IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィデリター、インコーポレイテッドの特許一覧

特表2025-502243有形資産の識別、認証、および追跡のための方法
<>
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図1
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図2
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図3
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図4A
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図4B
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図5
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図6
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図7
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図8
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図9
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図10
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図11
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図12
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図13
  • 特表-有形資産の識別、認証、および追跡のための方法 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】有形資産の識別、認証、および追跡のための方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/018 20230101AFI20250117BHJP
【FI】
G06Q30/018
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541931
(86)(22)【出願日】2023-01-11
(85)【翻訳文提出日】2024-09-09
(86)【国際出願番号】 US2023010571
(87)【国際公開番号】W WO2023137046
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】63/298,371
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524262333
【氏名又は名称】フィデリター、インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PHYDELITER,INC.
【住所又は居所原語表記】1201 Orange Street,Suite 600,Wilmington,Delaware 19801,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100152308
【弁理士】
【氏名又は名称】中 正道
(74)【代理人】
【識別番号】100201558
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 恵二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118371
【弁理士】
【氏名又は名称】▲駒▼谷 剛志
(72)【発明者】
【氏名】カミンスキー、アンドルー
【テーマコード(参考)】
5L030
【Fターム(参考)】
5L030BB00
(57)【要約】
【課題】製品を認証するシステムおよび方法の提供
【解決手段】このようなシステムは、画像比較装置および画像データストアを含む資産検証システム、資産検証システムと通信可能な資産登録ステーション、ならびに資産検証システムと通信可能な検証装置内の資産検証ソフトウェアアプリケーションを含むことができる。認証される製品は、少なくとも1つの不均質な視覚的特徴を有する有形資産、または一意に配置された視覚的に均質な製品群であってもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を認証する方法であって、
第1の製品の一部の少なくとも1つの画像と、該第1の製品に関連付けられた少なくとも1つの機械可読コードとを資産検証装置に格納するステップであって、該第1の製品は、少なくとも1つの不均質な視覚的特徴を有する有形資産、または均質な視覚的特徴を有する有形資産群を含む、ステップ;
第2の製品の一部の画像および該第2の製品に関連付けられた機械可読コードの少なくとも一方をスキャンするステップ;
スキャンされた前記画像またはスキャンされた前記機械可読コードを、前記資産検証装置内の前記少なくとも1つの画像または前記少なくとも1つの機械可読コードと比較するステップ;および
スキャンされた前記画像またはスキャンされた前記機械可読コードと一致する画像または機械可読コードが前記資産検証装置に含まれている場合、その旨をユーザに表示するステップ
を含む方法。
【請求項2】
前記格納するステップが、
前記第1の製品に関連付けられた前記少なくとも1つの機械可読コードを作成するステップ;および
前記第1の製品の一部の前記少なくとも1つの画像をキャプチャするステップ
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記資産検証装置が、
データベース;および
マシンビジョンソフトウェア
を含むシステムである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記資産検証装置が、認証資格情報、操作データ、位置データ、前記少なくとも1つの画像のキャプチャに関連付けられたタイムスタンプ、および前記少なくとも1つの機械可読コードの作成に関連付けられたタイムスタンプのうちの少なくとも1つをさらに格納する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの機械可読コードが、前記第1の製品に貼付されるか、または前記第1の製品上もしくは前記第1の製品の周囲の包装に貼付される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの機械可読コードが、前記少なくとも1つの画像にキャプチャされた前記第1の製品の一部に近接して貼付される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
スキャンされた前記画像または前記機械可読コードを比較することに関連付けられた位置データおよびタイムスタンプの少なくとも一方を前記資産検証装置に格納することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記機械可読コードが、Quick Responseコード、DataMatrix、Aztec、TrillCode、QuickMark、ShotCode、mCode、Beetagg、UPCまたはカスタム/独自コードである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記スキャンするステップが、検証装置を用いて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1の製品の一部の少なくとも1つの画像を格納することが、画像、画像の説明、またはそれらの組み合わせを格納することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
製品を認証するシステムであって、
画像比較装置と画像データストアとを含む資産検証システムであって、該データストアは、第1の製品の一部の少なくとも1つの画像と、該第1の製品に関連付けられた少なくとも1つの機械可読コードとを格納し、該第1の製品は、少なくとも1つの不均質な視覚的特徴を有する有形資産、または均質な視覚的特徴を有する有形資産群を含む、資産検証システム;
前記資産検証システムと通信可能な資産登録ステーション;および
前記資産検証システムと通信可能な検証装置内の資産検証ソフトウェアアプリケーション
を含むシステム。
【請求項12】
前記データストアが、認証資格情報、操作データ、位置データ、前記少なくとも1つの画像のキャプチャに関連付けられたタイムスタンプ、および前記少なくとも1つの機械可読コードの作成に関連付けられたタイムスタンプのうちの少なくとも1つを格納する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記資産検証システムが、1つ以上の製品の一部の新しい画像と、1つ以上の製品に関連付けられた機械可読コードとをインデックス付けするように構成された資産登録アプリケーションプログラムインタフェースを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記資産検証システムが、製品を認証するための前記検証装置からの照会に応答するように構成された資産検証アプリケーションプログラムインタフェースを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの機械可読コードが、前記第1の製品に貼付されるか、または前記第1の製品上もしくは前記第1の製品の周囲の包装に貼付される、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの機械可読コードが、前記少なくとも1つの画像にキャプチャされた前記第1の製品の一部に近接して貼付されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記資産登録ステーションが、1つ以上の製品のそれぞれの一部の少なくとも1つの画像をキャプチャし、該1つ以上の製品に関連付けられた少なくとも1つの機械可読コードを読み取るように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記資産登録ステーションが、
少なくとも1つのカメラ;
少なくとも1つの光源;および
プロセッサ
を含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記検証装置が、スマートフォン、スマートウォッチ、拡張現実/仮想現実メガネ/ヘッドセット、またはカメラを含む任意の装置である、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記資産検証ソフトウェアアプリケーションが、1つ以上の製品の一部の画像をキャプチャし、該1つ以上の製品に関連付けられた機械可読コードを読み取るように構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
前記資産検証ソフトウェアアプリケーションが、前記データベースが前記スキャンされた画像または機械可読コードと一致する画像または機械可読コードを含む場合に、ユーザクエリに対する応答を示すように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記資産検証ソフトウェアアプリケーションが、前記ユーザクエリに関連付けられた時間情報、位置情報、装置識別子および/または他のデータをキャプチャするように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
第1の製品の一部の前記少なくとも1つの画像が、画像、画像の説明、またはそれらの組み合わせを含む、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年1月11日に出願された米国仮出願第63/298,371号の優先権を主張するものであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、有形資産の認証のための方法およびシステムに関する。有形資産は、不均質な視覚的特徴を有する。より詳細には、本開示は、有形製品に関連付けられた画像および/または機械可読コードを、その製品に関連付けられたとされる以前の画像および/またはコードと比較することを対象とする。
【0003】
有形資産の真正性に関する関係者の懸念がある。例えば、牛肉などの食品製品は、特定の原産地が偽って宣伝されることがある。同様に、皮革製品も頻繁に偽造されている。これらの懸念は、小売業者のビジネスの損失、生産者のブランド毀損、および消費者の潜在的な損害をもたらす可能性がある。
【0004】
従って、牛肉または皮革のような有形資産の識別、認証、および追跡に対するいまだ対処されていない要求が存在する。従って、本開示は、有形資産に関連付けられた画像および機械可読コードを格納するためのシステム、並びにその使用方法を提供する。
【0005】
本開示は、製品を認証する方法の様々な実施形態を提供する。本方法は、第1の製品の一部の少なくとも1つの画像と、該第1の製品に関連付けられた少なくとも1つの機械可読コードとを資産検証装置に格納することを含み、該第1の製品は、少なくとも1つの不均質な視覚的特徴、または均質な資産の組み合わせを有する有形資産を含む。
【0006】
本方法は、第2の製品の一部の画像と、該第2の製品に関連付けられた機械可読コードとの少なくとも一方をスキャンすることをさらに含む。本方法は、前記スキャンされた画像または機械可読コードを、前記資産検証装置内の前記少なくとも1つの画像または機械可読コードと比較することをさらに含む。本方法は、前記スキャンされた画像または機械可読コードと一致する画像または機械可読コードが前記資産検証装置に含まれている場合、その旨の表示をユーザに提供することをさらに含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の製品の一部の少なくとも1つの画像および該第1の製品に関連付けられた少なくとも1つの機械可読コードを格納することは、前記第1の製品に関連付けられた前記少なくとも1つの機械可読コードを作成することと、前記第1の製品の一部の前記少なくとも1つの画像をキャプチャすることとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記資産検証装置は、データベースとマシンビジョンソフトウェアとを含むシステムである。いくつかの実施形態では、前記資産検証装置は、認証資格情報、操作データ、位置データ、前記少なくとも1つの画像のキャプチャに関連付けられたタイムスタンプ、および前記少なくとも1つの機械可読コードの作成に関連付けられたタイムスタンプのうちの少なくとも1つをさらに格納する。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記少なくとも1つの機械可読コードは、前記第1の製品に貼付されるか、前記第1の製品上またはその周囲の包装に貼付される。さらなる実施形態では、前記少なくとも1つの機械可読コードは、前記少なくとも1つの画像にキャプチャされた第1の製品の一部に近接して貼付される。
【0010】
いくつかの実施形態では、本方法は、前記スキャンされた画像または機械可読コードの比較に関連付けられた位置データおよびタイムスタンプの少なくとも一方を前記資産検証装置に保存することをさらに含む。いくつかの実施形態では、前記機械可読コードは、Quick Responseコード、DataMatrix、Aztec、TrillCode、QuickMark、ShotCode、mCode、Beetagg、UPCコード、または独自/カスタムコードを含む他のそのようなコードである。いくつかの実施形態では、前記スキャンするステップは検証装置を用いて実行される。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の製品の一部の少なくとも1つの画像を格納することは、画像、画像の説明、またはそれらの組み合わせを格納することを含む。
【0012】
本開示は、製品を認証するためのシステムの様々な実施形態を提供する。本システムは、画像比較装置と画像データストアとを含む資産検証システムを含み、該データストアは、第1の製品の一部の少なくとも1つの画像と、前記第1の製品に関連付けられた少なくとも1つの機械可読コードとを含み、前記第1の製品は、少なくとも1つの不均質な視覚的特徴、または複数の視覚的に均質な有形資産の固有の組み合わせを有する有形資産を含む。本システムは、前記資産検証システムと通信可能な資産登録ステーションと、前記資産検証システムと通信可能な検証装置内の資産検証ソフトウェアアプリケーションとをさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記データストアは、認証資格情報、操作データ、位置データ、少なくとも1つの画像のキャプチャに関連付けられたタイムスタンプ、および前記少なくとも1つの機械可読コードの作成に関連付けられたタイムスタンプのうちの少なくとも1つを格納する。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記資産検証システムは、1つ以上の製品の一部の新しい画像と、1つ以上の製品に関連付けられた機械可読コードとをインデックス付けするように構成された資産登録アプリケーションプログラムインターフェースを含む。いくつかの実施形態では、前記資産検証システムは、製品を認証するための前記検証装置からの照会に応答するように構成された資産検証アプリケーションプログラムインターフェースを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの機械可読コードは、前記第1の製品に貼付されるか、前記第1の製品上またはその周囲の包装に貼付される。さらなる実施形態では、前記少なくとも1つの機械可読コードは、前記少なくとも1つの画像にキャプチャされた前記第1の製品の一部に近接して貼付される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記資産登録ステーションは、1つ以上の製品のそれぞれの一部の少なくとも1つの画像をキャプチャし、該1つ以上の製品に関連付けられた少なくとも1つの機械可読コードを読み取るように構成される。さらなる実施形態では、前記資産登録ステーションは、少なくとも1つのカメラ、少なくとも1つの光源、およびプロセッサを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、検証装置は、スマートフォン、スマートウォッチ、拡張現実/仮想現実メガネ/ヘッドセット、またはカメラを含む任意の装置である。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記資産検証ソフトウェアアプリケーションは、1つ以上の製品の一部の画像をキャプチャし、該1つ以上の製品に関連付けられた機械可読コードを読み取るように構成される。さらなる実施形態では、前記資産検証ソフトウェアアプリケーションは、前記データベースが、スキャンされた画像または機械可読コードに一致する画像または機械可読コードを含む場合にユーザクエリに応答して表示を提供するように構成される。さらなる実施形態では、前記資産検証ソフトウェアアプリケーションは、ユーザクエリに関連付けられた時間情報および/または位置情報をキャプチャするように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の製品の一部の前記少なくとも1つの画像は、画像、画像の説明、またはそれらの組み合わせを含む。
【0020】
前述の一般的な説明も以下の詳細な説明も、例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な実施形態を示し、本明細書の説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
図1図1は、いくつかの実施形態による、有形資産を識別および認証するためのシステムを示すブロック図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、有形資産に関連付けられた画像および/または機械可読コードを格納する方法を示すフローチャートである。
図3図3は、いくつかの実施形態による、有形資産を識別し認証する方法を示すフローチャートである。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、有形資産に適用される例示的な機械可読コードおよび原資産ウィンドウの画像である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、有形資産に適用される例示的な機械可読コード、ロゴ、および原資産ウィンドウの画像である。
図5図5は、いくつかの実施形態による、有形資産に適用される例示的な機械可読コード、ロゴ、および縁なし原資産ウィンドウの画像である。
図6図6は、いくつかの実施形態による、有形資産に適用される例示的な機械可読コードおよび縁なし原資産ウィンドウの画像である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、有形な水産資産に適用される例示的な機械可読コードの画像である。
図8図8Aおよび8Bは、いくつかの実施形態による、有形な甲殻類資産に適用される例示的な機械可読コードの画像である。
図9図9は、いくつかの実施形態による、均質な無印の医薬資産に適用される例示的な機械可読コードの画像である。
図10図10は、いくつかの実施形態による、均質なマーク付き医薬資産に適用される例示的な機械可読コードの画像である。
図11図11は、いくつかの実施形態による、ランダムな配向を有する均質な医薬資産に適用される例示的な機械可読コードの画像である。
図12図12は、いくつかの実施形態による、ランダムな配向を有する不均質な医薬資産に適用される例示的な機械可読コードの画像である。
図13図13は、いくつかの実施形態による、皮革資産に適用される例示的なエッチングされた機械可読コードの画像である。
図14図14は、いくつかの実施形態による、木目資産に適用される例示的な機械可読コードの画像である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本開示による特定の例示的な実施形態を詳細に参照するが、いくつかの例は添付の図面に図示されている。可能な限り、同じ参照番号は、図面全体を通して、同じまたは同様の部分を参照するために使用される。
【0023】
本願において、単数形の使用は、特に断らない限り、複数形を含む。本願において、「または」の使用は、特に断らない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含む(including)」という用語の使用は、「含む(includes)」や「含まれる(included)」などの他の形態と同様に、限定するものではない。同様に、「含む(comprising)」という用語の使用も、「含む(comprises)」などの他の形態と同様に、限定的なものではない。本明細書に記載した、いかなる範囲も、端点および端点間のすべての値を含むと理解される。
【0024】
本明細書で使用されるセクションの見出しは、整理の目的のみのためのものであり、記載した主題を限定するものとして解釈されるものではない。特許、特許出願、論文、書籍、および専門書を含むがこれらに限定されない、本出願において引用される全ての文書または文書の一部は、あらゆる目的のために、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、有形資産を識別、追跡、および認証するためのシステムが提供される。本発明は、本質的に不均質な視覚属性(例えば、肉の霜降り、木目)を有する製品を「スマートラベリング」するための方法を提供し、包装の内容物が包装と一致することを当事者が認証できるようにするものである。システムは、1つ以上の有形資産に関連付けられた画像と機械可読コードの記録を保持する。サプライチェーン(倉庫、流通、小売)のどの段階でも、人は材料に関する情報をシステムに問い合わせることができる。例えば、顧客は資産の画像、および/または関連付けられた機械可読コードをシステムに送信することができ、システムは画像またはコードに対応する情報を提供する。
【0026】
牛肉や皮革の筋、霜降り、木目などの不均質な視覚的特徴を有する有形資産、または複数の視覚的に均質な有形資産の固有の組み合わせは、資産の固有の識別子を提供することができる。開示されたシステムおよび方法を用いて追跡および認証され得る製品には、赤身肉(牛肉、豚肉、羊肉など)のカットおよび製品、丸ごとの魚介類および関連付けられた加工製品(サケ、マグロ、ロブスター、エビなど)、植物性タンパク質食品製品、皮革および天然繊維資産、木目材料から作られた工芸品および/または家具、収集品、または医薬の錠剤などの視覚的に均質な資産の組み合わせなど、不均質な視覚的特徴を有するあらゆる有形資産が含まれ得る。例えば、赤身肉の天然の霜降りは、各赤身肉資産に固有の視覚的フィンガープリント(fingerprint;はっきりとした特徴)を提供する。
【0027】
本明細書に記載したシステムおよび方法は、有形資産を追跡および認証するために、固有の不均質な視覚的特徴の画像をキャプチャする。不正な製品は、サプライチェーンの早い段階で最初にシステムにスキャンされた製品と同じ視覚的特徴を含まないため、識別することができる。
【0028】
図1は、いくつかの実施形態による、有形資産を識別および認証するためのシステム100を示すブロック図である。いくつかの実施形態では、システムは、資産検証装置110と、資産登録ステーション120と、検証装置130とを含む。いくつかの実施形態では、システム100は、資産検証装置110および資産登録ステーション120を含む。資産検証装置110は、資産登録ステーション120を介して、資産生産者から必要な情報を収集し、検証装置130用の資産検証アプリケーション135を介して、当事者に認証サービスを提供する。
【0029】
資産検証装置110は、画像ストレージ(データストア111)および画像比較装置112を含むことができる。資産検証装置110は、資産生産者のための資産登録記録の安全な格納装置であり、当事者に資産認証サービスを提供するように構成される。資産検証装置110は、資産登録用113と資産検証用114の2つのAPI(Application Programmatic Interface)を提供するサーバ、またはサーバの集合体であってもよい。また、資産検証装置110は、資産登録と資産検証の2つのクラウドベースのアプリケーションを提供することもできる。
【0030】
資産検証装置110によってデータストア111に収集される必要な情報は、資産の少なくとも一部の画像、その画像の説明、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、画像にキャプチャされた資産の一部には、不均質な物理的特徴が含まれる。例えば、画像は、牛肉または皮革の筋、霜降り、または木目を描写することができる。いくつかの実施形態では、画像にキャプチャされた資産の一部は、複数の視覚的に均質な有形資産の固有の組み合わせを含む。例えば、画像は、ボトルまたはブリスターパック内の医薬の錠剤の物理的構成を描写することができる。
【0031】
資産検証装置110によってデータストア111に収集された必要な情報は、資産に関連付けられた機械可読コードを含むことができる。機械可読コードは、Quick Responseコード、DataMatrix、Aztec、TrillCode、QuickMark、ShotCode、mCode、Beetagg、UPC、または独自/カスタムコードのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの機械可読コードは、資産に貼付されるか、資産の上または周囲の包装に貼付される。機械可読コードの配置については、図4を参照してさらに説明する。
【0032】
いくつかの実施形態では、データストア111に収集された必要な情報は、認証資格情報、操作データ、位置データ、少なくとも1つの画像のキャプチャに関連付けられたタイムスタンプ、および少なくとも1つの機械可読コードの作成に関連付けられたタイムスタンプも含むことができる。
【0033】
認証資格情報は、資産登録ステーション120を資産検証装置110と認証することに関連付けられたものであり、有形資産を認証するものではない。認証資格情報は、ユーザ名、パスワード、および/またはワンタイムコードなどを含むことができる。
【0034】
操作データは、有形資産に関連付けられた生産ライン識別子、生産ラインに関連付けられたオペレータ識別子、有形資産に関連付けられた製品記述子、および温度や湿度などの環境測定値を含むことができる。
【0035】
位置データは、資産の物理的位置に関連付けられた情報を含むことができる。例えば、資産の少なくとも一部の画像をキャプチャする場合、画像をキャプチャしているカメラの地理的位置を格納することができる。別の例として、資産上の機械可読コードがスキャンされた地理的位置を格納することができる。
【0036】
資産登録API113は、既知の安全な資産登録ステーション120が、資産検証装置110に登録する新しい資産を要求することを可能にするプロトコルであってもよい。資産登録ステーション120からの要求は、機械可読コードおよび資産の少なくとも一部の画像を含み、さらに、認証資格情報、操作データ、位置データ、少なくとも1つの画像のキャプチャに関連付けられたタイムスタンプ、および少なくとも1つの機械可読コードの作成に関連付けられたタイムスタンプなどの二次データを含むことができる。
【0037】
資産検証装置110は、機械可読コードデータ内に含まれる固有製品識別子(UPI)によってインデックス付けされた、資産登録ステーション120からのデータをデータストア111に格納するように構成される。いくつかの実施形態では、インデックスは、時刻、および/または生産者情報のような二次データによって補強されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、データストア111は、設定された時間の後にデータを自動的に削除するように構成される場合がある。設定された時間は資産のタイプによって変えてもよい。
【0039】
資産検証API114は、検証装置130のユーザが資産の真正性の検証を要求することを可能にするプロトコルである。検証装置130からの要求は、機械可読コードと資産の画像を含み、任意に上述のような二次データを含んでもよい。資産検証装置120は、機械可読コードデータを使用して、資産に関連付けられた登録画像を迅速かつ効率的に取り出す。次に、登録画像と検証要求の画像が画像比較装置112によって比較される。二次データ(位置情報、タイムスタンプなど)に基づく他のチェックも使用することができる。これらのチェックの出力に応じて、資産検証装置120は、検証装置130上の資産検証ソフトウェア135に、肯定的、否定的、または不確定な認証メッセージのいずれかを送信することができる。資産に関連付けられた任意の追加データ、例えばリコール通知も資産検証ソフトウェア135に送信することができる。いくつかの実施形態では、追加データは認証メッセージとともに表示される。
【0040】
データストア111は、各資産の機械可読コードによってインデックス付けされた、システム100に登録された資産の現在の記録を保持するサーバベースのアプリケーションであってもよい。データストア111は、登録された資産の機械可読コード、関連付けられた資産画像、および任意のそれに続く生産者データの記録を保持する。生産者は、資産登録API113を通じて、資産登録ステーション120を介してデータストア111に記録を追加することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、データストア111は、資産データを格納するために1つ以上のブロックチェーン台帳を利用することができる。ブロックチェーンは、資産がサプライチェーンにおいて生産者から小売店に移動する際に、資産の透明性のある記録を提供することができる。
【0042】
画像比較装置112は、データストア111内の記録と、検証装置130からの検証要求によって提供された記録とを比較するサーバベースのアプリケーションであってもよい。いくつかの実施形態では、記録は、資産に関連付けられた画像および機械可読コードを含む。画像比較装置112は、格納された画像と検証要求で提供された画像との機械視覚ベースの画像比較を実施するように構成される。いくつかの実施形態では、画像比較装置112は、検証要求の当事者の場所および時間/日付などの後続情報に基づいて追加の妥当性チェックを行うことができる。
【0043】
資産登録ステーション120は、1つ以上の資産を資産検証装置110に登録するように構成される。登録は、機械可読コードを読み取り、資産の少なくとも一部の較正された画像を撮影することを含む。その後、機械可読コードデータおよび画像は、認証資格情報、操作データ、およびタイムスタンプなどの任意の他の必要な情報とともに、資産検証装置110に送信される。
【0044】
いくつかの実施形態では、資産登録ステーション120は高度に自動化されるように設計されている。自動化された資産登録ステーション120は、最小限の労力で高いユニットスループットを提供する。例えば、資産登録ステーション120は、機械可読コードをスキャンし、資産の少なくとも一部の画像をキャプチャするプロセスを自動化してもよいが、プロセスを開始し、および/またはキャプチャされた画像を承認するためにユーザインタラクションを必要とする。いくつかの実施形態では、資産登録ステーション120は、より高度な自動化のために、マテリアルハンドリング装置および制御装置(例えば、コンベアベルト、アクチュエータ)を含んでもよい。
【0045】
資産登録ステーション120は、生産者の包装現場に配備されたハードウェアおよびソフトウェアを含むことができる。各ステーション120は、マシンビジョンサブシステム(例えば、カメラ、レンズ、フォーカスハードウェア、照明)、マテリアルハンドリング装置(例えば、コンベアベルト、ソーター)、専用ソフトウェアを実行するプロセッサ、およびユーザインタフェース(例えば、タッチスクリーン、ステータストラフィックライト、音声アナウンス)を含むことができる。資産登録ステーション120は、インターネットを介して資産検証装置110と通信可能であってもよいし、資産検証装置110への専用データ回線を有していてもよい。
【0046】
資産登録ステーション120は、資産の登録を取り消すように構成されていてもよい。例えば、資産が偽造品であると判断された場合、ユーザは偽造資産の登録を手動で取り消すことができる。同様に、システム100への登録後に資産が破壊された場合、ユーザは手動で資産の登録を取り消すことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、資産登録ステーション120は、資産が偽造品であるという判定を自動的に行うことができる。例えば、キャプチャされた画像において偽造皮革を示す均質な特徴が明らかになった場合、資産登録ステーション120、または資産検証装置110は、システムから資産を削除し、システム100のユーザに通知を提供することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、資産登録ステーション120は、後に受信した情報に関連付けられた登録された資産のデータを補強するように構成される。例えば、資産登録ステーション120は、受信したリコール通知または販売促進情報を考慮してデータを補強することができる。資産登録ステーション120が資産検証装置110との接続性を失った場合、資産登録ステーション120は、接続性が回復するまで資産データをキャッシュするように構成されていてもよい。
【0049】
検証装置130は、資産検証ソフトウェア135を含むことができる。資産検証ソフトウェア135の役割は、リアルタイムで資産を認証できるようにすることである。資産検証ソフトウェア135は、スマートフォンのカメラ、GPS、時計/カレンダー、および/またはインターネット接続サブシステム、ならびにユーザインタラクションのためのタッチスクリーンを使用するように構成されたモバイルソフトウェアアプリケーションであってもよい。例えば、ユーザは、スマートフォンのカメラを資産のラベルに向け、資産検証ソフトウェア135による認証クエリを促すことができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、資産検証ソフトウェア135は、スマートフォンのメーカー/モデル、シリアル番号などのユーザ識別情報を記録することもできる。記録されたユーザデータは、システム100の性能を向上させるために利用することができる。例えば、特定のスマートフォンのメーカー/モデルにおけるソフトウェアの性能に基づいて、資産検証ソフトウェア135のパッチを作成することができる。
【0051】
検証装置130がシステム100の他の要素への接続性を失った場合、資産検証ソフトウェア135は、接続性の喪失により検証が現在不可能である旨のメッセージをユーザに提供するように構成される。
【0052】
図2は、いくつかの実施形態による、非均質な特徴を有する有形資産または均質な特徴を有する有形資産群に関連付けられた画像および/または機械可読コードを格納する方法200を示すフローチャートである。本方法は、ステップ210において、有形資産または資産群に関連付けられた機械可読コードを作成することから始まる。機械可読コードは、Quick Responseコード、DataMatrix、Aztec、TrillCode、QuickMark、ShotCode、mCode、Beetagg、UPC、または独自/カスタムコードのいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、コードは物理的ラベルとして印刷される。
【0053】
ステップ220では、機械可読コードが有形資産または資産群に貼付される。いくつかの実施形態では、コードは、包装時に生産者によって資産に適用される。いくつかの実施形態では、コードは、原資産ウィンドウ(underlying asset window:UAW)と合わせて貼付される。
【0054】
図4Aは、いくつかの実施形態による、有形資産400に適用される例示的な機械可読コード420およびUAW410の画像である。コード420を含む、印刷されたステッカーなどの物理的ラベルが、有形資産400上または有形資産400の周囲の包装に追加されてもよい。ラベルは、原資産に応じて、例えばレーザーエッチングとして資産400に直接刻印されてもよい。ラベルは、動的に(包装時に)作成することも、静的に(前もってバッチ印刷で)作成することもできる。
【0055】
UAW410は、資産400の真正性を検証するためにユーザによって使用されることがある。UAW410は、機械可読コード420を補強する可視境界線によって指定されてもよいし、指定されなくてもよい。可視境界線は、資産を検査するために使用される原資産の領域を示すことができる。可視境界線は、機能的であってもよく、マーケティング目的の装飾的であってもよく、商標またはロゴを含んでもよい。
【0056】
図4Bは、いくつかの実施形態による、有形資産に適用される例示的な機械可読コード420、ロゴ430、および原資産ウィンドウ410の画像である。図4Bに見られるように、原資産ウィンドウ410、機械可読コード420、およびロゴ430はすべて、可視境界線内に配置されてもよい。
【0057】
図5は、いくつかの実施形態による、有形資産400に適用される例示的な機械可読コード420、ロゴ430、および縁のないUAW410の画像である。灰色の破線枠は、包装上のいかなる物理的マーキングによっても視覚的に示されないUAW410の位置を示す。可視境界線がUAW410を指定しない実施形態では、可視境界線は、原資産の検査に使用されない原資産の領域を示してもよい。実際のUAW410は、セキュリティ目的のためにマークされていない場合がある。例えば、図5の描かれたラベルは、食肉が黄色の境界領域で検査されることを仄めかしているが、実際の検査は目に見えない灰色の境界領域に基づいて行われる。UAW410は、物理的なラベルの物理的構成要素である必要はない。UAW410は、コード420に対して相対的に位置が解明された(resolved)「仮想的」なものであってもよい。
【0058】
図6は、いくつかの実施形態による、有形資産400に適用される例示的な機械可読コード420と縁のないUAW410の画像である。灰色の破線枠は、包装上のいかなる物理的マーキングによっても視覚的に示されないUAW410の位置を示している。このインスタンス化により、物理的なラベルや包装内の透明なウィンドウや可視境界線の必要性がなくなり、より単純で低コストのラベリングソリューションが得られる。
【0059】
機械可読コード420は、いくつかの機能を果たす。第一に、固有の資産識別子を通じて原資産400の固有の識別を可能にする。第二に、UAW410の位置を示すために使用できる既知の視覚的マーキングを提供する。第三に、エンドユーザが資産検証装置110にアクセスするためのスマートフォン用モバイルアプリケーションを容易に取得するためのメカニズムを提供する。
【0060】
ステップ230では、有形資産または資産群の一部の画像が撮影される。いくつかの実施形態では、画像は機械可読コードをさらに含む。いくつかの実施形態では、UAWの領域の周囲の製品のデジタル画像は、資産の生産者によって包装時に撮影されてもよい。画像は、資産の非均質な物理的特徴または均質な資産群内の非均質な配列を含む。
【0061】
ステップ240では、画像がデータベースに格納される。いくつかの実施形態では、データベースに格納された画像は、上述したように、有形資産の記述子を含むようにインデックス付けされてもよい。いくつかの実施形態では、画像の記述子がデータベースに格納される。いくつかの実施形態では、画像自体ではなく、記述子のみがデータベースに格納される。
【0062】
図3は、いくつかの実施形態による、有形資産または資産群を識別および認証する方法300を示すフローチャートである。本方法300を開始する前に、例えば上述した資産検証装置などのデータベースを作成してもよい。データベースには、有形資産の画像および/または有形資産の画像の記述子が入力されてもよい。画像は、不均質な物理的特徴を有する有形資産の一部、または均質な資産群内の不均質な配列を描写してもよい。データベースにはさらに、有形資産に関連付けられた機械可読コードが入力されてもよい。データベースの入力については、図2のフローチャートを参照してさらに詳細に説明する。
【0063】
いくつかの実施形態では、データベースに格納された画像および機械可読コードは、固有の製品識別子によってインデックス付けされてもよい。データベースは、有形資産のタイプ(食品、皮革など)、資産の製造者、資産の経過年数、資産の原産国(または原産国内の特定の地域)、または画像もしくは機械可読コードに関連付けられた資産の任意の他の有用な記述子などの追加データを含んでもよい。
【0064】
ステップ210において、ユーザは、有形資産または有形資産群の少なくとも一部の画像をスキャンし、および/または有形資産に関連付けられた機械可読コードをスキャンする。例えば、ユーザは、スマートフォンを使用して、食料品店の一片の牛肉の包装上の機械可読コードをスキャンすることができる。別の例として、小売業者は、倉庫から受け取った皮革製のハンドバッグの画像を撮影することができる。
【0065】
スマートフォン上のアプリケーションは、電話のカメラと資産のラベルの位置合わせのための画面上のプロンプトを提供することができる。カメラと資産のラベルが十分に位置合わせされると、カメラの自動シャッター機能により、コードと原資産ウィンドウ(UAW)の画像が自動的に撮影される。コードデータおよびUAW画像は、時間および位置情報とともに、ステップ220で検証のためにデータベースに送信されてもよい。UAWについては、図4を参照して上記でさらに詳細に説明した。
【0066】
ステップ220において、本方法は、ステップ210でユーザがスキャンした画像または機械可読コードに一致する画像および/またはコードをデータベースから検索することを含む。いくつかの実施形態では、データベースは、スキャンされた画像に正確に類似する画像について検索される。いくつかの実施形態では、データベースは、スキャンされた画像に部分的に類似した画像、例えば80%、85%、90%、99%、99.9%類似した画像、またはその間の任意のパーセンテージの画像について検索される。いくつかの実施形態では、データベースは、ユーザによってスキャンされた画像の説明に一致する記述子について検索される。
【0067】
本方法は、ステップ230において継続し、ステップ220のユーザに認証表示を提供する。この表示には、スキャンされた画像または機械可読コードに、データベース内の一致する相手があるかどうかが含まれてもよい。一致するものが見つかった場合、表示は、資産の製造者、資産の経過年数、資産の原産国(または原産国内の特定の地域)など、有形資産または有形資産群に関連付けられた記述子を含むことができる。一致するものが見つからない場合、表示には、資産の出所を確認できなかった旨のメッセージを含めることができる。一致する可能性が不確かな場合、表示には資産の出所が不確かである旨のメッセージを含めることができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、表示は、例えばデータベースへの接続が失われたために、資産の認証が現在不可能であるというメッセージを含むことができる。いくつかの実施形態では、データベースとの接続性が再確立されると、ステップ220および/または230が繰り返される場合がある。
【0069】
上述した本方法は、図4A図4B図5、および図6に描かれているような牛肉のような赤肉製品で採用することができる。図7~14は、本方法とともに採用され得る他の有形資産を描写している。
【0070】
図7は、いくつかの実施形態による、有形水産資産400に適用される例示的な機械可読コード420の画像である。サケ、マグロ、および他の多くの種などの魚組織の配色内の自然な差異は、各資産に固有の視覚的フィンガープリントを提供する。機械可読コード420は、配色の特定の領域を識別するUAW410と合わせて貼付することができる。
【0071】
図8Aおよび図8Bは、いくつかの実施形態による、有形甲殻類資産400に適用される例示的な機械可読コード420の画像である。ロブスターやエビなどの甲殻類は、視覚的に不均質な特徴を生じる。視覚的差異は、調理された肉、または未加工の殻の色素沈着内にあることがある。これは、単一の品目(例えば、図8Bに描かれているような真空パックされたハーフロブスター)のレベルでも、図8Aに描かれているような海老のパックなどの品目群のレベルでもよい。機械可読コード420は、色素沈着の特定の領域を識別するUAW410と合わせて貼付することができる。
【0072】
本明細書で開示される方法は、医薬の錠剤のような均質な製品を認証するために、錠剤が適切な包装に束ねられている場合に使用することもできる。ボトルやブリスターパックなどの束ねられた包装内の集合的な配列は、個々の錠剤が必要な視覚的多様性を一切提供しなくても、非均質な画像を生成することができる。
【0073】
図9は、いくつかの実施形態による、均質な無印の医薬資産400に適用される例示的な機械可読コード420の画像である。無印の同一の錠剤は、少なくとも部分的に透明な容器内に包装される時点で物理的に拘束されることがあり、容器の透明部分は容器の内容物に対するUAW410として作用する。容器内の均質な製品がランダムに配列されることで、不均質な画像が生成される。バルクコットンのような容器内の梱包材は、輸送中に錠剤がずれるのを防ぎ、同一の不均質な画像を維持する。
【0074】
図10は、いくつかの実施形態による、均質なマーク付き医薬品資産400に適用される例示的な機械可読コード420の画像である。いくつかの実施形態では、錠剤に規則的なマーキングまたは不規則なパターンを付して視覚的多様性を付加し、錠剤の画像の不均質性を高めることができる。図9と同様に、錠剤は、容器の透明部分が容器の内容物に対するUAW410として作用することにより、包装の時点で同様に物理的に拘束される。
【0075】
図11は、いくつかの実施形態による、ランダムな方向性を有する均質な医薬資産400に適用される例示的な機械可読コード420の画像である。いくつかの実施形態では、錠剤はブリスターパックで提供される。錠剤の不均質な画像は、パック内の均質な錠剤のランダムな向きによって実現され得る。機械可読コード420は、1つ以上の錠剤に近接する包装の領域に配置することができる。機械可読コード420は、錠剤のうちの1つ以上を識別するUAW410と合わせて貼付することができる。
【0076】
図12は、いくつかの実施形態による、ランダムな配向を有する不均質な医薬資産400に適用される例示的な機械可読コード420の画像である。不均質な錠剤を有する実施形態において、不均質な画像は、錠剤のランダムな配向および各錠剤の不均質な外観によって実現される。機械可読コード420は、1つ以上の錠剤の間の包装の領域に配置されてもよい。機械可読コード420は、錠剤のうち1つ以上を識別するUAW410と合わせて貼付してもよい。
【0077】
皮革のシボや木材の木目も、皮革や木材の品目を認証するための固有の視覚的イメージを提供するために使用することができる。機械可読コード420は、ステッカーによるような一時的な方法で、または機械可読コード420を化学的またはレーザーエッチングによって原資産に付加するような恒久的な方法で、皮革または木材の品目に付加することができる。図13は、いくつかの実施形態による、皮革資産400に適用される例示的なエッチングされた機械可読コードの画像である。皮革資産400は、例えば、ハンドバッグ、財布、または皮革製衣料品であってもよい。機械可読コード420は、シボまたは筋の特定の領域を識別するUAW410と合わせて貼付されてもよい。
【0078】
図14は、いくつかの実施形態による、木材資産400に適用された例示的な機械可読コード420の画像である。天然の木目は、完成した木製品または木材材料のいずれかを識別するために使用される不均質な画像を提供する。木材資産400は、例えば、未加工の建築材料、まな板、装飾品、棚、または家具であってよい。機械可読コード420は、木目の特定の領域を識別するUAW410と合わせて貼付することができる。
【0079】
本開示の原理は、特定の用途のための例示的な実施形態を参照して本明細書に記載したとおりであるが、本開示はこれに限定されないことを理解されたい。本技術分野において通常の技術を有し、本明細書に記載した教示にアクセスできる者であれば、追加の修正、適用、実施形態、および等価物の置換はすべて、本明細書に記載した実施形態の範囲内にあることを認識するであろう。従って、本発明は、前述の説明によって限定されるものとはみなされない。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】