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特表2025-502588DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法
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  • 特表-DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法
(51)【国際特許分類】
   F01D 17/24 20060101AFI20250121BHJP
   F01D 17/10 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
F01D17/24 N
F01D17/10 C
F01D17/24 F
F01D17/24 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024519686
(86)(22)【出願日】2023-10-31
(85)【翻訳文提出日】2024-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2023128612
(87)【国際公開番号】W WO2024120074
(87)【国際公開日】2024-06-13
(31)【優先権主張番号】202211573195.X
(32)【優先日】2022-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.MATLAB
(71)【出願人】
【識別番号】524120376
【氏名又は名称】云南電力試験研究院(集団)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宋小竜
(72)【発明者】
【氏名】劉友寛
(72)【発明者】
【氏名】伍陽陽
(72)【発明者】
【氏名】文天舒
(72)【発明者】
【氏名】袁華宇
【テーマコード(参考)】
3G071
【Fターム(参考)】
3G071BA09
3G071BA33
3G071DA05
3G071EA03
3G071EA06
3G071EA07
3G071FA03
3G071FA05
3G071FA06
3G071HA04
3G071JA04
(57)【要約】
本発明は、DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法に関し、火力発電所の熱自動制御の技術分野に属する。該システムは、データ収集モジュール、データ処理モジュール、単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正モジュール、シーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正モジュールから構成されr、本発明は、蒸気タービンの制御バルブ非線形補償データを提供し、DEH制御線形補正を実施した後、ユニット負荷後蒸気タービンの総合バルブ位置指令変化は、発生した蒸気流量およびユニット負荷に線形に対応して変化するのが保証され、ユニット負荷制御の迅速性および安定性が向上し、ユニット負荷制御の振動の発生を防止し、ユニットAGCと一次周波数変調の制御品質の向上に良好な促進作用があり、火力発電ユニットの安全、安定、経済的、信頼性の高い運転に重要な意義がある。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ収集:ユニットをDEHバルブ制御モードに切り替え、ユニットの一次周波数変調制御を切り替え、ユニットのAGC制御を切り替え、機械と炉の協調制御を手動に切り替え、ユニット燃料自動を切り替え、吸気酸素自動を切り替え、ユニット主蒸気温度自動、給水自動、炉圧自動を入れ、単一高圧制御バルブ100~0%および0~100%の単一ステップ5%のステップ外乱を行い、ある制御バルブが動作しているとき、他の制御バルブはすべて開いており、単一高圧制御バルブの動作が完了した後すべての制御バルブを全開に保ち、その後5%のステップでシーケンスバルブ投入の逆順序に従って最終段階で制御バルブを全開に保つまで制御バルブを徐々に閉じ、調整過程全体中のユニット負荷、機械前主蒸気圧力、調圧器圧力、主蒸気温度および調圧器後温度を記録するステップ(1)と、
流量特性曲線計算:ステップ(1)で得られたデータを用いて、フリューゲル式に従って各高圧制御バルブ流量特性曲線を計算するステップ(2)と、
単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正:単一バルブ制御モードで、実際の単一バルブ正規化相対流量を計算し、実際の単一バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)、DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、高次連続関数y=f(x)を利用して総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するステップ(3)と、
シーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正:シーケンスバルブ制御モードで、すべての制御バルブの全開から全閉までa個のステップがあり、バルブ全開の場合、最終段階全開まで閉じ順序に従ってバルブを順次閉じる過程中、発生した変曲点数がa-1であり、変曲点に対応する相対流量yを計算するステップ(4)と、を含み、
DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、
実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、
変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正する、ことを特徴とするDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法。
【請求項2】
ステップ(1)において、記録時、記録サンプリング間隔は1sである、ことを特徴とする請求項1に記載のDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法。
【請求項3】
ステップ(2)は、具体的に、
ユニットがi番目の高圧調整バルブ開度j下で、j∈[0、100%]、該高圧調整バルブ前後の
高圧調整バルブ前後の蒸気温度に基づいて補正し、
ここで、PTijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の機械前主蒸気圧力であり、単位MPa、
P1ijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の調圧器圧力であり、単位MPa、
TSijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の機械前主蒸気温度であり、単位℃、
T1ijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の調圧器後温度であり、単位℃である。
試験範囲内の相対流量を0~100%正規化し:
ここで、FRij%はi番目の高圧制御バルブ開度jの時の相対流量であり、
Ri0はi番目の高圧制御バルブのバルブ開度0%時の補正後蒸気圧力比であり、
Ri100はi番目の高圧制御バルブのバルブ開度100%時の補正後蒸気圧力比であり、
得られた相対流量に基づいて、i番目の高圧制御バルブ流量特性曲線を描く、ことを特徴とする請求項1に記載のDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法。
【請求項4】
ステップ(3)において、実際の単一バルブ正規化相対流量を計算することは、具体的に、
ここで、
は実際の単一バルブ正規化相対流量であり、iは高圧調整バルブ数であり、jは高圧調整バルブ開度であり、j∈[0、100%]、
DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Ynは離散統合されたバルブ位置指令であり、XnはYnに対応するバルブ開度であり、実際の単一バルブ正規化相対流量
をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)を得、
ポリゴン関数中のXnを上記フィッティング後の高次連続関数に代入し、補正後の総合バルブ位置指令Yn’を得、または逆関数法x=f-1(y)により、ポリゴン関数中のYnを高次連続関数を解くことに代入し、補正後のバルブ開度Xn’を得る、ことを特徴とする請求項3に記載のDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法。
【請求項5】
ステップ(4)の方法は具体的に、
シーケンスバルブ制御モードで、すべての制御バルブの全開から全閉までa個のステップがあり、バルブ全開の場合、最終段階全開まで閉じ順序に従ってバルブを順次閉じる過程中、発生した変曲点数がa-1であり、最初に閉じたバルブに対応する変曲点番号がm=1であり、2番目に閉じたバルブに対応する変曲点番号がm=2であり、以降同様であり、最後の変曲点番号がm=a-1であり、
変曲点に対応する相対流量yを計算し、
式において、Pはm番目の変曲点に対応するユニット負荷であり、Pはバルブ全開時のユニット負荷であり、
DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、
実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量FRij%をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、
変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得ることは、具体的に、
1、各変曲点の総合バルブ位置指令および相対流量を決定し、すなわち、ポリゴン関数からすべての変曲点の総合バルブ位置指令を見つけ、計算された変曲点に対応する相対流量に対応させ、
2、総合バルブ位置が[0,a-1番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、a-1番目の変曲点に対応する相対流量を乗じることで、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、
3、総合バルブ位置が(a-1番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令,a-2番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、ここで、全開した高圧制御バルブを除外し、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、(a-2番目の変曲点に対応する相対流量-a-1番目の変曲点に対応する相対流量)+a-1番目の変曲点に対応する相対流量を乗じ、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、以降同様であり、
4、総合バルブ位置が(第1変曲点に対応する総合バルブ位置指令,1]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、ここで、全開した高圧制御バルブを除外し、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、(第1変曲点に対応する相対流量-第2変曲点に対応する相対流量)+第2変曲点に対応する相対流量を乗じ、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、
その後、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正する、ことを特徴とする請求項3に記載のDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法。
【請求項6】
対照関係において理論曲線からの偏差が最も大きい点を補正する、ことを特徴とする請求項5に記載のDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載のDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法を採用する、DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正するシステムであって、
試験過程中、ユニット負荷、機械前主蒸気圧力、調圧器圧力、主蒸気流量、給水流量、主蒸気脱熱水流量、主蒸気温度、再熱蒸気温度、蒸気ドラム圧力および蒸気タービン全エネルギー流量を収集するように構成されたデータ収集モジュールと、
データ収集モジュールによって収集されたデータに基づいて、フリューゲル式を利用して各高圧制御バルブ流量特性曲線を計算するように構成されたデータ処理モジュールと、
実際の単一バルブ正規化相対流量を計算し、実際の単一バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)を得、DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、高次連続関数y=f(x)を利用して総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するように構成された単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正モジュールと、
変曲点に対応する相対流量yを計算し、DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するように構成されたシーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正モジュールと、を備える、ことを特徴とするDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電所の熱自動制御の技術分野に関し、具体的に、DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「カーボンピーク・カーボンニュートラル」の目標の提案により、風力発電と太陽光発電を主体とする新しいタイプの電力システムが構築されつつある。風力発電と太陽光発電の変動性と不確実性の影響を受け、大規模な新エネルギー系統連系は多くの問題をもたらし、特に顕著なのは周波数の問題である。風力発電と太陽光発電の系統連系がもたらす周波数問題は、一方ではそれぞれの出力特性、変動性、不確実性によって引き起こされ、他方では回転慣性の欠如と調整後のサグ調整の問題によって、周波数のさらなる悪化につながる。高品質のFM資源である火力発電ユニットは、基本的に約30秒でその場に反応することができ、より大きな慣性モーメントを頼りに、より高いFM効果を確保することができる。
【0003】
火力発電設備は、新電力システムの「バラスト」として良い役割を果たすだけでなく、現在の新電力システムは建設に不可欠な部分でもある。大多数のユニットのバルブ特性曲線は、タービンが工場から出荷されるときに策定された特性曲線に拡張されており、各発電企業がタービンのバルブをオーバーホールするユニットのオーバーホールを考慮せず、バルブのストロークが多かれ少なかれ調整され、バルブの流量特性が変化し、特性曲線の実験的補正が行われず、元の特性曲線が使用され続けているため、DCSで使用されるバルブ流量特性曲線は実際のバルブ流量特性と一致せず、ユニットの統合バルブ位置指令は、発生蒸気流量とユニット負荷に対して大きな非線形性を示し、火力発電ユニットの一次FMの応答速度と調整効果に大きな影響を与える。DEHバルブの流量特性を再発見し、シングルバルブとシーケンスバルブの制御パラメータを修正することは、火力発電ユニットの一次FM能力を向上させ、新しい電力システムの安全で安定した運転を確保するために大きな意義がある。従って、火力発電所の熱自動化制御技術の分野では、既存技術の欠点をどのように克服するかが解決すべき課題である。
【発明の概要】
【0004】
DCSで使用されるバルブ流量特性曲線は実際のバルブ流量特性と一致せず、ユニットの総合バルブ位置指令変化は発生した蒸気流量およびユニット負荷に対して大きな非線形を示し、火力発電ユニットの一次周波数変調応答速度および調整効果に影響を与え、この問題は解決されていない。本発明の目的は、先行技術の欠点を解決するために、DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法を提供し、試験によりユニットDEHバルブ流量特性を分析し、バルブ流量特性曲線を確立し、単一バルブとシーケンスバルブの制御パラメータを補正することにより、ユニットの総合バルブ位置指令変化は発生した蒸気流量およびユニット負荷に対してほぼ線形関係を示す。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明で採用した技術的解決策は以下の通りである。
【0006】
DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法は、
データ収集:ユニットをDEHバルブ制御モードに切り替え、ユニットの一次周波数変調制御を切り替え、ユニットのAGC制御を切り替え、機械と炉の協調制御を手動に切り替え、ユニット燃料自動を切り替え、吸気酸素自動を切り替え、ユニット主蒸気温度自動、給水自動、炉圧自動を入れ、単一高圧制御バルブ100~0%および0~100%の単一ステップ5%のステップ外乱を行い、ある制御バルブが動作しているとき、他の制御バルブはすべて開いており、単一高圧制御バルブの動作が完了した後すべての制御バルブを全開に保ち、その後5%のステップでシーケンスバルブ投入の逆順序に従って最終段階で制御バルブを全開に保つまで制御バルブを徐々に閉じ、調整過程全体中のユニット負荷、機械前主蒸気圧力、調圧器圧力、主蒸気温度および調圧器後温度を記録するステップ(1)と、
流量特性曲線計算:ステップ(1)で得られたデータを用いて、フリューゲル式に従って各高圧制御バルブ流量特性曲線を計算するステップ(2)と、
単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正:単一バルブ制御モードで、実際の単一バルブ正規化相対流量を計算し、実際の単一バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)、DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、高次連続関数y=f(x)を利用して総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するステップ(3)と、
シーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正:シーケンスバルブ制御モードで、すべての制御バルブの全開から全閉までa個のステップがあり、バルブ全開の場合、最終段階全開まで閉じ順序に従ってバルブを順次閉じる過程中、発生した変曲点数がa-1であり、変曲点に対応する相対流量yを計算するステップ(4)と、を含み、
DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、
実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、
変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正する。
【0007】
さらに、好ましくは、ステップ(1)において、記録時、記録サンプリング間隔は1sである。
【0008】
さらに、好ましくは、ステップ(2)は、具体的に、
ユニットがi番目の高圧調整バルブ開度j下で、j∈[0、100%]、該高圧調整バルブ前後の
高圧調整バルブ前後の蒸気温度に基づいて補正し、
ここで、PTijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の機械前主蒸気圧力であり、単位MPa、
P1ijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の調圧器圧力であり、単位MPa、
TSijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の機械前主蒸気温度であり、単位℃、
T1ijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の調圧器後温度であり、単位℃である。
【0009】
試験範囲内の相対流量を0~100%正規化し:
ここで、FRij%はi番目の高圧制御バルブ開度jの時の相対流量であり、
Ri0はi番目の高圧制御バルブのバルブ開度0%時の補正後蒸気圧力比であり、
Ri100はi番目の高圧制御バルブのバルブ開度100%時の補正後蒸気圧力比であり、
得られた相対流量に基づいて、i番目の高圧制御バルブ流量特性曲線を描く。
【0010】
さらに、好ましくは、ステップ(3)において、実際の単一バルブ正規化相対流量を計算することは、具体的に、
ここで、
は実際の単一バルブ正規化相対流量であり、iは高圧調整バルブ数であり、jは高圧調整バルブ開度であり、j∈[0、100%]、
DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Ynは離散統合されたバルブ位置指令であり、XnはYnに対応するバルブ開度であり、実際の単一バルブ正規化相対流量
をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)を得、
ポリゴン関数中のXnを上記フィッティング後の高次連続関数に代入し、補正後の総合バルブ位置指令Yn’を得、または逆関数法x=f-1(y)により、ポリゴン関数中のYnを高次連続関数を解くことに代入し、補正後のバルブ開度Xn’を得る。
【0011】
さらに、好ましくは、ステップ(4)の方法は具体的に、
シーケンスバルブ制御モードで、すべての制御バルブの全開から全閉までa個のステップがあり、バルブ全開の場合、最終段階全開まで閉じ順序に従ってバルブを順次閉じる過程中、発生した変曲点数がa-1であり、最初に閉じたバルブに対応する変曲点番号がm=1であり、2番目に閉じたバルブに対応する変曲点番号がm=2であり、以降同様であり、最後の変曲点番号がm=a-1であり、
変曲点に対応する相対流量yを計算し、
式において、Pはm番目の変曲点に対応するユニット負荷であり、Pはバルブ全開時のユニット負荷であり、
DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、
実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量FRij%をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、
変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得ることは、具体的に、
1、各変曲点の総合バルブ位置指令および相対流量を決定し、すなわち、ポリゴン関数からすべての変曲点の総合バルブ位置指令を見つけ、計算された変曲点に対応する相対流量に対応させ、
2、総合バルブ位置が[0,a-1番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、a-1番目の変曲点に対応する相対流量を乗じることで、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、
3、総合バルブ位置が(a-1番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令,a-2番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、ここで、全開した高圧制御バルブを除外し、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、(a-2番目の変曲点に対応する相対流量-a-1番目の変曲点に対応する相対流量)+a-1番目の変曲点に対応する相対流量を乗じ、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、以降同様であり、
4、総合バルブ位置が(第1変曲点に対応する総合バルブ位置指令,1]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、ここで、全開した高圧制御バルブを除外し、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、(第1変曲点に対応する相対流量-第2変曲点に対応する相対流量)+第2変曲点に対応する相対流量を乗じ、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、
その後、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正する。
【0012】
さらに、好ましくは、対照関係において理論曲線からの偏差が最も大きい点を補正する。
【0013】
本発明は同時にDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正するシステムを提供し、上記DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法を採用し、
試験過程中、ユニット負荷、機械前主蒸気圧力、調圧器圧力、主蒸気流量、給水流量、主蒸気脱熱水流量、主蒸気温度、再熱蒸気温度、蒸気ドラム圧力および蒸気タービン全エネルギー流量を収集するように構成されたデータ収集モジュールと、
データ収集モジュールによって収集されたデータに基づいて、フリューゲル式を利用して各高圧制御バルブ流量特性曲線を計算するように構成されたデータ処理モジュールと、
実際の単一バルブ正規化相対流量を計算し、実際の単一バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)を得、DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、高次連続関数y=f(x)を利用して総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するように構成された単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正モジュールと、
変曲点に対応する相対流量yを計算し、DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するように構成されたシーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正モジュールと、を備える。
【0014】
先行技術と比較すると、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0015】
現在DCS(Distributed Control System、分散制御システム)で使用されるバルブ流量特性曲線は実際のバルブ流量特性と一致せず、ユニットの総合バルブ位置指令変化は発生した蒸気流量およびユニット負荷に対して大きな非線形を有し、一次周波数変調の過度調整または調整不足が深刻になり、協調制御システムは逆調整効果を生じ、ひいては系統低周波発振を誘発し、本発明は、DEH(Digital Electro-Hydraulic、蒸気タービン用デジタル電気油圧制御システム)バルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法を提案する。
【0016】
本発明の方法は実地試験データに基づいており、得られた結果はより的を射た実用的なものであり、ユニットの実際の状況によく適応することができ、本発明の方法の試験時間は約2時間であり、試験工程は簡単で操作しやすく、相対流量計アルゴリズムとカーブフィッティングの方法は、他の方法と比べて、より明確で、直感的で、時間を節約することができ、異なる火力発電ユニットに適用でき、普遍的に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】蒸気タービンバルブノズルの配置を示す図である。
図2】正規化後総合バルブ位置指令と相対流量の理論および実際の対応関係を示す図である。
図3】本発明のDEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正するシステムの構造を示す概略図である。矢印方向はデータまたは信号方向である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下で、実施例に関連して本発明をさらに詳細に説明する。
【0019】
当業者であれば、以下の実施例は本発明を説明する目的でのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。実施例では、具体的な技術または条件が示されていない場合、本分野内の文献に記載されている技術または条件または製品仕様書に従うものである。使用される材料または装置にメーカの記載がない場合、購入により入手可能な従来品である。
【0020】
実施例1
DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法は、
データ収集:ユニットをDEHバルブ制御モードに切り替え、ユニットの一次周波数変調制御を切り替え、ユニットのAGC制御を切り替え、機械と炉の協調制御を手動に切り替え、ユニット燃料自動を切り替え、吸気酸素自動を切り替え、ユニット主蒸気温度自動、給水自動、炉圧自動を入れ、単一高圧制御バルブ100~0%および0~100%の単一ステップ5%のステップ外乱を行い、ある制御バルブが動作しているとき、他の制御バルブはすべて開いており、単一高圧制御バルブの動作が完了した後すべての制御バルブを全開に保ち、その後5%のステップでシーケンスバルブ投入の逆順序に従って最終段階で制御バルブを全開に保つまで制御バルブを徐々に閉じ、調整過程全体中のユニット負荷、機械前主蒸気圧力、調圧器圧力、主蒸気温度および調圧器後温度を記録するステップ(1)と、
流量特性曲線計算:ステップ(1)で得られたデータを用いて、フリューゲル式に従って各高圧制御バルブ流量特性曲線を計算するステップ(2)と、
単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正:単一バルブ制御モードで、実際の単一バルブ正規化相対流量を計算し、実際の単一バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)、DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、高次連続関数y=f(x)を利用して総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するステップ(3)と、
シーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正:シーケンスバルブ制御モードで、すべての制御バルブの全開から全閉までa個のステップがあり、バルブ全開の場合、最終段階全開まで閉じ順序に従ってバルブを順次閉じる過程中、発生した変曲点数がa-1であり、変曲点に対応する相対流量yを計算するステップ(4)と、を含み、
DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、
実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、
変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正する。
【0021】
実施例2
DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法は、
データ収集:ユニットをDEHバルブ制御モードに切り替え、ユニットの一次周波数変調制御を切り替え、ユニットのAGC制御を切り替え、機械と炉の協調制御を手動に切り替え、ユニット燃料自動を切り替え、吸気酸素自動を切り替え、ユニット主蒸気温度自動、給水自動、炉圧自動を入れ、単一高圧制御バルブ100~0%および0~100%の単一ステップ5%のステップ外乱を行い、ある制御バルブが動作しているとき、他の制御バルブはすべて開いており、単一高圧制御バルブの動作が完了した後すべての制御バルブを全開に保ち、その後5%のステップでシーケンスバルブ投入の逆順序に従って最終段階で制御バルブを全開に保つまで制御バルブを徐々に閉じ、調整過程全体中のユニット負荷、機械前主蒸気圧力、調圧器圧力、主蒸気温度および調圧器後温度を記録するステップ(1)と、
流量特性曲線計算:ステップ(1)で得られたデータを用いて、フリューゲル式に従って各高圧制御バルブ流量特性曲線を計算するステップ(2)と、
単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正:単一バルブ制御モードで、実際の単一バルブ正規化相対流量を計算し、実際の単一バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)、DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、高次連続関数y=f(x)を利用して総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するステップ(3)と、
シーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正:シーケンスバルブ制御モードで、すべての制御バルブの全開から全閉までa個のステップがあり、バルブ全開の場合、最終段階全開まで閉じ順序に従ってバルブを順次閉じる過程中、発生した変曲点数がa-1であり、変曲点に対応する相対流量yを計算するステップ(4)と、を含み、
DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、
実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、
変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正する。
【0022】
ステップ(1)において、記録時、記録サンプリング間隔は1sであるユニットがi番目の高圧調整バルブ開度j下で、j∈[0、100%]、該高圧調整バルブ前後の
高圧調整バルブ前後の蒸気温度に基づいて補正し、補正後の
ここで、PTijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の機械前主蒸気圧力であり、単位MPa、
P1ijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の調圧器圧力であり、単位MPa、
TSijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の機械前主蒸気温度であり、単位℃、
T1ijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の調圧器後温度であり、単位℃である。
【0023】
試験範囲内の相対流量を0~100%正規化し:
ここで、FRij%はi番目の高圧制御バルブ開度jの時の相対流量であり、
Ri0はi番目の高圧制御バルブのバルブ開度0%時の補正後蒸気圧力比であり、
Ri100はi番目の高圧制御バルブのバルブ開度100%時の補正後蒸気圧力比であり、
得られた相対流量に基づいて、i番目の高圧制御バルブ流量特性曲線を描く。
【0024】
ステップ(3)において、実際の単一バルブ正規化相対流量を計算することは、具体的に、
ここで、
は実際の単一バルブ正規化相対流量であり、iは高圧調整バルブ数であり、jは高圧調整バルブ開度であり、j∈[0、100%]、
DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Ynは離散統合されたバルブ位置指令であり、XnはYnに対応するバルブ開度であり、実際の単一バルブ正規化相対流量
をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)を得、
ポリゴン関数中のXnを上記フィッティング後の高次連続関数に代入し、補正後の総合バルブ位置指令Yn’を得、または逆関数法x=f-1(y)により、ポリゴン関数中のYnを高次連続関数を解くことに代入し、補正後のバルブ開度Xn’を得る。
【0025】
ステップ(4)の具体方法:
シーケンスバルブ制御モードで、すべての制御バルブの全開から全閉までa個のステップがあり、バルブ全開の場合、最終段階全開まで閉じ順序に従ってバルブを順次閉じる過程中、発生した変曲点数がa-1であり、最初に閉じたバルブに対応する変曲点番号がm=1であり、2番目に閉じたバルブに対応する変曲点番号がm=2であり、以降同様であり、最後の変曲点番号がm=a-1であり、
変曲点に対応する相対流量yを計算し、
式において、Pはm番目の変曲点に対応するユニット負荷であり、Pはバルブ全開時のユニット負荷であり、
DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、
実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量FRij%をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、
変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得ることは、具体的に、
1、各変曲点の総合バルブ位置指令および相対流量を決定し、すなわち、ポリゴン関数からすべての変曲点の総合バルブ位置指令を見つけ、計算された変曲点に対応する相対流量に対応させ、
2、総合バルブ位置が[0,a-1番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、a-1番目の変曲点に対応する相対流量を乗じることで、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、
3、総合バルブ位置が(a-1番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令,a-2番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、ここで、全開した高圧制御バルブを除外し、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、(a-2番目の変曲点に対応する相対流量-a-1番目の変曲点に対応する相対流量)+a-1番目の変曲点に対応する相対流量を乗じ、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、以降同様であり、
4、総合バルブ位置が(第1変曲点に対応する総合バルブ位置指令,1]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、ここで、全開した高圧制御バルブを除外し、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、(第1変曲点に対応する相対流量-第2変曲点に対応する相対流量)+第2変曲点に対応する相対流量を乗じ、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、
その後、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正する。
【0026】
対照関係において理論曲線からの偏差が最も大きい点を補正する。
【0027】
図3に示すように、DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正するシステムは、上記DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法を採用し、
試験過程中、ユニット負荷、機械前主蒸気圧力、調圧器圧力、主蒸気流量、給水流量、主蒸気脱熱水流量、主蒸気温度、再熱蒸気温度、蒸気ドラム圧力および蒸気タービン全エネルギー流量を収集するように構成されたデータ収集モジュール101と、
データ収集モジュールによって収集されたデータに基づいて、フリューゲル式を利用して各高圧制御バルブ流量特性曲線を計算するように構成されたデータ処理モジュール102と、
実際の単一バルブ正規化相対流量を計算し、実際の単一バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、高次連続関数y=f(x)を得、DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、高次連続関数y=f(x)を利用して総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するように構成された単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正モジュール103と、
変曲点に対応する相対流量yを計算し、DCSでシーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、Yqiは離散統合されたバルブ位置指令であり、Xqiは対応のバルブ開度であり、実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正するように構成されたシーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータ補正モジュール104と、を備える。
【0028】
実施例3
DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法は、以下のステップを含み:
(一)現場試験。試験ユニットの有効出力をバルブ全開時の負荷Peにし、ユニットをDEHバルブ制御モードに切り替え、ユニットの一次周波数変調制御を切り替え、切りユニットのAGC制御、機械と炉の協調制御を手動に切り替え、ユニット燃料自動を切り替え、吸気酸素自動を切り替え、ユニット主蒸気温度自動、給水自動、炉圧自動を入れ、単一高圧制御バルブ100~0%および0~100%の単一ステップ5%のステップ外乱を行い、ある制御バルブが動作しているとき、他の制御バルブはすべて開いており、単一高圧制御バルブの動作が完了した後すべての制御バルブを全開に保ち、その後5%のステップでシーケンスバルブ投入の逆順序に従って最終段階で制御バルブを全開に保つまで制御バルブを徐々に閉じ、調整過程中のユニット負荷P、機械前主蒸気圧力PT、調圧器圧力P1、主蒸気温度TS、調圧器後温度T1などの重要なパラメータを記録する。
【0029】
(二)適切なDEHバルブ流量特性の数値計算方法を選択し、ユニットがi番目の高圧調整バルブ開度j(j∈[0、100%])下で、該高圧調整バルブ前後の
異なる境界条件は高圧調整バルブ前後の蒸気温度に基づいて補正した後の
よりも大きいはずである。
ここで、PTijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の機械前主蒸気圧力であり、単位MPa、
P1ijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の調圧器圧力であり、単位MPa、
TSijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の機械前主蒸気温度であり、単位℃、
T1ijはi番目の高圧制御バルブ開度jの時の調圧器後温度であり、単位℃である。
【0030】
試験範囲内の相対流量を0~100%正規化し:
ここで、FRij%はi番目の高圧制御バルブ開度jの時の相対流量であり、
Ri0はi番目の高圧制御バルブのバルブ開度0%時の補正後蒸気圧力比であり、
Ri100はi番目の高圧制御バルブのバルブ開度100%時の補正後蒸気圧力比である。
【0031】
(三)単一バルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータを補正する。単一バルブ運転モード下で、蒸気は高圧調整バルブおよびノズル室を通過し、360℃全周の調圧段ベーンに入り、調圧段ベーンが均一に加熱され、調圧段ベーンの応力分布が効果的に改善され、ユニットは比較的早く負荷を変えることができ、その時、すべての調整バルブは同じ開度で部分的に開く(例えば、単一バルブモードにおける各バルブの開度は50%で同じように開く)。この場合、実際の単一バルブ正規化相対流量は、
であり、ここで、
は実際の単一バルブ正規化相対流量であり、iは高圧調整バルブ数であり、jは高圧調整バルブ開度であり、(j∈[0、100%])、
DCSで現在ユニット単一バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、重要なパラメータは離散統合されたバルブ位置指令Ynおよび対応のバルブ開度Xnであり、ここでのYnとXnはすべて正規化後の値である。
【0032】
matlabでpolyfit関数およびpolyval関数を呼び出し、離散された
を高次連続関数y=f(x)にフィッティングする。正規化後のXnを上記フィッティング後の関数に代入して補正後の総合バルブ位置指令Yn’を求めることができる。または、逆関数法x=f-1(y)を通じて、Ynを高次連続関数の解くことに代入して補正後のバルブ開度Xn’を得ることができる。
【0033】
(四)シーケンスバルブ制御モードの各分岐高圧制御バルブのパラメータを補正する。
【0034】
シーケンスバルブ制御モードで、調整バルブを予め設定された各バルブのシーケンスバルブ流量特性曲線に従って順次開き、例えば6つの高圧調整バルブを有するハルビン蒸気タービン工場が製造した300MWユニット:開き順序は、GV4とGV5同時に開き→GV6→GV3→GV2→GV1順次開き、閉じ順序は逆である。定義:シーケンスバルブ制御モードで、すべての制御バルブの全開から全閉までa個のステップがあり、例えば上記例ではaは5である。現場試験と併せて、バルブ全開の場合、閉じ順序に従って、最後段階全開までバルブを閉じ、この過程中、発生した変曲点数がa-1である。変曲点番号をmとすると、最初に閉じたバルブに対応する変曲点番号がm=1であり、最後の変曲点番号がm=a-1である。計算式は以下のとおりであり:
式において、Pはm番目の変曲点に対応するユニット負荷であり、Pはバルブ全開時のユニット負荷であり、
DCSにおいて、シーケンスバルブ制御モードで、各支制御バルブで使用されるポリゴン関数を見つけ、該関数において、重要なパラメータは離散統合されたバルブ位置指令Yqiおよび対応のバルブ開度Xqiであり、ここでのYqiとXqiはすべて正規化後の値である。
【0035】
matlabでpolyfit関数およびpolyval関数を呼び出し、実際の各高圧制御バルブ正規化相対流量FRij%をy、対応のバルブ開度をxとしてフィッティングし、各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)を得、iはi番目の高圧制御バルブであり、
変曲点に対応する相対流量yおよび各高圧制御バルブ高次連続関数y=f(x)、ポリゴン関数に基づいて、総合バルブ位置と相対流量の対照関係を計算して得ることは、具体的に、
1、各変曲点の総合バルブ位置指令および相対流量を決定し、すなわち、ポリゴン関数からすべての変曲点の総合バルブ位置指令を見つけ、計算された変曲点に対応する相対流量に対応させ、
2、総合バルブ位置が[0,a-1番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、a-1番目の変曲点に対応する相対流量を乗じることで、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、
3、総合バルブ位置が(a-1番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令,a-2番目の変曲点に対応する総合バルブ位置指令]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、ここで、全開した高圧制御バルブを除外し、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、(a-2番目の変曲点に対応する相対流量-a-1番目の変曲点に対応する相対流量)+a-1番目の変曲点に対応する相対流量を乗じ、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、以降同様であり、
4、総合バルブ位置が(第1変曲点に対応する総合バルブ位置指令,1]の範囲内にある場合、該総合バルブ位置をxとしてこの範囲内で開く必要のある各高圧制御バルブの高次連続関数に代入し、対応のy値を求め、ここで、全開した高圧制御バルブを除外し、その後、該総合バルブ位置下でこの範囲内で開く必要のあるすべての高圧制御バルブのy値の平均値を求め、(第1変曲点に対応する相対流量-第2変曲点に対応する相対流量)+第2変曲点に対応する相対流量を乗じ、該総合バルブ位置に対応する実際の相対流量を得、
その後、該対照関係に基づいて、総合バルブ位置指令またはバルブ開度を補正する。
【0036】
応用実施例
DEHバルブ流量特性に基づいて単一バルブおよびシーケンスバルブパラメータを補正する方法は、以下のステップを含み:
(一)現場試験を行い、ある300MW石炭火力発電ユニットを例にして、蒸気タービン製造工場およびモデルは東方蒸気タービン工場/N300-16.7/537/537であり、蒸気タービンバルブノズル配置は図1に示す通りで、合計4つの高圧制御バルブがあり、シーケンスバルブモードで開き順序はGV1、GV2が同時に開き→GV3→GV4である。
【0037】
試験条件下でバルブ全開時負荷は基本的に約250MWで安定し、ユニットをDEHバルブ制御モードに切り替え、ユニットの一次周波数変調制御に切り替え、ユニットのAGC制御に切り替え、機械と炉の協調制御を手動に切り替え、ユニット燃料自動を切り替え、吸気酸素自動を切り替え、ユニット主蒸気温度自動、給水自動、炉圧自動を入れ、単一高圧制御バルブ100~0%および0~100%の単一ステップ5%のステップ外乱を行う。
【0038】
収集した結果、PT=[11.899 11.8343 11.8025 11.7816 11.739 11.7289 11.7083 11.6877 11.6877 11.6701 11.6701 11.6701 11.6701 11.6814 11.7033 11.7558 11.8018 11.8805 11.9997 12.0799 12.2543、12.3165 12.3985 12.4289 12.4617 12.4929 12.5034 12.5518 12.5518 12.5518 12.5518 12.5518 12.5518 12.5518 12.5317 12.5216 12.501 12.48 12.4684 12.4578 12.3699 12.2543]。
【0039】
P1=[9.9086 9.8544 9.8207 9.7987 9.7775 9.7569 9.732 9.7196 9.7196 9.7013 9.691 9.691 9.68 9.6661 9.6434 9.6075 9.5255 9.3966 9.2201 9.2046 9.3225、10.2512 10.3149 10.353 10.375 10.4131 10.4131 10.4468 10.4468 10.4468 10.4468 10.4468 10.4321 10.4168 10.3809 10.3289 10.2249 10.0806 9.8572 9.5723 9.4273 9.3225]。
【0040】
TS=[533.3653 533.1078 533.3224 533.3224 533.923 534.1805 534.9099 535.6393 536.4116 537.2269 537.5272 538.1709 538.5142 538.9861 539.2436 539.2865 539.2865 539.2865 539.501 539.7156539.9302、529.847 526.8438 526.5863 526.3718 526.3718 526.8438 527.616 528.3025 529.5038 531.1342 532.4213 533.9659 535.5964 536.8836 538.2138 539.0291 539.501 539.9731 539.9731 539.9302 539.9302]。
【0041】
T1=[510.0246 510.0246 510.282 510.282 510.6253 511.226 512.0842 512.7278 513.3286 513.8864 514.4442 514.7875 515.1307 515.1307 515.1307 514.6158 513.4144 511.3119 507.879 506.5057 505.8191、506.8061 503.7591 503.4587 502.9866 502.9866 503.2441 503.7591 504.36 505.2612 506.377 507.8361 508.9518 510.2391 511.5693 512.17 512.213 511.3548 509.3809 506.8061 505.8191 505.8191]。
【0042】
以上は、1番目の高圧制御バルブを例にして収集されたデータであり、他の3つの高圧制御バルブが収集したデータと同様であり、繰り返さない。
【0043】
シーケンスバルブ開きの反対方向に従って閉じるとき、ユニット負荷変化は、253.86MW→237.35MW→187.85MWである。
【0044】
(二)式から計算した結果、FR1j%=[1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 0.986 0.968 0.942 0.890 0.794 0.650 0.416 0.100 0.015 0.000]、ここで、jは(100%、5%、0)、すなわち、100から始まり、5間隔で0まで減少すると、以下のような21個の数字がある。FR2j%=[1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 0.995 0.984 0.945 0.888 0.794 0.639 0.413 0.105 0.023 0.000]。FR3j%=[1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 0.993 0.983 0.959 0.918 0.849 0.697 0.488 0.213 0.032 0.000]。FR4j%=[1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 0.993 0.984 0.962 0.926 0.860 0.756 0.586 0.360 0.094 0.032 0.000]。
【0045】
(三)単一バルブ制御パラメータを補正する。
【0046】
式から計算した結果、FR単一バルブj%=[1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 1.000 0.998 0.990 0.974 0.943 0.889 0.798 0.643 0.419 0.128 0.026 0.000]。
【0047】
DCSから見つけた元の単一バルブ正規化制御パラメータは表1に示される。
matlabフィッティング関数により、例えば5次の多項式関数を選択してフィッティングし、得られた関数関係は、
y=-285.1282x+488.5315x-303.2191x+75.8579x-3.3862x+0.007972である。
【0048】
例えば、バルブ開度が0.228である場合、補正後の総合バルブ位置指令は0.73であるべきであり、または総合バルブ位置指令が0.829である場合、補正後のバルブ開度は0.378であるべきであり、または機能的な関係を見つけた後、カスタマイズに従ってポリゴン関数全体を変更してもよい。
【0049】
上記の原則に従って、必要に応じて単一バルブ制御パラメータを補正することができる。
【0050】
(四)シーケンスバルブ制御パラメータを補正する。
【0051】
試験データによると、2つの変曲点があり、1番目の変曲点はy1=237.35/253.86=0.9349に対応し、2番目の変曲点はy2=187.35/253.86=0.738に対応する。
【0052】
DCSで見つけた現在で使用されるシーケンスバルブ制御正規化パラメータは、表2に示される。
表2において、実際用の変曲点は、1番目は0.899、2番目は0.712であり、現場試験において測定された1番目の変曲点が0.9349、2番目が0.738である状況に近く、オーバーラップの要件も満たしているため、発電所のパラメータの大半の使用に合わせて引き続き使用することができ、本明細書で計算したものを直接使用してもよく、すなわち、表2中のGV3総合バルブ位置指令欄の0.712を0.738に置き換え、GV4中の0.899を0.9349に置き換えることもできる。
【0053】
ステップ(二)で得られた離散データをmatlabでフィッティングした結果、
=-323.0769x +550.7925x -339.4231x +84.6501x -4.1412x+0.0095559
=-301.0256x +510.1748x -315.1288x +79.1236x -3.753x+0.0095332
=-393.8462x +621.958x -354.9324x +80.9211x -2.862x+0.0025245
=-123.5897x +273.8345x -205.2558x +59.2105x -2.8227x+0.0099773
上記の表および変曲点データを参照して、各バルブ開度を上記公式に代入し、対応の相対流量を計算して得、さらに現在で使用されるシーケンスバルブパラメータ下で相対流量と総合バルブ位置指令間の対照表は表3に示される。
【0054】
具体的な計算過程は以下のとおりであり:
1、2つの変曲点の総合バルブ位置指令および相対流量を決定し、すなわち総合バルブ位置指令が0.712である場合、相対流量が0.738であり、総合バルブ位置指令が0.712である場合、相対流量が0.9349である。
【0055】
2、総合バルブ位置が0.712以下である場合、総合バルブ位置指令が0.585である場合を例にすると、元のパラメータ設定においてGV1、GV2の開度がすべて0.319であり、それぞれ上記関数関係に代入して求めた2つのy値はそれぞれ0.9207および0.923であり、2つの値の平均値に0.738を乗じて計算した結果、このパラメータ下での実際の相対流量が0.68であり、他の値は計算値を参照すればよい。
【0056】
3、総合バルブ位置が0.712を超え、0.899以下である場合、総合バルブ位置が0.835である場合を例にすると、元のパラメータ設定においてGV3の開度が0.206であり、上記関数関係に代入して求めたy値は0.718であり、この場合、GV1、GV2が全開であるため、該値0.718に(0.9349-0.738)を乗じた後0.738を加算して計算した結果、このパラメータ下での実際の相対流量が0.879であり、他の値は計算値を参照すればよい。
【0057】
4、総合バルブ位置が0.899を超える場合、総合バルブ位置が0.960である場合を例にすると、元のパラメータ設定においてGV4の開度が0.206であり、上記関数関係に代入して求めたy値は0.594であり、この場合、GV1、GV2、GV3が全開であるため、該値0.594に(1-0.9349)を乗じた後0.9349を加算して計算した結果、このパラメータ下での実際の相対流量は0.974であり、他の値は計算値を参照すればよい。
理論的に正規化後の総合バルブ位置指令と相対流量は
の関係を有し、理論的な関数と実際の曲線を同じグラフに描き、図2を参照する。
【0058】
例えば、比較した結果、総合バルブ位置が0.585である場合に対応のバルブ開度を補正する必要があることが判明され、表3から分かるように、現在で使用されるパラメータ計算で得られた相対流量は0.68であり、理論的に相対流量と総合バルブ位置指令は正比例関係を有するべきであるため、理論値は0.585であり、補正する必要があり、表2から分かるように、総合バルブ位置指令が0.585である場合、動作するのが1、2番目の高圧制御バルブだけであるため、1、2番目の高圧制御バルブを補正する必要があり、逆関数法を利用して、1、2番目の高圧制御バルブ開度は0.319から0.25に補正する必要がある。他の総合バルブ位置指令に対応するバルブ開度の補正方法は同様である。
【0059】
厳密に言えば、すべてのポイントが理論曲線上、すなわち正比例関係曲線にない限り補正することができるが、現場で一般的に最小範囲にしたがって補正し、すなわち理論曲線から顕著に偏差しているポイントのみ補正しているため、実施例では偏差が最も大いいポイントを例にして説明する。
【0060】
これまで、シーケンスバルブ制御パラメータ補正の方法を説明した。
【0061】
以上、本発明の基本原理、主要特徴および本発明の利点を示し、説明した。当業者であれば、本発明が上記実施例によって制限されなく、上記実施例および明細書の説明は本発明の原理を例示するものに過ぎず、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な変更や改良を加えることが可能であり、これらの変更および改良はすべて保護しようとする本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。本発明が保護しようとする範囲は、添付の特許請求の範囲およびその等価物によって定義されるものとする。
図1
図2
図3
【国際調査報告】