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特表2025-502245水電解器のための拡縮可能な(scalable)電極流れ場およびそれを高速で製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】水電解器のための拡縮可能な(scalable)電極流れ場およびそれを高速で製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C25B 11/032 20210101AFI20250117BHJP
   H01M 4/88 20060101ALI20250117BHJP
   H01M 4/86 20060101ALI20250117BHJP
   H01M 4/92 20060101ALI20250117BHJP
   H01M 4/90 20060101ALI20250117BHJP
   H01M 4/96 20060101ALI20250117BHJP
   C25B 11/052 20210101ALI20250117BHJP
   C25B 11/065 20210101ALI20250117BHJP
   C25B 11/061 20210101ALI20250117BHJP
   C25B 11/077 20210101ALI20250117BHJP
   C25B 11/089 20210101ALI20250117BHJP
【FI】
C25B11/032
H01M4/88 K
H01M4/86 H
H01M4/92
H01M4/90 M
H01M4/90 X
H01M4/96 B
H01M4/86 B
C25B11/052
C25B11/065
C25B11/061
C25B11/077
C25B11/089
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541936
(86)(22)【出願日】2023-01-05
(85)【翻訳文提出日】2024-09-11
(86)【国際出願番号】 US2023010194
(87)【国際公開番号】W WO2023136979
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】63/299,643
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523039031
【氏名又は名称】エヴォロー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】ロハス エレーラ ジミー アンドレイ
(72)【発明者】
【氏名】ディヴェカール アシュトシュ
(72)【発明者】
【氏名】マッシャー フィリップ カール
(72)【発明者】
【氏名】ブランシェ スコット
【テーマコード(参考)】
4K011
5H018
【Fターム(参考)】
4K011AA11
4K011AA22
4K011AA23
4K011AA30
4K011AA48
4K011BA03
4K011BA07
4K011BA08
4K011DA01
5H018AA06
5H018BB01
5H018BB07
5H018DD01
5H018DD06
5H018EE02
5H018EE04
5H018EE08
5H018EE10
5H018EE13
5H018EE16
5H018EE17
5H018EE18
5H018EE19
(57)【要約】
本開示は、基材上の触媒インクの接着性を増加させるためのアプローチ、コーティングの均一性を向上させるための電極インク内のバインダの使用、電極インク内に気孔形成剤を組み込むこと、補強層上に電極を成長させるためのアプローチ、電気化学的に活性な表面積を増加させること、および電極インク中に特定の材料を組み込むことを提供する。本開示はまた、高速製造のために設計された面積拡縮可能な電極を含む、電気化学セルのための電極に関する。本明細書に記載される材料、デバイス、および方法は、電気化学セルのためのアノード電極またはカソード電極のいずれか一方または両方に適用され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の有効な電気化学的活性表面積を増加させる方法であって、
(a) 合金材料を用いて基材を合金化して、合金材料を基材の表面に組み込むこと、および
続いて、基材を脱合金化して合金材料を除去すること、または
(b) 追加された材料がより高い表面粗さを作り出すように、基材上への材料の堆積または電着、
を含む方法。
【請求項2】
基材が多孔質である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(b)の後に、熱処理を適用して材料の合金化を誘導し、続いて、基材を脱合金化して合金材料を除去することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
基材上に追加の触媒材料を堆積または電着することをさらに含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
電気化学的活性表面積上に堆積しかつ表面の触媒活性を増加させるイオン性材料を作動流体中に導入することをさらに含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
基材上への触媒インクの接着力を増加させる方法であって、
接着促進剤で基材を処理することを含む方法:
ここで、接着促進剤は、(a)脂肪族ホスホン酸、シラン、アルキルチオールまたは同様の材料の自己組織化単分子層、(b)エレクトロダグ:ボンデライトS-FN EB012 アチソンまたは同様の材料などの導電性接着剤、および(c)それらの混合物からなる群から選択される。
【請求項7】
基材の表面粗さを改質することをさらに含み、表面粗さは、3Mフルオロ界面活性剤FC-4430または同様の材料を含む界面活性剤などの、表面張力を変化させる薬剤で表面を処理することによって改質される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
基材は電極である、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
電極をコーティングするための電極インクであって、
バインダまたは気孔形成剤を含む、電極インク。
【請求項10】
バインダは、PTFE、PVA、PAA、PVDF、SBR、SEBSおよび同様の材料からなる群から選択される、
請求項9に記載の電極インク。
【請求項11】
バインダは、カチオン性プロトンまたはアニオン性水酸化物イオンを含有するイオン性ポリマーバインダである、
請求項10に記載の電極インク。
【請求項12】
表面張力変化剤をさらに含み、表面張力変化剤は、界面活性剤、フルオロ界面活性剤、シリコーン界面活性剤、シロキサン、および同様の材料からなる群から選択される、
請求項9~100のいずれか1項に記載の電極インク。
【請求項13】
四級化ポリビニルアルコールをさらに含む、
請求項9~12のいずれか1項に記載の電極インク。
【請求項14】
気孔形成剤は、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、同様の材料、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
請求項9に記載の電極インク。
【請求項15】
気孔形成剤は、膨張剤であり、膨張剤は、空気、水蒸気、酵母、ベーキングソーダ、ベーキングパウダー、同様の材料、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
請求項9に記載の電極インク。
【請求項16】
電極を製造する方法であって、
熱水堆積、電着、室内条件堆積、または同様のプロセスを介して補強層上に電極を成長させることを含む、製造方法。
【請求項17】
電極は、白金、モリブデン、ニッケル、コバルト、ホウ素、セリウム、鉄、スズ、硫黄、リン、フッ素、酸素、水酸化物、同様の材料、またはそれらの混合物を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
電極は、導電性支持体上に支持され、
導電性支持体は、カーボン(バルカン、ケッチェンブラックなど)、ニッケル、鉄、チタン、ステンレス鋼、またはこれらの材料の組み合わせを含む、
請求項16~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
電極はニッケル酸化鉄(NiFe)を含み、
補強層はニッケル発泡体またはニッケルフェルトを含む、
請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
電極はPtおよびカーボンを含み、
補強層は、ニッケル発泡体、ニッケルフェルトまたはカーボンファイバの補強層を含む、
請求項16~18のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照による組み込み
本出願は、2022年1月14日に出願された米国仮出願第63/299,643号に基づき、35U.S.C§119(e)によるその優先権を主張し、その全ての内容は、その全体的な参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府の支援
本出願の主題のいくつかの実施形態は、ARPA-E Award No.DE-AR0001487の下で米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は、本出願の主題に関して一定の権利を有する。
【0003】
発明の分野
本開示は、基材上の触媒インクの接着力を増加させるためのアプローチ、コーティング均一性を向上させるための電極インク内のバインダの使用、電極インク内に気孔形成剤を組み込むこと、補強層上に電極を成長させるためのアプローチ、電気化学的に活性な表面積を増加させること、および電極インク中に特定の材料を組み込むことに関する。本開示はまた、高速製造のために設計された面積拡縮可能な電極を含む、電気化学セルのための電極に関する。本明細書に記載される材料、デバイス、および方法は、電気化学セルのためのアノード電極またはカソード電極のいずれか一方または両方に適用され得る。
【背景技術】
【0004】
電気化学セルは、電気を使用して化学反応を誘導することができ、または化学反応から電気を生成することができるデバイスである。電気が出力である場合、セルは、化学製品に応じて、燃料電池またはエキスパンダ電池とみなすことができる。電気が入力である場合、セルは、化学製品に応じて、電解器セル、圧縮機セル、または清浄器セルとみなすことができる。例えば、電解器は電気エネルギーを取り込み、水をその構成要素に分解することによって、水素などの燃料に電気エネルギーを貯蔵する。これに対し、燃料電池は逆方向に作動する電解器であり、水素および酸素が電池に供給され、次いで、これらの要素を組み合わせて水を形成し、プロセス中に電気エネルギーを放出する。これらの機器の基本要素は、2つの電極、イオン伝導性電解質、および2つの電極を分離するイオン透過性層である。固体電解セルの場合、イオン伝導性電解質およびセパレータは、一体化された固体イオン伝導性膜に組み合わされてもよい。完全な電気化学セルはまた、反応物質を電極に送達するための流れ場、反応物質を互いにおよび環境から隔離するためのシール、ならびに、スタック中の隣接するセルから1つのセルを隔離するためのおよび一実施形態においてはセルの熱管理のための別個の冷却流体を収容するための、双極プレートとも呼ばれる1つ以上の不透過性セパレータプレートを含み得る。
【0005】
プロトン交換膜、アニオン交換膜、固体酸化物セラミック膜、ならびに水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムなどの液体アルカリ溶液を含む、様々な電解質を電気化学セルに使用することができる。異なる電解質は異なる動作条件を必要とし、それぞれが、それ自体の利点および制限を有する。プロトン交換膜電解質およびアニオン交換膜電解質の利点としては、比較的低い動作温度と、電解質/膜のユニット化層を使用して構成することができるセルとを挙げることができる。そのような膜を使用する電解器は、供給原料として苛性溶液または水蒸気ではなく純粋な液体の水を使用して動作することができる他の電解器セルと比較して明確な利点を有し、それによって、実際にシステムのバランスを大幅に単純化する。
【0006】
地球規模の気候変動に対処するための社会の努力が加速することにつれて、すべての人間のエネルギー利用を深く非炭素化する必要性が明らかになり、緊急になっている。炭素を含まないエネルギー担体として水素を使用することは、電気で直接脱炭素することが困難または不可能なある種の人的産業分野に到達するために不可欠である。そのような分野の例には、鉄鋼生産、肥料製造、ならびにトラック輸送、海上輸送および航空輸送などの大型輸送が含まれる。これらの分野に加えて、水素のエネルギー密度と安定貯蔵特性は、季節規模のエネルギー貯蔵の最も有望な候補となり、再生可能な電力のみを使用するグリッド弾力性の確立をもたらした。これは、エネルギー使用を無炭素源に完全に変換するために必要となるであろう。これらの利点および他の利点は、「グリーン水素」の製造に高いレベルの関心を引いてきた。水素は、再生可能な電気(風力、太陽光、水力など)からの電気分解によって生成される場合、「グリーン」のラベルが与えられる。将来の世界的なエネルギーシステムにおいて、グリーン水素の潜在的な需要を満たすために必要な規模は、大変なものである。電解器の生産能力は、そのような需要を満たすために、今後10年間で何桁も増加し、それらの費用は10倍以上減少する必要がある。これまで、水素電解器の製造は、研究開発のために設計されたセルおよびスタックに基づく、小さなシステムと、限られた展開とを有するニッチ産業であった。社会の最終的な必要性に見合った速度でセルおよびスタックを製造し、組み立てるために必要な製造速度については、わずかな考慮しか払われていない。
【発明の概要】
【0007】
本開示の1つの目的は、基材上の触媒インクの接着力を増加させるためのアプローチ、コーティングの均一性を向上させるための電極インク内のバインダの使用、電極インク内に気孔形成剤を組み込むこと、補強層上に電極を成長させるためのアプローチ、電気化学的に活性な表面積を増加させること、および電極インク中に特定の材料を組み込むことによって、現在の電気化学セル設計の制限を克服することである。
【0008】
本開示の別の目的は、電解器セルおよびスタックの広範囲のサイズを製造するための資本コストを最小限に抑えかつ高速製造が可能な面積拡縮可能な電極を提供することによって、現在の電気化学セル設計の制限を克服することである。
【0009】
水電解の基本的なプロセスは、正に帯電したアノード電極に水を供給し、アノードと負に帯電したカソード電極との間にイオンを伝導することを含む。アノードでは酸素が生成され、カソードでは水素が生成される。この方法で使用される特定のイオンは、選択された電解質の機能である。酸性セルでは、正に帯電したヒドロニウムイオンがアノードからカソードに伝導される。アルカリ電池では、負に帯電した水酸化物イオンがカソードからアノードに伝導される。両方の系において、全反応は同じである:(2)HO(l)→(2)H(g)+O(g)。反応を駆動するために電気を供給しなければならない。液状水への水素の基本反応のための開回路または熱中性の電圧は1.481Vであり、したがって、反応を進行させるために、液状水を供給される水素電解セルに1.481Vより高い電圧を印加しなければならない。セルのサイズ(すなわち、活性領域)は、所与の印加電圧における1つのセルからの水素/酸素生成の速度を決定する。特定の印加電圧に必要とされる総電流は、セルのサイズ(すなわち、活性領域)に比例し得る。実際のシステムでは、複数のセルを互いの上に「スタック」して、生産能力を増加させることができる。このセルのスタックは、より高い電圧(セル数の整数倍)を印加して反応を駆動させる必要性をもたらす。例えば、1000cmの単セルは、500cmの2つのスタックセルと同じ水素流れを生成することができるが、500cmのスタックは2倍の電圧と0.5倍の電流の入力を必要とする。必要な電圧および電流を選択する際の柔軟性は、総電解システムの設計および費用において重要な考慮事項であり得る。例えば、より高い電流およびより低い電圧のための電源は、必要とされる導電体のサイズおよびそれらの構成に必要とされる追加材料のために、より高い電圧およびより低い電流のための電源よりも高価であり得る。
【0010】
反応が進行することにつれて、水が消費され、水素+酸素のガスが生成されるので、反応を供給するために、水がセルに連続的に供給されなければならない。化学量論は、化学反応の「バランス」に関する用語である。電気化学セルにおいて、用語「化学量論」または「ストイキ(stoich)」は、全反応を正確にバランスさせるのに必要な量に対する、セルに供給される反応物の比率を指す。例えば、2の水ストイキで動作する電解セルは、セルから出る水素および酸素を生成するために必要とされる水の量の2倍の量をその投入量として有する。1ストイキでシステムの質量を保存すると、1時間当たり1kgの水素生成は、1時間当たり約8kgの酸素生成および1時間当たり約9kgの水消費に関連することを示す。電解器は、典型的にはセル内のあらゆる場所で適切な反応物を確実にするために、1を超える最小水ストイキで運転することができる。例えば、水流ストイキが1のとき、セルに提供された水の全てがアノード上で酸素に変換され、セル出口での酸素分率は100%になる(すなわち、セルから出る水がない)。この状態は、不安定であり得、出口付近のセルのアノード欠乏に起因する損傷をもたらし得る。また、それは、セルを出るすべてが気相であるので、出口での高い流体速度および圧力損失をもたらし得る。したがって、プロセス条件は、セル出口における酸素蒸気分率を所与の閾値未満に維持するように選択することができる。例えば、40%未満の出口酸素分率により、水の入口から出口への流れ場速度は2倍未満増加し得る。40%未満の酸素分率を維持するためには、100以上の水ストイキが必要とされ得る。
【0011】
電気分解プロセスは100%効率的ではなく、その結果、入力電気の一部は水素として貯蔵される化学エネルギーではなく、セル内で熱に変換される。これは、実用的な水素出力流量のために必要とされる熱中性電圧(1.481V)より大きい電圧をもたらす。この系の省エネルギーは、熱くなるセルに供給される電力の割合(電圧×電流)が[1-(1.481/Vcell)]に等しくなり得ることを示すことができる。実用的な電解セルは1.8Vで動作することができ、その結果、[1-(1.481/1.8)]=~18%の電力はセルに送られ、水素ではなく熱に変換される。したがって、実際の電解セルは、動作中に冷却を必要とし、この冷却を達成するための効率的な方法は、セルを冷却するためにプロセス水自体を利用することであり得る。セルの動作条件に応じて、セルのピーク温度が許容可能な閾値未満に維持され、セル内の温度勾配も許容可能であることを確実にするために、比較的高い流量の水が必要とされ得る。この流量はまた、1よりもはるかに大きい水ストイキを表し得る。例えば、1.8Vで動作し、投入エネルギの18%を熱に放出し、2.7W/cmで動作するセルでは、セル全体で10℃未満の昇温を維持するために、約160の水ストイキが必要とされ得る。上述した設計上の考慮点から、セルへの水の流量は、適切な反応物の必要性、または適切な温度制御の必要性のいずれか高い方によって決定される。
【0012】
水素電解セル/スタックに提供される水を管理することは、全体的な水素生成システムのための主要な考慮事項であり得る。流量、圧力、温度および組成はすべて、セル/スタックの要件を満たすように調整されなければならない。典型的なシステムは、セル/スタックのアノード側とループ状に接続された、液体-気体セパレータ、熱交換器、ポンプ、および脱イオンシステムを含み、必要な流量で水を再循環することができる。システムが水素および酸素を生成することにつれて、1「ストイキ」の水が消費される。消費された水は、許容可能な品質の供給源(例えば、脱鉱化水、脱塩水、または都市水)から、1ストイキの新しい水をシステムループに注入することによって補うことができる。電解プラントの規模を考慮すると、セル/スタックによって消費される必要な水流は、プラント容量に比例し得る。規模にかかわらず、他のプロセスパラメータ(圧力、温度、組成)を均一に保つことが望ましい場合があるが、それはシステム部材の選択、全体的なシステム制御、ならびに配備部位におけるエンジニアリング、調達、および建設(EPC)のコストを大幅に単純化し得るからである。例えば、水ポンプは一般に、所与の圧力能力のための流量の広範囲の規模で市販されていることがある。したがって、水流抵抗がセルまたはスタックのサイズに依存しない基本的なセル/スタックを有することが有利であり得る。次いで、より大きなシステムは、より多くのセルおよび/またはより多くのスタックからモジュール方式で構築することができ、システムおよびプラントのための水ポンプ技術および基本圧力定格を変更する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本開示の特定の実施形態のみを示し、上記および以下の説明と共に、本開示の原理を説明する。可能な限り、同じ識別番号は、異なる図にわたって共通または同様の成分を示すために使用されている。
【0014】
図1図1は、図3の電解セル構成要素の等角図を示し、x軸およびy軸に沿ったプロセス流体の例示的な交差する流れ配向、ならびにセルのスタックを形成するためのz軸に沿ったセル構成要素の反復を説明する。
【0015】
図2図2は、典型的なセルの活性領域における電解セル構成要素の断面を示し、プロトンおよびアニオン交換膜電解技術のためのイオン、電子および流体の流れを説明する。
【0016】
図3図3は、アノード流れ場構成要素の等角図を示し、セル活性領域を拡縮する際に存在するトレードオフを説明する。
【0017】
図4図4は、水および水素の流れについての例示的な流れ場を通る圧力損失対速度、および図解的な圧力損失目標閾値について、数学的モデル出力を示す。
【0018】
図5図5は、様々な流れ場候補に関する水流抵抗についての試験結果を示し、水流圧力損失について図4のモデル結果を確認し、代替の図解的な圧力損失目標閾値を説明する。
【0019】
図6図6は、2つの例示的なセルの動作電圧値および図解的な水温上昇閾値に関し、水温上昇対水ストイキ値についての数学的モデル出力を示す。
【0020】
図7図7は、例示的なセル動作圧力および図解的な酸素体積分率閾値に関し、出口での酸素体積分率対水ストイキ値についての数学的モデル出力を示す。
【0021】
図8図8は、候補流れ場の機械的強度についての複数の試験結果を示し、完全なセル/スタックに組み立てられたときに目標圧縮荷重に耐えるために、材料がカレンダー加工されなければならない初期厚さのパーセンテージを説明する。
【0022】
図9図9は、拡縮可能な強化電極および統合された電極流れ場構成要素を作製するための高速製造プロセスに含まれ得る基本ステップを示す。
【0023】
図10図10は、図9のプロセスの平面図を示し、固定されたx軸ロールウェブ幅(w)から、可変活性領域のセルを達成するための、強化電極および流れ場構成要素製造方法の固有のy軸拡縮可能性(l)を説明する。
【0024】
図11図11は、電極および/または流れ場基材の表面にエンボス加工またはパターン加工を行って積層中の結合を促進するいくつかの図解的な例を示す。
【0025】
図12図12は、本明細書に開示された気孔形成剤を用いて合成されたアノード電極の代表的な走査型電子顕微鏡画像を示す。
【0026】
図13図13は、本発明の好ましい実施形態について経時的に測定された性能データを示し、従来技術と比較した優れた寿命を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
特定の実施形態の詳細な説明
一態様では、本出願は、接着促進剤/プライマーを使用して、基材上の触媒インクの接着力を増加させて、強化電極を作製し、層間剥離を防止する前処理プロセスの実施形態を提供する。本出願において接着促進剤およびプライマーを論じる場合、技術的に可能なときは、一方を含む実施形態は、他方を代替的に提供するか、または両方を組み合わせて含むものとする。いくつかの実施形態では、補強基材は、触媒インクの表面接着性を改善するために接着促進剤で処理される。これらの接着促進剤は、脂肪族ホスホン酸、シラン、アルキルチオール、または同様の材料の1つ以上の自己組織化単分子層を含み得る。接着促進剤は、導電性接着剤、例えば、エレクトロダグ:ボンデライトS-FN EB012 アチソン、ヘンケル社のロックタイト(商標)、または同様の材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電極補強材の表面粗さは、3Mフルオロ界面活性剤FC-4430または同様の材料を含む界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤)などの表面張力を変化させる薬剤で処理することによって変更されてもよい。接着促進剤は、液体形態であってもよく、基材上に直接コーティングされてもよく、または化学気相堆積技術を使用して堆積されてもよい。
【0028】
本出願はまた、電極インクのレシピ内にバインダを含んでコーティング均一性および電極の完全性を向上させる実施形態を提供する。電極インクは、PTFE、PVA、PAA、PVDF、SBR、SEBS、または同様の材料などの1つ以上の非イオン性ポリマーバインダを含むことができる。電極インクは、カチオン性プロトンまたはアニオン性水酸化物イオンを含有するイオン性ポリマーバインダを含むことができる。電極インク層は、界面活性剤、フルオロ界面活性剤、シリコーン界面活性剤、シロキサン、または同様の材料などの表面張力変化剤を含有することができる。四級化ポリビニルアルコールは、添加剤バインダとして使用することができる。電極インク層は、エポキシ等の接着促進剤を含有していてもよい。
【0029】
本出願はまた、電極インク内に気孔形成剤を組み込んで気孔形成を促進する実施形態を提供し、それによって、水が電極の活性反応部位に到達するための効率的な経路を提供し、発生したガスが電極全体にわたって容易に活性反応部位から出ることを可能にする。電極インクは、最終強化電極層における多孔形成を促進する気孔形成剤を含んでもよい。形成された多孔は、質量輸送の制限を低減し、本発明の面積拡縮可能で強化されたアノード電極において効果的な気泡除去を促進することができる。気孔形成剤は、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、または同様の材料のうちの1つ以上を含むことができる。気孔形成剤は、空気、水蒸気、酵母、ベーキングソーダ、ベーキングパウダー、ポリ(メチルメタクリレート)、小麦粒子、ポピーシード(poppy seeds)、おがくず、カーボンファイバ、グラファイトまたは同様の材料などの1つ以上の膨張剤を含むことができる。
【0030】
好ましい実施形態において、気孔形成剤は、重炭酸アンモニウムを含み得る。
【0031】
本出願はまた、電極が、水熱堆積、電着、室内条件堆積、または同様のプロセスなどの処理手順によって、補強層上に直接成長され得る実施形態を提供する。電極層は、白金、モリブデン、ニッケル、コバルト、ホウ素、セリウム、鉄、スズ、硫黄、リン、フッ素、酸素、水酸化物、または同様の材料のうちの1つ以上を含有することができる。電極は、カーボン(バルカン、ケッチェンブラックなど)、ニッケル、鉄、チタン、ステンレス鋼、またはこれらの材料の組み合わせなどの導電性支持体上に支持されてもよい。好ましい実施形態では、電極は、ニッケル発泡体またはニッケルフェルトの補強基材を使用して、酸化物形態(NiFe)の鉄およびニッケルを含む。別の好ましい実施形態では、電極は、ニッケル発泡体、ニッケルフェルトまたはカーボンファイバの補強層のいずれかを使用して、Ptおよびカーボンを含む。
【0032】
より具体的には、金属発泡体、フェルト、焼結部品、または他の多孔質金属基材は官能化されて、水電解器および/または燃料電池のための電極として機能することができる。この官能化された電極は、流体、電子、およびイオンに対する固有の触媒活性および優れた伝導率に起因する優れた反応動力学を可能にすることによって、燃料電池の電解器における所望の電気化学反応を高い速度および効率で行うことを可能にする。
【0033】
本開示の特定の実施形態では、多孔質基材の有効な電気化学的活性表面積(「ECSA」)が増加し、未修飾基材と比較してより多くの反応部位が提供され、したがって、システム性能が増加する。したがって、特定の実施形態では、これは、多孔質(または非多孔質)基材を合金化ステップに供することによって達成され、ここで、追加または合金化された材料は多孔質基材の表面と反応し、その上に堆積し、その結果、基材の原子および追加された材料は表面領域において混合される。その後、脱合金ステップが続き、ここで、追加されたまたは合金化された材料が再び除去される。一例では、これは、ステンレス鋼またはニッケルを亜鉛と液体亜鉛浴中で数秒間~数時間合金化(亜鉛めっき)し、その後、水酸化カリウム浴または合金から亜鉛を溶解する別の媒体中で亜鉛を除去することによって達成され得る。ここで、多孔質基材は、追加され後に除去される材料によって残されるナノスケールおよびマイクロスケールの溝と空孔とに起因する高度の表面粗さを特徴とし、高い有効ECSAに対応する。上記に基づいて、当業者は、材料基材および合金材料の選択に応じて他の合金化/脱合金化ステップが可能であることを理解し、本出願は、そのような他の基材および合金化材料を包含することが意図される。
【0034】
他の実施形態では、ECSAの増加は、後続の除去なしに、基材上への材料の堆積または電着によって達成することができる。他の実施形態では、ECSAの増加は、基材上への材料の堆積または電着、それに続く材料中の合金化を誘導する熱処理、それに続く脱合金化ステップによって達成することができる。
【0035】
本出願の特定の実施形態では、追加材料(Pt、Ir、Ni、Fe、Mo、および他の材料など)は、任意選択で、前段落に記載された高ECSA多孔質基材上に堆積される。この材料は、本質的に、或いは基材材料との相互作用、電解器および/もしくは燃料電池における反応条件に応じて生じる変化、または他の理由に起因して、所望の反応に対し触媒活性を有する。他の実施形態では、追加材料は、高ECSA多孔質基材上に堆積されないが、電解器または燃料電池の作動流体中にイオン形態で導入され、したがって、溶液中の追加材料の濃度に関連する表面堆積が表面濃度を決定する。
【0036】
本出願はまた、アイオノマーが電極インク配合物中で使用され得る実施形態を提供する。アイオノマーは、ピペリドンモノマーまたは3-オキソ-6-アゾニアスピロ[5,5]ウンデカン塩モノマーのいずれかからなるポリ(アリールピペリジニウム)に基づくポリマー、芳香族、および任意にトリフルオロアセトフェノンモノマー基を含むことができる。アイオノマーは、芳香族環を介して係留された第四級アンモニウム基を有するスチレン-ブタジエンブロックコポリマー(SEBS)に基づくアイオノマーまたはポリマーを含んでもよい。アイオノマーは、1つ以上のノルボルネン系親水性ブロックおよび1つ以上のノルボルネン系またはアルケン系疎水性ブロックを含むマルチブロックコポリマーを含んでもよい。アイオノマーは、異なるモルパーセンテージの四級化ベンジルアンモニウムを含む、トリメチルまたはベンジルトリメチルアンモニウム官能化ポリスチレンアイオノマーを含むことができる。アイオノマーは、ヘキサメチルトリメチルアンモニウム官能化ディールス・アルダーポリフェニレン(HTMA-DAPP)を含んでもよい。アイオノマーは、テトラキス(ジアルキルアミノ)ホスホニウムカチオンを官能基として使用するアイオノマーを含むことができる。アイオノマーは、ポリエチレン系トリブロックコポリマー、トリメチルアンモニウムまたはメチルピペリジニウムカチオンのいずれかで四級化されたポリクロロメチルスチレン-b-ポリエチレン-b-ポリクロロメチルスチレン(PCMS-b-PE-b-PCMS)を含むことができる。アイオノマーは、カチオン性ベンズイミダゾリウムまたはイミダゾリウム含有部分を含むアイオノマーまたはポリマーを含むことができる。アイオノマーは、ヘキサメチル-p-テルフェニルポリ(ベンズイミダゾリウム)に基づくアイオノマーを含むことができる。アイオノマーは、テトラフルオロエチレン(PTFE)とペルフルオロ化スルホニルフッ化炭素鎖で官能化されたトリフルオロエチレンとのコポリマーを含有する3M-PFSA(EW798)前駆体を有するアイオノマーまたはポリマーを含むことができる。アイオノマーは、PPN(ポリフェニレン)アイオノマーおよび/またはPAP(ポリアリールピペリジニウム)アイオノマーを含むことができる。
【0037】
好ましい実施形態では、電極インクは、ピペリドンモノマーまたは3-オキソ-6-アゾニアスピロ[5,5]ウンデカン塩モノマーのいずれかからなるポリ(アリールピペリジニウム)に基づくポリマー、芳香族、および任意にトリフルオロアセトフェノンモノマー基を含む。
【0038】
別の好ましい実施形態では、電極インクは、1つ以上のノルボルネン系親水性モノマーおよび1つ以上のノルボルネン系またはアルケン系の疎水性モノマーを含むコポリマーを含む。ポリマーは、ランダムコポリマーと同様に、ブロックコポリマーとすることができる。
【0039】
別の好ましい実施形態では、電極インクは、芳香族環を介して係留された第四級アンモニウム基を有するスチレン-ブタジエンブロックコポリマー(SEBS)に基づくポリマーを含む。
【0040】
本発明は、触媒材料が電極配合物に使用される実施形態を提供する。アノード触媒物質は、RuO、IrO、スピネル酸化物、例えばAl0.5Mn2.5、PbRuO、FeNiOOH、IrRuO、ペロブスカイト、Mo(直接堆積)、MoP、IrO/NbO、IrRuO/NbO、NiFeCo、NiCe@NiFe/NF、Fe-CoP/NF、Co、Co、Fe0.33Co0.66P、Fe(PO/NiP、(Ni,Fe)OOH、Ni-Fe-OH@Ni/NF、Ni(Fe)O、NiFe、NiFe(1-y)、CoFe3-x/CFPの1つ以上を含むことができ、式中、xは(0、0.1、・・・、2.0、2.1、・・・)であり、yは(0、0.1、・・・、2.0、2.1、・・・)である。これらの触媒材料は、導電性支持体上に担持されていてもいなくてもよいナノ粒子またはナノワイヤの形態であることができる。いくつかの実施形態では、アノード触媒は、酸化セリウムまたは同様の材料などの触媒促進剤を含むことができる。カソード触媒物質は、NiMo、Pt/C、Pt合金/ECS、Pt/ECS、Ptブラック、Pt合金、Ni合金、NiZn、NiMo、MoS/Ni/NF、a-MoS/CC、Co-CoP@NPC/rGO、Ni2(1-x)Mo2xP/NF、Co2.900.730.27/NF、F-CoP/FeP/IF、NiP/NF、CoP/Ni/CoP、P-Fe/IF、A-NiCo LDH/NFのうちの1つ以上を含むことができ、ここで、ECSは人工触媒支持体(engineered catalyst support)を意味する。これらの触媒材料は、導電性支持体上に担持されていてもいなくてもよいナノ粒子またはナノワイヤの形態であることができる。
【0041】
上記の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載の本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【0042】
本開示のさらに別の実施形態では、拡縮可能電極は、選択された活性領域にかかわらず、所与の動作電圧で、水流に対して実質的に等しい抵抗、等しい温度上昇、および等しい出口酸素分率を備える。開示される電極の好ましい実施形態は、実質的に長方形であってもよく、その製造に使用される電極補強材および/または流れ場材料のロールウェブ幅(w)に基づいて選択されるx軸に沿った寸法によって特徴付けられる。所望のロールウェブ幅(w)は、動作電極のためのプロセスパラメータを目標閾値内に維持することに基づいて選択することができる。例えば、電極を通る水圧降下を、電極が設置され得るシステム、スタックおよびセルのポンピング圧力制限未満に保つことが望ましい場合がある。あるいは、許容可能な性能および寿命を保証するために、スタック、セルまたは電極の温度勾配の制限を下回る水流温度上昇を維持することが望ましい場合がある。あるいは、電極出口酸素体積分率を、セルの安定した性能および寿命を保証する限界未満に維持することが望ましい場合がある。あるいは、所望のロールウェブ幅(w)は、電極補強材を構成するための利用可能な原材料に基づいて選択されてもよい。例えば、組み立て中にロールを部品に変換する際の廃材を最小限に抑えるロールウェブ幅(w)を選択することが望ましい場合がある。この場合、電極および流れ場のための所望のロールウェブ幅(w)は、同じであっても異なっていてもよい。それらが異なる場合、選択されたロールウェブ幅(w)は、電極補強材または流れ場の最も高価なものに基づいて選択されてもよく、他の材料ロールは、その最初のものと一致するウェブ幅(w)で選択されてもよく、この一致は、製造速度および/または全体コストを最適化するロールウェブ幅(w)を意味する。
【0043】
可変活性領域は、y軸に沿ったアノード電極の長さを調整することによって、本開示の拡縮可能電極から達成することができる。次いで、水は、マニホールド、分布窓、プレナムおよび/または他のセル内の特徴を使用して、電極に隣接するアノード流れ場の前縁部に沿って、y軸に平行に分布され得る。アノード流れ場の前縁部は、水が流れ場に流入する縁部として定義することができる。y軸に沿ったアノード流れ場の長さは、アノード流れ場の前縁部におけるx軸に沿った水速度を所定の閾値未満に保つように選択することができる。次いで、y軸に沿った電極の全長は、電極活性領域を決定することができ、セルの全体的な目標水素生成速度を達成するように選択することができる。次いで、水流圧力損失、水温上昇および/または酸素出口体積分率を目標閾値未満に維持するように、y軸寸法および流れ場厚さを選択することができる。
【0044】
本開示の拡縮可能電極は、x軸に沿った所望のロールウェブ幅の1つ以上の電極補強基材を含むことができ、発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタル、および焼結金属フリットからなる群から選択することができる。x軸に沿った所望のロールウェブ幅の1つ以上の流れ場基材は、発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタル、および焼結金属フリットのうちの1つ以上から選択することができる。拡縮可能電極はまた、電極補強基材上にコーティングされ、印刷され、または他の方法で取り付けられた活性電極材料を含むことができる。拡縮可能電極はまた、化学的、物理的または熱的プロセスによる電極補強基材の活性電極材料への変換を含むことができる。
【0045】
別の実施形態では、面積拡縮可能な強化電極を製造する方法が記載される。x軸に沿った所望のロールウェブ幅の電極補強基材は、発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタル、および焼結金属フリットからなる群から選択することができる。1つ以上のロールからの電極補強基材材料は、電極補強基材の所望の厚さおよび各側の所望の表面特性を達成するようにおよび/または複数の層を一緒に積層するように構成されたカレンダー加工ローラを通して、y軸に沿って方向付けることができる。例えば、基材ウェブのそれぞれの側に配置されたカレンダー加工ローラは、同じ直径であっても異なる直径であってもよく、またはそれらは同じ材料であっても異なる材料であってもよい。電極補強基材の、活性電極に変換されるべき側に、より硬いおよび/またはより小さいロールを使用して、変換のためのより高密度および/またはより滑らかな表面を達成することが有利であり得る。また、電極補強基材の、流れ場基材に積層されるべき側に、より柔らかいおよび/またはより大きいロールを使用して、積層のためにより多孔質でおよび/またはより粗い表面を維持することが有利であり得る。
【0046】
電極補強基材は、適切な処理によって活性電極に変換されてもよい。例えば、電極材料は、電極補強基材の適切な表面上に、加熱および/または圧力を使用して、スプレーコーティングされ、スクリーン印刷され、ロータリースクリーン印刷され、ドクターブレードコーティングされ、スロットダイコーティングされ、カーテンコーティングされ、スキージーコーティングされ、または積層されてもよい。電極変換プロセスはまた、コーティング後ステップを含んでもよい。例えば、コーティングは、基材への結合および/または電極の機能的性能を促進するために、乾燥され、熱処理され、アニールされ、またはその他物理的もしくは化学的に処理されてもよい。
【0047】
x軸に沿った所望のロールウェブ幅の流れ場基材は、発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタル、焼結金属フリット、およびそれらの組み合わせからなる群から選択することができる。1つ以上のロールからの流れ場基材材料は、流れ場の所望の厚さ、相対密度、強度、および/または表面特性を達成するようにおよび/または基材の複数の層を一緒に積層するように構成されたカレンダー加工ローラを通して、y軸に沿って方向付けることができる。例えば、基材ウェブのそれぞれの側に配置されたカレンダー加工ローラは、同じ直径であっても異なる直径であってもよく、またはそれらは同じ材料であっても異なる材料であってもよい。また、流れ場基材の、電極補強基材に積層されるべき側に、より柔らかいおよび/またはより大きいロールを使用して、積層のためにより多孔質でおよび/またはより粗い表面を維持することが有利であり得る。
【0048】
これらの流れ場は、通常、多孔質輸送層またはガス拡散層と呼ばれる。本開示の特定の実施形態では、それらは、チタン、アルミニウム、カーボン(例えば、カーボンペーパー、カーボンファイバ複合体、グラファイトフェルト、グラフェン、カーボンクロスなど)、ニッケル、銅、亜鉛、ステンレス鋼(例えば、SS304、SS316、SS316L、SS430、SSA-286など)、他の材料またはそれらの組合せから作製される。それらは、コーティングされていても、コーティングされていなくても、(その疎水性を増加させるために)ウェットプルーフされていてもよく、(撥水性を改善し、触媒接着性を改善するために)微孔質層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ガス拡散層は、ナノ構造またはマイクロ構造を有する。いくつかの実施形態では、ガス拡散層は、ナノワイヤ、マイクロファイバまたは布で形成される。当業者は、本出願の実施形態を、それらが一緒に使用されるように組み合わせることができることを理解するであろう。本出願のさらなる目的、特徴、および利点は、図面とともに考慮されるとき、以下に記載される好ましい実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0049】
図面の詳細な説明
図面の詳細な説明は、ここで、添付の図面を参照して与えられる。以下の記載は主に電解に関するが、記載された特徴、構成要素および方法は、当業者によって、水素圧縮機、水素精製器、CO電解器、塩素電解器などを含む他の電気化学技術に適用可能であり、適応可能であることが理解される。当業者は、前述の実施形態に記載された主題事項(例えば、基材上の触媒インクの接着力を増加させるためのアプローチ、電極インク内でバインダを使用してコーティングの均一性を向上させること、電極インク内に気孔形成剤を組み込むこと、補強層上に電極を成長させるためのアプローチ、電気化学的に活性な表面積を増加させること、および電極インク中の特定の材料の組み込みに関する)が、図面に記載された実施形態に適用され得ることを理解するであろう。
【0050】
図1は、電解器(101)の等角図を示し、プロセス流体の例示的な交差する流れ配向(103)および(104)、ならびにセルのスタックを形成するためのz軸(102)に沿ったセル構成要素(105)の繰り返しを説明する。ここで、双極プレート(106)は、厚さ(107)の1つのセルを、隣接するセル(105)から分離しているのが分かる。水および酸素(103)は、厚さ(108)の複合アノード電極流れ場(111)内でx軸に沿って流れることができる。水素(104)は、厚さ(110)の複合カソード電極流れ場(109)内をy軸に沿って流れることができる。セルが下向きかつz軸に平行な重力ベクトルで示されるように配向されると仮定すると、図示のようにアノードを膜の上に配置することにより、浮力を生じさせて、アノード電極上に形成される酸素気泡を、アノード電極上のアノード流れ場を通って流れる水中に移動させるように補助することが有利であり得る。
【0051】
図2は、セルの活性領域における例示的なコア電解セル構成要素(201)の断面を示し、プロトン(212)およびアニオン(213)交換膜電解技術のための典型的なイオン、電子および流体の流れを説明する。ここで、(208)は不透過性セパレータ、またはバイポーラ、プレートであり、(205)はカソード流れ場であり、(207)はカソード電極であり、(204)はイオン伝導膜であり、(206)はアノード電極であり、(203)はアノード流れ場である。底部の負極(209)および上端部の正極(210)を有するセルに電源を取り付けると、電子(211)がセルを通って上方に流れることができる。セルが酸性のプロトン伝導型(212)である場合、正のヒドロニウムイオンは、結果として生じる電場によって、膜(204)を通って下方に移動するように導かれることができる。セルがアルカリ性の水酸化物伝導型(213)である場合、負の水酸化物イオンは、結果として生じる電場によって、膜(204)を通って上方に移動するように導かれることができる。両方のタイプにおいて、水素は、カソード(207)上に形成され、カソード流れ場(205)に流れ込むことができ、一方、酸素は、アノード(206)上に形成され、アノード流れ場(203)に流れ込むことができる。乾燥カソードシステムでは、水は、水素および酸素を形成するための反応物としてアノード流れ場(203)のみに提供されてもよい。化学量論は、化学反応の「バランス」に関する用語である。電気化学セルにおいて、用語「化学量論」または「ストイキ」は、全反応を正確にバランスさせるのに必要な量に対する、セルに供給される反応物の比率を指す。本明細書で前述したように、アノード流れ場(203)に供給される水ストイキは、1よりもはるかに高くてもよい。また、アノード流れ場(203)内の流体はほとんど液体であり得るので、この区画は、カソード流れ場と比較して著しい流れ抵抗を表し得る。カソードの流れ場の厚さ(214)およびアノードの流れ場の厚さ(215)は、セル内の流速、温度分布、および圧力損失に影響を及ぼし得る。セルの全体のセルピッチ(216)は、完全なセルを構成する構成要素(203)~(208)の各々の厚さによって決定され得る。小さなセルピッチ(216)は、所与の水素生成速度[kg/hr]に対して、高い出力密度および小さなサイズを有する電解器スタックを生成するために望ましい場合がある。したがって、アノード流れ場の幾何学的形状(x軸に沿った水流方向の長さ、y軸に沿った幅、およびz軸に沿った厚さ)を最適化することは、電解器のための重要な設計目標であり得る。例えば、アノード(203)および/またはカソード(205)の流れ場は、0.1~5.0mm、0.2~3.0mm、0.3~2mm、0.5~2mmまたは0.6~2mmの厚さで構成され得る。流れ場(203)および(205)は、セルプロセス条件、性能および製造を最適化するための因子に基づいて、同じまたは異なる厚さで選択され得る。
【0052】
図3は、アノード電極流れ場構成要素(306)の等角図(301)を示し、セル面積を拡縮する際に存在し得るトレードオフを説明する。アノード流れ場は、x軸に沿った幅「w」(305)と、y軸に沿った長さ「l」(304)と、z軸に沿った厚さ「t」(303)とを有することができる。x軸に沿った幅「w」(305)は、5~1000cm、5~500cm、5~100cm、または10~50cmであり得る。y軸に沿った長さ「l」(304)は、1~5000cm、5~3000cm、10~1000cm、または25~1000cmであり得る。活性領域(307)は、幅「w」(305)に長さ「l」(304)を乗算することによって見つけることができる。前縁部(308)における水流面積は、厚さ「t」(303)に長さ「l」(304)を乗算することによって見つけることができる。この水流領域(308)への固定されたストイキおよび効率(309)のための水流は、領域(307)によって決定され得る。固定された効率および水ストイキでより高い水素生成[kg/hr]を達成するために、追加の面積「dA」(311a)および/または(311b)が必要とされ得る。「dw」(310b)を「w」(305)に追加することによって「dA」(311b)が作製される場合、固定された前縁部の流れ領域(308)に流入するために、追加の水(313b)が必要とされ得る。追加された水流はそれによって、流れ場を通る水流速度を増加させることができ、圧力降下(314)の増加をもたらすことができる。「dl」(310a)を「l」(304)に追加することによって「dA」(311a)が作製される場合、追加の水(313a)は、固定された前縁部の流れ面積(312a)の比例した増加を伴い得る。追加された水は、圧力降下(314)を増加させることなく、増分比例流れ領域(312a)を通って流れることができる。したがって、y軸に沿った拡縮面積は、電極内の圧力、温度および酸素体積分率などのすべてのプロセス条件を一定に保つことを可能にし得る。総水流量は必然的に水素/酸素生成速度に比例し得るが、他のシステムパラメータはy軸のみに沿って電極を拡縮することによって不変であり得る。これは、このように設計された電極から作られた、結果として得られる電解器システムを大幅に単純化することができる。例えば、圧力定格、温度定格および/または流体組成定格を含む電解器製造プラントの仕様は、水流および水素/酸素容量が異なるプラントに対しても一貫することができる。これは、次に、エンジニアリング調達および構築活動を単純化し、システム構成要素の利用可能な供給を拡大し、全体的な水素製造コストを低減することができる。
【0053】
図4は、アノードおよび/またはカソード流れ場に使用され得る典型的な多孔質媒体を通って流れる水素ガス(432)および液状水(433)に関し、流速(409)[cm/s]の関数として、単位流れ長さ(414)当たりの圧力損失[mbar/cm]についての数学的モデル結果(431)を示す。また、電解器スタック全体およびシステム設計に基づいて選択され得る図解的な目標圧力損失閾値(434)も示されている。閾値(434)は、水圧損失の上限を表し、それによって、アノード流れ場(435)における水速度の目標閾値を定義することができる。結果(431)から明らかなように、水素についての単位長さ当たりの圧力損失は、所与の速度では水の場合の数倍小さいこともある。したがって、セル面積が増加することにつれて、水の速度および流れの長さに基づいて電極の拡縮を優先することが有利であり得る。例えば、電解セルに水を供給するための水ポンプは、10バールまでの圧力能力を有することができる。100cm/s未満、50cm/s未満、20cm/s未満、10cm/s未満または5cm/s未満の水速度(409)が、一般的に利用可能なシステム水ポンプの能力内に留まるように、アノード流れ場(401)を構成することが有利であり得る。
【0054】
図5は、アノードおよび/またはカソード流れ場に使用され得るいくつかの多孔質媒体候補を通って流れる液状水に関し、流速(509)[cm/s]の関数として、単位流れ長さ(514)当たりの圧力損失[mbar/cm]についての試験結果(561)を示す。図4(533)からの数学的モデル結果は、全体的な電解器スタックおよびシステム設計に基づいて選択され得る図解的な目標圧力損失閾値(534)とともに、参照のために繰り返される。閾値(534)は、水圧損失の上限を表すことができ、それによって、これらの実際の潜在的な流れ場候補(試料1~8)のためのアノード流れ場(535)における水速度の目標閾値を定義する。
【0055】
図6は、供給された水のストイキ値の関数として、水温上昇(615)[℃]に関する数学的モデル結果(641)を示す。電解器動作中に放出される熱は、効率の関数であってもよく、効率は次に、動作セル電圧の関数であってもよい。セルのためのエネルギーを節約することは、式6c-1(以下)で特定されるような水温上昇の式をもたらし得る。ここで、Vはセル電圧、Vは熱中性セル電圧[1.25V]、LHVは水素の低発熱量[120MJ/kg]、cは水の比熱量[4.182kJ/kg℃]、およびStはセルに供給される水のストイキである。プロット(642)および(643)は、電解セルの寿命の開始[BoL]および終了[EoL]についての例示的な値を表す2つの可能な動作電圧におけるこのモデルの結果を示す。また、図解的な水温上昇目標閾値(644)も示されており、この閾値を超えると、アノード電極は安定的にまたは耐久的に動作しない場合があり、またはこの閾値を超えると、電解セル、スタックまたはシステムは効率的に動作しない場合がある。温度上昇閾値は、EoL電圧限界と共に使用されて、水ストイキの下限閾値(645)を定義することができる。寿命の終了時の水温上昇を100℃未満、50℃未満、25℃未満、15℃未満または10℃未満に維持するように水ストイキを選択して、電極の安定性および耐久性のある動作を維持することが有利であり得る。
【0056】
式6c-1:
【数1】
【0057】
図7は、供給された水のストイキ値の関数として、アノード流れ場出口(752)における酸素体積分率に関する数学的モデル結果(751)を示す。電解のプロセスは水を、カソード側では水素に、アノード側では酸素に分割する。酸素がアノード上に形成されると、酸素は、送出された液状水にガスとして混合し、アノード流れ場において二相流をもたらすことができる。アノード出口における酸素の体積分率は、電極の動作安定性、性能、および/または耐久性を示し得、このパラメータの目標閾値は設計者によって設定され得る。セルのための質量を保存することは、式7d-1において特定されるような酸素出口体積分率の式をもたらすことができる。ここで、rO2はアノード出口における酸素ガスの密度であり、rH2Oはアノード出口における液状水の密度であり、Stは、セルに供給される水のストイキである。プロット(752)は、図解的な酸素体積分率閾値(754)とともに、アノード電極の10bara圧力でのこのモデルの結果を示し、この閾値を超えると、電極は安定的にまたは耐久的に動作しない場合があり、またはこの閾値を超えると、電解セル、スタックまたはシステムは効率的に動作しない場合がある。酸素体積分率閾値は、水ストイキの下限閾値(755)を特定するのに使用することができる。電極の安定性および耐久性のある動作を維持するために、酸素体積分率を80%未満、60%未満、50%未満、40%未満または30%未満に維持するように、水ストイキを選択することが有利であり得る。
【0058】
式7d-1:
【数2】
【0059】
図8は、候補電極補強材料のいくつかの試料について測定された強度データ(861)を示し、機械的曝露応力(814)の関数としての厚さ(809)の永続的変化を説明する。この曲線は、変形した厚さの関数としての材料屈伏強度を表す。電解スタックの組み立て中、セル内の層間およびスタック内の個々のセル間の十分な接触および低い接触抵抗を維持するために、圧縮負荷が活性領域に印加される。組み立て時に加えられる圧縮荷重は、セルまたはセル構成要素が動作中に分離しないことを確実にするために、スタックの予想される内部流体圧力よりも大きくてもよい。この接触が維持されることを確実にするために、セルおよびセル構成要素の弾性挙動を維持することが望ましい。限界(834)および(835)によって示されるように、電極補強材が弾性のままであることを確実にするために、電極補強材をそれらの初期厚さのX%未満の値に永久的に変形させることが有利であり得る。試験された候補材料について、x=40%であるが、任意の候補電極補強材料についての具体的な値は、多孔度、坪量(x-y平面における単位面積当たりの質量として定義される)、構造の材料、および多孔質形状(例えば、発泡体、メッシュ、エキスパンドメタル、フェルトまたはその他)を含む、その候補の特定の特性および材料特性に基づいて、40%より大きくても小さくてもよい。
【0060】
図9は、強化電極および流れ場構成要素(913)を作製するための高速製造プロセス(901)における基本ステップを示す。多孔質基材(903a)の1つ以上のロールは、前述のように、所望のロールウェブ幅「w」(915)に基づいて選択することができる。基材は、発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタル、焼結フリットまたは繊維布もしくは紙を含んでもよい。選択された基材は、98%までの多孔度を有してもよく、ここで、多孔度は、流体の貫流に利用可能な基材の体積パーセントとして定義される。例えば、多孔度は、98%~40%、95%~50%、90%~60%、または95%~80%であってもよい。基材の組成物は、鉄、ニッケル、クロム、鋼、ステンレス鋼、インコネル、アルミニウム、チタン、カーボン、またはこれらの組み合わせを含むことができる。基材は、他の材料、例えば、白金、金、スズ、カーボン、窒化チタン、PTFEまたは別の腐食抑制層(導電性金属もしくはカーボン経路を有する高分子材料もしくは酸化物材料の加工層を含む)でめっきまたは被覆されてもよい。ロール(903a)は、既知の表面張力下でウェブを平らに保持し、y軸(902)に沿って移動することができるように設計された巻き出しステーション上に装填されてもよい。ロール(903a)は、1組のローラ(904)および(905)を通してカレンダー加工されて、2つ以上の層を一緒に積層し、ウェブの多孔性を低減し、その厚さを低減または増大し、その強度を増大し、その剛性を増大し、および/またはウェブ(906)の片面または両面に所望の表面特性を作り出すことができる。例えば、基材はプロセスの後のステップを容易にするために、一方の側が比較的滑らかであり、他方の側が粗いことが有利であり得る。また、基材の厚さを通して多孔度勾配を達成することが有利であり得る。例えば、カレンダー加工された基材の一方の側(906)が、電極への変換を受け入れるために比較的低い多孔度である一方で、(906)の反対側が第2の基材との結合を促進するために比較的高い多孔度であることが、下流のプロセスに有益であり得る。ウェブ(906)の各側で異なる特性を達成するために、ローラ(904)および(905)は同じまたは異なる直径であってもよく、および/または同じまたは異なる材料で作製されてもよく、および/または異なる表面仕上げまたはコーティングで構築されてもよく、および/またはロールウェブ(903a)の片側または両側にエンボス加工されてもよい特定の表面パターンが提供されてもよい。カレンダー加工された補強基材(906)は、次いで、本開示に記載される実施形態に記載される方法(907)において、電極(908)に変換され得る。例えば、電極材料は、電極基材(906)の適切な表面上に加熱および/または圧力を使用して、スプレーコーティング、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、ドクターブレードコーティング、スロットダイコーティング、カーテンコーティング、スキージーコーティング、またはフィルム、デカールまたは固体層として積層され得る。電極変換プロセス(907)はまた、コーティング後ステップを含んでもよい。例えば、コーティングは、基材への結合および/またはセルの電気化学的性能を促進するために、乾燥され、熱処理され、アニールされ、および/またはその他物理的もしくは化学的に処理されてもよい。変換プロセス(907)はまた、活性電極(908)への変換のための化学的または物理的気相堆積プロセスを含んでもよい。変換プロセス(907)は、基材(906)上に電極材料を堆積させるため、または化学的に反応させ、および/または活性電極に変換するためのプラズマまたはフレームスプレープロセス(906)を含むこともできる。プロセス(907)に続いて、電極ウェブ(908)は、多孔質基材(903b)の1つ以上の追加のロールに隣接して配置されてもよい。これらの基材は、電極基材(903a)と同一であっても異なっていてもよく、(903a)と同様の範囲の可能な材料および特性に基づいて選択されてもよいが、電極補強ではなく、流体の流れ場のための機能的要件を満たすためである。例えば、(903b)を(903a)と同一にすることは、最も高い購入量および最も低い供給コストをもたらし得る。(903a)とは異なる基材から(903b)を選択することは、電池性能(電気抵抗、流動抵抗、熱伝導率、機械的弾性、または機械的強度)にとって有利であり得る。プロセスステップ(910)において、電極ウェブ(908)は、適切な積層プロセスによって流れ場ウェブ(909)に積層されてもよい。積層プロセス(910)は、ウェブ(908)からウェブ(909)への固体繊維、間膜またはワイヤの同時浸透を促進するために、(904)および(905)と同様のローラを通る機械的圧延またはカレンダー加工を含むことができる。この機械的結合を達成するために、類似のローラ(904)および(905)は、同じまたは異なる直径であってもよく、および/または同じまたは異なる材料で作製されてもよく、および/または異なる表面仕上げもしくはコーティングで構成されてもよく、および/または特定の表面パターンを備えてもよい。同じ供給材料から(903a)および(903b)を選択するが、積層ステップ(910)の前に(903b)の複数の層にプリカレンダー加工および/または積層を行うことが有利であり得る。プリカレンダー加工/積層のステップは、(908)と共浸透される(909)側にパターンをエンボス加工して、機械的結合を促進することを含むことができる。積層プロセス(910)は、ウェブ(908)および(909)のうちの1つ以上への、熱処理または接着剤、ポリマー懸濁液、液体アイオノマーもしくはアイオノマー懸濁液などの結合促進剤の適用を含む他のステップを含むこともできる。ステップ(907)および(910)の順序は、ウェブ(906)の電極(908)への変換がウェブ(909)への積層後に行われ得るように逆にされてもよい。特定の電極材料および/または方法は、最終ウェブ(911)内で適切な接着が維持されることを確実にするために、カレンダー加工および積層の後にのみ形成されることが有利であり得る。場合によっては、電極は膜上にコーティングされてもよく、その場合、変換ステップ(907)はプロセス(901)において省略されてもよい。積層ステップ(910)に続いて、ユニット化された電極流れ場ウェブ(911)を処理して、電気分解セル(915)に一体化するための適切なサイズの個別の部品片(913)を作製することができる(912)。例えば、ウェブ(911)は、部品片の正確なサイジングを確実にするために、ナイフまたは他の切断ダイで打ち抜くことによってステップ(912)において処理することができる。場合によっては、ウェブ(908)をウェブ(909)に積層することは切断ステップ(912)の後に行うことができる。部品(913)の正確なサイズは、アノード電極流れ場が生成されるべきかカソード電極流れ場が生成されるべきかに依存し得る。全体的なプロセス(901)は必要に応じて、アノード電極/流れ場またはカソード電極/流れ場のいずれかを生成するように適合されてもよく、ラインの特定の材料、コーティング、ステップおよび設定は、それぞれについて同じであってもよく、または異なっていてもよい。製造において、完全な電解セルの高速製造を可能にするために、2つの独立したラインを使用することにより、1つのアノード電極/流れ場および1つのカソード電極/流れ場を同時に製造することができる。
【0061】
図10は、図9で説明したプロセスの平面図(x-y平面)を示す。説明ラベルは、図面間で同一に保たれている。本発明の面積拡縮可能性は、部品の長さ(1009)のみを変更することによって可変面積電極部品片(913)をもたらす可変長ダイ切断ステップ(912)によって示される。プロセス(901)は、図3~7に記載されるように、様々なサイズの電極のための一貫した動作条件を達成しながら、変化する活性領域の電極を製造するために必要とされる資本設備は、ハンドリング幅(915)が固定されたロールであるという利点を有する。
【0062】
図11は、プロセス(901)の積層ステップの間の強化された結合を促進するための、電極および/または流れ場基材のパターニングまたはエンボス加工のいくつかの図解的な例を示す。パターンは、(1121)および(1122)に示されるようにy軸に沿って、x軸(図示せず)に沿って、またはクロスハッチスタイル(1123)および(1124)でx軸およびy軸の両方に沿って、線形であり得る。プロファイル形状(三角形(1121)、長方形(1122)、または他の形状(図示せず))の深さおよび間隔は、積層される基材の材料および他の特性に基づいて最適化され得る。
【0063】
図12は、重炭酸塩気孔形成剤を用いて本発明の好ましい実施形態により合成された電極の電子走査顕微鏡画像を示し、得られた電極構造のマクロおよびミクロの多孔性を説明する。
【0064】
図13は、0.5A/cmおよび60℃で動作するセル上で測定された、動作時間(1305)の関数としてのセル電圧(1304)の性能データ(1301)を示し、本発明の好ましい実施形態によるニッケル発泡体補強層上に合成され製造されたNiFe2O4アノード電極を用いている。データは、触媒の分離または流出を伴わない330時間を超える耐久性運転を示す。比較のために、公開データ(1302)[ACS Appl.Mater.Interfaces 2021,13,44,51917-51924,https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acsami.1c06053]を重ね合わせたところ、本発明(1301)と比較して、比較可能な作動条件での3つの競合システム(1303)について、より大きな減衰率および劣った寿命が示された。
【0065】
さらなる実施形態:
A-1.
活性電極材料、
補強基材、および
流れ場を含む、電気化学セル用の電極であって、
開放流れ場は、発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタルおよび焼結金属フリットからなる群から選択される材料を含み、x軸に沿った所望のロールウェブ幅を有する第1の層を含み、
補強基材は、発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタルおよび焼結金属フリットからなる群から選択される材料を含み、x軸に沿った所望のロールウェブ幅を有する第2の層を含み、
z軸に沿った流れ場の厚さおよびy軸に沿った流れ場の長さは、独立して調整可能であり、電極の目標閾値未満の水流抵抗、水温上昇またはセル出口酸素体積分率を維持する可変セル活性領域を生成する、電極。

A-2.
前記厚さおよび長さは、流れ場の前縁部で100cm/s未満の水流速度を達成するように選択される、または前記厚さおよび長さは、定格条件および水素生成能力で動作するとき、流れ場の前縁部とトレーニング縁部との間で5bar未満の水流圧力降下を達成するように選択される、
A-1に記載の電極。

A-3.
開放流れ場は多層積層体を含む、
A-1~A-2に記載の電極。

A-4.
強化電極と流れ場との組み合わせの厚さは、3mm未満、好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満である、
A-1~A-3の電極。

A-5.
水温上昇は50℃未満である、
請求項A-1~A-4に記載の電極。

A-6.
出口酸素体積分率は95%未満である、
請求項A-1~A-5に記載の電極。

A-7.
活性電極材料は、接着剤、ポリマー分散液、液体アイオノマー、アイオノマー分散液、およびこれらの混合物からなる群から選択される接着促進剤で補強基材に結合されている、
A-1~A-6に記載の電極。

A-8.
結合促進剤は、合成中に電極インクに組み込まれたPTFEである、
A-1~A-7に記載の電極。

A-9.
活性電極材料は、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、空気、水蒸気、酵母、ベーキングソーダ、ベーキングパウダー、およびそれらの混合物からなる群から選択される発泡剤を含有する、
A-1~A-8に記載の電極。

A-10.
活性電極材料および流れ場は、カーボン、ニッケル、チタン、鉄、クロム、ステンレス鋼またはインコネルのうちの少なくとも1つを含む、
A-1~A-9に記載の電極。

A-11.
電極補強基材および流れ場は1つ以上のニッケル発泡体層を含む、
A-1~A-10に記載の電極。

A-12.
流れ場の多孔度、坪量、層の数および最終積層厚さは、セルの組み立て、圧縮および動作中に屈伏しないように選択される、
A-1~A-11に記載の電極。

A-13.
達成される屈伏強度は、5kgf/cmより大きく、好ましくは10kgf/cmより大きく、より好ましくは15kgf/cmより大きく、最も好ましくは25kgf/cmより大きい、
A-1~A-12に記載の電極。

A-14.
電極補強基材および流れ場基材のうちの1つ以上は、粗い表面、パターン化された表面、またはエンボス加工された表面を含んで積層を促進する、
請求項A-1~A-13に記載の電極。

B-1.
拡縮可能な電解セルのための一体型電極流れ場を製造する方法であって、
発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタル、および焼結金属フリットからなる群から選択され、x軸に沿った所望のロールウェブ幅を有する1つ以上の層、z軸に沿った所望の厚さへの積層またはカレンダー加工を通じて開放流れ場を形成すること、
開放流れ場を、y軸に沿った所望の長さに対応する個別の部品に切断すること、
発泡体、フェルト、織物スクリーン、エキスパンドメタルおよび焼結金属フリットからなる群から選択され、x軸に沿った所望のロールウェブ幅を有する1つ以上の層、z軸に沿った所望の厚さへの積層および/またはカレンダー加工を通じて電極補強基材を形成すること、
形成された電極補強基材を活性な強化電極に変換すること、
活性な強化電極ウェブを、y軸に沿って所望の長さを有する別個の部品に切断すること、および
開放流れ場および活性な強化電極構成要素を互いに隣接して配置して、得られた組立体が、水流抵抗または水温上昇またはセル出口酸素体積分率のうちの1つ以上を電極の目標閾値未満に維持しながら、所望のセル活性領域を達成すること、を含む方法。

B-2.
前記厚さおよび長さは、流れ場の前縁部において100cm/s未満の水流速度を達成するように選択される、
B-1に記載の方法。

B-3.
前記厚さおよび長さは、定格条件および水素生成能力で動作するとき、電極流れ場の前縁部とトレーニング縁部との間で5bar未満の水流圧力降下を達成するように選択される、
B-1~B-2に記載の方法。

B-4.
強化電極と流れ場との組み合わせの厚さは、3mm未満、好ましくは2mm未満、最も好ましくは1mm未満である、
B-1~B-3に記載の方法。

B-5.
水温上昇は50℃未満である、
B-1~B-4に記載の方法。

B-6.
出口酸素体積分率は95%未満である、
B-1~B-5に記載の方法。

B-7.
流れ場ウェブおよび強化電極ウェブは、別個の部品片に切断する前に積層される、
B-1~B-6に記載の方法。

B-8.
電極基材および流れ場基材は、カーボン、ニッケル、チタン、鉄、クロム、ステンレス鋼またはインコネルのうちの少なくとも1つを含む、
B-1~B-7に記載の方法。

B-9.
強化電極ウェブおよび流れ場ウェブのうちの1つ以上は、粗い表面、パターン化された表面、またはエンボス加工された表面を生成するように加工され、積層を促進する、
B-1~B-8に記載の方法。

B-10.
積層ステップが、接着剤、ポリマー分散液、液体アイオノマーおよびアイオノマー分散液からなる群から選択される結合促進剤を含む、
B-1~B-9に記載の方法。

B-11
補強基材は、100g/mと1000g/mの間の坪量を有する1つ以上のニッケル発泡体層を含む、
B-1~B-10に記載の方法。

B-12.
電極補強基材の電極変換は、流れ場ウェブへの積層の前に行われる、
B-1~B-11に記載の方法。

B-13.
電極補強基材の電極変換は、流れ場ウェブへの積層の後に行われる、
B-1~B-12に記載の方法。

B-14.
強化電極および流れ場は、電解セル内の組立体上に積層される、
B-1~B-13に記載の方法。

B-15.
流れ場の多孔度、坪量、層の数および最終積層厚さは、セルの組み立て、圧縮および動作中に屈伏しないように選択される、
B-1~B-14に記載の方法。

B-16.
屈伏強度は、5kgf/cmより大きく、好ましくは10kgf/cmより大きく、より好ましくは15kgf/cmより大きく、最も好ましくは25kgf/cmより大きい、
B-1~B-15に記載の方法。

C-1.
基材の有効な電気化学的活性表面積を増加させる方法であって、
合金材料を用いて基材を合金化して、合金材料を基材の表面に組み込むこと、
続いて、基材を脱合金化して合金材料を除去することを含む、方法;または

C-2.
基材が多孔質である、
C-1に記載の方法。

C-3.
基材の有効な電気化学的活性表面積を増加させる方法であって、
追加された材料がより高い表面粗さを作り出すように、基材上への材料の堆積または電着を含む、方法。

C-4.
熱処理を適用して材料の合金化を誘導し、続いて、基材を脱合金化して合金材料を除去することをさらに含む、
C-3に記載の方法。

C-5.
基材上に追加の触媒材料を堆積または電着することをさらに含む、
C-1~C-4に記載の方法。

C-6.
電気化学的活性表面積上に堆積しかつ表面の触媒活性を増加させるイオン性材料を作動流体中に導入することをさらに含む、
C-1~C-5に記載の方法。

D-1.
基材上への触媒インクの接着力を増加させる方法であって、
接着促進剤で基材を処理することを含む方法:
ここで、接着促進剤は、(a)脂肪族ホスホン酸、シラン、アルキルチオールまたは同様の材料の自己組織化単分子層、(b)エレクトロダグ:ボンデライトS-FN EB012 アチソンまたは同様の材料などの導電性接着剤、および(c)それらの混合物からなる群から選択される。

D-2.
基材の表面粗さを改質することをさらに含み、表面粗さは、3Mフルオロ界面活性剤FC-4430または同様の材料を含む界面活性剤などの、表面張力を変化させる薬剤で表面を処理することによって改質される、
D-1に記載の方法。

D-3.
基材は電極である、
D-1~D-2に記載の方法。

E-1.
電極をコーティングするための電極インクであって、
バインダまたは気孔形成剤を含む、電極インク。

E-2.
バインダは、PTFE、PVA、PAA、PVDF、SBR、SEBSおよび同様の材料からなる群から選択される、
E-1に記載の電極インク。

E-3.
バインダは、カチオン性プロトンまたはアニオン性水酸化物イオンを含有するイオン性ポリマーバインダである、
E-1~E-2に記載の電極インク。

E-4.
表面張力変化剤をさらに含み、表面張力変化剤は、界面活性剤、フルオロ界面活性剤、シリコーン界面活性剤、シロキサン、および同様の材料からなる群から選択される、
E-1~E-3に記載の電極インク。

E-5.
四級化ポリビニルアルコールをさらに含む、
E-1~E-4に記載の電極インク。

E-6.
気孔形成剤は、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、同様の材料、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
E-1~E-5に記載の電極インク。

E-7.
気孔形成剤は、膨張剤であり、膨張剤は、空気、水蒸気、酵母、ベーキングソーダ、ベーキングパウダー、同様の材料、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
E-1~E-6に記載の電極インク。

F-1.
電極を製造する方法であって、
熱水堆積、電着、室内条件堆積、または同様のプロセスを介して補強層上に電極を成長させることを含む、製造方法。

F-2.
電極は、白金、モリブデン、ニッケル、コバルト、ホウ素、セリウム、鉄、スズ、硫黄、リン、フッ素、酸素、水酸化物、同様の材料、またはそれらの混合物を含む、
F-1に記載の方法。

F-3.
電極は、導電性支持体上に支持され、導電性支持体は、カーボン(バルカン、ケッチェンブラックなど)、ニッケル、鉄、チタン、ステンレス鋼、またはこれらの材料の組み合わせを含む、
F-1~F-2に記載の方法。

F-4.
電極はニッケル酸化鉄(NiFe)を含み、
補強層はニッケル発泡体またはニッケルフェルトを含む、
F-1~F-3に記載の方法。

F-5.
電極はPtおよびカーボンを含み、
補強層は、ニッケル発泡体、ニッケルフェルトまたはカーボンファイバの補強層を含む、
F-1~F-4に記載の方法。
【0066】
前述の説明は、例示および説明のみを目的として提示されている。それは、網羅的であること、または本出願を開示された正確な形態に限定することを意図するものではなく、修正および変形が可能であり、および/または上記の教示に照らして明らかであるか、または本出願の実施から得られ得る。実施形態は、本出願の原理およびその実用的な適用を説明するために選択され、記載され、当業者が企図される特定の使用に適しているように、様々な実施形態において、様々な修正を加えて本出願を利用することを可能にした。任意の発表された特許の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義されることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
101 電解器
102 軸
103 水および酸素
104 水素
105 セル構成要素
106 双極プレート
107、108、110 厚さ
109 カソード電極流れ場
111 アノード電極流れ場
203 アノード流れ場
204 イオン伝導膜
205 カソード流れ場
206 アノード電極
207 カソード電極
208 不透過性セパレータ
209 負極
210 正極
216 セルピッチ
307 活性領域
308 水流領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の有効な電気化学的活性表面積を増加させる方法であって、
(a) 合金材料を用いて基材を合金化して、合金材料を基材の表面に組み込むこと、および
続いて、基材を脱合金化して合金材料を除去すること、または
(b) 追加された材料がより高い表面粗さを作り出すように、基材上への材料の堆積または電着、
を含む方法。
【請求項2】
基材が多孔質である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(b)の後に、熱処理を適用して材料の合金化を誘導し、続いて、基材を脱合金化して合金材料を除去することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
基材上に追加の触媒材料を堆積または電着することをさらに含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
電気化学的活性表面積上に堆積しかつ表面の触媒活性を増加させるイオン性材料を作動流体中に導入することをさらに含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
基材上への触媒インクの接着力を増加させる方法であって、
接着促進剤で基材を処理することを含む方法:
ここで、接着促進剤は、(a)脂肪族ホスホン酸、シラン、アルキルチオールまたは同様の材料の自己組織化単分子層、(b)エレクトロダグ:ボンデライトS-FN EB012 アチソンまたは同様の材料などの導電性接着剤、および(c)それらの混合物からなる群から選択される。
【請求項7】
基材の表面粗さを改質することをさらに含み、表面粗さは、3Mフルオロ界面活性剤FC-4430または同様の材料を含む界面活性剤などの、表面張力を変化させる薬剤で表面を処理することによって改質される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
基材は電極である、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
電極をコーティングするための電極インクであって、
バインダまたは気孔形成剤を含む、電極インク。
【請求項10】
バインダは、PTFE、PVA、PAA、PVDF、SBR、SEBSおよび同様の材料からなる群から選択される、
請求項9に記載の電極インク。
【請求項11】
バインダは、カチオン性プロトンまたはアニオン性水酸化物イオンを含有するイオン性ポリマーバインダである、
請求項10に記載の電極インク。
【請求項12】
表面張力変化剤をさらに含み、表面張力変化剤は、界面活性剤、フルオロ界面活性剤、シリコーン界面活性剤、シロキサン、および同様の材料からなる群から選択される、
請求項9~11のいずれか1項に記載の電極インク。
【請求項13】
四級化ポリビニルアルコールをさらに含む、
請求項9~11のいずれか1項に記載の電極インク。
【請求項14】
気孔形成剤は、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、同様の材料、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
請求項9に記載の電極インク。
【請求項15】
気孔形成剤は、膨張剤であり、膨張剤は、空気、水蒸気、酵母、ベーキングソーダ、ベーキングパウダー、同様の材料、およびそれらの混合物からなる群から選択される、
請求項9に記載の電極インク。
【請求項16】
電極を製造する方法であって、
熱水堆積、電着、室内条件堆積、または同様のプロセスを介して補強層上に電極を成長させることを含む、製造方法。
【請求項17】
電極は、白金、モリブデン、ニッケル、コバルト、ホウ素、セリウム、鉄、スズ、硫黄、リン、フッ素、酸素、水酸化物、同様の材料、またはそれらの混合物を含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
電極は、導電性支持体上に支持され、
導電性支持体は、カーボン(バルカン、ケッチェンブラックなど)、ニッケル、鉄、チタン、ステンレス鋼、またはこれらの材料の組み合わせを含む、
請求項16~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
電極はニッケル酸化鉄(NiFe2O4)を含み、
補強層はニッケル発泡体またはニッケルフェルトを含む、
請求項16~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
電極はPtおよびカーボンを含み、
補強層は、ニッケル発泡体、ニッケルフェルトまたはカーボンファイバの補強層を含む、
請求項16~17のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】