(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】鍋本体取付構造及び調理装置
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20250117BHJP
A47J 36/00 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A47J27/00 101E
A47J36/00 Z
A47J27/00 102
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024563748
(86)(22)【出願日】2022-12-09
(85)【翻訳文提出日】2024-08-06
(86)【国際出願番号】 CN2022137747
(87)【国際公開番号】W WO2023134345
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】202220116207.5
(32)【優先日】2022-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524270291
【氏名又は名称】深▲せん▼市不停科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN BOTINKIT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 2006, Cable Information Transmission Building, No. 3369 Binhai Avenue, Haizhu Community, Yuehai Street, Nanshan District, Shenzhen, Guangdong 518000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 甫壮
(72)【発明者】
【氏名】付 強
(72)【発明者】
【氏名】関 晨宇
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA06
4B055BA35
4B055BA38
4B055CA10
4B055CA47
4B055CA90
4B055CB02
4B055CC61
(57)【要約】
本願の実施例は、鍋本体取付構造及び調理装置を開示し、調理装置が前記鍋本体取付構造を備え、前記鍋本体取付構造が取付部材と弾性装置とを備え、前記取付部材には、上端開口部を有するキャビティが設けられ、前記取付部材の上縁には下向きに凹んだ溝が設けられ、前記弾性装置が前記キャビティ内に設けられ、鍋本体には前記溝と係合されるバックルが設けられ、前記弾性装置の両端はそれぞれ、前記取付部材及び前記鍋本体と係合され、自由状態では、前記弾性装置の予締付力が鍋本体の重力以上である。前記取付部材には前記弾性装置が設けられているため、鍋本体の取り付けおよび取り外しをする場合、迅速な取り付けおよび取り外しが可能であるだけでなく、突き合わせて係止することが容易になり、力の弱いユーザーにとっても簡単であり、製品の市場競争力を向上させた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍋本体取付構造であって、取付部材と弾性装置とを備え、前記取付部材には、上端開口部を有するキャビティが設けられ、前記取付部材の上縁には下向きに凹んだ溝が設けられ、前記弾性装置が前記キャビティ内に設けられ、鍋本体には前記溝と係合されるバックルが設けられ、前記弾性装置の両端はそれぞれ、前記取付部材及び前記鍋本体と係合され、自由状態では、前記弾性装置の予締付力が鍋本体の重力以上である、ことを特徴とする鍋本体取付構造。
【請求項2】
前記溝には導入部が設けられ、前記導入部の内径は上から下に向かって徐々に小さくなっている、ことを特徴とする請求項1に記載の鍋本体取付構造。
【請求項3】
前記溝の数は、少なくとも2つである、ことを特徴とする請求項1に記載の鍋本体取付構造。
【請求項4】
前記導入部の断面形状は、逆等脚台形又は逆直角台形である、ことを特徴とする請求項2に記載の鍋本体取付構造。
【請求項5】
前記溝にはフック部が設けられ、前記フック部は、前記取付部材の上縁に向かって延びる円弧部を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の鍋本体取付構造。
【請求項6】
前記溝は、遷移部をさらに含み、前記遷移部が前記導入部と前記フック部との間に設けられ、その一端が前記導入部と接続され、他端が前記フック部と接続される、ことを特徴とする請求項5に記載の鍋本体取付構造。
【請求項7】
前記弾性装置は、圧縮ばねである、ことを特徴とする請求項1に記載の鍋本体取付構造。
【請求項8】
前記バックルは、係止スタッドであり、係止スタッドの自由端には、ストッパー部が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の鍋本体取付構造。
【請求項9】
前記鍋本体を収容するための収容キャビティが設けられた本体構造を備える調理装置であって、請求項1~8のいずれか一項に記載の鍋本体取付構造を備え、前記取付部材が前記収容キャビティ内に位置される、ことを特徴とする調理装置。
【請求項10】
前記調理装置は、温度測定装置と回路基板とをさらに備え、前記温度測定装置が回路基板と電気的に接続され、前記回路基板上に固定される、ことを特徴とする請求項9に記載の調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施例は、調理器具の技術分野に関し、特に鍋本体取付構造及び調理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の生活のペースが加速するにつれて、自動調理ができ、手を解放し、便利で手早く調理できる調理器具を必要とする人がますます増えている。調理機はマイコン制御により、人の手を介さずに自動調理が可能で、一つの鍋で多用途に使え、手間も省け、煙も出ないため、ますます多くのユーザーに愛用されている。
【0003】
従来技術では、鍋本体を取り付ける場合、鍋本体だけでなく、鍋蓋内部の加熱装置、動力装置などの部品を取り付ける作業も含まれ、鍋蓋内部の加熱装置、動力装置などの部品を保守、交換する必要があり、一方、ユーザーは、調理をする場合、料理のニーズに合わせて鍋本体を交換することがある。したがって、鍋本体の迅速な取り外しをどのように改善するかは、当業者にとって解決すべき緊急の技術課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、調理機の鍋本体の着脱が不便であるという技術的課題を解決するための鍋本体取付構造及び調理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本考案は、以下の技術的解決手段を採用する。
【0006】
本願の実施例は、取付部材と弾性装置とを備える鍋本体取付構造を提供し、前記取付部材には、上端開口部を有するキャビティが設けられ、前記取付部材の上縁には下向きに凹んだ溝が設けられ、前記弾性装置が前記キャビティ内に設けられ、鍋本体には前記溝と係合されるバックルが設けられ、前記弾性装置の両端はそれぞれ、前記取付部材及び前記鍋本体と係合され、自由状態では、前記弾性装置の予締付力が鍋本体の重力以上である。
【0007】
一実施例において、前記溝には導入部が設けられ、前記導入部の内径は上から下に向かって徐々に小さくなっている。
【0008】
一実施例において、前記溝の数は、少なくとも2つである。
【0009】
一実施例において、前記導入部の断面形状は、逆等脚台形又は逆直角台形である。
【0010】
一実施例において、前記溝にはフック部が設けられ、前記フック部は、前記取付部材の上縁に向かって延びる円弧部を含む。
【0011】
一実施例において、前記溝は、遷移部をさらに含み、前記遷移部が前記導入部と前記フック部との間に設けられ、その一端が前記導入部と接続され、他端が前記フック部と接続される。
【0012】
一実施例において、前記弾性装置は、圧縮ばねである。
【0013】
一実施例において、前記バックルは、係止スタッドであり、係止スタッドの自由端には、ストッパー部が設けられる。
【0014】
本願の実施例は、前記鍋本体を収容するための収容キャビティが設けられた本体構造と、上記のいずれか一項に記載の鍋本体取付構造とを備える調理装置をさらに提供し、前記取付部材が前記収容キャビティ内に位置される。
【0015】
一実施例において、前記調理装置は、温度測定装置と回路基板とをさらに備え、前記温度測定装置が前記回路基板と電気的に接続され、且つ前記回路基板上に固定される。
【発明の効果】
【0016】
本願の有益な効果は、以下のとおりである。
【0017】
本願において、前記鍋本体を取り付ける必要があるとき、前記鍋本体を前記取付部材に近づけ、前記鍋本体のバックルを前記溝に差し込んで係合させてロックする。鍋本体を取り外す際は、鍋本体を取り付けるときと逆の力で前記バックルを前記溝から外し、鍋本体の取り外しを完了する。前記取付部材には前記弾性装置が設けられているため、鍋本体の取り付け及び取り外しをする場合、迅速な取り付けおよび取り外しが可能であるだけでなく、突き合わせてロックすることが容易になり、力の弱いユーザーにとっても簡単であり、製品の市場競争力を向上させた。
【0018】
前記導入部は、内径が開口端から上から下に向かって徐々に減少する先細り構造となっており、前記バックルと前記溝とを係合するとき、前記溝には自動ガイド機能があり、前記鍋本体と前記取付部材とのブラインドアライメントを実現し、前記鍋本体を迅速に取り付けたり取り外したりすることができる。
【0019】
本願の実施例は、前記温度測定装置を前記回路基板に固定させ、前記温度測定装置と前記鍋本体とを非接触で取り付け、これにより、前記鍋本体を取り付け又は取り外しをする場合、操作に十分なスペースがあり、対応する温度測定装置を回避する必要がないため、温度測定装置を損傷することなく使用しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本願の実施例又は従来の技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例にすぎず、当業者であれば、創造的な努力をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0021】
【
図1】本願の実施例による鍋本体取付構造の概略構造図である。
【
図2】本願の実施例による
図1の部分拡大図である。
【
図3】本願の実施例による取付部材と弾性装置との係合構造の概略図である。
【
図4】本願の実施例による
図3の部分拡大図である。
【
図5】本願の実施例による調理装置の1つの概略構造図である。
【
図6】本願の実施例による調理装置のもう1つの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本願の目的、技術的解決手段および利点をより明確にするために、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の技術的解決手段を実施形態を通じて詳細に説明する。明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部であるが、すべての実施例ではなく、矛盾がなければ、本願の実施例および実施例における特徴を互いに組み合わせることができる。本願の実施例に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本願の保護の範囲内に含まれる。
【0023】
なお、図面において、同一又は類似の番号は、同一又は類似の要素又は同一又は類似の機能を備える要素を表し、本願の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内部」、「外部」などの用語で示される向きや位置関係は、添付の図面に示す向きや位置関係に基づいたものであり、単に本願の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、言及される装置又は要素が特定の向きを持たなければならないこと、特定の向きで構成および操作されなければならないことを示したり暗示したりするのではなく、したがって、本願の保護範囲の限定として理解することはできず、本願の説明において、「第1の」、「第2の」などは、それらの重要性、順序などを示すものではなく、互いを区別するためにのみ使用される。
【0024】
本願の説明において、別段に明確に制限されていない限り、「取付」、「連結」、「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定接続、又は可動的な接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、機械的な接続であってもよく、電気的な接続であってもよく、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介した間接的な接続であってもよく、2つの要素間の内部連通などであってもよい。当業者であれば、本願における上記用語の具体的な意味は、ケースバイケースで理解することができる。
【0025】
図1~
図3に示すように、鍋本体取付構造であって、取付部材10と弾性装置20とを備え、前記取付部材10には、上端開口部を有するキャビティ110が設けられ、前記取付部材10の上縁には、下向きに凹んだ溝120が設けられ、前記弾性装置20が前記キャビティ110内に設けられ、鍋本体30には、前記溝120と係合されるバックル310が設けられ、前記弾性装置20の両端はそれぞれ、前記取付部材10及び前記鍋本体と係合され、自由状態では、前記弾性装置20の予締付力が鍋本体30の重力以上である。
【0026】
前記鍋本体30と前記取付部材10とを取り付ける必要がある場合、前記鍋本体30を前記取付部材10に近づけて、前記鍋本体30のバックル310を前記溝120に差し込んで係合させてロックする。鍋本体30を取り外すとき、鍋本体30を取り付けるときと逆の力で前記バックル310を前記溝120から外し、鍋本体30の取り外しを完了する。前記取付部材10には前記弾性装置20が設けられているため、鍋本体30の取り付け又は取り外しをする場合、迅速な取り付けおよび取り外しが可能であるだけでなく、突き合わせてロックすることが容易になり、力の弱いユーザーにとっても簡単であり、製品の市場競争力を向上させた。
【0027】
本実施例において、前記溝120の数は3つであることが好ましいが、本願における前記溝120の数は、ユーザーのニーズに応じて変更することができる。
図2に示すように、前記取付部材10の周囲は上方に延びて前記キャビティ110を形成し、本実施例において、前記取付部材10が延びて中空円柱構造を形成することが好ましく、前記キャビティ110は、即ち前記円柱構造の内部キャビティである。
【0028】
図3及び
図4に示すように、前記溝120には導入部122が設けられ、前記導入部122の内径は上から下に向かって徐々に小さくなっている。好ましくは、前記導入部122の断面形状は、逆等脚台形又は逆直角台形である。前記バックル310が前記溝120と係合するとき、前記バックル310は、前記導入部122の開口部から滑り込み、導入部122の断面変化によって制限され、安定して前記溝120と係合して、鍋本体30と前記取付金具10とを締結することができる。前記バックル310が前記溝120の開放された開口部を通過するとき、自己ガイド機能を実現することができ、その結果、バックル310と溝120とのブラインドアライメントを実現することができる。本実施例において、前記バックル310を前記溝120の左側又は右側からスムーズに前記溝120に滑り込ませて、ブラインドアライメントを実現することができるように、前記導入部122の断面形状を逆等脚台形に設定することが好ましい。
【0029】
前記溝120にはフック部124が設けられ、前記フック部124は、前記取付部材10の上縁に向かって延びる円弧部を含む。前記バックル310が前記溝120に滑り込んだ後、前記溝120のフック部124にスムーズに進入することができ、フック部124と導入部122は逆向きに設計され、これにより、バックル310が前記溝120から容易に滑り出すことがなく、前記弾性装置20の作用により前記バックル310を前記溝120内にさらに安定して固定することができる。2つ以上の前記溝120が設けられた場合、前記溝120のフック部124の曲げおよび延在方向は一致する。
【0030】
もう1つの実施例において、前記溝120は、遷移部(図示せず)をさらに含み、前記遷移部が前記導入部122と前記フック部124との間に設けられ、その一端が前記導入部122と接続され、他端が前記フック部124と接続される。前記バックル310が前記導入部122を通して前記溝120に入った後、前記バックル310が前記溝120に完全に入ることができるように前記遷移部を調整することができる。好ましくは、前記遷移部は、直線部である。
【0031】
図2に示すように、前記バックル310は、断面が円形又は多角形の係止スタッドであり、前記係止スタッド310は、前記溝120の上縁からその内部にスムーズに滑り込むことができる。好ましくは、前記係止スタッド310の自由端には、ストッパー部が設けられる。前記ストッパー部は、前記係止スタッド310の外周に沿って突出して配置されてもよいし、前記係止スタッド310の周囲に断続的に配置されてもよいし、環状構造を形成するように連続的に配置されていてもよい。前記バックル310が前記溝120に係止されるとき、前記ストッパー部は、取付部材10の壁面に当たり、取付部材10の振動による滑り落ちを防止することができる。
【0032】
好ましくは、前記弾性装置20は、圧縮ばねである。前記圧縮ばねの弾性変化方向は、前記溝120の導入部122の方向と一致する。前記圧縮ばねの弾性力は、鍋本体の取り付け又は取り外し中に蓄積又は解放され、それによってユーザーが鍋本体30の取り付け又は取り外しを完了する。
【0033】
図5及び
図6に示すように、調理装置であって、本体構造40を備え、前記本体構造40には、前記鍋本体を収容するための収容キャビティ42及び前記鍋本体取付構造が設けられ、前記取付部材10が前記収容キャビティ42内に位置される。前記鍋本体30と前記取付部材10との係合及び固定方法については前述したとおりであり、本願では繰り返して説明しない。
【0034】
前記調理装置100は、温度測定装置と回路基板とをさらに備え、前記温度測定装置が前記回路基板と電気的に接続され、且つ前記回路基板上に固定される。この好ましい実施例において、前記温度測定装置は、回路基板を介して前記回路基板に接続される。前記温度測定装置は、非接触温度測定装置であり、好ましくは、赤外線温度測定装置である。前記温度測定装置を前記回路基板に固定させ、前記温度測定装置と前記鍋本体とを非接触で取り付け、これにより、前記鍋本体の着脱を行う場合、取り付け又は取り外し操作に十分なスペースがあり、対応する温度測定装置を回避する必要がないため、温度測定装置を損傷することなく、操作しやすい。
【0035】
上記は、本願のより好ましい実施例および適用される技術原理の単なる説明にすぎない。当業者は、本願が本明細書に記載される特定の実施例に限定されず、本願の保護範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な明らかな変更、再調整、および置換が可能であることを理解することができる。したがって、上記の実施例を通じて本願を詳細に説明したが、本願は上記の実施例に限定されるものではなく、本願の概念から逸脱することなく、他の同等の実施例をさらに含むことができ、本願の範囲は、添付の特許請求の範囲によって決定される。
【符号の説明】
【0036】
10 取付部材
110 キャビティ
120 溝
122 導入部
124 フック部
20 弾性装置
30 鍋本体
310 バックル(係止スタッド)
100 調理装置
40 本体構造
42 収容キャビティ
【国際調査報告】