(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】炭酸水装置
(51)【国際特許分類】
B01F 21/00 20220101AFI20250117BHJP
B01F 23/236 20220101ALI20250117BHJP
B01F 23/231 20220101ALI20250117BHJP
B01F 35/71 20220101ALI20250117BHJP
B01F 35/51 20220101ALI20250117BHJP
B01F 101/14 20220101ALN20250117BHJP
【FI】
B01F21/00
B01F23/236
B01F23/231
B01F35/71
B01F35/51
B01F101:14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544722
(86)(22)【出願日】2022-12-15
(85)【翻訳文提出日】2024-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2022086020
(87)【国際公開番号】W WO2023143805
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】102022101881.4
(32)【優先日】2022-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502241800
【氏名又は名称】ヴェーエムエフ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー アベル
【テーマコード(参考)】
4G035
4G037
【Fターム(参考)】
4G035AA06
4G035AB05
4G035AE01
4G035AE13
4G035AE17
4G037AA01
4G037AA02
4G037DA30
4G037EA01
(57)【要約】
提供されるのは、炭酸ガスカートリッジと連結するための連結部、炭酸水飲料ボトル、炭酸水飲料ボトル内の水に炭酸ガスを補給するための装置、及び、圧力容器を備えた炭酸水装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸水装置であって、
a)外部に対して液密な炭酸ガスカートリッジとの連結に適した連結部と、
b)少なくとも部分的に水で満たされた内部、及び、コネクタを有する炭酸水飲料ボトルと、
c)長手方向軸に沿って中空内部を有する圧力容器であって、前記中空内部は、第1側面に第1の開口部を有し、前記第1側面とは反対側の第2側面に第2の開口部を有し、前記第1の開口部は、前記炭酸水装置の前記連結部に接続される第1の結合構造を有し、前記第1の開口部は、前記炭酸水装置の炭酸ガスカートリッジに流体的に接続され、前記第2の開口部は、前記炭酸水飲料ボトルの前記コネクタに可逆的に接続される第2の結合構造を有し、前記第2の開口部は、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部に流体的に接続される、圧力容器と、
d)前記炭酸水飲料ボトル内の水に二酸化炭素のガス補給する装置であって、前記炭酸水飲料ボトルの前記水で満たされた内部の少なくともいくつかの領域に配置される装置と、
を備え、
前記圧力容器の前記中空内部は、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部の容積の5%から30%の範囲を有することを特徴とする炭酸水装置。
【請求項2】
i)前記圧力容器の前記中空内部が、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部の容積の10%から25%の範囲、好ましくは15%から25%の範囲、特に18%から22%の範囲を有し、及び/又は、
ii)前記圧力容器の前記中空内部が、100~500cm
3の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸水装置。
【請求項3】
i)前記圧力容器の前記中空内部が、前記圧力容器の前記第2側面の前記開口部に向かって重力によって水を導くのに適した表面のみを有する、又は、
ii)前記圧力容器の前記中空内部が、少なくともいくつかの領域において、前記圧力容器の前記第2側面の前記開口部に向かって重力によって水を導くのに適さない表面を有し、前記重力によって水を導くのに適さない表面は、前記圧力容器の前記第2側面の前記開口部に向かって水を搬送するのに適した装置に流体的に接続され、前記水を搬送するのに適した装置は、好ましくは、ポンプ、スクレーパー、及び、それらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の炭酸水装置。
【請求項4】
i)前記圧力容器が、前記圧力容器の長手方向軸に沿って、2cmから40cmの長さを有し、及び/又は、
ii)前記圧力容器が、前記圧力容器の長手方向軸に沿って、少なくともいくつかの領域で円筒形状を有することを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項5】
前記圧力容器は、前記圧力容器の長手方向軸に対する垂直な最大直径が、5cm~20cmであり、特に好ましくは、前記圧力容器の前記第1側面の直径、及び/又は、前記圧力容器の前記第2側面の直径が、前記圧力容器の前記第1側面と前記第2側面との間の直径よりも小さいことを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項6】
i)前記圧力容器は、ステンレス鋼を含むか、又は、ステンレス鋼からなり、前記ステンレス鋼の肉厚は、好ましくは0.3mmから8mmの範囲であり、前記ステンレス鋼は、任意に他の材料、特にプラスチックでオーバーモールドされたステンレス鋼であり、及び/又は、
ii)前記圧力容器は、プラスチックを含むか、又は、プラスチックからなり、前記プラスチックの肉厚は、好ましくは0.3mmから15mmの範囲であり、前記プラスチックは、任意に繊維複合材料を含むか、又は、繊維複合材料からなることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項7】
前記圧力容器の前記第1側面は、前記圧力容器の前記第1側面と前記炭酸水装置の前記連結部との間の液密結合を確立するのに適したシールを有することを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項8】
前記圧力容器の前記第2側面は、前記圧力容器の前記第2側面と前記炭酸水飲料ボトルの前記コネクタとの間に液密結合を確立するのに適したシールを有することを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項9】
前記圧力容器の前記第2側面の最外部は、少なくとも前記炭酸水飲料ボトルの高さに対応する、前記炭酸水装置の基部からの距離を有し、前記炭酸水装置の前記基部からの距離は、好ましくは10cmから40cmの範囲であることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項10】
前記第1の結合構造及び/又は前記第2の結合構造は、ねじ山、バヨネットクロージャ、及び、それらの組み合わせからなる群から選択され、前記ねじ山は、任意選択で、連続ねじ山、又は、ねじ山セグメントであることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項11】
i)前記炭酸水飲料ボトルは、前記炭酸水飲料ボトルの前記コネクタに、ねじ山、バヨネットクロージャ、及び、それらの組み合わせからなる群から選択される結合構造を有し、前記ねじ山は、任意に、連続ねじ山、又は、ねじ山セグメントであり、及び/又は、
ii)前記炭酸水飲料ボトルは、少なくとも部分的に、任意に完全に、400nmから800nmの範囲の光に対して不透明な材料を含むか、又は、前記不透明な材料からなる、壁を有し、前記不透明な材料は、特に、ステンレス鋼、着色プラスチック、着色ガラス、及び、それらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項12】
前記炭酸水飲料ボトル内の水にガス補給するための前記装置が、ランスを含むか、又は、ランスからなり、
i)前記ランスは、好ましくは、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部まで、前記圧力容器の前記中空内部に配置され、前記ランスは、好ましくは、前記圧力容器の前記内部から前記炭酸水飲料ボトルの前記内部まで、前記ランスの長手方向軸に沿って延び、及び/又は、
ii)前記ランスは、好ましくは、前記ランスの長手方向軸に沿って、内部空洞を有し、前記内部空洞は、前記炭酸水装置の前記連結部に流体的に接続され、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部に流体的に接続され、及び/又は、
iii)前記ランスは、好ましくは、前記ランスの長手方向軸に垂直な方向に、前記圧力容器の前記中空内部の長手方向軸に垂直な方向の最小直径よりも小さい最大直径を有することを特徴とする、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項13】
i)前記ランスは、前記ランスの長手方向軸に沿って長く、0.2~50cmの範囲の長さを有し、及び/又は、
ii)前記ランスは、前記ランスの長手方向軸に垂直な最大直径が、0.3~10.0cmの範囲にあり、及び/又は、
iii)前記ランスは、前記圧力容器の前記中空内部の中央に配置されることを特徴とする、請求項12に記載の炭酸水装置。
【請求項14】
前記ランスは、前記ランスの長手方向軸に沿って、0.2~10cmの範囲内の長さに沿って、前記圧力容器の前記第2側面の前記最外部から突出するように長いことを特徴とする請求項12又は請求項13のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項15】
i)前記ランスが、前記炭酸水装置に不可逆的に接続されているか、又は、
ii)前記ランスが、前記圧力容器に不可逆的に接続されていることを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
提供されるのは、炭酸ガスカートリッジと連結するための連結部、炭酸水飲料ボトル、炭酸水飲料ボトル内の水に炭酸ガスを補給するための装置、及び、圧力容器を備えた炭酸水装置である。圧力容器は、その長手方向軸に沿って、中空内部を有し、中空内部は、第1側面に第1の開口部を有し、第1側面とは反対側の第2側面に第2の開口部を有する。この場合、第1の開口部は、第1の結合構造を有し、この結合構造は炭酸水装置の連結部に(任意に可逆的に)接続され、第2の開口部は、第2の結合構造を有し、この結合構造は炭酸水飲料ボトルのコネクタに可逆的に接続される。この炭酸水装置は、既知の炭酸水装置に比べ、より簡単に、より便利に、より正確に、より満タンに炭酸水飲料ボトルを充填することを可能にする。
【背景技術】
【0002】
従来の炭酸水装置は、飲料ボトル内の水に、二酸化炭素を注入し、水に炭酸ガスを濃縮させる。この目的のために、標準的な炭酸水装置にはランス(lance)があり、このランスを通して二酸化炭素が圧力下で上から水の入った飲料ボトルに導かれる。効率的なガス抜きには、炭酸水ボトル内の上部領域に一定の空気充填容積が必要であり、そこに加圧ガス抜きによって上昇する水が短時間入って再び出ることができる。
【0003】
この容積は通常、炭酸水装置に挿入される飲料ボトルによって提供される。つまり、炭酸水装置による二酸化炭素ガス補給前に、飲料ボトルに水が充填される際には、この容積を空けておく必要がある。この結果、最終的に飲料ボトルが提供する容積の全てが炭酸水の調製に使用されない可能性があるため、ユーザーにとって不利になる。
【0004】
一般的な、炭酸水装置の飲料ボトル内の水を、二酸化炭素で最適にガス補給するためには、ユーザーは、飲料ボトルのマークまで正確に水を入れる必要がある。透明な材料(例えば、透明ガラス)で作られたボトルの場合、最適な充填量を維持することは容易であろう。対照的に、透明でないボトル(例えば、スチールボトル)では、液面が見えにくい、あるいは見えないため、ユーザーが最適な充填量を維持することはより困難である。さらに、最大充填レベルは、ボトル開口部の領域ではなく、ボトルのずっと深い領域にあることが多く、ボトルが非透明であるため、周囲光による照度も低い。特に、このような飲料ボトルを備えた炭酸水装置の場合、飲料ボトルへの充填はエラーになりやすく、ユーザーにとってあまり簡単でも便利でもない。
【0005】
特許文献1は、炭酸ガス供給源との連結を確立するための連結部と、炭酸水飲料ボトルと、圧力容器と、炭酸水飲料ボトルの内部に配置され、炭酸水飲料ボトルの水に炭酸ガスを補給するための装置と、を有する炭酸水装置を開示しており、圧力容器は、第1の開口部と、第1の開口部に対向する第2の開口部と、を有する中空内部を有し、第1の開口部は、炭酸ガス供給源に流体的に接続され、第2の開口部は、炭酸水飲料ボトルの内部に流体的に接続される。特許文献1における、炭酸水装置には、材料費とコストがかかるという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、従来技術で知られている欠点のない炭酸水装置を提供することであった。特に、提供される、炭酸水装置は、その炭酸水飲料ボトルを、既知の炭酸水装置よりも、より簡単に、より便利に、より正確に、より一杯に充填することができるはずである。さらに、壁が可視光に対して不透明な材料(例えば、ガラス壁への印刷)からなり、及び/又は、そのような材料(例えば、ステンレス鋼壁のような金属壁)からなる炭酸水飲料ボトルで、簡単で、便利で、正確で、完全な充填が可能であるべきである。さらに、この炭酸水装置は、特に、水で完全に満たされた炭酸水飲料ボトルを、より費用効果の高い方法で効率的に加圧ガス補給することを可能にすべきである。
【0008】
この目的は、請求項1の特徴を有する炭酸水装置によって達成される。従属請求項には、有利な展開が記載されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における、炭酸水装置であって、
a)外部に対して流体密である炭酸ガスカートリッジとの連結を確立するのに適した連結部(任意に、連結部は、外部に対して液密である炭酸ガスカートリッジとの連結又は接続を有する)と、
b)少なくとも部分的に(任意で完全に)水で満たされた内部、及び、コネクタを有する炭酸水飲料ボトルと、
c)圧力容器の長手方向軸に沿って中空内部を有する圧力容器であって、中空内部は、第1側面に第1の開口部を有し、第1側面とは反対側の第2側面に第2の開口部を有し、第1の開口部は、炭酸水装置の連結部に(任意に可逆的に)接続される第1の結合構造を有し、第1の開口部は、炭酸水装置の炭酸ガスカートリッジに流体的に接続され、第2の開口部は、炭酸水飲料ボトルのコネクタに可逆的に接続される第2の結合構造を有し、第2の開口部は、炭酸水飲料ボトルの内部に流体的に接続される、圧力容器と、
d)炭酸水飲料ボトル内の水に二酸化炭素をガス補給する装置であって、少なくとも炭酸水飲料ボトルの水で満たされた内部のいくつかの領域に配置される装置と、を備え、
圧力容器の中空内部は、炭酸水飲料ボトルの内部容積の5%から30%の範囲の容積を有することを特徴とする炭酸水装置。
【0010】
「圧力容器」という用語は、その中空内部に内圧がかかった場合、圧力を炭酸で飽和させている二倍の圧力、好ましくは0.5MPaから3MPaの範囲の圧力、特に好ましくは、1MPaから2.5MPaの範囲の圧力、特に、2.0MPaから2.4MPaの範囲の圧力によっても破壊されない構成要素を指す。圧力容器は、炭酸水装置の炭酸ガス供給源と同一ではなく、すなわち、炭酸ガスカートリッジと同一ではない。本発明によれば、「流体」という用語は、気体及び液体の両方を指す。例えば、「液密」という用語は、液密及び気密を意味し、「流体的に」という用語は、液体伝導性及び気体伝導性を意味する。
【0011】
炭酸水装置の利点は、より簡単に、より便利に、より正確に、より満タンに炭酸水を充填できることである。これは、炭酸水装置の圧力容器が、加圧ガス補給時に、炭酸水飲料ボトル内の水が膨張する容積をボトル外部に形成することによって達成される。これにより、従来の炭酸水装置よりも高い位置、例えば、ボトルネックの下端まで、あるいは、炭酸水ボトルのボトルネックまで水を充填することが可能になる。この領域は、外から/上から、依然として容易かつ明瞭に見えるので、簡単、便利、正確で充実した充填が可能になる。炭酸水装置への圧力容器のオプションの可逆的結合により、圧力容器の清掃も容易になる。それとは別に、圧力容器の内部容積が、炭酸水飲料ボトルの内部容積の5%から30%の範囲であるため、本発明の炭酸水装置では、公知の炭酸水装置よりも、コスト効率の良い方法で、完全に水で満たされた炭酸水飲料ボトルを効率的に加圧ガス補給することが可能である。
【0012】
好ましい実施形態では、圧力容器の中空内部は、炭酸水飲料ボトルの内部容積の10%から25%の範囲、好ましくは、15%から25%の範囲、特に、18%から22%の範囲の容積を有する。圧力容器の内部容積をこの範囲にすることで、水が完全に充填された炭酸水飲料ボトルの加圧ガス補給の効率を損なうことなく、さらに費用対効果の高い炭酸水装置を提供することができる。圧力容器の内部容積が、炭酸水飲料ボトルの内部容積の少なくとも10%、少なくとも15%、又は、少なくとも18%の範囲であれば、炭酸水飲料ボトルの内部容積の少なくとも5%の範囲と比較して、加圧ガス補給の効率をさらに高めることができる。圧力容器の中空内部は、例えば、100~500cm3の範囲の容積を有することができる。
【0013】
さらに好ましい実施形態では、圧力容器の中空内部は、圧力容器の第2側面の開口部に向かって重力によって水を導くのに適した表面のみを有する。この実施形態は、最大量の炭酸水を、炭酸水飲料ボトルに供給することができ(水の一部が圧力容器に残らないため)、汚染のリスクがないか、少なくとも低減されるという利点がある。
【0014】
あるいは、圧力容器の中空内部は、少なくとも一部の領域において、圧力容器の第2側面の開口部に向かって重力によって水を導くのに適さない表面を有することができ、当該表面は、圧力容器の第2側面の開口部に向かって水を搬送するのに適した装置に流体的に接続される。この装置は、好ましくは、ポンプ、スクレーパー、及び、それらの組み合わせからなる群から選択される。この実施形態はまた、最大量の炭酸水を、炭酸水飲料ボトルに供給することができ(水の一部が圧力容器に残らないため)、汚染のリスクがないか、少なくとも低減されるという利点もある。
【0015】
炭酸水装置の圧力容器は、その長手方向軸に沿って、2cmから40cmの長さを持つことができる。さらに、圧力容器は、少なくとも一部の領域において円筒形状を有する場合がある。
【0016】
これとは別に、圧力容器は、その長手方向軸に垂直な最大直径が、5cm~20cmであってもよく、特に好ましくは、圧力容器の第1側面の直径及び/又は圧力容器の第2側面の直径は、圧力容器の第1側面と第2側面との間の直径よりも小さい。
【0017】
圧力容器は、ステンレス鋼で構成され、ステンレス鋼の肉厚は、好ましくは0.3~8mmである。ステンレス鋼は、任意に、他の材料、特に、プラスチックでオーバーモールドされたステンレス鋼である。ステンレス鋼は、(補強リブなしでも)圧力容器内の内圧に対して適切な(つまり十分な)耐性を持ち、食器洗浄機での洗浄が容易であるという利点がある。ステンレス鋼はまた、例えば、磁器やガラスよりも脆くなく、圧力容器が内部圧力によって破損し、圧力容器の小さな部品が飛び出す危険性がないか、少なくとも低減され、炭酸水装置の使用者が怪我をする危険性がないことを意味する。
【0018】
さらに、圧力容器は、プラスチックを含むか、又は、プラスチックからなり得、プラスチックの肉厚は、好ましくは0.3mmから15mmの範囲である。プラスチックは、繊維複合材料を含むか、又は、繊維複合材料からなり得る。ステンレス鋼と同様、プラスチックは(補強リブがなくても)圧力容器の内圧に対して十分な耐性を持つという利点がある。プラスチックは、ステンレス鋼と同様、例えば、磁器やガラスよりも脆くなく、圧力容器が内部圧力によって破損し、圧力容器の小さな部品が飛び出す危険性がないか、少なくとも低減され、炭酸水装置の使用者が怪我をする危険性がないことを意味する。プラスチックは、ステンレス鋼よりも安価であるため、炭酸水を低コストで提供できるという利点がある。
【0019】
圧力容器の第1側面は、圧力容器の第1側面と炭酸水装置の連結部との間の液密結合を確立するのに適したシールを有することができる。
【0020】
圧力容器の第2側面は、圧力容器の第2側面と炭酸水飲料ボトルのコネクタとの間の液密結合を確立するのに適したシールを有することができる。
【0021】
圧力容器の第2側面の最も外側の部分は、少なくとも炭酸水飲料ボトルの高さに対応する炭酸水装置の基部からの距離を有することができ、炭酸水装置の基部からの距離は、好ましくは10cm~40cmの範囲である。
【0022】
炭酸水飲料ボトルのコネクタは、圧力容器の第2の開口部に、2~5cmの長さで突出しているのが好ましい。この長さ以上の突出部は、炭酸水飲料ボトルと圧力容器との間の液密・気密接続を確立するのに有利である。
【0023】
第1の結合構造、及び/又は、第2の結合構造は、ねじ山、バヨネットクロージャ、及び、それらの組み合わせからなる群から選択することができ、ねじ山は、任意に連続ねじ山又はねじ山セグメントである。ねじ山、及び/又は、バヨネットクロージャは、接続を迅速かつ耐圧的に確立し、またより迅速に解除することを可能にする(例えば、パッキンボックスインサートよりも迅速かつ耐圧的に)。
【0024】
炭酸水飲料ボトルは、炭酸水飲料ボトルのコネクタに、ねじ山、バヨネットクロージャ及びそれらの組み合わせからなる群から選択される結合構造を有することができ、ねじ山は、任意に連続したねじ山又はねじ山セグメントである。この実施形態は、圧力容器の結合構造への機能的で安全な接続を作り出すことができ、その接続は迅速に確立・解除することもできる。
【0025】
さらに、炭酸水飲料ボトルは、少なくとも部分的に、任意に完全に、400nmから800nmの範囲の光(すなわち、人間が視認可能な光)に対して不透明である材料からなるか、又は、その材料からなる壁を有することができ、その材料は、特に、ステンレス鋼、着色及び/又は印刷されたプラスチック、着色及び/又は印刷されたガラス、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0026】
好ましい実施形態では、炭酸水飲料ボトル内の水にガス補給するための装置は、ランスを含むか、又は、ランスからなる。
【0027】
ランスは、炭酸水飲料ボトルの内部まで圧力容器の中空内部に配置することができ、ランスは、好ましくは、圧力容器の内部から炭酸水飲料ボトルの内部までランスの長手方向軸に沿って延びる。
【0028】
ランスはまた、ランスの長手方向軸に沿って内部空洞を有することができ、この内部空洞は、炭酸水装置の連結部に流体的に接続され、炭酸水飲料ボトルの内部に流体的に接続される。
【0029】
有利な実施形態では、ランスの内部空洞の開口部は、炭酸水飲料ボトルの内部において、炭酸水飲料ボトルの底部(すなわち最下点)に最も近い点から出発して、炭酸水飲料ボトルの高さの少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に好ましくは少なくとも40%、非常に特に好ましくは少なくとも60%、特に少なくとも80%である高さに配置される。炭酸水飲料ボトルの高さとは、炭酸水飲料ボトルの基部に最も近い点(すなわち、圧力容器から離れる方向の点)から炭酸水飲料ボトルの基部から最も遠い点(すなわち、圧力容器に向かう方向の点)までの炭酸水飲料ボトルの空間的な広がりであると理解される。ランスの内部空洞の開口部が、炭酸水飲料ボトルの内部において高い位置(例えば、炭酸水飲料ボトルの高さの40%以上)にあるほど、炭酸水飲料ボトル内の水の二酸化炭素によるガス補給が効率的に行われる可能性がある。
【0030】
さらに、ランスは、ランスの長手方向軸に垂直な最大直径が、圧力容器の中空内部の長手方向軸に垂直な最小直径よりも小さくすることができる。
【0031】
ランスは、その長手方向軸に沿って、0.2~50cmの範囲の長さを持つように長くすることができる。
【0032】
さらに、ランスは、その長手方向軸に垂直な最大直径が0.3~10.0cmの範囲とすることができる。
【0033】
これとは別に、ランスは、圧力容器の中空内部の中央に配置することもできる。
【0034】
好ましい実施形態では、ランスは、その長手方向軸に沿って、圧力容器の第2側面の最も外側の部分から、0.2~10cmの範囲の長さにわたって圧力容器から突出するように長い。
【0035】
ランスは、炭酸水装置に不可逆的に接続されていてもよいし、圧力容器に不可逆的に接続されていてもよい。後者の場合、圧力容器が(洗浄のために)取り外されるとき、すなわち、圧力容器が取り外されるか、又は、取り付けられるとき、圧力容器が、ランスを介して、炭酸水装置に取り付けられるとき、ランスは、炭酸水装置上に残る。前者の場合、ランスを圧力容器とともに炭酸水装置から取り外し、洗浄して炭酸水装置に再び取り付けることができる。
【0036】
本発明による主題は、以下の図面に基づいてより詳細に説明されるが、これらを本明細書に提示される特定の実施形態に限定することを望まない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本発明による炭酸水装置の概略図を示す。
【符号の説明】
【0038】
1: 炭酸水装置
2: 炭酸水飲料ボトル
3: 炭酸水飲料ボトルのコネクタ
4: 水にガスを補給する装置(例えば、ランス)
5: 圧力容器
6: 圧力容器の中空内部
7: 圧力容器の第1の結合構造
8: 圧力容器の第2の結合構造
9: 圧力容器の第2側面の開口部
10: 圧力容器の中空内部の表面
11: 圧力容器の第1側面のシール
12: 圧力容器の第2側面のシール
13: 圧力容器の第2側面の最外部
14: 炭酸水飲料ボトルの壁
15: 炭酸水飲料ボトルの内部
S1: 圧力容器の中空内部の第1側面
S2: 圧力容器の中空内部の第2側面
O1: 圧力容器の中空内部の第1の開口部
O2: 圧力容器の中空内部の第2の開口部
L: 圧力容器(ここではランス)の長手方向軸
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、本発明による炭酸水装置1の概略図である。炭酸水装置1は、外部(不図示)に対して液密な炭酸ガスカートリッジとの連結を確立するのに適した連結部(不図示)を有する。さらに、炭酸水装置1は、水で部分的に満たされた内部15、及び、コネクタ3を有する炭酸水飲料ボトル2を有し、コネクタ3は、内部15を炭酸水飲料ボトル2の環境に接続する。また、炭酸水装置1は、炭酸水飲料ボトル2内の水に炭酸ガスを補給するための装置4(ここではランス)を有する。本発明によれば、炭酸水装置は、圧力容器5を有し、この圧力容器5は、圧力容器5の長手方向軸Lに沿って、中空内部6を有し、中空内部6は、第1側面S1に第1の開口部O1を有し、第1側面S1に対向する第2側面S2に第2の開口部O2を有する、第1の開口部O1は、第1の開口部O1を炭酸水装置1に可逆的かつ液密に連結する第1の結合構造7を有し、第2の開口部O2は、第2の開口部O2を炭酸水飲料ボトル2の内部15に可逆的かつ液密に連結する第2の結合構造8を有する。この実施形態では、炭酸水飲料ボトル2の壁14は、400nmから800nmの範囲の光に対して完全に不透明な材料(ここではステンレス鋼)で全体が構成される。
【0040】
図2は、
図1に示す概略図の詳細を拡大して示す。
図2は、圧力容器5の中空内部6が、圧力容器5の第2側面の開口部9に向かって重力によって水を導くのに適した表面10のみを有することを明確に示す。この拡大図にはまた、圧力容器5がその第1面S1にシール11を、第2面S2にシール12を備えていることを示す。圧力容器5の第2側面S2の最外部13も示される。ランス4は、ここでは、炭酸水飲料ボトル2内の水に二酸化炭素をガス供給するための装置であるが、その長手方向軸Lに沿って、圧力容器5の第2側面S2の最外部13から0.2~10cmの範囲内の長さにわたって圧力容器5から突出するほど長くすることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸水装置であって、
a)外部に対して液密な炭酸ガスカートリッジとの連結に適した連結部と、
b)少なくとも部分的に水で満たされた内部、及び、コネクタを有する炭酸水飲料ボトルと、
c)長手方向軸に沿って中空内部を有する圧力容器であって、前記中空内部は、第1側面に第1の開口部を有し、前記第1側面とは反対側の第2側面に第2の開口部を有し、前記第1の開口部は、前記炭酸水装置の前記連結部に接続される第1の結合構造を有し、前記第1の開口部は、前記炭酸水装置の炭酸ガスカートリッジに流体的に接続され、前記第2の開口部は、前記炭酸水飲料ボトルの前記コネクタに可逆的に接続される第2の結合構造を有し、前記第2の開口部は、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部に流体的に接続される、圧力容器と、
d)前記炭酸水飲料ボトル内の水に二酸化炭素のガス補給する装置であって、前記炭酸水飲料ボトルの前記水で満たされた内部の少なくともいくつかの領域に配置される装置と、
を備え、
前記圧力容器の前記中空内部は、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部の容積の5%から30%の範囲を有することを特徴とする炭酸水装置。
【請求項2】
i)前記圧力容器の前記中空内部が、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部の容積の10%から25%の範囲、好ましくは15%から25%の範囲、特に18%から22%の範囲を有し、及び/又は、
ii)前記圧力容器の前記中空内部が、100~500cm
3の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の炭酸水装置。
【請求項3】
i)前記圧力容器の前記中空内部が、前記圧力容器の前記第2側面の前記開口部に向かって重力によって水を導くのに適した表面のみを有する、又は、
ii)前記圧力容器の前記中空内部が、少なくともいくつかの領域において、前記圧力容器の前記第2側面の前記開口部に向かって重力によって水を導くのに適さない表面を有し、前記重力によって水を導くのに適さない表面は、前記圧力容器の前記第2側面の前記開口部に向かって水を搬送するのに適した装置に流体的に接続され、前記水を搬送するのに適した装置は、好ましくは、ポンプ、スクレーパー、及び、それらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項4】
i)前記圧力容器が、前記圧力容器の長手方向軸に沿って、2cmから40cmの長さを有し、及び/又は、
ii)前記圧力容器が、前記圧力容器の長手方向軸に沿って、少なくともいくつかの領域で円筒形状を有することを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項5】
前記圧力容器は、前記圧力容器の長手方向軸に対する垂直な最大直径が、5cm~20cmであり、特に好ましくは、前記圧力容器の前記第1側面の直径、及び/又は、前記圧力容器の前記第2側面の直径が、前記圧力容器の前記第1側面と前記第2側面との間の直径よりも小さいことを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項6】
i)前記圧力容器は、ステンレス鋼を含むか、又は、ステンレス鋼からなり、前記ステンレス鋼の肉厚は、好ましくは0.3mmから8mmの範囲であり、前記ステンレス鋼は、任意に他の材料、特にプラスチックでオーバーモールドされたステンレス鋼であり、及び/又は、
ii)前記圧力容器は、プラスチックを含むか、又は、プラスチックからなり、前記プラスチックの肉厚は、好ましくは0.3mmから15mmの範囲であり、前記プラスチックは、任意に繊維複合材料を含むか、又は、繊維複合材料からなることを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項7】
前記圧力容器の前記第1側面は、前記圧力容器の前記第1側面と前記炭酸水装置の前記連結部との間の液密結合を確立するのに適したシールを有することを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項8】
前記圧力容器の前記第2側面は、前記圧力容器の前記第2側面と前記炭酸水飲料ボトルの前記コネクタとの間に液密結合を確立するのに適したシールを有することを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項9】
前記圧力容器の前記第2側面の最外部は、少なくとも前記炭酸水飲料ボトルの高さに対応する、前記炭酸水装置の基部からの距離を有し、前記炭酸水装置の前記基部からの距離は、好ましくは10cmから40cmの範囲であることを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項10】
前記第1の結合構造及び/又は前記第2の結合構造は、ねじ山、バヨネットクロージャ、及び、それらの組み合わせからなる群から選択され、前記ねじ山は、任意選択で、連続ねじ山、又は、ねじ山セグメントであることを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項11】
i)前記炭酸水飲料ボトルは、前記炭酸水飲料ボトルの前記コネクタに、ねじ山、バヨネットクロージャ、及び、それらの組み合わせからなる群から選択される結合構造を有し、前記ねじ山は、任意に、連続ねじ山、又は、ねじ山セグメントであり、及び/又は、
ii)前記炭酸水飲料ボトルは、少なくとも部分的に、任意に完全に、400nmから800nmの範囲の光に対して不透明な材料を含むか、又は、前記不透明な材料からなる、壁を有し、前記不透明な材料は、特に、ステンレス鋼、着色プラスチック、着色ガラス、及び、それらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項12】
前記炭酸水飲料ボトル内の水にガス補給するための前記装置が、ランスを含むか、又は、ランスからなり、
i)前記ランスは、好ましくは、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部まで、前記圧力容器の前記中空内部に配置され、前記ランスは、好ましくは、前記圧力容器の前記内部から前記炭酸水飲料ボトルの前記内部まで、前記ランスの長手方向軸に沿って延び、及び/又は、
ii)前記ランスは、好ましくは、前記ランスの長手方向軸に沿って、内部空洞を有し、前記内部空洞は、前記炭酸水装置の前記連結部に流体的に接続され、前記炭酸水飲料ボトルの前記内部に流体的に接続され、及び/又は、
iii)前記ランスは、好ましくは、前記ランスの長手方向軸に垂直な方向に、前記圧力容器の前記中空内部の長手方向軸に垂直な方向の最小直径よりも小さい最大直径を有することを特徴とする、請求項1
に記載の炭酸水装置。
【請求項13】
i)前記ランスは、前記ランスの長手方向軸に沿って長く、0.2~50cmの範囲の長さを有し、及び/又は、
ii)前記ランスは、前記ランスの長手方向軸に垂直な最大直径が、0.3~10.0cmの範囲にあり、及び/又は、
iii)前記ランスは、前記圧力容器の前記中空内部の中央に配置されることを特徴とする、請求項12に記載の炭酸水装置。
【請求項14】
前記ランスは、前記ランスの長手方向軸に沿って、0.2~10cmの範囲内の長さに沿って、前記圧力容器の前記第2側面の
最外部から突出するように長いことを特徴とする請求項12又は請求項13のいずれか1項に記載の炭酸水装置。
【請求項15】
i)前記ランスが、前記炭酸水装置に不可逆的に接続されているか、又は、
ii)前記ランスが、前記圧力容器に不可逆的に接続されていることを特徴とする請求項12
に記載の炭酸水装置。
【国際調査報告】