(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】パッケージ化された水素化触媒
(51)【国際特許分類】
B01J 23/755 20060101AFI20250117BHJP
B01J 33/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
B01J23/755 Z
B01J33/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024543006
(86)(22)【出願日】2023-01-18
(85)【翻訳文提出日】2024-09-18
(86)【国際出願番号】 EP2023051104
(87)【国際公開番号】W WO2023139109
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523440488
【氏名又は名称】イーカタリスト・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】イリナ・ヤルリナ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルトラウダ・アガサ・マリーナ・カムスマ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ・アレイダ・マリア・フルーン
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・ヨハン・アンドレアス・マリア・テロルデ
(72)【発明者】
【氏名】ベルナルト・ヘンドリック・リーシンク
【テーマコード(参考)】
4G169
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA03B
4G169BB02A
4G169BB02B
4G169BC68A
4G169BC68B
4G169CB02
4G169DA05
4G169EA01Y
4G169EE01
4G169EE02
4G169FA01
4G169FB08
4G169FB80
(57)【要約】
本発明は、包装容器及び水素化触媒を含む特定のパッケージ化された水素化触媒であって、包装容器が特定のポリマーを含み、パッケージ化された水素化触媒が、ポリマーの、包装容器に封入された水素化触媒に対する特定の質量比を有する、パッケージ化された水素化触媒に関する。パッケージ化された水素化触媒は、触媒の、ポリマーに対する質量比が高いという利点を有し、水素化触媒を包装容器から出す必要がなく、水素化反応においてそのまま使用するのに適している。更に、本発明は、前記特定のパッケージ化された水素化触媒を調製するための方法、及び前記方法により得られる又は入手可能なパッケージ化された水素化触媒に関する。これに加えて、本発明は、本発明によるパッケージ化された水素化触媒の使用及び不飽和炭化水素供給原料の水素化のための方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装容器及び水素化触媒を含むパッケージ化された水素化触媒であって、
前記水素化触媒が前記包装容器内に封入され、
前記水素化触媒がNiを含み、
前記包装容器がガスタイト方式で密閉封止され、
前記包装容器材料がポリマーを含み、
前記ポリマーが60~100質量%のスチレン繰返し単位を含み、
前記水素化触媒の総質量として計算された前記水素化触媒の、前記ポリマーの総質量として計算された前記ポリマーに対する質量比が50,000:1~1:1の範囲である、パッケージ化された水素化触媒。
【請求項2】
前記包装容器材料に含まれる前記ポリマーが少なくとも1g/lの溶解度を有し、前記包装容器材料に含まれる前記ポリマーの前記溶解度が温度25℃を有するトルエン中で決定される、請求項1に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項3】
前記包装容器材料に含まれる前記ポリマーが、1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、請求項1又は2に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項4】
前記包装容器材料に含まれる前記ポリマーが、スチレン-ブタジエンコポリマーを含み、前記スチレン-ブタジエンコポリマーが5~40質量%のブタジエン繰返し単位を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項5】
前記包装容器材料が、0~1質量%の、ポリエチレン及びポリプロピレンのうちの1種又は複数を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項6】
前記包装容器が、バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、又はマントルの形態を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項7】
前記包装容器が、フィルムF
1及び任意選択でフィルムF
2を含み、F
1が請求項1から4のいずれか一項に定義されているポリマーを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項8】
前記フィルムF
1が20~150g/m
2の範囲の表面質量を有する、請求項7に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項9】
前記フィルムF
1が10~150マイクロメートルの範囲の厚さを有する、請求項7又は8に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項10】
前記水素化触媒が、粉末、顆粒、フレーク、及びペレットのうちの1種又は複数の形態である、請求項1から9のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項11】
前記パッケージ化された水素化触媒の輸送及び取扱いのために前記パッケージ化された水素化触媒が輸送容器内に含有され、
前記パッケージ化された水素化触媒が前記輸送容器内に封入される、請求項1から10のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【請求項12】
パッケージ化された水素化触媒を調製するための方法であって、
(i)包装容器を準備する工程であり、前記包装容器材料が、60~100質量%のスチレン繰返し単位を含むポリマーを含む工程、
(ii)水素化触媒を準備する工程であり、前記水素化触媒がNiを含む工程、
(iii)(ii)に記載の前記水素化触媒を、(i)に記載の前記包装容器に充填する工程、
(iv)(iii)で得られた充填した前記包装容器を、ガスタイト方式で密閉封止することによって、パッケージ化された水素化触媒を得る工程
を含み、
前記水素化触媒の総質量として計算された、(ii)で提供された前記水素化触媒の、前記ポリマーの総質量として計算された、(i)で提供された前記包装容器材料に含まれる前記ポリマーに対する質量比が、50,000:1~1:1の範囲である、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法により入手可能な又は得られる、パッケージ化された水素化触媒。
【請求項14】
1種又は複数の不飽和化合物の変換のための方法であって、
(A)1種又は複数の不飽和化合物並びに請求項1から11及び13のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒を、反応ゾーン内に準備する工程、並びに
(B)100~400℃の範囲に含まれる温度で、(A)で準備された前記1種又は複数の不飽和化合物のうちの1種又は複数並びに(A)で準備された前記請求項1から11及び13のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒を、水素と接触させる工程
を含む、方法。
【請求項15】
1種又は複数の不飽和化合物の脱芳香族化、脱硫、及び水素化のうちの1種又は複数における、請求項1から11及び13のいずれか一項に記載のパッケージ化された水素化触媒の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装容器及び水素化触媒を含む特定のパッケージ化された水素化触媒であって、包装容器が特定のポリマーを含み、パッケージ化された水素化触媒が、ポリマーの、包装容器に封入された水素化触媒に対する特定の質量比を有する、パッケージ化された水素化触媒に関する。更に、本発明は、前記特定のパッケージ化された水素化触媒を調製するための方法、及び前記方法により得られる又は入手可能なパッケージ化された水素化触媒に関する。これに加えて、本発明は、本発明によるパッケージ化された水素化触媒の使用及び不飽和炭化水素供給原料の水素化のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、包装容器及び不織布に接着剤として使用されている水素化石油樹脂に対する市場は成長している。これらの樹脂の水素化により、熱安定性は改善し、望まれる無色透明の生成物が生じる。例えば、特許文献1は、Ni/Si/Alの混合酸化物を含む水素化触媒に関する。現在、水素化触媒は多くの場合、沈殿、還元及び安定化により生成されている。水素化触媒は、粉末、顆粒、フレーク、又はペレットの形態であってもよい。
【0003】
通常、水素化触媒を調製するための製造方法の最後のステップは、水素化触媒を包装容器、例えば、プラスチックバッグにパッケージングするステップ、又は水素化触媒をコーティングで保護するステップを含む。例えば、水素化触媒の粉末は、触媒を保護するためのポリエチレンバッグに詰めることができる。他の保護手段は、例えば、特許文献2に開示されているように、水素化触媒を溶融ポリマーと混合するステップを含む。
【0004】
特許文献3は、エタンに敏感な製品の貯蔵のための包装容器材料に関し、保護的ポリスチレンカバーを含む触媒ホイルを開示している。
【0005】
例えば、プラスチックバッグへのパッケージングにより、水素化触媒を保護することによって、現場でのNiダストに関連する問題を回避し、現在の排出規制に従うことが可能となる。バッグの適用は回避できないことが多いが、このような包装容器の中で水素化触媒を扱わなくてはならない作業者には悪いように捉えられていることもある。欠点として、追加のプロセスステップの必要性、特に各バッグを開き、その内容物を反応器、例えば、混合タンクへ放出するステップの必要性が挙げられる。しかし、放出後にバッグ内に残留する粉末はバッグから取り除くのが難しい。これによって、完全な放出は困難となり、資源の損失が生まれる。更に、水素化触媒は、特に粉末として存在する場合、バッグからの放出中に大気に曝露され得る。さらなる欠点は、Niダストの格納問題を考慮しながら、プラスチックバッグが廃棄されなければならないことである。
【0006】
他方では、特許文献2において開示された保護コーティングの使用は、例えば、バッグ内へのパッケージングが一般的に、パッケージ化された触媒の、ポリマーに対する比をより高くすることができるのに対して、単一粒子がコーティングされていることで、ポリマーが比較的多く必要とされるという欠点を有する。保護コーティングを使用することのさらなる欠点は、ポリマーを溶融するステップ、不活性ガス雰囲気中で溶融ポリマーを水素化触媒と混合して、スラリーを形成するステップ、及びスラリーを冷却して、コーティングされた触媒のフレークを得るステップを含む、コスト集約的プロセスステップが必要とされることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2015/008247号
【特許文献2】国際公開第2017/208164号
【特許文献3】国際公開第2008/110020号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、特に上述の欠点を回避するために、その時間効率及びコスト効率の高いプロセシングを可能にする、特定のパッケージ化された水素化触媒を提供することであった。よって、本発明の目的は、特に封入された水素化触媒の潜在的に自然発火性及び発癌性のある性質を考慮して、特にそのより良い取扱いを可能にするパッケージ化された水素化触媒を提供することであった。更に、触媒量と比べて比較的低量の包装容器材料の使用を可能にするパッケージ化された水素化触媒を提供することもまた本発明の目的であった。これに加えて、時間効率及びコスト効率の高い方式で調製することができるパッケージ化された水素化触媒を提供することが目的であった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
よって、驚くことに、水素化触媒に対するポリマーの特定の質量比を有する、包装容器内に封入された特定のポリマー及び水素化触媒を含む包装容器を含むパッケージ化された水素化触媒は、内容物の放出のために包装容器を開封する必要なしに、反応混合物内に全部の(未開封の)パッケージ化された水素化触媒を入れることを可能にすることが見出された。更に、驚くことに、パッケージ化された水素化触媒は、比較的時間効率及びコスト効率の高い方法により調製することができることが見出された。本発明によるパッケージ化された水素化触媒は、水素化処理された軽質留分(石油)及び水素化処理された重質ナフサ(石油)の水素化反応においてもまた試験された。本発明の文脈で、水素化処理された軽質留分(石油)とは、主にC9~C16の範囲の炭素数を有する脂肪族及び脂環式炭化水素を含むものと、また水素化処理された重質ナフサ(石油)とは、主にC6~C13の間の範囲の炭素数を有する炭化水素を含むものと理解されたい。
【0010】
したがって、本発明は、包装容器及び水素化触媒を含むパッケージ化された水素化触媒であって、
水素化触媒が包装容器内に封入され、
水素化触媒がNiを含み、
包装容器がガスタイト方式で密閉封止され、
包装容器材料がポリマーを含み、
ポリマーが60~100質量%のスチレン繰返し単位を含み、
水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算されたポリマーに対する質量比が50,000:1~1:1の範囲である、パッケージ化された水素化触媒に関する。
【0011】
包装容器は、包装容器の熱的結合手段により密閉封止され、包装容器が好ましくは包装容器の溶接により密閉封止されることが好ましい。
【0012】
1種又は複数の不活性ガス、好ましくはN2及びArのうちの1種又は複数を含む不活性ガスが更に包装容器内に封入されることが好ましい。
【0013】
包装容器内に封入される内容物は、包装容器内に封入された内容物の総質量に対して、0~0.1質量%の、O2及びH2Oのうちの1種又は複数、好ましくは0~0.01質量%の、O2及びH2Oのうちの1種又は複数を含むことが好ましい。
【0014】
包装容器は真空密閉されるのが好ましい。
【0015】
包装容器材料に含まれるポリマーは、トルエン中で少なくとも1g/l、好ましくは1~100g/lの範囲、より好ましくは1.25~75g/lの範囲、より好ましくは1.5~50g/lの範囲、より好ましくは1.75~35g/lの範囲、より好ましくは2~20g/lの範囲の溶解度を有し、包装容器材料に含まれるポリマーの溶解度は、温度25℃を有するトルエン中で決定され、ポリマーの溶解度は、好ましくは圧力101.3kPa(1.013バール)下、トルエン中で決定され、溶解度は好ましくは参考例8に従い決定されることが好ましい。
【0016】
包装容器材料に含まれるポリマーは、60~95質量%、好ましくは63~80質量%、より好ましくは65~75質量%のスチレン繰返し単位を含むことが好ましい。
【0017】
包装容器材料に含まれるポリマーは、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、又はグラフトコポリマーであることが好ましい。
【0018】
包装容器材料に含まれるポリマーは、1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマー、好ましくは1種又は複数のスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなることが好ましい。
【0019】
1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなる場合、ポリスチレンは二軸配向ポリスチレンであることが好ましい。
【0020】
1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなる場合には更に、包装容器材料に含まれるポリマーはスチレン-ブタジエンコポリマーを含み、スチレン-ブタジエンコポリマーは、交互スチレン-ブタジエンコポリマー、ランダムスチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、又はスチレン-ブタジエングラフトコポリマー、より好ましくはスチレン-ブタジエンブロックコポリマーを含む、好ましくはからなることが好ましい。
【0021】
1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなる場合には更に、包装容器材料に含まれるポリマーはスチレン-ブタジエンコポリマーを含み、スチレン-ブタジエンコポリマーは、5~40質量%、より好ましくは20~37質量%、より好ましくは25~35質量%のブタジエン繰返し単位を含むことが好ましい。
【0022】
包装容器材料は、1種又は複数のポリブタジエン、ポリエステル、及びポリエーテルを更に含み、ポリエステルは、好ましくは芳香族コポリエステル、より好ましくは非晶質のポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。
【0023】
包装容器材料は、0~1質量%、より好ましくは0~0.1質量%の、ポリエチレン及びポリプロピレンのうちの1種又は複数、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンを含むことが好ましい。
【0024】
包装容器材料に含まれるポリマーは、40000~500000ダルトンの範囲、より好ましくは50000~400000ダルトンの範囲、より好ましくは55000~350000ダルトンの範囲の平均分子量を有し、平均分子量は好ましくはゲル浸透クロマトグラフィーに従い決定されることが好ましい。
【0025】
包装容器は、バッグの形態、好ましくはジップロック(登録商標)バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、又はマントルの形態を有することが好ましい。
【0026】
包装容器は、15~35dm3の範囲、より好ましくは20~30dm3の範囲、より好ましくは23~27dm3の範囲の体積を封入することが好ましい。
【0027】
パッケージ化された水素化触媒は、ポリマーの総質量として計算された1~50gの範囲、より好ましくは2~35gの範囲、より好ましくは5~15gの範囲の量でポリマーを含むことが好ましい。
【0028】
包装容器材料は、包装容器材料の総質量に対して、50~100質量%、より好ましくは70~100質量%、より好ましくは80~100質量%、より好ましくは90~100質量%、より好ましくは95~100質量%、より好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは99.9~100質量%の範囲の量でポリマーを含むことが好ましい。
【0029】
水素化触媒の総質量として計算された5~6000gの範囲、より好ましくは100~5500gの範囲、より好ましくは4700~5300gの範囲の量の水素化触媒が好ましい。
【0030】
パッケージ化された水素化触媒は、50,000:1~1:1の範囲、より好ましくは10,000:1~1:1の範囲、より好ましくは5,000:1~1:1の範囲、より好ましくは2,000:1~1:1の範囲、より好ましくは1,000:1~1:1の範囲、より好ましくは250:1~1:1の範囲、好ましくは150:1~1:1の範囲、より好ましくは100:1~1:1の範囲、より好ましくは10:1~1:1の範囲の、水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算されたポリマーに対する質量比を有することが好ましい。
【0031】
パッケージ化された水素化触媒は、50,000:1~1:1の範囲、より好ましくは10,000:1~10:1の範囲、より好ましくは5,000:1~20:1の範囲、より好ましくは2,000:1~50:1の範囲、より好ましくは1,000:1~100:1の範囲、より好ましくは500:1~150:1の範囲、より好ましくは400:1~180:1の範囲、より好ましくは300:1~200:1の範囲、より好ましくは275:1~225:1の範囲の、水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算されたポリマーに対する質量比を有することが好ましい。
【0032】
包装容器は、フィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、F1は、本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されているポリマーを含み、好ましくはからなり、
F2は本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されているポリマーを好ましくは含み、より好ましくはからなり、
包装容器が、フィルムF1及びフィルムF2をより好ましくは含み、F1が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されているポリマーを含み、好ましくはからなり、F2は本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されているポリマーを含み、好ましくはからなり、F2はより好ましくはF1と同じ化学的及び物理的特性を有することが好ましい。
【0033】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、20~150g/m2の範囲、好ましくは45~120g/m2の範囲、より好ましくは47~116g/m2の範囲の表面質量を有することが好ましい。
【0034】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、10~150マイクロメートルの範囲、より好ましくは40~110マイクロメートルの範囲、より好ましくは45~105マイクロメートルの範囲の厚さを有することが好ましい。
【0035】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、9.50~1.30g/cm3の範囲、より好ましくは9.60~1.20g/cm3の範囲、より好ましくは9.75~1.10g/cm3の範囲の密度を有することが好ましい。
【0036】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、35~44N/mm2の範囲、より好ましくは37~42N/mm2の範囲、より好ましくは39~40N/mm2の範囲の縦方向の引張り強度を有し、縦方向の引張り強度が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定されることが好ましい。
【0037】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、31~48N/mm2の範囲、より好ましくは35~44N/mm2の範囲、より好ましくは39~40N/mm2の範囲の横方向の引張り強度を有し、横方向の引張り強度が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定されることが好ましい。
【0038】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.1~50%の範囲、より好ましくは1~10%の範囲、より好ましくは3~4%の範囲の引裂き点での縦方向の伸長率を有し、引裂き点での縦方向の伸長率が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定されることが好ましい。
【0039】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.1~50%の範囲、より好ましくは1~10%の範囲、より好ましくは3~4%の範囲の引裂き点での横方向の伸長率を有し、引裂き点での横方向の伸長率が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定されることが好ましい。
【0040】
包装容器が、フィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、15~40Nの範囲、より好ましくは22~33Nの範囲、より好ましくは24~31Nの範囲の縦方向の縁端強さを有することが好ましい。
【0041】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、15~40Nの範囲、より好ましくは22~33Nの範囲、より好ましくは24~31Nの範囲の横方向の縁端強さを有することが好ましい。
【0042】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、5~25cm3/10分の範囲、より好ましくは10~20cm3/10分の範囲、より好ましくは13~19cm3/10分の範囲のメルトボリュームフローレイトを有し、メルトボリュームフローレイトは好ましくは温度200℃で決定され、メルトボリュームフローレイトがより好ましくはISO 1133に従い決定されることが好ましい。
【0043】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、スケールA(柔軟型を対象とする)で、70~100の範囲、より好ましくは75~90の範囲、より好ましくは79~85の範囲のショア硬度を有することが好ましい。
【0044】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、スケールD(剛性型を対象とする)で、15~40の範囲、より好ましくは25~33の範囲、より好ましくは27~31の範囲のショア硬度を有することが好ましい。
【0045】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、25~50℃の範囲、より好ましくは32~41℃の範囲、より好ましくは34~39℃の範囲のVicat Aを有し、Vicat Aが好ましくはISO 306に従い決定されることが好ましい。
【0046】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、25~45℃の範囲、より好ましくは32~38℃の範囲、より好ましくは34~36℃の範囲のVicat Bを有し、Vicat Bが好ましくはISO 306に従い決定されることが好ましい。
【0047】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、10~1000MPaの範囲、より好ましくは25~950MPaの範囲、より好ましくは40~910MPaの範囲の引張係数を有し、引張係数が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定されることが好ましい。
【0048】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、250~1000%の範囲、より好ましくは400~800%の範囲、より好ましくは450~700%の範囲の破断点伸びを有し、破断点伸びが好ましくはISO 527-3:2018に従い決定されることが好ましい。
【0049】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、10~75MPaの範囲、より好ましくは25~40MPaの範囲、より好ましくは30~36MPaの範囲の引張破壊応力を有することが好ましい。
【0050】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、1.555~1.570の範囲、より好ましくは1.560~1.565の範囲の屈折率を有することが好ましい。
【0051】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.1~30MPaの範囲、より好ましくは1~20MPaの範囲、より好ましくは3~16MPaの範囲の降伏応力を有し、降伏応力が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定されることが好ましい。
【0052】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.1~10%の範囲、より好ましくは0.5~7%の範囲、より好ましくは1~6%の範囲の降伏ひずみを有し、降伏ひずみが好ましくはISO 527-3:2018に従い決定されることが好ましい。
【0053】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、40%より大きい、より好ましくは50%より大きい破壊点での公称歪みを有し、破壊点での公称歪みが好ましくはISO 527に従い決定されることが好ましい。
【0054】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、温度23℃でのシャルピー衝撃強さ試験において破壊せず、シャルピー衝撃強さ試験が好ましくはISO 179/1eUに従い行われることが好ましい。
【0055】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、温度-30℃でのシャルピー衝撃強さ試験において破壊せず、シャルピー衝撃強さ試験が好ましくはISO 179/1eUに従い行われることが好ましい。
【0056】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、温度23℃でのシャルピーノッチ衝撃強度試験において破壊せず、シャルピーノッチ衝撃強度試験が好ましくはISO 179/1eAに従い行われることが好ましい。
【0057】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、温度23℃で、65~100kJ/m2の範囲、より好ましくは75~90kJ/m2の範囲、より好ましくは79~86kJ/m2の範囲のシャルピーノッチ衝撃強度を有し、シャルピーノッチ衝撃強度が好ましくはISO 179/1eAに従い決定されることが好ましい。
【0058】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、温度-30℃で、65~95kJ/m2の範囲、より好ましくは75~85kJ/m2の範囲、より好ましくは78~82kJ/m2の範囲のシャルピーノッチ衝撃強度を有し、シャルピーノッチ衝撃強度が好ましくはISO 179/1eAに従い決定されることが好ましい。
【0059】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.5・1013Ohm・mより大きい、より好ましくは0.5~10・1013Ohm・mの範囲の体積抵抗率を有し、体積抵抗率が好ましくはIEC 62631-2-1に従い決定されることが好ましい。
【0060】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.5・1015Ohmより大きい、より好ましくは0.5~10・1015Ohmの範囲の表面抵抗性を有し、表面抵抗性が好ましくはIEC 62631-2-1に従い決定されることが好ましい。
【0061】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.01~0.15%の範囲、より好ましくは0.04~0.11%の範囲、より好ましくは0.06~0.08%の範囲の水吸収を有することが好ましい。
【0062】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.01~0.15%の範囲、より好ましくは0.04~0.11%の範囲、より好ましくは0.06~0.08%の範囲の湿気吸収を有することが好ましい。
【0063】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、600~700Nの範囲、より好ましくは620~680Nの範囲、より好ましくは640~660Nの範囲のエルメンドルフ引裂抵抗(平行)を有し、エルメンドルフ引裂抵抗(平行)が好ましくはISO 6383-2に従い決定されることが好ましい。
【0064】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、750~850Nの範囲、より好ましくは770~830Nの範囲、より好ましくは790~810Nの範囲のエルメンドルフ引裂抵抗(直角)を有し、エルメンドルフ引裂抵抗(直角)が好ましくはISO 6383-2に従い決定されることが好ましい。
【0065】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、60~90・10-6/Kの範囲、より好ましくは70~80・10-6/Kの範囲、より好ましくは73~77・10-6/Kの範囲の線熱膨脹係数(平行)を有し、線熱膨脹係数(平行)が好ましくはISO 11359-1/-2に従い決定されることが好ましい。
【0066】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、0.20~0.34g/(m2・d)の範囲、より好ましくは0.24~0.30g/(m2・d)の範囲、より好ましくは0.26~0.28g/(m2・d)の範囲の水蒸気透過速度を有し、水蒸気透過速度が好ましくは温度23℃及び相対湿度85%で決定され、水蒸気透過速度がより好ましくはISO 15106-1/-2に従い決定されることが好ましい。
【0067】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、25.0~30.0cm3/(m2・d・バール)の範囲、より好ましくは26.5~28.0cm3/(m2・d・バール)の範囲、より好ましくは27.0~27.4cm3/(m2・d・バール)の範囲の酸素透過速度を有し、酸素透過速度が好ましくは温度23℃及び相対湿度0%で決定され、酸素透過速度がより好ましくはISO 15106-1/-2に従い決定されることが好ましい。
【0068】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、45~57℃の範囲、より好ましくは48~54℃の範囲、より好ましくは50~52℃の範囲の負荷たわみ温度を有し、負荷たわみ温度が圧力1.80MPaで決定され、負荷たわみ温度が好ましくはISO 75-1/-2に従い決定されることが好ましい。
【0069】
包装容器がフィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、フィルムF1及び場合によるフィルムF2が本明細書に開示されている実施形態のいずれか1つに定義されている場合には更に、フィルムF1及び好ましくは、フィルムF2は、互いに独立して、55~69℃の範囲、好ましくは58~66℃の範囲、より好ましくは60~64℃の範囲の負荷たわみ温度を有し、負荷たわみ温度が圧力0.45MPaで決定され、負荷たわみ温度が好ましくはISO 75-1/-2に従い決定されることが好ましい。
【0070】
水素化触媒は、粉末、顆粒、フレーク、及びペレットのうちの1種又は複数の形態であることが好ましい。
【0071】
水素化触媒は、水素化触媒の総質量に対して、元素のNiとして計算され、5~95質量%、より好ましくは10~90質量%、より好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~70質量%、より好ましくは35~65質量%、より好ましくは40~60質量%、より好ましくは45~55質量%の範囲の量でNiを含むことが好ましい。
【0072】
水素化触媒は、0~1質量%、より好ましくは0~0.1質量%、より好ましくは0~0.01質量%の金属Mを含み、Mが、Pt、Pd、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはRh、Ir、Pd、Pt、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはRu、Os、Rh、Ir、Pd、Pt、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0073】
水素化触媒は、不応性金属酸化物及びこれらの混合物からなる群から、より好ましくはシリカ、アルミナ、マグネシア、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数の酸化物を含み、より好ましくは水素化触媒がシリカ及び/又はアルミナ、好ましくはシリカ又はシリカ及びアルミナ、より好ましくはシリカを含むことが好ましい。
【0074】
水素化触媒が、不応性金属酸化物及びこれらの混合物からなる群から選択される1種又は複数の酸化物を含む場合、水素化触媒に含まれる1種又は複数の酸化物の量は、水素化触媒の総質量に対して、酸化物として計算され、5~95質量%の範囲、より好ましくは8~90質量%の範囲、より好ましくは10~80質量%の範囲、より好ましくは13~70質量%の範囲、より好ましくは15~65質量%の範囲、より好ましくは18~60質量%の範囲、より好ましくは20~55質量%の範囲であることが好ましい。
【0075】
水素化触媒は、これらの2種以上の混合酸化物を含めた、銀、ランタン、アンチモン、ニッケル、ビスマス、カドミウム、鉛、スズ、バナジウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、コバルト、銅、タングステン、亜鉛、モリブデン、マンガン、及び鉄の酸化物からなる群から選択される1種又は複数の金属酸化物を含み、水素化触媒がより好ましくは亜鉛及び/又は鉄の金属酸化物、好ましくは酸化亜鉛を含むことが好ましい。
【0076】
水素化触媒の細孔容積は、0.1~1.5ml/g、より好ましくは0.2~1.2ml/g、より好ましくは0.3~1ml/g、より好ましくは0.4~0.8ml/g、より好ましくは0.5~0.7ml/g、より好ましくは0.55~0.6ml/gの範囲であり、細孔容積が好ましくはISO 15901-3:2007に従い決定されることが好ましい。
【0077】
水素化触媒の平均細孔直径は、10~500オングストロームの範囲、より好ましくは30~400オングストロームの範囲、より好ましくは50~300オングストロームの範囲、より好ましくは60~250オングストロームの範囲、より好ましくは70~200オングストロームの範囲、より好ましくは80~150オングストロームの範囲、より好ましくは90~120オングストロームの範囲、より好ましくは95~105オングストロームの範囲であり、平均細孔直径が好ましくはISO 15901-1:2016に従い決定されることが好ましい。
【0078】
水素化触媒のBET表面積は、100~600m2/gの範囲、より好ましくは120~500m2/gの範囲、より好ましくは140~450m2/gの範囲、より好ましくは160~400m2/gの範囲、より好ましくは180~350m2/gの範囲、より好ましくは200~300m2/gの範囲、より好ましくは220~280m2/gの範囲、より好ましくは240~260m2/gの範囲であり、BET表面積が好ましくはISO 9277:2010に従い決定されることが好ましい。
【0079】
水素化触媒の体積による平均粒径D50は、1~50マイクロメートルの範囲、より好ましくは3~25マイクロメートルの範囲、より好ましくは4~15マイクロメートルの範囲、より好ましくは5~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは6~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは6.5~7マイクロメートルの範囲であり、体積による平均粒径D50が好ましくはISO 13320:2009に従い決定されることが好ましい。
【0080】
水素化触媒は参考例1に従い調製されることが好ましい。
【0081】
パッケージ化された水素化触媒は、パッケージ化された水素化触媒の輸送及び取扱いのために輸送容器内に含有され、
パッケージ化された水素化触媒は輸送容器内に封入され、
輸送容器は好ましくはガスタイト方式で密閉封止されることが好ましい。
【0082】
輸送容器は、バッグの形態、好ましくはジップロック(登録商標)バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、マントル、ボックス、ケース、キャニスター又は容器の形態を有することが好ましい。
【0083】
更に、本発明は、パッケージ化された水素化触媒を調製するための、好ましくは本明細書で開示されている実施形態のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒を調製するための方法であって、
(i)包装容器を準備する工程であり、包装容器材料が60~100質量%のスチレン繰返し単位を含むポリマーを含む工程、
(ii)水素化触媒を準備する工程であり、水素化触媒がNiを含む工程、
(iii)(ii)に記載の水素化触媒を、(i)に記載の包装容器に充填する工程、
(iv)(iii)で得られた充填した包装容器を、ガスタイト方式で密閉封止することによって、パッケージ化された水素化触媒を得る工程
を含み、
(ii)で提供された、水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、(i)で提供された、ポリマーの総質量として計算された、包装容器材料に含まれるポリマーに対する質量比が50,000:1~1:1の範囲である、方法に関する。
【0084】
(ii)で提供された、水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、(i)で提供された、ポリマーの総質量として計算された、包装容器材料に含まれるポリマーに対する質量比は、50,000:1~1:1の範囲、より好ましくは10,000:1~1:1の範囲、より好ましくは5,000:1~1:1の範囲、より好ましくは2,000:1~1:1の範囲、より好ましくは1,000:1~1:1の範囲、より好ましくは250:1~1:1の範囲、好ましくは150:1~1:1の範囲、より好ましくは100:1~1:1の範囲、より好ましくは10.0:1.0~1.0:1.0の範囲であることが好ましい。
【0085】
(ii)で提供された、水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、(i)で提供された、ポリマーの総質量として計算された、包装容器材料に含まれるポリマーに対する質量比は、50,000:1~1:1の範囲、より好ましくは10,000:1~10:1の範囲、より好ましくは5,000:1~20:1の範囲、より好ましくは2,000:1~50:1の範囲、より好ましくは1,000:1~100:1の範囲、より好ましくは500:1~150:1の範囲、好ましくは400:1~180:1の範囲、より好ましくは300:1~200:1の範囲、より好ましくは275:1~225:1の範囲であることが好ましい。
【0086】
(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーは、トルエン中、少なくとも1g/l、より好ましくは1~100g/lの範囲、より好ましくは1.25~75g/lの範囲、より好ましくは1.5~50g/lの範囲、より好ましくは1.75~35g/lの範囲、より好ましくは2~20g/lの範囲の溶解度を有し、(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーの溶解度は温度25℃を有するトルエン中で決定され、ポリマーの溶解度は好ましくは圧力101.3kPa(1.013バール)下、トルエン中で決定され、溶解度は好ましくは参考例8に従い決定されることが好ましい。
【0087】
(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーは、60~95質量%、より好ましくは63~80質量%、より好ましくは65~75質量%のスチレン繰返し単位を含むことが好ましい。
【0088】
(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーは、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、又はグラフトコポリマーであることが好ましい。
【0089】
(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーは、1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマー、好ましくは1種又は複数のスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなることが好ましい。
【0090】
(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーが、1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなる場合、ポリスチレンは二軸配向ポリスチレンであることが好ましい。
【0091】
(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーが、1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなる場合には更に、(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーはスチレン-ブタジエンコポリマーを含み、スチレン-ブタジエンコポリマーが、交互スチレン-ブタジエンコポリマー、ランダムスチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、又はスチレン-ブタジエングラフトコポリマー、好ましくはスチレン-ブタジエンブロックコポリマーを含む、好ましくはからなることが好ましい。
【0092】
(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーが、1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなる場合には更に、包装容器材料に含まれるポリマーはスチレン-ブタジエンコポリマーを含み、スチレン-ブタジエンコポリマーは、5~40質量%、より好ましくは20~37質量%、より好ましくは25~35質量%のブタジエン繰返し単位を含むことが好ましい。
【0093】
(i)で提供された包装容器材料は、1種又は複数のポリブタジエン、ポリエステル、及びポリエーテルを更に含み、ポリエステルは、より好ましくは芳香族コポリエステル、より好ましくは非晶質のポリエチレンテレフタレートを含むことが好ましい。
【0094】
(i)に記載の包装容器材料は、0~1質量%、より好ましくは0~0.1質量%の、ポリエチレン及びポリプロピレンのうちの1種又は複数、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンを含むことが好ましい。
【0095】
(i)に記載の包装容器材料に含まれるポリマーは、40000~500000ダルトンの範囲、より好ましくは50000~400000ダルトンの範囲、より好ましくは55000~350000ダルトンの範囲の平均分子量を有し、平均分子量は好ましくはゲル浸透クロマトグラフィーに従い決定されることが好ましい。
【0096】
(i)においてポリマーは、1~50gの範囲、より好ましくは2~35gの範囲、より好ましくは5~15gの範囲の量で提供されることが好ましい。
【0097】
包装容器材料は、包装容器材料の総質量に対して、50~100質量%の範囲の量で、より好ましくは、包装容器材料の総質量に対して、70~100質量%、より好ましくは80~100質量%、より好ましくは90~100質量%、より好ましくは95~100質量%、より好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは99.9~100質量%の範囲の量でポリマーを含むことが好ましい。
【0098】
(i)において、包装容器は、バッグの形態、好ましくはジップロック(登録商標)バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、又はマントルの形態であることが好ましい。
【0099】
(i)は、
(i.a)ポリマーをフィルムF1へと形成する工程であって、
F1は好ましくは、本明細書で開示されている実施形態のいずれか1つで定義されている通りである工程を更に含み、
(iii)は、ガス雰囲気内で、(ii)に記載の水素化触媒を、(i)に記載のポリマーを含む、好ましくはからなるF1で取り囲むことによって、水素化触媒を含む事前包装容器を得る工程を含む、
又は、
(i)は、
(i.a’)ポリマーをフィルムF1及びフィルムF2へと形成する工程であって、F1及びF2は、互いに独立して、好ましくは本明細書で開示されている実施形態のいずれか1つで定義されている通りである工程を更に含み、
(iii)は、ガス雰囲気内で、(ii)に記載の水素化触媒を、F1及びF2で取り囲むことによって、水素化触媒を含む事前包装容器を得る工程を含み、
F1及びF2は、互いに独立して、(i)に記載のポリマーを含み、好ましくはからなる
ことが好ましい。
【0100】
(i)が(i.a)を更に含む場合、(i)は、(i.a)の後に、
(i.b)F1を、少なくともその長さにわたり又はその幅にわたり折りたたむことによって、事前包装容器を形成する工程を更に含むことが好ましい。
【0101】
(i)が(i.a’)を更に含む場合、(i)は、(i.a’)の後に、
(i.c)F1を、F2上に平らに配置する工程、及び
(i.d)F1をF2で密閉して、開封した包装容器を形成する工程を更に含むことが好ましい。
【0102】
(i)が(i.a)又は(i.a’)を更に含む場合、フィルムF1及び任意選択でフィルムF2は、互いに独立して、二次幾何学的形状を有し、好ましくは5~550mmの範囲、より好ましくは65~450mmの範囲、より好ましくは130~300mmの範囲、より好ましくは200~250mmの範囲の長さを有することが好ましい。
【0103】
(i)が(i.a)又は(i.a’)を更に含む場合には更に、フィルムF1及び任意選択でフィルムF2は、互いに独立して、好ましくは5~550mmの範囲、より好ましくは65~450mmの範囲、より好ましくは130~300mmの範囲、より好ましくは200~250mmの範囲の長さを有し、5~650mmの範囲、好ましくは65~550mmの範囲、より好ましくは150~400mmの範囲、より好ましくは210~260mmの範囲の幅を有する長方形の形状を有することが好ましい。
【0104】
(i)が(i.a)又は(i.a’)を更に含む場合には更に、本明細書で開示されている実施形態のいずれか1つに記載のフィルムF1、より好ましくは本明細書で開示されている実施形態のいずれか1つに記載のフィルムF1及びF2のうちの1つ、より好ましくは本明細書で開示されている実施形態のいずれか1つに記載のフィルムF1及びF2のそれぞれは、長方形、二次的、三角形、円形、又は台形の幾何学的形状を有することが好ましい。
【0105】
(ii)において、水素化触媒は、5~6000gの範囲、より好ましくは100~5500gの範囲、より好ましくは4700~5300gの範囲の量で提供されることが好ましい。
【0106】
(iii)において、密閉がガス雰囲気内で実施され、ガス雰囲気が1種又は複数の不活性ガス、より好ましくは窒素及びアルゴンのうちの1種又は複数を含む、好ましくはからなることが好ましい。
【0107】
本方法は、(iii)の後及び(iv)の前に
(iii.1)充填した包装容器の内部体積に真空を、好ましくは0~10hPaの範囲、より好ましくは0~1hPaの範囲の真空を適用する工程を更に含むことが好ましい。
【0108】
(iv)に記載の密閉が、充填した包装容器を、160~190℃の範囲、より好ましくは170~180℃の範囲の温度で溶接することにより実施されることが好ましい。
【0109】
本方法は、
(v)輸送容器を準備する工程、
(vi)(iv)で得たパッケージ化された水素化触媒を、(v)に記載の輸送容器に充填する工程、
(vii)(vi)で得た充填した輸送容器を、好ましくはガスタイト方式で密閉封止する工程
を更に含むことが好ましい。
【0110】
本方法が(v)、(vi)、及び(vii)を更に含む場合、輸送容器は、バッグの形態、好ましくはジップロック(登録商標)バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、マントル、ボックス、ケース、キャニスター又は容器の形態を有することが好ましい。
【0111】
また更には、本発明は、本明細書で開示されている実施形態のいずれか1つに記載の方法により入手可能な又は得られるパッケージ化された水素化触媒に関する。
【0112】
また更には、本発明は、1種又は複数の不飽和化合物の変換のための、好ましくは水素化、脱芳香族化、及び脱硫のうちの1種又は複数のための方法であって、
(A)1種又は複数の不飽和化合物並びに実施形態1~73及び102のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒を、反応ゾーン内に準備する工程、並びに
(B)100~400℃の範囲に含まれる温度で、(A)で準備された1種又は複数の不飽和化合物のうちの1種又は複数並びに(A)で準備された実施形態1~73及び102のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒を、水素と接触させる工程
を含む、方法に関する。
【0113】
(A)で準備された1種又は複数の不飽和化合物は、1種又は複数のアルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C17アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C15アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C13アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C11アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C9アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5及び/又はC9アルカン、より好ましくは1種又は複数のC9アルカンを含むことが好ましい。
【0114】
(A)で準備された1種又は複数の不飽和化合物は、C5樹脂、C9樹脂、C5/C9コポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはC5樹脂、C9樹脂、C5/C9コポリマー樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはC5樹脂、C9樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数の化合物を含み、より好ましくは1種又は複数の不飽和化合物がC9樹脂を含み、より好ましくは1種又は複数の不飽和化合物はC5及び/又はC9樹脂からなり、好ましくはC9樹脂からなることが好ましい。
【0115】
(A)で準備された1種又は複数の不飽和化合物は、元素として計算された、800wppm以下、より好ましくは500wppm以下、より好ましくは300wppm以下、より好ましくは200wppm以下、より好ましくは150wppm以下、より好ましくは100wppm以下、より好ましくは60wppm以下、より好ましくは20wppm以下、より好ましくは10wppm以下、より好ましくは5wppm以下の硫黄を含むことが好ましい。
【0116】
(B)の接触は、150~350℃の範囲、より好ましくは200~320℃の範囲、より好ましくは230~300℃の範囲、より好ましくは250~290℃の範囲、より好ましくは260~280℃の範囲、より好ましくは265~275℃の範囲の温度で行われることが好ましい。
【0117】
(B)の接触は、0.1~10時間の範囲、より好ましくは0.5~5時間の範囲、より好ましくは1~3時間の範囲、より好ましくは1.5~2.5時間の範囲、より好ましくは1.8~2.2時間の範囲の期間の間行われることが好ましい。
【0118】
(B)の接触は、5~200バールの範囲、より好ましくは10~150バールの範囲、より好ましくは30~120バールの範囲、より好ましくは50~100バールの範囲、より好ましくは70~90バールの範囲、より好ましくは75~85バールの範囲の圧力で行われることが好ましい。
【0119】
(B)の接触は撹拌下で行われ、撹拌はより好ましくはかき回すことにより達成されることが好ましい。
【0120】
(A)の反応ゾーンは、100質量%の1種又は複数の不飽和化合物に対して、0.01~5質量%、より好ましくは0.05~3質量%、より好ましくは0.1~2.5質量%、より好ましくは0.3~2.1質量%、より好ましくは0.5~1.8質量%、より好ましくは0.7~1.5質量%、より好ましくは0.8~1.3質量%、より好ましくは0.9~1.1質量%のパッケージ化された水素化触媒に含まれる水素化触媒を含有することが好ましい。
【0121】
変換のためのプロセスは連続工程又はバッチプロセスであり、好ましくは(B)の接触は、連続的及び/又はバッチ条件下、好ましくはバッチ条件下で行われることが好ましい。
【0122】
また更には、本発明は、1種又は複数の不飽和化合物、好ましくは不飽和ポリマー化合物の、より好ましくは石油化学製品樹脂又は石油化学製品供給原料の、より好ましくはC5樹脂、C9樹脂、C5/C9コポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、好ましくはC5樹脂、C9樹脂、C5/C9コポリマー樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはC5樹脂、C9樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数の不飽和化合物の、脱芳香族化、脱硫(好ましくは石油化学製品供給原料の脱硫)、及び水素化のうちの1種又は複数における、好ましくは水素化における、本明細書で開示されている実施形態のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒の使用であって、より好ましくは1種又は複数の不飽和化合物がC9樹脂を含み、より好ましくは1種又は複数の不飽和化合物がC5及び/又はC9樹脂からなり、好ましくはC9樹脂からなる、使用に関する。
【0123】
本発明の文脈において、「ガスタイト方式で」密閉封止される包装容器の定義は、いかなる気体も包装容器を介して出入りできないことを特定している。
【0124】
本発明の文脈において、「真空密閉した」という包装容器の定義は、包装容器内のあらゆる気体を排気させるために、包装容器内の内容物が、包装容器を密閉封止する前に真空下に配置されることを特定している。
【0125】
本発明は以下の一連の実施形態及び示されている従属物及び後方参照から生じる実施形態の組合せにより更に例示される。特に、実施形態の範囲が、例えば、「実施形態1~4のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒」という用語の文脈で記述されている各事例において、この範囲内のすべての実施形態は当業者に対して明示的に開示されることを意図し、すなわちこの用語の表現は、当業者により、「実施形態1、2、3、及び4のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒」と同義であると理解されるものとすることに注目されたい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【
図1】参考例10に記載の水素化試験での、標準リットル(nl)の触媒材料における水素取り込みを縦座標に示す。時間は、分単位で横座標に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0127】
更に、以下の一連の実施形態は、保護の範囲を決定する一連の特許請求の範囲ではなく、本発明の一般的な及び好ましい態様を対象とする説明の適切に構造化された部分を表すことが明示的に示されている。
【0128】
1.包装容器及び水素化触媒を含むパッケージ化された水素化触媒であって、
水素化触媒が包装容器内に封入され、
水素化触媒がNiを含み、
包装容器がガスタイト方式で密閉封止され、
包装容器材料がポリマーを含み、
ポリマーが60~100質量%のスチレン繰返し単位を含み、
水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算されたポリマーに対する質量比が50,000:1~1:1の範囲である、パッケージ化された水素化触媒。
【0129】
2.包装容器が包装容器の熱的結合手段により密閉封止され、包装容器が好ましくは包装容器の溶接により密閉封止される、実施形態1に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0130】
3.1種又は複数の不活性ガス、好ましくはN2及びArのうちの1種又は複数を含む不活性ガスが更に包装容器内に封入される、実施形態1又は2に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0131】
4.包装容器内に封入された内容物が、包装容器内に封入された内容物の総質量に対して、0~0.1質量%の、O2及びH2Oのうちの1種又は複数、好ましくは0~0.01質量%の、O2及びH2Oのうちの1種又は複数を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0132】
5.包装容器が真空密閉される、実施形態1~4のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0133】
6.包装容器材料に含まれるポリマーがトルエン中、少なくとも1g/l、好ましくは1~100g/lの範囲、より好ましくは1.25~75g/lの範囲、より好ましくは1.5~50g/lの範囲、より好ましくは1.75~35g/lの範囲、より好ましくは2~20g/lの範囲の溶解度を有し、包装容器材料に含まれるポリマーの溶解度が、温度25℃を有するトルエン中で決定され、ポリマーの溶解度が好ましくは圧力101.3kPa(1.013バール)下、トルエン中で決定され、溶解度が好ましくは参考例8に従い決定される、実施形態1~5のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0134】
7.包装容器材料に含まれるポリマーが、60~95質量%、好ましくは63~80質量%、より好ましくは65~75質量%のスチレン繰返し単位を含む、実施形態1~6のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0135】
8.包装容器材料に含まれるポリマーが、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、又はグラフトコポリマーである、実施形態1~7のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0136】
9.包装容器材料に含まれるポリマーが、1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマー、好ましくは1種又は複数のスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなる、実施形態1~8のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0137】
10.ポリスチレンが二軸配向ポリスチレンである、実施形態9に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0138】
11.包装容器材料に含まれるポリマーがスチレン-ブタジエンコポリマーを含み、スチレン-ブタジエンコポリマーが、交互スチレン-ブタジエンコポリマー、ランダムスチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、又はスチレン-ブタジエングラフトコポリマー、好ましくはスチレン-ブタジエンブロックコポリマーを含む、好ましくはからなる、実施形態9又は10に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0139】
12.包装容器材料に含まれるポリマーがスチレン-ブタジエンコポリマーを含み、スチレン-ブタジエンコポリマーが、5~40質量%、好ましくは20~37質量%、より好ましくは25~35質量%のブタジエン繰返し単位を含む、実施形態9~11のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0140】
13.包装容器材料が、1種又は複数のポリブタジエン、ポリエステル、及びポリエーテルを更に含み、ポリエステルが好ましくは芳香族コポリエステル、より好ましくは非晶質のポリエチレンテレフタレートを含む、実施形態1~12のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0141】
14.包装容器材料が、0~1質量%、好ましくは0~0.1質量%の、ポリエチレン及びポリプロピレンのうちの1種又は複数、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンを含む、実施形態1~13のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0142】
15.包装容器材料に含まれるポリマーが、40000~500000ダルトンの範囲、好ましくは50000~400000ダルトンの範囲、より好ましくは55000~350000ダルトンの範囲の平均分子量を有し、平均分子量が好ましくはゲル浸透クロマトグラフィーに従い決定される、実施形態1~14のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0143】
16.包装容器が、バッグの形態、好ましくはジップロック(登録商標)バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、又はマントルの形態を有する、実施形態1~15のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0144】
17.包装容器が、15~35dm3の範囲、好ましくは20~30dm3の範囲、より好ましくは23~27dm3の範囲の体積を封入する、実施形態1~16のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0145】
18.ポリマーの総質量として計算された1~50gの範囲、好ましくは2~35gの範囲、より好ましくは5~15gの範囲の量でポリマーを含む、実施形態1~17のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0146】
19.包装容器材料が、包装容器材料の総質量に対して、50~100質量%の範囲の量で、好ましくは、包装容器材料の総質量に対して、70~100質量%、より好ましくは80~100質量%、より好ましくは90~100質量%、より好ましくは95~100質量%、より好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは99.9~100質量%の範囲の量でポリマーを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0147】
20.水素化触媒の総質量として計算された5~6000gの範囲、好ましくは100~5500gの範囲、より好ましくは4700~5300gの範囲の量で、水素化触媒を含む、実施形態1~19のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0148】
21.50,000:1~1:1の範囲、好ましくは10,000:1~1:1の範囲、より好ましくは5,000:1~1:1の範囲、より好ましくは2,000:1~1:1の範囲、より好ましくは1,000:1~1:1の範囲、より好ましくは250:1~1:1の範囲、好ましくは150:1~1:1の範囲、より好ましくは100:1~1:1の範囲、より好ましくは10:1~1:1の範囲の、水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算されたポリマーに対する質量比を有する、実施形態1~20のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0149】
22.50,000:1~1:1の範囲、好ましくは10,000:1~10:1の範囲、より好ましくは5,000:1~20:1の範囲、より好ましくは2,000:1~50:1の範囲、より好ましくは1,000:1~100:1の範囲、より好ましくは500:1~150:1の範囲、より好ましくは400:1~180:1の範囲、より好ましくは300:1~200:1の範囲、より好ましくは275:1~225:1の範囲の、水素化触媒の総質量として計算された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算されたポリマーに対する質量比を有する、実施形態1~21のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0150】
23.包装容器が、フィルムF1及び任意選択でフィルムF2を含み、好ましくはからなり、F1が、実施形態1及び6~12のいずれか1つに定義されているポリマーを含み、好ましくはからなり、
F2が、好ましくは実施形態1及び6~12のいずれか1つに定義されているポリマーを含み、より好ましくはからなり、
包装容器が、好ましくはフィルムF1及びフィルムF2を含み、F1が、実施形態1及び6~12のいずれか1つに定義されているポリマーを含み、好ましくはからなり、F2が、実施形態1及び6~12のいずれか1つに定義されているポリマーを含み、好ましくはからなり、F2がより好ましくはF1と同じ化学的及び物理的特性を有する、実施形態1~22のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0151】
24.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、20~150g/m2の範囲、好ましくは45~120g/m2の範囲、より好ましくは47~116g/m2の範囲の表面質量を有する、実施形態23に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0152】
25.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、10~150マイクロメートルの範囲、好ましくは40~110マイクロメートルの範囲、より好ましくは45~105マイクロメートルの範囲の厚さを有する、実施形態23又は24に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0153】
26.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、9.50~1.30g/cm3の範囲、好ましくは9.60~1.20g/cm3の範囲、より好ましくは9.75~1.10g/cm3の範囲の密度を有する、実施形態23~25のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0154】
27.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、35~44N/mm2の範囲、好ましくは37~42N/mm2の範囲、より好ましくは39~40N/mm2の範囲の縦方向の引張り強度を有し、縦方向の引張り強度が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定される、実施形態23~26のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0155】
28.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、31~48N/mm2の範囲、好ましくは35~44N/mm2の範囲、より好ましくは39~40N/mm2の範囲の横方向の引張り強度を有し、横方向の引張り強度が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定される、実施形態23~27のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0156】
29.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.1~50%の範囲、好ましくは1~10%の範囲、より好ましくは3~4%の範囲の引裂き点での縦方向の伸長率を有し、引裂き点での縦方向の伸長率が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定される、実施形態23~28のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0157】
30.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.1~50%の範囲、好ましくは1~10%の範囲、より好ましくは3~4%の範囲の引裂き点での横方向の伸長率を有し、引裂き点での横方向の伸長率が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定される、実施形態23~29のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0158】
31.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、15~40Nの範囲、好ましくは22~33Nの範囲、より好ましくは24~31Nの範囲の縦方向の縁端強さを有する、実施形態23~30のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0159】
32.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、15~40Nの範囲、好ましくは22~33Nの範囲、より好ましくは24~31Nの範囲の横方向の縁端強さを有する、実施形態23~31のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0160】
33.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、5~25cm3/10分の範囲、好ましくは10~20cm3/10分の範囲、より好ましくは13~19cm3/10分の範囲のメルトボリュームフローレイトを有し、メルトボリュームフローレイトが好ましくは温度200℃で決定され、メルトボリュームフローレイトがより好ましくはISO 1133に従い決定される、実施形態23~32のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0161】
34.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、スケールA(柔軟型を対象とする)で70~100の範囲、好ましくは75~90の範囲、より好ましくは79~85の範囲のショア硬度を有する、実施形態23~33のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0162】
35.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、スケールD(剛性型を対象とする)で15~40の範囲、好ましくは25~33の範囲、より好ましくは27~31の範囲のショア硬度を有する、実施形態23~34のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0163】
36.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、25~50℃の範囲、好ましくは32~41℃の範囲、より好ましくは34~39℃の範囲のVicat Aを有し、Vicat Aが好ましくはISO 306に従い決定される、実施形態23~35のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0164】
37.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、25~45℃の範囲、好ましくは32~38℃の範囲、より好ましくは34~36℃の範囲のVicat Bを有し、Vicat Bが好ましくはISO 306に従い決定される、実施形態23~36のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0165】
38.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、10~1000MPaの範囲、好ましくは25~950MPaの範囲、より好ましくは40~910MPaの範囲の引張係数を有し、引張係数が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定される、実施形態23~37のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0166】
39.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、250~1000%の範囲、好ましくは400~800%の範囲、より好ましくは450~700%の範囲の破断点伸びを有し、破断点伸びが好ましくはISO 527-3:2018に従い決定される、実施形態23~38のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0167】
40.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、10~75MPaの範囲、好ましくは25~40MPaの範囲、より好ましくは30~36MPaの範囲の引張破壊応力を有する、実施形態23~39のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0168】
41.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、1.555~1.570の範囲、好ましくは1.560~1.565の範囲の屈折率を有する、実施形態23~40のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0169】
42.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.1~30MPaの範囲、好ましくは1~20MPaの範囲、より好ましくは3~16MPaの範囲の降伏応力を有し、降伏応力が好ましくはISO 527-3:2018に従い決定される、実施形態23~41のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0170】
43.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.1~10%の範囲、好ましくは0.5~7%の範囲、より好ましくは1~6%の範囲の降伏ひずみを有し、降伏ひずみが好ましくはISO 527-3:2018に従い決定される、実施形態23~42のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0171】
44.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、40%より大きい、好ましくは50%より大きい破壊点での公称歪みを有し、破壊点での公称歪みが好ましくはISO 527に従い決定される、実施形態23~43のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0172】
45.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、温度23℃でのシャルピー衝撃強さ試験において破壊せず、シャルピー衝撃強さ試験が好ましくはISO 179/1eUに従い行われる、実施形態23~44のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0173】
46.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、温度-30℃でのシャルピー衝撃強さ試験において破壊せず、シャルピー衝撃強さ試験が好ましくはISO 179/1eUに従い行われる、実施形態23~45のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0174】
47.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、温度23℃でのシャルピーノッチ衝撃強度試験において破壊せず、シャルピーノッチ衝撃強度試験が好ましくはISO 179/1eAに従い行われる、実施形態23~46のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0175】
48.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、温度23℃で、65~100kJ/m2の範囲、好ましくは75~90kJ/m2の範囲、より好ましくは79~86kJ/m2の範囲のシャルピーノッチ衝撃強度を有し、シャルピーノッチ衝撃強度が好ましくはISO 179/1eAに従い決定される、実施形態23~47のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0176】
49.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、温度-30℃で、65~95kJ/m2の範囲、好ましくは75~85kJ/m2の範囲、より好ましくは78~82kJ/m2の範囲のシャルピーノッチ衝撃強度を有し、シャルピーノッチ衝撃強度が好ましくはISO 179/1eAに従い決定される、実施形態23~48のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0177】
50.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.5・1013Ohm・mより大きい、好ましくは0.5~10・1013Ohm・mの範囲の体積抵抗率を有し、体積抵抗率が好ましくはIEC 62631-2-1に従い決定される、実施形態23~49のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0178】
51.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.5・1015Ohmより大きい、好ましくは0.5~10・1015Ohmの範囲の表面抵抗性を有し、表面抵抗性が好ましくはIEC 62631-2-1に従い決定される、実施形態23~50のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0179】
52.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.01~0.15%の範囲、好ましくは0.04~0.11%の範囲、より好ましくは0.06~0.08%の範囲の水吸収を有する、実施形態23~51のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0180】
53.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.01~0.15%の範囲、好ましくは0.04~0.11%の範囲、より好ましくは0.06~0.08%の範囲の湿気吸収を有する、実施形態23~52のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0181】
54.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、600~700Nの範囲、好ましくは620~680Nの範囲、より好ましくは640~660Nの範囲のエルメンドルフ引裂抵抗(平行)を有し、エルメンドルフ引裂抵抗(平行)が好ましくはISO 6383-2に従い決定される、実施形態23~53のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0182】
55.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、750~850Nの範囲、好ましくは770~830Nの範囲、より好ましくは790~810Nの範囲のエルメンドルフ引裂抵抗(直角)を有し、エルメンドルフ引裂抵抗(直角)が好ましくはISO 6383-2に従い決定される、実施形態23~54のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0183】
56.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、60~90・10-6/Kの範囲、好ましくは70~80・10-6/Kの範囲、より好ましくは73~77・10-6/Kの範囲の線熱膨脹係数(平行)を有し、線熱膨脹係数(平行)が好ましくはISO 11359-1/-2に従い決定される、実施形態23~55のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0184】
57.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、0.20~0.34g/(m2・d)の範囲、好ましくは0.24~0.30g/(m2・d)の範囲、より好ましくは0.26~0.28g/(m2・d)の範囲の水蒸気透過速度を有し、水蒸気透過速度が好ましくは温度23℃及び相対湿度85%で決定され、水蒸気透過速度がより好ましくはISO 15106-1/-2に従い決定される、実施形態23~56のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0185】
58.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、25.0~30.0cm3/(m2・d・バール)の範囲、好ましくは26.5~28.0cm3/(m2・d・バール)の範囲、より好ましくは27.0~27.4cm3/(m2・d・バール)の範囲の酸素透過速度を有し、酸素透過速度が好ましくは温度23℃及び相対湿度0%で決定され、酸素透過速度がより好ましくはISO 15106-1/-2に従い決定される、実施形態23~57のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0186】
59.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、45~57℃の範囲、好ましくは48~54℃の範囲、より好ましくは50~52℃の範囲の負荷たわみ温度を有し、負荷たわみ温度が圧力1.80MPaで決定され、負荷たわみ温度が好ましくはISO 75-1/-2に従い決定される、実施形態23~58のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0187】
60.フィルムF1及び好ましくはフィルムF2が、互いに独立して、55~69℃の範囲、好ましくは58~66℃の範囲、より好ましくは60~64℃の範囲の負荷たわみ温度を有し、負荷たわみ温度が圧力0.45MPaで決定され、負荷たわみ温度が好ましくはISO 75-1/-2に従い決定される、実施形態23~59のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0188】
61.水素化触媒が、粉末、顆粒、フレーク、及びペレットのうちの1種又は複数の形態である、実施形態1~60のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0189】
62.水素化触媒が、元素のNiとして計算され、水素化触媒の総質量に対して、5~95質量%、好ましくは10~90質量%、より好ましくは20~80質量%、より好ましくは30~70質量%、より好ましくは35~65質量%、より好ましくは40~60質量%、より好ましくは45~55質量%の範囲の量でNiを含む、実施形態1~61のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0190】
63.水素化触媒が、0~1質量%、好ましくは0~0.1質量%、より好ましくは0~0.01質量%の金属Mを含み、Mが、Pt、Pd、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはRh、Ir、Pd、Pt、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはRu、Os、Rh、Ir、Pd、Pt、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される、実施形態1~62のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0191】
64.水素化触媒が、不応性金属酸化物及びこれらの混合物からなる群から、より好ましくはシリカ、アルミナ、マグネシア、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数の酸化物を含み、より好ましくは水素化触媒がシリカ及び/又はアルミナ、好ましくはシリカ又はシリカ及びアルミナ、より好ましくはシリカを含む、実施形態1~63のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0192】
65.水素化触媒に含まれる1種又は複数の酸化物の量が、酸化物として計算され、水素化触媒の総質量に対して、5~95質量%の範囲、好ましくは8~90質量%の範囲、より好ましくは10~80質量%の範囲、より好ましくは13~70質量%の範囲、より好ましくは15~65質量%の範囲、より好ましくは18~60質量%の範囲、より好ましくは20~55質量%の範囲である、実施形態64に記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0193】
66.水素化触媒が、これらの2種以上の混合酸化物を含めた、銀、ランタン、アンチモン、ニッケル、ビスマス、カドミウム、鉛、スズ、バナジウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、コバルト、銅、タングステン、亜鉛、モリブデン、マンガン、及び鉄の酸化物からなる群から選択される1種又は複数の金属酸化物を含み、水素化触媒が好ましくは亜鉛及び/又は鉄の金属酸化物、好ましくは酸化亜鉛を含む、実施形態1~65のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0194】
67.水素化触媒の細孔容積が、0.1~1.5ml/g、好ましくは0.2~1.2ml/g、より好ましくは0.3~1ml/g、より好ましくは0.4~0.8ml/g、より好ましくは0.5~0.7ml/g、より好ましくは0.55~0.6ml/gの範囲であり、細孔容積が好ましくはISO 15901-3:2007に従い決定される、実施形態1~66のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0195】
68.水素化触媒の平均細孔直径が10~500オングストロームの範囲、好ましくは30~400オングストロームの範囲、より好ましくは50~300オングストロームの範囲、より好ましくは60~250オングストロームの範囲、より好ましくは70~200オングストロームの範囲、より好ましくは80~150オングストロームの範囲、より好ましくは90~120オングストロームの範囲、より好ましくは95~105オングストロームの範囲であり、平均細孔直径が好ましくはISO 15901-1:2016に従い決定される、実施形態1~67のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0196】
69.水素化触媒のBET表面積が、100~600m2/gの範囲、より好ましくは120~500m2/gの範囲、より好ましくは140~450m2/gの範囲、より好ましくは160~400m2/gの範囲、より好ましくは180~350m2/gの範囲、より好ましくは200~300m2/gの範囲、より好ましくは220~280m2/gの範囲、より好ましくは240~260m2/gの範囲であり、BET表面積が好ましくはISO 9277:2010に従い決定される、実施形態1~68のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0197】
70.水素化触媒の体積による平均粒径D50が、1~50マイクロメートルの範囲、好ましくは3~25マイクロメートルの範囲、より好ましくは4~15マイクロメートルの範囲、より好ましくは5~10マイクロメートルの範囲、より好ましくは6~8マイクロメートルの範囲、より好ましくは6.5~7マイクロメートルの範囲であり、体積による平均粒径D50が好ましくはISO 13320:2009に従い決定される、実施形態1~69のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0198】
71.水素化触媒が参考例1に従い調製される、実施形態1~70のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0199】
72.パッケージ化された水素化触媒が、パッケージ化された水素化触媒の輸送及び取扱いのために輸送容器内に含有され、
パッケージ化された水素化触媒が輸送容器内に封入され、
輸送容器が好ましくはガスタイト方式で密閉封止される、実施形態1~71のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0200】
73.輸送容器が、バッグの形態、好ましくはジップロック(登録商標)バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、マントル、ボックス、ケース、キャニスター又は容器の形態を有する、実施形態1~72のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0201】
74.パッケージ化された水素化触媒を調製するための、好ましくは実施形態1~73のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒を調製するための方法であって、
(i)包装容器を準備する工程であり、包装容器材料が、60~100質量%のスチレン繰返し単位を含むポリマーを含む工程
(ii)水素化触媒を準備する工程であり、水素化触媒がNiを含む工程、
(iii)(ii)に記載の水素化触媒を、(i)に記載の包装容器に充填する工程、
(iv)(iii)で得られた充填した包装容器を、ガスタイト方式で密閉封止することによって、パッケージ化された水素化触媒を得る工程
を含み、
水素化触媒の総質量として計算された、(ii)で提供された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算された、(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーに対する質量比が50,000:1~1:1の範囲である、方法。
【0202】
75.水素化触媒の総質量として計算された、(ii)で提供された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算された、(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーに対する質量比が、50,000:1~1:1の範囲、好ましくは10,000:1~1:1の範囲、より好ましくは5,000:1~1:1の範囲、より好ましくは2,000:1~1:1の範囲、より好ましくは1,000:1~1:1の範囲、より好ましくは250:1~1:1の範囲、好ましくは150:1~1:1の範囲、より好ましくは100:1~1:1の範囲、より好ましくは10.0:1.0~1.0:1.0の範囲である、実施形態74に記載の方法。
【0203】
76.水素化触媒の総質量として計算された、(ii)で提供された水素化触媒の、ポリマーの総質量として計算された、(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーに対する質量比が、50,000:1~1:1の範囲、好ましくは10,000:1~10:1の範囲、より好ましくは5,000:1~20:1の範囲、より好ましくは2,000:1~50:1の範囲、より好ましくは1,000:1~100:1の範囲、より好ましくは500:1~150:1の範囲、好ましくは400:1~180:1の範囲、より好ましくは300:1~200:1の範囲、より好ましくは275:1~225:1の範囲である、実施形態74又は75に記載の方法。
【0204】
77.(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーが、トルエン中で少なくとも1g/l、好ましくは1~100g/lの範囲、より好ましくは1.25~75g/lの範囲、より好ましくは1.5~50g/lの範囲、より好ましくは1.75~35g/lの範囲、より好ましくは2~20g/lの範囲の溶解度を有し、(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーの溶解度が、温度25℃を有するトルエン中で決定され、ポリマーの溶解度が、好ましくは圧力101.3kPa(1.013バール)下、トルエン中で決定され、溶解度が好ましくは参考例8に従い決定される、実施形態74~76のいずれか1つに記載の方法。
【0205】
78.(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーが、60~95質量%、好ましくは63~80質量%、より好ましくは65~75質量%のスチレン繰返し単位を含む、実施形態74~77のいずれか1つに記載の方法。
【0206】
79.(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーが、交互コポリマー、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、又はグラフトコポリマーである、実施形態74~78のいずれか1つに記載の方法。
【0207】
80.(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーが、1種又は複数のポリスチレン及びスチレン-ブタジエンコポリマー、好ましくは1種又は複数のスチレン-ブタジエンコポリマーを含む、好ましくはからなる、実施形態74~79のいずれか1つに記載の方法。
【0208】
81.ポリスチレンが二軸配向のポリスチレンである、実施形態80に記載の方法。
【0209】
82.(i)で提供された包装容器材料に含まれるポリマーがスチレン-ブタジエンコポリマーを含み、スチレン-ブタジエンコポリマーが、交互スチレン-ブタジエンコポリマー、ランダムスチレン-ブタジエンコポリマー、スチレン-ブタジエンブロックコポリマー、又はスチレン-ブタジエングラフトコポリマー、好ましくはスチレン-ブタジエンブロックコポリマーを含む、好ましくはからなる、実施形態80又は81に記載の方法。
【0210】
83.包装容器材料に含まれるポリマーがスチレン-ブタジエンコポリマーを含み、スチレン-ブタジエンコポリマーが、5~40質量%、好ましくは20~37質量%、より好ましくは25~35質量%のブタジエン繰返し単位を含む、実施形態80~82のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒。
【0211】
84.(i)で提供された包装容器材料が、1種又は複数のポリブタジエン、ポリエステル、及びポリエーテルを更に含み、ポリエステルが好ましくは芳香族コポリエステル、より好ましくは非晶質のポリエチレンテレフタレートを含む、実施形態74~83のいずれか1つに記載の方法。
【0212】
85.(i)に記載の包装容器材料が、0~1質量%、好ましくは0~0.1質量%の、ポリエチレン及びポリプロピレンのうちの1種又は複数、好ましくは0~0.1質量%のポリエチレン及びポリプロピレンを含む、実施形態74~84のいずれか1つに記載の方法。
【0213】
86.(i)に記載の包装容器材料に含まれるポリマーが、40000~500000ダルトンの範囲、好ましくは50000~400000ダルトンの範囲、より好ましくは55000~350000ダルトンの範囲の平均分子量を有し、平均分子量が好ましくはゲル浸透クロマトグラフィーに従い決定される、実施形態74~85のいずれか1つに記載の方法。
【0214】
87.(i)において、ポリマーが、1~50gの範囲、好ましくは2~35gの範囲、より好ましくは5~15gの範囲の量で提供される、実施形態74~86のいずれか1つに記載の方法。
【0215】
88.包装容器材料が、包装容器材料の総質量に対して、50~100質量%の範囲の量で、好ましくは、包装容器材料の総質量に対して、70~100質量%、より好ましくは80~100質量%、より好ましくは90~100質量%、より好ましくは95~100質量%、より好ましくは98~100質量%、より好ましくは99~100質量%、より好ましくは99.9~100質量%の範囲の量でポリマーを含む、実施形態74~87のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
89.(i)において包装容器が、バッグの形態、好ましくはジップロック(登録商標)バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、又はマントルの形態である、実施形態74~88のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
90.(i)が、
(i.a)ポリマーをフィルムF1へと形成する工程であって、
F1が好ましくは、実施形態74及び77~83のいずれか1つで定義されている通りである工程を更に含み、
(iii)が、ガス雰囲気内で、(ii)に記載の水素化触媒を、(i)に記載のポリマーを含む、好ましくはからなるF1で取り囲むことによって、水素化触媒を含む事前包装容器を得る工程を含む、
又は(i)が、
(i.a’)ポリマーをフィルムF1及びフィルムF2へと形成する工程であって、F1及びF2が、互いに独立して、好ましくは実施形態74及び77~83のいずれか1つで定義されている通りである工程を更に含み、
(iii)が、ガス雰囲気内で、(ii)に記載の水素化触媒を、F1及びF2で取り囲むことによって、水素化触媒を含む事前包装容器を得る工程を含み、
F1及びF2が、互いに独立して、(i)に記載のポリマーを含み、好ましくはからなる、実施形態74~89のいずれか1つに記載の方法。
【0218】
91.(i)が(i.a)を含み、(i)が、(i.a)の後に、
(i.b)F1を、少なくともその長さにわたり又はその幅にわたり折りたたむことによって、事前包装容器を形成する工程
を更に含む、実施形態90に記載の方法。
【0219】
92.(i)が(i.a’)を含み、(i)が、(i.a’)の後に、
(i.c)F1を、F2上に平らに配置する工程、及び
(i.d)F1をF2で密閉して、開封した包装容器を形成する工程
を更に含む、実施形態90に記載の方法。
【0220】
93.フィルムF1及び任意選択でフィルムF2が、互いに独立して、二次幾何学的形状を有し、好ましくは5~550mmの範囲、好ましくは65~450mmの範囲、より好ましくは130~300mmの範囲、より好ましくは200~250mmの範囲の長さを有する、実施形態90~92のいずれか1つに記載の方法。
【0221】
94.フィルムF1及び任意選択でフィルムF2が、互いに独立して、長方形の幾何学的形状を有し、好ましくは5~550mmの範囲、好ましくは65~450mmの範囲、より好ましくは130~300mmの範囲、より好ましくは200~250mmの範囲の長さを有し、5~650mmの範囲、好ましくは65~550mmの範囲、より好ましくは150~400mmの範囲、より好ましくは210~260mmの範囲の幅を有する、実施形態90~93のいずれか1つに記載の方法。
【0222】
95.(ii)において、水素化触媒が、5~6000gの範囲、好ましくは100~5500gの範囲、より好ましくは4700~5300gの範囲の量で提供される、実施形態74~94のいずれか1つに記載の方法。
【0223】
96.(iii)において、密閉がガス雰囲気内で実施され、ガス雰囲気が1種又は複数の不活性ガスを含み、好ましくはからなり、好ましくは窒素及びアルゴンのうちの1種又は複数を含む、好ましくはからなる、実施形態74~95のいずれか1つに記載の方法。
【0224】
97.(iii)の後及び(iv)の前に
(iii.1)充填した包装容器の内部体積に真空を、好ましくは0~10hPaの範囲、より好ましくは0~1hPaの範囲の真空を適用させる工程
を更に含む、実施形態74~96のいずれか1つに記載の方法。
【0225】
98.(iv)に記載の密閉が、充填した包装容器を、160~190℃の範囲、好ましくは170~180℃の範囲の温度で溶接することにより実施される、実施形態74~97のいずれか1つに記載の方法。
【0226】
99.実施形態90~94のいずれか1つに記載のフィルムF1、より好ましくは実施形態90~94のいずれか1つに記載のフィルムF1及びF2のうちの1つ、より好ましくは実施形態90~94のいずれか1つに記載のフィルムF1及びF2のそれぞれが、長方形、二次的、三角形、円形、又は台形の幾何学的形状を有する、実施形態90~98のいずれか1つに記載の方法。
【0227】
100.(v)輸送容器を準備する工程、
(vi)(iv)で得たパッケージ化された水素化触媒を、(v)に記載の輸送容器に充填する工程、
(vii)(vi)で得た充填した輸送容器を、好ましくはガスタイト方式で密閉封止する工程
を更に含む、実施形態74~99のいずれか1つに記載の方法。
【0228】
101.輸送容器が、バッグの形態、好ましくはジップロック(登録商標)バッグ、ホイル、フィルム、エンベロープ、包装体、シェル、マントル、ボックス、ケース、キャニスター又は容器の形態を有する、実施形態100に記載の方法。
【0229】
102.実施形態74~100のいずれか1つに記載の方法により入手可能な又は得られるパッケージ化された水素化触媒。
【0230】
103.1種又は複数の不飽和化合物の変換のための、好ましくは水素化、脱芳香族化、及び脱硫のうちの1種又は複数のための方法であって、
(A)1種又は複数の不飽和化合物並びに実施形態1~73及び102のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒を、反応ゾーン内に準備する工程、並びに
(B)100~400℃の範囲に含まれる温度で、(A)で準備された1種又は複数の不飽和化合物のうちの1種又は複数並びに(A)で準備された実施形態1~73及び102のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒を、水素と接触させる工程
を含む、方法。
【0231】
104.(A)で準備された1種又は複数の不飽和化合物が、1種又は複数のアルカン、好ましくは1種又は複数のC5~C17アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C15アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C13アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C11アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5~C9アルカン、より好ましくは1種又は複数のC5及び/又はC9アルカン、より好ましくは1種又は複数のC9アルカンを含む、実施形態103に記載の方法。
【0232】
105.(A)で準備された1種又は複数の不飽和化合物が、C5樹脂、C9樹脂、C5/C9コポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、好ましくはC5樹脂、C9樹脂、C5/C9コポリマー樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはC5樹脂、C9樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数の化合物を含み、より好ましくは1種又は複数の不飽和化合物がC9樹脂を含み、より好ましくは1種又は複数の不飽和化合物がC5及び/又はC9樹脂からなり、好ましくはC9樹脂からなる、実施形態103又は104に記載の方法。
【0233】
106.(A)で準備された1種又は複数の不飽和化合物が、元素として計算された、800wppm以下、より好ましくは500wppm以下、より好ましくは300wppm以下、より好ましくは200wppm以下、より好ましくは150wppm以下、より好ましくは100wppm以下、より好ましくは60wppm以下、より好ましくは20wppm以下、より好ましくは10wppm以下、より好ましくは5wppm以下の硫黄を含む、実施形態103~105のいずれか1つに記載の方法。
【0234】
107.(B)の接触が、150~350℃の範囲、好ましくは200~320℃の範囲、より好ましくは230~300℃の範囲、より好ましくは250~290℃の範囲、より好ましくは260~280℃の範囲、より好ましくは265~275℃の範囲の温度で行われる、実施形態103~106のいずれか1つに記載の方法。
【0235】
108.(B)の接触が、0.1~10時間の範囲、好ましくは0.5~5時間の範囲、より好ましくは1~3時間の範囲、より好ましくは1.5~2.5時間の範囲、より好ましくは1.8~2.2時間の範囲の期間の間行われる、実施形態103~107のいずれか1つに記載の方法。
【0236】
109.(B)の接触が、5~200バールの範囲、好ましくは10~150バールの範囲、より好ましくは30~120バールの範囲、より好ましくは50~100バールの範囲、より好ましくは70~90バールの範囲、より好ましくは75~85バールの範囲の圧力で行われる、実施形態103~108のいずれか1つに記載の方法。
【0237】
110.(B)の接触が、撹拌下で行われ、撹拌が好ましくはかき回すことにより達成される、実施形態103~109のいずれか1つに記載の方法。
【0238】
111.(A)の反応ゾーンが、100質量%の1種又は複数の不飽和化合物に対して、0.01~5質量%、好ましくは0.05~3質量%、より好ましくは0.1~2.5質量%、より好ましくは0.3~2.1質量%、より好ましくは0.5~1.8質量%、より好ましくは0.7~1.5質量%、より好ましくは0.8~1.3質量%、より好ましくは0.9~1.1質量%のパッケージ化された水素化触媒に含まれる水素化触媒を含有する、実施形態103~110のいずれか1つに記載の方法。
【0239】
112.1種又は複数の不飽和化合物の変換のためのプロセスが連続工程又はバッチプロセスであり、好ましくは(B)の接触が、連続的及び/又はバッチ条件下、好ましくはバッチ条件下で行われる、実施形態103~111のいずれか1つに記載の方法。
【0240】
113.1種又は複数の不飽和化合物の、好ましくは不飽和ポリマー化合物の、より好ましくは石油化学製品樹脂又は石油化学製品供給原料の、
より好ましくはC5樹脂、C9樹脂、C5/C9コポリマー樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはC5樹脂、C9樹脂、C5/C9コポリマー樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から、より好ましくはC5樹脂、C9樹脂、及びこれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種又は複数の不飽和化合物の、脱芳香族化、脱硫(好ましくは石油化学製品供給原料の脱硫)、及び水素化のうちの1種又は複数における、好ましくは水素化における、実施形態1~73及び102のいずれか1つに記載のパッケージ化された水素化触媒の使用であって、より好ましくは1種又は複数の不飽和化合物がC9樹脂を含み、より好ましくは1種又は複数の不飽和化合物がC5及び/又はC9樹脂からなり、好ましくはC9樹脂からなる、使用。
【0241】
本発明は、以下の参考例、実施例、及び比較実施例により更に例示される。
【実施例】
【0242】
参考例1:水素化触媒の準備
水素化触媒は、WO2015/008247 A2の実施例2に従い、これにわずかな修正を加えて調製した。ニッケル及びアルミナ塩、ケイ酸塩、及び炭酸ナトリウムを含有する溶液を、十分にかき回した沈殿容器内で、温度90℃で混合した。形成されたスラリーのpHは約7.5であり、1時間後、沈殿は完了した。沈殿物の洗浄後、触媒の前駆体を濾過し、オーブン内で、110℃で乾燥させた。次いで乾燥させた固形物を水素で、425℃で2時間活性化し、続いて大気の存在下、100℃で不動態化した。
【0243】
前記水素化触媒を、水素を用いて還元し、これに続いて安定化させた。安定化の間、還元させた水素化触媒をCO2及び微量の酸素(4%O2)で処理して、活性のある金属Niを不動態化させた。温度並びに気体体積及び濃度により、このプロセスを制御した。
【0244】
前記水素化触媒の危険特性は以下を含む:H251:自己加熱性、出火する恐れがある、及びH350i:吸入によりがんを引き起こす可能性がある(化学品の分類及び表示に関する世界調和システムの危険及び予防報告(Hazard and Precautionary statements of the Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)を参照されたい)。
【0245】
参考例2:包装容器用のポリマーとしてのポリスチレン
厚さ50マイクロメートル及び透明な(クリアな)外観を有するポリスチレンフィルム(Norflex(登録商標))を準備した。ポリマーは二軸配向のポリスチレンであり、フィルムはいかなる充填剤又は柔軟剤も添加することなく製造された。更に、ポリスチレンフィルムは生理学的に無害であった。
【0246】
フィルムの技術的特徴が以下のtable 1(表1)に提供されている。
【0247】
【0248】
参考例3:包装容器用のポリマーとしてのポリスチレン
厚さ100マイクロメートル及び透明な(クリアな)外観を有するポリスチレンフィルム(Norflex(登録商標))を準備した。ポリマーは二軸配向のポリスチレンであり、フィルムはいかなる充填剤又は柔軟剤も添加することなく製造された。更に、ポリスチレンフィルムは生理学的に無害であった。
【0249】
フィルムの技術的特徴が以下のtable 2(表2)で提供されている。
【0250】
【0251】
参考例4:包装容器用のポリマーとしてのスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)
厚さ50マイクロメートル及び透明な(クリアな)外観を有するスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)フィルム(Styroflex(登録商標)2G66 SBC;INEOS Styrolution社)を準備した。フィルムは35質量%のブタジエン繰返し単位及び65質量%のスチレン繰返し単位を含むスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)であった。フィルムの技術的特徴が以下のtable 3(表3)で提供されている。
【0252】
【0253】
参考例5:包装容器用のポリマーとしてのスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)
厚さ50マイクロメートル及びクリアな(透明な)外観を有するスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)フィルム(Styroflex(登録商標)4G80 SBC;INEOS Styrolution社)を準備した。フィルムは35質量%のブタジエン繰返し単位及び65質量%のスチレン繰返し単位を含むスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)であった。フィルムの技術的特徴が以下のtable 4(表4)で提供されている。
【0254】
【0255】
参考例6:包装容器用のポリマーとしてのスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)
厚さ50マイクロメートル及びクリアな(透明な)外観を有するスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)フィルムを準備した(Styrolux(登録商標)3G55 SBC;INEOS Styrolution社)。フィルムは26質量%のブタジエン繰返し単位及び74質量%のスチレン繰返し単位を含むスチレン-ブタジエンコポリマー(SBC)であった。フィルムの技術的特徴は以下のtable 5(表5)で提供されている。
【0256】
【0257】
参考例7:包装容器用のポリマーとしてのポリエチレンとポリアミドの混合物
ポリエチレンとポリアミドの混合物を、0.050mm PE-LD(低密度ポリエチレン)、0.03mmポリアミド及び0.05mm PE-LD(低密度ポリエチレン)の共押出により生成されたフィルムとして準備した。
【0258】
フィルムの技術的特徴が以下のtable 6(表6)で提供されている。
【0259】
【0260】
参考例8:溶解度試験
スチレン-ブタジエンコポリマーの溶解度を異なる溶媒系で試験した。結果は以下のtable 7(表7)に示されている。溶解度試験は、フィルムとして提供された0.1gのスチレン-ブタジエンコポリマー及び50mlの溶媒系を用いて実施した。温度25℃を有する溶媒系の中、及び圧力101.3kPa(1013mbar)での大気雰囲気下で溶解度を試験した。
【0261】
【0262】
参考例9:触媒の試験
参考例2~6で提供されたポリマーの存在下、更にポリマーの非存在下で(比較実施例1)、樹脂の水素化試験を実施した。参考例1による水素化触媒を使用した。水素化試験を以下の手順に従い実施した。水素化の間、水素化触媒のポリマーに対する質量比10:1を使用した。
【0263】
バッチ型反応器HP-9内で、高硫黄(high Sulphur)C9-樹脂を、供給物として使用して(硫黄含有量は125ppmであった)、水素化試験を実施した。試料の活性を、市販の水素化触媒(BASF社から市販されているNi 5338 P RS触媒;C9及びDCPD石油樹脂の水素化用に設計された62%Ni粉末触媒。触媒は還元された-CO2安定化形態で販売されている)と比較した。標準的な試験に対する条件は以下の通りであった:
撹拌:1100rpm;
圧力:80バール;
温度:270℃;
供給物:75gの樹脂/75gのExxsol D40;
作動時間:2時間;
触媒充填量:乾燥樹脂基準で1.0%。
【0264】
炭化水素樹脂を水素化する触媒の反応速度(RRH)は、反応速度定数により表現され、この反応速度定数は、0%~30%の間の変換で直線回帰を実施することから得られ、2時間の水素化後、1/hとして発現される。実施例1のRRHで触媒のRRHを正規化することにより水素化活性を計算した。
【0265】
触媒の試験の結果が以下のtable 8(表8)に示されている。
【0266】
【0267】
基準として機能する比較実施例として示されているポリマーの非存在下で樹脂水素化試験を実施した。よって、ポリマーの非存在下における樹脂水素化試験に対して、相対的活性k(0~30%)並びにk(30~70%)を100%にセットして、他の試験との比較を可能にした。
【0268】
table 8(表8)に示されている結果から、参考例2~6のうちの1つによるポリマーの存在は樹脂水素化に悪影響を及ぼさないことが見て取れる。特に、参考例2~6のうちの1つによるポリマーの存在下での樹脂水素化試験に対する結果を、ポリマーの非存在下での試験と比較することによって、相対的活性k(0~30%)並びにk(30~70%)はほとんど同じであることが見て取れる。
【0269】
将来の適用に対して、樹脂水素化反応において、触媒のポリマーに対する質量比が250:1~100:1の範囲であると想定されることを考慮すると、触媒の活性は、ポリマーの非存在下での樹脂水素化反応に対するものと、ポリマーの存在下での樹脂水素化反応に対するものとがおよそ同じであることが予想できる。
【0270】
実施例6:水素化触媒の包装容器
参考例1によるNiを含む触媒材料を準備した。更に、参考例2による2つのポリスチレンフィルムを準備し、各フィルムの長さ及び幅は7cmであった。前記フィルムを互いの上に平らにセットし、次いで3つの辺を密閉して、開封したバッグを形成した。開封したバッグに0.75gの前記触媒を充填した。次いで、バッグを完全に密閉した。175℃の温度を有する金属プレートの縁で密閉を実施した。触媒のポリマーに対する質量比は1:1であった。パッケージ化された水素化触媒を得た。
【0271】
参考例10:触媒の試験
異なる触媒を使用して、参考例9による触媒の試験を繰り返した。実施例6によるパッケージ化された水素化触媒又は参考例1による水素化触媒を使用した。
【0272】
非極性有機溶媒系(Exxsol D-40)中におよそ95℃で、予め溶解した樹脂を有するバッチ式反応器に触媒を加えた。水素化後、樹脂及び溶媒を含む混合物中にポリスチレンが完全に溶解されたことが特に観察された。
【0273】
ポリスチレンバッグ内にパッケージ化された水素化触媒の水素化活性は、それ自体で提供された水素化触媒の水素化活性と比較して、90%までわずかに低下したことが判明した。
【0274】
更に、水素化試験に対して、水素の取り込みをモニターした。結果が
図1に示されている。密閉したバッグで提供された触媒の水素取り込み(下の線)は、それ自体で提供された触媒(上の線)、よって、ポリスチレンの非存在下の場合よりもわずかに低かったことが見て取れる。パッケージ化された水素化触媒は、水素化反応において、それ自体で提供された水素化触媒と同等の性能を示すことが示された。
【国際調査報告】