(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】ヘルメット型磁気刺激装置
(51)【国際特許分類】
A61N 2/02 20060101AFI20250117BHJP
A61N 2/04 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61N2/02 F
A61N2/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543584
(86)(22)【出願日】2023-01-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 KR2023000784
(87)【国際公開番号】W WO2023146191
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】10-2022-0010898
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0062600
(32)【優先日】2022-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524276042
【氏名又は名称】レメド ブレインスティム カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】REMED BRAINSTIM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】2F, 21-7 Wiryeseoil-ro 1-gil, Sujeong-gu, Seongnam-si Gyeonggi-do 13647 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ユン セジン
(72)【発明者】
【氏名】キム イルギュ
(72)【発明者】
【氏名】チョ ソンテク
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨングァン
【テーマコード(参考)】
4C106
【Fターム(参考)】
4C106AA03
4C106AA06
4C106BB24
4C106CC15
4C106DD09
4C106FF03
(57)【要約】
本発明は、頭蓋神経細胞又は頭皮細胞に磁場を印加し、非侵襲的な治療を提供するヘルメット型磁気刺激装置であって、ヘルメット型のケース部と、頭蓋に磁場を印加するように磁場を発生させる磁場発生部と、ケース部の内部の一方に設けられ、磁場発生部を頭蓋の上部の所定位置に固定支持する固定部を含むことを特徴とする。これにより、本発明は、ケース部の内部で頭蓋に磁場を印加するように磁場を発生させる磁場発生部を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭蓋神経細胞又は頭皮細胞に磁場を印加し、非侵襲的な治療を提供するヘルメット型磁気刺激装置であって、
ヘルメット型のケース部;
前記ケース部の内部空間に設けられ、磁場を発生させる磁場発生部;及び
前記ケース部の内部の一方に設けられ、前記磁場発生部を頭蓋の上部の所定位置に固定支持する固定部;
を含むことを特徴とするヘルメット型磁気刺激装置。
【請求項2】
前記ケース部は、
頭蓋骨の上部に所定の距離を離隔して取り付けられる下部ケース部;及び
前記下部ケース部の上部に結合され、内部空間を形成する上部ケース部;
を含むことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット型磁気刺激装置。
【請求項3】
前記下部ケース部は、
頭蓋の上部に所定の距離を離隔して取り付けられる下部ケース;
前記下部ケースの上面に長手方向に立設された冷却ガイド;
前記下部ケースの外郭周囲に突出形成され、前記上部ケース部が結合される結合片;及び
前記下部ケースの下部面に複数が突出形成され、頭皮表面に接触する離隔片;
を含むことを特徴とする請求項2に記載のヘルメット型磁気刺激装置。
【請求項4】
前記磁場発生部は、所定の巻取間隔で離隔した複数段の巻取コイルから構成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘルメット型磁気刺激装置。
【請求項5】
前記巻取コイルの巻取間隔を一定に保つように、前記巻取コイルの下部を支持する間隔保持部をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のヘルメット型磁気刺激装置。
【請求項6】
前記間隔保持部は、
前記ケース部の内部空間に設けられる間隔プレート;
前記間隔プレートの上部面の一方の両端に陥没形成された第1間隔溝;
前記間隔プレートの上部面の他方の両端に陥没形成された第2間隔溝;及び
前記間隔プレートの外郭周囲に外向きに延設された支持片;
を含むことを特徴とする請求項5に記載のヘルメット型磁気刺激装置。
【請求項7】
前記固定部は、
前記ケース部の中央部位に設けられ、前記磁場発生部を頭蓋の中央部位に固定支持する第1固定片;
前記ケース部の前方部位に設けられ、前記磁場発生部を頭蓋の前方部位に固定支持する第2固定片;及び
前記ケース部の後方部位に設けられ、前記磁場発生部を頭蓋の後方部位に固定支持する第3固定片;
の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット型磁気刺激装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘルメット型磁気刺激装置に関し、より詳細には、人体の頭皮又は経頭蓋に磁場を印加し、非侵襲的な治療を行うヘルメット型磁気刺激装置に関する。
【背景技術】
【0002】
経頭蓋磁気刺激(以下、‘TMS’という)は、体外の頭部表面で誘導した局所磁場波動を使用して、脳の特定部位の神経細胞を活性又は抑制する脳刺激術である。TMSの原理は、電磁コイルに強い電気の流れを印加して、数テスラ程度の強度の磁場を発生させることである。このような磁場波動の変動エネルギーを脳に伝達し、コイルの下数cm程度のカテゴリーまでの神経細胞に脱分極を誘導することによって脳を刺激する方法である。
【0003】
TMSは、代表的な非侵襲的な脳刺激術であり、薬物治療及び精神治療によく反応しないうつ病、不眠症、強迫障害、運動障害、認知症及び脳機能障害などへの治療的応用が活発に研究されている。
【0004】
通常、TMSの推奨治療時間は、週5日、1日1回、約20分程度であり、頻度の高い治療が必要である。例えば、1日約20~50分程度の磁気刺激治療を脳卒中や脊髄損傷などの中枢神経疾患に数日間にわたって繰り返し適用した場合、神経可塑性あるいは神経再生と機能回復効果が報告されている。
【0005】
しかし、従来の経頭蓋磁気刺激装置は、移動が不可能な形態であるため、国内の医療市場の状況では、このような治療周期を合わせることは困難である。したがって、家庭で簡単に使用できる小型化されたTMS治療装置に対する導入が必要な状況である。
【0006】
一方、脱毛とは、本来あるべき部位に頭蓋が不足した状態を意味する。このような脱毛は、遺伝的な要因、男性ホルモンの作用、ストレス及び環境汚染など様々な原因によって発生することが知られている。最近、20~30代の若年層及び女性の脱毛患者が増加するにつれて、深刻な社会的問題として浮上しており、脱毛治療装置に対する関心も高まっている。
【0007】
最近、家庭で使用される脱毛治療装置として、治療器の突起にレーザダイオードなどを設置し、頭皮の成長に最適な波長を発生させるヘルメット型治療装置が脚光を浴びている。このようなヘルメット型脱毛治療装置は、レーザ光を頭皮に照射し、光エネルギーが真皮組織と皮下組織に浸透することにより、毛根を含む各種の細胞組織を活性化させる。
【0008】
しかし、このような従来技術は、単にレーザによる光治療のみに依存することにより、治療効果が高くない問題があり、振動療法又は超音波療法を加えて音圧を通じて頭皮の生体組織を活性化し発毛促進及び脱毛予防を図っている。しかし、前記振動又は超音波を並行する方法により頭皮の組織を活性化する方法も、光と振動又は超音波の複合作用が大きくないため、その効果が高くないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような従来の問題点を解消するために案出されたものであり、頭皮又は経頭蓋に磁場を印加するように磁場を発生させる磁場発生部と、磁場発生部から発生する熱を冷却する冷却部を備えるヘルメット型磁気刺激装置を提供することをその目的とする。
【0010】
また、本発明は、ケース部として下部ケース部と上部ケース部を互いに着脱自在に結合し、下部ケースに離隔片を備えることにより、頭皮との隔離距離を一定に保ち、磁場の印加を容易にすると同時に、磁場の印加範囲を広げて磁場発生の設置を容易にすることができるヘルメット型磁気刺激装置を提供することを別の目的とする。
【0011】
さらに、本発明は、磁場発生部を巻取コイルで構成し、ユーザの治療経過に応じて磁場の強度と形態を調節することができ、頭皮組織内の血流を活発に促進させるヘルメット型磁気刺激装置を提供することをさらに別の目的とする。
【0012】
さらに、本発明は、冷却部として冷却ファンと冷却孔をケーシング部の様々な位置に配置することにより、外気の循環を容易にすると同時に、磁場発生部の発熱を効率的に制御して磁場の発熱を冷却する冷却性能を最適化できるヘルメット型磁気刺激装置を提供することをさらに別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するための本発明は、頭蓋神経細胞又は頭皮細胞に磁場を印加し、非侵襲的な治療を提供するヘルメット型磁気刺激装置であって、ヘルメット型のケース部;前記ケース部の内部空間に設けられ、磁場を発生させる磁場発生部;及び前記ケース部の内部の一方に設けられ、前記磁場発生部を頭蓋の上部の所定位置に固定支持する固定部;を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の前記ケース部は、頭蓋骨の上部に所定の距離を離隔して取り付けられる下部ケース部;及び前記下部ケース部の上部に結合され、内部空間を形成する上部ケース部;を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の前記下部ケース部は、頭蓋の上部に所定の距離を離隔して取り付けられる下部ケース;前記下部ケースの上面に長手方向に立設された冷却ガイド;前記下部ケースの外郭周囲に突出形成され、前記上部ケース部が結合される結合片;及び前記下部ケースの下部面に複数が突出形成され、頭皮表面に接触する離隔片;を含むことを特徴とする。
【0016】
本発明の前記磁場発生部は、所定の巻取間隔で離隔した複数段の巻取コイルから構成されていることを特徴とする。本発明の前記巻取コイルの巻取間隔を一定に保つように、前記巻取コイルの下部を支持する間隔保持部をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の前記間隔保持部は、前記ケース部の内部空間に設けられる間隔プレート;前記間隔プレートの上部面の一方の両端に陥没形成された第1間隔溝;前記間隔プレートの上部面の他方の両端に陥没形成された第2間隔溝;及び前記間隔プレートの外郭周囲に外向きに延設された支持片;を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の前記固定部は、前記ケース部の中央部位に設けられ、前記磁場発生部を頭蓋の中央部位に固定支持する第1固定片;前記ケース部の前方部位に設けられ、前記磁場発生部を頭蓋の前方部位に固定支持する第2固定片;及び前記ケース部の後方部位に設けられ、前記磁場発生部を頭蓋の後方部位に固定支持する第3固定片;の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明は、頭皮又は経頭蓋に磁場を印加するように磁場を発生させる磁場発生部と、磁場発生部から発生する熱を冷却する冷却部を備えるヘルメット型磁気刺激装置を提供することにより、ユーザが時間及び空間の制約なしに頭皮又は経頭蓋刺激を行うことができる。
【0020】
また、本発明のヘルメット型磁気刺激装置によれば、磁場発生部が配置された位置で所定の脳神経細胞を刺激することにより、うつ病、不眠症、強迫障害、運動障害、認知症などの脳機能障害の非侵襲的治療が可能である。
【0021】
さらに、本発明のヘルメット型磁気刺激装置によれば、頭皮に磁場を印加するように磁場を発生させる磁場発生部を備えることにより、頭皮の血液循環を円滑にし、頭皮及び毛根を刺激して脱毛を予防し、脱毛を治療することができる。
【0022】
また、ケース部として、下部ケース部と上部ケース部を互いに着脱自在に結合し、下部ケースに離隔片を備えることにより、頭皮との隔離距離を一定に保ち、磁場の印加を容易にすると同時に、磁場の印加範囲を広げて磁場発生の設置を容易にすることができる効果を提供する。
【0023】
さらに、磁場発生部として、複数段の巻取コイルで構成し、巻取間隔を間隔支持部によって均一に支持することにより、磁場の発生を経頭蓋又は頭皮に均一に印加し、磁場の効能を均一に維持することができる効果を提供する。
【0024】
また、ケース部をヘルメット形態で備えることによって、着用を容易にすると同時に、経頭蓋刺激又は脱毛治療を並行して磁場の印加強度及び使用時間を調節し、ユーザカスタマイズ治療を進行できる効果を提供する。
【0025】
さらに、磁場発生部を放熱体として活用して多様に冷却することにより、全体的な組立構造とサイズ及び配置構成を簡略化でき、ヘルメット型磁気刺激装置の製造コストを削減できる効果を提供する。
【0026】
また、巻取コイルを様々なサイズ製作することができ、巻取コイルの配置を最適化し、適所にアレイ状に配列できるため、磁気刺激効率を最大化できる効果を提供する。
【0027】
さらに、冷却部として、冷却ファンと冷却孔をケーシング部の様々な位置に配置することにより、外気の循環を容易にすると同時に、磁場発生部の発熱を効率的に制御して磁場の発熱を冷却する冷却性能を最適化することができる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置を示す構成図である。
【
図2】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置のケース部を示す分解図である。
【
図3】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置を示す分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の固定部を示す詳細図である。
【
図5】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の使用状態を示す状態図である。
【
図6】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第1の設置状態を示す状態図である。
【
図7】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第1の設置状態を示す平面図である。
【
図8】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第2の設置状態を示す状態図である。
【
図9】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第2の設置状態を示す平面図である。
【
図10】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第3の設置状態を示す状態図である。
【
図11】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第3の設置状態を示す平面図である。
【
図12】本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい一実施例をより詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置を示す構成図であり、
図2は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置のケース部を示す分解図であり、
図3は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置を示す分解斜視図であり、
図4は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の固定部を示す詳細図であり、
図5は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の使用状態を示す状態図であり、
図6は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第1の設置状態を示す状態図であり、
図7は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第1の設置状態を示す平面図であり、
図8は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第2の設置状態を示す状態図であり、
図9は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第2の設置状態を示す平面図であり、
図10は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第3の設置状態を示す状態図であり、
図11は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置の磁場発生部の第3の設置状態を示す平面図であり、
図12は、本発明の一実施例によるヘルメット型磁気刺激装置を示す断面図である。
【0031】
図1~
図3に示すように、本実施例によるヘルメット型磁気刺激装置は、ケース部、磁場発生部30、間隔保持部40、固定部50及び冷却部60を含んで構成され、経頭蓋磁気刺激を行うか、又は頭皮に磁場を印加して脱毛を治療するヘルメット型磁気刺激装置である。
【0032】
ケース部は、人体の頭蓋の上部に取り付けられるケース部材であり、人体の頭蓋の上部に所定の距離を離隔して取り付けられる下部ケース部10と、前記下部ケース部10の上部に結合して内部空間を形成する上部ケース部20から構成される。
【0033】
下部ケース部10は、人体の頭蓋の上部に所定の距離を離隔して取り付けられるケース部材であり、下部ケース11、冷却ガイド12、結合片13及び離隔片14から構成される。
【0034】
下部ケース11は、人体の頭蓋の上部に所定の距離を離隔して取り付けられるケース部材であり、人体の頭蓋に接触するように上方に凸状に形成され、人体の頭皮に所定の距離を離隔した状態で取り付けられるケースから構成される。
【0035】
冷却ガイド12は、下部ケース11の上面に長手方向に立設された冷却ガイド部材であり、下部ケース11の上面の両端に前後方の長手方向に立設され、冷却部60により投入される外気を磁場発生部30にガイドする。
【0036】
結合片13は、下部ケース11の外郭周囲に突出形成され、上部ケース部20が結合される結合部材であり、下部ケース11の外郭周囲に沿って突出された止係部材で形成され、上部ケース部20と係合する。
【0037】
離隔片14は、下部ケース11の下部面に複数が突出形成され、人体の頭蓋に接触される離隔部材であり、人体の頭蓋に接触して下部ケース11の下部面との隔離距離を一定に保ち、磁場発生部30と人体の頭蓋との間の隔離距離も一定に保つことができる。
【0038】
上部ケース部20は、
図3~
図4に示すように、下部ケース部10の上部に着脱自在に結合され、下部ケース部10との間に内部空間を形成するケース部材であり、上部ケース21と連結片22から構成される。
【0039】
上部ケース21は、下部ケース11の上部に着脱自在に係合するケース部材であり、下部ケース部10と上部ケース部20との間に磁場発生部30が設けられる内部空間と冷却空間を形成する。
【0040】
連結片22は、上部ケース21の外郭周囲に陥没形成され、上部ケース部20が結合される接続部材であり、上部ケース21の外郭周囲に沿って陥没した係止溝で形成され、下部ケース部10の結合片13と係合する。
【0041】
磁場発生部30は、ケース部の内部空間に設けられ、頭蓋に磁場を印加するように磁場を発生させる磁場発生部材であり、所定の巻取間隔で離隔した複数段の巻取コイルから構成されているか、円筒環状やディスク状に形成されたトランスデューサコイルからなり、ケース部内に位置して磁場を発生させる。
【0042】
また、磁場発生部30の磁場の発生の範囲が1~50Hz及び1~150V/mの電場を有する微細磁場である場合、人体の頭蓋骨には伝達されず、頭皮部と皮下層のみに伝達され、脱毛治療に適している。
【0043】
他にも、うつ病、自閉症、認知症、不眠症など様々な適応症の治療のために、磁場発生部30の磁場発生範囲を調節することができる。
【0044】
このような巻取コイルは、ケース部の内部空間に設けられて磁気を発生させるコイル部材であり、印加される電流を通じてパルス磁場を生成する。このような巻取コイルは、
図2及び
図3に示すように、下部ケース部10の上面に設けられる間隔保持部40を介して離隔され、コイルが円形や楕円形の多段に巻き取られたコイル巻取層から構成される。
【0045】
間隔保持部40は、巻取コイルの巻取間隔を一定に維持するように巻取コイルの下部を支持する間隔保持部材であり、間隔プレート41、第1間隔溝42、第2間隔溝43及び支持片44から構成される。
【0046】
間隔プレート41は、下部ケース部10と上部ケース部20との間の内部空間に設けられるプレート部材であり、下部ケース部10の上面に固定部50を介して固定して設けられている。
【0047】
第1間隔溝42は、間隔プレート41の上部面の一方の両端に等間隔で離隔された複数の間隔溝が陥没形成された間隔保持部材であり、磁場発生部30の巻取コイルの一方の両端が複数の間隔溝にそれぞれ嵌合され、巻取コイルの巻取間隔を一定に維持させる。
【0048】
第2間隔溝43は、間隔プレート41の上部面の他方の両端に等間隔で離隔された複数の間隔溝が陥没形成された間隔保持部材であり、磁場発生部30の巻取コイルの他方の両端が複数の間隔溝にそれぞれ嵌合され、巻取コイルの巻取間隔を一定に維持させる。
【0049】
支持片44は、間隔プレート41の外郭周囲に外向きに延設された支持部材であり、間隔プレート41の前後左右4箇所の外郭部位にそれぞれ延設され、ここに固定部50が嵌合され、間隔プレート41が下部ケース部10に固定支持される。
【0050】
固定部50は、ケース部の内部の一方に設けられ、磁場発生部30を頭蓋の上部の所定位置に固定支持する固定部材であり、
図3及び
図4に示すように、固定片51と分割溝52から構成される。
【0051】
固定片51は、ケース部の内部の一方に設けられ、磁場発生部30を頭蓋の上部の所定位置に固定支持する固定部材であり、
図3及び
図6~
図11に示すように、第1固定片51a、第2固定片51b及び第3固定片51cの少なくとも一方からなり、磁場発生部30の配置状態を多様に変更することができる。
【0052】
第1固定片51aは、下部ケース部10の中央部位に設けられ、磁場発生部30を頭蓋の中央部位に固定支持する固定部材であり、磁場発生部30を経頭蓋又は頭皮の中央部位に位置させ、磁気刺激治療を行うことができる。
【0053】
第2固定片51bは、下部ケース部10の前方部位に設けられ、磁場発生部30を頭蓋の前方部位に固定支持する固定部材であり、磁場発生部30を経頭蓋又は頭皮の前方部位に位置させ、磁気刺激治療を行うことができる。
【0054】
第3固定片51cは、下部ケース部10の後方部位に設けられ、磁場発生部30を頭蓋の後方部位に固定支持する固定部材であり、磁場発生部30を経頭蓋又は頭皮の後方部位に位置させ、磁気刺激治療を行うことができる。
【0055】
分割溝52は、固定片51の上端に分割された分離固定部材であり、間隔保持部40の支持片44に形成された支持孔に結合され、外向きに離隔するように分離され、固定部50と間隔保持部40との間の結合及び着脱を容易にする。
【0056】
冷却部60は、ケース部の内部空間に設けられ、磁場発生部30を冷却するように磁場発生部30に空気を吹き付ける冷却部材であり、冷却ファン61と冷却孔62から構成される。
【0057】
冷却ファン61は、ケース部の一方の部位に設けられ、磁場発生部30に空気を吹き付けて冷却させる冷却部材であり、
図12に示すように、第1冷却ファン61aと第2冷却ファン61bの少なくとも一方から構成される。
【0058】
第1冷却ファン61aは、ケース部の一方部の位に設けられ、磁場発生部30に空気を吹き付けて冷却させる冷却部材であり、ケース部の前方に設けられ、ケース部の前方から内部に空気を吹き付けて磁場発生部30の発熱を冷却する。
【0059】
第2冷却ファン61bは、ケース部の他方の部位に設けられ、磁場発生部30に空気を吹き付けて冷却させる冷却部材であり、ケース部の後方や上方に設けられ、ケース部の後方や上方から内部に空気を吹き付けて磁場発生部30の発熱を冷却する。
【0060】
冷却孔62は、ケース部の一方の部位に貫通形成され、ケース部の内部空間に外気を投入するか、内部から排出させるように開放形成された冷却部材であり、第1冷却孔と第2冷却孔の少なくとも一方から構成される。
【0061】
第1冷却孔は、ケース部の前方に貫通形成された冷却孔であり、ケース部の前方から内部に外気を投入するか、内部から前方に排出して磁場発生部30の発熱を冷却する。
【0062】
第2冷却孔は、ケース部の後方や上方に貫通形成された冷却孔であり、ケース部の後方や上方から内部に外気を投入するか、内部から後方や上方に排出して磁場発生部30の発熱を冷却する。
【0063】
以上説明した本発明は、その技術的思想又は主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形態で実施することができる。したがって、上記実施例は、すべての点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈されるべきではない。
【国際調査報告】