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特表2025-502397改善された可撓性を有する編組ステント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】改善された可撓性を有する編組ステント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/90 20130101AFI20250117BHJP
【FI】
A61F2/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024542930
(86)(22)【出願日】2023-01-18
(85)【翻訳文提出日】2024-08-23
(86)【国際出願番号】 US2023060816
(87)【国際公開番号】W WO2023141452
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】63/300,810
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】マリー、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ティアニー、ポール イー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルシュ、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】キャサリー、ギャレット
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ、デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ウインドハウザー、ケビン
(72)【発明者】
【氏名】ソロモン、モリー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA44
4C267AA50
4C267BB03
4C267BB06
4C267BB07
4C267BB31
4C267BB40
4C267CC07
4C267CC08
4C267CC12
4C267CC20
4C267CC21
4C267CC22
4C267CC23
4C267CC26
4C267DD01
4C267EE03
4C267FF05
4C267GG02
4C267GG24
4C267GG32
4C267HH17
(57)【要約】
ステントは、半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含み、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとが重なり合って、細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを形成する、細長い管状部材を含む。1つ以上の列内のセルのうちの少なくともいくつかは、ステントに増大した可撓性を提供するように適合される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントであって、
半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを備え、前記第1の螺旋方向に延びる前記第1の複数のフィラメントと前記第2の螺旋方向に延びる前記第2の複数のフィラメントとが重なり合って、前記細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを形成する、細長い管状部材を備え、
1つ以上の列内の前記セルのうちの少なくともいくつかは、前記ステントに増大した可撓性を提供するように適合される、ステント。
【請求項2】
前記複数の列のうちの1つ以上の列内の前記第1の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつか及び前記第2の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつかは、前記セルのうちの少なくともいくつかを分断するように切り取られ、それによって、前記ステントの可撓性を増大させる、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記複数のセルのうちの少なくともいくつかは、前記第1の螺旋方向に延びる前記第1の複数のフィラメントのうちの一対のフィラメントと、前記第2の螺旋方向に延びる前記第2の複数のフィラメントのうちの一対のフィラメントとによって形成される4つの辺を有する略菱形を有する、請求項1又は2に記載のステント。
【請求項4】
前記ステントは、前記細長い管状部材に沿って延びるポリマー被覆を更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のステント。
【請求項5】
セルの1つ以上の列は、分断されたセルのみを含み、それによって、前記細長い管状部材を2つ以上の別個のセグメントに分ける、請求項1~4のいずれか一項に記載のステント。
【請求項6】
前記2つ以上の別個のセグメントのうちの第1のセグメントは、第1の末端列内に複数のセルを有する第1の端部を有し、
前記2つ以上の別個のセグメントのうちの第2のセグメントは、第2の末端列内に複数のセルを有する第2の端部を有し、
前記第2のセグメントは、前記第1の末端列内の前記複数のセルが前記第2の末端列内の前記複数のセルの間に入れ子になるように、前記第1のセグメントに対して回転される、請求項5に記載のステント。
【請求項7】
前記2つ以上の別個のセグメントのうちの第1のセグメントは、第1の編組パターンを有し、前記2つ以上の別個のセグメントのうちの第2のセグメントは、前記第1の編組パターンとは異なる第2の編組パターンを有する、請求項5又は6に記載のステント。
【請求項8】
前記2つ以上の別個のセグメントは、隣接するセグメント間に織り込まれた固定要素によって互いに接合されている、請求項5~7のいずれか一項に記載のステント。
【請求項9】
編組ステントであって、
半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、
左から右への螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、右から左への螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを備える第1のセグメントであって、前記第1の複数のフィラメント及び前記第2の複数のフィラメントが一緒になって、前記第1のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第1の複数のセルを形成する、第1のセグメントと、
前記左から右への螺旋方向に延びる第3の複数のフィラメントと、前記右から左への螺旋方向に延びる第4の複数のフィラメントとを備える第2のセグメントであって、前記第3の複数のフィラメント及び前記第4の複数のフィラメントが一緒になって、前記第2のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第2の複数のセルを形成する、第2のセグメントと、を含む細長い管状部材を備え、
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、前記編組ステントに増大した可撓性を提供するように互いに結合される、編組ステント。
【請求項10】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、前記第1の複数のフィラメントのうちの1つ以上の延長である前記第3の複数のフィラメントのうちの1つ以上を有することによって、及び/又は、前記第2の複数のフィラメントのうちの1つ以上の延長である前記第4の複数のフィラメントのうちの1つ以上を有することによって、互いに結合される、請求項9に記載の編組ステント。
【請求項11】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの少なくとも一部及び前記第2のセグメントの少なくとも一部にわたって延びる連続ポリマー層によって互いに結合される、請求項9又は10に記載の編組ステント。
【請求項12】
前記第1のセグメントは、第1の末端列内に複数のセルを有する第1の端部を有し、
前記第2のセグメントは、第2の末端列内に複数のセルを有する第2の端部を有し、
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、前記第1の末端列内の前記複数のセルと前記第2の末端列内の前記複数のセルとの間に織り込まれた固定要素によって互いに結合される、請求項9~11のいずれか一項に記載の編組ステント。
【請求項13】
左から右への螺旋方向に延びる第5の複数のフィラメントと、右から左への螺旋方向に延びる第6の複数のフィラメントとを備える第3のセグメントであって、前記第1の複数のフィラメント及び前記第2の複数のフィラメントが一緒になって、前記第1のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第1の複数のセルを形成する、第3のセグメントを更に備え、
前記第2のセグメント及び前記第3のセグメントは、前記編組ステントに増大した可撓性を提供するように互いに結合される、請求項9~12のいずれか一項に記載の編組ステント。
【請求項14】
編組ステントであって、
半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、前記細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを備える、細長い管状部材を備え、
前記複数のセルのうちの少なくともいくつかは、前記ステントの可撓性を増大させるように適合される、編組ステント。
【請求項15】
前記細長い管状部材は、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを備え、前記第1の螺旋方向に延びる前記第1の複数のフィラメントと前記第2の螺旋方向に延びる前記第2の複数のフィラメントとが重なり合って、前記細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを形成し、
前記複数の列のうちの1つ以上の列内の前記第1の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつか及び前記第2の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつかは、前記セルのうちの少なくともいくつかを分断するように切り取られ、それによって、前記ステントの可撓性を増大させる、請求項14に記載の編組ステント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療デバイス、並びに医療デバイスを製造及び使用する方法に関する。より詳細には、本開示は、身体管腔に植え込むためのステント、及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
植え込み型医療デバイス(例えば、拡張可能ステント)は、体内の様々な病態を治療するように設計され得る。例えば、一部の拡張可能なステントは、半径方向に拡張して身体管腔を支持するように及び/又は医療処置後に消化物質、血液、若しくは他の流体がそこを通って流れるための流体経路を提供するように設計されている場合がある。一部の医療デバイスは、様々な医療デバイス送達システムによって経腔的に植え込むことができる半径方向拡張型ステント又は自己拡張型ステントを含む場合がある。これらのステントは、冠状動脈又は末梢動脈、食道管、胃腸管(腸、胃及び結腸を含む)、気管気管支管、尿路、胆管、血管系などの様々な身体管腔に埋め込むことができる。場合によっては、治療部位で身体管腔を開くのに十分な半径方向の力を維持しながら、十分な可撓性を含むようにステントを設計することが望ましい場合がある。
【0003】
したがって、場合によっては、改善された可撓性を有するステントを設計することが望ましい場合がある。改善された可撓性を含む医療デバイスの例が、本明細書に開示される。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、医療デバイスのための設計、材料、製造方法、及び使用の代替案を提供する。一例として、ステントは、半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含み、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとが重なり合って、細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを形成する、細長い管状部材を含む。1つ以上の列内のセルのうちの少なくともいくつかは、ステントに増大した可撓性を提供するように適合される。
【0005】
代替的又は追加的に、複数の列のうちの1つ以上の列内の第1の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつか及び第2の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつかは、セルのうちの少なくともいくつかを分断するように切り取られてもよく、それによって、ステントの可撓性を増大させる。
【0006】
代替的又は追加的に、複数のセルのうちの少なくともいくつかは、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントのうちの一対のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントのうちの一対のフィラメントとによって形成される4つの辺を有する略菱形を有してもよい。
【0007】
代替的又は追加的に、分断されたセルは、略菱形の4つの辺のうちの少なくとも1つが除去されたセルを含んでもよい。
代替的に又は付加的に、ステントは、細長い管状部材に沿って延びるポリマー被覆を更に含んでもよい。
【0008】
代替的又は追加的に、セルの1つ以上の列は、少なくとも1つの完全なままのセル及び複数の分断されたセルを含んでもよい。
代替的又は追加的に、セルの1つ以上の列は、分断されたセルのみを含んでもよく、それによって細長い管状部材を2つ以上の別個のセグメントに分ける。
【0009】
代替的又は追加的に、2つ以上の別個のセグメントのうちの第1のセグメントは、第1の末端列内に複数のセルを有する第1の端部を有してもよく、2つ以上の別個のセグメントのうちの第2のセグメントは、第2の末端列内に複数のセルを有する第2の端部を有してもよく、第2のセグメントは、第1の末端列内の複数のセルが第2の末端列内の複数のセルの間に入れ子になるように、第1のセグメントに対して回転されてもよい。
【0010】
代替的又は追加的に、2つ以上の別個のセグメントのうちの第1のセグメントは、第1の編組パターンを有してもよく、2つ以上の別個のセグメントのうちの第2のセグメントは、第1の編組パターンとは異なる第2の編組パターンを有してもよい。
【0011】
代替的又は追加的に、第1の編組パターンは、フィラメント数、編組角度、及びフィラメント直径のうちの1つ以上において、第2の編組パターンと異なってもよい。
代替的又は追加的に、2つ以上の別個のセグメントは、隣接するセグメント間に織り込まれた固定要素によって互いに接合されてもよい。
【0012】
代替的又は追加的に、固定要素はフィラメントを含んでもよい。
代替的又は追加的に、2つ以上の別個のセグメントは、セルの列内のセルの全てを分断することによって形成されてもよい。
【0013】
別の例として、編組ステントは、半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材を含む。細長い管状部材は、左から右への螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、右から左への螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを有する第1のセグメントであって、第1の複数のフィラメント及び第2の複数のフィラメントが一緒になって、第1のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第1の複数のセルを形成する、第1のセグメントを含む。細長い管状部材は、左から右への螺旋方向に延びる第3の複数のフィラメントと、右から左への螺旋方向に延びる第4の複数のフィラメントとを有する第2のセグメントであって、第3の複数のフィラメント及び第4の複数のフィラメントが一緒になって、第2のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第2の複数のセルを形成する、第2のセグメントを含む。第1のセグメント及び第2のセグメントは、編組ステントに増大した可撓性を提供するように互いに結合される。
【0014】
代替的に又は追加的に、第1のセグメント及び第2のセグメントは、第1の複数のフィラメントのうちの1つ以上の延長である第3の複数のフィラメントのうちの1つ以上を有することによって、及び/又は、第2の複数のフィラメントのうちの1つ以上の延長である第4の複数のフィラメントのうちの1つ以上を有することによって、互いに結合されてもよい。
【0015】
代替的に又は追加的に、第1のセグメント及び第2のセグメントは、第1のセグメントの少なくとも一部及び第2のセグメントの少なくとも一部にわたって延びる連続ポリマー層によって互いに結合されてもよい。
【0016】
代替的又は追加的に、第1のセグメントは、第1の末端列内に複数のセルを有する第1の端部を有してもよく、第2のセグメントは、第2の末端列内に複数のセルを有する第2の端部を有してもよい。第1のセグメント及び第2のセグメントは、第1の末端列内の複数のセルと第2の末端列内の複数のセルとの間に織り込まれた固定要素によって互いに結合されてもよい。
【0017】
代替的又は追加的に、編組ステントは、左から右への螺旋方向に延びる第5の複数のフィラメントと、右から左への螺旋方向に延びる第6の複数のフィラメントとを有する第3のセグメントであって、第1の複数のフィラメント及び第2の複数のフィラメントが一緒になって、第1のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第1の複数のセルを形成する、第3のセグメントを更に含んでもよく、第2のセグメント及び第3のセグメントは、編組ステントに増大した可撓性を提供するように互いに結合されてもよい。
【0018】
別の例では、編組ステントは、半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを有する、細長い管状部材を含む。複数のセルのうちの少なくともいくつかは、ステントの可撓性を増大させるように適合される。
【0019】
代替的に又は追加的に、細長い管状部材は、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含んでもよく、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとが重なり合って、細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを形成し、複数の列のうちの1つ以上の列内の第1の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつか及び第2の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつかは、セルのうちの少なくともいくつかを分断するように切り取られ、それによって、ステントの可撓性を増大させる。
【0020】
いくつかの実施形態についての上記の概要は、本開示の各開示された実施形態又は全ての実装形態を説明することを意図していない。以下の図面及び「発明を実施するための形態」は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【0021】
添付の図面と共に以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本発明はより完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】例示的なステントの側面図である。
図1A図1の例示的なステントの一部の拡大図である。
図2図1の例示的なステントの一部の拡大図である。
図3】例示的なステントの側面図である。
図4図3の例示的なステントの一部の拡大図である。
図5】例示的なステントの側面図である。
図6図5の例示的なステントの一部の拡大図である。
図7】例示的なステントの側面図である。
図8】例示的なステントの側面図である。
図9】例示的なステントの側面図である。
図10】例示的なステントの側面図である。
図11】例示的なステントの側面図である。
図12】例示的なステントの側面図である。
図12A図12の例示的なステントの一部の拡大図である。
図13】例示的なステントの一部の側面図である。
図13A図13の線13A-13Aに沿って取った概略断面図である。
図14】例示的なステントの側面図である。
図14A図14の線14A-14Aに沿って取った概略断面図である。
図14B図14の線14B-14Bに沿って取った概略側断面図である。
図15】例示的なステントの側面図である。
図15A図15の一部の拡大図である。
図16】例示的なステントの側面図である。
図17】例示的なステントの側面図である。
図18】例示的なステントの側面図である。
図19】例示的なステントの側面図である。
図19A図19の例示的なステントの一部の拡大図である。
図20】例示的なステントの側面図である。
図20A図20の一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、様々な修正形態及び代替形態に適用可能であるが、その詳細が図面において例として示されており、詳細に説明される。しかしながら、その意図は、本開示を説明した特定の実施形態に限定しようとするものではないと理解されるべきである。逆に、その意図は、本開示の趣旨及び範囲内に入る全ての修正形態、均等物、及び代替形態を包含することにある。
【0024】
以下に定義される用語については、特許請求の範囲又は本明細書の他の箇所において異なる定義が与えられない限り、これらの定義が適用されるものとする。
本明細書において、全ての数値は、明示的に示されているか否かにかかわらず、用語「約」によって修飾されると仮定する。「約」という用語は、一般には当業者が、記載された値と等価であるとみなす(すなわち同じ機能又は結果を有する)数値の範囲を指す。多くの場合、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含むことができる。
【0025】
端点による数値範囲の記載は、その範囲内の全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、内容が明らかに他のことを示さない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、「又は」という用語は、内容が明らかに他のことを示さない限り、「及び/又は」を含む意味で一般に使用される。
【0026】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面において、異なる図面における同様の要素は同じ番号が付されている。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、例示的な実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0027】
場合によっては、食道狭窄又は他の医学的病状を有する患者に管腔開存性を送達することができる管腔内インプラント又はステントを提供することが望ましい場合がある。このようなステントは、時には食道癌に起因する嚥下障害を経験している患者に使用される場合がある。食道ステントは、癌治療又は緩和期間中に患者が経口摂取によって栄養を維持することを可能にし得る。一部のステントは、食道及び気管気管支の用途、並びに一部の肥満手術治療後の用途で所望され得る、最小限の短縮性で良好な半径方向強度を提供する織られた構成又は編まれた構成を有する。本明細書中に開示される実施形態は、食道ステントを参照して議論されるが、本明細書中に記載されるステントは、身体組織、身体器官、血管腔、非血管腔及びこれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない他の場所で使用され、その使用のためにサイズ変更され得ることが企図されており、例えば、冠血管系又は末梢血管系、気管、気管支、結腸、小腸、胆管、尿路、前立腺、脳、胃などであるが、これらに限定されない。
【0028】
図1は、ステントなどであるがこれに限定されない、例示的な管腔内インプラント10の側面図である。場合によっては、ステント10は、細長い管状部材の形態をとることができる。ステント10は、略管状として説明及び図示されるが、ステント10は、所望の任意の断面形状をとってもよいことが企図される。ステント10は、第1の、すなわち近位端部12と、第2の、すなわち遠位端部14と、第1の端部12と第2の端部14との間に配置された中間領域16とを有し得る。ステント10は管腔18を含むことができ、管腔は、第1の端部12に隣接する第1の開口部から第2の開口部14に隣接する第2の開口部まで延びて、食物、流体などが通過できるようにする。
【0029】
ステント10は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント10は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント10は、折り畳まれた構成にある間のステント10又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント10又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント10が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント10が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント10又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント10は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0030】
ステント10は、複数の織り合わされたフィラメントから形成され得る。例えば、ステント10は、それぞれが第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、それぞれが第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含む複数のフィラメントから製造される編組構造を有してもよい。ステント10のフィラメントは、必要に応じて、金属、金属合金、形状記憶合金及び/又はポリマーなどであるがこれらに限定されないいくつかの異なる材料から作製されてもよく、ステント10が解剖学的構造内に正確に位置付けられたときに拡張されて形をとることを可能にすることが企図される。場合によっては、材料は、ステント10が比較的容易に除去されることを可能にするように選択されてもよい。例えば、ステント10は、ニチノール(Nitinol)及びElgiloy(登録商標)などであるがこれらに限定されない合金から形成され得る。ステント10の構成のために選択される材料に応じて、ステント10は、自己拡張型であってもよく、すなわち、拘束されていないときに自動的に半径方向に拡張するように構成されてもよい。場合によっては、ステント10は自己拡張型でないことがあり、したがって、管腔18内に配置された膨張可能なバルーンなどであるがこれに限定されない拡張デバイスの補助なしでは、その完全に拡張した構成を取り戻さないことがある。本明細書中で使用される場合、「自己拡張」という用語は、外部の付勢力、例えば、送達カテーテル又はシースによって拘束されていないときに、ステント10が予めプログラムされた直径に戻る傾向を意味する。図示されていないが、ステント10は、例えば胃腸液の逆流を防止するために管腔18内に位置付けられたエラストマー製スリット弁又はダックビル弁などの一方向弁を含み得る。
【0031】
場合によっては、半径方向に拡張された構成において、ステント10は、第1の端部12に近接する第1の端部領域20と、第2の端部14に近接する第2の端部領域22とを含み得る。場合によっては、図示されるように、第1の端部領域20及び第2の端部領域22は、中間領域16に対して拡大された直径を有する保持機構又は移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、第1の端部12及び/又は第2の端部14に隣接して位置付けられてもよく、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成され得る。場合によっては、保持機構又はフレア領域は、ステント10が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動することを防止するために、ステント10の中間領域16よりも大きい直径を有してもよい。場合によっては、中間領域16の断面領域から保持機構又はフレア領域への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0032】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント10は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、第1の端部領域20は移動防止フレアを含んでもよく、第2の端部領域22は中間領域16と同様の外径を有してもよい。第2の端部領域22が移動防止フレアを含んでもよく、第1の端部領域20が中間領域16の外径と同様の外径を有してもよいことが更に企図される。いくつかの実施形態では、ステント10は、第1の端部12から第2の端部14まで均一な外径を有することができる。いくつかの実施形態では、中間領域16の外径は、完全に拡張された構成において、15~25ミリメートルの範囲であってもよい。移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント10の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0033】
場合によっては、ステント10は、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含む。ステント10は、例えば、各々が第1の螺旋方向に延びる個々のフィラメント24a、24b及び24cを含む。ステント10は、第1の螺旋方向に延びる追加のフィラメント(参照なし)を含む。第1の螺旋方向は、左から右へ、又は近位から遠位へ、時計回り方向に延びると考えることができる。ステント10は、例えば、各々が第2の螺旋方向に延びる個々のフィラメント26a、26b及び26cを含む。ステント10は、第2の螺旋方向に延びる追加のフィラメント(参照なし)を含む。第2の螺旋方向は、右から左に、又は遠位から近位に、時計回り方向に延びると考えることができる。
【0034】
図1Aを参照すると、個々のフィラメントが編組されていること、すなわち、個々の編組が互いの上下に延びていることが分かる。例えば、個々のフィラメント24aは、個々のフィラメント26aの下に延び、個々のフィラメント26bの上に延び、個々のフィラメント26cの下に延びる、といった具合である。ステント10を形成する個々のフィラメントの各々についても同様の関係が存在する。セル28aは、個々のフィラメント24a、24b、26a及び26bの交点によって形成されることが理解されるであろう。セル28bは、個々のフィラメント24b、24c、26a及び26bの交点によって形成される。セル28cは、個々のフィラメント24b、24c、26b及び26cの交点によって形成される。セル28a、28b及び28cの各々は、長さがほぼ等しい4つの辺を有する菱形であると考えることができる。場合によっては、第1及び第2の螺旋方向がそれぞれ延びる相対角度に応じて、セルの少なくともいくつかは、例えば、他方よりも幾分短い2つの辺及び幾分長い2つの辺を有し得る。セル28a及びセル28cは、ステント10の周りを円周方向に延びる単一の列内にあると考えることができ、一方、セル28bは、ステント10の周りを円周方向に延びる隣接する列内にあると考えることができる。
【0035】
ステント10は、第1の螺旋方向に延びる任意の数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる任意の数のフィラメントとを含むことができる。場合によっては、ステント10は、第1の螺旋方向及び第2の螺旋方向に延びる等しい数のフィラメントを有してもよい。場合によっては、ステント10は、第1の螺旋方向に延びる比較的多数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる比較的少数のフィラメントとを有してもよい。ステント10は、例えば、第1の螺旋方向に延びる比較的少数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる比較的多数のフィラメントとを有してもよい。ステント10はまた、例えば、長手方向に延びる1つ以上のフィラメントを含んでもよい。場合によっては、ステント10は、第1の螺旋方向に延びる6、7、8、9、10、11、12、又はそれより多いフィラメントを有してもよく、第2の螺旋方向に延びる6、7、8、9、10、11、又は12、あるいはそれより多いフィラメントを有してもよい。
【0036】
多くの場合、ステント10などのステントに対する性能要求は相反する可能性があることが理解されるであろう。例えば、軸方向強度及び半径方向強度を含む強度対可撓性は、ステントなどの医療デバイスを設計する際の一般的な対立である。曲がりくねっている可能性のある解剖学的構造に適合することができるステントを構築することは、所望の強度を提供するという要望と相反する可能性がある。定位置に留まり、移動しないステントを構築することは、ステントを移動させること、又は更には除去することができる可能性があるという要望と相反する可能性がある。これらは単なる例である。場合によっては、ステント10は、所望の軸方向強度及び/又は半径方向強度を保持しながら、ステント10の可撓性を向上させることができる1つ以上の機構を含み得る。
【0037】
場合によっては、個々のフィラメントのいくつかの部分を切断又は他の方法で除去することによって、ステント10又は少なくともその一部の可撓性を増大させてもよい。例えば、ステント10は、第1の空隙30及び第2の空隙32を含む。場合によっては、第1の空隙30及び第2の空隙32は、別個の空隙であってもよい。示されるように、第1の空隙30と第2の空隙32との間に配置された単一の完全なままのセル34が存在する。第1の空隙30と第2の空隙32との間に配置されたステント10の裏側に、同様の完全なままのセル(見えない)が存在し得る。場合によっては、第1の空隙30及び第2の空隙32は、実際にはステント10の裏側で互いに共通し、介在する完全なままのセルがないこともある。第1の空隙30及び第2の空隙32は、ステント10の単一の周方向列と整列するが、場合によっては、第1の空隙30及び/又は第2の空隙32は、複数の列の幅であってもよい。後述するように、場合によっては、ステント10は、ステント10の周りを少なくとも部分的に円周方向に延びる複数の空隙を含んでもよく、空隙は、ステント10に沿って長手方向に離された複数の軸方向位置(複数の離隔した列)に配置されてもよい。
【0038】
第1の空隙30及び第2の空隙32は、ステント10の第1の軸方向位置においてステント10の周りを円周方向に延びてもよく、又は、第1の空隙30及び第2の空隙32の各々は、必要に応じて、ステント10の第1及び第2の軸方向に離隔した位置においてステント10の周りを円周方向に延びてもよい。第1の空隙30及び/又は第2の空隙32は、ステント10の円周の任意の所望の弧長の周りを円周方向に延びてもよい。例えば、第1の空隙30及び/又は第2の空隙32の各々は、ステント10の円周の周りを、30度以上、40度以上、45度以上、60度以上、75度以上、85度以上、90度以上、120度以上、150度以上、又は180度以上延びてもよい。
【0039】
図2は、ステント10の一部の拡大図を提供する。単一の完全なままのセル34は、第1の螺旋方向に延びるフィラメント36a及び36bと、第2の螺旋方向に延びるフィラメント38a及び38bとの交点によって形成されることが分かる。第1の空隙30は、第1の螺旋方向に延びるフィラメント40a、40b、及び40cの一部を切断又は他の方法で除去し、第2の螺旋方向に延びるフィラメント42a、42b、及び42cの一部を切断又は他の方法で除去することによって形成される。ステント10が含むフィラメントの数、及び第1の空隙30の全体寸法に応じて、第1の螺旋方向及び/又は第2の螺旋方向に延びる追加のフィラメントも、その一部が切り取られるか、又は他の方法で除去されてもよい。第2の空隙32は、第1の螺旋方向に延びるフィラメント44a、44b、及び44cの一部を切断又は他の方法で除去し、第2の螺旋方向に延びるフィラメント46a、46b、及び46cの一部を切断又は他の方法で除去することによって形成される。もはや完全なままではないセルは、分断されたセル、すなわち、編組管状部材のフィラメントの除去された部分によって以前は画定されていたセルであると考えることができ、それによって、複数のセルを、それらの間にフィラメントが介在しない状態で合体させることができる。
【0040】
分断されたセルは、個々のフィラメントの一部を切り取ることによって形成することができ、したがって、複数のセルを、それらの間にフィラメントが介在しない状態で合体させることができる。これは、個々のフィラメントをレーザカットすることを含み得る。明示的に示されていないが、場合によっては、切断されたフィラメント端部の少なくともいくつかは、残りのセルを固定するために互いに溶接されてもよい。場合によっては、これは、個々のフィラメントを鋸で切断すること、又は更には研削することを含み得る。場合によっては、個々のフィラメントの一部を除去する際に使用される手順にかかわらず、個々のフィラメントは、交差するフィラメントをわずかに越えて延びる切断端部を有し得る。一例として、個々のフィラメント40bから切り取られた欠落部分を見ると、個々のフィラメント40bの切断端部が個々のフィラメント42a及び42bをわずかに超えて延びていることが分かる。
【0041】
分断されたセルは、ステント10を製造するいずれの段階においても形成され得る。場合によっては、ステント10を編組してアニールし、分断されたセルのいずれかを形成する前に、ステント10の記憶形状を設定する。個々のフィラメントのいずれかの任意の部分を切り取る前にステント10をアニールすることによって、任意の切断されたフィラメントの切断端部は、それらの形状を「記憶」する傾向があり、したがって、定位置に留まる。いくつかの実施形態では、ステント10の内面及び/又は外面は、ポリマー被覆又はコーティング48(点線パターンによって示される)で全体的に、実質的に、又は部分的に覆われていてもよい。被覆又はコーティング48は、完全なままのセルだけでなく分断されたセルにも両方に及んでもよい。被覆又はコーティング48は、例えば、食片圧入及び/又は腫瘍若しくは組織の内方成長の低減に役立ち得る。場合によっては、被覆又はコーティング48は、空隙30及び32が形成された後に、ステント10上にディップコーティングされてもよい。被覆又はコーティング48は、空隙30及び32が形成された後に、ステント10上にスプレーコーティングされてもよい。場合によっては、被覆又はコーティング48は、任意の所望のポリマー材料から形成されてもよい。被覆又はコーティング48はまた、フィラメントが切り取られるか、又は他の方法で除去された後であっても、ステント10がその形状を保持するのを助けることができる。被覆又はコーティング48はまた、第1の空隙30及び/又は第2の空隙32内への組織の内方成長を防止するのに役立ち得る。
【0042】
図3は、ステントなどであるがこれに限定されない、例示的な管腔内インプラント50の側面図である。ステント50は、細長い管状部材の形態をとることができるが、ステント50は、所望の任意の断面形状をとることができる。例えば、ステント50は、それぞれが第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、それぞれが第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含む複数のフィラメントから製造される編組構造を有してもよい。
【0043】
ステント50は、第1の、すなわち近位端部12と、第2の、すなわち遠位端部14と、第1の端部12と第2の端部14との間に配置された中間領域16とを有し得る。ステント50は管腔18を含むことができ、管腔は、第1の端部12に隣接する第1の開口部から第2の端部14に隣接する第2の開口部まで延びて、食物、流体などが通過できるようにする。
【0044】
ステント50は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント50は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント50は、折り畳まれた構成にある間のステント50又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント50又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント50が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント50が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント50又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント50は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0045】
場合によっては、半径方向に拡張された構成において、ステント50は、第1の端部12に近接する第1の端部領域20と、第2の端部14に近接する第2の端部領域22とを含み得る。場合によっては、図示されるように、第1の端部領域20及び第2の端部領域22は、中間領域16に対して拡大された直径を有する保持機構又は移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、第1の端部12及び/又は第2の端部14に隣接して位置付けられてもよく、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成され得る。場合によっては、保持機構又はフレア領域は、ステント50が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動することを防止するために、ステント50の中間領域16よりも大きい直径を有してもよい。場合によっては、中間領域16の断面領域から保持機構又はフレア領域への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0046】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント50は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、第1の端部領域20は移動防止フレアを含んでもよく、第2の端部領域22は中間領域16と同様の外径を有してもよい。第2の端部領域22が移動防止フレアを含んでもよく、第1の端部領域20が中間領域16の外径と同様の外径を有してもよいことが更に企図される。いくつかの実施形態では、ステント50は、第1の端部12から第2の端部14まで均一な外径を有することができる。いくつかの実施形態では、中間領域16の外径は、完全に拡張された構成において、15~25ミリメートルの範囲内であってもよい。移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント50の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0047】
場合によっては、個々のフィラメントのいくつかの部分を切断又は他の方法で除去することによって、ステント50又は少なくともその一部の可撓性を増大させてもよい。例えば、ステント50は、第1の空隙52及び第2の空隙54を含む。場合によっては、第1の空隙52及び第2の空隙54は、別個の空隙であってもよい。場合によっては、第1の空隙52及び第2の空隙54は、実際にはステント50の裏側で互いに接合していてもよい(図示せず)。後述するように、場合によっては、ステント50は、ステント50の周りを少なくとも部分的に円周方向に延びる複数の空隙を含んでもよく、空隙は、ステント50に沿って長手方向に離された複数の軸方向位置(複数の離隔した列)に配置されてもよい。
【0048】
第1の空隙52及び第2の空隙54は、ステント50の第1の軸方向位置においてステント50の周りを円周方向に延びてもよく、又は、第1の空隙52及び第2の空隙54の各々は、必要に応じて、ステント50の第1及び第2の軸方向に離隔した位置においてステント50の周りを円周方向に延びてもよい。第1の空隙52及び/又は第2の空隙54は、ステント50の円周の任意の所望の弧長の周りを円周方向に延びてもよい。例えば、第1の空隙52及び/又は第2の空隙54の各々は、ステント50の円周の周りを、30度以上、40度以上、45度以上、60度以上、75度以上、85度以上、90度以上、120度以上、150度以上、又は180度以上延びてもよい。
【0049】
図4は、ステント50の一部の拡大図を提供する。第1の螺旋方向に延びるフィラメント36a及び36bと、第2の螺旋方向に延びるフィラメント38a及び38bとの交点によって形成された単一の完全なままのセルを含むステント10(図2)とは対照的に、ステント50は、第1の空隙52及び第2の空隙54を含むセルの周方向列内に完全なままのセルを含まない。むしろ、第1の螺旋方向に延びる単一のフィラメント56及び第2の螺旋方向に延びる単一のフィラメント58のみが、少なくともステント50の見える部分において、第1の空隙52を第2の空隙54から隔てるものの全てである。ステント50は、例えば、図3及び図4に示される空隙30及び32に対して、少なくとも第1の空隙52及び第2の空隙54の領域において、更なる可撓性を有し得ることが理解されるであろう。
【0050】
図5は、ステントなどであるがこれに限定されない、例示的な管腔内インプラント60の側面図である。ステント60は、細長い管状部材の形態をとることができるが、ステント60は、所望の任意の断面形状をとることができる。例えば、ステント60は、それぞれが第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、それぞれが第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含む複数のフィラメントから製造される編組構造を有してもよい。
【0051】
ステント60は、第1の、すなわち近位端部12と、第2の、すなわち遠位端部14と、第1の端部12と第2の端部14との間に配置された中間領域16とを有し得る。ステント60は管腔18を含むことができ、管腔は、第1の端部12に隣接する第1の開口部から第2の開口部14に隣接する第2の開口部まで延びて、食物、流体などが通過できるようにする。
【0052】
ステント60は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント60は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント60は、折り畳まれた構成にある間のステント60又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント60又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント60が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント60が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント60又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント60は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0053】
場合によっては、半径方向に拡張された構成において、ステント60は、第1の端部12に近接する第1の端部領域20と、第2の端部14に近接する第2の端部領域22とを含み得る。場合によっては、図示されるように、第1の端部領域20及び第2の端部領域22は、中間領域16に対して拡大された直径を有する保持機構又は移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、第1の端部12及び/又は第2の端部14に隣接して位置付けられてもよく、食道又は他の身体管腔の壁の内部に係合するように構成され得る。場合によっては、保持機構又はフレア領域は、ステント60が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動することを防止するために、ステント60の中間領域16よりも大きい直径を有してもよい。場合によっては、中間領域16の断面領域から保持機構又はフレア領域への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0054】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント60は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、第1の端部領域20は移動防止フレアを含んでもよく、第2の端部領域22は中間領域16と同様の外径を有してもよい。第2の端部領域22が移動防止フレアを含んでもよく、第1の端部領域20が中間領域16の外径と同様の外径を有してもよいことが更に企図される。いくつかの実施形態では、ステント60は、第1の端部12から第2の端部14まで均一な外径を有することができる。いくつかの実施形態では、中間領域16の外径は、完全に拡張された構成において、15~25ミリメートルの範囲内であってもよい。移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント60の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0055】
場合によっては、個々のフィラメントのいくつかの部分を切断又は他の方法で除去することによって、ステント60又は少なくともその一部の可撓性を増大させてもよい。例えば、ステント60は、第1の空隙62及び第2の空隙64を含む。場合によっては、第1の空隙62及び第2の空隙64は、別個の空隙であってもよい。場合によっては、第1の空隙62及び第2の空隙64は、実際にはステント60の裏側で互いに接合していてもよい(図示せず)。後述するように、場合によっては、ステント60は、ステント60の周りを少なくとも部分的に円周方向に延びる複数の空隙を含んでもよく、空隙は、ステント60に沿って長手方向に離された複数の軸方向位置(複数の離隔した列)に配置されてもよい。
【0056】
第1の空隙62及び第2の空隙64は、ステント60の第1の軸方向位置においてステント60の周りを円周方向に延びてもよく、又は、第1の空隙62及び第2の空隙64の各々は、必要に応じて、ステント60の第1及び第2の軸方向に離隔した位置においてステント60の周りを円周方向に延びてもよい。第1の空隙62及び/又は第2の空隙64は、ステント60の円周の任意の所望の弧長の周りを円周方向に延びてもよい。例えば、第1の空隙62及び/又は第2の空隙64の各々は、ステント60の円周の周りを、30度以上、40度以上、45度以上、60度以上、75度以上、85度以上、90度以上、120度以上、150度以上、又は180度以上延びてもよい。
【0057】
図6は、ステント60の一部の拡大図を提供する。示されるように、ステント60は、第1の空隙52及び第2の空隙54を含むセルの周方向列を横断する第1の螺旋方向に延びる合計3つのフィラメント66a、66b及び66cと、セルの同じ周方向列を横断する第2の螺旋方向に延びる合計3つのフィラメント68a、68b及び68cとを含む。ステント10又はステント50と比較して、ステント60は、わずかに低い可撓性を示し得るが、おそらく、更なる強度を示し得る。
【0058】
図7は、第1の又は近位領域72及び第2の又は遠位領域74を含む例示的なステント70の一部の側面図である。ステント70は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント70は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント70は、折り畳まれた構成にある間のステント70又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント70又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント70が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント70が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント70又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント70は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0059】
場合によっては、半径方向に拡張された構成において、ステント70は、ステント70の図示された部分の直径に対して拡大された直径を有する移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、存在する場合、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成されてもよい。拡径移動防止領域は、ステント70が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動するのを防止するのに役立ち得る。場合によっては、拡大された直径への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0060】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント70は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、ステント70の第1の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント70の第2の端部は移動防止フレアを含まなくてもよい。場合によっては、ステント70の第2の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント70の第1の端部は移動防止フレアを含まない。ステント70は、フレア領域の外側に、完全に拡張された構成において15~25ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。任意の移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント70の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0061】
ステント70の可撓性を強化するために、ステント70は、近位領域72内に配置された第1の空隙76と、近位領域72内に配置された第2の空隙78とを含む。第1の空隙76及び第2の空隙78はそれぞれ、ステント70の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。例えば、第1の空隙76及び/又は第2の空隙78の各々は、ステント70の円周の周りを10度から60度の間、又は15度から50度の間で延びてもよい。しかしながら、他の場合では、第1の空隙76及び/又は第2の空隙78は、ステント70の円周の周りを60度を超えて、又はステント70の円周の周りを10度未満で延びてもよい。場合によっては、第1の空隙76及び第2の空隙78は、ステント70の全周にわたって延び、ステント70の裏側(図示せず)で互いに接合する。ステント70は、遠位領域74内に配置された第3の空隙80と、遠位領域74内に配置された第4の空隙82とを含む。第3の空隙80及び第4の空隙82はそれぞれ、ステント70の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。例えば、第3の空隙80及び/又は第4の空隙82の各々は、ステント70の円周の周りを10度から60度の間、又は15度から50度の間で延びてもよい。しかしながら、他の場合では、第3の空隙80及び/又は第4の空隙82は、ステントの円周の周りを60度を超えて、又はステント70の円周の周りを10度未満で延びてもよい。場合によっては、第3の空隙80及び第4の空隙82は、ステント70の全周にわたって延び、ステント70の裏側(図示せず)で互いに接合する。
【0062】
第1の空隙76、第2の空隙78、第3の空隙80、及び第4の空隙82の相対的なサイズは、ステント70の意図された用途に応じて変更することができる。示されるように、図4に示されるものと非常に類似して、第1の螺旋方向に延び、第1の空隙76及び第2の空隙78を含むセルの周方向列を横断する、合計2つのフィラメント84a及び84bが存在する。場合によっては、図6に示されるものと非常に類似して、第1の螺旋方向に延び、セルのその周方向列を横断する、3つのそのようなフィラメントが存在してもよい。あるいは、場合によっては、第1の螺旋方向に延び、セルのその列の周方向列を横断する、単一のフィラメントのみが存在してもよい。空隙76及び78を形成した後に残るフィラメントの数を変えることは、例えば、ステント70の近位領域72の性能に影響を与える可能性がある。
【0063】
同様に、示されるように、図2に示されるものと非常に類似して、第1の螺旋方向に延び、第3の空隙80及び第4の空隙82を含むセルの周方向列を横断する、合計2つのフィラメント88a及び84bが存在する。場合によっては、図6に示されるものと非常に類似して、第1の螺旋方向に延び、セルのその周方向列を横断する、3つのそのようなフィラメントが存在してもよい。あるいは、場合によっては、図4に示されるものと非常に類似して、第1の螺旋方向に延び、セルのその周方向列を横断する、単一のフィラメントのみが存在してもよい。空隙80及び82を形成した後に残るフィラメントの数を変えることは、例えば、ステント70の遠位領域74の性能に影響を与える可能性がある。
【0064】
図8は、第1の又は近位領域94、第2の又は遠位領域96、及び介在する中間領域98を含む例示的なステント92の一部の側面図である。ステント92は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント92は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント92は、折り畳まれた構成にある間のステント92又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント92又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント92が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント92が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント92又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント92は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0065】
場合によっては、半径方向に拡張された構成において、ステント92は、ステント92の図示された部分の直径に対して拡大された直径を有する移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、存在する場合、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成されてもよい。拡径移動防止領域は、ステント92が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動するのを防止するのに役立ち得る。場合によっては、拡大された直径への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0066】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント92は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、ステント92の第1の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント92の第2の端部は移動防止フレアを含まなくてもよい。場合によっては、ステント92の第2の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント92の第1の端部は移動防止フレアを含まない。ステント92は、フレア領域の外側に、完全に拡張された構成において15~25ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。任意の移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント92の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0067】
ステント92の可撓性を強化するために、ステント92は、近位領域94内に配置された第1の空隙100と、近位領域94内に配置された第2の空隙102とを含む。第1の空隙100及び第2の空隙102はそれぞれ、ステント92の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。例えば、第1の空隙100及び/又は第2の空隙102の各々は、ステント92の円周の周りを10度から60度の間、又は15度から50度の間で延びてもよい。しかしながら、他の場合では、第1の空隙100及び/又は第2の空隙102は、ステント92の円周の周りを60度を超えて、又はステント92の円周の周りを10度未満で延びてもよい。場合によっては、第1の空隙100及び第2の空隙102は、ステント92の全周にわたって延び、ステント92の裏側(図示せず)で互いに接合する。ステント92は、中間領域98内に配置された第3の空隙104と、中間領域98内に配置された第4の空隙106とを含む。第3の空隙104及び第4の空隙106はそれぞれ、ステント92の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。例えば、第3の空隙104及び/又は第4の空隙106の各々は、ステント92の円周の周りを10度から60度の間、又は15度から50度の間で延びてもよい。しかしながら、他の場合では、第3の空隙104及び/又は第4の空隙106は、ステント92の円周の周りを60度を超えて、又はステント92の円周の周りを10度未満で延びてもよい。場合によっては、第3の空隙104及び第4の空隙106は、ステント92の全周にわたって延び、ステント92の裏側(図示せず)で互いに接合する。ステント92は、遠位領域96内に配置された第5の空隙108と、遠位領域96内に配置された第6の空隙110とを含む。第5の空隙108及び第6の空隙110はそれぞれ、ステント92の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。例えば、第5の空隙108及び/又は第6の空隙110の各々は、ステント92の円周の周りを10度から60度の間、又は15度から50度の間で延びてもよい。しかしながら、他の場合では、第5の空隙108及び/又は第6の空隙110は、ステント92の円周の周りを60度を超えて、又はステント92の円周の周りを10度未満で延びてもよい。場合によっては、第5の空隙108及び第6の空隙110は、ステント92の全周にわたって延び、ステント92の裏側(図示せず)で互いに接合する。
【0068】
図7に示されるものと同様に、第1の空隙100及び第2の空隙102、第3の空隙104及び第4の空隙106、並びに第5の空隙108及び第6の空隙110がそれぞれ配置されるセルの周方向列の各々を横断する、第1の螺旋方向に延びる合計2つのフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる合計2つのフィラメントとが存在する。これは、図2に示されるものと同様である。場合によっては、図6に示されるものと非常に類似して、第1の螺旋方向に延び、空隙を含むセルの各周方向列を横断する、3つのそのようなフィラメントがあってもよい。あるいは、場合によっては、図4に示されるものと同様に、第1の螺旋方向に延び、セルのその周方向列を横断する、単一のフィラメントのみが存在してもよい。
【0069】
図9は、第1の又は近位領域114、第2の又は遠位領域116、及び介在する中間領域118を含む例示的なステント112の一部の側面図である。ステント112は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント112は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント112は、折り畳まれた構成にある間のステント112又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント112又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント112が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント112が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント112又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント112は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0070】
場合によっては、半径方向に拡張された構成において、ステント112は、ステント112の図示された部分の直径に対して拡大された直径を有する移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、存在する場合、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成されてもよい。拡径移動防止領域は、ステント112が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動するのを防止するのに役立ち得る。場合によっては、拡大された直径への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0071】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント112は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、ステント112の第1の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント112の第2の端部は移動防止フレアを含まなくてもよい。場合によっては、ステント112の第2の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント112の第1の端部は移動防止フレアを含まない。ステント112は、フレア領域の外側に、完全に拡張された構成において15~25ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。任意の移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント112の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0072】
ステント112の可撓性を強化するために、ステント112は、複数の可撓性強化列のセルを含み、各可撓性強化列内のセルのうちの少なくともいくつかは分断されている。ステント112は、ステント112の近位領域114内に配置された第1の可撓性強化列120と、中間領域118内に配置された第2の可撓性強化列122と、中間領域118内に配置された第3の可撓性強化列124と、遠位領域116内に配置された第4の可撓性強化列126とを含む。合計4つの可撓性強化列120、122、124、126が示されているが、ステント112は、5、6、7、8、又はそれより多い可撓性強化列を含む任意の所望の数の可撓性強化列を有してもよいので、これは単なる例示であることが理解されるであろう。場合によっては、ステント112は、4つよりも少ない可撓性強化列を有してもよい。
【0073】
見られるように、第1の可撓性強化列120は、空隙120a及び空隙120bを含む。空隙120a及び120bはそれぞれ、ステント112の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙120a及び120bは、ステント112の全周にわたって延び、ステント112の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。第2の可撓性強化列122は、空隙122a及び空隙122bを含む。空隙122a及び122bはそれぞれ、ステント112の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙122a及び122bは、ステント112の全周にわたって延び、ステント112の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。第3の可撓性強化列124は、空隙124a及び空隙124bを含む。空隙124a及び124bはそれぞれ、ステント112の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙124a及び124bは、ステント112の全周にわたって延び、ステント112の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。第4の可撓性強化列126は、空隙126a及び空隙126bを含む。空隙126a及び126bはそれぞれ、ステント112の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙126a及び126bは、ステント112の全周にわたって延び、ステント112の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。
【0074】
ステント112は、セルの可撓性を強化する周方向列120、122、124及び126の各々を横断する、第1の螺旋方向に延びる合計2つのフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる2つのフィラメントとを含む。これは、図2に示されるものと同様である。場合によっては、図6に示されるものと非常に類似して、第1の螺旋方向に延び、空隙を含むセルの各周方向列を横断する、3つのそのようなフィラメントがあってもよい。あるいは、場合によっては、図4に示されるものと同様に、第1の螺旋方向に延び、セルのその周方向列を横断する、単一のフィラメントのみが存在してもよい。
【0075】
図10は、第1の又は近位領域114、第2の又は遠位領域116、及び介在する中間領域118を含む例示的なステント128の一部の側面図である。ステント128は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント128は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント128は、折り畳まれた構成にある間のステント128又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント128又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント128が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント128が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント128又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント128は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0076】
場合によっては、半径方向に拡張された構成において、ステント128は、ステント128の図示された部分の直径に対して拡大された直径を有する移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、存在する場合、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成されてもよい。拡径移動防止領域は、ステント128が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動するのを防止するのに役立ち得る。場合によっては、拡大された直径への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0077】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント128は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、ステント128の第1の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント128の第2の端部は移動防止フレアを含まなくてもよい。場合によっては、ステント128の第2の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント128の第1の端部は移動防止フレアを含まない。ステント128は、フレア領域の外側に、完全に拡張された構成において15~25ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。任意の移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント128の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0078】
ステント128の可撓性を強化するために、ステント128は、複数の可撓性強化列のセルを含み、各可撓性強化列内のセルのうちの少なくともいくつかは分断されている。ステント128は、第1の可撓性強化列130と、第2の可撓性強化列132と、第3の可撓性強化列134と、第4の可撓性強化列136と、第5の可撓性強化列138と、第6の可撓性強化列140とを含む。合計6つの可撓性強化列130、132、134、136、138、及び140が示されているが、ステント128は、7、8、9、10、又はそれより多い可撓性強化列を含む任意の所望の数の可撓性強化列を有してもよいので、これは単なる例示であることが理解されるであろう。場合によっては、ステント128は、6つよりも少ない可撓性強化列を有してもよい。
【0079】
見られるように、第1の可撓性強化列130は、空隙130a及び空隙130bを含む。空隙130a及び130bはそれぞれ、ステント128の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙130a及び130bは、ステント128の全周にわたって延び、ステント128の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。第2の可撓性強化列132は、空隙132a及び空隙132bを含む。空隙132a及び132bはそれぞれ、ステント128の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙132a及び132bは、ステント128の全周にわたって延び、ステント112の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。第3の可撓性強化列134は、空隙134a及び空隙134bを含む。空隙134a及び134bはそれぞれ、ステント128の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙134a及び134bは、ステント128の全周にわたって延び、ステント128の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。
【0080】
第4の可撓性強化列136は、空隙136a及び空隙136bを含む。空隙136a及び136bはそれぞれ、ステント128の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙136a及び136bは、ステント112の全周にわたって延び、ステント112の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。第5の可撓性強化列138は、空隙138a及び空隙138bを含む。空隙138a及び138bはそれぞれ、ステント128の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙138a及び138bは、ステント112の全周にわたって延び、ステント112の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。第6の可撓性強化列140は、空隙140a及び空隙140bを含む。空隙140a及び140bはそれぞれ、ステント128の周りを円周方向にわずかな距離だけ延びてもよい。場合によっては、空隙140a及び140bは、ステント112の全周にわたって延び、ステント112の裏側(図示せず)で互いに接合していてもよい。
【0081】
ステント128は、可撓性強化列130、132、134、136、138及び140の各々を横断する、第1の螺旋方向に延びる合計2つのフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる2つのフィラメントとを含む。これは、図2に示されるものと同様である。場合によっては、図6に示されるものと非常に類似して、第1の螺旋方向に延び、空隙を含むセルの各周方向列を横断する、3つのそのようなフィラメントがあってもよい。あるいは、場合によっては、図4に示されるものと同様に、第1の螺旋方向に延び、セルのその周方向列を横断する、単一のフィラメントのみが存在してもよい。
【0082】
図11は、ステントなどであるがこれに限定されない、例示的な管腔内インプラント142の側面図である。ステント142は、細長い管状部材の形態をとることができるが、ステント142は、所望の任意の断面形状をとることができる。例えば、ステント142は、それぞれが第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、それぞれが第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含む複数のフィラメントから製造される編組構造を有してもよい。
【0083】
ステント142は、第1の、すなわち近位端部114と、第2の、すなわち遠位端部116と、第1の端部114と第2の端部116との間に配置された中間領域118とを有し得る。ステント142は管腔144を含むことができ、管腔は、第1の端部114に隣接する第1の開口部から第2の端部116に隣接する第2の開口部まで延びて、食物、流体などが通過できるようにする。
【0084】
ステント142は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント142は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント142は、折り畳まれた構成にある間のステント142又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント142又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント142が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント142が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント142又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント142は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0085】
半径方向に拡張された構成で示されるように、ステント142は、ステント142の図示された部分の直径に対して拡大された直径を有する移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、存在する場合、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成されてもよい。拡径移動防止領域は、ステント142が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動するのを防止するのに役立ち得る。場合によっては、拡大された直径への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0086】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント142は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、ステント142の第1の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント142の第2の端部は移動防止フレアを含まなくてもよい。場合によっては、ステント142の第2の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント142の第1の端部は移動防止フレアを含まない。ステント142は、フレア領域の外側に、完全に拡張された構成において15~25ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。任意の移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント142の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0087】
場合によっては、図示されるように、ステント142は、細長い管状部材146と、細長い管状部材146を覆うポリマー被覆148(点線パターンによって示される)とを含むと考えることができる。ポリマー被覆148は、例えば、ディップコーティング又はスプレーコーティングによって細長い管状部材146に適用されてもよい。細長い管状部材146は、一定直径セグメント148と、第1のフレアセグメント150と、第2のフレアセグメント152とを含む。一定直径セグメント148は、第1のフレアセグメント150及び第2のフレアセグメント152とは異なっており、空隙空間154が第1のフレアセグメント150と一定直径セグメント148との間に配置され、空隙空間156が一定直径セグメント148と第2のフレアセグメント152との間に配置されている。
【0088】
場合によっては、一定直径セグメント148、第1のフレアセグメント150、及び第2のフレアセグメント152はそれぞれ、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとで独立して編組されてもよい。場合によっては、細長い管状部材146は、細長い管状部材146を別個の一定直径セグメント148、第1のフレアセグメント150、及び第2のフレアセグメント152に切断する前に、第1のフレアセグメント150、一定直径セグメント148、及び第2のフレアセグメント152の各々を通って延びる同じフィラメントを有する単一部材として編組されてもよい。一定直径セグメント148、第1のフレアセグメント150及び第2のフレアセグメント152が互いに独立して撓むことができるようになる第1の空隙空間154及び第2の空隙空間156により、ステント142が改善された可撓性を備えることが理解されるであろう。ポリマー被覆148は、第1の空隙空間154及び第2の空隙空間156の各々にわたって延びる。
【0089】
図12は、ステントなどであるがこれに限定されない、例示的な管腔内インプラント158の側面図である。ステント158は、細長い管状部材の形態をとることができるが、ステント158は、所望の任意の断面形状をとることができる。例えば、ステント158は、それぞれが第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、それぞれが第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを含む複数のフィラメントから製造される編組構造を有してもよい。
【0090】
ステント158は、第1の、すなわち近位端部114と、第2の、すなわち遠位端部116と、第1の端部114と第2の端部116との間に配置された中間領域118とを有し得る。ステント158は管腔144を含むことができ、管腔は、第1の端部114に隣接する第1の開口部から第2の端部116に隣接する第2の開口部まで延びて、食物、流体などが通過できるようにする。
【0091】
ステント158は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント158は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント158は、折り畳まれた構成にある間のステント158又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント158又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント158が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント158が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント158又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント158は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0092】
半径方向に拡張された構成で示されるように、ステント158は、ステント158の図示された部分の直径に対して拡大された直径を有する移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、存在する場合、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成されてもよい。拡径移動防止領域は、ステント158が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動するのを防止するのに役立ち得る。場合によっては、拡大された直径への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0093】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント158は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、ステント158の第1の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント158の第2の端部は移動防止フレアを含まなくてもよい。場合によっては、ステント158の第2の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント158の第1の端部は移動防止フレアを含まない。ステント158は、フレア領域の外側に、完全に拡張された構成において15~25ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。任意の移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント158の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0094】
場合によっては、図示されるように、ステント158は、細長い管状部材160と、細長い管状部材160を覆うポリマー被覆162(点線パターンによって図示される)とを含むと考えることができる。ポリマー被覆162は、例えば、ディップコーティング又はスプレーコーティングによって細長い管状部材160に適用されてもよい。細長い管状部材160は、中間セグメント(例えば、一定直径セグメント164)と、第1の端部セグメント(例えば、第1のフレアセグメント166)と、第2の端部セグメント(例えば、第2のフレアセグメント168)とを含み、中間セグメントは、第1の端部セグメントと第2の端部セグメントとの間に位置付けられ、第1の端部セグメント及び第2の端部セグメントから間隔を空けて配置されている。中間セグメントは、第1の端部セグメント及び/又は第2の端部セグメントと重なり合わないことがあり、ステント158の円周の周りを全体に延びる円周方向間隙が、中間セグメントと第1の端部セグメント及び/又は第2の端部セグメントとの間に設けられる。一定直径セグメント164は、第1のフレアセグメント166及び第2のフレアセグメント168とは異なる。
【0095】
場合によっては、一定直径セグメント164、第1のフレアセグメント166、及び第2のフレアセグメント168はそれぞれ、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとで独立して編組されてもよい。場合によっては、細長い管状部材160は、細長い管状部材160を別個の一定直径セグメント164、第1のフレアセグメント166、及び第2のフレアセグメント168に切断する前に、第1のフレアセグメント166、一定直径セグメント164、及び第2のフレアセグメント168の各々を通って延びる同じフィラメントを有する単一部材として編組されてもよい。一定直径セグメント164、第1のフレアセグメント166及び第2のフレアセグメント168が互いに独立して動くことができるため、ステント158が改善された可撓性を備えることが理解されるであろう。
【0096】
図12Aは、図12の第1のフレアセグメント166と一定直径セグメント164との間の交点の部分の拡大部分を示す。第1フレアセグメント166は、セル170a、セル170b、及びセル170cを含む末端列170を含む。一定直径セグメント164は、セル172a及びセル172bを含む末端列172を含む。場合によっては、示されるように、末端列172は、末端列170から幾分間隔を空けて配置され、第1のフレアセグメント166と一定直径セグメント164との間でステント158の周りを全体に延びる円周方向間隙を提供し、同様に、第2のフレアセグメント168の末端列は、一定直径セグメント164の末端列から間隔を空けて配置され、第2のフレアセグメント168と一定直径セグメント164との間でステント158の周りを全体に延びる円周方向間隙を提供する。末端列172内のセル172a、172bは、末端列170内のセル170a、170b、170cから円周方向にオフセットされており、これにより、末端列170と末端列172とが互いにより近接している場合に、セル172a、172bがセル170a、170b、170cの間に入れ子になることが可能になる。例えば、末端列170の山は、末端列172の谷と長手方向に整列されてもよく、したがって、末端列170の谷は、末端列172の山と長手方向に整列されてもよい。したがって、末端列170の各山は、末端列172の各山の間に円周方向に位置付けられてもよく、末端列170の各谷は、末端列172の各谷の間に円周方向に位置付けられてもよい。同様の構成が、第2のフレアセグメント168と一定直径セグメント164との間に存在してもよい。
【0097】
場合によっては、ステント158は、末端列170と末端列172とを互いに接合する固定要素174を含む。見て分かるように、固定要素174は、ステント158の円周の周りを円周方向に延びてもよく、一方、固定要素174は、第1のフレアセグメント166を一定直径セグメント164に固定するために、末端列170及び末端列172内のセルを縫うように出入りする。固定要素174は、固定要素が第1のフレアセグメント166と一定直径セグメント164との間を往復して横断する際に、円周方向間隙をジグザグに往復することができる。拡大された様式で示されていないが、一定直径セグメント164は、同様の様式で第2のフレアセグメント168に固定され得る。場合によっては、固定要素174は、ステントセグメントを合わせて本質的に縫合するために使用することができるフィラメント(例えば、ワイヤ、糸、又は縫合糸)であってもよい。ポリマー被覆162はまた、ステントセグメントを一緒に保持するのに役立ち得ることが理解されるであろう。
【0098】
図13は、例示的なステント180の一部の側面図であり、図13Aは、図13の線13A-13Aに沿って取ったその概略断面図である。ステント180は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。ステント180は、第1の領域182及び第2の領域184を含むものと考えることができる。場合によっては、ステント180は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント180は、折り畳まれた構成にある間のステント180又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント180又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント180が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント180が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント180又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント180は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0099】
場合によっては、半径方向に拡張された構成において、ステント180は、ステント180の図示された部分の直径に対して拡大された直径を有する移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、存在する場合、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成されてもよい。拡径移動防止領域は、ステント180が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動するのを防止するのに役立ち得る。場合によっては、拡大された直径への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0100】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント180は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、ステント180の第1の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント180の第2の端部は移動防止フレアを含まなくてもよい。場合によっては、ステント180の第2の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント180の第1の端部は移動防止フレアを含まない。ステント180は、フレア領域の外側に、完全に拡張された構成において15~25ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。任意の移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント180の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0101】
ステント180の可撓性を強化するために、ステント180は、ステント180の第1の領域182内に配置された第1の可撓性強化列186と、ステント180の第2の領域184内に配置された第2の可撓性強化列188とを含む。ステント180は、追加の可撓性強化列も含むことができる。ポリマー被覆192は、ステント180の周りを円周方向に延びる。図13Aに見られるように、第2の可撓性強化列188は、ステント壁セグメント190aと190bと190cとの間に配置される、188a、188b、及び188cと個別に標識された、合計3つの空隙を含む。空隙188a、188b、及び188cの各々は、ステント壁セグメント190a、190b、及び190cの各々の弧長とほぼ同じ弧長を有するように示されているが、これは一例にすぎない。場合によっては、空隙188a、188b及び188cは比較的長くてもよく、ステント壁セグメント190a、190b及び190cは比較的短くてもよい。場合によっては、空隙188a、188b及び188cは比較的短くてもよく、ステント壁セグメント190a、190b及び190cは比較的長くてもよい。第1の可撓性強化列186も同様に合計3つの空隙を含むが、この向きでは単一の空隙186aのみが見えることが理解されるであろう。第1の可撓性強化列186は、合計3つのステント壁セグメントを含むが、この向きでは2つのステント壁セグメント194a及び194bのみが見える。
【0102】
図14は、例示的なステント196の側面図であり、図14Aは、図14の線14A-14Aに沿って取ったステント196の概略断面図であり、図14Bは、図14の線14B-14Bに沿って取ったステント196の概略断面図である。ステント196は、第1の、すなわち近位端部114と、第2の、すなわち遠位端部116と、第1の端部114と第2の端部116との間に配置された中間領域118とを有し得る。ステント196は管腔144を含むことができ、管腔は、第1の端部114に隣接する第1の開口部から第2の端部116に隣接する第2の開口部まで延びて、食物、流体などが通過できるようにする。
【0103】
ステント196は、第1の半径方向に折り畳まれた構成(明示せず)から第2の半径方向に拡張された構成に拡張可能であり得る。場合によっては、ステント196は、折り畳まれた構成と拡張された構成との間の構成に展開されてもよく、すなわち、ステント196は、折り畳まれた構成にある間のステント196又はその特定の部分の直径よりも大きいが、完全に拡張された構成にある間のステント196又はその特定の部分の直径よりも小さい展開直径を有して展開されてもよい。場合によっては、ステント196が展開される解剖学的構造が、その展開構成に影響を及ぼすことがある。例えば、ステント196が展開される解剖学的構造が、完全に拡張されたときのステント196又はその特定の部分の直径よりも小さい直径を有する場合、ステント196は、その折り畳まれた構成の直径とその完全に拡張された構成の直径との中間である展開直径を有し得る。
【0104】
半径方向に拡張された構成で示されるように、ステント196は、ステント196の図示された部分の直径に対して拡大された直径を有する移動防止フレア領域を含んでもよい。移動防止フレア領域は、存在する場合、食道又は他の身体管腔の壁の内側部分に係合するように構成されてもよい。拡径移動防止領域は、ステント196が食道又は他の身体管腔内に配置された後に移動するのを防止するのに役立ち得る。場合によっては、拡大された直径への移行は、必要に応じて、漸進的であっても、傾斜していても、又は急な階段状の様式で生じてもよい。
【0105】
場合によっては、第1の移動防止フレア領域は、第1の外径を有してもよく、第2の移動防止フレア領域は、第2の外径を有してもよい。場合によっては、第1及び第2の外径は、略同一であってもよいが、その他の場合では、第1及び第2の外径は、異なってもよい。場合によっては、ステント196は、移動防止フレア領域のうちの1つのみを含んでもよく、又は移動防止フレア領域を含まなくてもよい。例えば、ステント196の第1の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント196の第2の端部は移動防止フレアを含まなくてもよい。場合によっては、ステント196の第2の端部は移動防止フレアを含んでもよいが、ステント196の第1の端部は移動防止フレアを含まない。ステント196は、フレア領域の外側に、完全に拡張された構成において15~25ミリメートルの範囲の外径を有してもよい。任意の移動防止フレアの外径は、完全に拡張された構成において、20~30ミリメートルの範囲であってもよい。ステント196の外径は、所望の用途に合うように変化させ得ることが企図される。
【0106】
ステント196の可撓性を強化するために、ステント196は、第1の可撓性強化列198と、第2の可撓性強化列200と、第3の可撓性強化列202と、第4の可撓性強化列204と、第5の可撓性強化列206とを含む。ステント196は、追加の可撓性強化列を含むことができる。場合によっては、ステント196は、より少ない可撓性強化列を含んでもよい。場合によっては、図示されるように、各可撓性強化列198、200、202、204、206は、隣接する可撓性強化列198、200、202、204、206に対して円周方向に回転される。図14Aは可撓性強化列202を通る断面図であり、図14Bは可撓性強化列204を通る断面図であるので、隣接する可撓性強化列間の相対的な回転が容易に分かる。
【0107】
図14A図14Bとを比較すると、可撓性強化列204が可撓性強化列202に対して時計回りに回転していることが容易に分かる。可撓性強化列198、200、202、204、206の各々は、いくつかの空隙及びいくつかの介在するステント壁セグメントを含む。空隙は、レーザカット又は鋸切断などによってステント196に切り込まれた窓であると考えることができる。特定のフィラメントと別のフィラメントとの間の交点に隣接する個々のフィラメントを必ずしも切断するのではなく、ステント196内に形成される窓は、交点がどこにあるかとは無関係に切断されてもよく、例えば形状が直線であってもよい。他の形状も企図される。ステント196を包むポリマーコーティング216は、ステント196に切り込まれた空隙又は窓を通って延びていると見ることができる。
【0108】
例示のために、第1の可撓性強化列198は、目に見える一対の空隙198b及び198cを有する(第3の空隙198aは、ステント198の背後に位置付けられていて見えず、単一のステント壁セグメント206が空隙198bと空隙198cとの間に見える)。第2の可撓性強化列200は、ステント壁セグメント208aとステント壁セグメント208bとの間に見える単一の空隙200aを有する。
【0109】
第3の可撓性強化列202は、目に見える一対の空隙202b及び202cを有する(第3の空隙202aは、ステント198の背後に位置付けられていて見えず、単一のステント壁セグメント210が空隙202bと空隙202cとの間に見える)。第4の可撓性強化列204は、ステント壁セグメント212aとステント壁セグメント212bとの間に見える単一の空隙240aを有する。第5の可撓性強化列206は、目に見える一対の空隙206b及び202cを有する(第3の空隙206aは、ステント198の背後に位置付けられていて見えず、単一のステント壁セグメント214が空隙206bと空隙206cとの間に見える)。
【0110】
示されるように、ステント壁セグメント212a、212b、212c、206、210及び214を含むステント壁セグメントの各々は、ステント壁セグメント212a、212b、212c、206、210及び214の各々の間に分散された空隙の弧長よりも短い弧長を有する。場合によっては、ステント壁セグメント212a、212b、212c、206、210及び214を含むステント壁セグメントの各々は、ステント壁セグメント212a、212b、212c、206、210及び214の各々の間に分散された空隙の弧長にほぼ等しい弧長を有してもよい。場合によっては、ステント壁セグメント212a、212b、212c、206、210及び214を含むステント壁セグメントの各々は、ステント壁セグメント212a、212b、212c、206、210及び214の各々の間に分散された空隙の弧長よりも長い弧長を有する。
【0111】
図15は、例示的なステント220の一部の側面図である。ステント220は、第1のセグメント222、第2のセグメント224、及び第3のセグメント226を含む。第1のセグメント222、第2のセグメント224、及び第3のセグメント226の各々は、第1のセグメント222、第2のセグメント224、及び第3のセグメント226の各々を切り離す前に、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを一緒に編組することによって形成され得る。場合によっては、第1のセグメント222、第2のセグメント224、及び第3のセグメント226の各々は、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを一緒に編組して第1のセグメント222を形成し、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを一緒に編組して第2のセグメント224を形成し、また、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを一緒に編組して第3のセグメント226を形成することによって、別々に形成されてもよい。いずれにしても、ポリマー被覆228がステント220を包む。
【0112】
図15Aは、ステント220の一部の拡大図であり、第1のセグメント222と第2のセグメント224との間の関係を示す。第1のセグメント222は、セル230a、セル230b、及びセル230cを(見えるように)含む末端列230を含む。第2のセグメント224は、セル232a及びセル232bを(図示のように)有する末端列232を含む。末端列230及び末端列232、並びにそれらの末端列を形成するセルは、ステント220の周りを円周方向に続くことが理解されるであろう。末端列232内のセル232a、232bは、末端列230内のセル230a、230b、230cから円周方向にオフセットされることが理解されるであろう。これにより、セル232a、232bがセル230a、230b、230cの間に入れ子になることが可能になる。したがって、第1のセグメント222の末端列230の山は、第2のセグメント224の末端列232の山よりも第3のセグメント226の近くに配置され得る。例えば、末端列230の山は、末端列232の谷と長手方向に整列されてもよく、したがって、末端列230の谷は、末端列232の山と長手方向に整列されてもよい。したがって、末端列230の各山は、末端列232の各山の間に円周方向に位置付けられてもよく、末端列230の各谷は、末端列232の各谷の間に円周方向に位置付けられてもよい。同様の構成及び配置が、第2のセグメント224と第3のセグメント226との間に設けられてもよい。
【0113】
図16は、例示的なステント234の一部の側面図である。ステント234は、第1のセグメント236、第2のセグメント238、及び第3のセグメント240を含み、これらは、ポリマー被覆242(点線パターンによって示される)によって互いに結合される。セグメント222、224及び226が編組パターンを共有した図15とは異なり、図16のセグメント236、238及び240は、編組パターンを共有しなくてもよい。示されるように、第1のセグメント236及び第3のセグメント240は、同一ではないにしても同様の編組パターンを有する一方、第2のセグメント238は、より少ないフィラメントが一緒に編組され、隣接するフィラメント間により大きいセルを有する第2のセグメント238を形成する、異なる編組パターンを有する。この特定の場合において、第1のセグメント236及び第3のセグメント240は、第1のセグメント236及び第3のセグメント240の各々を切り離す前に、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメント及び第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントを一緒に編組することによって形成され得る。第2のセグメント238は、別々に編組される。場合によっては、第1のセグメント236、第2のセグメント238、及び第3のセグメント240の各々は、一緒に組み立てられる前に別々に編組されてもよい。
【0114】
場合によっては、第1のセグメント236に隣接する第2のセグメント238の末端列は、第1のセグメント236の末端列内のセル間に入れ子にされたセルを含んでもよい。例えば、第1のセグメント236に隣接する第2のセグメント238の末端列の山は、第1のセグメント236の末端列の谷と長手方向に整列されてもよい。図示されるように、第2のセグメント238の末端列は、第1のセグメント236の末端列の全ての谷が第2のセグメント238の末端列の山を受容するわけではないように、第1のセグメント236の末端列よりも少ない山を含んでもよい。したがって、第2のセグメント238の末端列の各山は、第1のセグメント236の末端列の隣接する山の間に、円周方向に位置付けられ得る。他の構成も企図される。
【0115】
場合によっては、第3のセグメント240に隣接する第2のセグメント238の末端列は、第3のセグメント240の末端列内のセル間に入れ子にされたセルを含んでもよい。例えば、第3のセグメント240に隣接する第2のセグメント238の末端列の山は、第3のセグメント240の末端列の谷と長手方向に整列されてもよい。図示されるように、第2のセグメント238の末端列は、第3のセグメント240の末端列の全ての谷が第2のセグメント238の末端列の山を受容するわけではないように、第3のセグメント240の末端列よりも少ない山を含んでもよい。したがって、第2のセグメント238の末端列の各山は、第3のセグメント240の末端列の隣接する山の間に、円周方向に位置付けられ得る。他の構成も企図される。
【0116】
図17は、例示的なステント244の一部の側面図である。ステント244は、第1のセグメント246、第2のセグメント248、及び第3のセグメント250を含み、これらは、ポリマー被覆252(点線パターンによって示される)によって互いに結合される。この特定の例では、第1のセグメント246、第2のセグメント248、及び第3のセグメント250の各々は、同様の編組パターンを共有するが、異なるフィラメントを有する。第1のセグメント246を形成するために使用されるフィラメントは、第2のセグメント248を形成するために使用されるフィラメントよりも軽量である。同様に、第2のセグメント248を形成するために使用されるフィラメントは、第3のセグメント250を形成するために使用されるフィラメントよりも軽量である。結果として、各セグメントが異なる特性を有することが理解されよう。場合によっては、編組パターンは、ワイヤ数、ワイヤ直径、編組角度などのうちの1つ以上を変更することによって、変化し得る。
【0117】
場合によっては、第1のセグメント246に隣接する第2のセグメント248の末端列は、第1のセグメント246の末端列内のセル間に入れ子にされたセルを含んでもよい。例えば、第1のセグメント246に隣接する第2のセグメント248の末端列の山は、第1のセグメント246の末端列の谷と長手方向に整列されてもよい。したがって、第2のセグメント248の末端列の各山は、第1のセグメント246の末端列の隣接する山の間に、円周方向に位置付けられ得る。他の構成も企図される。
【0118】
場合によっては、第3のセグメント250に隣接する第2のセグメント248の末端列は、第3のセグメント250の末端列内のセル間に入れ子にされたセルを含んでもよい。例えば、第3のセグメント250に隣接する第2のセグメント248の末端列の山は、第3のセグメント250の末端列の谷と長手方向に整列されてもよい。したがって、第2のセグメント248の末端列の各山は、第3のセグメント250の末端列の隣接する山の間に、円周方向に位置付けられ得る。他の構成も企図される。
【0119】
図18は、例示的なステント254の一部の側面図である。ステント254は、第1のセグメント256、第2のセグメント258、及び第3のセグメント260を含み、これらは、ポリマー被覆262(点線パターンによって示される)によって互いに結合される。この特定の例では、第1のセグメント256及び第3のセグメント260は、同様の編組パターンを共有するが、第2のセグメント258は、より多数のフィラメントが一緒に編組される異なる編組パターンを有する。第2のセグメント258は、第1のセグメント256及び第3のセグメント260の特性とは異なる特性を有することが理解されよう。
【0120】
場合によっては、第1のセグメント256に隣接する第2のセグメント258の末端列は、第1のセグメント256の末端列内のセル間に入れ子にされたセルを含んでもよい。例えば、第1のセグメント256に隣接する第2のセグメント258の末端列の山は、第1のセグメント256の末端列の谷と長手方向に整列されてもよい。したがって、第2のセグメント258の末端列の各山は、第1のセグメント256の末端列の隣接する山の間に、円周方向に位置付けられ得る。他の構成も企図される。
【0121】
場合によっては、第3のセグメント260に隣接する第2のセグメント258の末端列は、第3のセグメント260の末端列内のセル間に入れ子にされたセルを含んでもよい。例えば、第3のセグメント260に隣接する第2のセグメント258の末端列の山は、第3のセグメント260の末端列の谷と長手方向に整列されてもよい。したがって、第2のセグメント258の末端列の各山は、第3のセグメント260の末端列の隣接する山の間に、円周方向に位置付けられ得る。他の構成も企図される。
【0122】
図19は、例示的なステント262の一部の側面図である。ステント262は、第1のセグメント264、第2のセグメント266、及び第3のセグメント268を含み、これらは、ポリマー被覆270(点線パターンによって示される)によって互いに結合される。この特定の例では、3つのセグメント264、266、及び268は、同様の編組パターンを共有するが、3つのセグメント264、266、及び268の間の関係は、図15図18に示されるものとはわずかに異なる。図19では、隣接するセグメント間にかなり急な遷移を有するのではなく、編組パターンは、セグメント264、266、268の各々に対してより非外傷性の端部を提供するように幾分修正されている。
【0123】
図19Aは、ステント262の一部の拡大図であり、第1のセグメント264と第2のセグメント266との間の関係を示す。第1のセグメント264は、セル272a、セル272b、及びセル272cを(図示のように)含む末端列272を含む。第2のセグメント264は、セル274a及びセル274bを(図示のように)含む末端列274を含む。末端列272及び末端列274、並びにそれらの末端列を形成するセルは、ステント262の周りを円周方向に続くことが理解されるであろう。末端列274内のセル274a及び274bは、末端列272内のセル272a、272b、272cから円周方向にオフセットされることが理解されるであろう。これにより、セル274a、274bがセル272a、272b、272cの間に入れ子になることが可能になる。例えば、末端列272の山は、末端列274の谷と長手方向に整列されてもよく、したがって、末端列272の谷は、末端列274の山と長手方向に整列されてもよい。したがって、末端列272の各山は、末端列274の各山の間に円周方向に位置付けられてもよく、末端列272の各谷は、末端列274の各谷の間に円周方向に位置付けられてもよい。更に、末端列272内のセル272a、272b、272c、並びに末端列272内のセル274a及び274bの各々は、より緩やかに湾曲した非外傷性の縁部を有するように修正されている。
【0124】
図20は、例示的なステント276の一部の側面図であり、図20Aは、その一部の拡大図である。ステント276は、第1のセグメント278、第2のセグメント280、及び第3のセグメント282を含み、これらは、ポリマー被覆284(点線パターンによって示される)によって少なくとも部分的に互いに結合される。いくつかの点で、ステント276は、図15に示されるステント220と同様である。しかしながら、ステント276は、ステント276の円周の周りを円周方向に延びる固定要素286及び288を含み、これらの固定要素はそれぞれ、第1のセグメント278を第2のセグメント280に隣接させて、及び第2のセグメント280を第3のセグメント282に隣接させて、縫うように往復する。場合によっては、固定要素286及び288は、例えば、フィラメント(例えば、ワイヤ、糸、又は縫合糸)であってもよい。例えば、図20Aに見られるように、固定要素288(及び固定要素286)は、ステント276の円周の周りを円周方向に延びる一方で、固定要素288(及び固定要素286)は、セルを通して縫うように往復して、隣接するセグメントを隣接させる。
【0125】
本開示は、多くの点で例示にすぎないことを理解されたい。本開示の範囲を超えることなく、詳細に、特に形状、サイズ、及び工程の構成に関して変更を行うことができる。これは、適切な範囲で、1つの例示的な実施形態の特徴のいずれかを他の実施形態で使用することを含むことができる。本発明の範囲は、当然のことながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1-1A】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図12A
図13
図13A
図14
図14A
図14B
図15
図15A
図16
図17
図18
図19
図19A
図20
図20A
【手続補正書】
【提出日】2024-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントであって、
半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを備え、前記第1の螺旋方向に延びる前記第1の複数のフィラメントと前記第2の螺旋方向に延びる前記第2の複数のフィラメントとが重なり合って、前記細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを形成する、細長い管状部材を備え、
1つ以上の列内の前記セルのうちの少なくともいくつかは、前記ステントに増大した可撓性を提供するように適合される、ステント。
【請求項2】
前記複数の列のうちの1つ以上の列内の前記第1の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつか及び前記第2の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつかは、前記セルのうちの少なくともいくつかを分断するように切り取られ、それによって、前記ステントの可撓性を増大させる、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
前記複数のセルのうちの少なくともいくつかは、前記第1の螺旋方向に延びる前記第1の複数のフィラメントのうちの一対のフィラメントと、前記第2の螺旋方向に延びる前記第2の複数のフィラメントのうちの一対のフィラメントとによって形成される4つの辺を有する略菱形を有する、請求項1又は2に記載のステント。
【請求項4】
前記ステントは、前記細長い管状部材に沿って延びるポリマー被覆を更に含む、請求項1又は2に記載のステント。
【請求項5】
セルの1つ以上の列は、分断されたセルのみを含み、それによって、前記細長い管状部材を2つ以上の別個のセグメントに分ける、請求項1又は2に記載のステント。
【請求項6】
前記2つ以上の別個のセグメントのうちの第1のセグメントは、第1の末端列内に複数のセルを有する第1の端部を有し、
前記2つ以上の別個のセグメントのうちの第2のセグメントは、第2の末端列内に複数のセルを有する第2の端部を有し、
前記第2のセグメントは、前記第1の末端列内の前記複数のセルが前記第2の末端列内の前記複数のセルの間に入れ子になるように、前記第1のセグメントに対して回転される、請求項5に記載のステント。
【請求項7】
前記2つ以上の別個のセグメントのうちの第1のセグメントは、第1の編組パターンを有し、前記2つ以上の別個のセグメントのうちの第2のセグメントは、前記第1の編組パターンとは異なる第2の編組パターンを有する、請求項5に記載のステント。
【請求項8】
前記2つ以上の別個のセグメントは、隣接するセグメント間に織り込まれた固定要素によって互いに接合されている、請求項5に記載のステント。
【請求項9】
編組ステントであって、
半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、
左から右への螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、右から左への螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを備える第1のセグメントであって、前記第1の複数のフィラメント及び前記第2の複数のフィラメントが一緒になって、前記第1のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第1の複数のセルを形成する、第1のセグメントと、
前記左から右への螺旋方向に延びる第3の複数のフィラメントと、前記右から左への螺旋方向に延びる第4の複数のフィラメントとを備える第2のセグメントであって、前記第3の複数のフィラメント及び前記第4の複数のフィラメントが一緒になって、前記第2のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第2の複数のセルを形成する、第2のセグメントと、を含む細長い管状部材を備え、
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、前記編組ステントに増大した可撓性を提供するように互いに結合される、編組ステント。
【請求項10】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、前記第1の複数のフィラメントのうちの1つ以上の延長である前記第3の複数のフィラメントのうちの1つ以上を有することによって、及び/又は、前記第2の複数のフィラメントのうちの1つ以上の延長である前記第4の複数のフィラメントのうちの1つ以上を有することによって、互いに結合される、請求項9に記載の編組ステント。
【請求項11】
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの少なくとも一部及び前記第2のセグメントの少なくとも一部にわたって延びる連続ポリマー層によって互いに結合される、請求項9又は10に記載の編組ステント。
【請求項12】
前記第1のセグメントは、第1の末端列内に複数のセルを有する第1の端部を有し、
前記第2のセグメントは、第2の末端列内に複数のセルを有する第2の端部を有し、
前記第1のセグメント及び前記第2のセグメントは、前記第1の末端列内の前記複数のセルと前記第2の末端列内の前記複数のセルとの間に織り込まれた固定要素によって互いに結合される、請求項9又は10に記載の編組ステント。
【請求項13】
左から右への螺旋方向に延びる第5の複数のフィラメントと、右から左への螺旋方向に延びる第6の複数のフィラメントとを備える第3のセグメントであって、前記第1の複数のフィラメント及び前記第2の複数のフィラメントが一緒になって、前記第1のセグメントの周りを円周方向に延びる列に配置された第1の複数のセルを形成する、第3のセグメントを更に備え、
前記第2のセグメント及び前記第3のセグメントは、前記編組ステントに増大した可撓性を提供するように互いに結合される、請求項9又は10に記載の編組ステント。
【請求項14】
編組ステントであって、
半径方向に折り畳まれた構成から半径方向に拡張された構成に拡張可能な細長い管状部材であって、前記細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを備える、細長い管状部材を備え、
前記複数のセルのうちの少なくともいくつかは、前記ステントの可撓性を増大させるように適合される、編組ステント。
【請求項15】
前記細長い管状部材は、第1の螺旋方向に延びる第1の複数のフィラメントと、第2の螺旋方向に延びる第2の複数のフィラメントとを備え、前記第1の螺旋方向に延びる前記第1の複数のフィラメントと前記第2の螺旋方向に延びる前記第2の複数のフィラメントとが重なり合って、前記細長い管状部材の周りを円周方向に延びる列に配置された複数のセルを形成し、
前記複数の列のうちの1つ以上の列内の前記第1の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつか及び前記第2の複数のフィラメントのうちの少なくともいくつかは、前記セルのうちの少なくともいくつかを分断するように切り取られ、それによって、前記ステントの可撓性を増大させる、請求項14に記載の編組ステント。
【国際調査報告】