(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】電気モータ、液圧ポンプおよび電子駆動デバイスの統合されたアセンブリならびに関連する冷却構成
(51)【国際特許分類】
H02K 9/19 20060101AFI20250117BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20250117BHJP
【FI】
H02K9/19 A
H02K11/33
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541727
(86)(22)【出願日】2022-07-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 US2022037849
(87)【国際公開番号】W WO2023132864
(87)【国際公開日】2023-07-13
(32)【優先日】2022-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514196156
【氏名又は名称】パーカー ハネフィン コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Parker Hannifin Corporation
【住所又は居所原語表記】6035 Parkland Boulevard Cleveland, OH 44124, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】チャン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】カリディンディ サティッシュ クマール ラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ガンガダラン ニシン
(72)【発明者】
【氏名】ウェグマン ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】フアード スティーヴン アール
【テーマコード(参考)】
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
5H609PP02
5H609PP06
5H609PP16
5H609QQ05
5H609QQ10
5H609RR26
5H609RR40
5H609RR46
5H609RR50
5H611AA09
5H611BB01
5H611TT01
5H611UA04
(57)【要約】
例示的なアセンブリは、内室(110)を有するメインハウジング(108)と、このメインハウジングの内室に配置されていて、モータロータ(114)を備える電気モータ(102)と、メインハウジングの内室に電気モータを取り囲むように配置された冷却内側リング(700)であって、冷却流体の外部供給源から冷却流体を受け取り、冷却流体を電気モータを取り囲むように流して、この電気モータを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のモータ冷却流体通路を備える、冷却内側リング(700)と、メインハウジング内で電気モータのモータロータの内部に少なくとも部分的に位置決めされた液圧ポンプ(104)と、メインハウジングに結合されていて、(i)内部に配置されたインバータボード(202)と、(ii)外部供給源からの冷却流体がインバータボードを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のインバータ冷却流体通路とを備える筐体(173)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリであって、
内室を有するメインハウジングと、
前記メインハウジングの前記内室に配置されていて、モータロータを備える電気モータと、
前記メインハウジングの前記内室に前記電気モータを取り囲むように配置された冷却内側リングであって、冷却流体の外部供給源から冷却流体を受け取り、冷却流体を前記電気モータを取り囲むように流して、該電気モータを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のモータ冷却流体通路を備える、冷却内側リングと、
前記メインハウジング内で前記電気モータの前記モータロータの内部に少なくとも部分的に位置決めされた液圧ポンプと、
前記メインハウジングに結合されていて、(i)内部に配置されたインバータボードと、(ii)前記外部供給源からの冷却流体が前記インバータボードを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のインバータ冷却流体通路とを備える筐体と
を備える、アセンブリ。
【請求項2】
前記冷却内側リングは複数のアーチ状の隆起部を備え、これによって、該複数のアーチ状の隆起部同士の間に前記1つ以上のモータ冷却流体通路が形成されている、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記冷却内側リングは、該冷却内側リングの外面を取り囲む凹部として形成された螺旋状またはジグザグ状のモータ冷却流体通路を備える、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記冷却内側リングは複数の突出部を備え、該複数の突出部の各々の突出部は多角形の形状を有し、これによって、前記複数の突出部同士の間に前記1つ以上のモータ冷却流体通路が形成されており、これによって、冷却流体を前記1つ以上のモータ冷却流体通路を通して拡散させることが可能となる、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記メインハウジングは、
前記外部供給源から冷却流体を受け取り、前記冷却内側リングの前記1つ以上のモータ冷却流体通路に冷却流体を供給するように構成されたモータ冷却流体入口ポートと、
前記1つ以上のモータ冷却流体通路を通流した冷却流体を流体リザーバに供給するように構成されたモータ冷却流体出口ポートと
を備える、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記筐体は、
前記メインハウジングに結合された電子デバイスハウジングと、
前記電子デバイスハウジングに結合された電子機器ハウジングカバーと
を備え、これによって、前記筐体は、前記電子機器ハウジングカバーと前記電子デバイスハウジングとによって形成されている、
請求項1記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記インバータボードは前記電子機器ハウジングカバーに組み付けられており、前記1つ以上のインバータ冷却流体通路は前記電子機器ハウジングカバーに形成されている、請求項6記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記電子機器ハウジングカバーに結合されたバックプレートであって、(i)前記外部供給源から冷却流体を受け取り、前記電子機器ハウジングカバーに形成された前記1つ以上のインバータ冷却流体通路に冷却流体を供給するように構成されたインバータ冷却流体入口ポートと、(ii)前記1つ以上のインバータ冷却流体通路を通流した冷却流体を受け取り、冷却流体を流体リザーバに供給するように構成されたインバータ冷却流体出口ポートとを備える、バックプレートをさらに備える、請求項7記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記1つ以上のインバータ冷却流体通路のうちの所定のインバータ冷却流体通路の一部は、前記電子機器ハウジングカバーに形成されており、前記インバータ冷却流体通路の対応する別の部分は、前記バックプレートに形成されている、請求項8記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記冷却内側リングと前記筐体との間で冷却流体を分配するように構成された流量制御弁をさらに備える、請求項1記載のアセンブリ。
【請求項11】
液圧システムであって、
第1の室および第2の室を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータの前記第1の室および前記第2の室への流体流ならびに前記第1の室および前記第2の室からの流体流を制御するように構成された弁アセンブリと、
アセンブリであって、
内室を有するメインハウジングと、
前記メインハウジングの前記内室に配置されていて、モータロータを備える電気モータと、
前記メインハウジングの前記内室に前記電気モータを取り囲むように配置された冷却内側リングであって、冷却流体の外部供給源から冷却流体を受け取り、冷却流体を前記電気モータを取り囲むように流して、該電気モータを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のモータ冷却流体通路を備え、前記メインハウジングは、(i)冷却流体を受け取り、前記1つ以上のモータ冷却流体通路に冷却流体を供給するように構成されたモータ冷却流体入口ポートと、(ii)前記1つ以上のモータ冷却流体通路を通流した冷却流体を放出するように構成されたモータ冷却流体出口ポートとを備える、冷却内側リングと、
前記メインハウジング内で前記電気モータの前記モータロータの内部に少なくとも部分的に位置決めされた液圧ポンプであって、入口ポートから流体を受け取り、前記弁アセンブリに流体接続された出口ポートに流体流を供給し、これによって、前記弁アセンブリを介して前記アクチュエータに流体流を供給するように構成されている、液圧ポンプと、
前記メインハウジングに結合されていて、(i)内部に配置されたインバータボードと、(ii)前記外部供給源からの冷却流体が前記インバータボードを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のインバータ冷却流体通路と、(iii)冷却流体を受け取り、前記1つ以上のインバータ冷却流体通路に冷却流体を供給するように構成されたインバータ冷却流体入口ポートと、(iv)前記1つ以上のインバータ冷却流体通路を通流した冷却流体を放出するように構成されたインバータ冷却流体出口ポートとを備える筐体と
を備える、アセンブリと
を備える、液圧システム。
【請求項12】
前記液圧システムは流体リザーバをさらに備え、前記液圧ポンプの前記入口ポートは前記流体リザーバに流体接続されており、これによって、前記液圧ポンプは前記流体リザーバから流体を取り出し、前記弁アセンブリは、前記アクチュエータから放出された流体を前記流体リザーバに供給するように前記流体リザーバに流体接続されており、前記アクチュエータから放出された流体の一部は分岐して、前記モータ冷却流体入口ポートおよび前記インバータ冷却流体入口ポートに供給されるため、前記アクチュエータは冷却流体の前記外部供給源を成している、請求項11記載の液圧システム。
【請求項13】
前記液圧システムは、前記アクチュエータと前記流体リザーバとを流体接続する流体ラインに配置された弁をさらに備え、該弁は、該弁の上流側の圧力レベルを高めるように構成されており、前記モータ冷却流体入口ポートと前記インバータ冷却流体入口ポートとに供給される一部の流体は、前記弁の上流側に配置された分岐点で分岐される、請求項12記載の液圧システム。
【請求項14】
前記アセンブリは、(i)前記アクチュエータから放出された流体を前記弁アセンブリを通して前記入口ポートで受け取り、(ii)流体を前記出口ポートを介して前記弁アセンブリを通して前記アクチュエータに供給するように構成されており、前記液圧システムは、
前記弁アセンブリに流体接続された増大回路をさらに備え、該増大回路は、前記第1の室に供給されるかまたは前記第1の室から放出される流体の流体流量と、前記第2の室に供給されるかまたは前記第2の室から放出される流体の流体流量との差に起因して、増大流体流を供給しかつ余剰流体流を受け取るように構成されており、前記増大回路は、前記モータ冷却流体入口ポートと前記インバータ冷却流体入口ポートとに流体接続されていて、前記モータ冷却流体入口ポートと前記インバータ冷却流体入口ポートとに冷却流体を供給するため、前記増大回路は冷却流体の前記外部供給源を成している、
請求項11記載の液圧システム。
【請求項15】
前記増大回路から冷却流体を受け取り、冷却流体を、低下させられた圧力レベルで前記モータ冷却流体入口ポートと前記インバータ冷却流体入口ポートとに供給するように構成された減圧弁をさらに備える、請求項14記載の液圧システム。
【請求項16】
前記筐体は、
前記メインハウジングに結合された電子デバイスハウジングと、
前記電子デバイスハウジングに結合された電子機器ハウジングカバーと
を備え、これによって、前記筐体は、前記電子機器ハウジングカバーと前記電子デバイスハウジングとによって形成されている、
請求項11記載の液圧システム。
【請求項17】
前記インバータボードは前記電子機器ハウジングカバーに組み付けられており、前記1つ以上のインバータ冷却流体通路は前記電子機器ハウジングカバーに形成されている、請求項16記載の液圧システム。
【請求項18】
前記アセンブリは、前記電子機器ハウジングカバーに結合されたバックプレートをさらに備え、該バックプレートは、前記インバータ冷却流体入口ポートと前記インバータ冷却流体出口ポートとを備え、前記1つ以上のインバータ冷却流体通路のうちの所定のインバータ冷却流体通路の一部は、前記電子機器ハウジングカバーに形成されており、前記インバータ冷却流体通路の対応する別の部分は、前記バックプレートに形成されている、請求項17記載の液圧システム。
【請求項19】
前記冷却内側リングと前記筐体との間で冷却流体を分配するように構成された流量制御弁をさらに備える、請求項11記載の液圧システム。
【請求項20】
前記冷却内側リングは、
前記1つ以上のモータ冷却流体通路が相互間に形成されているような複数のアーチ状の隆起部、
前記冷却内側リングの外面を取り囲むループ状の凹部として形成された螺旋状のモータ冷却流体通路、
前記冷却内側リングの外面を取り囲む凹部として形成されたジグザグ状のモータ冷却流体通路、または
複数の突出部であって、該複数の突出部の各々の突出部は多角形の形状を有し、これによって、前記複数の突出部同士の間に前記1つ以上のモータ冷却流体通路が形成されており、これによって、冷却流体を前記1つ以上のモータ冷却流体通路を通して拡散させることが可能となる、複数の突出部
を備える、請求項11記載の液圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2022年1月10日に出願された米国仮特許出願第63/297,839号の優先権を主張し、その内容全体を参照により本明細書に援用するものとする。
【背景技術】
【0002】
電気モータが、液圧ポンプを駆動するために使用されることがある。例えば、電気モータのロータに結合された出力軸が液圧ポンプの軸に結合されていてよく、これによって、ロータの回転により、液圧ポンプの回転群が回転して、流体流を供給することができる。
【0003】
インバータおよびモータコントローラを含む電子駆動デバイスは、典型的には、モータから分離されていて、ケーブルを介して電気モータのステータのワイヤ巻線に接続されている。液圧ポンプおよび電子駆動デバイスを電気モータと統合したアセンブリを有することが所望されることがある。こうして、液圧ポンプとモータとの間で機械的な構成要素、例えば軸、軸受等を共有することができる。また、電気モータおよび液圧ポンプの構成要素を適切に支持し、こういった構成要素を潤滑状態に維持して、アセンブリの寿命を延ばすことも所望されることがある。
【0004】
典型的には、液圧システムは、電気モータおよび液圧ポンプのコントローラに加えて、アクチュエータを制御するシステムコントローラを有していてよい。したがって、複数のコントローラが、これらのコントローラ同士を接続するケーブルおよび信号によって互いに通信することができる。したがって、アセンブリの電子駆動デバイスを、液圧ポンプにより駆動されるアクチュエータに関連したアクチュエータセンサ情報を受け取るように構成することが所望されることがあり、そうすることで、電子駆動デバイスが電気モータおよび液圧ポンプを制御して、アクチュエータの命令された運動を達成することができる。こうして、システムコントローラを電気モータコントローラと統合して、単一のコントローラを形成することができ、それぞれ別個のコントローラ同士の間にケーブル、バスまたは信号を有することを回避することができる。
【0005】
動作中には、熱が発生させられ、アセンブリの構成要素に損傷を与えることがある。電気モータの構成要素を冷却することが所望されることがある。さらに、動作中に大量の熱を発生させることがあるため、電子駆動デバイス(例えばインバータ)を冷却することが所望されることがある。
【0006】
本明細書の開示が提示しているのは、考慮すべきこれらの問題および別の問題に関することである。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、電気モータ、液圧ポンプおよび電子駆動デバイスの統合されたアセンブリならびに関連する冷却構成のシステムに関する実施形態を説明している。
【0008】
第1の例示的な実施形態では、本開示は、アセンブリであって、内室を有するメインハウジングと、このメインハウジングの内室に配置されていて、モータロータを備える電気モータと、メインハウジングの内室に電気モータを取り囲むように配置された冷却内側リングであって、冷却流体の外部供給源から冷却流体を受け取り、冷却流体を電気モータを取り囲むように流して、この電気モータを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のモータ冷却流体通路を備える、冷却内側リングと、メインハウジング内で電気モータのモータロータの内部に少なくとも部分的に位置決めされた液圧ポンプと、メインハウジングに結合されていて、(i)内部に配置されたインバータボードと、(ii)外部供給源からの冷却流体がインバータボードを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のインバータ冷却流体通路とを備える筐体とを備える、アセンブリを説明している。
【0009】
第2の例示的な実施形態では、本開示は、液圧システムであって、第1の室および第2の室を有するアクチュエータと、このアクチュエータの第1の室および第2の室への流体流ならびに第1の室および第2の室からの流体流を制御するように構成された弁アセンブリと、第1の例示的な実施形態のアセンブリとを備える、液圧システム説明している。
【0010】
前述した概要は例示的なものにすぎず、なんら限定を意図するものではない。図面および以下の詳細な説明を参照することで、上述した例示的な態様、実施形態および特徴に加えて、更なる態様、実施形態および特徴が明らかになるはずである。
【0011】
例示的な例の特徴と考えられる新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に記載してある。しかしながら、例示的な例のほかに、使用の好適な形態、更なる対象およびその説明は、本開示の例示的な例の以下の詳細な説明を添付の図面に相俟って読みながら参照することで、最もよく理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】例示的な実施形態による、アセンブリの斜視図である。
【
図2】例示的な実施形態による、
図1のアセンブリの断面側面図である。
【
図3】別の例示的な実施形態による、
図1のアセンブリの分解斜視図である。
【
図4A】例示的な実施形態による、
図2の断面図である。
【
図4B】例示的な実施形態による、モータロータを支持するポンプ駆動軸を示した詳細な断面図である。
【
図5】例示的な実施形態による、冷却流体経路を示した
図1のアセンブリの斜視図である。
【
図6A】例示的な実施形態による、インバータカバーとバックプレートとを示した
図1のアセンブリの部分的な斜視図である。
【
図6B】例示的な実施形態による、インバータカバーとバックプレートとを示した
図1のアセンブリの部分的な分解斜視図である。
【
図7A】例示的な実施形態による、メインハウジングと、このメインハウジング内に配置された冷却内側リングとを示した
図1のアセンブリの部分的な斜視図である。
【
図7B】例示的な実施形態による、メインハウジングと冷却内側リングとを示した
図1のアセンブリの部分的な分解斜視図である。
【
図8】例示的な実施形態による、別の冷却内側リングの斜視図である。
【
図9】例示的な実施形態による、別の冷却内側リングの斜視図である。
【
図10】例示的な実施形態による、別の冷却内側リングの斜視図である。
【
図11】例示的な実施形態による、開回路構成で動作する
図1のアセンブリを含む液圧システムを示す図である。
【
図12】例示的な実施形態による、閉回路構成で動作する
図1のアセンブリを有する液圧システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、液圧ポンプおよび(例えばモータコントローラおよびインバータを含む)電子駆動デバイスを電気モータと統合するかまたは組み合わせて、アセンブリが、構成要素を共有することによってコストを削減し、スペースを節約し、信頼性を高めるコンパクトな構成を提供することに関する。アセンブリは、また、外部供給源が、電子駆動デバイスおよび電気モータを冷却するための冷却流体を供給する冷却構成も含んでいる。
【0014】
電気モータのロータはその外面および内面の2つの点で適切に支持されており、これによって、液圧ポンプの構成要素がロータの内部に少なくとも部分的に配置されていることを可能にしつつ、向上させられた支持が提供されている。液圧ポンプの駆動軸は、スプライン接続部を介して電気モータのロータに駆動接続されており、スプライン接続部は潤滑状態および封止状態に維持されており、これによって、アセンブリの寿命および性能が向上させられている。
【0015】
図1には、例示的な実施形態により、アセンブリ100の斜視図が示してあり、
図2には、例示的な実施形態により、アセンブリ100の断面側面図が示してあり、
図3には、例示的な実施形態により、アセンブリ100の分解斜視図が示してある。
図1~
図3を併せて説明する。
【0016】
アセンブリ100は、一緒に統合された電気モータ102、液圧ポンプ104および電子駆動デバイス106を備えている。アセンブリ100は、電気モータ102および液圧ポンプ104の構成要素が配置された内室110を有するメインハウジング108を含んでいる。
【0017】
電気モータ102は、メインハウジング108の内室110の内部に不動に位置決めされたステータ112を含んでいる。このステータ112は、磁場を発生させるように構成されている。特に、ステータ112は、このステータ112の本体(例えば積層スタック)に巻き付けられたワイヤ巻線(図示せず)を含んでいてよく、電流がワイヤ巻線を通して供給されたときに、磁場が発生させられる。
【0018】
電気モータ102は、さらに、ステータ112の内部に位置決めされたモータロータ114を含んでいる。電気モータ102は、さらに、ステータ112とモータロータ114との間の環状の空間内でモータロータ114に組み付けられた磁石116を含んでいてよい。一例では、この磁石116は、
図3に示したように、互いに軸線方向に離間させられてモータロータ114を取り囲むように配置された周方向の2列の磁石を含んでいる。
【0019】
磁石116は、ステータ112により発生させられた磁場と相互作用して、モータロータ114を回転させ、トルクを発生させるように構成されている。別の例示的な実施形態では、永久磁石を含まない異なるタイプの電気モータが使用されてもよい。
【0020】
液圧ポンプ104は、メインハウジング108の内部に組み付けられていて、少なくとも部分的に電気モータ102のモータロータ114およびステータ112の内部に組み付けられている。アセンブリ100は、入口ポート118と出口ポート120とを有するポンプポートブロック117を有している。このポンプポートブロック117は、複数の固定具またはボルト、例えばボルト121(
図1および
図3参照)を介してメインハウジング108に結合されている。
【0021】
液圧ポンプ104は、例えばベーンポンプとして構成されていてよい。特に、液圧ポンプ104は、ポンプカバー124とベーンカートリッジ126とを有している。このベーンカートリッジ126は、ポンプハウジング128と、ポンプロータ130と、ベーン、例えばベーン131およびベーン132と、ポンプ駆動軸134とを有している。
【0022】
モータロータ114は、円筒形部分136と主軸部分138とを有している。この主軸部分138は、モータロータ114の主軸部分138の外面を取り囲むように配置された軸受142を介して電子駆動デバイス106の電子デバイスハウジング140の内部に支持されており、これによって、モータロータ114をメインハウジング108および電子デバイスハウジング140に対して相対的に回転させることが可能となる。さらに、ポンプ駆動軸134は、モータロータ114用の付加的な支持部を提供している。
【0023】
図4Aには、例示的な実施形態により、
図2の断面図が示してあり、
図4Bには、例示的な実施形態により、モータロータ114を支持するポンプ駆動軸134を示した詳細な断面図が示してある。特に、
図4Bは、ポンプ駆動軸134とモータロータ114の主軸部分138との間のインタフェースを示した、
図4Aの断面図の拡大図である。
【0024】
ポンプ駆動軸134は、モータロータ114に回転可能に結合されている。
図3および
図4Bを一緒に参照すると、ポンプ駆動軸134はスプライン144を有している。このスプライン144は、ポンプ駆動軸134の外面に形成されていて、モータロータ114の主軸部分138の内面に形成された各々のスプライン146に係合するように構成されている。こうして、モータロータ114は、ポンプ駆動軸134に駆動接続されていて、アセンブリ100の動作中に回転運動をポンプ駆動軸134に伝達するように構成されている。
【0025】
上述したように、モータロータ114、特にモータロータ114の主軸部分138はその外面で軸受142を介して支持されている。付加的に、ポンプ駆動軸134は、
図4Bに示したように、モータロータ114の主軸部分138の内面用の支持部を提供する拡径部分147と肩部148とを有している。したがって、モータロータ114は、2つの領域または点、つまり、モータロータ114の外面の、軸受142により支持された領域と、モータロータ114の内面の、ポンプ駆動軸134がモータロータ114を支持する領域とに支持されている。この構成によって、ポンプ駆動軸134が、モータロータ114用の延長された支持部を提供していて、動作中のモータロータ114のミスアライメントまたはねじれを阻止することができる。
【0026】
動作中、モータロータ114が回転すると、ポンプ駆動軸134とのスプライン係合部によって、モータロータ114の回転運動がポンプ駆動軸134に伝達される。スプライン146とスプライン144との間のスプライン係合部を潤滑状態に維持することが所望されることがある。このような潤滑は、アセンブリ100の構成要素(例えばモータロータ114およびポンプ駆動軸134)の寿命を延ばす。例えば、スプライン146とスプライン144との間のスプライン係合部を潤滑するために、グリースが使用されてよい。
【0027】
スプライン係合部の領域にグリースまたは任意の潤滑流体を維持することが所望されることがある。したがって、アセンブリ100は、ポンプ駆動軸134の外面を取り囲むように形成された溝内に配置された第1のシール150(例えばOリング)を含んでいる。さらに、アセンブリ100は、モータロータ114の主軸部分138の内部に挿入されたキャップ152を含んでおり、このキャップ152は、このキャップ152の各々の外面を取り囲むように形成された溝内に配置された第2のシール154(例えばOリング)を有している。
【0028】
第1のシール150と第2のシール154とは、スプライン144,146の両側に位置している。こうして、スプライン146とスプライン144との間のスプライン係合部の領域における任意の潤滑剤が封止されていて、第1のシール150と第2のシール154との間に残されている。この構成によって、潤滑剤がスプライン係合部の領域の外側に漏れ出さないこともある。
【0029】
再び
図2~
図3を参照すると、アセンブリ100は、さらに、ポンプ駆動軸134の外面を取り囲むように配置された、ポンプ駆動軸134に対する支持部を提供する別の軸受156を含んでいる。特に、この軸受156は、ポンプ駆動軸134の外面とポンプカバー124の内面との間に配置されていて、ポンプ駆動軸134をポンプカバー124に対して相対的に回転させることを可能にする。アセンブリは、さらに、軸シール158を含んでいる。この軸シール158も、ポンプ駆動軸134の外面とポンプカバー124の内面との間に配置されていて、液圧ポンプ104から電気モータ102内への流体の漏れを阻止するように構成されている。
【0030】
図2を参照すると、入口ポート118で受け取った流体は、第1の供給通路160と第2の供給通路162とを通流する。流体は第1の供給通路160からポンプ室164に流れる。流体は、また、第2の供給通路162から、ベーンカートリッジ126に形成されたアーチ状の流体通路165およびアーチ状の流体通路166を通って流れ、これによって、第1の供給通路160からの流体がポンプ室164で合流する。
【0031】
1つではなく、2つの供給通路を有することによって、有利には、液圧ポンプ104への供給能力を高めることができる。より多くの流体が液圧ポンプ104に供給されるので、キャビテーションの発生の可能性が低減されるかまたは排除される。
【0032】
ポンプロータ130は、サイクロイド内面を有していてよいポンプハウジング128の内部に偏心して支持されるように構成されている。ポンプロータ130は、ポンプハウジング128の内面壁の近くに位置しており、これによって、相互間に三日月状のキャビティが形成されている。ベーン、例えばベーン131,132は、ポンプロータ130に設けられたスロットの内部に嵌合している。
【0033】
ポンプ駆動軸134が回転すると(モータロータ114が回転すると)、ポンプロータ130も回転する。このポンプロータ130が回転すると、遠心力、作動圧、プッシュロッドおよび/またはばねが、ベーン131,132を半径方向外向きでポンプハウジング128の内面に向かって押圧する。その後、流体が、ポンプ室164から孔、例えば
図2に示した孔167を介してポンプハウジング128内に押し込まれるかまたは吸い込まれる。特に、流体は、ベーン131,132、ポンプロータ130およびポンプハウジング128により形成されたポケットに流入する。
【0034】
ポンプロータ130が回転し続けると、ベーン131,132が、流体を三日月状のキャビティの反対の側に押し流し、そこで、流体は、ポンプハウジング128に設けられた吐出孔に押し通される。その後、流体は出口ポート120に押し進められ、この出口ポートでアセンブリ100から流出する。その後、流体は、
図10~
図11に関して以下に説明するように、アセンブリ100に流体接続されたアクチュエータに供給される。
【0035】
本明細書では、図示のための一例として、ベーンポンプが使用されている。当然ながら、別のタイプのポンプ、例えば歯車ポンプまたはピストンポンプが使用されてもよい。
【0036】
図3を参照すると、電子デバイスハウジング140は、ボルト、例えばボルト168を介してメインハウジングに結合されている。電子デバイスハウジング140は、さらに、複数のボルト、例えばボルト172を介して電子機器ハウジングカバー170に結合されている。この構成によって、電子デバイスハウジング140と電子機器ハウジングカバー170とは、電子駆動デバイス106の電子ボードおよび電子部品が内部に配置された筐体173を形成している。こうして、電子駆動デバイス106が、アセンブリ100において電気モータ102および液圧ポンプ104と統合されている。
【0037】
電子駆動デバイス106は、1つ以上の電子ボード、例えばコントローラボード200とインバータボード202とを含んでいてよい。これらのボードは、図示のように、互いに電気的に接続されていて、軸線方向にオフセットされている。コントローラボード200とインバータボード202とは、プリント回路板(PCB)として構成されていてよい。PCBは、銅積層板の1つ以上のシート層からエッチングにより形成された導電性のトラック、パッドおよび別の特徴を用いて電子部品(例えばマイクロプロセッサ、集積チップ、コンデンサ、抵抗器等)を非導電性の基板のシート層上でかつ/またはシート層同士の間で機械的に支持していて、電気的に接続している。部品は、一般的にPCB上にはんだ付けされ、これによって、両者が電気的に接続されていて、部品がPCBに機械的に固定されている。
【0038】
インバータボード202は、スタンドオフ、例えば
図3に示したスタンドオフ204を介してコントローラボード200から分離されて、このコントローラボード200に結合されていてよい。インバータボード202は複数のバスバーを含んでいてよい。これらのバスバーは導電性であり、直流(DC)電力を受け取り、この電力を、インバータボード202に組み付けられた部品に供給するように構成されている。
【0039】
一例として、DC電力は、バッテリからインバータボード202に供給されてよい。この構成によって、DC電力がバスバーに供給され、その後、このバスバーが電力をインバータボード202の別の部品に伝送する。
【0040】
インバータボード202は、このインバータボード202で受け取ったDC電力を、電気モータ102を駆動するためにステータ112のワイヤ巻線に供給されてよい三相交流(AC)電力に変換する電力変換器として構成されていてよい。例えば、インバータボード202は半導体スイッチングマトリックスを含んでいてよい。この半導体スイッチングマトリックスはインバータボード202に組み付けられていて、正のDC端子と負のDC端子とに電気的に接続されるように構成されている。インバータボード202は、さらに、このインバータボード202とコントローラボード200との間の軸線方向の空間内に配置された複数のコンデンサを含んでいてよい。
【0041】
半導体スイッチングマトリックスは、三相電力への変換のためにDCをサポートする任意の配置形態の半導体スイッチングデバイスを含んでいてよい。例えば、この半導体スイッチングマトリックスは、入力DC端子に電気的に接続されると共に三相AC出力端子に接続されたブリッジ素子を備えた三相を含んでいてよい。
【0042】
一例では、半導体スイッチングマトリックスは複数のトランジスタ(例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタまたは金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)を含んでいる。これらのトランジスタは、例えば、コントローラボード200に組み付けられたマイクロプロセッサにより提供されるパルス幅変調(PWM)信号を介して、有効状態または「オン」状態と無効状態または「オフ」状態との間でスイッチング可能である。マイクロプロセッサは1つ以上のプロセッサを備えていてよい。プロセッサは、汎用プロセッサ(例えばINTEL(登録商標)シングルコアマイクロプロセッサもしくはINTEL(登録商標)マルチコアマイクロプロセッサ)または専用プロセッサ(例えばデジタルシグナルプロセッサ、グラフィックスプロセッサもしくは特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサ)を含んでいてよい。プロセッサは、コンピュータ可読プログラム命令(CRPI)を実行して、本明細書を通じて記載した動作を実行するように構成されていてよい。プロセッサは、ソフトウェアコード化された機能に対して付加的または代替的に(例えばCRPIを介して)ハードコード化された機能を実行するように構成されていてよい。
【0043】
半導体スイッチングマトリックスのトランジスタが、特定の時点でPWM信号を介して有効および無効にされると、AC出力端子においてAC電圧波形が発生させられる。したがって、AC出力端子における電圧波形がパルス幅変調され、電圧電位DC+と電圧電位DC-との間でスイングする。その後、AC電圧波形がステータ112のワイヤ巻線に提供されて、電気モータ102を駆動する。コントローラボード200とインバータボード202とは、相互間での信号および電力の授受ならびにアセンブリ100の別の構成要素または外部の構成要素への信号および電力の伝送を容易にするための多数の接合部を含んでいてよい。
【0044】
電子駆動デバイス106は複数のセンサを含んでいてよい。例えば、電子駆動デバイス106は、電気モータ102の動作温度および/または液圧ポンプ104を通流する作動流体の流体温度を示す情報を提供するように構成された温度センサを含んでいてよい。インバータボード202の温度を表すために、インバータボード202には、別の温度センサが組み付けられていてよい。電子駆動デバイス106は、また、ステータ112の巻線における電流レベルを示す情報を提供するホール効果電流センサを含んでいてもよい。
【0045】
電子駆動デバイス106は、さらに、アセンブリ100の内部の流体の圧力レベルを示す圧力センサを含んでいてよい。電子駆動デバイス106は、また、モータロータ114およびポンプ駆動軸134の角度位置を示すセンサ情報を提供するように構成された回転位置センサを含んでいてもよい。回転位置センサ情報は、モータロータ114により発生させられる速度およびトルクを閉ループフィードバック制御構成で制御するように電気モータ102を制御するマイクロプロセッサによって使用されてよい。
【0046】
例えば、コントローラボード200は、
図2に示したように、モータロータ114の主軸部分138の近くに組み付けるべきセンサチップまたはエンコーダ206を含んでいてよい。このエンコーダ206は、キャップ152内に配置された磁石208と相互作用するように構成されていてよい。エンコーダ206は、モータロータ114の角度位置または角運動を、電気モータ102を制御するマイクロプロセッサに提供されるアナログまたはデジタル出力信号に変換する電気機械デバイスとして構成されている。例示的な実施形態では、エンコーダ206により提供されるセンサ情報の精度を向上させるために、磁石208の磁気的な極性は、電気モータ102の各々の磁石(つまり、磁石116)の各々の磁気的な極性と整列させられているかまたは同一の配向を有している。
【0047】
図1~
図3に示したように、電子駆動デバイス106は、さらに、コントローラボード200の導電性のトラックに電気的に接続された複数の導体ピンを収容する中空のプラスチック構成要素として構成された電気コネクタ210を含んでいてよい。雌側ピンを有するコネクタソケット(図示せず)は、導体ピンがコネクタソケットの雌側ピンに接触するように、電気コネクタ210に組み付けられてもよいし、電気コネクタ210内に挿入されてもよい。雌側ピンには、電気コネクタ210の導体ピンに信号を提供し、また、電気コネクタ210の導体ピンから信号を受信するように、ワイヤが接続されていてよい。
【0048】
この構成によって、電子駆動デバイス106は、電気コネクタ210を介して種々の入力およびセンサ信号を受信し、受信した情報に応答して指令を提供することができる。例えば、電子駆動デバイス106は、中央のコントローラまたは機械の入力デバイス(例えばホイールローダ、バックホーまたは掘削機といった液圧機械のジョイスティック)から、液圧ポンプ104により提供すべき所望の流体圧および流体流量を示す指令信号を受信することができる。その後、電子駆動デバイス106は、所望の流体圧レベルおよび流量を提供すべく、ポンプ駆動軸134における特定の速度およびトルクを発生させるためにステータ112に供給されるAC電力を制御することができる。電子駆動デバイス106は、また、(例えばエンコーダ206から)電気コネクタ210を介して別の中央のコントローラにセンサ信号を提供することもできる。
【0049】
したがって、電子駆動デバイス106は、アセンブリ100用ならびにアセンブリ100により制御されるアクチュエータ用のコントローラとして使用することができる。特に、電子駆動デバイス106は、アセンブリ100の内部のセンサと、アクチュエータに関連したセンサとから指令入力およびセンサ信号を受信し、これに応答して、アクチュエータの所望のまたは命令された運動を達成するために、電気モータ102と液圧ポンプ104とを制御する。
【0050】
アセンブリ100の動作中には、電気モータ102によって熱が発生させられ、この熱は、電気モータ102の内部の複数の構成要素にわたって分配される。例えば、熱は、損失に起因して、ステータスロット巻線、ステータ端巻線、ステータ積層体、ロータ積層体およびロータ磁石または導体の内部に発生させられる。構成要素の内部への発生した熱の分配は、モータのタイプおよびモータの動作条件(トルク/速度)に左右される。電気モータ102の内部で発生した熱は内部温度を上昇させて、電気モータ102のコイルをより焼損させやすくしてしまう。したがって、温度が閾値安全温度を上回ることを阻止するために、電気モータ102を冷却することが所望されることがある。
【0051】
さらに、動作中、インバータボード202がDC電力をAC電力に変換するときに、インバータボード202が熱を発生させる。この熱は、電子デバイスハウジング140と電子機器ハウジングカバー170とにより形成された筐体173の周辺温度に加えられる。インバータボード202と筐体173とが高温になるほど、インバータボード202が送給するAC電力は少なくなってしまう。したがって、筐体173およびインバータボード202も冷却することが所望されることがある。アセンブリ100は、外部供給源から冷却流体を受け取り、この冷却流体を、インバータボード202を冷却するために筐体173(例えば電子機器ハウジングカバー170)にかつ電気モータ102を冷却するためにメインハウジング108に給送するように構成されている。
【0052】
図5には、例示的な実施形態により、冷却流体経路を示したアセンブリ100の斜視図が示してある。アセンブリ100は、冷却流体の外部供給源500から冷却流体を受け取るように構成されている。
【0053】
一例では、外部供給源500は、流体リザーバから冷却流体、例えば水グリコールを取り出して、この冷却流体をアセンブリ100に押し退けるポンプであってよい。別の例では、外部供給源500は、アセンブリ100を備える液圧システムに含まれた別の液圧回路(例えば、以下に説明する
図12に示した増大回路404参照)であってよい。
【0054】
別の例では、外部供給源500は、
図11に関して以下に記載するように、液圧システムに含まれた液圧アクチュエータ(例えば液圧シリンダまたは液圧モータ)であってよい。この例では、液圧アクチュエータから放出された流体の一部が、冷却のためにアセンブリ100に給送されるのに対して、液圧アクチュエータから放出された残りの量の流体は、流体リザーバ(例えば流体タンク)に流れる。
【0055】
外部供給源500からの冷却流体は、流体ライン502(例えばホース、チューブ、パイプ等)を介して分岐点504に供給される。この分岐点504では、冷却流体が分割または分岐され、これによって、冷却流体の一部が分岐して、流体ライン506を通ってモータ冷却流体入口ポート508に流れるのに対して、別の部分は、流量制御弁510を通ってインバータ冷却流体入口ポート512に流れる。
【0056】
流量制御弁510は、冷却流体を電気モータ102と電子駆動デバイス106との間で分配するように構成されている。例えば、コントローラ(例えば、コントローラボード200のマイクロプロセッサ)が、電気モータ102の温度とインバータボード202の温度とを示すセンサ情報を受け取るように構成されていてよい。このセンサ情報に基づき、コントローラが、より多くの冷却流体を電気モータ102に供給するかまたは電子駆動デバイス106に供給するかを決定する。この決定に基づき、コントローラが、ソレノイド514に信号を提供して、例えば、インバータ冷却流体入口ポート512に供給される流体の経路内で流体抵抗を増減させるように流量制御弁510を動作させる。こうして、冷却要求に基づき、冷却流体を電気モータ102と電子駆動デバイス106との間で分配することができる。
【0057】
一例では、流量制御弁510が手動で動作させられてよい。別の例では、アセンブリ100が流量制御弁510を含んでいなくてもよい。
【0058】
インバータ冷却流体入口ポート512に供給された流体は、筐体173の内部で(例えば電子機器ハウジングカバー170を通って)循環し、これによって、インバータボード202により発生させられた熱を吸収し、その後、インバータ冷却流体出口ポート516に供給され、このインバータ冷却流体出口ポートから、冷却流体は流体ライン518に放出される。類似して、モータ冷却流体入口ポート508に供給された流体は、電気モータ102を取り囲むように(例えばメインハウジング108を取り囲むように)循環し、これによって、電気モータ102により発生させられた熱を吸収し、その後、モータ冷却流体出口ポート520に供給され、このモータ冷却流体出口ポートから、冷却流体は流体ライン522に放出される。
【0059】
流体ライン522からの流体は、流体ライン518からの流体と合流点524で合流し、その後、流体は、流体リザーバに流体接続されていてよい流体ライン526に供給される。流体リザーバは、冷却流体専用の流体リザーバであってもよいし、液圧システムの作動流体の流体リザーバであってもよい。
【0060】
図5に示した多数の流体ラインは、適宜、複数の継手を含んでいてよい。さらに、冷却流体の流体ラインまたは経路と、別の構成要素、例えば流量制御弁510とは、アセンブリ100の外部に存在しているように図示してあるが、流体経路または構成要素のうちの少なくとも幾つかがアセンブリ100の内部に組み込まれていてよいことが想定される。
【0061】
図6Aには、例示的な実施形態により、電子機器ハウジングカバー170とバックプレート600とを示したアセンブリ100の部分的な斜視図が示してあり、
図6Bには、例示的な実施形態により、電子機器ハウジングカバー170とバックプレート600とを示したアセンブリ100の部分的な分解斜視図が示してある。バックプレート600は、複数の固定具、例えば固定具601を介して電子機器ハウジングカバー170に結合されていてよい。
【0062】
筐体173は、インバータボード202を冷却するための1つ以上のインバータ冷却流体通路を有するように構成されている。例えば、
図5に示した外部供給源500から供給された流体は、(流量制御弁510を介して)インバータ冷却流体入口ポート512に供給され、その後、流体は、電子機器ハウジングカバー170とバックプレート600とに形成されたインバータ冷却流体通路602に供給される。例えば、インバータ冷却流体入口ポート512で受け取った流体は、インバータ冷却流体通路602の第1の端部604に供給されてよい(例えば、バックプレート600に設けられた入口開口は第1の端部604に整合させられている)。その後、冷却流体はインバータ冷却流体通路602を通過し、次いで、このインバータ冷却流体通路602の第2の端部606に達する。この第2の端部606は、バックプレート600に設けられた出口開口に整合させられていてよく、この出口開口が、流体をインバータ冷却流体出口ポート516に供給する。
【0063】
図示のように、インバータ冷却流体通路602は電子機器ハウジングカバー170にジグザグ状またはループ状に延在している。こうして、熱を放散させる表面積が増加させられている。
【0064】
一例では、インバータ冷却流体通路602は電子機器ハウジングカバー170にしか形成されていない。別の例では、インバータ冷却流体通路602の一部が電子機器ハウジングカバー170に形成されていて、インバータ冷却流体通路602の対応する別の部分がバックプレート600に形成されている。例えば、
図2に示したように、インバータ冷却流体通路602が円筒形の流体路または管路を備えている場合には、この管路の半分が電子機器ハウジングカバー170に形成されていてよく、対応する別の半分がバックプレート600に形成されている。
【0065】
電子機器ハウジングカバー170は、さらに、シール溝608を含んでいてよい。このシール溝608内には、シール(例えばOリング)が配置されていてよい。このようなシールは、インバータ冷却流体通路602を通流する冷却流体を封止して、アセンブリ100の外部環境への冷却流体の漏れを阻止するように構成されている。つまり、流体は、電子機器ハウジングカバー170とバックプレート600との間のインタフェースに収容されている。
【0066】
インバータ冷却流体通路602は、
図6A~
図6Bには、電子機器ハウジングカバー170とバックプレート600とに形成されたものとして示してあるが、別の構成が可能である。冷却通路は、冷却流体がインバータボード202を取り囲むように循環して、このインバータボード202から発生した熱を吸収するように、筐体173を通って任意の場所に形成されていてよい(つまり、バックプレート600、電子機器ハウジングカバー170または電子機器ハウジング140のうちの1つ以上に形成されていてよい)。
【0067】
図7Aには、例示的な実施形態により、メインハウジング108と、このメインハウジング108内に配置された冷却内側リング700とを示したアセンブリ100の部分的な斜視図が示してあり、
図7Bには、例示的な実施形態により、メインハウジング108と冷却内側リング700とを示したアセンブリ100の部分的な分解斜視図が示してある。冷却内側リング700は、保持ピン、例えば保持ピン702を介してメインハウジング108の内部に保持されている。保持ピン702は、冷却内側リング700に製作された孔内に延在して(
図2参照)、冷却内側リング700をメインハウジング108に保持するように構成されている。
【0068】
冷却内側リング700は、メインハウジング108のモータ冷却流体入口ポート508で受け取った冷却流体用の冷却経路を提供する1つ以上のモータ冷却流体通路を有するように構成されている。特に、
図7Bに示したように、冷却内側リング700は、複数のアーチ状の突出部またはアーチ状の隆起部、例えばアーチ状の隆起部704、アーチ状の隆起部706、アーチ状の隆起部708およびアーチ状の隆起部710を有していてよい。冷却内側リング700は、
図7Bに示したように、アーチ状の隆起部704~710と反対側の別のセットのアーチ状の隆起部を有していてもよく、これによって、相互間にモータ冷却流体通路712が形成されている。
【0069】
モータ冷却流体入口ポート508を介して受け取った冷却流体は、モータ冷却流体通路712の入口端部714において冷却内側リング700に供給される。その後、冷却流体は、この冷却流体を提供した外部供給源500からの圧力下で多数の経路を通過する。例えば、冷却流体は、モータ冷却流体通路712をこのモータ冷却流体通路712の出口端部716まで通過してよい。
【0070】
さらに、冷却流体は、例えば、アーチ状の隆起部704~710同士の間に形成されたアーチ状のモータ冷却流体通路を通って冷却内側リング700の外面を通過してよい。このようなアーチ状のモータ冷却流体通路は、冷却流体が、アーチ状の隆起部704~710の表面にわたって熱を吸収しながら通過する並列の経路を形成している。
【0071】
外部供給源500からの圧力下で、冷却流体は、冷却内側リング700の種々の経路または通路を通過し、モータ冷却流体出口ポート520に整合させられた出口端部716に達する。その後、流体は、
図5に関して上述したように、モータ冷却流体出口ポート520から放出され、流体ライン522を通流して、電子機器ハウジングカバー170を通過した冷却流体と合流する。
【0072】
図7Bには、並列の経路(例えば、アーチ状の隆起部704~710同士の間のアーチ状の通路)を有する冷却内側リング700が示してあるが、冷却内側リング700は異なる形態で構成されていてよい。例えば、別の冷却内側リングが直列の経路(例えば、1つの螺旋状またはジグザグ状のモータ冷却流体通路)を有していてよい。別の冷却内側リングは、熱を放散させる表面積を増加させるための種々の形状の突出部を有していてよい。
【0073】
図8には、例示的な実施形態により、別の冷却内側リング800の斜視図が示してある。この冷却内側リング800は、この冷却内側リング800の外面を取り囲むループ状の凹部として形成された螺旋状のモータ冷却流体通路802を有している。この螺旋状のモータ冷却流体通路802は、モータ冷却流体入口ポート508に整合させられた入口端部804を有していて、モータ冷却流体入口ポート508から冷却流体を受け取る。その後、この冷却流体は、冷却内側リング800の外面を取り囲むように循環し、螺旋状のモータ冷却流体通路802の側面が、熱を冷却流体に放散させる表面積を増加させることができる。
【0074】
その後、流体は、モータ冷却流体出口ポート520に整合させられた出口端部806に達する。その後、流体は、
図5に関して上述したように、モータ冷却流体出口ポート520から放出され、流体ライン522を通流して、電子機器ハウジングカバー170を通過した冷却流体と合流する。
【0075】
図9には、例示的な実施形態により、別の冷却内側リング900の斜視図が示してある。この冷却内側リング900は、多角形の形状(例えば、真っ直ぐな辺により画定された閉平面形状、例えば四角形、五角形、六角形等)を有する複数の突出部902を有している。
【0076】
突出部902は、長手方向で(つまり、冷却内側リング900の長手方向軸線に沿って)入口円形通路904と出口円形通路906との間に介在させられている。入口円形通路904は、モータ冷却流体入口ポート508から冷却流体を受け取り、この冷却流体は、出口円形通路906からモータ冷却流体出口ポート520に放出される。
【0077】
多角形の形状の突出部902の構成のため、相互間に種々の冷却経路が形成されている。モータ冷却流体入口ポート508で受け取った流体は、入口円形通路904に供給され、その後、冷却流体は、突出部902同士の間に形成された種々のモータ冷却流体通路/経路にわたって拡散させられる。各々の突出部の複数の上昇面が、熱を放散させて冷却流体により吸収する表面積を増加させることができる。
【0078】
外部供給源500からの圧力下で、流体は、突出部902を通して拡散させられ、次いで、モータ冷却流体出口ポート520に整合させられた出口円形通路906に達する。その後、流体は、
図5に関して上述したように、モータ冷却流体出口ポート520から放出され、流体ライン522を通流して、電子機器ハウジングカバー170を通過した冷却流体と合流する。
【0079】
図10には、例示的な実施形態により、別の冷却内側リング1000の斜視図が示してある。この冷却内側リング1000はジグザグ状のモータ冷却流体通路1002を有している。このジグザグ状のモータ冷却流体通路1002は、冷却内側リング1000の外面を通過するときに長手方向にジグザグ状に延在する凹部として形成されている。ジグザグ状のモータ冷却流体通路1002は、モータ冷却流体入口ポートに整合させられた入口端部1004を有していて、モータ冷却流体入口ポートから冷却流体を受け取る。
【0080】
外部供給源500からの圧力下で、冷却流体は、ジグザグ状のモータ冷却流体通路1002を通過するときに、冷却内側リング1000の外面を取り囲むように循環し、ジグザグ状に流れる。ジグザグ状のモータ冷却流体通路1002の側面が、熱を冷却流体に放散させる表面積を増加させることができる。
【0081】
その後、流体は、モータ冷却流体出口ポート520に整合させられた出口端部1006に達する。その後、流体は、
図5に関して上述したように、モータ冷却流体出口ポート520から放出され、流体ライン522を通流して、電子機器ハウジングカバー170を通過した冷却流体と合流する。
【0082】
再び
図2を参照すると、アセンブリ100が冷却内側リング700を備えて示してある。しかし、当然ながら、冷却内側リング800,900,1000が使用されてもよい。
【0083】
さらに、別の例示的な実施形態では、冷却通路はメインハウジング108の内部に形成されていてよい。この例では、冷却内側リングが使用されなくてもよい。むしろ、メインハウジング108は、このメインハウジング108を冷却通路が貫いて形成された冷却ジャケットとして働く。冷却流体が、冷却流体通路を通って電気モータ102を取り囲むように循環して、この電気モータ102から発生した熱を吸収することを可能にする任意の別の構成が使用されてよい。
【0084】
図2に示したように、冷却内側リング700は、両方の端部に外側の環状溝、例えば環状溝174と環状溝176とを有している。これらの環状溝174,176は、シール、例えばOリング(図示せず)を収容して、冷却流体をメインハウジング108と冷却内側リング700との間で封止するように構成されている。
【0085】
さらに、メインハウジング108は電子デバイスハウジング140に組み付けられている。この電子デバイスハウジング140は円筒形の突出部178を有している。この突出部178の外面はメインハウジング108の内面に接合している。円筒形の突出部178の外面に形成された環状溝内に配置された別のシール180が、さらに、冷却流体を封止して、電気モータ102が配置された内室110に冷却流体が流入することを阻止することができる。
【0086】
上述したように、冷却流体の外部供給源500は種々の構成を有していてよい。外部供給源500は、流体リザーバから冷却流体、例えば水グリコールを取り出して、この冷却流体をアセンブリ100に押し退けるポンプであってもよいし、アセンブリ100が使用される液圧システムの別の構成要素または回路であってもよい。
【0087】
図11には、例示的な実施形態により、開回路構成で動作するアセンブリ100を含む液圧システム300が示してある。
図11には、作動流体ラインが実線で示してあるのに対して、指令およびセンサ信号は破線で示してある。また、図面における見た目の煩わしさを減じるために、全ての信号ラインが図示してあるわけではない。電源、例えばバッテリまたは発電機は、アセンブリ100に直流電力を供給するように構成されている。図面における見た目の煩わしさを減じるために、電源は図示していない。
【0088】
液圧システム300は、また、低い圧力、例えば0~70ポンド/平方インチ(psi)で流体を貯留することができる流体の流体リザーバ302も含んでいる。アセンブリ100の入口ポート118は流体リザーバ302に流体接続されている。したがって、アセンブリ100は、流体リザーバ302から入口ポート118を通して流体を受け取り、その後、上述したように、出口ポート120を通して流体を放出する。
【0089】
液圧システム300は、また、マニホールドまたは弁アセンブリ304も含んでいる。この弁アセンブリ304は、流体路と複数のソレノイド作動弁(例えば1つ以上の方向制御弁、流量制御弁、荷重保持弁等)とを含んでいてよい。これらのソレノイド作動弁は、このような流体路を通る流体流を制御する。
【0090】
一例では、弁アセンブリ304はアセンブリ100に結合されている。例えば、弁アセンブリ304はポンプポートブロック117に組み付けられていてよい。したがって、弁アセンブリ304は、入口ポート118への流体流と出口ポート120からの流体流とを制御することができる。
【0091】
コントローラボード200は電子式の弁ドライバを含んでいてよい。この弁ドライバは、弁アセンブリ304のソレノイド作動弁のソレノイドコイルに供給される電流および電圧信号を制御して、電磁弁の作動および動作の状態を制御する。こうして、電子駆動デバイス106を、ソレノイド作動弁の動作の状態と、弁アセンブリ304を通る流体流とを制御するように構成することができる。
【0092】
弁アセンブリ304は、流体流をアクチュエータ306に誘導し、また、アクチュエータ306から誘導するように構成されている。このアクチュエータ306は、シリンダ308と、このシリンダ308内に摺動可能に収容されたピストン310とを含んでいる。このピストン310は、ピストンヘッド312と、このピストンヘッド312からシリンダ308の中心長手軸線方向に沿って延在するロッド314とを含んでいる。ピストンヘッド312は、シリンダ308の内側空間を第1の室316と第2の室318とに分割している。
【0093】
アセンブリ100の電子駆動デバイス106は、液圧システム300に設けられた種々のセンサまたは入力デバイスからの信号を介して、センサ情報を含む入力情報を受け取り、これに応答して、液圧システム300の種々の構成要素に電気信号を提供してよい。例えば、電子駆動デバイス106は、ピストン310に接続された位置センサおよび/または速度センサからのアクチュエータセンサ情報、つまり、ピストン310の位置xおよび速度
【数1】
を示す情報を受け取ってよい。付加的または代替的には、電子駆動デバイス106は、第1の室316に接続された圧力センサ320および/または第2の室318に接続された圧力センサ322から、室316,318内の流体の圧力レベルpまたはピストン310に加えられた荷重の大きさを示す情報を受け取ってよい。
【0094】
上述したように、電子駆動デバイス106は、アセンブリ100のセンサ(例えばエンコーダ206)から、モータロータ114の速度、液圧ポンプ104から吐出される流体の圧力レベル、冷却流体の温度、電気モータ102の温度、インバータボード202の温度等を示すセンサ情報を受け取ってもよい。電子駆動デバイス106は、また、(例えば機械のジョイスティックから)ピストン310用の命令される速度または所望の速度を示す入力を受け取ってもよい。その後、電子駆動デバイス106は、アセンブリ100の電気モータ102と弁アセンブリ304とに信号を提供して、ピストン310を、命令された所望の速度で制御して運動させることができる。
【0095】
例えば、ピストン310を突き出す(つまり、ピストン310を
図11で見て上方に運動させる)ためには、電子駆動デバイス106が電気モータ102を作動させ、これによって、液圧ポンプ104が、流体リザーバ302から流体を取り出して、入口ポート118を通過させ、その後、出口ポート120を通して弁アセンブリ304に流体を供給する。電子駆動デバイス106は、また、弁アセンブリ304を第1の状態で動作させるために、1つ以上の弁に指令信号も送信する。結果として、アセンブリ100から出口ポート120を介して供給された加圧流体が、弁アセンブリ304を通って第1の室316に流れる。ピストン310が突き出ると、第2の室318から押し出された流体が弁アセンブリ304に流れ、この弁アセンブリ304が、返送ライン324を介して流体リザーバ302に流体を誘導する。電子駆動デバイス106は、電気モータ102を特定の速度およびトルクで動作させて、特定の流量をアクチュエータ306に特定の圧力で供給し、第1の室316および/または第2の室318における圧力レベルを制御しながら、ピストン310を所望の速度で運動させる。
【0096】
ピストン310を引っ込めるためには、電子駆動デバイス106が、指令信号を1つ以上の弁に送信して、弁アセンブリ304が、出口ポート120から受け取った流体を第2の室318に誘導する第2の状態で弁アセンブリ304を動作させてよい。ピストン310が引っ込むと、第1の室316内の流体が、この第1の室316から弁アセンブリ304に押し出され、この弁アセンブリ304が、返送ライン324を介して流体リザーバ302に流体を誘導する。
【0097】
この構成によって、ピストン310が突き出していようと、引っ込んでいようと、アクチュエータ306から放出された流体は、返送ライン324を介して流体リザーバ302に供給される。同時に、アクチュエータ306から放出された流体は、また、電気モータ102およびインバータボード202の温度を低下させる冷却流体としても使用される。
【0098】
特に、返送ライン324を通流した流体は、分岐点326で冷却流体ライン328に分岐する。この冷却流体ライン328は、
図11に示したように、アセンブリ100に流体接続されていて、(例えば流体ライン502を介して)アセンブリ100に冷却流体を供給する。特定の所望の圧力(例えば50psi)で冷却流体を提供するために、液圧システム300は弁330を含んでいる。この弁330は、この弁330の上流側の(例えば分岐点326における)圧力レベルが流体リザーバ302内の圧力レベルよりも高いことが可能となるように構成されている。
【0099】
一例として、弁330は、所望の圧力レベルに圧力設定されたリリーフ弁であってよい。別の例では、弁330は開口を含んでいてよい。この開口は、この開口を通る流体流を制限し、ひいては、圧力レベルを上流側で高めることを可能にする。別の例では、弁330はばね荷重式の逆止弁を含んでいてよい。このようなばね荷重式の逆止弁は、ばねによって閉鎖位置にばね荷重が加えられているかまたは付勢されている逆止要素(ボールまたはポペット)を含んでいてよい。弁330の上流側の圧力レベルが、ばねにより逆止要素に加えられている力を上回るプリセット圧力レベルに達すると、弁330が開放し、流体が流体リザーバ302に流れることが可能となる。こうして、冷却流体ライン328を通して供給される流体は、ばねにより設定されたプリセット圧力レベルを有している。弁330は、上述した例示的な構成の組合せであってもよいし、圧力レベルを分岐点326で高めることを可能にする任意の別の弁構成であってもよい。
【0100】
別の例では、弁330は比例電子作動弁であってよい。この例では、コントローラ(例えばコントローラボード200)が、冷却要求に基づき(例えば特定の状況で十分な冷却を提供するために)、弁330のアクチュエータ(例えばソレノイド)に信号を送信して、弁330の上流側の圧力レベルを変化させてよい。図面における見た目の煩わしさを減じるために、弁330への信号ラインは図示していない。
【0101】
その後、冷却流体ライン328を介してアセンブリ100に供給された冷却流体は、メインハウジング108(
図7A~
図10参照)および電子機器ハウジングカバー170(
図6A~
図6B参照)を通って循環し、その後、流体ライン526を通って、冷却流体を流体リザーバ302に返送する冷却流体返送ライン332に供給される。
【0102】
一例では、アセンブリ100の電子駆動デバイス106は、電気モータ102およびインバータボード202の温度を示すセンサ情報を受け取ってよい。これに応答して、電子駆動デバイス106は、流量制御弁510のソレノイド514を制御して、冷却流体を電気モータ102(例えば冷却内側リング700,800,900,1000へと)と電子機器ハウジングカバー170との間で分配し、これによって、電気モータ102とインバータボード202との各々の温度が安全な動作温度未満に保たれる。
【0103】
液圧システム300は開回路または開ループシステムと呼ばれることがある。この場合には、アセンブリ100が、流体リザーバ302から流体を取り出し、その後、この流体を弁アセンブリ304を介してアクチュエータ306に供給し、このアクチュエータ306から放出された流体が、弁アセンブリ304を介して流体リザーバ302に戻る。代替的には、アセンブリ100は、流体が液圧ポンプ104とアクチュエータ306との間でループにて循環させられる閉回路構成において使用されてよい。
【0104】
図12には、例示的な実施形態により、閉回路構成で動作するアセンブリ100を有する液圧システム400が示してある。液圧システム300の構成要素に類似した液圧システム400の構成要素には、同じ参照符号が付してある。
【0105】
液圧システム400では、アセンブリ100の液圧ポンプ104が、出口ポート120から弁アセンブリ402を通して第1の室316または第2の室318に流体を供給し、アクチュエータ306の他方の室から放出された流体が、アセンブリ100の入口ポート118に戻る。したがって、流体は、アセンブリ100の液圧ポンプ104とアクチュエータ306との間で循環する。
【0106】
ロッド314が第2の室318を通って延在しているピストン310の構成によって、第1の室316内に流入するかまたは第1の室316から放出される流体の流体流量は、第2の室318内に流入するかまたは第2の室318から放出される流体の各々の流体流量よりも大きい。液圧システム400は、第1の室316に供給されるかまたは第1の室316から放出される流体の流体流量と、第2の室318に供給されるかまたは第2の室318から放出される流体の流体流量との差に起因して、流体流量を増大させるかまたは余剰流を消費するように構成された増大回路404を含んでいる。
【0107】
増大回路404は、例えば、流体リザーバ302から流体を取り出して、増大流体流を、弁アセンブリ402に流体接続された増大流ライン406に供給するように構成されたチャージポンプを含んでいてよい。弁アセンブリ402は、ピストン310が突き出ている際に入口ポート118内への流体流量を増加させるために、増大流ライン406からの補給流体流を、第2の室318から放出された流体と合流させ、その後、流体をアセンブリ100の入口ポート118に供給することを促進する弁を含んでいてよい。
【0108】
別の例では、増大回路404が、加圧流体を貯留するように構成されたアキュムレータを備えていてよく、流体リザーバ302が使用されなくてもよい。別の例では、液圧システムが、複数のアクチュエータと、アセンブリ100に類似の複数のアセンブリとを含んでおり、増大回路404が、別のアクチュエータからの余剰流を受け取って、この余剰流を増大流としてアクチュエータ306に供給してよい。
【0109】
増大回路404は、また、増大流ライン406を通流する余剰流体を受け取り、流体リザーバ302(またはシステム内の別のアクチュエータ)へのこのような余剰流体用の経路を提供するように構成されていてもよい。特に、ピストン310が引っ込んでいて、第1の室316から放出される流体が、第2の室318により必要とされる消費される流体を超過するときには、余剰流が、弁アセンブリ402を通って増大流ライン406に供給され、その後、増大回路404に供給され、この増大回路404が、流体流を流体リザーバ302(またはシステム内の別のアクチュエータ)に誘導する。
【0110】
付加的に、液圧システム400では、増大回路404が、さらに、アセンブリ100に冷却流体を供給する外部供給源500として構成されていてよい。特に、増大回路404は、アセンブリ100(例えば流体ライン502)に流体接続された冷却流体ライン408を通して冷却流体を供給してよい。
【0111】
一例では、増大回路404は、冷却流体用の所望の圧力レベルよりも高い圧力レベルで加圧流体を弁アセンブリ402に供給するように構成されていてよい。例えば、増大回路404が、400psiの圧力レベルで増大流体流を供給してよいのに対して、冷却流体用の所望の圧力レベルは約50psiであってよい。この場合、液圧システム400は、圧力レベルを400psiから50psiに低下させて、低下させられた圧力レベルで冷却流体を、アセンブリ100に冷却流体を供給する流体ライン502の下流側に供給するように構成された減圧弁410を含んでいてよい。
【0112】
減圧弁410は、
図12に記号で表してあり、限定的な表現であることを意味するものではない。パイロット動作式の減圧弁が使用されてもよい。通流する流体の圧力レベルを低下させるように構成された任意の弁または構成要素の組合せが使用されてよい。
【0113】
減圧弁410から流出した冷却流体は、流体ライン502に流れ、その後、メインハウジング108(
図7A~
図10参照)と電子機器ハウジングカバー170(
図6A~
図6B参照)とを通って循環する。その後、冷却流体は、流体ライン526を通って、冷却流体を流体リザーバ302に返送する冷却流体返送ラインに供給される。この冷却流体返送ラインは、図面における見た目の煩わしさを減じるために、
図12には示していない。しかし、当然ながら、流体ライン526を通って放出された冷却流体は、流体リザーバ302に直接供給されてもよいし、弁アセンブリ402と増大回路404とを通って間接的に供給されてもよい。
【0114】
図11に関して上述したように、例では、アセンブリ100の電子駆動デバイス106は、電気モータ102およびインバータボード202の温度を示すセンサ情報を受け取ってよく、これに応答して、流量制御弁510のソレノイド514を制御して、冷却流体を電気モータ102(例えば冷却内側リング700,800,900,1000へと)と電子機器ハウジング170との間で分配してよく、これによって、電気モータ102とインバータボード202との各々の温度が安全な動作温度未満に保たれる。
【0115】
図1~
図10に示した例示的な実施形態に対して多数の構成変更が実施されてよい。例えば、メインハウジング108を、別個のハウジングとして構成された電子デバイスハウジング140に結合する代わりに、両方のハウジングが組み合わされて、単一のハウジングが形成されてよい。別の例として、別のタイプのポンプが使用されてよい。また、別の例示的な実施形態では、モータロータ114をポンプ駆動軸134に結合するために、変速装置が使用されてもよい。また、液圧ポンプ104が部分的にステータ112の内部に配置されているのに対して、別の例示的な実施形態では、ポンプが完全にステータの巻線の内部に配置されていてもよい。
【0116】
上記の詳細な説明には、開示したシステムの種々の特徴および動作が、添付の図面を参照しながら説明してある。本明細書に記載した例示的な実施形態は限定を意味するものではない。開示したシステムの特定の態様は、本明細書において全て想定される多種多様な構成で配置されてよく、また、組み合わされてよい。
【0117】
さらに、文脈に特段提案しない限り、各々の図面に示した特徴は互いに組み合わせて使用されてよい。したがって、図面は、概して、1つ以上の総合的な実施形態の構成要素態様と見なすべきものであり、図示の全ての特徴が各々の実施形態のために必要であるとは限らないことを理解されたい。
【0118】
さらに、本明細書または特許請求の範囲における要素、ブロックまたはステップのあらゆる列挙は明確性を目的とするものである。したがって、このような列挙は、これらの要素、ブロックまたはステップが特定の配置に固執しているかまたは特定の順序で実施されることを要求または示唆するものと解すべきではない。
【0119】
さらに、デバイスまたはシステムは、図面に提示した機能を実施するように使用されてよいかまたは構成されていてよい。場合により、デバイスおよび/またはシステムの構成要素が機能を実施するように構成されていてよく、これによって、構成要素が、実際には、このような性能を可能にするように(ハードウェアおよび/またはソフトウェアを備えて)構成かつ体系化されている。別の例では、デバイスおよび/またはシステムの構成要素が、例えば特定の形式で動作させられたときに、機能の実施に適合させられるか、機能の実施を可能にするか、または機能の実施に適しているように配置されてよい。
【0120】
「実質的に」という用語は、列挙した特性、パラメータまたは数値が正確に達成される必要はなく、例えば、公差、測定誤差、測定精度限界および当業者に知られている別の要因を含む偏差または変動が、特性が提供することを意図している効果を阻止しない程度に生じてよいことを意味している。
【0121】
本明細書に記載した配置形態は単に例を目的としたものである。したがって、当業者であれば、別の配置形態および別の要素(例えば機械、インタフェース、動作、順序および動作のグループ化等)が代わりに使用されてよく、所望の結果に従って、幾つかの要素が完全に省略されてよいことを認識するはずである。さらに、説明した要素の多くは、個別のもしくは分配された構成要素としてまたは別の構成要素に相俟って任意に適切に組み合わせると共に位置させて構成されてよい機能的なエンティティである。
【0122】
種々の態様および実施形態を本明細書に開示してきたが、当業者には、別の態様および実施形態が自明であるはずである。本明細書に開示した種々の態様および実施形態は例示を目的としたものであり、限定を意図するものではなく、真の範囲は、以下の特許請求の範囲と、このような特許請求の範囲が権利を有する等価物の範囲全体とによって示してある。また、本明細書において使用した術語は特定の実施形態を説明することを目的としたものにすぎず、限定を意図するものではない。
【0123】
したがって、本開示の実施の形態は、以下にリストとして列挙した例示的な実施の形態(EEE)のうちの1つに関連していてよい。
【0124】
EEE1は、アセンブリであって、内室を有するメインハウジングと、このメインハウジングの内室に配置されていて、モータロータを備える電気モータと、メインハウジングの内室に電気モータを取り囲むように配置された冷却内側リングであって、冷却流体の外部供給源から冷却流体を受け取り、冷却流体を電気モータを取り囲むように流して、この電気モータを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のモータ冷却流体通路を備える、冷却内側リングと、メインハウジング内で電気モータのモータロータの内部に少なくとも部分的に位置決めされた液圧ポンプと、メインハウジングに結合されていて、(i)内部に配置されたインバータボードと、(ii)外部供給源からの冷却流体がインバータボードを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のインバータ冷却流体通路とを備える筐体とを備える、アセンブリである。
【0125】
EEE2は、冷却内側リングが複数のアーチ状の隆起部を備え、これによって、これら複数のアーチ状の隆起部同士の間に1つ以上のモータ冷却流体通路が形成されている、EEE1記載のアセンブリである。
【0126】
EEE3は、冷却内側リングが、この冷却内側リングの外面を取り囲む凹部として形成された螺旋状またはジグザグ状のモータ冷却流体通路を備える、EEE1または2記載のアセンブリである。
【0127】
EEE4は、冷却内側リングが複数の突出部を備え、これら複数の突出部の各々の突出部が多角形の形状を有し、これによって、複数の突出部同士の間に1つ以上のモータ冷却流体通路が形成されており、これによって、冷却流体を1つ以上のモータ冷却流体通路を通して拡散させることが可能となる、EEE1から3までのいずれか1つ記載のアセンブリである。
【0128】
EEE5は、メインハウジングが、外部供給源から冷却流体を受け取り、冷却内側リングの1つ以上のモータ冷却流体通路に冷却流体を供給するように構成されたモータ冷却流体入口ポートと、1つ以上のモータ冷却流体通路を通流した冷却流体を流体リザーバに供給するように構成されたモータ冷却流体出口ポートとを備える、EEE1から4までのいずれか1つ記載のアセンブリである。
【0129】
EEE6は、筐体が、メインハウジングに結合された電子デバイスハウジングと、電子デバイスハウジングに結合された電子機器ハウジングカバーとを備え、これによって、筐体が、電子機器ハウジングカバーと電子デバイスハウジングとによって形成されている、EEE1から5までのいずれか1つ記載のアセンブリである。
【0130】
EEE7は、インバータボードが電子機器ハウジングカバーに組み付けられており、1つ以上のインバータ冷却流体通路が電子機器ハウジングカバーに形成されている、EEE6記載のアセンブリである。
【0131】
EEE8は、電子機器ハウジングカバーに結合されたバックプレートであって、(i)外部供給源から冷却流体を受け取り、電子機器ハウジングカバーに形成された1つ以上のインバータ冷却流体通路に冷却流体を供給するように構成されたインバータ冷却流体入口ポートと、(ii)1つ以上のインバータ冷却流体通路を通流した冷却流体を受け取り、冷却流体を流体リザーバに供給するように構成されたインバータ冷却流体出口ポートとを備える、バックプレートをさらに備える、EEE7記載のアセンブリである。
【0132】
EEE9は、1つ以上のインバータ冷却流体通路のうちの所定のインバータ冷却流体通路の一部が、電子機器ハウジングカバーに形成されており、インバータ冷却流体通路の対応する別の部分が、バックプレートに形成されている、EEE8記載のアセンブリである。
【0133】
EEE10は、冷却内側リングと筐体との間で冷却流体を分配するように構成された流量制御弁をさらに備える、EEE1から9までのいずれか1つ記載のアセンブリである。
【0134】
EEE11は、液圧システムであって、第1の室および第2の室を有するアクチュエータと、このアクチュエータの第1の室および第2の室への流体流ならびに第1の室および第2の室からの流体流を制御するように構成された弁アセンブリと、アセンブリであって、内室を有するメインハウジングと、このメインハウジングの内室に配置されていて、モータロータを備える電気モータと、メインハウジングの内室に電気モータを取り囲むように配置された冷却内側リングであって、冷却流体の外部供給源から冷却流体を受け取り、冷却流体を電気モータを取り囲むように流して、この電気モータを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のモータ冷却流体通路を備え、メインハウジングが、(i)冷却流体を受け取り、1つ以上のモータ冷却流体通路に冷却流体を供給するように構成されたモータ冷却流体入口ポートと、(ii)1つ以上のモータ冷却流体通路を通流した冷却流体を放出するように構成されたモータ冷却流体出口ポートとを備える、冷却内側リングと、メインハウジング内で電気モータのモータロータの内部に少なくとも部分的に位置決めされた液圧ポンプであって、入口ポートから流体を受け取り、弁アセンブリに流体接続された出口ポートに流体流を供給し、これによって、弁アセンブリを介してアクチュエータに流体流を供給するように構成されている、液圧ポンプと、メインハウジングに結合されていて、(i)内部に配置されたインバータボードと、(ii)外部供給源からの冷却流体がインバータボードを冷却することを可能にするように構成された1つ以上のインバータ冷却流体通路と、(iii)冷却流体を受け取り、1つ以上のインバータ冷却流体通路に冷却流体を供給するように構成されたインバータ冷却流体入口ポートと、(iv)1つ以上のインバータ冷却流体通路を通流した冷却流体を放出するように構成されたインバータ冷却流体出口ポートとを備える筐体とを備える、アセンブリとを備える、液圧システムである。
【0135】
EEE12は、液圧システムが流体リザーバをさらに備え、液圧ポンプの入口ポートが流体リザーバに流体接続されており、これによって、液圧ポンプが流体リザーバから流体を取り出し、弁アセンブリが、アクチュエータから放出された流体を流体リザーバに供給するように流体リザーバに流体接続されており、アクチュエータから放出された流体の一部が分岐して、モータ冷却流体入口ポートおよびインバータ冷却流体入口ポートに供給されるため、アクチュエータが冷却流体の外部供給源を成している、EEE11記載の液圧システムである。
【0136】
EEE13は、液圧システムが、アクチュエータと流体リザーバとを流体接続する流体ラインに配置された弁をさらに備え、この弁が、この弁の上流側の圧力レベルを高めるように構成されており、モータ冷却流体入口ポートとインバータ冷却流体入口ポートとに供給される一部の流体が、弁の上流側に配置された分岐点で分岐される、EEE12記載の液圧システムである。
【0137】
EEE14は、アセンブリが、(i)アクチュエータから放出された流体を弁アセンブリを通して入口ポートで受け取り、(ii)流体を出口ポートを介して弁アセンブリを通してアクチュエータに供給するように構成されており、液圧システムが、弁アセンブリに流体接続された増大回路をさらに備え、この増大回路が、第1の室に供給されるかまたは第1の室から放出される流体の流体流量と、第2の室に供給されるかまたは第2の室から放出される流体の流体流量との差に起因して、増大流体流を供給しかつ余剰流体流を受け取るように構成されており、増大回路が、モータ冷却流体入口ポートとインバータ冷却流体入口ポートとに流体接続されていて、モータ冷却流体入口ポートとインバータ冷却流体入口ポートとに冷却流体を供給するため、増大回路が冷却流体の外部供給源を成している、EEE11から13までのいずれか1つ記載の液圧システムである。
【0138】
EEE15は、増大回路から冷却流体を受け取り、冷却流体を、低下させられた圧力レベルでモータ冷却流体入口ポートとインバータ冷却流体入口ポートとに供給するように構成された減圧弁をさらに備える、EEE14記載の液圧システムである。
【0139】
EEE16は、筐体が、メインハウジングに結合された電子デバイスハウジングと、電子デバイスハウジングに結合された電子機器ハウジングカバーとを備え、これによって、筐体が、電子機器ハウジングカバーと電子デバイスハウジングとによって形成されている、EEE11から15までのいずれか1つ記載の液圧システムである。
【0140】
EEE17は、インバータボードが電子機器ハウジングカバーに組み付けられており、1つ以上のインバータ冷却流体通路が電子機器ハウジングカバーに形成されている、EEE16記載の液圧システムである。
【0141】
EEE18は、アセンブリが、電子機器ハウジングカバーに結合されたバックプレートをさらに備え、このバックプレートが、インバータ冷却流体入口ポートとインバータ冷却流体出口ポートとを備え、1つ以上のインバータ冷却流体通路のうちの所定のインバータ冷却流体通路の一部が、電子機器ハウジングカバーに形成されており、インバータ冷却流体通路の対応する別の部分が、バックプレートに形成されている、EEE17記載の液圧システムである。
【0142】
EEE19は、冷却内側リングと筐体との間で冷却流体を分配するように構成された流量制御弁をさらに備える、EEE11から18までのいずれか1つ記載の液圧システムである。
【0143】
EEE20は、冷却内側リングが、1つ以上のモータ冷却流体通路が相互間に形成されているような複数のアーチ状の隆起部、冷却内側リングの外面を取り囲むループ状の凹部として形成された螺旋状のモータ冷却流体通路、冷却内側リングの外面を取り囲む凹部として形成されたジグザグ状のモータ冷却流体通路、または複数の突出部であって、これら複数の突出部の各々の突出部が多角形の形状を有し、これによって、複数の突出部同士の間に1つ以上のモータ冷却流体通路が形成されており、これによって、冷却流体を1つ以上のモータ冷却流体通路を通して拡散させることが可能となる、複数の突出部を備える、EEE11から19までのいずれか1つ記載の液圧システムである。
【国際調査報告】