(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】可撓性スクレーパブレードおよび調節可能なサイドノズルを用いて粉末を除去する装置および方法
(51)【国際特許分類】
B29C 64/35 20170101AFI20250117BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20250117BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20250117BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20250117BHJP
B29C 64/214 20170101ALI20250117BHJP
B29C 64/236 20170101ALI20250117BHJP
B29C 64/241 20170101ALI20250117BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20250117BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20250117BHJP
【FI】
B29C64/35
B29C64/165
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/214
B29C64/236
B29C64/241
B33Y50/02
B29C64/393
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024541943
(86)(22)【出願日】2023-01-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-29
(86)【国際出願番号】 US2023060759
(87)【国際公開番号】W WO2023137490
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520272949
【氏名又は名称】サクウ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モルテザ ヴァタニ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー バイマン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン カーロール
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213AP06
4F213AP11
4F213AR07
4F213WA25
4F213WA53
4F213WA67
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL73
4F213WL74
4F213WL85
(57)【要約】
【課題】3D印刷装置において、ウェブから粉末を除去するための改善された装置および方法を提供する。
【解決手段】粉末除去装置において、可撓性ブレードは、ウェブの隣接する部分の間に位置するウェブの第1の部分に接触してこれを横切って移動し、隣接する部分に堆積した粉末を除去することなく第1の部分から粉末を掻き取るように設けられる。一対のエッジ真空ノズルおよび中央真空ノズルも、可撓性ブレードと共に移動して、第1の部分の両縁部および第1の部分の中央領域から粉末を除去するように設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末が堆積した基板から粉末を除去する装置であって、
前記基板の隣接する部分の間に位置する前記基板の第11の部分に接触し、前記第1の部分を横切って移動して、前記隣接する部分に堆積した粉末を掻き取ることなく前記第1の部分から粉末を掻き取るように構成されたブレードと、
一対のエッジ真空ノズルと、前記一対のエッジ真空ノズルの間に配置された中央真空ノズルとを備え、
前記各エッジ真空ノズルおよび前記中央真空ノズルは、前記ブレードと共に移動して、前記粉末が前記ブレードによって掻き取られた後に、前記隣接する部分に堆積した粉末を除去することなく、前記第1の部分の両エッジおよび前記第1の部分の中央領域から前記粉末を除去するように構成されている、装置。
【請求項2】
粉末が堆積したウェブから粉末を除去する装置であって、
前記ウェブの第1の部分であって、前記第1の部分の一方の側にある前記ウェブの第2の部分と、前記第1の部分の前記第2の部分とは反対側の第2の側にある前記ウェブの第3の部分との間に位置する前記ウェブの前記第1の部分に接触し、前記第1の部分を横切って移動して、前記第2の部分および前記第3の部分に堆積した粉末を除去することなく、前記第1の部分に堆積した粉末を除去するように構成された可撓性ブレードと、
前記第1の部分を横切って前記可撓性ブレードと共に移動するように構成された一対のエッジ真空ノズルとを備え、
前記エッジ真空ノズルは、
前記可撓性ブレードが前記第1の部分を横切って移動する間に、前記可撓性ブレードの第1のエッジに隣接して、かつ前記ウェブの前記第1の部分と前記第2の部分との境界に隣接して配置された第1のエッジ真空ノズルと、
前記可撓性ブレードが前記第1の部分を横切って移動する間に、前記可撓性ブレードの前記第1のエッジとは反対側の前記可撓性ブレードの第2のエッジに隣接して、かつ前記ウェブの前記第1の部分と前記第3の部分との境界に隣接して配置された第2のエッジ真空ノズルとを含み、
前記第1および第2のエッジ真空ノズルは、前記第1の部分において前記可撓性ブレードによって掻き取られた粉末をそれぞれ吸引するように構成されている、装置。
【請求項3】
前記可撓性ブレードに隣接して配置され、前記第1の部分を横切って前記可撓性ブレードと共に移動するように構成された中央真空ノズルをさらに備え、
前記中央真空ノズルは、前記第1のエッジ真空ノズルと前記第2のエッジ真空ノズルとの間に配置され、前記第1の部分の前記第2の部分との境界と前記第3の部分との境界との間の前記第1の部分において前記可撓性ブレードによって掻き取られた粉末を吸引するように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記可撓性ブレードの両側に配置された一対のプレートを備え、前記一対のプレートは、前記一対のプレートの間に前記可撓性ブレードを挟むように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記一対のプレートがそれぞれ、前記可撓性ブレードよりも可撓性が低い材料から構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記可撓性ブレードは、前記一対のプレートの下縁を越えて延在する前記可撓性ブレードの先端部分を含むように前記一対のプレートの間に配置され、前記可撓性ブレードの前記延在する先端部分のみが前記ウェブの前記第1の部分に接触する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記可撓性ブレードは、スクウィーズスタイルの材料から構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項8】
前記可撓性ブレード、前記一対のエッジ真空ノズル、前記中央真空ノズル、および前記一対のプレートが、粉末除去ヘッドを備え、前記粉末除去ヘッドが、前記粉末除去ヘッドを前記ウェブの前記第1の部分にわたって移動させるように構成されたアクチュエータアームに結合されている、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記粉末除去ヘッドは、前記粉末除去ヘッドがXおよびY方向に移動し、前記ウェブに対して角度方向に回転することを可能にするように、前記アクチュエータアームに結合される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記粉末除去ヘッドは、前記粉末除去ヘッドがZ方向に移動できるように前記アクチュエータアームに結合される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記基板が可撓性ウェブからなる、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記ブレードが可撓性である、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ブレードが非可撓性である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ブレードは、前記基板に接触する端部とは反対側の端部でヒンジ結合され、前記ブレードが前記基板の表面を横切って移動するときに、前記基板の表面の上方で垂直に前記ブレード上を移動することを可能にする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
各エッジ真空ノズルは、独立して動作するように構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項16】
前記エッジ真空ノズルの各々が、可変直径の開口を備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項17】
前記エッジ真空ノズルの各々の配向の角度は、前記基板またはウェブに対して独立して調整可能であるように構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項18】
制御システムと、前記エッジ真空ノズルに関連付けられた1つまたは複数のセンサとをさらに備え、前記1つまたは複数のセンサからのデータが前記制御システムに情報を提供し、それによって、(1)前記ノズルのうちの1つまたは複数の直径のサイズ、(2)前記基板からの前記ノズルの垂直距離、および(3)前記基板またはウェブに対する前記エッジノズルのうちの少なくとも1つの配向の角度のうちの1つまたは複数の動的調整を容易にする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項19】
前記1つまたは複数のセンサからの前記データが、前記粉末の前記縁部のうちの少なくとも1つにおける粉末の幅、前記縁部のうちの少なくとも1つにおける粉末の高さ、および前記粉末のパラメータのうちの1つまたは複数を含む、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
堆積された粉末を有する基板から粉末を除去する方法であって、
前記基板の隣接する部分の間に位置する前記基板の第1の部分を横切ってブレードを接触させて移動させ、前記隣接する部分に堆積した粉末を掻き取ることなく前記第1の部分から粉末を掻き取るステップと、
一対のエッジ真空ノズルと、前記一対のエッジ真空ノズルの間に配置された中央真空ノズルとを使用して、前記粉末が前記ブレードによって掻き取られた後に、前記隣接する部分に堆積した粉末を除去することなく、前記第1の部分の両方の縁部および前記第1の部分の中央領域から粉末を除去するステップとを含む、方法。
【請求項21】
前記ブレード、前記一対のエッジ真空ノズル、および前記中央真空ノズルは、粉末除去ヘッドを備え、前記方法は、アクチュエータアームを介して前記粉末除去ヘッドを前記基板の前記第1の部分にわたって移動させることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ブレードは、前記基板に接触する端部とは反対側の端部でヒンジ結合され、前記方法は、前記ブレードが前記基板の表面を横切って移動するときに、前記ブレードを前記基板の表面の上方で垂直に移動させることをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記中央真空ノズルおよび各エッジ真空ノズルを互いに独立して動作させることをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルに関連付けられたセンサを介して、前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルからのデータを感知することをさらに含み、
前記センサからの前記データは、(1)前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルのうちの1つまたは複数の直径のサイズ、(2)前記基板からの前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルのうちの前記1つまたは複数の垂直距離、および(3)前記基板に対する前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルのうちの少なくとも1つの配向の角度のうちの1つまたは複数の動的調整を提供するために、制御システムに情報を提供する、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記1つまたは複数のセンサからの前記データが、前記粉末の前記縁部のうちの少なくとも1つにおける粉末の幅、前記縁部のうちの少なくとも1つにおける粉末の高さ、および前記粉末のパラメータのうちの1つまたは複数を含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、付加製造(AM)装置において基材から粉末を除去するための改良された装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
具体的には、現在のバインダジェット3D印刷では、基板上に印刷されるデバイスに必要でない基板上の領域、例えば、基板上に形成された隣接する印刷層の間の切断されるべき基板の領域に堆積した不要な粉末を実質的に完全に除去する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
一実施態様では、粉末が堆積した基板から粉末を除去するための装置が提供され、この装置は、基板の隣接する部分の間に位置する基板の第1の部分に接触してこれを横切って移動し、隣接する部分に堆積した粉末を掻き取ることなく第1の部分から粉末を掻き取るように構成されたブレードと、一対のエッジ真空ノズルと、一対のエッジ真空ノズルの間に位置する中央真空ノズルとを含み、各エッジ真空ノズルおよび中央真空ノズルは、ブレードと共に移動して、粉末がブレードによって掻き取られた後、隣接する部分に堆積した粉末を除去することなく、第1の部分の両方のエッジおよび第1の部分の中央領域から粉末を除去するように構成される。
【0004】
別の実施態様では、粉末が堆積したウェブから粉末を除去するための装置が提供され、装置は、第1の部分の一方の側のウェブの第2の部分と、第2の部分の反対側の第1の部分の第2の側のウェブの第3の部分との間に位置するウェブの第1の部分に接触し、第1の部分を横切って移動して、第2および第3の部分に堆積した粉末を除去することなく第1の部分に堆積した粉末を除去するように構成された可撓性ブレードと、可撓性ブレードが第1の部分を横切って移動する間、可撓性ブレードの第1の縁部に隣接し、ウェブの第1および第2の部分の境界に隣接して位置する第1の縁部真空ノズルと、可撓性ブレードが第1の部分を横切って移動する間、可撓性ブレードの第1の縁部の反対側の可撓性ブレードの第2の縁部に隣接し、ウェブの第1および第3の部分の境界に隣接して位置する第2の縁部真空ノズルとを含む、第1の部分を横切って可撓性ブレードと共に移動するように構成された一対の縁部真空ノズルであって、第1および第2の縁部真空ノズルは、第1の部分において可撓性ブレードによって掻き取られた粉体をそれぞれ吸引するように構成されている、一対の縁部真空ノズルと、を含む。
【0005】
別の実施態様では、粉末が堆積した基板から粉末を除去する方法であって、基板の隣接する部分の間に位置する基板の第1の部分にブレードを接触させて移動させ、隣接する部分に堆積した粉末を掻き取ることなく第1の部分から粉末を掻き取り、一対の縁部真空ノズルと、一対の縁部真空ノズルの間に位置する中央真空ノズルとを使用して、粉末がブレードによって掻き取られた後に、隣接する部分に堆積した粉末を除去することなく、第1の部分の両方の縁部および第1の部分の中央領域から粉末を除去する、方法が提供される。
【0006】
図面は、本教示による1つまたは複数の実施形態を、限定ではなく単に例として示す。図中、同様の参照番号は、同一または類似の要素を指す。さらに、図面は必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の態様による、3D印刷装置における基板の上方に配置された粉末除去装置の斜視図である。
【
図2】本開示の態様による、基板(ウェブ)上の粉末のセクションを除去した後の粉末除去装置の斜視図である。
【
図3】本開示の態様による、粉末が堆積される基板の上方に配置された粉末除去装置を示す図である。
【
図4】本開示の態様による、作動アームに取り付けられた粉末除去装置の斜視図である。
【
図5】本開示の態様による、粉末除去装置の動作範囲を示す、
図4の粉末除去装置の円で囲まれた部分の図である。
【
図6】本開示の態様による、縁部(エッジ)ノズルおよび中央ノズルの動作を制御するための制御システム構成の概略図である。
【
図7】本開示の態様が実施され得る例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、開示される主題の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が例として記載される。しかし、本開示を読むと、1つまたは複数の開示された態様がそのような詳細なしに実施され得ることが当業者には明らかになり得る。さらに、本開示による様々な例示的な実施形態の説明は、1つまたは複数の知られている技法または動作の参照またはそれらへの参照を含むことがあり、そのような参照は、本開示に特有ではなく、本開示を完全に理解するために必要ではない詳細で、その様々な概念、態様、および特徴を不明瞭にすることを回避するために、比較的高レベルであり得る。
【0009】
「Printing Method and Apparatus for Additive Manufacturing, Including In‐situ Powder Regeneration」と題する、本出願人によって2022年1月14日に出願された関連仮出願第63/299,867号(整理番号091520-027PRO)に記載されているように、各層を別々に構築するモジュール式ベースマシンである付加製造(AM製造のためのプラットフォームが開発されている。各個々の層はいくつかのステーションを通過し、各ステーションは固有の機能を有する。これらのステーションのうちの1つは、粉末の潤滑/湿潤および圧縮の前、ならびに粉末層が形成される基板のセグメント化の前の、プロセスの初期段階での粉末除去を含む。したがって、本明細書では、上記の関連出願に記載された新しいプラットフォームに特に適合された方法および装置が開示される。具体的には、この関連出願に記載されているプラットフォームでは、プラットフォームの性質に起因して、粉末層の一部を除去して、上記の関連出願に記載されている全体的な動作に従って、粉末層の残りの部分が形成される基板のセグメント化を容易にすることができる。
【0010】
図1を参照すると、粉末除去ヘッド10が示されている。
図2を参照して以下に説明するように、この粉末除去ヘッド10は、ウェブ(基板、基材と記すこともある)12から粉末14の一部を除去するために、粉末14が堆積された基板12、例えばウェブの上を通過するように構成されている。これは、例えば、印刷された層を形成するための3Dプリンタによる更なる処理のために粉末14が残るウェブの隣接する部分の間で、ウェブのその部分から粉末14を除去することによってウェブ12の一部分をクリーニングすることが望ましい状況において有用であり得る。以下の説明は、便宜上、ウェブである基材12に関して提供されるが、必要に応じて、他の基材構成を使用することができることに留意されたい。
【0011】
図2は、粉末除去ヘッド10がウェブ12の第1の部分16を横切って移動して、第1の部分16の一方の側のウェブの第2の部分18と、第1の部分16の反対側のウェブの第3の部分20との間のストリップから粉末14を除去する、本開示の実用的な適用例を示す。
図2から理解され得るように、粉末は、3Dプリンタでのさらなる処理のために、ウェブの第2および第3の部分上に残るが、添付の図面に関して以下で説明される粉末除去ヘッドの要素によって、粉末は、ウェブの第1のストリップ部分から完全に除去される。
【0012】
再び
図1を参照すると、粉末除去ヘッド10は、上部プレート24と下部プレート26との間に挟まれたブレード22を含むことが分かる。このブレード22は、
図1に示すように可撓性であってもよいし、代替的な実施形態では非可撓性であってもよい。非可撓性ブレードが使用される実施態様では、ブレード22の移動を提供してブレードの移動を調整するように、所望であれば、ブレード22が基材12(例えば、ウェブ)の表面を横切って移動するときに表面の不規則性に合わせて垂直に移動するように、ウェブ12に接触する部分とは反対側の端部でヒンジ留めすることができる。以下の説明は、可撓性ブレード22の使用に関するが、この説明は、非可撓性ブレードに関しても利用できることを理解されたい。
【0013】
粉末除去ヘッド10はまた、可撓性ブレード22の対向する縁部に隣接して配置された一対の縁部真空ノズル30および32と、一対の縁部真空ノズル30および32の間に配置され、可撓性ブレード22の下部に隣接して配置された中央真空ノズル34とを含む。
図1に見られるように、以下で可撓性ブレード22の先端36と呼ばれる小端部は、上部プレートおよび下部プレートの下端部を越えて延在する。可撓性ブレード22のこの先端36は、粉末14が堆積されたウェブ12と接触する可撓性ブレード22の唯一の部分である。可撓性ブレード22の先端36が上側プレート24および下側プレート26を越えて延びる量は、堆積される特定の粉末14に基づいて、例えば粉末サイズに応じて変化し得る。
【0014】
本開示の態様によれば、可撓性ブレード22は、2つのプレート(例えば、
図1に示す上部プレート24と下部プレート26)の間に挟まれた柔らかい「スクウィージ」(squeegee)スタイルの材料で作ることができるが、他の比較的柔らかい可撓性材料を使用することもできる。スクウィージスタイルの可撓性ブレード22の先端36は、ウェブ12に触れる唯一の材料であるため、可撓性ブレード22に使用される材料は、可撓性ブレード22の先端36がウェブ12をこすって所望の第1の部分16(
図2参照)においてウェブから粉末14を除去するときにウェブ12への損傷を防止する材料として選択されるべきである。可撓性ブレード22として使用するために選択される材料はまた、粉末14の特定の化学的性質に依存してもよく、粉末が付着または反応しないブレード材料を選択することが望ましい。典型的には、ウェブ12は、マイラー材料で形成することができるが、他の材料を使用することもできる。2つのプレート24および26は、スクウィージ材料(または他の軟質材料)に剛性を提供するので、スクウィージ材料は、ウェブ12に沿って擦るために前方に移動するときに潰れない。これらの上部プレート24および下部プレート26は、例えば、金属または硬質プラスチック材料で形成することができる。本開示の態様によれば、上部プレート24および下部プレート26は、実質的に剛性であるか、または少なくとも可撓性ブレード22よりも実質的に可撓性が低い。2つのプレート24および26はまた、必要に応じて可撓性ブレード22を交換することを容易にするように構成されてもよい。
【0015】
更に
図1を参照すると、2つの縁部(エッジ)真空ノズル(又は管)30および32は、粉末14が剥離されているウェブ12の第1の部分の縁部に沿った粉末の縁部真空吸引を制御する(例えば、
図2参照)。換言すれば、エッジ真空ノズル30および32は、ウェブの第1の部分16とウェブ12の隣接する第2の部分18および第3の部分20との間の境界で粉末14を吸引し、粉末14は、ウェブの第1の部分16の上を通過する間に可撓性ブレード22の先端36によって掻き取られる。中央真空ノズル34は、可撓性ブレード22がウェブ12の第1の部分16の上を通過する間に、可撓性ブレード22の延長された先端36によってほぐされて掻き取られた、ウェブ12の第1の部分16上の粉末14の残りの全てを除去する。
図2は、ウェブ14の第1の部分16を横切る粉末除去ヘッド10の1回の通過の粉末14の除去を示す。
図2に示すように、粉末14は、1回の通過だけでウェブ12(例えば、マイラー)から完全に除去されるが、粉末14は、ウェブ12の隣接する第2の部分18および第3の部分20に残り、これらの領域の粉末14は、その後、3Dプリンタで処理することができる。
【0016】
動作中、可撓性ブレード22が基板12の表面上を通過すると、粉末14は中央ノズル34ならびに縁部ノズル30および32に向かって押され、粉末14の流動性により、変位した粉末は縁部に「堆積」する傾向があり得る(
図3参照)。縁部ノズル30および32は、変位した粉末14の実質的に全てではないにしても一部を捕捉するように配置および配向される。縁部ノズル30および32は、個々に独立して移動/配向することができ、真空圧力は、これらの縁部ノズル30および32について、中央真空ノズル34の真空圧力とは異なるように変更することができる。換言すれば、縁部真空ノズル30および32によって供給される真空は、ウェブ12の第1の部分16の中央領域および縁部領域の両方において粉末14を十分に真空引きするための要件に応じて、中央真空ノズル34によって印加される真空よりも大きくても小さくてもよい。この目的のために、
図1に示されるように、エッジ真空ノズル30および32の各々は、それが接続されるそれ自体の別個の真空管を有する。中央真空ノズル34も、それ自体の真空管に接続される。したがって、縁部真空ノズル30および32、ならびに中央真空ノズル34の各々は、使用されている特定の粉末14に最適な真空を有するように互いに独立して制御することができる。
【0017】
ノズル30、32、および34の各々は、他のものから独立して動作するように構成されてもよい。例えば、各ノズル30、32および34は、それぞれのノズルのアパーチャまたは開口部の直径のサイズを独立して変化させるためのアセンブリを含むことができ、それによってノズルを通る流れを調節して、ノズルの各々のピックアップ速度の独立した制御を可能にする。一実施態様では、直径変動は、例えば、粒子サイズ、粒子密度、または粒子重量などの粉末の特性またはパラメータに基づく所定のノズル直径値を用いて、所定の増分で調整可能であってもよい。別の実施形態では、ノズルの直径は、動的に調整可能であってもよく、必要なピックアップ速度を提供するために、ノズル開口部またはアパーチャにおいて条件が満たされることを可能にする。ピックアップ速度は、可撓性ブレードが粉末を押すときに縁部に蓄積した「過剰な」粉末を含む粉末粒子をピックアップするのに必要な流量であり、ノズルが基板を横切って移動する速度も考慮に入れている。
【0018】
実質的に全ての「余分な」粉末14をピックアップするために、
図3を参照すると、ピックアップ速度は、縁部における余分な粉末の幅(W
1,W
2)、縁部における粉末の高さ(H
1,H
2)、および粉末14自体の特性又はパラメータ、例えば粉末14の厚さのうちの1つ以上を考慮する。中央真空ノズル34は、1つの開口部またはアパーチャを備えてもよく、または、一緒に中央真空ノズル34を形成する複数の個々のノズルを備えてもよい。ノズル30、32、および34上にそれぞれ、またはその近傍に配置された1つまたは複数のセンサ(S1,S2,S3)を使用して、余分な粉末14の高さまたは余分な粉末14の幅を決定することができる。
図6に関して以下で説明するように、この情報またはデータは、(1)1つまたは複数のノズルの直径のサイズ、(2)基板からのノズルの垂直距離、および(3)基板に対するノズルの向きの角度(α
1、α
2)のうちの1つまたは複数の独立した調整を容易にするために、制御システム600にフィードバックされてもよい。異なるノズル30、32および34と可撓性ブレード22との組み合わせは、
図2に示されるように、ウェブの第1の部分16に「きれいな」ストリップを提供する一方で、ウェブ12の隣接する第2および第3の部分18および20上の粉末間の明確な境界を可能にする。
【0019】
図4および
図5を参照すると、粉末除去ヘッド10は、粉末除去ヘッド10がウェブ(基板)12を横切って前後に摺動することを可能にするアクチュエータアーム38に取り付けられている。ウェブ12の第1の部分16から粉末14を除去するこの動作は、数秒で1回の通過で行うことができる。1つの構成では、アクチュエータアーム38の動きは、真空源(図示せず)の動作と関連付けることができ、それによって、アクチュエータアーム38が動いている(および特定の方向に移動している)ときにのみ、潜在的にはその動きが終了した後の所定の時間にわたって、真空引き動作が実行されることを容易にする。
図2の第1の部分16について示される直線的な粉末除去は、2つの隣接する領域の間の特定の領域でウェブを切断することをより容易にする。これは、例えば、
図2に示す第2および第3の部分などの隣接する領域上に形成されているデバイスを分離するのに有用であり得る。粉末除去は、直線以外の幾何学的形状で実行されてもよく、アクチュエータアーム38は、必要に応じて粉末除去ヘッド10の動きを案内することは明らかであろう。本開示の別の利点は、いかなる振動もウェブ表面に伝達されることなく、この粉末除去を可能にすることである。
【0020】
図4および
図5にも示すように、本開示の別の利点は、粉末除去ヘッド10の様々な方向、例えばX,YおよびZ方向への移動、並びに角回転(例えば、粉末除去ヘッド10を上下又は左右に傾けること)を可能にすることである。中央真空ノズル34によって第1の部分16(
図2参照)の中央から除去され、縁部真空ノズル30および32によって第1の部分16の縁部から除去された粉末14は、それぞれのノズル30、32、および34が接続された別個の真空管を通して引き出され、1つまたは複数の容器内に堆積され得ることに留意されたい。
【0021】
本発明の別の態様によれば、粉末除去ヘッド10は、基板12の表面上に(Y方向に)下げられ、定められた粉末領域から粉末14を除去するように動作され、表面から(反対のY方向に)持ち上げられ得る。
【0022】
本発明のさらなる態様によれば、粉末除去ヘッド10は、中央真空ノズルの有無にかかわらず、1つのエッジ真空ノズルのみを含む。この構成では、シングルエッジ真空ノズルは、粉体領域の単一の境界に沿って粉体14を吸引し、粉体領域のエッジに隣接するウェブのクリーン領域を生成する。
【0023】
さらに、基材12(例えば、ウェブ)の表面を横切って、基材の縁部に実質的に直交する実質的に直線を得るために、一実施態様では、基材12を横切って粉末除去ヘッド10を移動させることができるように基材の動きを停止し、次いで粉末除去ヘッド10を通過した後に再開することができることに留意されたい。代替的な実施態様では、移動する基材12の速度に基づいて、基材が移動している間に基材12を一方の側から他方の側に横断するときに、除去される粉末14がウェブの側部に実質的に直交するストリップであるように、粉末除去ヘッド10の接近角度および移動速度を調整することができる。
【0024】
図6は、本開示の態様による、縁部ノズル30および32並びに中央ノズル34の動作を制御するための制御システム600の概略図を示す。具体的には、
図3に関して上述したように、制御システム600は、センサS1、S2およびS3と、コンピュータシステム610(例えば、
図7参照)と、第1の側部ノズル30の動作を制御するための第1の側部ノズルコントローラ620と、第2の側部ノズル32の動作を制御するための第2の側部ノズルコントローラ622と、中央ノズル34の動作を制御するための中央ノズルコントローラ624とを含む。センサS1およびS2は、それぞれ、削り取られた部分の縁部における粉末の山またはマウンドの高さおよび幅などの粉末のパラメータだけでなく、(1)ノズルのうちの1つまたは複数の直径のサイズ、(2)基板からのノズルの垂直距離、および(3)基板に対するノズルの配向角度(α
1、α
2)のうちの1つまたは複数も感知する。センサS3は、中央ノズル34およびその下の任意の粉末に関するこの同じ情報を感知する。感知された情報は、コンピュータシステム610(例えば、
図7参照)に送信され、コンピュータシステム610によって実行される処理に基づいて、コンピュータシステム610は、制御信号をコントローラ620、622、および624に提供して、ノズル30、32、および34の動作をそれぞれ制御する。
図6には示されていないが、制御システム600は、粉末除去ヘッド10の動作を制御するためにアクチュエータ38を制御することもできる。
【0025】
図7は、本開示の態様が実施され得る、
図6に示されるコンピュータシステム610の例を示すブロック図である。コンピュータシステム610は、情報を通信するためのバス702または他の通信機構と、情報を処理するためにバス702に結合されたプロセッサ704とを含み得る。コンピュータシステム700はまた、情報およびプロセッサ704によって実行される命令を記憶するための、バス702に結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)または他の動的記憶デバイスなどのメインメモリ706を含み得る。メインメモリ706は、プロセッサ704によって実行される命令の実行中に一時的変数または他の中間情報を記憶するためにも使用され得る。
【0026】
コンピュータシステム610は、プロセッサ704のための静的情報および命令を記憶するために、バス702に結合された読み取り専用メモリ(ROM)708または他の静的記憶デバイスをさらに含み得る。フラッシュメモリまたは他の不揮発性メモリなどの記憶デバイス710は、情報および命令を記憶するためにバス702に結合され得る。
【0027】
コンピュータシステム610は、情報を表示するために、バス702を介して、液晶ディスプレイ(LCD)等のディスプレイ712に結合されてもよい。例示的ユーザ入力デバイス714等の1つ以上のユーザ入力デバイスは、バス702に結合されてもよく、ユーザコマンド選択等の種々のユーザ入力を受信し、これらをプロセッサ704またはメインメモリ706に通信するように構成されてもよい。ユーザ入力デバイス714は、ユーザ入力モードまたはオプションを提供する物理的構造、または仮想実施、またはその両方と、ディスプレイ712を通して、または他の技法を通してユーザに可視である、例えば、カーソルを制御するためのカーソル制御716とを含み得、そのようなモードまたは動作は、例えば、仮想マウス、トラックボール、またはカーソル方向キーを含み得る。
【0028】
コンピュータシステム610は、それぞれのプログラム命令を重複またはインターリーブ方式で実行するプロセッサ704のそれぞれのリソースを含むことができる。命令は、記憶装置710などの別の機械可読媒体からメインメモリ706に読み込まれてもよい。いくつかの例では、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路(hard-wired circuitry)を使用することができる。本明細書で使用される「機械可読媒体」という用語は、機械を特定の方法で動作させるデータを提供することに関与する任意の媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むが、それらに限定されない形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置710などの光ディスクまたは磁気ディスクを含むことができる。伝送媒体は、光学経路、または電気もしくは音響信号伝搬経路を含んでもよく、機械への入力のための物理的機構によって検出可能な命令を搬送することが可能な、電波および赤外線データ通信中に生成されるもの等の音響または光波を含んでもよい。
【0029】
コンピュータシステム610はまた、ローカルネットワーク722に接続されたネットワークリンク720に結合する双方向データ通信のために、バス702に結合された通信インターフェース718を含むことができる。ネットワークリンク720は、1つまたは複数のネットワークを介して他のデータデバイスにデータ通信を提供することができる。例えば、ネットワークリンク720は、ローカルネットワーク722を介してホストコンピュータ724またはインターネットサービスプロバイダ(ISP)726によって操作されるデータ機器への接続を提供して、インターネット728を介してサーバ730にアクセスし、例えば、アプリケーションプログラムのコードを取得することができる。
【0030】
上記の説明は、主に3D印刷の環境において粉末を除去することに関して提示されているが、本開示の装置および方法は、3Dプリンタのための粉末除去のみに限定されず、それらは、粉末が除去される部分と粉末が残る部分との間の明確な境界を伴って、基材の隣接する部分上に粉末を残しながら、基材の一部分から粉末を除去することが所望される任意の状況において使用され得ることに留意されたい。
【0031】
以下では、本発明のさらなる特徴、特性および利点を項目によって説明する。
【0032】
項目1:粉末が堆積した基板から粉末を除去するための装置が提供され、この装置は、基板の隣接する部分の間に位置する基板の第1の部分に接触してこれを横切って移動し、隣接する部分に堆積した粉末を掻き取ることなく第1の部分から粉末を掻き取るように構成されたブレードと、一対の縁部真空ノズルと、一対の縁部真空ノズルの間に位置する中央真空ノズルとを含み、各縁部真空ノズルおよび中央真空ノズルは、粉末がブレードによって掻き取られた後、隣接する部分に堆積した粉末を除去することなく第1の部分の両縁部および第1の部分の中央領域から粉末を除去するようにブレードと共に移動するように構成される。
【0033】
項目2:粉体が堆積したウェブから粉体を除去するための装置であって、第1の部分の一方の側のウェブの第2の部分と、第2の部分の反対側の第1の部分の第2の側のウェブの第3の部分との間に位置するウェブの第1の部分に接触し、第1の部分を横切って移動して、第2および第3の部分に堆積した粉体を除去することなく第1の部分に堆積した粉体を除去するように構成された可撓性ブレードと、可撓性ブレードが第1の部分を横切って移動する間、可撓性ブレードの第1の縁部に隣接し、ウェブの第1および第2の部分の境界に隣接して位置する第1の縁部真空ノズルと、可撓性ブレードが第1の部分を横切って移動する間、可撓性ブレードの第1の縁部の反対側の可撓性ブレードの第2の縁部に隣接し、ウェブの第1および第3の部分の境界に隣接して位置する第2の縁部真空ノズルとを含む、第1の部分を横切って可撓性ブレードと共に移動するように構成された一対の縁部真空ノズルであって、第1および第2の縁部真空ノズルは、第1の部分において可撓性ブレードによって掻き取られた粉体をそれぞれ吸引するように構成されている、一対の縁部真空ノズルと、を備える装置が提供される。
【0034】
項目3:項目2に記載の装置であって、可撓性ブレードに隣接して配置され、可撓性ブレードと共に第1の部分を横切って移動するように構成された中央真空ノズルを更に含み、中央真空ノズルは、第1の縁部真空ノズルと第2の縁部真空ノズルとの間に配置され、第1の部分と第2の部分および第3の部分との境界の間の第1の部分において可撓性ブレードによって掻き取られた粉末を吸引するように構成されている。
【0035】
項目4:項目2または3に記載の装置であって、可撓性ブレードの両側に配置された一対のプレートを備える。一対のプレートは、一対のプレートの間に可撓性ブレードを挟むように構成される。
【0036】
項目5:項目2~4のいずれか一項に記載の装置であって、一対のプレートがそれぞれ、可撓性ブレードよりも可撓性が低い材料から構成される。
【0037】
項目6:項目2~5のいずれか一項に記載の装置であって、可撓性ブレードは、可撓性ブレードの延在する先端部分のみがウェブの第1の部分に接触するように、一対のプレートの下縁を越えて延在する可撓性ブレードの先端部分を含むように、一対のプレートの間に位置する。
【0038】
項目7:項目2~6のいずれか一項に記載の装置であって、可撓性ブレードは、スクウィーズ(squeegee)スタイルの材料から構成される。
【0039】
項目8:請求項2~7のいずれか一項に記載の装置であって、可撓性ブレード、一対の縁部真空ノズル、中央真空ノズル、および一対のプレートが、粉末除去ヘッドを備え、粉末除去ヘッドが、ウェブの第1の部分にわたって粉末除去ヘッドを移動させるように構成されたアクチュエータアームに結合されている。
【0040】
項目9:項目8に記載の装置であって、粉末除去ヘッドは、粉末除去ヘッドがXおよびY方向に移動し、ウェブに対して角度方向に回転することを可能にするように、アクチュエータアームに結合されている。
【0041】
項目10:項目8または9に記載の装置であって、粉末除去ヘッドは、粉末除去ヘッドがZ方向に移動できるようにアクチュエータアームに結合されている。
【0042】
項目11:項目1に記載の装置であって、基材が可撓性ウェブから構成される。
【0043】
項目12:項目1または11に記載の装置であって、ブレードが可撓性である。
【0044】
項目13:項目1または11に記載の装置であって、ブレードが非可撓性である。
【0045】
項目14:項目1、11~13のいずれか一項に記載の装置であって、前記ブレードは、前記基板に接触する端部とは反対側の端部でヒンジ結合され、前記ブレードが前記基板の表面を横切って移動するときに、前記基板の表面の上方で垂直に前記ブレード上を移動することを可能にする。
【0046】
項目15:項目1~14のいずれか一項に記載の装置であって、各エッジ真空ノズルが、独立して動作するように構成されている。
【0047】
項目16:項目1~15のいずれか一項に記載の装置であって、縁部真空ノズルのそれぞれが、可変直径の開口を備える。
【0048】
項目17:項目1、11~16のいずれか一項に記載の装置であって、エッジ真空ノズルのそれぞれの配向角度が、基板に対して独立して調整可能であるように構成されている。
【0049】
項目18:項目1~17のいずれか一項に記載の装置であって、制御システムと、エッジ真空ノズルに関連付けられた1つまたは複数のセンサとをさらに含み、1つまたは複数のセンサからのデータが制御システムに情報を提供し、それによって、(1)ノズルのうちの1つまたは複数の直径のサイズ、(2)基板からのノズルの垂直距離、および(3)エッジノズルのうちの少なくとも1つの配向の角度のうちの1つまたは複数の動的調整を容易にする。
【0050】
項目19:項目18に記載の装置であって、1つ以上のセンサからのデータは、粉末の縁部のうちの少なくとも1つにおける粉末の幅、縁部のうちの少なくとも1つにおける粉末の高さ、および粉末のパラメータのうちの1つ以上を含む。
【0051】
項目20:粉体が堆積した基材から粉体を除去する方法であって、基材の隣接する部分の間に位置する基材の第1の部分を横切ってブレードを接触させて移動させ、隣接する部分に堆積した粉体を掻き取ることなく第1の部分から粉体を掻き取り、一対の縁部真空ノズルと、一対の縁部真空ノズルの間に位置する中央真空ノズルとを使用して、粉体がブレードによって掻き取られた後、隣接する部分に堆積した粉体を除去することなく、第1の部分の両方の縁部および第1の部分の中央領域から粉体を除去する。
【0052】
項目21:項目20に記載の方法であって、ブレード、一対のエッジ真空ノズル、および中央真空ノズルが、粉末除去ヘッドを備え、方法が、アクチュエータアームを介して粉末除去ヘッドを基板の第1の部分にわたって移動させることを更に含む。
【0053】
項目22:項目20に記載の方法であって、ブレードが、基材に接触する端部とは反対側の端部でヒンジ結合され、方法が、ブレードが基材の表面を横切って移動するときに、ブレードを基材の表面の上方で垂直に移動させることを更に含む。
【0054】
項目23:項目20に記載の方法であって、中央真空ノズルおよび各縁部真空ノズルを互いに独立して動作させることを更に含む。
【0055】
項目24:項目20に記載の方法であって、前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルに関連付けられたセンサを介して、前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルからのデータを感知することをさらに含み、前記センサからの前記データは、(1)前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルのうちの1つ以上の直径のサイズ、(2)前記基板からの前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルのうちの前記1つ以上の垂直距離、および(3)前記基板に対する前記中央真空ノズルおよび前記エッジ真空ノズルのうちの少なくとも1つの配向の角度、のうちの1つ以上の動的調整を提供するために、制御システムに情報を提供する。
【0056】
項目25:項目24に記載の方法であって、1つ以上のセンサからのデータが、粉末の縁部のうちの少なくとも1つにおける粉末の幅、縁部のうちの少なくとも1つにおける粉末の高さ、および粉末のパラメータのうちの1つ以上を含む。
【0057】
様々な実施形態が説明されてきたが、説明は、限定ではなく例示であることが意図されており、実施形態の範囲内にあるより多くの実施形態が可能であることが理解される。特徴の多くの可能な組み合わせが添付の図面に示され、この詳細な説明で論じられているが、開示された特徴の多くの他の組み合わせが可能である。任意の実施形態の任意の特徴は、具体的に制限されない限り、任意の他の実施形態における任意の他の特徴または要素と組み合わせて使用されてもよく、またはそれらの代わりに使用されてもよい。したがって、本開示において示され、かつ/または論じられる特徴のいずれも、任意の適切な組み合わせで一緒に実装され得ることが理解されよう。
【0058】
上記は、最良の形態および/または他の例であると考えられるものを説明してきたが、その中で様々な修正を行うことができ、本明細書で開示される主題は様々な形態および例で実施することができ、教示は多数の用途に適用することができ、そのうちのいくつかのみが本明細書で説明されていることが理解される。
【0059】
特に明記しない限り、本明細書に記載される全ての測定値、値、定格、位置、大きさ、サイズ、および他の仕様は、近似値であり、正確ではない。それらは、それらが関連する機能およびそれらが関係する技術分野において慣習的であるものと一致する妥当な範囲を有することが意図される。
【0060】
本明細書で使用される用語および表現は、特定の意味が本明細書に別途記載されている場合を除いて、それらの対応するそれぞれの調査および研究分野に関してそのような用語および表現に与えられる通常の意味を有することが理解されるであろう。第1および第2などの関係用語は、そのようなエンティティまたはアクション間の実際のそのような関係または順序を必ずしも要求または暗示することなく、単に1つのエンティティまたはアクションを別のエンティティまたはアクションと区別するために使用され得る。用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、またはそれらの任意の他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙されていないか、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含を網羅することが意図される。「a」または「an」が先行する要素は、さらなる制約なしに、その要素を含むプロセス、方法、物品、または装置における追加の同一の要素の存在を排除しない。
【国際調査報告】