IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パシフィック・ヘルメッツ・ニュージーランド・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-24
(54)【発明の名称】安全ヘルメット
(51)【国際特許分類】
   A42B 3/04 20060101AFI20250117BHJP
   A42B 3/12 20060101ALI20250117BHJP
【FI】
A42B3/04
A42B3/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024563756
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-17
(86)【国際出願番号】 IB2022060120
(87)【国際公開番号】W WO2023067559
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】781540
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(31)【優先権主張番号】784306
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524270316
【氏名又は名称】パシフィック・ヘルメッツ・ニュージーランド・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ウィンストン・エイトケン・ベネット
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・リチャード・ヒューズ
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ミルサム
【テーマコード(参考)】
3B107
【Fターム(参考)】
3B107AA02
3B107AA03
3B107BA03
3B107BA05
3B107CA02
3B107DA01
3B107DA03
(57)【要約】
内部ハローバンドを備えたシェルと、シェルと着用者の頭部との中間に配置され、シェルが受ける衝撃力が着用者の頭部に伝わるのを低減する衝撃吸収パネルを含むサブアセンブリと、を備えた保護ヘルメットに関する。サブアセンブリは、ハローバンドに固定され、ハローバンドから衝撃吸収パネルまで延在し、衝撃吸収パネルをハローに取り外し可能に固定するフレームも備えている。サブアセンブリは、洗浄や交換のためにシェルから取り外すことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.ヘルメットシェルと、
b.内部アセンブリと、
を含んでなる保護ヘルメットであって、
前記内部アセンブリは、
i.シェルに固定され、着用者の頭部の周囲で、着用者の頭部とシェルとの中間に位置するハローと、
ii.(a)使用時に前記ヘルメットシェルと前記着用者の頭部との中間に位置し、少なくとも頭頂部の一部と前記着用者の頭部の上に位置し、頭頂部から下方に延在する衝撃吸収パネルであって、互いに連結された複数の離間した衝撃吸収要素から構成され、これらが協働して、前記ヘルメットシェルが受ける衝撃力が前記着用者の頭部に伝わることを低減する、衝撃吸収パネル、
(b)前記ハローに固定され、前記ハローから前記衝撃吸収パネルまで延在し、前記衝撃吸収パネルを前記ハローに取り外し可能に固定するフレーム、並びに、
(c)使用時に、前記着用者の頭部に位置し、前記フレームに固定される頭部ハーネス
によるサブアセンブリと、
iii.前記ヘルメットシェルの内側に位置決めされ、前記ヘルメットシェルと前記衝撃吸収パネルとの中間に位置するライナーと、
を備えている、保護ヘルメット。
【請求項2】
前記ヘルメットシェルは、
a.貫通抵抗に関するEN443:2008規格
b.衝撃抵抗に関するEN443:2008規格、および
c.耐熱性に関するNFPA1971:2008規格
のうち少なくとも1つを満たしている、請求項1に記載の保護ヘルメット。
【請求項3】
前記ヘルメットシェルは、その形状全体において、
i.プラスチック材料、
ii.ポリカーボネート、
iii.共成形ポリカーボネート、
iv.ポリアミド、
v.樹脂注入ポリアラミド、
vi.樹脂注入ケブラー(Kavlar:登録商標)、
vii.樹脂注入グラスファイバー、
viii.樹脂注入カーボンファイバー、
ix.上述した1つまたは複数の積層アセンブリ、および
x.サンドイッチ材料として発泡材料を含む、上述した1つまたは複数の積層サンドイッチアセンブリ
のうちいずれか1つから選択される耐衝撃性材料を含む、請求項1または2に記載の保護ヘルメット。
【請求項4】
前記ライナーは、前記ヘルメットシェルと前記内部アセンブリとの中間に位置するキャップであり、前記ヘルメットシェルの外部の熱から前記着用者の頭部を断熱するためのフォーム層で構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項5】
前記ハローは前記ヘルメットシェルに取り外し可能に固定されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項6】
前記ハローは、使用時に前記着用者の頭部の周囲に位置するハローバンドであって、前記ヘルメットシェルの内部で、前記着用者の頭部と前記ヘルメットシェルとの中間に位置するハローバンドを備えている、請求項1~5のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項7】
前記ハローバンドは、少なくとも3つのアーチ部材で構成され、前記アーチ部材は、機械式締結部を使用して取外し可能に接続され、接続されると、前記サブアセンブリが依存する構造コンポーネントとして剛性ハローバンドが確定される、請求項6に記載の保護ヘルメット。
【請求項8】
前記ハローは、前記ハローバンドに離間して固定されたアンカー部材を含み、前記アンカー部材は前記ハローバンドから突出し、前記アンカー部材が前記ヘルメットシェルに接続して固定され得る締結領域を形成している、請求項6に記載の保護ヘルメット。
【請求項9】
前記アンカー部材は、少なくとも2つの離れた位置で前記ヘルメットシェルに取り外し可能に固定され、当該保護ヘルメット内において前記ライナーを正しい高さおよび方向に保ちながら衝撃を吸収する能力を提供している、請求項8に記載の保護ヘルメット。
【請求項10】
前記ヘルメットシェルと前記ハローとの協働により、前記ヘルメットシェルの耐圧潰性が確保され、AS/NZS4067:2012およびEN443:2008の少なくとも1つの規格に適合している、請求項1~9のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項11】
前記サブアセンブリは、繰り返し、前記ハローから取り外されたり、前記ハローに結合され得る、請求項1~10のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項12】
前記衝撃吸収パネルは、ライブヒンジ要素(live hinge elements)によって互いに接続された複数の離間した個別の衝撃吸収要素で構成され、前記衝撃吸収要素は弾性的に柔軟な材料で作られている、請求項1~11のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項13】
それぞれの前記衝撃吸収要素は、開口した上部と、カップ収容領域を画定するベースまで延在する側壁とを有するカップから構成され、使用時に、前記開口した上部が前記ライナーに向けられる、請求項12に記載の保護ヘルメット。
【請求項14】
それぞれの前記カップ内の空気を閉じ込め、前記カップの圧縮に対する抵抗力を高めることができるように、それぞれの前記開口した上部は前記ライナーに対して気密にシールされ得る、請求項13に記載の保護ヘルメット。
【請求項15】
前記カップは、口の中でベース(底部)方向に圧縮され、圧縮バネとして機能する、請求項13または14に記載の保護ヘルメット。
【請求項16】
前記カップは、マウス開口部とベース(底部)との間の断面が3本のスポーク形状にされている、請求項13~15のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項17】
前記衝撃吸収要素は互いに離間して配置され、前記衝撃吸収要素間の空気の流れを可能にして、前記着用者の頭部を涼しく維持している、請求項12~16のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項18】
当該保護ヘルメットのスキンに衝撃力が加わると、前記衝撃吸収要素は前記ライナーを横切ってスライドすることができ、前記ライナーのライニングを横切ってスライドするときに、エネルギーが前記衝撃吸収要素によって吸収される、請求項12~17のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項19】
前記フレームはコネクタ構成を使用して前記ハローに取り外し可能に固定されている、請求項1~18のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項20】
前記コネクタ構成は、ツイストおよびロックコネクタ構成(twist and lock connector arrangement)である、請求項19に記載の保護ヘルメット。
【請求項21】
前記フレームは、前記衝撃吸収パネルを前記ハローに取り外し可能な方法で接続している、請求項1~20のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項22】
前記フレームは少なくとも1つのフレーム部材を備えている、請求項1~21のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項23】
使用時には、前記ハローと前記着用者の頭部の両側とにそれぞれ固定された2つのフレーム部材がある、請求項22に記載の保護ヘルメット。
【請求項24】
前記フレーム部材は、それぞれ前記衝撃吸収パネルに独立して接続されている、請求項22または23に記載の保護ヘルメット。
【請求項25】
頭部ハーネスが前記フレームに取り外し可能に固定されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項26】
頭部ハーネスが、少なくとも3箇所、好ましくは4箇所の離間した位置で、前記フレームに、位置調整可能な方法で取り外し可能に固定されている、請求項1~22のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項27】
高い格納状態と低い展開状態との間でバイザーが移動できるように、前記バイザーは、前記ハローに、枢動式に取り外し可能に取り付けられている、請求項1~22のいずれか一項に記載の保護ヘルメット。
【請求項28】
使用時に着用者の頭頂部上で、ヘルメットシェルと着用者の頭部との中間に位置する、ヘルメット用の衝撃吸収パネルであって、当該衝撃吸収パネルは、相互接続された複数の離間した衝撃吸収要素で構成され、それらが協働して、前記ヘルメットシェルが受ける衝撃力が前記着用者の頭部に伝わるのを低減している、衝撃吸収パネル。
【請求項29】
当該衝撃吸収パネルは一体構造である、請求項28に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項30】
当該衝撃吸収パネルは使用時に凹状である、請求項28または29に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項31】
当該衝撃吸収パネルは、ライブヒンジ要素によって互いに接続された複数の離間した個別の衝撃吸収要素で構成されている、請求項28~30のいずれか一項に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項32】
前記衝撃吸収要素は柔軟な材料で作られている、請求項28に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項33】
前記衝撃吸収要素は弾性のある柔軟な材料で作られている、請求項31または32に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項34】
それぞれの前記衝撃吸収要素は、開口した上部と、カップ収容領域を画定するベース(底部)まで延在する側壁とを有するカップから構成されている、請求項28~30のいずれか一項に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項35】
前記衝撃吸収要素がヘルメットのライナーに押し付けられると、前記開口した上部が前記ライナーに対して気密にシールされる、請求項34に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項36】
前記カップは口の中でベース方向に圧縮され得る、請求項34または35に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項37】
前記カップは口の中でベース方向に圧縮され、圧縮バネとして機能する、請求項34~36のいずれか一項に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項38】
前記カップは口の中でベース方向に圧縮され、圧縮バネとして機能し、前記口が前記ヘルメットのライナーにシールされると、圧縮に対する抵抗が大きくなる、請求項34~37のいずれか一項に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項39】
前記カップは口の開口部とベースとの間の断面が3本のスポーク形状にされている、請求項34~38のいずれか一項に記載の衝撃吸収パネル。
【請求項40】
前記衝撃吸収要素はマトリックス状に形成され、互いに離間して配置されているため、前記衝撃吸収要素間の空気の流れが可能になり、着用者の頭部を涼しく保つことができ、これらの要素により、前記ライナーと前記着用者の頭部の間に隙間が生まれ、その間に空気が流れ、前記着用者の頭部を涼しく保つことができる、請求項28~39のいずれか一項に記載の衝撃吸収パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全ヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
消防士などの緊急サービスで使用される安全ヘルメットは、よく使用される。安全ヘルメットには、着用者の頭部を十分に保護するために満たす必要のある特定の設計基準がある。ヘルメットは着用時に悪条件や汚染物質にさらされる可能性があり、ヘルメットの汚染部分が損傷を与える可能性がある。ヘルメットは修理や除染が必要になることが多く、これには時間がかかり、費用もかかり得る。ヘルメットは、交換や除染が必要となる多くのコンポーネントで構成されている場合もあり、分解にはツールが必要で、分解に時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、上述した欠点の少なくともいくつかを克服する、或いは、少なくとも一般の人々に有用な選択肢をもたらす安全ヘルメットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の態様において、本発明は、保護ヘルメットに広く含まれると言え、すなわち、
a.ヘルメットシェルと、
b.内部アセンブリと、
を含んでなる保護ヘルメットであって、
前記内部アセンブリは、
i.シェルに固定され、着用者の頭部の周囲で、着用者の頭部とシェルとの中間に位置するハローと、
ii.(a)使用時に前記ヘルメットシェルと前記着用者の頭部との中間に位置し、少なくとも頭頂部(クラウン)の一部と前記着用者の頭部の上に位置し、前記頭頂部(クラウン)から下方に延在する衝撃吸収パネルであって、互いに連結された複数の離間した衝撃吸収要素から構成され、これらが協働して、前記ヘルメットシェルが受ける衝撃力が前記着用者の頭部に伝わることを低減する、衝撃吸収パネル、
(b)前記ハローに固定され、前記ハローから前記衝撃吸収パネルまで延在し、前記衝撃吸収パネルを前記ハローに取り外し可能に固定するフレーム、並びに、
(c)使用時に、前記着用者の頭部に位置し、前記フレームに固定される頭部ハーネス、
によるサブアセンブリと、
iii.前記ヘルメットシェルの内側に位置決めされ、前記ヘルメットシェルと前記衝撃吸収パネルとの中間に位置するライナーと、
を備えている、保護ヘルメットである。
【0005】
好ましくは、ライナーは、ヘルメットシェルの内側に設けられ、ヘルメットシェルと衝撃吸収パネルとの中間に配置される。
【0006】
好ましくは、ヘルメットシェルは、着用者の頭部を頭頂部(クラウン)から下方にかけて覆う。
【0007】
好ましくは、ヘルメットシェルは、AS/NZS4067:2012およびEN443:2008に記載されているように、着用者の頭部の領域AおよびBをカバーする。
【0008】
好ましくは、ヘルメットシェルは液体不浸透性である。
【0009】
好ましくは、ヘルメットシェルは成形(moulded)されている。
【0010】
好ましくは、ヘルメットシェルは一体成形(one piece moulding)である。
【0011】
好ましくは、ヘルメットシェルは一体型(unitary)である。
【0012】
好ましくは、ヘルメットシェルはEN443:2008の規格に準拠した耐衝撃性である。
【0013】
好ましくは、ヘルメットシェルはEN443:2008の規格に準拠した耐貫通性である。
【0014】
好ましくは、ヘルメットシェルはNFPA1971:2008の規格に準拠した耐熱性である。
【0015】
好ましくは、ヘルメットシェルは、その形状全体において、
i.プラスチック材料、
ii.ポリカーボネート、
iii.共成形ポリカーボネート、
iv.ポリアミド、
v.樹脂注入ポリアラミド、
vi.樹脂注入ケブラー(Kavlar:登録商標)、
vii.樹脂注入グラスファイバー、
viii.樹脂注入カーボンファイバー、
ix.上述した1つまたは複数の積層アセンブリ、および
x.サンドイッチ材料として発泡材料(例えば、Divinycell(登録商標)であるが、それに限定されない)を含む、上述した1つまたは複数の積層サンドイッチアセンブリ
のうちいずれか1つから選択される耐衝撃性材料を含む。
【0016】
好ましくは、樹脂はエステル樹脂またはエポキシ樹脂である。
【0017】
好ましくは、ライナーは、ヘルメットシェルと内部アセンブリの中間に位置するキャップである。
【0018】
好ましくは、ライナーは、ヘルメットシェルの内側に位置合わせされ、ヘルメットシェルと実質的に平行に延在する。
【0019】
好ましくは、ライナーは、ヘルメットシェルの内側に位置合わせされ、ヘルメットシェルの少なくとも70%まで、ヘルメットシェルと実質的に平行に延在する。
【0020】
好ましくは、ライナーは剛性構造である。
【0021】
好ましくは、ライナーは、内部アセンブリとヘルメットシェルとの間に挟まれる。
【0022】
好ましくは、ライナーは、内部アセンブリ(好ましくはハロー)とシェルとの間に加えられる圧力によって位置合わせされる。
【0023】
好ましくは、ライナーはヘルメットシェルとポップインアウトフィット(pop in-out fit)の関係を有する。
【0024】
好ましくは、ライナーはフォーム(発泡)層を含む。
【0025】
好ましくは、ライナーはポリウレタンフォーム層を含む。
【0026】
好ましくは、ライナーはヘルメットシェルの外部の熱から着用者の頭部を断熱する。
【0027】
好ましくは、ライナーはヘルメットシェルを貫通する可能性のある要素を遮断し得る。
【0028】
好ましくは、ライナーはヘルメットシェルが受ける衝撃力を吸収し得る。
【0029】
好ましくは、ライナーは内側にライニングを備える。
【0030】
好ましくは、ライニングはプラスチックである。
【0031】
好ましくは、ライニングは薄いプラスチック層である。
【0032】
好ましくは、ライニングは真空成形プラスチックである。
【0033】
好ましくは、ライニングはフォーム層に固定(接着など)されている。
【0034】
好ましくは、ライニングは空気不透過性である。
【0035】
好ましくは、ハローはシェルに取り外し可能に固定される。
【0036】
好ましくは、ハローはハローバンドで構成される。
【0037】
好ましくは、ハローバンドは使用時に着用者の頭部の周囲に配置される。
【0038】
好ましくは、ハローバンドはヘルメットシェル内部の着用者の頭部とヘルメットシェルとの中間に配置される。
【0039】
好ましくは、ハローバンドは少なくとも2つ、少なくとも3つ、好ましくは4つのアーチ部材で構成される。
【0040】
好ましくは、アーチ部材は、取り外し可能に互いに接続され得る。
【0041】
好ましくは、アーチ部材は、機械的締結部を使用して取り外し可能に互いに接続され得る。
【0042】
好ましくは、機械的締結部は、スナップ(snap)または干渉嵌合締結(interference fit fastening)、または貫通締結部(penetrative fasteners)、またはその両方で構成される。
【0043】
好ましくは、アーチ部材は、互いに接続されると、サブアセンブリが依存する構造部品(コンポーネント)として剛性ハローバンドを画定する。
【0044】
好ましくは、ハローバンドは、Technyl Techstar PA66ナイロンで作られている。
【0045】
好ましくは、ハローバンドは、15~30%のガラス充填PA66ナイロンで作られている。
【0046】
好ましくは、ハローは、離間した位置でハローバンドに固定されたアンカー部材で構成されている。
【0047】
好ましくは、ハローは、
a.スナップまたはインターフェース嵌合(interference fit)、
b.貫通締結(penetrative fasteners)、または
c.その両方
の機械式手段によってハローバンドの離れた位置に取り外し可能に固定されたアンカー部材から構成されている。
【0048】
好ましくは、アンカー部材は、ハローバンドから突出して、アンカー部材がヘルメットシェルに接続して固定され得る固定領域を提供する。
【0049】
好ましくは、アンカー部材は、ハローバンドから突出して、アンカー部材がヘルメットシェルに接続され固定される固定領域を提供する。
【0050】
好ましくは、アンカー部材は、少なくとも2つの離間した位置でシェルに取り外し可能に固定される。
【0051】
好ましくは、アンカー部材は、機械式貫通締結部を使用して、少なくとも2つの離間した位置でシェルに取り外し可能に固定される。
【0052】
好ましくは、アンカー部材は、
(a)スナップまたはインターフェース嵌合、
(b)貫通締結、または
(c)その両方
の機械式締結手段を使用して、少なくとも2つの離間した位置でシェルに取り外し可能に固定される。
【0053】
好ましくは、アンカー部材はPA6ナイロン製である。
【0054】
好ましくは、アンカーは、ヘルメットのライナーを正しい高さおよび方向に維持しながら、衝撃吸収能力を提供する。
【0055】
好ましくは、サイドアンカーが2つ、リアアンカーが1つある。
【0056】
好ましくは、サイドアンカーが2つ、リアアンカーが1つあり、それぞれが機械ネジで真鍮のねじ込みインサートに固定され、リアリテーナー(rear retainer)はスナップインターフェース嵌合(snap interference fit)である。
【0057】
好ましくは、ハローは、ヘルメットシェルから取り外せるフレームである。
【0058】
好ましくは、ハローは、ヘルメットシェルに適用される横方向の圧縮力に対する耐圧潰性(crush resistance)を提供する。
【0059】
好ましくは、提供される耐圧潰性は、AS/NZS4067:2012およびEN443:2008の2つの規格のいずれかによって規定される。
【0060】
好ましくは、ヘルメットシェルとハローとが協働して、ヘルメットシェルの耐圧潰性を向上させる。
【0061】
好ましくは、ヘルメットは、630キロニュートンの力で横方向(横向き)および縦方向(長さ方向)の圧潰に耐え得る。ヘルメットは、合計40mm以上、または(圧潰後)15mm以上の変形はできない。
【0062】
好ましくは、ヘルメットは、630キロニュートンの力で横または縦に押しつぶされたときに合計40mm以下、押しつぶされた後に15mm以下しか変形しない。
【0063】
好ましくは、ハローは、ヘルメットシェルと連動して、ハローがない場合に比べてヘルメットの耐圧潰性を高める構造部材である。
【0064】
好ましくは、サブアセンブリは、繰り返し、ハローから取り外したり、ハローに結合したりできる。
【0065】
好ましくは、サブアセンブリは、繰り返し、ハローバンドから取り外したり、ハローバンドに結合したりできる。
【0066】
好ましくは、衝撃吸収パネルは一体構造であるか、または少なくとも2つのサブパネルから組み立てられる。
【0067】
好ましくは、衝撃吸収パネルは使用時に凹状である。
【0068】
好ましくは、衝撃吸収パネルは平らな前駆体(precursor)から形成される。
【0069】
好ましくは、衝撃吸収パネルはヘルメットシェルの内側に配置される。
【0070】
好ましくは、衝撃吸収パネルはヘルメットシェルへの衝撃が着用者の頭部に与える影響を軽減する。
【0071】
好ましくは、衝撃吸収パネルは、ヘルメットシェルへの衝撃によるエネルギーを吸収する。
【0072】
好ましくは、衝撃吸収パネルは、ヘルメットシェルが受けるあらゆる衝撃エネルギーの負荷を分散する。
【0073】
好ましくは、衝撃吸収パネルは、ライブヒンジ要素(live hinge elements)によって互いに接続された、複数の離間した個別の衝撃吸収要素を含む。
【0074】
好ましくは、衝撃吸収要素は、柔軟な材料で作られる。
【0075】
好ましくは、衝撃吸収要素は、弾性的に柔軟な材料で作られる。
【0076】
好ましくは、それぞれの衝撃吸収要素は、開口した上部と、カップ収容領域を確定するベース(底部)まで延在する側壁とを有するカップから構成される。
【0077】
好ましくは、使用中の開口した上部はライナーに接する。
【0078】
好ましくは、開口した上部はライナーに対してシールされ得る。
【0079】
好ましくは、開口した上部はライナーに対して気密にシールされ得る。このようにして、カップ内の空気ポケットを閉じ込め、カップの圧縮に対する耐性を高め得る。
【0080】
好ましくは、衝撃吸収要素がライナー(例えば、ライニング)に押し付けられたときに、開放上部がライナーに対して気密にシールされる。
【0081】
好ましくは、ライナーに押し付けられると、カップ内の空気が圧縮される。
【0082】
好ましくは、カップは口から底部(ベース)の方向に圧縮され得る。
【0083】
好ましくは、カップは口から底部の方向に圧縮され、圧縮バネとして機能する。
【0084】
好ましくは、カップは口から底部方向に圧縮されて圧縮バネとして機能し、口がライナーにシールされると、圧縮に対する抵抗が大きくなる。
【0085】
好ましくは、カップは開口部と底部との間の断面が三本スポーク状である。
【0086】
好ましくは、カップは中空である。
【0087】
好ましくは、カップの深さは16mmから18mmである。
【0088】
好ましくは、要素は相互接続される。
【0089】
好ましくは、要素はライブヒンジによって相互接続される。
【0090】
好ましくは、要素はマトリックス状に配置され、互いに離間して配置される。
【0091】
好ましくは、要素は互いに離間して配置され、要素間の空気の流れを可能にして、着用者の頭部を涼しく保つ。
【0092】
好ましくは、要素はライナーと着用者の頭部との間に隙間を作り、その間の空気の流れを可能にして、着用者の頭部を涼しく保つ。
【0093】
好ましくは、要素が約3000本/Mに配置される程度以上である。
【0094】
好ましくは、ヘルメットのスキンに衝撃力が加わった場合、要素はライニングまたはライナーを横切ってスライドし得る。
【0095】
ライニングまたはライナーを横切ってスライドするとき、エネルギーは要素によって吸収される。
【0096】
好ましくは、ヘルメットのスキンに衝撃力が加わると、要素はライニングまたはライナーに押し付けられ、せん断力のような方法でエネルギーを吸収し得る。
【0097】
好ましくは、要素の開口部とライブヒンジとは互いに整列する。
【0098】
好ましくは、衝撃吸収パネルは、DuPont Hytrel(登録商標)3078などの成形材料で作られるが、これに限定されない。
【0099】
好ましくは、フレームはハローに取り外し可能に固定される。
【0100】
好ましくは、フレームはハローバンドに取り外し可能に接続される。
【0101】
好ましくは、フレームはコネクタ構成を使用してハローバンドに取り外し可能に接続される。
【0102】
好ましくは、コネクタ構成はツイストおよびロックコネクタ構成(twist and lock connector arrangement)である。
【0103】
好ましくは、コネクタ構成は、少なくとも2つ、好ましくは3つ、好ましくは6つ、離間して配置される。
【0104】
好ましくは、コネクタ構成はツイスト/ロック接続(twist/lock connections)で、洗浄のために、サブアセンブリを繰り返し取り外し可能である。
【0105】
好ましくは、ツイストおよびロック構成は、アンカーポイントごとに45kNの引張力に対する北米NFPA1971基準に準拠する。
【0106】
好ましくは、ツイストおよびアンドロック機構は差し込み(bayonet)機構である。
【0107】
好ましくは、フレームは衝撃吸収パネルをハローに接続する。
【0108】
好ましくは、フレームは衝撃吸収パネルをハローに取り外し可能な方法で接続する。
【0109】
好ましくは、フレームは、フックおよびアイレット(hook and eyelet)などの機械式コネクタを使用して衝撃吸収パネルをハローに取り外し可能な方法で接続する。
【0110】
好ましくは、フレームは、少なくとも4つ、好ましくは8つの接触点で、衝撃吸収パネルをハローに取外し可能な方法で接続する。
【0111】
好ましくは、フレームは少なくとも1つのフレーム部材で構成される。
【0112】
好ましくは、それぞれハローに固定され、使用時に、頭部の両側に固定される2つのフレーム部材がある。
【0113】
好ましくは、フレーム部材は2つのフレーム半体である。
【0114】
好ましくは、フレーム部材は互いに接続しない。
【0115】
好ましくは、フレーム部材は衝撃吸収パネルに独立して接続する。
【0116】
衝撃吸収パネルが、それぞれの着用者の頭部の独自形状に可能な限り適合し、快適性を確保できるように、フレーム部材は、衝撃吸収パネルに独立して接続するのが好ましい。
【0117】
好ましくは、フレームは、ST801などのナイロン製である。
【0118】
フレームは、ST801などのナイロン製であることが好ましく、高熱にさらされた後の柔軟性と耐久性とを向上させるために耐圧潰性が改善されたナイロンである。
【0119】
好ましくは、フレームは、弾力性のある柔軟な素材と形状である。
【0120】
好ましくは、フレームは、ワイヤーフレームまたは外骨格形状(exoskeletal shape)である。
【0121】
好ましくは、頭部ハーネスはフレームに取り外し可能に固定される。
【0122】
好ましくは、頭部ハーネスはフレームに少なくとも3箇所、好ましくは4箇所の離間した位置に取り外し可能に固定される。
【0123】
好ましくは、頭部ハーネスはフレームに位置調整可能な方法で固定される。
【0124】
好ましくは、頭部ハーネスはフレームに好ましくは4箇所の離間した位置に取り外し可能に固定される。
【0125】
好ましくは、頭部ハーネスは、着用者の頭部にぴったりとフィット(snug fit)するように、円周が調整可能である。
【0126】
好ましくは、頭部ハーネスは、ブローストリップ(Brow strip)を含む。
【0127】
好ましくは、ブローストリップは、取り外して洗浄または廃棄するために、スナップ嵌合(snap fit)で取り外し可能である。
【0128】
好ましくは、あごストラップは、頭部ハーネスから外れない。
【0129】
好ましくは、頭部ハーネスは、コネクタを使用してフレームに接続される。
【0130】
好ましくは、頭部ハーネスとフレームコネクタとのインターフェースは、それぞれのコネクタで頭部ハーネスの複数の位置設定を可能にする。
【0131】
好ましくは、頭部ハーネスとフレームコネクタとのインターフェースは、ラダー形状のコネクタで構成される。
【0132】
好ましくは、頭部ハーネスは、フレームに対して高さ調節可能である。
【0133】
好ましくは、快適パッド(comfort pad)が衝撃吸収パネルに取り付けられ、使用時に着用者の頭部とパネルとの間に配置される。
【0134】
好ましくは、あごストラップがヘルメットを着用者の頭部に固定するのに役立つ。
【0135】
好ましくは、あごストラップは、ハローに固定される。
【0136】
好ましくは、あごストラップは、ハローに取り外し可能に固定される。
【0137】
好ましくは、あごストラップは、ハローバンドに取り外し可能に固定される。
【0138】
好ましくは、あごストラップは、スナップ嵌合構成を利用してハローに取り外し可能に固定される。
【0139】
好ましくは、あごストラップは、ツールを使用せずにハローから取り外し可能であり、或いは、コインやドライバーなどのツールを使用できるクイックリリース構成としてハローから取り外し可能である。
【0140】
好ましくは、バイザーが設けられる。
【0141】
好ましくは、バイザーはアイプロテクターである。
【0142】
好ましくは、バイザーはハローによって枢動可能に取り付けられる。
【0143】
好ましくは、バイザーはハローに取り外し可能に取り付けられる。
【0144】
好ましくは、バイザーは取り外し可能に取り付けられ、ツールを使用せずにハローから取り外し可能であり、或いは、コインやドライバーなどのツールを使用できるクイックリリース構成である。
【0145】
好ましくは、バイザーは、格納された高い状態と展開された低い状態との間で移動できる。
【0146】
好ましくは、格納された状態では、バイザーは着用者の視界に入らない。
【0147】
好ましくは、展開された状態では、バイザーは着用者の目の上方にくる。
【0148】
格納された状態では、バイザーはキャッチによって格納された状態に保持される。
【0149】
好ましくは、キャッチは、バイザーが展開された状態まで回転するのを防止する。
【0150】
好ましくは、キャッチはバイザーから外れ、バイザーが上方に押されることによってバイザーが下方に回転できるようにする。
【0151】
好ましくは、キャッチを配置するためにハローバンドからアームが延在する。
【0152】
好ましくは、アームはハローバンドから取り外し可能である。
【0153】
好ましくは、アームはツールを使用せずにハローバンドから取り外し可能であるか、或いは、コインやドライバーなどのツールを使用できるクイックリリース構成として取り外し可能である。
【0154】
好ましくは、アームは着用者の頭部の前方に設けられる。
【0155】
好ましくは、第2のバイザーが設けられる。
【0156】
好ましくは、第2のバイザーは、着用者の顔に広い範囲の保護を提供するフェイスシールド/ガードである。
【0157】
第2の態様において、本発明は、ヘルメット用の衝撃吸収パネルであり、使用時に着用者の頭頂部上で、ヘルメットシェルと着用者の頭部との中間に位置する、ヘルメット用の衝撃吸収パネルであって、当該衝撃吸収パネルは、相互接続された複数の離間した衝撃吸収要素で構成され、それらが協働して、前記ヘルメットシェルが受ける衝撃力が前記着用者の頭部に伝わるのを低減している、衝撃吸収パネルである。
【0158】
好ましくは、衝撃吸収パネルは一体構造であるか、または少なくとも2つのサブパネルから組み立てられる。
【0159】
好ましくは、衝撃吸収パネルは使用時に凹状になる。
【0160】
好ましくは、衝撃吸収パネルは平らな前駆体から形成される。
【0161】
好ましくは、衝撃吸収パネルはヘルメットシェルの内側に配置される。
【0162】
好ましくは、衝撃吸収パネルはヘルメットシェルへの衝撃が着用者の頭部に与える影響を軽減する。
【0163】
好ましくは、衝撃吸収パネルは、ヘルメットシェルへの衝撃によるエネルギーを吸収する。
【0164】
好ましくは、衝撃吸収パネルは、ヘルメットシェルが受けるあらゆる衝撃エネルギーの負荷を分散する。
【0165】
好ましくは、衝撃吸収パネルは、ライブヒンジ要素によって互いに接続された、複数の離間した個別の衝撃吸収要素を含む。
【0166】
好ましくは、衝撃吸収要素は、柔軟な材料で作られる。
【0167】
好ましくは、衝撃吸収要素は、弾性的に柔軟な材料で作られる。
【0168】
好ましくは、それぞれの衝撃吸収要素は、開口した上部と、カップ収容領域を画定する底部まで延在する側壁とを有するカップから構成される。
【0169】
好ましくは、ヘルメットは、ヘルメットシェルと衝撃吸収パネルとの中間にライナーを備える。
【0170】
好ましくは、開口した上部は、ライナーに対してシール可能である。
【0171】
好ましくは、開口した上部は、ライナーに対して気密にシール可能である。このようにして、カップ内の空気ポケットを閉じ込めることができ、カップの圧縮に対する耐性を高め得る。
【0172】
好ましくは、衝撃吸収要素がライナー(例えば、ライニング)に押し付けられると、開口した上部がライナーに対して気密にシールされる。
【0173】
好ましくは、ライナーに押し付けられると、カップ内の空気が圧縮される。
【0174】
好ましくは、カップは口から底部の方向に圧縮され得る。
【0175】
好ましくは、カップは口から底部の方向に圧縮され、圧縮バネとして機能する。
【0176】
好ましくは、カップは口から底部の方向に圧縮され、圧縮バネとして機能し、口がライナーにシールされているときは、圧縮に対する抵抗が大きくなる。
【0177】
好ましくは、カップは口の開口部と底部との間の断面形状が3本スポークである。
【0178】
好ましくは、カップは中空である。
【0179】
好ましくは、カップの深さは16mmから18mmである。
【0180】
好ましくは、要素は相互接続されている。
【0181】
好ましくは、要素はライブヒンジによって相互接続される。
【0182】
好ましくは、要素はマトリックス構成になっており、互いに離間して配置される。
【0183】
好ましくは、要素は互いに離間して配置され、要素間の空気の流れを可能にして、着用者の頭部を涼しく維持する。
【0184】
好ましくは、要素はライナーと着用者の頭部との間に隙間を作り、その間の空気の流れを可能にして、着用者の頭部を涼しく維持する。
【0185】
好ましくは、要素が約3000本/mに配置される程度以上である。
【0186】
好ましくは、ヘルメットのスキンに衝撃力が加わった場合、要素はライニングまたはライナーを横切ってスライドし得る。
【0187】
ライニングまたはライナーを横切ってスライドするとき、エネルギーは要素によって吸収される。
【0188】
好ましくは、ヘルメットのスキンに衝撃力が加わると、要素はライニングまたはライナーに押し付けられ、せん断力のような方法で砂利を吸収し得る。
【0189】
好ましくは、要素の開口部とライブヒンジとは互いに整列する。
【0190】
好ましくは、衝撃吸収パネルは、DuPont Hytrel(登録商標)3078などの成形材料で作られるが、これに限定されない。
【0191】
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載されるか、または、添付の図面を参照して本明細書に記載されるか、或いは、添付の図面に示されるような衝撃吸収パネルであると言える。
【0192】
さらなる態様において、本発明は、本明細書に記載された保護ヘルメット、または、添付の図面を参照して本明細書に記載された保護ヘルメット、或いは、添付の図面に示される保護ヘルメットであると言える。
【0193】
本発明の他の側面は、添付の図面を参照して例示のみを目的として提供される以下の説明から明らかになるであろう。
【0194】
ここで使用される「および/または」という用語は、「および」または「または」、或いは、その両方を意味する。
【0195】
本明細書において、名詞の後の「(s)」は、その名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0196】
本明細書[および特許請求の範囲]で使用される用語「備える」は、「少なくとも一部で構成される」を意味する。この明細書[および特許請求の範囲]の当該用語を含む記述を解釈する場合、それぞれの記述において当該用語で始まる特徴がすべて存在している必要があるが、他の特徴も存在し得る。「含む」や「構成される」などの関連用語も同様に解釈される。
【0197】
上記および下記に引用されているすべての出願、特許、および刊行物の開示内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0198】
本発明は、広くは、出願明細書に個別または集合的に言及または示された部品、要素および特徴、並びに、前記部品、要素または特徴の任意の2つ以上の組み合わせまたはすべての組み合わせから構成されるとも言え、本明細書では、本発明が関連する技術分野において同等のものが知られている特定の整数について言及しているが、そのような同等のものは、個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれるものとみなされる。
【0199】
本明細書において、特許明細書やその他の文書を含む外部情報源が参照されている場合、これは通常、本発明の特徴を説明するための背景を提供することを目的としている。別途記載がない限り、かかる情報源への言及は、いかなる管轄区域においても、かかる情報源が先行技術であるか、または当該技術における一般的な常識の一部を形成することを認めるものとして解釈されるものではない。
【0200】
本明細書では、「プラスチック」という用語は、広範囲の合成または半合成重合製品の総称であり、一般に炭化水素系ポリマーから構成されるものと解釈される。
【0201】
本明細書の目的上、方法のステップが順番に説明されている場合、その順序は、その順序を解釈する他の論理的な方法がない限り、必ずしもその順序でステップが時系列に並べられることを意味するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0202】
本発明は、以下の図面を参照しつつ例示のみを目的として説明される。
【0203】
図1】ヘルメットの後ろからの透視図である。
図2】ヘルメットの正面からの透視図である。
図3(a)】ヘルメットシェル内に配置されるヘルメットのコンポーネントの一部の分解図である。
図3(b)】ヘルメットシェルを横から見た断面図で、ライナーの位置を示している。
図3(c)】ヘルメットの縦断面図でライナーの位置を示す。
図4】内部アセンブリ、または内部アセンブリの一部の透視図である。
図5】ハローの透視図である。
図6】ハローの別の視点からの透視図である。
図7】ハローの部品の分解図である。
図8】ヘルメットの底面透視図である。
図9】内部サブアセンブリとハローの分解図である。
図10】ハローと内部サブアセンブリを一緒に表示する。
図11(a)】ハローと内部サブアセンブリが接続された底面透視図である。
図11(b)】フレーム部品を示す。
図12】ハロー付きフレームのアンカー領域の分解図である。
図13】雄型差し込み部材(male bayonet member)の透視図である。
図14】雄型差し込み部材(male bayonet member)の透視図である。
図15】衝撃吸収パネルのフレームを示す。
図16(a)】衝撃吸収パネルの透視図である。
図16(b)】衝撃吸収パネルの一部のクローズアップ画像である。
図17】衝撃吸収パネルを3次元構成で示す。
図18図17の別の透視図である。
図19】衝撃吸収パネルとライナーを示す。
図20(a)】頭部バンドとフレーム/衝撃吸収パネルを分解した状態で示す。
図20(b)】図20(a)のアッセンブリを示す。
図21】内部サブアセンブリの一部の透視図である。
図22】内部サブアセンブリの一部の透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0204】
同様の特徴は一般に同様の数字で示されている上述した図面を参照すると、図1にはヘルメット1000が示されている。ヘルメット1000は、消防士に限らず、緊急サービス要員が使用するのに適した種類のものであり得る。
【0205】
ヘルメットは人の頭部に装着することができ、衝撃力、物体、熱、液体などの衝突から頭部を保護する。
【0206】
ここで説明されるヘルメットの発明において、最も重視されたのは、ヘルメットを徹底的に洗浄できる能力である。保護が今この瞬間だけを考慮していた歴史的時代に比べ、現在では健康に対する意識がはるかに高まっている。発がん性物質、アスベスト、PFASなどへの曝露による長期的な健康被害の可能性は、大多数の緊急機関とその職員によって認識されている。ヘルメットを素早く洗浄できるため、使用できない時間が短縮される。
【0207】
ヘルメット1000は、ヘルメットシェル100を備えている。ヘルメットシェル100は、着用者の頭部を保護するための第一の防御線である。ヘルメットシェル100は、着用者の頭部がヘルメットシェル100の内側106に位置できるサイズと形状になっている。
【0208】
ヘルメットシェルが着用されると、ヘルメットシェル100は着用者の頭部の大部分を覆うことになる。このような部分としては、着用者の後頭部、側頭部、および額が含まれる。
【0209】
ヘルメットシェル100は、一般的な背面(back)領域101、2つのサイド領域102a、102b、前方(front)領域103、並びに、頂部(top)領域104を備えている。ヘルメットシェルは、着用者の頭部が部分的に通過して、ヘルメットシェル100の内側106に頭部の一部を配置できる開口部105を有する。
【0210】
ヘルメットシェルは液体不浸透性であることが望ましい。ヘルメットシェルは耐衝撃構造であることが望ましい。EN443:2008規格に従って製造され得る。
【0211】
ヘルメットシェルは貫通耐性(penetration resistant)が望ましい。これはEN443:2008規格に準拠され得る。
【0212】
好ましくは、ヘルメットシェルは、着用者の頭部に対してヘルメット外部からの熱に対するバリアを提供する。
【0213】
ヘルメットシェルは、NFPA1971:2018規格に準拠した耐熱性を備えていることが望ましい。
【0214】
好ましくは、ヘルメットシェルは、耐衝撃性材料から作られている。材料としては、例えば、
プラスチック材料、
ポリカーボネート、
共成形ポリカーボネート、
ポリアミド、
樹脂注入ポリアラミド、
樹脂注入ケブラー(Kevlar:登録商標)、
樹脂注入グラスファイバー、
樹脂注入カーボンファイバー、
上述したいずれか1つ以上の積層アセンブリ、
サンドイッチ材料として発泡材料(Divinycell:登録商標など)を含む上述したいずれか1つ以上の積層サンドイッチアセンブリである。
【0215】
ヘルメットシェル100は成形され得る。好ましくは、ヘルメットシェル100は、成形可能な材料から成形される。最も好ましいのは、ヘルメットシェルがケブラー(登録商標)およびエステルまたはエポキシ樹脂から構成されることである。
【0216】
ヘルメットシェル100は、実質的に薄壁構造である。ヘルメットシェルの厚さは、そのカバー部分にわたって実質的に均一である。内側106は、実質的に凹状である。
【0217】
ヘルメットシェル100は、滑らかな外面を有していてもよいし、あるいは、図に示されるように、ヘルメットシェルは、プロファイリングが描かれた形状または輪郭が描かれた形状を有し得る。提供されるプロファイリングおよび輪郭形成は、少なくとも部分的には、クラッシュ状況でのヘルメットの強度を高めることを目的としている。ヘルメットシェルは、適切な色および/または表示を提供するためにコーティングされ得る。
【0218】
ヘルメットシェル100の内側106には、ヘルメットの着用者の頭部保護、安全性、および/または、快適性を高めるためのヘルメット部品が取り付けられる。これらの部品(コンポーネント)について、次に説明する。
【0219】
図3は、ヘルメット1000の少なくとも一部のコンポーネントの分解図である。図には、ライナー200が示されている。ライナー200は、ヘルメットシェル100の内側106に配置される。
【0220】
ライナー200は、好ましくは、実質的に外側201および内側202を有するフォーム層である。外側201は実質的に凸状で、内側202は実質的に凹状である。外側201は、好ましくは、ヘルメットシェル100に隣接してぴったりと配置される形状である。好ましい形態では、ライナー200は、ヘルメットシェルの内側106でヘルメットシェル100にぴったりと収まる。ライナー200は、ヘルメットシェル100とほぼ同じ広がりを有する。ライナー200は、ライナーがヘルメットシェル100の開口部からはみ出さないように、ヘルメットシェルに比べて広がりがわずかに小さい。
【0221】
ライナー200は、好ましくはフォーム材料で作られている。ライナー200は、主にポリウレタンフォーム材料で作られ、内側202にライニング203も含み得る。ライニング203は、フォームとは異なる材料で作られ得る。ライニングは、例えば、ライナー200の内側202と同じ広がり熱成形プラスチックで作られ得る。ライニングは、好ましくは、フォーム層に固定(接着など)される。ライニングは、好ましくは、空気を通さず、内側の面が滑らかである。
【0222】
ライナー200は、好ましくは、ヘルメットシェルが受ける衝撃力を吸収し、その力が着用者の頭部に伝わるのを軽減するための第2の防御線(second line of defense)として設けられる。ライナー200は、ヘルメットシェルを貫通する物体を阻止し、そのような物体が着用者の頭部に到達するのを防止し得る。これは、爆発時に「破片(shrapnel)」がヘルメットに衝突した場合に生じ得る。
【0223】
ライナー200は、ヘルメットシェルの外側から着用者の頭部への熱の伝達を低減するのにも役立つ。ライナーは断熱材として機能する。ライナー200は、着用者の頭部を熱から保護するのに十分な時間、熱の一部を吸収し得る。
【0224】
ライナーはヘルメットシェルよりも厚い構造である。その厚さはさまざまであるが、周辺部よりも中央部の方が厚くなっているのが望ましい。
【0225】
図3Aに示されるように、ハロー300が設けられる。ハロー300は、好ましくは、ハローバンド301を備えている。ハローバンド301は、着用者の頭部の周囲に延在するように設けられる。ハローバンド301は、着用者の頭部の周囲に延在するのが好ましい。ハローバンド300は、着用者の頭部に快適にフィットするサイズおよび形状を有し、好ましくは、着用者の頭部に接触しない。ハローバンドは、ヘルメットシェルの内側106に配置され、好ましくは、ヘルメットシェルの開口部105から突出しない。
【0226】
ハローバンド301にはハローアンカー302が取り付けられている。好ましい形態では、2つのサイドハローアンカー302(a)、302(b)、および、後方ハローアンカー302(c)がある。ハローアンカーは、ハローバンド301と一体に形成されるか、或いは、好ましい形態では、ハローバンド301に取り外し可能に取り付けられる。取り外し可能な取り付けは、例えば、図4に示されるように、機械式締結部303であり得る。機械式締結部は、例えば、機械ネジまたはボルトである。ハローアンカーをハローバンドに取り付ける代替または追加の方法としては、スナップ嵌合またはインターフェース嵌合機構であり得る。
【0227】
ハローアンカー302はそれぞれ、少なくとも1つのアンカー領域304を有している。サイドハローアンカー302(a)、302(b)のアンカー領域は、アンカー領域304(a)、304(b)であり、好ましくは、機械式締結部が通過してヘルメットシェルのそれぞれのアンカーポイントに固定され得る開口部を含む。
【0228】
好ましい形態では、サイドハローアンカー302(a)、302(b)はそれぞれ、対応するアンカー領域304(a)、304(b)を1つだけ有する。後方ハローアンカー302(c)は、機械ネジなどの貫通締結部を通過することでヘルメットシェルに後方ハローアンカーを固定できる2つのアンカー領域304(c)を有する。機械ネジは、好ましくは、サイドアンカー用の真鍮製ねじ込みインサートにねじ込まれ、後方アンカーはスナップインターフェース嵌合を使用してハローバンドに固定される。
【0229】
アンカー302は、ヘルメット内のライナーを正しい高さおよび方向に維持するのと同時に、衝撃吸収の役割を果たす。図3Bおよび図3Cは、ライナー200を黒のブロック色で示している。
【0230】
図5および図6は、ハロー300を単独で示している。図7に示されるように、ハロー300は、好ましくは、複数の部分から構成される。ハローアンカー302については既に説明している。ハローバンド自体は、好ましくは、2つのハローアーチ、並びに、図7に示されるように、4つのハローアーチ305a、305b、305c、305dを備えている。アーチ305a、305cは、使用時に、着用者の頭部の側面に配置される。アーチ305dは、着用者の額に配置され、アーチ305bは、着用者の頭部後方に配置される。
【0231】
アーチは、ハローバンド301を画定するために互いに接続され得る。これらは、1回限りの接続として接続され、必要に応じてハローバンドは交換または修理され得る。好ましい形態では、図7に示されるように、隣接するハローアーチのインターフェースにスナップ嵌合またはスナップロック構成が設けられる。タブおよびキャッチの構成により、ツールなしで(またはコインやドライバーなどのツールが使用され得るクイックリリース構成として)アーチが互いに分離され得る。アーチが噛み合って接続されると、持続的に剛性のあるハローバンドが画定される。これは、ハローアーチの形状および構成、並びに、ハローアーチの接続方法によって実現される。
【0232】
複数のハローアーチによりハローバンド301を提供することで、ハローバンドは分解可能である。これは、損傷したハローバンドや汚染されたハローバンドを交換する場合に望ましい場合がある。また、ハローバンドを洗浄する目的にも適している。ハローバンドが部品に分解され得るようにすることで、ハローを徹底的に汚染物質から洗浄することができる。同様に、ヘルメットシェルからハローを取り外すことができると、洗浄や部品の交換が容易になる。
【0233】
4つのピースで構成されているため、側面または前面/背面のみを交換することで、より大きなハローやより小さなハローを作成できるという、所定の汎用性が可能である。
【0234】
ヘルメットは、バイザーなど、ヘルメットと共に使用される特定のオプション機能をユーザーが選択できるモジュラーヘルメットとして提供されることが想定される。したがって、ハローバンドは、ヘルメットのユーザーのニーズを満たすためにハローによってさまざまな機能を提供できるモジュラーシステムの一部であり得る。
【0235】
図8は、ヘルメットシェルの内側に配置され、アンカーポイント304(b)でヘルメットシェル100に固定されたハロー300を示している。これは、例えばネジを使用して実現され得る。同様に、他のアンカー部材は、ヘルメットの背面とヘルメットの他の面とでハローをヘルメットシェルに固定する。
【0236】
ハローとシェルとの間の接続は安全であるが、ツールの使用などにより取外し可能であることが望ましい。ヘルメットシェルと共に、ハローは、特にヘルメットシェル100の開口部106の周辺において、ヘルメットに構造的な強度を与える。ハローは、ヘルメットシェルに追加の強度を提供し、ヘルメットの耐圧潰性を向上させるのに貢献する。
【0237】
好ましくは、ハローバンドは、Technyl Techstar PA66ナイロンで作られる。好ましくは、ハローバンドは、15~30%のガラス充填PA66ナイロンで作られる。好ましくは、アンカー部材は、PA6ナイロンで作られる。
【0238】
ハローとシェルとの間の接続は安全であるが、取外し可能であることが望ましい。接続は、好ましくは、1回限りの接続であるが、ツールの使用などによりコンポーネントは洗浄、交換、または修理され得る。ヘルメットシェルと組み合わせることで、ハローはヘルメットの構造的な強度、特にヘルメットの開口部の周辺部分の強度を高める。ハローはヘルメットシェルにさらなる強度を与え、ヘルメットの耐圧潰性を向上させる。
【0239】
好ましくは、ハローは、ヘルメットシェルと協働して、ハローが設けられていない場合と比較してヘルメットの耐圧潰性を高める構造部材である。ハローは、ヘルメットシェルに加わる横方向の圧縮力に対する耐圧潰性を提供する。提供される耐圧潰性は、好ましくは、AS/NZS4067:2012およびEN443:2008の2つの規格のいずれかで規定される。好ましくは、ヘルメットシェルおよびハローは協働して、ヘルメットシェルの耐圧潰性を向上させるように作用する。好ましくは、ヘルメットは、630キロニュートンの力で横方向(横向き)および縦方向(長さ方向)の圧潰に耐え得る。ヘルメットは、圧潰後、合計40mm以上または残余15mm以上変形できない。ヘルメットは、好ましくは、630キロニュートンの力で横方向または縦方向に圧潰されたときに、合計40mm以上、残余15mm以上変形できない。
【0240】
図8は、ヘルメットシェルの内側に配置され、アンカーポイント304(b)でヘルメットシェル100に固定されたハロー300を示している。同様に、他のアンカー部材は、ヘルメットの背面とヘルメットの他の面とでハローをヘルメットシェルに固定する。
【0241】
図7に示されているハローの他のコンポーネントについては、後で説明する。
【0242】
図9に示されるように、サブアセンブリ400はハロー300に固定され得る。固定された構成は、図10および図11(a)に示されている。サブアセンブリ400は、好ましくは、ハローに取り外し可能に固定される。サブアセンブリ400は、好ましくは、ツールの使用を必要としない方法で、サブアセンブリとして、或いは、コインやドライバーなどのツールが利用され得るクイックリリース構成として、ハローから取り外され得る。サブアセンブリ400は、サブアセンブリを洗浄するため、さらに/或いは、サブアセンブリおよび/またはハローの部品を交換するためにサブアセンブリを取り外しできるように、ハローに取り外し可能に固定されている。
【0243】
次に、サブアセンブリのそれぞれの部品について説明する。
【0244】
サブアセンブリはフレーム500を備えている。フレームは、好ましくは、少なくとも2つのフレーム部材500(a)、500(b)から構成される。好ましい形態では、フレーム500は、2つのフレーム半体500(a)、500(b)から構成される。これらは、一般的に着用者の頭部の片側に配置される。
【0245】
フレームは、衝撃吸収パネル(あとで後述する)を所定の位置に保持し、頭部バンド(あとで後述する)を支持するために設けられている。
【0246】
好ましい形態では、フレームは複数のコネクタを備えている。これらはフレームコネクタ501(a)~(f)と呼ばれる。フレームコネクタ501(a)~(f)は、ハローバンド301のフレームアンカーポイント310(a)~(f)に、ハローバンド301と共に配置され得る。
【0247】
フレームコネクタ501(a)~(f)およびフレームアンカーポイント310(a)~(f)は、好ましくは、ツールなしでフレームを接続および取外しできるように、或いは、コインやドライバーなどのツールが使用され得るクイックリリース構成として、すなわち、ハローをサブアセンブリ400に、使用できる形状および構成である。
【0248】
好ましい形態では、フレームアンカーポイント310(a)~(f)およびフレームコネクタ501(a)~(f)は、キャプティブ差し込みラチェット嵌合(captive bayonet ratcheting fitting)などの差し込みスタイル(bayonet style)である。これにより、サブアセンブリをハローに固定するために、手動でねじってロックする操作が可能になる。コネクタ構成は、洗浄のためにサブアセンブリを繰り返し取り外せるように、ツイスト/ロック接続であるのが好ましい。ツイスト/ロック構成は、アンカーポイントごとに45kNの引張力に耐えられる北米NFPA1971規格に準拠するのが好ましい。
【0249】
図11(b)は、平らな状態のフレーム半体を示している。フレームコネクタ501(a)~(c)は、図11(b)のフレーム半体500(a)に示されている。図12図13に示されるように、差し込み嵌合構成(bayonet fitting configuration)508が設けられ、これは、雄型差し込み部材508(a)と、ハローバンド301のフレームアンカーポイントにあり、雄型差し込み部材が通過し、例えば90度回転してフレーム半体500(a)をハローバンド301に取外し可能な方法でロックすることができる雌型差し込み部材310を確定する開口部とで構成される。この接続を取外し可能な方法で確立できる代替方法を設計できると考えられる。
【0250】
好ましくは、フレーム部材は互いに接続されず、後述する衝撃吸収パネルに独立して接続される。
【0251】
好ましくは、フレーム部材は衝撃吸収パネルに独立して接続され、衝撃吸収パネルがそれぞれの着用者の頭部の独自の形状に可能な限り適合できるようにして、快適性を確保する。フレームはST801などのナイロンで作られ得る。これは、高熱にさらされた後の柔軟性および耐久性を向上させるために、耐圧潰性が改善されたナイロンであり得る。フレームは、好ましくは、弾力性のある柔軟な材料と形状であり、形状に適応できるようにワイヤーフレームまたは外骨格形状(exoskeletal shape)にされ得る。
【0252】
フレーム500は、ハロー300と衝撃吸収パネル600との間に延在する。衝撃吸収パネル600は接続可能であり、使用時には、フレームによって複数設けられたアンカーポイント520でフレームに接続される。衝撃吸収パネル600は、衝撃吸収パネルをフレームに、好ましくは取り外し可能な方法で接続され得るための補完的なアンカーポイントを有する。
【0253】
衝撃吸収パネルは、図15および図16に平らに広げられた状態で示されている。好ましい形態では、衝撃吸収パネルは、図16に示されるように平らに広げられた状態で製造され、図17図19に示されるように、例えば3次元形式に変形され得る形状および構成である。衝撃吸収パネル600は、フレームのアンカーポイント520を固定して衝撃吸収パネル600をフレームによって所定の位置に保持できるアンカーポイント601を有する。
【0254】
衝撃吸収パネルは、ヘルメットシェルの内側のフレームによって支持され、ヘルメットシェルと着用者の頭部との中間に位置する。好ましい形態では、衝撃吸収パネル600は、ライナー200と使用中の着用者の頭部との中間に配置される。
【0255】
衝撃吸収パネルは、ヘルメットシェルが受ける衝撃力に対するさらなる防御を提供する。衝撃吸収パネル600は、ヘルメットが受ける衝撃力が着用者の頭部に伝わるのを吸収し、軽減し得る。
【0256】
衝撃吸収パネルは、好ましくは、着用者の頭部の上部、側面および前方の大部分を覆う。好ましい形態では、衝撃吸収パネルは、少なくとも着用者の頭頂部(top)を覆うように広がっており、頭頂部から下に向かって延在している。好ましい形態では、衝撃吸収パネルは、EN443:2008およびAS/NZS4067:2012に従って、少なくとも衝撃領域を覆うように広がっている。
【0257】
衝撃吸収パネル600は、好ましくは、複数の衝撃吸収要素602から構成される。衝撃吸収要素602は、図16および図17に明確に示されているように、マトリックス状に構成される。衝撃吸収要素は、インターコネクタ603によって相互接続されている。好ましい形態では、それぞれの衝撃吸収要素は、少なくとも2つ、好ましくは3つのインターコネクタ603によって他の衝撃吸収要素に接続されている。インターコネクタ603は、隣接する2つの衝撃吸収要素の間を個別に橋渡しする。
【0258】
インターコネクタ603および接続された衝撃吸収要素は、好ましくは、ライブヒンジ関係(live hinge relationship)にあり、これにより、衝撃吸収パネルの形状が柔軟かつ適合可能になる。このような適合は、人の頭部の形状や髪の毛に適応する目的で望ましい場合がある。また、例えば異なるサイズのヘルメットが提供される場合にも適合できる。1つの衝撃吸収パネルは、さまざまな形状のヘルメットや着用者の頭部プロファイルに合わせて使用され得る形状になっている。
【0259】
好ましい形態では、それぞれの衝撃吸収要素はカップ形状である。図18および図16aで特定される衝撃吸収要素602aを参照すると、カップ形状要素は、開口部603と、開口部603とベース(底部)604との間に延在する側壁605を備えたベース604とを有している。
【0260】
好ましい形態では、側壁は3本スポーク形状である。
【0261】
衝撃吸収パネルは、弾性的に固定可能な弾性材料から作られている。好ましくは、衝撃吸収パネルは、DuPont Hytrel(登録商標)3078などの成形材料から作られているが、これに限定されない。
【0262】
それぞれの衝撃吸収要素は、圧力が加えられると変形するが、圧力が解放されると弾力的に元の形状に戻る。
【0263】
使用中の衝撃吸収パネルは、図19に示されるように、ライナー200に対して配置される。それぞれの衝撃吸収要素602の開口部603は、ライナー200のライニング203に対して押圧し得る。柔軟な材料で作られているため、開口部をライニング203に押し付けて、衝撃吸収要素のカップ605をライナーに対してシールし、カップ内に空気を閉じ込めることができる。ヘルメットシェルに物体が衝突したときなど、衝撃吸収要素に十分な大きさの力が加わると、少なくともいくつかの衝撃吸収要素が作動し、ライニングのライナーに押し付けられる。カップ形状はシールされているため、内部の空気が圧縮され得、衝撃を受けたときに衝撃吸収要素の変形を防ぐことができる。圧縮空気は、衝撃を受けたときの衝撃吸収要素の変形に対する追加の抵抗を提供しながら、衝撃吸収パネル600の軽量構造を実現できる。カップにより、圧縮空気を利用して、ヘルメットシェルへの衝撃力によるエネルギーを吸収することができる。
【0264】
好ましくは、ヘルメットのスキンに衝撃力が加わった場合、要素はライニングまたはライナーを横切ってスライドすることができる。ライニングまたはライナーを横切ってスライドする際に、エネルギーが要素によって吸収される。好ましくは、ヘルメットのスキンに衝撃力が加わった場合、要素はライナーのライニングに押し付けられ、せん断力のような方法でエネルギーを吸収することができる。
【0265】
衝撃吸収要素の高さ(ベース604と開口部603の間)は、16mmから18mmである。衝撃吸収要素は、コネクタ603によって接続されている以外は、互いに独立している。隣接する衝撃吸収要素の間を空気が流れることで、ヘルメット内の換気と空気の流れが確保される。これにより、暑い天候でも着用者の頭部を涼しく保つことができる。
【0266】
好ましくは、フレーム500によって頭部バンド700も支持される。頭部バンドは、好ましくは、既知の調整機構701を利用して、さまざまな形状の頭部に対応できる調整可能な頭部バンドである。頭部バンド700は、着用者の頭部の周囲に延在して、着用者の頭部にぴったりフィットし、ヘルメットを着用者の頭部上で安定した状態で支持するのに役立つ。頭部バンド700は、好ましくは、フレームのコネクタ530(a)~(d)と共に配置され得る頭部バンドコネクタ702(a)~(d)を使用して、フレーム500から従属する。
【0267】
フレーム500のコネクタ530(a)、(b)は、図11(b)で明確に確認され得る。頭部バンド700は、調整可能な方法でフレームに接続されるのが好ましい。これにより、フレームおよび衝撃吸収パネルに対する頭部バンド700の高さ調整が可能になる。これは、ヘルメットや、例えば、髪/ポニーテール/呼吸装置マスクの着用者の頭部におけるさまざまな形状およびサイズに対応するために望ましい場合がある。
【0268】
好ましい形態では、コネクタ702(a)~(d)と、フレームのそれぞれ対応するコネクタ530(a)~(d)とによって、複数の接続位置を確立できるようになる。好ましい形態では、コネクタ530(a)~(d)はラダー構成になっており、例えば、それぞれ対応するコネクタ602(a)~(d)を固定できる4つの個別の位置が提供される。これを確立できる代替方法は、当業者によって想定されるであろう。
【0269】
図21および図22は、ラダー構成のクローズアップ図を示している。
【0270】
図20Aおよび図20Bに示されるように、頭部バンドはユニットとしてフレームに取り付けたり取り外されたりされ得る。これにより、必要に応じて頭部バンドを素早く取り外したり交換したりすることもできる。
【0271】
衝撃吸収パネルと着用者の頭部との間に、ソフトパッドまたは快適パッドが設けられ得る。このパッドは、フォームおよびファブリックのラミネート(積層)で作られ得る。これはオプションのコンポーネントである。
【0272】
ヘルメットを着用者にしっかりと固定するために、あごストラップ(chin strap)が設けられる。あごストラップは、着用者のあごまで延在して、あごの周りを囲むことができ、あごストラップを所定の位置に固定し、ヘルメットを頭部から取り外せるようにバックルを含み得る。あごストラップは、あごストラップアンカー801A~Cを使用してハローに固定され得る。これは、図5図7に示されている。あごストラップアンカーは、他の分解やツールの使用を必要とせずにハローから取り外され、或いは、コインやドライバーなどのツールが使用され得るクイックリリース構成として取り外され得る。これは、洗浄/除染の目的にとって望ましい機能である。あごストラップとハローの組み立てと取り外しを可能にするために、スナップ嵌合またはインターフェース嵌合が提供され得る。
【0273】
少なくとも1つのバイザー、好ましくは2つのバイザーが設けられる。
【0274】
第1のバイザーは、アイおよびアイプロテクター(目の保護具)900である。これは、ピボットマウント(pivot mounts)901A、901Bでハローに枢動可能に取り付けられるのが好ましい。ピボットマウントは、好ましくは、ハローバンドに固定される。ピボットマウントは、バイザー900をハローバンドから取り外せるようにするものである。好ましくは、バイザーをヘルメットにオプションで追加できるだけでなく、交換や洗浄のために取り外すこともできるように、繰り返し取り外し可能な方法である。バイザー900は、ツールを使用せずにハローに取り外し可能に取り付けられ、ハローから取り外すことができるか、或いは、コインやドライバーなどのツールが使用され得るクイックリリース構成である。バイザー900は、格納された高い状態と展開された低い状態との間で移動できる。格納された状態では、バイザー900は、着用者の視界に入らないのが好ましい。展開された状態では、バイザー900は、着用者の目の上に来るのが好ましい。格納状態では、バイザーはキャッチ902によって格納状態に保持される。キャッチ902は、バイザー900が展開状態まで回転するのを防ぐ。キャッチ900はバイザー900から解放され、バイザー900が下向きに回転できるようにするために、まずバイザー900を上向きに押してキャッチ902をバイザーから切り離す。したがって、バイザーは、押して格納し、押して解放するバイザーとして動作すると考えられる。好ましくは、アーム903がハローバンドから延在して、キャッチの位置を決める。アーム903はハローバンドから取り外し可能である。これは、ツールを使用せずに、或いは、コインやドライバーなどのツールが使用され得るクイックリリース構成として可能である。アーム903は、着用者の頭部の前方に設けられている。
【0275】
第2のバイザーも設けられ得る。第2のバイザーはフェイスシールド/ガードであり、着用者の顔のより広い領域を保護し得る。これは、好ましくは、ヘルメットシェルに、906のように回転式に固定される。これは、好ましくは、ヘルメットシェルの下に押し込まれた格納状態から、ヘルメットシェルとサブアセンブリとの中間に移動される。
【0276】
内側の「バイザー」はアイプロテクター(目の保護具)であり、一定の保護領域を提供する必要がある。外側の「バイザー」は、規格ではフェイスシールド/ガードと呼ばれ、画定された/より広い保護領域を提供する必要がある。
【0277】
前述した説明において、既知の均等物を有する要素または完全体(integer)に言及されている場合、そのような均等物は、個別に記載されているかのように含まれる。
【0278】
本発明は、例として、また特定の実施形態を参照して説明されているが、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、変更および/または改良が可能であることは理解されるはずである。
【0279】
さらに、本発明の特徴または側面がマーカシュ群の観点から説明されている場合、当業者は、本発明がマーカシュ群の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの観点からも説明されていることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0280】
100 ヘルメットシェル
101 背面(back)領域
102a、b サイド領域
103 前方(front)領域
104 頂部(top)領域
105 開口部
106 内側
200 ライナー
201 外側
202 内側
203 ライニング
300 ハロー
301 ハローバンド
302 ハローアンカー
303 機械式締結部
304 アンカー領域
305a~d ハローアーチ
310 フレームアンカーポイント
400 サブアセンブリ
500 フレーム、フレーム部材、フレーム半体
501 フレームコネクタ
508 部材
508 差し込み嵌合構成(bayonet fitting configuration)、差し込み部材
520 アンカーポイント
530 コネクタ
600 衝撃吸収パネル
601 アンカーポイント
602、603 コネクタ
602a 衝撃吸収要素
603 開口部、インターコネクタ
604 ベース(底部)
605 側壁、カップ
700 頭部バンド
701 調整機構
702 頭部バンドコネクタ
801A~C ストラップアンカー
900 バイザー、キャッチ、アイプロテクター
901A、B ピボットマウント(pivot mounts)
902 キャッチ
903 アーム
1000 ヘルメット
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
【国際調査報告】