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特表2025-502305ドアのガス洗浄装置を備える切削装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ドアのガス洗浄装置を備える切削装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20250117BHJP
   B23Q 11/08 20060101ALI20250117BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B23Q11/00 P
B23Q11/08 Z
B08B5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542144
(86)(22)【出願日】2022-12-30
(85)【翻訳文提出日】2024-09-04
(86)【国際出願番号】 US2022082625
(87)【国際公開番号】W WO2023136967
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202210037988.3
(32)【優先日】2022-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ルイピン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ホンシャン ツォウ
【テーマコード(参考)】
3B116
3C011
【Fターム(参考)】
3B116AA47
3B116AB51
3B116BB22
3B116BB88
3C011BB15
3C011DD02
(57)【要約】
本願は、ハウジングと、ドアと、ガス入口を介して洗浄ガスを受け取り、ドアを洗浄するように少なくとも1つの主ガス出口からドアに向かって洗浄ガスを吹き出すように構成されたガス洗浄装置とを有する切削装置を開示する。本願は、ドアを洗浄するようガス洗浄装置を使用し、洗浄ガスによって形成されたガスカーテンは、切削ドアに付着した切削用クーラント、くず及び砂粒子等をバッフルに落とさせ、その後、作業キャビティに戻らせる。さらに、洗浄ガスの吹出角度及び圧力を制御することによって、切削用クーラント、くず及び砂粒子等を、切削装置の外側に落とすことなく、作業キャビティの範囲内に保持することができる。さらに、ドアが開かれる際に、ドアはガス洗浄装置に対して相対的に移動し、これにより、ガス洗浄装置がドアを洗浄する過程は、ドアを開放する過程と実質的に同期され、ガス洗浄装置を通過したドアの部分から作業台又は地面に液体が更に落ちることはない。
【選択図】図1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削装置であって、
作業キャビティを画定するハウジングであって、長さ方向(L)及び高さ方向(H)を有している、ハウジングと、
前記ハウジングに接続され、かつ、前記作業キャビティを開放又は閉鎖するために前記ハウジングの前記長さ方向に沿って移動可能に配置された、ドアと、
前記ドアの内側に位置しかつ前記ハウジングに接続されたガス洗浄装置であって、前記ガス洗浄装置は、ガス入口及び少なくとも1つの主ガス出口を含み、前記ガス入口は、前記少なくとも1つの主ガス出口と流体連通可能であり、前記ガス洗浄装置は、前記ガス入口を介し洗浄ガスを受け取って、前記ドアを洗浄するために前記少なくとも1つの主ガス出口から前記ドアに向け前記洗浄ガスを吹き出すように構成されている、ガス洗浄装置と、
を備える、切削装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの主ガス出口は、ガスカーテンを形成するために、概ね前記ハウジングの前記高さ方向(H)に沿って配列された、複数の第1の主ガス出口を含み、前記ガス洗浄装置は、前記洗浄ガスが前記複数の第1の主ガス出口から、前記ドアのうち、前記作業キャビティを開放する方向において前記複数の第1の主ガス出口の下流に位置する部分に吹き出されるように構成されている、請求項1に記載の切削装置。
【請求項3】
前記ガス洗浄装置は、連通チャネルが内部に設けられたガス分配部分を更に含み、前記複数の第1の主ガス出口は、前記連通チャネルを介して前記ガス入口と流体連通しており、
前記ガス分配部分は、前記洗浄ガスが前記複数の第1の主ガス出口から、前記ドアに対して15度から30度の角度で前記ドアに向け吹き出されるように構成されている、
請求項2に記載の切削装置。
【請求項4】
前記連通チャネルは、複数の第1の主ガス出口チャネルを含み、前記第1の主ガス出口チャネルのそれぞれの出口が、前記第1の主ガス出口のそれぞれを形成しており、前記第1の主ガス出口チャネルのそれぞれは、前記洗浄ガスを前記ドアに向け15度から30度の角度で吹き出すよう方向づけるために、前記ドアに対して15度から30度の角度で設けられている、請求項3に記載の切削装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの主ガス出口は、前記連通チャネルを介して前記ガス入口と流体連通可能な複数の第2の主ガス出口を更に含み、前記複数の第2の主ガス出口は、ガスカーテンを形成するために、実質的に前記ハウジングの前記高さ方向(H)に沿って配列されており、前記複数の第2の主ガス出口は、前記ドアが前記作業キャビティを開放する方向において前記複数の第1の主ガス出口の上流に配置されており、
前記ガス洗浄装置は、前記洗浄ガスが、前記複数の第2の主ガス出口から前記ドアに面する角度で前記ドアに向けて吹き出されるように構成されている、
請求項4に記載の切削装置。
【請求項6】
前記連通チャネルは、複数の第2の主ガス出口チャネルを更に含み、前記第2の主ガス出口チャネルのそれぞれの出口が、前記第2の主ガス出口のそれぞれを形成しており、前記第2の主ガス出口チャネルのそれぞれは、前記洗浄ガスを前記ドアに面する角度で前記ドアに向け吹き出すように方向づけるために、前記ドアに対し垂直に配置されている、請求項5に記載の切削装置。
【請求項7】
前記ガス分配部分は、第1の側壁及び第2の側壁を含み、前記複数の第1の主ガス出口及び前記複数の第1の主ガス出口チャネルは、前記第1の側壁に配置されており、前記複数の第2の主ガス出口及び前記複数の第2の主ガス出口チャネルは、前記第2の側壁に配置されており、
前記第2の側壁は、前記ドアに平行であり、前記第1の側壁は、前記ドアに対して60度から75度の角度を有している、
請求項6に記載の切削装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、仕切りを更に含み、前記ハウジングは、制御室を画定しており、前記制御室及び前記作業キャビティは、前記仕切りによって仕切られつつ前記ハウジング内に形成されており、
前記ガス洗浄装置は、接続部分を更に含み、前記ガス洗浄装置は、前記ガス分配部分を、前記接続部分を介して前記仕切りに固定接続するように構成されており、前記ガス洗浄装置は、前記作業キャビティが閉鎖される位置に前記ドアがあるときに、前記作業キャビティの開放方向における前記ドアの前端に位置している、
請求項7に記載の切削装置。
【請求項9】
前記切削装置は、前記ドアの底部に接続されかつ前記ドアの内側に位置するバッフルを更に含み、前記バッフルは、前記ハウジングの前記長さ方向(L)に沿って延在しており、かつ、前記ドアの外側から前記ドアの内側に向かう方向において前記ハウジングの底部に向かって傾斜している、請求項3に記載の切削装置。
【請求項10】
前記ガス洗浄装置は、前記連通チャネルを介して前記ガス入口と流体連通可能な少なくとも1つの追加のガス出口を更に含み、前記少なくとも1つの追加のガス出口は、前記洗浄ガスを前記バッフルに向かって吹き出させるように構成されている、請求項9に記載の切削装置。
【請求項11】
前記ガス洗浄装置はバルブ装置を更に含み、前記バルブ装置を介して前記ガス入口が前記連通チャネルと制御可能に流体連通している、請求項3に記載の切削装置。
【請求項12】
前記バルブ装置は、前記ドアが前記作業キャビティを開放する過程中に洗浄ガスを前記連通チャネル内に導入するために、前記ガス入口を前記連通チャネルに流体連通させるように構成されている、請求項11に記載の切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本願は、切削装置、特に切削用クーラントを使用する切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
一般的な切削装置は、作業キャビティ及びドアを有している。切削装置は、作業キャビティ内で切削作業を実行し、ドアは、作業キャビティを開閉するように使用される。さらに、切削装置は、ドアが作業キャビティを閉鎖した後にのみ切削作業を実行できる。いくつかの切削装置では、切削作業中の切削用クーラントの使用が更に必要である。切削用クーラントは、切削作業が進行している間に飛び散って閉鎖されたドアに付着し、切削作業が完了した後、ドアが開放する際に、切削装置の外側に落ちる。
【発明の概要】
【0003】
概要
本願は、ドアの開放中に切削装置のドアを洗浄することができる切削装置を提供し、該切削装置は、ハウジングと、ドアと、ガス洗浄装置とを有している。ガス洗浄装置は、ガス入口及び少なくとも1つの主(一次)ガス出口を有している。ハウジングは、作業キャビティを画定し、ハウジングは、長さ方向及び高さ方向を有している。ドアは、ハウジングに接続されており、作業キャビティを開閉するようにハウジングの長さ方向に沿って移動可能に配置されている。ガス洗浄装置は、ドアの内側(インボード)に位置しており、ハウジングに接続されている。ガス入口は、少なくとも1つの主ガス出口と流体連通することができる。ここで、ガス洗浄装置は、ガス入口を介して洗浄ガスを受け取り、ドアを洗浄するように少なくとも1つの主ガス出口からドアに向かって洗浄ガスを吹き出すように構成されている。
【0004】
上記によれば、少なくとも1つの主ガス出口は、複数の第1の主ガス出口を含む。複数の第1の主ガス出口は、ガスカーテンを形成するように、概ね(全体的に)ハウジングの高さ方向に沿って配置されている。ここで、ガス洗浄装置は、洗浄ガスが、複数の第1の主ガス出口から、ドアが作業キャビティを開放する方向において複数の第1の主ガス出口の下流に位置するドアの部分に向かって吹き出されるように構成されている。
【0005】
上記によれば、ガス洗浄装置は、ガス分配部分を更に有している。連通チャネルがガス分配部分の内部に設けられ、複数の第1の主ガス出口は、連通チャネルを介してガス入口と流体連通可能である。ここで、ガス分配部分は、洗浄ガスが、複数の第1の主ガス出口からドアに対して15度から30度の角度でドアに向かって吹き出されるように構成されている。
【0006】
上記によれば、連通チャネルは、複数の第1の主ガス出口チャネルを含む。第1の主ガス出口チャネルのそれぞれの出口が、第1の主ガス出口のそれぞれを形成している。第1の主ガス出口チャネルのそれぞれは、洗浄ガスをドアに向かって15度から30度の角度で吹き出すように方向づけるように、ドアに対して15度から30度の角度で設けられている。
【0007】
上記によれば、少なくとも1つの主ガス出口は、複数の第2の主ガス出口を更に含んでいる。複数の第2の主ガス出口は、連通チャネルを介してガス入口と流体連通可能である。複数の第2の主ガス出口は、ガスカーテンを形成するように、全体的にハウジングの高さ方向に沿って配列されている。複数の第2の主ガス出口は、ドアが作業キャビティを開放する方向において複数の第1の主ガス出口の上流に配置されている。ここで、ガス洗浄装置は、洗浄ガスが、複数の第2の主ガス出口からドアに面する角度でドアに向かって吹き出されるように構成されている。
【0008】
上記によれば、連通チャネルは、複数の第2の主ガス出口チャネルを更に含む。第2の主ガス出口チャネルのそれぞれの出口が、第2の主ガス出口のそれぞれを形成している。第2の主ガス出口チャネルのそれぞれは、洗浄ガスをドアに面する角度でドアに向かって吹き出すように方向づけるように、ドアに垂直に配置されている。
【0009】
上記によれば、ガス分配部分は、第1の側壁及び第2の側壁を有している。複数の第1の主ガス出口及び複数の第1の主ガス出口チャネルは、第1の側壁に配置されている。複数の第2の主ガス出口及び複数の第2の主ガス出口チャネルは、第2の側壁に配置されている。ここで、第2の側壁は、ドアに平行であり、第1の側壁は、ドアに対して60度から75度の角度を有している。
【0010】
上記によれば、ハウジングは仕切りを更に備えており、ハウジングは制御室を画定している。制御室及び作業キャビティは、仕切りによって仕切られたハウジング内に形成されている。ガス洗浄装置は、接続部分を更に有している。ガス洗浄装置は、ガス分配部分を、接続部分を介して仕切りに固定接続するように構成されている。さらに、ドアが作業キャビティを閉鎖する位置にドアがあるとき、ガス洗浄装置は、作業キャビティの開放方向におけるドアの前端に位置している。
【0011】
上記によれば、切削装置は、バッフルを更に有している。バッフルは、ドアの底部に接続されており、ドアの内側面に位置している。バッフルは、ハウジングの長さ方向に沿って延在しており、ドアの外側からドアの内側に向かう方向においてハウジングの底部に向かって傾斜している。
【0012】
上記によれば、ガス洗浄装置は、少なくとも1つの追加の(更なる)ガス出口を更に備えている。少なくとも1つの追加のガス出口は、連通チャネルを介してガス入口と流体連通することができる。少なくとも1つの追加のガス出口は、洗浄ガスをバッフルに向かって吹き出させるように構成されている。
【0013】
上記によれば、ガス洗浄装置は、バルブ装置を更に有している。ガス入口は、バルブ装置を介して連通チャネルと制御可能に流体連通している。
【0014】
上記によれば、バルブ装置は、ドアが作業キャビティを開放する過程中に洗浄ガスを連通チャネル内に導入するように、ガス入口を連通チャネルと流体連通するように構成されている。
【0015】
本願の他の特徴、利点、及び実施形態については、以下の実施形態の詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲の考察から説明され又は明らかとなり得る。さらに、本発明の上記の概要及び以下の実施形態の詳細な説明は例示的なものであり、特許請求される本願の範囲を限定することなく、更なる説明を提供することを意図していることは理解されるべきである。しかし、実施形態の詳細な説明及び具体的な例は、本願の好ましい実施形態を示すのみである。当業者には、実施形態の詳細な説明から、本願の主旨及び範囲内での様々な変形及び修正が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】作業キャビティが閉鎖された状態の本願に係る切削装置の斜視図である。
図1B】作業キャビティが開放された状態の本願に係る切削装置の斜視図である。
図1C】ドアが取り外された状態の図1Aに示す切削装置の斜視図である。
図1D図1Cの部分分解図である。
図2A図1Dのガス洗浄装置の斜視図である。
図2B図2Aに示すガス洗浄装置の分解図である。
図2C図2Aに示すガス洗浄装置の左側の図である。
図2D図2Cに示すガス洗浄装置のA-A線に沿った断面図である。
図2E図2Aに示すガス洗浄装置の正面図である。
図2F図2Eのガス洗浄装置のB-B線に沿った断面図である。
図3A図1Aの切削装置のドアが閉鎖位置にある状態のドア及びガス洗浄装置の斜視図である。
図3B図3Aに示すドア及びガス洗浄装置のC-C線に沿った断面図である。
図3C図3Aに示すドア及びガス洗浄装置の断面図である。
図4A図1Aの切削装置のドアの開放中のドア及びガス洗浄装置の斜視図である。
図4B図4Aに示すドア及びガス洗浄装置のD-D線に沿った断面図である。
図5A】ドアが開放位置にある状態の図1Aの切削装置のドア及びガス洗浄装置の斜視図である。
図5B図5Aに示すドア及びガス洗浄装置のE-E線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
本願の様々な具体的な実施形態について、本明細書の一部を構成する添付図面を参照しつつ、以下に説明する。「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「頂部」、「底部」、「内側」、「外側」等の向きを示す用語が、本願の様々な例示的な構造部分及び要素を説明するために本願において使用されているが、これらの用語は、本明細書では例示の便宜のためにのみ使用されており、添付図面に示す例示的な向きに基づいて決定されていることは理解されるべきである。本願に開示されている実施形態は、異なる向きに配置することができるため、これらの向きを示す用語は、例示を目的とするのみであり、限定とみなされるべきではない。
【0018】
図1Aから図1Dは、切削装置100の全体構造を示すための本願に係る切削装置100の構造の概略図であり、図1Aは、ドア110が作業キャビティ107を閉鎖しているときの切削装置100の斜視図を示し、図1Bは、ドア110が作業キャビティ107を開放しているときの切削装置100の斜視図を示し、図1Cは、ドア110が取り外された状態の切削装置100の斜視図を示し、図1Dは、図1Cの部分分解図を示す。
【0019】
図1A及び図1Bに示すように、切削装置100は、ハウジング101及びドア110を有しており、ハウジング101は、実質的に、内部に作業キャビティ107を有する中空の正方形の箱の形状である。作業キャビティ107は、作業キャビティ107内で切削作業を実行する切削部品等を収容するように使用される。ハウジング101は、互いに対向する頂部105及び底部106を有しており、ハウジング101の底部106は、地面又は作業台上で支持するように使用される。ハウジング101は、互いに対向する前方部分108及び後方部分を更に有しており、ドア110は、ハウジング101の前方部分108に移動可能に配置されている。ドア110がハウジング101に対して左側又は右側に移動する際に、作業キャビティ107は開放又は閉鎖可能となる。本実施形態において、ドア110は、図1Aに示すような閉鎖位置と、図1Bに示すような開放位置とを有しており、ドア110は、長さ方向Lに沿って閉鎖位置と開放位置との間を移動可能である。ドア110が閉鎖位置にあるとき、ドア110は作業キャビティ107を閉鎖し、切削装置100は切削作業を実行することができる。切削作業が完了すると、ドア110は左側にその開放位置へと移動する。ドア110が開放位置にあるとき、ドア110は作業キャビティ107を開放する。説明を容易にすることのみを目的として、本実施形態においては、上下方向を高さ方向Hといい、左右方向を長さ方向Lといい、前後方向を幅方向Wという。本実施形態において、ハウジング101は、長さ、幅、及び高さが実質的に等しい正方形状である。
【0020】
図1C及び図1Dに示すように、切削装置100は、ガス洗浄装置120を更に有している。ガス洗浄装置120は、ドア110の内側(すなわち、作業キャビティ107に近い側)に配置されており、ハウジング101に固定接続されており、これにより、ガス洗浄装置120はハウジング101に対して相対的に不動であり、ドア110がハウジング101に対して左側又は右側に移動するとき、ガス洗浄装置120はドア110に対して相対的に移動する。本実施形態において、ドア110が閉鎖位置にあるとき、ガス洗浄装置120は、開放方向(すなわち、左方向)におけるドア110の前端に、すなわち、閉鎖位置にあるときのドア110の左端に位置している。ドア110が開放位置にあるとき、ガス洗浄装置120は、閉鎖方向(すなわち、右方向)におけるドア110の前端に、すなわち、開放位置にあるときのドア110の右端に位置している。ガス洗浄装置120は、ガス入口121及び複数の主ガス出口122、123を有しており、複数の主ガス出口122、123は、ハウジング101の高さ方向Hに沿ってほぼ整列されている。複数の主ガス出口122、123は、ドア110に向かって配置されている。ガス入口121は、洗浄ガスを受け取るように使用され、ガス入口121から受け取った洗浄ガスを主ガス出口122、123からドア110に向かって吹き出させることができるように、ガス入口121とこれらのガス出口122、123とは流体連通している。本願において、洗浄ガスは、ガス入口121から導入される洗浄ガスの圧力が0.6MPaから1MPa等の或る特定の圧力を有する圧縮空気である。したがって、各主ガス出口122、123から吹き出されるガスも、或る特定の圧力を有する。
【0021】
ハウジング101は、ハウジング101の内部を仕切って作業キャビティ107と、作業キャビティ107の左側に位置する制御室102とを形成するように、ハウジング101の内部に接続された仕切り131を更に有している。制御室102は、切削部品等の装置を制御する制御システム(図示せず)を収容するように使用される。本実施形態において、ガス洗浄装置120は、仕切り131に接続されており、主ガス出口122及び123は、ドア110の内側面に向かっておりかつ近接している。ガス洗浄装置120が、ハウジング101の他の場所に接続されてもよいことは当業者には理解されるであろう。例えば、ガス洗浄装置120は、ハウジング101の頂部105と底部106とに接続されてもよい。
【0022】
図1Aから図1Dを参照して、ドア110の閉鎖位置から開放位置への移動中、ガス洗浄装置120は不動であり、ドア110はガス洗浄装置120に対して相対的に移動し、すなわち、ガス洗浄装置120はドアに対して右側に移動する。したがって、ガス洗浄装置120によって吹き出された洗浄ガスのガス流は、ドア110に接触した後、ドア110の内側面に付着した液体をドア110の右側に向かって吹き飛ばし、これにより、ガス洗浄装置120は、ドア110が開く際、ドア110の左端から右端までドア110全体を徐々に洗浄することができる。
【0023】
図2Aから図2Fは、ガス洗浄装置120の具体的な構造を例示する。図2Aは、ガス洗浄装置120の斜視図であり、図2Bは、ガス洗浄装置120の分解図であり、図2Cは、図2Aに示すガス洗浄装置120の左側の図であり、図2Dは、図2Cのガス洗浄装置120のA-A線に沿った断面図であり、図2Eは、図2Aに示すガス洗浄装置120の正面図であり、図2Fは、図2Eのガス洗浄装置120のB-B線に沿った断面図であり、破線の囲み部分は部分拡大図を表す。
【0024】
図2Aから図2Fに示すように、ガス洗浄装置120は、切り株状のガス分配部分225及び切り株状の接続部分226を有しており、ガス分配部分225及び接続部分226は、共通の長さ方向を有しており、ガス分配部分225は、接続部分226の上に接続されている。ガス分配部分225は、各ガス出口からドア110に向かって洗浄ガスを吹き出すように使用され、接続部分226は、ガス分配部分225をハウジング101に固定接続するように使用される。一例として、ガス洗浄装置120は金属製であり、ガス分配部分225及び接続部分226は、機械加工によって一体的に製造される。
【0025】
特に、ガス分配部分225は、長いロッドの形状で全体的に中空であり、ハウジング101の高さ方向Hとしての長さ方向を有しており、連通チャネル228を形成する空の内部を有している。本実施形態において、ガス分配部分225は、その長さに沿って延在する複数の側壁236と、複数の側壁236の両端に接続された2つの端壁234とを有する多面体状である。複数の主ガス出口122、123は、複数の第1の主ガス出口122及び複数の第2の主ガス出口123を含んでおり、複数の側壁236のうちの第1の側壁232及び第2の側壁233は、連通チャネル228を介して流体連通した複数の第1の主ガス出口122及び複数の第2の主ガス出口123を提供するようにそれぞれ使用される。複数の側壁236のうちの第3の側壁が、ガス分配部分225の側面から連通チャネル228を着脱可能に閉鎖するカバープレート227によって形成されている。
【0026】
複数の第1の主ガス出口122及び複数の第2の主ガス出口123は、ガス分配部分225の第1の側壁232及び第2の側壁233にそれぞれ配置されており、全体的に高さ方向Hに沿って配列されており、これにより、第1の主ガス出口122及び第2の主ガス出口123から吹き出された洗浄ガスは、ドア110の内側面に向かって吹き出されるガスカーテンを形成することができる。本実施形態において、連通チャネル228も、全体的に高さ方向Hに沿って延在しており、これにより、ガス出口122及び123のそれぞれと流体連通することができる。他の実施形態において、連通チャネル228は、ガス出口と連通することができる限り、他の形状であってもよい。
【0027】
本実施形態において、洗浄ガスを所定の角度でドア110に向かって吹き出させることができるように、連通チャネル228は、複数の第1の主ガス出口チャネル242及び複数の第2の主ガス出口チャネル243を更に有している。各第1の主ガス出口チャネル242の出口が第1の主ガス出口122を形成し、各第2の主ガス出口チャネル243の出口が第2の主ガス出口123を形成している。第1の主ガス出口チャネル242及び第2の主ガス出口チャネル243は、各出口から吹き出された洗浄ガスのガス流方向を方向づけるように使用される。一例として、第1の主ガス出口チャネル242は第1の側壁232の中を通って垂直に延在しており、第2の主ガス出口チャネル243は第2の側壁233の中を通って垂直に延在している。本願の一実施形態において、第1の側壁232は第2の側壁233に対して垂直ではなく、第2の側壁233に対してほぼ60度から75度の角度を有している。したがって、第1の主ガス出口チャネル242及び第2の主ガス出口チャネル243も、60度から75度の角度を有している。第1の主ガス出口チャネル242は、洗浄ガスをドア110に対して15度から30度の角度でドア110に向かって吹き出されるように方向づけ、第2の主ガス出口チャネル243は、洗浄ガスをドア110に垂直に吹き出されるように方向づける(図3B参照)。
【0028】
本実施形態において、主ガス出口チャネル242及び243、並びに第1の側壁232及び第2の側壁233は、洗浄ガスが所定の角度でドア110に向かって吹き出されることを確実にするように設けられている。所定の角度において、洗浄ガスによって形成されるガス流は、ドア110の内側により大きなカバー範囲を有することができ、ガス流がドア110の外側の作業員に不快感を生じさせることはない。洗浄ガスの圧力が十分であるときには、ガス出口チャネルを設ける必要はなく、洗浄ガスがドア110に吹き出される角度は、各側壁とドア110との間の角度を制御するのみで制御できることは当業者には理解されるであろう。他の実施形態において、ガス分配部分225は、側壁を設けることなく1つのガス出口チャネルのみを設ける、又はより多くの側壁を設けることによって、洗浄ガスの吹出方向を導いてもよい。
【0029】
第1の主ガス出口122及び第2の主ガス出口123の数及び間隔を設定することによって、ガス入口121から導入される洗浄ガスの圧力が一定であるときに、各第1の主ガス出口122及び各第2の主ガス出口123から吹き出された洗浄ガスは、ドア110の内側面に付着した切削用クーラントを吹き飛ばすか又はドア110に沿って流れさせることができる適切な圧力を有することができるが、切削用クーラントは、ドア110が開放位置にあるときでさえ、ドア110の右端から吹き飛ばされることはない。
【0030】
ガス入口121は、接続部分226の下にバルブ装置229によって接続されており、ガス入口121は、ガス入口121を作業キャビティ107内の圧縮空気源に接続するように、作業キャビティ107に向かって配置されている。接続部分226内には貫通孔239が設けられており、貫通孔239は接続部分226の中を延びている。貫通孔239の一端は連通チャネル228と連通しており、他端はバルブ装置229及びガス入口121と連通している。したがって、ガス入口121は、バルブ装置229を介して連通チャネル228と制御可能に流体連通している。バルブ装置229の開放又は閉鎖を制御することによって、洗浄ガスをガス入口121から連通チャネル228内に制御可能に導入することができる。
【0031】
また、ガス分配部分225の端壁234のうちの一方には、少なくとも1つの追加のガス出口224が存在しており、連通チャネル228は、追加のガス出口チャネル244を更に有しており、追加のガス出口チャネル244の出口が追加のガス出口224を形成している。追加のガス出口224はまた、追加のガス出口224から洗浄ガスを吹き出すよう、連通チャネル228を介してガス入口121と流体連通することができる。本実施形態において、バッフル345がドア110の底部に接続されており、バッフル345は、ドア110の内側に位置しており、長さ方向Lに沿って延在している。バッフル345は、ハウジング101の底部106に向かって外側から内側に向かう方向において傾斜している(図3A及び図3C参照)。洗浄ガスは、バッフル345上の切削用クーラント等を作業キャビティ107内に吹き戻すように、追加のガス出口224からバッフル345に向かって吹き出される。
【0032】
図3Aから図3Cは、ドア110とガス洗浄装置120との位置関係を説明するための、ドア110が閉鎖位置にあるときのドア110とガス洗浄装置120との係合構造を示す。ここで、図3Aは、切削装置の内部から外側を見た、ドア110及びガス洗浄装置120の斜視図であり、図3Bは、図3AのC-C線に沿った断面図を示し、図3Cは、図2CのA-A線に沿った図3Aの断面図を示し、破線の囲み部分は部分拡大図を表す。
【0033】
図3A及び図3Bに示すように、ドア110が閉鎖位置にあるとき、ガス洗浄装置120は、開放方向におけるドア110の前端にあり、ガス洗浄装置120のカバープレート227は、ドア110とガス洗浄装置120との間のドア110の内側の切削用クーラント等の漏れを防止するように、ドア110の内側のシーラントストリップ348に当接している。図3Bに示す角度において、ドア110の上側は作業キャビティ107の側であり、ドア110の下側は切削装置の外側の側である。ドア110は、矢印351の方向に沿って開く。すなわち、ドア110の開放方向は左側であり、ガス洗浄装置120は、ドア110の左端に位置している。さらに、ドア110の開放方向において、第2の主ガス出口123は、第1の主ガス出口122の上流に配置されており、すなわち、第2の主ガス出口123は、第1の主ガス出口122の左側に配置されている。
【0034】
第1の主ガス出口122から吹き出された洗浄ガスは、ドア110の開放方向に対して全体的に逆又は非対向の方向にある第1のガス流352を形成し、これにより、第1のガス流352は、ドア110の内側面に付着した切削用クーラント等をドア110の右側に向かって吹き飛ばすことができ、液体はバッフル345上に直接落ちるか、又はまとまって落ちる。本実施形態において、第1の側壁232は、ドア110に対して約60度から75度の角度を有しており、第1の主ガス出口チャネル242は、第1の主ガス出口122から吹き出された第1のガス流352を、開放方向(すなわち、左方向)において第1の主ガス出口122の下流に位置するドア110の部分に向かって、ドア110に対して15度から30度の角度で吹き出すように方向づけるように、ドア110に対して15度から30度の角度を有するように設けられている。本願において、「上流」及び「下流」は、ドア110の移動方向に対するものである。言い換えれば、第1のガス流352が第1の主ガス出口122の下流のドアの部分に向かって吹き出すということは、第1のガス流352が第1の主ガス出口122の右側のドア110の部分に向かって全体的に吹き出すということを指す。
【0035】
また、第2の主ガス出口123から吹き出された洗浄ガスは、全体的にドア110に面する方向にある第2のガス流353を形成し、これにより、第2のガス流353は、ドア110の内側面に付着した切削用クーラント等を、例えばドア110の左側及び右側に吹き飛ばすことができ、その結果、切削用クーラント等はバッフル345上に直接落ちるか、又はまとまって落ちる。ドア110が図3Aから図3Cに示す閉鎖位置にあるとき、ガス洗浄装置120の左側がシーラントストリップ348に当接しているため、吹き飛ばされた切削用クーラント等は、バッフル345上に直接落ちるか、又はまとまって落ちるように、右側にのみ吹き飛ばすことができる。本実施形態において、第2の主ガス出口123から吹き出された第2のガス流353を、開放方向(すなわち、左方向)において第1の主ガス出口122の上流に位置するドア110の部分に向かって、ドア110に垂直な角度で吹き出すように方向づけるように、第2の側壁233は、ドア110と実質的に平行であり、第2の主ガス出口チャネル243は、ドア110に垂直に設けられている。したがって、ドア110が閉鎖位置にあるとき、第1の主ガス出口122が第1の主ガス出口122の右側に対応するドアの部分に向かって吹き出すことができるのみであっても、第1の主ガス出口122の左側に対応するドアの部分も、第2の主ガス出口123から吹き出された洗浄ガスによって洗浄することができる。
【0036】
図3Cを更に参照して、追加のガス出口224から吹き出された洗浄ガスによって形成された第3のガス流354を、ドア110に対して全体的に平行な角度でバッフル345に向かって吹き出すように方向づけるように、端壁234は、ドア110に対して全体的に垂直であり、追加のガス出口チャネル244は、ドア110に対して平行に設けられており、これにより、第1のガス流352及び第2のガス流353によってバッフル345上に吹き飛ばされた切削用クーラント等を、第3のガス流354によって作業キャビティ107内に吹き戻すことができ、これによってドア110を洗浄する。
【0037】
ガス洗浄装置120は、ドア110の開放中に、洗浄ガスを連通チャネル228に導入し、ドア110の開放過程が進行する際に、ドア110を洗浄するように洗浄ガスを各ガス出口から所定の角度で吹き出すように、バルブ装置229がガス入口121を連通チャネル228と流体連通させるように構成されている。いくつかの実施形態において、ドア110は閉鎖位置でドア110をロックするロック解除装置(図示せず)を更に有してもよい。ロック解除装置がロック解除された後、バルブ装置229は、ドア110が開く前に洗浄ガスを連通チャネル228内に導入し始める。その結果、ドア110が閉鎖位置にあるときに、洗浄ガスを各ガス出口から吹き出させることができる。
【0038】
ドア110が閉鎖位置から開放位置に向かって開放方向に移動する際、ドア110はガス洗浄装置120に対して左側に移動し、第1のガス流352はドア110の右側に向かって吹き出し、ドア110に付着した切削用クーラントをドア110の右端に向かって吹き飛ばす。
【0039】
図4A及び図4Bは、ドア110の開放過程中のドア110とガス洗浄装置120との係合構造を示す。図4Aは、ドア110及びガス洗浄装置120の斜視図であり、図4Bは、図4AのD-D線に沿った断面図を示し、破線の囲み部分は部分拡大図を表す。図4A及び図4Bに示すように、ガス洗浄装置120に対する相対的なドア110の移動に伴い、ガス洗浄装置120の左側に位置するドア110の部分は、作業キャビティ107の範囲を出たのであり、ドア110の該部分の内側面には、もはや切削用クーラントは付着しておらず、実質的に乾燥状態にある。ガス洗浄装置120の右側に位置するドア110の部分は、依然として作業キャビティ107の範囲内にある。
【0040】
図5A及び図5Bは、ドア110が開放位置にあるときのドア110とガス洗浄装置120との係合構造を示す。図5Aは、ドア110及びガス洗浄装置120の斜視図であり、図5Bは、図5AのE-E線に沿った断面図を示し、破線の囲み部分は部分拡大図を表す。図5A及び図5Bに示すように、ドア110が開かれる際、第1のガス流352は、ドア110が開放位置に達するまで、ドア110の右側に向かって更に吹き出し、ガス洗浄装置120は、ドア110の右端にあるストップバー556によって遮られ、これにより、ドア110はガス洗浄装置120に対して左側に移動し続けることができない。この時点で、第1のガス流352は、ドア110の内側面にある切削用クーラントをドア110の右端に吹き飛ばし、切削用クーラントはストップバー556によって遮られ、ストップバー556を伝ってバッフル345上に落ち、その後、作業キャビティ107内に吹き戻される。したがって、ドア110全体の内側面に付着した切削用クーラント等を、ガス洗浄装置120によって洗浄することができる。
【0041】
切削装置が切削作業を行うとき、切削用クーラント等は、容易に飛び散って閉鎖されたドアに付着し、切削装置の作業が終了してドアが開かれるとき、ドアに付着した切削用クーラント等は、切削装置の外側の作業台又は床上に落ちる。防錆剤を含有するいくつかの切削用クーラントは、多くの場合、切削装置の外側に落ちれば作業環境に影響を与える可能性がある強烈な臭気を有する。
【0042】
本出願人は、切削装置のドアの内側面に付着した切削用クーラントが、全体的に小さな液滴の形態であり、液体表面張力の作用下で、より安定的にドアに付着し得ることを見出した。さらに、切削作業中、切削装置は、小さな液滴状の切削用クーラントとともにドアの内側面に付着し得るくず及び粉砕砂粒子も生成する。ドアが開いているとき、切削用クーラント、くず、及び砂粒子等は、摺動及び揺動等の理由により、切削装置の外側に落ちる可能性がある。
【0043】
本願では、ドアを洗浄するようにガス洗浄装置を使用する。洗浄ガスによって形成されたガスカーテンは、ドアに付着した切削用クーラント、くず及び砂粒子を吹き飛ばすことができ、これにより、切削用クーラント、くず及び砂粒子の一部は、ドアの内側面から離れ、重力の作用下でバッフルに落ち、その後、作業キャビティに戻る。切削用クーラント、くず及び砂粒子の他の部分は、ガスカーテンによってドアの内側面に沿ってドアの端部へと押しやることができ、これにより、小さな液滴の形態の切削用クーラントは、より大きな液滴にまとまり、くず、砂粒子等とともにバッフルに落ち、その後、作業キャビティに戻る。さらに、洗浄ガスの吹出角度及び圧力を制御することによって、ドアの内側面にある切削用クーラント、くず、及び砂粒子を、切削装置の外側に落とすことなく、作業キャビティの範囲内に保持することができる。さらに、ドアが開かれる際、ドアはガス洗浄装置に対して相対的に移動し、これにより、ガス洗浄装置がドアを洗浄する過程は、ドアを開放する過程と実質的に同期され、ガス洗浄装置を通過したドアの部分から作業台又は地面へと液体が更に落ちることはない。
【0044】
本願のガス洗浄装置は、既存の切削装置にガス洗浄装置を追加することのみを必要とする簡単な構造を有しており、これは既存の切削装置に対する小さな変更に過ぎない。さらに、これはドアに対する良好な洗浄効果を有し、したがって、洗浄過程中にドアの観察ガラスに摩耗を生じさせることはない。
【0045】
本開示について、上記で概説された実施形態の例と関連させて説明してきたが、様々な代替形態、修正形態、変更形態、改良形態、及び/又は実質的な均等物は、現在又は近い将来に知られているか又は予見可能であるかにかかわらず、少なくとも当業者には明らかであり得る。加えて、本明細書に記載の技術的効果及び/又は技術的課題は、例示的なものであり、限定するものではなく、したがって、本明細書の開示は、他の技術的課題を解決するために使用されてもよく、他の技術的効果を有してもよく、及び/又は他の技術的課題を解決するものであってもよい。したがって、上述した本開示の実施形態の例は、例示的なものであり、限定することを意図するものではない。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。したがって、本開示は、全ての知られている又は以前に開発された代替形態、修正形態、変更形態、改良形態、及び/又は実質的な均等物を含むことが意図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
【国際調査報告】