(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】有機物を堆肥化する方法および装置
(51)【国際特許分類】
A61G 17/04 20060101AFI20250117BHJP
C05F 17/00 20200101ALI20250117BHJP
C05F 17/70 20200101ALI20250117BHJP
C05F 17/60 20200101ALI20250117BHJP
【FI】
A61G17/04 Z
C05F17/00
C05F17/70
C05F17/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024563753
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 EP2022081642
(87)【国際公開番号】W WO2023084036
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021212737.1
(32)【優先日】2021-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524268988
【氏名又は名称】ツィルクルム・ウィータエ・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Circulum Vitae GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100230248
【氏名又は名称】杉本 圭二
(72)【発明者】
【氏名】リュプケ・オーレル
(72)【発明者】
【氏名】メッツ・パブロ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューシュ・マックス
(72)【発明者】
【氏名】ガメリト・ベルンハルト
【テーマコード(参考)】
4H061
【Fターム(参考)】
4H061AA01
4H061AA02
4H061CC31
4H061CC41
4H061GG10
4H061GG18
4H061GG42
4H061LL02
(57)【要約】
【課題】堆肥化容器を用いて例えば死体等の有機物を堆肥化する方法および装置を提供する。
【解決手段】堆肥化容器10の所定の堆肥化期間のあいだの保管前および/または保管中のそれぞれで、所定量の液体および/または酸素が堆肥化容器10に充填され、かつ/あるいは、保管中に、堆肥化容器10が、該堆肥化容器に作用する重みによる力Gの実効方向に対して非平行な回転軸Dを中心として少なくとも1回回転させられて、かつ/あるいは、保管中、堆肥化容器10の内容物が、少なくとも1つの加熱要素で、所定の堆肥化期間のあいだ所定の温度範囲内に保持される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物(5)を堆肥化する方法であって、
-堆肥化対象の前記有機物(5)の堆肥化容器(10)を用意する過程と、
-堆肥化対象の前記有機物(5)と植物遺体を含む所定量の堆肥化基材(2)とを、前記堆肥化容器(10)に投入する過程と、
-堆肥化対象の前記有機物(5)と前記堆肥化基材(2)とを含む前記堆肥化容器(10)を、所定の堆肥化期間のあいだ保管する過程と、
-前記所定の堆肥化期間後に、前記有機物(5)と前記堆肥化基材(2)とから生じた前記堆肥化容器の内容物を後処理して、植物栽培可能な腐食混合物(H)を製造する過程と、
を少なくとも備える、方法において、
-前記保管中に、前記堆肥化容器(10)が、該堆肥化容器に作用する重みによる力(G)の実効方向に対して非平行な回転軸(D)を中心として少なくとも1回回転させられて、かつ/あるいは、
-前記堆肥化容器の前記保管前および/または前記保管中のそれぞれで、所定量の液体および/または酸素が前記堆肥化容器(10)に充填される、
ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記液体が、水を含有することを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、少なくとも、前記保管中に前記堆肥化容器(10)に充填する前記量の液体および/または酸素が、電子制御手段によって予め決めることが可能な少なくとも1つの時点で前記堆肥化容器(10)に充填されることを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、前記保管中に前記堆肥化容器(10)に充填する前記量の液体および/または酸素が、前記堆肥化容器(10)の少なくとも1つの流入接続部から充填されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法において、充填する液体および/または酸素の前記量、かつ/あるいは、投入する堆肥化基材(2)の前記量が、前記有機物(5)の検出重量および/または検出サイズに応じて制御電子手段で自動的に予め決められることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、充填する前記量の液体および/または酸素および/または堆肥化基材(2)が、前記堆肥化容器(10)に自動的に充填されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法において、使用する前記堆肥化基材(2)の少なくとも1種の成分の量が、前記有機物(5)の検出重量および/または検出サイズに応じて予め決められることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、使用する前記堆肥化基材(2)の前記量の少なくとも1種の成分が、前記堆肥化容器(10)に自動的に充填されることを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法において、前記堆肥化容器(10)の前記少なくとも1回の回転が、前記回転軸(D)を中心として340°~380°の範囲内の角度、あるいは、前記回転軸を中心として一方向に170°以内ないし反対方向に170°以内の角度で行われることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法において、前記保管中の少なくとも2つの異なる時点のそれぞれで、前記堆肥化容器(10)が少なくとも1回回転させられることを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の方法において、前記堆肥化容器(10)の前記少なくとも1回の回転が外部からの動力で作動されて行われ、かつ/あるいは、前記少なくとも1回の回転の前記時点が制御電子手段で予め決められることを特徴とする、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記少なくとも1つの回転の前記時点が、前記堆肥化容器(10)内の状態を表す、センサで取得された少なくとも1つの測定値に応じて、予め決められることを特徴とする、方法。
【請求項13】
有機物(5)を堆肥化する方法、特に、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法であって、
-堆肥化対象の前記有機物(5)の堆肥化容器(10)を用意する過程と、
-堆肥化対象の前記有機物(5)と植物遺体を含む所定量の堆肥化基材(2)とを、前記堆肥化容器(10)に投入する過程と、
-堆肥化対象の前記有機物(5)と前記堆肥化基材(2)とを含む前記堆肥化容器(10)を、所定の堆肥化期間のあいだ保管する過程と、
-前記所定の堆肥化期間後に、前記有機物(5)と前記堆肥化基材(2)とから生じた前記容器(10)の内容物を後処理して、植物栽培可能な腐食混合物(H)を製造する過程と、
を少なくとも備える、方法において、
保管中、前記堆肥化容器(10)の前記内容物が、少なくとも1つの加熱要素、または調和ユニットで、所定の温度範囲内に保持されることを特徴とする、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、保管中、前記堆肥化容器(10)の前記内容物が、前記少なくとも1つの加熱要素、または前記調和ユニットで、電子制御により、詳細には、前記堆肥化容器(10)内の状態を表す、センサで検出された少なくとも1つの測定値に応じて、所定の温度範囲内に保持されることを特徴とする、方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の方法において、前記堆肥化期間が、前記堆肥化容器(10)内の状態を表す、センサで取得された少なくとも1つの測定値に応じて、予め決められることを特徴とする、方法。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の方法において、前記堆肥化容器(10)の前記内容物の前記後処理が、前記内容物の篩分け、および/または、最初に投入された前記有機物(5)由来の、前記堆肥化容器の前記内容物中に残っている骨片の粉砕を含むことを特徴とする、方法。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の方法において、前記堆肥化容器(10)が、堆肥化する装置(1)のキャリアフレーム(11)に取り付けられて保管されることを特徴とする、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、前記堆肥化期間の経過後、前記堆肥化容器(10)が前記キャリアフレーム(11)から取り外されて後処理ステーションのキャリア(13)に固定され、前記堆肥化容器(10)は、該堆肥化容器(10)の前記内容物を該堆肥化容器(10)から取り出すように調節可能に前記キャリア(13)に取り付けられることを特徴とする、方法。
【請求項19】
有機物(5)を堆肥化する装置(1)、特に、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法を実行する装置(1)であって、
-堆肥化対象の前記有機物(5)と植物遺体を含む所定量の堆肥化基材(2)との堆肥化容器(10)と、
-前記有機物(5)と前記堆肥化基材(2)とから生じた前記堆肥化容器(10)内の第1の堆肥化混合物を後処理して植物栽培可能な腐食混合物(H)を製造する前の、堆肥化対象の前記有機物(5)と前記堆肥化基材(2)とを含む前記堆肥化容器(10)の保管を行う期間である堆肥化期間を指定するタイマと、
を備える、装置(1)において、
-当該装置(1)が、前記堆肥化容器(10)のキャリアフレーム(11)を備え、前記堆肥化容器(10)は、該堆肥化容器(10)に作用する重みによる力(G)の実効方向に対して非平行な回転軸(D)を中心として回転可能となるように該フレームに取り付けられ、かつ/あるいは、
-前記堆肥化容器(10)に、該堆肥化容器(10)の前記保管前および/または前記保管中に所定量の液体および/または酸素を該堆肥化容器(10)に充填することを可能にする少なくとも1つの流入口が設けられており、かつ/あるいは、
-当該装置(1)が、保管中、前記堆肥化容器(10)の内容物を所定の温度範囲内に保持することが可能な少なくとも1つの加熱要素を備える、
ことを特徴とする、装置(1)。
【請求項20】
請求項19に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、制御電子手段を備え、該制御電子手段が、一定量の液体および/または酸素を前記堆肥化容器(10)に充填する前記保管中の少なくとも1つの時点を指定するように、かつ/あるいは、該制御電子手段に接続された当該装置(1)の流入系統のうち、外部からの動力で作動可能な少なくとも1つの流入要素からの、前記保管中の前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器(10)への充填を制御するように構成されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項21】
請求項19または20に記載の装置(1)において、前記堆肥化容器(10)が、前記キャリアフレーム(11)上で前記回転軸(D)を中心として340°~380°の範囲内の角度、あるいは、前記回転軸を中心として一方向に170°以内ないし反対方向に170°以内の角度で回転可能であることを特徴とする、装置(1)。
【請求項22】
請求項19から21のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、前記キャリアフレーム(11)上の前記堆肥化容器(10)を外部からの動力によって作動して回転させる少なくとも1つの駆動モータ(14)を備えることを特徴とする、装置(1)。
【請求項23】
請求項19から22のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)は、前記堆肥化容器(10)内の状態を表す少なくとも1つの測定値を検出することが可能な少なくとも1つのセンサを備えることを特徴とする、装置(1)。
【請求項24】
請求項23に記載の装置(1)において、当該装置の制御電子手段が、検出された前記少なくとも1つの測定値に基づいて、
-前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器(10)への充填、かつ/あるいは、
-前記キャリアフレーム(11)上での前記堆肥化容器(10)の回転、かつ/あるいは、
-前記少なくとも1つの加熱要素および/または前記加熱要素の前記温度範囲、かつ/あるいは、
-前記タイマで予め決められた前記堆肥化期間、
を制御するように構成されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項25】
請求項24に記載の装置(1)において、前記制御電子手段が、機械学習した制御パラメータに基づいて、
-前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器(10)への充填、かつ/あるいは、
-前記キャリアフレーム(11)上での前記堆肥化容器(10)の回転、かつ/あるいは、
-前記少なくとも1つの加熱要素および/または前記加熱要素の前記温度範囲、かつ/あるいは、
-前記タイマで予め決められた前記堆肥化期間、
を制御するように構成されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項26】
請求項19から25のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、前記キャリアフレーム(11)のハウジング(12)を備え、該ハウジング(12)は、前記キャリアフレーム(11)に回転可能に取り付けられた前記堆肥化容器(10)の外周を取り囲む受入空間(121)を形成していることを特徴とする、装置(1)。
【請求項27】
請求項26に記載の装置(1)において、前記ハウジング(12)が、開位置と閉位置との間で調節可能であるように取り付けられた少なくとも1つの閉鎖要素(122)を具備しており、該閉鎖要素(122)は、その開位置にて、前記堆肥化容器(10)の前記受入空間(121)内での調節を可能にして前記キャリアフレーム(11)への回転可能な取付けを可能にする前記ハウジング(12)のアクセス開口(123)を開放し、その閉位置にて、前記アクセス開口(123)を閉鎖することを特徴とする、装置(1)。
【請求項28】
請求項19から25のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、複数の支承箇所を有する支承ユニット(LE)を備え、各支承箇所が、堆肥化容器(10)を回転可能に取り付けるキャリアフレーム(11)を具備していることを特徴とする、装置(1)。
【請求項29】
請求項28に記載の装置(1)において、支承箇所がハニカム状に並べられており、前記支承ユニット(LE)の前面にてアクセス可能であることを特徴とする、装置(1)。
【請求項30】
請求項19から29のいずれか一項に記載の装置(1)において、前記堆肥化容器(10)が、壁に又は該堆肥化容器(10)の下側に設けられた床要素(1012)に空間(101)を有し、該空間(101)に、少なくとも1つの電子部品および/または前記少なくとも1つの加熱要素が収められていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項31】
請求項19から30のいずれか一項に記載の装置(1)において、前記堆肥化容器(10)が、当該装置(1)の上位電子制御手段との電気的接続のための少なくとも1つのポートを有していることを特徴とする、装置(1)。
【請求項32】
有機物(5)を堆肥化する装置(1)、特に、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法を実行する装置(1)であって、
-堆肥化対象の前記有機物(5)と植物遺体を含む所定量の堆肥化基材(2)との堆肥化容器(10)と、
-前記有機物(5)と前記堆肥化基材(2)とから生じた前記堆肥化容器(10)内の第1の堆肥化混合物を後処理して植物栽培可能な腐食混合物(H)を製造する前の、堆肥化対象の前記有機物(5)と前記堆肥化基材(2)とを含む前記堆肥化容器の保管を行う期間である堆肥化期間を指定するタイマと、
を備える、装置(1)において、
-前記堆肥化容器(10)に、該堆肥化容器(10)の前記保管前および/または前記保管中に所定量の液体および/または酸素を該堆肥化容器(10)に充填することを可能にする少なくとも1つの流入口が設けられており、かつ/あるいは、
-当該装置(1)が、前記堆肥化容器(10)のキャリアフレーム(11)を備え、前記堆肥化容器(10)は、該フレームに取り付けられることが可能であり、かつ/あるいは、
-当該装置(1)が、保管中、前記堆肥化容器(10)の内容物を所定の温度範囲内に保持することが可能な少なくとも1つの加熱要素を備える、
ことを特徴とする、装置(1)。
【請求項33】
請求項32に記載の装置(1)において、前記堆肥化容器(10)が、該堆肥化容器(10)に作用する重みによる力(G)の実効方向に対して非平行な回転軸(D)を中心として回転可能となるように前記キャリアフレーム(11)に取り付けられ、前記キャリアフレーム(11)が、前記堆肥化容器(10)を取り付ける支承ローラ(1111)を具備していることを特徴とする、装置(1)。
【請求項34】
請求項33に記載の装置(1)において、前記堆肥化容器(10)が、前記回転軸(D)に沿った少なくとも一部で、円状の外周領域を外側に有しており、該外周領域が、前記支承ローラ(1111)と相互作用することを特徴とする、装置(1)。
【請求項35】
請求項32から34のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、前記堆肥化容器(10)を外部からの動力によって作動して回転させる駆動装置(14)を備え、前記堆肥化容器(10)が、特に、該回転のあいだ前記キャリアフレーム(11)に取り付けられていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項36】
請求項32から35のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、制御電子手段を備え、該制御電子手段が、一定量の液体および/または酸素を前記堆肥化容器(10)に充填する前記保管中の少なくとも1つの時点を指定するように、かつ/あるいは、該制御電子手段に接続された当該装置(1)の流入系統のうち、外部からの動力で作動可能な少なくとも1つの流入要素からの、前記保管中の前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器(10)への充填を制御するように構成されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項37】
請求項33から36のいずれか一項に記載の装置(1)において、前記堆肥化容器(10)が、前記キャリアフレーム(11)上で前記回転軸(D)を中心として340°~380°の範囲内の角度、あるいは、前記回転軸を中心として一方向に170°以内ないし反対方向に170°以内の角度で回転可能であることを特徴とする、装置(1)。
【請求項38】
請求項32から37のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)は、前記堆肥化容器(10)内の状態を表す少なくとも1つの測定値を検出することが可能な少なくとも1つのセンサを備えることを特徴とする、装置(1)。
【請求項39】
請求項38に記載の装置(1)において、当該装置(1)の制御電子手段が、検出された前記少なくとも1つの測定値に基づいて、
-前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器(10)への充填、かつ/あるいは、
-前記堆肥化容器(10)の、特に、前記キャリアフレーム(11)上での回転、かつ/あるいは、
-前記少なくとも1つの加熱要素および/または前記加熱要素の前記温度範囲、かつ/あるいは、
-前記タイマで予め決められた前記堆肥化期間、
を制御するように構成されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項40】
請求項39に記載の装置(1)において、前記制御電子手段が、機械学習した制御パラメータに基づいて、
-前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器(10)への充填、かつ/あるいは、
-前記堆肥化容器(11)の、特に、前記キャリアフレーム(11)上での回転、かつ/あるいは、
-前記少なくとも1つの加熱要素および/または前記加熱要素の前記温度範囲、かつ/あるいは、
-前記タイマで予め決められた前記堆肥化期間、
を制御するように構成されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項41】
請求項32から40のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、前記キャリアフレーム(11)のハウジング(12)を備え、該ハウジング(12)は、前記キャリアフレーム(11)に取り付けられた前記堆肥化容器(10)の外周を取り囲む受入空間(121)を形成していることを特徴とする、装置(1)。
【請求項42】
請求項41に記載の装置(1)において、前記ハウジング(12)が、開位置と閉位置との間で調節可能であるように取り付けられた少なくとも1つの閉鎖要素(122)を具備しており、該閉鎖要素(122)は、その開位置にて、前記堆肥化容器(10)の前記受入空間(121)内での調節を可能にして前記キャリアフレーム(11)への取付けを可能にする前記ハウジング(12)のアクセス開口(123)を開放し、その閉位置にて、前記アクセス開口(123)を閉鎖することを特徴とする、装置(1)。
【請求項43】
請求項32から42のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、複数の支承箇所を有する支承ユニット(LE)を備え、各支承箇所が、堆肥化容器(10)を取り付けるキャリアフレーム(11)を具備していることを特徴とする、装置(1)。
【請求項44】
請求項43に記載の装置(1)において、支承箇所がハニカム状に並べられており、前記支承ユニット(LE)の前面にてアクセス可能であることを特徴とする、装置(1)。
【請求項45】
請求項32から44のいずれか一項に記載の装置(1)において、前記堆肥化容器(10)が、壁に又は該堆肥化容器(10)の下側に設けられた床要素(1012)に空間(104)を有し、該空間(104)に、少なくとも1つの電子部品および/または前記少なくとも1つの加熱要素が収められていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項46】
請求項32から45のいずれか一項に記載の装置(1)において、前記堆肥化容器(10)が、当該装置(1)の上位電子制御手段との電気的接続のための少なくとも1つのポートを有していることを特徴とする、装置(1)。
【請求項47】
請求項19から46のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)が、前記堆肥化容器(10)の処理槽(107)を取り囲む装飾被覆体(108)を備え、該装飾被覆体(108)が、前記処理槽(107)に着脱可能に連結されることが可能であることを特徴とする、装置(1)。
【請求項48】
請求項19から47のいずれか一項に記載の装置(1)において、当該装置(1)は、温度制御されたガス又は混合ガスを前記堆肥化容器(10)に導いて前記保管中の前記堆肥化容器(10)の前記内容物を所定の温度範囲内に保持するように構成された調和ユニットを備えることを特徴とする、装置(1)。
【請求項49】
請求項48に記載の装置(1)において、前記ガスが酸素であり、前記混合ガスが酸素を含有し、前記保管中、前記堆肥化容器内の酸素の量を前記調和ユニットで所定の範囲内に維持することが可能であることを特徴とする、装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本提案の解決策は、有機物を堆肥化する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機物とは、特に、(動物の)死骸または(人間の)死体のことであると理解されたい。従来、死体は、一般的に例えば火葬で火葬されて桶に入れて埋められる。そのほか、土葬するという選択肢もあり、死体が地中の墓へと降ろされる。地中の状態にもよるが、一般的な土葬の場合、分解過程には20年ないし30年かかる場合があり、地中のローム分が豊富な一部の地域では最大で50年にも及ぶ。
【0003】
環境に優しい代替の埋葬方法として、堆肥葬(堆肥化)するという選択肢が既に知られている。P. OrganicAB社は、Promessa(登録商標)という名称の埋葬方法を提供している。同方法では、死体を液体窒素に浸漬し、振動によって短期間で粗粒粉末へと処理して追加の後処理工程を実施してから、堆肥化可能な棺に埋葬する。
【0004】
また、Recompose社(米国)も、有機物を堆肥化する方法を提供している。同方法では、死体を堆肥化可能な基材と一緒に、固定されたハニカム形の堆肥化室内に安置する。堆肥化期間の経過後、堆肥化物が室から取り出されて、植物栽培可能な腐食混合物として利用される。しかし、この場合のRecompose社が提案する方法では、死体を基材とともにハニカム形の堆肥化室内へと人の手で安置させる必要がある。つまり、埋葬過程の場面で、死体の安置に比較的手間がかかることになる。しかも、Recompose社の実施方法では、堆肥化処理の制御・最適化の可能範囲が限られているように見受けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これを背景に、本提案の解決手段は、有機物を堆肥化する方法の改良および装置の改良の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このとき、有機物を堆肥化する本提案の方法の過程では、少なくとも下記の過程が設けられる:
-堆肥化対象の有機物の堆肥化容器を用意する過程;
-堆肥化対象の前記有機物と植物遺体を含む所定量の堆肥化基材とを、前記堆肥化容器に投入する過程;
-堆肥化対象の前記有機物と前記堆肥化基材と一緒に前記堆肥化容器を、所定の堆肥化期間のあいだ保管する過程;および
-前記所定の堆肥化期間後に、前記有機物と前記堆肥化基材とから生じた前記堆肥化容器の内容物(すなわち、第1の堆肥化混合物)を後処理して、植物栽培可能な腐食混合物を製造する過程。
【0007】
そして、本提案の方法の文脈では、さらに、下記も提案される:
-前記堆肥化容器の前記保管前および/または前記保管中のそれぞれで、所定量の液体および/または酸素が前記堆肥化容器に充填され;かつ/あるいは
-前記保管中に、前記堆肥化容器が、該堆肥化容器に作用する重みによる力の実効方向に対して非平行な回転軸を中心として少なくとも1回回転させられる。
【0008】
つまり、本提案の解決手段の基本概念は、堆肥化容器を用意し、堆肥化処理のために、有機物と植物遺体を含む堆肥化基材とを所定の堆肥化期間のあいだ堆肥化容器内に保管するとともに、この際に堆肥化処理(以降、主分解とも称する)を生じさせるため、特定量の液体および/または酸素を堆肥化容器に充填し、かつ/あるいは、堆肥化容器全体を回転軸を中心として回転させるというものである。特に、有機物である場合には、これらの各手法、特に、両方の手法によって、堆肥化の結果に対して有利な影響を及ぼすことが可能であり、40日も満たないうちに既に有機物の最大限の範囲にわたって堆肥化が発生し、それにより、堆肥化容器から取り出すことのできる内容物を機械的な後処理工程にあまりかけることなく楽に精製して植物栽培可能な腐植混合物を製造することが可能となる。
【0009】
このとき、有機物と堆肥化基材の投入は、原則的に連続して、特に、段階的に行われ得る。例えば、初めに部分量(一部の量)の堆肥化基材を堆肥化容器に投入した後、堆肥化対象の有機物(すなわち、例えば遺体、死体等)を、先に堆肥化容器に投入された前記部分量の堆肥化基材の上に配し、その後、さらなる部分量の堆肥化基材を堆肥化容器に導入するという選択肢が挙げられる。これに代えて又はこれに加えて、堆肥化対象の有機物の堆肥化容器への投入前又は投入後に、各成分を個別に導入することも可能である。つまり、例えば、初めにある種類の植物遺体のみ又は植物遺体の混合物だけを堆肥化容器に投入した後に、有機物を堆肥化容器に投入し且つ/或いは堆肥化基材のさらなる成分を堆肥化容器に投入するということが可能である。原則として、有機物の投入後に部分量の堆肥化基材を付与する理由は、先に堆肥化容器に投入された有機物を、堆肥化基材で少なくとも部分的に又は完全に覆うためであり得る。
【0010】
原則として、所定の堆肥化期間のあいだの堆肥化容器の保管は、堆肥化容器に追加の有機物が投入されないようにした状態で行われ得る。結果として、所定の堆肥化期間のあいだは堆肥化容器が閉じられ、緊急時(例えば、堆肥化のために設けられた装置が故障している可能性がある場合等)を除き、外部からアクセスできないようにされる。結果として、特に、死後の平穏が所定のものとなり得る。
【0011】
使用する堆肥化基材には、所定の組成の植物遺体に加えて、例えばバイオ炭および/または岩粉および/または粉末粘土等が含まれていてもよい。ここで、バイオ炭は、特に、臭気結合の役割を果たすことができる。そのほか、堆肥化基材のさらなる成分としては、十分な高さの吸収性の面で選ばれる成分が挙げられ、これらは比較的乾燥している。
【0012】
堆肥化容器の保管前および/または保管中に与えられる液体および/または酸素の一定量の添加により、堆肥化処理の進展が生物学的パラメータの観点で向上するのと並んで、重みによる力の実効方向に対して非平行な回転軸を中心として堆肥化容器を回転させることも、特に、有機物の沈降および/または有機物もしくは一部の有機物の凝集を効果的に阻止できるという点で、堆肥化処理の進展の観点からみて有利であることが判明した。ここで、重みによる力の実効方向に対して非平行な回転軸とは、例えば、鉛直方向に延びずにむしろ例えば斜めに、つまり、鉛直方向に対して傾いて又は斜めに、特に鉛直方向に対して90°の角度で、したがって、水平方向に延びる回転軸のことであると解釈できる。
【0013】
堆肥化容器の保管前および/または保管中に添加する液体は、例えば、水を含有するものであり得る。特に、液体は、大部分又は全体が水からなるものであり得る。
【0014】
いずれの場合も、堆肥化処理前に供給する液体の量は、重量換算で、堆肥化対象の有機物の重量を何倍も上回り得る。例えば、堆肥化容器が動かされる前に供給する前記液体の量は、有機物の重量を2.5~3.5倍以上上回り得る。対照的に、堆肥化処理中に供給する液体の量は、重量換算で、堆肥化容器に初めから投入された有機物の重量未満とされ得る。
【0015】
本提案の方法の、堆肥化処理の自動化を目的とした一例では、少なくとも、前記保管中に前記堆肥化容器に充填する前記量の液体および/または酸素が、電子制御手段によって予め決めることが可能な少なくとも1つの時点で前記堆肥化容器に充填され得る。具体的には、前記保管中に前記堆肥化容器に充填する前記量の液体および/または酸素が、前記堆肥化容器の少なくとも1つの流入接続部から、特に、自動的に(すなわち、ユーザが介入して充填を行う必要なく)又はユーザの操作によって充填されるという一例が挙げられる。具体的に述べると、第1の流入接続部が前記液体用に少なくとも1つ設けられ得るとともに、第2の流入接続部が前記酸素用に少なくとも1つ設けられ得る。
【0016】
これに代えて又はこれに加えて、充填する液体および/または酸素の前記量、かつ/あるいは、投入する堆肥化基材の前記量が、前記有機物の検出重量および/または検出サイズに応じて制御電子手段で自動的に予め決められてもよい。ここで、有機物の重量および/またはサイズの検出は、例えば測定によって又はユーザ側の入力を介して行われ得る。つまり、例えば、有機物を計量したり、有機物の長さ、特に、体長を測定したりすることが可能である。そして、堆肥化容器の保管前および/または保管中に充填する液体および/または酸素の量、かつ/あるいは、投入する堆肥化基材の量が、その時点で存在している重量および/またはサイズに関する情報、したがって、例えば体格指数(BodyMassIndex(略してBMI))等から、制御電子手段で予め決められる。
【0017】
そして、制御電子手段で予め決められた量が、手動で充填又は添加され得る。あるいは、液体および/または堆肥化基材が自動的に充填されてもよい。
【0018】
一例では、充填する前記堆肥化基材の少なくとも1種の成分の量が、前記有機物の検出重量および/または検出サイズに応じて、例えば電子的に予め決められる。つまり、有機物の堆肥化に用いられる装置は、堆肥化対象の有機物の重量および/またはサイズに応じて、特定の堆肥化基材のどの成分を且つ同成分をどれほどの量で堆肥化容器に充填するのかを、アルゴリズムに基づいて予め決め得る。
【0019】
考えられ得る一改良形態として、堆肥化基材の1つ以上の成分の所定量の自動充填を、装置で電子的に行うことが可能である。つまり、同装置の貯留部から堆肥化容器へと、有機物の重量および/またはサイズに応じた対応する量が自動的に充填される。
【0020】
前記堆肥化容器の回転は、例えば340°~380°の範囲内の角度で行われ得る。このように堆肥化容器を所定の回転軸を中心として一回転又は少なくともほぼ一回転させた場合、堆肥化処理時の有機物の望ましくない沈降及び/又は望ましくない凝集を効果的に解消することができる。これに代えて又はこれに加えて、少なくとも2つの異なる時点のそれぞれで、前記堆肥化容器が少なくとも1回回転させられてもよい。堆肥化容器を、例えば回転軸を中心としてまず一方向に回転させた後、(即座に)同回転軸を中心として反対方向に回転させることも考えられ得る。このときの角度は、例えば+170°以内かつ-170°以内であり得る。
【0021】
前記少なくとも1つの回転は、原則として、外部からの動力で作動されて行われ得る。つまり、この目的のために、堆肥化容器を備える(堆肥化)装置の、少なくとも1つの駆動モータが設けられる。この際、該駆動モータは、例えば、堆肥化容器の二重床内に全体が収納され得る。しかしながら、駆動モータは、装置側の堆肥化容器キャリアフレームの一部に設けられてもよく、特に、架設装置に設けられてもよく、つまり、厳密に堆肥化容器自体に設けられなくてもよい。
【0022】
前記少なくとも1つの回転の時点は、このような装置の制御電子手段によって予め決められ得る。このとき、堆肥化容器の保管中の1つ以上の時点が確定的に設定され得る。例えば、一定に記憶されたスケジュール(すなわち、有機物に左右されないスケジュール、あるいは、堆肥化対象の有機物に応じて事前に可変定義されたスケジュール)に従って回転を行うことが挙げられる。そして、対応するスケジュールが、例えば堆肥化容器の保管開始時に固定される。変形例として、少なくとも1つの回転は、検出された少なくとも1つの測定値に応じた、特に、保管中にセンサで検出された少なくとも1つの測定値に応じた、保管中の少なくとも1つの時点で行われてもよい。
【0023】
そして、上記の後者の場合には、前記少なくとも1つの回転の時点が、例えば、前記堆肥化容器内の(現在の)状態、特に、現在の堆肥化状態を表す、センサで取得された少なくとも1つの測定値に応じて、予め決められる。この目的のために、堆肥化容器を備える装置は、少なくとも1つのセンサを該堆肥化容器に備え、かつ/あるいは、該堆肥化容器と相互作用するセンサ手段を備える。これらにより、少なくとも1つの測定値が(直接又は間接的に)検出され、それによって、堆肥化状態に関する結論が可能となる。つまり、少なくとも1つの測定値は、堆肥化容器の回転を行うか否か、さらに、いつ行うのかの決定要因となる。例えば、この目的のために、堆肥化容器内の温度および/または水分および/またはガス組成が検出と評価の対象とされ得る。
【0024】
さらに、有機物の堆肥化処理では、堆肥化容器内の温度を特定のレベルに維持することが有利であることが判明した。特定のレベルでの温度の維持を、特に、液体および/または酸素の所定の添加、かつ/あるいは、堆肥化容器の特定の回転と組み合わせることにより、極めて効果的な堆肥化を実現することができる。よって、保管中、堆肥化容器の内容物は、例えば、少なくとも1つの加熱要素で所定の温度範囲内に保持される。このとき、加熱要素は、堆肥化容器自体に設けられ得て、具体的には、堆肥化容器と一体化したものであり得る。また、加熱要素は、例えば、堆肥化容器内の現在の堆肥化状態を表す、センサで取得された少なくとも1つの測定値に応じて、電気的に制御可能なものとされる。堆肥化容器の内部は、少なくとも1つの加熱要素で特定の温度範囲内、例えば55℃~65℃の範囲内、特に58℃~62℃の範囲内に維持される。堆肥化容器が複数同時に保管される場合には、堆肥化容器ごとに個別の加熱要素が設けられ得る。
【0025】
ここで、少なくとも1つの加熱要素、特に、堆肥化容器自体に設けられた加熱要素で温度を所定のレベルを維持するという構成は、液体を充填するのか否かおよび/または堆肥化容器を回転させるのか否かにかかわらず有利である。
【0026】
原則として、堆肥化期間は(あるいは、堆肥化期間も)、堆肥化容器内の状態、特に、堆肥化容器内の現在の堆肥化状態を表す、センサで取得された少なくとも1つの測定値に応じて予め決められてもよい。これにより、例えばガスクロマトグラフの測定値に基づいて、目下の堆肥化対象の有機物が堆肥化期間に達したか否か、さらには、例えば最初に予め決められた標準堆肥化期間を短縮するのか延長するのか否かを管理することが可能になる。
【0027】
堆肥化期間の経過後の前記堆肥化容器の前記内容物の後処理は、例えば、該内容物の篩分け、および/または最初に投入された前記有機物由来の、該堆肥化容器の該内容物中に残っている骨片の粉砕を含み得る。これにより、例えば、堆肥化容器の内容物(すなわち、堆肥化期間後に堆肥化容器内に生じている第1の堆肥化混合物)の篩分けで篩分けされた骨部分も骨粉砕機に供給することができる。それにより得られた骨粉を堆肥化容器の篩分け後の内容物と混合することによって植物栽培可能な腐植混合物を製造するようにしてもよい。
【0028】
前記堆肥化容器は、例えば、(堆肥化)装置のキャリアフレームに取り付けられて保管され得る。堆肥化容器は、例えば、対応するキャリアフレームを介して回転可能に取り付けられ得て、かつ/あるいは:(a)対応する液体接続部;および/または(b)少なくとも1つの電力ラインもしくは信号ライン;および/または(c)堆肥化容器の内部の状態を表す測定値を検出するセンサ手段;と接続され得る。
【0029】
本提案の方法の一例の場面では、前記堆肥化期間の経過後、前記堆肥化容器が前記キャリアフレームから取り外されて後処理ステーションのキャリアに固定され、前記堆肥化容器は、該堆肥化容器の前記内容物を該堆肥化容器から取り出すように調節可能に、特に、傾動可能に前記キャリアに取り付けられる。つまり、後処理ステーションでは、堆肥化容器が例えば傾斜させられることにより、該堆肥化容器の堆肥化済みの内容物が落下し、篩分け及び/又は粉砕処理などのさらなる後処理工程に供給されることが可能となる。
【0030】
本提案の解決手段のさらなる態様は、有機物を堆肥化する装置の提供に関する。ここで提案する装置は、少なくとも下記を備える:
-堆肥化対象の前記有機物と植物遺体を含む所定量の堆肥化基材との堆肥化容器;および
-前記有機物と前記堆肥化基材とから生じた前記堆肥化容器内の第1の堆肥化混合物を後処理して植物栽培可能な腐食混合物を製造する前の、堆肥化対象の前記有機物と前記堆肥化基材とを含む前記堆肥化容器の保管を(任意で、該堆肥化容器への追加の有機物の投入を阻止しながら)行う期間である堆肥化期間を指定するタイマ。
【0031】
そして、本提案の(堆肥化)装置は、さらに、下記を特徴とする:
-前記堆肥化容器に、該堆肥化容器の前記保管前および/または前記保管中に所定量の液体および/または酸素を該堆肥化容器に充填することを可能にする少なくとも1つの流入口が設けられており;かつ/あるいは、
-当該装置が、前記堆肥化容器のキャリアフレームを備え、前記堆肥化容器は、該堆肥化容器に作用する重みによる力の実効方向に対して非平行な回転軸を中心として回転可能となるように該フレームに取り付けられ;かつ/あるいは、
-当該装置が、保管中、前記堆肥化容器の内容物を所定の温度範囲内に保持することが可能な少なくとも1つの加熱要素を備える。
【0032】
つまり、本提案の装置は、特に、本提案の(堆肥化)方法の例を実施するのに適している。したがって、本提案の方法について上述した例や後述する例の特徴および利点は、本提案の装置の各例にも当てはまり、その逆も然りである。
【0033】
よって、本提案の装置の一例は、例えば、制御電子手段を備え得て、該制御電子手段が:
-一定量の液体および/または酸素を前記堆肥化容器に充填する前記保管中の少なくとも1つの時点を(前記タイマに)指定するように;かつ/あるいは
-該制御電子手段に接続された前記装置の流入系統のうち、外部からの動力で作動可能な少なくとも1つの流入要素からの、前記保管中の前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器への充填を制御するように;
構成されている。
【0034】
つまり、前記装置の一部は制御電子手段であり、該制御電子手段により、例えば、どの程度の量の液体および/または酸素を、いつ堆肥化容器に充填するのかを指令することが可能である。これに代えて又はこれに加えて、制御電子手段は、液体および/または酸素の充填を自動的に行うものであってもよく、この目的のために、例えば、液体および/または酸素を少なくとも1つの特定の時点で堆肥化容器に導入するための例えば流量調整バルブ等の流入要素を作動させ得る。ここで、堆肥化容器に酸素を充填する流入要素は、前記装置の電子制御可能な換気系統、特に、その一部であってもよい。
【0035】
前記堆肥化容器は、前記装置のキャリアフレーム上で前記回転軸を中心として340°~380°の範囲内の角度、あるいは、前記回転軸を中心として一方向に170°以内ないし反対方向に170°以内の角度で回転可能であり得る。同回転のために、前記装置は、例えば、前記キャリアフレーム上の前記堆肥化容器を外部からの力によって作動して回転させることが可能な少なくとも1つの駆動モータ、特に、ステッピングモータを備える。少なくとも1回の回転の時点は、駆動装置に接続された制御電子手段によって予め決められ得る。既に上述したように、同回転の1つ以上の時点は、例えば、検出された測定値、特に、保管中にセンサで検出された測定値に応じて、確定的に設定されることも可変的に指定されることも可能である。
【0036】
例えば、前記装置は、前記堆肥化容器内の(現在の)状態、特に、現在の堆肥化状態を表す少なくとも1つの測定値を検出することが可能な、少なくとも1つのセンサを備える。つまり、前記装置の制御電子手段は、少なくとも1つのセンサの少なくとも1つ以上の測定値を用いて:
-前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器への充填;かつ/あるいは、
-前記キャリアフレーム上での前記堆肥化容器の回転;かつ/あるいは、
-前記少なくとも1つの加熱要素および/または前記加熱要素の前記温度範囲;かつ/あるいは、
-前記タイマで予め決められた前記堆肥化期間;
を(検出された前記少なくとも1つの測定値に基づいて)制御するように構成され得る。
【0037】
例えば、この場合、前記制御電子手段は、機械学習した制御パラメータに基づいて:
-前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器への充填;かつ/あるいは、
-前記キャリアフレーム上での前記堆肥化容器の回転;かつ/あるいは、
-前記少なくとも1つの加熱要素および/または前記加熱要素の前記温度範囲;かつ/あるいは、
-前記タイマで予め決められた前記堆肥化期間;
を制御するように構成されている。
【0038】
つまり、例えば、実施されてきた多数の堆肥化処理およびその際に検出されたセンサデータから、液体および/または酸素の充填のどのような時点、かつ/あるいは、堆肥化容器のどのような回転、かつ/あるいは、堆肥化容器内の温度のどのような上昇または低下、かつ/あるいは、堆肥化期間のどのような短縮または延長が特定の堆肥化結果を達成するうえでの決定要因となるのかが、機械で学習され得る。そして、このとき、堆肥化容器を用いて実施されてきた多数の堆肥化処理での温度センサおよび/または湿度センサおよび/またはガスクロマトグラフからの測定データを使用することが可能であり、かつ/あるいは、それらを、多数の堆肥化容器を用いて実施されてきた堆肥化処理に関する測定データに含めることが可能である。
【0039】
一例において、前記装置は、前記キャリアフレームのハウジングを備え、該ハウジングは、前記キャリアフレームに回転可能に取り付けられた前記堆肥化容器の外周を取り囲む受入空間を形成している。ここで、以降「コクーン」とも称され得る前記堆肥化容器は、例えば、前記キャリアフレームが設置された美しい外観のハウジング内に各個収納される。そして、堆肥化容器は、該ハウジング内で回転可能とされるとともに外部から見えないように保護される。
【0040】
前記ハウジングは、開位置と閉位置との間で調節可能であるように取り付けられた、特に、回動可能に取り付けられた、少なくとも1つの閉鎖要素を具備し得る。該閉鎖要素は、その開位置にて、前記堆肥化容器の前記受入空間内での調節を可能にして前記キャリアフレームへの回転可能な取付けを可能にする前記ハウジングのアクセス開口を開放する。該閉鎖要素の閉位置では、前記アクセス開口が閉鎖されて、特に、不透明状に閉鎖される。堆肥化期間後になると、閉鎖要素を開いてアクセス可能となったアクセス開口を介して、堆肥化容器を受入空間から任意で取り出すことが可能である。変形例として、ハウジングの別の場所に取出し開口が追加で設けられてもよい。
【0041】
代替的な一改良形態では、前記装置が、(少なくとも2つの)複数の支承箇所を有する支承ユニットを備え、各支承箇所が、堆肥化容器を回転可能に取り付けるキャリアフレームを具備している。結果として、上述したハウジングは例えば堆肥化容器を単に一つだけ収納するように構成されて設けられているのに対し、支承ユニットは、複数の堆肥化容器を収納することができる。ここで、支承箇所は、特に、ハニカム形であり得る。支承ユニットの前面には、堆肥化容器を収めるために個々の支承箇所にアクセスすることのできるアクセス開口が設けられ得る。当然ながら、支承ユニットも、堆肥化容器の支承箇所を保護する美しい外観のハウジングを有していてよい。このようなハウジングは、例えば、木質パネルからなり得る。
【0042】
一例では、保管中の堆肥化容器の取付様式にかかわらず、該堆肥化容器が、壁に又は該堆肥化容器の下側に設けられた床要素に空間を有し、該空間に、少なくとも1つの電子部品および/または前記少なくとも1つの加熱要素が収められ得る。つまり、堆肥化容器は、センサ系統及び/又は制御電子手段の少なくとも一部を前記空間内に組み込んだものとなる。
【0043】
これに代えて又はこれに加えて、(a)堆肥化容器への液体の充填の制御;および/または(b)堆肥化容器の回転;および/または(c)堆肥化容器の加熱;および/または(d)堆肥化容器の換気又は通気;を行う制御電子手段の一部、特に、該制御電子手段の大部分が、該堆肥化容器の外部に設けられてもよい。特に、この目的のために、前記堆肥化容器は、前記装置の上位電子制御手段との電気的接続のための少なくとも1つのポートを有し得る。そして、例えば、制御信号の伝達および/または電源への接続は、対応する電気的接続部を介して行われ得る。例えば、このようなポートは、キャリアフレーム及び/又は支承ユニットの支承箇所に差込み接続されることができる。
【0044】
本提案のさらなる装置は:
-堆肥化対象の有機物と植物遺体を含む所定量の堆肥化基材との堆肥化容器;および
-前記有機物と前記堆肥化基材とから生じた前記堆肥化容器内の第1の堆肥化混合物を後処理して植物栽培可能な腐食混合物を製造する前の、堆肥化対象の前記有機物と前記堆肥化基材とを含む前記堆肥化容器の保管を行う期間である堆肥化期間を指定するタイマ;
を少なくとも備え、さらに:
-前記堆肥化容器に、該堆肥化容器の前記保管前および/または前記保管中に所定量の液体および/または酸素を該堆肥化容器に充填することを可能にする少なくとも1つの流入口が設けられており;かつ/あるいは、
-当該装置が、前記堆肥化容器のキャリアフレームを備え、前記堆肥化容器は、該フレームに取り付けられることが可能であり;かつ/あるいは、
-当該装置が、保管中、前記堆肥化容器の内容物を所定の温度範囲内に保持することが可能な少なくとも1つの加熱要素を備える、
ことを特徴とする。
【0045】
例えば、本提案の装置の一例では、前記堆肥化容器が、該堆肥化容器に作用する重みによる力の実効方向に対して非平行な回転軸を中心として回転可能となるように前記キャリアフレームに取り付けられ、前記キャリアフレームが、前記堆肥化容器を取り付ける支承ローラを具備し得る。この関連で、前記堆肥化容器は、前記回転軸に沿った少なくとも一部で、円状の外周領域を外側に有し得て、該外周領域が、前記支承ローラと相互作用する。つまり、堆肥化容器は、少なくとも1つの円状の外周領域により、キャリアフレームの支承ローラ上で自身の回転軸を中心として回転することができる。この場合、少なくとも1つの円状の周辺領域は、堆肥化容器自体の外表面の一部によって形成され得る。変形例として、少なくとも1つの円状の外周領域は、堆肥化容器の周囲を外周方向に延在して中心点及び回転軸が堆肥化容器の回転軸と一致している環状またはリング状の(支承)要素からなるものであってもよい。該環状またはリング状の要素は、堆肥化容器に少なくとも回転不能に留め付けられた別体の要素として構成され得る。
【0046】
変形例として、堆肥化容器は、キャリアフレームに回転不能に取り付けられてもよい。
【0047】
堆肥化容器がキャリアフレームに回転可能に取り付けられるのか回転不能に取り付けられるのかに関係なく、前記装置は、同堆肥化容器を外部からの力によって作動して回転させる駆動装置を備え得る。駆動装置は、例えば、堆肥化容器を外部からの力によって作動して回転させることが可能な少なくとも1つの駆動モータ、特に、ステッピングモータからなり得る。少なくとも1回の回転の時点は、駆動装置に接続された制御電子手段によって予め決められ得る。既に前述したように、同回転の1つ以上の時点は、例えば、堆肥化容器の内容物の状態を表す、検出された測定値、特に、保管中にセンサで検出された測定値に応じて、確定的に設定することも可変的に指定することも可能である。
【0048】
堆肥化容器をキャリアフレームに回転可能に取り付ける場合には、駆動装置が、キャリアフレームの支承ローラで回転可能に取り付けられた状態の堆肥化容器を駆動することが考えられ得る。駆動装置は、例えば、キャリアフレームに設置されるとともに、キャリアフレームに回転可能に取り付けられた状態の堆肥化容器と駆動可能に接続されることができる。また、駆動装置を移動可能なものとし、堆肥化容器の回転時にはそれを該堆肥化容器に(自動的に)近付かせることで、駆動装置と該堆肥化容器とを駆動可能に接続して該堆肥化容器を回転させるということも可能である。この場合、堆肥化容器は、駆動装置と駆動可能に接続している間は、キャリアフレームに回転可能に取り付けられていることになり得る。例えば、この駆動可能な接続は、磁石の接続からなり得る。堆肥化容器をキャリアフレームに回転不能に取り付ける場合には、駆動装置が、キャリアフレームに取り付けられていない状態の堆肥化容器を駆動することが考えられ得る。本例では、前記装置が、さらに、堆肥化容器がキャリアフレームに意図どおり取り付けられている第1の位置と堆肥化容器がキャリアフレームに取り付けられていない第2の位置との間で堆肥化容器をキャリアフレームに対して相対的に移動させるように設けられた運搬手段を備え得る。運搬手段は、その第2の位置で堆肥化容器を意図どおり回転させるための前記駆動装置および適当な支承要素を有し得る。運搬手段は、例えば、スタッカー(Stapler)として構成され得る。
【0049】
前記キャリアフレームに取り付けられた(第1の位置の)前記堆肥化容器は、前記回転軸を中心として340°~380°の範囲内の角度、あるいは、前記回転軸を中心として一方向に170°以内ないし反対方向に170°以内の角度で回転可能であり得る。また、運搬手段に取り付けられた(第2の位置の)前記堆肥化容器は、前記回転軸を中心として340°~380°の範囲内の角度、あるいは、前記回転軸を中心として一方向に170°以内ないし反対方向に170°以内の角度で回転可能であり得る。回転は、駆動装置によって発生する。
【0050】
例えば、前記装置は、前記堆肥化容器内の(現在の)状態を表す少なくとも1つの測定値を検出することが可能な少なくとも1つのセンサを備える。そして、前記装置の制御電子手段は、少なくとも1つのセンサの少なくとも1つの測定値を用いて:
-前記液体および/または前記酸素の前記堆肥化容器への充填;
-前記堆肥化容器の、特に、前記キャリアフレーム上での回転;
-前記少なくとも1つの加熱要素および/または前記加熱要素の前記温度範囲;ならびに
-前記タイマで予め決められた前記堆肥化期間;
の少なくとも1つの特徴を、検出された該少なくとも1つの測定値に基づいて制御するように構成され得る。
【0051】
例えば、ここで、制御電子手段は、機械学習した制御パラメータに基づいて各特徴を制御するように構成されている。
【0052】
一例では、前記装置が、前記キャリアフレームのハウジングを備え、該ハウジングは、前記キャリアフレームに取り付けられた前記堆肥化容器の外周を取り囲む受入空間を形成している。つまり、キャリアフレームは(美しい外観の)ハウジング内に配置され、堆肥化容器が同ハウジング内に各個収納され得る。そして、堆肥化容器は、ハウジング内で回転可能とされる。ハウジングは、不透明な材料から製造されたものであり得て、堆肥化容器を外部から見えないように保護する。
【0053】
前記ハウジングは、開位置と閉位置との間で調節可能であるように取り付けられた少なくとも1つの閉鎖要素を具備し得る。該閉鎖要素は、特に、回動可能に取り付けられたものであり得る。該閉鎖要素は、その開位置にて、前記堆肥化容器の前記受入空間内での調節を可能にして前記キャリアフレームへの取付けを可能にする前記ハウジングのアクセス開口を開放する。該閉鎖要素の閉位置では、前記アクセス開口が閉鎖される。また、該閉鎖要素は不透明であり得て、該閉鎖要素の閉位置にてアクセス開口が不透明状に閉鎖される。堆肥化期間後になると、閉鎖要素を開いてアクセス可能となったアクセス開口を介して、堆肥化容器を受入空間から任意で取り出すことが可能である。変形例として、ハウジングの別の場所に取出し開口が追加で設けられてもよい。
【0054】
一改良形態において、前記装置は、(少なくとも2つの)複数の支承箇所を有する支承ユニットを備え、各支承箇所が、堆肥化容器を取り付けるキャリアフレームを具備している。支承ユニットは、複数の堆肥化容器を収納することができる。支承箇所同士は、互いに隣接していてもよい。例えば、支承ユニットが最大限にコンパクトになるようなパターンで支承箇所同士が並べられ得る。支承箇所は、特に、ハニカム形であり得る。支承ユニットの前面には、堆肥化容器を収めるために且つ任意で取り出すために個々の支承箇所にアクセスすることのできるアクセス開口が設けられ得る。支承ユニットも、堆肥化容器の支承箇所を保護する美しい外観のハウジングを有し得る。このように、ハウジングには複数の堆肥化容器を収納することができる。このようなハウジングは、例えば、木質パネルからなり得る。支承箇所又は堆肥化容器ごとに、一つのアクセス開口が設けられ得る。アクセス開口は、前記ハウジングのそれぞれの開口場所にある各閉鎖要素によって開放され得る。
【0055】
キャリアフレームのハウジングに関係なく、前記装置は、前記堆肥化容器の処理槽を取り囲む装飾被覆体を備え得る。ここで、装飾被覆体は、(キャリアフレーム抜きで)各処理槽を各個取り囲むように設けられる。装飾被覆体の使用は、一時的なものであり得る。そのため、装飾被覆体は、処理槽に着脱可能に連結されることが可能であり得る。つまり、装飾被覆体は、例えば葬儀の際に、特に、処理槽の保管前に、該処理槽に取り付けられて該槽に美しい外観を与えることができる。処理槽の保管時には、着脱可能な連結を解除し、装飾被覆体を取り外すことができる。
【0056】
加熱要素に加えて又は加熱要素に代えて、前記装置は、温度制御されたガス又は混合ガスを前記堆肥化容器に導くように構成された調和ユニットを備えていてもよい。これにより、堆肥化容器の内容物は、保管中、所定の温度範囲内に保持され得る。(圧力均一化のため、堆肥化容器は、対応するガス排出装置を有する)。堆肥化容器内の温度制御のため、制御電子手段は、堆肥化容器内に導入されるガスまたは混合ガスの温度、かつ/あるいは、堆肥化容器に導入されるガスまたは混合ガスの量を制御し得て、該制御電子手段は、センサ装置の温度測定データに基づいて動作する。複数の堆肥化容器が同時に保管される場合、調和ユニットは、全ての堆肥化容器(あるいは、その一部)の集中調和ユニットとして設けられ得る。特に、導入されるガスまたは混合ガスの量は、調和ユニットによる温度制御を堆肥化容器ごとに個別に設計できるように制御され得る。
【0057】
調整装置により堆肥化容器に導入される気体を、酸素とすることが考えられ得る。混合ガスは酸素、または酸素と窒素の両方を含有し得て、特に、空気であり得る。したがって、前記保管中、前記堆肥化容器内の酸素の量は、前記調和ユニットで所定の範囲内に維持され得る。堆肥化容器内の酸素の量を制御する目的で、制御電子手段は、堆肥化容器に導入するガスまたは混合ガスの量、かつ/あるいは、堆肥化容器に導入される混合ガスの酸素含有量を制御し得て、該制御電子手段は、堆肥化容器内の酸素の量を求めるセンサ装置の温度測定データに基づいて動作する。
【0058】
以下では、本提案の解決手段として考えられ得る各例を、図面と共に、特に、例として考えられ得る使用シナリオを参照しながら、詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【
図1】埋葬過程の開始時の行動を示す概略図である。
【
図2】埋葬過程の終了時の行動を示す概略図である。
【
図3】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理の準備や同方法で使用される堆肥化容器の保管において実施する各工程の一つを示す概略図である。
【
図4】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理の準備や同方法で使用される堆肥化容器の保管において実施する各工程の他の一つを示す概略図である。
【
図5】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理の準備や同方法で使用される堆肥化容器の保管において実施する各工程のさらなる他の一つを示す概略図である。
【
図6】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理の準備や同方法で使用される堆肥化容器の保管において実施する各工程のさらなる他の一つを示す概略図である。
【
図7】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理の準備や同方法で使用される堆肥化容器の保管において実施する各工程のさらなる他の一つを示す概略図である。
【
図9】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理で生じた第1の堆肥化混合物を処理する各工程の一つを示す概略図である。
【
図10】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理で生じた第1の堆肥化混合物を処理する各工程の他の一つを示す概略図である。
【
図11a】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理で生じた第1の堆肥化混合物を処理する各工程のさらなる他の一つを示す概略図である。
【
図11b】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理で生じた第1の堆肥化混合物を処理する各工程のさらなる他の一つを示す概略図である。
【
図12】有機物の堆肥化方法のうち、主分解処理で生じた第1の堆肥化混合物を処理する各工程のさらなる他の一つを示す概略図である。
【
図13】一実施形態に係る堆肥化容器の概略図である。
【
図14】閉鎖体を外して開状態となった、
図13の堆肥化容器の平面図である。
【
図15】
図13の堆肥化容器の、その回転軸を横切った断面図である。
【
図16】さらなる実施形態に係る堆肥化容器の、キャリアフレームに回転可能に取り付けられた状態の概略図である。
【
図17】
図16の堆肥化容器及びキャリアフレームの詳細図である。
【
図19】ハウジングを備える有機物の堆肥化装置を、ハウジングの閉鎖要素が閉位置に位置した状態で示す図である。
【
図20】
図19の有機物の堆肥化装置を、ハウジングの閉鎖要素が開位置に位置した状態で示す斜視図である。
【
図21】
図19の有機物の堆肥化装置を、ハウジングの閉鎖要素が開位置に位置した状態で示す図である。
【
図22】
図19の有機物の堆肥化装置を、ハウジングの閉鎖要素が開位置に位置した状態で示す他の図である。
【
図25】
図20~
図22の閉鎖要素の、各実施形態に係る軸体を具備した下端の他の詳細図である。
【
図26】
図20~
図22の閉鎖要素の、各実施形態に係る軸体を具備した下端のさらなる他の詳細図である。
【
図28】一実施形態に係る複数の堆肥化容器を備えた有機物の堆肥化装置の図である。
【
図29】さらなる実施形態に係る複数の堆肥化容器を備えた有機物の堆肥化装置の図である。
【
図30】さらなる実施形態に係る堆肥化容器の概略図である。
【
図37】キャリアフレームに回転可能に取り付けられた
図31~
図36の処理槽の斜視図である。
【
図38】
図37の処理槽とキャリアフレームを複数有する支承ユニットの斜視図である。
【
図39】本方法の保管工程のために
図31~
図38の処理槽を準備する手順を示す概略図である。
【
図40】有機物の堆肥化方法を実行する施設の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本提案の方法の後述の各例、およびこれらをそれぞれ実施する本提案の装置の各例では、人体の分解処理を40日以下に短縮することができる。ここでは、葬儀が終わると、死体を特殊な堆肥化容器(特殊な種類の棺)に入れて堆肥化基材(以降、略して基材)で覆う。棺型装置とセンサと生物学的基材と能動的な制御調整部(制御電子手段)の間の相互作用により、有機物(人間の死体)を分解する微生物にとって最適な条件(酸素-温度-湿度の比率)を提供することが可能である。基材(特に、グリーン廃棄物由来の植物遺体、わらなど)の添加により、適切な炭素/窒素比が達成される。このとき、制御調整系統により、葬儀場の要件を処理時に無視することなく処理全体の調整を行うことができる。
【0061】
有機物の本堆肥化方法は、埋葬過程の一部であり得る。埋葬過程は、死亡が記録された時点から始まる。本明細書で説明する有機物の堆肥化方法では、その後、有機物を構成する(人間の)死体が葬儀業者によって回収され、清浄され、服を着せられ、棺に入れられ、任意で、安置状態の用意に供される。これに続いて、葬儀が、例えば葬儀業者の告別室、礼拝堂、教会等で執り行われるのが一般的である。葬儀が終わると、葬儀業者は、棺に入った死体Lを、有機物の本堆肥化方法が実施される装置へと移す(
図1)。同装置は、例えば、墓地又は墓地の近くに設置されたものであり得る。有機物の本堆肥化方法により、まず、第1の堆肥化混合物が調製される。同方法により調製された第1の堆肥化混合物は、後分解用の換気オプションを具備した槽に充填され得る。この後分解は、最大で2週間かかり得る。後分解が終わって得られた腐植混合物Hは、その一部が土と混ぜられて墓地の地面の約30cmの深さのところに導入されるとともに土の層で覆われ得る(
図2)。腐植混合物Hには、適宜、植物(例えば、樹木等)を植えることが可能である。ただし、後分解は、槽内ではなく墓地の地中で行うことも可能であり、後分解物に含まれる堆肥化混合物は植物の栽培が可能である。
【0062】
本堆肥化方法には、後で詳述する堆肥化容器10が使用される。同方法では、まず、堆肥化対象の有機物(死体)5と基材2とが堆肥化容器10に充填される(
図4及び
図5)。
【0063】
基材2は、少なくとも2種類の異なる植物遺体を含んだ植物組織からなる。例えば、基材2は、18%~25%の範囲内の質量分率の少なくとも1種の穀物、18%~25%の範囲内の質量分率の(さらなる)植物遺体、および3%~8%の範囲内の質量分率の追加のバイオマスを含有する。好ましくは、基材2の成分は、本方法のあいだ、特に、保管工程中に最大限の熱エネルギーを生成するように高いエネルギー量を有する。これにより、外部のエネルギー源の使用を最小限に抑えながら、保管に望ましい60~70℃の温度を達成することができる。基材2の成分は、乾燥しており吸収性が高い。臭気吸収の目的で、基材2は、バイオ炭を含有していてもよい。
【0064】
個々の基材成分の体積又は重量は、(有機物の)死体5の重量又は体格指数に応じて(ソフトウェアによって)決められる。
【0065】
有機物5の重量が約75kgである場合、前記植物組織の種類や混合内容にもよるが、120~200kgの基材2が使用される。さらに、(後述の)保管工程の前に、100~180kgの水が基材2に添加される。一般的に、(閉じられた堆肥化容器10の外で)早期に臭気が発生するのを防ぐために、堆肥化容器10への充填の直前まで水は添加されない。保管中に、堆肥化容器への水の再添加が必要になる場合もある。
【0066】
保管の前段階で与えられた又は選択された:基材2の重量;基材2の組成;有機物5の重量;水の量;総重量;の全パラメータについて、記録が行われる。これらのパラメータは、保管期間に影響を及ぼし得る。
【0067】
基材2の成分は、(強制練りミキサや飼料ミキサなどで)混合され、(移動式の)充填装置3(
図3)に充填される。充填装置3から、調製後の基材2の約50%が堆肥化容器10に充填される。このとき、充填装置3は、充填処理のために堆肥化容器10よりも上になるように高さ調節可能とされ得る。これにより、基材2は、充填装置3から堆肥化容器1へと落下することができる(
図4)。堆肥化容器10は、充填工程に向けて且つ充填工程のあいだ、荷揚手段4(例えば昇降カート、昇降台等)上に配置され得る。これにより、堆肥化容器10は、状況に応じて高さを調節することが可能となる。
図5に示すように、有機物5(死体)は、例えばスクープストレッチャー等を用いて、基材の半分の量が充填された堆肥化容器10へと移される。最後に、有機物5が基材2で完全に覆われるように、残りの基材2が堆肥化容器10へと有機物5の上から充填される(
図6)。
【0068】
図7に示すように、堆肥化容器10は、最終的に、装置1のキャリアフレーム11に(回転可能に)取り付けられる。一例として、
図7では、キャリアフレーム11が、ハウジング12によって取り囲まれている。ハウジング12は、キャリアフレーム11と堆肥化容器10とを受け入れる機能を果たす受入空間121を形成している。ハウジング12は、該ハウジング12のアクセス開口123が開放される開位置とアクセス開口123が閉じられる閉位置との間で調節可能であるように取り付けられた閉鎖要素122を具備している。アクセス開口123を通して、堆肥化容器10の受入空間121内での調節およびキャリアフレーム11への取付けが行われる。この目的には、例えば荷揚手段4等を用いて、堆肥化容器10を持ち上げなければならない可能性がある。堆肥化容器10を持ち上げる高さは55~75cm、例えば約62.5cmとなり得る。堆肥化容器10がキャリアフレーム11に意図どおり取り付けられた後は、荷揚手段が取り外されて制御調整装置、センサ装置、さらに、給水ラインやガスラインとの接続が確立される(後で詳細に説明する)。
【0069】
次に、堆肥化容器10の保管工程が行われる。保管中は、有機物5の主分解処理が行われる。例えば、堆肥化容器10についての検出を行うセンサが設けられ得る。センサは、例えば、計量セルなどからなり得る。堆肥化容器10がキャリアフレームに意図どおり取り付けられたことがセンサで検出されると、主分解処理が開始される。
【0070】
主分解処理では、有機物5が分解し、第1の堆肥化混合物が生じる(
図8)。主分解処理は平均で40日以内であるが、通常はおよそ約4週間かかる。
【0071】
主分解過程では、堆肥化容器10は、念のため、死後の平穏に関する法令規定に抵触しないように閉じられたままにされる。例えば、堆肥化容器は40日間閉じたままである。つまり、堆肥化容器10は、主分解処理の監視で開けられるようなことがない。よって、監視は、保管中の主分解処理に関連するパラメータ(温度、湿度、pH、ガス(酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、硫化水素、アンモニア)の量)を監視するセンサ装置によって行われる。任意で、これらのパラメータは、制御調整装置によって調整される。パラメータの測定値が所定の限度値を逸脱した場合、エラーメッセージが生成されてユーザに(視覚的、音響的に)提示され得る。ガスの量は、ガスクロマトグラフィー装置によって監視され得る。ガスクロマトグラフィー装置のデータは、主分解処理の進捗に関する情報を提供するほか、特に、主分解処理の終了も知らせ得る。これにより、保管期間を主分解処理の期間に合わせて最適に調節することができる。
【0072】
保管中、堆肥化容器10は、その回転軸Dを中心として時折回転させられる。この回転により、有機物5の沈降および/または堆肥化容器10全体の内容物の凝集を防止する。回転処理を行う時点は、堆肥化容器10内の状態と主分解処理の進捗とを表す、センサ装置の測定データに基づいて決められる。そして、制御調整装置によって回転処理が引き起こされる。回転処理は、例えば、堆肥化容器10の約360°の2、3回連続した回転からなり得る。回転時、堆肥化容器10はキャリアフレーム11に取り付けられた状態であり得る。保管中、堆肥化容器10の内容物は、適宜、換気および給水を受け得る。時間点および量は、堆肥化容器10内の状態と主分解処理の進捗とを表す、センサ装置の測定データに基づいて決められる。好ましくは、主分解処理は、60~70℃の温度で行われる。
【0073】
主分解処理が終わると、堆肥化容器10はキャリアフレーム11から外され、任意で、容器を空にするために荷揚手段4によって別の場所に移される(
図9)。そして、堆肥化容器10は、操作フレーム13に回転可能に取り付けられて傾動させられる。これにより、堆肥化容器10が空になる(
図10)。変形例として、堆肥化容器10は、キャリアフレーム11に取り付けられた状態で空にされてもよい。
【0074】
空にする際、堆肥化混合物から、有機物中の堆肥化していない/堆肥化できない部分(骨、補綴物、金属充填物、ペースメーカー)を分離するために、堆肥化容器10の内容物が篩6にかけられる(
図11a)。篩6は、振動篩であり得て、流路61(例えば、20~30Lの容量)を具備し得る。基材2と堆肥化した有機物は、篩6を通って落下し、後分解槽に回収される。それ以外の成分は、流路61で収集される。堆肥化していない部分および堆肥化できない部分は、画像分析技術を用いて検査することにより、有機部分と無機部分とに分別することができる。篩6は、金属要素を分離するように磁気を帯びたものであり得るか又は磁気ローラを具備するものとされ得る。補綴物、金属充填物およびペースメーカーは、可能であれば再利用される。
【0075】
変形例では、堆肥化容器10の内容物が、運搬容器8に移される(
図11b)。次に、内容物は、混合装置に移されてそこで十分に混合される。十分に混合された第1の堆肥化混合物は、ミキサから(排出スライドを介して)取り出されて上記のように篩6に通される。基材2と前記堆肥化した有機物は、後分解槽に回収される。有機物中の堆肥化していない/堆肥化できない部分は取り除かれる。
【0076】
2つのシナリオ(
図11a、
図11b)に続いて、骨が粉砕機(衝撃式粉砕機、骨粉砕機、燕麦粉砕機、製粉機、ブドウ圧搾機)で粉砕され(
図12)、粉砕された状態で基材と前記堆肥化した有機物とに混合される。粉砕機7は、ミキサの付属物として構成され得る。
【0077】
このようにして得られた堆肥化混合物は、後分解処理にかけられる。後分解処理は、最大で2週間かかる。後分解処理では、堆肥化混合物に岩粉および/または粉末粘土が添加され得る。これにより、腐植混合物が得られる。岩粉および/または粉末粘土は、後分解後処理を早めるとともに、堆肥化混合物の活性を低下させる。岩粉および/または粉末粘土と、さらに、水が、ミキサで又は手動で堆肥化混合物と混合され得る。後分解処理では、温度、湿度、空気供給などの環境パラメータが監視される。後分解処理は、0.5~1m3の土が充填された後分解槽内で行われ得る。後分解槽は、埋葬容器又は(二重壁の)(プラスチック製)容器、好ましくは、換気オプションを具備した容器であり得る。後分解槽は、後分解処理後に墓地に持ち込まれ得る。変形例として、後分解処理は、墓地の地中で行われてもよい。この目的のために、第1の堆肥化混合物が地中の約30cmの深さのところに導入され、土と混合されて、土の層で覆われる。
【0078】
空になった堆肥化容器10とキャリアフレーム11は、(機械により全自動で)洗浄して有機物の本堆肥化方法に再び使用することができる。
【0079】
説明した各方法工程は、全自動で行われることができる。
【0080】
以下では、有機物の堆肥化装置1の各例について、
図13~
図38を参照しながら説明する。まず、装置1は、本方法との関連で既に述べた堆肥化容器10と、堆肥化容器10が取り付けられるキャリアフレーム11と、を備える。
図13に、閉状態の堆肥化容器10の一例を示す。閉状態の堆肥化容器10の内部容積は、1m
3超、特に、1.1m
3である。該内部容積は、約0.1m
3の有機物5(死体)と約1m
3の基材とを収めることができ、約500Lの第1の堆肥化混合物が得られる。
【0081】
堆肥化容器10は、基材2と堆肥化対象の有機物5とを収め入れる収め入れ要素101、および収め入れ要素101を閉じる閉鎖体102を具備する。収め入れ要素101の長手方向の両側には、手すり103が設けられている。収め入れ要素101は、ベース(ベース要素)1012およびケーシング(ケーシング要素)1013からなる。ケーシング1013のうち、ベース1012の反対側に、収め入れ要素101のアクセス開口1011が形成されている。
【0082】
閉鎖体102は、収め入れ要素101に(例えばヒンジ等で)回動可能に留め付けられており、閉鎖体102は、収め入れ要素101に対して第1の位置と第2の位置との間で回動することが可能である。閉鎖体102は、第1の位置にて、収め入れ要素101を完全に閉じる。閉鎖体102が第1の位置にあるとき、閉鎖体102は、収め入れ要素101に対して動くことができないように適切な閉止装置109によって収め入れ要素101に留め付けられることが可能である。既に説明した保管の方法工程では、閉鎖体102が第1の位置にある。閉鎖体102は、第2の位置にて、収め入れ要素101のアクセス開口1011を開放する。(保管の前段階で)基材2および有機物5は、アクセス開口1011から収め入れ要素101に投入され得る。
【0083】
変形例として、閉鎖体102を収め入れ要素101から完全に切り離すことで収め入れ要素101のアクセス開口1011を開放することができるという構成にしてもよい。
図14は、収め入れ要素101とそのアクセス開口1011の平面図であり、閉鎖体が収め入れ要素101から外されている。
【0084】
閉鎖体102の内側にメンブレンまたはバイオフィルタを設置し、臭気を結合するようにしてもよい。収め入れ要素101のベース1012に開口が設けられ、滲出液や臭気や塵埃の漏出を防ぐ役割を果たすバイオフィルタがそこに用いられてもよい。
【0085】
主分解処理を実施するには、堆肥化容器10内の温度、酸素の量および湿度を所定の限度内に維持し、堆肥化容器10を定期的に回転させる必要がある。また、主分解処理中には、充填された堆肥化容器10の重量を監視することも好都合であり得る。よって、堆肥化容器10は、余分な水を排出するために、給水ラインとの少なくとも1つの接続部とともに排出バルブ(任意で、排出ライン付きの排出バルブ)を具備している。給水ラインとの接続は、特に、堆肥化容器10の閉鎖体102に形成されている。給水ラインは、例えばドリップホース、パールホース等からなり得る。堆肥化容器10の換気(空気または純酸素の供給)のために、閉鎖体102、または収め入れ要素101のケーシング1013に、例えばファンが設置される。ファンは、周囲から空気を供給するものであってもよいし、対応するガスラインを介して与えられる純酸素を供給するものであってもよい。堆肥化容器10は、加熱要素によって適宜加熱される。例えばキャリアフレーム11に、堆肥化容器10を外部からの動力によって作動させて回転させる駆動モータ14が設けられている。重量を監視するために、例えば、キャリアフレーム11と堆肥化容器11との間に位置する計量セル16、または堆肥化容器の下に押し込まれて重量を(手動でもしくは自動的に)求めるパレットスケールまたは計量台が設けられ得る。
【0086】
給水ラインとの接続部、排出バルブ、ファン、加熱要素および駆動モータ14は、特に、制御調整装置(センサ電子手段)と相互作用して制御可能であるように構成されている。このとき、制御調整装置は、センサ装置から取得した測定データに基づいて動作する。センサ装置は、堆肥化容器10内の温度、湿度、pH、各種ガス(例えば酸素、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、硫化水素、アンモニア等)の量に関する結論を導き出すことを可能にするパラメータを取得する。センサ装置の測定データにより、主分解処理の進捗に関して結論を下すことが可能になる。センサ装置は、堆肥化容器上または堆肥化容器内に配置されている。
【0087】
上記の各構成要素には、電気ラインを介して電力が供給される。該電気ラインは、堆肥化容器10の時折の回転に対応しているか又は対応している必要がある。そのため、電気ラインは、(ドラム付き又はドラムなしの)コイル状ケーブルとして構成し、後述の支承装置111の中空軸として設計されたシャフトを通じて敷設され得る。スリップリングの使用も、考えられ得る。同じく、給水ライン、排出ラインおよびガスラインについても、螺旋状のホースとして構成して中空軸を通じて敷設するようにしてよい。
【0088】
図15は、
図13の堆肥化容器10の断面図である。堆肥化容器10は、収め入れ要素101のベース1012の下に、制御調整装置及び/又はセンサ装置及び/又は水ライン及び/又はガスライン及び/又は加熱装置及び/又は駆動装置の各部品を受け入れる役割を果たす受容部104を有する。受容部104の高さは、180~200mmであり得る。
【0089】
ベース1012およびケーシング1013は、(熱)絶縁層(断熱層)10121,10131を有する。断熱層10121,10131の層厚は、80~100mmであり得る。断熱層10121,10131の層厚は、例えばケーシング1013の(長手方向の両側間に延在する)先頭側及び後尾側にて、収め入れ要素101の上限長さを超えないように局所的に薄くされ得る。そこでは、断熱層10131の層厚が約50mmとされ得る。好ましくは、収め入れ要素101の長さ、つまり、堆肥化容器10の長さは、2100mm以下である。堆肥化容器10の幅および高さは、それぞれ例えば700mmである。
【0090】
図16の実施形態では、堆肥化容器10が、キャリアフレーム11に回転軸Dを中心として回転可能となるように取り付けられている。回転軸Dは、堆肥化容器10の長手方向軸と平行に延びている。キャリアフレーム11は、堆肥化容器10を取り付けるための支承装置111を具備している。支承装置111は、取付け目的で堆肥化容器10の先頭端及び後尾端と支承点105でそれぞれ相互作用する2ユニット構成であり得る。支承装置111は、シャフトからなり得る。支承装置111は、堆肥化容器10がキャリアフレーム11に架設状態で取り付けられるように高さを持たせて配置される。このとき、堆肥化容器10の下縁は、キャリアフレーム11の下端またはキャリアフレーム11が設置されている設置面から、例えば600~700mm、特に625mm隔てられている。この高さであれば、堆肥化容器10をキャリアフレーム11に取り付けるのに、葬儀で一般的な荷揚運搬手段を使用することができる。
【0091】
図17に示すように、キャリアフレーム11には、堆肥化容器10を回転軸Dを中心として回転させるように設けられた駆動モータ14が設置されている。ここで、回転速度は、3回転/毎分未満であり、例えば1回転/毎分または2回転/毎分である。駆動モータ14は、ステッピングモータとして構成されてもよいし、周波数インバータを有するモータとして構成されてもよい。周波数インバータを有するモータとしての実施形態は、簡単な手段で回転速度を調整できるという利点を奏し得る。駆動モータ14によって発生した回転運動は、Vベルトまたは歯車とチェーンとを介して堆肥化容器10に伝達され得る。
【0092】
変形例として、駆動モータ14は受容部104内に配置されてもよい。この駆動モータ14は、受容部104が回転可能な堆肥化容器10の一部であるためコイル状ケーブルを介して電力供給手段に接続されることになり得る。
【0093】
図18は、キャリアフレームを省略した堆肥化容器10の斜視図である。支承装置111を係合させて堆肥化容器10の取付けを行うための支承点105を、収め入れ要素101の先頭端や後尾端に確認することができる。堆肥化容器10の先頭端及び後尾端ならびに下側には、堆肥化容器10の回転を防止して堆肥化容器10を定められた位置にロックするためのロック要素106が設けられている。
図18のロック要素106の数と位置は、あくまでも例示に過ぎない。ロック要素106は、キャリアフレーム11又は設置面と接する伸長位置を取ってロックを行い得る。
【0094】
キャリアフレーム11は、ハウジング12を保持する役割も果たす。ハウジング12は、装置1の技術的特徴を隠すために、装飾的に構成され得るとともに例えば木などの天然材料からなり得る。
図19及び
図20に、ハウジング12の一例を示す。ハウジング12は、
図19では閉位置で
図20では開位置で描かれている2部位構成の閉鎖要素122を具備している。
図21及び
図22は、開位置を示す正面図および平面図である。
【0095】
閉鎖要素122は、ハウジング12で覆われた受入空間121へのアクセス開口123を開位置にて開放する、回転可能に取り付けられた2つの扉1221からなる。アクセス開口123を通して、受入空間121内での堆肥化容器10の調節およびキャリアフレーム11への回転可能な取付けが可能となる。各扉1221は、キャリアフレーム11に回転自在に取り付けられた上下に延びる軸体124に設置されている(
図23~
図26)。
図23には、軸体124の上端がキャリアフレーム11の受け部に導き通されている様子が描かれている。
図24~
図26には、軸体124の下側の終端についての各選択肢が描かれている。
図24では、軸体124の下端が自由になっている。
図25及び
図26では、軸体124の下端が、キャリアフレーム11または閉鎖要素122の扉1221に留め付けられた支承ブロック125に取り付けられている。ハウジング12の閉位置では、閉鎖要素122がハウジング12の残りの部分とともに均一な表面を形成する(
図27)。扉1221は、鍵によって開くことができる留め金で閉じるものであり得る。
【0096】
前述のように、装置1は、主分解処理を監視するように且つ任意で主分解の進捗に影響を与えることができるように一連のセンサ装置および制御調整装置を備える。前記センサ装置および制御調整装置は、堆肥化容器10および/またはキャリアフレーム11に配置され得る。
図13~
図27の実施形態では、これらの装置が、堆肥化容器10とキャリアフレーム11とに半分ずつ配置され得る。堆肥化容器10を取扱いの目的で軽量化するために、これらの装置の大半をキャリアフレーム11に移してもよい。
【0097】
これまでに述べた装置1の各例は、各個の堆肥化容器10がキャリアフレーム11に取り付けられて各個のハウジング12で覆われ得るという構成に関するものである。
【0098】
図28に、複数の堆肥化容器10が同じ支承ユニットLEに組み込まれる一実施形態を示す。支承ユニットLEは複数の支承箇所を有し、各支承箇所は堆肥化容器10を回転可能に取り付けるキャリアフレーム11を具備している。
図28では、支承ユニットLEが、例えば4個または8個の支承箇所を有している。ただし、1つの支承ユニット当たりの支承箇所の数は、例えば20~50と著しく多めにすることも可能である。各自1つの堆肥化容器10を回転可能に取り付ける支承装置111をそれぞれ具備したキャリアフレーム11同士が、互いに連結され得る。
図28では、例えば4個または8個のキャリアフレーム11同士が相互連結されて各々の支承ユニットLEを形成している。しかしながら、支承ユニットLEのキャリアフレーム11同士は、相互連結されなくてもよい。支承ユニットLEの堆肥化容器10の監視を簡素化するため、各堆肥化容器10を監視するのに必要なセンサ装置および制御調整装置はまとめられてもよいし一元に統合するようにしてもよい。
図28の実施形態では、センサ装置および制御調整装置の約30%が堆肥化容器10に配置され、70%がキャリアフレーム11に配置されている。
【0099】
堆肥化容器10同士は、支承ユニット内で互いに空間的に近接している。結果として、一つの堆肥化容器10の廃熱を周囲の堆肥化容器10の加熱に利用することができる。各支承ユニットLEは、それぞれのハウジング12を有する。ハウジング12は、堆肥化容器10毎に1つの閉鎖要素122を具備し得る。堆肥化容器10は、いずれも同じ高さに配置される。支承ユニットLE同士を収納するためのホール(広間)が設けられる。ホールは、支承ユニットLEの大きさによっては、1つの支承ユニットLEを収容するだけのものであってもよい。
【0100】
堆肥化容器10を単独で収容する構成に関する
図13~
図27の例と同じく、
図28の装置1も、既に説明した堆肥化方法を実行するのに適している。主分解処理は、堆肥化容器10毎に、支承ユニットLEの残りの堆肥化容器10と独立して行われる。このとき、センサ装置および制御調整装置は、各主分解処理についてのパラメータを個別に測定して調整し得る。堆肥化容器10の定期的な回転についても、個別に生じさせることができる。一つの堆肥化容器10内の主分解処理が終わると、該堆肥化容器10は、(他の堆肥化容器10及びそこで行われている主分解処理を妨げることなく)荷揚手段4でキャリアフレーム11から取り外され、操作フレーム13に取り付けられて第1の堆肥化混合物の処理に供される。
【0101】
図29に、複数の堆肥化容器10が1つの支承ユニットLEに組み込まれたさらなる実施形態を示す。本実施形態では、キャリアフレーム11が、堆肥化容器10を積み重ねて配置することもできるように構成されている。つまり、堆肥化容器10は、配置される高さが1つに留まらず、横に並べて配置することも上に重ねて配置することも可能である。これにより、用意された面積を効率的に利用することができるので、1つの支承ユニット50で最大200個もの堆肥化容器10を構成することが可能となる。このような支承ユニットLE(または複数の支承ユニットLE)は、ホールに収納することができる。
図29の実施形態では、センサ装置および制御調整装置の約15%が堆肥化容器10に配置され、85%がキャリアフレーム11に配置されている。堆肥化容器10を各支承装置111に意図どおり取り付けるために、堆肥化容器10をそのように配置する(垂直及び水平に制御可能な)ロボットが設けられ得る。該ロボットは、さらに、主分解処理が終わると、堆肥化容器10をキャリアフレーム11から取り外して例えば処理室に移動させ、前述のように堆肥化容器10の内容物を処理に供して後分解処理を受けさせる役割を果たし得る。
【0102】
図29の実施形態では、堆肥化容器10は、主分解処理のあいだ、対応するキャリアフレーム11に複数のその他の堆肥化容器10と一緒に取り付けられている。しかも、堆肥化容器10は、必ずしも設置面付近に位置しているとは限らない。したがって、主分解処理中の堆肥化容器10の直近で、参列者を迎えた葬儀を行うのは望ましくない。例えば、葬儀は、主分解処理前に(堆肥化容器の近くで、あるいは、別の場所で棺に入れた死体の近くで)行い、主分解処理中であれば、堆肥化容器のない別の部屋で行えばよい。
【0103】
図30に、さらなる実施形態に係る閉鎖体を外した状態の堆肥化容器10を示す。堆肥化容器10は、処理槽107および装飾被覆体108からなる。処理槽107は、方法の保管工程で使用される。主分解処理は、そこで行われる。装飾被覆体108は、特に、葬儀のあいだ、処理槽107を覆う役割を果たす。装飾被覆体108は、処理槽107に着脱可能に留め付けられ得る。堆肥化容器10の保管時には、装飾被覆体108が処理槽107から取り外される。装飾被覆材は、単一物として形成されており、収め入れ要素101と、第1の位置に配置されて収め入れ要素101のアクセス開口1011を完全に閉じている閉鎖体102とを一緒に被覆し得る。変形例として、装飾被覆体108を少なくとも2部位で構成することで、収め入れ要素101および閉鎖体102をそれぞれ個別に被覆することも可能である。後者の変形例であれば、葬儀の際に堆肥化容器10を開状態と閉状態とで選択的に用いるという選択肢がもたらされる。
【0104】
図30の実施形態に関して説明したような、堆肥化容器10を処理槽107と装飾被覆体108とに分けるという構成は、有機物の堆肥化装置のこれまでに述べた実施形態(
図13~
図29)にも適用することができる。
【0105】
図31~
図33は、
図30の堆肥化容器10の様々な斜視図である。装飾被覆体は省略しているが、閉鎖体102は省略していない。閉鎖体102は、収め入れ要素101上の第1の位置に位置しており、このとき、収め入れ要素101のアクセス開口1011を完全に閉じている。閉鎖体102は閉止装置109で収め入れ要素101上に強固に保持されるので、特に、主分解処理中に処理槽107が回転しても、閉鎖体102は収め入れ要素101から外れることができない。
【0106】
2つの環状支承要素15が、処理槽107上に(その外側で)配置されている。ここで、環状支承要素15は同じ半径であり、それらの中心点は処理槽107の回転軸D上に位置している。2つの環状支承要素15は、回転軸Dに沿ってオフセットしている。ここで、環状支承要素15は、回転軸Dと直交に延在して処理槽107の高さの1/2に位置する平面の両側に位置している。本実施形態の環状支承要素15の数は、あくまでも例示に過ぎない。原則として、環状支承要素15は2個、あるいは、3個以上であり得る。環状支承要素15の半径は、処理槽107と環状支承要素15との間の間隔ができるだけ小さくなるように処理槽107の外側輪郭に応じて選択される(
図33)。各環状支承要素15は、回転軸Dに沿ってオフセットして設けられた互いに連結可能な4つのホイール151からなる。このとき、環状支承要素15の2つの隣合うホイール151の間隔は、2つの環状支承要素15間の間隔よりも大幅に小さい(
図34)。環状支承要素15毎のホイールの数は、4つ以外であってもよい。環状支承要素15は、処理槽107に回転不能に連結されている。処理槽107毎のホイール151の少なくとも1つは、歯車として構成されている。歯車は、処理槽107をその回転軸Dを中心として回転させるように(駆動モータの対応する部品を有する)駆動装置14と相互作用し得る。駆動装置14は、
図35に示すように、例えばキャリアフレーム11に設けられている。処理槽107は、キャリアフレーム11に回転可能に取り付けられる(
図37)。この目的のために、キャリアフレーム11は、支承ローラ1111を具備している。支承ローラ1111は、キャリアフレーム11の支承装置111の一部である。支承ローラ1111は、環状支承要素15と相互作用する。
【0107】
図38に、処理槽107を各自具備した
図37の複数のキャリアフレーム11を示す。ここでは、キャリアフレーム11同士が横並びに且つ重ねて配置されて支承ユニットLEを形成している。キャリアフレーム11同士の配置構成は、あくまでも例示に過ぎない。
図38には、さらに、それぞれ処理槽107を持った2つの荷揚手段4も描かれている。荷揚手段4は、主分解処理に供される処理槽107を支承ユニットLEの対応する支承箇所に配置したり、主分解処理が終わって処理槽107を支承箇所から取り外したりするのに使用される。また、荷揚手段4には、処理槽107がキャリアフレーム11に回転可能に取り付けられた状態で該処理槽107をその回転軸Dを中心として回転させるように設けられた駆動装置が備え付けられ得る。これにより、各キャリアフレーム11に駆動装置を備え付ける必要がなくなるため、処理槽107毎に個別の駆動装置を用意する必要をなくすことができる。
【0108】
一実施形態において、処理槽107は、キャリアフレーム11に回転不能に取り付けられる。この場合、荷揚手段4の駆動装置が、該荷揚手段4に回転可能に取り付けられた状態の処理槽107を回転させるなどの役割を果たす。
【0109】
複数の処理槽107に対して一元的に設けられるのは、前記駆動装置だけとは限らない。一元的な(空気)調和ユニットによって、複数の処理槽又は全ての処理槽に空気又は純酸素を供給する役割を果たすようにしてもよい。つまり、空気調和ユニットは、各処理槽107の個々のファンと置き換えることができる。また、(空気)調和ユニットは、供給する空気/酸素の温度を制御するように構成され得る。これにより、各処理槽専用に設けられる加熱要素を省略することもできる。
【0110】
制御調整装置により実行される制御処理は、主制御と移送制御に分けられ得る。このとき、主制御は、主分解処理の正常な進展に関連する全てのパラメータ(温度、湿度、処理槽107内の各種ガス(例えば酸素、二酸化炭素、メタン、硫化水素等)の量)に関係している。移送制御は、荷揚手段の動作、特に、その使用場所と使用時間を制御する。
【0111】
図39の画像a)に、処理槽107の収め入れ要素101が空である様子を示す。処理槽107には、装飾被覆体108が設けられて基板2と有機物5とが充填される(画像b))。画像c)では、閉鎖体102が例えば葬儀のために装飾被覆体108とともに収め入れ要素101上に設置される。画像d)に、(葬儀の後の)最終的な処理槽107(収め入れ要素101と閉鎖体102)を、装飾被覆体を外した状態で示す。画像e)では、収め入れ要素101および閉鎖体102が、処理槽107の回転時に互いに外れたり互いに滑ったりできないように閉止装置109で強固に相互連結されている。最後に、画像f)に、処理槽107に環状支承要素15が意図どおり配置された様子を示す。これで、処理槽は、保管工程に向けて意図どおり準備完了となり、荷揚手段によって(個別の又は支承ユニットLE内の)キャリアフレームに取り付けられ得る。
【0112】
図40は、有機物5の堆肥化方法を実行する施設200をあくまでも一例として示す概略図である。まず、再埋葬室201として知られるものが設けられている。ここでは、あくまでも一例として、(ハウジング12付きの)個々の堆肥化容器10が少なくとも主分解処理目的で設置される。堆肥化容器の周囲には、良好な空気の循環が可能となるように十分なスペース(0.5m)が設けられる。これに関連して、再埋葬室の高さは、3.5m以上であるのが望ましい。さらに、操作(堆肥化容器のキャリアフレームへの留め付け、堆肥化容器の回転)のために3m以上のスペースが設けられるのが望ましい。これにより、再埋葬室201でも葬儀を執り行うことが可能となる。よって、座席2011と壇2012もそこに入れられる。
【0113】
そのほか、主分解処理後に得られた第1の堆肥化混合物の処理が行われる処理室202が設けられている。基材2の調製および堆肥化容器の充填も、処理室202で行われ得る。処理室202には、前処理とフォローアップのための全ての機器が入っている(篩6、粉砕機7、荷揚手段4、分解後容器N、操作フレーム13、強制練りミキサZ、充填装置3)。好ましくは、処理室は、大きさが25m2以上であるとともに天井高さが4m以上である。処理室には、堆肥化容器の洗浄と衛生のための十分なスペースと機器があるのが望ましい。処理室202は、再埋葬室201に真隣りにあり得る。
【0114】
図28、
図29及び
図38に示すような装置1の実施形態では、葬儀は再埋葬室201で行われるとは限らず、状況に適した(例えば墓地の礼拝堂等の様式の)別の告別室や葬儀室で行うことが考えられ得る。その場合、スタッフのみが再埋葬室201に出入りする。
【0115】
また、墓地の地面で直接行われない場合の後分解処理を行う後分解室が設けられてもよい。変形例として、処理室202で後分解処理が行われてもよい。処理室202で用意された後分解容器Nが、後分解室で保管される。後分解室の換気、湿度および温度は、後分解処理の条件に対して適切であるのが望ましく、任意で、調整可能であるのが望ましい。
【国際調査報告】