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特表2025-502502血液シールドを有するカテーテルシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】血液シールドを有するカテーテルシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20250117BHJP
   A61M 5/158 20060101ALI20250117BHJP
   A61M 39/24 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A61M25/06 512
A61M5/158 500Z
A61M39/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543872
(86)(22)【出願日】2023-01-10
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 US2023010499
(87)【国際公開番号】W WO2023141039
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】63/302,441
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/094,763
(32)【優先日】2023-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バラージ カナン
(72)【発明者】
【氏名】サクティヴェル カーティケヤン
(72)【発明者】
【氏名】ディーパン ヴィカシュ
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066FF04
4C066QQ15
4C267AA24
4C267BB04
4C267BB33
4C267BB39
4C267BB40
4C267CC08
4C267EE01
4C267GG02
4C267HH09
(57)【要約】
カテーテルシステムは、カテーテルハブ内に固定された血液シールドを含んでもよい。血液シールドは、末端端部、基端端部、末端端部と基端端部を通って延びる血液シールド内腔、および血液シールド内腔を形成する内壁を含んでもよい。内壁は、狭くされた内径部分またはシールドバンプを含んでもよい。カテーテルシステムは、鋭利な末端先端と針バンプを有する導入針を含んでもよい。導入針は、カテーテルおよび血液シールドを通って延びてもよい。導入針の基端側への引き込みに応答して、針バンプは、狭くされた内径部分またはシールドバンプに接触して、血液シールドをカテーテルハブから基端に引き出すように構成されてもよい。鋭利な末端先端は、針バンプが狭くされた内径部分またはシールドバンプに接触したときに、血液シールド内に配置されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルシステムが、
カテーテルハブであって、末端端部、基端端部、および前記カテーテルハブの前記末端端部と前記カテーテルハブの前記基端端部を通って延びるカテーテルハブ内腔を備える、カテーテルハブ、
前記カテーテルハブの前記末端端部から末端に延びるカテーテル、
前記カテーテルハブ内腔内に固定された血液シールドであって、前記血液シールドが、末端端部、基端端部、前記血液シールドの前記末端端部と前記血液シールドの前記基端端部を通って延びる血液シールド内腔、および前記血液シールド内腔を形成する内壁を備え、前記内壁がシールドバンプを備える、血液シールド、および
鋭利な末端先端と針バンプとを備える導入針であって、前記導入針が前記カテーテルと前記血液シールドを通って延び、前記導入針の基端への引き込みに応答して、前記針バンプが前記シールドバンプに接触して前記血液シールドを前記カテーテルハブの前記基端端部から基端に引き出すように構成され、前記針バンプが前記シールドバンプに接触するとき前記鋭利な末端先端が前記血液シールド内に配置される、導入針、
を備える、カテーテルシステム。
【請求項2】
前記導入針が、前記針バンプに対して基端にノッチを備え、前記針バンプがシールドバンプに接触するとき前記ノッチが前記血液シールド内に配置される、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項3】
前記カテーテルハブ内腔内に配置されたセプタム、および前記カテーテルハブ内腔内に配置されて前記セプタムを開くように構成されたセプタムアクチュエータをさらに備え、前記血液シールドの少なくとも一部が前記セプタムアクチュエータ内に配置されている、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項4】
前記血液シールドの前記末端端部が、前記セプタムアクチュエータの内表面と干渉嵌め合いで配置される、請求項3に記載のカテーテルシステム。
【請求項5】
前記血液シールドの前記末端端部が傾いている、請求項4に記載のカテーテルシステム。
【請求項6】
前記シールドバンプが環状である、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項7】
バレルを備えるハウジング、
前記導入針に連結されて前記バレル内に移動可能に配置された針ハブ、
前記ハウジング内に配置されたバネ、および
押しボタンであって、前記押しボタンの押下に応答して、前記バネが、基端に拡張して前記バレル内で前記針ハブを基端に移動させて前記導入針を基端に引き込むように構成されている、押しボタン、
をさらに備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項8】
前記針ハブの一部が前記カテーテルハブ内に配置され、前記血液シールドの基端端部が前記針ハブの前記一部内に配置される、請求項7に記載のカテーテルシステム。
【請求項9】
前記血液シールドの前記内壁が、前記シールドバンプに対して末端の末端シリンダ形状部と前記シールドバンプに対して基端の基端シリンダ形状部をさらに備える、請求項1に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記針バンプが前記シールドバンプに接触するとき、前記鋭利な末端先端が前記基端シリンダ形状部内に配置される、請求項9に記載のカテーテルシステム。
【請求項11】
前記導入針は、前記針バンプに対して基端にノッチを備え、前記ノッチは、前記針バンプが前記シールドバンプに接触するとき、前記基端シリンダ形状部内に配置される、請求項9に記載のカテーテルシステム。
【請求項12】
カテーテルシステムが、
カテーテルハブであって、末端端部、基端端部、および前記カテーテルハブの前記末端端部と前記カテーテルハブの前記基端端部を通って延びるカテーテルハブ内腔を備える、カテーテルハブ、
前記カテーテルハブの前記末端端部から末端に延びるカテーテル、
前記カテーテルハブ内腔内に固定された血液シールドであって、前記血液シールドが、末端端部、基端端部、前記血液シールドの前記末端端部と前記血液シールドの前記基端端部を通って延びる血液シールド内腔、および前記血液シールド内腔を形成する内壁を備え、前記内壁が、狭くされた内径部分を備える、血液シールド、
前記血液シールドの前記基端端部内に配置されたセプタム、
鋭利な末端先端と針バンプを備える導入針であって、前記導入針が前記カテーテルと前記血液シールドを通って延びていて、前記導入針の基端への引き込みに応答して、前記針バンプが、前記狭くされた内径部分に接触して前記血液シールドを前記カテーテルハブの前記基端端部から基端に引き出すように構成され、前記針バンプが前記狭くされた内径部分に接触するとき、前記鋭利な末端先端が前記血液シールド内に配置される、導入針、
を備える、カテーテルシステム。
【請求項13】
前記セプタムが、前記血液シールドの前記内壁と干渉嵌め合いして前記セプタムを前記血液シールド内腔内に固定する、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項14】
前記セプタムが、前記セプタムを通って延びていて前記セプタムの外縁から間隔をあけられた複数の通気孔を備え、空気が、前記導入針、前記複数の通気孔、および前記血液シールドを通って基端に移動するように構成されている、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項15】
前記セプタムが、前記導入針を通して受容するように構成されたスリットをさらに備える、請求項14に記載のカテーテルシステム。
【請求項16】
前記複数の通気孔が対称パターンで配置され、前記スリットが前記対称パターンの中心に配置される、請求項15に記載のカテーテルシステム。
【請求項17】
前記セプタムの外縁が、空気が前記セプタムと前記カテーテルハブの前記内壁との間を通過することを可能にする複数の通気孔を備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項18】
前記血液シールドの前記内壁が環状突起を備え、前記セプタムの外表面が環状凹部を備え、前記環状突起が前記環状凹部内に配置される、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項19】
前記狭くされた内径部分がシールドバンプを備え、前記血液シールドの前記基端端部が環状フランジを備え、前記環状フランジが、空気が前記セプタムと前記カテーテルハブの前記内壁との間を通過することを可能にするように構成された複数の通気孔を備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【請求項20】
前記血液シールドの前記内壁が環状突起を備え、前記環状突起が、空気が前記血液シールドを通過することを可能にするように構成された複数の通孔スロットを備える、請求項12に記載のカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一般的なタイプのカテーテルシステムには、オーバーザニードルである末梢静脈カテーテル(「PIVC」)が含まれる。その名称が示すように、オーバーザニードルであるPIVCは、鋭利な末端先端を有する導入針上に載置されることがある。カテーテルシステムは、カテーテルハブ、カテーテルハブから末端に延びるPIVC、およびPIVCを貫通して延びる導入針を含むことがある。PIVCと導入針は、皮膚への挿入の直前に患者の皮膚から離れる方向に針のベベルを上向きにした状態で、導入針の末端先端がPIVCの末端先端を越えて延びるように組み立てられることがある。PIVCと導入針は一般に、皮膚から患者の血管系に浅い角度で挿入される。
【0002】
導入針および/またはPIVCの血管内への適切な配置を確認するために、施術者はカテーテルシステムのフラッシュバックチャンバ内で血液のフラッシュバックがあることを確認することがある。場合によっては、血液が導入針に入り、導入針のフラッシュバックノッチから出てフラッシュバック室に到達し、そこで血液が施術者に視認可能であることがある。導入針の配置が血液の観察によって確認されると、施術者は導入針に沿ってカテーテルをさらに進め、カテーテルハブと針ハウジングの間に空間を形成することがある。施術者は導入針をカテーテルシステムから抜去し、PIVCを将来の血液抜去または輸液のために血管内の所定の位置に残すことがある。導入針がカテーテルシステムから取り外されると、カテーテルハブと針ハウジングの間の空間ゆえに、フラッシュバックノッチまたは鋭利な末端先端からの血液が飛散することがある。血液の飛散は、施術者および/または患者を危険にさらす。
【0003】
ここで請求される主題は、いかなる欠点をも解決する実施形態に限定されるものではなく、上述のような環境でのみ動作するものでもない。むしろ、この背景は、ここに記載されるいくつかの実施態様が実施され得る一例の技術領域を説明するために提供されるに過ぎない。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、概して、血管アクセス装置に関する。より詳細には、いくつかの実施形態において、本開示は、導入針をシールドするように構成されたカテーテルアセンブリに関する。実施形態の第1のセットでは、カテーテルシステムは、カテーテルハブを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、およびカテーテルハブの末端端部およびカテーテルハブの基端端部を通って延びるカテーテルハブ内腔を含んでもよい。カテーテルは、カテーテルハブの末端端部から末端に延びてもよい。
【0005】
カテーテルシステムは、カテーテルハブ内腔内に固定された血液シールドを含んでもよい。血液シールドは、末端端部、基端端部、血液シールドの末端端部と血液シールドの基端端部を通って延びる血液シールド内腔、および血液シールド内腔を形成する内壁を含んでもよい。内壁は、シールドバンプを含んでもよく、これは環状であってもよい。
【0006】
カテーテルシステムは、導入針を含んでもよく、これは鋭利な末端先端および針バンプを含んでもよい。導入針は、カテーテルと血液シールドを貫通して延びてもよい。導入針の基端への引き込みに応答して、針バンプは、シールドバンプに接触して血液シールドをカテーテルハブの基端端部から基端に引き出すように構成されてもよい。鋭利な末端先端は、針バンプがシールドバンプに接触するとき、血液シールド内に配置されてもよい。導入針は、針バンプに対して基端にノッチを含んでいてもよい。ノッチは、針バンプがシールドバンプに接触したときに血液シールド内に配置されてもよい。
【0007】
カテーテルシステムは、カテーテルハブ内腔内に配置されたセプタムを含んでもよい。カテーテルシステムは、カテーテルハブ内腔内に配置されてセプタムを開くように構成されたセプタムアクチュエータを含んでもよい。血液シールドの少なくとも一部は、セプタムアクチュエータ内に配置されてもよい。血液シールドの末端端部は、セプタムアクチュエータの内表面と干渉嵌め合いするように配置されてもよい。血液シールドの末端端部は傾いていてもよい。
【0008】
カテーテルシステムはハウジングを含んでもよく、これはバレルを含んでもよい。カテーテルシステムは、導入針に結合されてバレル内に移動可能に配置された針ハブを含んでもよい。カテーテルシステムは、ハウジング内に配置されたバネを含んでもよい。カテーテルシステムは押しボタンを含んでもよい。押しボタンの押下に応答して、バネは基端に拡張してバレル内で針ハブを基端に移動させて導入針を基端に引き込むように構成されてもよい。
【0009】
針ハブの一部がカテーテルハブ内に配置されてもよい。血液シールドの基端端部が針ハブの一部内に配置されてもよい。血液シールドの内壁は、シールドバンプに対して末端にある末端シリンダ形状部と、シールドバンプの基端にある基端シリンダ形状部とを含んでもよい。鋭利な末端先端は、針バンプがシールドバンプに接触したときに、基端シリンダ形状部内に配置されてもよい。導入針は、針バンプに対して基端にノッチを含んでもよい。ノッチは、針バンプがシールドバンプに接触したときに、基端シリンダ形状部内に配置されてもよい。
【0010】
実施形態の第2のセットにおいて、カテーテルシステムは、カテーテルハブを含んでもよく、これは末端端部、基端端部、およびカテーテルハブの末端端部とカテーテルハブの基端端部とを通って延びるカテーテルハブ内腔を含んでもよい。カテーテルシステムは、カテーテルの末端端部から末端に延びるカテーテルを含んでもよい。カテーテルシステムは、カテーテルハブ内腔内に固定された血液シールドを含んでもよい。血液シールドは、末端端部、基端端部、血液シールドの末端端部と血液シールドの基端端部を通って延びる血液シールド内腔、および血液シールド内腔を形成する内壁とを含んでもよい。内壁は、狭くされた内径部分を含んでもよい。
【0011】
カテーテルシステムは、血液シールドの基端端部内に配置されたセプタムを含んでもよい。セプタムは、血液シールドの内壁と干渉嵌め合い状態にあって、血液シールド内腔内にセプタムを固定してもよい。カテーテルシステムは、導入針を含んでもよく、これは鋭利な末端先端部と針バンプを含んでもよい。導入針は、カテーテルと血液シールドを通って延びてもよい。導入針の基端への引き込みに応答して、針バンプは狭くされた内径部分に接触して血液シールドをカテーテルハブの基端端部から基端に引き出すように構成されてもよい。鋭利な末端先端は、針バンプが狭くされた内径部分に接触したときに血液シールド内に配置されてもよい。
【0012】
セプタムは、セプタムを貫って延びてセプタムの外縁から間隔をあけられた複数の通気孔を含んでもよい。空気は、導入針、通気孔、および血液シールドを通って基端に移動するように構成されてもよい。セプタムは、導入針を通して受け入れるように構成されたスリットを含んでもよい。通気孔は対称パターンで配置されてもよく、スリットは対称パターンの中心に配置されてもよい。
【0013】
セプタムの外縁は、通気孔を含んで、空気がセプタムとカテーテルハブの内壁との間を通過することを可能にしてもよい。血液シールドの内壁は、環状突起を含んでもよい。セプタムの外表面は環状凹部を含んでいてもよい。環状突起は環状凹部内に配置されてもよい。
【0014】
狭くされた内径部分は、シールドバンプを含んでもよい。血液シールドの基端端部は、環状フランジを含んでもよい。環状フランジは、セプタムとカテーテルハブの内壁との間を空気が通過することを可能にするように構成された複数の通気孔を含んでもよい。血液シールドの内壁は環状突起を含んでもよい。環状突起は、空気が血液シールドを通過することを可能にするように構成された複数の通気孔スロットを含んでもよい。
【0015】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、いずれも例示および説明であり、特許請求の範囲に記載された本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に図示された配置および器具に限定されないことを理解されたい。また、実施形態が組み合わされてもよく、または他の実施形態が利用されてもよく、構造的な変更が、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて、さらに具体的かつ詳細に説明される。
【0017】
図1図1は、先行技術のカテーテルシステムの上方透視図である。
図2図2は、先行技術のカテーテルシステムの別の上方透視図である。
図3図3は、いくつかの実施形態による例示的なカテーテルハブの部分切断図である。
図4図4は、いくつかの実施形態による、カテーテルハブを含む例示的なカテーテルシステムの上方透視図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、例示的な血液シールドの上方斜視図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、図5Aの血液シールドの末端端部図である。
図5C図5Cは、いくつかの実施形態による、図5Aの血液シールドの断面図である。
図6図6は、いくつかの実施形態による、カテーテルハブの断面図である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、例示的なセプタムアクチュエータと干渉嵌め合いした図5Aの血液シールドの例示的な末端端部の拡大断面図である。
図8A図8Aは、いくつかの実施形態による、例示的な導入針の上方斜視図である。
図8B図8Bは、いくつかの実施形態による、図5Aの血液シールド内の導入針と、例示的なシールドバンプに接触する例示的な針バンプの断面図である。
図8C図8Cは、いくつかの実施形態による、図4のカテーテルシステムが準備位置にあるときに例示的なカテーテル内に配置された導入針の断面図である。
図9図9は、いくつかの実施形態による、準備位置にある図4のカテーテルシステムの断面図である。
図10図10は、いくつかの実施形態による、導入針に沿って末端に前進されたカテーテルハブを示す、図4のカテーテルシステムの断面図である。
図11図11は、いくつかの実施形態による、導入針が部分的に引き込められた状態を示す、図4のカテーテルシステムの断面図である。
図12図12は、いくつかの実施形態による、針バンプがシールドバンプに接触する位置まで図11からさらに引き込められた導入針を示す、図4のカテーテルシステムの断面図である。
図13図13は、いくつかの実施形態による、図12からさらに引き込められた導入針を示す、図4のカテーテルシステムの断面図である。
図14図14は、いくつかの実施形態による、針バンプがシールドバンプに接触するシールド位置にある血液シールドおよび導入針の上方斜視図である。
図15図15は、いくつかの実施形態による、図13からさらに引き込められた導入針を示す、図4のカテーテルシステムの断面図である。
図16図16は、いくつかの実施形態による、図5Aの血液シールドを形成するために使用されてもよい例示的な金型の断面図である。
図17A図17Aは、いくつかの実施形態による、内部の導入針を示す、別の例示的な血液シールドの上方斜視図である。
図17B図17Bは、いくつかの実施形態による、内部の導入針を示す、図17Aの血液シールドの別の上方斜視図である。
図17C図17Cは、いくつかの実施形態による、図17Aの血液シールドの断面図である。
図17D図17Dは、いくつかの実施形態による、例示的なセプタムの末端端部図である。
図17E図17Eは、いくつかの実施形態による、例示目的のためにセプタムが除去された図17Aの血液シールドの上方斜視図である。
図17F図17Fは、いくつかの実施形態による、例示の目的でセプタムが除去された図17Aの血液シールドの例示の末端端部の断面図である。
図17G図17Gは、いくつかの実施形態による、例示の通気孔を示す、図17Aの血液シールド装置の別の上方斜視図である。
図18A図18Aは、いくつかの実施形態による、図17Aの血液シールドを含む例示的なカテーテルシステムの断面図である。
図18B図18Bは、いくつかの実施形態による、図18Aのカテーテルシステムの断面図である。
図19A図19Aは、いくつかの実施形態による、図18Aのカテーテルシステムの断面図である。
図19B図19Bは、いくつかの実施形態による、図18Aのカテーテルシステムの断面図である。
図19C図19Cは、いくつかの実施形態による、図18Aのカテーテルシステムの断面図である。
図20A図20Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的な血液シールドの上方斜視図である。
図20B図20Bは、いくつかの実施形態による、図20Aの血液シールドの断面図である。
図21A図21Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的な血液シールドの上方斜視図である。
図21B図21Bは、いくつかの実施形態による、図20Aの血液シールドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで図1A~1Bを参照すると、先行技術のカテーテルシステム10が図示されている。先行技術のカテーテルシステム10は、針アセンブリ14に結合されたカテーテルアセンブリ12を含む。カテーテルアセンブリ12は、カテーテルハブ18の末端端部から末端に延びるカテーテル16を含む。針アセンブリ14は、カテーテル16を通って延びる導入針20を含んでいて、患者の静脈を通してのカテーテル16の挿入を容易にする。
【0019】
針アセンブリ14は、押しボタン22が押されたときまたは押下されたときに、導入針20を針アセンブリ14のバレル24内に引き込むように構成された押しボタン22を含む。押しボタン22を含んでもよいカテーテルアセンブリの例は、ニュージャージー州フランクリンレイクのベクトン・ディッキンソン社から入手可能なBD INSYTE(商標)AUTOGUARD(商標)シールドIVカテーテル、BD INSYTE(商標)AUTOGUARD(商標)BCシールドIVカテーテル、およびアキュキャスACE(商標)血管内カテーテルである。押しボタン22を含んでもよいカテーテルアセンブリのもう1つの例は、カリフォルニア州サンクレメンテのICU Medical社から入手可能なSUPERCATH(商標)5安全IVカテーテルである。
【0020】
押しボタン22と、導入針20の引き込みは、針刺し損傷の軽減に役立つ。場合によっては、カテーテル16が静脈内に入って血液のフラッシュバックが観察された後、カテーテル16は導入針20に対して末端に前進されさらに静脈内に入れられて、図2に図示したように、カテーテルハブ18と針アセンブリ14との間に空間を形成してもよい。残念ながら、場合によっては、カテーテルハブ18と針アセンブリ14が離間された状態で施術者が押しボタン22を作動させると、導入針20からの血液が慣性によって飛散して、施術者および/または患者を危険にさらすことがある。
【0021】
次に図3~8を参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム30は、施術者に向かう血液の飛散または放出の危険性を低減してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム30は、カテーテルハブ32を含んでもよく、これは末端端部34、基端端部36、およびカテーテルハブ32の末端端部34とカテーテルハブ32の基端端部36を通って延びるカテーテルハブ内腔38を含んでもよい。一部の実施形態では、カテーテル40がカテーテルハブ32の末端端部から末端に延びてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル40は末梢静脈カテーテル、正中線カテーテル、または末梢挿入型中心カテーテルを含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム30は、カテーテルハブ内腔38内に固定された血液シールド42を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液シールド42は、末端端部44、基端端部46、血液シールド42の末端端部44と血液シールド42の基端端部46を通って延びる血液シールド内腔48、および血液シールド内腔48を形成する内壁50を含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム30は、カテーテルハブ内腔38内に配置されたセプタム52を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム30は、カテーテルハブ内腔38内に配置されてセプタム52を開くように構成されたセプタムアクチュエータ54を含んでもよい。一部の実施形態では、セプタム52は、カテーテルハブ32の内壁50と干渉嵌め合い状態にあってセプタム52をカテーテルハブ内腔38内に固定してもよい。一部の実施形態では、血液シールド42がカテーテルハブ18から取り外された後、雄ルアーがカテーテルハブ18の基端端部36内に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、雄ルアーは、セプタムアクチュエータ54に接触して、セプタムアクチュエータ54を末端にセプタム52を通って移動させてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、血液シールド42の少なくとも一部がセプタムアクチュエータ54内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、血液シールド42の末端端部44は、例えば図7に図示されているように、セプタムアクチュエータ54の内表面56と干渉嵌め合いで配置されてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、血液シールド42の末端端部44の外径は、セプタムアクチュエータ54の内径よりもわずかに大きく、血液シールド42の末端端部44がセプタムアクチュエータ54内にぴったりと嵌まるようになっていてもよい。一部の実施形態では、セプタムアクチュエータ54の内表面56と血液シールド42の末端端部44との間の干渉嵌め合いが、血液シールド42をカテーテルハブ内腔38内に固定してもよい。一部の実施形態では、血液シールド42の末端端部44は、傾けられてもよく、これがセプタムアクチュエータ54の内プロファイルと一致してセプタムアクチュエータ54内での末端端部44の固定を容易にしてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、内壁50はシールドバンプ58を含んでもよく、これは突起を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液シールド42は、樽形状または全体としてシリンダ形状であってもよい。いくつかの実施形態では、血液シールド42の内壁50は、シールドバンプ58に対して末端にある末端シリンダ形状部60と、シールドバンプ58に対して基端にある基端シリンダ形状部62とをさらに含んでもよい。
【0026】
図8Cに示されているように、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム30は、導入針64を含んでもよく、これは鋭利な末端先端66と針バンプ68を含んでもよい。いくつかの実施形態では、導入針64は、カテーテルシステム30が患者の静脈内への挿入のための準備が整った準備位置にあるときに、カテーテル40および血液シールド42を通って延びてもよい。図8Bに示されるように、いくつかの実施形態では、導入針64の基端への引き込みに応答して、針バンプ68は、シールドバンプ58に接触して血液シールド42をカテーテルハブ32の基端端部36から基端に引き出すように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、針バンプ68がシールドバンプ58に接触したときに、鋭利な末端先端部66が血液シールド42内に配置されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、導入針64は、針バンプ68に対して基端にノッチ70を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ノッチ70は、針の内部の内腔から導入針64の外部への流体経路を提供してカテーテルシステムが準備位置にあるときにカテーテル40内に配置されるフラッシュバックノッチを含んでもよい。一部の実施形態では、ノッチ70は、針バンプ68がシールドバンプ58に接触したときに血液シールド42内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、シールドバンプ58および/または針バンプ68は環状であってもよく、これは導入針64が基端に引き込まれる際に針バンプ68のシールドバンプ58へのキャッチを容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、針バンプ68は楕円形であってもよく、シールドバンプ58は針バンプ68との干渉を容易にするために環状であってもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、鋭利な末端先端66は、針バンプ68がシールドバンプ58に接触するとき、基端シリンダ形状部62内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ノッチ70は、針バンプ68がシールドバンプ58に接触するときに、基端シリンダ形状部62内に配置されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、鋭利な末端先端部66とノッチ70の両方が、血液シールド42内でシールドされて血液シールド42によって覆われてもよく、これが鋭利な末端先端部66および/またはノッチ70から出る血液の飛散から施術者を保護してもよい。
【0029】
次に図9~10を参照すると、いくつかの実施形態では、カテーテルシステム30は針アセンブリを含んでもよく、これはハウジング72を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング72はバレル74を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針アセンブリは、導入針64を含んでもよく、これは鋭利な末端先端66と基端端部76を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針アセンブリは、導入針64に結合されてバレル74内に移動可能に配置された針ハブ78を含んでもよく、これは導入針64および/またはバレル74内への導入針64の引き込み後に血液から使用者をシールドしてもよい。いくつかの実施形態では、針アセンブリは、ハウジング72内に配置されたバネ80を含んでもよい。いくつかの実施形態では、針アセンブリは押しボタン81を含んでもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、押しボタン81は、1994年12月27日に「安全カテーテルシステムを有する安全カテーテル」と題して出願された米国特許第5,501,675号明細書に記載されている作動ラッチと同様に作動してもよく、これは参照によりここに組み込まれる。いくつかの実施形態では、押しボタン81は、特定の導入針をシールドするために別の方法で動作してもよい。いくつかの実施形態では、バネ80は、導入針64の周りに配置されてもよく、バネ80は、針ハブ78とバレル74の末端端部との間に延びてもよい。いくつかの実施形態では、押しボタン81は、バレル74の末端端部に隣接してバレル74に形成されたキャビティまたはスロットを介してバレル74内に延びていてもよい。いくつかの実施形態では、押しボタン81は、開口部82を含んで、導入針64と針ハブ78が押しボタン81を通って延びることを可能にするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、開口部82は鍵穴形状であってもよい。いくつかの実施形態では、押しボタン81は、カテーテル40の末端端部とカテーテルシステム30に向かって延びる突出部を含んでいてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、押しボタン81が非作動位置で「上」にあるとき、開口部82のより小さい部分がバレル74の内腔86と連通してもよい。いくつかの実施形態では、この位置において、開口部82のより小さい部分は、針ハブ78と係合して針ハブ78をバネ80の力に抗してバレル74の末端端部に隣接して保持してもよい。いくつかの実施形態では、針ハブ78は、末端フレアを含んで、針ハブ78の中間部分が末端フレアよりも小さい直径を有するようになっていてもよい。いくつかの実施形態では、針ハブ78は砂時計形状を含んでもよい。いくつかの実施形態では、末端フレアおよび/または砂時計形状は、開口部82の小さい部分と針ハブ78との間の係合を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、押しボタン81が非作動位置にあるとき、突出部はカテーテルハブ32の内側に配置されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、カテーテルハブ32がハウジング72の末端端部に隣接した状態でカテーテル40が依然として導入針64上に配置されているとき、突出部は、押しボタン81が押し下げられまたは作動位置に「下」に移動されるのを防止してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、カテーテルハブ32がハウジング72の末端端部に隣接しないように、カテーテル40が導入針64から外されまたは導入針64に沿って移動されるとき、カテーテルハブ32が突出部の移動をもはや妨げないため、押しボタン81は「下」に移動されすなわち作動され得る。一部の実施形態では、この位置では、開口部82のより大きな部分が針ハブ78ともはや係合しなくてもよい。いくつかの実施形態では、開口部82のより大きい部分は、針ハブ78の最大直径よりも大きくなるべきである。いくつかの実施形態では、バネ80は、このようにして針ハブ78をバレル74の基端端部に付勢し、導入針64の鋭利な末端先端66をバレル74内に引き抜くことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、図9に示されているように、カテーテルシステム30が準備位置にあるときに、針ハブ78の部分88がカテーテルハブ32内に配置されてもよい。一部の実施形態では、血液シールド42の基端端部46は、カテーテルシステム30が準備位置にあるときに針ハブ78の部分88内に配置されてもよく、これは血液シールド42の安定性または固定を容易にしてもよい。針アセンブリの上記説明は、血液シールド42が使用されてもよい針アセンブリの一例に過ぎない。
【0034】
次に図11を参照すると、いくつかの実施形態によれば、準備位置から基端に移動する導入針64が図示されている。次に図12を参照すると、いくつかの実施形態によれば、導入針64が図11よりもさらに基端に移動されて示されて、針バンプ68がシールドバンプ58に接触するようになっている。ここで図13を参照すると、いくつかの実施形態によれば、導入針64は図13よりもさらに基端に移動されて示されて、血液シールド42が固定位置にあったカテーテルハブ32から血液シールド42を基端に引っ張るようになっている。いくつかの実施形態では、シールドバンプ58に接触して干渉する針バンプ68が、血液シールド42の固定位置からの基端移動を容易にする。
【0035】
次に図14を参照すると、いくつかの実施形態によれば、針バンプ68がシールドバンプ58に接触すると、鋭利な末端先端部66は血液シールド42内にシールドされる。次に図15を参照すると、血液シールド42と導入針64は、ハウジング72内にシールドされて示されている。いくつかの実施形態では、押しボタンの押下に応じて、ばね80は、例えば図15に図示されているように基端に膨張し、針ハブ78をバレル74内で基端に移動させて、導入針64と血液シールド42を基端に引き込むように構成されてもよい。
【0036】
図14に戻ると、いくつかの実施形態では、血液シールド42の基端端部46は、円錐テーパ特徴部89を含んで、導入針64の基端への引き込み中に血液シールド42をハウジング72内に案内してもよい。これらの実施形態では、円錐テーパ特徴部89は、基端方向に内向きにテーパ状になっていてもよい。いくつかの実施形態では、末端端部44の外表面および/または基端端部46の外表面は、段付きまたは面取りされていてもよく、これが血液シールド42の外径を小さくしてもよい。いくつかの実施形態において、血液シールド42は、PH592またはRP142などのポリプロピレン、または他の適切な材料で構成されてもよい。
【0037】
次に図16を参照すると、いくつかの実施形態によれば、血液シールド42の基端端部46を成形するための金型の第1の半分90が図示されている。いくつかの実施形態では、血液シールド42の末端端部44を成形するための金型の第2の半分92がいくつかの実施形態に従って図示されている。いくつかの実施形態では、第1の半分90および第2の半分92の両方が、切り欠き部分を含んでシールドバンプ58の一部を形成してもよい。いくつかの実施形態では、血液シールド42は、単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよく、単一の成形片を含んでもよい。
【0038】
次に図17A~19Cを参照すると、いくつかの実施形態によるカテーテルシステム100が図示されている。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100は、1つまたは複数の構成要素および/または動作の点で、カテーテルシステム30と類似または同一であってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100は、カテーテルハブ32を含んでもよく、これは末端端部、基端端部36、およびカテーテルハブの末端端部とカテーテルハブ32の基端端部36を通って延びるカテーテルハブ内腔38を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100は、カテーテルハブ32の末端端部から末端に延びるカテーテル40を含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100は、カテーテルハブ内腔38内に固定された血液シールド102を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液シールド102は、単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよく、単一の成形片を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血液シールド102は、1つまたは複数の構成要素および/または動作の点で、図3図16の血液シールド42と類似または同一であってもよい。いくつかの実施形態では、血液シールド102は、末端端部104、基端端部106、血液シールド102の末端端部104と血液シールド102の基端端部106を通って延びる血液シールド内腔108、および血液シールド内腔108を形成する内壁110を含んでもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、内壁110は、狭くされた内径部分112を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100は、血液シールド102の基端端部106内に配置されたセプタム114を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム114は、血液シールド102の内壁110と干渉嵌め合いして、血液シールド内腔108内にセプタム114を固定してもよい。いくつかの実施形態では、セプタム114は、血液シールド102の末端端部104からの血液の漏出を防止してもよく、血液の曝露を回避するのに役立ってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、カテーテルシステム100は、導入針64を含んでもよく、これは鋭利な末端先端66と針バンプ68を含んでもよい。いくつかの実施形態では、導入針64は、カテーテルシステム100が患者の静脈への挿入のための準備が整った準備位置にあるときに、カテーテル40と血液シールド102を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、導入針64の基端への引き込みに応答して、針バンプ68は、狭くされた内径部分112に接触して血液シールド102をカテーテルハブ32の基端端部36から基端に引き出すように構成されてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、針バンプ68が狭くされた内径部分112に接触したときに、鋭利な末端先端部66が血液シールド102内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、鋭利な末端先端66と(図8A~8Cのノッチ70などの)ノッチの両方が血液シールド42内にシールドされてもよく、これは鋭利な末端先端66および/またはノッチから出る血液の飛散から施術者を保護してもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、セプタム114は、セプタム114を通って延びてセプタム114の外縁118から間隔をあけられた複数の通気孔116を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通気孔116は、導入針64および/またはカテーテル40が患者の静脈に挿入されるときにカテーテルシステム100内に入る血液のフラッシュバックを容易にしてもよい。一部の実施形態では、空気は、導入針64、通気孔116、および血液シールド102を通って基端に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、通気孔116は、血液のような液体でなく空気を通すように寸法決めされ構成されてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム114は、導入針64を通して受容するように構成されたスリット120を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通気孔116は、三角形などの対称パターンで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、スリット120は、例えば図17Bに図示されているように、対称パターンの中心に配置されてもよい。
【0044】
図17Gに示されているように、いくつかの実施形態では、セプタム114の外縁118は、通気孔116を含んで、空気がセプタム114とカテーテルハブ32の内壁50との間を通過することを可能にしてもよい。一部の実施形態では、外縁118はカテーテルハブ32の内壁50と干渉嵌め合いしてもよい。いくつかの実施形態では、さらに詳細には、外縁118の周囲は、カテーテルハブ内腔38の周囲よりもわずかに大きくてもよく、セプタム114は、カテーテルハブ32内にセプタム114を固定するために圧縮されてもよい。いくつかの実施形態では、外縁はカテーテルハブ32内での位置合わせを容易にするために円形であってもよい。
【0045】
図17Cおよび図17E~17Fに示されているように、いくつかの実施形態では、血液シールド102の内壁50は、環状突起122を含んでもよい。いくつかの実施形態では、セプタム114の外表面は環状凹部124を含んでもよい。いくつかの実施形態では、環状突起122は環状凹部124内に配置されてもよく、これがセプタム114の末端部分を血液シールド102内に固定してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、狭くされた内径部分112は、末端端部104においてより大きな直径126に対して基端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、より大きな直径126はセプタム114を受容してもよい。いくつかの実施形態では、狭くされた内径部分112は、針バンプ68において導入針64の外径よりもわずかに大きい直径125を有して、導入針64が血液シールド42内をスライドすることを可能にするが血液が漏出し得る空間を制限してもよい。
【0047】
図18Aは、血液のフラッシュバックと、導入針64およびカテーテルの患者の静脈への進入とに応答して、通気孔116を通る空気の通過を示す図である。図18Bは、図18Aの拡大断面図である。図18A~18Bは、いくつかの実施形態による、セプタム114とカテーテルハブ32との間の干渉嵌め合いゆえにカテーテルハブ32内に固定された血液シールド102を示している。セプタム114の外縁上とセプタム114の外縁から間隔をあけられた通気孔116の両方が図示されており、これはより大きな通孔性を提供してもよいが、いくつかの実施形態では、セプタム114は、セプタム114の外縁118上の通気孔116またはセプタム114の外縁118から間隔をあけられた通気孔116を含んでもよいことが理解される。
【0048】
図19Aは、初期または第1位置でカテーテルハブ32内に固定された血液シールド102を示す。図19Aにおいて、カテーテルハブ32は、導入針64が患者の静脈内に配置された後、導入針64に沿って末端に前進されて、カテーテルハブ32とハウジング72との間に空間を形成する。いくつかの実施形態では、初期または第1位置は、カテーテルシステム100が準備位置にあるときの血液シールド102の位置に対応してもよい。
【0049】
図19Bは、図19Aの構成に続いて、導入針64が基端に引き込まれることを示す。いくつかの実施形態では、導入針64の基端側の引き込みに応答して、針バンプ68は、狭くされた内径部分112に接触して、血液シールド102をカテーテルハブ32からハウジング72内に引き込んでもよい。いくつかの実施形態では、図19Cに示されているように、導入針64の基端方向へのさらなる引き込みが、血液シールド102をハウジング72内に移動させてもよい。いくつかの実施形態では、セプタム114は、ハウジング72の開口部125を、これを通って血液シールド102がハウジング72に入るが、シールし、ハウジング72からの血液漏れを防止してもよい。いくつかの実施形態では、図19Cの血液シールド102の位置は、導入針64が完全に引き込まれたときの血液シールド102の最終位置に対応してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、血液シールド42の基端端部46、または狭くされた内径部分112と整列された血液シールドの外表面は、円錐テーパ特徴部89を含んで、導入針64の基端への引き込み中に血液シールド42をハウジング72の開口部125内に案内してもよい。これらの実施形態では、円錐テーパ特徴部89は、基端方向に内向きにテーパ状となっていてもよい。
【0051】
次に図20A~20Bを参照すると、いくつかの実施形態による血液シールドが図示されている。いくつかの実施形態において、図20A~20Bの血液シールドは、1つまたは複数の構成要素および/または動作の点で、図17~19の血液シールドと類似または同一であってもよい。いくつかの実施形態では、狭くされた内径部分112は、例えば図3~15のシールドバンプ58と同様のシールドバンプを含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、シールドバンプは、例えば図20Bに図示されているような環状突起を含んでもよい。いくつかの実施形態では、環状突起は、空気が血液シールド102を通ってカテーテルハブ32に通過することを可能にするように構成された複数の通孔スロット128を含んでもよい。いくつかの実施形態では、通孔スロット128は、空気は通過させるが血液などの液体は通過させないようなサイズおよび構成であってもよい。いくつかの実施形態では、通孔スロット128は、血液シールド102の長手方向軸に対して全体として平行に配置されてもよく、これは通孔スロット128が、針バンプ68の通過を防止する際に、狭くされた内径部分112の機能に干渉するのを回避してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、末端端部104は環状フランジを含んでもよい。これらの実施形態では、末端端部104はディスク状であってもよい。一部の実施形態では、末端端部104の外縁は、図18Aの外縁118と同様に、カテーテルハブ32の内壁50と干渉嵌め合いしてもよい。
【0054】
次に図21A~21Bを参照すると、いくつかの実施形態による血液シールドが図示されている。いくつかの実施形態では、図20A~20Bの血液シールドは、1つまたは複数の構成要素および/または動作の点で、図17~19の血液シールド102および/または図20A~20B血液シールドと類似または同一であってもよい。いくつかの実施形態では、狭くされた内径部分112は、例えば図3~15のシールドバンプ58と同様のシールドバンプを含んでもよい。いくつかの実施形態では、通気孔116は、血液シールド102の末端端部104の外縁に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、末端端部104は環状フランジを含んでもよい。これらの実施形態では、末端端部104はディスク状であってもよい。いくつかの実施形態では、通気孔116は、環状フランジの外縁に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、通気孔116は、空気がセプタム114とカテーテルハブ32の内壁50との間を通過できるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、末端端部104の外縁は、図18Aの外縁118と同様に、カテーテルハブ32の内壁50と干渉嵌め合いしていてもよい。
【0055】
ここで援用されるすべての実施例および条件文言は、読者が本発明および当技術をさらに発展させるために本発明者によって貢献された概念を理解するのを助ける教育的な目的のために意図されたものであり、そのような具体的に援用された実施例および条件に限定されないものと解釈される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変が本明細書でなされ得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図18A
図18B
図19A
図19B
図19C
図20A
図20B
図21A
図21B
【国際調査報告】