(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】リグニンを含有するパルプから製造された製品、特に紙及び板紙の後処理方法
(51)【国際特許分類】
D21H 25/04 20060101AFI20250117BHJP
D21J 1/10 20060101ALI20250117BHJP
D21H 11/08 20060101ALI20250117BHJP
B27N 3/04 20060101ALI20250117BHJP
B27N 3/26 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
D21H25/04
D21J1/10
D21H11/08
B27N3/04 B
B27N3/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544462
(86)(22)【出願日】2022-12-12
(85)【翻訳文提出日】2024-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2022085321
(87)【国際公開番号】W WO2023143799
(87)【国際公開日】2023-08-03
(32)【優先日】2022-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519081400
【氏名又は名称】イプコ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】チェリーレーン ガルシア-リンドグレーン
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-クルト シュロム
(72)【発明者】
【氏名】ディナ タミル
【テーマコード(参考)】
2B260
4L055
【Fターム(参考)】
2B260AA03
2B260BA04
2B260CD16
2B260DA14
2B260EA05
4L055AC01
4L055EA13
4L055EA20
4L055EA23
4L055FA13
4L055FA19
(57)【要約】
本発明は、下記工程を含むリグニンを含有するパルプから製造された製品、特に紙及び板紙の後処理方法に関する:少なくとも1つのベルトを有するベルトプレスの製品ギャップに製品を導入すること、ベルトプレス内の製品を、160℃~350℃まで加熱すること、及びバンドプレス内の製品に、30N/mm~200N/mmのライン圧力、及び/又は、50kN/m2(0.5bar)~600kN/m2(6bar)、特に200kN/m2(2bar)~600kN/m2(6bar)の面圧力を提供すること。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程を含む、リグニンを含有するパルプから少なくとも部分的に製造されている製品、特に紙及び板紙の後処理の方法:少なくとも1つのベルトを有するベルトプレス(10;100)の製品ギャップ(26)に前記製品(28)を導入すること、前記ベルトプレス(10;100)内の製品を、160℃~350℃、特に250℃~350℃まで加熱すること、及び前記バンドプレス内の前記製品(28)に、30N/mm~200N/mmのライン圧力、及び/又は、50kN/m
2(0.5bar)~600kN/m
2(6bar)、特に200kN/m
2(2bar)~600kN/m
2(6bar)の面圧力を提供すること。
【請求項2】
前記製品(28)が2%~40%の含水率を含有するようにして、前記製品、特に紙(28)を湿らせ又は乾燥させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのベルトが、スチールベルト又はプラスチックベルトである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ベルトプレスが、少なくとも1つの上部のベルト及び少なくとも1つの下部のベルトを有するダブルベルトプレス(10;100)であり、前記製品の加熱及び前記製品への圧力の提供が、前記ダブルベルトプレスの前記少なくとも1つの上部のベルトと前記少なくとも1つの下部のベルトとの間の製品ギャップ(26)で実施される、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記ダブルベルトプレス(10;100)が、それらの間に前記製品ギャップ(26)の少なくとも一部を形成する2つのスチールベルトを含み、前記ダブルベルトプレス(10;100)が、それらの間に前記製品ギャップ(26)の少なくとも一部を形成する2つのプラスチックベルトを含み、又は、前記ダブルベルトプレス(10;100)が、それらの間に前記製品ギャップ(26)の少なくとも一部を形成するスチールベルト及びプラスチックベルトを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
2つのプラスチックベルトが、それらの間に前記製品ギャップ(26)の少なくとも一部を形成し、かつ、前記プラスチックベルトのうちの少なくとも一方の背面で、前記製品ギャップ(26)の少なくとも一部ついて、前記スチールベルトが、前記プラスチックベルトと平行に走行する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ダブルベルトプレスの上部のベルトが穿孔されている、請求項3、4、5、又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記ダブルベルトプレスが、第一の上部のベルト及び第二の上部のベルトを含み、前記製品ギャップにおける前記ダブルベルトプレスの搬送方向で見たときに、前記第一のベルトが、前記第二のベルトの上流に配置されている、請求項4、5、6、又は7に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つの圧力ローラー(42、48)、循環ローラー(44、46、50)、少なくとも1つのS-ローラー(124)、少なくとも1つの対向圧力ローラー(126)、及び/又は少なくとも1つの対向圧力ベルト(128)によって、前記圧力が提供される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの圧力ローラー(42、48)、循環ローラー(44、46、50)、少なくとも1つのS-ローラー(124)、少なくとも1つの対向圧力ローラー(126)、及び/又は少なくとも1つの対向圧力ベルト(128)によって、前記圧力が前記製品に直接に提供される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの圧力ローラー(128)、前記循環ローラー(44、46、50)、前記少なくとも1つのS-ローラー(124)、前記少なくとも1つの対向圧力ローラー(126)、及び/又は前記少なくとも1つの対向圧力ベルト(128)が、前記少なくとも1つのベルトの背面に接触しており、前記ベルトの背面が、前記製品ギャップ(26)の反対側を向いている、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記ベルトプレス(10;100)内の前記製品(28)の所望の温度が、前記少なくとも1つのベルトを加熱することによって達成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも2度、前記ベルトプレス(10;100)内で、前記圧力が提供され、そして少なくとも部分的に解放される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記圧力の解放直前に提供されている圧力の30%より小さい値、特に10%より小さい値にまで、前記圧力が解放される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記パルプが機械パルピングによって製造されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記製品(28)が、第一のコイルから巻き出され、そして前記製品(28)が、前記ベルトプレス(10;100)に導入され、かつ、前記ベルトプレス(10;100)を抜けた後で、前記製品が第二のコイル(32)に巻き取られる、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
互いに重ねられた少なくとも2層の前記製品が、前記製品ギャップに導入される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記の範囲内の温度への前記紙の加熱、及び前記の範囲内の圧力の製品への提供が、前記製品内のリグニンに影響を与え、それによって、前記製品をより強固にし、かつ湿分及び水分に対してより耐性にする、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リグニンを含有するパルプから製造された製品、特に紙及び板紙の後処理方法に関する。
【発明の概要】
【0002】
本発明によると、リグニンを含有するパルプから製造された製品、特に紙及び板紙の後処理を改善することができる。
【0003】
上記の改善は、請求項1に記載の、リグニンを含有するパルプから製造された製品、特に紙及び板紙の後処理方法によって達成される。本発明における有利な追加の成果は、従属項にて記述する。
【0004】
リグニンを含有するパルプから少なくとも部分的に製造されている製品、特に紙及び板紙の後処理の方法は、下記工程を含む:少なくとも1つのベルトを有するベルトプレスの製品ギャップに製品を導入すること、ベルトプレス内の製品を、160℃~350℃まで加熱すること、及びバンドプレス内の製品に、30N/mm~200N/mmのライン圧力、及び/又は、50kN/m2(0.5bar)~600kN/m2(6bar)、特に200kN/m2(2bar)~600kN/m2(6bar)の面圧力を提供すること。
【0005】
本発明の方法によると、リグニンを含有するパルプから製造された製品、特に紙及び板紙の機械的強度だけでなく耐湿性をも改善することができる。製品は、リグニンを含有するパルプから少なくとも部分的に製造され、これは、製品の少なくとも構成成分又は少なくとも層がリグニンを含有するパルプから製造されていることを意味する。パルプはリグニンを含有しており、通常は、更に繊維材料を含有している。パルプは好ましくは、リグニンを含有する木材又は植物から少なくとも部分的に製造されている。製品は特に、薄い製品、例えば紙及び板紙である。紙を上記の範囲内の温度に加熱し、かつ上記の範囲内の圧力下に置くことは、製品内のリグニンに作用し、それによって、製品をより強くし、かつ湿気及び水分に対してより耐性にする。乾燥強度及び湿潤強度を向上させられることが示されている。乾燥強度は、引張指数及びSCT(ショートクラッシュテスト)指数によって評価される。湿潤強度は、湿潤引張指数によって評価される。特に、製品、特に紙及び板紙の湿潤強度は、本発明の方法よって著しく増加し、例えば10倍に増加する。一方で、乾燥強度は、例えば2倍になる。全てのリグニンはあらかじめ製品に含有されていることに注目すべきである。本発明の方法の途中で、追加のリグニンを添加すること、例えばリグニンを含有している液体又は粉末を製品に適用することによって、追加のリグニンを添加することができる。これは、それぞれ、噴霧又は散布によって行うことができる。バンドプレスを使用することによって、本発明の方法は、非常に経済的にかつ迅速に実施することができる。しかしながら、本発明の方法は、インラインソリューションを形成することを要しない。すなわち、本発明の方法は、製紙装置の下流又は同一装置中での実施に限定されない。むしろ、本発明の方法は、オフラインで実施すること、例えば、ロール・ツー・ロール(roll―to―roll)法によって実施される。本発明よると、製品は160℃~350℃の温度まで加熱される。本発明の範囲は、上記の範囲のすべての温度を包含していると理解される。用いられる正確な温度及び正確な温度範囲は、紙、及び特にそれから製品が製造されるパルプの種類に依存している。最適な温度及び温度範囲に関する簡易テストは、特定の所定の製品に対して実施することができる。本発明によると、バンドプレス内の製品には、30N/mm~200N/mmのライン圧力、及び/又は50kN/m2~600kN/m2の面圧力が提供される。本発明の範囲は、それぞれの所定の範囲のすべてのライン圧力及び面圧力を包含している。最適なライン圧力及び/又は面圧力は、後処理される製品の種類、特に、それから製品が製造されるパルプの種類に依存している。簡易テストは、ライン圧力及び面圧力に関する所定の範囲内で、後処理される特定の製品について、最適なライン圧力及び/又は最適な面圧力を決定するために実施できる。
【0006】
本発明の1つの態様によれば、製品を製品ギャップに導入する前に、製品が2%~40%の含水率、特に10%~40%の含水率を含有するように、製品を湿らせ又は乾燥させる工程が実施される。
【0007】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つのベルトはスチールベルト又はプラスチックベルトである。
【0008】
スチールベルト又はプラスチックベルトによると、後処理される製品は、ベルトプレスを通して確実に誘導されることができ、かつ温度及び圧力は、再現性のある方法で製品に提供されることができる。プラスチックベルトの場合、ベルトはテフロン(商標)を含むことができ、テフロン(商標)で製造され、又はテフロン(商標)で表面を覆われる。スチールベルトの場合、ベルトは磨かれ、又は所望の表面粗さを有することができる。
【0009】
本発明の1つの態様によれば、ベルトプレスは、上部のベルト及び下部のベルトを少なくとも有するダブルベルトプレスであり、ここで、ダブルベルトプレスの、少なくとも1つの上部のベルトと少なくとも1つの下部のベルトとの間の製品ギャップで、製品の加熱、及び製品への圧力の提供が行われる。
【0010】
ダブルベルトプレスは薄い製品、特に紙の後処理に特に非常に適している。製品はベルト間の製品ギャップに安全に導入され、かつ圧力及び温度は、製品に提供され得る。
【0011】
ダブルベルトプレスは、それらの間に製品ギャップの少なくとも一部を形成する2又はそれより多くのスチールベルト、それらの間に製品ギャップの少なくとも一部を形成する2又はそれより多くのプラスチックベルト、並びに/又はそれらの間に製品ギャップの少なくとも一部を形成する少なくとも1つのスチールベルト及び少なくとも1つのプラスチックベルトを有することができる。全ての上部のベルトと全ての下部のベルトは輪状のベルト(エンドレスベルト)であり、少なくとも2つのドラムの周りに誘導される。ドラムは駆動されていてもよく、又は自由に回転していてもよく、かつドラムは加熱されていても、又は冷却されていてもよい。さらに、ベルトも加熱されていても又は冷却されていてもよい。
【0012】
本発明の1つの態様によれば、2つのプラスチックベルトは、それらの間の製品ギャップの少なくとも一部を形成し、かつプラスチックベルトのうちの少なくとも1つの背面で、製品ギャップの少なくとも一部に関して、スチールベルトがプラスチックベルトと平行方向に動く。
【0013】
2つのプラスチックベルト、及び追加で少なくとも1つのスチールベルトを使用することによって、プラスチックベルト及びスチールベルトの両方の利点が組み合わせられ得る。プラスチックベルトは非付着性表面、すなわちテフロン(商標)を有することができる。さらに、プラスチックベルトは一般的に、スチールベルトと比較して、より安価でありかつ製造しやすい。スチールベルトは、一方で、プラスチックベルトと比較して、より高い圧力を適用し、また後処理される紙へのより大きい熱流束を達成するために使用することができる。さらに、スチールベルトの熱容量は、プラスチックベルトと比較して非常に高い。それによって、スチールベルトを使用して、後処理される紙に熱流を導入する場合には、熱損失は最小化され得る。本発明の1つの態様によれば、ダブルベルトプレスの上部のベルトは穿孔されている。
【0014】
穿孔されている上部のベルトによると、気化ガス又は蒸気は製品ギャップから漏れ出ることができる。製品は加熱され、かつ製品に含まれる水分は製品ギャップ内で蒸発するため、これは重要でありかつ利点であり得る。穿孔したベルトは、製品品質に不利に影響することなく、気化ガス又は蒸気が製品ギャップを抜け出す可能性を与える。その場合であっても、穿孔したベルトによって、圧力が提供され得る。それによって、高くかつ一定の製品品質は確保され得る。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、ダブルベルトプレスは、第一の上部のベルト及び第二の上部のベルトを有し、ここで、第一の上部のベルトは、製品ギャップにおけるダブルベルトプレスの搬送方向で見たときに、第二の上部のベルトの上流に配置される。
【0016】
第一の上部のベルト及び第二の上部のベルトによると、後処理される製品は加圧されかつ加熱されて、かつ、同時に、製品の加熱によって製品ギャップ内に発生する気化ガス及び蒸気は、第一の上部のベルトと第二の上部のベルトとの間の間隙を通って漏れ出ることができる。さらに、圧力も第一の上部のベルトと第二の上部のベルトとの間で解放され、そして、第二の上部のベルトによって再度提供される。これは本発明の方法における利点にもなり得る。このような気化ガス又は蒸気は、製品に含まれる水分及び製品ギャップ内部での製品の次の加熱から発生する。気化ガス及又は蒸気が漏れ出ることを可能にすることによって、非常に良くかつ一定の製品品質が確保され得る。本発明の範囲においては、製品ギャップを通る紙の搬送方向で見たときに、2又はそれよりも多くの分離した上部のベルトが提供されることができ、隣接する上部のベルトの各対の間に、製品ギャップの間隙は提供されて、気化ガス又は蒸気は製品ギャップを抜け出すことができる。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの圧力ローラー、回転ローラー、少なくとも1つのS―ローラー、少なくとも1つの対向圧力ローラー、及び/又は少なくとも1つの対向圧力ベルトによって、圧力は加えられる。
【0018】
圧力ローラー、回転ローラー、S―ローラー、対向圧力ローラー、及び/又は対向圧力ベルトは、ベルトプレスと有利に結合されている。本発明の範囲において、圧力ローラー、回転ローラー、S―ローラー、対向圧力ローラー、及び/又は対向圧力ベルトの組み合わせは可能である。製品に提供される圧力、すなわちライン圧力又は面圧力、及び製品に提供される圧力又は圧力範囲の量について、最適な組み合わせが決定される。
【0019】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの圧力ローラー、回転ローラー、少なくとも1つのS―ローラー、少なくとも1つの対向圧力ローラー、及び/又は少なくとも1つの対向圧力ベルトによって、圧力が製品に直接に加えられる。
【0020】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも1つの圧力ローラー、回転ローラー、少なくとも1つのS―ローラー、少なくとも1つの対向圧力ローラー、及び/又は少なくとも1つの対向圧力ベルトは、少なくとも1つのベルトの裏面に接触する。ここで、このベルトの裏面は、後処理される製品の反対側を向いている。
【0021】
それによって、圧力は間接的に製品に適用される。これは利点となり得る。
【0022】
本発明の1つの態様によれば、ベルトプレス内の製品の所望の温度は、少なくとも1つのベルトを加熱することによって、達成される。
【0023】
特に、後処理される製品は、同時にベルトによって加熱されることができ、かつ圧力はベルトによって製品に加えられ得る。
【0024】
本発明の1つの態様によれば、少なくとも2度、ベルトプレス内で、圧力が加えられ、そして再度少なくとも部分的に解放される。
【0025】
少なくとも2度、圧力を加え、そして再度少なくとも部分的に圧力を解放することは、後処理後の製品品質の改善に、すなわち、機械強度の増加及び水分に対する耐性の増加につながる。例えば、互いに向かい合う圧力ローラーの第一の対及び互いに向かい合う圧力ローラーの第二の対によって、圧力は製品ギャップ内の製品に加えられることができ、圧力ローラーの第一の対及び圧力ローラーの第二の対は、ベルトプレスを通る製品の搬送方向において前後に配置され、圧力ローラーの第一の対と圧力ローラーの第二の対との間で、圧力は少なくとも部分的に解放される。
【0026】
例示の態様によると、圧力は、少なくとも1つの圧力ローラーの対によっても、製品ギャップ内の製品に加えられることができ、上記の圧力ローラーの対は上部のローラー及び下部のローラーを有し、上部のローラー及び下部のローラーは、搬送方向で見たときに、同じ長さ方向の位置に配置されており、上部のローラーは、第一のベルトの背面に触れており、第一のベルトの背面は、製品ギャップの反対側を向いており、下部のローラーは、第二のベルトの背面に触れており、第二のベルトの背面は、製品ギャップの反対側を向いている。さらなる例示の態様によると、回転ローラーの第一の上部の配置及び回転ローラーの第二の下部の配置によって、圧力は製品ギャップ内の製品に与えられることができ、回転ローラーの第一の配置及び回転ローラーの第二の配置は、搬送方向で見たときに、同じ長さ方向の位置に配置されており、回転ローラーの第一の配置は、第一のベルトの背面に触れており、第一のベルトの背面は、製品ギャップの反対側を向いており、回転ローラーの第二の配置は、第二のベルトの背面に触れており、第二のベルトの背面は、製品ギャップの反対側を向いている。回転ローラーによると、製品の上の、又は製品が触れるベルトの一部の上の回転ローラーの流路の中で、圧力は加えられ、再度、部分的に解放される。
【0027】
本発明の1つの態様によれば、パルプは機械パルピングによって製造されている。
【0028】
機械パルピングは、砥石又は精製機によって、小片又は丸太の形状の木材が、パルプ繊維に機械的に分離されることを意味する。これは、若干の変更はあるが、自然由来の木材の構成成分、例えばセルロース、ヘミセルロース及びリグニンの多くが、手つかずのままであることを含む。このような製品の特性は、この製品の後処理のための本発明の方法によって、非常に改善され得る。特に、製品の機械強度並びに製品の湿分及び水分への耐性は非常に増加する。製品、例えば紙及び板紙の少なくとも構成成分若しくは層は、リグニンを含有するパルプから製造されて、本発明の成果を達成する。
【0029】
本発明の1つの態様によれば、製品は、第一の製品コイルから巻き出され、そして、製品はベルトプレスの中に導入され、ベルトプレスを抜けた後、製品は第二のコイルに巻き取られる。
【0030】
それによって、ロール・ツー・ロール法は実現される。本発明の方法はオフラインソリューションとして設計されている。すなわち、本発明の方法は紙機械の内部又は紙機械の下流及びオンラインで実施されることを意図していないため、このようなロール・ツー・ロール法は特に利点がある。
【0031】
本発明の1つの態様によれば、互いに積層されている製品の少なくとも2つの層は、製品ギャップに導入される。
【0032】
製品の後処理は、互いに積層されている少なくとも2つの層について、同時に実施されることができる。それによって、本発明の方法の製品生産性は少なくとも2倍になる。同時に後処理される製品の2つの層の間に分離層が必要ないことは確認されている。
【0033】
本発明のさらなる利点及び態様は、図と併せて、本発明の好適な態様の下記の記述から、導き出すことができる。本発明の特有の特徴は、本発明の範囲内の図に記載された、及び/又は表示された他の特有の特徴と組み合わせることができる。これは、組み合わせられる特有の特徴と併せて記載され、又は表示される他の特有の特徴を伴わない特有の特徴との組み合わせについても同様である。
【0034】
以下、本発明の例示の態様を、図への言及とともに、詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】
図1は、発明を実施するためのベルトプレスの第一の例示の態様を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、発明を実施するためのベルトプレスの第二の例示の態様を概略的に示す図である。
【
図3】
図3は、発明を実施するためのベルトプレスの第三の例示の態様を概略的に示す図である。
【
図4】
図4は、発明を実施するためのベルトプレスの第四の例示の態様を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、上部のベルト12及び下部のベルト14を含むベルトプレス10を示す。上部のベルト12は、第一の回転ドラム16及び第二の回転ドラム18によって、誘導される。ドラム16及び18は2つとも、半時計周りに回転する。それによって、上部のベルト12の下部は、
図1における左から右の方向に、すなわち、
図1における矢印で示されている搬送方向20に動く。
【0037】
下部のベルト14は、第三の回転ドラム22及び第四の回転ドラム24によって誘導される。ドラム22及び24の2つは時計回りの方向に回転することができる。それによって、下部のベルト14の上部は搬送方向20に動く。上部のベルト12の下部と下部のベルト14の上部の間に、製品ギャップ26は提供される。
【0038】
後処理される紙28は製品ギャップ26に提供され、そして動作するベルト12及び14によって、製品ギャップを通って搬送方向20に搬送される。本発明の範囲において、リグニンを含有するパルプから製造される製品、特に紙28及び板紙は、後処理され得る。紙を2%~40%の含水率に湿らせ又は乾燥させることは、紙を製品ギャップに導入する前に実施され得る。
【0039】
紙28は、第一の紙コイル30から巻き出される。製品ギャップ26内でベルトプレス10によって後処理された後、紙は第二のコイル32に巻き取られる。本発明の方法は、それによって、ロール・ツー・ロール法として実施される。本発明の方法は、オフラインソリューションを形成することを意図している。すなわち、本発明の方法は、オンライン及び製紙装置の下流で、追加の製紙製造工程として実施されることを意図していない。
【0040】
紙28は第一のコイル30から製品ギャップ26に誘導される。ドラム16及び22は加熱され得る。
【0041】
上部のベルト12及び下部のベルト14は、プラスチックベルト又はスチールベルトであってもよい。例えば、上部のベルト12はプラスチックベルトであってもよく、かつ下部のベルト14はスチールベルトであってもよく、又はベルト12及び14の両方がプラスチックベルト若しくはスチールベルトであってもよい。
図1に示す例示の態様では、ベルト12及び14の両方がスチールベルトであり、かつドラム16及び22は加熱されて、製品ギャップ26の初めで、上部のベルト12及び下部のベルト14を所望の温度に加熱してもよい。
【0042】
製品ギャップ26の初めでは、上部のベルト12は、第一のドラム16の外周のおおよそ半分の上に、誘導される。第一のドラム16は、チャネル40を通って第一のドラム16の内部に誘導される加熱液体によって、加熱される。結果として、上部のベルト12は、第一のドラム16の外周に接している間、加熱される。それゆえ、製品ギャップ26の一番初めで、すなわち、第一のドラム16と第二のベルト14の上部の間で、上部のベルト12は所望の温度を持つ。下部のベルト14は、チャネル54によって加熱される第三のドラム22の外周のおおよそ半分の上に、誘導される。それゆえ、下部のベルト14も、製品ギャップ26の初めで所望の温度を有する。
【0043】
第一のドラム16の下流に、6つの圧力ローラー42の組が配置されている。それぞれの圧力ローラー42の組は、上部の圧力ローラーと下部の圧力ローラーをから成り、搬送方向20に垂直である鉛直方向から見たときに、上部の圧力ローラーはそれぞれ、それぞれの下部の圧力ローラーの上に配置されている。それぞれの上部の圧力ローラーは上部のベルト12の下部の背面に触れ、それぞれの下部の圧力ローラーは下部のベルト14の上部の背面に触れる。すなわち、上部の圧力ローラーは、製品ギャップ26の反対側を向いている上部のベルトの背面に触れ、かつ下部の圧力ローラーは、製品ギャップ26の反対側を向いている下部のベルトの背面に触れる。
【0044】
2組の圧力ローラー42の組の間に、加熱器44の組が配置されている。加熱器44の各組は、2つの上部の圧力ローラーの間で上部のベルト12の背面に熱風を吹き付ける上部の加熱器を含む。さらに、加熱器44の各組は、2つの下部の圧力ローラーの間で下部のベルト14の背面に熱風を吹き付ける下部の加熱器をも含む。全体として、5組の加熱器44の組が配置されて、製品ギャップ26内の温度を、望ましい値に又は望ましい範囲内に保っている。加熱器44の組によって、圧力ローラー42も加熱される。
【0045】
圧力ローラー42は、圧力及び熱を提供する領域を形成する。上記領域内で紙28に提供される温度は、300℃に達し、上記領域内で紙28に提供されるライン圧力は40N/mmに達する。40N/mmのライン圧力は、圧力ローラー42の各組によって提供されることがわかっている。圧力ローラー42の組の下流で、圧力は、少なくとも部分的に解放されて、そして、次の圧力ローラー42の組によって再度提供される。そのため、圧力ローラー42によると、圧力は6回、提供されかつ解放される。
【0046】
6組目の圧力ローラー42の組の下流で、上部のベルト12は第二のドラム18の周りに誘導され、下部のベルト14は第四のドラム24の周りに誘導される。したがって、第二のドラム18及び第四のドラム24の間で、製品ギャップ26は終わる。後処理された紙28は、そして、製品ギャップ26の下流で、第二のコイル32に巻き取られる。
【0047】
図2は、それによって本発明の方法が実施され得る、ベルトプレスの第二の例示の態様を概略的に示す。
【0048】
図1、2、3及び4で説明される、熱及び圧力を提供する様々な方法は、熱及び圧力を提供する
図1の全ての方法と、熱及び圧力を提供する
図2の全ての方法とを結合する必要なく、互いに結合され得るとわかっている。例えば、
図1の圧力ローラー42は、
図4によって示され及び説明されるS―ローラー及び対向圧力ベルト並びに/又は
図3による回転ローラーと、ベルトプレス内で結合されることができる。
【0049】
図2に示されるベルトプレス100は、第一の上部のベルト112及び第二の上部のベルト114を含む。第一のベルト112は2つのドラム118及び120の周りに誘導される。ドラム118及び120は加熱され得る。第二の上部のベルト114は、2つのドラム122及び124の周りに誘導される。ドラム122及び124は加熱され、又は冷却され得る。第一の上部のベルト112のためのドラム118及び120並びに第二の上部のベルト114のためのドラム122及び124は、同じ高さに配置され、反時計回りの方向にただ回転することができる。搬送方向20で見たときに、第二の上部のベルト114は、第一の上部のベルト112の下流に配置される。第一の上部のベルト112と第二の上部のベルト114との間に、間隙140が提供される。この間隙140は、ドラム120と122との間に配置される。この間隙140は、製品ギャップ26を遮断し、製品ギャップ26は、間隙140内の上側に開放される。この間隙140を使用して、製品ギャップ26内で後処理される紙の気化ガス又は蒸気を放出する。製品ギャップ26内でダブルベルトプレス100によって後処理される紙は、30%から70%の間の含水率を含む。そして、紙は圧力ローラー42及び加熱器44を用いるのと同様に、上部のベルト112及び114並びに下部のベルト116を用いても製品ギャップ内で加熱される。製品ギャップ26内の紙は、160℃から350℃の間の温度にまで加熱される。それによって、紙内に含まれる水分は少なくとも部分的に蒸発する。それによって生じる気化ガス又は蒸気は、間隙140にある製品ギャップ26を抜け出すことができる。製品ギャップ26内で作り出される気化ガス又は蒸気は、それによって、
図1のダブルベルトプレス10に比べてとても早く放出される。
図1に示されるダブルベルトプレスでは、気化ガス又は蒸気は製品ギャップ26から側面に、すなわち、
図1の視点方向に及び紙面方向に漏れ出すことのみできる。
【0050】
第一の上部のベルト112は、第二の上部のベルト114と同じ長さを有している。第一の上部のベルト112の区画には、2組の圧力ローラー42の組が配置され、1組の加熱器44の組は、2組の圧力ローラー42の組の間に配置される。第二の上部のベルト114の区画においても、2組の圧力ローラー42の組が配置され、1組の加熱器44の組は2組の圧力ローラー42の組の間に配置される。
【0051】
下部のベルト116は、第一の上部のベルト112又は第二の上部のベルト114のおおよそ2倍の長さを有する。製品ギャップ26の始めで下部のベルト116を誘導する第一のドラム126は、製品ギャップ26の始めで第一の上部のベルト112を誘導するドラム118の真下に配置される。製品ギャップ26の終わりで下部のベルト116を誘導するドラム128は、製品ギャップ26の終わりで第二の上部のベルト114を誘導するドラム124の真下に配置される。下部のベルト116の区画で、2組の圧力ローラー42の組及び1組の加熱器44の組は、第一の上部のベルト112に渡って配置される。下部のベルト116の区画で、2組の圧力ローラー42の組及び1組の加熱器44の組は、第二の上部のベルト114に渡って配置される。第一の上部のベルト112を誘導するドラム120にわたって、間隙140の区画において、及び第二の上部のベルト114を誘導するドラム122にわたって、追加の圧力ローラー142が配置される。圧力ローラー142は、製品ギャップ26の反対側に向いている下部のベルト116の背面に隣接する。加熱器144はドラム120及び122並びに下部のベルト116の上部を加熱する間隙140の反対側に配置される。
【0052】
紙の第一の層28は、第一のコイル130から巻き出され、製品ギャップ26を通して誘導され、製品ギャップ26の終点の後、第二のコイル132に巻き取られる。同時に紙の第二の層128は、第一のコイル134からほどかれ、製品ギャップ26を通して誘導され、製品ギャップ26の終点の後、第二のコイル136に巻き取られる。
図2のダブルベルトプレス100によると、紙の2つの層28及び128は、同時に後処理され得る。紙の2つの層28及び128の間に、分離層は不要である。本発明の範囲において、紙の2又はそれより多くの層は同時に後処理され得る。
【0053】
図3は、本発明の第三の例示の態様による、ベルトプレス200を示す。ベルトプレス200はダブルベルトプレスであり、その間に製品ギャップ26を形成する、上部のベルト12及び下部のベルト14を有する。ベルトプレス200は、
図1と併せて説明されたベルトプレス210に非常に類似しており、相違点のみ説明する。
【0054】
紙28は第一のコイル30から巻き出され、製品ギャップ26を通して誘導され、温度及び圧力は製品ギャップ26内で紙に提供される。製品ギャップ26を抜けた後、紙は第二のコイル32に巻き取られる。
【0055】
製品ギャップ26内に、3組の圧力ローラー42の組が配置される。2組の圧力ローラー42の組の間に、加熱器44の組が配置される。
【0056】
3組目の圧力ローラー42の組の下流に、2組の循環ローラーの組210が配置される。循環ローラー210のそれぞれの組は、上部の循環ローラー機器212及び下部の循環ローラー機器214を提供する。上部の循環ローラー機器212はローラー鎖を提供し、それは誘導ブロックの周りを反時計回りに誘導され、かつ動作する。
図3に見られるように、循環ローラー機器212のおおよそ8個のローラーは、上部のベルト12の背面に同時に接する。循環ローラー機器212のそれぞれのローラーによって、圧力は製品ギャップ26内の紙28に提供される。それぞれのローラーを通過した後、圧力は間もなく解放され、そして次のローラーによって再度提供される。下部の循環ローラー機器214は、ローラー鎖が時計回りに動作することを除き、上部の循環ローラー機器212と同じ方法で配置される。誘導ブロック並びに/又は上部の循環ローラー機器212及び下部の循環ローラー機器214のローラーは、加熱され及び/又は冷却されうる。第二の回転ローラーの組210は、第一の回転ローラーの組210と同じ方法で配置される。
【0057】
循環ローラー210によって、350℃までの温度が製品ギャップ26内の紙28に提供されることができ、かつそれと同時に、200kN/m2(2bar)の圧力は、製品ギャップ26内の紙28に提供されることができる。
【0058】
図4は、本発明の方法を実施するベルトプレスの第四の例示の態様を概略的に示す。ベルトプレス300は
図1のベルトプレス10に非常に類似しており、相違点のみ説明する。
【0059】
ベルトプレス300は、上部のベルト12と下部のベルト14を含む。上部のベルト12の下部及び下部のベルト14の上部は製品ギャップ26をその間に形成する。紙28は第一のコイル30から巻き出され、製品ギャップ26を通って搬送方向20に誘導され、製品ギャップ26を抜けた後、紙28は第二のコイル32に巻き取られる。上部のベルト12はドラム16及び18の周りに誘導され、かつ下部のベルト14はドラム22及び24の周りに誘導される。
【0060】
製品ギャップ内に、S―ローラー310が配置される。S-ローラー310は上部のベルト12を下方へ押す方法で配置される。同時に、下部のベルト14も下方へ押される。これは、初めにS-ローラー310の上流で下方へ湾曲し、そしてS-ローラー310の下流で上方へ湾曲している製品ギャップ26につながる。S-ローラー310は、例えば油圧シリンダーによって、製品ギャップ26に向かう方向にプレストレスされる得る。S―ローラー310は加熱され、又は冷却され得る。
【0061】
S-ローラー310にわたって、対向圧力ローラー312は配置され、下部のベルト14の背面に隣接する。対向圧力ローラー312はその位置に固定され、製品ギャップ26の反対側を向いている下部のベルト14の背面に触れる。対向圧力ローラー312は、S-ローラー310の範囲で対向圧力を提供する。結果として、製品ギャップ26内の紙28は、初めにSローラー310によって下方へ誘導され、そして、ライン圧力、又は対向圧力ローラー312及びS-ローラー310による圧力が加えられる。その後、製品ギャップ26内の紙28は再度製品ギャップ26の始めと同じ高さまで上方へ誘導される。S-ローラー310の上流に、圧力ローラー42の組が配置される。この圧力ローラー42の組は、製品ギャップ内の紙28に圧力を提供するために使用されるが、上部のベルト12及び下部のベルト14を誘導するためにも使用される。
【0062】
S―ローラー310の下流に、さらなる圧力ローラー42の組が配置される。この圧力ローラー42の組は、製品ギャップ内で紙28に圧力を提供し、さらに上部のベルト12及び下部のベルト14を誘導するために使用される。S―ローラー310の上流の圧力ローラー42の組によって、S―ローラー310及び対向圧力ローラー312によって、並びにS-ローラー310の下流の圧力ローラー42によって、圧力は3回、提供され及び再度少なくとも部分的に紙28から解放されることがわかる。S―ローラー310の上流の圧力ローラー42の組によると、第一の圧力は、第一の値を持って提供される。S―ローラー310及び対向圧力ローラー312によって、第二の圧力は第二の値を持って提供され、第二の値は第一の値より高い。S―ローラー310の下流の圧力ローラー42の組によって、第三の圧力は第三の値で紙28に提供され、第三の値は第二の値より低く、かつ、例えば、第一の値と同じ値を有する。
【0063】
S―ローラー310の下流の圧力ローラーの第二の組に続いて、3組の加熱器44の組が配置される。すなわち、製品ギャップのこの範囲の紙28は加熱のみされ、かつS―ローラー310の下流の圧力ローラー42の組によって提供される第三の値の圧力より小さい圧力のみ紙28に提供される。下部のベルト14は製品ギャップ内のこの範囲に支持ローラー314によって誘導される。
【0064】
製品ギャップ26を抜けた後、紙28は第二のコイル32に巻き取られる。
【国際調査報告】