往復運動数(1分あたり0~30,000ストローク)、または振動数(1秒あたり0~30000振動)を変化させることによって調節され得る。本発明者らの結果において、(回転運動または往復運動を提供するために)上または下から駆動されるシャフトまたはインペラは、同様の結果をもたらした。往復運動中のストローク長もまた、溶解を向上させるために調節され得る。回転運動は、シャフトに直接的か、またはギアもしくはベルトおよびプーリのセットを介するかのいずれかで結合されるモータによって生成され得る。ラジアル(
図7)またはメカニカル面シールは、漏出を防ぎ、外部環境とチャンバの内側との間のシールを維持するために使用される。2つのシールは、圧力が清浄な空気の供給(
図7内の空気チャネル)によって維持され得る腔を作成するために、積層され得る。この空気腔は、正圧を維持し、シールと外部環境との間に追加の空気バリアを作成する。一般的には、外部空気圧は、2~7psiに維持される。しかしながら、シールタイプに応じて、より高い圧力も使用され得る。軸受が、シール近くの使い捨て品内に設置され、保持クリップによって定位置に固定され得る(
図7の複列軸受)。
【0046】
シャフトへの往復運動は、往復式のこぎりにおいて使用される線形往復運動モータまたは同様の機構によって生成され得る。チャンバから突出するシャフトは、可撓性管または可撓性ベロー部に留められるか、または添着される(
図3)。可撓性管または可撓性ベロー部の反対側は、容器に留められるか、または添着される(
図3)。シャフトは、可撓性管または可撓性ベロー部内で往復運動する。この構成は、密閉システムを作成し(
図3)、また、往復運動を伴う限られた回転(例えば、-180~+180度)を可能にする。回転運動および往復運動の両方が必要とされる場合、モータは、両方の運動を同時に提供するために往復運動線形モータのアームに取り付けられ得る。密閉ソリューションおよびシャフトは、インペラが外部磁力(例えば、浮上または磁気駆動)により駆動される場合は必要とされなくてもよい。閉システムは、無菌状態を維持するだけでなく、可能性のある毒、病原体、および他の有害な化学物質または薬品からの環境の汚染または暴露を防ぐ。
【0047】
本出願の1つの実施形態において、出発材料(例えば、細胞培養物)は、ポンプ(例えば、ぜん動ポンプ)を介して入口を通って均質化チャンバ内へ導入される(
図7)。シャフトは、混合を発生させるために設定速度で回転運動および/または往復運動される。ポンプは、開始から材料の均質化を確実にするために、チャンバが満たされるとすぐに、短時間停止され得る。開始から材料の完全均質化を達成するための別のやり方は、出発材料の導入前にシャフトの運動を開始することである。予洗浄が必要とされる場合、プライミングバッファが、出発材料を導入する前にシステム内に導入され得る。
【0048】
均質化された処理済み材料は、出口から出て(
図7)、バッグまたはベッセル内に収集される。本プロセスは、すべての出発材料がシステムへ圧送されるまで継続する。均質化を向上させるために、均質化された材料は、収集バッグから出発材料バッグまで複数回システムに通され得るか、または再循環され得る。可撓性管およびピンチ弁は、再循環または複数回の通過のための流路を作成するために、制御器により、または手動で制御される。すべての出発材料が処理されると、システム内の残留物質は、バッファまたは液体によって追い出され得、チャンバおよび関連管類を含む完全使い捨て流路は、密閉され、安全に廃棄され得る。
【0049】
材料の均質化は、インペラの運動(rpm、振動数)、均質化増強媒体のサイズおよび体積、チャンバの形状、インペラのタイプ、または出発材料の流量のいずれかを変化させることによって最適化され得る。プロセス開発をより簡単にするため、インペラの運動は、固定速度に設定され、入口流量は、所望の均質化を達成するように調節される。滞留時間は、液体混合物を輸送する流れが遅くなるにつれて増加するため、より低い流量は、一般的には、より高い流量と比較してより高いレベルの均質化を提供することになる。場合によっては、より高い流量が、増加したせん断に起因してより高いレベルの均質化をもたらし得る。これは、プロセス開発中に流量を変化させることによって試験され得る。本発明者らの結果は、インペラのより大きい運動が、より高いレベルの均質化をもたらすが、特定の速度の後に水平状態に達し得る(
図5Aおよび
図5B)ことを示す。本発明者らの結果は、ビーズの総体積が、均質化のレベルに正比例することを示す。これは、プロセスをスケールアップするために使用され得る。例えば、125mLの均質化増強媒体を用いた100mL/分の流量でのプロセスは、1.25Lの均質化増強媒体を用いた1L/分の流量でのプロセスと同様の結果をもたらすことになる。高せん断を発生させるインペラは、均質化の向上をもたらす。全体として、異なる手段によりせん断を増加させることが、高レベルの均質化をもたらすことになる。
【0050】
完全システムは、ポンプの流量およびインペラの速度が手動で調節されるように、手動で動作され得るか、または、本システムは、完全に自動化され得、ユーザが、制御器につなげられるレシピ画面へパラメータを入力し、制御器が、様々なデジタルおよびアナログ入力および出力を介して受信および制御する。これらは、ポンプ(速度、方向、開始/停止、フィードバックなど)、弁(開、閉、フィードバック)、閉塞/圧力センサ、光学密度および濁度検出器、気泡センサ、pH、伝導性、温度センサ、重量ロードセル、加速度計、速度、および漏水を含む。センサのうちのいくつか(例えば、閉塞/圧力、加速度計、漏水、マイクロスイッチ)は、システムの安全性を向上させるために使用される。例えば、管のうちの1つまたは複数が閉塞される場合、閉塞検出器または圧力センサによって検出される圧力上昇は、信号を制御器に送信し、本システムは、高圧力および可能性のある漏出を回避するために、ポンプを停止し、ピンチ弁を開く。この情報は、アナログまたはデジタル信号として、制御器へ、および制御器から提供される。Siemens、Beckhoff、またはAllen-Bradleyなどの様々な販売業者からの市販の自動システムは、制御器、入力/出力デジタルまたはアナログカード、およびHMIを含む完全なソリューションとして利用可能である。例は、Siemens SIMATIC S7-1200キット、DeltaVオートメーション、またはBeckhoff TwinCAT 3オートメーションプラットフォームである。
【0051】
ユーザは、様々なプロセスパラメータを、HMIの一部であるプロセス画面へ入力する。これは、プロセスが実行される度に、実行されるレシピへ変えられ得る。プロセスパラメータは、ステップを開始または停止するために、流量、再循環時間、pH、伝導性、濁度、光学密度、および吸光度値を含む。気泡センサは、バイオリアクタまたは出発材料容器が空になったことを検出するために、入口の近くに置かれる。
【0052】
実験は、回転タイプ、速度、インペラ形状、および均質化増強媒体の効果を評価するために実施された。いくつかの実験において、異なるタイプの非圧縮性ビーズ(サイズ分布、形状、または材料に基づく)を、均質化チャンバに追加した。ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラス、およびセラミックビーズのサイズは、50~1500ミクロンの範囲に及んだ。
【0053】
インペラを伴うシャフトをチャンバの内側に置いた。異なる形状のインペラと異なる運動のシャフトの組み合わせを、溶解の度合いを比較するために使用した。シャフトの回転運動もしくは往復運動、または回転運動および往復運動の組み合わせを、各組み合わせによる溶解の量を評価するために試験した。運動の速度は、RPMまたは往復運動数を変動させることによって調節した。往復運動中のストローク長もまた、溶解性能に対するその効果を評価するために調節した。初期スクリーン中、溶解は、バッチモードで実施された。溶解性能に基づいて、選択した構成を、連続モードで流量を最適化するために使用した。
【0054】
いくつかの異なる構成を、Saccharomyces cerevisiaeの溶解および均質化の度合いを比較するために試験した。均質化の後、処理済みの材料を、10,000gで3分間、沈渣不溶解分まで遠心分離した。OD280(相対的細胞内タンパク質放出を定量化するため)およびOD260(相対的細胞内DNAおよびRNA放出を定量化するため)における遠心分離した上澄みの吸光度測定が、溶解を定量化するための効果的な方法を提供した。溶解の量は、基底レベルからのパーセント増加として計算された。加えて、溶解は、顕微鏡下で培養を見ることにより、定性的に検証された。
【0055】
図4Aからの結果は、等距離に置かれ、垂直シャフトに水平に取り付けられる24個のインペラを伴う3500RPMで回転するシャフトの構成(
図2Eに示されるような)から得られた。チャンバの形状は、下部に入口および上部に出口を伴った円筒状であった。これらの結果は、均質化増強媒体なしですべての試験した流量において最小溶解(20%未満)を示す。
【0056】
別の実験において(
図4B)、擢型ミキサを取り付けられた(
図2F、垂直シャフトに平行に取り付けられる)シャフトを、円筒状チャンバ内で使用して、500ミクロンソーダ石灰ガラスビーズの存在下で、200RPMで回転させた。これらの結果は、放出されるタンパク質の量の10倍の増加、および8分未満でのほぼ完全な溶解(顕微鏡下で観察される場合)を示す。連続流実験では、このシャフトは、穴ありまたはなし(
図6および
図7)の擢型ミキサに取り付けられた。これらのインペラを、円筒状チャンバ内で使用し、500ミクロンソーダ石灰ガラスビーズの存在下で、500RPMまたは1000RPMで回転させた。プライミング後、流量は、50mL/分に連続的に維持された。結果は、500超のRPMの増加に伴う溶解の増加がそれほどない(OD280およびOD260によって示されるような)ことを示す(
図5A)。穴ありまたはなしの擢型ミキサも試験した。OD280測定からの本発明者らの結果(
図5B)は、著しい均質化の差が2つの異なるRPM(500および1000)において2つの構成の間に存在しなかったことを示す。
【0057】
往復運動シャフト混合を試験するために、
図2Bの構成を有するシャフトを、円筒状チャンバ内に置き、500ミクロンソーダ石灰ガラスビーズの存在下で、1分あたり2400ストロークで往復運動させた。これらの結果(
図4C)は、ほぼ1分以内でのほぼ完全な溶解を示す。完全システムを清浄し、出発材料を、50および100mL/分の流量に設定されるぜん動ポンプを介して均質化チャンバ内へ連続的に供給した。結果(
図4D)は、50mL/分の流量で10倍超の溶解を示す。均質化された試料を顕微鏡下で観察したとき、細胞の大半は溶解されたように見えた。
【0058】
図8は、システムの全体フロー概略図を示す。流量、インペラ速度または回転数、および他の重要なパラメータは、ユーザによってHMI画面を通じて入力される。V1-V5は、ピンチ弁であり、プロセスの開始時には閉じている。均質化チャンバは、均質化媒体と一緒に完全に組み立てられる。圧力または閉塞センサPS1は、システム内の圧力を監視するために使用され、圧力が安全な圧力上限(HMI内で設定される)を超える場合、ポンプは停止し、すべての弁は、閉状態になる。プロセスの開始時、バッグまたはベッセルからの出発材料(例えば、細胞培養物、微生物培養物、液体の混合物、液体および固体の混合物、気体および固体の混合物、気体および液体の混合物など)は、気泡センサBS1、開ピンチ弁V1、光学センサOS1、および圧力センサPS1を通り抜ける管を通って(ポンプP1を通して)流れることにより均質化チャンバに入る。均質化チャンバ内のインペラは、液体が本システムに入ると(気泡センサBS1が液体を検出するときに加えて、出発材料が設定流量で管の設定長を進行するのにかかる時間)開始する。均質化された材料は、光学センサOS2および開ピンチ弁V4を介して出口管を通って外に出て再循環バッグ内へ入る。均質化効率は、光学センサによって(例えば、タンパク質含有量の変化のためにOD280を測定し、またはDNA含有量の変化を測定するためにOD260を測定して)監視され得る。このプロセスは、出発材料バッグ内に出発材料がなくなるために、気泡センサBS1が安定した空気流を検出するまで、連続的である。この時点で、再循環バッグ内の均質化された材料は、後続プロセスのために使用され得る。バッファは、プロセスの開始時に本システムをプライミングし、プロセスの終了時に均質化チャンバの内側の残っている材料を追い出すために使用され得る。
【0059】
本システム内には複数の管ラインが存在し得る。例えば、出発材料容器と均質化チャンバの入口との間の第1の管ライン、再循環容器と均質化チャンバの入口との間の第2の管ライン、均質化チャンバの出口と出発材料チャンバとの間の第3の管ライン、再循環容器と第3の管ラインとの間の第4の管ライン、および/または第3の管ラインと第1の管ラインとの間の第5の管ラインが存在し得る。本明細書で使用される場合、用語「管ライン」は、一般的には、流体管路を意味し、1つまたは複数の(可撓性)管、接続金具、マニホールド、および同様のものを含み得る。
図8に見られるように、様々な管ライン内にポンプ、センサ、および弁などの構成要素が存在し得る。
【0060】
均質化を向上させるため、インペラ速度を増加させること、またはポンプP1の流量(入口流量)を減少させることに加えて、3つの戦略が使用され得る。すべての場合において、すべての弁は、プロセスの開始時には閉じている。
【0061】
第1の戦略において、出発材料は、それを再循環バッグに送る前に、複数回、均質化チャンバを通って流れる、または通過する。以下のステップが行われる。
【0062】
ステップ1:出発材料の設定体積(サイクル体積)が、ポンプP1によって開弁V1を通じて引き込まれ、均質化チャンバの入口へと押し込まれる。出口よりチャンバから出てくる均質化された材料は、所望のサイクルが完了するまで、開弁V5を通って入口へ再び入る(弁V1は閉じた状態)。弁V2、V3、およびV4は、このステップの間、閉じている。
【0063】
ステップ2:その段階では、サイクル体積に等しい材料が再循環バッグへ進むように、弁V1は開き、弁V5は閉じ、弁V4は開く。
【0064】
ステップ3:ステップ1へ進み、このプロセスは、気泡センサBS1が、出発材料の終了を示す安定した空気流を検出するまで継続する。この時点で、再循環バッグ内の均質化された材料は、後続プロセスのために使用され得る。
【0065】
第2の戦略において、均質化された材料は、出発材料が所望の程度まで均質化されるまで、連続的に出発材料バッグへ送り戻される。この場合、最終物質は、出発材料と同じバッグまたはベッセル内に収集される。出発材料は、ポンプP1によって開弁V1を通じて引き込まれ、均質化チャンバの入口へと押し込まれる。出口よりチャンバから出てくる材料は、開弁V3を通って出発材料へと進み、それと混合する。本プロセスは、所望の均質化が達成されるときに停止される。この時点で、元の出発材料バッグ内の均質化された材料は、後続プロセスのために使用され得る。存在する場合、弁V2およびV4は、この戦略においては閉じている。弁V2およびV4ならびに再循環容器(および関連管ライン)は、この戦略ではシステムから省略され得る。
【0066】
第3の戦略において、以下のステップが実施される。
【0067】
ステップ1:均質化された材料は、再循環が実施されない上に説明されるシーケンスのように、再循環バッグ内に収集される。
【0068】
ステップ2:出発材料が元のバッグから完全に出ると、再循環バッグ内に収集される均質化された材料は、開弁V2およびV3ならびに閉弁V1、V4、およびV5を介して、ポンプP1によって均質化チャンバへ戻される。このプロセスは、再循環バッグが空になる(気泡センサBS1における安定した空気)まで継続する。
【0069】
ステップ3:ステップ1は、所望のサイクル数だけ反復される。そのプロセスは、ステップ1および最終処理済み材料が再循環バッグから収集された後、またはステップ2および最終処理済み材料が出発材料バッグから収集された後のいずれかにおいて、停止される。
【0070】
上に説明されるような再循環プロセスもまた、均質化効率を向上させるために組み合わされ得る。
【0071】
本発明は、本発明の例証的な実施形態が示される添付の図面を参照して本明細書に説明されている。図面において、領域または特徴の相対サイズは、明瞭性のために誇張され得る。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に明記される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的および全面的であるように提供され、本発明の範囲を当業者に完全に伝える。
【0072】
第1、第2などの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、および/または区域を説明するために本明細書で使用され得、これらの要素、構成要素、領域、層、および/または区域は、これらの用語によって制限されるべきではないということを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層、または区域を別の領域、層、または区域から区別するために使用されるにすぎない。故に、以下で論じられる第1の要素、構成要素、領域、層、または区域は、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層、または区域と名付けられ得る。
【0073】
「真下」、「下」、「下方」、「上」、「上方」、および同様のものなどの空間関連の用語は、図に例証されるような、1つの要素または特徴の、別の要素または特徴との関係性を説明するために、説明をしやすくするために本明細書で使用され得る。空間関連の用語は、図に描写される配向に加えて、使用または動作中のデバイスの異なる配向を包含することが意図されるということを理解されたい。例えば、図内のデバイスがひっくり返される場合、他の要素または特徴の「下」または「真下」と説明される要素は、他の要素または特徴の「上」に配向されることになる。故に、「下」という用語は、上および下両方の配向を包含し得る。デバイスは、別途配向され得(90°回転または他の配向)、本明細書で使用される空間関連の記述子はそれに応じて解釈される。
【0074】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別途明示的に記載のない限り、複数形も含むことが意図される。用語「含む」、「備える」、「含むこと」、および/または「備えること」は、本明細書で使用されるとき、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を除外しないということもさらに理解されたい。ある要素が別の要素に「接続される」または「結合される」ものとして言及されるとき、それは、他の要素に直接的に接続もしくは結合され得るか、または介在要素が存在し得るということを理解されたい。本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連した列挙項目のうちの1つまたは複数の任意およびすべての組み合わせを含む。用語「約」または「実質的に等しい」が本明細書で使用されるとき、意図した意味は、値が、特定した値のプラスまたはマイナス5%であるということである。
【0075】
1つの実施形態に関して説明される任意の1つまたは複数の態様または特徴は、異なる実施形態に組み込まれ得るが、それに関しては具体的には説明されないということに留意されたい。すなわち、すべての実施形態および/または任意の実施形態の特徴は、任意のやり方および/または組み合わせで組み合わされ得る。出願者は、任意の元の出願クレームを、任意の他のクレームの任意の特徴に従属する、および/またはこれを組み込むために、もともとそのような様式で特許請求されていないとしても、修正する権利を含め、任意の元の出願クレームを変更する、またはそれに応じて任意の新規クレームを出願する権利を留保する。本発明のこれらおよび他の目的および/または態様は、本願に明記される明細書に詳細に説明される。
【0076】
別途規定のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的および科学的用語を含む)は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に規定されるものなどの用語は、関連分野の文脈におけるそれらの意味と一貫する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的意味または過度に形式張った意味では、本明細書に明示的にそのように規定されない限り、解釈されないということをさらに理解されたい。
【0077】
前述は、本発明の例証であり、それを限定するものと解釈されるべきではない。本発明のいくつかの例となる実施形態が説明されているが、当業者は、多くの修正が、本発明の教示および利点から実質的に逸脱することなく、例となる実施形態において可能性のあることを容易に理解するものとする。したがって、すべてのそのような修正形態は、クレームに規定されるような本発明の範囲内に含まれることが意図される。本発明は、以下のクレームにより規定され、クレームの等価物がそこに含まれている。
【国際調査報告】