(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】非空気圧タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 7/00 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
B60C7/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543404
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2022130878
(87)【国際公開番号】W WO2023138176
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202210068677.3
(32)【優先日】2022-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524274082
【氏名又は名称】深▲せん▼市道瑞輪胎有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100088063
【氏名又は名称】坪内 康治
(72)【発明者】
【氏名】余前孫
(72)【発明者】
【氏名】陳大徳
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB01
3D131BB06
3D131BB19
3D131BC31
3D131BC41
3D131CC03
3D131CC04
(57)【要約】
タイヤ面(10)、内輪(20)及び複数組の膨れ(30)を含む非空気圧タイヤであって、複数組の膨れ(30)はタイヤ面(10)と内輪(20)との間に放射状に分布し、且つ各組の膨れ(30)の内部は中空であり、隣接する組の膨れ(30)の間は一体に繋がられて環状チャンバー(40)が形成され、隣接する組の膨れ(30)の接続位置に凹部(50)が形成され、該凹部(50)に対応する環状チャンバー(40)の内壁に収縮内鍔(41)が形成され、各組の膨れ(30)の内壁トップ部の輪郭は環状チャンバー(40)の拡張外鍔(42)を対応して形成され、各組の膨れ(30)の包み壁には、収縮内鍔(41)と拡張外鍔(42)との間に一体に接続される円弧状展伸面(43)が形成され、環状チャンバー(40)の収縮内鍔(41)と膨れ(30)の外壁のトップ部との間に、タイヤ面(10)と内輪(20)との間に接続されるタイヤ壁(60)が形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の円心を有するタイヤ面及び内輪と、タイヤ面及び内輪の円心を中心として径方向にタイヤ面と内輪との間一体に接続される複数組の膨れとを含み、該複数組の膨れはタイヤ面と内輪との間に放射状に分布し、且つ各組の膨れの内部は中空であり、隣接する組の膨れの間は一体に繋がられて複数組の膨れを貫通し且つタイヤ面と内輪との間に環囲される環状チャンバーが形成され、隣接する組の膨れの接続位置に凹部が形成され、該凹部に対応する環状チャンバー内壁に収縮内鍔が形成され、各組の膨れ内壁のトップ部の輪郭は環状チャンバーの拡張外鍔を対応して形成され、各組の膨れの包み壁には、収縮内鍔と拡張外鍔との間に一体に接続される円弧状展伸面が形成され、環状チャンバーの収縮内鍔と膨れの外壁のトップ部との間に、タイヤ面と内輪との間に接続されるタイヤ壁が形成され、該タイヤ壁は、タイヤ面と内輪の外側エッジとの間に接続される外側タイヤ壁と、タイヤ面と内輪の内側エッジとの間に接続される内側タイヤ壁とを含む、ことを特徴とする非空気圧タイヤ。
【請求項2】
前記膨れとタイヤ面との接続箇所はタイヤに負荷が印加される時の第1の受圧ユニットであり、円弧状展伸面は第2の受圧ユニットであり、収縮内鍔は第3の受圧ユニットであり、該第1の受圧ユニット、第2の受圧ユニット及び第3の受圧ユニットは外から内に向かって一体に繋がられる、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項3】
前記各組の膨れは、タイヤ面及び内輪の軸方向に垂直な中心平面を中心としてタイヤ面と内輪の両側に対称に分布し、且つ中心平面の同一側に位置する隣接する膨れはタイヤ面と内輪の径方向に貫通して繋がられる、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項4】
前記各膨れの外壁は、いずれも球体状である、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項5】
前記収縮内鍔の断面は閉ループ状である、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項6】
前記内輪の内側壁に、タイヤのハブに弾性的に接触するための突起が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項7】
前記内輪の内側壁に、内輪の円周方向に沿って複数の上記の突起が間隔をおいて設けられ、隣接する突起の間に、タイヤとハブとを装着する時にタイヤを容易に延伸して速やかに組み立てるアンロード溝が形成される、ことを特徴とする請求項6に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項8】
前記内輪の突起の両側に、内輪の幅方向に沿ってハブのエッジにマッチングするための第1の接触部、及びハブの溝壁に接触するための第2の接触部がそれぞれ設けられ、該第1の接触部と第2の接触部は段階的に繋がられ、且つ第1の接触部は第2の接触部の外側に位置する、ことを特徴とする請求項6に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項9】
前記タイヤ面はその幅方向に円弧状であり、タイヤ面の中央部位置においてタイヤ面両側のエッジに向けて溝がそれぞれ延びて設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項10】
前記内輪に、ハブとともに空気対流を形成するための第1の気孔が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項11】
前記外側タイヤ壁と内側タイヤ壁にそれぞれ第2の気孔が設けられ、且つ外側タイヤ壁における第2の気孔と内側タイヤ壁における第2の気孔は互いに対称または非対称である、ことを特徴とする請求項10に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項12】
前記溝の深さは、タイヤ面の両側エッジからタイヤ面の中央部の位置に近づくにつれて漸減する、ことを特徴とする請求項9に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項13】
前記凹部の凹みの中心領域の厚さは膨れの肉厚の2~7倍である、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項14】
前記各組の膨れは4つの膨れを含み、該4つの膨れはタイヤ面と内輪の軸方向に垂直な中心平面を中心としてタイヤ面と内輪の両側に2つずつ対称に分布し、且つ中心平面の同一側に位置する隣接する2つの膨れはタイヤ面と内輪の径方向に貫通して繋がられる、ことを特徴とする請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項15】
前記突起は円球、半円球又は楕円球状であり、且つ突起のタイヤのハブとの接触面は平面又は球面である、ことを特徴とする請求項6に記載の非空気圧タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ製造の技術分野に関し、特に非空気圧タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
車のタイヤはタイヤの総称であり、通常、耐摩耗性のゴム材料で製造され、空気圧タイヤと中実タイヤに分けられる。密封されるゴムタイヤのチャンバーに空気を十分に入れることで快適な支持を取得するが、空気圧タイヤは、タイヤ面のゴム材料が摩耗しやすく、空気による支持であるため、パンクの可能性もあるという欠点を有する。一方、中実タイヤは空気を入れる必要がなく、パンクの可能性もなく、且つ耐荷重性が強いが、空気を入れる必要がないため、空気によるクッションが不足し、車両の走行の快適性が悪くなってしまう。そのため、本来の中実タイヤがパンクしないことを維持しつつ、良好な耐荷重性と路面快適性をさらに備えることができる非空気圧タイヤが強く求められていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑み、本発明は、従来技術に存在する欠陥に対して、タイヤ面と内輪との間に複数組の膨れを設けることによりタイヤの肉厚が増加され、且つ複数の載置ユニットが形成されてタイヤ全体の載置能力、耐衝撃性及び走行の快適性を向上させる非空気圧タイヤを提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を実現するために、本発明は、次のような技術案を採用する。
【0005】
非空気圧タイヤであって、共通の円心を有するタイヤ面及び内輪と、タイヤ面及び内輪の円心を中心として径方向にタイヤ面と内輪との間に一体に接続される複数組の膨れとを含み、該複数組の膨れはタイヤ面と内輪との間に放射状に分布し、且つ各組の膨れの内部は中空であり、隣接する組の膨れの間は一体に繋がられて複数組の膨れを貫通し且つタイヤ面と内輪との間に環囲される環状チャンバーが形成され、隣接する組の膨れの接続位置に凹部が形成され、該凹部に対応する環状チャンバー内壁に収縮内鍔が形成され、各組の膨れの内壁のトップ部の輪郭は環状チャンバーの拡張外鍔を対応して形成され、各組の膨れの包み壁には、収縮内鍔と拡張外鍔との間に一体に接続される円弧状展伸面が形成され、環状チャンバーの収縮内鍔と膨れの外壁のトップ部との間に、タイヤ面と内輪との間に接続されるタイヤ壁が形成され、該タイヤ壁は、タイヤ面と内輪の外側エッジとの間に接続される外側タイヤ壁と、タイヤ面と内輪の内側エッジとの間に接続される内側タイヤ壁とを含む。
【0006】
好ましい方案として、前記膨れとタイヤ面との接続箇所はタイヤに負荷が印加される時の第1の受圧ユニットであり、円弧状展伸面は第2の受圧ユニットであり、収縮内鍔は第3の受圧ユニットであり、該第1の受圧ユニット、第2の受圧ユニット及び第3の受圧ユニットは外から内に向かって一体に繋がられる。
【0007】
好ましい方案として、前記各組の膨れは、タイヤ面及び内輪の軸方向に垂直な中心平面を中心としてタイヤ面と内輪の両側に対称に分布し、且つ中心平面の同一側に位置する隣接する膨れはタイヤ面と内輪の径方向に貫通して繋がられる。
【0008】
好ましい方案として、前記各膨れの外壁は、いずれも球体状である。
【0009】
好ましい方案として、前記収縮内鍔の断面は閉ループ状である。
【0010】
好ましい方案として、前記内輪の内側壁に、タイヤのハブに弾性的に接触するための突起が設けられる。
【0011】
好ましい方案として、前記内輪の内側壁に、内輪の円周方向に沿って複数の上記の突起が間隔をおいて設けられ、隣接する突起の間に、タイヤとハブとを装着する時にタイヤを容易に延伸して速やかに組み立てるアンロード溝が形成される。
【0012】
好ましい方案として、前記内輪の突起の両側に、内輪の幅方向に沿ってハブのエッジにマッチングするための第1の接触部、及びハブの溝壁に接触するための第2の接触部がそれぞれ設けられ、該第1の接触部と第2の接触部は段階的に繋がられ、且つ第1の接触部は第2の接触部の外側に位置する。
【0013】
好ましい方案として、前記タイヤ面はその幅方向に円弧状であり、タイヤ面の中央部位置においてタイヤ面の両側のエッジに向けて溝がそれぞれ延びて設けられる。
【0014】
好ましい方案として、前記内輪に、ハブとともに空気対流を形成するための第1の気孔が設けられる。
【0015】
好ましい方案として、前記外側タイヤ壁と内側タイヤ壁にそれぞれ第2の気孔が設けられ、且つ外側タイヤ壁における第2の気孔と内側タイヤ壁における第2の気孔は互いに対称または非対称である。
【0016】
好ましい方案として、前記溝の深さは、タイヤ面の両側エッジからタイヤ面の中央部の位置に近づくにつれて漸減する。
【0017】
好ましい方案として、前記凹部の凹み中心領域の厚さは膨れの肉厚の2~7倍である。
【0018】
好ましい方案として、前記各組の膨れは4つの膨れを含み、該4つの膨れはタイヤ面と内輪の軸方向に垂直な中心平面を中心としてタイヤ面と内輪の両側に2つずつ対称に分布し、且つ中心平面の同一側に位置する隣接する2つの膨れはタイヤ面と内輪の径方向に貫通して繋がられる。
【0019】
好ましい方案として、前記突起は円球、半円球又は楕円球状であり、且つ突起のタイヤのハブとの接触面は平面又は球面である。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、従来技術に比べ明らかな利点及び有益な効果を有し、具体的に、上記の技術案から分かるように、タイヤ面と内輪との間に径方向に沿って複数組の互いに繋がられる膨れが放射状に分布することにより、該複数組の膨れはタイヤの外部側壁に凹凸式の構造が形成され、内部は収縮内鍔、拡張外鍔及び円弧状展伸面を載置ユニットとしての載置構造が形成され、凹凸式の設計はタイヤの壁の幅を増加し、タイヤの壁の載置面積を増加させ、それによって、タイヤ全体の載置能力を向上させ、そして、タイヤ壁における凹部はタイヤに力が加わって変形する時に強い支持点を提供することができ、タイヤの載置性及び耐衝撃性をさらに向上させ、内部の多重載置構造は力が加わった時に伝達速度が速く、弾性変形の加速度が速く、タイヤに力が加わった時に十分の弾性力支持を提供することができ、走行の快適性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図4】
図2のB-B段の断面の第1の角度から見た斜視模式図である。
【
図5】
図2のB-B段の断面の第2の角度から見た斜視模式図である。
【
図6】
図2のB-B段の断面の第3の角度から見た斜視模式図である。
【
図7】
図2のB-B段の断面の第4の角度から見た斜視模式図である。
【
図8】本発明のタイヤとハブとのマッチング模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の構造特徴及び効果をより明瞭に説明するために、以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら詳しく説明する。
【0023】
本発明は、
図1~
図8に示すように、非空気圧タイヤであって、共通の円心を有するタイヤ面10及び内輪20と、タイヤ面10及び内輪20の円心を中心として径方向にタイヤ面10と内輪20との間に一体に接続される複数組の膨れ30とを含み、該タイヤはサイクルタイヤであり、主に電動オートバイ、オートバイ、自転車、スクータ、三輪車などの工具に適用するとともに、小型自動車にも適用することができ、タイヤの材料は弾性材質を用い、例えば、ウレタン、ゴム・プラスチックなどの材質を用いることが好ましい。
【0024】
該タイヤ面10はタイヤの走行時に地面と接触する側面であり、該タイヤ面10はその幅方向cに沿って円弧状に設計され、円弧状に設計される主な目的は、二輪車の旋回操作に用いられることである。タイヤ面10はエッジの位置に近いほど、その厚さが他の位置よりも大幅に大きく、厚さが大きい箇所においてタイヤ面10に力が加わった時に、タイヤ面10の中央位置は先ず力を受けて変形するのに対し、タイヤ面10のエッジ箇所において厚さが大きいため変形しにくく、ジャーキングが発生しやすく、該厚さが大きいエッジ位置に溝11を設け、且つ溝11の深さをエッジからタイヤ面の中央部12に向かって漸減する(同じ深さであってもよい)ように設置することにより、力が加わった時のクッション性能を改善し、タイヤ面10が地面に接触する時の快適性を向上させる。
【0025】
該内輪20は車のハブ100に締結される環状構造であり、内輪20の内側壁にハブ100に弾性的に接触するための突起21が設けられ、本実施例では、内輪20の内側壁に内輪20の円周方向に沿って複数の突起21が間隔をおいて設けられ、隣接する突起21の間にアンロード溝22が形成され、タイヤとハブを装着する時に、タイヤを延伸させてタイヤを弾性変形させてハブに外嵌することにより、タイヤとハブ100とを迅速に組み立てることを実現する。アンロード溝22はこの装着過程において主に変形空間を提供し、タイヤの延伸時の内部の応力を逃し、タイヤとハブ100とを装着する時の便利性を向上させるために用いられる。
【0026】
内輪20の突起21の両側に、内輪20の幅方向cに沿ってハブ100のエッジとマッチングするための第1の接触部23、及びハブの溝壁に接触するための第2の接触部24がそれぞれ設けられ、該第1の接触部23と第2の接触部24は段階的に繋がられ、且つ第1の接触部23は第2の接触部24の外側に位置する。そして、突起21、その両側の第1の接触部23及び第2の接触部24は、内輪20の幅方向cに沿って並列に分布する。突起21と複数の接触部を採用する目的は、内輪20とハブとの結び付けをより密着させるとともに、タイヤとハブとの間は緩衝弾性を有することである。なお、並列に分布する突起21及び接触部の数は実際の需要に応じて設定することができる。本実施例では、中央部に突起21を設け、両側にそれぞれ第1の接触部23及び第2の接触部24を設けるという5つの部分の形を採用することにより、該5つの部分のうちの少なくとも1つ又は2つの部分はハブ溝の内壁に弾性的に接触する。そして、該突起21の形状は円球、半円球又は楕円球状であってもよく、突起21のハブに接触する面は平面又は球面である。また、両側の第1の接触部23は主にハブの両側のエッジに密着してマッピングするために用いられ、両側の第2の接触部24は、主に突起21がハブ溝の内壁に接触した後に発生した隙間を目止めてタイヤとハブとが全面で貼り合わせることを実現し、タイヤとハブを結び付ける密着性及び締結性を向上させて、タイヤとハブとの間の摩擦力を増加し、タイヤの走行時の比較的大きいトルクによってタイヤとハブが滑って離れることを防止し、タイヤの使用の寿命を延びる。また、突起21と複数の接触部がハブに弾性的に接触することにより、タイヤ全体の弾性力を向上させ、道路による剛性振動をさらに減少、防止して、運転の快適性を向上させることができる。
【0027】
また、内輪20のハブとの接触面に、ハブとともに空気対流を形成するための第1の気孔25が設けられる。本実施例では、第1の気孔25は突起21に設けられてもよく、突起21と第2の接触部24との間、第1の接触部23と第2の接触部24との間、又は内輪20の円周方向に沿って隣接する2つの突起21の間に設けられてもよく、また、マッチングする対象のハブにも通気孔が間隔をおいて設けられ、それによって、タイヤにおける第1の気孔25とマッチングしてタイヤ、ハブと外部との間に空気対流を形成して、タイヤ内部の熱い空気を放散し、タイヤの内部に材料の累積による熱を減少させ、タイヤの使用の寿命を延びる。
【0028】
該複数組の膨れ30は、タイヤ面10と内輪20との間に放射状に分布し、各組の膨れ30は、タイヤ面10と内輪20の軸方向aに垂直な中心平面bを中心としてタイヤ面10及び内輪20の両側に対称に分布し、なお、各組の膨れ30は、必要に応じて中心平面bの両側(タイヤ面10と内輪20の両側)に非対称に設けられてもよく、且つ各組の膨れ30の内部は中空であり、隣接する2つの組の膨れ30の間は一体に繋がられて複数組の膨れ30を貫通し且つタイヤ面10と内輪20との間に環囲される環状チャンバー40が形成される。各組の膨れ30はそれぞれ4つの膨れ30を有し、該4つの膨れ30は、タイヤ面10と内輪20の軸方向aに垂直な中心平面bの両側に2つずつ対称に分布し、且つ中心平面bの同一側の2つの膨れ30はタイヤ面10と内輪20の径方向に貫通して繋がられ、且つ各膨れ30の外壁はいずれも球体状であり、他の凸形状であってもよい。隣接する2つの組の膨れ30の接続位置に凹部50(凹みの中心領域51の厚さは膨れ30の肉厚の2~7倍であり、凹みの中心領域51の厚さを厚く設定する目的は、タイヤに力が加わって弾性変形する際に、凹みの中心領域によって強い支持を形成し、タイヤ全体の載置能力及び耐衝撃能力を向上させることである)が形成され、該凹部50に対応する環状チャンバー40の内壁に収縮内鍔41(該収縮内鍔41の断面は閉じられた環状、例えば、楕円、ピーナッツ殻の形状などである)が形成され、該収縮内鍔41に対応する凹みの中心領域51の位置は平面であってもよく、平面と円弧状との組み合わせの形を採用してもよい。各組の膨れ30の内壁のトップ部の輪郭によって環状チャンバー40の拡張外鍔42を対応して形成し、各組の膨れ30の包み壁は、収縮内鍔41と拡張外鍔42との間に一体に接続される円弧状展伸面43を形成し、なお、収縮内鍔41の断面(タイヤの幅方向cに沿う断面)の面積が小さいほど、円弧状展伸面43の面積は大きく、それに応じて、下記のタイヤ壁60の厚さが大きいほど、タイヤの受圧負荷を支持することができる載置ユニットの面積は大きく、タイヤの支持性能は強く、それによって、タイヤ全体の載置性能はより強い。
【0029】
上述したタイヤ面10に設けられる溝11は、排水溝としてもよく、タイヤの機能溝として使用されてもよく、具体的に、該溝11の位置は膨れ30がある位置に対応し、膨れ30に力が加われ弾性変形し、溝11は膨れ30の歪み応力を逃すためのアンロード溝として利用されてもよく、それによって、タイヤの動作時に膨れ30の歪み応力を迅速に逃すことができ、タイヤの弾性変形の過程において運転の体験性に与える影響を減少し、運転の快適性を向上させる。
【0030】
該環状チャンバー40の収縮内鍔41と膨れ30の外壁のトップ部との間に、タイヤ面10と内輪20との間に接続される凹凸式(複数の膨れ30と凹部50は結び付けられる)タイヤ壁60が形成され、該タイヤ壁60は、タイヤ面10と内輪20の外側エッジとの間に接続される外側タイヤ壁61と、タイヤ面10と内輪20の内側エッジとの間に接続される内側タイヤ壁62とを含む。
【0031】
各組の膨れ30のトップ部に位置する膨れ30とタイヤ面10との接続箇所はタイヤに負荷が印加される時の第1の受圧ユニット70であり、円弧状展伸面43は第2の受圧ユニット80であり、収縮内鍔41は第3の受圧ユニット90であり、該第1の受圧ユニット70、第2の受圧ユニット80及び第3の受圧ユニット90は外から内に向かって一体に繋がられる。3つの受圧ユニットは互いに負荷を伝達し且つ互いに弾性的に支持されることにより比較的大きい弾性力及び載置力を形成する。そして、複数の円弧状展伸面43の設計を採用することにより、タイヤの壁の厚さを増加し、タイヤ壁の載置面積を増加させ、単位面積当たりが受ける負荷を減少し、タイヤ全体の載置能力を向上させることができる。それによって、同等の支持強度でタイヤ面10の厚さを減少し、タイヤ面10が地面に接触する時の快適性を向上させることができるとともに、必要に応じてタイヤ面10の厚さを増加し、タイヤの支持強度をさらに向上させることができる。そして、タイヤ壁の凹凸式の設計によって、タイヤの載置・動作時に、タイヤの弾性力及び反発加速度を向上させて様々な道路に適することができる。タイヤ壁60における複数の凹部50は複数の支持点を形成することができ、タイヤ全体の載置能力及び耐衝撃能力をさらに向上させることができる。ハニカム、V字状を有する左右に連通する貫通式の非空気圧タイヤに比べ、該タイヤの壁は複数の膨れが一体に繋がられて形成される凹凸式構造を有し、各膨れと凹部との間は互いに強く支持され、複数の弾性支持構造が形成され、力をより速く伝達し、反発加速度がより速く、比較的悪い様々な道路に適することができ、タイヤ全体の載置性能及び耐衝撃性能を向上させ、そして、運転の体験性はより優れる。そして、該タイヤの壁の車輪の回動方向における投影の幅(即ち、膨れの外壁の頂点から収縮内鍔との間の距離)は、同型番の従来の空気圧タイヤのタイヤ壁の幅の2~7倍に相当し、それによって、タイヤの壁の載置面積を拡大し、タイヤ全体の構造強度を向上させ、タイヤの載置能力をさらに向上させる。
【0032】
外側タイヤ壁61と内側タイヤ壁62に第2の気孔63がそれぞれ設けられ、外側タイヤ壁61における第2の気孔63と内側タイヤ壁62における第2の気孔63は互いに対称または非対称である。具体的に、該第2の気孔63をタイヤ壁の凹部50の位置に設け、該第2の気孔63は上記の第1の気孔25にマッチングして、タイヤの内部と外部の空气の速やかな空気対流を実現し、タイヤの内部の熱い空気の放散効率を向上させる。
【0033】
該タイヤの膨れ30の数は6組~60組であり、具体的に、実際の需要に応じて設計することができ、該タイヤのタイヤ面10、内輪20及び複数組の膨れ30はいずれも一体成形の設計であり、構造全体の堅牢性が強い。
【0034】
該タイヤの材質がショア85度の硬さを採用する場合、タイヤの動的耐久性試験機で検知した結果、150KGの重量を載置し、5×5(高さ5mm、幅5mm)の障害ブロックを通過する場合、時速40km/h、損なうことなく3000kmを連続して運転した。
【0035】
本発明の設計ポイントは次の通りである。タイヤ面10と内輪20との間に径方向に沿って複数組の互いに繋がられる膨れ30が放射状に分布することにより、該複数組の膨れ30はタイヤの外部側壁に凹凸式構造が形成され、内部は収縮内鍔41、拡張外鍔42及び円弧状展伸面43を載置ユニットとしての載置構造が形成され、凹凸式の設計はタイヤの壁の幅を増加し、タイヤの壁の載置面積を増加させ、それによって、タイヤ全体の載置能力を向上させる。そして、タイヤ壁における凹部50はタイヤに力が加わった時に強い支持点を提供することができ、タイヤの載置性及び耐衝撃性をさらに向上させ、内部の多重載置構造は力が加わって変形する時に伝達速度が速く、弾性変形の加速度が速く、タイヤに力が加わった時に十分の弾性力支持を提供することができ、走行の快適性を向上させることができる。
【0036】
以上は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の技術範囲に対するいかなる制限を構成するものではないため、本発明の技術の実質に基づいて以上の実施例に対してなされたすべての細かい修正、同等変更及び修飾は、いずれも本発明の技術案の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0037】
10 タイヤ面
11 溝
12 タイヤ面の中央部
20 内輪
21 突起
22 アンロード溝
23 第1の接触部
24 第2の接触部
25 第1の気孔
30 膨れ
40 環状チャンバー
41 収縮内鍔
42 拡張外鍔
43 円弧状展伸面
50 凹部
51 凹みの中心領域
60 タイヤ壁
61 外側タイヤ壁
62 内側タイヤ壁
63 第2の気孔
70 第1の受圧ユニット
80 第2の受圧ユニット
90 第3の受圧ユニット
100 ハブ
a 軸方向
b 中心平面
c 幅方向
【国際調査報告】