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  • 特表-標的指示のための追跡発射体 図1A
  • 特表-標的指示のための追跡発射体 図1B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-01-28
(54)【発明の名称】標的指示のための追跡発射体
(51)【国際特許分類】
   F41G 7/22 20060101AFI20250121BHJP
   F41F 3/042 20060101ALN20250121BHJP
   F41F 3/06 20060101ALN20250121BHJP
   F41F 3/08 20060101ALN20250121BHJP
【FI】
F41G7/22
F41F3/042
F41F3/06
F41F3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024535182
(86)(22)【出願日】2022-12-08
(85)【翻訳文提出日】2024-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022052282
(87)【国際公開番号】W WO2023107633
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】63/288,586
(32)【優先日】2021-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524221260
【氏名又は名称】インサイツ インターナショナル ホールディングス エルエルシー ディビーエイ ナントラック インダストリーズ
【氏名又は名称原語表記】INSIGHTS INTERNATIONAL HOLDINGS,LLC,DBA NANTRAK INDUSTRIES
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、エバン
(72)【発明者】
【氏名】パーカー、エバン ジャクソン
(57)【要約】
標的へと埋め込まれたときに、場所および位置情報などの情報をコンピューティングデバイスに送信することができる発射体を含む、軍需品送達のためのシステムおよび方法。コンピューティングデバイスは、この情報を兵器システムに中継することができ、兵器システムは、軍需品を標的に正確に送達することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的指示のためのシステムであって、
発射体であって、
信号を生成するようにプログラムされている電子コンポーネントと、
前記信号を送信するように構成されている送信機と、を備える発射体と、
コンピューティングデバイスであって、
前記送信機から前記信号を受信する工程と、
前記信号に基づいて前記発射体の位置を決定する工程と、
前記発射体の前記位置に関する情報を収集する工程と、
前記発射体の前記位置に関する前記情報に基づいて、
前記発射体が所定の期間にわたって移動を停止していたこと、
前記発射体が前記所定の期間にわたって所定の速度閾値未満で移動していたこと、または
前記発射体が所定の期間にわたって所定の距離未満だけ移動したこと、のうちの1つ以上を決定する工程と、
前記決定に基づいて、前記発射体の前記位置に関する情報を兵器システムに中継する工程と、を行うようにプログラムされている、コンピューティングデバイスと、
前記兵器システムであって、
中継された前記情報に基づいて前記発射体の前記位置を軍需品に送達する工程を行うようにプログラムされている、兵器システムと、を備える、システム。
【請求項2】
前記兵器システムは航空機兵器システムを含み、前記軍需品は航空機打上げ軍需品を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記兵器システムは大砲兵器システムを含み、前記軍需品は大砲打上げ軍需品を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記信号は位置情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記位置情報はGPS位置情報を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記信号はビーコン信号を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記コンピューティングデバイスは、自律車両に一体化されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピューティングデバイスは、前記情報を第2のコンピューティングデバイスに中継するようにプログラムされており、前記第2のコンピューティングデバイスは、前記情報を前記兵器システムに中継するようにプログラムされている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記軍需品はスマート兵器を含み、前記コンピューティングデバイスは、
前記軍需品が前記兵器システムによって打ち上げられた後、前記発射体の前記位置に関する前記情報を前記軍需品に連続的に中継するようにプログラムされている、コンピューティングデバイスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記兵器システムは、船舶または潜水艦のうちの1つ以上であり、前記軍需品は水中軍需品を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記水中推進軍需品は魚雷を含む、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、軍需品の追跡および軍需品送達である。
【背景技術】
【0002】
背景技術の記載は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書において提供される情報のいずれかが先行技術であるかもしくは現在特許請求の範囲に記載の発明に関連すること、または具体的にもしくは暗示的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0003】
正確な軍需品送達は極めて重要である。戦闘において、誤った軍需品送達は、意図しない死傷および損害をもたらし得る。レーザ指示器、GPS誘導式兵器、および他の改良は、武器を送達することができる正確度および精度を向上させた。しかしながら、制限が残っている。これらのシステムの多くは、標的が静止したままであること、または有効であるために視距離内にあることを必要とする。したがって、標的が移動するか、または覆い隠される場合、軍需品送達のために標的を追跡する能力が失われ得る。さらに、移動標的上に標的指定を維持するために、マーキング機器(例えば、レーザ指示器)は、標的とともに移動しなければならず、そうでなければ、標的は、範囲外に移動し、失われる可能性がある。
【0004】
したがって、複数の環境および条件において移動する標的を考慮することができ、長期間にわたって有効であり続けることができる、正確な軍需品送達システムの必要性が依然として存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明の主題は、電子コンポーネントおよび送信機を備える発射体がコンピューティングデバイスに信号を送信することができる装置、システム、および方法を提供する。コンピューティングデバイスは、信号に基づいて、発射体の位置を決定し、この位置情報を兵器システムに中継することができ、武器システムは、位置情報を使用して、発射体の位置に軍需品を送達する。
【0006】
発射体によって発せられた信号は、GPS位置情報などの位置情報を含むことができる。実施形態では、信号は、発射された兵器システムおよび/または軍需品が検出でき、軍需品を標的に誘導するために使用することができるビーコン信号であり得る。
【0007】
軍需品を送達するために使用される兵器システムは、航空機、キャノン砲もしくは大砲車両、ドローン、または他の兵器システムであることが可能である。コンピューティングデバイスは、実施形態では、兵器システムに一体化されていることができる。他の実施形態では、コンピューティングデバイスは、(コマンドポストまたは基地などにおいて)武器システムとは別個であり得る。
【0008】
実施形態では、信号は、発射体からコンピューティングデバイスに直接送信されることができる。他の実施形態では、中間デバイスを使用して、発射体からの信号をコンピューティングデバイスに中継することができる。例えば、中継システムは、発射体の信号の範囲内にあるドローンまたは他の車両に埋め込まれることができ、次いで、より遠くにあるコンピューティングデバイスおよび/または兵器システムに信号を中継する。
【0009】
本発明の主題の様々な目的、特徴、態様および利点は、同様の数字が同様のコンポーネントを表す添付の図面とともに、好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【0010】
本明細書において特定されるすべての刊行物は、各個々の刊行物または特許出願が具体的かつ個別に参照により組み込まれることが示されているように、参照により組み込まれる。組み込まれた文献における用語の定義または使用が、本明細書において提供されるその用語の定義と一致しないまたは反対である場合、本明細書において提供されるその用語の定義が適用され、文献におけるその用語の定義は適用されない。
【0011】
以下の記載は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。本明細書において提供される情報のいずれかが先行技術であるかもしくは現在特許請求の範囲に記載の発明に関連すること、または具体的にもしくは暗示的に参照される任意の刊行物が先行技術であることを認めるものではない。
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明の特定の実施形態を記載および特許請求するために使用される成分の量、濃度などの特性、反応条件などを表す数は、いくつかの場合では「約」という用語によって修飾されるものと理解される。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書および添付の特許請求の範囲において説明される数値パラメータは、特定の実施形態によって得ようとする所望の特性に応じて変化し得る近似値である。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効数字の数を考慮して、通常の丸め技法を適用することによって解釈される。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、特定の実施例において示される数値は、実施可能な限り正確に報告されている。本発明のいくつかの実施形態において提示される数値は、それらのそれぞれの試験測定において見出される標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を含み得る。
【0013】
文脈が反対を示さない限り、本明細書において示されるすべての範囲は、自身の終点を含むものとして解釈され、オープンエンドの範囲は、商業的に実用的な値のみを含むものとして解釈される。同様に、値のすべてのリストは、文脈が反対を示さない限り、中間値を含むものとみなされる。
【0014】
本明細書における記載および以下の特許請求の範囲全体を通して使用される際、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」の意味は、文脈が明確に別様に示さない限り、複数の参照を含む。また、本明細書の記載において使用されるように、「に(in)」の意味は、文脈が明確に別様に示さない限り、「に(in)」および「に(on)」を含む。
【0015】
本明細書における値の範囲の記載は、単に、その範囲内に入る各別個の値を個々に参照する省略方法として機能することが意図される。本明細書において別段の指示がない限り、各個々の値は、本明細書において個々に記載されているかのように本明細書へと組み込まれる。本明細書に記載されるすべての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明確に否定されない限り、任意の適切な順序により実施されることが可能である。本明細書における特定の実施形態に関して提供される任意のおよびすべての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明をより良く説明することを意図しており、別様に特許請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる言語も、本発明の実施に不可欠な任意の特許請求されていない要素を示すと解釈されるものではない。
【0016】
本明細書に開示される本発明の代替要素または実施形態のグループ化は、限定として解釈されるものではない。各グループメンバーは、個別に、またはグループの他のメンバーもしくは本明細書に見出される他の要素との任意の組み合わせにより、参照され特許請求されることが可能である。グループの1つまたは複数のメンバーは、利便性および/または特許性の理由のため、グループに含まれるか、またはグループから削除されることが可能である。任意のそのような包含または削除が生じるとき、本明細書は、本明細書において、修正されたグループを含み、したがって、添付の特許請求の範囲において使用されるすべてのマーカッシュグループの記載された説明を満たすとみなされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A】図示される兵器システムは航空機である、本発明の主題のシステムの概略図。
図1B】図示される兵器システムは大砲車両である、本発明の主題のシステムの概略図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図2は、本発明の主題のシステムおよび方法において使用するための発射体の一例を示す。
図3は、本発明の主題の実施形態による、システムによって実行される処理のフローチャートを提供する。
【0019】
コンピュータを対象とする任意の言語は、サーバ、インタフェース、システム、データベース、エージェント、ピア、エンジン、コントローラ、または個々にもしくは集合的に動作する他の種類のコンピューティングデバイスを含む、コンピューティングデバイスの任意の好適な組み合わせを含むように読まれることに留意されたい。コンピューティングデバイスは、有形の非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、RAM、フラッシュ、ROMなど)に記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成されているプロセッサを備えることが理解される。ソフトウェア命令は、好ましくは、開示される装置に関して以下に説明されるような役割、責任、または他の機能を提供するようにコンピューティングデバイスを構成する。特に好ましい実施形態では、様々なサーバ、システム、データベース、またはインタフェースは、場合によってはHTTP、HTTPS、AES、公開-秘密鍵交換、ウェブサービスAPI、既知の金融取引プロトコル、または他の電子情報交換方法に基づく、標準化されたプロトコルまたはアルゴリズムを使用してデータを交換する。データ交換は、パケット交換ネットワーク、インターネット、LAN、WAN、VPN、または他の種類のパケット交換ネットワークを介して行われることが好ましい。
【0020】
以下の説明は、本発明の主題の多くの例示的な実施形態を提供する。各実施形態は、本発明の要素の単一の組合せを表すが、本発明の主題は、開示される要素のすべての可能な組合せを含むように考えられる。したがって、1つの実施形態が要素A、B、およびCを含み、第2の実施形態が要素BおよびDを含む場合、本発明の主題はまた、明示的に開示されていなくても、A、B、C、またはDの他の残りの組合せを含むように考えられる。
【0021】
図1Aは、本発明の主題の実施形態に係るシステムを示す。
図1Aに見られるように、システム100は、標的120に埋め込まれている発射体110を含む。標的120は、(図1に見られるような)車両、人、動物、または他の静止標的もしくは移動標的であることが可能である。
【0022】
以下にさらに説明されるように、発射体110は、送信信号130の範囲内にあるコンピューティングデバイス140によって検出される送信信号130を生成する電子コンポーネントおよび送信機コンポーネントを備える。
【0023】
実施形態では、コンピューティングデバイス140は、次いで、発射体110(したがって、標的120)に関する情報を、軍需品160を運ぶ軍需品送達システム170(この場合、爆撃機)に通信することが可能である。企図される軍需品送達システム170は、有人航空機、ドローン、キャノン砲、船舶ベースの兵器システム、他の地上車両ベースの兵器システム、固定地上ベースの兵器システムなどを含むことが可能である。ある実施形態では、軍需品送達システム170および軍需品160は、単一のシステムであることが可能である。例えば、巡航ミサイル、「自殺」ドローンなどの徘徊型武器である。例えば、図1Bは、兵器システム170が大砲車両であるシステムを示す。
【0024】
実施形態では、爆撃機170は、コンピューティングデバイス140の届く範囲内になくてよい。これらの実施形態では、コンピューティングデバイス140は、情報をコンピューティングデバイス150(動作の基地、より大きい車両などにあり得る)に中継し、次いで、情報を爆撃機170に中継する。したがって、図1A図1Bに示されるものなどの実施形態では、コンピューティングデバイス140またはコンピューティングデバイス150は、比較的短距離の通信信号130を受信し、次いで、長距離通信ネットワークを介して爆撃機170および/または軍需品160のうちの1つまたは複数に情報を送信することが可能である中継デバイスであることが可能である。図1A図1Bに示されるものなどの実施形態では、コンピューティングデバイス140は、発射体110の通信範囲内において徘徊しているかまたは位置決めされているドローンまたは他の自律車両上にあることが可能である。
【0025】
本発明の主題の実施形態では、軍需品160は、それ自体の内部通信および誘導システムを有するスマート兵器であることが可能である。これらの実施形態では、システムは、爆撃機170に加えて、またはその代わりに、発射体110からの情報を軍需品160に直接通信することが可能である。軍需品160とのこの通信は、軍需品160が爆撃機170にまだ取り付けられている間に、また、打上げ後に、軍需品160がその標的に向かって飛行中である間に行うことができる。
【0026】
図2は、本発明の主題の目的のために使用されることが可能である適切な発射体システムの一例を示す。図2のシステムは、本出願人の米国特許出願第16/900,226号でより詳細に論じられており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0027】
発射体110は、弾丸が組み立てられたときにハウジング外骨格220内に封入される電子コンポーネント210を備える。図2に示される実施形態では、電子コンポーネント210は送信機を含み、したがって、信号送信のためにアンテナ240に結合される。組み立てられる際、コア260が減速スリーブ230の第1の端部へと挿入される。コア260は、衝撃時および標的体への進入時に変形する材料により作製される。例えば、コア260は、鉛コアであり得るか、または別の適切な材料(例えば、ポリマー、複合材料、銅、鋼、または他の硬質もしくは軟質金属)から作製され得る。
【0028】
減速スリーブ230は、電子コンポーネント210を含むハウジング外骨格220を収容し、そのすべてが外側ジャケット250内に収容されている。次いで、外側ジャケット250が組み込まれて、弾丸200のアセンブリが完成する。しかしながら、組み立てられた弾丸において、コア260の先端は露出しており、外側ジャケット250によって完全には包み込まれていないことに留意されたい。これは図2から見られる。
【0029】
図2に見られるように、発射体110、装薬270、ケースおよび雷管280は、その後、完成したカートリッジ290へと組み立てられる。
電子コンポーネント210は、アクティブであるときにデバイスの位置を追跡するように設計された追跡デバイス(例えば、GPSデバイスまたは他の位置決定システム)を含むことができる。それは、典型的には、位置データおよび他の種類のデータを通信するためなど、遠隔コンピュータにデータを送信することができる送信機を備える。電子コンポーネント210はまた、(心拍、温度、標的命中の種類などの標的のバイオメトリック態様を監視することができる)バイオモニタ、マイクロホンなどのコンポーネントを含むことができる。典型的には、発射体110の特定の目的のためのハードウェア(例えば、センサ、送信機など)を有することに加えて、電子コンポーネント210は、電子コンポーネント210が自身の機能を実行するためのプログラミングを記憶するプロセッサおよび物理メモリ(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、固体メモリなど)を備える。電子コンポーネント210はまた、電子コンポーネント210の様々な部分に電力を供給するためのバッテリまたは他の種類のポータブル電源を備える。
【0030】
図2に示される電子コンポーネント210は、ハウジング外骨格220内に嵌合するように成形されたポッティング材料に収容されている。電子コンポーネント210を収容するために、電子コンポーネント210は、モールド内に配置され、次いで、ポッティング材料がモールドへと注入され、電子コンポーネント210を包み込む。次いで、ポッティング材料は、電子コンポーネント210の周囲で硬化し、ポッティング材料がハウジング外骨格220内に嵌合する適切な形状であるように、組み立てられた電子コンポーネント210を残す。これに代えて、電子コンポーネント210をハウジング外骨格220内に配置し、ポッティング材料が電子コンポーネントを包み込み外骨格220の内側の形状に硬化するように、ポッティング材料を外骨格220へと直接注入することができる。
【0031】
ポッティング材料は、このように成形することができるポリマーまたは他の材料であることが可能である。電子コンポーネント210は、図2では、説明のためにポッティング材料の内側に示されている。ポッティング材料は、電子コンポーネント210が見えるように透明または半透明であってよく、または内側の電子コンポーネント210が見えないように不透明であってもよい。
【0032】
図2における実施形態は、電子コンポーネント210の外部にあるアンテナ240を示す。アンテナ240は、様々な無線通信技術(例えば、WiFi、様々なスペクトルに沿ったセルラ通信(例えば、4G、5Gなど)、RF、Bluetooth(登録商標)、NFCなど)にわたる電子コンポーネント210への/からの無線通信を可能にする。したがって、信号130は、RF信号または他の種類の無線通信信号であり得る。
【0033】
電子コンポーネント210は、外部アンテナ240に加えて/代えて、内部アンテナを有することができると企図される。外部アンテナ240に加えて内部アンテナを有することは、電子コンポーネント210に追加の無線通信モダリティを提供することができ、これらのモダリティ間の同時データ送信を可能にすることができる。例えば、外部アンテナ240は、長距離RFアンテナであることができ、内部アンテナは、BluetoothまたはNFCアンテナなどの短距離アンテナであることができる。内部アンテナと外部アンテナとの両方を有することの別の利点は、配備中に外部アンテナが損傷し得ることである。これが生じた場合、内部アンテナ(同じまたは異なる無線技術のものであり得る)は、電子コンポーネント210がデータを送信/受信するためのバックアップ手法を提供するように機能する。
【0034】
本発明の主題の実施形態では、ハウジング外骨格220自体が、外部アンテナ240の代わりに、またはそれに加えて、アンテナとして使用されることができる。この特徴を有する発射体は、2021年9月28日に出願された「保護ハウジングをアンテナとして使用する軍需品送達システム(Ordnance Delivery System Using a Protective Housing as an Antenna)」と題された本出願人自身の米国特許出願第17/487,990号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0035】
電子コンポーネント210は、セルラタワー、衛星、リピータ、ネットワーキングデバイス、モバイルデバイス、および他のコンピュータデバイスと通信することができることが企図される。したがって、電子コンポーネント210は、コントローラのコンピューティングデバイスと直接通信するか、または様々な種類の通信技術を介して間接的に信号を中継することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、電子コンポーネント210の通信能力は、送信専用である。他の実施形態では、電子コンポーネント210は、データ送信を受信することもできる。これは、配備後に電子コンポーネント210の機能を変更することができる追加の命令、更新などを含むことができる。
【0037】
実施形態では、電子コンポーネント210は、他の弾丸200の他の電子コンポーネント210と通信して、アドホックメッシュ無線ネットワークを形成することができる。これは、状況のより完全な表現をコントローラのコンピューティングデバイスに中継するために使用されることができる。これはまた、1つまたは複数の弾丸200からの信号をコンピューティングデバイス140/150または爆撃機170に中継して戻すために使用され得る。例えば、一連の弾丸200は、各弾丸200が連鎖における2つの他の弾丸の通信範囲内にあるような距離で、意図された標的の近くの様々な位置で発射されることができ、一連の弾丸200は、オペレータ(この例では、爆撃機170)の通信範囲内で意図された標的から戻るように導く通信連鎖を形成する。このようにして、オペレータ(射撃者でもあり得る)は、単一の発射体200の送信範囲外にあり得る標的の位置を追跡することができる。同様に、この方法は、一度に複数の標的を標的とするために使用されることができ、爆撃機170は、現場で追加の機器を必要とすることなく、複数の標的を追跡し、同時に排除することができる。
【0038】
図3は、本発明の主題の実施形態による、システム100によって実行される処理のフローチャートを提供する。
工程310において、発射体110は標的120に入り、発射体110の送信機を介して信号130の送信を開始する。信号130は、発射体110の位置などの情報、および他の収集されたセンサ情報を含むことができる。位置情報は、オンボードGPSモジュールから、セルラタワーを用いた三角測量によって、または他の方法によって取得することができる。信号130の位置情報は、高度などの位置情報を含むこともできる。他の信号情報は、対応するオンボードセンサを介して集められた温度、湿度などの情報を含むことができる。標的が生物(例えば、動物または人間)である場合、センサ情報は、心拍の検出、温度、検出された化学物質などのバイオメトリック情報を含むことができる。
【0039】
本発明の主題の実施形態では、電子コンポーネント210のプロセッサは、標的に関する検出された条件または状況に基づいて、信号130の送信の開始を遅延させるようにプログラムされることができる。
【0040】
例えば、実施形態では、電子コンポーネント210のプロセッサは、GPSデバイスからの信号に基づいて、発射体110(したがって、それが埋め込まれている標的)が移動していることを判定することができる。プロセッサは、発射体110が一定時間にわたって移動を停止したと判定すると、信号130の送信を開始するようにプログラムされることができる。これは、発射体110が特定の時間量にわたって完全に移動を停止したか、特定の時間量にわたって移動しているが速度閾値未満であるか、または特定の時間量にわたって特定の距離内で移動しただけであるという判定であることができる。この閾値が満たされると、プロセッサは、信号130の送信を開始する。この実施形態は、オペレータが標的に対するオペレータの基地を決定することを望むユースケースに対処する。標的が操作のそれらの基地に戻って到着するまで送信を遅延させることによって、発射体110は、ターゲットがまだルートにある間にその信号130の放出を検出する機会を最小にする。
【0041】
これらの実施形態の変形例では、電子コンポーネント210は、周囲の信号環境を受動的に聞くようにプログラムされることができる。電子コンポーネント210が、周囲の信号環境が(電子妨害の存在またはデータ送信に好ましくない環境のいずれかに起因して)送信された信号130との干渉を引き起こすと判定した場合、電子コンポーネント210は、信号130の送信を遅延させることができる。その後、プロセッサが送信により有利であると判定するまで、その電子環境を受動的に監視し続けることが連続的または周期的に可能である。その時点で、送信を開始することができる。
【0042】
これらの実施形態の別の変形例では、電子コンポーネント210は、アンテナを介して、初期状態送信を送信することができる。コンピューティングデバイス140は、この信号を受信し、発射体110による成功した「チェックイン」を確認する応答を送信する。この確認を受信した後、電子コンポーネント210は、信号130の送信を開始する。
【0043】
電子コンポーネント210がコンピューティングデバイス140から応答を受信しない場合(コンピューティングデバイス140が最初のチェックインメッセージを受信しなかったか、または返信メッセージが電子コンポーネント210によって検出されなかったため)、電子コンポーネント210は、信号130の送信を遅延させることができる。最初のチェックインメッセージの後、電子コンポーネント210は、応答を受信するまで、後続のチェックインメッセージを周期的に送信することができる。応答が受信されると、電子コンポーネント210は信号130の送信を開始することができる。実施形態では、電子コンポーネント210は、チェックイン試行の最大数および/または成功した応答なしにチェックインを試行する時間の最大量によりプログラムされることができる。これらの実施形態では、電子コンポーネント210は、最大時間および/または試行の回数の閾値に到達すると、信号130の伝送を開始するようにプログラムされることができる。
【0044】
上述した遅延機能は、発射体110の発射前にオペレータによって電子コンポーネント210へと事前にプログラムされることができると企図される。このプログラミングは、発射体の発射前のある時点で発射体110と通信することができるコンピューティングデバイスを介して実行されることができる。これは、発射体110を兵器に装填する前に、または発射前に発射体110が兵器にある間に行うことができる。
【0045】
実施形態では、電子コンポーネント210は、信号130の送信を開始するための時間遅延を組み込んで、兵器システム170(例えば、爆撃機、キャノン砲など)が位置につく/可能性のある範囲内に入ることを可能にすることができる。例えば、兵器システム170が位置についている/発射準備完了状態になるのに要する時間の知識または見積りを有するオペレータは、兵器システム170が準備完了状態になる可能性が高いときに信号130の送信が開始されるように、この遅延を電子コンポーネント210へとプログラムすることができる。
【0046】
実施形態では、この遅延は、兵器システム170が標的を捕捉し、その軍需品160を送達するために位置についている/準備完了状態であることを確認するために、上記で議論されるチェックイン機能を含むことができる。これらの実施形態では、電子コンポーネント210は、兵器システム170および/または別のコンピューティングデバイス140による、兵器システム170が準備完了状態であるという確認を受信すると、信号130の送信を開始することができる。
【0047】
上述の遅延機能は、敵による発射体110の検出を回避する役割を果たすだけでなく、望ましくない/準最適な時間の間の送信を回避することによって、発射体110のオンボードバッテリを節約する役割も果たすことを、熟練した読者は理解する。
【0048】
実施形態では、電子コンポーネント210は、信号妨害を回避するために周波数ホッピング送信技術を使用するようにプログラムされることができる。この信号ホッピングは、デフォルト設定であってよく、または検出された妨害/非常に雑音の多い信号環境に応答してよい。信号ホッピングは、本明細書で説明される遅延送信の実施形態にも同様に組み込まれることができることも企図される。
【0049】
工程320において、コンピューティングデバイス140は、信号130を受信し、工程330において、信号130における情報をコンピューティングデバイス150に、または爆撃機170および/もしくは軍需品160に中継する。実施形態では、信号130は、デバイス150によって直接受信されることが可能である。さらに他の実施形態では、信号は、爆撃機170および/または軍需品160によって発射体110から直接受信されることが可能である(爆撃機170および/または軍需品160が信号130の範囲内にある場合)。
【0050】
工程330において、デバイス140、デバイス150、爆撃機170(オンボードコンピュータデバイスを介して)または軍需品160のうちの1つ以上が、信号130および/または信号130内に含まれる情報に基づいて、発射体110の位置を決定する。実施形態では、信号における情報は、位置情報(例えば、GPS情報)または発射体110の位置を決定するために使用されることが可能である他の情報を含むことが可能である。実施形態では、信号130自体が、発射体110の位置を決定するために、デバイス140、デバイス150、爆撃機170、または軍需品160のうちの1つまたは複数によってビーコンとして使用されることが可能である。
【0051】
デバイス140および/またはデバイス150が発射体110の位置を決定する実施形態では、位置情報は、次いで、爆撃機170および/または軍需品160に中継される。
実施形態では、コンピュータオンボード爆撃機170および/または軍需品160は、取得された情報に基づいて、発射体110のロックを確立することができる。
【0052】
工程340において、軍需品160は爆撃機170によって打ち上げられる。軍需品160が飛行中である間、たとえ発射体110が移動し始めても(発射体110が埋め込まれている物体の移動に起因して)、軍需品160が発射体110の位置にロックオンされたままであることができるように、工程320および330の処理が繰り返される。この処理は、軍需品160による衝撃まで繰り返され続ける。
【0053】
本発明の主題の実施形態では、信号130に含まれる情報を他のコンピューティングデバイスに中継し、ユーザに対して表示することができる。例えば、位置情報は、指令ポストにおいてコンピューティングデバイスに送信され、マップ上に表示されることが可能である。別の例では、場所および位置情報は、拡張現実(“AR”)システムを装備した近くの兵士に中継されることが可能である。発射体110の場所および位置は、次いで、これらのARシステムにリアルタイムに重ね合わされることが可能である。
【0054】
本発明の主題のシステムおよび方法は、軍需品を追跡し、水中の標的に送達するように使用され得ることも企図される。媒質のため、水中無線通信は、水の外側の通信とは異なる。したがって、これらの実施形態では、発射体110は、水中音響通信のための機器を担持することができる。これらの実施形態では、無人車両は、発射体110からの信号に基づいてターゲットを追跡し、周期的に浮上して、長距離無線通信を介して他のデバイスに場所を通信することができる。
【0055】
これらの実施形態では、兵器システム170は、水中用途のための発射体110を送達することができる任意の兵器システムであることができる。したがって、兵器システム170は、航空機、船舶、潜水艦などの有人または無人の車両であることが可能である。これらの実施形態では、発射体110は、水中推進送達システム、銛、スピア、または他の適切な水中配備発射体を介して配備することができる。軍需品160は、標的への信号に追従することができる魚雷または他の推進水中武器を含むことができる。これらの実施形態の変形例では、軍需品160は、発射体110からの近接または他の信号に基づいて爆発するようにプログラムされたコントローラを含む海軍の機雷を含むことができる。
【0056】
水中用途では、発射体110は、他の潜水艦または船舶が発射体110(したがって、標的)を追跡することを可能にするために雑音を生成することができる、雑音発生モジュール(例えば、スピーカまたは他の音響トランスデューサ、振動機構など)を含むこともできる。これらの雑音は、近くの航空機に発射体の相対位置を警告するピングまたは他の雑音であることが可能である。
【0057】
音および/または水中音響通信信号は、魚雷などの軍需品によって使用されて、埋め込まれた発射体110を運んでいる標的を捕捉および追跡することができる。
これらの水中実施形態では、発射体110の電子コンポーネント210は、深度情報を提供することができるセンサ(例えば、深度を検出することが可能な圧力センサまたは他のセンサ)を含むことができる。これらの実施形態では、プロセッサは、発射体110が閾値深度未満の深度にあるときを検出するようにプログラムされる。この時点で、電子コンポーネント210は、信号130の送信を開始する。これらの実施形態の変形例では、電子コンポーネント210は、発射体110が喫水線より上にあるという決定に基づいて、信号130の送信を開始することができる。
【0058】
発射体110は、様々な方法により発射されることができる。実施形態では、発射体110は、人間のユーザによって手動で操作される兵器(例えば、ライフルまたは他の火器)によって発射される。他の実施形態では、発射体110は、車両に搭載された兵器によって発射されることができる。車両は有人または無人であり得ることが企図される。企図される無人車両の例は、無人航空機(「UAV」)、無人地上車両(「UGV」)、および無人海中車両(「UUV」)を含むことができる。これらの無人車両は、その無人車両に取り付けられた、またはシステムに統合された発射体打上げ器を有することができ、発射体110は、標的に自動的に発射されるか、または遠隔人間オペレータによって遠隔操縦され発射されることができる。
【0059】
本明細書において使用される際、文脈が別段の指示をしない限り、「に結合される」という用語は、直接結合(互いに結合される2つの要素が互いに接触する)と間接結合(1つ以上の追加の要素が2つの要素間にある)との両方を含むように意図される。したがって、「に対して結合される」および「と結合される」という用語は同義的に使用される。
【0060】
当業者には、本明細書における発明概念から逸脱することなく、すでに記載されたもの以外のさらに多くの変更が可能であることが明らかである。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の趣旨を除いて限定されるものではない。さらに、明細書および特許請求の範囲の両方を解釈する際に、すべての用語は、文脈と矛盾しない可能な限り最も広いように解釈される。特に、「含む(comprises)」および「含んでいる(comprising)」という用語は、要素、コンポーネント、または工程を非排他的に指すものとして解釈され、参照される要素、コンポーネント、または工程が、明示的に参照されていない他の要素、コンポーネント、または工程とともに存在し、利用され、または組み合わせられてよいことを示す。明細書、特許請求の範囲が、A、B、C・・・およびNからなる群から選択されるもののうちの1つ以上を参照する場合、文章は、A+N、B+Nなどではなく、群から1つの要素のみを必要とするものとして解釈される。
図1A
図1B
【国際調査報告】