(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】ワイヤレス電力伝送システム用空冷式地下保管庫
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20250121BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20250121BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250121BHJP
H01F 27/08 20060101ALI20250121BHJP
H01F 27/16 20060101ALI20250121BHJP
H01F 27/02 20060101ALI20250121BHJP
H01F 38/14 20060101ALI20250121BHJP
【FI】
H02J50/10
B60L53/12
H02J7/00 301A
H02J7/00 301D
H02J7/00 P
H01F27/08 153
H01F27/16
H01F27/02 150
H01F38/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535173
(86)(22)【出願日】2022-12-14
(85)【翻訳文提出日】2024-08-13
(86)【国際出願番号】 US2022052901
(87)【国際公開番号】W WO2023114335
(87)【国際公開日】2023-06-22
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514287443
【氏名又は名称】インダクトイーブイ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ダガ、アンドリュー ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
5E050
5E059
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5E050BA04
5E050BA05
5E050CB04
5E050CB05
5E050CB06
5E059AA10
5E059BB23
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CB13
5G503FA01
5G503FA06
5G503GB08
5H125AA01
5H125AC26
5H125BE02
5H125DD02
5H125EE61
5H125FF15
(57)【要約】
【要約】 空冷式地下保管庫は、電気自動車を充電するためのワイヤレス電力伝送充電器を収容する。この保管庫は、前記ワイヤレス電力伝送充電器を受け入れる空洞を含み、前記ワイヤレス電力伝送充電器の周囲に空隙を含む。少なくとも2つの格子が、前記ワイヤレス電力伝送充電器のそれぞれの側面に配置され、表面と前記ワイヤレス電力伝送充電器の周囲の空洞との間の双方向の空気の流れを可能にする。温度制御要素は、さらに、前記空洞と前記少なくとも2つの格子内の温度を調整するために提供される。前記温度制御要素は、さらに、前記保管庫の前記空気保管庫内に配置された熱交換器を含んでもよい。各格子は、さらに、前記熱交換器の注入口または排出口として機能するように適合されている。制御装置を用いて前記熱交換器の作動を制御し、通気時間および前記空洞内の空気流の方向を制御することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス電力伝送充電器を収納する空冷式地下保管庫であって、
前記ワイヤレス電力伝送充電器を受け入れ、前記ワイヤレス電力伝送充電器の周囲に空隙を含む空洞と、
前記ワイヤレス電力伝送充電器のそれぞれの側面にあり、その表面と前記ワイヤレス電力伝送充電器の周囲の前記空隙との間の双方向の空気の流れを可能にするように配置された少なくとも2つの格子と、
前記空洞内および前記少なくとも2つの格子の温度を調整するように適合された温度制御要素と
を有する、保管庫。
【請求項2】
請求項1記載の保管庫において、前記空洞は鉄筋コンクリートの床と壁を持つものである、保管庫。
【請求項3】
請求項1記載の保管庫において、さらに、
前記空洞から水を除去するように配置された水だめを有するものである、保管庫。
【請求項4】
請求項1記載の保管庫において、前記温度制御要素は、前記保管庫の前記空隙内で前記ワイヤレス電力伝送充電器の下に配置された熱交換器を有し、前記少なくとも2つの格子の各格子は、前記熱交換器の吸入口または排出口として機能するように適合されている、保管庫。
【請求項5】
請求項4記載の保管庫において、さらに、
前記熱交換器の作動を制御し、前記空洞内の通気時間および空気流の方向を制御するように適合された制御装置を有するものである、保管庫。
【請求項6】
請求項5記載の保管庫において、前記制御装置は、充電動作の検出、温度閾値を超える前記ワイヤレス電力伝送充電器の温度の検出、所定期間の経過、排気口背圧の検出、または前記少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つの閉塞の検出、のうちの少なくとも1つに応答して、前記空洞内の通気時間または空気流の方向のうちの少なくとも1つを調整する、保管庫。
【請求項7】
請求項5記載の保管庫において、さらに、
車両が、前記格子のうちの少なくとも1つを覆っているかどうかを示す入力を前記制御装置に提供する検出器であって、前記制御装置が、前記格子のうちの少なくとも1つが前記車両によって覆われているかどうかに基づいて、前記空洞内の前記通気時間および空気流の方向のうちの少なくとも1つを調整する、前記検出器を有するものである、保管庫。
【請求項8】
請求項1記載の保管庫において、さらに、
前記ワイヤレス電力伝送充電器と前記少なくとも2つの格子との間に所定の離隔距離を提供するために前記ワイヤレス電力伝送充電器と前記少なくとも2つの格子との間にスタンドオフを有するものである、保管庫。
【請求項9】
請求項4記載の保管庫において、前記温度制御要素は、さらに、
ファン駆動の冷却ユニットと、少なくとも1つの二次熱交換器と、前記空洞から前記少なくとも1つの二次熱交換器に熱を除去するように適合された少なくとも1つのパイプを有するものである、保管庫。
【請求項10】
請求項9記載の保管庫において、前記少なくとも1つの二次熱交換器は、前記少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つに取り付けられているか、またはその中に配置されている、保管庫。
【請求項11】
請求項4記載の保管庫において、前記温度制御要素は、さらに、
少なくとも1つの二次熱交換器と、前記熱交換器によって加圧され前記空洞から前記少なくとも1つの二次熱交換器へ熱を除去するように適合された少なくとも1つのパイプとを有するものでる、保管庫。
【請求項12】
請求項11記載の保管庫において、少なくとも1つの二次熱交換器が、前記少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つに取り付けられているか、またはその中に配置されている、保管庫。
【請求項13】
請求項4記載の保管庫において、前記温度制御要素は、さらに、
加熱要素と、少なくとも1つの二次熱交換器と、冷却水を含む少なくとも1つのパイプとを有し、前記加熱要素は、前記少なくとも1つのパイプ内の前記冷却水を加熱する熱を発生し、前記冷却水は、前記少なくとも1つの二次熱交換器に循環されるものである、保管庫。
【請求項14】
請求項13記載の保管庫において、前記少なくとも1つの二次熱交換器は、前記少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つに取り付けられているか、またはその中に配置されている、保管庫。
【請求項15】
請求項4記載の保管庫において、前記温度制御要素は、さらに、
前記熱交換ユニットに循環される加熱冷却水を生成する加熱要素を有するものである、保管庫。
【請求項16】
請求項15記載の保管庫において、前記熱交換ユニットは、前記少なくとも2つの格子が交互に空気排出口として機能するように、交互に循環する熱風を生成する、保管庫。
【請求項17】
請求項1記載の保管庫において、さらに、
前記少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つを照らし、温めるために前記少なくとも2つの格子の下の前記空洞内に配置された少なくとも1つの赤外線光源を有するものである、保管庫。
【請求項18】
請求項5記載の保管庫において、さらに、
少なくとも1つの温度検出器であって、前記制御装置が、前記少なくとも1つの温度検出器からの温度測定値を受信し、前記制御装置が、前記保管庫の局所環境、時間帯、または季節のうちの少なくとも1つに対するプリセットモデルを実行して、前記熱交換器の動作を制御し、前記通気時間および前記空洞内の前記空気流の方向を制御する、前記少なくとも1つの温度検出器を有するものである、保管庫。
【請求項19】
請求項1記載の保管庫において、前記少なくとも2つの格子は、縁石に組み込まれている、保管庫。
【請求項20】
請求項1記載の保管庫において、車両を加熱するため、または車両を冷却するために、前記車両が前記少なくとも2つの格子のうちの1つの上に配置される場合に、前記少なくとも2つの格子の間の通気方向が反転される、保管庫。
【請求項21】
請求項1記載の保管庫において、前記保管庫は、複数の交通車線と複数のワイヤレス電力伝送充電器を有する充電ステーションに配置される、保管庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月14日に出願された米国仮特許出願63/265,380号の優先権を主張する。当該出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ワイヤレス電力伝送用充電システムに関し、より具体的には、ワイヤレス電力伝送用地上型充電システムのハウジングおよび冷却に関連する装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車(EV)用充電システムの副産物としての熱の発生は避けられず、100%効率的な電気システムは存在しない。EV用有線充電システムは、液体冷却剤、流体処理、電気駆動ポンプを備えた充電キオスクの相互接続、地上放射インフラを使用して、熱を伝達・拡散する。
【0004】
低電力ワイヤレス電力伝送(WPT)システム(SAE J2954-1で定義)は、WPTの使用を非埋め込み型の低電力充電機器に限定することで、加熱問題をほぼ回避してきた。SAE J2954-1は、3つの低電力レベルを規定している:WPT1(3.7kW)、WPT2(7kW)、WPT3(11kW)である。この規格では、冷却装置は規定されていない。
【0005】
ハイパワーなワイヤレス電力伝送システムは、地上型プライマリー・アセンブリの液冷を利用しており、車両充電のための舗装上インフラを運用する必要がないにもかかわらず、ハイパワーな有線システムと同じように設置面積が大きく、設置密度に制約がある。
【0006】
以下に、詳細な説明においてさらに説明する概念の一部を簡略化した形で紹介するために、様々な実施例を説明する。本要約は、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものではない。
【0007】
空冷式地下保管庫は、電気自動車を充電するためのワイヤレス電力伝送充電器を収容する。前記保管庫は、ワイヤレス電力伝送充電器を受け入れる空洞を含み、前記ワイヤレス給電充電器の周囲に空隙を含む。少なくとも2つの格子が前記ワイヤレス電力伝送充電器のそれぞれの側面に配置され、その表面と前記ワイヤレス電力伝送充電器の周囲の前記空隙との間の双方向の空気の流れを可能にする。前記空洞および少なくとも2つの格子内の温度を調節するために、温度制御要素が、さらに、設けられる。前記温度制御要素は、さらに、前記保管庫の空洞内に配置された熱交換器を含むことができる。各格子は、さらに、前記熱交換器の注入口または排出口として機能するように適合されている。制御装置を用いて前記熱交換器の作動を制御し、前記空洞内の通気時間および空気流の方向を制御することができる。
【0008】
実施例における構成では、前記制御装置は、充電動作の検出、温度閾値を超えるワイヤレス電力伝送充電器の温度の検出、所定期間の経過、排気口背圧の検出、または少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つの閉塞の検出のうちの少なくとも1つに応答して、通気時間または空洞内の空気流の方向のうちの少なくとも1つを調整する。検出器を使用して、車両が、前記格子のうちの少なくとも1つを覆っているかどうかを示す入力を前記制御装置に提供してもよい。このような場合、前記制御装置は、前記格子のうちの少なくとも1つが前記車両によって覆われているかどうかに基づいて、前記空洞内の通気時間および空気流の方向のうちの少なくとも1つを調整する。
【0009】
他の代替構成では、温度制御要素は、ファン駆動式冷却ユニットと、少なくとも1つの二次熱交換器と、前記空洞から少なくとも1つの二次熱交換器へ熱を除去するように適合された少なくとも1つのパイプとを含む。前記少なくとも1つの二次熱交換器は、前記少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つに取り付けられるか、またはその中に配置される。前記温度制御要素は、さらに、少なくとも1つの二次熱交換器と、熱交換器によって加圧され、前記空洞から前記少なくとも1つの二次熱交換器へ熱を除去するように適合された少なくとも1つのパイプとを含むことができる。前記少なくとも1つの二次熱交換器も、少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つに取り付けられているか、またはその中に配置される。
【0010】
さらに他の代替構成では、前記温度制御要素は、さらに、加熱要素、少なくとも1つの二次熱交換器、および冷却剤を含む少なくとも1つのパイプを含み、前記加熱要素は、少なくとも1つのパイプ内の前記冷却剤を加熱する熱を生成し、前記冷却剤は、少なくとも1つの二次熱交換器に循環する。また、前記少なくとも1つの二次熱交換器は、前記少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つに取り付けられるか、またはその中に配置されてもよい。
【0011】
さらに他の代替構成では、前記温度制御要素は、熱交換ユニットに循環される加熱された冷却水を生成する加熱要素を含む。前記熱交換ユニットは、前記少なくとも2つの格子が交互に空気排出口として機能するように、交互に循環される熱風を生成する。
【0012】
さらに別の構成では、前記温度制御要素は、インバータ、電線路、および少なくとも1つの格子に固定されたコイルを含む。前記電線路は、前記少なくとも1つの格子に渦電流を誘導するために、前記インバータから前記コイルまで延長されてもよい。また、前記少なくとも1つの格子は鋳鉄または鉄合金製であってもよい。少なくとも1つのコンデンサを前記少なくとも1つの鋳鉄格子に付加して、前記少なくとも1つの鋳鉄格子を共振させてもよい。あるいは、少なくとも1つの赤外線光源を少なくとも2つの格子の下の前記空洞内に配置し、少なくとも2つの格子のうちの少なくとも1つを照らし暖めるようにしてもよい。
【0013】
さらなる構成は、少なくとも1つの温度検出器を含み、前記制御装置が、前記少なくとも1つの温度検出器からの温度測定値を受信し、前記保管庫の局所環境、時間帯、または季節のうちの少なくとも1つのプリセットモデルを実行して、前記熱交換器の動作を制御し、通気時間および前記空洞内の空気流の方向を制御する。
【0014】
さらなる構成では、車両を加熱するためまたは車両を冷却するために前記車両が少なくとも前記2つの格子のうちの1つの上に配置される場合に、前記少なくとも2つの格子の間の通気方向が反転されてもよい。
【0015】
本明細書に記載される前記保管庫は、複数の交通車線と複数のワイヤレス電力伝送充電器とを含む充電デポに沿うように立てられてもよいし、充電ステーションに配置されてもよいことが理解されよう。
【0016】
本要約部は、簡略化された形で本発明主題の態様を紹介するために提供され、本発明主題のさらなる説明は詳細な説明の本文に続く。本要約部に記載された要素の特定の組み合わせおよび順序は、特許請求される主題の要素に対する限定を提供することを意図するものではない。むしろ、本セクションは、以下の詳細な説明に記載される実施形態の一部の要約された例を提供することが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の上記およびその他の有益な特徴および利点は、添付の図に関連した以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、1若しくはそれ以上の地上送受信機アセンブリ(GTA)を含む地上送受信機ステーション(GTS)の上方にワイヤレス充電のために駐車された電気自動車(EV)を示している。
【
図2】
図2は、空冷式ワイヤレス電力伝送(WPT)保管庫の構成例を切断側面図で示す。
【
図3】
図3は、歩道の縁石充電ステーションに設置された保管庫の上面図である。
【
図4】
図4A-4Fは、通気口、プレナム、ダクトのオプションによる空冷式WPT保管庫の設置のための異なる構成を示す。
【
図5A】
図5Aは、空気吸入口と排出口ポートがはめ込まれた中空縁石を備えた上面図の空冷式WPT保管庫を示す。
【
図5B】
図5Bは、WPT空冷用の通気孔付き中空縁石の側面図である。
【
図5C】
図5Cは、WPT空冷用中空縁石の通気孔の代替を示す。
【
図6】
図6は、通気格子を加熱するために液体冷却材が使用されているWPT保管庫構造の構成例を示す上面図である。
【
図7】
図7は、二次熱交換器を介して前記通気孔格子を加熱するために液体冷却材が使用されている保管庫構造の構成例を示す側面図である。
【
図8】
図8は、熱制御構造と要素を有する地上送受信機ステーションのサブシステム図を示す。
【
図9】
図9は、雪と氷を除去するための金属通気孔格子を加熱する誘導コイルを示す。
【
図10】
図10は、地下の空冷式WPT保管庫のバリエーションを使用した、通過EV用のWPT交換ステーションの上空から見た図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、例示的な実施形態の詳細な説明を、
図1-
図10を参照して説明する。本明細書は、可能な実施態様の詳細な説明を提供するが、これらの詳細は例示的なものであり、決して本発明の主題の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【0019】
本明細書では、「バッテリー」という用語は、一般的な化学エネルギー貯蔵システムを示すために使用されており、他の携帯型エネルギー貯蔵システム(例えば、固体バッテリー、可逆燃料電池、ウルトラコンデンサなど)と置き換えたり、補足したり、ハイブリッド化したりすることができることに留意されたい。また、使用されている例の多くは、車載システムに電力を供給し、定置電気自動車(EV)のバッテリーを充電するために使用されるワイヤレス電力転送(WPT)システムのものであるが、この用途は決して唯一の用途ではない。
【0020】
ワイヤレス電力伝送システムはモジュール式であり、双方向充電が可能であるため、地上送受機ステーション(GTS)という用語は、地上送受信機アセンブリ(GTA)のグループを指すために使用され、車両送受信機ステーション(VTS)という用語は、車両送受信機アセンブリ(VTA)のグループを指すために使用される。GTSは1若しくはそれ以上のGTAで構成され、VTSは1若しくはそれ以上のVTAで構成される。最大限の電力伝送能力を得るためには、VTS内のすべてのVTAは、GTS内の対応するGTAとペアリングされ、アライメントされていなければならない。
【0021】
磁気ワイヤレス電力伝送システムで使用されるような屋外変圧器では、発生する熱は主に変圧器の巻線における抵抗損失(一次電流と二次電流による)と、磁気ヒステリシスと渦電流によるフェライトコアの損失によるものである。その結果、冷却が必要となる。
【0022】
WPTシステムの利点のひとつは、充電スタンドやキオスクが必要ないことである。電気コード、通信、冷却ホースなど、EVやキオスクとの接続ポイントが必要ないからである。もう一つの利点は、すべての車両と課金情報が無線でやり取りされるため、安全でない場所や悪天候のときに車両の運転手(完全自律型電気自動車の場合は乗員)が車両から降りる必要がない充電の自動化である。
【0023】
すべての構成要素を地下に設置することで、設置面積を最小限に抑え、より控えめで美しい設置が可能となる。地下システムは、盗難や破壊行為にも強い。
【0024】
図1
図1では、電気自動車(EV)101が、地上送受信機ステーション(GTS)102の上方にワイヤレス充電のために駐車されている。
図1では、ワイヤレス充電中のEV101が示されている。EV101は、GTS102がEV搭載の車両送受信機ステーション(VTS)(図示せず)と位置合わせされるように配置されている。前記GTS102は、1若しくはそれ以上の地上送受信機アセンブリ(GTA)を含む。
【0025】
第1の格子103は前記GTS空冷システムの吸気口として機能し、第2の格子104は排気口として機能する。前記EV101は、充電レーン105に駐車または静止していてもよい。この例示では、前記充電レーン105は縁石106によって片側が区切られている。
【0026】
街灯柱107は、前記充電レーンに隣接して配置されてもよい。前記街灯柱107は、前記充電レーン105を観察するために配置されたカメラ108を取り付けるために使用することができ、また、サンプル構成において熱分散システムの一部として使用することもできる。
【0027】
ワイヤレス電力伝送(WPT)保管庫の構成例を、
図2に切断側面図で示す。この実施形態に示される保管庫構造201は、完全に舗装202の表面レベルの下にある。地上充電器アセンブリ203またはアセンブリ(コイルアセンブリのモジュール設計のため、WPTのために並列に動作する1若しくはそれ以上の地上送受信機アセンブリ(GTA)を含む1若しくはそれ以上のコイルが存在する可能性がある)は、全天候型容器内に収容される。前記保管庫構造201は、少なくとも、第1の格子204と第2の格子205を有する2若しくはそれ以上の表面格子を介して通気される。
【0028】
保管庫床206と保管庫壁207は、鉄筋コンクリート製が好ましい。壁の厚さは、材料の強度、関連する市、州、県、国の規制、予想される最大車両重量(例えば、米国道路交通官協会(AASHTO)のH-20規格)によって決定される。前記地上充電器アセンブリ203の周囲にある前記格子204と205と前記容器も、予想される最大重量に耐えなければならない。
【0029】
水だめ208により、保管庫から水を除去することができる。保管庫空洞209の全深さは建築基準法により制限される場合があるが、前記保管庫床206に堆積した破片を覆う空気の流れを可能にするため、少なくとも0.25メートルであるべきである。前記水だめ208の上にある角度のついた格子(図示せず)は、詰まりや、熱交換ユニット210の下に収集された残骸が通過するのを防ぐ。前記保管庫空洞209は、前記熱交換器210および付属電子機器(図示せず)に人がアクセスすることもできる。
【0030】
前記格子204および205のいずれかは、排気ファン(前記熱交換器210の一部)の方向に基づいて、吸気口または排気口として機能することができる。前記格子204および205から落下または風に堆積したごみ(例えば、葉、紙類、プラスチックごみ)を除去するために、必要に応じて通気方向および風速を変更することができる。ベルヌーイの原理の効果により、熱交換器の下の空隙で空気が動き続ける。
【0031】
通気速度の変更は、充電セッション前または充電セッション中に、前記地上充電アセンブリ203内部温度が閾値に達したときに、定期的に、(前記熱交換ユニット210内部のブロワー電動機電流引き込みによって検出される)排出通気口背圧の上昇に応答して、または前記充電保管庫構造201を観察するために取り付けられたオプションの外部カメラ(複数可)(例えば、
図1のカメラ108)からの閉塞検出によって、発生するように設定することができる。
【0032】
排出方向はまた、車両によって覆われていない格子204および205がコンセントとして機能することを可能にするWPT充電セッションの前に設定することができる。車両位置は、舗装埋め込みセンサー(例えば、車両の重量、車両の磁気シグネチャーなどから)213および214によって、または俯瞰カメラ108によって決定することができる。この排気口の選択により、車両への熱負荷が低減されるだけでなく、車両シャーシを使用して、前記第1の格子204または第2の格子205のうちのいずれかが吸入口として選択されている吸入口への破片の侵入を防止するのに役立つ。
【0033】
あるいは、前記EV101が排出口の上に配置されたときに排出方向を反転させ、(ステーション制御装置(図示せず)の指示のもと)寒い地域ではEV101を暖めやすくし、暑い地域では排気速度を上げて前記EV101を冷やしやすくすることもできる。
【0034】
前記排出格子204および205は、スタンドオフ211および212によって前記地上充電アセンブリ(またはアセンブリ)203から分離されてもよい。これらのスタンドオフ211および212は、前記格子204および205の便利な位置決めを可能にする。
【0035】
図3は、誘導ワイヤレス電力伝送システムを収容するための地下冷却保管庫305を使用した充電ステーション301の上面図である。前記地下冷却保管庫305は舗道302の下にある。前記舗道302は、この例では、前記舗道302と歩道304の間にある縁石303によって縁取られている。前記地下冷却保管庫305は、前記EV101(図示せず)の正中線と前記地上送受信機ステーション(GTS)308の正中線との位置合わせが容易にできるように、前記縁石303から距離310をとって設置されている。
【0036】
この例では、前記GTS308は、EV充電用の4つの地上送受信機アセンブリ(GTA)311を備えている。前記地下冷却保管庫305は、通信ブリッジとインターフェース、電力変換器、力率補正用電子機器を含む電気機器を格納するための補助電子機器格納庫309も備えている。前記格納庫309は、独立したサービスカバーを持ち、埋め込まれている。
【0037】
第1の格子306と第2の格子307は、保管庫カバーのソケットにはめ込まれた鋳鉄製格子で、保管庫上面全体を前記舗道302と同一平面にする。
【0038】
図4A
図4Aは、第1の排出格子402と第2の排出格子403で二面を囲まれたGTSボックス401を持つ、最も単純な保管庫構成の上面図である。前記第1の排出格子402または前記第2の排出格子403のいずれかが吸気口または排気口として機能する可能性があることに注意されたい。この保管庫は、a)EV機会充電が提供される交通レーン、b)EVが歩道の縁石に駐車できる充電レーン、またはc)充電ステーションやデポのような駐車場スペースへの設置に適している。前記GTSボックス401と前記排出格子402、403の幅404は、一般的なEVのホイールベースよりも狭くてもよいが、走行車線や駐車スロットよりも広くはならない。
【0039】
図4B
図4Bは、掘削に対する既存の障害物(トンネル、パイプ、通信線、電線など)のために舗道内および舗道下に最小限のスペースしか存在しない歩道の縁石配置用の保管庫の上面図である。前記GTSボックス401は、前記縁石405から距離406だけ離れた充電レーン410に設置される。第2の排気格子402は舗道面と面一で前記GTSボックス401の隣にあり、第2の排気格子407は面一で歩道409に埋め込まれている。前記第2の排気格子407は、美観、歩きやすさ(例えば、靴のかかとが引っかからないような大きさの格子、こぼれないように高摩擦仕上げの格子)、あるいはゴミや破片の侵入を防ぐために最適化されることがある。追加の地下ダクト408が、空気の通過のために前記2つの排気格子402と407を取り付ける。
【0040】
図4D
図4Dは、前記歩道409に埋め込まれた補助電子機器格納庫412を備えた縁石405に隣接する保管庫の上面図である。第1の排出格子402と第2の排出格子403は、前記GTSボックス401と前記補助電子機器格納庫412によって発生する熱の冷却吸入口または排気口として機能する。
図4Dの設計では、前記GTSボックス401と前記廃棄格子402および403はすべて前記舗道410と面一になっている。前記補助電子機器保管庫412は前記歩道409と面一である。前記補助電子機器保管庫412は、前記第1の排出格子402と前記第2の排出格子403から延びる空気ダクトで空冷され、液体冷却材によって前記熱交換器(図示せず)に移送され、追加のダクトとファンの必要性が取り除かれる。
【0041】
図4E
図4Eは、前記歩道409に埋め込まれた補助電子機器格納庫413を備えた縁石405に隣接する保管庫の上面図である。第1の排出格子402と第2の排出格子403は、前記GTSボックス401と前記補助電子機器格納庫413によって発生する熱の冷却吸入口または排気口として機能する。
図4Eの設計では、前記GTSボックス401と前記排出格子402および403はすべて前記舗道410と面一であり、前記縁石405から距離406だけずれている。前記補助電子機器格納庫413は、前記歩道409と面一で、前記縁石405から距離416だけずれている。前記補助電子機器格納庫413および前記GTSボックス401内の電気機器によって発生した熱は、液体冷却材を介して、前記格納庫413の下に取り付けられた前記熱交換器に移動される。この設計オプションでは、前記排出格子402および403と前記熱交換器は、設置に必要な舗道下の深さを制限するように配置される。掘削は、舗道に埋め込まなければならない前記GTSボックス401が必要とする深さに制限される。水ためと排水管(図示せず)は、前記補助電子機器格納庫413の下の前記熱交換器の下にある。前記空気ダクト414および415は、最大深さ(前記熱交換器(図示せず)の下)から最小深さ(この設計では前記GTSボックス401と同じ深さ)まで、前記排出格子402および403の下で傾斜している。
【0042】
図4F
図4Fの前記保管庫の設計では、前記排出格子402および403は、および前記GTSボックス401が前記縁石405から距離406の舗道面と同じ高さにある状態で、前記保管庫が前記舗道410に埋め込まれている。この設置例では、補助電子機器417は前記縁石405から距離416の位置にあり、前記歩道409と面一になっている。前記補助電子機器417は、空冷保管庫とは独立した、従来の受動的または能動的空冷を備えた表面機器ボックスに収容することができる。前記補助電子機器417は、電力および通信ラインを含む導管418を介して前記GTSボックス401に接続されている。
【0043】
図5A
図5Aは、縁石通気付きWPT保管庫の上面図である。前記GTS501は舗道502に埋め込まれており、地下通気空気通路503と504が冷却空気の移動のために通気縁石505と506に接続している。電気配管507と液体冷却水配管508は、GTS501と電子機器格納庫509(この設計では歩道510に埋め込まれているように示されている)を接続している。前記格納庫509は縁石512から距離511をおいて取り付けることができる。図示していないのは、前記GTS501の下に取り付けられた熱交換器で、前記GTS501と前記格納庫509内の電子機器の両方を冷却する役割を果たす。前記GTS501は車線端縁石512から距離513だけオフセットされている。
【0044】
図5B
図5Bは、道路舗道502と歩道510との間に設置された通気縁石505および506の例示的な設計の切断側面図を示す。通気縁石構造514は、その長さ方向に沿って形成された金属(例えば、鋳鉄、鋼、アルミニウム)格子515を有する長さ方向に中空である。相互接続ダクト516は、前記通気縁石構造514を空気ダクト503および504に接続し、熱交換器冷却ファンの方向に依存する冷却空気の吸入口または排気口として使用することができる。前記相互接続ダクト516は、前記通気縁石構造514のへり517を越えてくる水を排出する役割も果たす。
【0045】
図5C
図5Cは、中空通気縁石構造518を使用する前記通気縁石505および506の代替構成を示す。切断側面図で示されたこの例示的設計では、通気格子519は前記中空縁石構造518の上部に限定され、前記上部の前記通気縁石518、したがって地下空気ダクト503および504への前記相互接続ダクト516への街路水の流出物の浸入を最小限に抑える。
【0046】
図6
前記GTSが休止中で、ワイヤレス充電による暖房が行われていない間、雪や氷が通気に与える影響を緩和するため、補助暖房設備が設けられている。
【0047】
図6は、空冷式充電器601の構成例を示す上面図である。路面602は縁石603によって縁取られている。前記縁石603の横には歩道604が設けられている。WPTボックス605は、第1の排出格子606と第2の排出格子607が前記路面602と垂直に面一になるように前記路面602に埋め込まれている。ここでは4GTAユニットとして示されているGTS608も同様に、前記路面602と垂直方向に面一に配置されている。個々のGTAへの電力供給および電力制御のためのものと同様に、インバータおよび通信のための支持電子機器を含む電子機器格納庫609が、この実施例では前記WPT保管庫に収容されている。前記電子機器格納庫609は前記GTS608から熱的に隔離されているが、両者は液体冷却水配管を介して前記熱交換器(図示せず)を共有している。この例では、前記保管庫は前記縁石603から距離610だけ離した歩道縁石設置で、EVの位置決めが容易にできるようになっている。
【0048】
前記電子機器格納庫609には、補助的な埋め込み型加熱要素611を含めることができる。この加熱要素611は、排出格子606および607に取り付けられた二次熱交換器(図示せず)に循環される冷却水を加熱する目的で、前記GTS608が使用されていないときに熱を発生させることができる。この熱により、前記排出格子606および607に氷や雪が堆積するのを防ぐ。別の設計では、前記加熱要素611は加熱された冷却水を生成し、この冷却水は一次熱交換器(図示せず)に導かれ、一次熱交換器は冷却水を第1の排出格子606と第2の排出格子607に取り付けられた二次熱交換器(図示せず)に供給する。
【0049】
別の構成では、前記電子機器格納庫609に収容された前記埋め込み型加熱要素611は、寒冷時に前記GTS608が長時間静止しているときに熱風が生成されるように、一次熱交換ユニット(図示せず)に循環される加熱冷却水を生成することができる。この温風は交互に循環されるため、前記排出格子606および607の両方が交互に排出口として機能し、吹き出された温風によって雪や氷がない状態に保たれる。
【0050】
また、前記充電器601は、多くの配備地域で充電器の寿命の中でかなり異常な出来事である氷嵐や吹雪の間、動作しない可能性がある。
【0051】
さらに、前記GTS608自体も厳しい寒さからの保護が必要な場合がある。補助加熱配置611は、前記排出格子606および607の状態とは無関係に前記GTS608の温度を維持するために、一次熱交換器(図示せず)に直接給電するために使用することができる。
【0052】
付加的な構成では、高周波電気路が、前記電子機器格納庫609内のインバータから、各排出格子606および607に取り付けられた補助コイルまで延長される。これらのコイルは、氷や雪を除去するために必要なときに、前記排出格子606および607の鋳鉄要素に渦電流を誘導するために使用される。鋳鉄製の前記排出格子606および607は磁場をしっかりと拘束する。前記鋳鉄製排出格子606および607に補足的なコンデンサを追加して共振させることも可能である。前記電子機器格納庫609では、前記インバーターが充電セッション中に前記GTS608よりも低い周波数で交流電流を出力し、前記インバーターへのストレスを軽減する。補助的な共振コイル加熱の使用は、厳しい天候が続く中、断続的に数kWの電力しか必要としないと予想される。
【0053】
図7
排出格子704および705に取り付けられた二次熱交換器702および703を備えた空冷式地下WPT保管庫701の側面図を
図7に示す。GTSボックス706、舗装面707と面一になるように地下に取り付けられており、熱交換器708への液体冷却材の移送によって冷却される。外気温が氷点下近くまで下がると、前記排出格子704および705は、前記二次熱交換器702および703を介して加熱され、雪や氷の蓄積を防止または除去する。溶けた雪と氷は、排水口709を介して前記保管庫701から除去される。第1の排出格子704は、第1のスタンドオフ710によって前記GTSボックス706から分離され、第2の排出格子705は、第2のスタンドオフ711によって前記GTSボックス706から分離される。
【0054】
さらに別の代替構成では、前記排出格子704および705の下のプレナム・チャンバには、必要に応じて前記排出格子704および705を照らして保温するための第1および第2の非可視赤外線ライト712および713を取り付けることができる。
【0055】
図8
図8は、WPT保管庫熱交換ユニット801の構成例を詳細に示している。熱交換(HE)ユニット801は、熱交換器802、制御装置803、冷却水配管804、および気流発生器805の4つの主要なサブシステムを含む。
【0056】
前記熱交換器802は、従来の空冷式の液体冷却材と空気の交換であってもよい。前記液体冷却水配管804は、前記GTS806および任意の二次熱交換器(図示せず)への冷却水流量を制御するためのポンプ、バルブおよび分岐を含む。
【0057】
前記熱交換ユニット801は、センサ入力および予測モデルに基づいて熱交換制御装置(HEC)803によって制御および監視される。前記GTS806の温度センサー(図示せず)、および前記冷却水配管804と空気プレナム・チャンバ807と808に配置された温度センサーが、空気温度とGTS温度を測定する。前記GTS806はまた、充電セッションがアクティブであるときに、要求された電力転送を含む充電指示を前記HEC803に供給する。
【0058】
前記HEC803は、HE気流生成ユニット805が生成する冷却気流を調整するために、取得された温度と、地域環境、時間帯、季節のプリセットモデルを使用する。また、前記HEC803は、前記GTS806の熱制限、ならびに接触火傷(金属表面の場合、公称摂氏40度~45度)を防止するための最大許容加熱空気温度制限(例えば、周囲温度より摂氏10度高い)および吸入口および排出口格子温度(規制または規格(例えば、ASTMC1055:触火傷を生じさせる加熱システム表面状態のガイド)によって設定された最高温度)を使用する。
【0059】
図9
図9では、前記WPT保管庫の前記排出格子内の氷と雪の蓄積を補足的に制御するための誘導加熱システムが示されている。上述した格子加熱の他の方法と同様に、反転可能な気流も使用される。
【0060】
各保管庫901は、吸気または排気として交互に機能できる2若しくはそれ以上の排出格子902を備えて設計されている。前記誘導加熱された吸気または排気システムの一部分を示す。
【0061】
前記排出格子902は、鋳鉄または鉄合金で構成され、サンプル構成である。前記排出格子902の下面に取り付けられたコイル903は、鋳鉄とよく結合する25kHzから50kHzの共振周波数を持つ。前記共振周波数と最初の10個の高調波周波数の波長は、前記鋳鉄格子の最大のギャップ間隔(3~4メートル)よりも桁違いに小さいので、前記排出格子902は効果的な磁気シールドとして機能する。
【0062】
前記コイル903は、複数のワイヤ巻線からなる。前記コイル903は、AC電源905から有線(例えば、リッツ線)接続904を介してAC電力信号を受信する。
【0063】
予想される地域の天候の厳しさと格子のサイズに応じて、複数の前記コイル903を前記排出格子902に取り付けることができる。容量や冗長性のために複数の電源905を設置することもできる。
【0064】
図10
図10は、充電デポの空中図である。いくつかの充電位置1001、1002、1003、1004が、隆起した島構造1005の周りに描かれている。ダクト、通気口、およびプレナム構造を備えた特定の地下空冷保管庫を備えた、2つの異なるタイプの充電位置がそれぞれ示されている。充電デポのWPT設置は、特定の車種に対応するように、電力供給とレイアウトをカスタマイズすることができる。
【0065】
第1の例示的な充電位置である第1のタイプの高出力充電位置1003、第1の排出格子1006、6個のGTAを有するモジュラーGTS1007、オフセットされた第2の排出格子1008、および第3の排出格子1009を有する。
【0066】
第2の例示的なタイプの高出力充電位置1001は、第1の排出格子1010、第2の排出格子1011、および4つのGTAを有するモジュール式GTS1012を備える。
【0067】
第2のタイプの充電位置1002を使用する第1のバス1013が示されている。露出した排出格子1014は、この例では空冷GTS保管庫の排気として使用される。
【0068】
前記第1のタイプの充電位置1004を使用する第2のバス1015が示されている。車線内露出排出格子1016と島格子1017は、前記空冷GTS保管庫の排気に使用される。
【0069】
車線マーカー1018と1019、および盛り上がった島1005は、充電のための交通車線を区切るために使用される。
【0070】
別の構成では、過熱管のような追加の受動的冷却装置も、前記熱交換器によって地下の冷却タンク、または金属縁石、ラジエータのような地表の受動的冷却要素、または排出孔付き車止めポール内に隠された二次熱交換器のような能動的冷却構造、またはフルート状の排出孔付き中空街路灯のように偽装されたものに熱を移動させるために使用することができる。前記街路灯107(
図1)は、セキュリティ照明、ビデオ監視カメラ108108、およびローカルエリア・ワイヤレス・ネットワーク・アンテナを取り付けるために使用することもできる。
【0071】
結論
以上、様々な実施態様について説明してきたが、これらは例示として提示されただけであり、限定するものではないことを理解されたい。例えば、上述したシステムおよび方法に関連する要素のいずれもが、本明細書で上述した所望の機能のいずれかを採用することができる。従って、好ましい実施態様の広さおよび範囲は、上述したサンプル実施態様のいずれかによって限定されるべきではない。
【0072】
本明細書で説明する方法の態様を実施するロジック、コマンド、または命令(例えば、熱交換制御装置)は、デスクトップまたはノートブック型パーソナルコンピュータ、タブレット、ネットブック、およびスマートフォンなどのモバイルデバイス、クライアント端末、およびサーバホストマシンインスタンスなどのコンピュータシステムのための任意の数のフォームファクタを含むコンピュータシステムにおいて提供されてもよい。本明細書で議論される別の実施形態は、本明細書で議論される技法の、そのような技法の機能を実行するそれぞれの手段を有する装置を含む、プログラムされたロジック、ハードウェア構成、または特殊な構成要素もしくはモジュールの他の形態への組み込みを含む。そのような技術の機能を実施するために使用されるそれぞれのアルゴリズムは、本明細書に記載される電子的動作の一部またはすべてのシーケンス、または添付の図面および以下の詳細な説明に描かれる他の態様を含むことができる。本明細書に記載の方法を実施するための命令を含むこのようなシステムおよびコンピュータ可読媒体も、サンプル実施形態を構成する。
【0073】
前記制御装置に関して本明細書で説明する機能は、一実施形態ではソフトウェアで実装することができる。ソフトウェアは、ローカルまたはネットワーク接続された1若しくはそれ以上の非一過性メモリまたは他のタイプのハードウェアベースの記憶装置などのコンピュータ可読媒体またはコンピュータ可読記憶装置に記憶されたコンピュータ実行可能命令から構成されることができる。さらに、このような機能はモジュールに対応し、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。複数の機能を所望に応じて1若しくはそれ以上のモジュールで実行してもよく、説明した実施形態は単なる例に過ぎない。ソフトウェアは、デジタルシグナルプロセッサ、ASIC、マイクロプロセッサ、またはパーソナルコンピュータ、サーバ、または他のコンピュータシステムなどのコンピュータシステム上で動作する他のタイプのプロセッサ上で実行され、そのようなコンピュータシステムを具体的にプログラムされた機械に変えることができる。
【0074】
本明細書で説明する例は、プロセッサ、ロジック、または多数の構成要素、モジュール、または機構(本明細書では「モジュール」)を含むか、またはそれらで動作する可能性がある。モジュールは、指定された動作を実行することができる有形エンティティ(例えば、ハードウェア)であり、特定の方法で構成または配置されてもよい。一例として、回路は、モジュールとして指定された方法で(例えば、内部的に、または他の回路などの外部エンティティに対して)配置されてもよい。一例では、1若しくはそれ以上のコンピュータシステム(例えば、スタンドアロン、クライアントまたはサーバコンピュータシステム)または1若しくはそれ以上のハードウェアプロセッサの全体または一部は、指定された動作を実行するように動作するモジュールとして、ファームウェアまたはソフトウェア(例えば、命令、アプリケーション部分、またはアプリケーション)によって構成されてもよい。一例として、ソフトウェアは、機械可読媒体上に存在してもよい。ソフトウェアは、モジュールの基礎となるハードウェアによって実行されると、ハードウェアに指定された動作を実行させる。
【0075】
したがって、「モジュール」という用語は、物理的に構成され、具体的に構成され(例えば、ハードウェアに組み込まれた)、または一時的に(例えば、一時的に)構成され(例えば、プログラムされ)、指定された方法で動作し、または本明細書に記載の動作の一部または全部を実行する、有形ハードウェアおよび/またはソフトウェア実体を包含すると理解される。モジュールが一時的に構成される例を考慮すると、モジュールの各々は、任意の瞬間においてインスタンス化される必要はない。例えば、モジュールがソフトウェアを使用して構成された汎用ハードウェアプロセッサからなる場合、汎用ハードウェアプロセッサは、異なる時点でそれぞれの異なるモジュールとして構成されてもよい。それに応じて、ソフトウェアは、例えば、ある時点では特定のモジュールを構成し、異なる時点では異なるモジュールを構成するように、ハードウェアプロセッサを構成することができる。
【0076】
当業者であれば、本明細書に含まれる開示は車両への電力供給に関するものであるが、これは多くの可能な用途のうちの1つに過ぎず、非車両用途を含む他の実施形態が可能であることを理解されたい。例えば、当業者は、顧客が待ち行列で待ち、顧客が待ち行列を移動する際に顧客の電子機器に充電を提供することが望まれる多数の用途が存在することを理解するであろう。例えば、歯ブラシ、携帯電話、および他の装置を充電するために使用されるもの(例えば、PowerMat(商標))のような誘導ポータブル消費者電子装置充電器は、本明細書に記載されるように管理され得る。したがって、これらおよび他のこのような用途は、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【国際調査報告】