(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】水門
(51)【国際特許分類】
E02B 7/44 20060101AFI20250117BHJP
【FI】
E02B7/44
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543587
(86)(22)【出願日】2023-01-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 KR2023001080
(87)【国際公開番号】W WO2023140714
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0009609
(32)【優先日】2022-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524276123
【氏名又は名称】イ、ミスク
【氏名又は名称原語表記】LEE,Misuk
【住所又は居所原語表記】7-9,Meonugeum-ro 252beon-gil,Yeonsu-gu,Incheon 21925,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミスク
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ヌリ
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソリ
(57)【要約】
水が入れられる貯水部の側壁に形成される排出口を開閉して前記退水および貯水部の水位を調節するための水門であって、前記貯水部の側壁のうち前記排出口の上に結合されるヒンジ部と、前記ヒンジ部と結合して前記ヒンジ部を中心に上下に回転するフラップゲートであって、下方に回転して前記貯水部の側壁と重なると前記排出口を閉鎖し、上方に回転すれば前記排出口が開放されるようにするフラップゲートと、前記フラップゲートが水平であるとき前記フラップゲートの上方を向く面に結合される扇状の引き紐プーリーと、前記貯水部の上に設置される引き紐引き揚げ手段および一方の末端は前記引き紐引き揚げ手段と連結され他の一方の末端は前記フラップゲートと結合される引き紐であって、前記フラップゲートに付着されている扇状の引き紐プーリーを利用垂直の引き揚げ手段による水平運動を回転運動に変換して前記フラップゲートが前記排出口を閉鎖するように動く前記引き紐プーリーの外周面に前記引き紐の一部が巻かれる引き紐を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水が入れられる貯水部の側壁(1)に形成される排出口(2)を開閉するための水門であって、
前記貯水部の側壁(1)のうち前記排出口(2)の上に結合されるヒンジ部(10);
前記ヒンジ部(10)と結合して前記ヒンジ部(10)を中心に上下に回転するフラップゲート(20)であって、下方に回転して前記貯水部の側壁(1)と重なると前記排出口(2)を閉鎖し、上方に回転すれば前記排出口(2)が開放されるようにするフラップゲート(20);
前記フラップゲート(20)が水平であるとき前記フラップゲート(20)の上方を向く面に結合される扇状の引き紐プーリー(30);
前記貯水部の上に設置される引き紐引き揚げ手段(50);および、
一方の末端は前記引き紐引き揚げ手段(50)と連結され他の一方の末端は前記フラップゲート(20)と結合される引き紐(40)であって、前記フラップゲート(20)が前記排出口(2)を閉鎖するように動けば前記引き紐プーリー(30)の外周面に前記引き紐(40)の一部が巻かれる引き紐(40);を含む
ことを特徴とする水門。
【請求項2】
前記引き紐(40)は、ワイヤまたはチェーンである
請求項1に記載の水門。
【請求項3】
前記フラップゲート(20)は、前記引き紐プーリー(30)が前記貯水部の側壁(1)と接触するまで上方に回転可能に構成される
請求項1または請求項2に記載の水門。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水門に関し、さらに詳しくは、ヒンジ軸を中心に回動する方式で開閉される開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の水門としてはスライディングしながら開閉されるものがあり、このような水門の場合にはスライディングのための構造物が装着される。
【0003】
しかし、このようなスライディング方式の従来の水門は密閉が難しく、スライディング構造物およびゲートに異物が固着されるなどの故障または漏水が発生する問題点がある。
【0004】
また、従来のフラップゲート(FLAP GATE)方式の水門があるが、このような水門の場合、フラップゲートの開閉のために複雑な構造物または油圧装置が必要である。
【0005】
しかし、このような既存のフラップゲート開閉方法は複雑な構造物が必要であり、駆動のために油圧利用時に油の流出および故障などの危険性があるという短所がある。
【0006】
また、既存の浄水場の沈澱池退水バルブはスライディング方式の構造であって、スラリーの流動がないため貯水槽の底に砂またはスラリーの固着による詰まりなどが発生する短所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-1355949号
【特許文献2】大韓民国登録特許第10-1252187号
【特許文献3】大韓民国登録実用新案第20-0405533号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、本発明は水門が開放される時に沈殿された砂またはスラリーなどに流動を与えることにより破砕してスラリーの除去を円滑にして排出を容易にできる装置であり、既存に別途に沈澱池などで使っている破砕装置が不要であり、構造が単純で水圧を利用した優秀な密閉力で漏水がないので資源の浪費がなく、エネルギーを節減でき、維持管理が容易な装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような前記目的を達成するための本発明に係る水門は、水が入れられる貯水部の形成される排出口を開閉して前記貯水部の退水および止水を確実にする装置であって、前記貯水部の側壁のうち前記排出口の上に結合されるヒンジ部と、前記ヒンジ部と結合して前記ヒンジ部を中心に上下に回転するフラップゲートであって、下方に回転して前記貯水部の側壁と重なると前記排出口を閉鎖し、上方に回転すれば前記排出口が開放されるようにするフラップゲートと、前記フラップゲートに付着されている扇状の引き紐プーリーを利用する垂直の引き揚げ手段によって水平運動を回転運動に変換して排出口を開閉できる装置として前記フラップゲートに結合される扇状の引き紐プーリーと、前記貯水部の上に設置される引き紐引き揚げ手段および一方の末端は前記引き紐揚げ手段と連結され他の一方の末端は前記フラップゲートと結合される構造として前記フラップゲートが前記排出口を開閉するように動く前記引き紐プーリーの外周面に前記引き紐の一部が巻かれる引き紐を含む。
【0010】
また、前記引き紐はワイヤまたは水深が深い重荷重がかかる設備にはチェーンを使うことが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上で詳察したように、本発明に係る水門によると、貯水部の水による水圧の作用により従来のスライディング構造の水門に比べて確実な密閉力で漏水がない長所があるため、資源の浪費がなく、エネルギーを節減でき、スライディング構造の構造物に異物が固着して発生する問題点が解消されるという長所がある。
【0012】
また、本発明による水門は油圧装置などの複雑な構造物が不要であるため、故障の危険が少ないという長所がある。
【0013】
また、本発明による水門は貯水部の下部に積もった砂またはスラリーをフラップゲートが内側に掻き回しながら開放されるため、貯水部に沈殿された砂またはスラリーを押しながら流動および亀裂を発生させて砂またはスラリーをよく排出させることができ、また、水をよく排出され得るようにする効果があるため、別途の破砕装置が不要であるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明による水門によってフラップゲートが閉鎖された状態を示した側面図である。
【
図2】本発明による水門によってフラップゲートが開放された状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の具体的な実施例を添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1および
図2は本発明による水門を示した構成図であって、
図1は排出口2が閉鎖された状態を示し、
図2は本発明による水門のフラップゲート20により排出口2が開放された状態を示したものである。
【0017】
本発明による水門はヒンジ部10、フラップゲート20、引き紐プーリー30、引き紐40および引き紐引き揚げ手段50を含んで構成される。
【0018】
貯水部は水が入れられる空間を有する構造を意味し、浄水場沈澱池、濾過池、排出水池などがあり、ダム、水路、水耕栽培、畑など、水を閉じ込めて必要に応じて排出する構造物をすべて含む概念であり得る。
【0019】
貯水部の側壁1はその下部に水が抜けられるようにする排出口2が形成された垂直になされた壁体であって、排出口2は貯水部から水が抜ける通路である排水路3の入口の役割をする。
【0020】
ヒンジ部10はフラップゲート20の回転のための軸であり、ヒンジ部10は貯水部の側壁1のうち排出口2より上側にある部分に固定設置される。
【0021】
フラップゲート20はヒンジ部10と結合してヒンジ部10を中心に上下に回転され、下方に回転して貯水部の側壁1と重なると排出口2を閉鎖し、上方に回転すれば排出口2が開放されるようにする。
【0022】
引き紐プーリー30はフラップゲート20の両面のうちフラップゲート20が排出口2を防いだ状態である時を基準として排出口2を向く面と反対側の面に結合される扇状の構造物であって、引き紐プーリー30の外周面には引き紐40が挿入されて引き紐40の移動を案内できるようにするための案内溝またはチェーンギヤなどで形成される。
【0023】
図1および
図2に図示されたように、引き紐プーリー30はフラップゲート20が閉鎖された状態の時、扇状の引き紐プーリー30の円弧部分が下方に向かうように構成されることによって、フラップゲート20が閉鎖された状態の時に引き紐40の一部が引き紐プーリー30の案内溝に挿入されて引き紐40の下端部が引き紐プーリー30の外周面に巻かれた状態となるように構成される。
【0024】
引き紐40は通常的にワイヤを採択する。しかし、水位が深い場合にはワイヤでは強度が不充分であり得るため、この場合にはチェーンなどを選択してもよい。引き紐40をチェーンにする場合には引き紐プーリー30はチェーンギヤで構成する。
【0025】
引き紐引き揚げ手段50としては、既存の設備に使っている空圧シリンダまたはアクチュエータを使うことができ、場合によりウィンチを使うことができる。
【0026】
前記のように構成された本発明による水門の作用を説明すると、次の通りである。
【0027】
図1はフラップゲート20が下方に回動されて貯水部の側壁1と重なっている状態であって、排出口2がフラップゲート20により閉鎖される。この時、貯水部に含まれた水の圧力がフラップゲート20を押すことによってフラップゲート20の密閉力が大幅に向上して確実な密閉力が発生する。
【0028】
このように排出口2が閉鎖された状態で雨が降ったり水が流入する場合、貯水部の水位が高くなって水を排出しなければならない必要が発生したり、貯水部に積もったスラリーを排出させるために排水路3を通じて送りだす必要が発生したりもする。
【0029】
この場合、
図2に図示されたように、引き紐引き揚げ手段50を作動させて引き紐40が上に引っ張られると、引き紐40が引き紐プーリー30を上に持ち上げることになって引き紐プーリー30およびこれと一体に結合されたフラップゲート20が上方に回転することになる。
【0030】
これにより、フラップゲート20が防いでいる排出口2が開放されることになって貯水部内の水が排出口2および排水路3を通じて排出されることになる。
【0031】
ただし、フラップゲート20は持ち上げられる時に貯水部の底に沈殿されている砂とスラッジを持ち上げ、流動を与えながら水が通過できる隙間を作る役割もするので、沈殿物と水がよく排出され得るようにすることができる。
【0032】
以上の説明でのように、本発明は好ましい具体的な例に対してのみ記述したが、前記具体的な例に基づいた本発明の技術思想範囲内での多様な変形および修正が可能であることは当業者にとって明白なものであり、また、このような変形および修正が添付された請求の範囲に属することは当然のものである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
液体を淡水している下部に水門を設置して排出するための機構である。
既存のスライディングゲートの取り替えなど、完全密閉でエネルギーの節減および適切な数量を確保寄与することによって代替の需要が予想される。
【国際調査報告】