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特表2025-502547軽量化ユニバーサルジョイント、スプライン嵌合副、及び伝動軸
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】軽量化ユニバーサルジョイント、スプライン嵌合副、及び伝動軸
(51)【国際特許分類】
   F16D 3/26 20060101AFI20250117BHJP
   F16D 1/02 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
F16D3/26 J
F16D1/02 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024544914
(86)(22)【出願日】2022-12-27
(85)【翻訳文提出日】2024-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2022142169
(87)【国際公開番号】W WO2023142833
(87)【国際公開日】2023-08-03
(31)【優先権主張番号】202210106991.6
(32)【優先日】2022-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521047144
【氏名又は名称】青島極致創新科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO ACME INNOVATION TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】朱徳偉
(72)【発明者】
【氏名】栄暁瑜
(72)【発明者】
【氏名】左豆豆
(57)【要約】
【課題】本発明は、軽量化ユニバーサルジョイント、スプライン嵌合副、及び伝動軸を開示し、自動車伝動軸分野に関する。前記軽量化ユニバーサルジョイントは、ボールソケット、ボールヘッド、一字軸を含み、前記ボールソケットは薄肉構造であり、前記ボールソケットは伝動トルクを伝達するために使用されなく、前記ボールヘッドは前記ボールソケットにヒンジ装着され、前記ボールヘッドには、伝動孔が設けられ、前記一字軸は前記伝動孔を貫通し、前記ボールソケットの両端には固定翼が接続され、前記固定翼には、担持孔と伝動キーが設けられる。前記軽量化スプライン嵌合副は、スプライン軸とスプラインスリーブを含み、スプライン軸とスプラインスリーブは何れも薄肉構造である。前記軽量化伝動軸は、前記軽量化ユニバーサルジョイント、及び/又は前記軽量化スプライン嵌合副を含む。本発明は、ボールソケットとスプライン嵌合副共に薄肉構造を用いて一体に成形することにより、無切削加工を実現し、生産効率と品質安定性を大幅に高め、部品重量及び加工コストを大幅に下げ、自動車部品の軽量化発展要求に適応する。
【選択図】図24
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールソケット(3)、ボールヘッド(1)、一字軸(2)を含む軽量化ユニバーサルジョイントであって、
前記ボールソケット(3)は薄肉構造であり、前記ボールソケットは伝動トルクを伝達するために使用されなく、前記ボールヘッド(1)は、前記ボールソケット(3)に回動装着され、前記ボールヘッド(1)には伝動孔が設けられ、前記一字軸(2)は前記伝動孔を貫通しボールヘッドの球心(R)を通過し、前記ボールソケット(3)の両端には固定翼(8)が接続され、前記固定翼(8)には、担持孔(8-1)と伝動キー(8-2)が設けられる、ことを特徴とする軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項2】
前記ボールソケット(3)は、全体型薄肉の一体成形構造又は分割型薄肉構造である、ことを特徴とする請求項1に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項3】
転動体(7)をさらに含み、
前記転動体(7)は一字軸(2)の両端に設けられ、前記伝動孔の両端には転動体面(1-1)が設けられ、転動体(7)の外面は、前記伝動孔の転動体面(1-1)に嵌合することによりトルクを伝達し、転動体(7)は一字軸軸線回りに回転可能であり、伝動孔の転動体面(1-1)を転動可能である、ことを特徴とする請求項2に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項4】
前記転動体(7)の外面は、円錐面(7-2)であり、転動体(7)の円錐面(7-2)は、前記伝動孔の転動体面(1-1)に嵌合され、両者の接触バスバー(M)は直線であり、接触バスバー(M)の延長線はボールヘッド(1)の球心(R)を通過する、ことを特徴とする請求項3に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項5】
ストッパ機構をさらに含み、
前記ストッパ機構は、前記転動体(7)を軸方向にストッパする、ことを特徴とする請求項4に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項6】
一字軸を軸方向に支持位置決めする軸方向支持機構をさらに含む、ことを特徴とする請求項5に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項7】
前記軸方向支持機構は、鋼球(4)又は耐摩耗パッド(P)である、ことを特徴とする請求項6に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項8】
前記ボールソケット(3)は全体型薄肉の一体成形構造であり、ボールソケット(3)には二つの挿通孔(3-1)が対称に設けられ、前記固定翼(8)には、挿通口(8-3)が設けられ、前記挿通口(8-3)は前記挿通孔(3-1)内に挿通され、前記一字軸(2)は、前記固定翼(8)の担持孔(8-1)に回動支持される、ことを特徴とする請求項5に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項9】
前記ボールソケット(3)は射出成形の一体成形構造である、ことを特徴とする請求項8に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項10】
前記ボールソケット(3)は分割型構造であり、ボールソケットI(31)とボールソケットII(32)を含み、前記ボールソケットI(31)とボールソケットII(32)は何れも一体成形の薄肉構造であり、前記ボールソケットI(31)とボールソケットII(32)は互いに接続され対称に配置されている、ことを特徴とする請求項5に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項11】
前記ボールソケットI(31)とボールソケットII(32)には、内球面(Q)、軸受孔(G)、及び固定筒(S)が設けられ、前記固定翼(8)は前記担持孔(8-1)により前記固定筒(S)に接続され、前記一字軸(2)は前記軸受孔(G)に回動支持される、ことを特徴とする請求項10に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項12】
前記ボールソケットI(31)とボールソケットII(32)には、それぞれ封止固定面(12)が設けられ、前記封止固定面(12)には封止溝(14)がさらに設けられシールリング(15)が置かれ、ボールソケットI(31)とボールソケットII(32)の封止接続を実現するために使用される、ことを特徴とする請求項11に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項13】
前記ボールソケットの肉厚は0.2-5mmである、ことを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項14】
前記ボールソケットのリップ口(K)の直径は、ボールヘッドの球径よりも小さい、ことを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項15】
前記一字軸(2)の中間部位には、位置決め球面(2-1)が設けられ、前記ボールヘッド(1)の伝動孔の中間部位には、拘束面(1-2)が設けられ、前記位置決め球面(2-1)は伝動孔の拘束面(1-2)内に拘束嵌合される、ことを特徴とする請求項1から12の何れか一項に記載の軽量化ユニバーサルジョイント。
【請求項16】
スプライン軸(16)とスプラインスリーブ(17)を含む軽量化スプライン嵌合副であって、
スプライン軸(16)とスプラインスリーブ(17)は何れも薄肉構造であり、前記スプライン軸(16)とスプラインスリーブ(17)はスプライン嵌合によって摺動可能なスプライン嵌合副を形成する、ことを特徴とする軽量化スプライン嵌合副。
【請求項17】
スプライン軸の1端には、内スプラインが設けられ、スプライン軸はこの内スプラインによって伝動軸の1端のボールヘッドのシャンク部に対応して設けられた外スプラインに固定接続され、スプライン軸の外部には外スプラインがさらに設けられ、スプライン軸上の外スプラインはスプラインスリーブの1端に設けられた内スプラインに摺動嵌合され、スプラインスリーブの他端は、その内スプラインによって伝動軸の他端のボールヘッドのシャンク部に対応して設けられた外スプラインに固定接続される、ことを特徴とする請求項16に記載の軽量化スプライン嵌合副。
【請求項18】
スプライン貯油筒(22)をさらに含み、前記スプライン貯油筒(22)はスプライン軸(16)の内腔に嵌合して貯油室(23)を形成し、前記スプライン軸(16)には、いくつかの布油孔(16-2)が設けられ、前記布油孔(16-2)は前記貯油室(23)と連通する、ことを特徴とする請求項16に記載の軽量化スプライン嵌合副。
【請求項19】
前記スプライン軸及びスプラインスリーブの内スプライン及び外スプラインは、インボリュートスプライン、又は矩形スプライン、又は梅花形スプラインである、ことを特徴とする請求項16から18の何れか一項に記載の軽量化スプライン嵌合副。
【請求項20】
ユニバーサルジョイント及び/又はスプライン嵌合副を含む軽量化伝動軸であって、
前記ユニバーサルジョイントは、請求項1-15の何れか一項に記載の軽量化ユニバーサルジョイントであり、及び/又は前記スプライン嵌合副は請求項16-19の何れか一項に記載の軽量化スプライン嵌合副である、ことを特徴とする軽量化伝動軸。
【請求項21】
前記軽量化ユニバーサルジョイントのボールソケットには、封止口(T)が設けられ、前記封止口(T)にはダストカバー(11)が接続され、前記ダストカバー(11)の1端は封止口(T)に接続され、他端はボールヘッド(1)のシャンク部又は伝動軸のスプラインスリーブに接続される、ことを特徴とする請求項20に記載の軽量化伝動軸。
【請求項22】
前記ボールソケットと前記ダストカバー(11)とは、一体成形の一体構造である、ことを特徴とする請求項21に記載の軽量化伝動軸。
【請求項23】
スプラインスリーブ(17)又はボールヘッドのシャンク部に接続された前記ダストカバー(11)の1端には、フィルタ(18)がさらに設けられ、ボールヘッドには、排気孔(16-1)が設けられ、ダストカバー(11)の内腔(26)は排気孔(16-1)によってスプライン嵌合副の中心チャンバ(21)と連通し、外気はフィルタ(18)により濾過されてから、ダストカバー(11)の内腔(26)に入る、ことを特徴とする請求項21から22の何れか一項に記載の軽量化伝動軸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車伝動軸分野に関し、具体的には、軽量化ユニバーサルジョイント、スプライン嵌合副、及び伝動軸に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、中国特許CN202021793026.3、出願日2020年08月20日、公開番号CN213176523Uに基づいてさらに最適化と向上を行い、自動車工業の伝動軸軽量化に対する要求に適応するために改善した。従来技術の伝動軸は軽量化を実現するために、一般的にアルミニウム合金、炭素繊維などの軽質材料を採用することによって部品の減量の目的を実現したが、このような軽質材料は一般的に高価であり、それによって伝動軸のコストを高め、同時に製作の難度を増加し、技術が複雑であり、技術的にまだ不足点があり、炭素繊維と鋼材との接続にも品質リスクがあり、異なる材質間に離層現象が現れやすく、それによって製品強度を下げ、品質事故を引き起こした。中国特許CN202021793026.3は伝統的な十字軸式伝動軸と比較して、重量の上である程度低下しているが、ボールソケットの加工技術は複雑で、加工効率は低く、加工コストは高く、標準化を実現することが難しく、またボールソケットは重要な受力部品であり、トルクを伝達する機能を担っているため、全体の受力は比較的に大きく、高い構造強度が必要であり、部品の肉厚と重量は更に低下することが難しく、重量は偏重であり、自動車伝動軸の大量生産と軽量化の要求に適応できず、しかもボールソケットが受けた巨大なトルクはボールソケット本体構造の変形を招きやすく、部品の配合精度にさらに影響し、重量の低減、プロセスの簡略化、生産効率と加工品質の安定性の向上、製品性能の向上、製品コストの低減を目的として、さらなる構造最適化の必要性がある。同時に、従来技術の伝動軸のスプラインスリーブとスプライン軸とは、スプライン嵌合副の製造技術も複雑で、重量が偏重しており、改善の必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の主な目的は、自動車工業の伝動軸軽量化及び標準化に対する要求に適応するために軽量化ユニバーサルジョイント、スプライン嵌合副及び伝動軸を提供するとともに、特許CN202021793026.3に存在するコストが高く、加工技術が複雑で、加工効率が低く、自動車伝動軸の大量生産に適応できないなどの問題を解決することである。同時にユニバーサルジョイントとボールソケットの受力状態と機能を最適化し、ボールソケット本体にトルクを伝達させず、主に潤滑油を密封する機能を担って、それによってボールソケットの受力変形を減少させ、ボールソケットの構造技術を改善し、製造難度を下げ、ボールソケットの加工効率を高め、ボールソケットの重量と加工コストを下げる。スプラインスリーブ及びスプライン軸の構造技術を最適化し、大径小肉厚によって、材料分布を最適化し、材料性能を最大限に発揮し、スプライン担持能力を向上させ、スプラインの応力と摺動摩擦力を減少させ、スプライン摩耗を減少させ、スプライン寿命を向上させ、スプライン嵌合副の重量を低下させ、スプライン嵌合副の製造技術を簡略化し、生産効率を高め、製品コストを低下させ、製品品質を向上させる。
【0004】
従来技術の伝動軸が存在する前記の問題を解決するために、本発明は、ボールソケット、ボールヘッド、一字軸を含み、前記ボールソケットは薄肉構造であり、前記ボールソケットは伝動トルクを伝達するために使用されなく、前記ボールヘッドは、前記ボールソケットに回動装着され、前記ボールヘッドには、伝動孔が設けられ、前記一字軸は前記伝動孔を貫通しボールヘッドの球心を通過し、前記ボールソケットの両端には固定翼が接続され、前記固定翼には、担持孔と伝動キーが設けられる軽量化ユニバーサルジョイントを提供する。
【0005】
本発明におけるボールソケット本体は、伝動トルクを伝達するために使用されなく、その作用は、主にボールソケット内の他の伝動部品に密閉潤滑空間を提供し、ユニバーサルジョイントの受力状態を徹底的に改善し、従来技術に存在する伝統的なユニバーサルジョイントのボールソケット本体構造はトルクを伝達するために必要であり、ボールソケット全体の受力は比較的に大きく、大きなトルクはボールソケット構造の変形を招きやすい技術的問題を解決する。また、固定翼と外部部品との接続により、外部部品の接続寸法が変化すると、固定翼を変更することで適応することができ、それにより外部接続寸法の変化がボールソケットの構造に影響を与えなくなり、コア部品ボールソケットを標準化した大量生産を実現でき、自動車の大量要求に適応することができる。
【0006】
更には、前記ボールソケットは、全体型薄肉の一体成形構造又は分割型薄肉構造である。
【0007】
更には、転動体をさらに含み、前記転動体は、一字軸の両端に設けられ、前記伝動孔の両端には転動体面が設けられ、転動体の外面は、前記伝動孔の転動体面に嵌合することにより、トルクを伝達し、転動体は、一字軸軸線回りに回転可能であり、伝動孔の転動体面を転動可能である。
【0008】
更には、前記転動体の外面は、円錐面であり、転動体の円錐面は、前記伝動孔の転動体面に嵌合され、両者の接触バスバーは直線であり、接触バスバーの延長線はボールヘッドの球心を通過する。
【0009】
更には、ストッパ機構をさらに含み、前記ストッパ機構は、前記転動体を軸方向にストッパする。
【0010】
更には、一字軸を軸方向に支持位置決めする軸方向支持機構をさらに含む。
【0011】
更には、前記軸方向支持機構は、鋼球又は耐摩耗パッドである。
【0012】
更には、前記ボールソケットは全体型薄肉の一体成形構造であり、ボールソケットには二つの挿通孔が対称に設けられ、前記固定翼には、挿通口が設けられ、前記挿通口は前記挿通孔内に挿通され、前記一字軸は、前記固定翼の担持孔に回動支持される。
【0013】
更には、前記ボールソケットは射出成形の一体成形構造である。
【0014】
更には、前記ボールソケットは分割型構造であり、ボールソケットIとボールソケットIIを含み、前記ボールソケットIとボールソケットIIは何れも一体成形の薄肉構造であり、前記ボールソケットIとボールソケットIIは互いに接続され対称に配置されている。
【0015】
更には、前記ボールソケットIとボールソケットIIには、内球面、軸受孔、及び固定筒が設けられ、前記固定翼は、前記担持孔によって前記固定筒に接続され、前記一字軸は、前記軸受孔に回動支持される。
【0016】
更には、前記ボールソケットIとボールソケットIIには、それぞれ封止固定面が設けられ、前記封止固定面には、封止溝がさらに設けられシールリングが置かれ、ボールソケットIとボールソケットIIの封止接続を実現するために使用される。
【0017】
更には、前記ボールソケットの肉厚は、0.2-5mmである。
【0018】
更には、前記ボールソケットのリップ口の直径は、ボールヘッドの球径よりも小さい。
【0019】
更には、前記一字軸の中間部位には、位置決め球面が設けられ、前記ボールヘッドの伝動孔の中間部位には、拘束面が設けられ、前記位置決め球面は、伝動孔の拘束面内に拘束嵌合される。
【0020】
本発明は、スプライン軸とスプラインスリーブを含み、スプライン軸とスプラインスリーブは何れも薄肉構造であり、前記スプライン軸とスプラインスリーブはスプライン嵌合によって摺動可能なスプライン嵌合副を形成する軽量化スプライン嵌合副をさらに提供する。
【0021】
従来技術のスプライン嵌合副は通常、小径大肉厚を採用しており、本発明はスプラインインデックス円の直径を適切に増大させると同時に肉厚を合理的に減少させる方式により、スプライン軸とスプラインスリーブの直径と肉厚を合理的に最適化し、材料分布を最適化し、材料利用を減少させ、材料性能を最大限に発揮する。大径小肉厚により、スプライン担持能力を高め、スプラインの応力と摺動摩擦力を減らし、スプライン摩耗を減らし、スプライン寿命を高め、スプライン性能を改善し、さらに先進的な冷間成形、無切削加工技術に適し、加工コストを下げ、製品品質を向上させる。
【0022】
更には、スプライン軸の1端には、内スプラインが設けられ、スプライン軸はこの内スプラインによって伝動軸の1端のボールヘッドのシャンク部に対応して設けられた外スプラインに固定接続され、スプライン軸の外部には外スプラインがさらに設けられ、スプライン軸上の外スプラインはスプラインスリーブの1端に設けられた内スプラインに摺動嵌合され、スプラインスリーブの他端は、その内スプラインによって伝動軸の他端のボールヘッドのシャンク部に対応して設けられた外スプラインに固定接続される。
【0023】
更には、スプライン貯油筒をさらに含み、前記スプライン貯油筒はスプライン軸の内腔に嵌合して貯油室を形成し、前記スプライン軸には、いくつかの布油孔が設けられ、前記布油孔は前記貯油室と連通する。
【0024】
更には、前記スプライン軸及びスプラインスリーブの内スプライン及び外スプラインは、インボリュートスプライン、又は矩形スプライン、又は梅花形スプラインである。
【0025】
本発明は、ユニバーサルジョイント及び/又はスプライン嵌合副を含み、前記ユニバーサルジョイントは前記の軽量化ユニバーサルジョイントであり、及び/又は前記スプライン嵌合副は前記の軽量化スプライン嵌合副である軽量化伝動軸をさらに提供する。
【0026】
更には、前記軽量化ユニバーサルジョイントのボールソケットには、封止口が設けられ、前記封止口にはダストカバーが接続され、前記ダストカバーの1端は封止口に接続され、他端はボールヘッドのシャンク部又は伝動軸のスプラインスリーブに接続される。
【0027】
更には、前記ボールソケットと前記ダストカバーとは、一体成形の一体構造である。
【0028】
更には、スプラインスリーブ又はボールヘッドのシャンク部に接続された前記ダストカバーの1端には、フィルタがさらに設けられ、ボールヘッドには、排気孔が設けられ、ダストカバーの内腔は排気孔によってスプライン嵌合副の中心チャンバと連通し、外気は、フィルタにより濾過されてから、ダストカバーの内腔に入る。
本発明は以下のような有益な効果を有する。
【0029】
1、ボールソケットとスプライン嵌合副はいずれも薄肉構造を用いて一体成形し、無切削または少切削加工を実現し、生産効率と品質安定性を大幅に高めただけでなく、重さを40-70%程度減らし、大量の鋼材を節約し、自動車部品の軽量化発展要求に適応し、また製品性能を大幅に高め、伝動軸の振動と騒音を低減した。
【0030】
2、ボールソケットは固定翼によって外部部品と接続し、外部部品の接続寸法が変化する時、固定翼を変更することによって適応することができ、それによって外部接続寸法の変化がボールソケットの構造に影響を与えなくなり、ボールソケットの標準化大量生産を実現でき、自動車の大量量要求に適応した。
【0031】
3、構造性の最適化設計によりユニバーサルジョイントの受力状態を徹底的に改善し、トルク伝達を主に固定翼、軸受、一字軸、転動体及びボールヘッドにより完成させ、ボールソケット本体構造にトルク伝達の任務を負わせなくさせ、ボールソケットは主に貯油封止の機能を担い、根本的にボールソケットの荷重を大幅に下げ、それによってボールソケットに射出成形やプレスなどのより軽量な構造設計を実現させ、材料利用を節約し、製品の性能品質を高め、コストを下げることができる。
【0032】
4、ボールソケットは射出成形を採用し、スプライン嵌合副は冷成形技術を採用した後、従来の複雑な切削加工工程を省き、部品の加工品質を高めただけでなく、大量の加工コストを節約し、製品の寿命を高めた。
【0033】
5、スプライン貯油筒式の潤滑構造設計は潤滑油をスプライン軸のスプライン部位の内面に均一に分配し、潤滑油を回転遠心力の作用の下でスプライン嵌合副の摺動表面により均一に確実に分布させることができ、同時に潤滑油の集積や偏心による伝動軸の動平衡への影響を防止し、潤滑油の利用効率を高めることができる。
【0034】
6、一字軸の位置決め球面とボールヘッドの伝動孔の中間部位拘束面との配合はボールヘッドが受けた軸方向引抜力を拘束面により一字軸の位置決め球面に作用させ、効果的にボールソケットの重心荷重を下げ、ユニバーサルジョイントにより大きなボールヘッド引抜力を負担させ、重心能力を強化し、ボールソケットを効果的に保護し、ボールソケット寿命を高めた。
【0035】
7、転動体のストッパ機構の設置により、転動体が受けた軸方向力を一字軸に移すことができ、かつ転動体は対称配置であるため、この軸方向力を一字軸に作用する一対の大きさが等しく方向が反対の平衡力に変え、それによりこの力が他の部品に与える損害を回避し、ユニバーサルジョイント全体の構造受力をよりバランスよく合理的にする。
【0036】
8、一字軸の両端に設置された軸方向支持機構は、一字軸に対して軸方向の支持作用を実施することができ、さらに転動体によりボールヘッドに対して軸方向支持の重心を果たすことができ、同時にボールソケットのボールヘッドに対する支持力を分担し、振動摩耗に抵抗するユニバーサルジョイントの能力を高める。
【0037】
9、本発明は従来技術のアルミニウム合金/炭素繊維などのハイエンド伝動軸に存在するコストが高く、技術が複雑で、品質の潜在的な問題があることを解決することができる。
【0038】
10、本発明は構造及び製造技術における従来技術の制限を突破し、従来技術の伝動軸の設計構想及び技術路線を覆し、新しい伝動軸の設計理念及び発展構想を開拓した。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】は、本発明の軽量化ユニバーサルジョイントの第1実施態様の正面図である。
【0040】
図2】は、図1のE-E断面視である。
【0041】
図3】は、図2におけるキャップをブロッキングリングと鋼球に等価に置換した構造概略図である。
【0042】
図4】は、図2におけるストッパ機構を止め輪によりボルトに等価に置換した構造概略図である。
【0043】
図5】は、図1のF-F断面視である。
【0044】
図6】は、図1のAでの拡大図である。
【0045】
図7】は、ボールヘッドの斜視概略図であり、ボールヘッドのシャンク部にスプラインを有する。
【0046】
図8】は、図1の軽量化ユニバーサルジョイントの斜視構造の装着概略図である。
【0047】
図9】は、図1ボールソケットの斜視構造概略図であり、その中(a)はボールソケットの正面斜視図であり、(b)はボールソケットの背面斜視図である。
【0048】
図10】は、図1における固定翼の斜視構造概略図であり、その中(a)は固定翼の平面視斜視図であり、(b)は固定翼の底面斜視図である。
【0049】
図11】は、軽量化ユニバーサルジョイントの第2実施態様の構造概略図である。
【0050】
図12】は、図11のB-B断面視である。
【0051】
図13】は、耐摩耗パッドの軸方向支承機構としての構造概略図である。
【0052】
図14】は、ボルトのストッパ機構としての構造概略図である。
【0053】
図15】は、図11のC-C断面視である。
【0054】
図16】は、図11のD-D断面視である。
【0055】
図17】は、図11ボールソケットの斜視構造概略図であり、その中(a)はボールソケットの底面斜視図であり、(b)はボールソケットの平面視斜視図である。
【0056】
図18】は、図11における固定翼の斜視構造概略図であり、その中(a)は固定翼の平面視斜視図であり、(b)は固定翼の底面斜視図である。
【0057】
図19】は、図11における固定翼を省略した軽量化ユニバーサルジョイントの斜視構造概略図である。
【0058】
図20】は、軽量化ユニバーサルジョイントの第3実施態様の構造概略図である。
【0059】
図21】は、図20のH-H断面視である。
【0060】
図22】は、スプライン軸とスプラインスリーブの斜視概略図1であり、その中(a)はスプライン軸の斜視概略図であり、(b)はスプラインスリーブの斜視概略図である。
【0061】
図23】は、スプライン軸とスプラインスリーブの斜視概略図2であり、その中(a)はスプライン軸の斜視概略図であり、(b)はスプラインスリーブの斜視概略図である。
【0062】
図24】は、伝動軸の第1実施態様の構造概略図である。
【0063】
図25】は、伝動軸の第2実施態様の構造概略図である。
【0064】
図26】は、図24のQ-Q断面視であり、その中、スプライン軸とスプラインスリーブとは図22に示されたスプライン軸とスプラインスリーブである。
【0065】
図27】は、図24のJ-J断面視である。
【0066】
図28】は、図25のK-K断面視であり、その中、スプライン軸とスプラインスリーブとは図23に示されたスプライン軸とスプラインスリーブである。
【0067】
図29】は、図28のL-L断面視である。
【0068】
図30】は、伝動軸の第3実施態様の構造概略図である。
【0069】
図31】は、スプライン軸とスプラインスリーブの斜視概略図3であり、その中(a)はスプライン軸の斜視概略図であり、(b)はスプラインスリーブの斜視概略図である。
【0070】
図32】は、伝動軸の第4実施態様の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下、図面を参照して本発明をさらに説明する。
実施例1:
【0072】
図1図11、及び図20に示すように、本発明は、ボールソケット3、ボールヘッド1、一字軸2を含み、前記ボールソケット3は薄肉構造であり、前記ボールヘッド1は、前記ボールソケット3に回動装着され、前記ボールヘッド1には、伝動孔が設けられ、前記一字軸2が前記伝動孔を貫通し、前記ボールソケット3の両端には固定翼8が接続される。図10に示すように、前記固定翼8には、担持孔8-1と伝動キー8-2が設けられる軽量化ユニバーサルジョイントを提供する。
【0073】
具体的には、ボールヘッド1は、ボールソケット3に回動装着され、伝動孔によって前記一字軸2に回動装着され、前記ボールソケットには、内球面Qが設けられ、ボールヘッド1の外面は、ボールソケット3の内球面Qと同心に回動嵌合され、ボールソケット3の両端には固定翼8がそれぞれ取り付けられ、固定翼8上の伝動キー8-2は、伝動システムの入力ポート又は出力ポートに接続される。固定翼8は、一字軸の端部から伝達されたトルクを受け、伝動キー8-2によってそれに接続された伝動システムへ送出し、又は固定翼8は、伝動キー8-2によってそれに接続された伝動システムから伝達されたトルクを受け、そして、一字軸の端部に伝達し、一字軸によってトルクをボールヘッド1に伝達し、これにより、ユニバーサルジョイント動力伝達を実現する。このような動力伝達方式により、ボールソケット3の本体は伝動トルクを伝達するために使用されなく、その作用は、主にボールソケット3内の他の伝動部品に密閉潤滑空間を提供する。従って、本発明は、ボールソケット3の両端部にトルクを伝達する固定翼を取り付けることにより、従来技術に存在する伝統的なユニバーサルジョイントのボールソケット本体構造はトルクを伝達するために必要であり、ボールソケット3全体の受力は比較的に大きく、大きなトルクはボールソケット構造の変形を招きやすいという技術的問題を解決し、ユニバーサルジョイントの受力状態を徹底的に改善する。また、固定翼と外部部品との接続により、外部部品の接続寸法が変化すると、固定翼を変更することで適応することができ、それにより外部の接続寸法の変化がボールソケットの構造に影響を与えなくなり、コア部品ボールソケットを標準化した大量生産を実現でき、自動車の大量要求に適応することができる。
【0074】
本発明のボールソケットは薄肉構造であり、この薄肉構造のボールソケットは射出成形またはプレス成形または延伸成形などの無切削加工技術を用いて製造され、製造を簡略化する。伝統的なユニバーサルジョイントのボールソケット本体構造はトルクを伝達する必要があるため、ボールソケットは厚い肉厚を持ってその構造強度を確保しなければならず、伝統的なボールソケット加工コストが高い。本発明はボールソケットの肉厚を薄くする処理を行い、部品重量を大幅に低減する。本発明の軽量化ユニバーサルジョイントは、構造性の最適化設計によってユニバーサルジョイントの受力状態を徹底的に改善し、トルク伝達を主に固定翼、軸受、一字軸、転動体及びボールヘッドによって完成させ、ボールジョイントは主に貯油封止の機能を担い、根本的にボールソケットの荷重を大幅に低減し、それによってボールソケットに軽薄な構造設計を実現させ、材料を節約し、製品の性能品質を高め、コストを低減させる。
【0075】
更には、図1図11、及び図20に示すように、本発明のユニバーサルジョイントは転動体7をさらに含み、転動体7には、円錐面7-2と固定面7-1が設けられ、ボールヘッド1の伝動孔は、ボールヘッドを貫通しボールヘッドの中心平面C-C、F-F及びN-Nに沿って対称に配置され、伝動孔の軸線は、ボールヘッド1の球心を通過し、伝動孔の両端は転動体面1-1であり、転動体7は、一字軸2に対称に同軸に装着され、転動体7の円錐面7-2は、ボールヘッド1の伝動孔の転動体面1-1に嵌合され、両者の接触バスバーMは直線であり、接触バスバーMの延長線はボールヘッド1の球心Rを通過し、転動体7はボールヘッド1の球心の回りを伝動孔の転動体面1-1の表面に沿って転動可能であり、対称に配置された二つの転動体7は、同時に軸受の内輪として、それぞれその固定面7-1によって一字軸両端の軸受9に嵌合され、さらに軸受9によってボールソケット3の軸受孔G又は固定翼の担持孔内に固定され、ボールソケット3はその内球面Qに嵌合されボールヘッド1の外球面に包まれる。
【0076】
更には、図1図11、及び図20に示すように、ボールソケット3には、封止口Tがさらに設けられ、ダストカバー11の1端は、ボールソケット3の封止口Tに接続され、他端は、ボールヘッド1のシャンク部「ボールヘッド1に固定接続された延び部分、例えば軸管等を含む」又はスプラインスリーブに固定的に包まれ、ダストカバーとボールソケットとの間に封止空間を形成し、ボールヘッド1のボールヘッド部分、転動体、一字軸、軸受は、一緒に包まれて密閉され、同時にグリースを注入する。
【0077】
更には、図2-4、12-14に示すように、一字軸の両端には、ストッパ機構がさらに設けられ、前記ストッパ機構は前記転動体7を軸方向にストッパする。
【0078】
図2-3、12-13には、ストッパ機構の一つの実施方式を示し、前記ストッパ機構は、止め輪溝と止め輪5を含み、前記止め輪溝は、前記一字軸2の両端に設けられ、前記止め輪5は前記止め輪溝内に係合する。
【0079】
更には、前記止め輪は、開口弾性止め輪であり、装着後は止め輪自体の弾性によって、一字軸の止め輪溝内に抱締め係止する。
【0080】
更には、図8に示すように、装着を容易にするために、止め輪5は対開きの半環状構造であり、ペアで使用される止め輪5は完全な環状止め輪を形成することができ、一字軸2の両端の止め輪溝に係止し、ペアで使用される2つの半環状止め輪5は緊締装置によって緊締され、止め輪5が一字軸2の止め輪溝から抜け出すのを防止することができる。図1及び図8に示す緊締装置はキャップ24であり、キャップ24は一字軸の端部に装着され、ペアで使用される2つの半環状止め輪5をキャップ24の円筒状内腔に拘束する。図11-13、図19に示す緊締装置はブロッキングリング6であり、止め輪5の外周面には、環溝が設けられ、ブロッキングリング6は、止め輪5の環溝内にスリーブされ、ペアで使用される2つの半環状止め輪5を緊締する。等価的には、ブロッキングリング6は、2つのペアで使用される止め輪5を針金で巻き付けて締め付ける針金で置き換えられてもよい。キャップ24はまた、両端が開口した円筒状の構造であってもよく、ここでは詳しく説明しない。ストッパ構造は、対称に配置された転動体7を一字軸2の両端の止め輪5の間に加持し、転動体7の一字軸軸線に沿った外向きの運動を制限し、転動体の伝動時に発生する一字軸軸線方向の軸方向力を担う。もちろん、止め輪5は、止め柱、止め板などの他の構造に等価に置き換えることもできる。
【0081】
図4及び図14は、ボルトXと一字軸2の両端に開設された雌ねじとを含むストッパ機構の別の実施形態を示し、ボルトXは前記一字軸2の両端に前記雌ねじによって固定され、或いは、前記ストッパ機構はナットと一字軸2の両端に開設された雄ねじとを含み、前記ナットは前記雄ねじによって前記一字軸2の両端に固定されている。具体的には、一字軸2の両端に雌ねじまたは雄ねじを設け、一字軸の両端のねじにボルトまたはナットを螺合して固定することにより、対称に配置された転動体7を一字軸の両端のボルトまたはナットの間に加持し、転動体7の一字軸の軸方向に沿った外向きの運動を規制し、転動体の伝動時に発生する一字軸の軸方向力を担う。
【0082】
ストッパ機構の設置は転動体の伝動中に発生した軸方向力を一字軸に移すことができ、かつ転動体は対称配置であるため、この軸方向力を一字軸に作用する一対の大きさが等しく方向が反対の平衡力に変え、それによってこの力が他の部品に与える損害を回避し、ユニバーサルジョイント全体の構造受力をよりバランスよく合理的にする。一字軸は、上記軸方向引張力を受けた後、その曲げねじれを受ける能力を高め、その受力状態を改善することができる。
【0083】
更には、図5図15に示すように、ボールソケット3にリップ口Kを設け、このリップ口Kの直径は、ボールヘッドの球径よりも小さい。
【0084】
好ましくは、前記ボールソケットの肉厚は0.2-5mmである。
【0085】
更には、図1、6、11に示すように、前記一字軸2の中間部位には、位置決め球面2-1が設けられ、ボールヘッド伝動孔の中間部位には、拘束面1-2が設けられ、一字軸2がボールヘッドの伝動孔を貫通した後、その位置決め球面2-1は伝動孔の拘束面1-2に嵌合され、拘束面1-2は位置決め球面2-1の位置を制限する。図6に示すように、前記位置決め球面2-1は、一字軸2外面に突出する球面である。
【0086】
一字軸の位置決め球面2-1とボールヘッド伝動孔の中間部位の拘束面1-2との嵌合は、一字軸がボールヘッドの抜去力を直接担うことができ、芯出し能力を強化し、ボールソケットを効果的に保護し、ボールソケットの寿命を高める。
【0087】
更には、図20-21に示すように、ヒンジピンYを設け、一字軸2の中間部位にヒンジ孔2-2を設け、ヒンジ孔2-2の軸線と一字軸2の軸線とが垂直に交わるようにしている。ボールヘッド1には固定孔1-3が設けられており、固定孔1-3の軸線はボールヘッド1の球心Rを通過してボールヘッド中心平面C-Cに垂直であり、ヒンジピンYはボールヘッドの固定孔1-3を通過して一字軸のヒンジ孔2-2にヒンジ接続されており、一字軸はボールヘッドの伝動孔内でヒンジピンYの軸線回りに揺動可能である。ヒンジピンの構造設定は、芯出し作用をさらに向上させる。
【0088】
更には、一字軸2の両端には軸方向支承機構がさらに設けられる。図2-4、11-14に示すように、示される軸方向支持機構は、キャップ24、鋼球又は耐摩耗パッドPである。なお、軸方向支持機構がキャップ24である場合、キャップ24は、半環状止め輪5の緊締装置と軸方向支持機構の両方として用いる。具体的には、図11-14に示すように、鋼球または耐摩耗パッドPは、前記一字軸2の端部と前記軸受孔Gの底部との間に設けられているか、あるいは、図2-4に示すように、鋼球または耐摩耗パッドPは、一字軸を軸方向に支持するために、一字軸2の端部と固定翼8のキャビティ頂部との間に設けられている。
【0089】
一字軸の両端に設けられた軸方向支持機構、すなわち鋼球4または耐摩耗パッドPは、一字軸に対して軸方向の支持作用を実施することができ、さらに転動体によってボールヘッドに対して軸方向の支持芯出しを果たすとともに、ボールソケットのボールヘッドに対する支持力を分担し、振動摩耗に抵抗するユニバーサルジョイントの能力を高める。
【0090】
一字軸の位置決め球面2-1及び一字軸2の両端に設けられた軸方向支持機構とストッパ機構及び転動体7は、共にボールヘッドを拘束位置決めし、ボールヘッドを正しい嵌合位置に保持することができる。
実施例2:
【0091】
図11-17、図19に示すように、前記ボールソケット3は分割型薄肉構造であり、ボールソケットI 31とボールソケットII 32の2つの部分に分けられ、ボールソケットI 31とボールソケットII 32は対称に配置され封止接続され、ボールヘッド1のボールヘッド部分、一字軸2、転動体7及び軸受を収容する空間に組み合わせられ、ボールソケットI 31とボールソケットII 32にはいずれも内球面Q、軸受孔G、及び固定筒Sが設置される。固定翼8は、担持孔8-1によって対応するボールソケットの固定筒Sを包んで挟持し、固定筒Sによって伝達トルクを遷移させることにより、ボールソケット本体がトルク伝達の機能を担うことがなくなる。
【0092】
好ましくは、前記ボールソケットI 31及びボールソケットII 32は、共に一体成形の薄肉部材であり、ボールヘッド中心平面C-Cに沿って対称に配置される。図17に示すように、ボールソケットI 31とボールソケットII 32には、それぞれ封止固定面12が設けられており、この封止固定面12によってボールソケットI 31とボールソケットII 32とを固定接続して全体型のボールソケットとして形成している。一実施形態において、前記封止固定面12にはさらに封止溝14が設けられ、封止溝14は封止固定面の表面から凹んだ環状溝であり、ボールソケットI 31とボールソケットII 32の封止固定面12とが貼り合わせて固定された後、ボールソケットI 31とボールソケットII 32の封止溝14は封止室に包囲することができる。封止室内にシールリング15を配置し、シールリング15はボールソケットI 31とボールソケットII 32の封止溝14によって押圧され、ボールソケットI 31とボールソケットII 32の封止固定面との間に封止を形成し、ダストカバー11とともにユニバーサルジョイントの完全な封止構造を形成する。もちろん、ボールソケットI 31の封止固定面12とボールソケットII 32の封止固定面12との間には凹凸封止嵌合「例えば、一方の封止固定面に突起を設け、他方の封止固定面に溝を設け、突起と溝とが封止嵌合される」、平面封止嵌合「例えば、二つの封止固定面の間にシールガスケットを設け、封止接着剤を塗布する」などを採用することもできる。
【0093】
好ましくは、前記ボールソケットI 31とボールソケットII 32の封止固定面との固定接続方式は、必要に応じてリベット13のリベット、ボルト固定接続、溶接などを採用することができる。
実施例3:
【0094】
図1-5、図8-9に示すように、前記ボールソケット3は全体型薄肉の一体成形構造であり、すなわちボールソケット本体部分は全体型薄肉の一体成形構造であり、前記ボールソケット3の両端には挿通孔3-1が対称に設けられ、前記固定翼8にはさらに挿通口8-3が設けられ、固定翼8の挿通口8-3はボールソケットの挿通孔3-1内に封止挿通されている。好ましくは、挿通孔3-1の口部にはオイル封止溝が設けられ、シールリング27はオイル封止溝と挿通口との間に圧縮配置されて信頼性の高い封止「図1に示す」を形成し、固定翼8の担持孔8-1は固定軸受9を支持するために用いられる。
【0095】
ボールソケット3の本体は薄い鋼板で一体成形することができ、樹脂、ナイロン、プラスチックなどの非金属材料を選択することもできる。
【0096】
前記ボールソケット3の材質が弾性材質である場合、前記ボールソケット3の挿通孔3-1の部位は鋼骨格を予備埋設することができ、それによってボールソケット3の本体部分が弾性材質で一体成形される際に鋼骨格と複合して一体になり、挿通孔3-1に剛性を持たせ、その後固定翼8の挿通口8-3と締め挿通し、接続の封止性と信頼性を高める。さらに、ボールソケット3の挿通孔3-1は、固定翼8の挿通口8-3にしっかりと挿通され、留め具などの方式で固定される必要がある。
【0097】
好ましくは、ボールソケットの封止口Tはダストカバー11に固定接続され、ボールソケットとダストカバーは2つの部品に分けて製造され、その後、ボールソケットの封止口Tとダストカバー11の接続ポートによって留め具などで固定接続されてもよく、ダストカバーとボールソケットを一体的に1つの全体型部品にすることもできる。
【0098】
図20に示すように、ボールソケットとダストカバー11とが一体成形された全体構造であり、使用されている材質が軟性の弾性材質である場合、ボールソケットの挿通孔3-1部位は、鋼骨格を予備埋め込むことによりボールソケット軸受孔剛性を増加させ、組み立てを容易にすることができる。
実施例4:
【0099】
図22図24、26-27に示すように、軽量化されたスプライン嵌合副は、スプライン軸16とスプラインスリーブ17を含み、スプライン軸16とスプラインスリーブ17はいずれも薄肉構造であり、前記スプライン軸16とスプラインスリーブ17は表面の凹凸形状を嵌合させて貼り合わせて摺動可能なスプライン嵌合副を形成する。スプラインインデックス円の直径を適切に増大させると同時に肉厚を減少させる方法により、スプライン軸とスプラインスリーブの直径と肉厚を最適化し、材料分布を最適化し、スプライン支持能力を向上させ、小さなスプラインの応力と摺動摩擦力を減少させる。
【0100】
さらに、スプライン軸16の内腔に嵌合され、スプライン軸の1端がボールヘッドに固着され、他端がスプライン貯油筒の1端に接続され、スプライン貯油筒の他端がボールヘッドに接続されて、前記スプライン貯油筒22、スプライン軸16及び前記ボールヘッドの3つの間に貯油室23を形成するスプライン貯油筒22をさらに含む。前記スプライン軸16にはいくつかの布油孔16-2が設けられており、前記布油孔16-2は前記貯油室23と連通しており、潤滑油は貯油室に貯留されており、伝動軸が高速回転すると、貯油室の潤滑油は回転遠心力によりスプライン軸に設けられた布油孔によってスプライン軸とスプラインスリーブの摺動嵌合面に到達し、スプライン嵌合副を潤滑することができる。
【0101】
具体的には、前記スプライン軸16及びスプラインスリーブ17はいずれも薄肉構造であり、薄肉円管の冷抜又はプレス成形により円管表面に凹凸の起伏するスプライン構造を形成し、摺動スプライン嵌合副を形成する。スプライン嵌合副の1端はスプライン軸によってユニバーサルジョイントヘッドのシャンク部スプラインに嵌合され、溶接により補強され、スプライン嵌合副の他端はスプラインスリーブによって他方のユニバーサルジョイントボールヘッドのシャンク部スプラインに嵌合され、溶接により補強され、2つのユニバーサルジョイントはスプライン嵌合副により接続されている。2つのユニバーサルジョイント間の距離が変化すると、スプライン嵌合副のスプライン軸はスプラインスリーブの中で摺動伸縮して、伝動軸の長さの変化に適応することができる。ボールヘッドのシャンク部スプラインは、図7に示すように、対応するスプライン軸とスプラインスリーブ嵌合部位のスプラインと嵌合しており、図中では従来のインボリュートスプラインを例に模式している。
【0102】
本発明のスプライン嵌合副は薄肉構造を用いて一体成形し、従来の複雑な切削加工工程を省き、部品の加工品質を向上させるだけでなく、大量の加工コストを節約し、重量を大幅に低下させたため、スプライン嵌合副は比較的低いコストで表面窒化処理を実現することができ、部品の耐摩耗性能を大幅に向上させ、製品寿命を向上させる。
【0103】
本発明のスプライン貯油筒式の潤滑構造設計は潤滑油をスプライン軸のスプライン部位の内面に均一に布し、潤滑油を回転遠心力の作用の下でスプライン軸に設置された布油孔によりスプライン嵌合副の摺動表面により均一に確実に分布させ、潤滑油の利用効率と潤滑効果を向上させるとともに、潤滑油の集積や片寄りによる偏心影響伝動軸の動平衡を防止することができる。
【0104】
図24に示すように、1端がボールソケット本体の封止口Tに固定接続され、他端がスプラインスリーブ17に接続されたダストカバー11も設けられている。
【0105】
スプラインカバー17と接続されたダストカバー11の1端には通気孔25とフィルタ18がさらに設けられ、ボールヘッドには、排気孔16-1が設けられ、前記排気孔16-1の1端がダストカバー11の内腔26と連通し、他端がスプライン嵌合副の中心チャンバ21と連通する。スプライン嵌合副中心チャンバ21内の空気は、ボールヘッドに設けられた排気孔16-1によってダストカバー11の内腔26と連通可能であり、さらに通気孔25によってフィルタ18と連通可能であり、フィルタ18によって外気と呼吸交換を実現し、スプライン嵌合副中心チャンバ21内の圧力変化をバランスさせ、以上がスプライン嵌合副の呼吸機能である。
【0106】
図22は、円弧形スプライン軸とスプラインスリーブの斜視概略図であり、スプライン表面の凹凸形状は、正逆インターリーブ首尾が接する円曲面からなる曲面であり、スプライン断面形状は、図26~27に示すように、梅花形である。図23は矩形スプライン軸とスプラインスリーブの斜視概略図であり、スプライン断面形状は矩形スプラインである。もちろんスプラインの形式は、台形スプライン、インボリュートスプライン、三角スプラインなど、多種多様であってもよく、ここで繰り返さない。
【0107】
さらに、前記スプライン嵌合副の摺動面はナイロンでコーティングすることができる。スプライン軸または/およびスプラインスリーブにナイロンを塗布した後、上述した貯油筒式の潤滑方法に代えて、ナイロンによって自己潤滑を実現することができ、それによってスプライン貯油筒、布油孔などの構造設定を省くことができる。
実施例5:
【0108】
この実施例5は実施例4の変形であり、図25に示すように、実施例4と異なるのは、前記スプライン貯油筒22の1端に封止された貯油プランジャー28をさらに含み、前記スプライン貯油筒22、前記貯油プランジャー28、及び前記スプライン軸16の3つの間に貯油室23が形成されていることである。前記スプライン軸16にはいくつかの布油孔16-2が設けられており、前記布油孔16-2は前記貯油室23と連通している。
【0109】
本発明はスプライン貯油筒22、貯油プランジャー28、及びスプライン軸スプライン部位の内面との間に封止された貯油室23を形成すると同時に、スプライン軸スプライン部位の外面にいくつかの布油孔16-2を設置し、スプライン軸スプライン部位の外面は布油孔16-2により貯油室23と連通する。潤滑油は貯油室23内に貯蔵され、スプライン軸16とスプラインスリーブ17はスプライン嵌合によってスプライン嵌合副を形成し、スプライン軸16がスプラインスリーブ17内を摺動すると、貯油室23内の潤滑油は布油孔16-2によってスプライン嵌合副の摺動嵌合面部位に到達し、スプライン嵌合副に潤滑を施すことができる。
【0110】
好ましくは、スプライン貯油筒22の1端にはベルマウス22-1が設けられている。スプライン貯油筒22がスプライン軸16の内腔に同軸に嵌着されると、ベルマウス22-1を用いてスプライン軸スプライン部の内腔の1端を塞ぎ、スプライン貯油筒22の他端は貯油プランジャー28に接するとともに、貯油プランジャー28を用いてスプライン軸スプライン部位の内腔の他端を塞ぎ、スプライン貯油筒、貯油プランジャー、及びスプライン軸スプライン部位の内面との間に封止された貯油室23を形成する。
【0111】
図25に示すように、スプラインダストカバー19がさらに設けられ、スプラインダストカバー19の1端はスプライン軸16に固定接続され、他端はスプラインスリーブ17に接続される。
【0112】
図29に示すように、スプラインカバー17と接続するスプラインダストカバー19の1端には、通気孔25とフィルタ18がさらに設けられ、前記スプライン軸16は、前記スプラインスリーブ17の1端から離れて排気孔16-1が設けられ、前記排気孔16-1は、1端がスプラインダストカバー19の内腔20と連通し、他端がスプライン嵌合副の中心室21と連通している。スプライン嵌合副中心チャンバ21内の空気は、スプライン軸16に設けられた排気孔16-1によってスプラインダストカバー19の内腔20と連通し、さらに通気孔25によってフィルタ18と連通し、フィルタ18によって外気と呼吸交換を実現し、スプライン嵌合副中心チャンバ21内の圧力変化を平衡させ、以上がスプライン嵌合副の呼吸機能である。
実施例6:
【0113】
この実施例6は実施例4の別の変形であり、図30-31に示すように、軽量化スプライン嵌合副は、スプライン軸16とスプラインスリーブ17を含み、スプライン軸16とスプラインスリーブ17はいずれも薄肉構造であり、前記スプライン軸16とスプラインスリーブ17はインボリュートスプライン嵌合により摺動可能なスプライン嵌合副を形成し、スプライン軸16とスプラインスリーブ17はインボリュートスプラインであり、スプライン軸16の1端には内スプラインが設置され、伝動軸の1端のボールヘッドのシャンク部に設置された外スプライン「図7に示す」と固定接続され、溶接により補強されている。スプラインスリーブ17の1端は内スプラインによってスプライン軸16の外スプラインと摺動嵌合し、スプラインスリーブ17の他端は内スプラインによって伝動軸の他端のボールヘッドシャンク部に設けられた外スプライン「図7に示す」と固定接続し、溶接により補強する。一方、スプライン軸16、スプラインスリーブ17、及び伝動軸のボールヘッドシャンク部との間は、内スプラインと外スプラインで固定された後に溶接され、スプライン軸16、スプラインスリーブ17、及び伝動軸のボールヘッドシャンク部との接続強度を高めることができる。
【0114】
好ましくは、1端がボールソケット本体の封止口Tに固定接続され、他端がスプラインスリーブ17に接続されたダストカバー11も設けられる。あるいは、1端がスプライン軸16に固定接続され、他端がスプラインスリーブ17に接続されたスプラインダストカバー19も設けられている。
実施例7:
【0115】
図24-25、図30に示すように、軽量化伝動軸は、一対の軽量化ユニバーサルジョイント及び/又は一対の軽量化スプライン嵌合副を含み、軽量化ユニバーサルジョイントは、実施例1-3の何れかの軽量化ユニバーサルジョイントであり、及び/又は、軽量化スプライン嵌合副は実施例4-6の何れかの軽量化スプライン嵌合副である。
【0116】
本発明における軽量化伝動軸は、そのボールソケットとスプライン嵌合副は薄肉構造を採用して一体に成形され、無切削または少切削加工を実現し、生産効率と品質安定性を大幅に向上させただけでなく、部品重量と加工コストを大幅に低下させ、重さを40-70%程度減少させ、大量の鋼材を節約しただけでなく、自動車部品の軽量化発展要求に適応し、また製品性能を大幅に向上させ、部品の嵌合精度がより高く、伝動軸の振動と騒音を低下させた。
実施例8:
【0117】
実施例7における軽量化ユニバーサルジョイントは、従来構造のクロスシャフトユニバーサルジョイントまたはボールケージユニバーサルジョイントに等価に置き換えることができ、ここでは繰り返さない。
実施例9:
【0118】
実施例7における軽量化スプライン嵌合副は、図32に示すように、従来構造のスプライン軸とスプラインスリーブに等価に置き換えることができ、ここでは繰り返さない。この実施例では、スプライン軸16はボールヘッド1と一体成形され、排気孔16-1はスプライン軸16に形成されている。スプライン軸16はボールヘッド1と一体成形されているため、ボールヘッド1のシャンク部はボールヘッド1の一部であり、スプライン軸でもある。このように、ボールヘッドに設けられた排気孔16-1は、スプライン軸16に設けられた排気孔16-1としても説明することができる。好ましくは、スプラインスリーブ17のスプライン軸16から離れた1端は、シャフトパイプによって他のボールヘッド1に接続されている。
【0119】
本特許技術の説明において、特に明確な規定と限定がない限り、「設置」、「取り付ける」、「接続」、「繋がる」、「固定」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能接続であってもよく、あるいは一体的に接続してもよく、機械的接続であってもよく、電気的接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間、間接的接続であってもよく、2つの素子内部の接続であってもよい。当業者にとって、上記用語の本特許技術における具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解することができる。
【0120】
もちろん、上記の内容は本特許技術の好適な実施例にすぎず、本特許技術の実施例の範囲を限定するために使用されるとは考えられない。本特許技術も上述の例に限らず、本技術分野の一般技術者が本特許技術の実質的範囲内で行った均等な変化と改善などは、すべて本特許技術の特許カバー範囲内に帰属しなければならない。
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【国際調査報告】