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特表2025-502355フレキシブルスタンプ及びフレキシブルスタンプの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】フレキシブルスタンプ及びフレキシブルスタンプの製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 59/02 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
B29C59/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542269
(86)(22)【出願日】2023-01-17
(85)【翻訳文提出日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 NL2023050019
(87)【国際公開番号】W WO2023136727
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】22151746.9
(32)【優先日】2022-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】22184125.7
(32)【優先日】2022-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517278185
【氏名又は名称】モーフォトニクス ホールディング ベスローテン フェノーツハップ
【氏名又は名称原語表記】Morphotonics Holding B.V.
【住所又は居所原語表記】De Run 4281, 5503 LM Veldhoven, Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】テル メーレン,ヤン マッテイス
(72)【発明者】
【氏名】デッケル,ティム
(72)【発明者】
【氏名】ネーレン,ロプ アントニウス ワルテルス
【テーマコード(参考)】
4F209
【Fターム(参考)】
4F209AA04
4F209AA11
4F209AA24
4F209AA26
4F209AA28
4F209AA40
4F209AR12
4F209PA02
4F209PB01
4F209PC06
(57)【要約】
本発明は、インプリント、特にナノインプリントのために構成されたフレキシブルスタンプと、該フレキシブルスタンプを製造するための方法とに関する。前記フレキシブルスタンプは、少なくとも1つのテクスチャ領域を有する実質的にフレキシブルな基板と、少なくとも1つの機能要素と、少なくとも1つの機能要素に接続されるか又は接続可能な少なくとも2つの導電性トラックと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にナノインプリントなどのインプリント用に構成されたフレキシブルスタンプであって、
少なくとも1つのテクスチャ領域を有する実質的にフレキシブルな少なくとも1つの基板と、
少なくとも1つの機能要素と、
少なくとも1つの前記機能要素に接続されるか又は接続可能な少なくとも2つの導電性トラックと、を備え、
少なくとも1つの前記機能要素は、少なくとも1つの前記テクスチャ領域を完全に覆い、且つ/又は、少なくとも1つの前記テクスチャ領域と重なり合い、且つ/又は、
少なくとも1つの前記機能要素は、前記テクスチャ領域の外側に配置される、
フレキシブルスタンプ。
【請求項2】
少なくとも1つの前記機能要素は、特に導電要素及び/又は伝熱要素などの伝導性要素である、
請求項1に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項3】
少なくとも1つの前記機能要素は、前記テクスチャ領域を覆い且つ/又は包囲する機能領域を形成している、
請求項1または請求項2に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項4】
少なくとも1つの前記機能要素の少なくとも一部は、特に導電性材料などの伝導性材料からなる、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項5】
少なくとも1つの前記伝導性材料は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つの非金属の無機化合物、及び/又は、少なくとも1つの導電性ポリマーを含む、
請求項4に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項6】
少なくとも1つの前記伝導性材料は、スズドープ酸化インジウム、アンチモンドープ酸化スズ、アルミニウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、及び/又は、ガリウムドープ酸化亜鉛からなる群から好ましくは選択される、ドープされた金属酸化物を含む、
請求項4または請求項5に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項7】
少なくとも1つの前記基板の少なくとも一部は、実質的に透明、且つ/又は、半透明である、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記基板の少なくとも一部は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び/又は、シクロオレフィンポリマーを含む、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項9】
少なくとも1つの前記基板の厚さは、500μm未満、好ましくは400μm未満、より好ましくは300μm未満である、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項10】
少なくとも1つの前記基板は、5cm以上50cm以下の範囲の曲げ半径を有する、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項11】
少なくとも1つの前記基板のヤング率は、80GPa未満、好ましくは40GPa未満、より好ましくは10GPa未満である、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項12】
少なくとも1つの前記機能要素は、電気部品である、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項13】
少なくとも1つの前記機能要素は、少なくとも1つのセンサを含む、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項14】
少なくとも1つの前記機能要素は、加熱要素、ロードセルアレイ、グリッパアレイ、ひずみセンサ、温度センサ、認識タグ、RFIDタグ、及び/又は、圧電素子からなる群から選択される、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項15】
少なくとも1つの前記機能要素は、少なくとも1つの電気回路を含む、
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項16】
少なくとも1つの前記機能要素は、前記基板の表面上に設けられている、
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項17】
少なくとも1つの前記機能要素の少なくとも一部は、前記基板内に埋め込まれている、
請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項18】
少なくとも1つの前記基板は、前面と後面とを備え、
前記基板の前記後面に、少なくとも1つの更なる機能要素が設けられ、
前記テクスチャ領域は前記前面にある、
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項19】
複数の前記機能要素を備える、
請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項20】
前記複数の機能要素のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの前記テクスチャ領域を完全に覆い且つ/又は少なくとも1つの前記テクスチャ領域と重なり合い、且つ、
前記複数の機能要素のうちの少なくとも1つは、前記テクスチャ領域の外側に配置されている、
請求項19に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項21】
少なくとも1つの前記テクスチャ領域は、前記基板上にインプリントによって転写される、
請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項22】
少なくとも1つの前記導電性トラックの少なくとも一部が前記基板の表面上に設けられ、且つ/又は、
少なくとも1つの前記導電性トラックの少なくとも一部が前記基板内に埋め込まれている、
請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項23】
少なくとも1つの前記導電性トラックは、前記テクスチャ領域から距離を空けて配置されている、
請求項1から請求項22のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項24】
少なくとも2つの電気接点を備え、
それぞれの前記電気接点は、少なくとも1つの前記導電性トラックに接続されているか又は接続可能である、
請求項1に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項25】
少なくとも1つの前記電気接点は、少なくとも部分的にガルバニック絶縁性、容量性、且つ/又は、誘導性である、
請求項24に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項26】
少なくとも1つの前記電気接点は、クランプ要素に設けられている、
請求項24または請求項25に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項27】
少なくとも1つの電力供給源を備える、
請求項1から請求項26のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプ。
【請求項28】
好ましくは請求項1から請求項27のいずれか1項に記載のフレキシブルスタンプなど、特にナノインプリントなどのインプリント用に構成されたスタンプを製造する方法であって、
少なくとも1つの実質的にフレキシブルな基板を用意するステップと、
少なくとも1つの機能要素が少なくとも1つのテクスチャ領域を完全に覆い且つ/又は少なくとも1つの前記テクスチャ領域と重なり合うように、且つ/又は、少なくとも1つの前記機能要素が前記テクスチャ領域の外側に配置されるように、少なくとも1つの前記テクスチャ領域と、少なくとも1つの前記機能要素と、少なくとも1つの前記機能要素に接続されているか又は接続可能である少なくとも2つの導電性トラックとを、前記基板に設けるステップと、を備える、
方法。
【請求項29】
前記テクスチャ領域は、特に、前記基板に少なくとも1つの前記機能要素および/または少なくとも2つの前記導電性トラックが設けられた後に、前記基板上にインプリントによって転写される、
請求項28に記載の方法。
【請求項30】
特にナノインプリントなどのインプリントのためのシステムであって、
請求項1から請求項27のいずれか1項に記載の少なくとも1つのフレキシブルスタンプを保持可能に構成されており、
前記フレキシブルスタンプを電気的に動作制御するための少なくとも1つのステアリング構造を備える、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント用、特にナノインプリント用に構成されたフレキシブルスタンプに関する。本発明はまた、この種のスタンプを製造する方法に関する。本発明はさらに、インプリント、特にナノインプリントのためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルスタンプは、通常、ロール to プレート、プレート to ロール、又はロール to ロール技術を利用して、ナノインプリントプロセスに使用される。スタンプは、通常、製品に転写されるテクスチャの型および/またはホルダとして機能するパッシブな加工ツールである。特に、現行の技術におけるフレキシブルスタンプでは、個々のプロセスパラメータ(例えば、プロセス中のフレキシブルスタンプの下における個々の圧力異常や温度異常、或いは、ランダムに発生する気泡)に反応を示すことができない。
【0003】
本発明の目的は、改良されたフレキシブルスタンプ及び/又は少なくとも代替のフレキシブルスタンプを提供することである。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、スタンプ、特に、インプリント用(特にナノインプリント用)に構成されたフレキシブルスタンプを提供する。本発明のスタンプは、実質的にフレキシブルな少なくとも1つの基板を備え、前記基板は、少なくとも1つのテクスチャ領域と、少なくとも1つの機能要素と、少なくとも1つの機能要素に接続されるか又は接続可能な好ましくは少なくとも2つの導電性トラックと、を備える。少なくとも1つの機能要素は、少なくとも1つのテクスチャ領域を実質的に(完全に)覆い、且つ/又は、前記少なくとも1つのテクスチャ領域と重なり合い、且つ/又は、少なくとも1つの機能要素は、テクスチャ領域の外側に配置される。
【0005】
本発明に係るスタンプは、少なくとも1つの機能要素の存在による利点を有する。少なくとも1つの機能要素が少なくとも1つのテクスチャ領域を覆い且つ/又は少なくとも1つのテクスチャ領域に重なり合うため、且つ/又は、少なくとも1つの機能要素がテクスチャ領域の外側に配置されるため、スタンプは、機能要素がスタンプの主要な性能に影響を与えることなく、機能要素の恩恵を受けることができる。機能要素がスタンプのインプリント性能(転写性能)に影響を及ぼすことは望ましくない。したがって、テクスチャ領域の均一な特性が保持される必要がある。このことは、機能要素がテクスチャ領域を完全に覆うか又は重なるように配置されることによって実現される。また、このことは、スタンプのテクスチャ領域の外側に機能要素を配置することによっても実現され得る。このようなテクスチャ領域と機能要素との相互構成により、テクスチャ領域の均一性が維持される。機能要素がスタンプのテクスチャ領域を部分的に覆ったり重なったりすると、最終製品のテクスチャに不規則性が生じ得る。ここで、最終製品は、フレキシブルスタンプによってインプリント転写、且つ/又は、テクスチャ加工される製品である。
【0006】
本発明に係るフレキシブルスタンプは、特に、ロール to ロール、プレート to ロール、及び/又は、ロール to プレートプロセスによるインプリント転写用、テクスチャ加工用、及び/又は、転写用に構成されている。本発明に係るスタンプは、例えば、樹脂、インク、コーティング剤などの材料を製品に転写し、これによって、事務用スタンプの動作原理と同様に、材料の層を製品上に提供することができる。この動作モードでは、スタンプのテクスチャ領域が、インクまたはコーティング材料で濡らされ、対象製品の表面に押し付けられることにより、対象製品上で、インクまたはコーティング材料で濡らされたスタンプ部分が現れ得る。この原理は、レリーフインプリント(レリーフ印刷)として知られている。スタンプは、スタンプ自体または対象製品の表面上で、液体材料、溶融材料、又は粘性材料に接触されてもよい。これにより、液体材料、溶融材料、又は粘性材料は、スタンプのテクスチャに適合し、例えば、スタンプに接触している間における加熱、冷却、又は電磁放射などによって硬化される。スタンプが除去されると、硬化された材料に、スタンプのネガ画像が形成され、従来のシール型によって文書上に溶けたワックスの染みのようなテクスチャになる。この印刷原理は、凹版インプリント(凹版印刷)として知られている。本発明に係るスタンプは、マイクロLEDなどの小さな固体物体を初期表面から目標表面へ転写するために使用されてもよい。スタンプがインプリント、エンボス加工、又は転写のいずれのために使用されるかに関係なく、スタンプは、いわゆるアクティブ領域(インプリント、エンボス加工、又は転写の機能に最適化された領域)を有してもよい。通常、アクティブ領域は、テクスチャ領域と実質的に等しくなる。なお、スタンプという場合、テンプレート又はインプリントテンプレートも意味する。本発明に係る基板は、キャリア又はシートとも呼ばれる。基板は、例えば、シート状の材料(例えば、プレート、パネル、ボード、箔、ラミネート、又は織物など)、或いは、他の任意の材料であってもよい。柔軟性および/または剛性は、材料およびその厚さに依存する。好ましくは、基板は、フレキシブルスタンプの機械的特性を決定する。機能要素は、機能構造とも呼ばれる。少なくとも1つの導電性トラックは、導電パス(導電経路)とも呼ばれる。
【0007】
テクスチャ領域のテクスチャは、特に、立体的なテクスチャである。テクスチャ領域は、凹部と凸部とを有する立体的なテクスチャ領域であってもよい。テクスチャ領域は、対象製品にインプリント転写されるテクスチャのネガ画像又はポジ画像のいずれであってもよい。テクスチャのポジ画像とは、スタンプの凸部が目標表面の凸部に転送され、スタンプの凹部が目標表面の凹部に転送される画像である。ネガ画像とは、スタンプの凸部が目標表面の凹部に転写され、スタンプの凹部が目標表面の凸部に転写される画像である。
【0008】
例えば、テクスチャ領域の少なくとも一部は、繰り返しパターンを含んでもよい。テクスチャ領域の少なくとも一部は、ランダム化されたテクスチャであることも考えられる。テクスチャ領域のテクスチャは、回折格子、傾斜型格子、ブレーズ型格子、マイクロレンズアレイ、レンチキュラー、ピラー、バー、ピラミッド、プリズムライン、及び/又は、これらの組み合わせを含んでもよい。また、基板は少なくとも1つのアクティブ領域を備え、特に、前記アクティブ領域はテクスチャを備えているとも言える。アクティブ領域は、スタンプの残りの部分、特に基板の残りの部分とは異なっていてもよい。
【0009】
テクスチャ領域のテクスチャの深さは、例えば、ナノメートルからマイクロメートルの寸法になる。例えば、テクスチャの少なくとも一部は、0.1nm以上100μm以下の範囲の深さを有することが考えられる。また、テクスチャ領域のテクスチャの少なくとも一部は、最大山高さから最大谷深さまでの高さが1mm以下であることが考えられる。好ましくは、テクスチャの少なくとも一部は、最大山高さから最大谷深さまでの高さが10μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、さらに好ましくは2μm以下である。ただし、テクスチャ領域のテクスチャの少なくとも一部は、最大山高さから最大谷深さまでの高さが100nm以下であり、より好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下または10nm以下であることも考えられる。
【0010】
通常、本発明の文脈において、少なくとも1つのテクスチャ領域の表面は、基板の全表面よりも小さい。テクスチャ領域は、例えば、基板上または基板内の中央に配置され得る。基板の側縁部(周縁部)にはテクスチャがないことが好ましい。
【0011】
機能要素は、例えば、複数回の実行中に同じスタンプが使用される場合に、プロセス条件を監視、調整、又は制御するために適用(利用)され得る。例えば、実際には、スタンプまたは基板の少なくとも一部が、連続使用中または繰り返し使用中に温度差を経験することが考えられる。例えば、スタンプの一部が熱くなり、スタンプの性能に影響を及ぼす可能性がある。そこで、少なくとも1つの機能要素が、発生したずれを補正且つ/又は打ち消すために使用されてもよい。好ましい実施形態において、少なくとも1つの機能要素は、伝導性要素、特に導電要素(電気伝導性要素)である。少なくとも1つの機能要素は、伝熱要素(熱伝導性要素)又は加熱要素であることも考えられる。少なくとも1つの伝導性要素を適用することで、機能要素の伝導性特性によってスタンプの使用中に生じる何らかのずれを補正且つ/又は打ち消すことができるため、有益である。このようにして、より再現性の高い結果、例えば同一の製品、又は、少なくとも製品ばらつきが低減された製品が得られる。伝導性要素などの少なくとも1つの機能要素を使用することで、スタンプの使用中に機能要素が最適なプロセス条件を維持することでテクスチャ領域の保護に貢献できるため、スタンプの長寿命化が可能になる。スタンプ、特に機能要素は、例えば、インプリントプロセス(インプリント転写プロセス)を正常に実行するために満たすべき所定の前提条件を満たすように構成されてもよい。前提条件に関連するパラメータを監視することは、データや統計を収集し、品質管理を実行するための効果的な方法である。これらの非限定的な例としては、スタンプの開始温度および/若しくは局所温度を監視する機能要素、並びに/又は、インプリントプロセス(インプリント転写プロセス)中のスタンプの歪みを監視する機能要素が挙げられる。
【0012】
好ましくは、少なくとも1つの機能要素は、少なくとも1つのテクスチャ領域を取り囲む。また、少なくとも1つの機能要素は機能領域を形成することが考えられる。機能領域は、テクスチャ領域を覆ってもよく、テクスチャ領域と重なり合ってもよく、テクスチャ領域を取り囲んでもよい。機能領域は、例えば、伝導性領域であってもよい。好ましい実施形態において、機能領域は、テクスチャ領域よりも大きい。機能領域は、特にテクスチャ領域の均一性を確保するために、テクスチャ領域を完全に覆い、完全に取り囲んでもよい。
【0013】
少なくとも1つの機能要素の少なくとも一部は、少なくとも1つの伝導性材料、特に少なくとも1つの導電性材料(電気伝導性材料)から作製されてもよい。この文脈において、導電性材料は、例えば、電気エネルギーを伝導しつつ化学組成を変化させず、電気抵抗が100(Ωmm)/m以下である材料として分類され得る。少なくとも1つの伝導性材料は、少なくとも1つの金属、少なくとも1つの非金属の無機化合物、及び/又は、少なくとも1つの導電性ポリマーを含むと有利である。少なくとも1つの伝導性材料は、これらの材料の組み合わせで構成されることも考えられる。利用可能な金属の非限定的な例としては、鉄、アルミニウム、銅、銀、金、スズ、又は、これらの合金が挙げられる。少なくとも1つの(電気)伝導性材料は、非金属の無機化合物または無機元素(例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、及び/又は、酸化ニオブなど)を含むことも考えられる。さらに、導電性材料は、導電性ポリマー(例えば、ポリアセチレン、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリピロール、又は、当業者に知られているその他の導電性ポリマー)であってもよい。例えば、少なくとも1つの機能要素は、ワイヤ及び/又はリボンを含むことが考えられる。少なくとも1つの機能要素は、伝導性材料のメッシュ、及び/又は、ワイヤメッシュを含んでもよい。
【0014】
少なくとも1つの伝導性材料は、少なくとも1つのドープされた金属酸化物を含むことも考えられる。少なくとも1つのドープされた金属酸化物は、例えば、スズドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウムドープ酸化亜鉛(IZO)、及び/又は、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)からなる群から選択され得る。これらの材料は、比較的良好な透明性および/または実質的に半透明であるという利点を有する。これにより、当該材料は、スタンプが適用されるインプリントプロセス(インプリント転写プロセス)に必要な可能性のある材料を通る放射に大きな影響を与えなくなるため、有益である。好ましくは、テクスチャ領域を覆い且つ/又はテクスチャ領域と重なり合う機能要素の少なくとも一部は、実質的に透明且つ/又は半透明である。
【0015】
好ましくは、少なくとも1つの基板の少なくとも一部は、特に可視光線、紫外線、及び/又は赤外線に対して、実質的に透明(透過性)且つ/又は半透明(半透過性)である。好ましくは、スタンプの少なくとも一部、特に基板の少なくとも一部は、テクスチャ領域(全体)の位置において実質的に透明且つ/又は半透明である。このことは、材料(特に、テクスチャ領域)を通過する放射が影響を受けないようにするために重要である。通常、基板の後面(裏面)(テクスチャ領域を有する面とは反対側の面)は、実質的に透明であり、これにより、材料を通過する放射が容易になる。好ましくは、少なくとも1つの機能要素がテクスチャ領域を実質的に完全に覆う場合、機能要素の光学特性(例えば、透過性および/または反射率)は、テクスチャ領域の光学特性とは最大で5%異なる。基板の少なくとも一部は、好ましくは、10%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは90%以上の透過性を有する。基板の少なくとも一部は、60%以上のUV-A透過性(UV-A透過率)を有することが好ましい。例えば、基板の少なくとも一部は、60%以上100%以下の範囲、特に70%以上90%以下の範囲のUV-A透過性(UV-A透過率)を有することが考えられる。
【0016】
基板は、少なくとも1つのポリマーを含んでもよい。例えば、少なくとも1つの基板の少なくとも一部は、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタラート、ポリカーボネート、及び/又は、ポリイミドを含むことが考えられる。適用可能なポリマーの他の非限定的な例としては、ポリ(メチルメタクリラート)、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び/又は、シクロオレフィンポリマーが挙げられる。このような材料は、優れた柔軟性(フレキシブル)特性を有することで知られている。代替的または追加的に、少なくとも1つの基板は、金属および/またはガラス(例えば、金属シート及び/又はガラスシート)を含んでもよい。特に、強化の目的で、ポリマー内に分散される粒子として金属および/またはガラスが適用(利用)され得る。可能な実施形態において、基板は、同じ又は異なる複数のポリマー材料からなる複数の箔の積層体であってもよい。あるいは、基板は、プラスチック箔と、ガラスパネル及び/又は金属シートとの積層体であってもよい。
【0017】
本発明に係るフレキシブルスタンプは、典型的には比較的薄い。スタンプの厚さは、例えば、1000μm以下、具体的には750μm以下、さらに具体的には500μm以下であってもよい。少なくとも1つの基板の厚さは、500μm以下(500μm未満)、好ましくは400μm以下(400μm未満)、より好ましくは300μm以下(300μm未満)である。少なくとも1つの基板の厚さは、250μm以下、好ましくは200μm以下、より好ましくは175μm以下であることも考えられる。基板の厚さは、実質的に均一であることが好ましい。特に、テクスチャ領域における基板の厚さは実質的に均一である。厚さの違いは、スタンプの性能に影響し得る。スタンプ、特に基板は、半径50cm以下、又は、半径20cm以下まで曲げ可能であることが好ましい。スタンプは、スタンプを損傷することなく、且つ/又は、スタンプを永久的に変形させることなく、曲げが行われるように構成されることが好ましい。基板の曲げ性(柔軟性)を制御することは、あらゆる内部および/または外部の電気接点に役立ち得る。少なくとも1つの基板は、例えば、5cm以上50cm以下、10cm以上40cm以下、及び/又は、20cm以上30cm以下の範囲の曲げ半径を有してもよい。基板の曲げ半径rは、0cm<r<50cmであると考えられる。
【0018】
また、少なくとも1つの基板のヤング率は、10GPa未満、好ましくは4GPa未満、好ましくは3GPa未満、より好ましくは2GPa未満であると考えられる。また、少なくとも1つの基板のヤング率は、80GPa未満、好ましくは40GPa未満、好ましくは10GPa未満、より好ましくは2GPa未満であると考えられる。前記ヤング率は、0.1GPa以上200GPa以下の範囲、特に、40GPa以上80GPa以下の範囲にあると考えられる。ヤング率は、例えば、ASTM E111規格に従って測定される。上記のような実施形態は、テクスチャ領域に影響を与えることなく十分な柔軟性を実現する。少なくとも1つの機能要素の柔軟性は、基板の柔軟性と同じか又はそれよりも高くてもよい。
【0019】
可能な実施形態において、少なくとも1つの機能要素は、少なくとも1つの電気部品を含む。少なくとも1つの機能要素は、電気部品であってもよい。少なくとも1つの電気部品は、例えば、RFIDユニット、RFID要素、又はRFIDチップであってもよい。少なくとも1つの電気部品は、ピクセル化された機能的電気部品であってもよい。一実施形態において、スタンプは、少なくとも1つの機能的電気部品を備えてもよい。機能的電気部品は、電気エネルギーを異なる形態のエネルギーに変換し、これによって、例えば加熱、発光、機械的動作、力場などの機能を実行する部品またはデバイスであってもよいし、例えばスタンプの伸び、温度、圧力の変化を測定するセンサとして作用するように電流または電圧の変化を測定する機能を実行する部品またはデバイスであってもよい。加熱用の機能的電気部品は、例えば、電気的な加熱および冷却に使用され得る電気抵抗ヒーター又はペルチェ素子であってもよい。電気抵抗ヒーター又はペルチェ素子を使用すると、スタンプの下または近傍の樹脂の粘度に影響が及んだり、当該樹脂が熱硬化されたりし得る。発光のための機能的電気部品は、例えば、発光ダイオードであってもよい。一実施形態において、スタンプに設けられる発光ダイオードは、薄膜発光ダイオード又はフレキシブル薄膜発光ダイオードである。発光用の機能的電気部品を使用すると、スタンプの下の樹脂が、例えば冷却、紫外線照射、溶剤の蒸発、又は加熱などによって、硬化または固化され得る。機械的動作に適した機能的電気部品は、振動運動または並進運動を実行し得るアクチュエータ(例えば、圧電アクチュエータ又は誘電エラストマーなど)であってもよい。機械的動作に適した機能的電気部品を使用することで、いくつかの機能が実行され得る。超音波がガス抜きに使用されるのと同様に、スタンプの下の樹脂から気泡を放出するのに振動運動が使用されてもよい。さらに、前記運動によって、スタンプの下または近傍にある樹脂の粘度などのレオロジー特性が影響を受け得る。さらに、圧電アクチュエータなどのアクチュエータは、固体材料の小片をつかんだり放したりするために、ピンセットに相当するグリッパーとして使用されてもよい。電気エネルギーを力場に変換する機能的電気要素は、例えば、スタンプに埋め込まれたコンデンサプレートであってもよい。コンデンサプレートは、スタンプ内のコンデンサプレートを第2のコンデンサプレートから分離する誘電体材料の一部としても機能し、又は、スタンプの外側で第2のコンデンサプレートとして機能するアイテムとしても機能する。2つのコンデンサプレート間に電圧を印加すると、スタンプの内側と外側との間に電界が形成され、該電界は、例えば固体材料の小片などの物体を静電的にスタンプに結合するのに使用されてもよい。電気エネルギーを力場に変換する別の機能的電気デバイスは、電気が流れると磁場を形成する誘導性デバイスであってもよい。前記磁場は、アイテムを選択的にスタンプに結合したりスタンプから解放したりするために使用されてもよい。
【0020】
センサは、歪み、圧力、温度、光などの物理的影響を電気信号に変換してもよく、該電気信号は、検出のために増幅されてもよい。前記機能的電気部品および/またはセンサは、スタンプのアクティブ領域の一部または全体に配置されてもよく、例えば、配置された領域全体を加熱したり、アクティブ領域の内側または外側でスタンプに加えられる圧力または歪みを検出したりし得る。本発明に係るスタンプは、1つ又は複数のセンサを備えてもよい。少なくとも1つの機能要素は、ピクセル化された機能要素であってもよい。一実施形態において、機能的電気部品がピクセル化されているとは、スタンプ内に1つの大きな機能電気デバイスが設けられるのではなく、選択的にオンとオフに切り替えられたり動作制御(駆動)されたりして、特定の場所で機能を実行し得る複数の小さな機能的電気部品が、スタンプのアクティブ領域またはその一部に(タイルのように)敷設されていることを意味する。ピクセル化された電気部品は、例えば、ピクセル化された加熱パッド、ピクセル化されたグリッパアレイ、ピクセル化された圧電アクチュエータ、ピクセル化された光源、又は、これらの任意の組み合わせであってもよい。圧電アクチュエータなどのアクチュエータは、スタンプの下またはスタンプ付近の樹脂の粘度を下げるための超音波ヒーターとしても使用され得る。センサは、ピクセル化されてもよい。すなわち、スタンプは、ピクセル化された圧力センサ(例えば、ロードセルアレイ)、ピクセル化されたひずみセンサ、ピクセル化された温度センサ、若しくは、ピクセル化された光センサ、又は、これらの任意の組み合わせを備えてもよい。前記ピクセル化されたセンサは、スタンプの下の領域に対する前記物理的効果の特定の検出を可能にする。本発明に係るピクセル化された機能的電気部品またはピクセル化されたセンサは、スタンプ内に少なくとも2つ設けられる。該2つの機能的電気部品またはセンサは、空間的に重複せず、これらが占める領域に対して選択的に使用され得る。本明細書全体を通じて、「ピクセル化」という用語は、ピクセル化されたデバイスの要素が閉じた領域を形成したり、互いに対してすぐ近くに位置したりする必要があるという意味で理解されるべきではない。ピクセル化されたデバイスの要素は、異なる要素間のスペースが要素の大きさの倍数になるように領域全体に分散されてもよい。
【0021】
一実施形態において、スタンプは、ピクセル化されたセンサと、ピクセル化された機能的電気部品との組み合わせを備えてもよい。一実施形態では、少なくとも2つのセンサが、例えばインプリント方向に沿ってアクティブ領域の両側に対称的に配置されてもよい。一実施形態では、少なくとも2つのセンサが、インプリント方向を横切るようにアクティブ領域の片側または両側(スタンプの開始側または停止側ともいう)に一列に配置されてもよい。一実施形態において、少なくとも2つのセンサは、前記アクティブ領域または複数のアクティブ領域を囲む円内に配置されてもよい。
【0022】
スタンプは、電気回路を更に備えてもよい。一実施形態において、電気回路は、ピクセル化されているかどうかに関係なく、スタンプ内の機能的電気部品および/またはセンサを動作制御(駆動)する。電気回路は、センサによって提供されるデータに基づいて機能的電気部品を動作制御(駆動)してもよい。一実施形態において、スタンプは、スタンプの外部の制御装置によって誘導的に接触され得るRFIDユニットを備えてもよい。RFIDユニットは、情報(例えば、スタンプの種類、使用サイクル数、又は、スタンプがさらされた熱、圧力、若しくはひずみストレスの量などの情報)を保存するために使用されてもよい。RFIDデバイスを使用すると、スタンプが使用されるインプリントシステム、エンボス加工システム、又は転写システムにおいて、スタンプが認識され得る。スタンプは、少なくとも3つの電気接点を備えてもよい。この場合、3つの電気接点のうち、1つの電気接点は、電源接続(VVCともいう)に使用されてもよく、別の1つの電気接点は、データ接続に使用されてもよく、残りの1つの電気接点は、共通帰線部(しばしば、グランド又はGNDという)として使用されてもよい。電気接点は、シリアルバス又はパラレルバスの形式であってもよい。機械内の位置、提供されるインプリント対象基板に応じて、且つ/又は、スタンプに設けられたセンサから読み取られたデータに応じて、スタンプの特性は変化し得る。スタンプは、ピクセル化された加熱パッドを備え、使用中のスタンプの位置、プロセスステップ、及び/又は、インプリント設定に応じて加熱されてもよい。スタンプは、ピクセル化された圧電素子を備え、使用中の位置に応じて作動されてもよく、これにより、例えば、樹脂内に衝撃波または振動を発生させて、樹脂内の不要なガスの排出、又は、樹脂層内または樹脂とスタンプとの間にある気泡の排出を促進し得る。スタンプは、使用中の位置に応じて作動されるピクセル化されたグリッパアレイを備えてもよい。スタンプは、ピクセル化されたロードセルアレイを備えてもよく、ロードセルデータは、使用中の位置に応じて調整されてもよい。スタンプは、ピクセル化された光源を備え、例えば硬化または検出の目的での光の放出は、使用中の位置に応じて調整されてもよい。スタンプは、ガルバニック絶縁性の接点を介して電力供給且つ/又は制御されてもよい。電力供給源との接触は、例えば、ローラ、ベルト、チャック、又は、インプリントデバイス、テクスチャ加工デバイス、若しくは転写デバイスにおける他の部分にスタンプを機械的に固定するために使用されるクランプにおいてなされ得る。スタンプは、スタンプ上のガルバニック絶縁性の接点に取り付けられたワイヤを介して電力供給且つ/又は制御されてもよい。スタンプは、スライド接点を介して電力供給且つ/又は制御されてもよい。スタンプは、例えばクランプ内またはローラ上での静電容量結合を介して電力供給且つ/又は制御されてもよい。スタンプは、誘導結合を介して電力供給且つ/又は制御されてもよい。誘導結合および/または容量結合を介した電力供給および/または制御は、本明細書において「電気接点」とも理解されるデバイスを介して実行されるが、これらのデバイスは、直接の物質接触ではなく、電界および/または磁界を介してのみ接触する。
【0023】
少なくとも1つの機能要素は、少なくとも1つのセンサを含むことが好ましい。少なくとも1つのセンサを使用することで、スタンプにさらなる機能や制御性が追加され得る。例えば、少なくとも1つのセンサは、温度センサ、ひずみセンサ、圧力センサ、位置センサ、力センサ、圧電センサ、湿度センサ、又は光学センサであることが考えられる。複数のセンサが適用されてもよく、この場合、複数のセンサは、同じセンサであってもよいし、異なるセンサであってもよい。さらに、少なくとも1つの機能要素は、加熱要素(加熱素子)、ロードセルアレイ、グリッパアレイ、ひずみセンサ、認識タグ、RFIDタグ、温度センサ、及び/又は、圧電素子からなる群から選択されることが考えられる。適用可能な圧電素子の非限定的な例としては、圧電アクチュエータ、発光ダイオード、コンデンサ、及び/又は、これらの任意の組み合わせが挙げられる。例えば、スタンプは、基板上に分散された複数のセンサ(例えば、圧力センサ及び/又は温度センサ)を備え、各センサは、テクスチャ領域の外側に配置されてもよい。少なくとも1つの機能要素は、加熱パッドなどの加熱要素(加熱素子)であってもよい。少なくとも1つの機能要素は、少なくとも1つの電気回路を含んでもよい。スタンプは、スタンプの使用中に取得されたデータに基づいて少なくとも1つの機能要素を調整可能な少なくとも1つの制御ユニットをさらに備えるか、又は、該制御ユニットと連携してもよい。
【0024】
有益な実施形態において、少なくとも1つの機能要素は、基板の表面上に設けられる。例えば、少なくとも1つの機能要素は、基板の表面に取り付けられてもよい。少なくとも1つの機能要素は、堆積、スパッタリング、及び/又は印刷によって設けられることも考えられる。少なくとも1つの機能要素は、少なくとも部分的に基板に埋め込まれてもよい。すなわち、少なくとも1つの機能要素の少なくとも一部が基板内に埋め込まれ、機能要素の別の一部が基板の(外側の)表面に存在してもよい。通常、少なくとも1つの基板は、前面(正面)と後面(裏面)とを備える。基板の後面(裏面)に少なくとも1つの機能要素の少なくとも一部が設けられ、テクスチャ領域が基板の前面(正面)に設けられてもよい。このようにして、機能要素は、テクスチャ領域から距離を空けた場所(離れた場所)に配置されてもよい。少なくとも1つの機能要素が基板の同じ側にあるが、機能要素がテクスチャ領域と重なり合わないように且つ/又は干渉しないようにすることも考えられる。
【0025】
スタンプは、複数の機能要素を備えてもよい。スタンプは、少なくとも2つの機能要素を備えることが考えられる。スタンプは、複数の機能要素を備えてもよい。複数の機能要素は、同じ(種類の)機能要素であってもよい。スタンプが複数の機能要素を備え、少なくとも2つの異なる種類の機能要素が存在することも考えられる。したがって、例えば、少なくとも1つの機能要素が伝導性要素(導電性要素)を含み、少なくとも1つの機能要素がセンサを含むことが考えられる。少なくとも1つの機能要素が少なくとも1つのテクスチャ領域を完全に覆い、且つ/又は、少なくとも1つのテクスチャ領域と重なり合うこと、及び、少なくとも1つの機能要素がテクスチャ領域の外側に配置されていることが考えられる。複数の機能要素が適用される場合、少なくとも2つの機能要素が個別に作動されることが考えられる。また、少なくとも2つの機能要素は、並列且つ/又は直列に配置されることが考えられる。
【0026】
少なくとも1つのテクスチャ領域の少なくとも一部は、基板上にインプリントによって転写されることが好ましい。例えば、少なくとも1つのテクスチャ領域は、基板上の樹脂層にインプリントによって転写されることが考えられる。
【0027】
少なくとも1つの導電性トラック(好ましくは、各導電性トラック)は、テクスチャ領域から距離を空けた位置(離れた位置)に配置される。このように、導電性トラックは、テクスチャ領域の性能、及び/又は、スタンプの透過性(透明性)、剛性、導電性などの物理的特性に影響を与えない。機能要素の少なくとも一部は、テクスチャ領域によって定義される表面の外側に配置されてもよく、これにより、導電性トラックと機能要素との接続がテクスチャ領域から距離を空けた位置(離れた位置)でなされ得る。テクスチャ領域と少なくとも1つの導電性トラックとの間の距離は、好ましくは0.1μm以上または0.5μm以上である。
【0028】
少なくとも1つの導電性トラック(好ましくは、各導電性トラック)は、少なくとも1つの機能要素に接続されているか又は接続可能である。このようにして、導電性トラックは、機能要素と別の構成要素との接触(特に、電気接触)を提供し得る。少なくとも1つの導電性トラックは、例えば、機能要素へのエネルギー供給部として機能し得る。例えば、少なくとも1つの導電性トラックの少なくとも一部が基板の表面上に設けられることが考えられる。このことは、例えば、堆積、スパッタリング、印刷によってなされ得る。また、少なくとも1つの導電性トラック(又は、各導電性トラック)がワイヤ(特に、プリントワイヤ)を有することも考えられる。少なくとも1つの導電性トラックの少なくとも一部が基板に埋め込まれていることも考えられる。複数の導電性トラックが適用される場合、複数の導電性トラックが互いに干渉しないことが望ましい。例えば、複数の導電性トラックが重なり合う場合に備えて、少なくとも1つの絶縁要素が適用されてもよい。すなわち、少なくとも1つの絶縁要素の干渉によって、複数の導電性トラックが互いに交差したり重なり合ったりすることも可能になる。少なくとも1つの導電性トラックは、データ接続部として機能してもよい。
【0029】
スタンプは、少なくとも2つの接点(特に、電気接点)をさらに備えてもよい。好ましくは、少なくとも1つの(電気)接点(特に、各(電気)接点)は、少なくとも1つの導電性トラックに接続されているか又は接続可能である。接点(電気接点)は、例えば、スタンプ上(特に、基板上)又はスタンプ内(特に、基板内)に形成された接触領域であってもよい。スタンプは、少なくとも1つの機能要素に直接的または間接的に接続されているか又は接続可能な少なくとも2つの電気接点を備えることが考えられる。電気接点は、例えば、導電性トラックを介して少なくとも1つの機能要素に接続されてもよい。少なくとも1つの電気接点は、少なくとも部分的にガルバニック絶縁性、容量性、且つ/又は、誘導性であってもよい。少なくとも1つの電気接点は、クランプ要素に設けられることも考えられる。少なくとも1つのクランプ要素(クランプ)により、例えば、インプリント装置、テクスチャ加工装置、又は転写装置にスタンプを機械的且つ/又は電気的に取り付けることが可能になる。
【0030】
スタンプは、少なくとも1つの電力供給源(電源)を更に備えてもよい。このような電力供給源(電源)は、例えば、基板内に埋め込まれた内部電源であってもよい。スタンプが外部電源を備えることも考えられる。電源の非限定的な例としては、バッテリー、太陽電池、電磁誘導電力伝送用の電磁コイル、又は、これらの組み合わせなどが挙げられる。スタンプは、プロセスサイクルを電子的にカウントするデバイスを備えてもよい。
【0031】
また、本発明は、本発明に係る少なくとも1つのスタンプを保持するように構成されたインプリント用(特に、ナノインプリント用)のシステムに関し、該システムは、スタンプを電気的に動作制御(駆動)するための少なくとも1つのステアリング構造(駆動構造)を備える。また、本発明は、インプリント及び/又はテクスチャ加工のため(特に、ナノインプリントのため)のシステムに関し、該システムは、本発明に係る少なくとも1つのスタンプ、及び/又は、該スタンプを電気的に動作制御(駆動)するための少なくとも1つのステアリング構造(駆動構造)を備える。インプリント及び/又はテクスチャ加工のためのシステムは、本発明に係る少なくとも1つのスタンプを保持するように構成されることが好ましい。少なくとも1つのステアリング構造(駆動構造)は、スタンプを保持且つ/又は電気的に動作制御(駆動)するように構成されてもよい。例えば、少なくとも1つのステアリング構造(駆動構造)は、スタンプの少なくとも1つの導電性トラックと(直接)接触するように構成されることが考えられる。ステアリング構造(駆動構造)は、少なくとも1つの印刷された、ガルバニック絶縁性、容量性、且つ/又は誘導性の電気接続要素を備えてもよい。前記システムは、例えば、少なくとも1つのスタンプを保持するための少なくとも1つの保持要素も備えてもよい。前記システムは、ウエハスケール(ウエハ規模)、ロール to ロール、又はロール toプレートのインプリント用に構成されてもよい。ステアリング構造(駆動構造)は、少なくとも1つのステアリングベルト(駆動ベルト)、好ましくは複数のステアリングベルトを備えてもよい。例えば、一対のステアリングベルト(駆動ベルト)が適用されてもよく、この場合、一対のステアリングベルト(駆動ベルト)は、スタンプを挟んで互いに反対側に配置される。ステアリング構造(駆動構造)は、スタンプを保持且つ/又は電気的に動作制御(駆動)するように構成されたクランプ要素を備えてもよい。クランプ要素は、上蓋、下蓋、及び、上蓋と下蓋との間にスタンプを挟持(クランプ)するように構成された2つのネジ要素を備えてもよい。クランプ要素は、スタンプ上の対応する接点に接続されるように構成された導電性(電気伝導性)の接点を更に備えてもよい。クランプ要素は、適用される場合、ステアリングベルト(駆動ベルト)に取り付けられてもよい。前記システムは、スタンプへのエネルギー供給のための接触領域を備えてもよく、該接触領域は、例えば、スライドレール上に設けられてもよい。ステアリングベルト(駆動ベルト)について言及される場合、これは、スライドレールを意味することがあり、その逆も同様である。一実施形態において、本発明に係るシステムは、スタンプ上の電流を制御する機能を有する。この特定の実施形態において、フレキシブルスタンプは、フレキシブルスタンプから延びる電気接点を備え、該電気接点は、前記システムにおける対応する電気接点に接続される。システムにおける前記電気接点は、それ自体で動作制御(駆動)可能であるか、又は、電力供給源(電源)とシステムの電気接点との間の接続部内で動作制御(駆動)可能である電力供給源(電源)に接続され、電力を制御する手段(例えば、ポテンショメータ若しくはトランジスタ、又は、これらの任意の配列若しくは組み合わせなど)が設けられる。一実施形態では、ワイヤを介した動作制御(駆動)が可能である。一実施形態では、フレキシブルスタンプがシステムに取り付けられる方法を採用することによって動作制御(駆動)が可能である。この実施形態において、前記システムは、異なる電圧および/または電流強度で電力を供給する複数の電気接点を備えてもよい。一実施形態において、システムとフレキシブルスタンプとの間の電気的接続は、スライド接点(例えば、カーボンブラシ又は集電体など)を通じて実現される。前記システムは、導体レールのような形状の接点を備えてもよく、フレキシブルスタンプは、システムとフレキシブルスタンプとの間の電気的接続を構成する電車と同様のカーボンブラシ又は集電体を備えてもよい。一実施形態において、システムとフレキシブルスタンプとの間の電気的接続は、容量性接続若しくは誘導性接続、又は、これらの任意の組み合わせを使用して形成される。誘導性接続の場合、前記システムは、送信器として、例えば電気コイルの形態の誘導体を備え、フレキシブルスタンプは、受信器として、例えば電気コイルの形態の誘導体を備える。
【0032】
容量結合の場合、フレキシブルスタンプとシステムの両方が2つのコンデンサプレートを備えてもよく、該コンデンサプレートは、システムとフレキシブルスタンプとの間に2つのコンデンサが形成されるように組み合わされてもよい。システム内の前記2つのコンデンサプレート間に電圧を印加すると、容量結合を介してフレキシブルスタンプ内の前記2つのコンデンサプレート間に電流が流れ得る。
【0033】
また、本発明は、インプリント用、特にナノインプリント用に構成されたフレキシブルスタンプに関する。該フレキシブルスタンプは、実質的にフレキシブルな少なくとも1つの基板と、少なくとも1つのテクスチャ領域と、少なくとも1つの機能要素と、を備え、好ましくは、少なくとも1つの機能要素に接続されるか又は接続可能な少なくとも2つの導電性トラックを更に備え、少なくとも1つの機能要素は、少なくとも1つのテクスチャ領域を完全に覆い、且つ/又は、少なくとも1つのテクスチャ領域と重なり合い、且つ/又は、少なくとも1つの機能要素は、テクスチャ領域の外側に配置される。この実施形態は、上述の任意の実施形態と組み合わされ得る。
【0034】
また、本発明は、特にインプリント及び/又はテクスチャ加工(特に、ナノインプリント)のために構成されたスタンプ(好ましくは、本発明に係るスタンプ)を製造する方法に関する。当該方法は、少なくとも1つの実質的にフレキシブルな基板を用意するステップと、少なくとも1つのテクスチャ領域と、少なくとも1つの機能要素と、少なくとも1つの機能要素に接続されているか又は接続可能である少なくとも2つの導電性トラックとを、基板に設けるステップと、を備え、少なくとも1つの機能要素が少なくとも1つのテクスチャ領域を完全に覆い且つ/又は少なくとも1つのテクスチャ領域と重なり合うように、且つ/又は、少なくとも1つの機能要素がテクスチャ領域の外側に配置されるようにする。
【0035】
前記方法は、本発明に係るスタンプの製造を提供する。スタンプについて上述されたいずれの実施形態も、前記方法に適用され得る。好ましくは、特に、基板に少なくとも1つの機能要素および/または少なくとも2つの導電性トラックが設けられた後に、少なくとも1つのテクスチャ領域が基板上にインプリントによって転写される。このように、少なくとも1つの機能要素および/または導電性トラックが設けられても、基板の(かなり脆弱な)テクスチャには影響しない。また、機能要素との関連で、インプリント対象のテクスチャの位置合わせも保証される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明は、以下の図に示される非限定的で例示的な実施形態によって更に説明される。
【0037】
図1】本発明に係る第1の実施形態のスタンプの概略図を示す。
図2】本発明に係る第2の実施形態のスタンプの概略図を示す。
図3】本発明に係る第3の実施形態のスタンプの概略図を示す。
図4】使用中にシステムに取り付けられたフレキシブルスタンプの概略図を示す。
図5】本発明に係るスタンプを使用するシステムの一部を示す。
図6】本発明に係るスタンプを用いたインプリントプロセスの概略図である。
【0038】
以上の図において、同様の参照符号は、同様または同等の要素または特徴に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明に係る第1の実施形態のスタンプ100の概略図を示す。スタンプ100は、インプリント用(特に、ナノインプリント用)に構成されたフレキシブルスタンプ(柔軟なスタンプ)100である。スタンプ100は、実質的にフレキシブル(柔軟)な基板(フレキシブル基板)101を備える。基板101は、少なくとも1つのテクスチャ領域102を有する。スタンプ100は、機能要素103と、機能要素103に接続された2つの導電性トラック104とを更に備える。図示のスタンプ100は、2つの接点(電気接点)105を更に備えている。各接点(電気接点)105は、導電性トラック104に接続されている。図示の実施形態において、機能要素103は、テクスチャ領域102を完全に覆い、テクスチャ領域102と重なり合って(オーバラップして)いる。導電性トラック104は、テクスチャ領域102から距離を空けた位置に配置されている。テクスチャ領域102は、基板101の一部のみを覆い、基板101の略中央に位置している。基板101は、特に、実質的に透明且つ/又は半透明である。機能要素103は、実質的に均一な機能領域を形成している。機能要素103は、例えば、テクスチャ領域102の裏側に実質的に配置されてもよい。機能要素103は、実質的に透明且つ/又は半透明であってもよい。
【0040】
図2は、本発明に係る第2の実施形態のスタンプ200の概略図を示す。スタンプ200は、実質的に柔軟な基板(フレキシブル基板)201を備える。基板201は、テクスチャ領域202を有する。スタンプ200は、複数の機能要素203と、機能要素203に接続された2つの導電性トラック204とを更に備える。図示のスタンプ200は、2つの接点(電気接点)205を更に備えている。各接点(電気接点)205は、導電性トラック204に接続されている。スタンプ200は、スタンプの使用中にデータを取得するためのデータトラック206及びデータコネクタ(接点)206も備えている。データトラック206は、導電性トラックと実質的に同一であってもよい。図示の実施形態において、機能要素203は、テクスチャ領域202の外側に配置されている。機能要素203は、具体的にはセンサ(例えば、圧力センサ)である。導電性トラック204は、テクスチャ領域202から距離Dを空けた位置に配置されている。
【0041】
図3は、本発明に係る第3の実施形態のスタンプ300の概略図を示す。スタンプ300は、実質的に柔軟な基板(フレキシブル基板)301を備える。基板301は、テクスチャ領域302を有する。スタンプ300は、複数の機能要素303と、機能要素303に接続された2つの導電性トラック304とを更に備える。スタンプ300は、導電性トラック304に一体化された接点(電気接点)305を備えている。スタンプ300は、2つの導電性トラック304が交差または重なり合う位置に絶縁要素307を更に備えている。導電性トラック304は、機能要素303へのエネルギー供給源として機能し得る。少なくとも一方の導電性トラック304は、機能要素303へのデータ接続部として使用されてもよい。
【0042】
図4は、本発明に係るシステムに図1に示すフレキシブルスタンプ100が取り付けられた状態を示す概略図である。図4のシステムは、ステアリング構造(駆動構造)として、例えばステアリングベルト(駆動ベルト)410を備える。ステアリングベルト410は、フレキシブルスタンプ100を、クランプ要素としてのクランプ411を使用して保持し、電気的に動作制御する。図示のクランプ411は、上蓋、下蓋、及び、上蓋と下蓋との間にスタンプ100を挟持するように構成された2つのネジ要素を備えている。クランプ411は、フレキシブルスタンプ100上の対応する接点105に接続された導電性の接点412を更に備える。クランプ411は、取付要素414を介してステアリングベルト410に更に取り付けられている。さらに、クランプ411は、エネルギー供給源接続用のワイヤと、データ用の接点413に接続し得るデータ供給源接続用のワイヤとを備える。
【0043】
図5は、図4に示すシステムと同等のシステムの概略図を示す。図5に示すシステムでは、図2及び/又は図3に示すようなフレキシブルスタンプ200がインプリントプロセスに適用される。エネルギー供給用の接点(接触領域)205,206は、システムのスライドレール516上のエネルギー供給用の接点(接触領域)517,518に接続される。
【0044】
スタンプ200上の接点(接触領域)205,206とスライドレール516上の接点(接触領域)517,518との接触は、スライドレール516に対して接点205,206を押し付けるばね(スプリング)515によって保証される。
【0045】
図6は、本発明に係るフレキシブルスタンプ100を使用したインプリントプロセスの概略図を示す。インプリントによって転写される対象製品600も図示されており、対象製品600は、キャリア660上に配置されている。塗布ユニット661によって、ラッカー(樹脂)が供給される。フレキシブルスタンプ100のテクスチャ領域は、該テクスチャ領域が対象製品600に接触する前に、ラッカー(樹脂)の層で覆われる。対象製品600は、キャリア660上で、フレキシブルスタンプ100の下を通るように搬送される。なお、ラッカー(樹脂)の層は、対象製品600ではなくスタンプ100に塗布されてもよいし、対象製品600とスタンプ100の両方に塗布されてもよい。フレキシブルスタンプ100は、クランプ611を使用してベルト662に固定される。ベルト662とフレキシブルスタンプ100とは、(例えば一対の)ローラ663によって導かれる。(例えば1つの)ローラ663の近傍には、スライドレール616が取り付けられている。スライドレール616の正確な位置は様々であり、例えば電気回路を電気的に制御できるようにするために、フレキシブルスタンプ100との接触の瞬間によって決定される。
【0046】
本発明は、図示されて本明細書で説明されている例示的な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の枠組み内において無数の変形が可能であり、このことは、当業者にとって明らかである。この場合、添付の特許請求の範囲に記載された発明の思想から逸脱しない限り、上述の実施形態の様々な発明概念および/または技術的手段を完全に又は部分的に組み合わせることが考えられる。
【0047】
この特許明細書で使用されている動詞「備える」及びその活用形は、「備える」という意味だけでなく、「含む」、「実質的に含む」、「によって形成される」という表現、及びこれらの活用形も含むものと理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】