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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】二次電池及び電気機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0525 20100101AFI20250121BHJP
   H01M 4/58 20100101ALI20250121BHJP
   H01M 4/525 20100101ALI20250121BHJP
   H01M 4/505 20100101ALI20250121BHJP
   H01M 4/587 20100101ALI20250121BHJP
   H01M 4/13 20100101ALI20250121BHJP
   H01M 4/02 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
H01M10/0525
H01M4/58
H01M4/525
H01M4/505
H01M4/587
H01M4/13
H01M4/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531061
(86)(22)【出願日】2022-12-29
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2022143654
(87)【国際公開番号】W WO2024087383
(87)【国際公開日】2024-05-02
(31)【優先権主張番号】202211327819.X
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520434178
【氏名又は名称】欣旺達動力科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Sunwoda Mobility Energy Technology Co., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100166729
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 幸子
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヤオ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ミンワン
(72)【発明者】
【氏名】チャン シーフイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン バオユー
(72)【発明者】
【氏名】チェン フイ
【テーマコード(参考)】
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ03
5H029AJ05
5H029AK01
5H029AK03
5H029AL06
5H029AL07
5H029AL08
5H029HJ08
5H029HJ09
5H029HJ19
5H050AA07
5H050AA08
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA08
5H050CA09
5H050CB07
5H050CB08
5H050CB09
5H050HA08
5H050HA09
5H050HA19
(57)【要約】
本願は二次電池及び電気機器を提供し、二次電池は正極シートと負極シートとを含み、正極シートは、正極集電体と、正極集電体に配置された正極活物質層とを含み、負極シートは、負極集電体と、負極集電体に配置された負極活物質層とを含む。この二次電池は、0.5≦(σ1/σ2)/CB≦9.4を満たす。本願は面密度とCB値の関係を限定することにより、正/負極シートのリチウム脱離速度をバランスさせ、二次電池の動作中のリチウム析出や電池容量降下を防止し、二次電池の寿命を向上させた。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極集電体と、前記正極集電体に配置された正極活物質層とを含む正極シートと、
負極集電体と、前記負極集電体に配置された負極活物質層とを含む負極シートと、
を含み、
0.5≦(σ/σ)/CB≦9.4を満たし、
ここで、σは前記正極活物質層の面密度であり、単位はg/mであり、
σは前記負極活物質層の面密度であり、単位はg/mであり、
CBは前記負極シートの単位面積あたりの容量と前記正極シートの単位面積あたりの容量との比の値である、
ことを特徴とする二次電池。
【請求項2】
1.0≦(σ/σ)/CB≦6.0である、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
2.0≦(σ/σ)/CB≦3.0である、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
140≦σ/CB≦750である、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項5】
75≦σ/CB≦360である、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
0.8≦CB≦1.1である、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項7】
5≦σ/a≦20を満たし、
ここで、aは前記正極活物質層の孔隙率であり、単位は%である、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
2≦σ/b≦9を満たし、
ここで、bは前記負極活物質層の孔隙率であり、単位は%である、
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記正極活物質層の面密度σは150≦σ≦600を満たす、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記負極活物質層の面密度σは80≦σ≦290を満たす、
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項11】
28%≦a≦32%である、
ことを特徴とする請求項7~10のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項12】
30%≦b≦38%である、
ことを特徴とする請求項8~11のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項13】
前記正極シートの正極活物質は、リン酸鉄リチウム、コバルト酸化リチウム、ニッケル酸化リチウム、マンガン酸リチウムのうち1つ以上を含む、
ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項14】
前記負極シートの負極活物質は、人造黒鉛、天然黒鉛、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、メソカーボンマイクロスフィアのうち1つ以上を含む、
ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載二次電池を含む、
ことを特徴とする電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2022年10月27日に中国特許局に出願され、出願番号が202211327819.X、発明の名称が「二次電池及び電気機器」の中国特許出願の優先権を主張し、そのすべての内容は引用により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、電池技術分野に関し、具体的に二次電池及び電気機器に関する。
【背景技術】
【0003】
リチウムイオン電池はエネルギー貯蔵分野で大きな利点があるが、実用化にはまだいくつかの問題を抱えており、リン酸鉄リチウム電池を例に挙げると、リン酸鉄リチウム電池単体の使用寿命は4000-6000回であり、寿命に対する要求の高いエネルギー貯蔵プロジェクトが要求する20~30年の使用寿命(サイクル回数が10000回超え)を満たすことは困難であり、活性リチウムの損耗はエネルギー貯蔵リチウムイオン電池の寿命減衰の要因である。電池サイクルによるリチウム脱離の過程において、黒鉛の膨張収縮、正極遷移金属の溶出などの原因で、SEIの破壊と生成が起こり、SEIの膜面積と厚さが増加し、電池システムの限られた活性リチウムが消耗され、最終的に電池の使用寿命の短縮を招いた。電池減衰過程における活性リチウムの消耗に対して如何に減少して補充することは、リン酸鉄リチウム電池の寿命を延ばすための重要な課題である。
【0004】
このような課題を解決するために、一般的な方法としては、負極に対して「リチウム補充」を行うことであり、リチウム補充方法は物理的リチウム補充と電気化学的リチウム補充がある。ただし、物理的リチウム補充は後続のサイクル電池のリチウム析出をもたらしやすく、さらに電池の短絡を引き起こし、安全上のリスクがある。電気化学的リチウム補充は物理的リチウム補充の欠点を補うことができるが、現在の方法は効果が小さく、工程が煩雑であり、コストも高いため、実際の生産と普及には適していない。また、研究者は例えば小さい比表面積、縮小な粒径分布、表面被覆変性などの特別な性能指標を有する黒鉛負極を選別することにより、室温と高温における浸潤性能が良い電解液を選択するとともに、適切な電池組成設計を利用し、サイクル過程における黒鉛の体積の膨張と収縮を緩和し、黒鉛の比表面積を減少させ、SEIの破壊と生成中の活性リチウムの消耗を減少させ、リン酸鉄リチウム電池の使用寿命を可能な限り延ばしている。
従って、超長いサイクル寿命と優れた電気化学性能を持ち、加工製造が容易で、使用コストがより低い二次電池を開発する必要がある。
【0005】
本願は、面密度とCB値との関係を限定し、正/負極シートのリチウム脱離速度をバランスさせることにより、二次電池の動作中のリチウム析出や電池容量の降下を防止し、二次電池の寿命を向上させることを目的として、二次電池を提供している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様では、本願の実施例は正極シートと負極シートを含む二次電池を提供し、前記正極シートは、正極集電体と、前記正極集電体に配置された正極活物質層とを含む。前記負極シートは、負極集電体と、前記負極集電体に配置された負極活物質層とを含む。前記二次電池は、0.5≦(σ/σ)/CB≦9.4を満たす。
ここで、σは前記正極活物質層の面密度であり、単位はg/mである。
σは前記負極活物質層の面密度であり、単位はg/mである。
CBは前記負極シートの単位面積あたりの容量と前記正極シートの単位面積あたりの容量との比の値である。
【0007】
いくつかの実施例では、140≦σ/CB≦750である。
いくつかの実施例では、75≦σ/CB≦360である。
いくつかの実施例では、0.8≦CB≦1.1である。
いくつかの実施例では、前記正極活物質層の面密度σは150 g/m≦σ1≦600 g/mを満たす。
いくつかの実施例では、前記負極活物質層の面密度σは80 g/m≦σ≦290 g/mを満たす。
いくつかの実施例では、前記二次電池は5≦σ/a≦20を満たす。ここで、aは前記正極活物質層の孔隙率であり、単位は%である。
【0008】
いくつかの実施例では、28%≦a≦32%である。
いくつかの実施例では、前記二次電池は2.5≦σ/b≦9.1を満たす。ここで、bは前記負極活物質層の孔隙率であり、単位は%である。
いくつかの実施例では、30%≦b≦38%である。
いくつかの実施例では、1.0≦(σ/σ)/CB≦6.0である。
いくつかの実施例では、2.0≦(σ/σ)/CB≦3.0である。
【0009】
いくつかの実施例では、前記正極シートの正極活物質は、リン酸鉄リチウム、コバルト酸化リチウム、ニッケル酸化リチウム、マンガン酸リチウムのうち1つ以上を含む。
いくつかの実施例では、前記負極シートの負極活物質は、人造黒鉛、天然黒鉛、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、メソカーボンマイクロスフィアのうち1つ以上を含む。
【0010】
第2態様では、本願の実施例は、前記の二次電池を含む電気機器を提供する。前記二次電池は前記電気機器の給電電源として機能する。
【0011】
従来の技術と比較すれば、本願の二次電池は、正極シートと負極シートとを含み、正極シートは、正極集電体と、正極集電体に配置された正極活物質層とを含み、負極シートは、負極集電体と、負極集電体に配置された負極活物質層とを含む。二次電池は、0.5≦(σ/σ)/CB≦9.4を満たす。本願は正極の余剰設計の確保した上で、正/負極シートのリチウム脱離速度をバランスさせ、二次電池の動作中のリチウム析出や容量降下を防止し、二次電池の寿命を向上させた。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願は二次電池及び電気機器を提供し、本願の目的、技術案及び効果をより明瞭、明確にさせるために、以下は、実施例によって本願をさらに詳しく説明する。ここで説明された具体的な実施例は本願を解釈するためにのみ利用され、本願を限定するものではないことを理解されるべきである。
【0013】
二次電池
本願は二次電池を提供し、二次電池は、正極シートと負極シートとを含み、正極シートは、正極集電体と、正極集電体に配置された正極活物質層とを含み、負極シートは、負極集電体と、負極集電体に配置された負極活物質層とを含む。二次電池は、0.5≦(σ/σ)/CB≦9.4を満たす。σは正極活物質層の面密度であり、単位はg/mである。σは負極活物質層の面密度であり、単位はg/mである。CBは負極シートの単位面積あたりの容量と正極シートの単位面積あたりの容量との比の値である。
【0014】
正/負極材料の容量毎グラムが一定である場合、正/負極活物質の面密度が大きいほど、正/負極シートの可逆容量が高くなるため、σ/σは二次電池の設計CB値と相関がある。一方、正/負極シートのリチウム脱離速度は正/負極シートの活物質層の面密度と相関があり、極シートの塗布面密度が大きいほど、システムの分極が大きくなり、リチウム脱離に対する抵抗が大きくなり、速度が相対的に遅くなる。
【0015】
本願は、十分なリチウムが二次電池の動作中の活性リチウムの損耗を補充できるために、(σ/σ)/CBの比の値を限定することにより、正極の余剰設計を確保する。同時に、正/負極シートのリチウム脱離速度をバランスさせ、二次電池の動作中のリチウム析出や容量降下を防止し、二次電池のサイクル寿命を向上させる。(σ/σ)/CB<0.5の場合、負極シートの相対塗布重量が大きすぎ、リチウム脱離速度が遅くなり、二次電池システムのリチウム析出のリスクが増加し、副反応が増加し、寿命の減衰が加速する。(σ/σ)/CB>9.4の場合、正極シートの相対塗布重量が大きすぎ、正極の分極が増加し、リチウム脱離の速度が遅くなり、高倍率の充電過程でのリチウムイオン脱離が不充分になり、二次電池の容量が降下し、エネルギー密度が降下する。
【0016】
いくつかの実施例では、1.0≦(σ/σ)/CB≦6.0である。
いくつかの実施例では、2.0≦(σ/σ)/CB≦3.0である。
【0017】
本願は正/負極の面密度とCBの組み合わせをさらに最適化することにより、二次電池のサイクル寿命を確実に向上させた上で、二次電池のエネルギー効率とエネルギー密度を向上させた。
【0018】
いくつかの実施例では、(σ/σ)/CBの値は、0.5、0.8、1.0、1.1、1.3、1.5、1.7、2.0、1.3、1.5、1.7、2.0、2.2、2.5、2.83.0、3.3、3.5、3.8、4.0、4.3、4.5、4.8、5.0、5.3、5.5、5.8、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、8.7、9.0、9.4のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
いくつかの実施例では、CB値を計算する際に、正極シートと負極シートの単位面積は等しいである。
いくつかの実施例では、負極シートの単位面積あたりの容量は負極シートの単位面積あたりの充電容量である。
いくつかの実施例では、正極シートの単位面積あたりの容量は正極シートの単位面積あたりの放電容量毎グラムである。
【0019】
いくつかの実施例では、CB値は次の測定方法で得られる。
負極シートの単位面積あたりの容量は次の通りで得られる。単位面積の負極シートの片面に活物質を保持し、リチウムシート、セパレータ、電解液で組み立てボタン電池を形成し、0.1Cで0.005Vまで放電し、0.05mAで0.005Vまで放電し、0.02mAで0.005Vまで放電し、0.1Cで2Vまで充電し、得られた充電容量は負極シートの単位面積あたりの容量となる。
正極シートの単位面積あたりの容量は次の通りで得られる。単位面積の正極シートの片面に活物質を保持し、リチウムシート、セパレータ、電解液で組み立てボタン電池を形成し、0.1Cで3.7Vまで充電し、50μAまで定電圧し、0.1Cで2.0Vまで放電し、得られた放電容量は正極シートの単位面積あたりの容量となる。
【0020】
いくつかの実施例では、140≦σ/CB≦750である。
二次電池はσ/CBの範囲をさらに限定し、加工性能を確保した上で、二次電池のエネルギー密度を向上させた。
いくつかの実施例では、σ/CBの値は、140、150、180、200、230、250、270、290、300、320、330、340、350、370、380、390、400、420、430、450、470、480、500、520、530、540、550、560、580、600、630、650、680、700、750のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
【0021】
いくつかの実施例では、75≦σ/CB≦360である。
いくつかの実施例では、σ/CBの値は、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200、205、210、215、220、225、230、235、240、245、250、255、260、265、270、275、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
二次電池はσ/CBの範囲をさらに限定し、加工性能を確保した上で、二次電池のエネルギー密度を向上させた。
【0022】
いくつかの実施例では、CB値の範囲は0.8≦CB≦1.1である。
本願は正極シートの余剰設計を利用し、電池の正極シートの可逆容量を増加させ、電池の動作中に充電測定制御で定容量の方式を用いて正極シートに一部のリチウムイオンだけを放出させ、余剰なリチウムイオンは二次電池の動作中の活性リチウムの損耗を補充するための予備として使用されるため、活性リチウムが常に適切な範囲内に保たれ、貯蔵容量の回復率とエネルギー効率を向上させた。
【0023】
いくつかの実施例では、CB値は0.8、0.81、0.82、0.83、0.84、0.85、0.86、0.87、0.88、0.89、0.90、0.91、0.92、0.93、0.94、0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、1.09、1.1のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
面密度の測定方法は次の通りである。特定の面積S mの正極又は負極シートを取り、その重量をm gとして秤量し、極シートの両面にある正極又は負極活性層を削り取り、箔材の重量をm gとして秤量すると、面密度は(m-m)/S g/mとなる。
【0024】
いくつかの実施例では、正極活物質層の面密度σは150 g/m≦σ≦600 g/mを満たす。
いくつかの実施例では、σ(単位はg/m)の値は、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、610、620、630、640、650、660、670、680、690、700のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
【0025】
いくつかの実施例では、負極活物質層の面密度σは80 g/m≦σ≦290 g/mを満たす。
いくつかの実施例では、σ(単位はg/m)の値は、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
【0026】
本願は、正極シートの加工性能を確保した上で、正極活物質層及び負極の活物質層の面密度をさらに限定することにより、二次電池のエネルギー密度を向上させ、それと同時に、正/負極のリチウム脱離速度を合わせ、サイクル寿命を向上させる。
いくつかの実施例では、二次電池は5≦σ/a≦20を満たす。ここで、aは正極活物質層の孔隙率であり、単位は%である。
【0027】
正極シートのリチウム脱離速度は、その面密度と負の相関があり、その極シートの孔隙率と正の相関がある。本願は、σ/aを限定し正極シートのリチウム脱離速度を制御することにより、負極シートのリチウム脱離速度とある程度のバランスを達成し、二次電池の動作中のリチウム脱離速度のアンバランスによるリチウム析出を防止し、サイクル寿命の向上を確保する。
【0028】
いくつかの実施例では、σ/aの値は、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4、11.5、11.6、11.7、11.8、11.9、12.0、12.1、12.2、12.3、12.4、12.5、12.6、12.7、12.8、12.9、13.0、13.1、13.2、13.3、13.4、13.5、13.6、13.7、13.8、13.9、14.0、14.1、14.2、14.3、14.4、14.5、14.6、14.7、14.8、14.9、15.0、15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6、15.7、15.8、15.9、16.0、16.1、16.2、16.3、16.4、16.5、16.6、16.7、16.8、16.9、17.0、17.1、17.2、17.3、17.4、17.5、17.6、17.7、17.8、17.9、18.0、18.1、18.2、18.3、18.4、18.5、18.6、18.7、18.8、18.9、19.0、19.1、19.2、19.3、19.4、19.5、19.6、19.7、19.8、19.9、20.0のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
いくつかの実施例では、28%≦a≦32%である。
【0029】
正極シートのリチウム脱離速度は、その極シートの孔隙率と正の相関があり、本願は正極シート孔隙率aをさらに限定し正極シートのリチウム脱離速度を制御することにより、負極シートのリチウム脱離速度とある程度のバランスを達成し、二次電池の動作中におけるリチウム脱離速度のアンバランスによるリチウム析出を防止し、サイクル寿命を向上させた。
いくつかの実施例では、a(単位は%)の値は、28.0、28.1、28.2、28.3、28.4、28.5、28.6、28.7、28.8、28.9、29.0、29.1、29.2、29.3、29.4、29.5、29.6、29.7、29.8、29.9、30.0、30.1、30.2、30.3、30.4、30.5、30.6、30.7、30.8、30.9、31.0、31.1、31.2、31.3、31.4、31.5、31.6、31.7、31.8、31.9、32.0のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
【0030】
いくつかの実施例では、2.5≦σ/b≦9.1であり、ここで、bは負極活物質層の孔隙率であり、単位は%である。
負極シートのリチウム脱離速度は、その面密度と負の相関があり、その極シートの孔隙率と正の相関があり、σ2/bを限定し負極シートのリチウム脱離速度を制御することにより、正極シートのリチウム脱離速度とある程度のバランスを達成し、二次電池の動作中におけるリチウム脱離速度のアンバランスによるリチウム析出を防止し、サイクル寿命を向上させた。
【0031】
いくつかの実施例では、σ/bの値は、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9.0、9.1のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
いくつかの実施例では、30%≦b≦38%である。
【0032】
負極シートのリチウム脱離速度は、その極シートの孔隙率と正の相関があり、負極シートの孔隙率bを限定し負極シートのリチウム脱離速度を制御することにより、正極シートのリチウム脱離速度とある程度のバランスを達成し、二次電池の動作中におけるリチウム脱離速度のアンバランスによるリチウム析出を防止し、サイクル寿命を向上させた。
いくつかの実施例では、b(単位は%)の値は、30.0、30.1、30.2、30.3、30.4、30.5、30.6、30.7、30.8、30.9、31.0、31.1、31.2、31.3、31.4、31.5、31.6、31.7、31.8、31.9、32.0、32.1、32.2、32.3、32.4、32.5、32.6、32.7、32.8、32.9、33.0、33.1、33.2、33.3、33.4、33.5、33.6、33.7、33.8、33.9、34.0、34.1、34.2、34.3、34.4、34.5、34.6、34.7、34.8、34.9、35.0、35.1、35.2、35.3、35.4、35.5、35.6、35.7、35.8、35.9、36.0、36.1、36.2、36.3、36.4、36.5、36.6、36.7、36.8、36.9、37.0、37.1、37.2、37.3、37.4、37.5、37.6、37.7、37.8、37.9、38.0のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
【0033】
本願において、面密度及び孔隙率はいずれも既存の測定方法によって測定され得る。
いくつかの実施例では、正極活物質層の面密度は次の方法によって測定される。特定の面積(S、単位はm)の正極シートの重量(g)を測定し、正極集電体の重量(g)を除き、正極活物質層の塗布重量(g)を取得し、正極シートの面積Sで除し、正極活物質層の面密度σ(単位はg/m)を取得する。
【0034】
いくつかの実施例では、負極活物質層の面密度は次の方法によって測定される。特定の面積(S、単位はm)の負極シートの重量(g)を測定し、負極集電体の重量(g)の除き、負極活物質層の塗布重量(g)を取得し、負極シートの面積Sで除し、負極活物質層の面密度σ(単位はg/m)を取得する。
【0035】
いくつかの実施例では、正極活物質層の孔隙率及び負極活物質層の孔隙率は水銀圧入法によって測定される。
正極シート
いくつかの実施例では、正極シートは、正極集電体と、正極集電体に配置された正極活物質とを含む。
いくつかの実施例では、正極活物質は、リン酸鉄リチウム、コバルト酸化リチウム、ニッケル酸化リチウム、マンガン酸リチウムのうち1つ以上を含む。
【0036】
いくつかの実施例では、正極活物質は、リン酸鉄リチウム、コバルト酸化リチウム、ニッケル酸化リチウム、マンガン酸リチウムであり、製造方法は、例えば高温固相法、炭素熱還元法、噴霧乾燥法、テンプレート法または水熱合成法などの既存の技術を挙げられる。
具体的に実施する際に、正極活物質であるリン酸鉄リチウムは次の方法によって製造される。リチウム源(LiCO)、鉄源(FePO)、炭素源を混合し300~500℃の条件で前処理した後、600~850℃で焼結し、正極活物質としてリン酸鉄リチウムを製造する。
【0037】
いくつかの実施例では、正極活物質はコバルト酸化リチウムである。製造方法は高温固相法、ゾルゲル法などの既存技術を挙げられる。
具体的に実施する際に、正極活物質であるコバルト酸化リチウムは次の方法によって製造される。リチウム源(LiCO)、コバルト源(Co)、エタノールを混合して研磨し、300℃で前処理した後、600℃で焼結し、800℃で固相反応を行い、コバルト酸化リチウムを製造する。
【0038】
いくつかの実施例では、正極シートは、導電剤と粘着剤をさらに含み、導電剤、粘着剤の種類と含有量は、特に制限されず、実際の需要に応じて選択されてもよい。いくつかの実施例では、導電剤は、導電性カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェンなどを含んでもよく、粘着剤は、ポリフッ化ビニリデンを含んでもよい。
いくつかの実施例では、正極シートの製造は、上記の正極活物質又は上記方法で得られた正極活物質、導電剤、粘着剤を溶媒であるN-メチルピロリドン(NMP)に特定の割合で分散させ、均一に撹拌し、得られたスラリーをアルミニウム箔に塗布し、圧延、ストリップ処理、切断などの工程で正極シートを作成する。圧延パラメータを変更すれば、正極シートの対応する性質とパラメータも制御できる。本願の正極活物質層が上記特徴を満たすように制御されればよい。
【0039】
負極シート
いくつかの実施例では、負極シートは、負極集電体と、負極集電体に被覆された負極活物質と、粘着剤と、導電剤とを含む。負極活物質、粘着剤、導電剤の種類と含有量は特に制限されず、実際の需要に応じて選択されてもよい。いくつかの実施例では、負極活物質は、人造黒鉛、天然黒鉛、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、メソカーボンマイクロスフィアのうち1つ以上を含む。
【0040】
電解液
いくつかの実施例では、電解液の主成分は、リチウム塩、有機溶媒、添加剤を含む。ここで、リチウム塩と有機溶媒の種類と組成は特に制限されず、実際の需要に応じて選択されてもよい。ここで、リチウム塩としては、ヘキサフルオロリン酸リチウム、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミドなどを含んでもよく、溶媒としては、エチレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、プロパン酸プロピルなどを含んでもよく、添加剤としては、ジフルオロリン酸リチウム、リチウムビス(オキサラト)ボラート、スクシノニトリルなどを含んでもよい。
【0041】
セパレータ
いくつかの実施例では、セパレータの種類は特に制限されず、実際の需要に応じて選択されてもよい。セパレータはポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリフッ化ビニリデン、スパンデックスフィルム、アラミドフィルムであってもよく、或いはコーティングによって変性された多層複合フィルムであってもよい。
いくつかの実施例では、二次電池の製造は次の通りである。正極シート、セパレータ、負極シートを順に積み重ね、隔離の役割を果たすようにセパレータを正極シートと負極シートとの間に位置させ、さらに巻回して四角形の芯体に形成し、電池のケースに装入し、そして65~95℃で乾燥させて水分を除去した後、電解液を注入して封止し、静置、熱間・冷間、化成、固定、容量選別などの工程を経て、二次電池を得る。
【0042】
いくつかの実施例では、二次電池の製造は、次のステップを含む。
(1)リン酸鉄リチウム、正極導電剤、正極粘着剤、正極溶媒を混合して正極スラリーを作製し、正極スラリーを正極集電体の表面に塗布し、正極シートを得る。
(2)黒鉛、負極分散剤、負極導電剤、負極粘着剤、負極溶媒を混合して負極スラリーを作製し、負極スラリーを負極集電体の表面に塗布し、負極シートを得る。
(3)リチウムイオン電池の製造過程において、本願で製造した正極シート、負極シート、セパレータを別の電池部品と組み立て、成形、乾燥、パッケージング、注液、化成、容量選別などの工程を経て、長寿命のリン酸鉄リチウムリチウムイオン電池を得られ、電池のタイプはソフトバンク、円筒形、アルミニウムケースなどを含む。ここで、電池の設計CB値は、0.8≦CB≦1.1を満たし、即ち、電池の負極シートの可逆容量/電池の正極シートの可逆容量は0.8~1.10であり、且つ0.5≦(σ/σ)/CB≦9.4を満たす。
いくつかの実施例では、二次電池のタイプは、ソフトバンク電池、円筒形電池、アルミニウムケース電池などを含む。
【0043】
電気機器
本願の電気機器は上記の二次電池を含む。
いくつかの実施例では、本願の電気機器は、バックアップ電源、モーター、電気自動車、電気オートバイ、電動アシスト自転車、自転車、電動工具、家庭用大型蓄電池などであるが、これらに限定されない。
【0044】
実施例1
正極シートの製造方法は次の通りである。リン酸鉄リチウム、導電性カーボンブラック(SP)、PVDFを97:0.7:2.3の質量比で混合した後、NMPに添加してよく混合させ、均一に混合した後、(12+1+1)μmの炭素被覆のアルミニウム箔の両面に塗布し、次に極シートに対して乾燥、圧延、ストリップ処理、切断を行い、正極シートを得る。
負極シートの製造方法は次の通りである。黒鉛、導電性カーボンブラック(SP)、CMC、SBRを96.3:0.7:1.1:1.9の質量比で混合した後、水に添加してよく混合させ、均一に混合した後、6μmの銅箔の両面に塗布し、次に極シートに対して乾燥、圧延、ストリップ処理、切断を行い、負極シートを得る。
【0045】
セパレータはポリエチレンフィルムである。
電解液は次の通り作製する。有機溶媒であるエチレンカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネートを1:1:1の体積比で混合する。水分含有量<10ppmのアルゴン雰囲気のグローブボックスの内で、十分に干燥されたヘキサフルオロリン酸リチウムを上記有機溶媒に含有量が1mol/Lとなるように溶解し、均一に混合し、電解液を得る。
【0046】
リチウムイオン電池の製造過程において、本願で製造した正極シート、負極シート、セパレータを別の電池部品と組み立て、成形、乾燥、パッケージング、注液、化成、容量選別などの工程を経て、長寿命のリン酸鉄リチウムリチウムイオン電池を得られ、電池のタイプは角型ケース電池を含む。
実施例2-14及び比較例1-2はいずれも実施例1の方法に従って製造するが、異なるのは、活物質の塗布量及び極シートの活物質層の厚さを調整し、所望の設計CB値及び面密度を得るように調整することである。製造した電池のパラメータは表1に示す。
【0047】
電池の性能測定
サイクル容量維持率は次の通りである。二次電池の公称容量をCとし、所定の温度(25℃)で1C/1Cのサイクルを対応する回数で行い、放電容量Cを求め、容量維持率=C/C×100%である。
エネルギー効率とは、リチウムイオン電池放電時に出力したエネルギーと前回の充電時に入力したエネルギーとのパーセントの割合である。
【0048】
エネルギー効率の測定方法は次の通りである。
(1)二次電池を1C定電流で電池の公称容量まで充電し、充電エネルギーをEとする。
(2)30min静置する。
(3)1C 定電流で電圧下限(2.5V)まで放電し、放電エネルギーをEとする。
(4)二次電池エネルギーの効率値はE/Eである。
【0049】
貯蔵容量の回復率の測定方法は次の通りである。
(1)室温で、1C 定電流で電池の公称容量のX Ahまで二次電池を充電する。
(2)二次電池を60℃のオーブンに移し、400日間保存する。
(3)室温で、1Cで2.5Vまで二次電池を放電する。
(4)30min静置する。
(5)室温で、1C定電流定電圧で3.65Vまで二次電池を充電し、カットオフ電流は0.05Cである。
(6)30min静置する。
(7)室温で、1C 定電流で2.5Vまで二次電池を放電し、放電容量をX Ahとする。
(8)二次電池の容量回復率はX/Xである。
【0050】
表1は実施例1-14及び比較例1-2で製造した二次電池の性能パラメータを示す。
【表1】
【0051】
表2は実施例1-14及び比較例1-2の測定結果を示す。
【表2】
【0052】
表1と表2から分かるように、本願は十分なリチウムが二次電池の動作中の活性リチウムの損耗を補充できるために、正/負極面密度と設計CB値の関係を限定するとともに、正/負極シートの孔隙率及びそれぞれの面密度を限定することにより、正極の余剰設計を確保する。同時に、正/負極シートのリチウム脱離速度をバランスさせ、二次電池の動作中のリチウム析出や容量降下を防止し、これにより、二次電池のサイクル、貯蔵寿命とエネルギー効率を大幅に向上させた。
【0053】
実施例1-7において、正/負極シートの孔隙率a%とb%はそれぞれ30%と32%で一定であるが、(σ/σ)/CBとσ/aの増加及びσ/bの減少に伴い、二次電池の25℃で1C/1Cサイクル6000回の容量維持率、60℃の貯蔵容量回復率、25℃で1C/1Cのエネルギー効率はいずれも最初に増加し、後に減少する傾向がある。主な理由は、(σ/σ)/CBの増加に伴い、設計CB値が減小し、正極の余剰設計量が十分になるほど、二次電池の動作を補充するための活性リチウムが多くなるためである。これはサイクル、貯蔵寿命の向上に有利である。しかし、(σ/σ)/CBの増加に伴い、正極の面密度σの増加、又は負極の面密度σの減小が発生するため、正極のカイネティクスが悪化し、又は負極のカイネティクスが向上することを招き、正/負極シートのリチウム脱離速度が不整合となる。そのため、(σ/σ)/CBがある程度増加すると、二次電池のサイクル、貯蔵寿命とエネルギー効率が降下し始める。
【0054】
実施例8-実施例14において、芯体の設計CB値、σ、σ、(σ/σ)/CBが変化しない場合、a、bの増加、σ/aとσ/bの減少に伴い、二次電池の25℃で1C/1Cサイクル6000回の容量維持率、60℃の貯蔵容量回復率、25℃で1C/1Cのエネルギー効率はいずれも最初に増加し、後に減少する傾向がある。主な理由は、a、bが増加すれば、正/負極シートの孔隙率が増加し、二次電池の正/負極シートのカイネティクスが向上し、サイクル、貯蔵寿命とエネルギー効率の向上に有利になるためである。しかし、正/負極シートの孔隙率が大きくなるほど、正/負極シートのリチウム脱離速度が不整合となり、二次電池の動作中のリチウム析出が発生する可能性が高くなる。そのため、a、bがある程度増加すると、二次電池のサイクル、貯蔵寿命とエネルギー効率が降下し始める。
【0055】
上記の実施例では、各実施例の説明はそれぞれ独自の焦点を有し、詳しく説明されていない実施例の部分は、他の実施例の関連する説明を参照することができる。
以上は本願の実施例に係る二次電池と電気機器について詳しく説明した。具体的な実施例は、本願発明の原理および実施態様を説明するためのものであり、つまり、本願発明の方法およびその核心的思想の理解を助けるためにのみ使用されるものである。同時に、当業者に対しては、本願の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲を変更する可能性があり、要約すると、上記の記載内容は本願に対する制限ではないと理解すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
いくつかの実施例では、(σ/σ)/CBの値は、0.5、0.8、1.0、1.1、1.3、1.5、1.7、2.0、2.2、2.5、2.83.0、3.3、3.5、3.8、4.0、4.3、4.5、4.8、5.0、5.3、5.5、5.8、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、8.7、9.0、9.4のうちいずれかの値であり、または任意の2つの値からなる範囲にある。
いくつかの実施例では、CB値を計算する際に、正極シートと負極シートの単位面積は等しいである。
いくつかの実施例では、負極シートの単位面積あたりの容量は負極シートの単位面積あたりの充電容量である。
いくつかの実施例では、正極シートの単位面積あたりの容量は正極シートの単位面積あたりの放電容量毎グラムである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極集電体と、前記正極集電体に配置された正極活物質層とを含む正極シートと、
負極集電体と、前記負極集電体に配置された負極活物質層とを含む負極シートと、
を含み、
0.5≦(σ/σ)/CB≦9.4、且つ0.8≦CB<1.1を満たし、
ここで、σは前記正極活物質層の面密度であり、単位はg/mであり、
σは前記負極活物質層の面密度であり、単位はg/mであり、
CBは前記負極シートの単位面積あたりの容量と前記正極シートの単位面積あたりの容量との比の値である、
ことを特徴とする二次電池。
【請求項2】
1.0≦(σ/σ)/CB≦6.0である、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
2.0≦(σ/σ)/CB≦3.0である、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項4】
140≦σ/CB≦750である、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項5】
75≦σ/CB≦360である、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項6】
5≦σ/a≦20を満たし、
ここで、aは前記正極活物質層の孔隙率であり、単位は%である、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項7】
2≦σ/b≦9を満たし、
ここで、bは前記負極活物質層の孔隙率であり、単位は%である、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記正極活物質層の面密度σは150≦σ≦600を満たす、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項9】
前記負極活物質層の面密度σは80≦σ≦290を満たす、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項10】
前記正極活物質層の面密度σ は300≦σ ≦600を満たし、または、前記負極活物質層の面密度σ は110≦σ ≦290を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項11】
28%≦a≦32%である、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項12】
30%≦b≦38%である、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項13】
前記正極シートの正極活物質は、リン酸鉄リチウム、コバルト酸化リチウム、ニッケル酸化リチウム、マンガン酸リチウムのうち1つ以上を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項14】
前記負極シートの負極活物質は、人造黒鉛、天然黒鉛、アモルファスカーボン、カーボンナノチューブ、メソカーボンマイクロスフィアのうち1つ以上を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の二次電池。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載二次電池を含む、
ことを特徴とする電気機器。
【国際調査報告】