(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ヘナを含む固形化粧料組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20250117BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20250117BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20250117BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20250117BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/92
A61K8/34
A61K8/02
A61Q5/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542289
(86)(22)【出願日】2023-01-16
(85)【翻訳文提出日】2024-09-09
(86)【国際出願番号】 GB2023050070
(87)【国際公開番号】W WO2023139349
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510307004
【氏名又は名称】コスメティック ウォリアーズ エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】COSMETIC WARRIORS LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティン マーク
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティン マーガレット ジョーン
(72)【発明者】
【氏名】アンブロセン ヘレン エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ブラージュ ウェスレー ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス デイジー ジェーン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB331
4C083AB332
4C083AC111
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC131
4C083BB12
4C083BB22
4C083CC32
4C083CC36
4C083DD21
4C083DD30
4C083EE03
4C083EE07
4C083EE26
4C083FF05
4C083FF06
(57)【要約】
本発明は、ヘナと、植物性ハードバターと、ポリオールとを含む固形化粧料組成物を提供する。本発明はさらに、ヘナと、ハード植物性バターと、ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料とを含む、固形化粧料組成物を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量の植物性ハードバターと、
(iii)固形化粧料組成物の約1重量%~約35重量%の量のポリオールと
を含む、固形化粧料組成物。
【請求項2】
ヘナが、固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%の量で存在する、請求項1に記載の固形化粧料組成物。
【請求項3】
植物性ハードバターが、固形化粧料組成物の約5重量%~約20重量%の量で存在する、請求項1又は2に記載の固形化粧料組成物。
【請求項4】
植物性ハードバターが、ココアバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター、ヤシ油、パーム核油及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~3のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項5】
植物性ハードバターがココアバターである、請求項1~4のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項6】
ポリオールが、固形化粧料組成物の約10重量%~約20重量%の量で存在する、請求項1~5のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項7】
ポリオールが、グリセロール、プロピレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ソルビトール、キシリトール、イソマルト、エリスリトール、ラクチトール、マンニトール、マルチトール及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項8】
ポリオールがグリセロールである、請求項1~7のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項9】
植物性ハードバター対ポリオールの重量比が約4:1~約1:4である、請求項1~8のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項10】
草木染色材料をさらに含み、前記草木染色材料がヘナ以外である、請求項1~9のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項11】
草木染色材料が、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー粉砕物、ノニ果実、ハイビスカス、ルバーブ根、カモミール、カシアオボタバ、ローズマリー、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の固形化粧料組成物。
【請求項12】
草木染色材料が、固形化粧料組成物の約5重量%~約60重量%の量で存在する、請求項10又は11に記載の固形化粧料組成物。
【請求項13】
ヘナと草木染色材料とを合わせた総量が固形化粧料組成物の約40重量%~約80重量%である、請求項10~12のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項14】
草木染色材料が、ノニ果実粉末、ハイビスカス粉末又はこれらの組合せを含む、請求項10~13のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項15】
草木染色材料が、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量で存在するハイビスカス粉末であるか、又は固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量で存在するハイビスカス粉末を含む、請求項14に記載の固形化粧料組成物。
【請求項16】
草木染色材料が、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量で存在するノニ果実粉末であるか、又は固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量で存在するノニ果実粉末を含む、請求項14に記載の固形化粧料組成物。
【請求項17】
果汁をさらに含む、請求項1~16のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項18】
果汁が、レモン汁、ノニ果汁、ライム汁、グレープフルーツ汁、ユズ汁及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の固形化粧料組成物。
【請求項19】
果汁が、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約8重量%の量で存在する、請求項17又は18に記載の固形化粧料組成物。
【請求項20】
結合剤、フィラー、角質除去性材料、精油、ビタミン、芳香物質、香料、着色剤、装飾的アイテム、発泡性成分、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、酸性化剤、塩基及びこれらの混合物から選択される1又は2以上の化粧品学的に許容される添加物をさらに含む、請求項1~19のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項21】
請求項1~20のいずれかに記載の固形化粧料組成物を製造する方法であって、
(a)
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ポリオールと
を組み合わせるステップ、及び
(b)得られた組合せ物を固化させるステップ
を含む、前記方法。
【請求項22】
ステップ(b)が、得られた組合せ物を固化させる前に、前記組合せ物を型に投入することを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ステップ(a)の実施前、実施中又は実施後に、果汁、粉末形態の草木染色材料又はこれらの組合せを添加するステップをさらに含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
請求項21~23のいずれかに記載の方法により得られた又は得ることができる固形化粧料組成物。
【請求項25】
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実、アムラ、ブリンハラジ/マカ(アメリカタカサブロウ又はタカサブロウ)、スパイクナード、クス根、バレリアン根、アルカンナ、ブルーベリー、ザクロ及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料
とを含む、固形化粧料組成物。
【請求項26】
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と
を含む、固形化粧料組成物。
【請求項27】
植物性ハードバターがココアバターを含む、請求項25又は26に記載の固形化粧料組成物。
【請求項28】
植物性ハードバターが、固形化粧料組成物の約15重量%~約35重量%の量で存在する、請求項25~27のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項29】
(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約15重量%~約35重量%の量の植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料であり、ノニ果実とハイビスカスとの総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%である、前記草木染色材料と
を含む、請求項25~28のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項30】
草木染色材料が、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量で存在するハイビスカス粉末であるか、又は固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量で存在するハイビスカス粉末を含む、請求項25~29のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項31】
草木染色材料が、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量で存在するノニ果実粉末であるか、又は固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量で存在するノニ果実粉末を含む、請求項25~29のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項32】
果汁をさらに含み、好ましくは、前記果汁が、レモン汁、ノニ果汁、ライム汁、グレープフルーツ汁、ユズ汁及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項25~31のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項33】
果汁が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約8重量%の量で存在する、請求項32に記載の固形化粧料組成物。
【請求項34】
結合剤、フィラー、角質除去性材料、精油、ビタミン、芳香物質、香料、着色剤、装飾的アイテム、発泡性成分、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、酸性化剤、塩基及びこれらの混合物から選択される1又は2以上の化粧品学的に許容される添加物をさらに含む、請求項25~33のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項35】
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)レモン汁、ノニ果汁及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される果汁と、
任意で(vi)香料及び/又は塩と
から実質的になる、請求項26~34のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項36】
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ノニ果実粉末と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)ノニ果汁と、
(vi)香料と、
(vii)塩と
から実質的になる、請求項26~35のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項37】
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス粉末と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)レモン汁と、
(vi)香料と
から実質的になる、請求項25~35のいずれかに記載の固形化粧料組成物。
【請求項38】
請求項1~20又は請求項24~37のいずれかに記載の固形化粧料組成物をユーザーの毛髪に接触させるステップを含む、美容方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形化粧料組成物、前記固形化粧料組成物を製造する方法、該方法により調製された製品、及び前記固形化粧料組成物を使用する美容方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、固形化粧料組成物、特に、毛髪への使用のための固形化粧料組成物に関する。本発明は、主として毛髪へ使用されるものであるが、皮膚又は他の物質に対して使用されてもよい。
【0003】
現代において、化粧料製品の多くは、液体又はペーストの形態で消費者に提供されることが典型的である。例えば、毛髪用のトリートメント剤及び製品、特に、染色のために使用される化粧料製品は、従来から、硬質若しくは半硬質プラスチック材製の容器又は小袋の形態のフォイル製の容器に入った状態で供給されている。容器は製品コストを大きく押し上げる。環境保護の観点から、パッケージ廃棄物は、リサイクルできる可能性があるとはいえ大きな問題である。
【0004】
ヘナは、旧来より、その輸送及び保存のためにパッケージを典型的に必要とする粉末及びペーストの形態で販売されており、ヘアリンス、皮膚用染料、繊維用染料などに含まれる着色物質として販売されている。先述のとおり、パッケージの使用を必要とすることは欠点である。
【0005】
英国特許出願公開第2369995号明細書は、ヘナ及びココアバターを含む固形製品を記載している。好ましい量として記載されているココアバターの量は、30重量%である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】英国特許出願公開第2369995号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、外部パッケージ(external packaging)を使用する必要性を回避しつつ、毛髪染料製品の改善及びヘナのデリバリーの改善をユーザーにもたらす固形化粧料製品を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、(ii)固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量の植物性ハードバター(hard vegetable butter)と、(iii)固形化粧料組成物の約1重量%~約35重量%の量のポリオールとを含む、固形化粧料組成物が提供される。
【0009】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の第1の態様による固形化粧料組成物を製造する方法であって、
(a)
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ポリオールと
を組み合わせるステップ、及び
(b)得られた組合せ物を固化させるステップ
を含む方法が提供される。
【0010】
本発明のさらなる態様によれば、
(a)
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ポリオールと
を組み合わせるステップ、及び
(b)得られた組合せ物を固化させるステップ
を含む方法によって得られた又は得ることができる固形化粧料組成物が提供される。
【0011】
本発明のさらなる態様によれば、(i)ヘナと、(ii)植物性ハードバターと、(iii)ハイビスカス、ノニ果実、及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料(herbal dye material)とを含む固形化粧料組成物が提供される。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、本明細書に記載の固形化粧料組成物をユーザーの毛髪に接触させるステップを含む美容方法が提供される。
【0013】
ヘナを含む本発明の組成物は、固形形態の毛髪染料として使用され得る。英国特許出願公開第2369995号明細書には、許容される固形性を有し、ひいてはパッケージを必要としない毛髪染料製品を提供するためには、ココアバターを含ませることが必要であると記載されている。従来製品中のココアバターの量は相対的に高く、典型的に約30~40%の範囲であった。今回、驚くべきことに、もっと低い量のココアバター又は他の植物性ハードバターを用いることにより、毛髪に適用された際に、毛髪により深みのある色合い(shades of colour)及び毛髪により均一な被覆(coverage)をもたらす製品を得られることが、本発明者らにより見出された。本製品は、さらに、毛髪に適用された際の色合いの改善も実現し得る。特に、本製品に含まれる染色材料には、より多くの色素を毛髪束上に沈着させる能力があることが見出された。
【0014】
ただし、植物性ハードバターを低減又は排除すると、パッケージに支持されていなければその物理的形状を保持できない組成物を得る結果となることが見出された。植物性ハードバターは、毛髪にコンディショニング及び潤いなどの利益をもたらすことも見出された。本発明者らは、驚くべきことに、植物性ハードバターとポリオール、例えばグリセロールなどとの組合せを用いることにより、許容される固形性及び硬さを有し、したがって外部パッケージを必要とすることなく簡単に取扱い及び輸送できる組成物が得られ、その上さらに、従来可能であったものと比較して、より深みのある色合い及び毛髪に対する均一な被覆をもたらす毛髪染料製品が得られることを見出した。結果として得られる製品は、毛髪に対する望ましいコンディショニング効果及び保湿効果もそのまま発揮することが見出された。
【0015】
ポリオールの存在なしでは、ココアバターが減らされた製品は、より乾燥した崩壊しやすいものとなり、こうした製品をプレスして成型ブリック(moulded brick)の形状にするには一層の努力が必要であることが見出された。そのため、ポリオールを含ませることにより製品の固形性が改善され、崩壊又はひび割れが生じた場合の影響が低減され、その上さらに、毛髪に対する製品の被覆が改善されることが見出されたのは驚くべきことであった。結果として得られる製品は、特に白髪に対する被覆の改善をもたらし得ることが見出された。
【0016】
さらに、驚くべきことに、植物性ハードバターとポリオール(例えばグリセロール)との組合せは、毛髪への適用がより簡単な固形製品をもたらすことも見出された。この製品は小さく崩すことがより簡単であり、その後溶融させることで製品を毛髪に適用可能な状態にできることが見出された。この製品は、より急速に溶融され得ることも見出された。
【0017】
固形形態であるおかげでもあるが、本組成物は合成防腐剤の使用を必要とすることなく微生物の増殖に抵抗性を示し得ることも見出された。そのため、本組成物は、「防腐剤フリー」のものとして扱われ得る。
【0018】
さらに、驚くべきことに、植物性ハードバター及びヘナを、ハイビスカス及び/又はノニ果実と組み合わせると、このような草木材料を含まない組成物と比較して、より深みがありより豊かな色調(tone)が達成されている形で毛髪着色効果の増強を実現できることが本発明者らによって見出された。
【0019】
以下に、本発明のこれらの態様及びさらなる態様を、参照を容易にするために、適切なセクション見出しのもとに論じる。ただし、各セクションにおける教示は、各特定のセクションに必ずしも限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
組成物
本明細書に記載のとおり、本発明の一態様において、(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、(ii)固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量の植物性ハードバターと、(iii)固形化粧料組成物の約1重量%~約35重量%の量のポリオールとを含む、固形化粧料組成物が提供される。
【0021】
当業者には理解されることであるが、化粧料製品の性質は、製品が食用でないことを意味する。したがって、本発明は、本明細書において定義される非食用の固形化粧料組成物を提供する。
【0022】
本発明の固形化粧料製品は、外部手段、例えばパッケージなどによって支持されていない場合でもその物理的形状を実質的に保持することができる組成物である。したがって、本発明の固形化粧料製品は、室温で、固形、固形様、固形形態又は固形様形態であると認められるものである。誤解を避けるために、固形製品は、温度30℃まで実質的に固形のままの製品である。
【0023】
固形様とは、いくつかの材料、例えばガラスなどの非晶質材料が日単位では固形と認められても、極めて長い期間を経て形状が変化し得ることと理解される。しかし、このような材料は、それらが果たす目的から見れば固形であるため、固形様と認められる。
【0024】
先述のように、本発明の組成物は固形形態であるおかげで、組成物の形状を維持する目的での外部パッケージは必要ない。したがって、本発明による組成物の固形形態は、パッケージ又は容器が必須である状態を回避することにより達成される有益なコスト削減及び環境汚染削減を可能にする。加えて、固形形態であることから、本組成物は、製造中に施される可能性のある刻印やスタンプを受け入れることができる。
【0025】
ヘナ及び着色材料
本明細書に記載のとおり、固形化粧料組成物は、ヘナを含む。ヘナは、「ヘナの木」と呼ばれることもある植物ローソニア・インテーミス(Lawsonia intermis)から調製された染料である。本明細書で使用される用語「ヘナ」は、ヘナの木に由来する材料のみを指し、他の皮膚及び毛髪染料、例えばブラックヘナ及びニュートラルヘナ(neutral henna)を指さない。これらはいずれもヘナの木に由来するものではない。ヘナは着色剤であり、ユーザーの皮膚又は毛髪を染めるために使用してもよく、ユーザーの毛髪に輝きを与える場合もある。
【0026】
ヘナは、粉末形態(powdered form)で組成物中に含まれ得る。ヘナは、ヘナの木由来の葉を粉にひいた(milled)形態で供給されてもよい。ヘナは、好ましくはレッドヘナであり得る。
【0027】
本発明の第1の態様によれば、固形化粧料組成物は、固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナを含む。いくつかの好ましい実施形態において、ヘナは、固形化粧料組成物の約10重量%~約75重量%の量で、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約75重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、ヘナは、固形化粧料組成物の約10重量%~約70重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約20重量%~約60重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約25重量%~約70重量%、例えば、固形化粧料組成物の約30重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約40重量%~約65重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約15重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約45重量%の量で含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約50重量%~約65重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約35重量%~約50重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約15重量%~約30重量%の量で、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約25重量%の量で含む。
【0029】
固形化粧料組成物は、いくつかの実施形態において、ヘナに加えて、他の色素(pigment)、染料(dye)又は着色材料(colouring material)を含むことができる。そのような追加の色素、染料又は着色材料は、ヘナによってもたらされる色を増強する目的で、又は組成物によって毛髪にもたらされる全体の色を調節する目的で、又はこの2つを合わせた目的で、含ませることが可能である。例えば、追加の着色材料は、ヘナによってもたらされる色合いを明るくする若しくは暗くする目的で含ませてもよく、又は単に、ヘナによってもたらされる色の強度を増加させる目的で含ませてもよい。好ましくは、任意の追加の染料、色素又は着色材料は、天然源に由来するものであり得る。
【0030】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、草木染色材料を含むことができる。草木染色材料は、ヘナ以外のものである。これは、草木染色材料が、ヘナの木(Lawsonia intermis)以外の天然源に由来する染色材料であることを意味する。草木染色材料は、ユーザーの毛髪又は皮膚を着色する能力がある色素を含有する材料であってもよく、したがって、着色材料と称されることもある。
【0031】
草木染色材料は、ユーザーの毛髪又は皮膚を着色する能力がある任意の適切な天然由来材料であり得る。草木染色材料は、天然色素、例えば、ビート根、クロロフィル、クチナシ、ブラックベリー、コーヒー、バラ、カラメル粉末、ブドウ、アルファルファ、クルミ殻、キンセンカ、ココア、緑茶、ハイビスカス、ケルプ、オリーブ、オレンジ、パセリ、カボチャ、ホウレンソウ、スピルリナ、ウィートグラス源(wheatgrass source)、サンダルウッド、サフラン、ベニバナ、ウコン、チョウマメ、ニンジン、トマト、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、ノニ果実、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ(cassia obtava)(「ニュートラルヘナ」とも通称される)、スパイクナード及びこれらの混合物から選択され得る。
【0032】
草木染色材料は、ビート根、クロロフィル、クチナシ、ブラックベリー、コーヒー、バラ、カラメル粉末、ブドウ、アルファルファ、クルミ殻、キンセンカ、ココア、緑茶、ハイビスカス、ケルプ、オリーブ、オレンジ、パセリ、カボチャ、ホウレンソウ、スピルリナ、ウィートグラス源、サンダルウッド、サフラン、ベニバナ、ウコン、チョウマメ、ニンジン、トマト、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、ノニ果実、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ(「ニュートラルヘナ」とも通称される)、スパイクナード、アムラ(amla)(ユカン(Indian gooseberry))、ブリンハラジ(Bhrinhraj)/マカ(アメリカタカサブロウ(Eclipta alba)又はタカサブロウ(Eclipta prostrata))、クス(Kuth)根、バレリアン根、アルカネット、ブルーベリー、ザクロ及びこれらの組合せから選択され得る。
【0033】
好ましくは、草木染色材料は、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物(ground coffee))、ノニ果実、ハイビスカス、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード、アムラ(ユカン)、ブリンハラジ/マカ(アメリカタカサブロウ又はタカサブロウ)、クス根、バレリアン根、アルカネット、ブルーベリー、ザクロ及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。好ましくは、草木染色材料は、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ノニ果実、ハイビスカス、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。草木染色材料は、好ましくは、粉末形態で添加され得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、草木染色材料は、固形化粧料組成物の約5重量%~約60重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約55重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約50重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、草木染色材料は、固形化粧料組成物の約10重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約20重量%~約45重量%、例えば、固形化粧料組成物の約25重量%~約40重量%の量で存在することができる。
【0035】
いくつかの好ましい実施形態において、ヘナと草木染色材料とを合わせた総量は、固形化粧料組成物の約40重量%~約94重量%である。「合わせた総量」は、ヘナの量と、ヘナ以外の草木染色材料の量との合計を指す。ヘナと草木染色材料とを合わせた総量は、好ましくは、固形化粧料組成物の約45重量%~約90重量%、例えば、固形化粧料組成物の約50重量%~約80重量%、例えば、固形化粧料組成物の約55重量%~約75重量%、例えば、固形化粧料組成物の約60重量%~約70重量%、例えば、固形化粧料組成物の約65重量%~約70重量%であり得る。いくつかの好ましい実施形態において、ヘナと草木染色材料とを合わせた総量は、固形化粧料組成物の約40重量%~約80重量%である。
【0036】
いくつかの実施形態において、ヘナ対草木染色材料の重量比は、約15:1~約1:5、例えば約10:1~約1:3、例えば約5:1~約1:3であり得る。所望の毛髪の色合いに依存するが、ヘナ対草木染色材料の重量比は、約2:1~約1:3、例えば約1.5:1~約2:1であり得る。
【0037】
いくつかの好ましい実施形態において、固形化粧料組成物は草木染色材料を含み、草木染色材料は、少なくともインディゴを含む。インディゴハーブは、植物のタイワンコマツナギ(Indigofera tinctoria)に由来するものであってよく、青色染料である。インディゴハーブはインクのような黒色を毛髪に付与し得ることが見出されている。ヘナと組み合わされるとインディゴは、暖色系の(warm)色調(colour tone)及び毛髪に対する色の均一な被覆をもたらし得ることを本発明者らは見出した。トゥルーインディゴ(タイワンコマツナギ)は、熱帯及び亜熱帯気候下で栽培されるマメ科の低木である。インディゴ粉末は、この植物の葉を乾燥させた後に粉砕することによって得ることができる。存在する場合、インディゴ(好ましくは粉末形態のもの)は、固形化粧料組成物の約5重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約20重量%、又は約25重量%~約45重量%の量で含まれてよい。
【0038】
好ましくは、固形化粧料組成物は草木染色材料を含み、草木染色材料は、少なくともインディゴ、ノニ果実、ハイビスカス、スパイクナード又はこれらの組合せを含む。好ましくは、固形化粧料組成物は草木染色材料を含み、草木染色材料は、少なくともインディゴ粉末、ノニ果実粉末、ハイビスカス粉末、スパイクナード又はこれらの組合せを含む。
【0039】
好ましくは、固形化粧料組成物は草木染色材料を含み、草木染色材料は、少なくともノニ果実、ハイビスカス又はこれらの組合せを含む。好ましくは、固形化粧料組成物は草木染色材料を含み、草木染色材料は、少なくともノニ果実粉末、ハイビスカス粉末又はこれらの組合せを含む。驚くべきことに、ノニ果実及びハイビスカスのうち少なくとも一方を(好ましくは、粉末形態で)含ませることにより、固形化粧料組成物によって皮膚又は毛髪に付与される色を改善できることが、本発明者らによって見出された。例えば、ヘナは、毛髪に適用されると時にオレンジ色の色調になることがあるが、ノニ果実及び/又はハイビスカスは、強くなりがちなオレンジ色の色調を低減し得ることが見出された。特に、少なくともノニ果実及び/又はハイビスカスをヘナと組み合わせて含ませると、そのような草木染色材料が含まれない製品と比較して色調が改善された製品がもたらされることが見出された。結果として得られる毛髪色は、より深みのあるものとなり、寒色系に寄った(cooler)色調を有することが可能である。
【0040】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ノニ果実及びハイビスカスのうち少なくとも一方を、固形化粧料組成物の0.1重量%~約15重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約10重量%、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%~約9重量%、例えば、固形化粧料組成物の約2重量%~約8重量%の量で含むことができる。これらの量は、ノニ果実及び/又はハイビスカスを合わせた総量を指し、粉末形態での総量であってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、草木染色材料は、少なくともハイビスカス粉末を含む。いくつかの実施形態において、草木染色材料は、ハイビスカス粉末である。草木染色材料は、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約12.5重量%、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%~約10重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約10重量%の量の、ハイビスカス粉末であってもよく、又は、ハイビスカス粉末を含むことができる。
【0042】
ハイビスカスは、アオイ科(Malvaceae)の顕花植物の一属である。ハイビスカス粉末は、ハイビスカス植物の葉及び/又は花から得ることができる。好ましくは、ハイビスカス粉末は、ハイビスカス植物の花から得られるものである。ハイビスカス粉末は、ユーザーの皮膚又は毛髪のための着色効果だけでなく、穏やかなクレンジング及びコンディショニング効果をもたらすこともできる。また、ハイビスカス粉末は、毛髪の輝きを増加させることができ、かつ、ヘナと組み合わされると毛髪の色調を改善することもできる。
【0043】
いくつかの実施形態において、草木染色材料は、少なくともノニ果実粉末を含む。いくつかの実施形態において、草木染色材料は、ノニ果実粉末である。草木染色材料は、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約10重量%、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%、例えば、固形化粧料組成物の約2重量%~約5重量%の量の、ノニ果実粉末であってもよく、又は、ノニ果実粉末を含むことができる。
【0044】
ノニは、ヤエヤマアオキ(Morinda citrifolia)と称される常緑樹であり、大型の葉及び黄色の果実を備える。ノニ果実粉末は、ノニの木の熟した又は熟していない果実を乾燥させたものに由来するものであってよく、ビタミン、ミネラル及び抗酸化物質に富む。ノニ果実粉末は、毛髪における輝きを強化させるとともに、ヘナと組み合わされると毛髪の色調を改善することもできる。
【0045】
植物性ハードバター
本明細書に記載のとおり、固形化粧料組成物は、植物性ハードバターを含む。本明細書で使用される用語「植物性バター」は、植物又は植物性源に由来し、通常の使用温度で固形(先に論じた固形様を含む)であると認められるトリグリセリドを指す。したがって、植物性バターは、室温で実質的に固形であるトリグリセリドである。植物性バターは、バターの稠度(consistency)を典型的に有する。しかし、通常の使用温度での植物性バターの固形脂肪含有量が100%である必要はないことは理解されよう。好ましい態様において、固形脂肪の固形脂肪含有量は、25℃で、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、好ましくは少なくとも99%である。
【0046】
用語植物性「ハード」バターは、過半量の飽和脂肪酸を含む植物性バターを指す。特に、植物性ハードバターは、典型的には、植物性高飽和バター(high saturated vegetable butter)の全脂肪酸に対して60重量%超の飽和脂肪酸を含むものである。そのため、植物性ハードバターは植物性高飽和バターとも称され得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバターは、ココアバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター、ヤシ油、パーム核油及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。ヤシ油及びパーム核油は、典型的には「油」と称され得るが、これらは室温で固形であり、かつ高い飽和脂肪含有量を有することから、植物性ハードバターと捉えられることが可能である。
【0048】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバターは、ココアバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター、ヤシ油及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0049】
いくつかの好ましい実施形態において、植物性ハードバターは、少なくともココアバターを含む。いくつかの好ましい実施形態において、植物性ハードバターはココアバターである。
【0050】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバター(例えばココアバター)は、固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量で存在することができる。
【0051】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバター(例えばココアバター)は、固形化粧料組成物の約5重量%~約30重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約25重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約20重量%、例えば、固形化粧料組成物の約10重量%~約20重量%、例えば、固形化粧料組成物の約10重量%~約15重量%の量で存在することができる。
【0052】
植物性ハードバター(例えばココアバター)は、パッケージを必要とせずに長期間にわたって保存されることが可能な十分な固形性を固形化粧料組成物に与えるために、組成物の少なくとも5%の量で存在することが好ましい場合がある。しかし、驚くべきことに、あまり高い量のココアバターを含ませると、組成物が毛髪に適用された際、毛髪に対する色の被覆の不均一性が高まる場合があり、さらに、発色が弱まる場合もあることが見出された。驚くべきことに、従来の使用量より低い量の植物性ハードバターを組成物に含ませると、結果として得られた毛髪色は、より鮮やかな色合い(shade)であり、深み及び被覆が増していることが見出された。したがって、固形化粧料組成物中の植物性ハードバターの量は、固形化粧料組成物の約35重量%以下、例えば約30重量%以下である。いくつかの好ましい実施形態において、固形化粧料組成物中の植物性ハードバターの量は、固形化粧料組成物の約25重量%以下、好ましくは約20重量%以下、又は約15重量%以下であり得る。
【0053】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、植物性ハードバター(例えばココアバター)を、固形化粧料組成物の約11重量%~約19重量%、例えば約12重量%~約18重量%、例えば約13重量%~約17重量%、例えば約14重量%~約16重量%、例えばおよそ15重量%の量で含む。
【0054】
ポリオール
本明細書に記載のとおり、固形化粧料組成物は、ポリオールを含む。用語「ポリオール」は、2以上のヒドロキシル基を含む有機化合物を指す。
【0055】
いくつかの実施形態において、ポリオールは、糖アルコールであってもよく、又は糖アルコールを含むことができる。用語「糖アルコール」は、例えば水素化により、糖から典型的に誘導され得る低分子量ポリオールのクラスを指す。糖アルコールは、その鎖にそれぞれある炭素原子に直接又は間接的に結合している1個のヒドロキシル基を含み得る。糖アルコールの例としては、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、イノシトール、イソマルト、マルチトール及びラクチトールが挙げられる。
【0056】
これらに代えて又は加えて、ポリオールは、プロピレングリコール(プロパン-1,2-ジオール)若しくはプロパン-1,3-ジオールであってもよく、又はプロピレングリコール(プロパン-1,2-ジオール)若しくはプロパン-1,3-ジオールを含んでもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、ポリオールは、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、イノシトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、プロピレングリコール、プロパン-1,3-ジオール及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、ポリオールは、グリセロール、プロピレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ソルビトール、キシリトール、イソマルト、エリスリトール、ラクチトール、マンニトール、マルチトール及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、イソマルト、マンニトール及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、ポリオールは、グリセロール、ソルビトール及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0058】
いくつかの好ましい実施形態において、固形化粧料組成物は、プロピレングリコールが使われていない又は実質的に使われていない(すなわち、含まれていても1重量%未満である)ものであり得る。したがって、いくつかの実施形態において、ポリオールは、プロピレングリコールではない又はプロピレングリコールを含まないものであり得る。
【0059】
いくつかの好ましい実施形態において、ポリオールは、少なくともグリセロールを含む。好ましくは、ポリオールはグリセロールである。
【0060】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ポリオール(例えばグリセロール)を、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約40重量%の量で含む。
【0061】
好ましい実施形態において、固形化粧料組成物は、ポリオール(例えばグリセロール)を、固形化粧料組成物の約1重量%~約35重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ポリオール(例えばグリセロール)を、固形化粧料組成物の約5重量%~約30重量%、例えば、固形化粧料組成物の約10重量%~約25重量%、例えば、固形化粧料組成物の約10重量%~約20重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ポリオール(例えばグリセロール)を、固形化粧料組成物の約5重量%~約20重量%の量で含むことができる。
【0062】
さらなる成分
上記に加え、化粧料組成物は、1又は2以上の化粧料的に(cosmetically)許容される添加物をさらに含むことができる。当業者は、このような組成物への組込みに適した化粧料的に許容される添加物の範囲を認識している。
【0063】
いくつかの実施形態において、1又は2以上の化粧料的に許容される添加物は、ワックス、デンプン、結合剤(binder)、フィラー(filler)、粘土(clay)、乳白剤(opacifier)、UV吸収性材料(UV absorbing material)、UV反射性材料(UV reflecting material)、角質除去性材料(exfoliating material)(例えば塩及び/又は糖)、精油、ビタミン、芳香物質(perfume)、香料(fragrance)、着色料(colouring)、植物性ソフトバター(soft vegetable butter)、植物油、蜂蜜、果実、果汁(fruit juice)、果実及び/又は草木抽出物、タンパク質、装飾的アイテム(decorative item)、皮膚軟化剤(emollient)、発泡性成分(effervescent component)(例えば、水の存在下で反応して泡立ちを生じる、酸と塩基との組合せ)、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、酸性化剤、塩基(base)並びにこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態において、1又は2以上の化粧料的に許容される添加物は、果汁、結合剤、フィラー、角質除去性材料、精油、ビタミン、芳香物質、香料、着色剤、装飾的アイテム、発泡性成分、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、ワックス、植物性ソフトバター、植物油、酸性化剤、塩基及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0064】
好ましくは、1又は2以上の化粧料的に許容される添加物は、結合剤、フィラー、角質除去性材料、精油、ビタミン、芳香物質、香料、着色剤、装飾的アイテム、発泡性成分、界面活性剤、保湿剤、コンディショニング剤、酸性化剤、塩基及びこれらの混合物から選択され得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、果汁をさらに含む。いくつかの実施形態において、存在する場合、果汁は、固形化粧料組成物の約0.01重量%~約15重量%の量で、例えば、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約10重量%の量で、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約7.5重量%の量で、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%の量で含まれてよい。いくつかの好ましい実施形態において、果汁は、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約8重量%の量で存在することができる。
【0066】
果汁を含ませると、毛髪着色効果を増強できることが見出され、果汁の中には、より明るい色調を毛髪にもたらすことが見出されたもの、又は毛髪の輝きを増加させることが見出されたものがある。例えば、レモン汁は、毛髪を明るくすることが見出され、ノニ汁は、毛髪に色を付加することが見出された。任意の適切な果汁が含まれ得る。いくつかの実施形態において、果汁は、レモン汁、ライム汁、グレープフルーツ汁、ユズ汁、ノニ果汁及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、果汁は、レモン汁、ノニ果汁及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、果汁は、レモン汁である又はレモン汁を含む。いくつかの実施形態において、果汁は、ノニ果汁である又はノ二果汁を含む。
【0067】
固形化粧料組成物は、いくつかの実施形態において、果汁に加えて又は代えて、果実及び/又は果実抽出物をさらに含むことができる。果実は、任意の適当な果実であり得る。好ましくは、果実は、オレンジ、マンゴー、パパイヤ、イチゴ、バナナ、キウイ、リンゴ、サクランボ、パイナップル、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、モモ、ネクタリン及びこれらの混合物から選択され得る。
【0068】
果実、果汁及び/又は果実抽出物に代えて又は加えて、他の酸性化剤が含まれてもよい。例えば、有機酸性化剤、例としてクエン酸、酒石酸、酒石酸水素カリウム(酒石英)又はこれらの混合物などが組成物中に含まれてもよい。存在する場合、そのような酸性化剤は、固形化粧料組成物の約0.01重量%~約15重量%の量で存在してよい。
【0069】
香料は、本発明の組成物の使用体験をより快適にするために製品に添加され得る。例えば、ラベンダー又はローズアブソリュートなどの精油を組み合わせて本発明のための香料とすることにより、ユーザーは確実に快適な体験を得られるようになる。
【0070】
したがって、いくつかの実施形態において、化粧料組成物は、芳香物質又は香料をさらに含む。香料の量は、好ましくは、全組成の約0.01重量%~約10重量%、例えば、全組成の約0.1重量%~約5重量%、例えば、全組成の約0.5重量%~約5重量%、例えば、全組成の約0.5重量%~約2.5重量%である。
【0071】
精油は、所望の香料、処理の対象となる皮膚のタイプ、及び精油の周知の特性に基づく他の所望の効果に基づいて、選択され得る。精油が添加されていると、鼻に取り込まれた際に気分の変化がもたらされることが公知である。例えば、精油は、眠気を生じさせる又は感覚を刺激する効果を創出することが公知である。精油の使用により、文献による十分な裏付けのある多くの効果を達成することができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、製品中に存在する1又は2以上の精油は、タラゴン、レモンマートル、ジャスミン、イランイラン、ラブダナム、レモングラス、ローズオットー、グレープフルーツ、パチョリ、ローズマリー、アルモイス(armois)、レモン、ネロリ、ニオイスミレ、ラベンダー、オレンジ50倍、バニラ、ペパーミント、ベンゾイン、アジサイ、アオモジ(litsea cubeba)、カルダモン、トンカ及びカモミールから選択される。いくつかの実施形態において、製品中に存在する1又は2以上の精油は、タラゴン、レモンマートル、ラブダナム(labdunum)及びレモンから選択される。
【0073】
ビタミン、特にB、C及びEは、皮膚及び/又は毛髪に非常に有益である。ビタミンの豊富な原料、例えばコムギ胚芽油を使用してビタミンを皮膚にデリバリーすることも可能である。一実施形態において、ビタミンは、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE及びこれらの混合物から選択される。当業者には理解されるが、ビタミンは、任意の適切な供給源から供給されることが可能である。例えば、ビタミンは、合成供給源から、又は、ビタミン含有量の多い材料、例えば天然材料などが製品中に組み込まれることによって、供給されることが可能である。
【0074】
角質除去性材料を組成物に添加してユーザーの皮膚及び/又は毛髪への効果を増強させることも可能である。例えば、いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、塩(すなわち塩化ナトリウム)を含む。存在する場合、塩は、約0.01%~約10%、例えば約0.1%~約5%、例えば約0.5%~約2.5%の量で含まれてよい。
【0075】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、着色剤をさらに含む。着色剤は、ヘナ以外のもの、又は本明細書に記載の草木染色材料であり得る。着色剤は、組成物自体に色を付与することに適した任意の色素及び/又は染料であり得る。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、着色剤を、全組成の約0.001重量%~約5重量%の量で含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、タンパク質をさらに含む。タンパク質は、豆腐、バナナ、ダイズ、ダイズレシチン、加水分解コムギタンパク質及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。存在する場合、タンパク質は、固形化粧料組成物の約0.01重量%~約10重量%の量で、例えば、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約5重量%の量で固形化粧料組成物中に含まれてよい。
【0077】
固形化粧料組成物は、界面活性剤をさらに含むことができる。界面活性剤は、製品の用途がクレンジング剤である場合だけでなく毛髪染料及び/又は皮膚着色材若しくは染料である場合にも有用であり得る。存在する場合、界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。例えば、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ココ硫酸ナトリウム(sodium cocosulfate)、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ミレス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ラウレススルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン、トリメチルグリシンベタイン(trimethyl glycine betaine)、ココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホジ酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、ラウロアンホジ酢酸二ナトリウム、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、ラウロイルサルコシンナトリウム、セトリモニウムクロリド及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム及び/又はコカミドプロピルベタインから選択される界面活性剤を含むことができる。
【0078】
いくつかの実施形態において、コンディショニング剤、例えば毛髪コンディショニング剤などが組成物中に含まれてもよい。毛髪コンディショニング剤の例としては、ベンジル(behenzyl)トリメチルアンモニウムクロリド、陽イオン性グアーガム、セトリモニウムブロミド又はクロリド、他の四級カチオン性界面活性剤(quaternary cationic surfactant)、乳化ワックス、ポリナフタレンスルホン酸ナトリウム、ステアラミドプロピルジメチルアミン(別名をN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカンアミドという)及びこれらの混合物を挙げることができる。適切な乳化ワックスとしては、セテアリルアルコール(別名をセトステアリルアルコール又はセチルステアリルアルコールという)、ステアリン酸、ステアリン酸グリセリル、セテアリルアルコールとラウリル硫酸ナトリウム(SLS,sodium lauryl sulphate)との組合せ、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0079】
固形化粧料組成物は、植物性ハードバターに追加される形で、植物性ソフトバター、植物油及び/又はワックスをさらに含むことができる。ただし、組成物は、植物性ハードバターに追加のバター、油又はワックスを相当量(significant amount)では含んでいないこと、好ましくは、そのような追加のバターも油もワックスも一切使われていないことが好ましい。好ましくは、植物性ソフトバター、植物油及びワックスを合わせた総量は、固形化粧料組成物の10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物には、植物性ソフトバター、植物油及びワックスはいずれも使われていない。「植物性ソフトバター」とは、植物性低飽和バター(low saturated vegetable butter)の全脂肪酸に対して60重量%未満の飽和脂肪酸を含む植物性低飽和バターを意味する。「植物油」は、室温下で液体である植物性トリグリセリドを指す。
【0080】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバターは、組成物中に存在する唯一の脂肪源又はトリグリセリド源である。
【0081】
全体の組成
いくつかの実施形態において、植物性ハードバター(例えばココアバター)対ポリオール(例えばグリセロール)の重量比は、約10:1~約1:10、例えば約5:1~約1:5、例えば約4:1~約1:4、例えば約2:1~約1:2、例えばおよそ1:1である。いくつかの好ましい実施形態において、植物性ハードバター(例えばココアバター)対ポリオール(例えばグリセロール)の重量比は、約1:2~約1:1であり得る。植物性ハードバター及びポリオールがそのような重量比で用いられると、組成物は、その容易な取扱い及び輸送が可能になる許容される固形性及び硬さを有し、かつ、ユーザーが手にした際の良好な感触も有しつつ、その上さらに、改善された望ましい発色強度を毛髪及び/又は皮膚にもたらす、ということを本発明者らは見出した。例えば、植物性ハードバターのポリオール剤に対する重量比が低すぎると、製品は十分に固形になることができず、さらには、時間の経過に伴い(例えば保存中に)、ねばつき又はべたつきを生じることがある。植物性ハードバターのポリオールに対する重量比が高すぎると、製品は、それほど強度の発色を毛髪にもたらすことも、ユーザーの毛髪に対して均一な被覆をもたらすこともできず、ひいては、望ましい水準に満たない仕上がりをもたらす結果になりかねない。
【0082】
いくつかの実施形態において、ヘナ対植物性ハードバター(例えばココアバター)の重量比は約1:1~約10:1、例えば約1:1~約1:5である。驚くべきことに、処方における植物性ハードバターの相対量を減らすことにより、製品が毛髪に適用された際の発色の増強を実現できることが見出された。例えば、毛髪に対する色の被覆を改善することができ、毛髪における発色強度を増加させることができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量のココアバターと、
(iii)固形化粧料組成物の約1重量%~約35重量%の量のグリセロールと
を含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量の植物性ハードバターと、
(iii)固形化粧料組成物の約1重量%~約35重量%の量のポリオールと、
(iv)インディゴ粉末、アイリッシュモス粉末、イラクサ粉末、コーヒー粉砕物、ノニ果実粉末、ハイビスカス粉末、ルバーブ根粉末、カモミール粉末、カシアオボタバ、ローズマリー粉末、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される草木染色材料と
を含み、ヘナと草木染色材料とを合わせた総量は、固形化粧料組成物の約40重量%~約80重量%、好ましくは、固形化粧料組成物の約50重量%~約80重量%である。
【0085】
いくつかの好ましい実施形態において、組成物は、水を、固形化粧料組成物の約15重量%以下の総量で、例えば、固形化粧料組成物の約10重量%以下の総量で、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%以下の総量で、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%以下の総量で、例えば、固形化粧料組成物の0.5重量%以下の総量で、例えば、固形化粧料組成物の0.1重量%以下の総量で含む。
【0086】
好ましくは、固形化粧料組成物は、ユーザーの毛髪及び/又は皮膚の染色における使用に適している。好ましくは、固形化粧料組成物は、固形毛髪染料である。
【0087】
上記の範囲は、成分それぞれの好ましい量を提供するものである。これらの範囲のそれぞれを単独で又は1若しくは2以上の他の成分範囲と組み合わせて用いることによって、本発明の好ましい態様を実現することができる。
【0088】
方法(Process)
本明細書に記載のとおり、本明細書に定義される固形化粧料組成物を製造する方法であって、
(a)
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ポリオールと
を組み合わせるステップ、及び
(b)得られた組合せ物を固化させるステップ
を含む方法が提供される。
【0089】
本明細書に記載のとおり、固形化粧料組成物は、1又は2以上の化粧料的に許容される添加物をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、本明細書に定義される1又は2以上の化粧料的に許容される添加物を、ステップ(a)の混合物と組み合わせるステップをさらに含む。例えば、いくつかの実施形態において、本方法は、ステップ(a)の実施前、実施中又は実施後に、果汁、草木染色材料又はこれらの組合せを添加するステップをさらに含む。草木染色材料は、粉末形態で添加することができる。
【0090】
例えば、存在させる添加物がある場合、それらは全部ほぼ同時に(すなわち、ステップ(a)の実施中に)、ヘナ、植物性バター及びポリオールと一緒に容器に添加してもよい。或いは、存在させる添加物がある場合、それらは、ヘナ、植物性バター及びポリオールがすでに組み合わされた後(すなわち、ステップ(a)の実施後に)、得られた組合せ物を固化させるステップの前に、添加してもよい。
【0091】
組成物が草木染色材料を含むいくつかの特定の実施形態において、ヘナと草木染色材料とを組み合わせてもよい(例えば、混合により行う)。草木染色材料及びヘナを粉末として供給する場合、これらの粉末は、一緒に添加してもよい(例えば、篩がけにより行う)。それとは別に、植物性ハードバターとポリオールとを組み合わせてもよい(例えば、混合により行う)。次いで、混合しながら、草木染色材料とヘナとの組合せを、植物性ハードバターとポリオールとの組合せにゆっくり添加することができる。
【0092】
ステップ(b)は、受動的な固化ステップを用いるものであってもよく、受動的な固化ステップでは、混合物が固化するまで一定期間にわたって、単に、混合物を室温で放置し、周囲圧力及び湿度下で空気に曝露させる。例えば、混合物は、少なくとも約1時間、好ましくは少なくとも12時間又は24時間にわたって放置することにより固まらせてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態において、ステップ(b)は、能動的な固化ステップを用いるものであってもよく、能動的な固化ステップは、固化の速度を増加させる目的で周囲温度、圧力又は湿度を調節することを含むことができる。
【0094】
ステップ(b)は、ステップ(a)により得られた組合せ物を固化させる前に、組合せ物を型に投入することを含むことができる。このようにして、成型製品を形成することができる。任意で、成型バー(bar)又はブリックの形態の製品が得られるように、混合物を型に添加する際に又は乾燥過程の期間中に、混合物をプレスすることもできる。
【0095】
いくつかの実施形態において、ステップ(a)により得られた組合せ物はペーストの形態で、次いでこれを硬化させて、固形化粧料組成物を提供してもよい。
【0096】
本発明の固形組成物の形状は限定されない。固形組成物は、審美的に心地よい及び/又は製品の使用を助ける形状を備えることが可能である。例えば、固形製品は、ユーザーにとって人間工学的に許容される形状で固化するような様式で製造されることが可能である。したがって、本発明の方法のいくつかの実施形態において、ステップ(a)を実施した結果得られた混合物を型に注ぎ及び/又はプレスし、固化させ、次いで取り出すことによって、固形製品を製造する。
【0097】
固形形態の組成物は、何らかのデコレーション又は使用説明書をその表面に備えていてもよく、それらは上記の方法のステップ(b)の実施前、実施中又は実施後に施すことができる。例えば、製品は、固化の実施前、実施中又は実施後にデザイン(例えば、文字又は絵)をスタンプされてもよい。例えば、製品は、固化中であるが製品が完全に固まっていないうちにスタンプされてもよい。いくつかの実施形態において、組成物は、その表面に、エッチングが施され、又は何らかの画像若しくは言葉が添えられていてもよい。
【0098】
本発明は、さらに、本明細書に記載の方法によって得られた又は得ることができる固形化粧料組成物を提供する。
【0099】
さらなる態様 - 組成物
本発明のさらなる態様によれば、(i)ヘナと、(ii)植物性ハードバターと、(iii)ハイビスカス、ノニ果実、アムラ(ユカン)、ブリンハラジ/マカ(アメリカタカサブロウ又はタカサブロウ)、スパイクナード、クス根、バレリアン根、アルカンナ、ブルーベリー、ザクロ及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料を含む、固形化粧料組成物が提供される。
【0100】
本発明のさらなる態様によれば、(i)ヘナと、(ii)植物性ハードバターと、(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料とを含む、固形化粧料組成物が提供される。
【0101】
第1の態様に関して上記に詳述した本開示内容のすべて、特に範囲は、これらのさらなる態様による組成物にも同様に適用され得る。例えば、植物性ハードバターは、好ましくは、ココアバターであってもよく又はココアバターを含むことができる。
【0102】
したがって、いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量の植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と
を含む。
【0103】
好ましくは、ハイビスカス及び/又はノニ果実は、粉末形態で含まれる。したがって、組成物は、好ましくは、ハイビスカス粉末、ノニ果実粉末及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料を含むことができる。
【0104】
ハイビスカス(例えば粉末)及び/又はノニ果実(例えば粉末)は、固形化粧料組成物の約0.1%~約15重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5%~約12.5重量%の総量で含まれ得る。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ノニ果実及びハイビスカスのうち少なくとも一方を、固形化粧料組成物の0.1重量%~約15重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約10重量%、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%~約9重量%、例えば、固形化粧料組成物の約2重量%~約8重量%の量で含むことができる。これらの量は、ノニ果実及び/又はハイビスカスを合わせた総量を指し、粉末形態での総量であってもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は少なくともハイビスカス粉末を含み、ハイビスカス粉末は、固形化粧料組成物の約1重量%~約10重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約10重量%の量で存在する。草木染色材料は、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約12.5重量%、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%~約10重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約10重量%の量の、ハイビスカス粉末であってもよく、又は、ハイビスカス粉末を含むことができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は少なくともノニ果実粉末を含み、ノニ果実粉末は、固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%、例えば、固形化粧料組成物の約2重量%~約5重量%の量で存在する。草木染色材料は、ノニ果実ノニ果実固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約10重量%、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%、例えば、固形化粧料組成物の約2重量%~約5重量%の量の、ノニ果実粉末であってもよく、又は、ノニ果実粉末を含むことができる。
【0107】
存在する場合、ノニ果実は、ノニ果実粉末、ノニ果汁又はこれらの組合せの形態で含まれてよい。いくつかの実施形態において、ノニ果実の総量(すなわち、ノニ果実粉末とノニ果汁との総量)は、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.5重量%~約10重量%、例えば、固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%、例えば、固形化粧料組成物の約2重量%~約5重量%である。いくつかの実施形態において、ノニ果実の総量は、固形化粧料組成物の約1重量%~約7.5重量%である。
【0108】
この態様による固形化粧料組成物は、ハイビスカス及び/又はノニ果実に加えて草木染色材料を含むこともできるが、ハイビスカス及び/又はノニ果実のうち少なくとも一方も存在することが条件である。含まれることが可能な他の草木染色材料の例は、上記に詳述されているが、天然色素、例えば、ビート根、クロロフィル、クチナシ、ブラックベリー、コーヒー、バラ、カラメル粉末、ブドウ、アルファルファ、クルミ殻、キンセンカ、ココア、緑茶、ケルプ、オリーブ、オレンジ、パセリ、カボチャ、ホウレンソウ、スピルリナ、ウィートグラス源、サンダルウッド、サフラン、ベニバナ、ウコン、チョウマメ、ニンジン、トマト、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物が挙げられる。追加の草木染色材料は、ビート根、クロロフィル、クチナシ、ブラックベリー、コーヒー、バラ、カラメル粉末、ブドウ、アルファルファ、クルミ殻、キンセンカ、ココア、緑茶、ケルプ、オリーブ、オレンジ、パセリ、カボチャ、ホウレンソウ、スピルリナ、ウィートグラス源、サンダルウッド、サフラン、ベニバナ、ウコン、チョウマメ、ニンジン、トマト、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ(「ニュートラルヘナ」とも通称される)、スパイクナード、アムラ(ユカン)、ブリンハラジ/マカ(アメリカタカサブロウ又はタカサブロウ)、クス根、バレリアン根、アルカネット、ブルーベリー、ザクロ及びこれらの組合せから選択され得る。
【0109】
好ましくは、追加の草木染色材料は、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード、アムラ(ユカン)、ブリンハラジ/マカ(アメリカタカサブロウ又はタカサブロウ)、クス根、バレリアン根、アルカネット、ブルーベリー、ザクロ及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0110】
好ましくは、追加の草木染色材料は、インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。追加の草木染色材料は、好ましくは、粉末形態で添加され得る。
【0111】
いくつかの実施形態において、追加の草木染色材料は、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約60重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約40重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、追加の草木染色材料は、固形化粧料組成物の約5重量%~約60重量%、例えば、固形化粧料組成物の約10重量%~約55重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約50重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、追加の草木染色材料は、固形化粧料組成物の約10重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約20重量%~約45重量%、例えば、固形化粧料組成物の約25重量%~約40重量%の量で存在することができる。
【0112】
いくつかの好ましい実施形態において、ヘナは、固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%、例えば、固形化粧料組成物の約10重量%~約75重量%の量で、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約75重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、ヘナは、固形化粧料組成物の約10重量%~約70重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約20重量%~約60重量%の量で存在する。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約25重量%~約70重量%、例えば、固形化粧料組成物の約30重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約40重量%~約65重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約15重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約45重量%の量で含む。
【0113】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約50重量%~約65重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約35重量%~約50重量%の量で含む。いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、ヘナを、固形化粧料組成物の約15重量%~約30重量%の量で、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約25重量%の量で含む。
【0114】
いくつかの実施形態において、草木染色材料(任意の追加の草木染色材料と組み合わされているハイビスカス及び/又はノニ果実を包含する)は、固形化粧料組成物の約5重量%~約60重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約55重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約50重量%の量で存在することができる。いくつかの実施形態において、草木染色材料は、固形化粧料組成物の約10重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約20重量%~約45重量%、例えば、固形化粧料組成物の約25重量%~約40重量%の量で存在することができる。
【0115】
いくつかの好ましい実施形態において、ヘナと草木染色材料(任意の追加の草木染色材料と組み合わされているハイビスカス及び/又はノニ果実を包含する)とを合わせた総量は、固形化粧料組成物の約40重量%~約94重量%である。「合わせた総量」は、ヘナの量と、ヘナ以外の草木染色材料の量との合計を指す。ヘナと草木染色材料とを合わせた総量は、好ましくは、固形化粧料組成物の約45重量%~約90重量%、例えば、固形化粧料組成物の約50重量%~約80重量%、例えば、固形化粧料組成物の約55重量%~約75重量%、例えば、固形化粧料組成物の約60重量%~約70重量%、例えば、固形化粧料組成物の約65重量%~約70重量%であり得る。いくつかの好ましい実施形態において、ヘナと草木染色材料とを合わせた総量は、固形化粧料組成物の約40重量%~約80重量%である。
【0116】
いくつかの実施形態において、ヘナ対草木染色材料の重量比は、約15:1~約1:5、例えば約10:1~約1:3、例えば約5:1~約1:3であり得る。所望の毛髪の色合いに依存するが、ヘナ対草木染色材料の重量比は、約2:1~約1:3、例えば約1.5:1~約2:1であり得る。
【0117】
いくつかの実施形態において、追加の草木染色材料は、インディゴ(好ましくは、粉末形態のもの)を含む。インディゴは、固形化粧料組成物の約5重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約5重量%~約20重量%、又は約25重量%~約45重量%の量で含まれ得る。
【0118】
固形化粧料組成物は、植物性ハードバターをさらに含む。第1の態様に関して上記に示した本開示内容はすべて、このさらなる態様の植物性ハードバターにも同様に適用される。
【0119】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバターは、ココアバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター、ヤシ油、パーム核油及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかの実施形態において、植物性ハードバターは、ココアバター、イリッペバター、ムルムルバター、コクムバター、ヤシ油及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0120】
いくつかの好ましい実施形態において、植物性ハードバターは、少なくともココアバターを含む。いくつかの好ましい実施形態において、植物性ハードバターはココアバターである。
【0121】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバター(例えばココアバター)は、固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量で存在することができる。
【0122】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバター(例えばココアバター)は、固形化粧料組成物の約10重量%~約35重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約30重量%、例えば、固形化粧料組成物の約20重量%~約30重量%の量で存在することができる。
【0123】
いくつかの好ましい実施形態において、植物性ハードバター(例えばココアバター)は、固形化粧料組成物の約15重量%~約35重量%、好ましくは、固形化粧料組成物の約20重量%~約30重量%、より好ましくは、固形化粧料組成物の約25重量%~約30重量%の量で存在することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約15重量%~約35重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量の、ノニ果実及びハイビスカスのうち少なくとも一方と
を含む。
【0125】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約25重量%~約30重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%の量の、ノニ果実及びハイビスカスのうち少なくとも一方と
を含む。
【0126】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約15重量%~約35重量%、例えば、固形化粧料組成物の約20%~約30重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料であり、好ましくは、ハイビスカス及び/又はノニ果実の総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約15重量%である、草木染色材料と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料であり、好ましくは、その総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%である、少なくとも1つの追加の草木染色材料と
を含む。
【0127】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)レモン汁、ノニ果汁及びこれらの混合物からなる群から好ましくは選択される果汁と、
任意で(vi)香料及び/又は塩と
から実質的に(essentially)なる又はこれらからなる。
【0128】
組成物が草木染色材料としてノニ果実粉末を含むこのような実施形態において、組成物は、ノニ果汁及び塩(例えば海塩)をさらに含む。組成物が草木染色材料としてハイビスカス粉末を含むこのような実施形態において、組成物は、レモン汁をさらに含む。
【0129】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)ノニ果実粉末と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)ノニ果汁と、
(vi)香料と、
(vii)塩、好ましくは海塩と
から実質的になる又はこれらからなる。
【0130】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)ハイビスカス粉末と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)レモン汁と、
(vi)香料と
から実質的になる又はこれらからなる。
【0131】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約25重量%~約65重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約25重量%~約30重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約10重量%の量のハイビスカス(例えばハイビスカス粉末)と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料であり、好ましくは、その総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%である、少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%の量のレモン汁と、
任意で(vi)固形化粧料組成物の約0.1重量%~約1重量%の量であってもよい香料と
から実質的になる。
【0132】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約25重量%~約65重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約25重量%~約30重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約10重量%の量のハイビスカス(例えばハイビスカス粉末)と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料であり、好ましくは、その総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約0.1重量%~約35重量%である、少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%の量のレモン汁と、
任意で(vi)固形化粧料組成物の約0.1重量%~約1重量%の量であってもよい香料と
からなる。
【0133】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約30重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約25重量%~約30重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約10重量%の量のノニ果実(例えばノニ果実粉末及び/又はノニ果汁)と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料であり、好ましくは、その総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約30重量%~約50重量%である、少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%の量の塩と、
任意で(vi)固形化粧料組成物の約0.1重量%~約1重量%の量であってもよい香料と
から実質的になる。
【0134】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約30重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約25重量%~約30重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)好ましくはノニ果実粉末が固形化粧料組成物の約0.5重量%~約5重量%の量で存在し、好ましくはノニ果汁が固形化粧料組成物の約0.5重量%~約5重量%の量で存在する、ノニ果実粉末及びノニ果汁と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料であり、好ましくは、その総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約30重量%~約50重量%である、少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%の量の塩と、
任意で(vi)固形化粧料組成物の約0.1重量%~約1重量%の量であってもよい香料と
から実質的になる。
【0135】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約30重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約25重量%~約30重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約10重量%の量のノニ果実(例えばノニ果実粉末及び/又はノニ果汁)と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料であり、好ましくは、その総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約30重量%~約50重量%である、少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%の量の塩と、
任意で(vi)固形化粧料組成物の約0.1重量%~約1重量%の量であってもよい香料と
からなる。
【0136】
いくつかの実施形態において、この態様による固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約15重量%~約65重量%、例えば、固形化粧料組成物の約15重量%~約30重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約25重量%~約30重量%の量の植物性ハードバター(例えばココアバター)と、
(iii)好ましくはノニ果実粉末が固形化粧料組成物の約0.5重量%~約5重量%の量で存在し、好ましくはノニ果汁が固形化粧料組成物の約0.5重量%~約5重量%の量で存在する、ノニ果実粉末及びノニ果汁と、
(iv)インディゴ、アイリッシュモス、イラクサ、コーヒー(例えばコーヒー粉砕物)、ルバーブ根、ローズマリー、カモミール、カシアオボタバ、スパイクナード及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の草木染色材料であり、好ましくは、その総量が固形化粧料組成物の約0.1重量%~約50重量%、例えば、固形化粧料組成物の約30重量%~約50重量%である、少なくとも1つの追加の草木染色材料と、
(v)好ましくは固形化粧料組成物の約1重量%~約5重量%の量の塩と、
任意で(vi)固形化粧料組成物の約0.1重量%~約1重量%の量であってもよい香料と
から実質的になる。
【0137】
この態様による固形化粧料組成物は、ポリオールをさらに含むことができる。ポリオールは先述のとおりのものであってよく、先述したすべての実施形態は、この態様に同様に適用され得る。ポリオールは、好ましくはグリセロールであり得る。
【0138】
したがって、いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と、
(iv)ポリオールと
を含む。
【0139】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、
(i)ヘナと、
(ii)ココアバターと、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と、
(iv)グリセロールと
を含む。
【0140】
したがって、いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス粉末、ノニ果実粉末及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と、
(iv)ポリオールと
を含む。
【0141】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、
(i)ヘナと、
(ii)ココアバターと、
(iii)ハイビスカス粉末、ノニ果実粉末及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と、
(iv)グリセロールと
を含む。
【0142】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物の約5重量%~約75重量%の量のヘナと、
(ii)固形化粧料組成物の約5重量%~約35重量%の量の植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス(例えば粉末)、ノニ果実(例えば粉末)及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と、
(iv)固形化粧料組成物の約1重量%~約35重量%の量のポリオールと
を含む。
【0143】
いくつかの好ましい実施形態において、この態様による固形化粧料組成物には、ポリオール(例えばグリセロール)が実質的に使われていない。好ましくは、この態様による固形化粧料組成物には、ポリオール、例えばグリセロールが使われていない(すなわち、0%である)。
【0144】
いくつかの実施形態において、固形化粧料組成物は、先述した種類の1又は2以上の化粧料的に許容される添加物をさらに含む。1又は2以上の化粧料的に許容される添加物は、先述した量で存在することができる。
【0145】
このさらなる態様による固形化粧料組成物は、任意の適切な方法に従って調製することができる。いくつかの実施形態において、本明細書に定義される固形化粧料組成物を製造する方法は、
(a)
(i)ヘナと、
(ii)植物性ハードバターと、
(iii)ハイビスカス、ノニ果実及びこれらの組合せからなる群から選択される草木染色材料と
を組み合わせるステップ、及び
(b)得られた組合せ物を固化させるステップ
を含む。
【0146】
いくつかの実施形態において、植物性ハードバター(例えばココアバター)をまず加熱してこれを溶融させる。次いで、ヘナ及び粉末化された草木染色材料を添加し、植物性バターと混合することができる。
【0147】
いくつかの実施形態において、組成物は、果汁、例えばレモン汁及び/又はノニ果汁を含む。そのような実施形態において、本方法は、果実果汁をろ過するステップ、次いで、果汁(香料と組み合わされていてもよい)を、粉末化された草木染色材料とヘナと植物性バターとの混合物に添加するステップ、及び混合するステップを含む。
【0148】
第1の態様による組成物を調製する方法の開示内容はすべて、先述のさらなる態様2つにも同様に適用される。
【0149】
方法(Method)
本明細書に記載のとおり、本明細書に定義される固形化粧料組成物をユーザーの毛髪に接触させるステップを含む美容方法が提供される。
【0150】
本発明は、主として毛髪への使用(特に、毛髪を着色するための染料として)のためのものであるが、皮膚又は他の物質に対して使用されてもよい。したがって、一態様において、本明細書に定義される固形化粧料組成物をユーザーの毛髪又は皮膚に接触させるステップを含む美容方法も提供される。
【0151】
当業者には理解されるが、本発明の固形物としての特性を考慮すれば、ユーザーは、固形化粧料組成物を皮膚又は毛髪に直接的に接触させることができる。従来型の液体毛髪染料又は着色材の場合のように、皮膚への適用に先行して何らかの外部パッケージ内から製品をディスペンスする必要はないであろう。
【0152】
好ましくは、固形化粧料組成物は、
(i)固形化粧料組成物を水と接触させるステップ、
(ii)水を加熱することにより固形化粧料組成物を溶融させて半固形物(例えばゲル様物)又は粘稠性液体を得るステップ、
(iii)半固形物又は液体の物質をユーザーの毛髪に適用するステップ
を含む方法によってユーザーの毛髪と接触させることができる。
【0153】
例えば、本発明の製品を使用するために、エンドユーザーは典型的には製品を容器に入れる。次いで、少量のぬるま湯又は湯を、典型的には固形製品を丁度覆うように、容器に添加することができる。こうすることにより、製品は分散し始める。製品の相当量が一旦分散したら、さらに水を添加して製品を穏やかに撹拌することが可能になる。次いで、分散した製品が所望の稠度を生じるまで、水を添加することができる。この稠度は、例えば、自身の好み又は自身の髪質若しくは状態に基づいてユーザーが決定してよい。
【0154】
水を製品に適用する前に、製品を小さく砕いてもよい。例えば、組成物はバー又はブリックの形態であってもよく、この形態から、毛髪に適用する分を割る又は折り取る。驚くべきことに、植物性ハードバターとポリオール(例えばグリセロール)との組合せを用いることにより、ココアバターを高レベルで含有する製品と比較して、小さく崩すことがより簡単になっており、その後溶融させることで製品を毛髪に適用可能な状態にできる固形製品がもたらされる、ということが見出された。本製品は加熱された水に添加されるとより急速に溶融され得ることも見出された。
【0155】
本製品は、一旦毛髪に適用したら、少なくとも30分、好ましくは少なくとも1時間、好ましくは2時間以下にわたって、毛髪に付いた状態で放置し得る。その後で毛髪をすすいでよい。
【0156】
[実施例]
次に、以下の非限定的な例を参照して、本発明を説明する。
【実施例1】
【0157】
【0158】
以下の方法を用いて製品を調製する。
1.ココアバターを加熱により溶融させ、次いでグリセロールを添加し、溶融されたココアバターと混合する。
2.草木染料粉末とヘナ粉末とを一緒に混合する。
3.この粉末混合物の一部を先のバターとグリセロールとの混合物に添加し、この組合せ物を混合する。次いで、混合しながら、粉末混合物を継続的にゆっくり添加する。
4.すべての粉末が完全に混合されたら、ノニ汁、塩及び香料を添加し、この組合せ物を急速かつ十分に混合する。
5.得られた混合物を、温かいうちに型にプレスする。
6.この混合物を、型に入った状態で12時間~72時間前後にわたって放置して固まらせる。
【実施例2】
【0159】
【0160】
以下の方法を用いて製品を調製する。
1.ココアバターを加熱により溶融させ、次いでグリセロールを添加し、溶融されたココアバターと混合する。
2.草木染料粉末とヘナ粉末とを一緒に混合する。
3.この粉末混合物の一部を先のバターとグリセロールとの混合物に添加し、この組合せ物を混合する。次いで、混合しながら、粉末混合物を継続的にゆっくり添加する。
4.すべての粉末が完全に混合されたら、レモン汁及び香料を添加し、この組合せ物を急速かつ十分に混合する。
5.得られた混合物を、温かいうちに型にプレスする。
6.この混合物を、型に入った状態で12時間~72時間前後にわたって放置して固まらせる。
【実施例3】
【0161】
【0162】
以下の方法を用いて製品を調製する。
1.ココアバターを加熱により溶融させる。
2.草木染料粉末とヘナ粉末とを一緒に混合する。
3.この粉末混合物の一部を先の加熱したバターに添加し、この組合せ物を混合する。次いで、混合しながら、粉末混合物を継続的にゆっくり添加する。この混合物を、粘稠になるまでブレンドする。
4.すべての粉末が完全に混合されたら、ノニ汁、塩及び香料を添加し、この組合せ物を急速かつ十分に混合する。
5.得られた混合物を、温かいうちに型にプレスする。
6.この混合物を、型に入った状態で12時間~48時間前後にわたって放置して固まらせる。
【実施例4】
【0163】
【0164】
以下の方法を用いて製品を調製する。
1.ココアバターを加熱により溶融させる。
2.草木染料粉末とヘナ粉末とを一緒に混合する。
3.この粉末混合物の一部を先の加熱したバターに添加し、この組合せ物を混合する。次いで、混合しながら、粉末混合物を継続的にゆっくり添加する。この混合物を、粘稠になる(thick)までブレンドする。
4.すべての粉末が完全に混合されたら、レモン汁及び香料を添加し、この組合せ物を急速かつ十分に混合する。
5.得られた混合物を、温かいうちに型にプレスする。
6.この混合物を、型に入った状態で12時間~48時間前後にわたって放置して固まらせる。
【実施例5】
【0165】
固形製品を、請求項1に従って調製した。この製品は、以下の原料を含むものであった。
- レッドヘナ粉末
- グリセロール
- ココアバター
- インディゴ粉末
- ハイビスカス花粉末
- コーヒー粉砕物
- レモン汁
- 香料
- アイリッシュモス粉末
【0166】
請求項1に記載の製品を、Lush Limitedから販売されている市販製品Marron Henna Brickと比較した。Marron Henna Brickには、グリセロールもハイビスカス粉末も含まれていないことを除いて、先述したものと同じ原料が含まれている。
【0167】
請求項1に記載の製品のサンプルをそれぞれテストする目的で、20名の独立の被験者からなるパネルに当該製品をそれぞれ提供した。これらの被験者のうち8名は製品を(以下に概略を示す方法により)適用してもらったため、自分では製品を調製も適用もしなかった。残りの12名の被験者それぞれには、以下の方法を用いて自身の毛髪に製品を適用するよう依頼した。
1.ブリックを砕き、沸かしたての湯を少しずつ入れてかき混ぜる。
2.ウルトラブランド(Ultrabland)又はウルトラプラント(Ultraplant)を、毛髪の生え際及び耳の周りに塗る。
3.毛髪をとかして小分けにし、ヘナ製品が快適な温度であることを確認し、うなじから始めて頭頂部まで、毛髪の根元に適用する。特に細かい作業が必要な場合には刷毛を用いる。
4.毛髪の長さ方向全体及び毛先に、(手袋をはめた)手でたっぷり塗りつけ、頭頂部で毛髪をひとまとめにする。
5.保温効果が得られるようにシャワーキャップで覆い、最長2時間にわたって放置する。
6.十分にすすぐ。
【0168】
次いで、Marron Henna Brickと比較して本製品についてフィードバックしてくれるよう各被験者に依頼した。
【0169】
被験者に以下の質問を行った。
このヘナブリックは、従来のヘナより調製が簡単であったか?
- ヘナを適用してもらった8名の被験者には、この質問を行わなかった。
- 12名の被験者のうち12名が「はい」と答えた。
- 回答コメントには以下のものがあった。
「このヘナブリックの方が柔らかく、崩す/カットするのが簡単で、溶解するのも速かった」
「いつもより溶けるまでにかかった時間が短く、カットするのがはるかに簡単で、皮膚に付くこともなかった(did not get a skin over it either)」
このヘナブリックは、従来のヘナより適用が簡単であったか?
- 20名の被験者の中で、他人に適用してもらった者のうち4名は回答しなかった。
- 残りの16名の被験者のうち8名が「はい」と答えた(3名は「変わらない」と答えた)。
- 回答コメントには以下のものがあった。
「はるかに滑らかな稠度で、適用時に固形の塊がなかった」
結果として得られた色合いは、過去にヘナで髪を染めたときと比較して改善されたか?
- 20名の被験者のうち14名が「はい」と答えた(3名の被験者は「変わらない」と答えた)。
【実施例6】
【0170】
固形製品を、請求項1に従って調製した。この製品は、以下の原料を含むものであった。
- インディゴ粉末
- レッドヘナ粉末
- グリセロール
- ココアバター
- ノニ果実粉末
- ノニ果汁
- 海塩
- 香料
- アイリッシュモス粉末
【0171】
請求項1に記載の製品を、比較製品1及び比較製品2と比較した。比較製品1は、請求項に係る製品と同一であったが、グリセロールをより多量のココアバターで置きかえたものであった。比較製品2は、請求項に係る製品と同一であったが、グリセロールをアーモンド油で置きかえたものであった。どちらの比較製品も、グリセロール又は他のポリオールを含有しなかった。
【0172】
それぞれの製品を調合し、先に実施例5において言及した方法を用いて金髪のヒト毛髪に適用した。
【0173】
ココアバターのみを含む比較製品1は、固形物の形態ではあったものの「ブルーミング(blooming)」が生じ、それにより、製品表面が、酸化したまだら(patchy)/斑点状(spotty)になっていることが確認された。これにより望ましくない外観が創出され、この外観はユーザーに不快感を起こさせると思われた。これに対し、請求項1に記載の製品の外観は滑らかな仕上がりを有し、製品は、ひび割れや崩壊を生じていない固形物の形態であった。
【0174】
請求項1に記載の製品は、毛髪に適用した際に得られる色合いが最も深みのある最も寒色系に寄った(coolest)ものとなる固形ブリックであるという点で、最も望ましい製品をもたらすことが確認された。
【0175】
比較製品1を毛髪に適用すると、ココアバター及びグリセロールを含む請求項に係る製品によって達成された毛髪の外観と比較して暖色系に寄った(あまり望ましくない)外観に仕上がる形で毛髪が染色された。
【0176】
アーモンド油を含む比較製品2を毛髪に適用すると、被覆が不均一で、まだらな状態に仕上がる形で毛髪が染色された。濃色の斑点が毛髪上に形成された。
【実施例7】
【0177】
固形製品を請求項26に従って調製し、消費者によるテストを行った。いずれの製品も、ヘナ、ココアバター、並びにノニ果実及びハイビスカス粉末のうち少なくとも一方を含むものであった。
【0178】
先に実施例5において言及した方法を用いて、被験者パネルにより固形製品をテストした。
【0179】
被験者のうち幾名は、従来の市販ヘナ製品のユーザーであった。これらの被験者に、請求項26に記載の製品を、それらの従来の市販ヘナ製品と比較するよう依頼した。従来の市販ヘナ製品を使用していた被験者の大半が、この新規製品は、ある点において従来の製品と同等である又はそれより優れていると述べた。新規製品は適用がより簡単であると感じた者もおり、従来の製品と比較して色が改善されていると感じた者もいた。
【0180】
本発明の多様な改変及び変形は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者には明らかとなろう。本発明を特定の好ましい実施形態に関連して説明してきたが、特許請求の範囲に記載された本発明は、こうした特定の実施形態に過度に限定されるべきでないことは理解されるべきである。実際、化学、生物学又は関連分野の当業者にとっては明らかな、本明細書に記載された発明を実施するための形態に対する多様な改変は、「特許請求の範囲」内に含まれることを意図している。
【国際調査報告】