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特表2025-502503カテーテルシステムにおける逆流を防止するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】カテーテルシステムにおける逆流を防止するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20250117BHJP
   A61M 39/24 20060101ALI20250117BHJP
   A61M 5/158 20060101ALN20250117BHJP
【FI】
A61M25/06 514
A61M39/24
A61M5/158 500P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543873
(86)(22)【出願日】2022-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 US2022052167
(87)【国際公開番号】W WO2023140936
(87)【国際公開日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】63/302,448
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/075,211
(32)【優先日】2022-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴクルランガラジャン サティヤナラヤナン
(72)【発明者】
【氏名】ハリクリシュナン エス.
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF04
4C066KK09
4C066QQ15
4C267AA02
4C267AA24
4C267BB04
4C267BB24
4C267BB33
4C267BB40
4C267CC08
4C267HH30
(57)【要約】
カテーテルアセンブリは、カテーテル、カテーテルに結合されたカテーテルハブ、カテーテルハブ上の注入ポート、および注入ポート逆流制御デバイスを含み得る。逆流制御デバイスは、同心円ポート、ベローズ、およびダックビルバルブを含み得る。注入ポート逆流制御デバイスは、分割隔壁およびダックビルバルブを含み得る。注入ポート逆流制御デバイスは、カテーテルハブの内面の周りに配置された変形可能な環状バルブを含んでもよく、注入ポートに接続されたカテーテルハブの開口部を閉塞してもよい。注入ポートは、薬物または他の流体を投与するための無針シリンジを受け入れ得る。注入ポート逆流制御デバイスは、流体がカテーテルハブに流入することを可能にし得、流体が注入ポートを介してカテーテルハブから流出することを防止し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
末梢静脈内カテーテルアセンブリであって、
カテーテルと、
前記カテーテルに結合されたカテーテルハブと、
前記カテーテルハブ上に配置された注入ポートと、
注入ポート逆流制御デバイスであって、
同心円ポート、
ベローズ、
およびダックビルバルブを含む、前記注入ポート逆流制御デバイスと、
を含む、末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記注入ポートは、無針シリンジを受け入れるように構成される、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記注入ポート逆流制御デバイスは、流体が前記カテーテルハブに流入することを可能にし、流体が前記注入ポートを通って前記カテーテルハブから流出するのを防ぐように構成される、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記ベローズは、垂直方向に圧縮可能である、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記ベローズが拡張状態にあるとき、前記ベローズが前記同心円ポートの側壁開口部を閉塞する、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項6】
前記ベローズは、流体が前記同心円ポートの側壁開口部に流入することを可能にするように圧縮可能である、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記ベローズは、前記同心円ポートを取り囲み、前記ベローズが圧縮されていないときに、前記同心円ポート内の側壁開口部を覆い、前記同心円ポートは、前記側壁開口部を前記同心円ポートのベース内の開口部と接続する垂直開口部を含み、前記同心円ポートの前記ベース内の前記開口部は、前記ダックビルバルブ内の開口部と接続し、前記ダックビルバルブの開口部は、流体が前記カテーテルハブ内に流れることを可能にする、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記注入ポート逆流制御デバイス内の流体経路は、前記同心円ポート内の側壁開口部と、前記側壁開口部を前記ダックビルバルブの上部に接続する前記同心円ポートの中央の環状開口部とによって画定され、前記ダックビルバルブは、前記カテーテルハブ内への流体の通過を可能にするように拡張する、請求項1に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項9】
末梢静脈内カテーテルアセンブリであって、
カテーテルと、
前記カテーテルに結合されたカテーテルハブと、
前記カテーテルハブ上に配置された注入ポートと、
注入ポート逆流制御デバイスであって、
分割隔壁、
およびダックビルバルブを含む、前記注入ポート逆流制御デバイスと、
を含む、末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記注入ポートは、無針シリンジを受け入れるように構成される、請求項8に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記注入ポート逆流制御デバイスは、流体が前記カテーテルハブに流入することを可能にし、流体が前記注入ポートを通って前記カテーテルハブから流出するのを防ぐように構成される、請求項9に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記ダックビルバルブが、前記注入ポート内に配置され、前記ダックビルバルブの対向するリップの集合によって形成されるラインが前記カテーテルハブに向かって下向きに配向される、請求項9に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項13】
前記分割隔壁は、前記注入ポートの上部開口部の上にキャップとして配置され、前記分割隔壁のリーフは、前記カテーテルハブに向かって下向きに開くように変形可能に構成される、請求項9に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記注入ポートを通って前記カテーテルに入る流体経路は、前記ダックビルバルブの開口部に接続された前記分割隔壁内の開口部を含み、前記ダックビルバルブは、流体が前記カテーテルハブに流入し、前記カテーテルハブを通って前記カテーテルに流入することを可能にするように拡張する、請求項9に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項15】
末梢静脈内カテーテルアセンブリであって、
カテーテルと、
前記カテーテルに結合されたカテーテルハブと、
前記カテーテルハブ上に配置された注入ポートと、
注入ポート逆流制御デバイスであって、前記カテーテルハブの内面の周りに配置され、前記注入ポートに接続された前記カテーテルハブ内の開口部を閉塞する変形可能な環状バルブを含む、前記注入ポート逆流制御デバイスと、
を含む、末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項16】
前記注入ポートは、無針シリンジを受け入れるように構成される、請求項15に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記注入ポート逆流制御デバイスは、流体が前記カテーテルハブに流入することを可能にし、流体が前記注入ポートを通って前記カテーテルハブから流出するのを防ぐように構成される、請求項15に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記環状バルブは、前記注入ポートを介して前記カテーテルハブに注入される流体の流体圧力によって長手方向に変形するように構成される、請求項15に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項19】
前記環状バルブは、前記環状バルブの外側側壁からの突起をさらに備える、請求項14に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【請求項20】
前記カテーテルハブは、前記環状バルブ上の前記突起に対応するノッチを含み、前記ノッチおよび前記突起は、前記環状バルブを前記カテーテルハブ内に固定するように係合する、請求項18に記載の末梢静脈内カテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルシステムにおける逆流を防止するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なタイプのカテーテルアセンブリは、オーバー・ザ・ニードルである末梢静脈内カテーテル(「PIVC」)を含む。その名が示すように、オーバー・ザ・ニードル型のPIVCは、鋭利な遠位先端を持つ導入針の上に取り付け得る。カテーテルアセンブリは、カテーテルハブと、カテーテルハブから遠位に延びるPIVCと、PIVCを通って延びる導入針とを含んでもよい。PIVCおよび導入針は、導入針の遠位先端がPIVCの遠位先端を越えて延び、皮膚に挿入する直前に針の斜面が患者の皮膚から離れて反対側(上)を向くように、組み立てられることができる。PIVCおよび導入針は、一般的に、皮膚を通じて患者の血管系へと浅い角度で挿入される。
【0003】
血管内の導入針および/またはPIVCの適切な配置を検証すべく、臨床医は、カテーテルアセンブリのフラッシュバックチャンバー内に血液の「フラッシュバック」があることを確認する場合がある。導入針の配置が一度確認されると、臨床医は、導入針を取り外し、PIVCを将来の採決や輸血のためにそのままにしておくことができる。
【0004】
本明細書で特許請求される主題は、任意の不利益を解決する実施形態、または上記で説明されるもののような所定の環境でのみ動作する実施形態に限定されない。むしろ、この背景技術は、本明細書で記載された具体化したもののいくつかを実施し得る技術領域の一例を示すために適用されるにすぎない。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、概して、血管アクセスデバイスおよび関連する方法に関する。より具体的には、本開示は、カテーテルアセンブリおよび関連する方法に関する。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテル、カテーテルに結合されたカテーテルハブ、カテーテルハブ上に配置された注入ポート、および注入ポート逆流制御デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、末梢静脈カテーテルアセンブリを含むことができる。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、同心円ポート、ベローズ、およびダックビルバルブを含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポートは、薬物または他の流体を投与するための無針シリンジを受け入れるように構成され得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、流体がカテーテルハブに流入することを可能にし得、流体が注入ポートを介してカテーテルハブから流出することを防止し得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、ベローズが拡張状態にあるときに、ベローズは、同心円ポートの側壁開口部を閉塞(block)し得る。いくつかの実施形態では、ベローズは、拡張状態から圧縮状態に垂直に圧縮可能であり得る。いくつかの実施形態では、ベローズは、圧縮状態で、流体が同心円ポートの側壁開口部に流入することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、ベローズは、同心円ポートを取り囲んでもよく、ベローズが拡張状態にあるか、または圧縮されていないときに、同心円ポート内の側壁開口部を覆ってもよい。いくつかの実施形態では、同心円ポートは、側壁開口部を同心円ポートのベースの開口部と接続し得る垂直開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、同心円ポートのベースの開口部は、ダックビルバルブの開口部と接続し得る。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ開口部は、流体がカテーテルハブに流入することを可能にし得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイス内の流体経路は、同心円ポート内の側壁開口部、環状開口部、およびダックビルバルブを含み得る。いくつかの実施形態では、垂直開口部は、同心円ポートの中央にあってもよく、側壁開口部をダックビルバルブの上部に接続してもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブは、カテーテルハブへの流体の通過を可能にするように拡張するように構成され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、末梢静脈カテーテルアセンブリは、カテーテル、カテーテルに結合されたカテーテルハブ、カテーテルハブ上の注入ポート、および注入ポート逆流制御デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、分割隔壁(split septum)およびダックビルバルブを含み得る。いくつかの実施形態では、分割隔壁は、複数のリーフ(leaves)を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポートは、無針シリンジを受け入れてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、流体がカテーテルハブに流入することを可能にし得、流体が注入ポートを介してカテーテルハブから流出することを防止する。
【0009】
いくつかの実施形態では、ダックビルバルブは、注入ポート内に配置されてもよく、ダックビルバルブの対向するリップの会合によって形成されるラインは、カテーテルハブに向かって下向きに配向されてもよい。いくつかの実施形態では、分割隔壁は、注入ポートの上部開口部の上を覆うキャップとして配置され得、分割隔壁のリーフは、カテーテルハブに向かって下向きに開くように変形可能であり得る。いくつかの実施形態では、注入ポートを通ってカテーテルに入る流体経路は、ダックビルバルブの開口部に接続され得る分割隔壁内の開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブは、流体がカテーテルハブに流入し、カテーテルハブを通ってカテーテルに流れることを可能にするように拡張するように構成され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、末梢静脈カテーテルアセンブリは、カテーテル、カテーテルに結合されたカテーテルハブ、カテーテルハブ上の注入ポート、および注入ポート逆流制御デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、カテーテルハブの内面の周りに配置された変形可能な環状バルブを含んでもよく、注入ポートに接続されたカテーテルハブの開口部を閉塞してもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、注入ポートは、無針シリンジを受け入れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、流体がカテーテルハブに流入することを可能にし得、流体が注入ポートを介してカテーテルハブから流出することを防止し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、環状バルブは、注入ポートを通ってカテーテルハブに注入された流体の流体圧力から長手方向に変形し得る。いくつかの実施形態では、環状バルブは、環状バルブの外側側壁からの突起を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテルハブは、環状バルブ上の突起に対応する切り欠き(notch)を含み得る。いくつかの実施形態では、ノッチおよび突起は、環状バルブをカテーテルハブ内に固定するために係合されてもよい。
【0013】
上述の概略の説明、および、以下の詳細な説明の両方は、例示であり、また、説明のためのものであり、特許請求された発明を限定するものではないことが理解されるべきである。さまざまな実施形態は、図に示されている配置(arrangements)および手段(instrumentality)に限定されないことが理解されるべきである。また、実施形態は、組み合わされてよいこと、または、他の実施形態が用いられてよいこと、および、そのように特許請求されていない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく構造変更がなされてよいことが理解されるべきである。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
例示的な実施形態が、添付の図面を用いて、追加の特性および詳細とともに記載され、説明される。
図1図1は、いくつかの実施形態による、例示的な末梢静脈内カテーテルアセンブリの側面図である。
図2図2は、いくつかの実施形態による、患者の腕への挿入後の図1の末梢静脈内カテーテルアセンブリの上面斜視図である。
図3図3は、いくつかの実施形態による、例示的な注入ポートを介した末梢静脈内カテーテルアセンブリへの流体の注入を示す、患者の腕への挿入後の図1の末梢静脈内カテーテルアセンブリの上面斜視図である。
図4図4は、いくつかの実施形態による、例示的な注入ポート逆流制御デバイスを有する例示的な末梢静脈内カテーテルアセンブリの近位端の上面斜視図である。
図5図5は、図4の末梢静脈内カテーテルアセンブリにおける注入ポート逆流制御デバイスの断面図である。
図6図6は、いくつかの実施形態による、例示的な同心円形ポートの上面斜視図である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、例示的なベローズの下方斜視図である。
図8図8は、いくつかの実施形態による、例示的なダックビルバルブの側面図である。
図9A図9Aは、いくつかの実施形態による、図4の末梢静脈内カテーテルシステムにおける注入ポート逆流制御デバイスの断面図である。
図9B図9Bは、いくつかの実施形態による、図4の末梢静脈内カテーテルシステムにおける注入ポート逆流制御デバイスの断面図であり、例示的な注入ポートを通って無針シリンジから末梢静脈内カテーテルシステムへの流体の流れを示す。
図10図10は、いくつかの実施形態による、例示的な注入ポート逆流制御デバイスを有する例示的な末梢静脈内カテーテルアセンブリの上面斜視図である。
図11図11は、図10の末梢静脈内カテーテルアセンブリの断面図である。
図12図12は、いくつかの実施形態による、例示的な分割隔壁の下方斜視図である。
図13図13は、いくつかの実施形態による、例示的なダックビルバルブの上面斜視図である。
図14図14は、いくつかの実施形態による、注入ポートに挿入された無針シリンジを示す、図10の末梢静脈内カテーテルアセンブリの断面図である。
図15図15は、いくつかの実施形態による、例示的なポートを通って末梢静脈内カテーテルアセンブリに流体が流入することを示す、例示的な末梢静脈内カテーテルアセンブリにおける例示的な注入ポート逆流制御デバイスの断面図である。
図16図16は、いくつかの実施形態による、例示的な末梢静脈内カテーテルアセンブリにおける例示的な注入ポート逆流制御デバイスの断面図である。
図17A図17Aは、いくつかの実施形態による、例示的なバルブの上面斜視図である。
図17B図17Bは、いくつかの実施形態による、図17Aのバルブの側面図である。
図18図18は、いくつかの実施形態による、例示的な末梢静脈内カテーテルアセンブリにおける例示的な注入ポート逆流制御デバイスの等角断面図である。
図19A図19Aは、いくつかの実施形態による、例示的なバルブの左側上面斜視図である。
図19B図19Bは、いくつかの実施形態による、図19Aのバルブの側面図である。
図19C図19Cは、いくつかの実施形態による、図19Aのバルブの右側上面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は、概して、血管アクセスデバイスおよび関連する方法に関する。より具体的には、本開示は、カテーテルアセンブリおよび関連する方法に関する。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリは、カテーテル、カテーテルに結合されたカテーテルハブ、カテーテルハブ上の注入ポート、および注入ポート逆流制御デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、逆流制御デバイスは、同心円ポート、ベローズ、およびダックビルバルブを含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポートは、薬物または他の流体を投与するための無針シリンジを受け入れ得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、流体がカテーテルハブに流入することを可能にし得、流体が注入ポートを介してカテーテルハブから流出することを防止し得る。
【0016】
ここで図1~3を参照すると、いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100は、末梢血管を介して患者に流体を送達するように構成され得る。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100は、患者に流体を注入するための注入ポートを含み得る。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100は、患者への挿入のためのカテーテル130を遠位端に有してもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル130は、末梢静脈用カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテル130は、カテーテルハブ110に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルハブ110は、血液および他の流体が患者に出入りするための管腔(lumen)を有し得る。いくつかの実施形態では、カテーテルハブ110の近位端は、患者へのカテーテル130の挿入を容易にするために針が挿入され得る開口部を有してもよい。いくつかの実施形態では、針は、挿入後に取り外され得、エンドキャップ105は、カテーテルハブ110の近位端に取り付けられ得、カテーテルハブ110の近位端を閉じる。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100は、カテーテルハブ110の上部に配置された注入ポートを含み得る。いくつかの実施形態では、ポートは、注入ポートキャップ115で覆われてもよい。いくつかの実施形態では、バルブ120は、カテーテルハブ110の管腔内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、バルブ120は、流体が注入ポートを通ってカテーテルハブ110およびカテーテル130に流れることを可能にしながら、流体が注入ポートから流出するのを防いでもよい。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100は、患者の皮膚に対してアセンブリを安定させるためにウィング125を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、カテーテルが静脈に配置されることに応答して、臨床医は、カテーテル130および/または末梢静脈内カテーテルアセンブリ100の別の部分のフラッシュバックを観察し得る。フラッシュバックは、患者からカテーテル130に流入する血液を含み得る。いくつかの実施形態では、カテーテル130に流入し、次いでカテーテルハブ110に流入する患者の血液の力が、バルブ120を近位方向に押し得る。いくつかの実施形態では、バルブ120が近位に移動した後、バルブ120は、もはや注入ポート145を密封せず、患者の血液は、注入ポート145を通って上昇し、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100から流れ出る可能性がある。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100を通って流れる他の流体または他の力が、バルブ120を末梢静脈内カテーテルアセンブリ100内で変位させ、バルブ120を誤動作させ可能性がある。
【0019】
図2では、いくつかの実施形態による、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100が、患者の腕に挿入された後の使用状態が示されている。いくつかの実施形態では、カテーテル130は、患者135の腕に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、ウィング125は、下向きに折り畳まれ、接着テープ140によって患者の腕135に固定され得る。いくつかの実施形態では、カテーテル130は、流体、薬物、および輸血の投与のために患者の血管系へのアクセスを提供し得る。いくつかの実施形態では、流体、薬物、および輸血は、注入ポート145を介して末梢静脈内カテーテルアセンブリ100に注入されてもよい。
【0020】
図3では、いくつかの実施形態による、患者の腕に挿入された後の末梢静脈内カテーテルアセンブリ100が示されている。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態によれば、流体は、注入ポート145を介して末梢静脈内カテーテルアセンブリ100に注入されてもよい。いくつかの実施形態では、無針シリンジ150または別の適切な注入デバイスを使用して、注入ポート145に流体を注入してもよい。
【0021】
ここで図4~9を参照すると、いくつかの実施形態による、注入ポート逆流制御デバイスを備えた末梢静脈内カテーテルアセンブリ200が示されている。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ200は、1つまたは複数の構成要素および/または動作の点で、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100と類似または同一であり得る。例えば、図4に示されるように、いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ200は、カテーテルハブ110内に配置された管腔(lumen)155を有するカテーテルハブ110を含み得る。いくつかの実施形態では、ウィング125は、カテーテルハブ110から長手方向に延在してもよい。いくつかの実施形態では、注入ポート145は、カテーテルハブ110の上部から垂直に延在してもよい。いくつかの実施形態では、注入ポート145は、患者の体内に注入するために、カテーテルハブ110に流体を注入し、次いでカテーテル130に注入するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポート145は、静脈内流体、様々な薬物の投与、または輸血のために使用され得る。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、注入ポート逆流制御デバイスは、注入ポート145内に設置されていることが示されている。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、複数の部品を含み得る。いくつかの実施形態によれば、注入ポート145は、無針シリンジが注入ポート145から取り外されるときに密封されてもよい。
【0023】
図5には、いくつかの実施形態による、末梢静脈内カテーテルアセンブリ200内の注入ポート逆流制御デバイスの断面図が示されている。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、注入ポート145内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、3つの部品(pieces)を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、同心円ポート210、ベローズ220、およびダックビルバルブ230を含み得る。いくつかの実施形態では、同心円ポート210は、ベローズが同心円ポート210を取り囲むようにベローズ220内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230は、同心円ポート210のベースに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230の対向するリップは、流体が同心円ポート210の開口部からダックビルバルブ230の開口部を通って流れることを可能にするために開いてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230は、対向するリップが開かれるときに、ダックビルバルブ230の開口部が、同心円ポート210の中心にあり得る同心円ポート210の管腔または開口部に流体的に接続され得るように、下方を向いていてもよい。いくつかの実施形態では、同心円ポート210の管腔または開口部は、垂直開口部を含み得る。いくつかの実施形態では、流体圧力が、ダックビルバルブ230の対向するリップを開き、流体がカテーテルハブ110の管腔155に流入することを可能にし得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、同心円ポート210、ベローズ220、およびダックビルバルブ230のうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、同心円ポート210およびベローズ220を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、同心円ポート210、およびダックビルバルブ230を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、ベローズ220およびダックビルバルブ230を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、同心円ポート210を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、ベローズ220を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、ダックビルバルブ230を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、同心円ポート210、ベローズ220、およびダックビルバルブ230に加えて、他の部品を含み得る。
【0025】
図6では、いくつかの実施形態による、同心円ポート210が示されている。いくつかの実施形態では、同心円ポート210は、同心円ポート210の本体250内に1つまたは複数の側壁開口部を有し得る。いくつかの実施形態では、側壁開口部は、流体が同心円ポート210の管腔内に流入することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、次いで、流体は、同心円ポート210の中心にあり得る管腔を通って下に流れ、同心円ポート210のベース255の開口部で同心円ポート210を出てもよい。いくつかの実施形態では、側壁開口部は、同心円ポート210を通る流体の流れを容易にし得る第1の側壁開口部240および/または第2の側壁開口部245を含み得る。いくつかの実施形態では、同心円ポート210のベース255は、リングによって囲まれてもよく、リングは、同心円ポート210に安定したプラットフォームを提供する。いくつかの実施形態では、ベローズ220は、リングの上部に載り得、ダックビルバルブ230は、リングの底部と係合する。
【0026】
図7では、いくつかの実施形態では、ベローズ220は、円筒形である圧縮可能な本体270を含み得る。いくつかの実施形態では、圧縮可能な本体270は、複数の環状の折り目を有するアコーディオン形状を含み得る。いくつかの実施形態では、ベローズ220は、上部リップ260および下部リップ275を含み得る。いくつかの実施形態では、ベローズ220は、垂直方向に圧縮可能であり得る。いくつかの実施形態では、ベローズ220は、同心円ポート210の外面を取り囲んでもよい。いくつかの実施形態では、ベローズ220は、同心円ポート210の外面と注入ポート145の内面との間に配置されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態によれば、無針シリンジは、注入ポート145に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、無針シリンジは、ベローズ220の上部リップ260に接触してもよい。いくつかの実施形態では、ベローズ220は、無針シリンジ150を使用して、垂直方向に、管腔155に向かって押し下げられてもよい。いくつかの実施形態では、ベローズ220は、無針シリンジによって圧縮され得、したがって、第1の側壁開口部240および第2の側壁ポート245を露出させる。いくつかの実施形態では、無針シリンジは、同心円ポート210の第1および第2の側壁開口部240および245と流体接触し得る。いくつかの実施形態では、流体経路は、ベローズ220を圧縮することによって画定または作成され得、流体は、第1の側壁開口部240および第2の側壁開口部245を通って同心円ポート210の中心の管腔に流れる。いくつかの実施形態では、無針シリンジからの流体は、ダックビルバルブ230を開き、カテーテルハブ110の管腔155に流入し得る。
【0028】
図8には、いくつかの実施形態による、ダックビルバルブ230の側面図が示されている。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230は、ダックビルバルブ230の上部に開口部285を備え得る。いくつかの実施形態では、開口部285は、流体がダックビルバルブ230の中心を通って流れることを可能にするように構成され得る。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230は、対向するリップ295を含み得る。いくつかの実施形態では、対向するリップ295は、流体がダックビルバルブ230の上部から底部までダックビルバルブ230を通って流れることを可能にするために開いてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、対向するリップ295は、無針シリンジ150からの流体圧力に応答して、ダックビルバルブ230を開放して流体が管腔155内に入ることを可能にし、またダックビルバルブ230を閉鎖して流体が管腔155から注入ポート145を通って流れるのを防ぐことを容易にする。いくつかの実施形態では、対向するリップ295は、流体がダックビルバルブ230の中心を通って下に流れるときに、流体圧力がそれらを強制的に開くまで閉位置に留まり得る。いくつかの実施形態では、カテーテルハブ110から注入ポート145に逆方向に流れる流体は、対向するリップ295によって停止される。
【0030】
いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230は、リング290をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、リング290は、同心円ポート210のベース255と係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、リング290は、リング290が注入ポート145の表面に載るように、注入ポート145の表面と係合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、注入ポート145は、ダックビルバルブ230が使用中に注入ポート145内に位置した(seated)ままになるように、ダックビルバルブ230のリング290を受け入れるように構成された一致するリングを有し得る。
【0031】
図9Aにおいて、断面図は、注入ポート145内に完全に組み立てられた注入ポート逆流制御デバイスを示す。いくつかの実施形態では、注入ポート145の上部は開いていてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、注入ポート145の開口部内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、同心円ポート210は、注入ポート145の中心に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、同心円ポートは、ベローズ220、注入ポート145、およびダックビルバルブ230のうちの1つまたは複数と同心であり得るため、「同心ポート」と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、第1の側壁開口部240および第2の側壁開口部245は、同心円ポート210の中央を通って長手方向に配置され得る。いくつかの実施形態では、同心円ポート210の上部235は、注入ポート145の上部をわずかに上回ってもよく、注入ポート145と同じ高さ、または注入ポート145の上部をわずかに下回ってもよい。いくつかの実施形態では、環状であってもよい同心円ポート210のベース255は、注入ポート145内の突起上に置かれてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ベローズ220は、注入ポート145の内面と同心円ポート210の外面との間に配置されてもよい。ベローズ220は、垂直に圧縮するように構成され得る。ベローズ220の上部リップ260は、注入ポート145の上面と同じ高さであってもよい。ベローズ220の下部リップ275は、同心円ポート210のベース255上に置かれてもよい。いくつかの実施形態では、ベローズ220が圧縮されるとき、第1の側壁開口部240および第2の側壁開口部245は露出されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230は、同心円ポート210のベースに配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230の対向するリップ295は、流体が注入ポート145の上部を通って注入されるときに開いてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230の対向するリップ295は、流体がカテーテルハブの管腔155から注入ポート145を通って上に流れるとき、デフォルトの閉位置にある場合がある。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ230は、注入ポート145の開口部に流れる流体からの流体圧力がない限り、常に閉位置に留まる。
【0034】
図9Bには、いくつかの実施形態による、末梢静脈内カテーテルアセンブリ200内の注入ポート逆流制御デバイスの断面図が示されている。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態による、注入ポート145を通って無針シリンジ150から末梢静脈内カテーテルアセンブリ200への流体の流れの方向が矢印296で示される。いくつかの実施形態では、無針シリンジ150は、ベローズ220を圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、ベローズ220は、注入ポート145と同心円ポート210との間の空間を完全に満たし得る。いくつかの実施形態では、流体は、同心円ポート210の上部の周りを流れ、第1の側壁開口部240および第2の側壁開口部245に流れ込んでもよい。いくつかの実施形態では、流体は次いで、同心円ポート210内の管腔を通って、ダックビルバルブ230に流れ込んでもよい。いくつかの実施形態では、流体圧力が、ダックビルバルブ230の対向するリップ295を開き、流体がダックビルバルブ230からカテーテルハブ110の管腔155に流入し得る。
【0035】
ここで図10~14を参照すると、いくつかの実施形態による、注入ポート逆流制御デバイスを備えた末梢静脈内カテーテルアセンブリ300が示されている。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ300は、1つまたは複数の構成要素および/または動作の点で、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100および/または末梢静脈内カテーテルアセンブリ200と類似または同一であり得る。いくつかの実施形態では、注入ポート145は、無針シリンジ150を受け入れるように構成されてもよい。注入ポート145の上部は、分割隔壁(split septum)310によって覆われ得る。いくつかの実施形態では、注入ポート145は、カテーテルハブ110に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルハブ110は、管腔155を含んでもよい。いくつかの実施形態では、流体は、無針シリンジ150から注入ポート145に流入し、次にカテーテルハブ110の管腔155に流入し、次にカテーテル130を通って患者に流出し得る。
【0036】
図11には、いくつかの実施形態による、末梢静脈内カテーテルアセンブリ300内の注入ポート逆流制御デバイスが示されている。いくつかの実施形態によれば、注入ポート逆流制御デバイスは、分割隔壁310およびダックビルバルブ320を含み得る。いくつかの実施形態では、分割隔壁310は、注入ポート145の上部に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320は、注入ポート145内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320は、流体が注入ポート145に流入するときに開いてもよく、他の時間に閉位置に留まってもよく、したがって、流体が注入ポート145から流出するのを防ぐ。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、分割隔壁310およびダックビルバルブ320に加えて、追加の部品を含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、分割隔壁310のみを含み得る。いくつかの実施形態では、注入ポート逆流制御デバイスは、ダックビルバルブ320のみを含み得る。
【0037】
図12では、いくつかの実施形態による、分割隔壁310が示されている。いくつかの実施形態では、分割隔壁310は、注入ポート145の上縁部に位置し、および注入ポート145の上縁部の外側を囲むリング305を含み得る。いくつかの実施形態では、リング305は、分割隔壁310が注入ポート145の上部の所定の位置に留まり、分割隔壁310の側面から、または分割隔壁310と注入ポート145との間から流体が漏れるのを防ぐように、注入ポート145の上部に摩擦嵌合し得る。いくつかの実施形態では、分割隔壁310の中心は、下向きに変形可能であり得る複数のリーフ(leaves)315を含み得る。いくつかの実施形態では、無針シリンジ150が注入ポート145に挿入されると、リーフ315は下向きに変形し得る。いくつかの実施形態では、無針シリンジ150が注入ポート145から取り外された後、分割隔壁310のリーフ315は、元の位置に戻り、注入ポート145を密封して、流体が注入ポート145から漏出するのを防いでもよい。
【0038】
図13では、いくつかの実施形態による、ダックビルバルブ320が示されている。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320は、ダックビルバルブ320を通過し、ダックビルバルブ320の対向するリップ340によって閉じられる中央の空洞に接続された、上部を通る開口部335を含み得る。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320の上部は、注入ポート145内の構造と係合し得るリング330を含み得る。いくつかの実施形態では、リング330は、ダックビルバルブを注入ポート145内に位置させてもよく、流体が注入ポート145を通って流れるときに、ダックビルバルブ320を注入ポート145内に維持してもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320は、注入ポート145の長さに基づいて細長いまたは短くされた本体325を含み得る。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320の内部は、中央の空洞を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の状態では、ダックビルバルブ320の対向するリップ340は閉じられてもよく、カテーテルハブ110から注入ポート145に流体が流出するのを防ぐ。いくつかの実施形態では、第2の状態では、ダックビルバルブ320の対向するリップ340は、流体が末梢静脈内カテーテルアセンブリ300に流れることを可能にするために開いてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320の対向するリップ340は、上部開口部を介して注入ポート145に流入する流体によって作用されない限り、閉位置に留まる。
【0039】
図14には、いくつかの実施形態による、末梢静脈内カテーテルアセンブリ300内の注入ポート逆流制御デバイスが示されている。いくつかの実施形態では、無針シリンジ150は、注入ポート145の上部に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、無針シリンジ150は、患者への流体の投与のために末梢静脈内カテーテルアセンブリ300への流体の挿入のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、分割隔壁310のリーフ315は、無針シリンジ150によって、下方に変形され、注入ポート145内に入り得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320は、注入ポート145内に静止されてもよい。いくつかの実施形態では、注入ポート145は、ダックビルバルブ320のリング330に対応する構造を有してもよい。いくつかの実施形態では、この構造は、ダックビルバルブ320を注入ポート145内の所定の位置に保持し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、流体は、注入ポート145に挿入された無針シリンジ150を使用して、末梢静脈内カテーテルアセンブリ300に注入されてもよい。いくつかの実施形態では、ダックビルバルブ320のリーフ315は、流体の力によって開かれてもよい。いくつかの実施形態では、流体はその後、カテーテルハブ110の管腔155に流入してもよい。いくつかの実施形態では、流体はその後、カテーテルハブ110からカテーテル130内および患者内に流れてもよい。
【0042】
ここで図15を参照すると、いくつかの実施形態による、末梢静脈内カテーテルアセンブリ400内の注入ポート逆流制御デバイスが示されている。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ400は、1つまたは複数の構成要素および/または動作に関して、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100、末梢静脈内カテーテルアセンブリ200、および末梢静脈内カテーテルアセンブリ300のうちの1つまたは複数と類似または同一であり得る。いくつかの実施形態では、いくつかの実施形態による、注入ポート145を通って末梢静脈内カテーテルアセンブリ400内への流体の流れは、矢印410によって示される。いくつかの実施形態では、流体は、注入ポート145を通って流入し得、流体の力は、流体がカテーテル130内および患者内に流入し得るように、バルブ120を弾性的に変形させ得る。いくつかの実施形態によれば、バルブ120は、流体が注入ポート145を通って注入されるときに下向きに変形し得、次いで、バルブ120は、流体が注入ポート145から流出するのを防ぐ元の円筒形状に戻り得る。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ400は、注入ポートキャップ115、カテーテルハブ110、エンドキャップ105、およびウィング125のうちの1つまたは複数を含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、バルブ120は、患者からカテーテル130に流入し、次いでカテーテル130からカテーテルハブ110に流入する流体の力により、カテーテル130から離れる周辺方向にスライドしてもよい。いくつかの実施形態では、変位したバルブ120は、注入ポート145を覆わず、したがって、流体がカテーテルハブ110から注入ポート145の外に漏れることを可能にし得る。バルブ120の変位を防止するための様々な方法が本明細書に記載されている。
【0044】
ここで図16を参照すると、いくつかの実施形態による、末梢静脈内カテーテルアセンブリ500内の注入ポート逆流制御デバイスが示されている。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ500は、1つまたは複数の構成要素および/または動作に関して、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100、末梢静脈内カテーテルアセンブリ200、末梢静脈内カテーテルアセンブリ300、および末梢静脈内カテーテルアセンブリ400のうちの1つまたは複数と類似または同一であり得る。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ500は、カテーテル130、カテーテルハブ110、カテーテルハブ110内の管腔155、注入ポート145、および突起を有するバルブ510のうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施形態では、突起は、カテーテルハブ110内のくぼみ(indent)に対応し得る。いくつかの実施形態では、突起は、バルブ510がカテーテルハブ110内で変位することを防止し得る。いくつかの実施形態では、バルブ510は、流体が注入ポート145を通って上方に流れ出るのを防いでもよい。いくつかの実施形態では、バルブ510は、流体が注入ポート145からカテーテルハブ110に流れることを可能にするように圧縮してもよい。
【0045】
ここで図16~17を参照すると、いくつかの実施形態による、突起520が示されている。いくつかの実施形態では、突起520は、バルブ510の外面505上に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、突起520は、バルブ510の中心、中心外、または側面に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、突起520は、バルブ510を部分的に取り囲んでもよく、または完全に取り囲んでもよい。いくつかの実施形態では、突起520は、任意の形状を有してもよい。いくつかの実施形態では、突起520は、半環状の円弧形状を含み得、これは、カテーテルハブ110へのバルブ510の挿入を容易にし得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、バルブ510は、管腔155の内径とわずかに小さいか、または同じサイズの外面505を含み得る。いくつかの実施形態では、管腔155は、突起520と結合する対応するくぼみを有してもよい。いくつかの実施形態では、くぼみと結合する突起520は、バルブ510の変位を防止し得る。いくつかの実施形態では、バルブ510は、摩擦によって管腔155内のその位置に保持され得る。
【0047】
ここで図18を参照すると、いくつかの実施形態による、末梢静脈内カテーテルアセンブリ600内の注入ポート逆流制御デバイスが示されている。いくつかの実施形態では、末梢静脈内カテーテルアセンブリ600は、1つまたは複数の構成要素および/または動作に関して、末梢静脈内カテーテルアセンブリ100、末梢静脈内カテーテルアセンブリ200、末梢静脈内カテーテルアセンブリ300、末梢静脈内カテーテルアセンブリ400、および末梢静脈内カテーテルアセンブリ500のうちの1つまたは複数と類似または同一であり得る。末梢静脈内カテーテルアセンブリ600は、カテーテル130、カテーテルハブ110、カテーテルハブ110内の管腔155、注入ポート145、および複数の突起を有するバルブ610のうちの1つまたは複数を含み得る。突起は、カテーテルハブ110内の1つまたは複数のくぼみに対応し得る。いくつかの実施形態では、突起は、バルブ610がカテーテルハブ110内で変位することを防止し得る。いくつかの実施形態では、バルブ610は、流体が注入ポート145を通って上方に流れ出るのを防いでもよい。いくつかの実施形態では、バルブ610は、流体が注入ポート145からカテーテルハブ110に流れることを可能にするように圧縮してもよい。
【0048】
ここで図18~19を参照すると、いくつかの実施形態による、第1の突起621および第2の突起625を有するバルブ610が示されている。いくつかの実施形態では、第1の突起621は、突起620を含んでもよく、またはそれに対応してもよい。図19Aに示されるように、いくつかの実施形態では、第1の突起621および第2の突起635は、バルブ610の外面605上に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の突起621は、バルブ610の第1の縁に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の突起625は、バルブ610の第2の縁に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の突起621および第2の突起625は、バルブ610を部分的に取り囲むか、または完全に取り囲んでもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1の突起621および第2の突起625は、任意の適切な形状を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の突起621および第2の突起625は、半環状の円弧形状を含み得、これは、カテーテルハブ110へのバルブ510の挿入を容易にし得る。いくつかの実施形態では、バルブ610は、管腔155の内径とわずかに小さいか、または同じサイズの外面605を含み得る。いくつかの実施形態では、管腔155は、第1の突起621および/または第2の突起625と結合する1つまたは複数の対応するくぼみを有し得る。いくつかの実施形態では、くぼみと結合する第1の突起621および/または第2の突起625は、バルブ510の変位を防止し得る。いくつかの実施形態では、バルブ610は、摩擦によって管腔155内のその位置に保持され得る。
【0050】
図19Bは、いくつかの実施形態による、バルブ610の側面図である。いくつかの実施形態では、第1の突起621は、第2の突起625よりもわずかに大きい幅を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の突起621および第2の突起625は、同じ幅を有してもよい。いくつかの実施形態では、第2の突起625は、第1の突起621よりも大きな幅を有し得る。図19Cは、いくつかの実施形態による、第1の突起621および第2の突起625を有するバルブ610の別の図である。
【0051】
本明細書で記載されるすべての例示および条件付き文言は、本技術を促進するために、読者が本発明および本発明者によって提供される概念を理解することの助けとなるような教育的目的を意図しており、その具体的に列挙されている例示および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。本発明の実施形態について詳細に説明されているけれども、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、さまざまな変更、置換、および改変が本明細書にされ得ることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19A
図19B
図19C
【国際調査報告】