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特表2025-502287半導体デバイスおよび半導体デバイスを動作させるための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】半導体デバイスおよび半導体デバイスを動作させるための方法
(51)【国際特許分類】
   H10D 84/80 20250101AFI20250117BHJP
   H10D 12/00 20250101ALI20250117BHJP
【FI】
H01L29/78 657
H01L29/78 657D
H01L29/78 655B
H01L29/78 655F
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024542075
(86)(22)【出願日】2022-12-20
(85)【翻訳文提出日】2024-07-12
(86)【国際出願番号】 EP2022087061
(87)【国際公開番号】W WO2023134981
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】22151284.1
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523380173
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボクスティーン,ボニ・コフィ
(72)【発明者】
【氏名】ビターレ,ボルフガング・アマデウス
(72)【発明者】
【氏名】セルバ,クルファラン
(72)【発明者】
【氏名】メセマノリス,アタナシオス
(57)【要約】
一実施形態によれば、半導体デバイス(100)は、半導体本体(1)と、第1の電極(2)と、ゲート電極(3)と、可変抵抗素子(4)とを備える。可変抵抗素子は、ゲート電極および第1の電極に電気的に接続される。可変抵抗素子は、少なくとも第1および第2の状態を有する。第1の状態において、可変抵抗素子は、電流が可変抵抗素子を介して第1の電極からゲート電極へと流れ、あるいは逆に流れることを抑えるために、電気絶縁体として働く。第2の状態において、可変抵抗素子は、電流が可変抵抗素子を介して第1の電極からゲート電極へと流れ、あるいは逆に流れることを可能にするために、導電体として働く。可変抵抗素子は、可変抵抗素子の温度が臨界温度Tcを超えて上昇するときに第1の状態から第2の状態へと遷移するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイス(100)であって、
・半導体本体(1)と、
・第1の電極(2)と、
・ゲート電極(3)と、
・可変抵抗素子(4)と
を備えており、
・前記可変抵抗素子(4)は、前記ゲート電極(3)および前記第1の電極(2)に電気的に接続され、
・前記可変抵抗素子(4)は、少なくとも第1および第2の状態を有し、
・前記第1の状態において、前記可変抵抗素子(4)は、電流が前記可変抵抗素子(4)を介して前記第1の電極(2)から前記ゲート電極(3)へと流れ、あるいは逆に流れることを抑えるために電気絶縁体として働き、
・前記第2の状態において、前記可変抵抗素子(4)は、電流が前記可変抵抗素子(4)を介して前記第1の電極(2)から前記ゲート電極(3)へと流れ、あるいは逆に流れることを可能にするために導電体として働き、
・前記可変抵抗素子(4)は、前記可変抵抗素子(4)の温度が臨界温度Tcを超えて上昇するときに前記第1の状態から前記第2の状態への滑らかな遷移を、前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が生じる温度範囲ΔTが少なくとも50℃であるように行うように構成されている、半導体デバイス(100)。
【請求項2】
・前記可変抵抗素子(4)は、前記半導体デバイス(100)のうちの前記ゲート電極(3)のゲートパッド端子(30)の下方の領域に位置する
請求項1に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項3】
・前記半導体デバイス(100)は、前記半導体デバイス(100)の異なる位置に配置され、互いに離間して位置するいくつかの可変抵抗素子(4)を備える
請求項1または2に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項4】
・前記可変抵抗素子(4)は、前記ゲート電極(3)のゲートランナ(31)の下方に配置される
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項5】
・前記可変抵抗素子(4)は、相変化材料を備える
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項6】
・前記第2の状態における前記可変抵抗素子(4)の導電率が、前記第1の状態における前記可変抵抗素子(4)の導電率の少なくとも100倍である
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項7】
・前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が生じる前記温度範囲ΔTが、少なくとも100℃である
先行する請求項のいずれかに記載の半導体素子(100)。
【請求項8】
・前記臨界温度Tcが、前記半導体デバイス(100)の通常の動作温度よりも少なくとも50℃高い
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項9】
・前記可変抵抗素子(4)は、以下の材料、すなわちGeTeおよびAlドープGeSbTeのうちの1つ以上を含み、あるいはそれらからなる
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項10】
・前記第1の状態から前記第2の状態への前記可変抵抗素子(4)の遷移は、可逆である
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項11】
・前記第1の状態から前記第2の状態への前記可変抵抗素子(4)の遷移は、不可逆である
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項12】
・前記半導体デバイスは、パワー半導体デバイスである
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項13】
・前記半導体デバイス(100)は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよび/またはMOSFETを備える
先行する請求項のいずれかに記載の半導体デバイス(100)。
【請求項14】
先行する請求項のいずれか1項に記載の半導体デバイス(100)を動作させるための方法であって、
・前記可変抵抗素子(4)の温度を前記臨界温度Tcを超えて上昇させる短絡が前記半導体デバイス(100)に現れるまで、前記可変抵抗素子(4)が前記第1の状態にある状態で前記半導体デバイス(100)を動作させることと、
・前記可変抵抗素子(4)を前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えることと、
・前記第2の状態の前記可変抵抗素子(4)を介して前記半導体本体(1)と前記ゲート電極(3)との間に電流を導くことと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体デバイスおよび半導体デバイスを動作させるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
短絡に対する耐久性が、例えばパワーエレクトロニクスにおける大多数の用途にとって重要な要件である。短絡時に、デバイスは、高電圧および大電流の両方に一定の期間にわたって耐えなければならない。短絡状態が充分に早期に検出または制限されない場合、デバイスは最終的に破壊される。短絡の理解は、短絡パルスのさまざまな部分(ターンオン、プラトー、ターンオフ、熱暴走)で障害が発生する可能性があり、根底をなす物理的機構が異なる性質のものであり得るため、大きな研究的関心の項目である。たとえ1つの弱いチップが短絡状態において故障しただけでも、爆発を引き起こし、システム全体に重大な損傷を与える可能性がある。短絡故障の防止の重要性が、設計上の制約につながり、デバイス性能の厳しい制限を引き起こす可能性がある。
【0003】
米国特許出願公開第2016/163689号明細書が、トランジスタセルと熱抵抗素子とを有する半導体デバイスに関する。欧州特許出願公開第2 937 960号明細書が、高温および大電流を自動的に遮断する方法に関する。米国特許出願公開第2010/001785号明細書が、半導体部品および温度を決定する方法に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば自動的な短絡の抑制を備え、かつ/または短絡に対する耐久性が改善された半導体デバイスなど、改善された半導体デバイスが必要とされている。さらに、そのような半導体デバイスを動作させるための方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、例えば自動的な短絡の検出および抑制を備え、かつ/または短絡に対する耐久性が改善された半導体デバイスなど、改善された半導体デバイスに関する。さらに、実施形態は、そのような半導体デバイスを動作させるための方法に関する。
【0006】
まず、半導体デバイスを規定する。
一実施形態によれば、半導体デバイスは、半導体本体と、第1の電極と、ゲート電極と、可変抵抗素子とを備える。可変抵抗素子は、ゲート電極および第1の電極に電気的に接続される。可変抵抗素子は、少なくとも第1および第2の状態を有する。第1の状態において、可変抵抗素子は、電流が可変抵抗素子を介して第1の電極からゲート電極へと流れ、あるいは逆に流れることを抑えるために、電気絶縁体として働く。第2の状態において、可変抵抗素子は、電流が可変抵抗素子を介して第1の電極からゲート電極へと流れ、あるいは逆に流れることを可能にするために、導電体として働く。可変抵抗素子は、可変抵抗素子の温度が臨界温度Tcを超えて上昇するときに第1の状態から第2の状態へと遷移するように構成される。
【0007】
第1の電極とゲート電極との間の可変抵抗素子により、短絡の検出および反応のためのスマートゲート信号ヒューズが実現される。可変抵抗素子は、デバイスの通常の動作条件において、すなわち温度がTc未満であるとき、きわめて低い導電率を有する。したがって、可変抵抗素子は、電気絶縁体として効果的に作用する。デバイス、およびそれと共に可変抵抗素子が、例えば短絡に起因して臨界温度Tcを超えて加熱すると、それは、導体として効果的に作用するように、熱によって引き起こされる導電率の増加を被る。
【0008】
例えば、絶縁ゲートトランジスタである半導体デバイスの場合、しきい値電圧VTHよりも高いゲート電圧V1E(第1の電極とゲート電極との間の電圧)が印加されると、大電流がデバイスを通って流れ始め、デバイスの平均温度が上昇する。通常の動作条件において、この温度上昇は、可変抵抗素子が配置されている位置において臨界温度Tcに到達するのに充分ではない。しかしながら、短絡状態においては、例えばデバイスが遮断状態にあるとき、デバイスはより高い温度レベルに達し、最終的には臨界温度Tcを上回る。可変抵抗素子が導通し始めると、ゲート電圧V1Eは低下し、最終的にVthを下回り、デバイスを通る電流が減少する。電流の減少は、外部検出が遅れる場合でも、デバイスの自己加熱および破壊の停止を可能にする。
【0009】
このように、提示される半導体デバイスの1つの利点は、高速なオンチップでの短絡検出および反応を可能にすることである。これは、システムレベル、すなわちオフチップでのより複雑な「高速」検出システムに制限されることがない高速な短絡検出システムのすべての付随するチップ最適化の利点を提供する。したがって、本明細書に開示されるオンチップ保護方法は、とりわけ、システムレベルの短絡保護設計のコスト/複雑さを低減する機会を提供する。
【0010】
半導体デバイスは、半導体チップであってよい。半導体本体は、例えば、シリコンをベースとする。第1の電極は、例えば、半導体デバイスがIGBTまたはRC-IGBTである場合、エミッタ電極であってよい。あるいは、例えば、半導体デバイスがMOSFETである場合、第1の電極はソース電極であってよい。第1の電極は、金属を含んでよく、あるいは金属からなってよい。
【0011】
ゲート電極は、半導体デバイスの通常の動作において、半導体本体および/または第1の電極から電気的に絶縁されてよい。換言すると、半導体デバイスは、絶縁ゲートデバイスであってよい。例えば、SiOなどの絶縁材料がゲート電極と半導体本体との間に配置される。したがって、可変抵抗素子が第1の状態にあるとき、ゲート電極は、半導体本体および/または第1の電極から電気的に絶縁される。ゲート電極は、金属および高度にドープされたポリシリコンのうちの1つ以上を含んでよく、あるいはそれらで構成されてよい。
【0012】
可変抵抗素子は、絶縁材料を貫いて延在できる。例えば、絶縁材料は、抵抗素子を横方向から取り囲む。本明細書において、横方向は、半導体本体の主たる広がりの平面に平行な方向であると理解される。
【0013】
可変抵抗素子は、ゲート電極および第1の電極に電気的に接続される。これは、可変抵抗素子がゲート電極および/または第1の電極に直接的または間接的に電気的に接続されることを意味する。本明細書における「直接的に電気的に接続される」は、可変抵抗素子がそれぞれの電極に直接接触すること、すなわち直接的な機械的接触が存在することを意味する。本明細書における「間接的に電気的に接続される」は、直接的な機械的接触が存在しないが、半導体本体の一部などのさらなる導電材料が、可変抵抗素子とそれぞれの電極との間に配置されることを意味する。例えば、可変抵抗素子は、ゲート電極に直接的に電気的に接続され、第1の電極に間接的に電気的に接続される。例えば、可変抵抗素子は、ゲート電極と半導体本体との間に配置される。
【0014】
第1の状態において、可変抵抗素子は、実質的に絶縁体として働く。例えば、第1の状態において、可変抵抗素子は、最大10S/mまたは最大1・10-2S/mまたは最大1・10-5S/mの導電率を有する。
【0015】
第2の状態において、可変抵抗素子は、実質的に導体として働く。例えば、第2の状態において、可変抵抗素子は、少なくとも10S/mまたは少なくとも10S/mまたは少なくとも10S/mの導電率を有する。
【0016】
例えば、第1の状態における導電率は、第2の状態における導電率よりも少なくとも2桁または少なくとも5桁または少なくとも10桁小さい。
【0017】
例えば、可変抵抗素子は、可変抵抗素子の第1の状態において、ゲート電極と第1の電極との間に電圧差V1Eが現れ、したがって可変抵抗素子が第2の状態に切り替わると、可変抵抗素子を介して電極間に電流が流れることによって電圧差V1Eが自動的に減少するように構成される。したがって、V1Eは、例えば少なくとも20%または少なくとも50%または少なくとも90%減少する。例えば、第1の状態における半導体デバイスのしきい値電圧Vthを上回る電圧差V1Eは、第2の状態においてVthを下回る電圧差まで減少する。
【0018】
可変抵抗素子は、第1の状態から第2の状態へと自動的に遷移するように構成されてよい。これは、可変抵抗素子が第1の状態から第2の状態へと外部から切り替えられるのではないことを意味する。むしろ、可変抵抗素子の抵抗に影響を及ぼす可変抵抗素子の物理的および/または化学的特性が温度依存性であるため、Tcを上回る温度の変化が、可変抵抗素子の抵抗の変化を自動的にもたらす。あるいは、可変抵抗素子は、例えば外部トリガなどのトリガによって第1の状態から第2の状態へと遷移するように構成されてもよい。
【0019】
可変抵抗素子は、温度が臨界温度Tcを上回って上昇するときに第1の状態から第2の状態へと遷移するように構成される。これは、温度がT<Tcから温度Tcまで上昇するとき、可変抵抗素子が第1の状態のままであることを意味し得る。温度がTcからΔTだけさらに上昇すると、温度Tc+ΔTにおいて可変抵抗素子が第2の状態となるように、導電率が変化する。これは、とくには、温度T=Tc+ΔTの前後ではなく、正確に温度T=Tc+ΔTにおいて第2の状態に達することを意味する。すなわち、遷移はTc<T<T+ΔTの範囲において生じる。
【0020】
さらなる実施形態によれば、可変抵抗素子は、半導体デバイスのうちのゲート電極のゲートパッド端子の下方の領域に位置する。ゲートパッド端子は、半導体デバイスの動作時に外部と電気的に接触するように構成されたゲート電極の領域である。例えば、ゲートパッド端子は、半導体デバイスのエッジおよび/または角部に配置される。ゲートパッド端子は、ゲート電極が最も大きい直径/幅を有するゲート電極の領域であってよい。上面図において、ゲートパッド端子は、矩形の形状を有してよい。
【0021】
さらなる実施形態によれば、半導体デバイスは、いくつかの可変抵抗素子を備える。1つの抵抗素子に関連してこれまでに開示したすべての特徴、および以下で開示されるすべての特徴は、他の抵抗素子についても開示される。異なる抵抗素子が、半導体デバイスの異なる位置に配置されてよい。例えば、異なる可変抵抗素子は互いに離間している。可変抵抗素子は、ゲート電極と第1の電極との間に互いに並列に接続されてよい。
【0022】
さらなる実施形態によれば、可変抵抗素子は、ゲート電極のゲートランナの下方に配置される。ゲートランナは、ゲート電極のうち、横方向において第1の電極の周りに延在し、かつ/または半導体デバイスのエッジに沿って延在する部分である。例えば、ゲートランナは、ゲートパッド端子から半導体デバイスのエッジに沿って延在し、再びゲートパッド端子に到達する。ゲートランナは枠状であってよい。
【0023】
例えば、複数の可変抵抗素子がゲートランナの下方に配置される。例えば、可変抵抗素子は、ゲートランナの延在に沿って均一に、すなわち一定の間隔で配置される。
【0024】
可変抵抗素子は、ゲート電極と半導体本体との間に配置されてよく、かつ/または少なくとも部分的に半導体本体内へと延びてよい。例えば、可変抵抗素子は、半導体本体によって少なくとも部分的に横方向から取り囲まれる。
【0025】
可変抵抗素子が電極の下方に配置されることは、上面図において、例えば半導体本体の主面上で、電極が可変抵抗素子と重なることを意味し得る。
【0026】
上面図において、可変抵抗素子は、長円形または円形または矩形の形状を有してよい。例えば、可変抵抗素子の最大の横方向の広がりは、少なくとも1μmまたは少なくとも10μm、かつ/あるいは最大1000μmまたは最大100μmである。
【0027】
さらなる実施形態によれば、可変抵抗素子は、半導体デバイスのうちの短絡時に最高の温度を有すると予想される領域に配置される。最高の温度が予想される領域を、コンピュータシミュレーションの助けを借りて決定することができる。
【0028】
可変抵抗素子の位置は、短絡保護の要件に応じて選択されてよい。例えば、抵抗素子の応答を高速にするために、抵抗素子は、熱源または短絡が現れる領域の近くに配置される。例えば、抵抗素子の応答を遅くするために、抵抗素子は、熱源または短絡が現れる領域から遠くに配置される。
【0029】
さらなる実施形態によれば、可変抵抗素子は、少なくとも1つの相変化材料(略して、PCM:phase change material)を含み、あるいは少なくとも1つのPCMで構成される。相変化材料は、温度が臨界温度Tcを超えて上昇するときに、その相を例えば非晶質から結晶質に変化させ、したがって導電率に大きな変化をもたらすことができる材料である。
【0030】
さらなる実施形態によれば、第2の状態における可変抵抗素子の導電率が、第1の状態における可変抵抗素子の導電率の少なくとも10倍または少なくとも100倍または少なくとも10倍または少なくとも10倍または少なくとも10倍または少なくとも10倍である。
【0031】
さらなる実施形態によれば、可変抵抗素子は、可変抵抗素子の温度が臨界温度Tcを超えて上昇するときに第1の状態から第2の状態へと急激に遷移するように構成される。本明細書における「急激な」という表現は、遷移が生じる温度範囲ΔTに関する。例えば、第1の状態から第2の状態への遷移が生じる温度範囲ΔTは、最大30℃または最大10℃または最大5℃である。このタイプの可変抵抗素子は、本明細書においてデジタル可変抵抗素子とも呼ばれ得る。
【0032】
あるいは、可変抵抗素子は、可変抵抗素子の温度が臨界温度Tcを超えて上昇するときに、第1の状態から第2の状態へと滑らかに、または緩やかに遷移するように構成されてよい。「滑らか」または「緩やか」も、温度範囲ΔTに関する。例えば、第1の状態から第2の状態への遷移が生じる温度範囲ΔTは、少なくとも50℃または少なくとも75℃または少なくとも100℃、かつ/あるいは最大200℃である。とくには、第1の状態から第2の状態へと切り替わる場合、温度T=Tc+ΔTまでは第2の状態に達しない。このタイプの可変抵抗素子は、本明細書においてアナログ可変抵抗素子とも呼ばれ得る。このような可変抵抗素子により、自己調整型のゲート電流を実現することができる。
【0033】
例えば、抵抗素子の材料中のドーピング濃度を調整することによって、臨界温度Tcおよび/または温度範囲ΔTを調整することができる。
【0034】
さらなる実施形態によれば、臨界温度Tcは、半導体デバイスの通常の動作温度よりも少なくとも50℃、または少なくとも75℃、または少なくとも100℃高い。半導体デバイスの通常の動作温度、すなわち短絡が現れていない動作モードは、少なくとも100℃かつ/または最大200℃であってよい。
【0035】
さらなる実施形態によれば、可変抵抗素子は、以下の材料:GeTe、およびAlドープGeSbTe、すなわちAlx(GeSbTe1-x(例えば、0≦x≦0.3)のうちの1つ以上を含み、あるいはそのような材料からなる。xの値が大きいほど、臨界温度Tcは高くなるが、第1の状態から第2の状態への遷移は滑らかになる。上述の材料は、相変化材料の例である。
【0036】
さらなる実施形態によれば、第1の状態から第2の状態への可変抵抗素子の遷移は、可逆である。これは、温度の上昇によって第1の状態から第2の状態に切り替わった後に、第2の状態から出発して温度が臨界温度Tc未満に低下するとき、可変抵抗素子が、例えば自動的に、第1の状態に切り替わることを意味する。この場合は、短絡後に半導体デバイスを通常どおりに動作させることができるため、有利であり得る。例えば、抵抗素子は、可逆性を達成するために、1つ以上の酸化バナジウム系材料を含んでよく、あるいは1つ以上の酸化バナジウム系材料で構成されてよい。
【0037】
さらなる実施形態によれば、第1の状態から第2の状態への可変抵抗素子の遷移は、不可逆である。これは、温度の上昇によって第1の状態から第2の状態に切り替わった後に、第2の状態から出発して温度が臨界温度未満に低下するとき、可変抵抗素子が、自動的には再び第1の状態に切り替わらないことを意味する。例えば、第2の状態のままであり、あるいは第1の状態とは異なる第3の状態に切り替わる。第3の状態は、可変抵抗素子が依然として導体のように振る舞う状態であってよい。例えば、抵抗素子は、不可逆性を達成するために、1つ以上の酸化チタン系材料を含んでよく、あるいは1つ以上の酸化チタン系材料で構成されてよい。
【0038】
さらなる実施形態によれば、半導体デバイスは、パワー半導体デバイスである。例えば、半導体デバイスの動作電圧は、少なくとも500Vまたは少なくとも1000Vまたは少なくとも3000Vまたは少なくとも6000Vである。動作電圧は、半導体デバイスの通常の動作における第1の電極と第2の電極との間の電圧であってよい。
【0039】
さらなる実施形態によれば、半導体デバイスは、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(略して、IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)であり、あるいは絶縁ゲートバイポーラトランジスタを備える。半導体デバイスは、例えばバイモード絶縁ゲートトランジスタ(略して、BIGT:Bi-mode Insulated Gate Transistor)など、逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(略して、RC-IGBT:Reverse-Conducting Insulated Gate Bipolar Transistor)を備えてよく、あるいは逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタであってよい。
【0040】
さらなる実施形態によれば、半導体デバイスは、MOSFETであり、あるいはMOSFETを備える。
【0041】
さらなる実施形態によれば、半導体デバイスは、例えばIGCTまたはGTOなど、サイリスタであり、あるいはサイリスタを備える。
【0042】
次に、半導体デバイスを動作させるための方法が規定される。例えば、本方法は、本明細書に記載の実施形態の任意の1つによる半導体デバイスを動作させる。したがって、半導体デバイスに関連して開示されるすべての特徴は、本方法についても開示されており、逆もまた同様である。
【0043】
一実施形態によれば、半導体デバイスを動作させるための方法は、
・可変抵抗素子の温度を臨界温度Tcを超えて上昇させる短絡が半導体デバイスに現れるまで、可変抵抗素子が第1の状態にある状態で半導体デバイスを動作させることと、
・可変抵抗素子を第1の状態から第2の状態に切り替えることと、
・第2の状態の可変抵抗素子を介して半導体本体とゲート電極との間に電流を導くことと
を含む。
【0044】
第1の状態の可変抵抗素子を有する半導体デバイスを動作させることは、第1の電極とゲート電極との間に電圧差を印加すること、および/または第1の電極を介して電流を注入することを含むことができる。短絡が、半導体デバイスの遮断状態において現れ得る。第1の状態から第2の状態への切り替えは、自動的に行われても、温度が臨界温度を超えて上昇するときにトリガされてもよい。可変抵抗素子を通って電流を導くことは、可変抵抗素子が第2の状態にあるときに自動的に起こり得る。例えば、第1の電極とゲート電極との間の電圧差により、電流が第2の状態にあるときに自動的に可変抵抗素子を通って流れる。
【0045】
以下で、半導体デバイスを、例示的な実施形態に基づき、図面を参照してさらに詳細に説明する。添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれる。図において、同一の構造および/または機能の要素を、同じ参照符号によって参照することができる。図中に示される実施形態が、説明用の表現であり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。異なる図において要素または構成要素がそれらの機能に関して互いに対応する限りにおいて、以下の図の各々においてそれらの説明は繰り返さない。分かりやすくするために、いくつかの要素について、すべての図には対応する参照符号が示されないかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】半導体デバイスの第1の例示的な実施形態を断面図にて示している。
図2】半導体デバイスの第2の例示的な実施形態を種々の図にて示している。
図3】半導体デバイスの第2の例示的な実施形態を種々の図にて示している。
図4】半導体デバイスの第2の例示的な実施形態を種々の図にて示している。
図5】相変化材料の測定値を示している。
図6】半導体デバイスを動作させるための方法の例示的な実施形態のフローチャートを示している。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1の半導体デバイス100の第1の例示的な実施形態は、例えばシリコンをベースとする半導体本体1を備える。半導体本体1の上面に、第1の電極2およびゲート電極3が配置されている。ゲート電極3は、例えばSiOを含み、あるいはSiOからなる絶縁材料9によって、半導体本体1から離間している。可変抵抗素子4が、このゲート電極3から絶縁材料9を貫いて半導体本体1へと延びている。半導体本体1の主たる広がりの平面に平行な横方向において、可変抵抗素子4は、絶縁材料9によって取り囲まれ、例えば完全に取り囲まれている。
【0048】
可変抵抗素子4は、ゲート電極3に直接的に電気的に接触し、第1の電極2に半導体本体1の半導体材料を介して間接的に電気的に接触する。
【0049】
可変抵抗素子4は、少なくとも2つの状態を含む。第1の状態において、可変抵抗素子4は、第1の電極2とゲート電極3との間の電流の流れを抑制または防止するために、電気絶縁体として作用し、あるいは電気絶縁体のように挙動する。可変抵抗素子4が臨界温度Tcを超えて加熱されると、可変抵抗素子4は第1の状態から第2の状態へと遷移し、第2の状態において、可変抵抗素子4は、可変抵抗素子4を介した第1の電極2とゲート電極3との間の電流の流れを可能にするために、導電体として作用し、あるいは導電体のように挙動する。例えば、遷移は自動的に生じる。
【0050】
通常は、半導体デバイス内の短絡が、急速な温度上昇をもたらす。このような短絡は、第1の電極2とゲート電極3との間の電圧が、意図せずしきい値電圧Vthを超えて上昇した場合に生じ得る。可変抵抗素子4は、急激な温度上昇に基づいて短絡などを認識し、第1の電極2とゲート電極3との間に電流経路をもたらすことで、この短絡に反応するように構成されている。第1の電極2からゲート電極3、またはその逆に電流が流れることにより、第1の電極2とゲート電極3との間の電圧差が小さくなり、短絡を停止させることができる。すなわち、可変抵抗素子4は、短絡を自動的に検出し、短絡を自動的にオフにする。第2の状態の可変抵抗素子4によって提供される電流経路は、ゲート電極を接地することができる。
【0051】
可変抵抗素子4の材料の誘電率は、例えば、ゲート電極3と第1の電極2との間のキャパシタンスに生じ得る影響が考慮されるように選択される。例えば、可変抵抗素子4の材料の誘電率は、絶縁材料9の誘電率以下となるように選択される。可変抵抗素子4は、GeTeおよびAlドープGeSbTeのうちの1つ以上を含んでよく、あるいはGeTeおよびAlドープGeSbTeのうちの1つ以上からなってよい。
【0052】
図2図4の半導体デバイス100の第2の例示的な実施形態において、半導体デバイス100は、逆導通絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、略してRC-IGBTとして実現される。これにより、図2は断面図である。図4は、RC-IGBT1000を、RC-IGBT100のエミッタ面101の上面図にて示している。図3は、図2の囲み部分をさらに詳細に示している。
【0053】
RC-IGBT100は、ベース層10と、バッファ層11と、コレクタ層12とを有する半導体本体1を備える。バッファ層10およびベース層11は、例えば、n型にドープされる。例えば、バッファ層11におけるドーピング濃度は、ベース層10におけるドーピング濃度よりも大きい。ベース層10は、バッファ層11よりも厚くてよい。さらに、ベース層10および/またはバッファ層11は、半導体本体1のコレクタ層12よりも厚くてよい。コレクタ層12は、異なるドーピング型の領域、すなわちp型ドープ領域およびn型ドープ領域を備える。コレクタ層12は、RC-IGBT100のコレクタ面102を形成する。コレクタ電極5が、コレクタ面102の上部に配置され、コレクタ面102に電気的に接触する。コレクタ電極5は、例えば、金属からなる。
【0054】
コレクタ面102の反対側のエミッタ面101において、半導体本体1は、複数のウェル領域14(よりよく説明するために、図3を参照されたい)を備える。ウェル領域14は、例えばp型にドープされる。ウェル領域14に、例えばn型にドープされたエミッタ領域13が埋め込まれている。エミッタ面101の上部には、第1の電極2すなわちエミッタ電極2が配置され、エミッタ領域13に電気的に接触している。さらに、ゲート電極3が、エミッタ面101に配置され、絶縁材料9によって半導体本体1から絶縁されている。エミッタ電極2およびゲート電極3は、例えば、金属で形成されている。
【0055】
RC-IGBT100のエッジ領域において、ゲート電極2は、可変抵抗素子4に電気的に接続されている。さらに、可変抵抗素子4は、半導体本体1に接続されている。抵抗素子4は、例えば材料に関して、第1の例示的な実施形態の可変抵抗素子4であってよい。可変抵抗素子4が第1の状態から第2の状態に切り替わるとすぐに、電流が、可変抵抗素子4を介してエミッタ電極2とゲート電極3との間に流れることができる。
【0056】
ここで図4に目を向けると、RC-IGBT100が、エミッタ面101の上面図にて示されている。見て取ることができるとおり、ゲート電極3は、デバイス100の角部のゲートパッド端子30と、ゲートランナ31とを備える。ゲートランナ31は、RC-IGBT100のエッジに沿って延在し、枠状の様相でエミッタ電極2を横方向から取り囲む。
【0057】
ゲートパッド端子30の領域に、第1の可変抵抗素子4が配置されている。この可変抵抗素子4は、実際にはゲートパッド端子30の下方に隠れているため、破線で示されている。ゲートランナ31に沿って、さらなる可変抵抗素子4が配置されており、やはり実際には隠れているため、破線の楕円によって示されている。さらなる可変抵抗素子4は、例えば、ゲートランナ31に沿って均一に分布している。
【0058】
1つの可変抵抗素子4をゲートパッド端子30の下方に配置することは、ここが通常は外部電気接点が実現される領域であり、短絡につながる可能性があるゲート電極3とエミッタ電極2との間の意図せぬ大きな電圧降下が最初にゲートパッド端子30の領域に現れるため、有利である。したがって、この領域の可変抵抗素子4は、短絡時にとくに速く反応することができる。
【0059】
図5が、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれるWang et al.,Improved thermal and electrical properties of Al-doped Ge2Sb2Te5 films for phase-change random access memory,Journal of Physics D Applied Physics,2012,DOI:10.1088/0022-3727/45/37/375302から得られたAlx(GeSbTe1-xのシート抵抗の測定結果を示している。x軸に温度が示されている(単位は、℃)。y軸にシート抵抗が示されている(単位は、Ω/□)。合計4つの測定曲線が示されており、すなわち種々のxの値(x=0、x=0.1443、x=0.2173、x=0.2319)についての測定曲線が示されている。シート抵抗が低下する前は、材料は非晶質であり、その後に、材料は結晶質である。Alx(GeSbTe1-xは、相変化材料である。図5に見られるように、x=0において、材料はTc≒170℃で絶縁体から導体への急激な遷移を有する。Alの寄与が大きいほど、遷移はより滑らかになり、臨界温度Tcも高くなる。
【0060】
図6が、半導体デバイスを動作させるための方法の例示的な実施形態のフローチャートを示している。本方法のステップS1において、例えば図1図4のうちの1つである半導体デバイスが、可変抵抗素子が第1の状態にある状態で動作する。これは、半導体デバイスに短絡が現れるように行われ、あるいは半導体デバイスに短絡が現れるまで行われる。短絡により、可変抵抗素子の温度が臨界温度Tcを超えて上昇する。
【0061】
さらなるステップS2において、可変抵抗素子は、第1の状態から第2の状態に切り替わる。これは、臨界温度Tcを超える上昇によって自動的に生じ得る。
【0062】
次いで、ステップS3において、半導体本体とゲート電極との間に第2の状態の可変抵抗素子を介して電流が流れる。これも、例えば、第1の電極とゲート電極との間に電圧差が存在する限り、自動的に生じ得る。
【0063】
上述の図1図4および図6に示した実施形態は、改良された半導体デバイスおよび半導体デバイスを動作させるための方法の例示的な実施形態を表し、したがって、それらは、改良された半導体デバイスおよび方法によるすべての実施形態の完全なリストを構成するものではない。実際の半導体デバイスおよび方法は、例えば配置に関して、示された実施形態とは異なってよい。
【符号の説明】
【0064】
参照符号
1 半導体本体
2 第1の電極
3 ゲート電極
4 可変抵抗素子
5 第2の電極/コレクタ電極
9 電気絶縁材料
10 ベース層
11 バッファ層
12 コレクタ層
30 ゲートパッド端子
31 ゲートランナ
100 半導体デバイス
101 エミッタ面
102 コレクタ面
S1~S2 方法ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイス(100)であって、
・半導体本体(1)と、
・第1の電極(2)と、
・ゲート電極(3)と、
前記半導体デバイス(100)の異なる位置に配置され、互いに離間して位置する複数の可変抵抗素子(4)と
を備えており、
・前記可変抵抗素子(4)は、前記ゲート電極(3)および前記第1の電極(2)に電気的に接続され、
・前記可変抵抗素子(4)の各々は、少なくとも第1および第2の状態を有し、
・前記第1の状態において、前記可変抵抗素子(4)は、電流が前記可変抵抗素子(4)を介して前記第1の電極(2)から前記ゲート電極(3)へと流れ、あるいは逆に流れることを抑えるために電気絶縁体として働き、
・前記第2の状態において、前記可変抵抗素子(4)は、電流が前記可変抵抗素子(4)を介して前記第1の電極(2)から前記ゲート電極(3)へと流れ、あるいは逆に流れることを可能にするために導電体として働き、
・前記可変抵抗素子(4)は、前記可変抵抗素子(4)の温度が臨界温度Tcを超えて上昇するときに前記第1の状態から前記第2の状態への滑らかな遷移を、前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が生じる温度範囲ΔTが少なくとも50℃であるように行うように構成されており、
・可変抵抗素子(4)は、前記半導体デバイス(100)のうちの前記ゲート電極(3)のゲートパッド端子(30)の下方の領域に位置し、複数の可変抵抗素子(4)は、前記ゲート電極(3)のゲートランナ(31)の下方に配置される、ことを特徴とする半導体デバイス(100)。
【請求項2】
・前記可変抵抗素子(4)は、相変化材料を備える
請求項1に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項3】
・前記第2の状態における前記可変抵抗素子(4)の導電率が、前記第1の状態における前記可変抵抗素子(4)の導電率の少なくとも100倍である
請求項1または2に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項4】
・前記第1の状態から前記第2の状態への遷移が生じる前記温度範囲ΔTが、少なくとも100℃である
請求項1または2に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項5】
・前記臨界温度Tcが、前記半導体デバイス(100)の通常の動作温度よりも少なくとも50℃高い
請求項1または2に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項6】
・前記可変抵抗素子(4)は、以下の材料、すなわちGeTeおよびAlドープGeSbTeのうちの1つ以上を含み、あるいはそれらからなる
請求項1または2に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項7】
・前記半導体デバイスは、パワー半導体デバイスである
請求項1または2に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項8】
・前記半導体デバイス(100)は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタおよび/またはMOSFETを備える
請求項1または2に記載の半導体デバイス(100)。
【請求項9】
請求項1または2に記載の半導体デバイス(100)を動作させるための方法であって、
・前記可変抵抗素子(4)の温度を前記臨界温度Tcを超えて上昇させる短絡が前記半導体デバイス(100)に現れるまで、前記可変抵抗素子(4)が前記第1の状態にある状態で前記半導体デバイス(100)を動作させることと、
・可変抵抗素子(4)を前記第1の状態から前記第2の状態に切り替えることと、
・前記第2の状態の前記可変抵抗素子(4)を介して前記半導体本体(1)と前記ゲート電極(3)との間に電流を導くことと
を含む方法。
【国際調査報告】